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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】スクリーン装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
E06B9/42 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018225854
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020084740
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】弓井 絵利夏
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 誉士
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-214102(JP,A)
【文献】特開平10-228066(JP,A)
【文献】特開2003-166384(JP,A)
【文献】実開昭58-085001(JP,U)
【文献】登録実用新案第3124836(JP,U)
【文献】特開2017-197954(JP,A)
【文献】特開2015-101903(JP,A)
【文献】実開昭59-010492(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0090779(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
G03B 21/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンと、前記スクリーンを収納可能な収納部と、を有するスクリーン装置の取付構造であって、
前記収納部の背面に配置される取付部材と、
前記取付部材を覆うように配置されるカバー部材と、を備え
前記カバー部材は、横部と縦部とを有する断面L字状に形成され、
前記横部は、下方を向く取付面に固定され、
前記縦部には、前記取付部材を介して前記スクリーン装置が固定される、
スクリーン装置の取付構造。
【請求項2】
前記縦部は、中空部を有する筒状のホロー構造で構成される請求項に記載のスクリーン装置の取付構造。
【請求項3】
前記カバー部材の長手方向の端部に配置される端部キャップを備え、
前記端部キャップは、前記カバー部材の内部側においてネジ部材により固定される請求項1又は2のいずれかに記載のスクリーン装置の取付構造。
【請求項4】
前記スクリーン装置は、アルミ材料により形成される形材の下面に取り付け可能である請求項1~のいずれかに記載のスクリーン装置の取付構造。
【請求項5】
屋根体と、
前記屋根体に設けられた請求項1~に記載のスクリーン装置の取付構造と、を備える屋根構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日除けや目隠しをするためのスクリーン装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンと、スクリーンを収納可能な収納部と、を有するスクリーン装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のスクリーン装置においては、背面が、上下方向に延びる取付面に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-197954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、スクリーン装置を、例えば屋根の前桁の下面や天井躯体の下面などの下方を向く取付面に取り付ける場合に、背面側の凹凸が視認されたり、背面に取り付けたカバーを固定するためのネジが視認されたりする。
そのため、意匠性を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、意匠性を向上させることができるスクリーン装置の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スクリーン(例えば、後述のスクリーン81)と、前記スクリーンを収納可能な収納部(例えば、後述の収納部82)と、を有するスクリーン装置(例えば、後述のスクリーン装置8)の取付構造(例えば、後述の取付構造80)であって、前記収納部の背面(例えば、後述の背面8a)に配置される取付部材(例えば、後述の取付金具85)と、前記取付部材を覆うように配置されるカバー部材(例えば、後述のカバー部材86)と、を備えるスクリーン装置の取付構造に関する。
【0007】
