(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】タイヤホルダ
(51)【国際特許分類】
A47F 7/04 20060101AFI20221208BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A47F7/04
A47F5/11
(21)【出願番号】P 2021150110
(22)【出願日】2021-09-15
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】517347850
【氏名又は名称】株式会社図南
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊郎
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-114480(JP,A)
【文献】実開昭59-166768(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/04
A47F 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦置きされるタイヤを保持するタイヤホルダにおいて、
前記縦置きされるタイヤの下部を支持するホルダ本体と、
前記縦置きされるタイヤの中心孔に挿入され
そのタイヤの内周に接触する筒状挿入部材と、
前記ホルダ本体に装着され、前記縦置きされるタイヤの中心孔に挿入された前記筒状挿入部材を前記縦置きされるタイヤの中心軸方向から挟持する一対のタイヤ支持部材と
を備えていることを特徴とするタイヤホルダ。
【請求項2】
前記ホルダ本体は、
複数のタイヤを垂直方向へ積み重ねて載せるタイヤ台と、
前記タイヤ台に装着され、前記タイヤ台に載せられた前記複数のタイヤの中心孔に挿入される筒状部材と、
前記筒状部材に装着され、前記縦置きされるタイヤの外周面を受けるとともに、そのタイヤの転がりを抑制するタイヤ外周面支持部材とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤホルダ。
【請求項3】
前記タイヤ支持部材は、それぞれ
前記タイヤ台に支持され、前記筒状部材の内部空間に通される複数のポールと、
前記複数のポールをカバーするポールカバーとを有し、
前記ホルダ本体は、
前記タイヤ台に支持された前記複数のポールの倒れを抑制する倒れ抑制部材を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のタイヤホルダ。
【請求項4】
前記倒れ抑制部材は、
前記筒状部材の内部空間に収容され、前記筒状部材の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体と、
前記抑制部材本体に形成され、前記複数のポールを上方へ逃がすとともに、前記複数のポールが水平方向に移動するのを阻止する切欠きと
を有することを特徴とする請求項3に記載のタイヤホルダ。
【請求項5】
前記抑制部材本体に、前記筒状部材の内部空間を覗くための窓が形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のタイヤホルダ。
【請求項6】
前記抑制部材本体に形成され、前記縦置きされるタイヤを前記タイヤ外周面支持部材に固定するためのベルトを通す一対の孔を有する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のタイヤホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦置きされたタイヤを保持するタイヤホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のタイヤホルダとして、縦置きされたタイヤの外周面を支持するベース部材と、縦置きされたタイヤの両側面を支持する一対のサイド支持部材とで構成されるタイヤスタンドが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
縦置きされたタイヤの外周面を支持できるように、ベース部材の前部と後部とは三角筒状に形成されている。
【0004】
一対のサイド支持部材の一方のサイド支持部材は縦置きされたタイヤの一方の側面側に配置され、他方のサイド支持部材は縦置きされたタイヤの他方の側面側に配置される。
【0005】
いずれのサイド支持部材も、縦置きされたタイヤの側面を支持し得るように、床に置かれる底面部に対して垂直に折り曲げられている。一対のサイド支持部材は対向配置されている。
【0006】
