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特許7190085横方向接続領域によって接続された2つの可動アームを有する外科用ステープル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】横方向接続領域によって接続された2つの可動アームを有する外科用ステープル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/064 20060101AFI20221208BHJP
   A61B 17/068 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61B17/064
A61B17/068
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017542885
(86)(22)【出願日】2016-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 FR2016050328
(87)【国際公開番号】W WO2016128691
(87)【国際公開日】2016-08-18
【審査請求日】2018-12-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】1551195
(32)【優先日】2015-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】522312090
【氏名又は名称】トーラス エンドスコピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アルザガー,アミルカール
(72)【発明者】
【氏名】ハルヴァクス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】スワンストローム,リー エル
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】村上 哲
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-520154(JP,A)
【文献】米国特許第4899745(US,A)
【文献】特表2004-508090(JP,A)
【文献】米国特許第4610251(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0274768(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/064 - 17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向接続領域(3)によって接続された2つの可動アーム(1、2)を有する外科用ステープルであって、
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれは、湾曲しかつ鉤状の把持領域(15、25)、および、尖った付着端部(11、21)を備えており、
上記把持領域(15、25)および上記付着端部(11、21)は互いに先が分かれており、
上記横方向接続領域(3)は、上記2つの可動アーム(1、2)が上記横方向接続領域(3)の軸の付近において折り曲がることによって共に移動することができるように変形可能であり、
上記2つの可動アーム(1、2)が閉じられた状態では、上記把持領域(15、25)および上記付着端部(11、21)は並んでおり、
上記付着端部(11、21)は、共に移動させられる組織の表面を貫通できるように先が尖っており、
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれにおいて、上記外科用ステープルが閉じられると、把持面(16、26)が、固定される組織領域の外面に接触するように、上記把持領域(15、25)は上記把持面(16,26)を規定する肩部として形成され、
上記肩部は、弾力的に変形が可能である弓形の突起によって形成され、上記突起の一端は上記2つの可動アーム(1、2)に接続されており、上記突起の他の端は上記把持面(16、26)を形成することを特徴とする
外科用ステープル。
【請求項2】
上記2つの可動アーム(1、2)は弓形であることを特徴とする請求項1に記載の外科用ステープル。
【請求項3】
