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特許7190060半導体ウェーハ洗浄液組成物及びそれを用いた洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】半導体ウェーハ洗浄液組成物及びそれを用いた洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20221207BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20221207BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20221207BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
H01L21/304 647B
C11D1/72
C11D3/04
C11D3/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021550683
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020001802
(87)【国際公開番号】W WO2020184846
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0026849
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515126259
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム スンファン
(72)【発明者】
【氏名】ジン スンオ
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-289060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 1/72
C11D 3/04
C11D 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)下記化学式a1又はa2、及び化学式b1又はb2の重量比が3:1~1:3である非イオン性界面活性剤3~50重量%
b)無機酸0.1~1重量%;及び
c)残量の水からなる、半導体ウェーハ洗浄用組成物。
化学式a1は「C 2n+1 -O-(EO) -H(n=2、x=12、EO=オキシエチレン基)」であり、
化学式a2は「C 2n+1 -O-(EO) -H(n=16、x=12、EO=オキシエチレン基)」であり、
化学式b1は「C 2n+1 -(EO) -H(n=10、x=8、EO=オキシエチレン基)」であり、
化学式b2は「C 2n+1 -(EO) -H(n=13、x=8、EO=オキシエチレン基)」である
【請求項2】
前記無機酸は、リン酸、硝酸又は硫酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である、請求項1に記載の半導体ウェーハ洗浄用組成物。
【請求項3】
a)半導体ウェーハを請求項1又は2のいずれか一項に記載の半導体ウェーハ洗浄用組成物に100秒~500秒浸漬させて洗浄するステップと、
b)脱イオン水で1~5回洗浄するステップと、を含んでなる、半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項4】
前記a)ステップで半導体ウェーハを洗浄用組成物に浸漬させて洗浄しながら超音波を適用することを特徴とする、請求項3に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項5】
a)ステップで半導体ウェーハを洗浄用組成物に浸漬させて洗浄する温度が40℃~80℃であることを特徴とする、請求項3に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハの洗浄ステップで適用される洗浄液組成物及びそれを用いた半導体ウェーハの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの進歩及び発展に伴い、デバイスの最も基礎となるウェーハの欠陥、及び有機物や金属などの汚染源の除去が重要視されている。
多結晶シリコンを原材料にして作られたウェーハ(wafer)は、半導体デバイス製造用材料として広く使用され、一般的に、インゴットと呼ばれる単結晶成長、切断、ラッピング、エッチング、研磨、及び洗浄工程などを経て製造される。
ウェーハの一面を研磨する研磨工程において化学機械研磨装置を用いた研磨方法は、通常、キャリアに、接着剤の一種である有機ワックス(脂溶性ワックス、水溶性ワックス)を用いてウェーハを付着させ、一定の圧力で研磨パッドの上部に対して加圧して密着させる。この状態で、キャリアとターンテーブルは、それぞれの駆動軸を中心に互いに回転する。キャリアに付着したウェーハの研磨面は、研磨パッドと摩擦されることにより鏡面に研磨される。
かかる研磨工程を経たウェーハの表面には、接着剤として使用されたワックス、及び工程中に発生した汚染物質が多量付着しているので、これらの汚染物質は、洗浄工程を経て完全に除去されなければならない。これらの汚染物質が完全に除去されない場合には、半導体デバイスの製造時に歩留まり低下の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国登録特許公報第10-0725891号
【文献】韓国登録特許公報第10-1799282号
