(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】画像抽出装置、および画像抽出方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221208BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H04N5/232 300
H04N5/232 290
H04N5/92 010
(21)【出願番号】P 2022120628
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-07-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522302574
【氏名又は名称】フィノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 正樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 雄一
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-110102(JP,A)
【文献】特開2004-312511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
H04N 5/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された画像から同一人物の画像を抽出する画像抽出装置であって、
複数のカメラと、
各上記カメラごとに、撮影された画像と撮影時刻とを対応させて記憶する画像記憶部と、
各上記カメラに対応して設置され、IDタグから送られるIDタグ情報を読み取る複数のIDタグ情報読取部と、
各上記IDタグ情報読取部ごとに、読み取られたIDタグ情報と情報読み取り時刻とを対応させて記憶するIDタグ情報記憶部と、
上記カメラと上記IDタグ情報記憶部との対応関係を記憶する対応関係記憶部と、
上記IDタグ情報記憶部に記憶されているIDタグ情報ごとに、そのIDタグ情報が読み取られたIDタグ情報読取部に対応するカメラで撮影され、撮影時刻と情報読み取り時刻とが一致する画像を抽出して合成する画像抽出合成部と、
合成された画像を記憶する合成画像記憶部と、
を備え
、
上記IDタグ情報は、個人情報と対応づけられていない情報であり、
上記カメラ、および画像記憶部は、上記IDタグ情報読取部によるIDタグ情報の読み取りとは非同期に画像を撮影し記憶するとともに、さらに、
上記画像抽出合成部からアクセスできないように設けられ、上記IDタグ情報と個人情報との対応関係を記憶する個人情報対応関係記憶部と、
上記個人情報対応関係記憶部にアクセス可能に設けられ、上記合成画像記憶部に記憶された画像と上記個人情報とを対応づける個人情報対応付け部と、
を備えたことを特徴とする画像抽出装置。
【請求項2】
請求項1の画像抽出装置であって、
上記IDタグ情報読取部は、複数の領域に位置するIDタグを識別して上記IDタグ情報を読み取り得るように構成され、
上記カメラは、各上記領域に対応して設置されていることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項3】
請求項1から
請求項2のうち何れか1項の画像抽出装置であって、
上記IDタグ情報読取部は、上記カメラの撮影領域に至る移動経路に設けられていることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項4】
撮像された画像から同一人物の画像を抽出する画像抽出方法であって、
複数の各カメラごとに、撮影された画像と撮影時刻とを対応させて画像記憶部に記憶させる画像記憶ステップと、
各上記カメラに対応して設置された複数の各IDタグ情報読取部ごとに、IDタグから送られて読み取られたIDタグ情報と情報読み取り時刻とを対応させてIDタグ情報記憶部に記憶させるIDタグ情報記憶ステップと、
上記IDタグ情報記憶部に記憶されているIDタグ情報ごとに、対応関係記憶部に記憶された上記カメラと上記IDタグ情報記憶部との対応関係に基づいて、そのIDタグ情報が読み取られたIDタグ情報読取部に対応するカメラで撮影され、撮影時刻と情報読み取り時刻とが一致する画像を抽出して合成し、合成された画像を合成画像記憶部に記憶させる画像抽出合成ステップと、
を有し、
上記IDタグ情報は、個人情報と対応づけられていない情報であり、
上記画像記憶ステップでは、上記IDタグ情報読取部によるIDタグ情報の読み取りとは非同期に画像が撮影されて記憶されるとともに、さらに、