各サイド支持部材には一対の接続部材が連結されており、一方のサイド支持部材の接続部材の自由端部はベース部材の三角筒の一端部にスライド可能に挿入され、他方のサイド支持部材の接続部材の自由端部はベース部材の三角筒の他端部にスライド可能に挿入されている。このような構成が採用されているので、異なるタイヤ幅を有する各種のタイヤを保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のタイヤスタンドには、その構造上、縦置きされたタイヤをサイド支持部材が支持する位置が低いので、そのタイヤに中心軸方向の外力が作用したとき、サイド支持部材が傾き、タイヤが左右へ揺れて不安定になるおそれがある。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、縦置きされたタイヤが左右へ揺れて不安定になるのを防ぐことができるタイヤホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明は、縦置きされるタイヤを保持するタイヤホルダにおいて、前記縦置きされるタイヤの下部を支持するホルダ本体と、前記縦置きされるタイヤの中心孔に挿入されそのタイヤの内周に接触する筒状挿入部材と、前記ホルダ本体に装着され、前記縦置きされるタイヤの中心孔に挿入された前記筒状挿入部材を前記縦置きされるタイヤの中心軸方向から挟持する一対のタイヤ支持部材とを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤホルダにおいて、前記ホルダ本体は、複数のタイヤを垂直方向へ積み重ねて載せるタイヤ台と、前記タイヤ台に装着され、前記タイヤ台に載せられた前記複数のタイヤの中心孔に挿入される筒状部材と、前記筒状部材に装着され、前記縦置きされるタイヤの外周面を受けるとともに、そのタイヤの転がりを抑制するタイヤ外周面支持部材とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤホルダにおいて、前記タイヤ支持部材は、それぞれ前記タイヤ台に支持され、前記筒状部材の内部空間に通される複数のポールと、前記複数のポールをカバーするポールカバーとを有し、前記ホルダ本体は、前記タイヤ台に支持された前記複数のポールの倒れを抑制する倒れ抑制部材を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のタイヤホルダにおいて、前記倒れ抑制部材は、前記筒状部材の内部空間に収容され、前記筒状部材の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体と、前記抑制部材本体に形成され、前記複数のポールを上方へ逃がすとともに、前記複数のポールが水平方向に移動するのを阻止する切欠きとを有することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のタイヤホルダにおいて、前記抑制部材本体に、前記筒状部材の内部空間を覗くための窓が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のタイヤホルダにおいて、前記抑制部材本体に形成され、前記縦置きされるタイヤを前記タイヤ外周面支持部材に固定するためのベルトを通す一対の孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、縦置きされたタイヤにそのタイヤの中心軸方向の外力が作用したとき、そのタイヤが左右へ揺れて不安定になるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1はこの発明の一実施形態に係るタイヤホルダの斜視図である。
【
図2】
図2は
図1のタイヤホルダの使用状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は
図1のタイヤホルダのホルダ本体の斜視図である。
【
図7】
図7は
図3のホルダ本体の倒れ抑制部材の平面図である。
【
図8】
図8は
図1のタイヤホルダのタイヤ支持部材のポールカバーの斜視図である。
【
図9】
図9は
図3のホルダ本体のタイヤ外周面支持部材の受け部の展開図である。
【
図10】
図10は
図3のホルダ本体のタイヤ外周面支持部材の転がり阻止部の展開図である。
【
図12】
図12は円筒状に曲げられた筒状挿入部材の部分拡大図である。
【
図13】
図13は縦置きされたタイヤの中心孔に筒状挿入部材を挿入した状態をタイヤの側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るタイヤホルダは、縦置きされるタイヤ10を保持するタイヤホルダである。タイヤ10の「縦置き」とは、タイヤ10の中心軸が水平方向Hとほぼ平行になるようにタイヤ10を置くことである(