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれの一部は、配置される前は同一平面上に並んでおり、上記外科用ステープルの中央平面(4)に対して対称であるC字型形状の上記横方向接続領域(3)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の外科用ステープル。
【請求項4】
上記横方向接続領域(3)は、上記中央平面の両側において、70°から85°の角度をなす弓形部(51)を有し、
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれは、上記弓形部(51)とは逆方向に湾曲する角度を有する第2の弓形部(52)と、上記外科用ステープルの変形の以前において、上記中央平面(4)に垂直な第3の部分(53)とを有し、
上記弓形部(51)は、上記第2の弓形部(52)まで伸びており、
上記第2の弓形部(52)は、上記第3の部分(53)まで伸びており、
上記第3の部分(53)は、上記把持領域(15、25)を形成する第2のフックと、付着端部(11、12)を形成する第1のフックとに分枝し、
少なくとも複数の上記フックは、上記外科用ステープルの閉じる方向に向けて湾曲していることを特徴とする請求項に記載の外科用ステープル。
【請求項5】
上記横方向接続領域(3)は、半管形状であり、
上記2つの可動アーム(1、2)は、上記横方向接続領域が変形することによって、上記2つの可動アーム(1、2)が同一平面上にありかつ上記半管形状の横方向接続領域の軸を含む平面に対して対称に位置する休止位置と、上記2つの可動アーム(1、2)が互いに向かって折り曲げられた位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項に記載の外科用ステープル。
【請求項6】
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれは、上記横方向接続領域(3)の上記軸を含む平面から前方に伸びている尖状フックを形成する先の尖った上記付着端部(11、21)を有していることを特徴とする請求項に記載の外科用ステープル。
【請求項7】
上記付着端部の接線は、上記2つの可動アーム(1、2)と上記横方向接続領域の上記軸とを含む平面に対して、0°~70°の角度をなすことを特徴とする請求項に記載の外科用ステープル。
【請求項8】
上記2つの可動アーム(1、2)のそれぞれは、上記付着端部と、把持面を有する上記把持領域とによって形成される分岐端部を有し、
上記2つの可動アーム(1、2)は、上記横方向接続領域(3)が変形することによって、上記2つの可動アーム(1、2)が同一平面上にありかつ半管形状の上記横方向接続領域(3)の上記軸を含む平面に対して対称に対向する休止位置と、上記2つの可動アーム(1、2)が互いに向かって折り曲げられる位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の外科用ステープル。
【請求項9】
上記外科用ステープルが閉じられると、上記付着端部(11、21)間の距離は、上記把持面(16、26)間の距離より長いことを特徴とする請求項1に記載の外科用ステープル。
【請求項10】
上記外科用ステープルが閉じられると、上記付着端部(11、21)間の距離は、上記把持面(16、26)間の距離より短いことを特徴とする請求項1に記載の外科用ステープル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡手術の分野に関し、より厳密には、組織に固定された移植片をステープルによって配置すること、内部縫合および結紮のためのステープルに関する。金属のステープル(通常、ステンレススチール製)は、内視鏡または腹腔鏡手術に用いられ、2つの組織の縁を接触した状態で保持したり、あるいはステントなどの人工器官を固定する。当該ステープルの大きさは、配置される位置において内視鏡管を通れる大きさでなければならず、当該内視鏡管の末端にあるアプリケータによって巧みに操作される。皮膚、骨あるいは眼球に対して用いられるステープルとは違って、内視鏡ステープルは、非常に狭い空間において可能である小さな動作によって、配置されたり閉じたりできなければならない。
【背景技術】
【0002】
内視鏡配置のための様々な解決策が従来技術として知られている。
【0003】
米国特許出願US2011/0144691は、L字型の2つの脚まで伸びている基部を有する、一般的なU字型のステープルを開示する。上記2つの脚は、約90°の角度をなすように折り曲げられる。上記2つの脚は各々、組織に穴を開ける尖状部分を有する。また、上記2つの脚は、貫通部の深さと当該貫通部の貫通とを制限する当該貫通部の上に圧縮構造を有する。
