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特許7190044カテーテル関連尿路感染症を防止するためのデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】カテーテル関連尿路感染症を防止するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/16 20060101AFI20221207BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A61M39/16
A61M1/00 160
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021531783
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 IN2019050878
(87)【国際公開番号】W WO2020115762
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】201811045665
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】519196139
【氏名又は名称】セクレタリー・デパートメント・オブ・バイオテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クマール ニーマル
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ アニケット アナンド
(72)【発明者】
【氏名】ディクシット ディーピカ
(72)【発明者】
【氏名】松浦 康之
(72)【発明者】
【氏名】ジャー プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】シン ハーパル
(72)【発明者】
【氏名】ゴータム ヒテンダー
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513720(JP,A)
【文献】特表2017-513670(JP,A)
【文献】特表平07-501232(JP,A)
【文献】特開2002-113108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0011928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/16
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導尿カテーテルとドレナージ管との間を接続するアドオンデバイスであって、
電磁波を生成するための源を有する本体と、前記本体の底面に設けられたクリップ部とを備えるクリップオンデバイス(4)と、
前記カテーテルと接続する第1の接合部と、前記ドレナージ管と接続する第2の接合部と、前記第1の接合部と前記第2の接合部との間に設けられた中央部と、前記電磁波が透過するように作製された窓(2)と、を有し、前記カテーテルと前記ドレナージ管との間の結合部品であるカプラ(3)と、
を備え、
前記カプラ(3)は、前記中央部に前記窓と、前記窓の周囲に設けられたカプラ壁(3a)と、を有し、
前記カプラ(3)の前記窓は、前記本体からの前記電磁波が前記窓を透過して前記カプラ(3)内に到達するように、前記底面と対向するように配置され、
前記クリップオンデバイス(4)は、前記クリップ部が前記カプラ壁(3a)に嵌合することにより前記カプラ(3)上に取り付けられる、アドオンデバイス。
【請求項2】
前記カプラ(3)の前記窓(2)は、光透過性又は透明な材料で作製される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記窓(2)は、UV放射について少なくとも50%を超える透過率を有する溶融シリカガラス、又は石英ガラス、又は他の材料で作製されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記クリップオンデバイス(4)は、前記第1の接合部を覆うように配置される、請求項1~3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記クリップオンデバイス(4)の底面には、前記クリップ部から突出するように突出部が形成されており、
前記突出部は、前記クリップオンデバイス(4)が、前記カプラ(3)上に取り付けられた場合には、前記カプラ(3)を把持する、請求項1~4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、電磁波を間欠的に照射する、請求項1~のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
電磁波の前記源(5)は、UV光源(5)である、請求項1~のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
