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特許7190410フレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】フレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20221208BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H04R17/00
G09F9/00 313
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019166305
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2020167655
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2019-09-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0037507
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヨンウー
(72)【発明者】
【氏名】ハム, ヨンス
(72)【発明者】
【氏名】キム, テホン
(72)【発明者】
【氏名】シン, スンウィ
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】樫本 剛
【審判官】國分 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-4499(JP,A)
【文献】特開2012-134956(JP,A)
【文献】特許第5157324(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0167881(US,A1)
【文献】実開平4-105797(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 7/00
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電特性をそれぞれが有する複数の圧電部および前記複数の圧電部間の軟性部を含む圧電複合層を含み、
前記複数の圧電部は、第1の方向に沿って互いに離隔され、
前記複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って異なる長さを有し、
前記複数の圧電部は前記第1の方向に関して左右対称の構造を有し、
前記軟性部は、前記複数の圧電部の間のギャップ領域を埋めるように構成された複数の軟性パターンを含み、前記複数の軟性パターンの少なくとも2つが前記第2の方向に沿って異なる長さを有する、
フレキシブル振動モジュール。
【請求項2】
前記複数の圧電部のそれぞれは、異なる大きさを有し、異なる固有振動周波数を有する、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項3】
前記複数の圧電部のそれぞれが、異なる長さ、異なる幅、および異なる厚さを有する、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項4】
前記複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、前記圧電複合層の少なくとも一端から前記圧電複合層の中心部に行くほど漸進的に増加するか漸進的に減少する、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項5】
前記複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、前記圧電複合層の一端と他端の間でランダムに変化する、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項6】
前記複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、前記圧電複合層の一端から前記一端とは反対の他端まで漸進的に増加するか漸進的に減少する、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項7】
前記圧電複合層の第1の表面上及び前記軟性部の第1の表面上の第1の電極と
前記複数の圧電部の第2の表面上及び前記軟性部の第2の表面上の第2の電極とをさらに含み、
前記第1の表面と前記第2の表面とのそれぞれが平面構造を有するように構成された、
請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項8】
前記複数の圧電部のそれぞれは、同じ厚さを有する、請求項7に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項9】
前記軟性部が、
前記複数の圧電部のそれぞれの一方の側および他方の側の少なくとも一方を取り囲むように構成された軟性ダミーパターンとをさらに含み
前記軟性パターンのそれぞれは、前記軟性ダミーパターンから前記複数の圧電部の間に延びるように構成された、請求項1に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項10】
前記軟性ダミーパターンのサイズが、前記圧電複合層の一端から前記圧電複合層の中央部に向かう方向に漸進的に変化する、請求項9に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項11】
それぞれが圧電特性を有し、それぞれが同じ厚さを有する複数の圧電部および
前記複数の圧電部間の軟性部を含む、圧電複合層を含み、
前記圧電複合層は、複数の固有振動周波数を有する、フレキシブル振動モジュールであって、