また、前記カバー部材は、横部(例えば、後述の取付板862)と縦部(例えば、後述のホロー部861)とを有する断面L字状に形成され、前記横部は、下方を向く取付面(例えば、後述の下面4b)に固定され、前記縦部には、前記取付部材を介して前記スクリーン装置が固定されることが好ましい。
【0008】
また、前記縦部は、中空部を有する筒状のホロー構造で構成されることが好ましい。
【0009】
また、前記カバー部材の長手方向の端部に配置される端部キャップ(例えば、後述の端部キャップ87)を備え、前記端部キャップは、前記カバー部材の内部側においてネジ部材(例えば、後述のネジ部材804)により固定されることが好ましい。
【0010】
また、前記スクリーン装置は、アルミ材料により形成される形材の下面(例えば、後述の下面4b)に取り付け可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、屋根体(例えば、後述の屋根体4)と、前記屋根体に設けられた前記スクリーン装置の取付構造と、を備える屋根構造体(例えば、後述のテラス1)に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、意匠性を向上させることができるスクリーン装置の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るテラスを斜め上方側から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るテラスを斜め下方側から見た斜視図である。
図3図1におけるA-A線断面図である。
図4】スクリーン装置の取付構造の縦断面図である。
図5】スクリーン装置の取付構造を支柱側の下方側から見た図である。
図6】カバー部材に固定された取付金具に、スクリーン装置を取り付ける状態を示す斜視図である。
図7】スクリーン装置を背面側から視た斜視図である。
図8】端部キャップをカバー部材に取り付ける状態を示す斜視図である。
図9】取付金具及び端部キャップをカバー部材に取り付けると共に、カバー部材を屋根体の下面に取り付ける状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のスクリーン装置の取付構造を備えた屋根構造体の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るテラス1を斜め上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るテラス1を斜め下方側から見た斜視図である。図3は、図1におけるA-A線断面図である。本実施形態においては、屋根構造体をテラス1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をテラス1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、テラス以外の構造物、例えば、カーポート、駐輪場、シェルター、休憩所、バス停などの構造物に適用してもよい。
【0015】
なお、本実施形態の説明においては、テラス1の屋根体4を構成する複数の長尺形材(長尺材)41が延びる方向を左右方向(長尺形材41の長手方向)ともいう。また、梁3が延びる方向を前後方向ともいい、梁3が延びる方向において、支柱2側を、テラス1の基端側ともいい、支柱2と反対側を、テラス1の先端側ともいう。
【0016】
まず、本実施形態のテラス1の全体構造について説明する。テラス1は、図1及び図2に示すように、屋根体4を前後方向の基端側(図1における左手前側)において一対の支柱2で支持する、いわゆる、片持ち構造のテラスである。また、本実施形態のテラス1は、支柱2に接続された梁3の下部(下方)に、屋根体4が吊られて接続される吊構造で構成される。
また、テラス1は、屋根体4の先端が、建物壁面や建物開口を有する躯体10から離間して、躯体10に対向して配置される独立型のテラスである。
【0017】
本実施形態のテラス1は、地面11に立設される一対の支柱2(柱材)と、支柱2の上端部から支柱に交差する方向に延びる梁3と、梁3の下部に接続される屋根体4と、スクリーン装置8と、を備える。支柱2、梁3、及び屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
【0018】
一対の支柱2は、図1及び図2に示すように、テラス1の基端側(図1における左手前側)において、テラス1の左右方向に離間して配置される。
支柱2は、図1図3に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱本体部21と、支柱本体部21の屋根体4側の側面から屋根体4側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材23が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ24が配置される。
【0019】
