(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】気液混合装置
(51)【国際特許分類】
B01F 21/20 20220101AFI20221208BHJP
B01F 23/2373 20220101ALI20221208BHJP
B01F 25/10 20220101ALI20221208BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20221208BHJP
【FI】
B01F21/20
B01F23/2373
B01F25/10
B01F35/71
(21)【出願番号】P 2019041970
(22)【出願日】2019-03-07
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2018075710
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-225546(JP,A)
【文献】特開2014-231046(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0326511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00 - 21/20
B01F 23/23 - 23/2375
B01F 25/10 - 25/32
B01F 35/71
F24H 1/18
F24H 1/00
A61H 33/02
E03C 1/084
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に空気を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、
上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、
を備え、
前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、
前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、
前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大き
く、
前記気液混合装置は、さらに、
前記タンク内に収容され、前記流出口と前記第1混合ケースの間に設けられ、底部と、前記底部に接続される筒状の側壁と、を備える第2混合ケースを備え、
前記第1混合ケースの前記噴出口から流出する水は、前記第2混合ケース内に放出される、気液混合装置。
【請求項2】
水に空気を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、
上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、
を備え、
前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、
前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、
前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大き
く、
前記気液混合装置は、さらに、
前記タンク内の上部に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記円錐部内を接続する空気導入路を備え、
前記空気導入路の前記円錐部内の下流端は、前記噴出口の近傍に設けられている、気液混合装置。
【請求項3】
水に気体を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、
上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、
を備え、
前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、
前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、
前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大き
く、
前記気液混合装置は、さらに、
前記タンク内に収容され、前記流出口と前記第1混合ケースの間に設けられ、底部と、前記底部に接続される筒状の側壁と、を備える第2混合ケースを備え、
前記第1混合ケースの前記噴出口から流出する水は、前記第2混合ケース内に放出される、気液混合装置。
【請求項4】
水に気体を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、
上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、
を備え、
前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、
前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、
前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大き
く、
前記気液混合装置は、さらに、
前記タンク内の上部に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記円錐部内を接続する気体導入路を備え、
前記気体導入路の前記円錐部内の下流端は、前記噴出口の近傍に設けられている、気液混合装置。
【請求項5】
前記
気体導入路において、前記
気体導入路の前記下流端と前記
気体の層側の上流端との間であって、前記第1混合ケースの前記円錐部を通過する部分には、分岐開口が設けられている、請求項
