IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-気液混合装置 図1
  • 特許-気液混合装置 図2
  • 特許-気液混合装置 図3
  • 特許-気液混合装置 図4
  • 特許-気液混合装置 図5
  • 特許-気液混合装置 図6
  • 特許-気液混合装置 図7
  • 特許-気液混合装置 図8
  • 特許-気液混合装置 図9
  • 特許-気液混合装置 図10
  • 特許-気液混合装置 図11
  • 特許-気液混合装置 図12
  • 特許-気液混合装置 図13
  • 特許-気液混合装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】気液混合装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/10 20220101AFI20221208BHJP
   B01F 23/232 20220101ALI20221208BHJP
   B01F 21/20 20220101ALI20221208BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20221208BHJP
【FI】
B01F25/10
B01F23/232
B01F21/20
B01F35/71
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019041977
(22)【出願日】2019-03-07
(65)【公開番号】P2020044529
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2018171814
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松枝 和輝
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-346356(JP,A)
【文献】特開2014-231046(JP,A)
【文献】特開2003-225546(JP,A)
【文献】特開平08-010780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00 - 21/20
B01F 23/23 - 23/2375
B01F 25/10 - 25/32
B01F 35/71
F24H 1/18
F24H 1/00
A61H 33/02
E03C 1/084
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に空気を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、円板形状を有する下底部と、前記下底部から上方に延び、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部の中央部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、
前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、
前記タンク内の上方に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通空気路と、
を備え、
前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっており、
前記ノズルは、前記撹拌部の前記内周壁の接線方向に沿って前記撹拌部に連結されており、
上下方向において、前記第1混合ケースの前記撹拌部の前記開口の中心位置は、前記第1混合ケースの中心位置よりも下方に位置している、
気液混合装置。
【請求項2】
水に空気を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、下底部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、
前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、
前記タンク内の上方に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通空気路と、
前記流出口と前記噴出口の間に設けられている水受部と、前記水受部に接続されており、前記水受部から上方に延びる筒状の側壁と、を備える第2混合ケースと、
を備え、
前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっている、
気液混合装置。
【請求項3】
水に気体を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、円板形状を有する下底部と、前記下底部から上方に延び、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部の中央部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、
前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、
前記タンク内の上方に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通気体路と、
を備え、
前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっており、
前記ノズルは、前記撹拌部の前記内周壁の接線方向に沿って前記撹拌部に連結されており、
上下方向において、前記第1混合ケースの前記撹拌部の前記開口の中心位置は、前記第1混合ケースの中心位置よりも下方に位置している、
気液混合装置。
【請求項4】
水に気体を溶解させる気液混合装置であって、
流入口と流出口とを有するタンクと、
前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、下底部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、
前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、