上記画像抽出合成ステップにおいてはアクセスできないように設けられ、上記IDタグ情報と個人情報との対応関係を記憶する個人情報対応関係記憶部にアクセス可能に設けられた個人情報対応付け部により、上記合成画像記憶部に記憶された画像と上記個人情報とを対応づける個人情報対応付けステップ
を有すること特徴とする画像抽出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカメラで撮像された画像から同一人物の画像を抽出する画像抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定のタグと所定の個人情報とが対応付けられ、サービスを提供する現場にてタグと個人との対応付けが行われて、タグと対応づけられた個人情報に係る個人に対しサービスが提供されるサービス提供方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、収集端末がユーザの動作によって生じる信号を取得し、識別端末が非接触式タグを読み取り、これらに基づいて、ユーザ端末に、ユーザ動作および/またはユーザ動作の結果に対応する動画を再生する知的インタラクションシステムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-114970号公報
【文献】特開2019-536179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなサービス提供方法やシステムでは、ユーザ端末に関する情報などの個人情報をシステム等に登録することが必須とされる。このため、そのような個人情報の登録等の手間がかかるうえ、セキュリティを確保することが困難な場合がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて、セキュリティが損なわれる虞を確実に回避しつつ、同一人物の画像の自動的な抽出を可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
撮像された画像から同一人物の画像を抽出する画像抽出装置であって、
複数のカメラと、
各上記カメラごとに、撮影された画像と撮影時刻とを対応させて記憶する画像記憶部と、
各上記カメラに対応して設置され、IDタグから送られるIDタグ情報を読み取る複数のIDタグ情報読取部と、
各上記IDタグ情報読取部ごとに、読み取られたIDタグ情報と情報読み取り時刻とを対応させて記憶するIDタグ情報記憶部と、
上記カメラと上記IDタグ情報記憶部との対応関係を記憶する対応関係記憶部と、
上記IDタグ情報記憶部に記憶されているIDタグ情報ごとに、そのIDタグ情報が読み取られたIDタグ情報読取部に対応するカメラで撮影され、撮影時刻と情報読み取り時刻とが一致する画像を抽出して合成する画像抽出合成部と、
合成された画像を記憶する合成画像記憶部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、IDタグ情報とタイムスタンプによって特定の人物の画像が抽出されることにより、その人物が撮影された一連の画像を合成することが容易にできる。また、IDタグ情報は、個人情報と対応づけられていなくても画像の抽出が可能なので、セキュリティが損なわれる虞を確実に回避することが容易にできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、セキュリティが損なわれる虞を確実に回避しつつ、同一人物の画像の自動的な抽出を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】画像抽出装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】アンテナとカメラとの対応関係の例を示す説明図である。
【
図8】画像抽出合成処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】画像抽出装置の他の適用例を示す説明図である。
【
図10】画像抽出装置のさらに他の適用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
本発明の実施の形態として、静止画・動画自動生成システムとして用いられる画像抽出装置の例について詳細に説明する。
【0013】
図1の本システムのブロック図において、本システムはネットワークで接続されたローカルシステム1100とサーバ1200で構成される。ローカルシステム1100は、検知部1110と、撮影部1120とを備え、それぞれルータ1101(および/またはハブ)などを介してネットワーク経由でサーバ1200に接続される。
【0014】
検知部1110は、