支柱本体部21と支柱カバー部材23との間には、図3に示すように、屋根体4の屋根体側樋構成部40(後述)から排出された水が流される。支柱本体部21と支柱カバー部材23との間には屋根体側樋構成部40(後述)から排出された水が流入して水が流れるため、支柱本体部21及び支柱カバー部材23は、支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。本実施形態においては、支柱本体部21と支柱カバー部材23との間に雨樋用のホースなどが配置されずに、支柱本体部21及び支柱カバー部材23だけで、縦樋を構成する。支柱側樋構成部20は、支柱本体部21の屋根体4側の側面が支柱カバー部材23に覆われるため、テラス1の外部からは視認されない。そのため、支柱2が樋の機能を備えることが外部からは視認されず、意匠性を向上できる。
【0020】
図1図3に示すように、一対の支柱2における左右方向の一方側(図1における右手前側)の支柱2には、地面11付近の下端部に、排水誘導部材6が取り付けられる。排水誘導部材6は、支柱本体部21と支柱カバー部材23とにより構成される支柱側樋構成部20(後述)を流れる水を前後方向の一方側(建物と反対側)の外部へ誘導して排出する。
【0021】
一対の梁3は、テラス1の左右方向に離間して配置される。一対の梁3は、それぞれ、前後方向に延びると共に、支柱2側に下る下り傾斜で形成される。梁3は、支柱2側に基端側が配置されると共に、基端側から先端側に延びる。一対の梁3の基端側の端部(左側の端部)は、図3に示すように、L字状の連結部材25を介して、支柱2の上端部に接続される。一対の梁3の下部には、屋根体4が接続される。
【0022】
一対の梁3は、図1及び図3に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部31と、延出板部32(下部延出板)と、端部キャップ33と、を有する。
【0023】
梁側ホロー部31の先端31aは、先端側の上端部が傾斜して切り欠かれるように、先端側から基端側(支柱2側)に向かうにしたがって上る上り傾斜で形成される。
【0024】
延出板部32は、梁側ホロー部31の下端部から、屋根体4における左右方向の中央側(一対の梁3のうち、当該梁3とは別の梁3側)に向けて延出すると共に、前後方向に延びる板状に形成される。延出板部32は、前後方向に並んで複数配置されるネジ部材101により、延出板部32において、屋根体4に固定される。
【0025】
屋根体4は、梁3の下方に配置される。屋根体4は、図3に示すように、屋根体4が一対の梁3の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、一対の梁3の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体4は、複数の長尺形材(長尺材)41が、梁3が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
【0026】
複数の長尺形材41は、それぞれ、テラス1の左右方向(梁3が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材41は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体4は、上面4a及び下面4bがフラット(平面状)に形成される。屋根体4は、支柱2側が下る下り傾斜に配置されており、上面4a及び下面4bは、支柱2側が下る下り傾斜に形成される。アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材41を連結して屋根体4を構成することで、複数の長尺形材41を、屋根体4の面材として使用できると共に、屋根体4の強度を確保することができる。また、屋根体4を構成する複数の長尺形材41を、中空部を有する形材で構成することで、屋根体4自体を強度部材として使用でき、屋根体4の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体4を構成する部材の部品点数を低減できる。
【0027】
屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、図3に示すように、最も先端側に配置される先端側形材42と、支柱2側の最も基端側に配置される樋構成形材44と、先端側形材42と樋構成形材44との間に配置される複数の中間形材43と、を備えて構成される。複数の長尺形材41は、それぞれ、ネジ部材101により、梁3に直接固定されて接続される。
屋根体4の下面4bには、スクリーン装置8の取付構造80により、スクリーン装置8が取り付けられている。スクリーン装置8の取付構造80の詳細については後述する。
【0028】