【0004】
米国特許US4610251は、患者の皮膚の切開部の端を接合するために用いられる外部用ステープルを開示する。当該ステープルは、アプリケータ内で用いられ、2つのアームを有する。当該2つのアームは、互いに異なる角度で皮膚を貫通する二又に分かれた端部を有する。
【0005】
国際特許出願WO0219920は、組織を貫通する2つの脚(jambes)まで伸びている基部を有する体内用ステープルを開示する。上記基部は、上記ステープルが傷口に近づけるように変形する。
【0006】
米国特許US2684070は、尖状部分まで伸びている細長い中央部を有するように変形させた剛性ワイヤによって形成されたステープルを開示する。
【0007】
特許出願US2008/0173693は、ステープルを配置するためのアプリケータを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2011/0144691号明細書
【文献】米国特許第4610251号明細書
【文献】国際公開第0219920号明細書
【文献】米国特許第2684070号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0173693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
皮膚の傷口を閉じるための外部用ステープルに関する従来技術の解決策は、内視鏡での使用に十分に適したものではない。内視鏡での使用のためには、ステープルは、最大の厚さが1ミリメートル未満であり長さも数ミリメートルの構造物を備えた非常に小さなサイズのものでなければならない。
【0010】
また、従来技術のステープルは、組織の縁を貫通するため、損傷または断裂を引き起こす。従来技術で開示されたステープルは全て、しっかりと組織を保持できるように当該組織の奥深くまで貫通する尖端を有するため、細胞構成物(materiel(1番目の「e」はアキュート・アクセントを有す。) cellulaire)の病変および感染を引き起こす。
【0011】
さらには、組織を閉じている間かつ閉じた後に従来技術のステープルによって当該組織にかけられる圧力は、あまり制御されず、当該組織の損傷や局所的な壊死さえも引き起こしうる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、内視鏡で使用されるステープルを提案することによってこれらの問題を改善することである。当該ステープルにより、より適した方法によって内視鏡が到達できる狭い空間において組織および/または移植片を巧みに操作したり固定したりすることができる。
【0013】
最後に、本発明は、最も一般的に受け入れられるように言うと、横方向接続領域によって接続された2つのアームを有する外科用ステープルであって、上記2つのアームのそれぞれは、把持領域および付着端部を有し、上記横方向接続領域は、可動する上記2つのアームが上記横方向接続領域の中央部の付近において折り曲がることによって互いに近づくことができるように、変形可能である、外科用ステープルに関する。
【0014】
本発明に係る上記ステープルは、それぞれが可動する2つのアームを有し、上記2つのアームのそれぞれは、2つの湾曲伸長部を有する。
【0015】
上記湾曲伸長部は、組織を綴じ合せる前に近づけさせるために上記組織の表面を貫通する尖端を有する。この伸長部の長さ方向の軸は、上記ステープルの対称軸に垂直な平面であって上記2つのアーム各々の先細端部を通る平面に対して、好ましくは45°±30°の角度をなす。それによって、上記2つのアームが互いの方へ折れ曲がると、上記組織の端の表面にぴったりと合い、組織の表面に対して垂直ではなく組織の上記端を引っ張ることに適した角度で組織の表面を貫通し、2つの端を共に移動させることができる。
【0016】
他の伸長部は、保持される組織の2つの端を貫通することなく、対向するアームの伸長部の平面部と共同して把持を行う平面部を有する。
【0017】
これらの2つの平面部は、2つのアーム同士が上記組織を保持する位置に共に移動すると、接合された組織の2つの縁を把持する平らな把持面を有するように構成される。
【0018】