4に記載の気液混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、気液混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流入口側から流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、第1混合ケースに連結されている水導入器体と、を備える気液混合装置が開示されている。水導入器体から第1混合ケースの円錐部内に流入する気液混合水が、第1混合ケース内で旋回することによって、空気が水に溶解する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、気液混合装置では、水に溶解する気体の気体量を高めることが求められている。本明細書では、気液混合装置において、水に溶解する気体の気体量を高めることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される気液混合装置は、水に空気を溶解させる気液混合装置であって、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、を備え、前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大きく、前記気液混合装置は、さらに、前記タンク内に収容され、前記流出口と前記第1混合ケースの間に設けられ、底部と、前記底部に接続される筒状の側壁と、を備える第2混合ケースを備え、前記第1混合ケースの前記噴出口から流出する水は、前記第2混合ケース内に放出される、。
【0006】
上記の構成によると、水導入器体の複数の開口の面積の合計は、タンクの流入口の面積よりも大きい。このため、タンクに流入した水が、水導入器体を通って第1混合ケースの円錐部に導入されるときの圧力損失を低減することができる。また、水導入器体の複数の開口のうちの少なくとも1個の第1開口の面積は、タンクの流入口の面積よりも小さい。このため、当該第1開口を通過して、第1混合ケースの円錐部に流入する水の速度を速めて、第1混合ケースの円錐部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する空気の空気量(以下では、「溶解空気量」と呼ぶ)は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
また、上記の構成によると、第1混合ケース内で、水に溶解しなかった空気は、水に混じった状態で第2混合ケースに流出される。そして、第2混合ケースに放出された水が第2混合ケースの底部に衝突する際に、水に空気が溶解する。従って、気液混合装置における溶解空気量をさらに多くすることができる。
【0007】
本明細書によって開示される気液混合装置は、水に空気を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、を備え、前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大きく、前記気液混合装置は、さらに、前記タンク内の上部に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記円錐部内を接続する空気導入路を備え、前記空気導入路の前記円錐部内の下流端は、前記噴出口の近傍に設けられている。
【0008】
上記の構成によると、水導入器体の複数の開口の面積の合計は、タンクの流入口の面積よりも大きい。このため、タンクに流入した水が、水導入器体を通って第1混合ケースの円錐部に導入されるときの圧力損失を低減することができる。また、水導入器体の複数の開口のうちの少なくとも1個の第1開口の面積は、タンクの流入口の面積よりも小さい。このため、当該第1開口を通過して、第1混合ケースの円錐部に流入する水の速度を速めて、第1混合ケースの円錐部内における水の旋回速度を速めることができる。溶解空気量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの円錐部内に水が導入され、水が旋回すると、第1混合ケースの噴出口付近で負圧が発生する。このため、噴出口の近傍に空気導入路の下流端を設けることで、空気の層に溜まっている空気を空気導入路により取り込むことができる。上記の構成によると、円錐部内で旋回する水に、空気をさらに溶解させることができる。従って、気液混合装置における溶解空気量をさらに多くすることができる。
【0009】
本明細書によって開示される気液混合装置は、水に気体を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、を備え、前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大きく、前記気液混合装置は、さらに、前記タンク内に収容され、前記流出口と前記第1混合ケースの間に設けられ、底部と、前記底部に接続される筒状の側壁と、を備える第2混合ケースを備え、前記第1混合ケースの前記噴出口から流出する水は、前記第2混合ケース内に放出される。
【0010】
上記の構成によると、水導入器体の複数の開口の面積の合計は、タンクの流入口の面積よりも大きい。このため、タンクに流入した水が、水導入器体を通って第1混合ケースの円錐部に導入されるときの圧力損失を低減することができる。また、水導入器体の複数の開口のうちの少なくとも1個の第1開口の面積は、タンクの流入口の面積よりも小さい。このため、当該第1開口を通過して、第1混合ケースの円錐部に流入する水の速度を速めて、第1混合ケースの円錐部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する気体の気体量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
また、上記の構成によると、第1混合ケース内で、水に溶解しなかった気体は、水に混じった状態で第2混合ケースに流出される。そして、第2混合ケースに放出された水が第2混合ケースの底部に衝突する際に、水に気体が溶解する。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量をさらに多くすることができる。
