(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定する実験方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/00 20060101AFI20221208BHJP
B09C 1/00 20060101ALI20221208BHJP
B09C 1/10 20060101ALI20221208BHJP
B09B 101/90 20220101ALN20221208BHJP
【FI】
G01N33/00 C
B09B5/00 S
B09C1/10
B09B101:90
(21)【出願番号】P 2022121334
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】202111636668.1
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】姜登登
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼紹坡
(72)【発明者】
【氏名】孔令雅
(72)【発明者】
【氏名】丁達
(72)【発明者】
【氏名】陳雲
(72)【発明者】
【氏名】楊敏
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/052624(WO,A1)
【文献】特開2004-184105(JP,A)
【文献】特開2003-035633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00
B09C 1/10
B09C 1/00
B09B 101/90
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップS1、土壌前処理
ベンゼンにより汚染されていない場所から土壌サンプルを収集し、収集された土壌サンプ
ルを3等分して、それぞれ乾燥組土壌、湿潤組土壌と減菌組土壌と表示し、乾燥組土壌は
未処理のまま、湿潤組土壌に湿潤組土壌の重量に対して20~50wt%の脱イオン水を
噴霧して均一に混合し、減菌組土壌に減菌組土壌の重量に対して20~50wt%の質量
濃度0.1~0.25%の塩化水銀溶液を噴霧して均一に混合し、3組の土壌を処理した
後7日静置するステップと、
ステップS2、汚染源の調製
3つの円筒形のガラス容器(2)を取って、各ガラス容器(2)に未処理土壌を120m
m高さまで充填し、20mlのベンゼン類をガラス容器(2)の底部の土壌に注入して十
分かつ均一に混合して、汚染源として用意するステップと、
ステップS3、土壌カラム(1)の充填
上部がポリメチルメタクリレートからなり、下部がPVCからなり、上下部がフランジを
介して接続された3つの土壌カラム(1)を用意し、各土壌カラム(1)に第1ガスサン
プリング口(11)、第2ガスサンプリング口(12)、第3ガスサンプリング口(13
)、第4ガスサンプリング口(14)、第5ガスサンプリング口(15)および第1土壌
サンプリング口(16)、第2土壌サンプリング口(17)が設けられ、土壌カラム(1
)の充填前に、土壌カラム(1)に水を注水して密閉性能を測定し、土壌カラム(1)の
充填時、S2で調製された汚染源とする3つのガラス容器(2)をそれぞれ1対1で3つ
の土壌カラム(1)の底部に配置し、フランジを介してカラムに接続され密閉し、さらに
、3つの土壌カラム(1)に乾燥土壌、湿潤土壌、減菌土壌をそれぞれ対応して充填し、
充填土壌頂部から土壌カラム(1)の頂部までの距離が100mmになるまで、100m
m充填するたびに土壌を圧縮し、土壌充填が完了した直後、試験時間をカウントするステ
ップと、
ステップS4、試験過程のデータ収集
土壌ガス中のベンゼン類検出:試験開始後、第1~5日目、12時間ごとに第1ガスサン
プリング口(11)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第6~
31日目、24時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(
13)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第32~43日目、
48時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(13)、第
5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、
生分解監視:土壌ガス中のベンゼン類濃度が安定になった後、5日ごとに、それぞれ第1
ガスサンプリング口(11)、第2ガスサンプリング口(12)、第3ガスサンプリング
口(13)、第4ガスサンプリング口(14)、第5ガスサンプリング口(15)から1
mLガスサンプリングし、土壌ガス収集が完了した直後にクロマトグラフィーカラムを使
用して分析し、
拡散フラックス監視:試験開始後、10日ごとに、土壌カラム(1)の拡散フラックスを
測定し、以下のようにサンプリングし、土壌カラム(1)のカバープレートを閉じて固定
し、0時間と表示し、それぞれ0時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.
5時間で同じ針と気密注射器を使用して土壌カラム(1)の頂部カバープレートのサンプ
リング口から上部中空部分の中心位置に土壌ガスを収集し、サンプリング体積が1mLで
あり、サンプリング完了直後検出し、
土壌ガスの他のガスの監視:試験開始後、5日ごとに、それぞれ第2ガスサンプリング口
(12)、第4ガスサンプリング口(14)から100mLの気密サンプリング針を使用
して土壌ガスを収集した直後、酸素、二酸化炭素の含有量を測定し、
微生物の分析およびサンプリング:試験開始後、7日ごとに、それぞれ第1土壌サンプリ
ング口(16)、第2土壌サンプリング口(17)から10gの土壌サンプルを収集し、
各土壌サンプルから5gの土壌サンプルを取って、-20℃温度環境下で、減菌ポリエチ
レンバッグに入れて保存し、微生物多様性分析を行い、残りの5gの土壌サンプルを微生
物カウントに使用するステップと、
ステップS5、試験終了後、ベンゼン類の濃度の測定
試験終了後、3組の土壌カラム(1)を計量し、それぞれ3つの土壌カラム(1)の0.