記カプラ(3)は、殺菌を補助する機能を有する光触媒材料又はTiO(16)により被覆されている、請求項1~7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記カプラ(3)又は/及び前記クリップオンデバイス(4)は、尿路内に前記電磁波を反射するための反射性材料(14)又は反射性材料の被覆を備える、請求項1~8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記カプラ(3)又は/及び前記クリップオンデバイス(4)は、電磁波の漏洩を防止するように適合されたシールド材料(13)を備える、請求項1~9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記カプラ(3)と前記クリップオンデバイス(4)とは、前記デバイス外への電磁波の漏洩を防止するように動作可能に結合される、請求項1~10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記クリップオンデバイス(4)は、ナノ振動、又は弾性表面波(SAW)、又は超音波、又はレイリー波、又はラブ波、又は任意の他の波、又は2つ以上のタイプの波の組合せを生成する少なくとも1つの振動変換器を備える、請求項1~11のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、一般に、カテーテルの分野に関し、より詳細には、カテーテル関連尿路感染症を防止するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、幅広い機能に役立つ、医療グレードの材料から作製される細い管である。特に、それらは、病気を治療するために、又は外科手術を実行するために身体内へ挿入され得る医療デバイスである。カテーテルは、心臓血管、泌尿器、胃腸、神経血管、及び眼科の適用例のために製造される。カテーテルを挿入するプロセスは「カテーテル挿入」である。
【0003】
導尿カテーテルは、膀胱から尿を収集し、導尿バッグに導く、中空の部分的に柔軟な管である。人が手術を受けた場合、又は自身の膀胱機能を制御することができない場合、人はカテーテルを必要とすることがある。導尿カテーテルには、多くのサイズ及びタイプがある。ある人が自身の膀胱を空にすることができない場合、カテーテルが一般に必要である。膀胱が空にされない場合、尿は蓄積し、腎臓内での圧力につながり得る。圧力は、腎不全につながる可能性があり、腎不全は危険であり、腎臓への恒久的な損傷をもたらす可能性がある。カテーテルには、3つのメインタイプ、すなわち、a)留置カテーテル、b)外部カテーテル、及びc)短期のカテーテルがある。
【0004】
尿道カテーテル又は恥骨上カテーテルとしても知られている留置カテーテルは、短期間及び長期間にわたり尿道内に存在するカテーテルである。留置カテーテルは、尿を導尿バッグへ排出する。カテーテルの端部にある小さなバルーンは、管が身体の外に滑り出ることを防止するために、水により膨張させられる。次いで、カテーテルが除去される必要がある場合、バルーンは収縮することができる。
【0005】
尿路感染症(UTI:Urinary Tract Infection)は、尿道、膀胱、尿管、及び腎臓を含む、泌尿器系の任意の部分に関与する感染症である。留置型導尿カテーテルは、多くの外科手術中に、尿失禁に苦しむ患者によって、又は排尿を制御することができないことがある、半身不随若しくは四肢不随のような障害のある個人によって、慣例的に使用される。カテーテル挿入は、排尿を管理する唯一の利用可能な手法であることがある。導尿カテーテルは、トイレへ流され得る尿を収集するための袋と組み合わせて存在する。
【0006】
カテーテル関連UTI(CAUTI:catheter-associated UTI)発症に関連する最も重要なリスク要因は、導尿カテーテルの長期間使用である。実際に、カテーテル挿入自体が、細菌又は菌類などの微生物をユーザの尿路及び/又は膀胱内へ導入する可能性がある。細菌又は菌類が留置型導尿カテーテルを介して尿路に進入し、その中で増殖し、感染症を引き起こす大きなリスクがある。カテーテル挿入中に感染症が発生する可能性がいくつかある。例えば、膀胱内への尿の逆流、非衛生的な挿入技法、排便からの細菌のカテーテルへの侵入、カテーテルのサイズ等である。したがって、カテーテルは、適当な症状のためにのみ使用されるべきであり、カテーテルが不要になったらすぐに除去されるべきである。
【0007】
カテーテル及び他の医療デバイスのための自己滅菌デバイスとして使用される、UV照射器を内蔵したデバイスが開示されている、公開番号米国特許出願公開第2015/0126976(A1)号が参照される。デバイスは、柔軟であり、UV照射カプラから紫外線(UV)光を受光するように構成される管状部材を備える。管状部材は、管状部材内の長手方向の内部空間を画定する内腔と、内腔の外側境界を画定する内壁と管状部材の外側表面を画定する外壁とによって境界を示される管状本体と、内腔の軸に平行でない内部空間の外部に配設され、UV照射カプラからのUV光を受光するように適合された少なくとも1つの光ファイバと、光ファイバから出射されたUV光の実質的に全てが外壁を出ることを防止するように適合された保護構成要素とを含む。
【0008】
同じことに関して、カテーテルを滅菌するために光源が挿入及び抜去される、少なくとも第1の内腔を備えたカテーテルを滅菌するための方法を開示する米国特許第9550005(B2)号も参照される。
