(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】画像のマッチング方法、装置、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20221207BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20221207BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G06T7/00 300D
G06T7/00 614
A61B6/00 350A
A61B6/00 360Z
A61B6/03 360P
(21)【出願番号】P 2021548143
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2020094875
(87)【国際公開番号】W WO2021077759
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】201911001697.3
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519038965
【氏名又は名称】インファービジョン メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孫 蒙蒙
(72)【発明者】
【氏名】王 少康
(72)【発明者】
【氏名】陳 寛
【審査官】佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106157282(CN,A)
【文献】特開2018-011807(JP,A)
【文献】国際公開第2006/137294(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/023382(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0058423(US,A1)
【文献】Tracy L. Faber et al.,"Spatial and Temporal Registration of Cardiac SPECT and MR images: Methods and Evaluation",Radiology,米国,Radiological Society of North America,1991年01月31日,Vol.179, No.3,pp.857-861
【文献】仲本 宗泰、外8名,“治療X線ポータル動画像に基づく体幹部肺定位放射線治療時における4次元線量分布推定法の開発”,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2016年01月12日,Vol.115, No.401,pp.69-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00,7/00-7/90
G06V 10/00-10/98
A61B 6/00,6/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより実行される画像のマッチング方法であって、
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得するステップであって、前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであるステップと、
第1の対象及び第2の対象を取得するステップであって、前記第1の対象は前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象であって、前記第2の対象は前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象であるステップと、
前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得するステップであって、前記位置合わせ結果は前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含むステップと、
前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得するステップであって、前記写像関係は前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示すステップと、
前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、前記写像関係に基づいて、対照画像フレームを対応するように表示するステップであって、前記対照画像フレームは、前記第2の映像シーケンス中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームであるステップと、を含
み、
前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得する前記ステップは、
前記第1の対象及び前記第2の対象のそれぞれを複数のセグメントに分割するステップと、
第1の外接多面体の頂点と第2の外接多面体の頂点とに対してペアリングを行ってマッチングポイントを取得するステップと、
前記マッチングポイントに基づいて位置合わせマトリックス方程式を確定するステップと、
最小二乗法を用いて前記位置合わせマトリックス方程式を解くことによって、前記位置合わせ結果を取得するステップと、を含み、
前記第1の外接多面体は前記第1の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であり、前記第2の外接多面体は前記第2の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であることを特徴とする画像のマッチング方法。
【請求項2】
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得する前記ステップは、
前記第1の映像シーケンスを受信するステップと、
過去の映像シーケンスから前記第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して、前記第2の映像シーケンスとするステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像のマッチング方法。
【請求項3】
第1の映像シーケンスを受信する前記ステップは、
前記第1の映像シーケンスが映像シーケンスのイメージングデバイスにより生成された後、前記映像シーケンスのイメージングデバイスから前記第1の映像シーケンスを取得するステップ、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の画像のマッチング方法。
【請求項4】
第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得するステップと、
前記第1の病巣情報及び前記第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示するステップと、を更に含み、
前記第1の病巣情報は前記第1の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表し、前記第2の病巣情報は前記第2の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表す
ことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の画像のマッチング方法。
【請求項5】
第2のフレームラベルを取得するステップと、
前記第2のフレームラベル及び前記写像関係に基づいて、第1のフレームラベルを確定するステップと、を更に含み、
前記第2のフレームラベルは前記第2の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルであり、