【0011】
本明細書によって開示される気液混合装置は、水に気体を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容されており、前記流入口側から前記流出口側に向かって直径が小さくなる円錐部と、最下流端に噴出口と、を備える筒状の第1混合ケースと、上板部と、前記上板部に接続されている円筒状の本体部と、を備え、前記本体部には、前記本体部の内周壁の接線方向に沿った複数の水導入路が設けられており、前記本体部の外面には、前記複数の水導入路のそれぞれに対応する複数の開口が設けられている、水導入器体と、を備え、前記タンクに流入する水は、前記水導入器体の前記複数の開口を介して前記第1混合ケースの前記円錐部内に導入され、前記複数の開口のうちの少なくとも1個の開口の面積は、前記タンクの前記流入口の面積よりも小さく、前記水導入器体の前記複数の開口の面積の合計は、前記タンクの前記流入口の面積よりも大きく、前記気液混合装置は、さらに、前記タンク内の上部に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記円錐部内を接続する気体導入路を備え、前記気体導入路の前記円錐部内の下流端は、前記噴出口の近傍に設けられている。
【0012】
上記の構成によると、水導入器体の複数の開口の面積の合計は、タンクの流入口の面積よりも大きい。このため、タンクに流入した水が、水導入器体を通って第1混合ケースの円錐部に導入されるときの圧力損失を低減することができる。また、水導入器体の複数の開口のうちの少なくとも1個の第1開口の面積は、タンクの流入口の面積よりも小さい。このため、当該第1開口を通過して、第1混合ケースの円錐部に流入する水の速度を速めて、第1混合ケースの円錐部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する気体の気体量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの円錐部内に水が導入され、水が旋回すると、第1混合ケースの噴出口付近で負圧が発生する。このため、噴出口の近傍に気体導入路の下流端を設けることで、気体の層に溜まっている気体を気体導入路により取り込むことができる。上記の構成によると、円錐部内で旋回する水に、気体をさらに溶解させることができる。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量をさらに多くすることができる。
【0013】
気体導入路において、気体導入路の下流端と気体の層側の上流端との間であって、第1混合ケースの円錐部を通過する部分には、分岐開口が設けられていてもよい。
【0014】
第1混合ケースの円錐部内に水が導入され、水が旋回すると、円錐部の中心付近にも負圧が発生する。上記の構成によると、気体の層に溜まっている気体が分岐開口を通って、円錐部内で旋回している水に取り込まれる。この場合、円錐部内で旋回する水に、気体を溶解させることができる。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量をさらに多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例に係る気液混合装置2の斜視図である。
【
図2】第1実施例に係る気液混合装置2の分解図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った気液混合装置2の断面図である。
【
図4】第1実施例に係る第1混合ケース60の構成を示す図である。
【
図5】第1実施例に係る水導入器体40の構成を示す図である。
【
図6】第1実施例に係る第2混合ケース90の構成を示す図である。
【
図7】第2実施例に係る給水システム202の構成を示す図である。
【
図8】第3実施例に係る給水システム502の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施例)
(気液混合装置2の構成)
図1~
図6を参照して、気液混合装置2について説明する。
図1は、気液混合装置2の外観を示す斜視図であり、
図2は、気液混合装置2の分解図であり、
図3は、
図1のIII-III線に沿った気液混合装置2の断面図である。
図1~
図3に示すように、気液混合装置2は、タンク10と、水導入器体40と、第1混合ケース60と、第2混合ケース90と、を備える。
図2に示すように、タンク10、水導入器体40、第1混合ケース60、及び、第2混合ケース90は、各装置の中心軸が中心軸Aに一致するように配置されている。
【0017】
図3に示すように、水導入器体40、第1混合ケース60、及び、第2混合ケース90は、タンク10内に収容されている。第1混合ケース60は、タンク10に取り付けられている。水導入器体40は、第1混合ケース60に連結されている。第2混合ケース90は、第1混合ケース60に取り付けられている。
【0018】
(タンク10の構成)
図1、
図3を参照して、タンク10の構成について説明する。
図1に示すように、タンク10は、タンク上部12と、タンク下部22と、を備える。タンク上部12は、円筒部14と、上底部16と、を有する。円筒部14は、円筒形状を有する。円筒部14の下部には、外側に向かって延びるフランジ部20が設けられている。フランジ部20には、複数個のネジ穴B1が設けられている。フランジ部20のネジ穴B1は、タンク上部12とタンク下部22とをネジ止めするためのネジ穴である。また、フランジ部20の下面には、凹部20aが設けられている(
図3参照)。上底部16は、円板形状を有する。上底部16の直径は、円筒部14の外径と一致する。上底部16の中央部には、流入口18aが設けられている。また、上底部16には、2個のネジ穴B2が設けられている。
【0019】
また、