【0009】
カテーテルと袋とのコネクタ上の音響クリップ式デバイスが開示されている米国特許出願公開第2007/0244423(A1)号も参照される。このデバイスは、外部圧電素子変換器又はバイブレータに関連付けられ、音波により、カテーテル内部のバイオフィルムが取り除かれる。クリップ式デバイスは、カテーテル表面上のバイオフィルムを防止するために、レイリー・ラム及び/又はラブ型の弾性表面波を導尿カテーテルに印加する。細菌は、振動するカテーテル表面に対して移動させられる。
【0010】
カテーテルに取り付けられる圧電セラミック素子ベースのデバイスが開示されている米国特許出願公開第2005/0038376(A1)号がさらに参照される。デバイスに電気が供給されると、セラミック素子が振動を生成し、バイオフィルムの変位をもたらす。振動プロセッサは、圧電セラミック素子において音響振動を生成する電気信号を提供し、カテーテル内に、又はカテーテルのまわりに振動を引き起こして、微生物コロニーを分散させ、それによって、感染症につながり得るバイオフィルムの形成を防止又は抑制する。
【0011】
カテーテルに関連付けられたバイオフィルムを防止又は処理するための装置、システム及び方法を開示するWO2003099100がまたさらに参照される。WO2003099100は、装置が、圧電セラミック素子に少なくとも1つの電気信号を供給するためのプロセッサを備え、少なくとも1つの電気信号が、圧電セラミック素子に振動を生成させ、それによって、バイオフィルムを処理することを開示する。
【0012】
長手方向の内部空間に面する内壁及び内腔の軸に平行でない内部空間の外部に配設され、UV照射カプラからUV光を受光し、少なくとも内腔の長さの一部に沿った内腔中へUV光を出射するように適合された、少なくとも1つの光ファイバを備える、紫外線滅菌ドレナージカテーテルを開示する米国特許第10183144(B2)号がさらに参照される。
【0013】
2つの経路感染、すなわち、管腔外(カテーテルの外面からの感染)と、管腔内(カテーテルの内面からの感染)とがある。UVベースのクリップ式デバイスが、先行技術において知られているが、これまでに開示されている先行技術の解決策を考慮すると、導尿カテーテルにおける管腔外経路感染と管腔内経路感染との両方を防止する、改良されたデバイスへの切実な必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以下の開示は、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本発明の簡略化された概要を提示する。本概要は、本発明の広範な概観ではない。本発明の重要/重大な要素を識別すること、又は本発明の範囲を描写することは、意図されていない。その唯一の目的は、後で提示される本発明のより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0015】
本発明の一目的は、管腔外と管腔内との両方において、カテーテル関連尿路感染症の発症を防止するカテーテルを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、導尿カテーテルのインラインの消毒のための手段を有するデバイスを提供することである。
【0017】
本発明のまた別の目的は、既存のカテーテルシステム及び手続きを変化させない導尿カテーテルのためのアドオンデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様において、導尿カテーテルドレナージ管の接合部同士を接続するためのアドオンデバイスであって、管の管腔外経路感染を防止するための弾性表面波(SAW)を生成する変換器と、管の管腔内経路感染を防止するための電磁波源とを含むクリップオンデバイスを備え、クリップオンデバイスは、カテーテルの接合部に接続されたカプラ上へ取り付けられる、アドオンデバイスが開示される。
【0019】
本発明の別の態様において、前述の態様において開示されるアドオンデバイスを備える導尿カテーテルが開示される。
【0020】
本発明の他の態様、利点、及び顕著な特徴は、以下の詳細な説明から当業者に明らかとなり、詳細な説明は、付属の図面と合わせて、本発明の例示的な実施形態を開示するものである。
【0021】
本発明の一定の例示的な実施形態の上記及び他の態様、特徴、並びに利点は、添付の図面と合わせて、以下の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による、カテーテル関連尿路感染症を防止するためのクリップオンデバイスを例示する図である。
図2-1】本発明による、クリップオンデバイス及びカプラの異なる斜視図を例示する図である。
図2-2】本発明による、クリップオンデバイス及びカプラの異なる斜視図を例示する図である。
図2-3】本発明による、クリップオンデバイス及びカプラの異なる斜視図を例示する図である。
図3】本発明の一実施形態による、カテーテルと導尿バッグとの間に取り付けられたカプラを例示する図である。
図4-1】本発明による、カテーテルシステムと組合せたアドオンデバイスのアセンブリを例示する図である。
図4-2】本発明による、カテーテルシステムと組合せたアドオンデバイスのアセンブリを例示する図である。