2m、0.4m、0.6m、0.8m、1.0mの深さの箇所で5gの土壌サンプルを採
取し、10mlのメタノールの茶色ガラス瓶に入れ、ポリテトラフルオロエチレンキャッ
プで密閉し、4℃の低温下で保存し、土壌中のベンゼン類濃度を測定するステップと、
を含む、ことを特徴とするエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定す
る実験方法。
【請求項2】
前記ステップS1のサンプリング過程は、
ステップS1-1、サンプリング時、掘削機がクリアバケットで深さ3mの溝を掘り、小
さなシャベルで溝の側壁から土壌サンプルを採集した後、バルブバッグに移して密閉する
ステップと、
ステップS1-2、バルブバッグに密閉したサンプリング土壌を試験室に運び、自然乾燥
させ、粒子径2mmの篩で選別した後保管し、サンプリング土壌を分析し、サンプリング
土壌が汚染されていないことを確認するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の
生分解率を測定する試験方法。
【請求項3】
前記ステップS1では、減菌組の土壌中の塩化水銀溶液の噴霧濃度が500mg/kgで
ある、ことを特徴とする請求項1に記載のエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生
分解率を測定する試験方法。
【請求項4】
前記ステップS2では、円筒形ガラス容器(2)の高さが150mm、外径が90mmで
ある、ことを特徴とする請求項1に記載のエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生
分解率を測定する試験方法。
【請求項5】
前記ステップS3では、採集された土壌カラム(1)の上部長さが1000mm、下部長
さが300mmであり、土壌カラム(1)の頂部空間大気に連通し、カバープレートが付
設され、カバープレートはフランジおよびゴムパッドを介して土壌カラム(1)に接続さ
れて密閉することができる、ことを特徴とする請求項1に記載のエアレイションゾーンに
おけるベンゼン類の生分解率を測定する試験方法。
【請求項6】
前記ステップS3は、土壌カラム充填の1日前に、3つの土壌をそれぞれ微生物カウント
を行い、それぞれ土壌サンプルの重量、含水量、粒度分布を測定することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率
を測定する試験方法。
【請求項7】
前記ステップS4の土壌ガス中のベンゼン類を
水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグ
ラフィーで検出し、酸素および二酸化炭素を最小検出限界0.1%の土壌ガス検出器で検
出し、微生物を連続希釈寒天平板法でカウントする、ことを特徴とする請求項1に記載の
エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定する試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌修復の分野に関し、具体的にはエアレイションゾーンにおけるベンゼン類
の生分解率を測定する実験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアレイションゾーンとは、水面下と潜水面上のゾーンのことである。このゾーンでは、
土や岩の隙間は水で満たされておらず、空気を含んでいる。エアレイションゾーン内の水
は、主に気体水、吸着水、膜水、毛細管水の状態になっている。降水や地表水の浸透が起
こると、一時的に重力水が発生することがある。
エアレイションゾーン水は主に土壌水と上部滞留水から構成されている。土壌水は、エア
レイションゾーンの上部にある土層に存在し、土壌の重要な構成要素であり、土壌の肥沃
度に重要な影響を与える。上部滞留水とは、局所的な水の壁の上のエアポケットに存在す
る重力水のことである。エアレイションゾーン水は、結合水、毛細管水、気体水などの形
で存在し、その分布帯は補給帯と一致している。土壌水は主に植物の吸収・利用と地表面
蒸発によって消費され、その量は気象的要因に大きく影響され、季節の気候変動によって
変化する。上部滞留水の量は不安定だが、乾燥地帯では地下水が深く埋まると灌漑や飲用
に利用できるようになる。ポエアレイションゾーン水の質は、人間の生活や生産によって
ますます影響を受けている。したがって、エアレイションゾーン水塩の生成とその移動パ
ターンの研究は、飽和水帯の形成の解明にとって非常に重要である。
土壌中の生分解過程は人為的な研究の対象となっているが、現在のモデルでは予測された
単一化合物を使用して汚染されたコーキングサイトにおけるベンゼン類の移動を模擬し、
ベンゼン類のエアレイションゾーンの生分解に対する影響を考慮していない。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来のモデルでは予測された単一化合物を使用して汚染されたコーキングサイ
