(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】木ねじ
(51)【国際特許分類】
F16B 25/04 20060101AFI20221208BHJP
F16B 25/00 20060101ALI20221208BHJP
F16B 35/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
F16B25/04 B
F16B25/00 Z
F16B35/00 T
(21)【出願番号】P 2018191601
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000181963
【氏名又は名称】若井ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】若井 猛正
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19632838(DE,A1)
【文献】特開2018-017283(JP,A)
【文献】実開昭63-128308(JP,U)
【文献】実開昭52-057167(JP,U)
【文献】実開昭57-005515(JP,U)
【文献】特開2007-315513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 25/00
F16B 25/04
F16B 35/00
F16B 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後端に頭部(2)を有するねじ軸(3)の先端に、削孔機能部(4)と更にその先端側に尖鋭状の先端部(5)を連ねて設け、
前記先端部(5)の外周にパイロットねじ山(6)を設け、
前記削孔機能部(4)が、ねじ軸(3)の先端と前記先端部(5)の間に位置する軸部(9b)の外周に、ねじ軸(3)のねじ山(8)とリード角が異なり、その外径が前記ねじ山(8)の外径よりも小径で谷径よりも大径となる多条ねじ山(9)を設けて形成され、
前記ねじ軸(3)のねじ山(8)と先端部(5)のパイロットねじ山(6)が等しいピッチのねじ山に形成され、
前記削孔機能部(4)の多条ねじ山(9)が、前記ねじ軸(3)のねじ山(8)及び先端部(5)のパイロットねじ山(6)よりも小さいピッチに形成されている木ねじにおいて、
この削孔機能部(4)の多条ねじ山(9)を形成する螺旋ねじ山(9a)と、ねじ軸(3)のねじ山(8)の関係が、
前記ねじ軸(3)のねじ山(8)の始まり端の位置を、削孔機能部(4)とねじ軸(3)の境界線に対して頭部(2)側へ離れた位置とし、
削孔機能部(4)とねじ軸(3)の境界線上に位置する何れか一つの螺旋ねじ山(9a)の終端と前記ねじ軸(3)のねじ山(8)の始まり端を、螺旋ねじ山(9a)の螺旋方向に沿う延長線上で距離を置いた配置になるよう設定され、
この螺旋ねじ山(9a)の終端とねじ山(8)の始まり端は高さが零になっていることを特徴とする木ねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木質部材の締結に用いる比較的長尺な木ねじにおいて、ねじ込みが容易に行えることで、ねじ込み作業のトルク低減による効率化が図れる木ねじに関する。
【背景技術】
【0002】
木質部材の締結に用いる比較的長尺な木ねじとしては、長い胴部の全長にわたって連続するねじ山を設けた全ねじの木ねじや、前記胴部の半分程度の長さにわたってねじ山を設けた半ねじの木ねじがあり、これら長尺な木ねじは、そのねじ込み長さが長いので、ねじ込み時に発生するねじ込み抵抗が、ねじ込みの進行と共に増大し、このため、ねじ込み作業に大きな力が必要になり、ねじ込み作業の効率が悪いだけでなく、木質部材が硬いような場合、ねじ込み不能な事態が発生することがある。
【0003】
このような、長尺な木ねじのねじ込み作業時に発生する問題点を軽減するため、胴部の一端に頭部と他端に尖鋭状の先端部を設け、前記胴部の外周にねじ込み用の平行ねじ山と先端部の外周にテーパ状のパイロットねじ山を形成し、前記胴部の平行ねじ山とパイロットねじ山の間に削孔機能部を設けた木ねじが提案されている。(特許文献1乃至3参照)
【0004】
上記のような長尺な木ねじは、木質部材に対してねじ込むと、パイロットねじ山の食い付きにより先端部が木質部材に進入し、前記先端部の次位置にある削孔機能部が、先端部によって生じた進入孔を削孔することで拡径していき、この削孔に平行ねじ山がねじ込まれるようにすることで、前記平行ねじ山を設けた胴部のねじ込み時の抵抗発生を少なくし、ねじ込み作業時に発生する問題点を軽減せんとするものである。