図4-3】本発明による、カテーテルシステムと組合せたアドオンデバイスのアセンブリを例示する図である。
図5】本発明の一実施形態による、光ファイバがカテーテル壁内に垂直に埋め込まれる様子を例示する図である。
図6】本発明の一実施形態による、インライン光ファイバを例示する図である。
図7】本発明の一実施形態による、インライン光ファイバメッシュを例示する図である。
図8】本発明の一実施形態による、インライン水平光学アレイリングを例示する図である。
図9】本発明の一実施形態による、インライン垂直光学アレイリングを例示する図である。
図10】本発明の一実施形態による、TiOキャップ+外部光源を例示する図である。
図11】本発明の一実施形態による、その内壁がTiOにより被覆されたカテーテル及び/又はカプラを例示する図である。
図12】本発明の一実施形態による、カテーテル及び/又はカプラ内部の埋め込まれた圧電変換器を例示する図である。
図13】本発明の一実施形態による、カプラ外部のLEDから成るクリップオンを備えた光透過型カプラを例示する図である。
図14】本発明の一実施形態による、インラインLEDが埋め込まれたカプラを例示する図である。
図15】本発明による、ストラップと組合せたアドオンデバイスを例示する図である。
図16】本発明による、デバイスの概念実証のために使用される実験セットアップを例示する図である。
図17a】患者の身体において使用されている本発明によるデバイスを例示する図である。
図17b】患者の身体において使用されている本発明によるデバイスを例示する図である。
図18a】カプラの内部へ電磁波を反射するための反射性材料、及び電磁波の漏洩を防止するためのシールド材料を備えるクリップオンデバイス及びカプラデバイスを例示する図である。
図18b】カプラの内部へ電磁波を反射するための反射性材料、及び電磁波の漏洩を防止するためのシールド材料を備えるクリップオンデバイス及びカプラデバイスを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者は、図内の要素が単純さ及び明確さのために例示されており、縮尺通りに描かれていないことがあることを認識するであろう。例えば、図内の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されて、本開示の様々な例示的な実施形態についての理解を改善するのに役立ち得る。図面全体にわたって、同類の参照番号は、同じ又は同様の要素、特徴、及び構造を図示するために使用されることが、留意されるべきである。
【0024】
添付の図面を参照する以下の説明は、本発明の例示的な実施形態の包括的な理解を支援するために提供される。以下の説明は、そうした理解を支援するための様々な具体的な詳細を含むが、これらは単なる例示として見なされるべきでものである。
【0025】
したがって、当業者は、本明細書において説明される実施形態の様々な変更及び変形が、本発明の範囲から逸脱せずに行われ得ることを認識するであろう。また、周知の機能及び構造物の説明は、明確さ及び簡潔さのために省略される。
【0026】
以下の説明において使用される用語及び単語は、書誌的意味に限定されず、本発明の明確且つ一貫した理解を可能にするために発明者によって使用されるにすぎない。したがって、本発明の例示的な実施形態の以下の説明は、例示の目的のためだけに提供されており、本発明をそれらの均等物によって定義されるように限定する目的ではないことが、当業者には明らかであるべきである。
【0027】
単数形の「a(ある)」、「an(1つの)」及び「the(その)」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数の指示対象物を含むことが、理解されるべきである。
【0028】
「実質的に」という用語は、どこで使用されていても、又は後で使用されていても、記載された特性、パラメータ、又は値が正確に達成される必要はなく、例えば、当業者に知られている許容範囲、測定誤差、測定精度の限定及び他の要因を含む、偏差又はバリエーションが、特性が提供するように意図された効果を妨げない量で発生し得ることを意味する。
【0029】
1つの実施形態に対して説明及び/又は例示される特徴は、1つ若しくは複数の他の実施形態において、及び/又は他の実施形態の特徴と組み合わせて、若しくはその代わりに、同じ手法で、又は同様の手法で使用され得る。
【0030】
「comprises/comprising(備える/含む)」という用語は、本明細書において使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するために用いられるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はこれらのグループの存在又は追加を妨げないことが、強調されるべきである。
【0031】
本発明において、「カプラ」(3)は、導尿カテーテルと導尿バッグとの間の結合部品を指す。以下では、本発明のいくつかの実施形態において、透過型ガラスを通過するUV光のための変形されたカプラが開示される。別の実施形態において、光学ファイバが光源として使用される場合には、カプラ設計が変更され得る。当業者によって認識されるように、カプラの設計に基づいて、異なる管及び接続ポートが適切に必要とされるであろう。