トにおけるベンゼン類の移動を模擬し、ベンゼン類のエアレイションゾーンの生分解に対
する影響を考慮していないという技術的課題を解決することを目的とする。
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用している。
エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定する実験方法は、
S1、土壌前処理
コーキングプラントの攪乱されていない場所から土壌サンプルを収集し、収集された土壌
サンプルを3等分して、それぞれ乾燥組土壌、湿潤組土壌と減菌組土壌と表示し、その中
で、乾燥組土壌は未処理のまま、湿潤組土壌に湿潤組土壌の重量に対して20~50wt
%の脱イオン水を噴霧して均一に混合し、減菌組土壌に減菌組土壌の重量に対して20~
50wt%の質量濃度0.1~0.25%の塩化水銀溶液を噴霧して均一に混合し、3組
の土壌を処理した後7日静置するステップと、
S2、汚染源の調製
3つの円筒形のガラス容器(2)を取って、各ガラス容器(2)に未処理土壌を120m
m高さまで充填し、20mlのベンゼン類をガラス容器(2)の底部の土壌に注入して十
分かつ均一に混合して、汚染源として用意するステップと、
S3、土壌カラム(1)の充填
上部がポリメチルメタクリレートからなり、下部がPVCからなり、上下部がフランジを
介して接続された3つの土壌カラム(1)を用意し、各土壌カラム(1)に第1ガスサン
プリング口(11)、第2ガスサンプリング口(12)、第3ガスサンプリング口(13
)、第4ガスサンプリング口(14)、第5ガスサンプリング口(15)および第1土壌
サンプリング口(16)、第2土壌サンプリング口(17)が設けられ、土壌カラム(1
)の充填前に、土壌カラム(1)に水を注水して密閉性能を測定し、土壌カラム(1)の
充填時、S2で調製された汚染源とする3つのガラス容器(2)をそれぞれ1対1で3つ
の土壌カラム(1)の底部に配置し、フランジを介してカラムに接続され密閉し、さらに
、3つの土壌カラム(1)に乾燥土壌、湿潤土壌、減菌土壌をそれぞれ対応して充填し、
充填土壌頂部から土壌カラム(1)の頂部までの距離が100mmになるまで、100m
m充填するたびに土壌を圧縮し、土壌充填が完了した直後、試験時間をカウントするステ
ップと、
S4、試験過程のデータ収集
土壌ガス中のベンゼン類検出:試験開始後、第1~5日目、12時間ごとに第1ガスサン
プリング口(11)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第6~
31日目、24時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(
13)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第32~43日目、
48時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(13)、第
5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、
生分解監視:土壌ガス中のベンゼン類濃度が安定になった後、5日ごとに、それぞれ第1
ガスサンプリング口(11)、第2ガスサンプリング口(12)、第3ガスサンプリング
口(13)、第4ガスサンプリング口(14)、第5ガスサンプリング口(15)から1
mLガスサンプリングし、土壌ガス収集が完了した直後にクロマトグラフィーカラムを使
用して分析し、
拡散フラックス監視:試験開始後、10日ごとに、土壌カラム(1)の拡散フラックスを
測定し、以下のようにサンプリングし、土壌カラム(1)のカバープレートを閉じて固定
し、0時間と表示し、それぞれ0時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.
5時間で同じ針と気密注射器を使用して土壌カラム(1)の頂部カバープレートのサンプ
リング口から上部中空部分の中心位置に土壌ガスを収集し、サンプリング体積が1mLで
あり、サンプリング完了直後検出し、
土壌ガスの他のガスの監視:試験開始後、5日ごとに、それぞれ第2ガスサンプリング口
(12)、第4ガスサンプリング口(14)から100mLの気密サンプリング針を使用
して土壌ガスを収集した直後、酸素、二酸化炭素の含有量を測定し、
微生物の分析およびサンプリング:試験開始後、7日ごとに、それぞれ第1土壌サンプリ
ング口(16)、第2土壌サンプリング口(17)から10gの土壌サンプルを収集し、
各土壌サンプルから5gの土壌サンプルを取って、-20℃温度環境下で、減菌ポリエチ
レンバッグに入れて保存し、微生物多様性分析を行い、残りの5gの土壌サンプルを微生
物カウントに使用するステップと、
S5、試験終了後、ベンゼン類の濃度の測定
試験終了後、3組の土壌カラム(1)を計量し、それぞれ3つの土壌カラム(1)の0.