使用のときには、ステープルは開いている、つまり、上記2つのアームは、180°(上記2つのアームは接続領域の両端にて一直線に並ぶ)から約90°の角度で離間している。上記2つのアームは、離間した状態にて綴じ合される領域に配され、共に移動させられる組織の端の表面を上記尖端が貫通する。そして、上記ステープルは変形させられ、上記アームは共に移動する。上記2つのアームの先細の伸長部は、上記端がくっつき2つの平面部によって把持されるまで、組織の2つの縁の表面に引っかかり、組織の端を引っ張る。
【0019】
最小断面積を有する内視鏡管による導入を可能とするため、2つのアームは初めのうちは一直線に並んでいる。
【0020】
上記2つの平面部の把持面は、半円筒状面からなる把持領域を形成する。上記ステープルが閉じられると、組織における把持領域の中央点における上記半円筒状面のそれぞれの接線同士は、30°未満の角度をなす。これらの接線は、平行であるか、または発散性(広がっていく)か集束性(接近する)であってもよい。上記半円筒状面の曲率半径は、アームの長さの10%より大きく、上記把持面が平面であるときには無限である。
【0021】
各半円筒状面の曲率半径は、アームの長さに対して10%より大きい。
【0022】
2つのアームを共に移動させるために、機械的な変形が行われ、それによって、上記アームが、上記ステープルの対称平面に含まれる単軸であって2つのアームの接合領域を通る単軸に対して、折り曲がる。
【0023】
好ましくは、上記アームは、弓形である。
【0024】
実施形態1によれば、上記横方向接続領域は半管形状であり、上記横方向接続領域が変形することによって、上記アームが同一平面上にありかつ上記半管形状の横方向接続領域の軸を通る中央平面に対して対称に位置する不動位置と、上記アームが互いに向かって折り曲げられた位置との間で、上記アームは移動可能である。
【0025】
好適には、上記アームのそれぞれは、上記アームと上記横方向接続領域(3)の上記軸とを含む平面から前方に伸びている尖状フックを形成する先の尖った付着端部を有している。
【0026】
好ましくは、上記付着端部の接線は、アームと上記横方向領域の上記軸とを含む平面に対して、0°~70°の角度、好ましくは15°~60°の角度をなす。
【0027】
特定の実施形態によれば、アームのそれぞれは、把持面を規定する肩部を有し、上記把持面は、上記ステープルが閉じられると、固定される組織領域の外面に接触するように構成されている。
【0028】
好適には、上記肩部は、弾力的に変形が可能である弓形の突起によって形成され、上記突起の一端は上記アームに接続され、上記突起の他の端は上記把持面を形成する。
【0029】
実施形態2によれば、アームのそれぞれは、付着端部と把持面を有する湾曲突起とによって形成される分岐端部を有し、上記アームは、上記横方向接続領域が変形することによって、上記2つのアームがほぼ一直線上に並びかつ半管形状の上記横方向領域の上記軸を通る中央平面に対して対称に対向する不動位置と、上記2つのアームが互いに向かって折り曲げられた位置との間で、上記横方向接続領域が変形することによって移動可能である。
【0030】
変形例1によれば、上記ステープルが閉じられると、上記尖端間の距離は、上記把持面間の距離より長い。
【0031】
変形例2によれば、上記ステープルが閉じられると、上記尖端間の距離は、上記把持面間の距離より短い。
【0032】
本発明はさらに、上述の請求項の少なくとも1項に記載の外科用ステープル用のアプリケータに関する。上記アプリケータは、上記ステープルの横方向の範囲にほぼ対応する断面を有する少なくとも1つの管状部材を有し、上記アプリケータは、上記少なくとも1つの管状部材に対して上記ステープルを動かすために上記ステープルの上記横方向接続領域と一時的に連携する手段と、上記ステープルの脚を変形させるための手段とを有する可動部材を含み、上記連携する手段と上記横方向接続領域との相互作用は、上記横方向接続領域の内面におよび、上記ステープルの変形は、上記脚の外面と上記管状部材の前端との相互作用によって生じる。
【0033】
変形例1によれば、上記ステープルは、管状伸長部の長手方向に配置され、上記管状伸長部から引き出されると傾くようにつながれている。
【0034】
変形例2によれば、上記ステープルは、横方向に配置され、管状スリーブの前面に対して長手方向に可動するロッドに固定された突起によって制御される。
【0035】
本発明はさらに、ステープルを製造する方法に関する。横方向接続領域によって、接続された2つの可動アームを有する形態を薄板金から切断する。上記可動アームのそれぞれは、把持領域および付着端部を有し、上記横方向接続領域は、上記横方向接続領域の軸付近にて折り曲がることによって、上記可動アームを共に移動させることができるように、変形可能である。