前記複数の圧電部のそれぞれは、
下部圧電部と、
前記下部圧電部の上の上部圧電部とを有し、
前記下部圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる厚さを有し、
前記下部圧電部の少なくとも2つは第1の方向に沿って互いに離隔され、かつ前記第1の方向に関して左右対称の構造を有し、
前記下部圧電部と前記上部圧電部とは異なる厚さを有する、
フレキシブル振動モジュール。
【請求項12】
前記下部圧電部のそれぞれの厚さが、前記圧電複合層の一端から前記一端とは反対の他端まで漸進的に変化するかランダムに変化する、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項13】
前記下部圧電部と前記上部圧電部分との間に電極をさらに備える、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項14】
前記複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる固有振動周波数を有する、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項15】
前記複数の圧電部のそれぞれの固有振動周波数は、前記圧電複合層の一端から前記一端とは反対の他端まで漸進的に変化するかランダムに変化する、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項16】
前記下部圧電部と前記上部圧電部の間に第1対抗電極、
前記下部圧電部と前記上部圧電部の間に第2対抗電極、および
前記第1対抗電極と前記第2対抗電極の間に絶縁層をさらに含む、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項17】
前記下部圧電部のそれぞれの厚さは、前記圧電複合層の少なくとも一端から前記圧電複合層の中心部に行くほど漸進的に厚くなるか漸進的に薄くなる、請求項11に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項18】
前記複数の圧電部のそれぞれが無機物質を含み、
前記軟性部は有機圧電物質および有機非圧電物質のうちの少なくとも一つの有機物質を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載のフレキシブル振動モジュール。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか1項に記載のフレキシブル振動モジュール、および
映像を表示して、前記フレキシブル振動モジュールの振動によって振動する表示領域を有する表示パネルを含む、表示装置。
【請求項20】
タッチをセンシングするタッチ電極をさらに含み、
前記フレキシブル振動モジュールは、前記タッチによって振動する、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記複数の圧電部のそれぞれは無機物質を含み、
前記軟性部は有機圧電物質および有機非圧電物質のうちの少なくとも一つの有機物質を含む、請求項19に記載の表示装置。
【請求項22】
前記表示パネルは、第1領域と第2領域を含み、
前記フレキシブル振動モジュールは、
前記表示パネルの第1領域に配置された第1フレキシブル振動モジュール、および
前記表示パネルの第2領域に配置された第2フレキシブル振動モジュールを含む、請求項19に記載の表示装置。
【請求項23】
前記表示パネルの背面に配置された背面構造物、および
前記表示パネルと前記背面構造物の間に配置され、前記第1フレキシブル振動モジュールと前記第2フレキシブル振動モジュールの間に配置された少なくとも一つのパーティション部材をさらに含む、請求項22に記載の表示装置。
【請求項24】
前記表示パネルの背面に配置された背面構造物、および
前記表示パネルと前記背面構造物の間に配置されたパーティションをさらに含み、
前記パーティションは、前記第1フレキシブル振動モジュールおよび前記第2フレキシブル振動モジュールのうちの少なくとも一つを囲む、請求項22に記載の表示装置。
【請求項25】
前記表示パネルと前記背面構造物の間に配置された他のパーティションをさらに含み、
前記他のパーティションは、前記第1フレキシブル振動モジュール、前記第2フレキシブル振動モジュール、および前記パーティションを囲む、請求項24に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示装置に関するもので、より詳細には、フレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、表示パネルに映像を表示し、音響を提供するために、一般的に、別途のスピーカーを設置しなければならない。表示装置にスピーカーを配置する場合は、スピーカーは、スペースを占めるようになるので表示装置の設計および空間配置に制約が伴う問題が発生する。
【0003】
表示装置に適用されるスピーカーは、例えば、マグネットとコイルを含むアクチュエータであり得る。しかし、アクチュエータの厚さが厚いので、より薄い厚さを有する圧電素子を用いることができる。圧電素子は、壊れやすいため、圧電素子が外部からの衝撃によって簡単に破損し、これにより、音響再生の信頼性が低くなり得る。
【発明の概要】
【0004】
表示装置に適用されるスピーカーの場合、フィルム状の振動モジュールで具現することができる。フィルム状の振動モジュールは、大面積で製造することができるので、大面積の表示装置に適用することができる。しかし、フィルム状の振動モジュールは、圧電特性が低く、低振動によって大面積に適用するのには難しいという問題点があった。圧電特性を向上させるためにセラミックを適用して具現する場合には、耐久性が弱く、セラミックの大きさに制限を受けるという問題点があった。