前記第1のフレームラベルは前記第1の映像シーケンスにおいて前記病巣が位置している画像フレームのラベルであり、
前記第1の映像シーケンスの取得時間は前記第2の映像シーケンスの取得時間より遅い
ことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の画像のマッチング方法。
【請求項6】
画像のマッチング装置であって、映像シーケンス取得ユニットと、対象取得ユニットと、位置合わせユニットと、写像関係取得ユニットと、画像表示ユニットと、を備え、
前記映像シーケンス取得ユニットは第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得し、前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであり、
対象取得ユニットは第1の対象及び第2の対象を取得し、前記第1の対象は前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象であり、前記第2の対象は前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象であり、
位置合わせユニットは前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得し、前記位置合わせ結果は前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含み、
写像関係取得ユニットは前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得し、前記写像関係は前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示し、
画像表示ユニットは、前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームが表示されているときに、前記写像関係に基づいて対照画像フレームを対応するように表示し、前記対照画像フレームは前記第2の映像シーケンスの中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームであ
り、
前記位置合わせユニットが前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得することは、
前記位置合わせユニットが具体的に、
前記第1の対象及び前記第2の対象のそれぞれを複数のセグメントに分割し、
第1の外接多面体の頂点と第2の外接多面体の頂点とに対してペアリングを行ってマッチングポイントを取得し、
前記マッチングポイントに基づいて位置合わせマトリックス方程式を確定し、
最小二乗法を用いて前記位置合わせマトリックス方程式を解くことによって、前記位置合わせ結果を取得する、ことを含み、
前記第1の外接多面体は、前記第1の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であり、前記第2の外接多面体は、前記第2の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であることを特徴とする画像のマッチング装置。
【請求項7】
前記映像シーケンス取得ユニットが第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得することは、
前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、
前記第1の映像シーケンスを受信し、
過去の映像シーケンスから前記第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して前記第2の映像シーケンスとする、ことを含む
ことを特徴とする請求項
6に記載の画像のマッチング装置。
【請求項8】
前記映像シーケンス取得ユニットが前記第1の映像シーケンスを受信することは、
前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、前記第1の映像シーケンスが映像シーケンスのイメージングデバイスにより生成された後、前記映像シーケンスのイメージングデバイスから前記第1の映像シーケンスを取得する、ことを含む
ことを特徴とする請求項
7に記載の画像のマッチング装置。
【請求項9】
病巣情報取得ユニット及び病巣情報表示ユニットを更に備え、
前記病巣情報取得ユニットは、第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得し、
前記病巣情報表示ユニットは、前記第1の病巣情報及び前記第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示し、
前記第1の病巣情報は、前記第1の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表し、前記第2の病巣情報は、前記第2の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表す
ことを特徴とする請求項
6ないし
8のいずれか一項に記載の画像のマッチング装置。
【請求項10】
第2のフレームラベル取得ユニット及び第1のフレームラベル取得ユニットを更に備え、
前記第2のフレームラベル取得ユニットは第2のフレームラベルを取得し、
前記第1のフレームラベル取得ユニットは、前記第2のフレームラベル及び前記写像関係に基づいて第1のフレームラベルを確定し、
前記第2のフレームラベルは、前記第2の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルであり、
前記第1のフレームラベルは、前記第1の映像シーケンスにおいて前記病巣が位置している画像フレームのラベルであり、
前記第1の映像シーケンスの取得時間は前記第2の映像シーケンスの取得時間より遅い
ことを特徴とする請求項
6ないし
8のいずれか一項に記載の画像のマッチング装置。
【請求項11】
メモリ及びプロセッサを備え、
前記メモリはプログラムを記憶し、
前記プロセッサは前記プログラムを実行して、請求項1ないし
5のいずれか一項に記載の画像のマッチング方法の各ステップを実現する
ことを特徴とする画像のマッチングデバイス。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1ないし
5のいずれか一項に記載の画像のマッチング方法の各ステップが実現される
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理技術分野に関し、具体的には画像のマッチング方法、装置、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
医学映像分野では、より正確な診断を出すために、複数回も撮像した医学映像シーケンス中の画像フレームを対比する必要がある。例えば、患者が映像診断で初めて病巣が発見された後、すぐに処理する必要はないが所定期間内に再検査を受ける必要があると臨床医師により診断された場合、患者が再検査を受けるときに再診映像が撮影されるので、医師は2回の映像それぞれに映った病巣の対比結果に基づいて診断を行って患者の疾病状況を判断する。毎回撮像される映像は複数枚の画像フレームを含む映像シーケンス(例えばCT映像シーケンス)であるため、対比を行うときには2セットの映像シーケンス中の画像フレームの対応関係を確定する必要がある。一般に、異なる映像シーケンスに含まれている撮影対象の組織中の同じ領域(CT映像シーケンスにおいて、領域は1つのスキャン層を指すことができる)の画像フレームは、「対応する画像フレーム」と称される。対応関係はすなわち画像フレーム同士の間の対応関係である。例えば、前回撮影された映像シーケンスの第3フレームに含まれるスキャン層が、今回撮影された映像シーケンスの第5フレームに現れた場合、前回撮影された映像シーケンスの第3フレームと今回撮影された映像シーケンスの第5フレームとが対応する。
【0003】