樋構成形材44は、屋根体4において、複数の長尺形材41が並ぶ方向の基端側(支柱2側)の端部に並列に配置され、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。本実施形態においては、樋構成形材44は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口する断面U字形状に形成される。
【0029】
樋構成形材44は、屋根体4の支柱2側の最も基端側の端部において、屋根体4の上面4aを基端側に流れて基端側の端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体側樋構成部40を構成する。屋根体側樋構成部40の側面に形成された導出開口には、L字状の誘導部材47が接続される。
【0030】
誘導部材47は、屋根体側樋構成部40に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材47は、支柱側樋構成部20側に下る斜め下方に傾斜した筒状に形成される。
誘導部材47により支柱側樋構成部20に誘導された水は、支柱本体部21と支柱カバー部材23とにより構成される支柱側樋構成部20の内部を上方側から下方側に流れ、支柱2の下部に取り付けられた排水誘導部材6により、外部に排出される。
【0031】
次に、本発明に係るスクリーン装置8の取付構造80の詳細について説明する。
図4は、スクリーン装置8の取付構造80の縦断面図である。図5は、スクリーン装置8の取付構造80を支柱2側の下方側から見た図である。図6は、カバー部材86に固定された取付金具85に、スクリーン装置8を取り付ける状態を示す斜視図である。図7は、スクリーン装置8を背面8a側から視た斜視図である。図8は、端部キャップ87をカバー部材86に取り付ける状態を示す斜視図である。図9は、取付金具85及び端部キャップ87をカバー部材86に取り付けると共に、カバー部材86を屋根体4の下面4bに取り付ける状態を示す図である。
【0032】
本実施形態においては、図1図3に示すように、2台のスクリーン装置8が左右方向に直線上に並んだ状態で、スクリーン装置8の取付構造80により、屋根体4の下面4bに取り付けられている。なお、スクリーン装置8の台数は限定されず、1台でもよいし、3台以上でもよい。
【0033】
2台のスクリーン装置8は、図4に示すように、それぞれ、スクリーン81と、スクリーン81を収納可能な収納部82と、を備える。
収納部82は、テラス1の左右方向に延びて形成される。スクリーン81は、収納部82に収納される。スクリーン81は、巻き取るタイプでもよいし、折り畳むタイプでもよい。スクリーン81は、収納部82から引き出されることで、日除け、目隠しとして機能する。
【0034】
また、スクリーン装置8は、図1図6に示すように、取付構造80により、屋根体4の下面4bに取り付けられている。本実施形態においては、スクリーン装置8は、屋根体4の下面4bにおいて、前後方向の支柱2側寄りに配置される。スクリーン装置8は、長尺形材41の長手方向に沿って延びる。本実施形態においては、スクリーン装置8の背面8a側は、躯体10側を向いて配置され、スクリーン装置8の前面8b側は、躯体10と反対側を向いて配置されている。
【0035】
スクリーン装置8は、図4及び図7に示すように、背面8aにおいて、上端部に形成される引っ掛け部821と、下端部に形成されるネジ固定溝822と、を有する。
引っ掛け部821は、図4に示すように、スクリーン装置8の背面8aの上端部において、下方に開放する逆L字状に形成される。
ネジ固定溝822は、スクリーン装置8の背面8aの下端部において、下方に開放する溝状に形成される。
背面8aの上端部に形成される引っ掛け部821に取付金具85の上部取付片851(後述)が引っ掛けられ、背面8aの下端部に形成されるネジ固定溝822において取付金具85の下部取付片853(後述)が固定されることで、スクリーン装置8は、後述する取付金具85に支持された状態で固定される。
【0036】
スクリーン装置8の取付構造80は、図5に示すように、収納部82の背面8aに配置される複数の取付金具85(取付部材)と、複数の取付金具85(取付部材)を覆うように配置されるカバー部材86と、カバー部材86の両端部に配置される端部キャップ87と、を備える。
【0037】
カバー部材86は、図6に示すように、2台のスクリーン装置8の背面8aの長手方向の全域に亘って延びて形成される。カバー部材86は、複数台のスクリーン装置8の背面8aを覆う場合には、スクリーン装置8の台数に応じた長さで形成される。これにより、複数台のスクリーン装置8を並べて配置した場合でも、カバー部材86につなぎ目がないため、意匠性が良好である。
【0038】
カバー部材86は、図4に示すように、断面L字状に形成される。カバー部材86は、縦方向(上下方向)に延びる中空部を有するホロー部861(縦部)と、ホロー部861の上端から支柱2側に屈曲して横方向(前後方向)に延びる取付板862(横部)と、を有する。
