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特許7190287洗面化粧台用の補強部材及び洗面化粧台の設置方法
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  • 特許-洗面化粧台用の補強部材及び洗面化粧台の設置方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】洗面化粧台用の補強部材及び洗面化粧台の設置方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/02 20060101AFI20221208BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A47K1/02 A
A47B67/02 502G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018163860
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032143
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 智浩
(72)【発明者】
【氏名】堀 綾香
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-184249(JP,U)
【文献】実開昭51-131497(JP,U)
【文献】特開2006-263380(JP,A)
【文献】特開平07-246169(JP,A)
【文献】特開2004-3207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00-1/02
A47B 67/02
A47B 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に洗面化粧台を取り付けるための洗面化粧台用の補強部材であって、
前記洗面化粧台の横幅よりも狭い幅を有し、前記洗面化粧台の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部を備え
前記本体部は、前記本体部を前記壁面に取り付けるための壁面側取付部を有し、
前記壁面側取付部は、前記横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設けられ、前記本体部の表裏を貫通する貫通孔又は貫通溝により構成され、
前記壁面側取付部は、前記本体部の横幅方向に並んで配置された複数の孔によって構成される組を複数、含む、洗面化粧台用の補強部材。
【請求項2】
記組を構成する複数の孔は、丸孔と、横幅方向に長い長孔とを有する、請求項に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項3】
前記本体部は、前記本体部を前記洗面化粧台に取り付けるための洗面化粧台側取付部を有し、
前記洗面化粧台側取付部は、前記横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設けられ、前記本体部の表裏を貫通する貫通孔又は貫通溝により構成される、請求項1又は2に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項4】
前記本体部は、前記横幅方向の端部から立ち上がる立ち上がり部を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項5】
前記本体部は、前記横幅方向との直交方向の端部に折り曲げ部を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項6】
前記本体部に取り付けられ、前記本体部と前記洗面化粧台とを仮固定する仮固定部材をさらに有する、請求項1~のいずれか1項に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項7】
前記本体部は、金属製である、請求項1~のいずれか1項に記載の洗面化粧台用の補強部材。
【請求項8】
洗面化粧台の横幅よりも狭い幅を有し、前記洗面化粧台の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部を備える補強部材を用いて、壁面に前記洗面化粧台を取り付ける方法であって、