従来、画像フレームの対応関係を確定する方法としては、経験に基づいて人為的に画像フレームの番号の差の値を設定して、番号の差が当該設定された番号の差の値と一致する2枚の画像フレームを、対照しながら照会するものがある。例えば、経験に基づいて人為的に組織(例えば、病巣)を観察する場合、前回撮影された映像シーケンスの第3フレームが今回撮影された映像シーケンスの第5フレームに対応することを確認して、差の値を2と設定した場合、当該差の値によれば、今回撮影された映像シーケンスの第8フレームに対応するのは前回撮影された映像シーケンスの第6フレームになるはずである。しかしながら、毎回撮影された映像シーケンスには差異が存在し、例えば、患者の内部臓器の変化(例えば呼吸運動)に影響されて、臓器の画像フレーム分布が映像シーケンスによって大きく変わる可能性がある。つまり、2つの画像フレームにマッチする差の値は、必ずしも2つの映像シーケンス中のすべての画像フレームにマッチするわけではない。例えば、今回撮影された映像シーケンスの第8フレームは、前回撮影された映像シーケンスの第6フレームに含まれているスキャン層と相違する可能性が高い。よって、人為的に差の値を設定することによって得られる画像フレームの対応関係は、正確度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に鑑みて、本発明は、正確度が高い画像フレームの対応関係を取得するために、以下通りの画像のマッチング方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
画像のマッチング方法は、
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得するステップであって、前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであるステップと、
第1の対象及び第2の対象を取得するステップであって、前記第1の対象は、前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、前記第2の対象は、前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であるステップと、
前記第1の対象及び前記第2の対象に対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得するステップであって、前記位置合わせ結果は、前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含むステップと、
前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得するステップであって、前記写像関係は前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示すステップと、
前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、前記写像関係に基づいて、対照画像フレームを対応するように表示するステップであって、前記対照画像フレームは、前記第2の映像シーケンス中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームであるステップと、を含む。
【0006】
選択的に、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得するステップは、
前記第1の映像シーケンスを受信するステップと、
過去の映像シーケンスから、前記第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して前記第2の映像シーケンスとするステップと、を含む。
【0007】
選択的に、前記第1の映像シーケンスを受信するステップは、
映像シーケンスのイメージングデバイスにより前記第1の映像シーケンスが生成された後、前記映像シーケンスのイメージングデバイスから前記第1の映像シーケンスを取得するステップ、を含む。
【0008】
選択的に、前記第1の対象及び前記第2の対象に対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得するステップは、
前記第1の対象及び前記第2の対象のそれぞれを、複数のセグメントに分割するステップと、
第1の外接多面体と第2の外接多面体との頂点に対してペアリングを行ってマッチングポイントを特定するステップであって、前記第1の外接多面体は、前記第1の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であり、前記第2の外接多面体は、前記第2の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であるステップと、
前記マッチングポイントに基づいて位置合わせマトリックス方程式を確定するステップと、
最小二乗法を用いて前記位置合わせマトリックス方程式を解くことによって、前記位置合わせ結果を取得するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、本方法は、
第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得するステップと、
前記第1の病巣情報及び前記第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示するステップと、を更に含み、
前記第1の病巣情報は前記第1の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表し、前記第2の病巣情報は前記第2の映像シーケンスに基づいて得られた病巣の診断情報を表す。
【0010】
選択的に、本方法は、
第2のフレームラベルを取得するステップと、
前記第2のフレームラベル及び前記写像関係に基づいて第1のフレームラベルを確定するステップと、を更に含み、
前記第2のフレームラベルは、病巣が前記第2の映像シーケンスの中で位置する画像フレームのラベルであり、前記第1のフレームラベルは、前記病巣が前記第1の映像シーケンスの中で位置する画像フレームのラベルであり、前記第1の映像シーケンスの取得時間は前記第2の映像シーケンスの取得時間より遅い。
【0011】
画像のマッチング装置は、映像シーケンス取得ユニットと、対象取得ユニットと、位置合わせユニットと、写像関係取得ユニットと、画像表示ユニットと、を備える。
【0012】
映像シーケンス取得ユニットは、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得するように配置される。前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスである。
【0013】
対象取得ユニットは、第1の対象及び第2の対象を取得するように配置される。前記第1の対象は、前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、前記第2の対象は前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象である。
【0014】
位置合わせユニットは、前記第1の対象及び前記第2の対象に対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得するように配置される。前記位置合わせ結果は、前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含む。
【0015】
写像関係取得ユニットは、前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得するように配置される。前記写像関係は、前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示す。
【0016】