【0036】
好適には、上記切断は、上記切断中において10°~55°のうちの一定の角度で傾いた道具(特に、レーザビームまたはウォータージェット)を用いて行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は本発明の実施形態1に係るステープルの透視図を示す。
図2図2は開いた状態の実施形態1に係るステープルの平面図を示す。
図3図3は閉じた状態の実施形態1に係るステープルの平面図を示す。
図4図4は本発明の実施形態2に係るステープルの透視図を示す。
図5図5は閉じた状態の実施形態2に係るステープルの平面図を示す。
図6図6は本発明の実施形態3に係るステープルの透視図を示す。
図7図7は開いた状態の実施形態3に係るステープルの平面図を示す。
図8図8は開いた状態のステープルの実施形態4の平面図を示す。
図9図9はステープリング(agrafage)の段階における内視鏡を導入する段階のステープルアプリケータの概要の一例を示す。
図10図10はステープリング(agrafage)の段階における内視鏡を導入する段階のステープルアプリケータの概要の一例を示す。
図11図11はステープルアプリケータの第2の例を示す図である。
図12図12はステープル/アプリケータ全体の概要の他の例を示す。
図13図13はテープル/アプリケータ全体の概要の他の例を示す。
図14図14はテープル/アプリケータ全体の概要の他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、非限定的な実施形態に対応する添付図面を参照して、以下の記載を読むことによってより理解されるであろう。
【0039】
〔ステープルの実施形態1〕
図1図3は、本発明に係る実施形態1のステープルの概要を示す図である。
【0040】
上記ステープルは、正面から見ると、ほぼ半環状すなわち「蹄鉄型」である。本実施形態では、上記ステープルは鋼またはチタンを切断することによって形成される。一方で、上記ステープルは金属線または生物分解性の材料を成形することによって形成されてもよい。この好適な例において、上記材料は、アーム同士を接触させるために変形しその変形した形状を維持できるように、剛性があり、形状記憶を備えず少しの弾性(elasticite(1番目および2番目の「e」は、アキュート・アクセントを有す。))を備えた変形可能であるものである。
【0041】
上記ステープルは、接続部(3)の中央を通り抜ける中央平面(3)に対して対称に伸びる弓形のアーム(1)および(2)を有する。中央部(3)は、アーム(1)および(2)間にある部分を単に指す。本実施形態において、接続部(3)と呼ばれる領域とアーム(1、2)とは離間していない。しかしながら、他の実施形態において、領域(3)をヒンジまたは折り曲げ線を介してアーム(1、2)に接続することができる。
【0042】
中央部(3)は、半管形状を有しており、円筒状の鋳型に材料を押し付けることによって形成される。中央部(3)の半管形状によって内視鏡器具の端部に設けられたガイド部材の位置合わせを行うことができ、それらがぴったりと合うとステープルを容易に操作することができる。
【0043】
アーム(1)は、アーム(1)を含む横平面(12)から伸びる鉤状の尖端(11)を有し、アーム(2)は、アーム(2)を含む横平面(22)から伸びる鉤状の尖端(21)を有する。
【0044】
尖端(11、21)の接線(13、23)は、横平面(12、22)の法線(14、24)に対して、0°より大きく90°未満、好ましくは5°~50°の角度をなす。上記尖端は、ステープルを配置した領域の近傍にある組織に掛かり、当該組織の綴じ合わせの前に、当該組織を横方向に引っ張って共に移動させることができる。上記接線がなす上記角度が大きいと、組織を貫通することなく組織は引っ張られる。上記角度がより小さいと、組織を上記尖端が貫通する。
【0045】
アーム(1)は、横平面(12)の前面に突出し、横方向接続部(3)より尖端(11)に近くに配置されたフック(15)も有する。アーム(2)は、横平面(22)の前面に突出し、横方向接続部(3)より尖端(21)の近くに配置されたフック(25)も有する。
【0046】
付着端部(11)およびフック(15)は、アーム(1)の枝分かれ端部になるように形成され、付着端部(21)およびフック(25)は、アーム(2)の枝分かれ端部になるように形成される。当該枝分かれ端部各々の舌状部のうちの一方は、付着点(11、21)を形成し、もう一方はフック(15、25)を形成する。
【0047】