図3に示すように、タンク上部12の上底部16の下端には、タンク10内に貯留されている水の水位を検出するための高水位電極29a及び低水位電極29bが設置されている。高水位電極29aによって検出される第1水位は、低水位電極29bによって検出される第2水位よりも高い。なお、高水位電極29aの下端は、第2混合ケース90の上端よりも下方に位置する。なお、変形例では、高水位電極29aの下端は、第2混合ケース90の上端よりも上方に位置していてもよい。
【0020】
図1に示すように、タンク下部22は、円筒部24と、下底部26と、を有する。円筒部24は、円筒形状を有する。円筒部24の外径及び内径は、タンク上部12の円筒部14の外径及び内径と略一致する(
図3参照)。円筒部24の上部には、外側に向かって延びるフランジ部30が設けられている。フランジ部30には、複数個のネジ穴B3が設けられている(
図2参照)。フランジ部30のネジ穴B3は、タンク上部12のフランジ部20に設けられているネジ穴B1と対応する位置に設けられており、タンク上部12とタンク下部22とがネジ止めされる。また、フランジ部30の上面には、凸部30aが設けられている(
図3参照)。フランジ部20の凹部20a内にOリング(図示省略)を配置し、凹部20aに凸部30aを挿入し、フランジ部30のネジ穴B3とフランジ部20のネジ穴B1にネジ部材(図示省略)を螺合することで、タンク上部12とタンク下部22とが連結される。これにより、凹部20a内のOリングによって、タンク10内の水が外部に漏出することが防止される。下底部26は、円板形状を有する。下底部26の直径は、円筒部24の外径と一致する。下底部26の中央部には、流出口28a(
図3参照)が設けられている。
【0021】
(第1混合ケース60の構成)
図3、
図4を参照して、第1混合ケース60について説明する。なお、
図3では、見易くするために、第1混合ケース60のリブ72、フランジ部74を省略している。
図4(a)は第1混合ケース60の斜視図であり、
図4(b)は第1混合ケース60を下方から見た下面図である。
図4に示すように、第1混合ケース60は、円筒部62と、環状部64と、円錐部70と、を備える。円筒部62は、円筒形状を有する。円筒部62の外径及び内径は、タンク上部12の円筒部14の内径より小さい(
図3参照)。
図3に示すように、円筒部62には、連通孔62aが設けられている。タンク上部12の上方に溜まった空気が、連通孔62aを通って、円筒部62内に導入され、円筒部62の上方に空気層62bが形成される。
図4(a)に示すように、円筒部62の上部には、円筒部62の外側に向かって延びるフランジ部66が設けられている。フランジ部66の外径は、円筒部62の外径より大きく、タンク上部12の円筒部14の内径より小さい(
図3参照)。フランジ部66には、2個のネジ穴B4が設けられている。フランジ部66のネジ穴B4とタンク上部12の上底部16のネジ穴B2とを位置合わして、ネジ部材(図示省略)を螺合することで、タンク上部12に第1混合ケース60を取り付けることができる。なお、フランジ部66において、ネジ穴B4よりも内側には、Oリングを配置するための凹部が設けられていてもよい。
【0022】
環状部64は、環状の平板形状を有する。環状部64は、円筒部62の下端に連続して形成されている。環状部64の外径は、円筒部62の外径と一致する(
図3参照)。
【0023】
円錐部70は、中空の円錐形状を有する。円錐部70の外径及び内径は、上方から下方に向かって小さくなっている。円錐部70の上端は、環状部64と連続して形成されている(
図3参照)。円錐部70には、噴出口70aが設けられている。また、円錐部70の下部では、フランジ部76が外周側に張り出しているフランジ部76の外径は、円錐部70の上端の外径より小さい(
図3参照)。また、円錐部70には、円錐部70の外面から中心軸Aと垂直な方向に延びるリブ72が設けられている(
図4(b)参照)。また、円錐部70には、リブ72よりも外側に延びる2個のフランジ部74が設けられている。各フランジ部74には、ネジ穴B5が設けられている。
【0024】
(水導入器体40の構成)
図3、
図5を参照して、水導入器体40について説明する。
図5(a)は水導入器体40の斜視図であり、
図5(b)は
図5(a)のV-V線に沿った水導入器体40の断面図である。
図5(a)に示すように、水導入器体40は、円筒状の本体部42と、上板部46と、環状部48と、空気導入路50と、を備える。
【0025】
本体部42の外径は、第1混合ケース60の円筒部62の内径よりも小さい(
図3参照)。本体部42には、4個の水導入路44が設けられている。
図5(b)に示すように、各水導入路44は、本体部42の内周壁の接線方向に沿って設けられている。また、各水導入路44には、開口44aが形成されている。1個の開口44aの面積D2は、タンク10の流入口18aの面積D1よりも小さい。なお、開口44aの面積D2は、水導入路44において、水導入路44の長手方向に直交する方向における断面積が一番小さい面積を示す。流入口18aの面積D1は、流入口18aにおいて、中心軸Aに直交する方向における断面積が一番小さい領域の面積を示す(
図3参照)。一方、4個の開口44aの面積D2の合計は、タンク10の流入口18aの面積D1よりも大きい。
図5(a)に示すように、上板部46は、円板形状を有する円板部46aと、湾曲している湾曲部46bと、を有する。湾曲部46bの外径は、本体部42の外径と一致する。環状部48は、環状の平板形状を有し、本体部42の下端から外周側に張り出している。環状部48の外周端には、凹溝が形成されており、環状部48の最外径は、第1混合ケース60の円筒部62の内径よりもわずかに大きい(
図3参照)。環状部48の内径は、本体部42の内径と一致する(
図3参照)。水導入器体40を第1混合ケース60の円筒部62に圧入することで、水導入器体40が第1混合ケース60に固定される。
【0026】
空気導入路50は、上板部46の中央部を貫通し、上板部46と一体に設けられている。空気導入路50は、連通孔50cによって形成され、空気導入路50の下端50aの上下方向の位置は、第1混合ケース60の円錐部70の下端の位置と一致する。なお、変形例では、空気導入路50の下端50aは、円錐部70の下端の近傍に設けられていればよく、円錐部70の下端よりもわずかに上方又はわずかに下方に設けられていてもよい。空気導入路50の上端50bは、上板部46よりも上方に位置しており、空気層62bに配置されている。