【0039】
取付板862は、図4図6に示すように、長尺形材41の下面に沿って長尺形材41の長手方向に延びる長尺の板状に形成され、ネジ部材801により、屋根体4の下面4b(下方を向く取付面)である長尺形材41の下面に固定される。
【0040】
ホロー部861は、中空部を有する筒状のホロー構造で構成される。ホロー部861は、取付板862の躯体10側の端部から下方に延びる。ホロー部861は、スクリーン装置8の背面8a及び背面8aに取り付けられた取付金具85を覆うように、スクリーン装置8の背面8aの躯体10側に配置される。ホロー部861は、取付板862の長手方向の長さと同じ長さで、長手方向に延びる。ホロー部861の躯体10側の外面861aは、上下方向及び長手方向に延びる平面状に形成され、段差や凹凸などは形成されていない。
【0041】
ホロー部861における躯体10と反対側の面861bには、ネジ部材802により、複数の取付金具85が固定されている。ホロー部861には、取付金具85を介して、スクリーン装置8が固定される。
【0042】
複数の取付金具85は、スクリーン装置8の背面8aである収納部82の背面において、収納部82の長手方向に並んで配置される。複数の取付金具85は、カバー部材86のホロー部861における躯体10と反対側の面861bに固定された状態で、スクリーン装置8を背面8a側から支持する。
【0043】
複数の取付金具85は、それぞれ、図4及び図6に示すように、上部取付片851と、上部取付片851から下方に延びる上下方向延在片852と、上下方向延在片852の下端部に接続される下部取付片853と、を有する。
【0044】
上部取付片851は、図6に示すようにL字状に屈曲して形成され、縦片851aと、縦片851aの下端部からカバー部材86側に延びる横片851bと、を有する。横片851bのカバー部材86側の端部は、上下方向延在片852の上端部に接続される。上部取付片851には、図6に示すように、スクリーン装置8を取付金具85に取り付ける場合に、スクリーン装置8の収納部82の背面8aの上端部に形成された引っ掛け部821(図7参照)が引っ掛けられる。
【0045】
上下方向延在片852は、上部取付片851の横片851bのカバー部材86側の端部から下方に延びる直線板状に形成される。上下方向延在片852は、図6に示すように、ネジ部材802によりカバー部材86のホロー部861に固定される。
【0046】
下部取付片853は、段差状に形成され、上段横片853aと、段差縦片853bと、下段横片853cと、を有する。
上段横片853aは、上下方向延在片852の下端部からカバー部材86と反対側に延びる。
段差縦片853bは、上段横片853aのカバー部材86と反対側の端部から下方側に延びる。
下段横片853cは、段差縦片853bの下端部からカバー部材86と反対側に延びる。下段横片853cは、図4図6に示すように、ネジ部材803により、スクリーン装置8の収納部82の背面8aの下端部に形成されたネジ固定溝822(図7参照)に固定される。
【0047】
以上のように構成されることで、スクリーン装置8の収納部82の背面8a側において、背面8aと背面8aに配置される取付金具85とを、カバー部材86により覆うことができ、かつ、カバー部材86の躯体10側の外面861aには、取付金具85やネジ部材801、802、803などの部材が露出されていないため、意匠性を向上できる。
【0048】
一対の端部キャップ87は、図5に示すように、カバー部材86の長手方向の両端部に配置される。一対の端部キャップ87は、図8に示すように、それぞれ、側板871と、一対のL字金具872と、を有する。
【0049】
側板871は、上下方向及び前後方向に広がる板状に形成され、側面視において、正方形の一つの角を傾斜直線で切り欠いた形状に形成される。
一対のL字金具872は、L字状に屈曲して形成され、側板871の内側に固定される一片872aと、一片872aの端部から内部側に突出する他片872bと、を有する。一対のL字金具872は、側板871の内側に一片872aが固定され、他片872bがカバー部材86の内部側において、ネジ部材804によりカバー部材86のホロー部の端部に固定される。ネジ部材804は、カバー部材86の内部側に配置されており、外部に露出されていないため、外部から視認されにくい。そのため、意匠性を向上できる。
【0050】
次に、スクリーン装置8の取付構造80を利用して、スクリーン装置8を屋根体4の下面4bに取り付ける手順について説明する。
図9に示すように、取付金具85及び端部キャップ87を取り付けたカバー部材86を、屋根体4の下面4bに取り付ける。
具体的には、ネジ部材802により、取付金具85をカバー部材86のホロー部861に固定する。また、ネジ部材804により、端部キャップ87をカバー部材86の端部に固定する。また、ネジ部材801により、カバー部材86を屋根体4の下面4bに固定する。