【0032】
本発明において、「インライン」とは、管又は接続ポート内部の単一の/複数の光ファイバを指す。
【0033】
本発明において、「メッシュ」とは、管又は接続ポート内部の光ファイバメッシュを指す。
【0034】
本発明において、「キャップ」とは、管又は接続ポート内部に位置する小さいデバイスを指す。
【0035】
主題発明は、カテーテル関連尿路感染症を防止するためのデバイスを提供することにある。UVベースのクリップオンデバイスは、先行技術において知られているので、本発明は、カテーテルの内部及び外部に存在する微生物を最小限の電力要件で消毒することによって、カテーテル関連尿路感染症を低減するための代替的な解決策を開示する。クリップオンデバイスは、接続ポートに、又はカプラ若しくは導尿バッグ管若しくは導尿カテーテル上に取り付けることができる。クリップオンデバイスは、カテーテルの外部からUV/他のスペクトル光を照射し、カテーテルの内部及び外部の細菌を死滅させる。さらに、低電力消費で効果的な消毒を支援するために光触媒を使用してもよい。
【0036】
図1の「クリップオン」デバイス(4)は、振動又は光のエネルギー源、及び電子回路構成要素を有する。図1(a)は、同じことを達成するために圧電変換器を採用するクリップオンデバイスを例示するのに対して、図1(b)は、UV/可視光線/他の光スペクトルを採用するクリップオンデバイスを例示する。クリップオンは、ナノ振動又は弾性表面波又は超音波又はレイリー波、ラブ波又は任意の他の波又は2つ以上のタイプの波の組合せを生成する、少なくとも1つの振動変換器を有し得る。前記変換器は、振動を連続的に生成し、又は、断続的に生成することができる。振動数は、1KHzから500MHzに及ぶ。
【0037】
UV光又は圧電変換器又は磁歪変換器又は電磁誘導変換器を採用するクリップオンデバイスは、以下の特徴の組合せから成る。
・UV光を広めるためにコネクタ上に配置されるクリップオンデバイスとともに、抗菌作用のためにカテーテルにUVアクセスを可能とする、光ファイバを備えたコネクタ素子(1a、1b)。本発明の一実施形態によれば、カプラは、コネクタの機能を実行するように設計されてもよい一方で、他の設計においては、カプラをクリップオンデバイスと接続するための別個のコネクタがあってもよい。
・UV光を広めるためにコネクタ上に配置されるクリップオンデバイスとともに、抗菌作用のためにカテーテルにUVアクセスを可能とする、光透過型カプラ。
・導尿カテーテルにおけるバイオフィルム形成の阻害のための圧電素子。
・抗菌作用のためのUV光と、有効性を高めるための光触媒材料との組合せ。
・抗菌作用のためのUV光と、バイオフィルム形成を防止するための圧電変換器との組合せ。
・抗菌作用のためのUV光と、バイオフィルム形成を防止するための圧電変換器と組合せた光触媒材料との組合せ。
・UV光と、CAUTIを防止するための磁歪変換器との組合せ、又はCAUTIを防止するための単独の磁歪変換器。
【0038】
UV光と振動技術との両方を組み合わせた使用は、感染率の低減に対して、有意に、より大きな影響を与えることになる。振動は、UVが細菌を死滅させる間に、バイオフィルムを阻害することに作用することになる。非自明性は、尿流を光源(5)に暴露する様々な手法にある。インライン光源(UV LED)を備えた実施形態は、先行技術と異なる。これらは、振動と組み合わせると、有効性を有意に増加させることになる。
【0039】
図2(a)には、クリップオンデバイス(4)と機械的に結合されたカプラが例示されている。これは、デバイスの外観を示す。カプラは、クリップオンデバイス(4)に動作可能に結合される。クリップオンデバイス(4)は、カプラが嵌まる溝及び/又は突起を含む。溝及び/又は突起は、カプラ(3)を適所に保持するために、支持体により囲まれ得る。図2(c)は、デバイスの作動のための電子部品を備えるクリップオンデバイスを図が示す、カプラと結合されたクリップオンデバイス(4)の内観を提供する。図2(b)は、本発明の一実施形態によるクリップオンデバイスの断面図を提供する。本発明の一実施形態によるカプラは、図2(d)及び図2(e)内に示される。先細の端部は、カテーテルに接続する端部である一方で、より太い端部は、導尿バッグに接続する。カプラ(3)の中央部は、透過性材料で作製されている。カプラは、光透過性又は透明性の材料で作製されている。ここでの光は、UV/可視光線/他の光スペクトルを意味する。完全なカプラ本体は、同じ材料で作製されていても、又は作成されていなくてもよい。カプラ(3)は、少なくとも一部分が電磁波の最大限の透過を可能とするように適合された、透過性又は透明性の材料で作製されている。透過性のカプラ(3)又は透明性のあるカプラの一部分は、UV放射について少なくとも50%を超える透過率を有する溶融シリカガラス、石英ガラス、又は、任意の他の材料で作製されている。
【0040】
図2(d)に水平に、及び図2(e)に垂直に開示されているカプラの実施形態が参照される。図は、電磁波を照射するための透過性材料の窓(2)をカプラが含むことを図示している。窓(2)は、約3cmの長さと、1~1.5cmの幅とを有する。細菌は、通常、毎時2.5cmの速さで導尿カテーテル内に広がる。したがって、電磁波を使用して消毒するための、細菌への最適な露光のための窓(2)の長さは少なくとも3cmである。消毒の所望の効果を生成するためには、デバイスが電磁波を毎時間5~10分間照射する場合、窓(2)の長さは3cm未満とするべきではない。窓(2)の最適なサイズは、デバイスによる電磁波の放射期間及び頻度にも依存する。したがって、デバイスが、より長く、又は、より頻繁に照射した場合には、窓(2)のサイズを変更することが可能である。