【0027】
(第2混合ケース90の構成)
図3、
図6を参照して、第2混合ケース90について説明する。なお、
図3では、見易くするために、第2混合ケース90のフランジ部96を省略している。
図6(a)は第2混合ケース90の斜視図であり、
図6(b)は第2混合ケース90を上方から見た上面図である。
図6(a)に示すように、第2混合ケース90は、円筒部92と、下底部100と、を備える。円筒部92は、円筒形状を有する。円筒部92の上端は、第1混合ケース60の環状部64と、間隔Kを空けて配置されている(
図3参照)。円筒部92の外径は、タンク上部12の円筒部14の内径よりも小さく、第1混合ケース60の円筒部62の外径よりも大きい(
図3参照)。また、円筒部92の内径は、第1混合ケース60の円筒部62の外径と略一致する(
図3参照)。円筒部92の上部には、2個の切欠部94が設けられ、切欠部94の下端から内側に延びる2個のフランジ部96が設けられている。各フランジ部96には、ネジ穴B6が設けられている。フランジ部96のネジ穴B6と第1混合ケース60のフランジ部74のネジ穴B5を位置合わせして、ネジ部材(図示省略)を螺合することで、第2混合ケース90が第1混合ケース60に取付けられる。下底部100は、下方に突出するドーム形状を有する。
【0028】
続いて、
図3を参照して、気液混合装置2内において、水に空気が溶解する状況について説明する。
図3の破線は、水の流路を示す。まず、ポンプ(図示省略)によって加圧された水(又は水と空気が混じった水)が、タンク10の流入口18aを通ってタンク10内に流入する。タンク10に流入した水は、空気層62bに溜まっている空気を巻き込みながら、水導入器体40の開口44a、水導入路44を通って、螺旋状に旋回しながら、第1混合ケース60の円錐部70内に導入される。円錐部70内に導入された水は、円錐部70内において螺旋状の旋回力を増しながら下方へ流れる。これにより、空気が水に溶解する。円錐部70の噴出口70aから流出する水は、第2混合ケース90に放出される。円錐部70から第2混合ケース90に放出される水には、水に溶解していない空気が混じっている。この水が、第2混合ケース90の下底部100又は第2混合ケース内90に溜まっている水に衝突すると、水の中に空気が溶解する。これにより、空気溶解加圧水が生成される。生成された空気溶解加圧水は、第2混合ケース90の上端から、第2混合ケース90の上端と第1混合ケース60の環状部48の下端との間の空間を通って、タンク10の下部に流れ出ていき、タンク10の下部に溜まっていく。なお、空気溶解加圧水が第2混合ケース90の上端からタンク10の下部に流れ出ていく際に、水に溶解していない空気は、水と分離してタンク10の上部に移動する。そして、タンク10の上部に移動した空気は、円筒部62の連通孔62aを通って、第1混合ケース60の上方の空気層62bに戻る。
【0029】
水導入器体40の4個の開口44aの面積の合計は、タンク10の流入口18aの面積よりも大きい。このため、タンク10に流入した水が、開口44aを通って、水導入器体40及び第1混合ケース60内に流入するときの圧力損失を低減することができる。また、水導入器体の4個の開口44aのそれぞれの面積は、流入口18aの面積よりも小さい。このため、開口44aを通過して、水導入器体40及び第1混合ケース60内に流入する水の速度を速めて、第1混合ケース60の円錐部70における水の旋回速度を速めることができる。溶解空気量は、第1混合ケース60内における水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置2における溶解空気量を多くすることができる。
【0030】
また、第1混合ケース60を通過した水は、第2混合ケース90に放出される。この場合、第1混合ケース60内で、水に溶解しなかった空気は、水に混じった状態で第2混合ケース90に放出される。そして、第2混合ケース90に放出された水が第2混合ケース90の下底部100に衝突する際に、水に空気が溶解する。従って、気液混合装置2における溶解空気量をさらに多くすることができる。
【0031】
また、第1混合ケース60に水が導入され、第1混合ケース60の円錐部70内で水が旋回すると、第1混合ケース60の円錐部70の噴出口70a付近で、大きな負圧が発生する。このため、噴出口70aの近傍に空気導入路50の下端50aを設けることで、空気層62bに溜まっている空気を空気導入路50に取り込むことができる。このため、第1混合ケース60内で旋回する水に、空気をさらに溶解させることができる。従って、気液混合装置2における溶解空気量をさらに多くすることができる。
【0032】
(対応関係)
第2混合ケース90の下底部100、第2混合ケース90の円筒部92が、それぞれ、「底部」、「筒状の側壁」の一例である。
【0033】
(第2実施例)
図7を参照して、第1実施例の気液混合装置2を利用した給水システム202について説明する。給水システム202は、気液混合装置2によって生成される空気溶解加圧水を浴槽330に供給して、浴槽330内に微細気泡を発生させるシステムである。
【0034】
(給水システム202の構成)
図7に示すように、給水システム202は、熱源ユニット210と、微細気泡発生ユニット250と、浴槽330と、制御装置350と、を備える。熱源ユニット210は、給水源400、出湯箇所402、及び、微細気泡発生ユニット250に接続されている。微細気泡発生ユニット250は、熱源ユニット210及び浴槽330に接続されている。なお、以下では、
図7に示す矢印の方向に水が流れる場合を例に説明する。
【0035】
(熱源ユニット210の構成)
熱源ユニット210は、給水源400から供給される水を加熱して、出湯箇所402、及び、浴槽330に加熱された水を供給するためのユニットである。熱源ユニット210は、第1熱源機212と、第2熱源機214と、給水路220と、出湯路222と、分岐水路226と、第1戻り水路228と、第1往き水路230と、を備える。