画像表示ユニットは、前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームが表示されているときに、前記写像関係に基づいて、対照画像フレームを対応するように表示する、ように配置される。前記対照画像フレームは、前記第2の映像シーケンス中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは、前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームである。
【0017】
選択的に、映像シーケンス取得ユニットが第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得することは、
前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、前記第1の映像シーケンスを受信し、過去の映像シーケンスから前記第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して前記第2の映像シーケンスとする、ことを含む。
【0018】
選択的に、映像シーケンス取得ユニットが前記第1の映像シーケンスを受信することは、
前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、映像シーケンスのイメージングデバイスにより前記第1の映像シーケンスが生成された後、前記映像シーケンスのイメージングデバイスから前記第1の映像シーケンスを取得する、ことを含む。
【0019】
選択的に、位置合わせユニットが前記第1の対象及び前記第2の対象に対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得することは、
前記位置合わせユニットが具体的に、
前記第1の対象及び前記第2の対象のそれぞれを複数のセグメントに分割し、
第1の外接多面体と第2の外接多面体との頂点に対してペアリングを行ってマッチングポイントを取得し、
前記マッチングポイントに基づいて位置合わせマトリックス方程式を確定し、
最小二乗法を用いて前記位置合わせマトリックス方程式を解くことによって、前記位置合わせ結果を取得する、ことを含む。
【0020】
ここで、前記第1の外接多面体は、前記第1の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であり、前記第2の外接多面体は、前記第2の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体である。
【0021】
選択的に、本装置は、病巣情報取得ユニットと、病巣情報表示ユニットと、を更に備える。
【0022】
病巣情報取得ユニットは、第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得するように配置される。前記第1の病巣情報は、前記第1の映像シーケンスによって取得される病巣の診断情報を表し、前記第2の病巣情報は、前記第2の映像シーケンスによって取得される病巣の診断情報を表す。
【0023】
病巣情報表示ユニットは、前記第1の病巣情報及び前記第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示する。
【0024】
選択的に、本装置は、第2のフレームラベル取得ユニットと、第1のフレームラベル取得ユニットと、を更に備える。
【0025】
第2のフレームラベル取得ユニットは、第2のフレームラベルを取得するように配置される。前記第2のフレームラベルは、病巣が前記第2の映像シーケンスの中で位置する画像フレームのラベルである。
【0026】
第1のフレームラベル取得ユニットは、前記第2のフレームラベル及び前記写像関係に基づいて第1のフレームラベルを確定するように配置される。前記第1のフレームラベルは、前記病巣が前記第1の映像シーケンスの中で位置する画像フレームのラベルである。前記第1の映像シーケンスの取得時間は、前記第2の映像シーケンスの取得時間より遅い。
【0027】
画像のマッチングデバイスは、メモリ及びプロセッサを備え、
前記メモリはプログラムを記憶するように配置され、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行して前述の画像のマッチング方法の各ステップを実現する、ように配置される。
【0028】
記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、前述の画像のマッチング方法の各ステップが実現される。
【発明の効果】
【0029】
以上の技術案からわかるように、本発明に係る画像のマッチング方法、装置、デバイス及び記憶媒体は、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得し、したがって第1の映像シーケンスと第2の映像シーケンスとのそれぞれに基づいて再構築を行うことによって生成される第1の対象及び第2の対象を取得する。第1の映像シーケンスと第2の映像シーケンスは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであるため、第1の対象及び第2の対象はいずれも当該対象に対する採取によって得られた結果であり、すなわち第1の対象と第2の対象とは極めて類似する形態を有する。そこで、さらに第1の対象と第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得すると、位置合わせ結果に基づいて取得される写像関係は第1の映像シーケンス中の画像フレームと第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示すことができる。さらに、本方法は、当該写像関係に基づいてターゲット画像フレーム及び対照画像フレームを対応するように表示することができる。つまり、この画像のマッチング方法によって第1の映像シーケンス中の画像フレームと第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を取得することは、人為的に差の値を設定する方法に比べて、マッチングの正確度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の実施例又は従来技術に係る技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明する。明らかに、以下で説明される図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な労働をせずに他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明の実施例に係る画像のマッチング方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例に係る、第1の対象と第2の対象とに対して位置合わせを行う方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例に係る画像のマッチング装置の構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例に係る画像のマッチングデバイスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明により開示される技術案は、医学画像に適用できるがそれに限られない。
【0032】
以下、本発明の実施例による図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案に対して明確で完全に説明する。
【0033】
明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労働をせずに得られる他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。
【0034】
図1は、本発明の実施例に係る画像のマッチング方法のフローチャートであり、具体的に以下の内容を含む。
【0035】
S101において、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得する。
【0036】