【文献】韓国公開特許公報第10-2017-0095537号
【文献】韓国公開特許公報第10-2017-0105549号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、有機物、特に研磨工程で使用される有機ワックスを効果的に除去することができる半導体ウェーハ洗浄用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式1及び化学式2で表される非イオン性界面活性剤;無機酸または有機酸;及び脱イオン水を含む半導体ウェーハ洗浄用組成物を提供する。
[化学式1]
-(AO)n-R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(-H)、水酸基(-OH)、炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルキル基、または炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルケニル基であり、Aは炭素原子数2~4のアルキレン基であり、nは1~20の範囲の整数である。)
[化学式2]
-(AO)m-R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(-H)、水酸基(-OH)、炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルキル基、または炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルケニル基であり、Aは炭素原子数2~4のアルキレン基であり、mは5~25の範囲の整数である。)
本発明の好適な一実施形態において、前記非イオン性界面活性剤は、洗浄用組成物の総重量に対して0.1~40重量%で含まれる半導体ウェーハ洗浄用組成物であり、非イオン性界面活性剤である化学式1と化学式2の重量比は3:1~1:3の範囲内である。
本発明の好適な一実施形態において、前記有機酸は、スルホン酸、カルボン酸などを挙げることができ、スルホン酸としては、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸を例として挙げることができ、カルボン酸としては、吉草酸、グリコール酸、グルタル酸、酪酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、コハク酸、クエン酸、アニス酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、ギ酸、フマル酸、プロパン酸、フタル酸などよりなる群から選ばれた少なくとも一つであることができる。
本発明の好適な一実施形態において、前記無機酸は、塩酸、リン酸、硝酸及び硫酸よりなる群から選ばれた少なくとも一つである。
本発明の好適な一実施形態において、前記有機酸及び無機酸は、洗浄用組成物の総重量に対して0.01~5重量%で含まれる。
【0006】
本発明の好適な一実施形態において、前記ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、半導体ウェーハを洗浄用組成物に100~500秒浸漬させる、半導体ウェーハ洗浄方法である。
本発明の好適な一実施形態において、前記ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、半導体ウェーハを洗浄用組成物に浸漬させる工程で超音波を適用しながらウェーハを洗浄用溶液に浸漬させる、半導体ウェーハの洗浄方法である。
本発明の好適な一実施形態において、前記ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、半導体ウェーハを洗浄用組成物に浸漬させて洗浄した後、脱イオン水で1~5回洗浄する、半導体ウェーハの洗浄方法である。
本発明の好適な一実施形態において、前記ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、半導体ウェーハを洗浄用組成物に浸漬させて洗浄する工程の洗浄温度が40℃乃至80℃である、半導体ウェーハの洗浄方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る洗浄用組成物は、半導体デバイス製作用ウェーハの表面の汚染物質、特に有機ワックスに対して著しく増大した除去効率及び効果的な洗浄力を提供する。これにより、ウェーハの表面を高度に清浄化して、信頼性の高い半導体素子を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
他に定義されない限り、本明細書で使用されたすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を持つ。一般的に、本明細書で使用された命名法は、本技術分野でよく知られている、通常使用されるものである。
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0009】
本発明による洗浄液組成物は、半導体ウェーハを洗浄するために使用される溶液であって、下記化学式1及び化学式2で表示される非イオン性界面活性剤、有機酸または無機酸、及び脱イオン水を含むことを特徴とする。