【0041】
図3は、カテーテルと導尿バッグの間の中継物として取り付けられたカプラ(3)を例示する。カプラ材料は、最大限のUV透過を可能とする材料である。
【0042】
図4(a)は、カテーテルと袋との間に接続されるカプラ上に取り付けられるクリップオンデバイス(4)を例示する。図4(b)は、本発明の一実施形態による、患者の大腿に対してアドオンデバイスを保持するためのストラップ(9)とともにデバイスとカテーテルシステムを組合せたアセンブリを示す。カプラは、カテーテルと導尿バッグとの間に取り付けられる。カプラの上部に嵌まるクリップオンデバイス(4)は、カプラ(3)における細菌を死滅させる、光及び/又は振動及び/又は磁界などのエネルギー源から成り、さらに導尿バッグからカテーテル先端への細菌の移動を抑制する。カプラ(3)とクリップオン(4)とは、分離可能である。カプラは、一回限りの使用(使い捨て)であり得るが、光源及びバッテリ等を含むクリップオンデバイス(4)は、複数回使用されることが可能である。カテーテルシステムと組合せたデバイスのアセンブリの分解図が、図4(c)において見られる。図15(a)は、ストラップ(9)と組合せたアドオンデバイスの異なる図を示す。図15(b)には、図15(a)における実施形態の様々な部品が、分解図において示されている。
【0043】
図13は、光透過性材料で作製されたカプラ(3)を例示した。クリップオンデバイス上は、カプラ(3)上に嵌まるUV/可視光線源(5)から成る。カプラは、光触媒材料により被覆されていても、又は被覆されていなくてもよい。細菌増殖は、UV光への露光によって抑制される。
【0044】
図14は、インラインUV/可視光線源(5)が埋め込まれたカプラ(3)を例示する。光源は、カプラ(3)の内腔と直接接触せず、カプラ(3)の内腔に突出している。カプラは、光触媒材料によって被覆されていても、又は被覆されていなくてもよい。
【0045】
図5は、カテーテル壁内に光ファイバ(6)が垂直に埋め込まれている様子を例示する。これは、細菌をUV放射に暴露することによって、カテーテル表面の内壁上の細菌の増殖を抑制し、及び/又は死滅させる。光ファイバケーブル(6)は、内腔壁中へ挿入される(尿の流れの中へは挿入されない)。使用されているカテーテル材料の透過性が高いので、UVCは、光ファイバケーブルを通って尿の流れの中へ伝達される。有意に、光ファイバは、内壁に触れるだけであって、突出しない。
【0046】
図6は、インライン光ファイバ(7)を備えたカプラ(3)を例示する。カプラ(3)は、光(UV/可視光線)を内部へ通過させる光ファイバを有する。光ファイバは、尿経路(15)内へ直接暴露される。細菌を殺菌するために、光は、光ファイバを介してカプラの外部から内部へ照射される。TiOは、光ファイバ上又は管の内面を覆う。これは、UVのみにより、又はTiOと光(UV若しくは可視光線)との組合せにより、細菌を死滅させる。直線状の光ファイバ、渦巻き状の光ファイバ、波状の光ファイバなどを使用し、単一の光ファイバ又は複数の光ファイバを使用することが可能である。
【0047】
図18(a)及び図18(b)は、電磁波の最大限の有効性を得るために、尿路内で電磁波を反射するための反射性材料を有するカプラ(3)及び/又はクリップオン(4)を例示する。さらに、カプラ及び/又はクリップオンは、デバイスからの電磁波(UV-Cなどであって、UV-Cに限定されない)の漏洩を防止するシールド材料(13)を有する。漏洩防止は、カプラ(3)とクリップオンデバイス(4)との間の接続のメカニズムによって実装され得る。ある種の電磁波は人間にとって有害であるため、デバイスからの電磁波の漏洩を防止し、それによって、デバイスの安全面を確保することが必要である。クリップオン(4)及びカプラデバイス(3)は、デバイス外への電磁波の漏洩を防止するために結合されて動作してもよい。クリップオン及びカプラは、カプラの内部へ電磁波を反射するための反射性材料(12)と、電磁波の漏洩を防止するためのシールド材料(13)とを含む。
【0048】
図7は、インライン光ファイバメッシュ(7)を例示する。インライン光ファイバメッシュは、側面発光型光ファイバのリング又はメッシュを有するカプラから成る。これらのファイバは、上述された考え得る組合せの光を出射する。カプラ又は光ファイバは、光触媒材料により被覆されていても、又は被覆されていなくてもよい。カプラ又はコネクタの設計は、リングの形態であれ、又はメッシュの形態であれ、光ファイバを収容するために異なることになる。1つの考え得る設計では、カプラは、細菌の殺菌のためにLED(5)が直線的に配置された状態で、透過性材料(12)で作製されてもよい。代替的な考え得る設計において、カプラは、殺菌のための光ファイバリング又はメッシュを含んでもよい。どちらの設計も、光触媒被覆(16)を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0049】