前記本体部は、前記本体部を前記壁面に取り付けるための壁面側取付部を有し、
前記壁面側取付部は、前記横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設けられ、前記本体部の表裏を貫通する貫通孔又は貫通溝により構成され、
前記壁面側取付部は、前記本体部の横幅方向に並んで配置された複数の孔によって構成される組を複数、含み、
前記複数の孔を用いて、前記本体部を前記壁面に固定する第1工程と、
前記洗面化粧台を、前記補強部材を介して前記壁面に取り付ける第2工程と、を有する、洗面化粧台の設置方法。
【請求項9】
前記補強部材は、前記本体部に取り付けられ前記本体部と前記洗面化粧台とを仮固定する仮固定部材をさらに有し、
前記第2工程の前に、前記本体部に前記仮固定部材を配置し、前記仮固定部材に前記洗面化粧台を仮固定する仮固定工程を含む、請求項に記載の洗面化粧台の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧台用の補強部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面化粧台を室内の壁面に設置する際、洗面化粧台のミラーキャビネットの背板の裏面に背板を補強する補強部材を配置することが知られている。補強部材は、ミラーキャビネットの背板と概ね同じ大きさにより形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-136508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補強部材をミラーキャビネットの背板と概ね同じ大きさにより構成すると、補強部材の寸法や重量が大きくなる。このため、改装時等に運搬に大きなスペースが必要となったり、重さのために移動させることが困難となったりして、取扱いが難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 本発明は、壁面(例えば、後述の壁面7)に洗面化粧台(例えば、後述の洗面化粧台100)を取り付けるための洗面化粧台用の補強部材(例えば、後述の補強部材1)であって、前記洗面化粧台の横幅よりも狭い幅を有し、前記洗面化粧台の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部(例えば、後述の本体部10)を備える、洗面化粧台用の補強部材に関する。
【0006】
(2) 前記本体部は、前記本体部を前記壁面に取り付けるための壁面側取付部(例えば、後述の壁面側取付部16)を有し、前記壁面側取付部は、前記横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設けられ、前記本体部の表裏を貫通する貫通孔又は貫通溝により構成されることが好ましい。
【0007】
(3) 前記壁面側取付部は、前記本体部の横幅方向に並んで配置された複数の孔によって構成される組を複数、含み、前記組を構成する複数の孔は、丸孔(例えば、後述の丸孔16b)と、横幅方向に長い長孔(例えば、後述の長孔16a)とを有することが好ましい。
【0008】
(4) 前記本体部は、前記本体部を前記洗面化粧台に取り付けるための洗面化粧台側取付部(例えば、後述の洗面化粧台側取付部15)を有し、前記洗面化粧台側取付部は、前記横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設けられ、前記本体部の表裏を貫通する貫通孔又は貫通溝により構成されることが好ましい。
【0009】
(5) 前記本体部は、前記横幅方向の端部から立ち上がる立ち上がり部(例えば、後述の立ち上がり部12)を有することが好ましい。
【0010】
(6) 前記本体部は、前記横幅方向との直交方向の端部に折り曲げ部(例えば、後述の折り曲げ部13)を有することが好ましい。
【0011】
(7) 前記本体部に取り付けられ、前記本体部と前記洗面化粧台とを仮固定する仮固定部材(例えば、後述の仮固定部材20)をさらに有することが好ましい。
【0012】
(8) 前記本体部は、金属製であることが好ましい。
【0013】