具体的に、1つの映像シーケンスは複数の連続する画像フレームを含む。本ステップで取得される第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスは、同一の対象に対して採取される画像フレームシーケンスである。
【0037】
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得する方法は複数がある。
【0038】
1つの可能な取得方法としては、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを直接選定することである。
【0039】
具体的に、医学映像のCT映像シーケンスを例とすると、第1の映像シーケンスは患者の再診時のCT映像シーケンスであってもよく、第2の映像シーケンスは患者の過去のCT映像シーケンスであってもよい。その中、過去のCT映像シーケンスは複数回のCT映像シーケンスを含むことができる。ここで、いずれの映像シーケンスも、患者の同一の部位に対して撮影されたCT映像シーケンスである。このとき、患者の情報に基づいて、PACS(picture archiving and communication system,医学映像ファイリング及び通信システム)から当該患者の複数回のCT映像シーケンスを直接取り出して、その後の画像のマッチング方法を行うことができる。
【0040】
選択的に、本発明の実施例は、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを自動的に取得する方法を提供する。当該方法は以下の内容を含む。
【0041】
A1において、第1の映像シーケンスを受信する。
【0042】
選択的に、第1の映像シーケンスを受信する方法は、第1の映像シーケンスが映像シーケンスのイメージングデバイスにより生成された後、映像シーケンスのイメージングデバイスから第1の映像シーケンスを取得することであってもよい。
【0043】
具体的に、本方法においては、フロントエンドである映像シーケンスのイメージングデバイス(例えばCTイメージングデバイス)に直接接続してイメージングデバイスの動態をモニタリングすることができる。映像シーケンスが形成されるたびに、イメージングデバイスにより送信される当該映像シーケンスを自動的に受信し、それを第1の映像シーケンスとする。
【0044】
又は、第1の映像シーケンスを受信する方法として、本方法においては、PACSに直接接続することによって、映像シーケンスの記憶動態をモニタリングすることができる。新しい映像シーケンスが記憶されるたびに、PACSデバイスにより送信される当該映像シーケンスを自動的に受信し、それを第1の映像シーケンスとする。
【0045】
A2において、過去の映像シーケンスから第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して第2の映像シーケンスとする。
【0046】
なお、いずれの映像シーケンスも一意のラベルを有しており、当該ラベルは映像シーケンスが所属するユーザを表す。選択的に、当該ラベルは、第1の映像シーケンスが所属する患者の個人情報(名前、性別、年齢など)及び映像タイプ(腹部CT、胸部CT、頭部CTなど)を含んでもよい。
【0047】
ここで、過去の映像シーケンスはPACSに記憶されており、いずれの過去の映像シーケンスも一意のラベルに対応しており、それぞれ異なる時点で撮影された同じタイプの映像シーケンスである。
【0048】
選択的に、他の採取条件(例えば撮影時間)を予め設定することによって、複数セットの過去の映像シーケンスから期待を満たす第2の映像シーケンスを更に選別することができる。
【0049】
患者の再診映像シーケンスを例とすると、患者が医師の指導を受けて再診CT映像シーケンスを撮影する場合、本方法は、CTデバイスから当該再診CT映像シーケンスを直接採取して第1の映像シーケンスとする。それとともに、当該再診CT映像シーケンスの個人情報である「名前は張三、性別は男、年齢は30」及び映像タイプである「胸部CT」を取得する。さらに、PACSから上述の個人情報及び映像タイプに対応する過去のCT映像シーケンスを採取して第2の映像シーケンスとする。さらに、「採取時間は2年」を選別条件として予め設定することができ、すなわち、PACSから上述の個人情報及び映像タイプに対応する過去のCT映像シーケンスを採取したうえ、これらの過去のCT映像シーケンスの中から、最近2年内のCT映像シーケンスを更に特定して、第2の映像シーケンスとする。
【0050】
S102において、第1の対象及び第2の対象を取得する。
【0051】
以上からわかるように、第1の映像シーケンスと第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスである。よって、第1の対象は第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される当該対象であり、第2の対象は第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される当該対象である。例えば、患者である張三の2セットの胸部CT映像シーケンスに基づいて、同一の対象(例えば肺臓)に対して再構築を行うことによって取得される第1の対象及び第2の対象は、いずれも患者である張三の肺臓の三次元再構築結果である。
【0052】
選択的に、本ステップにおいては、従来の閾値法、分水嶺アルゴリズム(Watershed algorithm)、又はディープラーニングによる分割アルゴリズムを用いて対象領域を取得してから、対象領域の再構築を行うことによって第1の対象及び第2の対象を取得することができる。
【0053】
S103において、第1の対象と第2の対象とに対して位置合わせを行って、位置合わせ結果を取得する。
【0054】
なお、第1の対象及び第2の対象は同一の対象であるため、第1の対象及び第2の対象の形態は極めて類似する。また、第1の対象における点は第1の映像シーケンスに基づいて構築された空間中の座標で表されることができ、第2の対象における点は第2の映像シーケンスに基づいて構築された空間中の座標で表されることができるため、空間座標の変換を行うことによって、第1の対象及び第2の対象における各点に対する位置合わせを実現することができる。
【0055】
選択的に、空間座標の変換方法に基づいて、第1の対象における任意の1つの点と、第2の対象中の、対象の同一の位置にある点と、に対して位置合わせを行うことができる。複数の点に対して位置合わせを行うことによって、第1の対象と第2の対象との位置合わせ結果を取得する。
【0056】
S104において、位置合わせ結果に基づいて、写像関係を取得する。
【0057】
具体的に、位置合わせ結果は、第1の対象と第2の対象との位置合わせ関係を表す。当該位置合わせ関係は、第1の対象における点と第2の対象における点との空間写像関係である(対象における任意の1つの実際の点にとって、位置合わせ関係は、当該点の第1の対象における座標点と、当該点の第2の対象における座標点との間の対応関係である)。画像フレームは映像シーケンスにおける1フレームの画面であり、第1の対象が第1の映像シーケンス中の複数の画像フレームに対応し、第2の対象が第2の映像シーケンス中の複数の画像フレームに対応する。そのため、本ステップにおいては、空間写像関係と物理写像関係の変換を行うことによって、位置合わせ結果に基づいて、第1の映像シーケンスにおけるすべての画像フレームと第2の映像シーケンスにおけるすべての画像フレームとの対応関係を取得することができる。
【0058】
なお、空間写像関係と物理写像関係の変換については、従来の変換方法を参照すればよく、本発明の実施例はそれに対して制限しない。
【0059】
選択的に、映像シーケンスにおけるいずれの画像フレームも、1つのフレームラベルに対応する。画像フレームのフレームラベルは、当該画像フレームの映像シーケンスにおける位置を表す。よって、当該対応関係は、画像フレームのフレームラベルの対応関係テーブルとして記憶されることができる。
【0060】
S105において、第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、写像関係に基づいて対照画像フレームを対応するように表示する。