本実施形態において、付着点(11、21)の湾曲していない部分の長さは、フック(15、25)の湾曲していない部分の長さにほぼ等しい。
【0048】
フック(15、25)は、横平面(12、22)に平行な把持面(16、26)を有する。把持面(16、26)は、組織が綴じ合わされるときに組織の片側を担持して、組織を貫通することなく確実に保持する。
【0049】
ステープルの機能は以下の通りである。ステープルは、アプリケータで綴じ合わされる2つの縁に対して配置される。ステープルは開いた状態であり、尖端(11、21)は、上記2つの縁の分離線のそれぞれのサイドにおいて組織にぴったりと合う。尖端(11、21)は、アーム(1、2)を折り曲げる器具によって横方向領域(3)の上記半管形状の部分を通過する中央軸を中心にしてステープルが閉じられ始めると組織を共に移動させることができるように、組織に少し刺さり引っ掛かる。そして、尖端(1、21)は、円の弧にそってさっと動き、組織の上記2つの縁のそれぞれの末端同士をアーム(1)および(2)間に、つまりフック(15)および(25)間に移動させる。アーム(1)および(2)が互いに向かって折り曲げられると、把持面(16、26)はそれぞれ適所にて上記縁の末端を保持する。
【0050】
また、上記ステープルの機能は以下の通りである。ステープルは、使用前は開いた状態である。つまり、アーム(1、2)は互いに離間している。いくつかの実施形態においては、ステープルを断面積の小さい内視鏡管に容易に導入できるように、アーム(1、2)のお互いを一直線に並ばせてもよい。
【0051】
尖端(11、21)が、共に移動させられることとなる組織の縁に接触すると、尖端(11、21)は、組織の非常に浅いところを貫通して2つの固定点を形成する。力がかかってステープルが変形し、アーム(1、2)が共に移動すると、これらの固定点により上記縁を引っ張ることが可能となり、それらを共に移動させ、上記縁の末端がステープルのアーム(1)および(2)間の空間に導かれる。これらの末端は、ステープルの中央平面へ移動させられ、組織を貫通しないが反対方向に圧力をかけて組織を把持するフック(15)および(25)の端ではない(non pointue)半管状面(25、26)に接触する。アーム(1、2)が互いにほぼ平行な位置で折り曲げられたとき、組織の把持面は、ほぼ平行であり、組織の上記面に対して垂直方向の圧力をかける。これにより、お互いに対して組織の2つの末端を保持する。
【0052】
〔ステープルの実施形態2〕
図4および図5は、他の実施形態を示すものであり、該実施形態において、アーム(1、2)はV字を形成し、当該V字の開口はアームが開くと小さくなる。
【0053】
実施形態2のステープルは、弓形のアーム(1、2)を形成するように金属棒を折り曲げることによって形成される。アーム(1)は、付着端部(11)とステープルが閉じられたときに組織を把持するフック(15)とを規定する分岐端部を有する。アーム(2)は、付着端部(21)とステープルが閉じられたときに組織を把持するフック(25)とを規定する分岐端部を有する。
【0054】
〔ステープルの実施形態3〕
図6および図7は、他の実施形態を示すものであり、該実施形態において、アーム(1)は、把持面(16)および(18)をそれぞれ有する複数のフック(15)および(17)を備える。アーム(2)は、把持面(26)および(28)をそれぞれ有する複数のフック(25)および(27)を備える。
【0055】
該解決手段によれば、組織の上記把持面の数を増やすことができる。
【0056】
〔ステープルの実施形態4〕
図8は、レーザ切断またはウォータージェット切断によって薄板金から切断された、ステープルの他の実施形態を示す。切断方向は、薄板金の平面に対して垂直であるか、アプリケータへの搭載を容易にする傾斜面を有するステープルを形成するため、全切断線において10°から55°の間の角度に傾いている。
【0057】
ステープルは、厚さが一定である。また、ステープルは、曲線領域の両側にて延伸しているアーム(1、2)を有するように構成されており、アーム(1)は、第1の鉤爪(11)およびフック(15)を有し、アーム(2)は、第1の鉤爪(21)およびフック(25)を有する。
【0058】
〔アプリケータの実施例1〕