図2参照)。
【0019】
このタイヤホルダは、
図1、
図2に示すように、縦置きされるタイヤ10(
図2参照)の下部の外周面10aを支持するホルダ本体と、縦置きされるタイヤ10の中心孔10cに挿入される筒状挿入部材1(
図13、
図14参照)と、縦置きされるタイヤ10の中心孔10cに挿入された筒状挿入部材1を縦置きされるタイヤ10の中心軸方向から挟持する一対のタイヤ支持部材5とを備えている。
【0020】
ホルダ本体は、
図3に示すように、複数のタイヤ10を垂直方向Vへ積み重ねて載せるタイヤ台6と、タイヤ台6に装着され、タイヤ台6に載せられた複数のタイヤ10の中心孔10cに挿入される筒状部材2と、筒状部材2に装着され、縦置きされるタイヤ10の外周面10aを受けるとともに、そのタイヤ10の転がりを抑制するタイヤ外周面支持部材4と、タイヤ台6に支持された後述の複数のポール51の倒れを抑制する倒れ抑制部材3Aとを有する。
【0021】
この実施形態では、プラスチックダンボールを折り曲げ加工することによって形成されるタイヤ台6が用いられている。
【0022】
タイヤ台6は、
図4に示すように、タイヤ台本体61と、4つのポール51の下部を支持するための4つの穴62と、筒状部材2の脚部211,231,251,271,291,311を支持するための5つの穴63とを有する。
【0023】
4つの穴62のうちの2つの穴62は互いに接近しており、4つの穴62のうちの残りの2つの穴62も互いに接近している。
【0024】
4つの穴62のうちの2つの穴62と4つの穴62のうちの残りの2つの穴62とは、タイヤ台6のタイヤ台本体61の中心に関し点対称の位置にある。
【0025】
4つの穴62と5つの穴63とはタイヤ台6のタイヤ台本体61の中心を中心とする仮想円に沿って配置されている。
【0026】
5つの穴63のうちの2つの穴63は互いに接近しており、5つの穴63のうちの別の2つの穴63も互いに接近している。
【0027】
互いに接近する2つの穴63と互いに接近する別の穴63のうちの残りの2つの穴63とは、タイヤ台6のタイヤ台本体61の中心に関し点対称の位置にある。
【0028】
5つの穴63のうちの残りの1つの穴63は、互いに接近する一方の2つの穴62の間に配置されている。この穴63には、留め部材Fで結合された脚部211,311が挿入される。
【0029】
筒状部材2は、プラスチックダンボールをプレス加工することにより形成されている。
図6に示すように、筒状部材2は展開状態においてほぼ矩形であり、筒状部材2には10個の折曲線部N1~N10が形成されている。折曲線部N1~N10は互いに平行であり、展開状態の筒状部材2の長手方向L1へ所定間隔に並んでいる。
【0030】
筒状部材2は、10個の折曲線部N1~N10によって11個の領域部21~31に区分されている。
【0031】
領域部21は、留め部材Fを通す留め部材通し孔21aと、倒れ抑制部材3Aの凹部3A3と嵌合するスリット21bと、脚部211とを有する。
【0032】
領域部31は、留め部材Fを通す留め部材通し孔31aと、倒れ抑制部材3Aの凹部3A3と嵌合するスリット31bと、脚部311とを有する。
【0033】
領域部23と領域部25と領域部27と領域部29とは、それぞれ脚部231,251,271,291を有する。
【0034】
筒状部材2を八角筒状に曲げるとき、領域部21と領域部31とを重ねて、領域部21の留め部材通し孔21aと領域部31の留め部材通し孔31aとを合わせ、対向する留め部材通し孔21aと留め部材通し孔31aとに留め部材Fを通すとともに、領域部21と領域部31とを図示しない両面テープや接着剤等で接着する。このようにして八角筒状の筒状部材2が形成される(
図5参照)。
【0035】
タイヤ外周面支持部材4は、
図1に示すように、縦置きされるタイヤ10の下部の外周面10aを受ける受け部4Aと、縦置きされるタイヤ10の転がりを抑制する転がり抑制部4Bとを有する。
【0036】
各受け部4Aは、
図9に示すように、一対の長孔4A11を有する受け部本体4A1と、受け部本体4A1の両側に連なる一対の接続部4A2とを有する。
【0037】
受け部本体4A1と接続部4A2とは折曲線部N11で区分されている。
各接続部4A2は一対のスリット4A21を有する。
【0038】
接続部4A2は受け部本体4A1に対して折曲線部N11で垂直に折り曲げられる。
一方の接続部4A2のスリット4A21が筒状部材2のスリット24a,スリット24bに嵌合され、一方の受け部4Aは筒状部材2に装着される。他方の接続部4A2のスリット4A21が筒状部材2のスリット28a,スリット28bに嵌合され、他方の受け部4Aは筒状部材2に装着される。