図2に示すように、検知データ読取器1111と、これらに同軸ケーブルを介して接続された複数のアンテナ1112・1113…とによって(検知データ読取器1111が兼用された)複数のIDタグ情報読取部が構成され、IDタグ1300から電波を介して送られる、個人情報と対応づけられていないIDタグ情報を読み取り、サーバ1200に送信するようになっている。なお、検知データ読取器1111を必要としないアンテナ装置が用いられる場合は、そのアンテナ装置を直接ルータ1101等に接続し、IDタグ情報がサーバ1200に送信されるようにしてもよい。また、各アンテナごとに検知データ読取器が接続されて、それぞれ、IDタグ情報読み取り部が構成されるなどしてもよい。
【0015】
IDタグ1300としては、例えばRFIDタグが用いられ、
図3に示すように、例えばアスレチックに利用するヘルメット3001の内部、アウター3001aとインナー3001bとの間などに取り付けられ、個別のIDタグ情報を発信するようになっている。なお、上記のようにヘルメット3001に取り付けられるのに限らず、利用者の衣類にタグを装着したり、靴に装着したりすることも可能である。ここで、上記のようにIDタグ1300としてRFIDタグが用いられる場合には、アンテナ1112・1113…としてはRFID読み取り用アンテナ、検知データ読取器1111としてはRFIDリーダーを使用するRFIDシステムが使われることになる。
【0016】
撮影部1120は、
図4に示すように、撮影データ収集器1121に複数のカメラ1122・1123…が接続されて構成され、静止画や動画の画像を撮影するようになっている。より詳しくは、各カメラ1122・1123…は、検知データ読取器1111等(IDタグ情報読取部)によるIDタグ情報の読み取りとは非同期に画像を撮影し、後述する画像記憶部2222に記憶するようになっている。
【0017】
上記検知データ読取器1111、および撮影データ収集器1121は、
図4に併せて示すようにスイッチングハブ1114やルータ1101を介して、IDタグ情報や撮影された画像(画像データ)をインターネット等を経由してサーバ1200に送信するようになっている。なお、撮影データ収集器1121を必要としないカメラ(例えば直接サーバに動画を送信するように設定できるネットワークカメラなど)が用いられる場合は、それらのカメラを直接LANケーブルでルータ1101等に接続し、撮影された画像がサーバ1200に送信されるようにしてもよい。
【0018】
上記アンテナ1112・1113…は、それぞれ、
図5に示すようにカメラ1122・1123…とペアになるように対応づけられている。より詳しくは、例えば、あるIDタグ1300を装着した人物がアンテナ1112の検知領域に入ったときには、その人物はカメラ1122によって撮影されるようになっている。
【0019】
サーバ1200は、
図6に示すように、検知部1110から送られるIDタグ情報を記憶するIDタグ情報記憶部2212を備えている。このIDタグ情報記憶部2212には、IDタグ情報読取部ごとのIDタグ情報が、タイムスタンプと対応させて記憶される。IDタグ情報読取部との対応関係は、例えばアンテナ1112・1113…の識別番号と検知データ読取器1111の識別番号が併せて記憶されることなどによってとり得るようになっている。なお、アンテナ1112・1113…の識別番号がシステム全体でユニークな場合には、アンテナ1112・1113…の識別番号が記憶されるだけにしたりしてもよい。
【0020】
サーバ1200は、また、撮影部1120から送られる画像を記憶する画像記憶部2222を備えている。この画像記憶部2222には、カメラ1122・1123…ごとの撮影画像が、タイムスタンプと対応させて記憶される。各カメラ1122・1123…との対応関係は、例えばカメラ1122・1123…の識別番号が併せて記憶されることなどによってとり得るようになっている。
【0021】
サーバ1200には、また、
図5について説明したような、アンテナ1112・1113…とカメラ1122・1123…との対応関係を記憶する対応関係記憶部2232が設けられている。
【0022】
サーバ1200の画像抽出合成部2231は、IDタグ情報記憶部2212に記憶されているIDタグ情報ごとに、そのIDタグ情報が読み取られたアンテナ1112・1113(IDタグ情報読取部)に対応するカメラ1122・1123…で撮影され、タイムスタンプが一致する画像を画像記憶部2222から抽出して合成し、合成された画像をIDタグ情報と対応づけて合成画像記憶部2233に記憶させるようになっている。これにより、複数のカメラ1122・1123…で撮影された複数の人物から、ある人物を同定し、かつ、同一人物の一連の静止画や動画が抽出され、つなげられて合成されるなどして、合成画像記憶部2233に記憶される。ここで、上記IDタグ情報は、個人情報と対応づけられる必要はない。すなわち、画像抽出合成部2231は、例えばIDタグ情報と個人情報との対応関係を記憶する個人情報対応関係記憶部などにアクセスできないようにされていても、個人を特定することなく、IDタグ情報に対応する画像を抽出することができる。