2m、0.4m、0.6m、0.8m、1.0mの深さの箇所で5gの土壌サンプルを採
取し、10mlのメタノールの茶色ガラス瓶に入れ、ポリテトラフルオロエチレンキャッ
プで密閉し、4℃の低温下で保存し、土壌中のベンゼン類濃度を測定するステップと、を
含む。
さらに、前記ステップS1のサンプリング過程は具体的に、
S1-1、サンプリング時、掘削機がクリアバケットで深さ3mの溝を掘り、小さなシャ
ベルで溝の側壁から土壌サンプルを採集した後、バルブバッグに移して密閉するステップ
と、
S1-2、バルブバッグに密閉したサンプリング土壌を試験室に運び、自然乾燥させ、粒
子径2mmの篩で選別した後保管し、サンプリング土壌を分析し、サンプリング土壌が汚
染されていないことを確認するステップと、を含む。
以上のステップによってサンプリング土壌がエアレイションゾーン土壌層に位置すること
を確保し、分析によりサンプリング土壌が汚染されていないことを確保し、試験の干渉要
因を解除することができる。
さらに、前記ステップS1では、減菌組の土壌中の塩化水銀溶液の噴霧濃度が500mg
/kgであり、塩化水銀溶液により減菌組の土壌の強い減菌効果を確保する。
さらに、前記ステップS2では、円筒形ガラス容器(2)の高さが150mm、外径が9
0mmであり、土壌カラムに容易に配置しやすい。
さらに、スステップS3では、採集された土壌カラム(1)の上部長さが1000mm、
下部長さが300mmであり、土壌カラム(1)の頂部空間大気に連通し、カバープレー
トが付設され、カバープレートはフランジおよびゴムパッドを介して土壌カラム(1)に
接続されて密閉することができ、本試験は充填型土壌カラムを試験キャリアとして使用し
、元の土壌構造を確保できないが、特定の目的の専門研究に適している。
またさらに、ステップS3では、第1ガスサンプリング口から土壌カラムの頂部までの距
離が300mm、第2ガスサンプリング口から土壌カラムの頂部までの距離が500mm
、第3ガスサンプリング口が土壌カラムの頂部までの距離が700mm、第4ガスサンプ
リング口から土壌カラムの頂部までの距離が900mm、第5ガスサンプリング口から土
壌カラムの頂部までの距離が1100mmであり、5つのガスサンプリング口の直径がす
べて8mmであり、適切な間隔を置いてサンプリングすると、サンプリングデータの合理
性が向上する。
好ましくは、ステップS3では、第1土壌サンプリング口から土壌カラムの頂部までの距
離が400mm、第2土壌サンプリング口から土壌カラムの頂部までの距離が800mm
であり、2つの土壌サンプリング口がすべて適合ボルトによって密閉され、適切な間隔を
置いてサンプリングすると、サンプリングデータの合理性が向上する。
好ましくは、ステップS3は、土壌カラム充填の1日前に、3つの土壌をそれぞれ微生物
カウントを行い、それぞれ土壌サンプルの重量、含水量、粒度分布を測定することをさら
に含み、土壌の元の重量、含水量、粒度分布を統計することで、試験に対する干渉を排除
することができる。
より好ましくは、ステップS4の土壌ガス中のベンゼン類を炎イオン化検出器付きガスク
ロマトグラフィーで検出し、酸素および二酸化炭素を最小検出限界0.1%の土壌ガス検
出器で検出し、微生物を連続希釈寒天平板法でカウントし、科学的な検出とカウント方法
により試験データの信頼性がより高い。
【0005】
本発明は以下の有益な効果を有する
(1)本発明は、様々な側面からエアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を
検出し、湿潤組、乾燥組と減菌組という3つの対照組で、それぞれ土壌ガス中のベンゼン
類の監視、生分解監視、拡散フラックス監視、土壌ガス中の他のガスの監視、微生物分析
サンプリングという5つの側面から試験過程中、各種のガス、微生物分解率を検出して、
エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率に対する研究は、より客観的で信頼
性が高く、プロモーションの意義も十分ある。
(2)生分解は、VOCsのエアレイションゾーンでの自然減衰の制御過程の一つであり
、生分解係数は移動モデルおよび健康リスク評価中の重要なパラメータであり、土壌微生
物の多様性の変化がVOCsのエアレイションゾーンでの生分解作用の理解に重要な役割
を担っているため、本発明は、エアレイションゾーン土壌および多環芳香族炭化水素類汚
染エアレイションゾーン土壌のクリーニングにおけるトルエンの生分解作用を研究し、室
内土壌カラム生分解係数解法を確立する同時に、この試験条件下でのトルエンの生分解係
数を算出し、気相輸送の各プロセスの寄与度を定量化するとともに、土壌中の微生物多様
性の変化を検討し、代表的な産業汚染サイトのVOCs健康リスク評価のための基礎デー