【0005】
ところで、特許文献1乃至3における削孔機能部は、胴部におけるパイロットねじ山の後端と平行ねじ山の先端間に、胴部の軸方向に沿って長く延びる突条を周方向に適宜間隔で複数設けた構造を有し、これら突条が胴部の軸心を中心に回転することで、削孔を形成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3162311号公報
【文献】実開昭63-128308号公報
【文献】意匠登録第1289796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような従来の削孔機能部は、それを構成する突条が胴部の軸方向に沿って長く延び、この胴部の軸方向に対して少し傾斜しただけの直線に近い構造になっているため、胴部のねじ込み回転方向に対して対面する距離が長くなり、結果として、削孔時にその長さ方向の全長で一気に木質部材を削ることになり、しかも、複数条の突条が周方向に存在することで、削孔機能部による削孔時のねじ込み抵抗の発生が大きくなり、これがねじ込み完了まで継続することで、実際には、削孔の形成によりねじ込みトルクを低減しょうとする、所期の目的と効果を十分に達成することができず、長尺の木ねじのねじ込み作業時に発生する問題点の軽減を得ることができないものである。
【0008】
そこで、この発明の課題は、木ねじに設ける削孔機能部に、削孔時の抵抗の発生を可能な限り低減することができる構造を採用し、長尺の木ねじのねじ込み作業時に生じた問題点を解決することができる木ねじを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような課題を解決するため、この発明は、後端に頭部を有するねじ軸の先端に、削孔機能部と更にその先端側に尖鋭状の先端部を連ねて設け、
前記先端部の外周にパイロットねじ山を設け、
前記削孔機能部が、ねじ軸の先端と前記先端部の間に位置する軸部の外周に、ねじ軸のねじ山とリード角が異なり、その外径が前記ねじ山の外径よりも小径で谷径よりも大径となる多条ねじ山を設けて形成され、
前記ねじ軸のねじ山と先端部のパイロットねじ山が等しいピッチのねじ山に形成され、
前記削孔機能部の多条ねじ山が、前記ねじ軸のねじ山及び先端部のパイロットねじ山よりも小さいピッチに形成されている木ねじにおいて、
この削孔機能部の多条ねじ山を形成する螺旋ねじ山と、ねじ軸のねじ山の関係が、
前記ねじ山の始まり端の位置を、削孔機能部とねじ軸の境界線に対して頭部側へ離れた位置とし、削孔機能部とねじ軸の境界線上に位置する何れか一つの螺旋ねじ山の終端と前記ねじ軸のねじ山の始まり端を、螺旋ねじ山の螺旋方向に沿う延長線上で距離を置いた配置になるよう設定され、この螺旋ねじ山の終端とねじ山の始まり端は高さが零になっているようにしたものである。
【0014】
ここで、上記ねじ軸は、長い円形軸状となる胴部の外周に平行のねじ山を設けて形成され、全ねじの場合前記胴部の外径が前記ねじ軸のねじ山の谷径になり、半ねじの場合の胴部は、前期ねじ軸のねじ山を設けた谷径の部分に対して無ねじ部分の外径が少し大径になっており、また、上記削孔機能部の軸部の外径は前記ねじ軸のねじ山の谷径よりも小径となり、前記軸部と先端部の後端側外径は略一致し、前記ねじ軸のねじ山と先端部のパイロットねじ山は、等しいピッチとリード角の螺旋になっている。
【0015】
また、削孔機能部に設けた多条ねじ山は、複数条の螺旋ねじ山の集合によって形成され、各螺旋ねじ山は、その外径が上記ねじ軸におけるねじ山の外径よりも小径であるが、全ねじの場合ねじ軸の谷径よりも大径となり、半ねじの場合無ねじ部の外径と同等または大径となり、何れにおいても、そのピッチは前記ねじ軸のねじ山よりも小さく、リード角は前記ねじ軸のねじ山よりも大きくなっており、例えば、このような螺旋ねじ山を六条設けることによって多条ねじ山が形成されている。
【0016】
このような螺旋ねじ山の長さ方向は、削孔機能部における軸部の外周に上記のような条件で螺旋状となることで、ねじ込み回転時に、パイロットねじ山とねじ軸のねじ山よりも螺進しようとする速度が速くなるので削孔作用が発生し、しかも、六条の螺旋ねじ山の集合体で形成した多条ねじ山は、ねじ込み回転による削孔時に、各螺旋ねじ山が木質部材に対して先端側から食い込んでねじ込まれ、これにより、木質部材に対してスムースに進入し、削孔形成時の抵抗発生を少なくすることになる。
