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▶ 菊田 政子の特許一覧

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  • 特許-植木鉢内蔵保水鉢カバー 図1
  • 特許-植木鉢内蔵保水鉢カバー 図2
  • 特許-植木鉢内蔵保水鉢カバー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】植木鉢内蔵保水鉢カバー
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20221208BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A01G9/02 E
A01G9/02 101J
A01G27/00 502E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022118793
(22)【出願日】2022-07-26
【審査請求日】2022-08-01
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519270635
【氏名又は名称】菊田 政子
(72)【発明者】
【氏名】菊田 政子
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-111350(JP,U)
【文献】実開昭59-008558(JP,U)
【文献】実開平01-087640(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00-9/08
A01G 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢(2)の水受け皿を無くすために、上底部(11)と下底部(12)を有する二重底構造の鉢カバー(1)の 提案で、内蔵させる植木鉢底孔(8)に結合させるために、鉢カバー(1)の上底中心部に植木鉢底孔(8)にドッキングする突起(10)を設け、突起(10)は鉢カバー上底孔(9)の周囲に設け、高火度釉で本焼きした鉢カバー(1)に内蔵させる植木鉢(2)は、内蔵して互いの鉢(1・2)の側面に貯水空間(15)が出来る寸法とし、植木鉢縁部(6)の横に注水口(3)を設け、鉢カバー(1)と接着する植木鉢底部(14)と植木鉢縁部(6)に低火度釉を施釉して、鉢カバー(1)の上底孔(9)に植木鉢底孔(8)を合わせてセットし、低火度焼成することにより、植木鉢(2)を内包して一体化した鉢カバー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉢カバーと植木鉢間に水位計付き貯水槽を設け、ここから植物に供給する水位が目測出来、水やり回数を減らすことができる鉢カバーに関する二重底で、水受け皿を必要としない特徴を持つ植木鉢内蔵保水鉢カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
植木鉢はダ鉢用粗目粘土を低温焼成したもので、常に水やりが必要であり、使用年数に従い汚れが付着し変色退化する上、屋内に設置する場合は、単体の水受け皿か鉢カバーが別途必要である。
【0003】
植木鉢の頻繁な水やりの解決策として、特許文献1・特許文献2・実用新案文献2など数多く開示されているが、受け皿の課題解決にまでは至っていない。
【0004】
実用新案文献1は、吸水性と保水性についての考察がされているが、こちらも受け皿を設ける必要性があり、受け皿を必要としない本発明とは異なるものである。
【0005】
これらの文献は、植木鉢の継続的水の供給に主眼が置かれており、毛細管現象に頼るなど、必然的に水受け皿が別途必要であり、かえって扱い難いものになっている。したがって給水機能と共に受け皿を必要としない本発明は全く異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-168982号公報
【文献】特開2000-236752号公報
【文献】実用新案第3199924号公報
【文献】公開実用新案昭和53-100464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
植木鉢を室内に設置する場合、水受け皿が必要な上、水やりのタイミングや、長期間の留守も思案の一つである。これらの諸問題を解決して、美観を備えた植木鉢の給水を持続させ、水受け皿も不要な植木鉢内蔵保水鉢カバーの提案である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
多硬質としての多様な土の種類や焼成方法の技術的特長を利用して、植木鉢内蔵鉢カバー(1)は保水力のある陶磁器土で高火度本焼成して、保水力を盤石なものとし、植木鉢本体(2)は吸水性のある植木鉢用粘土で低火度焼成をして吸水力を造る。
【0009】
作成手順として鉢カバー(1)は、空間を設けた二重底(11・12)とし、その空間外周(13)には水気蒸発を兼ねた複数の通気孔(7)を開ける。上部底(11)に植木鉢(2)の底孔(8)とドッキングする突起(10)を持つ上底孔(9)を設ける。高台の接地面(16)以外に高火度釉を施釉し単独本焼き焼成する。
【0010】
一方、植木鉢(2)は低火度粘土で製作するが、鉢カバー(1)に内蔵した際に貯水空間(15)が出来る寸法とし、口縁部(6)の脇に注水口(3)を設ける。
【0011】
鉢カバー(1)と接面する部分(6・14)に低火度釉を施釉し、鉢カバー(1)の上底突起孔(9)に、植木鉢(2)の底孔(8)とセットし、低火度で焼成することで、二体は一体化した完成品となる。
【0012】
注水口の蓋(4)に水位を計る目盛り付き浮き棒(5)を付けて蓋(4)とする。
【発明の効果】
【0013】
水やりの手間が省け成育が楽しめる上、留守中の水やりの心配がなくなり、受け皿がないので扱いやすく、細かい虫の発生が防げる。
【0014】
植木鉢は、粗い粘土を低温焼成したもので、割れやすく、汚れて変色しやすく、単体では使い難いが、鉢カバーとの一体化で美観に優れ堅牢である上清潔なので、屋内鑑賞が楽しめる。
【0015】
リースの観葉植物も枯れる心配がなくなる。
【0016】
植木リース業界などには、鉢カバー本体をプラスチック系など軽くて保水性のある材質の選択で、コスト的にも安く、扱いやすさにおいても、開発の範囲は拡大の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】鉢カバーに植木鉢をセットした完成品の断面図
図2】鉢カバーの断面図
図3】植木鉢の断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
鉢カバー(1)の本焼きと、低火度焼成の植木鉢(2)の製作工程での温度差を
利用することにより鉢カバー(1)は本焼きでの保水性に加え、多様な装飾性が追求できる。中にはめる植木鉢(2)には、鉢カバー(1)との接触部分に低火度釉薬を施釉して、鉢カバー(1)にセットして、低火度焼成することで二体は、一体化する。多孔質物体の相反する性質(磁器土の保水力と粘土の吸水力)と焼成温度の違い(本焼焼成と低火度焼成)を利用して一体化を図る。
【0019】
中に入れる植木鉢(2)の厚みによっては、低火度釉薬を側面下部か、あるいは側面全体に間隔をあけて縦線状紋に施釉することで、吸水程度を調整して根腐れを防ぐ。
【符号の説明】
【0020】
1 鉢カバー本体
2 植木鉢本体
3 注水口
4 注水口蓋
5 水位計
6 植木鉢縁部
7 通気孔
8 植木鉢底孔
9 鉢カバー上底部孔
10 鉢カバー上底部突起
11 鉢カバー上底部
12 鉢カバー下底部
13 二重底外周部
14 植木鉢底部
15 貯水空間部
16 鉢カバー高台設置面
【要約】
【課題】鉢カバーと植木鉢との一体化によって、植物への給水作業の簡素化及び受け皿を不要とした、扱いやすさと美観を持った二重底鉢カバーを提供する。
【解決手段】鉢カバーの構造は、外周に湿気抜きの通気孔を多数設けた二重底とし、上底には、植木鉢の底穴とドッキングする突起孔を設け、床設置面以外に本焼き釉薬を施釉し、単独で高温焼成する。
一方植木鉢は、口縁に注水口を設け、鉢カバーに内蔵して貯水空間ができる寸法とし、各々の密着する口縁と底裏部分に低火度釉を施釉し、鉢カバーに内蔵させ、低火度焼成して一体化させる。注水口に水位計をつけた蓋を差し込み、完成させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3