タおよびパラメータ補正を提供し、実際の産業汚染サイトの環境修復のための科学的根拠
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施例の方法のステップS1のサンプリング過程のフローチャートである。
【
図5】実施例の試験過程中湿潤組の酸素分圧の変化を示す図である。
【
図6】実施例の試験過程中湿潤組の二酸化炭素分圧の変化を示す図である。
【
図7】実施例の試験過程中湿潤組の微生物の変化を示す図である。
【
図8】実施例の乾燥組、湿潤組と減菌組中の第5ガスサンプリング口でサンプリングされたガスのトルエン濃度の経時変化を示す図である。
【
図9】実施例の乾燥組、湿潤組と減菌組中の第3ガスサンプリング口でサンプリングされたガスのトルエン濃度の経時変化を示す図である。
【
図10】実施例の乾燥組、湿潤組と減菌組中の第1ガスサンプリング口でサンプリングされたガスのトルエン濃度の経時変化を示す図である。
【0007】
[符号の説明]
1 土壌カラム
11 第1ガスサンプリング口
12 第2ガスサンプリング口
13 第3ガスサンプリング口
14 第4ガスサンプリング口
15 第5ガスサンプリング口
16 第1土壌サンプリング口
17 第2土壌サンプリング口
2 ガラス容器
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、図面を参照し
て本発明をより詳細に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、
すべての実施例ではないのは言うまでもない。本発明の実施例に基づいて、当業者は創造
的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
本発明の実施例で使用される用語は特定の実施例を説明する目的でのみ使用され、本発明
を制限することを意図しない。本発明の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される
「一つ」、「前記」および「該」という単数形は、文脈上他の意味を明記しない限り、「
複数」は通常少なくとも2つを含む。
なお、本発明の実施例では第1、第2、第3などの用語を用いてxxxを説明するが、x
xxはこれらの用語に限定されないことを理解されたい。これらの用語はxxxを区別す
るためのみで使用される。例えば、本発明の実施例の範囲を逸脱しない限り、第1xxx
は第2xxxとも呼ばれ、同様に、第2xxxは第1xxxとも呼ばれる可能である。
【0009】
実施例
本実施例は、エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定する実験方法を
提供し、主にエアレイションゾーンにおけるベンゼン類のトルエンの生分解率を研究する
ために使用され、
図1に示すように、以下のステップを含む。
S1、土壌前処理
コーキングプラントの攪乱されていない場所から3kgの土壌サンプルを収集し、収集さ
れた土壌サンプルを3等分して、それぞれ乾燥組土壌、湿潤組土壌と減菌組土壌と表示し
、その中で、乾燥組土壌は未処理のまま、湿潤組土壌に湿潤組土壌の重量に対して20~
50wt%の脱イオン水を噴霧して均一に混合し、減菌組土壌に減菌組土壌の重量に対し
て20~50wt%の質量濃度0.1~0.25%の塩化水銀溶液を噴霧して均一に混合
し、3組の土壌を処理した後7日静置し、
図2に示すように、サンプリング過程は具体的
に、
S1-1、サンプリング時、掘削機がクリアバケットで深さ3mの溝を掘り、小さなシャ
ベルで溝の側壁から土壌サンプルを採集した後、バルブバッグに移して密閉するステップ
と、
S1-2、バルブバッグに密閉したサンプリング土壌を試験室に運び、自然乾燥させ、粒
子径2mmの篩で選別した後保管し、サンプリング土壌を分析し、サンプリング土壌が汚
染されていないことを確認するステップと、を含む。
【0010】
S2、汚染源調製
3つの高さ150mm、外径90mmの円筒形ガラス容器2を取って、各ガラス容器2内
に未処理土壌を120mm高さまで充填した後、20mlのトルエンをガラス容器2の底
部の土壌に注入して十分かつ均一に混合し、汚染源として用意する、
【0011】
S3、土壌カラム1の充填
図4に示すように、上部がポリメチルメタクリレートからなり、下部がPVCからなり、
上下部がフランジを介して接続された3つの土壌カラム(1)を用意し、
図3に示すよう
に、各土壌カラム1に第1ガスサンプリング口11、第2ガスサンプリング口12、第3
ガスサンプリング口13、第4ガスサンプリング口14、第5ガスサンプリング口15お
よび第1土壌サンプリング口16、第2土壌サンプリング口17が設けられ、土壌カラム
の充填の1日前に、3つの土壌をそれぞれ微生物カウントを行い、それぞれ土壌サンプル