【0017】
また、削孔機能部の削孔作用について、木ねじのねじ込み速度は、先端部とねじ軸が軸方向に長い領域を有しているので、先端部のパイロットねじ山とねじ軸のねじ山のリード角によって決定されることになるが、このとき、多条ねじ山における各螺旋ねじ山のリード角が前記ねじ軸のねじ山よりも大きくなっているので、木ねじのねじ込み速度と螺旋ねじ山の螺進しようとするねじ込み速度に差異が生じ、その結果、各螺旋ねじ山に削孔作用が生じ、先端部によって生じた進入孔を拡径し、前記ねじ軸のねじ山の外径よりも小径の削孔を低トルクで形成することになる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、ねじ軸の先端側に削孔機能部と先端部を順に連ね、前記先端部パ イロットねじ山を設け、前記削孔機能部を、前記ねじ軸のねじ山とリード角が異なり、外 径が前記ねじ山の外径よりもよりも小径となる多条ねじ山によって形成され、前記ねじ軸のねじ山とパイロットねじ山が等しいピッチとなり、前記削孔機能部の多条ねじ山が前記ねじ軸のねじ山よりも小さいピッチに形成されている木ねじにおいて、
前記削孔機能部の多条ねじ山を形成する螺旋ねじ山と、ねじ軸のねじ山の関係が、
前記ねじ山の始まり端の位置を、削孔機能部とねじ軸の境界線に対して頭部側へ離れた位置とし、削孔機能部とねじ軸の境界線上に位置する何れか一つの螺旋ねじ山の終端と前記ねじ軸のねじ山の始まり端を、螺旋ねじ山の螺旋方向に沿う延長線上で距離を置いた配置になるよう設定され、この螺旋ねじ山の終端とねじ山の始まり端は高さが零になっているようにしたので、木ねじのねじ込み作業時に、削孔機能部の多条ねじ山が形成した削孔に対して、ねじ軸のねじ山のねじ込み開始がスムースに生じ、これにより、ねじ軸のねじ込み過程での抵抗の発生を低減でき、特に、長尺木ねじにおけるねじ込み作業が円滑に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】この発明に係る木ねじの先端部と削孔機能部の部分を拡大した正面図
【
図3】この発明に係る木ねじの先端部と削孔機能部の部分を示し、削孔機能部の背面側のねじ山を加えた拡大正面図
【
図5】ねじ軸のねじ山とパイロットねじ山及び螺旋ねじ山の、木ねじにおける長さ方向に沿った断面形状を示す拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1のように、この発明に係る木ねじ1は、後端に頭部2を有する長いねじ軸3先端に、削孔機能部4と更にその先端側に尖鋭状の先端部5を設けて形成され、従って、木ねじ1の全長の長さ方向に沿う部位が、先端部5の部分に該当する先端領域aと、前記頭部2側に位置するねじ軸領域bと、前記先端領域aと頭部側領域bの間に位置する削孔領域cとに設定されている。
【0023】
上記先端領域aにおける先端部5は、砲弾形の尖鋭状となりその外周にパイロットねじ山6が設けられ、上記ねじ軸3は、円軸状となる長い胴部7の外周にねじ込み用のねじ山8を設けて形成され、このねじ山8は平行ねじ山となり、胴部7の外径がねじ山8の谷径になっている。
【0024】
図示の場合、上記木ねじ1は全ねじの例を示し、長い胴部7の略全長にわたりねじ山8を設けたものであるが、半ねじの場合、長い胴部の半分程度の長さ範囲にねじ山を設け、無ねじ部分の外径がねじ山の外径よりも小径で谷径よりも大径になっている。
【0025】
上記木ねじ1の全長や各部の寸法、ねじ山8の外径等は使用目的に応じて設定すればよいが、例えば、厚みのある木質部材の締結に用いる全ねじの長尺ねじ釘の場合の一例としては、先端部領域aの長さを10mmとすると、削孔領域cの長さは8mm前後、ねじ軸領域bの長さは100mm前後に設定され、頭部2を含めた全長が140mm前後になっていると共に、ねじ軸3は、ねじ山8の外径を8mm、谷径を5.4mmに設定した場合、削孔機能部4の外径は6.5mm、谷径は5.5mm程度になっている。
【0026】
上記先端部5の尖鋭状となる外周に設けたパイロットねじ山6は、先端部5の先端5aから始まって削孔領域c側へ向けて漸次外径が大きくなるテーパ状となり、削孔領域cとの境界に近い部分が最大の外径となっている。
【0027】
また、削孔機能部4の谷径と上記先端部5の後端側外径は略等しくなり、また、パイロットねじ山6とねじ軸3のねじ山8は、等しいピッチと等しいリード角に設定され、ねじ込み時に等速で螺進するようになっている。
【0028】
上記削孔機能部4となる多条ねじ山9は、
図2~