【0005】
圧電セラミックを含む圧電複合体で構成された振動モジュールを表示装置に適用することができる。その結果、圧電複合体層は、主に表示装置の横方向(または水平方向)に振動し、これは、表示装置を垂直方向に十分に振動させることを困難にし得る。その結果、表示装置は、表示装置の前方領域に所望する音響を出力することができなくなる。代案として、フィルム型圧電体を表示装置に適用する場合、エキサイターのような一般的なスピーカーと比較して音圧特性が低いことがあり得る。一例によると、音圧を改善するために、フィルム型圧電体を複数層で構成した積層型フィルム型圧電体を表示装置に適用する場合、消費電力が上昇するという問題がある。
【0006】
振動モジュールは、圧電特性、剛性、および柔軟性を向上させることができる。振動モジュールは、高い誘電常数と低い圧電特性を有する充填材を含む複合層で形成され得る。その結果、振動モジュールは、所望の音響を具現し得ないことがある。本出願の一実施例によると、振動モジュールは、剛性および柔軟性を向上させるために、圧電特性を有する有機物質(または有機材料)で形成された圧電セラミックスで形成され得る。
【0007】
本出願の他の実施例では、振動モジュールは、圧電特性を有する圧電セラミックスで形成され、圧電セラミックの脆性を低減させるためのポリマー(または高分子)のような物質(または材料)で形成され得る。これらの例示的な実施例では、振動モジュールは、高分子のような物質が圧電セラミック複合体内に構成されることにより、振動モジュールが、柔軟性を有するように構成することができる。
【0008】
本出願の他の実施例では、振動モジュールは、多様な振動周波数を有することができ、音圧特性が向上し得、音響再生帯域が拡大し得る。本出願の実施例では、表示装置は、圧電特性、剛性および柔軟性を向上させるための構造を有する振動モジュールを含むことができる。
【0009】
本明細書の一実施例に係る解決課題は、圧電特性、剛性、および柔軟性が向上し得るフレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置を提供することである。
【0010】
本明細書の一実施例に係る解決課題は、多様な振動数を介して音圧特性が改善され、音域の再生帯域が拡大し得るフレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置を提供することである。
【0011】
本明細書の一実施例に係る解決課題は、表示パネルの振動によって発生する音響を表示パネルの前方に出力することができる表示装置を提供することである。
【0012】
本明細書の一実施例に係るフレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間に軟性部を含む圧電複合層を含み、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる大きさを有する。
【0013】
本明細書の一実施例に係るフレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間に軟性部を含む圧電複合層を含み、圧電複合層は、複数の振動数(または固有振動数)を有する。
【0014】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、フレキシブル振動モジュールおよび表示パネルを含む。フレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間に軟性部を有する圧電複合層を含み、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる大きさを有し、表示パネルは、映像を表示してフレキシブル振動モジュールの振動によって振動するように構成された表示領域を含む。
【0015】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、フレキシブル振動モジュールおよび表示パネルを含む。フレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間に軟性部を有する圧電複合層を含み、圧電複合層は、複数の振動数(または固有振動数)を有し、表示パネルは映像を表示し、フレキシブル振動モジュールの振動によって振動するように構成された表示領域を含む。
【0016】
本明細書の一実施例によると、表示パネルの背面に配置されたフレキシブル振動モジュールの振動によって表示パネルが振動することができる。その結果、表示パネルの振動によって発生する音響が表示パネルの前方に出力され得る。
【0017】
本明細書の一実施例によると、フィルム形態の大面積フレキシブル振動モジュールによって表示パネルの大部分の領域が振動することができる。その結果、表示パネルの振動による音響の局在化(localization)がさらに向上し、これにより、立体音響効果を具現することができる。
【0018】
本明細書の一実施例によると、フレキシブル振動モジュールの駆動によって表示パネルが多様な振動数(または固有振動数)で振動して音響を出力することができる。その結果、音響の音圧特性が増加して音域再生帯域を拡大することができる。
【0019】
前述した効果以外に、本明細書の他の特徴および利点は、以下の記載や、そのような記載および説明から、この発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本明細書の一実施例に係る表示装置の斜視図である。
図2図1に示した線I-I’の断面図である。
図3】本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュールを示す図である。
図4図3に示した線II-II’の断面図である。
図5】本明細書の第2実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図である。