の重量、含水量、粒度分布を測定し、土壌カラム1に水を注入して密閉性能を測定し、土
壌カラム1の充填時、S2で調製された汚染源とする3つのガラス容器2をそれぞれ1対
1で3つの土壌カラム1の底部に配置し、フランジを介してカラムに接続されて密閉され
、3つの土壌カラム1に対応して乾燥土壌、湿潤土壌、減菌土壌をそれぞれ充填し、充填
土壌の頂部から土壌カラム1の頂部までの距離が100mmになるまで、100mm充填
するたびに土壌を圧縮し、土壌充填が完了した直後、試験時間をカウントし、その中で、
採集された土壌カラム1の上部の長さが1000mm、下部長さが300mmであり、土
壌カラム1の頂部空間が大気に連通し、カバープレートが付設され、カバープレートはフ
ランジおよびゴムパッドを介して土壌カラム1に接続されて密閉され、第1ガスサンプリ
ング口11から土壌カラム1の頂部までの距離が300mm、第2ガスサンプリング口1
2から土壌カラム1の頂部までの距離が500mm、第3ガスサンプリング口13から土
壌カラム1の頂部までの距離が700mm、第4ガスサンプリング口14から土壌カラム
1の頂部までの距離が900mm、第5ガスサンプリング口15から土壌カラム1の頂部
までの距離が1100mmであり、5つのガスサンプリング口の直径が8mmであり、第
1土壌サンプリング口16から土壌カラム1の頂部までの距離が400mm、第2土壌サ
ンプリング口17から土壌カラム1の頂部までの距離が800mmであり、2つの土壌サ
ンプリング口がすべて適合ボルトによって密閉される。
【0012】
S4、試験過程データ収集
土壌ガス中のベンゼン類検出:試験開始後、第1~5日目、12時間ごとに第1ガスサン
プリング口(11)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第6~
31日目、24時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(
13)、第5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、第32~43日目、
48時間ごとに第1ガスサンプリング口(11)、第3ガスサンプリング口(13)、第
5ガスサンプリング口(15)からガスサンプリングし、炎イオン化検出器付きガスクロ
マトグラフィーによって検出を行い、
生分解監視:土壌ガス中のベンゼン類濃度が安定になった後、5日ごとに、それぞれ第1
ガスサンプリング口(11)、第2ガスサンプリング口(12)、第3ガスサンプリング
口(13)、第4ガスサンプリング口(14)、第5ガスサンプリング口(15)から1
mLガスサンプリングし、土壌ガス収集が完了した直後にクロマトグラフィーカラムを使
用して分析し、
拡散フラックス監視:試験開始後、10日ごとに、土壌カラム(1)の拡散フラックスを
測定し、以下のようにサンプリングし、土壌カラム(1)のカバープレートを閉じて固定
し、0時間と表示し、それぞれ0時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.
5時間で同じ針と気密注射器を使用して土壌カラム(1)の頂部カバープレートのサンプ
リング口から上部中空部分の中心位置に土壌ガスを収集し、サンプリング体積が1mLで
あり、サンプリング完了直後検出し、
土壌ガスの他のガスの監視:試験開始後、5日ごとに、それぞれ第2ガスサンプリング口
(12)、第4ガスサンプリング口(14)から100mLの気密サンプリング針を使用
して土壌ガスを収集した直後、最小検出限界0.1%のBioGasCHECK土壌ガス
検出器を使用して酸素、二酸化炭素の含有量を測定し、
微生物の分析およびサンプリング:試験開始後、7日ごとに、それぞれ第1土壌サンプリ
ング口(16)、第2土壌サンプリング口(17)から10gの土壌サンプルを収集し、
各土壌サンプルから5gの土壌サンプルを取って、-20℃温度環境下で、減菌ポリエチ
レンバッグに入れて保存し、微生物多様性分析を行い、残りの5gの土壌サンプルを連続
希釈寒天平板法によって微生物カウントに使用する。
【0013】
S5、試験終了後、ベンゼン類の濃度の測定
試験終了後、3組の土壌カラム(1)を計量し、それぞれ3つの土壌カラム(1)の0.
2m、0.4m、0.6m、0.8m、1.0mの深さの箇所で5gの土壌サンプルを採
取し、10mlのメタノールの茶色ガラス瓶に入れ、ポリテトラフルオロエチレンキャッ
プで密閉し、4℃の低温下で保存し、土壌中のベンゼン類濃度を測定する。
その中で、微生物カウントは具体的に以下のステップを含む。
【0014】
S4-1-1、ビーフペーストペプトン培地の調製
ビーフペーストペプトン培地のレシピは、ビーフペースト:3.0g、ペプトン:10.