【0061】
ここで、ターゲット画像フレームは第1の映像シーケンスにおける任意の1つの画像フレームであり、対照画像フレームは第2の映像シーケンスにおける、ターゲット画像フレームに対応する画像フレームである。
【0062】
選択的に、第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示することは、ユーザの操作によりトリガーされて第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームを表示すること、であってもよい。当該画像フレームがすなわちターゲット画像フレームである。このとき、本方法に基づいて取得された上述の写像関係に基づいて、ターゲット画像フレームに対応する画像フレーム(すなわち対照画像フレーム)を第2の映像シーケンスから取得することができる。さらに、ターゲット画像フレーム及び対照画像フレームを表示する。
【0063】
例えば、医師は患者の再診映像シーケンスを入手した後、より正確に診断するために、再診映像シーケンスと前回の映像シーケンスとを対照しながら診察する必要がある。このとき、医師は再診映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームを選択して表示することができる。本方法は、写像関係に基づいて、前回の映像シーケンスにおいて当該画像フレームに対応する対照画像フレームを特定することができる。こうすることによって、当該画像フレーム及び当該画像フレームの対照画像フレームを同時に表示する。
【0064】
なお、具体的な表示形態としては、予め設定された表示インターフェースに接続することができる。当該表示インターフェースは、ユーザが各画像フレームを連動するように見ることを可能にするとともに、画像フレームに対する操作(拡大、縮小、移動など)機能を有する。
【0065】
以上の技術案からわかるように、本発明に係る画像のマッチング方法、装置、デバイス及び記憶媒体は、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得し、したがって第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスのそれぞれに基づいて再構築を行うことによって生成された第1の対象及び第2の対象を取得する。第1の映像シーケンスと第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであるため、第1の対象及び第2の対象はいずれも当該対象に対する採取の結果であり、すなわち、第1の対象と第2の対象とは極めて類似する形態を有する。よって、さらに第1の対象及び第2の対象に対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得すれば、位置合わせ結果に基づいて得られる写像関係は、第1の映像シーケンス中の画像フレームと第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示すことができる。さらに、本方法においては、当該写像関係に基づいて、ターゲット画像フレーム及び対照画像フレームを対応するように表示することができる。つまり、本画像のマッチング方法によって第1の映像シーケンス中の画像フレームと第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を取得することは、人為的に差の値を設定することに比べて、マッチングの正確度が大幅に向上する。
【0066】
図2は、本発明の実施例に係る、第1の対象及び第2の対象に対して位置合わせを行う方法のフローチャートである。本発明の実施例においては、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスが
胸部のCT映像シーケンスであって対象が肺臓であることを例として、第1の対象及び第2の対象に対して位置合わせを行うプロセスについて説明する。当該プロセスは具体的に以下の内容を含むことができる。
【0067】
S201において、第1の対象及び第2の対象のそれぞれを複数のセグメントに分割する。
【0068】
ここで、第1の映像シーケンスは再診CT映像シーケンスであり、DICOM1と記され、第2の映像シーケンスは前回のCT映像シーケンスであり、DICOM2と記される。第1の対象(肺臓)はLUNG1と記され、第2の対象(肺臓)はLUNG2と記される。
【0069】
本ステップにおいては、LUNG1及びLUNG2をそれぞれ、人体の長軸方向に沿ってk個のセグメントに均等に分割することができる。なお、LUNG1とLUNG2とは同一の対象であるため、LUNG1の第i(l≦i≦k)のセグメントとLUNG2の第iのセグメントとは形態が極めて類似する。
【0070】
S202において、第1の外接多面体の頂点と第2の外接多面体の頂点とに対してペアリングを行って、マッチングポイントを取得する。
【0071】
具体的に、第1の対象及び第2の対象が分割されて得られた複数の対象の外接多面体を計算する。ここで、第1の外接多面体は第1の対象LUNG1が分割されて得られた各セグメントを包囲する立方体のうちの最も小さい立方体であってもよく、第2の外接多面体は第2の対象LUNG2が分割されて得られた各セグメントを包囲する立方体のうちの最も小さい立方体であってもよい。以上の説明からわかるように、第iのセグメントの第1の外接多面体と、第iのセグメントの第2の外接多面体とは、同一の対象の同一の部分である。よって、各セグメントの第1の外接多面体の頂点と、それに対応する第2の外接多面体の頂点とに対してペアリングを行う。複数のマッチングポイントが取得される。
【0072】
例えば、第1の外接多面体はk個を含み、それぞれをLUNG11、LUNG12、…、LUNG1kと記し、それに、第2の外接多面体はk個を含み、それぞれをLUNG21、LUNG22、…、LUNG2kと記す。
【0073】
さらに、LUNG11とLUNG21、LUNG12とLUNG22、…、LUNG1kとLUNG2kのうちの各頂点に対して2つずつのペアリングを行って、8kペアのマッチングポイントを取得する。LUNG11とLUNG21を例とすると、LUNG11は8つの頂点を含み、当該8つの頂点と、LUNG21における対応する位置にある8つの頂点とに対して、2つずつのペアリングを行うことによって、LUNG11とLUNG21の8ペアのマッチングポイントを取得する。
【0074】
S203において、マッチングポイントに基づいて、位置合わせマトリックス方程式を確定する。
【0075】
具体的に、各対象における8k個の頂点の座標を、以下のような8k×3の頂点マトリックスVに配列することができる。
【0076】
ここで、xijは対象における第i(1≦i≦k)のセグメントの外接多面体の第j(1≦j≦8)の頂点の座標である。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
S204において、最小二乗法を用いて位置合わせマトリックス方程式を解いて、位置合わせ結果を取得する。
【0081】
【0082】
当該写像関係の式は、第1の対象及び第2の対象の8k個のマッチングポイントを利用して座標変換を行うことによって得られるものであるため、当該写像関係の式は第1の対象及び第2の対象の中の、対象の同一の位置にある2つの点の位置合わせ関係を示すこともできる。つまり、第1の対象におけるいずれの点に対しても、当該点の第1の対象における座標及び写像関係の式に基づいて、当該点のマッチングポイントの第2の対象における座標を算出することができる。
【0083】
選択的に、本方法は更に、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスの病巣情報を表示することができる。具体的な表示方法は以下の通りである。
【0084】
まず、第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得する。
【0085】
ここで、第1の病巣情報は第1の映像シーケンスに基づいて得られる病巣の診断情報を表し、第2の病巣情報は第2の映像シーケンスに基づいて得られる病巣の診断情報を表す。