(9) 洗面化粧台の横幅よりも狭い幅を有し、前記洗面化粧台の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部を備える補強部材を用いて、前記壁面に前記洗面化粧台を取り付ける方法であって、前記本体部を前記壁面に固定する第1工程(例えば、後述の第1工程S1)と、前記洗面化粧台を、前記補強部材を介して前記壁面に取り付ける第2工程(例えば、後述の第2工程S2)と、を有する、洗面化粧台の設置方法が好ましい。
【0014】
(10) 前記補強部材は、前記本体部に取り付けられ前記本体部と前記洗面化粧台とを仮固定する仮固定部材をさらに有し、 前記第2工程の前に、前記本体部に前記仮固定部材を配置し、前記仮固定部材に前記洗面化粧台を仮固定する仮固定工程(例えば、後述の仮固定工程S3)を含む洗面化粧台の設置方法が好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、軽量で取扱いの容易な洗面化粧台用の補強部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の補強部材により取り付けられた洗面化粧台の正面図である。
図2図1の背面図である。
図3】本実施形態の補強部材の片方における本体部の斜視図である。
図4】本実施形態の仮固定部材の斜視図である。
図5】本実施形態の補強部材により洗面化粧台が取り付けられる状態の側面図である。
図6】本実施形態の仮固定工程を説明する図であり、(a)図は仮固定部材を補強部材の本体部に係合させた状態を示し(b)図は、仮固定部材に洗面化粧台を仮固定した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の洗面化粧台100の正面図である。図2は、図1の背面図である。図1及び図2に示すように、洗面化粧台100は、補強部材1により屋内の壁面7に取り付けられており、洗面化粧台100のミラーキャビネット9と壁面7との間に、補強部材1が配置されている。
【0018】
洗面化粧台100は、洗面器8と、ミラーキャビネット9と、を有する。
洗面器8は、湯水等を貯水可能なボウル部81と、ボウル部81の後方で上方側へ立ち上がる後方壁部82と、後方壁部82に取り付けられる混合水栓83と、を有する。
ミラーキャビネット9は、洗面化粧台100の後方壁部82の上部に配置される。ミラーキャビネット9は、手前側に扉が取り付けられ(図示せず)、内部に洗面化粧台100で使用する洗面道具等を収容する収容空間が形成されている。図1では、ミラーキャビネット9は、扉やミラーを取り外した筺体部90のみが図示されている。
【0019】
筺体部90は、手前側が開口した略直方形の形状を有し、壁面7に取り付けられる背面部91と、横幅方向の一方及び他方に延びる長手方向の側面部92と、横幅方向に沿って延び上端及び下端側に配置される上面部93及び下面部94と、を有する。また、筺体部90の内部は、収容する物品に対応して収容空間が分割されている。
【0020】
図2に示すように、壁面7は、壁板71と、壁裏補強木72とを有する。
壁板71は、室内内壁を構成する化粧壁板である。図2には壁板71の裏面が表れている。
壁裏補強木72は、壁板71の裏に、上下方向に間隔を開けて左右方向に延びる平板状の角材である。ミラーキャビネット9は、以下に説明する通り、補強部材1を介して壁板71及び壁裏補強木72の両方に固定される。
【0021】
図3は補強部材1の片方における本体部10の斜視図である。補強部材1は、洗面化粧台100を壁面7に固定するために用いられる部品であり、本体部10と、仮固定部材20と、を有する。
【0022】
本体部10は、ミラーキャビネット9の背板に直接取り付けられる縦長の板状の部材であり、金属製である。本体部10の横幅方向の寸法は、洗面化粧台100の横幅よりも狭い。本体部10は、図1及び図2に示すように、少なくとも二枚一組で構成され、洗面化粧台100の長手方向に沿うとともに、横幅方向に間隔を開けて一方及び他方に配置される。本体部10は、壁面側取付部16と、洗面化粧台側取付部15と、立ち上がり部12と、折り曲げ部13と、仮固定部配置部14を有する。
【0023】
壁面側取付部16は、本体部10の板面を表裏方向に貫通する貫通孔であり、本体部10の横幅方向に直交する方向である長手方向に間隔を開けて複数個箇所設けられている。壁面側取付部16を介して、本体部10は、壁板71にネジにより取り付けられる。壁面側取付部16は、横幅方向に並んで配置される複数の孔によって構成される。壁面側取付部16は、長孔16aと、丸孔16bとを有する。
長孔16aは、本体部10の横幅方向に長い横長の長円のネジ孔であり、本体部10の横幅方向の一方に配置される。
