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特許7190062ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置、方法及びコンピューターで読み取り可能な記録媒体
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  • 特許-ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置、方法及びコンピューターで読み取り可能な記録媒体 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置、方法及びコンピューターで読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/346 20210101AFI20221207BHJP
【FI】
A61B5/346
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021552768
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 KR2019002805
(87)【国際公開番号】W WO2020184749
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521396019
【氏名又は名称】チョイ,マン-リム
【氏名又は名称原語表記】CHOI, Man-Rim
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,マン-リム
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-510851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0107836(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0084881(US,A1)
【文献】特開2003-000560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/318 - 5/367
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定された心電図信号を受信する受信部と、
受信された前記心電図信号をヒルベルト変換する変換部と、
ヒルベルト変換された前記心電図信号に基づいて前記心電図信号の大きさを求める測定部と、を含み、
前記測定部は、
前記心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された前記心電図信号の値を虚数値とする、時間応答曲線であるナイキスト線図を作成する第1モジュールと、
作成された前記ナイキスト線図を円適合法を利用してフィッティングする第2モジュールと、
フィッティングされた前記ナイキスト線図上に形成された円の直径を前記心電図信号の大きさとして求める第3モジュールと、を含む、
ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置。
【請求項2】
フィッティングされた前記ナイキスト線図上に形成された円の直径は、前記心電図信号のP波(P wave)、R波(R wave)及びT波(T wave)の大きさに比例する、請求項に記載のヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置。
【請求項3】
前記第3モジュールは、
前記ナイキスト線図に含まれた曲線形状の中で一番早い時間に形成された第1曲線形状に対応する第1円の直径を前記心電図信号のP波(P wave)の大きさとして、
前記第1曲線形状よりも遅い時間に形成された第2曲線形状に対応する第2円の直径を前記心電図信号のR波(R wave)の大きさとして、
前記第2曲線形状よりも遅い時間に形成された第3曲線形状に対応する第3円の直径を前記心電図信号のT波(T wave)の大きさとして求める、請求項に記載のヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置。
【請求項4】
前記P波またはT波の大きさは、前記心電図信号のベースラインを基準として前記P波またはT波のピークまでの高さであり、
前記R波の大きさは、Q波またはS波の中で低い値を有するピークから前記R波のピークまでの高さである、請求項に記載のヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置。
【請求項5】
受信部で、測定された心電図信号を受信する第1ステップと、
変換部で、受信された前記心電図信号をヒルベルト変換する第2ステップと、
測定部で、ヒルベルト変換された前記心電図信号に基づいて前記心電図信号の大きさを求める第3ステップと、を含み、
前記測定部は、
前記心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された前記心電図信号の値を虚数値とする、時間応答曲線であるナイキスト線図を作成する第1モジュールと、
作成された前記ナイキスト線図を円適合法を利用してフィッティングする第2モジュールと、
フィッティングされた前記ナイキスト線図上に形成された円の直径を前記心電図信号の大きさとして求める第3モジュールと、を含む、
ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法。
【請求項6】
請求項の方法を実行するためのプログラムを記録した、コンピューターで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置、方法及びコンピューターで読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用画像(超音波、MT、CT)を利用した診断では映像情報だけでなく、体内の特定時点の映像を抽出するために心電図(Electrocardiography、ECG)信号を活用する。