図6】本明細書の第3実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図である。
図7】本明細書の第4実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図である。
図8図7に示した線III-III’の断面図である。
図9】本明細書の第5実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図である。
図10図9に示した線IV-IV’の断面図である。
図11図9に示したフレキシブル振動モジュールの変形例を示す図である。
図12図1に示した線I-I’の他の断面図である。
図13図12に示したフレキシブル振動モジュールとパーティションを示す図である。
図14図12に示したフレキシブル振動モジュールとパーティションを示す図である。
図15a図14に示した第1及び第2フレキシブル振動モジュールの変形例を示した図である。
図15b図14に示した第1及び第2フレキシブル振動モジュールの変形例を示した図である。
図15c図14に示した第1及び第2フレキシブル振動モジュールの変形例を示した図である。
図16a】本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュールが適用可能な多様な表示装置を示した図である。
図16b】本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュールが適用可能な多様な表示装置を示した図である。
図16c】本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュールが適用可能な多様な表示装置を示した図である。
図17】本明細書の一実施例による表示パネルの音圧特性と比較例による表示パネルの音圧特性それぞれを測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0022】
本明細書の実施例を説明するための図に開示した形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本明細書は、図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本明細書を説明するにおいて、関連する公知技術に対する詳細な説明が本明細書の要旨を不必要に曖昧になり得る場合、その詳細な説明は省略できる。
【0023】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合は、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数表現の場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0024】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0025】
位置関係の説明である場合には、例えば、「~の上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~の隣に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0026】
時間の関係に対する説明である場合には、例えば、「~の後」、「~に続いて」、「~次の」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、連続していない場合も含むことができる。
【0027】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
【0028】
「少なくとも一つ」の用語は、複数の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうち少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目の中の二つ以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0029】
本明細書のいくつかの例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせが可能であり、各例が互いに独立して実施可能であり得、関連の関係で一緒に実施することもできる。
【0030】
同一の構成要素については、たとえ他の図上に表示されても、可能な限り同一の符号を有することができる。そして、添付された図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケールに限定されない。
【0031】
図1は、本明細書の一実施例に係る表示装置の斜視図であり、図2は、図1に示した線I-I’の断面図である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本明細書の一実施例による表示装置は、表示パネル100、および表示パネル100の背面に配置されたフレキシブル振動モジュール300を含むことができる。
【0033】
表示パネル100は、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、および電気泳動表示パネルなど、あらゆる形態の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得る。例えば、本明細書による表示パネル100は、フレキシブル振動モジュール300によって振動することにより音波(または音響)を発生したり、タッチに反応するハプティックフィードバックを発生することができる限り特定の表示パネルに限定されない。
【0034】