丸孔16bは、略円形のネジ孔であり、本体部10の横幅方向の他方に配置される。丸孔16bは、長孔16aが長手方向に並ぶ間隔と同じ長手方向の間隔を空けて長孔16aに隣接して配置されている。
長孔16a及び丸孔16bで一組が構成され、これらの孔の組が長手方向に沿って複数形成されている。
【0024】
洗面化粧台側取付部15は、本体部10の板面を表裏方向に貫通する細長いスリット溝であり、本体部10の長手方向に間隔を開けて複数箇所設けられている。洗面化粧台側取付部15を介して、本体部10は、洗面化粧台100の背面部91に取り付けられる。洗面化粧台側取付部15は本体部10の横幅方向に沿って延びる。洗面化粧台側取付部15は、背面部91から突出する突起に係合させて取り付けられる。
【0025】
立ち上がり部12は、本体部10の長手方向の中央側で長手方向に沿って延びるとともに、本体部10の横幅方向の両端部から略直角に立ち上がる部分である。立ち上がり部12の立ち上がり高さは小さく、丸孔16bの径程度の寸法である。
【0026】
折り曲げ部13は、本体部10の下端部に配置され、本体部10の下端縁から、本体部10の延びる方向に交差する方向、すなわち立ち上がり部12と同様に前面側に折り曲げられて起立する部分である。折り曲げ部13は、本体部10がミラーキャビネット9の背面部91に取り付けられた状態で、洗面器8の後方壁部82の上端に当接する。
【0027】
仮固定部配置部14は、本体部10の上端で、本体部10を構成する金属板を略コの字型に切り欠いた部分である。仮固定部配置部14は、コの字状の切り欠きが横幅方向に二つ並んで形成されている。切り欠きは、下端側で本体部10の他の部分と繋がっており、上端側及び側部側を手前に倒すように曲げることができる。
【0028】
図4は、仮固定部材20の斜視図である。仮固定部材20は、一枚の金属製の板材を折り曲げた部品である。仮固定部材20は、仮固定部材本体部21と、差し込み部22と、キャビネット支持部23と、を有する。
仮固定部材本体部21は、長方形の板面である。
差し込み部22は、仮固定部材本体部21の下端から連続して上方へ折り曲げられる部分である。差し込み部22は、仮固定部配置部14の切欠きを手前に倒すことでできる空間に差し込まれる。
キャビネット支持部23は、仮固定部材本体部21の上端から連続し、手前側に略直角に折れ曲げられる部分であり、ミラーキャビネット9の上面部93の裏側に当接する。
【0029】
図5は、本実施形態の補強部材により洗面化粧台100が取り付けられる状態を示す側面図である、図6(a)及び図6(b)は補強部材1及び仮固定部材20を用いて洗面化粧台100のミラーキャビネット9を取り付ける手順を示しており、図6(a)は仮固定部材20を補強部材1の本体部10に係合させた状態を示し、図6(b)は、仮固定部材20にミラーキャビネット9を仮固定した状態を示す。図6(b)では、説明の便宜のため、壁板71を省略して示している。図5~及び図6(b)を参照して、洗面化粧台用の補強部材1の設置方法について説明する。
【0030】
まず、図5に示すように、補強部材1の本体部10を、洗面化粧台100を取り付ける場所の壁面7に固定する。壁面7の壁板71の裏には、壁裏補強木72が上下方向に間隔を開けて配置されている。そこで、壁板71の裏に壁裏補強木72がある位置で、壁板71の表面側に本体部10を配置し、壁面側取付部16の長孔16aを、ネジにより締結する。この際、長孔16a内でネジの位置を調節しながら、本体部10を取り付ける。そして、本体部10の位置を決めた後、丸孔16bも締結し、本体部10を壁板71に取り付ける。ネジを壁板71に貫通させて壁裏補強木72に締結することで、壁板71を介して本体部10を壁裏補強木72に固定する(第1工程S1)。補強部材1は、二つで一組とし、洗面化粧台100を取り付ける予定の壁面7の横幅方向の一方及び他方に取り付ける。このとき、補強部材1の下端の折り曲げ部13は、洗面器8の後方壁部82の上端に当接させるようにする。
【0031】
次に図6(a)に示すように、本体部10に仮固定部材20を取り付けて、補強部材1の本体部10の上端側に配置された仮固定部配置部14に、仮固定部材20を差し込んで係合させる。仮固定部材20を差し込むと、仮固定部材本体部21の上端は、本体部10の上端よりも上に位置し、仮固定部材本体部21の上端から、前方に向かってキャビネット支持部23が突出する。
【0032】