【0003】
心電図信号1の波形は、図1aに示されたように、心臓の収縮によって発生する電流と電位差をベースライン(BaseLine、BL)を中心として曲線で表示されることができる。心電図信号1の一週期内には、一般的にP波(P wave)、Q波(Q wave)、R波(R wave)、S波(S wave)、T波(Twave)が連続して発生する。P波は心房の収縮、一連のQ波(Q wave)、R波(R wave)及びS波(S wave)(QRSコンプレックス)は心室の収縮を表し、T波(Twave)は心室の弛緩時に現れる特徴である。
【0004】
心電図を利用した健康管理(health monitoring)のためには、心電図信号の中でP波、R波、T波の大きさが非常に重要な要素である。しかしながら、このようなP波、R波、T波の大きさ測定に対して、関連学会や機関で国際的に規定したものはない。
【0005】
一般的に、P波、R波、T波の大きさは、図1aに示されたように、ベースライン(baseline、BL)でP波、R波、T波のピーク(peak)までの高さを言い、R波の場合には、Q波またはS波の中で低い値を有するピークからR波のピークまでの高さを意味したりする。
【0006】
しかしながら、図1bに示されたように、心電図信号1のベースライン(BL)は低周波や高周波ノイズの影響をたくさん受けるため、ベースライン(BL)を中心としてP波、R波、T波の大きさを測定する場合、信頼性の高いP波、R波、T波の大きさを得ることは難しい。上述した図1bで、図面符号10はノイズが含まれた心電図信号を意味し、図面符号20は0.67Hzのハイパスフィルタを用いてノイズを除去した心電図信号を意味する。
【0007】
関連技術として、韓国公開特許第2014-0144132号公報(「心電図信号検出方法、心電図信号ディスプレー方法及び心電図信号検出装置」、2014年12月18日)がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、信頼性の高いP波、R波、T波の大きさを得ることができるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置、方法及びコンピューターで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1実施形態によれば、測定された心電図信号を受信する受信部と、受信された前記心電図信号をヒルベルト変換する変換部と、ヒルベルト変換された前記心電図信号に基づいて前記心電図信号の大きさを求める測定部と、を含む、ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記測定部は、前記心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された前記心電図信号の値を虚数値とする、時間応答曲線であるナイキスト線図を作成する第1モジュールと、作成された前記ナイキスト線図を円適合法(circle fitting)を利用してフィッティングする第2モジュールと、フィッティングされた前記ナイキスト線図上に形成された円の直径を前記心電図信号の大きさとして求める第3モジュールと、を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、フィッティングされた前記ナイキスト線図上に形成された円の直径は、前記心電図信号のP波(P wave)、R波(R wave)及びT波(T wave)の大きさに比例することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記第3モジュールは、前記ナイキスト線図に含まれた曲線形状の中で一番早い時間に形成された第1曲線形状に対応する第1円の直径を前記心電図信号のP波(P wave)の大きさとして、前記第1曲線形状よりも遅い時間に形成された第2曲線形状に対応する第2円の直径を前記心電図信号のR波(R wave)の大きさとして、前記第2曲線形状よりも遅い時間に形成された第3曲線形状に対応する第3円の直径を前記心電図信号のT波(T wave)の大きさとして求めることができる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記P波またはT波の大きさは、前記心電図信号のベースラインを基準として前記P波またはT波のピークまでの高さであり、前記R波の大きさは、Q波またはS波の中でより低い値を有するピークから前記R波のピークまでの高さであり得る。
【0014】
本発明の第2実施形態によれば、受信部で、測定された心電図信号を受信する第1ステップと、変換部で、受信された前記心電図信号をヒルベルト変換する第2ステップと、測定部で、ヒルベルト変換された前記心電図信号に基づいて前記心電図信号の大きさを求める第3ステップと、を含む、ヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法が提供される。
【0015】
本発明の第3実施形態によれば、上述したヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法を実行するためのプログラムを記録した、コンピューターで読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、心電図信号をヒルベルト変換し、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを求めることにより、ベースライン(BL)を利用してP波、R波、T波の大きさを求める方式に比べて、信頼性の高いP波、R波、T波の大きさを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1a】一般的な心電図信号を示した図面である。
図1b】ノイズを含む心電図信号とノイズを除去した心電図信号を示した図面である。
図2】本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置のブロック図である。
図3a】心電図信号を示した図である。
図3b】心電図信号とヒルベルト変換された心電図信号を比較して示した図面である。