【0036】
給水路220の上流端は、市水道などの給水源400に接続されており、給水路220の下流端は、第1熱源機212に接続されている。第1熱源機212は、第1熱源機212を通過する水を加熱するガス熱源機である。
【0037】
出湯路222の上流端は第1熱源機212に接続されている。出湯路222の下流端は、カラン等の出湯箇所402に接続されている。出湯路222には、第1戻り水路228に接続されている分岐水路226が接続されている。分岐水路226には、湯張り弁232が設けられている。湯張り弁232は、出湯路222から第1戻り水路228への水の流れを制御する弁である。
【0038】
第1戻り水路228の上流端は、微細気泡発生ユニット250(詳細には第2戻り水路260)に接続されており、下流端は第2熱源機214に接続されている。第1戻り水路228において、第1戻り水路228と分岐水路226の接続部と、第2熱源機214と、の間には、第1ポンプ234及び水流スイッチ236が設けられている。第1ポンプ234は、水流スイッチ236よりも上流側に設けられており、第1戻り水路228内の水を下流側に送り出す。水流スイッチ236は、第1戻り水路228内を水が通過していることを検出する。第2熱源機214は、第2熱源機214を通過する水を加熱するガス熱源機である。
【0039】
第1往き水路230の上流端は、第2熱源機214に接続されており、下流端は、微細気泡発生ユニット250(詳細には第2往き水路268)に接続されている。
【0040】
(微細気泡発生ユニット250の構成)
微細気泡発生ユニット250は、気液混合装置2と、第2戻り水路260と、第2往き水路268と、水供給路274(第1水供給路274a及び第2水供給路274b)と、連通路266と、噴出水路264と、空気導入路300と、を備える。
【0041】
第2戻り水路260の上流端は、第1三方弁280に接続されており、下流端は、第1戻り水路228を介して、熱源ユニット210に接続されている。また、第2戻り水路260には、上流端が第2三方弁282に接続されている連通路266の下流端が接続されている。第3戻り水路262の一端は第1三方弁280に接続されており、他端は、浴槽330に接続されている。噴出水路264の上流端は、気液混合装置2の下部に接続されており、下流端は、第1三方弁280に接続されている。噴出水路264には、給水制御弁284が設けられている。上述のように、第1三方弁280には、第2戻り水路260、第3戻り水路262、及び、噴出水路264が接続されている。第1三方弁280は、噴出水路264から第3戻り水路262に水が流れる微細気泡供給状態と、第3戻り水路262から第2戻り水路260に水が流れる追い焚き循環状態を切り替えることができる。なお、第3戻り水路262と浴槽330との接続部には、減圧ノズル332が設けられている。図示省略しているが、減圧ノズル332には、浴槽330内の水を吸入する水吸入口と、浴槽330に空気溶解加圧水を吐出する加圧水吐出口と、が設けられている。水吸入口及び加圧水吐出口には、それぞれに対応する逆止弁体等が設けられている。微細気泡供給状態では、加圧水吐出口に対応する逆止弁体のみが開状態になる。
【0042】
第2往き水路268の上流端は、第1往き水路230を介して、熱源ユニット210に接続されており、下流端は第2三方弁282に接続されている。第3往き水路270の一端は浴槽330に接続されており、他端は第2三方弁282に接続されている。即ち、第2三方弁282には、連通路266と、第2往き水路268と、第3往き水路270と、が接続されている。第2三方弁282は、第3往き水路270から連通路266に水が流れる微細気泡供給状態と、第2往き水路268から第3往き水路270に水が流れる追い焚き循環状態を切り替えることができる。
【0043】
第2往き水路268と気液混合装置2は、水供給路274で接続されている。水供給路274には、第2ポンプ286が設けられている。水供給路274の第2ポンプ286の上流側は、第1水供給路274aと第2水供給路274bとに並列に分岐され、第1水供給路274aと第2水供給路274bとが合流するように構成されている。水供給路274は、第1水供給路274a及び第2水供給路274bの水を下流側へ送り出す。
【0044】
第2水供給路274bには、定流量弁290と、ベンチュリ292と、が設けられている。定流量弁290は、第2水供給路274bに流れる水量の割合を調整するための弁である。ベンチュリ292は、定流量弁290よりも下流側に設けられている。ベンチュリ292には、空気導入路300が接続されている。
【0045】
空気導入路300の上流端側は、大気に開放されており、下流端が第2水供給路274bに接続されている。空気導入路300は、第2水供給路274bに空気を導入する。空気導入路300には、逆止弁302と、空気弁304と、が設けられている。逆止弁302は、空気弁304よりも上流側に設けられており、空気導入路300を介して水が排出されることを防止する。空気弁304は、空気導入路300を開閉する。
【0046】
(制御装置350の構成)
制御装置350は、熱源ユニット210、微細気泡発生ユニット250の各構成要素の動作を制御する。制御装置350は、ユーザによって操作可能なリモコン(図示省略)と通信可能に構成されている。制御装置350は、ユーザによるリモコンへの操作に応じて、微細気泡供給運転、追い焚き運転、湯張り運転を実行することができる。給水システム202は、微細気泡供給運転に特徴を有する。なお、制御装置350は、水位電極29a、29bが、タンク10内に貯留されている水の水面に接触すると、ON信号を受信する。以下では、制御装置350が水位電極29a、29bからON信号を受信している状態を、水位電極29a、29bがONであると表現し、制御装置350が水位電極29a、29bからON信号を受信していない状態を、水位電極29a、29bがOFFであると表現する。
【0047】
(給水システム202の動作)