図4のように、ねじ軸3のねじ山8とリード角が異なり、その外径が前記ねじ山8の外径よりもよりも小径となる螺旋ねじ山9aを軸部9bの外周に複数条設けることによって形成され、各螺旋ねじ山9aの外径は、上記ねじ山8の谷径よりも大径でねじ山8の外径よりも小径となり、そのピッチは上記ねじ山8よりも小さく、リード角は上記ねじ山8よりも大きくなっていると共に、この多条ねじ山9の外径と前記パイロットねじ山6の最大径は一致又は近似している。
【0029】
上記多条ねじ山9を形成する螺旋ねじ山9aの集合条数は、複数条であれば数は限定されないが、好ましい例として図示の場合は、六条の螺旋ねじ山9aを設けた例を示している。
【0030】
ここで、上記多条ねじ山9の外径は、上記パイロットねじ山6の削孔領域cに近い位置にある最大径に一致又は近似させ、この多条ねじ山9における何れか一つの螺旋ねじ山9aの始まり端と上記パイロットねじ山6の終端が、両ねじ山9aと6の螺旋が連続するような状態で、先端領域aと削孔領域cの境界線上で一致している。
【0031】
更に、
図2のように、上記ねじ山8の始まり端の位置を、削孔機能部4とねじ軸3の境界線の頭部側寄りへ離れた位置に設定し、削孔機能部4とねじ軸3の境界線上に位置する何れか一つの螺旋ねじ山9aの終端と前記ねじ軸3のねじ山8の始まり端を、螺旋ねじ山9aの螺旋方向に沿う延長線線上で距離を置いた配置にしている。
【0032】
この距離を置いた間隔は、径方向に1mm、軸方向に0.6mm程度とし、螺旋ねじ山9aの終端とねじ山8の始まり端は高さが零になり、多条ねじ山9が形成した削孔に対してねじ山8のねじ込み開始がスムースに生じるようにしている。
【0033】
上記パイロットねじ山6とねじ山8及び螺旋ねじ山9aは、
図5に示すように、その何れも、進入側面と頭部側面のなす角度が40°となり、外周が約1mm程度の厚みをもつフラット面となった断面形状になり、木質部材へのねじ込みが連続して円滑に行えると共に、十分な耐引き抜き強度が得られるようにしている。
【0034】
この発明の木ねじ1は、上記のような構成であり、木質部材の締結を行うには、木ねじ1の先端部5の先端5aを木質部材に押し当てながら、頭部2側からねじ込み回転を与えると、先端部5の外周に設けたパイロットねじ山6が木質部材に食い付き、先端部5が木質部材を押し広げるようにして螺入することで進入孔を形成し、この先端部5に続いて多条ねじ山9が進入孔に回転しながら進入し、進入孔を削って拡径することで、ねじ山8の外径よりも少し小径の削孔を形成していく。
【0035】
上記多条ねじ山9に続いてねじ山8が木質部材に進入し、このねじ山8が削孔に食い付いてねじ込まれることで、木ねじ1は木質部材に進入することになり、前記削孔はねじ山8の外径よりも小径で谷径と同等もしくは大径となるので、ねじ山8の螺入時における抵抗の発生を抑えることができ、また、ねじ山8の谷径と削孔の内周面間に生じた隙間が、多条ねじ山9による進入孔の拡径時に生じた削り屑の収納する部分となり、ねじ山8の螺入抵抗の発生を低減できる。
【0036】
上記多条ねじ山9が木質部材に進入したとき、多条ねじ山9を形成する螺旋ねじ山9aの長さ方向は、削孔領域cの軸部9bの外周にねじ山8と異なるリード角、図示の実施例ではねじ山8よりも大きなリード角に傾斜しているので、ねじ込み回転時にパイロットねじ山6及びねじ山8に対して螺進しようとする速度が速くなろうとする。
【0037】
即ち、木ねじ1のねじ込み速度は、先端部5のパイロットねじ山6とねじ山8のリード角によって決定されることになるが、このとき、多条ねじ山9における各螺旋ねじ山9aのリード角がねじ山8よりも大きくなっているので、木ねじ1のねじ込み速度と螺旋ねじ山9aの螺進しようとする速度に差異が生じ、その結果、この螺進しようとする速度の差異によって結果的に多条ねじ山9が早く回転したときと同様の状態になり、これによって、多条ねじ山9の削孔機能が大幅に向上してスムースに削孔することで、ねじ山8よりも小径の削孔を低トルクで形成することになる。
【0038】
また、多条ねじ山9を六条のような螺旋ねじ山9aの集合体で形成しているので、多条ねじ山9は、ねじ込み回転による削孔時に、各螺旋ねじ山9aが木質部材の進入孔に対して先端側から食い込んでねじ込まれることになり、進入孔への進入がスムースとなり、削孔への食い付き時の抵抗発生を少なくすることになる。
【符号の説明】
【0039】
1 木ねじ
2 頭部
3 ねじ軸
4 削孔機能部
5 先端部
6 パイロットねじ山
7 胴部
8 ねじ山
9 多条ねじ山
9a 螺旋ねじ山
9b 軸部