図3c】心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値として作成されたナイキスト線図を示した図面である。
図3d】円適合法を利用してフィッティングされたナイキスト線図から心電図信号の大きさを求める過程を説明する図面である。
図4】本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の実施形態は各種異なる形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下に説明される実施形態のみに限定されるのではない。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されてもよく、図面上の同じ符号で表示される要素は同じ要素である。
【0019】
図2は本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置のブロック図である。そして、図3aは心電図信号を示した図面であり、図3bは心電図信号とヒルベルト変換された心電図信号を比較して示した図面である。一方、図3cは心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値として作成されたナイキスト線図を示した図面であり、図3dは円適合法を利用してフィッティングされたナイキスト線図から心電図信号の大きさを求める過程を説明する図面である。
【0020】
まず、図2に示されたように、本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定装置200は、測定された心電図信号を受信する受信部210と、受信された心電図信号をヒルベルト変換する変換部220と、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを求める測定部230とを含むことができる。
【0021】
具体的には、受信部210は、外部で測定された心電図信号を受信し、受信された心電図信号を変換部220に伝達することができる。
【0022】
変換部220は、受信部210から受信した心電図信号をヒルベルト変換(HilbertTransform)することができる。
【0023】
上述したヒルベルト変換は、心電図信号の大きさ(amplitude)は保持するが、位相(phase)のみ負の周波数では+π/2だけ、正の周波数では-π/2だけシフト(shift)させるのである。実数信号を複素数次元に拡張させることができて、大きさ及び位相の分析が容易になる。即ち、ある実数信号をx(t)とし、ヒルベルト変換された信号をx^(t)とした時、複素数次元に拡張された信号x(t)=x(t)+jx^(t)を得ることができる。
【0024】
図3aは心電図信号300を例示的に示しており、図3bは心電図信号301とヒルベルト変換された心電図信号302を比較して示している。
【0025】
次に、測定部230は、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを求めることができる。このために、測定部230は第1モジュール231、第2モジュール232及び第3モジュール233を含むことができる。
【0026】
第1モジュール231は、心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値とする時間応答曲線であるナイキスト線図を作成することができる。作成されたナイキスト線図は第2モジュール232に伝達されることができる。一般的に、ナイキスト線図は周波数変化による周波数応答曲線を意味するに対して、本発明では時間変化による時間応答曲線であることに留意すべきである。
【0027】
図3cは心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値として作成されたナイキスト線図を示している。図3cのナイキスト線図で直径の異なる3つの曲線形状303、304、305が形成されることが分かる。
【0028】
即ち、心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値としてナイキスト線図を作成する時に、時間の流れにつれて第1曲線形状305、第2曲線形状303及び第3曲線形状304が順次形成されることができるが、これは心電図信号がP波、R波、T波の順に現われるからである。ここで、第1曲線形状305は後述する第1円305a、第2曲線形状303は後述する第2円303a、第3曲線形状304は後述する第3円304aに対応することができる。
【0029】
第2モジュール232は、作成されたナイキスト線図を円適合法(circle fitting)を利用してフィッティングすることができる。
【0030】
図3dは円適合法を利用してフィッティングされたナイキスト線図を示している。図3dで示されたように、円適合法を利用してフィッティングすることにより、直径の異なる3つの円303a、304a、305aを得ることができる。
【0031】
ノイズを含む円の形状を有するデータで円の直径を求める時に円適合法を利用して円の直径を求めれば、円の形状に含まれたノイズを平均化して取り除くことができるという利点がある。
【0032】
また、心電図信号のようにピークが頂点と谷で構成され、谷データ部分がノイズで満たされている場合、上述した円適合法を利用する場合、ノイズの少ない頂点一部のデータのみを以て円の直径を求めることができるという利点がある。
【0033】
第3モジュール233は、フィッティングされたナイキスト線図上に形成された円の直径を心電図信号の大きさとして求めることができる。ここで、フィッティングされたナイキスト線図上に形成された円の直径は、心電図信号のP波(P wave)、R波(R wave)及びT波(T wave)の大きさに比例してもよい。
【0034】