いくつかの実施例で、表示パネル100は、複数のゲートラインと複数のデータラインによって定義される複数のピクセルと、各ピクセルを駆動するために、各ピクセルに薄膜トランジスタを含む薄膜トランジスタアレイ基板、薄膜トランジスタアレイ基板上に発光素子層、および発光素子層を覆う封止(encapsulation)基板などを含むことができる。例えば、封止基板は、外部の衝撃から薄膜トランジスタ及び発光素子層などを保護し、発光素子層に水分が浸透することを防止することができる。
【0035】
表示パネル100は、複数のピクセルそれぞれの駆動によって映像を表示する表示領域、および表示領域を囲む非表示領域を含むことができる。
【0036】
表示パネル100は、曲面形態または一定の曲率半径を有するように曲げたり、曲がった曲げ部を含むことができる。
【0037】
表示パネル100の曲げ部は、互いに並んで一側端部と他側端の中の少なくとも1つであり得る。曲げ部を具現する表示パネル100の一側端および/または他側端は非表示領域のみを含むか、または表示領域の端と非表示領域を含むことができる。非表示領域の曲げによって具現された曲げ部を含む表示パネルは、一側ベゼル曲げ構造(one-sided bezel bending structure)または両側ベゼル曲げ構造(two-sided bezel bending structure)を有することができる。また、表示領域の端と非表示領域の曲げによって具現された曲げ部を含む表示パネルは、一側アクティブ曲げ構造(one-sided active bending structure)または両側アクティブ曲げ構造(two-sided active bending structure)を有することができる。
【0038】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、表示パネル100上に配置された機能性フィルム130をさらに含むことができる。
【0039】
機能性フィルム130は、表示パネル100の前面に配置され得る。いくつかの実施例で、機能性フィルム130は、フィルムの粘着部材を媒介として表示基板100の前面に付着することができる。いくつかの実施例で、フィルム粘着部材はPSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)またはOCR(optically clear resin)を含むことができる。
【0040】
機能性フィルム130は、外部光の反射を防止するための反射防止層(または反射防止フィルム)、水分や酸素の浸透を1次的に防止するためのバリア層(またはバリアフィルム)、および光の経路(または視野角)を制御するための光経路制御層(または光経路制御フィルム)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0041】
本明細書の実施例に係る表示装置は、表示パネル100に対する使用者のタッチをセンシングするためのタッチパネル(またはタッチ電極層)をさらに含むことができる。例えば、タッチパネルは、表示領域と重畳するように配置されて表示パネル100に対する使用者のタッチをセンシングするタッチセンサーの役割をする。一例として、タッチパネルは、発光素子層と封止基板の間に配置するか、または表示パネル100と機能性フィルム130の間に配置し得る。このようなタッチパネルは、相互静電容量方式又は自己静電容量方式による使用者のタッチによる静電容量の変化をセンシングするための複数のタッチ電極を含むことができる。
【0042】
フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の背面(または後面または裏面)に配置して表示パネル100を振動させることができる。フレキシブル振動モジュール300は、圧電特性による多様な振動数(または固有振動周波数または固有周波数)を有し、相対的に高い柔軟性(flexibility)を有する薄膜のフィルム形態であり得る。例えば、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100よりも薄い厚さを有することができる。フレキシブル振動モジュール300は、音響発生モジュール、音響発生装置、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現され得る。フレキシブル振動モジュール300は、振動板に表示パネル100を使用することができる。
【0043】
フレキシブル振動モジュール300は、圧電特性を有する圧電セラミックスで構成することができる。圧電セラミックの耐衝撃性を補完して柔軟性を具現するために、フレキシブル振動モジュール300は、圧電セラミックス内に高分子などの物質で構成することができる。いくつかの実施例で、フレキシブル振動モジュール300は、ペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有する圧電セラミックスを含むことにより、外部から印加された電気信号に応答して振動(または機械的変位を表わす)することができる。
【0044】
フレキシブル振動モジュール300は、電気信号によって振動して表示パネル100を、多様な振動数で振動させることができる。例えば、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100に表示される映像と同期するボイス信号に基づいて振動して表示パネル100を振動させることができる。表示パネル100の振動によって発生する音響は、多様な振動数を有し、フレキシブル振動モジュール300の振動によって向上した音圧特性を有することができる。フレキシブル振動モジュール300の振動は、音域再生帯域を拡大することができる。一つの実施例として、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100に配置されたタッチパネルに対する使用者のタッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)に基づいて振動して表示パネル100を振動させることができる。したがって、表示パネル100は、フレキシブル振動モジュール300の振動によって振動して音と触覚フィードバックのうちの少なくとも一つを使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0045】