このような洗浄液組成物を、ウェーハの表面の汚染物質、特に有機ワックスを除去するための洗浄工程に利用する場合、下記化学式1及び化学式2で表示される非イオン性界面活性剤によってウェーハの表面の表面張力が低くなることにより濡れ性が向上して有機ワックスを除去することが容易であり、また、除去されたワックス粒子がウェーハの表面に再付着するのを防止することができるため、洗浄効果が著しく増大し、それにより信頼性の高い半導体素子を製造することができる。
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物は、下記化学式1及び化学式2で表示される非イオン性界面活性剤を含む。
[化学式1]
-(AO)n-R
式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(-H)、水酸基(-OH)、炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルキル基、または炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルケニル基であり、Aは炭素原子数2~4のアルキレン基であり、nは1~25の範囲の整数である。
[化学式2]
-(AO)m-R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(-H)、水酸基(-OH)、炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルキル基、または炭素数1~20の直鎖状または分枝状のアルケニル基であり、Aは炭素原子数2~4のアルキレン基であり、mは5~25の範囲の整数である。)
【0010】
本発明による界面活性剤は、除去対象であるワックスの溶解度を改善するために添加され、適切な界面活性剤が、除去対象であるワックスに応じて選択できる。例えば、非イオン性界面活性剤を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明による非イオン性界面活性剤は、含有量を特に限定しないが、例えば、洗浄用組成物の総重量に対して0.01~40重量%で含まれてもよい。
非イオン性界面活性剤の含有量が0.01重量%未満である場合には、汚染物質除去効果が小さく、非イオン性界面活性剤の含有量が40重量%を超える場合には、水に溶解されないおそれがあって汚染物質除去効果が小さい。
そのような観点から、好ましくは0.1重量%~40重量%で含まれる。
【0011】
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物は、酸性化合物を含む。
酸性化合物は、洗浄対象であるウェーハの表面に残留する不純物を分解及び溶解させ、洗浄液に溶解されたワックス粒子間の電気的反発力を起こして分散性を向上させることにより、洗浄力の改善効果がある。
酸性化合物は、酸性であれば特に限定されず、例えば無機酸、有機酸またはこれらの混合物を含むことができる。また、適正なpHを維持させるpH調整剤としても作用する。
無機酸のより具体的な例としては、リン酸、硝酸及び硫酸よりなる群から選ばれる単独または2種以上の混合物であってよい。
【0012】
有機酸のより具体的な例としては、カルボン酸、スルホン酸などを挙げることができ、カルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロパン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、アニス酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などを例として挙げることができ、スルホン酸としては、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸などを挙げることができる。これらは、それぞれ単独または2種以上の混合物であってよい。
無機酸、有機酸の含有量は、特に限定されず、例えば、洗浄用組成物の総重量に対して0.01~5重量%で含まれることが好ましい。上記の範囲で最も優れた洗浄力を示すことができる。
【0013】
無機酸または有機酸の含有量が0.01重量%未満である場合には、洗浄効果が微々たるものである。また、無機酸または有機酸の含有量が5重量%を超える場合には、適正なpHの範囲を超えることにより、洗浄効果が微々たるものである。
本発明による水は、各成分を溶解し、全体組成を調節し、全体組成物の残量は、水が占める。好ましくは、前記成分が上記の含有量の範囲を持つように調節する。
水は特に限定されるものではないが、半導体工程用の水として比抵抗値18MΩcm以上の脱イオン水を使用することが好ましい。
【0014】
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物は、それ自体で利用可能であり、また、脱イオン水を用いて本発明の洗浄用組成物を10倍~100倍に希釈して使用することができる。
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、半導体ウェーハを洗浄用組成物に100~500秒浸漬させることである。
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、洗浄の際に超音波を適用することにより、優れた洗浄効果を示すことができる。
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物を、常温でだけでなく、洗浄用組成物の温度が40℃~80℃となるように加熱下で使用するときに優れた洗浄効果を示す。