具体的には、第3モジュール233は、第1モジュール231で作成したナイキスト線図に含まれた曲線形状の中で一番早い時間に形成された第1曲線形状305に対応する第1円305aの直径を心電図信号のP波(P wave)の大きさとして、第1曲線形状305よりも遅い時間に形成された第2曲線形状303に対応する第2円303aの直径を心電図信号のR波(R wave)の大きさとして、第2曲線形状303よりも遅い時間に形成された第3曲線形状304に対応する第3円304aの直径を心電図信号のT波(T wave)の大きさとして求めることができる。
【0035】
図3cに示されたように、フィッティングされたナイキスト線図に含まれた3つの円の中で直径が一番小さい円305aの直径は心電図信号の中のP波(P wave)の大きさであり、フィッティングされたナイキスト線図に含まれた3つの円の中で直径が中間の円304aの直径は心電図信号の中のT波(T wave)の大きさであり、フィッティングされたナイキスト線図に含まれた3つの円の中で直径が最も大きい円303aの直径は心電図信号の中のR波(R wave)の大きさであり得る。
【0036】
一方、本発明によれば、P波またはT波の大きさは心電図信号のベースライン(図1aのBL参照)を基準としてP波またはT波のピークまでの高さであり、R波の大きさはQ波またはS波の中で低い値を有するピークからR波のピークまでの高さで定義されることができる。
【0037】
上述したように、本発明の一実施形態によれば、心電図信号をヒルベルト変換し、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを求めることにより、ベースライン(BL)を利用してP波、R波、T波の大きさを求める方式に比べて、信頼性の高いP波、R波、T波の大きさを得ることができる。
【0038】
一方、図4は本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法を説明する流れ図である。
【0039】
以下、図1図4を参照して本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法について詳しく説明する。ただ、発明の簡明化のために、図1図3dで既説明された内容と重複する事項に対する説明は省略する。
【0040】
本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法は、受信部210で測定された心電図信号を受信するステップによって開始されることができる(S401)。受信された心電図信号は変換部220に伝達されることができる。
【0041】
次に、変換部220は受信された心電図信号をヒルベルト変換(Hilbert Transform)することができる(S402)。
【0042】
最後に、測定部230は、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを測定することができる(S403)。
【0043】
具体的には、測定部230の中の第1モジュール231は、心電図信号の値を実数値とし、ヒルベルト変換された心電図信号の値を虚数値とする時間応答曲線であるナイキスト線図を作成することができる。作成されたナイキスト線図は第2モジュール232に伝達されることができる。一般的に、ナイキスト線図は周波数変化による周波数応答曲線を意味することに対して、本発明では時間変化による時間応答曲線を意味することは上述した通りである。
【0044】
次に、測定部230の中の第2モジュール232は、作成されたナイキスト線図を円適合法(circle fitting)を利用してフィッティングすることができる。
【0045】
最後に、測定部230の中の第3モジュール233は、フィッティングされたナイキスト線図上に形成された円の直径を心電図信号の大きさとして求めることができる。
【0046】
具体的には、第3モジュール233は、第1モジュール231で作成したナイキスト線図に含まれた曲線形状の中で一番早い時間に形成された第1曲線形状305に対応する第1円305aの直径を心電図信号のP波(P wave)の大きさとして、第1曲線形状305よりも遅い時間に形成された第2曲線形状303に対応する第2円303aの直径を心電図信号のR波(R wave)の大きさとして、第2曲線形状303よりも遅い時間に形成された第3曲線形状304に対応する第3円304aの直径を心電図信号のT波(T wave)の大きさとして求めることができることは上述した通りである。
【0047】
上述したように、本発明の一実施形態によれば、心電図信号をヒルベルト変換し、ヒルベルト変換された心電図信号に基づいて心電図信号の大きさを求めることにより、ベースライン(BL)を利用してP波、R波、T波の大きさを求める方式に比べて、信頼性の高いP波、R波、T波の大きさを得ることができる。
【0048】
本発明の説明において、「~部」は多様な方式、例えばプロセッサ、プロセッサによって実行されるプログラム命令、ソフトウェアモジュール、マイクロコード、コンピュータープログラム生成物、ロジッグ回路、アプリケーション専用集積回路、ファームウエアなどによって具現されることができる。
【0049】
上述した本発明の一実施形態による本発明の一実施形態によるヒルベルト変換を利用した心電図信号の大きさ測定方法は、コンピューターで実行されるためのプログラムで製作されてコンピューターが読み取り可能な記録媒体に記憶されることができる。コンピューターが読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがある。また、コンピューターが読み取り可能な記録媒体はネットワークで連結されたコンピューターシステムに分散されて、分散方式でコンピューターが読み取り可能なコードが記憶されて実行されることができる。そして、前記方法を具現するための機能的(function)プログラム、コード及びコードセグメントは本発明が属する技術分野におけるプログラマーによって容易に推論されることができる。
【0050】
本発明は上述した実施形態及び添付された図面によって限定されない。特許請求範囲によって権利範囲を限定し、特許請求範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な形態の置き換え、変形及び変更ができるということは当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4