図6(b)に示すように、キャビネット支持部23に、ミラーキャビネット9の上面部93の裏側を載せるだけで、ミラーキャビネット9がキャビネット支持部23により支持され、本体部10とミラーキャビネット9とが仮固定される(仮固定工程S3)。
【0033】
本体部10とミラーキャビネット9とを仮固定した状態で、ミラーキャビネット9の背面部91から突出している突起に、洗面化粧台側取付部15を係合させてミラーキャビネット9の位置を合わせる。
その後、ミラーキャビネット9がキャビネット支持部23により支持された状態のままで、ミラーキャビネット9を壁面7にネジで締結し、本固定する。これより、洗面化粧台100を、補強部材1を介して壁面7に取り付ける(第2工程S2)。
なお、洗面器8は、ミラーキャビネット9を取り付けた後に壁面7に取り付けてもよく、洗面器8とミラーキャビネット9とを組み付けた状態で壁面7に取り付けてもよい。
【0034】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、壁面7に洗面化粧台100を取り付けるための洗面化粧台用の補強部材1を、洗面化粧台100の横幅よりも狭い幅を有し、洗面化粧台100の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部10含んで構成した。
洗面化粧台100を壁面7に取り付ける際に、洗面化粧台100よりも幅の狭い補強部材1の本体部10を、洗面化粧台100の横幅方向の一方及び他方に取り付けることで、補強部材1を小型化することができる。補強部材1を洗面化粧台100の背面全体に配置しなくてもよいので、補強部材1を軽量化することができ、また、運搬や取り付けが容易になる。
【0035】
本実施形態では、本体部10を壁面7に取り付けるための壁面側取付部16を含んで本体部10を構成した。また、壁面側取付部16を、横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設け、本体部10の表裏を貫通する貫通孔により構成した。
本体部10に長手方向に間隔を空けて複数貫通する孔を形成することで、壁面7の壁板71の裏に位置している壁裏補強木72がどの位置にあっても、孔を固定しやすい位置で所定の壁面側取付部16にネジを挿通させることができる。これにより、壁面7に対して補強部材1の位置を容易に調整しつつ、壁板71を介して補強部材1を壁裏補強木72に取り付けることができる。
【0036】
本実施形態では、壁面側取付部16を、本体部10の横幅方向に並んで配置された複数の孔によって構成される組を複数、含んで構成した。また、組を構成する複数の孔を、丸孔16bと、横幅方向に長い長孔16aとにより構成した。
本体部10の横幅方向に並んで配置される孔の組のうち、長孔16aを含むことで、ネジの横幅方向の位置を微調整することが可能である。本体部10は縦に長いので、長孔16aでネジの位置を微調整することで、本体部10を真っ直ぐ配置しやすい。また、丸孔16bにより位置を決めて本締めすることができる。このように、長孔16a及び丸孔16bにより、壁面7に対して補強部材1の位置を容易に調整することができ、施工性が向上する。
【0037】
本実施形態では、本体部10を、本体部10を洗面化粧台100に取り付けるための洗面化粧台側取付部15を含んで構成した。また、洗面化粧台側取付部15を、横幅方向との直交方向に間隔を空けて複数箇所設け、本体部10の表裏を貫通する貫通溝により構成
縦長の本体部10に長手方向に間隔を空けて複数貫通する貫通孔を形成することで、洗面化粧台100の背面部91にある突起に洗面化粧台側取付部15の位置を合わせやすくなる。これにより、洗面化粧台100に対して補強部材1の位置を容易に調整しつつ、補強部材1を洗面化粧台100に取り付けることができる。
【0038】
本実施形態では、本体部10を、横幅方向の端部から立ち上がる立ち上がり部12を含んで構成した。
板状の本体部10の横幅方向の端部から立ち上がる立ち上がり部12が形成されることで、本体部10の剛性が高まり、撓みにくくなる。このため、施工性が向上する。
【0039】
本実施形態では、本体部10を、横幅方向との直交方向の端部に折り曲げ部13を含んで構成した。
本体部10の下端部の折り曲げ部13を、洗面化粧台100の前方側へ延出させて、洗面化粧台100の後方壁部82に当接させることで、補強部材1を壁板71にネジ留めするだけでなく、折り曲げ部13が後方壁部82の上端により支持されるので、補強部材1を確実に取り付けることができ、強度が向上する。