続いて、給水システム202の動作について説明する。以下では、給水システム202が実施する、湯張り運転、追い焚き運転、及び、微細気泡供給運転について順に説明する。なお、各運転が開始されている時点において、第1三方弁280、第2三方弁282は、追い焚き循環状態である。また、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動は停止されており、湯張り弁232、給水制御弁284、空気弁304は閉状態である。
【0048】
(湯張り運転)
湯張り運転は、給水源400から供給される水を加熱して、浴槽330に供給する運転である。ユーザによって湯張り運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、制御装置350は、湯張り弁232を閉状態から開状態に切替え、第1熱源機212を駆動させる。これにより、給水源400から供給される水が、給水路220、第1熱源機212、出湯路222、分岐水路226、第1戻り水路228、第2熱源機214、第1往き水路230、第2往き水路268、第3往き水路270を通って、浴槽330に供給される。即ち、第1熱源機212によって加熱された水が浴槽330に供給される。制御装置350は、浴槽330へ供給された水の積算流量が所定水量に達すると、湯張り弁232を開状態から閉状態に切替え、第1熱源機212の駆動を停止させる。これによって、湯張り運転は終了する。
【0049】
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、浴槽330に貯えられている水を、第2熱源機214によって加熱する運転である。ユーザによって追い焚き運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、制御装置350は、第1ポンプ234を駆動させる。これにより、浴槽330内の水が、第3戻り水路262、第2戻り水路260、第1戻り水路228を通って第2熱源機214に供給される。そして、第2熱源機214によって加熱された水は、第1往き水路230、第2往き水路268、第3往き水路270を通って、浴槽330に供給される。制御装置350は、浴槽内330の温度が設定温度に達するか、又は、所定時間が経過すると、第2熱源機214、及び、第1ポンプ234の駆動を停止させる。これによって、追い焚き運転は終了する。
【0050】
(微細気泡供給運転)
微細気泡供給運転は、気液混合装置2内において、空気溶解加圧水を生成し、生成された空気溶解加圧水を浴槽330に供給する運転である。ユーザによって微細気泡供給運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、制御装置350は、微細気泡供給運転を開始する。微細気泡供給運転は、第1給水運転及び第2給水運転と、で構成される。なお、制御装置350は、微細気泡供給運転を開始する際に、第1ポンプ234及び第2ポンプ286を駆動させ、第1三方弁280、第2三方弁282を追い焚き循環状態から微細気泡供給状態に切替える。
【0051】
(第1給水運転)
第1給水運転は、気液混合装置2内の水の水位が、高水位電極29aがONである第1水位以上である場合に開始される運転である。なお、制御装置350は、微細気泡供給運転を開始してから、最初に気液混合装置2内の水の水位が第1水位未満である状態から第1水位以上である状態になる場合に、給水制御弁284を、閉状態から開状態に切替える。
【0052】
制御装置350は、第1給水運転において、第1ポンプ234、第2ポンプ286を駆動させている状態で、空気弁304を開状態に制御する。空気弁304が開状態であるために、空気導入路300を通って、第2水供給路274bに空気が導入される。第2水供給路274bに供給される空気は、気液混合装置2内に導入される。即ち、水と空気が混じっている気液混合水が気液混合装置2(詳細にはタンク10)に流入する。気液混合装置2に流入した水が第1混合ケース60を通過するとき、及び、第2混合ケース90の下底部100に衝突するときに、水の中に空気が溶解する。即ち、タンク10内に空気溶解加圧水が生成される。そして、タンク10内に生成された空気溶解加圧水は、噴出水路264、第3戻り水路262、減圧ノズル332を通って、浴槽330に供給される。浴槽330内に放出される空気溶解加圧水は、減圧ノズル332を通過した瞬間に急激に減圧される。この場合、水に溶解していた空気が、直径20μm程度の微細気泡となる。すなわち、浴槽330内に多量の微細気泡が発生し、水が白濁する。なお、水の中に溶解しなかった空気は、第1混合ケース60の外側、及び、連通孔62aを通って、空気層62bに溜まっていく。
【0053】
なお、空気弁304が開状態における第2ポンプ286の加圧能力は、空気弁304が閉状態における第2ポンプ286の加圧能力よりも低くなり、第2ポンプ286を通過する水の水量が少なくなる。この場合、水供給路274を通って気液混合装置2に放出される水の水量よりも、気液混合装置2から噴出水路264に供給される水の水量の方が多くなり、気液混合装置2内の水の水位が徐々に低下していく。
【0054】
(第2給水運転)
第2給水運転は、気液混合装置2内の水の水位が、低水位電極29bがOFFである第2水位未満である場合に開始される運転である。制御装置350は、第1ポンプ234、第2ポンプ286を駆動させている状態で、空気弁304を閉状態に制御する。第2給水運転では、第1給水運転中にタンク10の空気層62bに溜まった空気を利用して、空気溶解加圧水を生成することができる。
【0055】
なお、空気弁304が閉状態における第2ポンプ286の加圧能力は、空気弁304が閉状態における第2ポンプ286の加圧能力よりも高い。この場合、水供給路274を通って気液混合装置2に流入する水の水量よりも、気液混合装置2から噴出水路264に流出する水の水量の方が少なくなり、気液混合装置2内の水位が上昇していく。
【0056】
制御装置350は、気液混合装置2内の水位に応じて、第1給水運転と第2給水運転を実行することで、空気溶解加圧水を、浴槽330に継続的に供給する。
【0057】