図9および図10は、実施形態2のステープルに用いられる内視鏡アプリケータの実施例1を示す。内視鏡の導入位置において、ステープルは長手方向に向けられ、アーム(1)および(2)は内視鏡の管状端部の軸と一直線に配置される。両側においてアーム(1、2)まで達する半円部分(3)は、外部の制御部材によって作動される長手方向可動ロッド(31)によって動かされる円筒突起(30)の周囲に配置される。ステープルが配置されると、ステープルの操作者はロッド(31)を押してステープルの全体が内視鏡の端部に設けられた管状スリーブ(32)から現れるようにする。以下の工程は、ロッド(31)を引くことからなる。ロッド(31)を引くことによって、ステープルが傾き、その背部は管状スリーブ(32)の前面に接触する。そして、ステープルの傾きが90°になると、ステープルは横方向(transversalement)にそって配置され、アーム(1、2)は、管状スリーブ(32)の前面に接触する(図9参照)。
【0059】
ロッド(31)を作動する制御部材が引っ張られ続けると、ステープルの変形が生じ、2つの上記アーム(1、2)が共に移動する。その結果、尖端(11、21)によって組織が付着し、フック(15、25)が当該組織を把持する。
【0060】
〔アプリケータの実施例2〕
図11は、本発明に係るアプリケータの他の実施例を示す。本実施例では、ステープルは横方向(transversalement)に配置され、中央領域(3)の管状部は、外部操作部材を用いて操作者によって作動される横方向可動ロッド(31)によって支持される突起(30)の後部に配置される。
【0061】
操作者がロッド(31)を後部の方へ引くと、突起(30)は、アーム(31、32)の後面が、内視鏡の端部に設けられた管状スリーブ(32)の前端部に接触するまで、ステープルを制御する。この前端部は、ステープルのアーム(1、2)をくさび止めする平面部(35、36)を有する。引っ張り続けることにより、ステープルは変形し、2つのアーム(1、2)は互いに近づく。その結果、鉤爪(11、21)による組織の付着が生じ、2つのフック(15、25)間の組織の把持が生じる。
【0062】
〔他のステープル/アプリケータアセンブリについて〕
ステープルは、配置される前は一直線に配置した2つのアーム(1、2)を有する。ステープルは、2つのアーム(1、2)間に横方向接続領域(3)を有する。
【0063】
上記横方向接続領域(3)は、一般的なC字型形状を有し、ステープルの中央平面(4)に対して対称である。横方向接続領域(3)は、中央平面(4)の両側に、好ましくは70°から85°の角度をなす弓形部(51)を有する。当該弓形部(51)は、ほぼ180°逆方向において湾曲角度を有する第2の弓形部(52)まで伸びている。弓形部(52)は、ステープルが変形する前は対称面(4)に対して垂直な第3部分(53)に達する。第3部分(53)は、各片側において、把持領域(15、25)を形成するフックおよび第2のフックまで伸びている分岐(54)を有する。上記2つのフックは、ステープルの内側に向けて湾曲している。
【0064】
アプリケータロッド(61)の端部に設けられた変形可能なフック(60)の連結が可能なように、横方向接続領域(3)は、開口を部分的に囲むノッチ(55、56)を有する。
【0065】
ステープルを内視鏡管(62)の中に導入できるように、2つのアームが一直線に配置しているステープルが開いた状態にある時、ロッド(61)の線上にて、一方のアーム(2)はロッド(61)に接するようにし、他方のアーム(1)は対向させる。
【0066】
アプリケータはステープルを配置位置に配置させることができる。そして、ロッド(61)は、ステープルが内視鏡管の端部から現れるように押し出される。その結果、ステープルは傾く。次にロッド(61)を引くと、記フック(60)は、アーム(2、3)の後面のそれぞれが第2の区画(52)にて内視鏡管(62)の端部の前端(63)に固定されるまで、内視鏡管(62)の端部にて横方向接続領域(3)を制御する。
【0067】
ロッド(61)を引っ張り続けると、第2の部分(52)は変形し、それによって上記アームの端部、特に付着領域(11)および上記把持領域(15、25)のそれぞれを形成する上記2つのフックを共に移動させる。
【0068】
ステープルが閉じられると、上記フックははずれ、上記ロッドを引っ張る力が増すことによって、上記フックが変形して開き上記ステープルの横方向接続領域(3)から解放される。
【0069】
本発明は、ステープルに関し、特に、内視鏡を挿入するためのアプリケータのステープルであって、使用前は図12に示す形状を有し、綴じ合わせを行うステープルに関する。本発明はまた、アプリケータと好適なステープルとを含むシステムに関する。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14