0g、NaCl:5.0g、水:1000mlであり、培地レシピの割合でビーフペース
ト、ペプトン、NaClを秤量してビーカーに入れ、ビーフペーストをガラス棒で摘んで
小さなビーカーに入れて秤量し、お湯で溶いてビーカーに注ぎ込み、
上記ビーカーにまず必要量より少ない水を加え、ガラス棒で均一に混合し、石綿グリッド
上で加熱して溶かし、必要体積まで水を補充し、固体培地を調製する場合、秤量した寒天
を溶かした薬剤に入れて、加熱して溶いて、最後に失った水を補充し、
pHの調整前に、まず精密pH紙で培地の元のpHを測定し、酸性の場合、スポイトで培
地に1mol/LのNaOH溶液を滴下しながら攪拌し、pHが7.6になるまでリアル
タイムにpH紙でそのpHを測定し、そうでないと1mol/LのHCl溶液で調整し、
最後に、調製した培地を試験管や三角フラスコに分注した。分注が完了した後、試験管の
口または三角フラスコの口に綿栓を挿入して、外部の微生物が培地に進入して汚染を引き
起こすのを防ぎ、良好な通気性を確保し、挿入した後、滅菌中に結露が綿栓を濡らすのを
防ぐために、すべての試験管を麻ひもで束ねた後、クラフト紙を重ねたもので綿栓を包み
、上記培地を圧力0.103MPa、温度121℃の条件下で20minのオートクレー
ブ滅菌を行い、
減菌した培地を37℃の室温で24~48時間培養し、減菌が徹底的であるかどうかを検
査し、
S4-1-2、土壌懸濁液の調製
1gの土壌サンプルを秤量し、99mlの減菌水があるガラスビーズ入りの三角フラスコ
に入れて、10~20min振って土壌サンプルと水を十分に混合し、細胞を分散させ、
10
-2希釈度の土壌溶液を調製し、1mlの減菌ピペットでその中から1mlの土壌懸
濁液を取って9mlの減菌水がある試験管に入れて、均一に混合し、このように、10
-
3、10
-4、10
-5、10
-6、10
-7の5種類の異なる希釈度の土壌溶液を調製し、
S4-1-3、プレートコロニーのカウント
まずビーフペーストペプトン培地を溶かしてプレートに流し、固化した後番号を付け、約
37℃のオーブンで30min焼き、または超クリーンベンチで適切に吹きついて乾燥さ
せ、その後減菌ピペットを使用して10
-3、10
-4、10
-5、10
-6、10
-7希釈
懸濁液をそれぞれ0.1ml吸い上げ、対応して異なる希釈度番号のプレートに放置した
直後、減菌ガラス棒で菌液をプレートに均一に広げ、実験台に20~30min平置きし
て、菌液が培地表層内に浸透し、その後プラスチック製シールストリップで密閉し、37
℃の恒温オーブンに反転して放置して48時間培養し、
48時間培養した後、培養プレートを取り出し、同一希釈度の3つのプレート上の菌落平
均数を統計し、以下の式で算出する:
式中:nは菌落形成単位であり、単位がcfu/gであり、は同一希釈度の3回反復の平
均菌落数であり、単位が個であり、aは希釈倍数であり、無次元である。
試験過程中、湿潤組の微生物変化が
図7に示され、その中で、1#はサンプリング位置が
汚染源から0.8m離れ、2#はサンプリング位置が汚染源から0.4m離れるのを示す
。
図7中の湿潤組(つまり生分解組)の土壌カラム1の微生物数の変化から分かるように
、微生物活性域は時間とともに深層から浅層に移行する。
土壌ガス中の他のガスの監視は具体的に以下のステップを含む。
S4-2-1、測定前に、装置の電源を投入し、20s運転して、装置内の残留ガスを排出
し、メーターの示度が安定であり、装置をセルフテストモードに設定する。
S4-2-2、気密サンプリング針を使用して目標サンプリング口から100mLの土壌ガ
スをゆっくりと抜き取り、サンプリング針を装置の空気入口に接続してその気密性を検査
し、土壌ガスサンプルを装置にゆっくりと注入してメーター変化を観察する。
S4-2-3、装置の示度が安定になると、O
2、CO
2含有量を%単位で記録し表示する
。
【0015】
実施例2
本実施例は以下の点で実施例1と異なる。
ステップS1では、湿潤組の土壌に湿潤組の土壌重量に対して20wt%の脱イオン水を
噴霧して均一に混合し、減菌組の土壌に減菌組の土壌重量に対して20wt%の質量濃度
0.1%の塩化水銀溶液を噴霧して均一に混合する。
【0016】
実施例3
本実施例は以下の点で実施例1と異なる。
ステップS1では、湿潤組の土壌に湿潤組の土壌重量に対して50wt%の脱イオン水を
噴霧して均一に混合し、減菌組の土壌に減菌組の土壌重量に対して50wt%の質量濃度
0.25%の塩化水銀溶液を噴霧して均一に混合する。
上記実施例1のサンプル検出方法で試験土壌サンプルを測定し、土壌比重が2.42g/
cm3、有機炭素量が0.956%であり、粒子径分布:粘着粒子(<2μm)の割合が
7.03%、粉末粒子(2~5μm)の割合が49.8%、砂粒子(>50μm)の割合
が43.1%である。試験中の他の土壌パラメータは表1に示され、試験前後に土壌重量
の含水率は大きな変化がなく、トルエン移動に対する水分損失の影響を無視できる。
表1 土壌の物理的および化学的パラメータ
【0017】
【0018】
試験過程中、湿潤組の酸素分圧変化が
図5に示され、二酸化炭素分圧変化が
図6に示され
、その中で、1#はサンプリング位置が第1土壌サンプリング口16であり、2#はサンプ
リング位置が第2土壌サンプリング口17であることを示す。
図5および
図6から分かる
ように、湿潤組(つまり生分解組)では、土壌カラム1中の酸素分圧が最初減少しその後
増加し、二酸化炭素分圧変化は全く逆の傾向があり、両者とも17日目にそれぞれ19.