【0023】
(画像抽出装置の適用例1)
上記のような画像抽出装置は、例えば
図7に示すようなアスレチックコースに適用することができる。同図の例では、コース内の2箇所に、それぞれアンテナ1112とカメラ1122とのペア、またはアンテナ1113とカメラ1123とのペアが設置されている。
【0024】
そして、ある人物が例えばある時刻にアンテナ1112の検知領域に入ったときには、IDタグ情報がアンテナ1112によって読み取られてIDタグ情報記憶部2212に記憶されるとともに、その人物がカメラ1122により撮影されて画像が画像記憶部2222に記憶される。また、同様に、アンテナ1113の検知領域に入ったときには、IDタグ情報がアンテナ1113によって読み取られてIDタグ情報記憶部2212に記憶されるとともに、その人物がカメラ1123により撮影されて画像が画像記憶部2222に記憶される。
【0025】
そこで、画像抽出合成部2231では、例えば
図8に示すような動作が行われる。
【0026】
(S1) IDタグ情報記憶部2212の記憶内容から、例えば時刻t1にアンテナ1112でIDタグ情報(例えばID3101)が検出されたことが認識される。
【0027】
(S2) 対応関係記憶部2232の記憶内容から、アンテナ1112とカメラ1122とがペアであることが確認される。
【0028】
(S3) 時刻t1にカメラ1122で撮影された画像の被写体はIDタグ情報(ID3101)のIDタグを装着した人物であると判定されるので、その画像が抽出される。
【0029】
(S4) 同様に、時刻t2にカメラ1123で撮影された画像が抽出される。さらに、同様に、その後に各カメラで撮影された画像があれば抽出される。
【0030】
(S5) 抽出された画像が合成されることにより、IDタグ情報(ID3101)のIDタグを装着した人物の一連の画像がまとめられた画像が合成画像記憶部2233に記憶される。
【0031】
(画像抽出装置の適用例2)
画像抽出装置の適用例2として、
図9に示すように、保育施設に適用される例を説明する。この例では、アンテナ1・2として、指向性を有し、IDタグの位置が領域1・2の何れにあるか、または領域3・4の何れにあるかが、例えばIDタグの位置情報(座標)等として判別できるものが用いられている。この場合には、上記領域の区別を含む情報がIDタグ情報とされ、対応関係記憶部2232には、領域1~4とカメラ1~4とが、それぞれ対応することを示す対応関係が記憶される。
【0032】
IDタグは、例えば名札やリストバンドに取り付けて利用者が装着したり、利用者の衣類や靴に装着したりしてもよい。
【0033】
この例では、アンテナ1でIDタグが検出された時に、その位置情報(座標)が領域1であれば、カメラ1の映像に写っていると判定し、IDタグ検出時のタイムスタンプからカメラ1の映像のタイムスタンプを比較することで、そのIDタグを装着していた人物が映っている部分を抽出できる。同様に領域2であればカメラ2の映像から抽出できる。
【0034】
アンテナ2で検出された場合も同様に、領域3であればカメラ3に、領域4であればカメラ4に写っていると判定し、タイムスタンプを比較することでその人物が映っている映像を抽出できる。
【0035】
なお、同一IDの人物の映像を複数カメラの映像から抽出し出力することが可能にしてもよい。
【0036】
上記のように指向性を有するアンテナなどが用いられることによって、アンテナ等の数を低減することができる。
【0037】
(画像抽出装置の適用例3)
画像抽出装置の適用例3として、
図10に示すように、施設監視カメラとして適用される例を説明する。
【0038】
IDタグは、施設利用者の社員証や、セキュリティカードのような、利用者が携帯、表示する必要があるものなどに取り付けられる。この例では、位置情報のマッチング情報として3台のアンテナと3台のカメラのペア情報が対応関係記憶部2232に保持されて、上記適用例1、2と同様の処理により、画像の抽出、合成をすることができる。ここで、上記社員証やセキュリティカードなどが用いられる場合でも、IDタグ情報自体は、個人情報と対応づけられる必要はない。すなわち、画像抽出合成部2231は、例えばIDタグ情報と個人情報との対応関係を記憶する個人情報対応関係記憶部などにアクセスできないようにされていても、個人を特定することなく、IDタグ情報に対応する画像を抽出することができる。