なお、制御装置350は、ユーザによって微細気泡供給運転の停止を指示するための操作がリモコンに実行されると、第1ポンプ234及び第2ポンプ286の駆動を停止させ、給水制御弁284及び空気弁304を開状態から閉状態に切替える。さらに、制御装置350は、第1三方弁280及び第2三方弁282を、微細気泡供給状態から追い焚き循環に切替える。これにより、微細気泡供給が終了する。
【0058】
上述のように、気液混合装置2内において、比較的に多くの空気が溶解している空気溶解加圧水が生成される。従って、気液混合装置2を利用することで、浴槽330において微細気泡を多く発生させることができ、浴槽330内の白濁性を高めることができる。
【0059】
(第3実施例)
図8を参照して、第1実施例の気液混合装置2を利用した給水システム502について説明する。本実施例の給水システム502は、水供給路274が、第1水供給路274aと第2水供給路274bとで構成されておらず、気液混合装置2に空気導入路600が接続されている点を除いて、第2実施例の給水システム202と同様の構成を備える。なお、本実施例の場合、タンク10のタンク上部12の円筒部14には、空気導入路600と連通する空気連通路(図示省略)が設けられている。以下では、実施例間で共通する構成については、同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
空気導入路600には、エアポンプ602と、逆止弁604と、が設けられている。エアポンプ602が駆動されると、気液混合装置2に空気が導入される。
【0061】
(微細気泡供給運転)
本実施例では、制御装置350は、第1給水運転の代わりに、空気導入運転を実行する。空気導入運転において、制御装置350は、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動を停止させ、エアポンプ602を駆動させる。これにより、気液混合装置2内に空気が導入されるとともに、気液混合装置2内の水が流出口28aから流出していき、気液混合装置2内の水の水位が低下する。なお、空気導入運転では、空気溶解加圧水は生成されない。
【0062】
本実施例では、制御装置350は、気液混合装置2内の水位に応じて、空気導入運転と第2給水運転を実行し、浴槽330に空気溶解加圧水を供給する。
【0063】
上述のように、気液混合装置2内において、比較的に多くの空気が溶解している空気溶解加圧水が生成される。従って、気液混合装置2を利用することで、浴槽330において微細気泡を多く発生させることができ、浴槽330内の白濁性を高めることができる。
【0064】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0065】
(第1変形例)水導入器体40の空気導入路50の側面に、1個以上の分岐開口が設けられていてもよい。当該分岐開口は、空気導入路50が第1混合ケース60の円錐部70を通過する部分に設けられているとよい。このような構成によると、空気層62bに溜まっている空気が空気導入路50の開口を通って、円錐部70に取り込まれる。この場合、円錐部70内で旋回している水に、空気をさらに溶解させることができる。従って、気液混合装置2における溶解空気量をさらに多くすることができる。
【0066】
(第2変形例)上記の各実施例では、気液混合装置2に空気が導入されている。変形例では、空気に代えて、炭酸ガス(「気体」の一例)が気液混合装置2に導入されてもよい。例えば、第1実施例の変形例では、気液混合装置2は、空気導入路50に代えて、炭酸ガス導入路を有する。そして、タンク12の上方に炭酸ガスがたまった炭酸ガスの層が形成される。このような構成によると、水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。また、例えば、第2実施例の変形例では、空気導入路300、空気弁304に代えて、気体導入路、気体弁が配設される。気体導入路の上流端は、炭酸ガスが充填されているタンクに接続され、下流端がベンチュリ292に接続される。本変形例では、制御装置350は、第1給水運転において、気体弁を開状態に制御し、第2給水運転において、気体弁を閉状態に制御する。これにより、第1給水運転において、気体導入路、及び、第2水供給路274bを通って、気液混合装置2内に炭酸ガスが導入される。また、例えば、第3実施例の変形例では、空気導入路600、エアポンプ602に代えて、気体導入路、気体ポンプが配設される。気体導入路の上流端は、炭酸ガスが充填されているタンクに接続され、下流端が気液混合装置2に接続される。本変形例では、制御装置350は、空気導入運転に代えて、炭酸ガス導入運転を実行する。具体的には、制御装置350は、炭酸ガス導入運転において、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動を停止させ、気体ポンプを駆動させる。これにより、気液混合装置2に、炭酸ガスが導入される。なお、「気体」は、炭酸ガスに限定されず、酸素、水素等でもよい。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
2 :気液混合装置
10 :タンク
12 :タンク上部
14 :円筒部
16 :上底部
18a :流入口
20 :フランジ部
20a :凹部
22 :タンク下部
24 :円筒部
26 :下底部
28a :流出口
29a :高水位電極
29b :低水位電極
30 :フランジ部
30a :凸部
40 :水導入器体
42 :本体部
44 :水導入路
44a :開口
46 :上板部
46a :円板部
46b :湾曲部
48 :環状部
50 :空気導入路
50a :下端
50b :上端
50c :連通孔
60 :第1混合ケース
62 :円筒部
62a :連通孔
62b :空気層
64 :環状部
66 :フランジ部
70 :円錐部
70a :噴出口
72 :リブ
74 :フランジ部
76 :フランジ部
90 :第2混合ケース
92 :円筒部
94 :切欠部
96 :フランジ部
100 :下底部
A :中心軸