6%、1.1%のピークに達した。
試験データを収集した後、Excel、OriginおよびMatlab7.11.0な
どのソフトウェアで試験データを整理および分析した。
数式モデルで生分解係数を求め、数式モデルは、(1)拡散が支配的な移動過程、(2)
吸着と溶解は線形可逆吸着に従い、(3)気相と溶存相はヘンリー法則に従い、(4)生
分解率が定数であり、(5)気相と溶存相拡散係数はMillingtonandQui
rkモデルに従うという仮定があり、モデルの式は以下のとおりであり、
式では、τ
aは気相曲率係数であり、τ
wは液相曲率係数であり、θ
aは土壌気相体積率
であり、θ
wは土壌水相体積率であり、θ
総は土壌全隙率である。
化学移動式は土壌ガス中のトルエン濃度C
aで以下のように示され得る。
ヒステリシス係数R
aと土壌有効拡散係数Dはそれぞれ以下のように定義される。
式では、K
dは溶存相と固相の分配係数であり、単位がm
3/kgであり、Hはヘンリー
定数であり、無次元であり、は土壌ガス中のVOCの有効拡散係数であり、単位がm
2/
dであり、D
aはVOCの空气での分子拡散係数であり、単位がm
2/dであり、D
wは
VOCの水での分子拡散係数であり、単位がm
2/dであり、r(C
a)は生分解部分であ
る。
前提:(1)
かつ
なので、気相拡散は最も重要な移動過程であり、(2)生分解は水相でのみ起こり、(3
)生分解率は一次速度論に従い、深さによって変化しない。そうすると、r(C
a)は以下
のように定義される。
式では、r(C
a)は見かけの全除去率であり、単位がg/(m
3d)であり、μは水相一次
生分解率であり、単位がd
-1であり、kは気相見かけの一次生分解率であり、単位がd
-
1であり、
境界条件は以下のとおりである。
のとき
、
のとき
とする。
式では、
:特定のサンプリング時間、深さがLのとき、土壌ガス中のトルエンの濃度が最大になる
。
安定状態では、
、解析解は次のようになる。
実測した土壌ガス濃度のプロファイルを移動モデルの解析解に代入し、生分解係数を算出
する。
試験過程中、乾燥組、湿潤組と減菌組中の第5ガスサンプリング口でサンプリングしたガ
スのトルエン濃度の経時変化が
図8に示され、乾燥組、湿潤組と減菌組中の第3ガスサン
プリング口でサンプリングしたガスのトルエン濃度の経時変化が
図9に示され、乾燥組、
湿潤組と減菌組中の第1ガスサンプリング口でサンプリングしたガスのトルエン濃度の経
時変化が
図10に示される。湿潤組と減菌組の土壌ガス濃度変化から分かるように、生分
解が顕著であり、非常に低い含水率では、VOCsが土壌鉱物の表面に吸着され気相中の
濃度が低下し、土壌中のVOCsの移動が妨害される。
【要約】 (修正有)
【課題】土壌修復の技術分野に関し、エアレイションゾーンにおけるベンゼン類の生分解率を測定する実験方法を提供する。
【解決手段】実験方法は、S1、土壌前処理、S2、汚染源調製、S3、土壌カラム充填、S4、試験過程データ収集、S5、試験終了後ベンゼン類濃度の測定というステップを含む。
【効果】従来のモデルでは予測された単一化合物を使用して汚染されたコーキングサイトにおけるベンゼン類の移動を模擬し、ベンゼン類のエアレイションゾーンの生分解に対する影響を考慮していないという問題を解決し、包括的な分析と高い信頼性の利点を有する。
【選択図】
図1