【0039】
各転がり抑制部4Bは、
図10に示すように、長孔4B10を有する受け部本体4B1と、受け部本体4B1の両側に連なる一対の接続部4B2とを有する。
各接続部4B2はスリット4B20を有する。
【0040】
受け部本体4B1は2つの折曲線部N13,N14で3つの領域4B11~4B13に区分されている。
【0041】
領域4B12は領域4B11に対して折曲線部N13で折り曲げられ、領域4B13は領域4B12に対して折曲線部N14で折り曲げられる。領域4B13は、受け部4Aの受け部本体4A1の長孔4A11に挿入される。
【0042】
一方の接続部4B2のスリット4B20が筒状部材2のスリット25a,スリット27aに嵌合され、一方の接続部4B2は筒状部材2に装着される。他方の接続部4B2のスリット4B20が筒状部材2のスリット27a,スリット29aに嵌合され、他方の接続部4B2は筒状部材2に装着される。
【0043】
接続部4B2は2つの折曲線部N15,N16で3つの領域4B21~4B23に区分されている。
【0044】
接続部4B2は受け部本体4B1に対して折曲線部N12で折り曲げられる。
領域4B22は領域4B21に対して折曲線部N15で折り曲げられ、領域4B23は領域4B21に対して折曲線部N16で折り曲げられる。
【0045】
倒れ抑制部材3Aは、
図7に示すように、筒状部材2の内部空間に収容され、筒状部材2の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体3A1と、抑制部材本体3A1に形成され、複数のポール51を上方へ逃がすとともに、複数のポール51が水平方向Hに移動するのを阻止する切欠き3A11,3A12とを有する。
【0046】
抑制部材本体3A1に、筒状部材2の内部空間を覗くための窓3A4が形成されている。
【0047】
抑制部材本体3A1に、受け部4Aの接続部4A2のスリット4A21が嵌合されるスリット3A5が形成されている。
【0048】
抑制部材本体3A1に、縦置きされるタイヤ10をタイヤ外周面支持部材4に固定するためのベルト(図示せず)を通す一対のベルト通し孔3A6が、形成されている。
【0049】
凸部3A2と凹部3A3とは、倒れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の中心に関し点対称の位置にある。
【0050】
ポール51は円柱状である。切欠き3A11,3A12の曲率半径はポール51の曲率半径よりわずかに長い。
【0051】
2つの切欠き3A11は互いに接近しており、他の2つの切欠き3A12も互いに接近している。2つの切欠き3A11と他の2つの切欠き3A12とは、倒れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の中心に関し点対称の位置にある。
【0052】
倒れ抑制部材3Aを筒状部材2に装着するには、倒れ抑制部材3Aの凸部3A2を筒状部材2の領域部26の孔26aに挿入するとともに、倒れ抑制部材3Aの凹部3A3を領域部21のスリット21bと領域部31のスリット31bとに嵌合する。このようにして倒れ抑制部材3Aは筒状部材2に装着される。このとき倒れ抑制部材3Aの外周は筒状部材2の内周面に接触するので、筒状部材2の六角筒の形は倒れ抑制部材3Aによって維持される。
【0053】
筒状挿入部材1は、
図1、
図11~
図14に示すように、縦置きされたタイヤ10の中心孔10cに、円筒状に弾性変形させて収容される帯状本体部11と、帯状本体部11に帯状本体部11の長手方向L2(
図11参照)に沿って等間隔に形成される複数の孔12(
図12参照)と、帯状本体部11の一端に連なり、複数の孔12のうちのいずれかの孔12に挿入されて帯状本体部11に連結される突出部13とを備えている。
【0054】
この実施形態の筒状挿入部材1はプラスチックダンボールをプレス加工することにより形成される。
【0055】
帯状本体部11には折曲線部N17,N18,N19が形成されている。帯状本体部11の一端には折曲線部N20を介して突出部13が連なる。突出部13には折曲線部N21が形成されている。突出部13は折曲線部N21によって自由端部側領域131と連結端側領域132とに区分されている。
【0056】
折曲線部N17~N21は帯状本体部11と突出部13とを円筒状に弾性変形させ易くするものである。折曲線部N17~N21はそれぞれ円筒状に弾性変形された帯状本体部11の中心軸Oと平行である。
【0057】