前記タンク内の上方に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通気体路と、
前記流出口と前記噴出口の間に設けられている水受部と、前記水受部に接続されており、前記水受部から上方に延びる筒状の側壁と、を備える第2混合ケースと、
を備え、
前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっている、
気液混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、気液混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、撹拌部に設けられている開口と、噴出口と、を備える第1混合ケースと、撹拌部に連結されているノズルであって、開口を介して、撹拌部の内部と連通する水路を備えるノズルと、を備える気液混合装置が開示されている。第1混合ケースの撹拌部内に流入する気液混合水が、第1混合ケースを通過する際に、空気が水に溶解する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2001/097958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、気液混合装置では、水に溶解する気体の気体量を高めることが求められている。本明細書では、気液混合装置において、水に溶解する気体の気体量を高めることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される気液混合装置は、水に空気を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、円板形状を有する下底部と、前記下底部から上方に延び、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部の中央部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、前記タンク内の上方に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通空気路と、を備え、前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっており、前記ノズルは、前記撹拌部の前記内周壁の接線方向に沿って前記撹拌部に連結されており、上下方向において、前記第1混合ケースの前記撹拌部の前記開口の中心位置は、前記第1混合ケースの中心位置よりも下方に位置している
【0006】
上記の構成によると、ノズルの水路の断面積が第1混合ケースの撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。このため、ノズルの水路の断面積が一定である場合と比較して、ノズルから撹拌部に流入する水の速度を速めることができる。これにより、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する空気の空気量(以下では、「溶解空気量」と呼ぶ)は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
また、撹拌部に流入する水は、撹拌部の内周壁に衝突することなく、撹拌部の内周壁に沿って旋回する。ノズルが撹拌部の内周壁の接線方向に沿って撹拌部に連結されていない場合、撹拌部に流入する水は、まず、撹拌部の内周壁に衝突し、その後に、撹拌部の内周壁に沿って旋回する。水が撹拌部の内周壁に衝突することによって、水の旋回速度は遅くなる。従って、ノズルを撹拌部の内周壁の接線方向に沿って撹拌部に連結することで、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。従って、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの下底部の近傍から撹拌部に水が流入する。この場合、第1混合ケースの撹拌部に流入した水は、撹拌部内の外側領域において旋回しながら上昇する。そして、撹拌部の上部に達した水は、撹拌部内の内側領域を旋回しながら下降する。この場合、撹拌部内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって、撹拌部の中心領域に負圧層が形成される。負圧層が形成されることで、タンクの上部に溜まっている多くの空気が、連通空気路を介して、撹拌部内に取り込まれる。一方、例えば、第1混合ケースの撹拌部の開口が撹拌部の上部に設けられている場合、撹拌部に流入した水は、撹拌部内の外側領域において旋回しながら下降する。この場合に、撹拌部の中心領域に形成される負圧層の負圧は、撹拌部内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって形成される負圧層の負圧より小さくなる。従って、第1混合ケースの撹拌部の開口を下底部の近傍に設けることで、撹拌部の中心領域に形成される負圧層の負圧を大きくすることできる。この結果、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
【0007】
本明細書によって開示される別の気液混合装置は、水に空気を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、下底部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、前記タンク内の上方に溜まった空気の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通空気路と、前記流出口と前記噴出口の間に設けられている水受部と、前記水受部に接続されており、前記水受部から上方に延びる筒状の側壁と、を備える第2混合ケースと、を備え、前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。
【0008】