実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の表示領域と対応する大きさを有することができる。フレキシブル振動モジュール300の大きさは、表示領域の大きさに対して0.9倍~1.1倍であり得る。例えば、フレキシブル振動モジュール300の大きさは、表示パネル100の表示領域と同じかほぼ同じ大きさを有することができるので、表示パネル100の大部分をカバーすることができ、フレキシブル振動モジュール300で発生する振動が表示パネル100の全体を振動させることができるので、音響の局在化が高く、使用者の満足度が改善され得る。表示パネル100とフレキシブル振動モジュール300の間の接触面積(またはパネルカバレッジ(panel coverage))が増加して、表示パネル100の振動領域が増加し得る。これは、表示パネル100の振動によって発生した重低音域帯音響が改善され得る。大型表示装置の場合には、大型(または大面積)の表示パネル100全体を振動させることができるので、表示パネル100の振動による音の局在化が向上して立体音響効果を実現することができる。
【0046】
いくつかの実施例で、フレキシブル振動モジュール300は、接着部材200(またはモジュール接着部材)によって、表示パネル100の背面と接着することができる。
【0047】
接着部材200は、表示パネル100の背面とフレキシブル振動モジュール300の間に介在し得る。例えば、接着部材200は、表示パネル100の背面とフレキシブル振動モジュール300のそれぞれと密着力が高い接着層を含む両面テープまたは接着剤であり得る。例えば、接着部材200の接着層は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)、シリコン(silicon)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、これに限定されるものではない。接着部材200の接着層は、粘着付与剤、ワックス成分、または酸化防止剤などの添加剤をさらに含むことができ、添加剤は、フレキシブル振動モジュール300の振動により表示パネル100から接着部材200の落下(または剥離)を防止することができる。例えば、粘着付与剤は、ロジン誘導体などを挙げることができ、ワックス成分はパラフィンワックス(paraffin wax)などを挙げることができ、酸化防止剤は、チオエステル(thiolester)などのフェノール系酸化防止剤であり得る。
【0048】
他の実施例に係る接着部材200は、表示パネル100とフレキシブル振動モジュール300の間に設ける中空部をさらに含むことができる。接着部材200の中空部は、表示パネル100とフレキシブル振動モジュール300の間にエアギャップを設ける。エアギャップは、フレキシブル振動モジュール300の振動による音波(または音圧)が接着部材200により分散されず、表示パネル100に集中し得る。したがって、接着部材200による振動の損失を最小限に抑えて表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性を増加させることができる。
【0049】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、表示パネル100を支持する背面構造物500をさらに含むことができる。
【0050】
背面構造物500は、背面カバー(Rear Cover)、カバーボトム(Cover Bottom)、プレートボトム(Plate Bottom)、バックカバー(Back Cover)、ベースフレーム(Base Frame)、メタルフレーム(Metal Frame)、メタルシャーシ(Metal Chassis)、シャーシベース(Chassis Base)、またはm-シャーシなどの他の用語で表現することができ、これに限定されるものではない。したがって、背面構造物500は、表示パネル100を支持する支持体として表示装置の背面に配置されるすべての形態のフレームまたは板状構造物などであり得る。
【0051】
一実施例による背面構造物500は、第1背面カバー510及び第2背面カバー550を含むことができる。
【0052】
第1背面カバー510は、表示パネル100の背面全体を覆う板状の部材であり得る。第1背面カバー510は、ギャップ空間(GS)を間に置いて表示パネル100の最背面から離隔され得る。例えば、ギャップ空間(GS)は、エアギャップ、振動スペース、音響響胴などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0053】
第2背面カバー550は、第1背面カバー510の背面に配置されて、第1背面カバー510の背面全体を覆う板状の部材であり得る。
【0054】
第1背面カバー510と第2背面カバー550は、カバー連結部材530を介して互いに結合または連結し得る。例えば、カバー連結部材530は、接着樹脂、両面テープまたは両面接着フォームパッドであり得、衝撃吸収のために弾性を有することができる。一例として、カバー連結部材530は、第1背面カバー510と第2背面カバー550の間の領域全体に介在し得る。他の例として、カバー連結部材530は、第1背面カバー510と第2背面カバー550の間にエアギャップを有する網目構造であり得る。
【0055】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、ミドルフレーム600をさらに含むことができる。