【0086】
いずれの病巣情報も複数の情報項目を含む。例えば、診断情報の情報項目は、病巣の物理的診断情報(大きさ、形態、範囲など)、人工による診断情報(病巣の性質、程度など)であってもよい。診断情報に含まれる各情報項目は、PACSから取得されるか、又は映像シーケンスのラベルに基づいて他の情報システム(例えば、診断システム)から取得されることができる。
【0087】
なお、第1の病巣情報と第2の病巣情報とは共通の情報項目を含む可能性がある。ユーザが第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスの各項目の情報を直ちに対比することができるようにするために、さらに第1の病巣情報及び第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示することができる。
【0088】
選択的に、情報項目の対応関係テーブルを生成することができる。テーブルにおいて、同一の項目は対応するように配列され、相違する項目は単独で配列されればよい。ユーザの操作に従って第1の映像シーケンスの第1の病巣情報を表示しているときに、当該対応関係テーブルを表示する。
【0089】
まとめると、本技術案は表示方法を更に提供することによって、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンス中の写像関係を有する2つの画像フレームを同時に表示することができる。したがってユーザは画像フレーム中の映像に対して対比及び観察をより便利に行うことができる。また、第1の病巣情報及び第2の病巣情報における共通項目を対応するように表示することができるため、複数回の診断結果を簡単且つ明確に対比して、病巣の変化情報を取得することができる。このように、ユーザがより精密に診断を行うことができるように根拠を提供して、診断の正確度をより一層向上させることができる。
【0090】
第1の映像シーケンスを受信した後、ユーザが複数枚の画像フレームの中で病巣を探すときに効率が低くなることを防ぐために、本方法は、
第2のフレームラベルを取得し、第2のフレームラベル及び写像関係に基づいて第1のフレームラベルを確定するステップ、を更に含む。
【0091】
ここで、第2のフレームラベルは、第2の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルである。第1のフレームラベルは、第1の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルである。なお、第1の映像シーケンスの取得時間は第2の映像シーケンスの取得時間より遅い。
【0092】
なお、第2の映像シーケンスは過去の映像シーケンスである。当該第2の映像シーケンスにおける病巣の詳しい位置は、すなわち第2の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルは、ユーザによる診断によって既に取得されている。加えて、第1の映像シーケンス中の各画像フレームと第2の映像シーケンス中の各画像フレームとの対応関係は上述の実施例で取得されたため、第2のフレームラベルに基づいて、第1の映像シーケンスの中で当該第2のフレームラベルにより指示される画像フレームに対応する画像フレームを見つけ、当該画像フレームのフレームラベルを取得して第1のフレームラベルとして確定することができる。
【0093】
なお、第1のフレームラベルにより指示される画像フレームを直接選択すれば、すぐに病巣を照会することができる。病巣が位置している画像フレームを探すためには、人工ですべての画像フレームを1枚ずつ見る必要がないため、作業効率が向上する。
【0094】
なお、本方法はインテリジェント電子デバイス(例えば、携帯電話、IPAD、コンピュータなど)に適用されることができ、独立したソフトウェアの形で実行されることができ、この場合、PACSシステム、他の情報システム又は表示システムなどに接続する必要がある。又は、従来のシステムに埋め込まれてもよく、例えば、PACSシステムに埋め込まれる。さらに、本方法において、上述の各実施例で得られる写像関係、第1の病巣情報、第2の病巣情報又は対応関係テーブルなどの結果は記憶されることができる。
【0095】
本発明の実施例は、画像のマッチング装置を更に提供する。以下、本発明の実施例に係る画像のマッチング装置に対して説明する。以下で説明される画像のマッチング装置は、前文で説明された画像のマッチング方法と互いに対応しており、互いに参照されることができる。
【0096】
図3は、本発明の実施例に係る画像のマッチング装置の構造模式図を示す。
図3に示すように、当該装置は、映像シーケンス取得ユニット301、対象取得ユニット302、位置合わせユニット303、写像関係取得ユニット304及び画像表示ユニット305を備えることができる。
【0097】
映像シーケンス取得ユニット301は、第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得する。前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは、同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスである。
【0098】
対象取得ユニット302は、第1の対象及び第2の対象を取得する。前記第1の対象は、前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象であり、前記第2の対象は、前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される対象である。
【0099】
位置合わせユニット303は、前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得する。前記位置合わせ結果は、前記第1の対象における任意の1つの画素点と、前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含む。
【0100】
写像関係取得ユニット304は、前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得する。前記写像関係は、前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示す。
【0101】
画像表示ユニット305は、前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、前記写像関係に基づいて、対照画像フレームを対応するように表示する。前記対照画像フレームは、前記第2の映像シーケンスの中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームである。前記ターゲット画像フレームは、前記第1の映像シーケンスの中の任意の1つの画像フレームである。
【0102】
選択的に、映像シーケンス取得ユニットが第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得することは、前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、
前記第1の映像シーケンスを受信し、
過去の映像シーケンスから前記第1の映像シーケンスと同じラベルを有する映像シーケンスを採取して、前記第2の映像シーケンスとする、ことを含む。
【0103】
選択的に、映像シーケンス取得ユニットが前記第1の映像シーケンスを受信することは、
前記映像シーケンス取得ユニットが具体的に、映像シーケンスのイメージングデバイスにより前記第1の映像シーケンスが生成された後、前記映像シーケンスのイメージングデバイスから前記第1の映像シーケンスを取得する、ことを含む。
【0104】
選択的に、位置合わせユニットが前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得することは、前記位置合わせユニットが具体的に、
前記第1の対象及び前記第2の対象のそれぞれを複数のセグメントに分割し、