上記の構成によると、ノズルの水路の断面積が第1混合ケースの撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。このため、ノズルの水路の断面積が一定である場合と比較して、ノズルから撹拌部に流入する水の速度を速めることができる。これにより、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する空気の空気量(以下では、「溶解空気量」と呼ぶ)は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における溶解空気量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの噴出口から第2混合ケース内に噴出された水は、第2混合ケースの水受部に衝突し、その後、第2混合ケースの側壁を伝って上昇し、側壁の上端を介して、タンクの下部に流れ出ていく。この場合、第2混合ケース内に噴出された水が第2混合ケースの側壁を伝っている間、及び、上昇流から下降流に反転する際に、未溶解空気は、水から分離される。そして、水から分離した空気は、タンク内の上方の空気の層に移動する。このため、タンクの流出口から流出する水に含まれる未溶解空気の量を低減することができる。そして、タンク内の上方の空気の層から、連通空気路を介して、第1混合ケース内の水に空気が取り込まれる。従って、気液混合装置内の空気を効率的に活用することができる。
【0009】
本明細書によって開示される別の気液混合装置は、水に気体を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、円板形状を有する下底部と、前記下底部から上方に延び、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部の中央部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、前記タンク内の上方に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通気体路と、を備え、前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっており、前記ノズルは、前記撹拌部の前記内周壁の接線方向に沿って前記撹拌部に連結されており、上下方向において、前記第1混合ケースの前記撹拌部の前記開口の中心位置は、前記第1混合ケースの中心位置よりも下方に位置している。
【0010】
上記の構成によると、ノズルの水路の断面積が第1混合ケースの撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。このため、ノズルの水路の断面積が一定である場合と比較して、ノズルから撹拌部に流入する水の速度を速めることができる。これにより、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する気体の気体量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
また、撹拌部に流入する水は、撹拌部の内周壁に衝突することなく、撹拌部の内周壁に沿って旋回する。ノズルが撹拌部の内周壁の接線方向に沿って撹拌部に連結されていない場合、撹拌部に流入する水は、まず、撹拌部の内周壁に衝突し、その後に、撹拌部の内周壁に沿って旋回する。水が撹拌部の内周壁に衝突することによって、水の旋回速度は遅くなる。従って、ノズルを撹拌部の内周壁の接線方向に沿って撹拌部に連結することで、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの下底部の近傍から撹拌部に水が流入する。この場合、第1混合ケースの撹拌部に流入した水は、撹拌部内の外側領域において旋回しながら上昇する。そして、撹拌部の上部に達した水は、撹拌部内の内側領域を旋回しながら下降する。この場合、撹拌部内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって、撹拌部の中心領域に負圧層が形成される。負圧層が形成されることで、タンクの上部に溜まっている多くの気体が、連通気体路を介して、撹拌部内に取り込まれる。一方、例えば、第1混合ケースの撹拌部の開口が撹拌部の上部に設けられている場合、撹拌部に流入した水は、撹拌部内の外側領域において旋回しながら下降する。この場合に、撹拌部の中心領域に形成される負圧層の負圧は、撹拌部内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって形成される負圧層の負圧より小さくなる。従って、第1混合ケースの撹拌部の開口を下底部の近傍に設けることで、撹拌部の中心領域に形成される負圧層の負圧を大きくすることできる。この結果、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
【0013】
本明細書によって開示される別の気液混合装置は、水に気体を溶解させる。気液混合装置は、流入口と流出口とを有するタンクと、前記タンク内に収容された第1混合ケースであって、内周壁が回転面形状を有する撹拌部と、下底部と、前記撹拌部に設けられている開口と、前記下底部に設けられている噴出口と、を備える前記第1混合ケースと、前記撹拌部に連結されているノズルであって、前記開口を介して、前記撹拌部の内部と連通する水路を備える前記ノズルと、前記タンク内の上方に溜まった気体の層と前記第1混合ケースの前記撹拌部内を接続する連通気体路と、前記流出口と前記噴出口の間に設けられている水受部と、前記水受部に接続されており、前記水受部から上方に延びる筒状の側壁と、を備える第2混合ケースと、を備え、前記ノズルの前記水路の断面積は、前記撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。
【0014】
上記の構成によると、ノズルの水路の断面積が第1混合ケースの撹拌部に向かうにつれて小さくなっている。このため、ノズルの水路の断面積が一定である場合と比較して、ノズルから撹拌部に流入する水の速度を速めることができる。これにより、撹拌部内における水の旋回速度を速めることができる。水に溶解する気体の気体量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置における水に溶解する気体の気体量を多くすることができる。