折曲線部N17~N21は筋目であり、プラスチックダンボールの一方のライナとリブを切断(いわゆるハーフカット)して形成されるものではない。
【0058】
折曲線部N17は、帯状本体部11の一端部に、帯状本体部11の長手方向L2に沿って等間隔に並んでいる。帯状本体部11の一端部は4つの折曲線部N17によって領域11Aと領域11Bと領域11Cと領域11Dとに区分されている。
【0059】
折曲線部N18,N19は、帯状本体部11の他端部に、帯状本体部11の長手方向L2に沿って等間隔且つ交互に並んでいる。帯状本体部11の他端部は7つの折曲線部N18と6つの折曲線部N19とによって領域12Aと領域13Aと領域12Bと領域13Bと領域12Cと領域13Cと領域12Dと領域13Dと領域12Eと領域13Eと領域12Fと領域13Fと領域12Gとに区分されている。
【0060】
円筒状に弾性変形された帯状本体部11は、縦置きされるタイヤ10の中心孔10cに収容される(
図13、
図14、
図2参照)。
【0061】
複数の孔12はそれぞれ複数の折曲線部N18に沿って延びている(
図12参照)。複数の孔12はそれぞれ円筒状に弾性変形された帯状本体部11の中心軸Oと平行である。
【0062】
帯状本体部11の折曲線部N18の途中には、凸形の切れ込み111が形成されている(
図11参照)。孔12は、帯状本体部11が円筒状に弾性変形されたときに、帯状本体部11の一部(凸形の切れ込み111に囲まれた部分)が相対的に突き出る結果、帯状本体部11の折曲線部N18の途中に形成される長方形の孔である。
【0063】
一対のタイヤ支持部材5は、
図1に示すように、タイヤ台6に支持され、筒状部材2の内部空間に通される複数のポール51と、複数のポール51をカバーする一対のポールカバー52とを有する。一対のタイヤ支持部材5は、筒状挿入部材1を介して縦置きされるタイヤ10の両側を支持する。
【0064】
ポール51は、緩めたり締めたりしてポール51の長さを調節する回転式の長さ調節部51Aを有する。
【0065】
各ポールカバー52は、
図8に示すように、2本のポール51が通される四角筒状のカバー本体52Aと、カバー本体52Aの上部の剛性を高める上側補強プレート52Bと、カバー本体52Aの下部の剛性を高める下側補強プレート52Cとを有する。
カバー本体52Aの横断面形状は台形である。
【0066】
情報表示物ホルダ支持部材7は、
図15に示すように、転がり抑制部4Bの受け部本体4B1の長孔4B10に挿入されて、転がり抑制部4Bに支持される挿入突起部7aと、図示しない情報表示物ホルダ(POPシート等の情報表示物を保持するホルダ)PHの下部に形成された突起部を受け容れて、情報表示物ホルダPHの下部を支持する孔7bとを有する。
【0067】
情報表示物ホルダPHの上部は例えば筒状挿入部材1に図示しない両面テープ等で接着される。
【0068】
タイヤカバープレート8は、
図16に示すように、八角形のカバープレート本体8aと、カバープレート本体8aの中心部に形成された八角形の中心孔8bとを有する。
【0069】
タイヤカバープレート8は、横置きされる3つのタイヤ10のうちの最も上のタイヤ10の側面に載せられ(
図2参照)、3つのタイヤ10に雪や雨水や塵埃などが入り込まないようするためのプレートである。
【0070】
次に、この実施形態に係るタイヤホルダの使用方法の一例を説明する。
まず、予め倒れ抑制部材3A、タイヤ外周面支持部材4が装着された筒状部材2の複数の脚部231~311のうちの4つの複数の脚部231,251,271,291をタイヤ台6の5つの穴63のうちの4つの穴63に挿入するとともに、一体化された残りの脚部211,311を残りの穴63に挿入し、筒状部材2をタイヤ台6に固定する。
【0071】
次に、倒れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の切欠き3A11, 3A12から筒状部材2の内部空間に4つのポール51を挿入し、抑制部材本体3A1の窓3A4から筒状部材2の内部空間を覗きながら、4つのポール51の下端部をタイヤ台6の4つの穴62に挿入する。
【0072】
その後、タイヤ台6に3つのタイヤ10を載せる。そのとき、3つのタイヤ10の中央孔に筒状部材2が入り込むように3つのタイヤ10をタイヤ台6に載せる。
【0073】
次に、3つのタイヤ10のうちの最も上のタイヤ10にタイヤカバープレート8を載せ、更に、情報表示物ホルダ支持部材7の挿入突起部7aを転がり抑制部4Bの受け部本体4B1の長孔4B10に挿入する。
【0074】
最後に、筒状挿入部材1が装着されたタイヤ10をタイヤ外周面支持部材4の受け部4Aに縦置きする。このとき縦置きされたタイヤ10の中心孔に挿入されている筒状挿入部材1は一対のポールカバー8で挟持されるので、縦置きされたタイヤ10が支持され、縦置きされたタイヤ10の左右方向の動きが確実に抑制される。