第1の外接多面体の頂点と第2の外接多面体の頂点とに対してペアリングを行ってマッチングポイントを取得し、
前記マッチングポイントに基づいて位置合わせマトリックス方程式を確定し、
最小二乗法を用いて前記位置合わせマトリックス方程式を解いて、前記位置合わせ結果を取得する、ことを含む。
【0105】
ここで、前記第1の外接多面体は前記第1の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体であり、前記第2の外接多面体は前記第2の対象が分割されて得られた各セグメントの外接多面体である。
【0106】
選択的に、本装置は、病巣情報取得ユニット及び病巣情報表示ユニットを更に備える。
【0107】
病巣情報取得ユニットは、第1の病巣情報及び第2の病巣情報を取得する。前記第1の病巣情報は前記第1の映像シーケンスに基づいて得られる病巣の診断情報を表し、前記第2の病巣情報は前記第2の映像シーケンスに基づいて得られる病巣の診断情報を表す。
【0108】
病巣情報表示ユニットは、前記第1の病巣情報及び前記第2の病巣情報における共通項目の内容を対応するように表示する。
【0109】
選択的に、本装置は、第2のフレームラベル取得ユニット及び第1のフレームラベル取得ユニットを更に備える。
【0110】
第2のフレームラベル取得ユニットは、第2のフレームラベルを取得する。前記第2のフレームラベルは、前記第2の映像シーケンスにおいて病巣が位置している画像フレームのラベルである。
【0111】
第1のフレームラベル取得ユニットは、前記第2のフレームラベル及び前記写像関係に基づいて、第1のフレームラベルを確定する。前記第1のフレームラベルは、前記第1の映像シーケンスにおいて前記病巣が位置している画像フレームのラベルである。前記第1の映像シーケンスの取得時間は前記第2の映像シーケンスの取得時間より遅い。
【0112】
本発明の実施例は、画像のマッチングデバイスを更に提供する。
図4は、当該画像のマッチングデバイスの構造模式図を示す。当該デバイスは、少なくとも1つのプロセッサ401と、少なくとも1つの通信インターフェース402と、少なくとも1つのメモリ403と、少なくとも1つの通信バス404と、を備えることができる。
【0113】
本発明の実施例において、プロセッサ401、通信インターフェース402、メモリ403、通信バス404の数は少なくとも1つであり、且つプロセッサ401、通信インターフェース402、メモリ403の間の通信は通信バス404を介して実現している。
【0114】
プロセッサ401は、1つの中央プロセッサCPUであってもよく、又は特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよく、又は本発明の実施例を実施するための1つ又は複数の集積回路などとして配置されてもよい。
【0115】
メモリ403は高速RAMメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)など(例えば、少なくとも1つのハードディスクメモリ)を含んでもよい。
【0116】
ここで、メモリにはプログラムが記憶されており、プロセッサはメモリに記憶されているプログラムを呼び出すことができる。前記プログラムは、以下の内容を実施する。
【0117】
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得し、ここで、前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであり、
第1の対象及び第2の対象を取得し、ここで、前記第1の対象は前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、前記第2の対象は前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、
前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得し、ここで、前記位置合わせ結果は前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含み、
前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得し、ここで、前記写像関係は前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示し、
前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、前記写像関係に基づいて対照画像フレームを対応するように表示し、ここで、前記対照画像フレームは前記第2の映像シーケンスの中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームである。
【0118】
選択的に、前記プログラムの細かい機能及び拡張機能については、前文の説明を参照することができる。
【0119】
本発明の実施例は、記憶媒体を更に提供する。当該記憶媒体には、プロセッサにより実行可能なプログラムが記憶されていてもよい。前記プログラムは、以下の内容を実施する。
【0120】
第1の映像シーケンス及び第2の映像シーケンスを取得し、ここで、前記第1の映像シーケンスと前記第2の映像シーケンスとは同一の対象に対して採取された画像フレームシーケンスであり、
第1の対象及び第2の対象を取得し、ここで、前記第1の対象は前記第1の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、前記第2の対象は前記第2の映像シーケンスに基づく再構築によって取得される前記対象であり、
前記第1の対象と前記第2の対象とに対して位置合わせを行って位置合わせ結果を取得し、ここで、前記位置合わせ結果は前記第1の対象における任意の1つの画素点と前記第2の対象における画素点との一対一の対応関係を含み、
前記位置合わせ結果に基づいて写像関係を取得し、ここで、前記写像関係は前記第1の映像シーケンス中の画像フレームと前記第2の映像シーケンス中の画像フレームとの対応関係を示し、
前記第1の映像シーケンス中のターゲット画像フレームを表示しているときに、前記写像関係に基づいて対照画像フレームを対応するように表示し、ここで、前記対照画像フレームは前記第2の映像シーケンスの中の、前記ターゲット画像フレームに対応する画像フレームであり、前記ターゲット画像フレームは前記第1の映像シーケンス中の任意の1つの画像フレームである。
【0121】
選択的に、前記プログラムの細かい機能及び拡張機能については、前文の説明を参照することができる。
【0122】
最後の説明として、本明細書において、「第1」や「第2」などの関係用語は、1つの実体又は操作を、他の1つの実体又は操作から区別させるために用いられるものに過ぎず、それらの実体又は操作の間にいずれかの実際の関係や順番が存在することを要求又は示唆するわけではない。また、用語の「含む」、「備える」又は他の変形は非排他的な包含関係を意味しており、つまり、一連の要素を含むプロセス、方法、物体又はデバイスは、記載された要素だけではなく、明記されていない他の要素や、当該プロセス、方法、物体又はデバイスの固有の要素も、含むことができる。他の限定がない場合、「1つの…を含む」との記載により限定された要素は、当該要素が含まれているプロセス、方法、物体又はデバイスの中に同じ要素が更に存在することを、排除しない。
【0123】
本明細書における各実施例は漸進的な形で説明されており、各実施例で重点的に説明された内容は他の実施例との相違点であるため、各実施例の間の共通や近似の部分は相互参照すればよい。
【0124】
開示された+
実施例についての以上の説明は、当業者が本発明を実現又は使用することができるようにするためのものである。これらの実施例に対する様々な変更は、当業者にとって容易なことである。本文で定義された一般的な原理は、本発明の思想や範囲を逸脱しない前提で他の実施例において実現されることができる。よって、本発明は本文に記載された実施例に限られず、本文により開示された原理及び新規な特徴に一致する最大の範囲に合うべきである。