また、第1混合ケースの噴出口から第2混合ケース内に噴出された水は、第2混合ケースの水受部に衝突し、その後、第2混合ケースの側壁を伝って上昇し、側壁の上端を介して、タンクの下部に流れ出ていく。この場合、第2混合ケース内に噴出された水が第2混合ケースの側壁を伝っている間、及び、上昇流から下降流に反転する際に、未溶解気体は、水から分離される。そして、水から分離した気体は、タンク内の上方の気体の層に移動する。このため、タンクの流出口から流出する水に含まれる未溶解気体の量を低減することができる。そして、タンク内の上方の気体の層から、連通気体路を介して、第1混合ケース内の水に気体が取り込まれる。従って、気液混合装置内の気体を効率的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る気液混合装置2の斜視図である。
図2】本実施形態に係る気液混合装置2の分解図である。
図3】本実施形態に係る気液混合装置2の上面図である。
図4図1のIV-IV線に沿った気液混合装置2の断面図である。
図5図3のV-V線に沿った気液混合装置2の断面図である。
図6図3のVI-VI線に沿った気液混合装置2の断面図である。
図7】本実施形態に係る第1混合ケース60の構成を示す図である。
図8】本実施形態に係る第2混合ケース90の構成を示す図である。
図9】本実施形態に係る第2混合ケース90の上面を示す図である。
図10】本実施形態に係るケースカバー40の構成を示す図である。
図11】本実施形態に係るノズル120の構成を示す図である。
図12】本実施形態の気液混合装置2を利用した給水システム202の構成を示す図である。
図13】第3変形例に係る気液混合装置502の断面図である。
図14】第3変形例に係る第1混合ケース560の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(気液混合装置2の構成)
図1図11を参照して、気液混合装置2について説明する。図1は、気液混合装置2の外観を示す斜視図であり、図2は、気液混合装置2の分解図であり、図3は、気液混合装置2の上面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿った気液混合装置2の断面図である。図5図6は、それぞれ、図3のV-V線、VI-VI線に沿った気液混合装置2の断面図である。図2に示すように、気液混合装置2は、タンク10と、ケースカバー40と、第1混合ケース60と、第2混合ケース90と、ノズル120と、を備える。タンク10、ケースカバー40、第1混合ケース60、及び、第2混合ケース90は、各装置の中心軸が中心軸C1に一致するように配置されている。
【0017】
図5図6に示すように、ケースカバー40、第1混合ケース60、第2混合ケース90、及び、ノズル120は、タンク10内に収容されている。第2混合ケース90は、タンク10に取り付けられている。ケースカバー40及び第1混合ケース60は、第2混合ケース90に連結されている。
【0018】
(タンク10の構成)
図1図6を参照して、タンク10の構成について説明する。なお、図1図4において、Z軸は、中心軸C1(図2参照)に平行な軸である。X軸は、中心軸C2(図2参照)に平行な軸であり、Z軸に直交する軸である。Y軸は、X軸及びZ軸に直交する軸である。図1に示すように、タンク10は、タンク上部12と、タンク下部26と、を備える。タンク上部12は、円筒部14と、上底部16と、水流入路18と、を有する。円筒部14は、円筒形状を有する。円筒部14の下部には、外側に向かって延びるフランジ部22が設けられている。フランジ部22には、6個の取付穴B1が設けられている。フランジ部22の取付穴B1は、タンク上部12とタンク下部26とをネジ止めするための穴である。上底部16の内周壁は、上方に突出するドーム形状を有する(図5図6参照)。上底部16には、空気導入部20が設けられている。空気導入部20には、空気制御弁の空気流出路(図示省略)が接続される。水流入路18は、円筒形状を有する。水流入路18は、円筒部14の外周からX軸方向に沿って延びている。
【0019】
図5に示すように、タンク上部12の上底部16の内周壁には、タンク10内に貯留されている水の水位を検出するための高水位電極34a及び低水位電極34bが設置されている。高水位電極34aによって検出される第1水位は、低水位電極34bによって検出される第2水位よりも高い。なお、高水位電極34aの下端は、後述する第1混合ケース60のノズル連結部70が通過する第2混合ケース90の切欠部100dの下端よりも下方に位置する。なお、変形例では、高水位電極34aの下端は、切欠部100dの下端よりも上方に位置していてもよい。
【0020】
図1に示すように、タンク下部26は、円筒部28と、下底部30と、水流出路32と、を有する。円筒部28は、円筒形状を有する。円筒部28の外径は、タンク上部12の円筒部14の外径よりも大きい(図5図6参照)。円筒部28の内径は、円筒部14の内径よりも小さい(図5図6参照)。円筒部28の上部には、外側に向かって延びるフランジ部34が設けられている。フランジ部34には、6個のネジ穴B2が設けられている(図2参照)。フランジ部34のネジ穴B2は、タンク上部12のフランジ部22に設けられている取付穴B1と対応する位置に設けられており、タンク上部12とタンク下部26とのネジ止めに使用される。ネジ部材(図示省略)をフランジ部22の取付穴B1に差し込み、当該ネジ部材をフランジ部34のネジ穴B2に螺合させることで、タンク上部12とタンク下部26とが連結される。
【0021】
下底部30の内周壁は、下方に突出するドーム形状を有する。下底部30の直径は、円筒部28の外径と一致する。水流出路32は、下底部30の中央部を貫通し、下底部30と一体に設けられている。水流出路32は、流出口32aを備えている(図5参照)。また、図5図6に示すように、タンク下部26は、円筒部28から上方に延びる円環部36を備えている(図5図6参照)。円環部36の外径は、タンク上部12の円筒部14の内径と略一致し、円環部36の内径は、円筒部28の内径と一致する。
【0022】
(第1混合ケース60の構成)
図4図7を参照して、第1混合ケース60について説明する。図7(a)は第1混合ケース60の斜視図であり、図7(b)は第1混合ケース60を上方から見た上面図である。図7(a)に示すように、第1混合ケース60は、撹拌部62と、下底部64と、ノズル連結部70と、を備える。撹拌部62は、円筒形状を有する。撹拌部62の外径及び内径は、タンク下部26の円筒部28の内径よりも小さい(図5図6参照)。撹拌部62には、開口62aが設けられている(図5参照)。開口62aは、下底部64よりもわずかに上方に設けられている。撹拌部62の上部には、外側に向かって延びるフランジ部66が設けられている。フランジ部66の上面には、ケースカバー40を位置合わせするための2個の突起66a、及び、第1混合ケース60をタンク上部12に連結させるための2個の連結部66bが設けられている。