【0056】
ミドルフレーム600は、表示パネル100の背面の端(または背面の周辺または縁辺または端寄)と背面構造物500の前面の端(または前面の周辺または縁辺または端寄)の間に配置され得る。ミドルフレーム600は、表示パネル100と背面構造物500のそれぞれの端または周辺を支持し、表示パネル100と背面構造物500それぞれの端または周辺を囲むことができる。ミドルフレーム600は、表示パネル100と背面構造物500の間にギャップスペース(GS)を設ける。このようなミドルフレーム600は、ミドルキャビネット、ミドルカバー、またはミドルシャーシなどで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0057】
一実施例によるミドルフレーム600は、支持部610と側壁部630を含むことができる。
【0058】
支持部610は、表示パネル100の背面の端(または背面の周辺または縁辺または端寄)と背面構造物500の前面の端(または前面の周辺または縁辺または端寄)の間に介在することで表示パネル100と背面構造物500の間にギャップスペース(GS)を設ける。支持部610の前面は、第1接着部材601を介して表示パネル100の背面の端(または背面の周辺または縁辺または端寄)と結合(または連結)し、支持部610の背面は、第2接着部材603を介して、背面構造物500の前面の端(または前面の周辺)と結合(または連結)する。例えば、支持部610は、四角形形態の単一の額縁構造を有したり、複数の分割バーの形態を有することができる。
【0059】
側壁部630は、表示装置の厚さ方向(Z)と並んでいるように支持部610の外側面に垂直に結合(または連結)する。側壁部630は、表示パネル100の外側面と背面構造物500の外側面の全部を囲むことにより、表示パネル100と背面構造物500のそれぞれの外側面を保護することができる。一実施例による支持部610と側壁部630は、単一の筐体をなすように互いに連結(または接続)することによって、「┣」形態の断面構造または垂直な断面構造を有する額縁構造を有することができる。
【0060】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、ミドルフレーム600の代わりに、パネル連結部材を含むことができる。
【0061】
パネル連結部材は、表示パネル100の背面の端(または背面の周辺または縁辺または端寄)と背面構造物500の前面の端(または前面の周辺または縁辺または端寄)の間に介在することで、表示パネル100と背面構造物500の間にギャップスペース(GS)を設けることができる。このようなパネル連結部材は、表示パネル100の背面の端(または背面の周辺または縁辺または端寄)と背面構造物500の端(または周辺または縁辺または端寄)の間に配置して表示パネル100と背面構造物500を接着することができる。例えば、パネル連結部材は、両面テープ、片面テープ、または両面接着フォームパッドで具現され得る。
【0062】
表示装置がミドルフレーム600の代わりに、パネル連結部材を含む場合、背面構造物500は、第2背面カバー550の先端から曲げられて、第1背面カバー510とパネル連結部材および表示パネル100それぞれの外側面(または外側壁)の全部を囲む側壁カバー部を含むことができる。一例による側壁カバー部は単一側壁構造またはヘミング(Hemming)構造を有することができる。ヘミング構造は、ある部材の端部が曲面形状に折り曲げられて互いに重なったり互いに並んで離隔された構造であり得る。
【0063】
本明細書の実施例による表示装置は、表示パネル100の背面に配置されたフレキシブル振動モジュール300の振動による表示パネル100の振動によって音響が発生し得る。音響は表示パネル100の前方(FD)に出力することができ、これにより、表示パネル100に表示される映像を視聴する視聴者の没入感を向上させることができる。フィルム状の大面積フレキシブル振動モジュール300によって表示パネル100の大部分の領域が振動することができる。したがって、表示パネル100の振動による音の局在化がさらに向上して立体音響効果を実現することができる。
【0064】
いくつかの実施例で、多様な振動数を有するフレキシブル振動モジュール300の駆動によって表示パネル100を振動させて音響で出力することができる。したがって、音響の音圧特性が増加して音域再生帯域が拡大し得る。いくつかの実施例で、別途のハプティック駆動装置を構成しなくても、表示パネル100の背面に配置されたフレキシブル振動モジュール300の振動によって表示パネル100を振動させて表示パネル100に対する使用者のタッチに応答するハプティックフイードバックを使用者に提供することができる。
【0065】
図3は、本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュールを示す図であり、図4は、図3に示した線II-II’の断面図で、これは、図2に示したフレキシブル振動モジュールを示したものである。
【0066】
図3及び図4を参照すると、本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、圧電複合層310、第1電極層320、及び第2電極層330を含むことができる。
【0067】
圧電複合層310は、圧電特性による多様な振動数(または固有周波数または固有振動数)を有しながら、相対的に高い柔軟性を有する薄膜のフィルム形態で具現され得る。
【0068】
一実施例による圧電複合層310は、複数の圧電部311および、複数の圧電部311間に配置された軟性部313を含むことができる。複数の圧電部311と軟性部313のそれぞれは、同一平面(または同一層)に配置され得る。例えば、圧電複合層310は、圧電特性と柔軟性が確保され得る。
【0069】