【0075】
ホルダ本体に縦置きされたタイヤ10の中心孔10cに挿入される筒状挿入部材1が、一対のタイヤ支持部材5によって、縦置きされるタイヤ10の中心軸方向から挟持されるので、縦置きされたタイヤ10にそのタイヤ10の中心軸方向の外力が作用したとき、そのタイヤの左右方向の揺れが抑制され、縦置きされたタイヤ10は安定する。
【0076】
縦置きされたタイヤ10の中心孔10cに挿入される筒状挿入部材1が、一対のタイヤ支持部材5によって、縦置きされるタイヤ10の中心軸方向から挟持されるので、縦置きされるタイヤ10のサイズが変わったとしても、そのタイヤ10の左右方向へ揺れは抑制される。
【0077】
筒状部材2の内部空間に挿入される複数のポール51がタイヤ台6に支持され、タイヤ台6に支持された複数のポール51の倒れを倒れ抑制部材3Aが抑制するので、垂直方向Vへ積み上げられたタイヤ10に人が触れたり、風が当たったりしても、タイヤ10が容易に傾いたり崩れたり倒れたりしない。
【0078】
複数のポール51を上方へ逃がす切欠き3A11,3A12を有する倒れ抑制部材3Aが筒状部材2の上端部に装着され、筒状部材2の上端部の形状が維持されるので、積層されたタイヤ10の整列状態が風等の外力によって損なわれるのをより確実に防ぐことができる。
【0079】
この実施形態の筒状部材2と、倒れ抑制部材3Aと、タイヤ外周面支持部材4の受け部4A及び転がり抑制部4Bと、ポールカバー52と、タイヤカバープレート8と、タイヤ台6とは、それぞれプラスチックダンボールをプレス加工により形成されたものであるが、それらの部材の材料としてはプラスチックダンボールに限られない。
【0080】
この実施形態では、各タイヤ支持部材5を一対のポール51と、一対のポール51をカバーするポールカバー52とで構成したが、各タイヤ支持部材5をポール51のみで構成してもよい。その場合ポール51の数は単数でも複数でもよい。また、タイヤ支持部材を図示しない板や角材などで構成してもよい。
【0081】
筒状挿入部材1は円筒状に限られない。筒状挿入部材1は八角筒等の角筒でもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 筒状挿入部材
11 帯状本体部
11A~11D 領域
12A~12G 領域
13A~13F 領域
111 切れ込み
12 孔
13 突出部
131 自由端部側領域
132 連結端側領域
2 筒状部材
21~31 領域部
21a 留め部材通し孔
21b スリット
23a スリット
24a スリット
24b スリット
25a スリット
26a 孔
27a スリット
28a スリット
28b スリット
29a スリット
31a 留め部材通し孔
31b スリット
211 脚部
231 脚部
251 脚部
271 脚部
291 脚部
311 脚部
3A 倒れ抑制部材
3A1 抑制部材本体
3A11,3A12 切欠き
3A2 凸部
3A3 凹部
3A4 窓
3A5 スリット
3A6 ベルト通し孔
4 タイヤ外周面支持部材
4A 受け部
4A1 受け部本体
4A11 長孔
4A2 接続部
4A21 スリット
4B 転がり抑制部
4B1 受け部本体
4B10 長孔
4B11~4B13 領域
4B2 接続部
4B20 スリット
4B21~4B23 領域
5 タイヤ支持部材
51 ポール
51A 長さ調節部
52 ポールカバー
52A カバー本体
52B 上側補強プレート
52C 下側補強プレート
6 タイヤ台
61 タイヤ台本体
62 穴
63 穴
7 情報表示物ホルダ支持部材
7a 挿入突起部
7b 孔
8 タイヤカバープレート
8a カバープレート本体
8b 中心孔
10 タイヤ
10a タイヤの外周面
10b タイヤの側面
10c タイヤの中心孔
F 留め部材
PH 情報表示物ホルダ
N1~N21 折曲線部
V 垂直方向
H 水平方向
L1 展開状態の筒状部材の長手方向
L2 展開状態の筒状挿入部材の帯状本体部の長手方向
O 円筒状に弾性変形された筒状挿入部材の帯状本体部の中心軸
【要約】
【課題】縦置きされたタイヤにそのタイヤの中心軸方向の外力が作用したとき、そのタイヤが左右へ揺れて不安定になるのを防ぐことができるタイヤホルダを提供する。
【解決手段】このタイヤホルダは、縦置きされるタイヤ10の下部を支持するホルダ本体と、縦置きされるタイヤ10の中心孔に挿入される筒状挿入部材1と、縦置きされるタイヤ10の中心孔に挿入された筒状挿入部材1を、縦置きされるタイヤ10の中心軸方向から挟持する一対のタイヤ支持部材5とを備えている。
【選択図】
図2