【0023】
図4に示すように、ノズル連結部70は、撹拌部62の内周壁の接線方向に沿って設けられている。
【0024】
図7(a)に示すように、下底部64は、円板形状を有する。下底部64の外径は、撹拌部62の外径と一致する。下底部64の中央部には、噴出口64aが設けられている(図5図7(b)参照)。
【0025】
(第2混合ケース90の構成)
図4図6図8図9を参照して、第2混合ケース90について説明する。図8(a)は、第2混合ケース90を前方側から見た斜視図であり、図8(b)は、第2混合ケース90を後方側から見た斜視図であり、図9は、第2混合ケース90を上方から見た上面図である。
【0026】
図8(a)に示すように、第2混合ケース90は、円筒部92(「第2混合ケースの筒状の側壁」の一例)と、水受部94と、4個の環状片96a~96dと、を備える。円筒部92の外径は、タンク下部26の円筒部28の内径よりも小さく、円筒部92の内径は、第1混合ケース60の撹拌部62の外径よりも大きい(図5図6参照)。即ち、円筒部92と第1混合ケース60の撹拌部62との間には、隙間が設けられている。
【0027】
図5に示すように、水受部94は、中央部が上方に突出する円板形状を有する。水受部94の中央部には、微小な連通孔94aが形成されている。水受部94の外径は、円筒部92の外径と一致する。
【0028】
図8(a)、図8(b)に示すように、円筒部92には、外側に向かって延びる3個の載置部102a~102cが設けられている。載置部102の最外径は、タンク下部26の円環部36の外径と一致する。タンク10と第2混合ケース90とが連結されている状態において、載置部102は、タンク下部26の円環部36に載置される(図5図6参照)。また、図8(b)に示すように、載置部102cの上方には、円筒部92の外周面から外側に向かって延びる連結部104が設けられている。連結部104は、タンク上部12の挟持部21(図4参照)によって挟持される。
【0029】
4個の環状片96a~96dの間には、4個の切欠部100a~100dが形成されている。環状片96の内径は、第1混合ケース60のフランジ部66の外径よりもわずかに大きい(図5図6参照)。環状片96の内径は、円筒部92の内径よりも大きく、段差が形成されている(図5図6参照)。切欠部100dの下端は、切欠部100a~100cの下端よりも下方に形成されている。また、切欠部100dの周方向の長さは、切欠部100a~100cの周方向の長さよりも大きく(図9参照)、第1混合ケース60のノズル連結部70が通過できるように形成されている(図5参照)。環状片96a、96cには、嵌合孔98a、98cが設けられている。
【0030】
(ケースカバー40の構成)
図4図6図10を参照して、ケースカバー40について説明する。図10(a)は、ケースカバー40の斜視図であり、図10(b)は、ケースカバー40を上方から見た上面図である。図10(a)に示すように、ケースカバー40は、環状部42と、円板部46と、円筒部48と、連通空気路50と、を備える。環状部42の外径は、第2混合ケース90の環状片96の内径よりもわずかに小さい(図5図6参照)。環状部42には、第2混合ケース90の切欠部100a~100dに対応する位置に、切欠部42a~42dが設けられている。環状部42において、切欠部42aと切欠部42bの間、及び、切欠部42cと切欠部42dの間には、それぞれ、突出部44a、44cが設けられている。2個の突出部44a,44cは、第2混合ケース90の2個の嵌合孔98a、98cに対応する。第1混合ケース60を第2混合ケース90の円筒部92の上端の段差上に載置した後に、ケースカバー40の突出部44a、44cを第2混合ケース90の嵌合孔98a、98cに嵌入することで、第1混合ケース60及びケースカバー40が、第2混合ケース90に連結される。
【0031】
ケースカバー40の下方の円筒部48は、円筒形状を有する。円筒部48の最外径は、第1混合ケース60の撹拌部62の内径と略一致する(図5図6参照)。円筒部48は、シール部材(図示省略)を装着している状態で、撹拌部62内に挿入される(図5図6参照)。
【0032】
連通空気路50は、円板部46の中央部を貫通し、円板部46と一体に設けられている。連通空気路50は、連通孔50aを備えている。連通空気路50の上端50bは、環状部42よりも上方に位置しており、タンク10の上部の空気層52に位置している(図5参照)。連通空気路50の下端50cは、第1混合ケース60の上端より少し下方まで突出している(図5参照)。
【0033】
(ノズル120の構成)
図2図6図11を参照して、ノズル120について説明する。図11に示すように、ノズル120は、円筒部122と、第1混合ケース60の撹拌部62の内周壁に対応する外周面124aを有する水導入部124と、を備える。また、図4に示すように、ノズル120の内部には、傾斜部126が設けられている。傾斜部126は、水の流入側から流出側に向かって、ノズル120内の水路の断面積が小さくなるようにY軸方向に傾斜している。ノズル120は、シール部材(図示省略)を装着した状態で、第1混合ケース60及びタンク上部12に挿入される。タンク10の水流入路18、第1混合ケース60のノズル連結部70、及び、ノズル120の中心軸は、中心軸C2(図4参照)に一致する。
【0034】