本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物を用いる半導体ウェーハの洗浄方法は、本発明の半導体ウェーハ洗浄用組成物で洗浄した後、脱イオン水で1~5回洗浄することにより、優れた洗浄効果を示すことができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明の半導体ウェーハ洗浄液組成物をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、ひたすら本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されるものと解釈されないのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【実施例
【0015】
[実施例及び比較例]
下記表1に記載の組成成分及び組成比率に基づいて、実施例1~15及び比較例1~7の半導体ウェーハ洗浄用組成物を製造した。
【表1】
【0016】
[実験例1]ワックス除去力の評価
4インチのP型シリコンウェーハを準備し、初期重量を測定した後、スピンコーター(メーカー:TEL、モデル名:Mark-VZ)にシリコンウェーハの鏡面を上向きにしてワックス(メーカー:日化精工株式会社、モデル名:Skyliquid)を3cc注入し、2,500rpmで30秒間塗布した後、100℃で60秒加熱し、23℃で30秒間冷やした後、ウェーハの重量を測定した。
その後、表1に記載の実施例及び比較例の洗浄用組成物薬液を製造し、65℃で加温した後、300秒間前記ウェーハを浸漬させ、しかる後に、ウェーハを取り出して脱イオン水入りの洗浄槽で10秒ずつ3回洗浄し、高純度の窒素ガスでウェーハの表面を乾燥させた。
【0017】
乾燥したウェーハの重量を測定した後、次の計算式に基づいて洗浄用組成物のワックス(wax)除去率(洗浄力)を求めた。
ワックス除去率(%)=100×[(ワックスコーティング後のウェーハの重量-洗浄後のウェーハの重量)/(ワックスコーティング後のウェーハの重量-ワックスコーティング前のウェーハの重量)]
その結果は、下記表2に示した。
【表2】
【0018】
前記表2を参照すると、実施例1~15の洗浄液組成物は、94.5%~99.4%の優れた洗浄力を示すことを確認することができた。
これに対し、比較例1~7の洗浄用組成物は、86.5%~89.5%の洗浄力を示すものであって、洗浄力が大きく低下してワックス(wax)成分が多量に残っていることを確認することができた。
【0019】
[実験例2]汚染源再付着性の評価
4インチのP型シリコンウェーハを準備し、スピンコーター(メーカー:TEL、モデル名:Mark-VZ)にシリコンウェーハの鏡面を上向きにしてワックス(メーカー:日化精工株式会社、モデル名:Skyliquid)を3cc注入し、2,500rpmで30秒間塗布した後、100℃で60秒加熱し、しかる後に、30秒間常温で放置する。
その後、表1に記載の実施例及び比較例の洗浄用組成物薬液を製造し、ワックスが塗布された4インチのウェーハを洗浄用組成物入りの洗浄槽に各300秒間65℃に維持しながら多量のウェーハを浸漬させて多量のワックス成分を洗浄用組成物薬液に溶解させた後、ウェーハを取り出して脱イオン水入りの洗浄槽で10秒ずつ3回洗浄し、高純度の窒素ガスでウェーハの表面を乾燥させた。
乾燥したウェーハは、光学顕微鏡を用いて表面を観察した。
結果は下記表3に示す。
【表3】
【0020】
前記表3を参照すると、実施例1~15の洗浄液組成物は、洗浄後のウェーハの表面に汚染物の再付着が全く無いか無いため、ほとんど非常に良好または良好な結果を示すことを確認することができた。
これに対し、比較例1~7の洗浄用組成物は、洗浄後のウェーハの表面に汚染物の再付着があるかたくさんあって、ほとんど悪いまたは非常に悪い結果を示すことを確認することができた。
【0021】
[実験例3]金属不純物除去力の評価
シリコンウェーハを横×縦30mm×30mmのサイズに準備した後、シリコンウェーハをアンモニア水-過酸化水素の混合溶液と1%フッ酸を含む溶液で洗浄し、スピンコーター(spin coater)を用いて鉄、銅、ニッケル、アルミニウム及び鉛を1.0×1013atoms/cmの表面濃度となるように汚染させた。
その後、表1に記載された実施例及び比較例の洗浄用組成物薬液を製造し、汚染処理済みのウェーハを、各洗浄液に60℃で300秒間無攪拌浸漬した後、ウェーハを取り出して脱イオン水入りの洗浄槽で10秒ずつ3回洗浄し、高純度の窒素ガスでウェーハの表面を乾燥させた。
乾燥したウェーハを二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectrometry、SIMS)でウェーハの表面の金属濃度を測定し、金属不純物除去能力を評価した。
結果を表4に示した。
【表4】
【0022】
前記表4によれば、実施例1~15の洗浄液組成物は、洗浄後のウェーハ表面の金属イオンが1.0×1010atoms/cm以下で残留しており、優れた結果を示すことを確認することができた。
これに対し、比較例1~7の洗浄用組成物は、洗浄後のウェーハ表面の金属イオンが1.0×1010atoms/cm超過で残留しており、不良な結果を示すことを確認することができた。
【0023】
以上のように、本発明は、限定された実施例で説明されたが、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明の範囲は、説明された実施例に制限されて定められてはならず、後述する請求の範囲だけでなく、この請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。