【0051】
続けて、図6に示すように、スクリーン装置8の背面8aに形成される引っ掛け部821を、取付金具85の上部取付片851に引っ掛けて、取付金具85の下部取付片853を、スクリーン装置8の背面8aに形成されるネジ固定溝822にネジ部材803により固定することで、2台のスクリーン装置8を、取付金具85に取り付ける。
【0052】
以上のように構成されるスクリーン装置8の取付構造80においては、カバー部材86によりスクリーン装置8の背面8a側を覆うことで、スクリーン装置8の背面8aや取付金具85を、スクリーン装置8の背面8a側から視認されない構造とすると共に、取付金具85をカバー部材86のホロー部861に固定するネジ部材802、カバー部材86を屋根体4の下面4bに固定するネジ部材801、端部キャップ87をカバー部材86の端部に固定するネジ部材804、スクリーン装置8の背面8aに形成されるネジ固定溝822においてネジ部材803、及び、スクリーン装置8の背面8aに形成されるネジ固定溝822に取付金具85を固定するネジ部材803を、カバー部材86により覆うことで、カバー部材86の躯体10側の外面861a側に凹凸やネジ部材などが露出されていないため、意匠性を向上できる。
【0053】
以上説明した本実施形態のスクリーン装置8の取付構造80によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のスクリーン装置8の取付構造80は、スクリーン81と、スクリーン81を収納可能な収納部82と、を有するスクリーン装置8の取付構造80であって、収納部82の背面8aに配置される取付金具85と、取付金具85を覆うように配置されるカバー部材86と、を備える。これにより、スクリーン装置8の背面8a側において、背面8aと背面8aに配置される取付金具85とを、カバー部材86により覆うことができるため、意匠性を向上できる。
【0054】
また、本実施形態においては、カバー部材86は、取付板862とホロー部861とを有する断面L字状に形成され、取付板862は、屋根体4の下面4b(下方を向く取付面)に固定され、ホロー部861には、取付金具85を介してスクリーン装置8が固定される。これにより、カバー部材86のホロー部861により、スクリーン装置8の背面8a側を覆った状態で、取付板862により、屋根体4の下面4bに固定することができる。よって、簡易な構成で、スクリーン装置8の背面8a側から視認されない構成を実現できる。
【0055】
また、本実施形態においては、ホロー部861は、中空部を有する筒状のホロー構造で構成される。そのため、ホロー部861は強度を有する強度部材として構成され、取付金具85を介して、スクリーン装置8を強固に安定して固定できる。
【0056】
また、本実施形態においては、カバー部材86の長手方向の端部に配置される端部キャップ87を備え、端部キャップ87は、カバー部材86の内部側においてネジ部材804により固定される。そのため、端部キャップ87を固定するためのネジ部材804は外部から視認されないため、意匠性を一層向上できる。
【0057】
また、本実施形態においては、スクリーン装置8は、アルミ材料により形成される形材の下面に取り付け可能である。これにより、本実施形態のように、屋根体4がアルミ材料からなる複数の長尺形材41が連設されることで構成されている場合には、長尺形材41の下面にスクリーン装置8を容易に取り付けることができる。なお、本実施形態においては、スクリーン装置8を、屋根体4の下面4bにおいて、前後方向の支柱2側寄りに取り付けたが、スクリーン装置8の取付位置は限定されない。例えば、本実施形態の屋根体4は、アルミ材料からなる複数の長尺形材を備えて構成されており、屋根体の下面のあらゆる位置に取り付け可能であるため、取付位置の自由度は高い。
【0058】
以上、本発明のスクリーン装置8の取付構造80の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、スクリーン装置8を屋根体4の下面4bに取り付ける場合について説明したが、これに限定されない。スクリーン装置を、例えば、屋根体を支持する前桁や後桁の下面に取り付けてもよいし、ベランダの天井(構造物の下面)に取り付けてもよい。また、スクリーン装置を、吊構造以外の屋根構造体の屋根体の下面や、庇などの屋根体の下面に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 テラス(屋根構造体)
4 屋根体
4b 下面(取付面)
8 スクリーン装置
8a 収納部の背面
80 スクリーン装置の取付構造
81 スクリーン
82 収納部
85 取付金具(取付部材)
86 カバー部材
87 端部キャップ
804 ネジ部材
861 ホロー部(縦部)
862 取付板(横部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9