続いて、図5図6を参照して、気液混合装置2内において、水に空気が溶解する状況について説明する。図5図6の実線矢印は水の流路を示し、破線矢印は空気の経路を示す。ポンプ(図示省略)によって加圧された水(又は水と空気が混じった水)が、タンク10の水流入路18、及び、ノズル120を通って、第1混合ケース60の撹拌部62内に導入される。撹拌部62内に導入された水は、撹拌部62内の外側領域62bにおいて螺旋状に旋回しながら上昇する。そして、撹拌部62の上部に達した水は、ケースカバー40の下面に衝突することによって流れの向きが変化し、撹拌部62内の内側領域62cにおいて螺旋状に旋回しながら下降する。撹拌部62内の旋回流によって、撹拌部62の中心領域62dに負圧層が形成される。このため、タンク10の上部の空気層52に溜まっている空気が、連通空気路50を通って、撹拌部62内に取り込まれる。撹拌部62内に取り込まれた空気は、撹拌部62内で旋回している水に巻き込まれる。これにより、空気が水に溶解し、空気溶解加圧水が生成される。第1混合ケース60の噴出口64aから噴出する水は、旋回流を維持しながら第2混合ケース90に放出される。放出された旋回流の水には、水に溶解していない空気(未溶解空気)が混じっている。その後、第2混合ケース90に放出された水が、第2混合ケース90の水受部94及び水受部94上の水に衝突すると、未溶解空気の一部が水に溶解する。即ち、水に溶解する空気の量(溶解空気量)が増加する。水受部94に衝突して方向転換した空気溶解加圧水は、第2混合ケース90の円筒部92と第1混合ケース60の撹拌部62の間の隙間を上方に向けて流れて、第2混合ケース90の切欠部100a~100dから、第2混合ケース90の外側に流れ出ていく。第2混合ケース90の外側に流れ出た空気溶解加圧水は、第2混合ケース90とタンク10の内面の間の隙間を下方に向けて流れていく。空気溶解加圧水が第2混合ケース90の外側に流れ出ていく際に、上昇流と方向転換時の減速によって、未溶解空気は水と分離する。そして、水と分離した空気は、ケースカバー40の切欠部42a~42dを通って、ケースカバー40の上方に位置するタンク10の上部に移動し、空気層52に戻る。
【0035】
上述のように、ノズル120の水路の断面積は、第1混合ケース60の撹拌部62に向かうにつれて小さくなっている。このため、ノズル120の水路の断面積が一定である場合と比較して、ノズル120から撹拌部62に流入する水の速度を速めることができる。これにより、撹拌部62内における水の旋回速度を速めることができる。溶解空気量は、水の旋回速度に依存する。従って、気液混合装置2における溶解空気量を多くすることができる。
【0036】
また、ノズル120は、撹拌部62の内周壁の接線方向に沿って撹拌部62に連結されている。この場合、撹拌部62に流入する水は、撹拌部62の内周壁に衝突することなく、撹拌部62の内周壁に沿って旋回する。ノズル120が撹拌部62の内周壁の接線方向に沿って撹拌部62に連結されていない場合、撹拌部62に流入する水は、まず、撹拌部62の内周壁に衝突し、その後に、撹拌部62の内周壁に沿って旋回する。水が撹拌部62の内周壁に衝突することによって、水の旋回速度は遅くなる。従って、ノズル120を撹拌部62の内周壁の接線方向に沿って撹拌部62に連結することで、撹拌部62内における水の旋回速度を速めることができる。従って、気液混合装置2における溶解空気量を多くすることができる。
【0037】
また、第1混合ケース60の撹拌部62の開口62aは、下底部64の近傍に設けられている。この場合、第1混合ケース60の撹拌部62に流入した水は、撹拌部62内の外側領域62bにおいて旋回しながら上昇する。そして、撹拌部62の上部に達した水は、ケースカバー40の下面に衝突することによって流れの向きが変化し、撹拌部62内の内側領域62cを旋回しながら下降する。この場合、撹拌部62内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって、撹拌部62の中心領域62dに負圧層が形成される。負圧層が形成されることで、タンク10の空気層52に溜まっている多くの空気が、連通空気路50を介して、撹拌部62内に取り込まれる。一方、例えば、第1混合ケース60の撹拌部62の開口62aが撹拌部62の上部に設けられている場合、撹拌部62に流入した水は、撹拌部62内の外側領域62bにおいて旋回しながら下降する。この場合に撹拌部62の中心領域62dに形成される負圧層の負圧は、撹拌部62内を上昇する旋回流及び下降する旋回流によって形成される負圧層の負圧より小さくなる。従って、第1混合ケース60の撹拌部62の開口62aを下底部64の近傍に設けることで、撹拌部62の中心領域62dに形成される負圧層の負圧を大きくすることできる。この結果、気液混合装置2における溶解空気量を多くすることができる。
【0038】
また、気液混合装置2は、第2混合ケース90を備える。第1混合ケース60の噴出口64aから第2混合ケース90内に噴出された水は、第2混合ケース90の水受部94に衝突し、その後、第2混合ケース90の側壁を伝って上昇し、側壁の上端を介して、タンク10の下部に流れ出ていく。この場合、第2混合ケース90内に噴出された水が第2混合ケース90の側壁を伝っている間、及び、上昇流から下降流に反転する際に、未溶解空気は、水から分離される。そして、水から分離した空気は、タンク10内の上方の空気層52に移動する。このため、タンク10の流出口32aから流出する水に含まれる未溶解空気の量を低減することができる。そして、タンク10内の上方の空気層52から、連通空気路50を介して、第1混合ケース60内の水に空気が取り込まれる。従って、気液混合装置2内の空気を効率的に活用することができる。
【0039】
(気液混合装置2を利用した給水システム)
図12を参照して、本実施形態の気液混合装置2を利用した給水システムについて説明する。給水システム202は、気液混合装置2によって生成される空気溶解加圧水を浴槽330に供給して、浴槽330内に微細気泡を発生させるシステムである。
【0040】
(給水システム202の構成)
図12に示すように、給水システム202は、熱源ユニット210と、微細気泡発生ユニット250と、浴槽330と、制御装置350と、を備える。熱源ユニット210は、給水源400、出湯箇所402、及び、微細気泡発生ユニット250に接続されている。微細気泡発生ユニット250は、熱源ユニット210及び浴槽330に接続されている。なお、以下では、図12に示す矢印の方向に水が流れる場合を例に説明する。
【0041】
(熱源ユニット210の構成)
熱源ユニット210は、給水源400から供給される水を加熱して、出湯箇所402、及び、浴槽330に加熱された水を供給するためのユニットである。熱源ユニット210は、第1熱源機212と、第2熱源機214と、給水路220と、出湯路222と、分岐水路226と、第1戻り水路228と、第1往き水路230と、を備える。
【0042】
給水路220の上流端は、市水道などの給水源400に接続されており、給水路220の下流端は、第1熱源機212(ガス熱源機)に接続されている。