図8は、カテーテルと導尿バッグの間の中継物として取り付けられたカプラを例示する。カプラは、光ファイバアレイリング(8)で構成される。光ファイバアレイリングは、水平に配置される。カプラ(3)又は光ファイバは、光触媒材料により被覆されていても、又は被覆されていなくてもよい。
【0050】
図9は、カテーテルと導尿バッグの間の中継物として取り付けられたカプラを例示する。カプラは、光ファイバアレイリングで構成される。光ファイバアレイリングは、垂直に配置される。カプラ又は光ファイバは、光触媒材料により被覆されていても、又は被覆されていなくてもよい。
【0051】
図10は、外部光源を備えた光触媒キャップを例示する。キャップは、TiOなどの光触媒材料により被覆され、管又は接続ポートの内部に位置する。UV/可視光線などの外部光源(5)は、クリップオンデバイス又は環境照明を使用することによって提供することが可能である。
【0052】
図11は、その内壁がTiOなどの光触媒により被覆されるカテーテルを例示する。同様の被覆は、カプラの内壁にも同様に適用することができる。クリップオンデバイス又はエネルギー源(5)は、露出されたカテーテル管のどこにでも嵌められることが可能である。
【0053】
図12は、埋め込まれた圧電変換器を備えたカテーテルを例示する。圧電変換器は、カテーテルの内面、又はカテーテルの外部、又はカテーテル壁の内部に位置してもよい。圧電材料は、カテーテル壁に埋め込まれており、外部デバイスは、振動を作動させる。同様の構成は、カプラでも同様に可能である。
【0054】
振動変換器は、カプラ、又はカテーテル、又はドレナージ管、又はそれらの全部の表面に接触する。振動変換器には、圧電材料又は振動モータが埋め込まれ得る。クリップオンデバイスは再利用可能であるので、圧電材料は、クリップオンデバイスにより固定され、又は埋め込まれることになる。そして、圧電材料は、カプラの外面、又はカテーテル表面、又はドレナージ管表面、又はそれらの全部に接触することができる。一実施形態において、圧電材料の形状は、円形若しくはディスク状、円筒形、半円筒形、又は任意の他の形態である。
【0055】
本発明において、殺菌は、UV光(主にUV-C)によって、UV光(主にUV-A)と共に光触媒(TiO)によって、及び可視光線と共に改良された光触媒(TiO2)によって達成される。細菌を含む対象領域へ光を照射することは、導尿カテーテル又は導尿バッグの外部から行われる。デバイスは、身体の外部の導尿カテーテル上に取り付けられても、導尿バッグの管上に取り付けられても、カテーテルと導尿バッグとの間の接合点上に取り付けられてもよい。デバイスは、結合部のように、導尿カテーテルと導尿バッグとの間にも接続されることが可能である。管は、UV光(UV-A又はUV-C)、特に、UV照射によって細菌を死滅させるためのUV-Cと、光触媒(TiO)によって細菌を死滅させるためのUV-Aを透過させる。管は、カテーテルと管との間の接続ポートのまわりの細菌を滅菌するために、光触媒(TiO)により被覆された側面発光型光ファイバを有する。デバイスは、エネルギーを節約するために、UV/可視光線源(5)を連続的に又は断続的にオンに切り替えることができる。例えば、デバイスは、10分間オンであり、50分間オフであってもよい。有意に、UTIを引き起こす細菌の大部分を死滅させるまで、デバイスはLEDをオンにする。図13又は図14の線形構成などの、UV LEDの構成のいくつかのバリエーションがある。UV照射領域は、カテーテルにおけるUV強度を増加させるために反射性材料により被覆され得る。図17(a)及び図17(b)は、患者の身体において使用されている、本明細書において開示されるデバイスを示す。図17(a)は、患者の身体の側面図を示すのに対して、図17(b)は、患者の身体の上面図を示す。
【0056】
実験データ
・実験1-UVCが細菌を死滅させる。
UV-C照射源:LED、253.4nm、強度-4w、距離-10cm)
実験の実施:2019年1月29日、午後4:30
(生物学的酸素要求量(BOD)において、摂氏37度で、16時間を超えて培養した)
観察:2019年1月30日、午前10:15
結果は以下の通りである:
【0057】
【表1】
【0058】
・実験2-UVCは細菌を死滅させる
実験:2019年1月31日、午後3:30
(BODにおいて、摂氏37度で、16時間を超えて培養した)
観察:2019年2月1日、午後10:40
結果は以下の通りである:
【0059】
【表2】
【0060】
・実験3-UVC ledを通じた細菌殺菌の有効性を決定する
led仕様:
・波長-285nm
・強度-2w
・電圧-7v
・電流-250mA
結果は以下の通りである:
【0061】
【表3】
【0062】
このLEDは、本実施形態に対して効果的である。したがって、本明細書において開示されるデバイスのさらなるプロトタイプ化のために、このLEDが最終的に選ばれる。
【0063】
・感染経路の確立
実験1-6:感染症を引き起こす細菌移動/経路を知るため(寒天被覆されたドレナージ管を使用)。
機器:生理食塩水ボトル、導尿バッグ、IVセット、バイオセーフティキャビネット、オートクレーブ
媒体:大腸菌培養、通常のヒト尿、寒天
【0064】
図16は、本発明を検証するために使用された実験セットアップを示す。セットアップの詳細は、以下に提供される:
・膀胱を模倣した生理食塩水ボトル、生理食塩水は、オートクレーブされた通常の尿と置換される。
・導尿バッグの寒天被覆された遠位端部ドレナージ管は、短くするために切断され、IV管内に接続される。
・IVセット、遠位端部は、オートクレーブされた通常の尿で満たされた生理食塩水ボトル内へ挿入される。
・オートクレーブされた尿(200ml)は導尿バッグに投入される。
・大腸菌は、導尿バッグ内に存在する尿(200ml、1.8X10濃度又は0.5マクファーランド)へ混合される。
【0065】
作業:
・オートクレーブされた通常の尿は、IVレギュレータを使用して、生理食塩水ボトルから液滴の形態で滴下される。
・尿の液滴は、I-Vライン、ドレナージ管を通過し、次いで、導尿バッグ内へ収集される
・尿の流速=約1滴/20秒
【0066】
他の調達:
・午前9:30に通常の尿が一名の人物から滅菌容器内に収集された(約700ml)
・午前10:00に尿は(AIIMSにて)オートクレーブ殺菌のために提供された
・午後2:00に尿はオートクレーブ殺菌され、実験のための準備が整った
・午後4:00に実験が開始された
・仕様-使用された長さ、尿等
○IV管=12インチ=30cm
○ドレナージ管=18インチ=45cm
○ボトルの高さ=15.5インチ
○ボトル内に装填された尿=500ml
○袋内に装填された尿(培養あり)=200ml
【0067】
結果:
試料をペトリ皿上に固定し、細菌増殖を見るために、摂氏37度で16時間を超えて培養した。
【0068】
【表4】
【0069】
*Sは「試料(Sample)」の略である。
**ESは「実験終了時の試料(End pf experiment Sample)」の略である。
***MALDI-TOF、質量分析技術が、試料中の病原体を識別するために使用される。
****P.レットゲリ(P.Rettgari)とはプロビデンシア・レットゲリ(Providencia Rettgari)を意味する。
【0070】
結論:
・細菌は至る所に存在する
・大腸菌は検出せず
・実験時間:88:50時間(2019年7月09日、午後4:30~2019年7月13日、午前9:20)
【0071】
【表5】
【0072】
管腔外経路感染については、以下が観察された:
・圧電、モータ、又は磁気を使用した弾性表面波(SAW)が、カテーテルの表面上のバイオフィルムを取り除くために、及びカテーテル表面への細菌の付着を防止するために使用される。
・現在、我々は、弾性表面波を生成するために圧電変換器を使用している。
管腔内経路感染については、以下が観察された:
・UVCは、感染症(CAUTI)を引き起こす尿路病原菌を殺菌することができる。
・尿路病原菌を殺菌するのに必要な強度は最適化される。
・尿路病原菌に対するUVCの露光時間は最適化される。
【0073】
注目すべきであると考えられる、本発明の重要且つ注目すべき利点のうちのいくつかは、本明細書において以下に述べられる:
・容易に受け入れ可能となり得る既存の導尿カテーテルを備えたアドオンデバイス。アドオンデバイスは、医療設備における現在の使用シナリオに容易に統合されることが可能である。
・TiOなどの光触媒の存在下で高められた効果を有するカテーテル管の内外での高UV露光。
・UTI予防の有効性を高めるための、UV/可視光線露光と振動との組み合わされた使用。
・効率を高めるためのUV/可視光線源への尿流のインライン露光。
・バイオフィルムの増殖を抑制し、細菌を死滅させるための交流磁界の使用。
・発明技術は、カテーテルが使用される他の適用例に使用されるように拡張されることが可能である。
【0074】
患者の病状を軽減するためにカテーテル由来の尿路感染症に対処する手法が、構造上の特徴及びプロセスステップに固有の文言で述べられてきたが、上記セクションにおいて開示されている実施形態は、説明された特定の特徴又は構成要素又はデバイス又は方法に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴は、カテーテル関連尿路感染症を防止するためのデバイスの実装の例として開示されている。
【0075】
本明細書において開示されている解決策は、管腔内経路感染と管腔外経路感染との両方を防止するために設計されている。それは、カテーテルドレナージ管接合部間に接続されるべき小さなアドオンデバイスである。それは、UV照射の原理を光触媒(16)と組み合わせて利用して、管腔内経路を介してカテーテル内を移動する細菌を死滅させる。デバイスは、カテーテルの外面上への細菌の付着を防止する低周波の超音波も放出する。したがって、それは、いずれの経路によっても細菌が尿路に侵入することを可能としないことによって、CAUTIを防止する。
【符号の説明】
【0076】
1a コネクタ
1b コネクタ
2 窓
3 カプラ
3a カプラ壁
3c カプラ内腔
4 クリップオンデバイス
5 電磁波源又はLED
6 光ファイバ
7 インライン光ファイバメッシュ
8 光ファイバアレイリング
9 ストラップ
10 袋端部
11 カテーテル端部
12 透過性材料
13 シールド材料
14 反射性材料
15 尿流
16 光触媒被覆
S1及びS2 尿試料を収集するためにカプラに提供される手段

図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図18a
図18b