【0039】
(その他の事項)
アンテナ1112・1113…(IDタグ情報読取部)、またはこれらによって検知される領域と、カメラ1122・1123…との対応関係は、1対1に限らず、検知される1つのアンテナ1112等や領域に対して、複数のカメラによって例えば複数の方向からの撮影や複数のアングルなどでの撮影が可能であったり、逆に複数のアンテナ1112等や領域の何れが検知された場合でも1台のカメラの視野に入る撮影が可能なようにしたりしてもよい。また、複数のアンテナ1112等や領域と複数のカメラとが対応するようにされてもよい。
【0040】
また、アンテナ1112等は、カメラ1122等の撮影領域に至る移動経路等に配置されて、例えば部屋への入退出や通過が検知可能なように設けられ、カメラ1122等は、その室内等を撮影可能にされるなどしてもよい。この場合、カメラ1122等は、その人物が室内や通過先の領域等に居る限り常に撮影可能であることは、その人物が、抽出された画像に常に写ったものとできる点で好ましい。また、この場合には、アンテナ1112等によってIDタグ情報が読み取られた際(IDタグが検知領域を通過した際)のタイムスタンプの範囲が、画像記憶部2222に記憶されている画像のタイムスタンプとの照合対象とされる。また、アンテナ1112等によってIDタグの通過方向等(入室か退室かの区別等)が検知可能にされてもよい。
【0041】
上記のように、IDタグ情報とタイムスタンプによって特定の人物の画像が抽出されることにより、その人物が撮影された一連の画像を合成することが容易にできる。
【0042】
また、画像記憶部2222は、各カメラ1122・1123…ごとに、撮影された画像とタイムスタンプとを対応させて記憶していればよいので、カメラ1122・1123…、および画像記憶部2222は、検知データ読取器1111等によるIDタグ情報の読み取りとは非同期に画像を撮影し記憶することができる。それゆえ、例えば連続的に撮影を継続する一般的な監視システムなどと組み合わせて画像抽出装置を構成することも容易にできる。
【0043】
なお、画像と撮影時刻との対応やIDタグ情報と情報読み取り時刻との対応を採るためには、タイムスタンプを用いるのに限らず、例えば記憶領域やリンクを介して対応づけられるなど、種々の方法で対応づけられるようにすればよい。
【0044】
また、IDタグ情報は、個人情報と対応づけられていなくても画像の抽出が可能なので、セキュリティが損なわれる虞を確実に回避しつつ、同一人物の画像を自動的に抽出することができる。
【0045】
また、撮影された個人を特定するためには、IDタグ情報と個人情報との対応関係を記憶する個人情報対応関係記憶部を画像抽出合成部からアクセスできないように設ける一方、上記個人情報対応関係記憶部にアクセスして、合成画像記憶部に記憶された画像と上記個人情報とを対応づける個人情報対応付け部を設けるようにしてもよい。具体的には、例えば、上記のような個人情報対応関係記憶部や個人情報対応付け部をセキュリティ保護された社内システムや顧客管理システムなどに設け、これらにアクセスできないように押抽出合成部等を設けることにより、セキュリティが損なわれる虞を確実に回避しつつ、同一人物の画像の自動的な抽出を可能にし、かつ、その画像を特定の個人と結びつけて、画像を提供したり行動の監視をしたりすることもできる。ここで、上記個人情報は、実際上の個人を特定し、または個人に直接関連する情報でもよく、個人の所属や個人が所有または使用する端末等を特定する情報などでもよい。
【符号の説明】
【0046】
1100 ローカルシステム
1101 ルータ
1110 検知部
1111 検知データ読取器
1112・1113 アンテナ
1114 スイッチングハブ
1120 撮影部
1121 撮影データ収集器
1122・1123 カメラ
1200 サーバ
1300 IDタグ
2212 IDタグ情報記憶部
2222 画像記憶部
2231 画像抽出合成部
2232 対応関係記憶部
2233 合成画像記憶部
3001 ヘルメット
3001a アウター
3001b インナー
【要約】
【課題】同一人物の画像の自動的な抽出を可能にする。
【解決手段】画像抽出装置は、複数のカメラ、撮影画像と撮影時刻を記憶する画像記憶部2222、複数のIDタグ情報読取部、読み取られたIDタグ情報と情報読み取り時刻を記憶するIDタグ情報記憶部2212、IDタグ情報記憶部2212に記憶されているIDタグ情報ごとにIDタグ情報が読み取られたIDタグ情報読取部に対応するカメラで撮影され、撮影時刻と情報読み取り時刻とが一致する画像を抽出して合成する画像抽出合成部2231および合成された画像を記憶する合成画像記憶部2233とを有する。
【選択図】
図2