【0043】
出湯路222の上流端は第1熱源機212に接続されている。出湯路222の下流端は、カラン等の出湯箇所402に接続されている。出湯路222には、第1戻り水路228に接続されている分岐水路226が接続されている。分岐水路226には、出湯路222から第1戻り水路228への水の流れを制御する湯張り弁232が設けられている。
【0044】
第1戻り水路228の上流端は、微細気泡発生ユニット250(詳細には第2戻り水路260)に接続されており、下流端は第2熱源機214(ガス熱源機)に接続されている。第1戻り水路228において、第1戻り水路228と分岐水路226の接続部と、第2熱源機214と、の間には、第1ポンプ234及び水流スイッチ236が設けられている。第1ポンプ234は、水流スイッチ236よりも上流側に設けられており、第1戻り水路228内の水を下流側に送り出す。
【0045】
第1往き水路230の上流端は、第2熱源機214に接続されており、下流端は、微細気泡発生ユニット250(詳細には第2往き水路268)に接続されている。
【0046】
(微細気泡発生ユニット250の構成)
微細気泡発生ユニット250は、気液混合装置2と、第2戻り水路260と、第2往き水路268と、水供給路274と、空気導入路300と、を備える。
【0047】
第2戻り水路260の上流端は、第1三方弁280に接続されており、下流端は、第1戻り水路228を介して、熱源ユニット210に接続されている。また、第2戻り水路260には、上流端が第2三方弁282に接続されている連通路266の下流端が接続されている。第3戻り水路262の一端は第1三方弁280に接続されており、他端は浴槽330に接続されている。噴出水路264の上流端は、気液混合装置2(詳細にはタンク10の水流出路32)に接続されており、下流端は、第1三方弁280に接続されている。噴出水路264には、給水制御弁284が設けられている。上述のように、第1三方弁280には、第2戻り水路260、第3戻り水路262、及び、噴出水路264が接続されている。第1三方弁280は、噴出水路264から第3戻り水路262に水が流れる微細気泡供給状態と、第3戻り水路262から第2戻り水路260に水が流れる追い焚き循環状態を切り替えることができる。なお、第3戻り水路262と浴槽330との接続部には、減圧ノズル332が設けられている。
【0048】
第2往き水路268の上流端は、第1往き水路230を介して、熱源ユニット210に接続されており、下流端は第2三方弁282に接続されている。第3往き水路270の一端は浴槽330に接続されており、他端は第2三方弁282に接続されている。即ち、第2三方弁282には、連通路266と、第2往き水路268と、第3往き水路270と、が接続されている。第2三方弁282は、第3往き水路270から連通路266に水が流れる微細気泡供給状態と、第2往き水路268から第3往き水路270に水が流れる追い焚き循環状態を切り替えることができる。
【0049】
水供給路274の上流端は、第2往き水路268に接続されており、水供給路274の下流端は、気液混合装置2(詳細には、タンク10の水流入路18)に接続されている。水供給路274には、第2ポンプ286が設けられている。
【0050】
気液混合装置2(詳細には、タンク10の空気導入部20)には、空気導入路300が接続されている。空気導入路300には、エアポンプ302と、逆止弁304と、が設けられている。エアポンプ302が駆動されると、気液混合装置2に空気が導入される。
【0051】
(制御装置350の構成)
制御装置350は、熱源ユニット210、微細気泡発生ユニット250の各構成要素の動作を制御する。制御装置350は、ユーザによって操作可能なリモコン(図示省略)と通信可能に構成されている。制御装置350は、ユーザによるリモコンへの操作に応じて、微細気泡供給運転、追い焚き運転、湯張り運転を実行することができる。なお、制御装置350は、水位電極34a、34b(図5参照)が、タンク10内に貯留されている水の水面に接触すると、ON信号を受信する。以下では、制御装置350が水位電極34a、34bからON信号を受信している状態を、水位電極34a、34bがONであると表現し、制御装置350が水位電極34a、34bからON信号を受信していない状態を、水位電極34a、34bがOFFであると表現する。
【0052】
(給水システム202の動作)
上述のように、給水システム202は、微細気泡供給運転、追い焚き運転、湯張り運転を実行することができる。給水システム202は、微細気泡供給運転に特徴を有するために、湯張り運転、追い焚き運転の説明については省略する。なお、各運転が開始される時点において、第1三方弁280、第2三方弁282は、追い焚き循環状態である。また、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動は停止されており、湯張り弁232、給水制御弁284は閉状態である。
【0053】
(微細気泡供給運転)
微細気泡供給運転は、気液混合装置2内において、空気溶解加圧水を生成し、生成された空気溶解加圧水を浴槽330に供給する運転である。ユーザによって微細気泡供給運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、制御装置350は、微細気泡供給運転を開始する。微細気泡供給運転は、空気導入運転と、給水運転と、で構成される。
【0054】
(空気導入運転)
空気導入運転は、気液混合装置2内の水の水位が、高水位電極34aがONである第1水位以上である場合に開始される運転である。なお、制御装置350は、微細気泡供給運転を開始してから、最初に気液混合装置2内の水の水位が第1水位未満である状態から第1水位以上である状態になる場合に、給水制御弁284を、閉状態から開状態に切替える。制御装置350は、ユーザによって微細気泡供給運転の停止を指示するための操作がリモコンに実行されるまでの間、給水制御弁284を開状態に維持する。
【0055】