【0040】
本体部10に仮固定部材20を取り付けて、洗面化粧台100を仮固定部材20により仮固定することで、洗面化粧台100の取り付け位置をより正確に位置合わせしたり、仮固定している間に洗面化粧台100の他の箇所の取付作業等を行ったりすることができる。このため、施工性が向上する。
【0041】
本実施形態では、本体部10は金属製とした。本体部10が金属であることにより、厚さが薄くても強度が確保できる。
【0042】
本実施形態では、洗面化粧台100の横幅よりも狭い幅を有し、洗面化粧台100の横幅方向の一方及び他方に配置されて少なくとも二枚一組で構成される本体部10を備える補強部材1を用いて、壁面7に洗面化粧台100を取り付ける方法を、本体部10を壁面7に固定する第1工程S1と、洗面化粧台100を、補強部材1を介して壁面7に取り付ける第2工程S2と、を含んで構成した。
少なくとも二枚一組で用いる洗面化粧台用の補強部材1を、洗面化粧台100の一方及び他方に配置して、まず壁面7に取り付けて(S1)、それから洗面化粧台100を補強部材1を介して壁面7に取り付ける(S2)ことで、補強部材1を小型化することができる。補強部材1を洗面化粧台100の背面全体に配置しなくてもよいので、補強部材1を軽量化することができ、また、運搬や取り付けが容易になる。
【0043】
本実施形態では、補強部材1を、本体部10に取り付けられ本体部10と洗面化粧台100とを仮固定する仮固定部材20をさらに含んで構成した。また、第2工程S2の前に、本体部10に仮固定部材20を配置し、仮固定部材20に洗面化粧台100を仮固定する仮固定工程S3を含んで構成した。
本体部10に仮固定部材20を係合させて仮固定部材20を取り付け、洗面化粧台100を仮固定部材20に支持させる。洗面化粧台100を完全に固定する前に、一時的に仮固定すると、仮固定している間に他の箇所の施工を進めたり、洗面化粧台100の位置合わせ等を正確にした後に本固定したりすることができるので、施工性がさらに向上する。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態では、二本の補強部材1を一組とし、ミラーキャビネット9の上端から下端まで延出する長さを有する形状を例に説明したが、これに限られない。一本の補強部材の長さを、上記実施形態の半分の長さ程度として、上下に隣接して配置し、横幅方向の一方と他方に二本ずつ、全部で四本用いてもよい。補強部材の長さ及び個数は、取り付ける洗面化粧台の大きさに応じて、適宜変更してよい。補強部材一つ当たりの長さが短くなることで、さらなる軽量化が実現でき、取扱いが容易になる。また、補強部材を上下に隣接させることで、上下方向の全体の長さを調整できるので、洗面化粧台の大きさや種類に対して変更が可能で、汎用性が高まる。
【0046】
また、上記実施形態では、壁面側取付部16を長孔16aや丸孔16bにより構成したり、洗面化粧台側取付部15をスリット溝により構成したりしているが、これに限られない。壁面側取付部16及び洗面化粧台側取付部15の形状は、貫通孔又は貫通溝であれば、形状は適宜変更されてよい。
【0047】
また、上記実施形態では、立ち上がり部12は、本体部10の横幅方向の両端部に設けられているが、これに限られない。立ち上がり部は、片側の端部にのみに設けてもよい。
また、上記実施形態では、折り曲げ部13は、下端部のみに設けられているが、これに限られない。折り曲げ部は、上端部のみに設けられてもよく、或いは、下端部と上端部との両方に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、洗面化粧台100は、屋内の壁面7に取り付けられているが、これに限られない。洗面化粧台を取り付ける場所は、例えば屋外でよい。屋外に取り付けられる洗面化粧台は、例えば、公衆用である。
また、上記実施形態では、本体部10は、金属製であるが、これに限られない。本体部10の材質は、非金属、例えば、高強度のカーボン等であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 補強部材
7 壁面
10 本体部
12 立ち上がり部
13 折り曲げ部
15 洗面化粧台側取付部
16 壁面側取付部
16a 長孔
16b 丸孔
20 仮固定部材
100 洗面化粧台
図1
図2
図3
図4
図5
図6