制御装置350は、空気導入運転において、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動を停止させ、エアポンプ302を駆動させる。これにより、気液混合装置2内に空気が導入されるとともに、気液混合装置2内の水が流出口32aから流出していき、気液混合装置2内の水の水位が低下する。なお、空気導入運転中において、第2混合ケース90の円筒部92内の水は、連通孔94aを介して、タンク10の下部に流出する。制御装置350は、気液混合装置2内の水の水位が第1水位以上であると判定してから、気液混合装置2内の水の水位が、低水位電極34bがOFFである第2水位未満であると判定するまでの間、空気導入運転を実行する。なお、空気導入運転では、空気溶解加圧水は生成されない。
【0056】
(給水運転)
給水運転は、気液混合装置2内の水の水位が、低水位電極34bがOFFである第2水位未満である場合に開始される運転である。制御装置350は、第1ポンプ234、第2ポンプ286を駆動させている状態で、エアポンプ302の駆動を停止させる。
【0057】
給水運転において、気液混合装置2に流入した水は、空気層52から第1混合ケース60の撹拌部62内に取り込まれる空気を巻き込みながら、撹拌部62内を螺旋状に旋回する。そして、気液混合装置2に流入した水が第1混合ケース60を通過するとき、及び、第2混合ケース90の水受部94に衝突するときに、水の中に空気が溶解する。即ち、タンク10内に空気溶解加圧水が生成される。そして、タンク10内に生成された空気溶解加圧水は、噴出水路264、第3戻り水路262、減圧ノズル332を通って、浴槽330に供給される。浴槽330内に放出される空気溶解加圧水は、減圧ノズル332を通過した瞬間に急激に減圧される。この場合、水に溶解していた空気が、直径20μm程度の微細気泡となる。即ち、浴槽330内に多量の微細気泡が発生し、水が白濁する。なお、制御装置350は、気液混合装置2内の水の水位が第2水位未満であると判定してから、気液混合装置2内の水の水位が第1水位以上であると判定するまでの間、給水運転を実行する。
【0058】
上述のように、制御装置350は、気液混合装置2内の水の水位に応じて、空気導入運転と給水運転を繰り返し実行する。
【0059】
なお、制御装置350は、ユーザによって微細気泡供給運転の停止を指示するための操作がリモコンに実行されると、第1ポンプ234及び第2ポンプ286の駆動を停止させ、給水制御弁284を開状態から閉状態に切替え、エアポンプ302の駆動を停止させる。さらに、制御装置350は、第1三方弁280及び第2三方弁282を、微細気泡供給状態から追い焚き循環に切替える。これにより、微細気泡供給が終了する。
【0060】
上述のように、気液混合装置2内において、溶解空気量を多くすることができるとともに、タンク10内の空気を効率的に利用することができる。
【0061】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0062】
(第1変形例)ノズル120は、撹拌部62の内周壁の接線方向に沿って撹拌部62に連結されていなくてもよい。
【0063】
(第2変形例)第1混合ケース60の撹拌部62における開口62aが形成される位置は、下底部64の近傍に限定されず、撹拌部62の上部等に設けられてもよい。
【0064】
(第3変形例)図13図14に示すように、気液混合装置502は、第2混合ケース90を備えていなくてもよい。本変形例では、第1混合ケース560は、ネジ部材(図示省略)によって、タンク上部12にネジ止めされる。これにより、第1混合ケース560の上下方向の移動が制限される。また、図14(b)に示すように、第1混合ケース560には、撹拌部62の外周面から外側に向かって延びる連結部568が設けられている。連結部568は、タンク上部12の挟持部(図示省略)によって挟持される。これにより、第1混合ケース560の回転方向の移動が制限される。このような構成であっても、撹拌部62内における水の旋回速度を速めることができ、気液混合装置502における溶解空気量を多くすることができる。
【0065】
(第4変形例)上記の実施形態では、気液混合装置2に空気が導入されている。変形例では、空気に代えて、炭酸ガス(「気体」の一例)が気液混合装置2に導入されてもよい。この場合、気液混合装置2のタンク12の上方に炭酸ガスが溜まった炭酸ガスの層が形成される。また、気液混合装置2は、連通空気路50に代えて、連通気体路を有する。このような構成によると、気液混合装置2における水に溶解する炭酸ガスの量を多くすることができる。また、本変形例の気液混合装置2を利用した給水システム202では、給水システム202は、気液混合装置2によって生成される気体溶解加圧水を浴槽330に供給する。変形例の給水システム202では、空気導入路300、エアポンプ302に代えて、気体導入路、気体ポンプが配設される。気体導入路の上流端は、炭酸ガスが充填されているタンクに接続され、下流端が気液混合装置2に接続される。本変形例では、制御装置350は、空気導入運転に代えて、炭酸ガス導入運転を実行する。具体的には、制御装置350は、炭酸ガス導入運転において、第1ポンプ234、第2ポンプ286の駆動を停止させ、気体ポンプを駆動させる。これにより、気液混合装置2に、炭酸ガスが導入される。なお、「気体」は、炭酸ガスに限定されず、酸素、水素等でもよい。
【0066】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0067】
2 :気液混合装置
10 :タンク
12 :タンク上部
14 :円筒部
16 :上底部
18 :水流入路
20 :空気導入部
21 :挟持部
22 :フランジ部
26 :タンク下部
28 :円筒部
30 :下底部
32 :水流出路
32a :流出口
34 :フランジ部
34a :高水位電極
34b :低水位電極
36 :円環部
40 :ケースカバー
42 :環状部
42a~42d:切欠部
44a、44c:突出部
46 :円板部
48 :円筒部
50 :連通空気路
50a :連通孔
52 :空気層
60 :第1混合ケース
62 :撹拌部
64 :下底部
64a :噴出口
66 :フランジ部
70 :ノズル連結部
90 :第2混合ケース
92 :円筒部
94 :水受部
94a :連通孔
96a~96d:環状片
98a、98c:嵌合孔
100a~100d:切欠部
102a~102c:載置部
104 :連結部
120 :ノズル
122 :円筒部
124 :水導入部
124a :外周面
126 :傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14