圧電複合層310は、複数の圧電部311と軟性部313の配置構造によって多様な形態を有することができる。例えば、圧電複合層310は、四角形形態、円形、楕円形、または多角形を有することができる。
【0070】
複数の圧電部311のそれぞれは、多角形態のパターンを含むことができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、所定の第1幅(W1)を有するラインパターン(line pattern)であり得、第1方向(X)に沿って互いに離隔され、第2方向(Y)に並んで配置され得る。
【0071】
一実施例による複数の圧電部311のうちの少なくとも一つは、異なる大きさを有することができる。圧電部311の大きさは、長さ、幅、厚さ、広さ、面積、および体積のうちいずれか一つで定義され得る。一実施例として、複数の圧電部311の一部は、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で互いに同一の大きさを有し、残りはそれぞれ異なる大きさを有することができる。他の実施例として、複数の圧電部311のそれぞれは、それぞれ異なる大きさを有することができる。例えば、複数の圧電部の少なくとも1つは異なる長さ、異なる幅、または異なる厚さを有することができる。
【0072】
他の実施例に係る複数の圧電部311のうちの少なくとも一つは、他の振動数(または固有周波数または固有振動数)を有することができる。一実施例として、複数の圧電部311の一部は、同じ振動数を有し、残りはそれぞれ異なる振動数を有することができる。他の例として、複数の圧電部311のそれぞれは、それぞれ異なる振動数を有することができる。
【0073】
複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)と並んで圧電複合層310の第1中間部(CP1)(または横方向の中心線)を基準に左右対称の構造を有することがことができる。一実施例による複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に増加する大きさを有することができる。したがって、複数の圧電部311は多様な大きさ(または大きさの勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。
【0074】
複数の圧電部311のそれぞれは、d31変位(または方向)の振動モードで振動することができる。一実施例として、圧電部311の振動数は、重さ(または質量)に反比例するので、圧電部311の長さによる重量によって増加または減少することができる。例えば、圧電部311の長さが減少すると圧電部311の振動数は、重さの減少により増加し得る。圧電部311の長さが増加すると圧電部311の振動数は、重さ増加により減少し得る。
【0075】
他の実施例としては、圧電部311の共振周波数は、長さや剛性によって調節することができ、長さによって増加または減少することができる。例えば、圧電部311の長さが減少すると圧電部311の1次共振周波数は、長さの減少によって増加するようになり、圧電部311の長さが増加すると圧電部311の1次共振周波数は、長さの増加によって減少することになる。一例として、圧電部311の長さ(L)が50mmであり、波長(λ)が100nmであり、音波速度(υ)が1000m/sである時、圧電部311の1次共振周波数(f1=υ/λ)(λ=2L)は、10kHzであり得、圧電部311の長さ(L)を25mmに減少させた場合、圧電部311の1次共振周波数(f1)は、20kHzに増加することができる。
【0076】
実施例に係る圧電複合層310は、複数の圧電部311のそれぞれの大きさが両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど増加することにより、多様な振動数を有することができる。したがって、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性と音圧平坦化特性(または平坦性)を増加させ、音域の再生帯域を拡張させることができる。
【0077】
いくつかの実施例で、圧電複合層310は、第1~第N(Nは5以上の奇数)圧電部(311[1]~311[N])を含むことができる。第i+1(iは(N-1)/ 2)圧電部(311[i+1])は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置され、第1~第i圧電部(311[1]~311[i])は、圧電複合層310の一端(EP1)と、第1中間部(CP1)の間である第1側面(S1)に配置される。第i+2~第N圧電部(311[i+2]~311[N])は、圧電複合層310の一端(EP1)と反対の他端(EP2)と、第1中間部(CP1)の間である第2側面(S2)に配置され得る。第1~第N圧電部(311[1]~311[N])のうち、第i+1圧電部を除く残りの圧電部は、第2方向(Y)と並んで圧電複合層310の第2中間部(CP2)(または縦方向の中心線)を基準に上下非対称構造を有する。その結果、第1~第N圧電部(311[1]~311[N])のうち、第i+1圧電部(311[i+1])を除いた残りの圧電部の一端は、第1方向(X)と並んで圧電複合層310の一側辺(または上側辺)から離隔され得る。
【0078】
一実施例によると、第1~第N圧電部311のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ幅(W1)と厚さ(H1)(または高さ)を有することができる。第i+1圧電部(311[i+1])は、圧電部311のうちの最大の長さを有することができ、例えば、第2方向(Y)と並んで圧電複合層310の縦長さと対応する第1長さ(L1)を有することができる。第1圧電部(311[1])と第N圧電部(311[N])のそれぞれは、圧電複合層310の先端に最も近接に配置され圧電部311の中で最小の長さを有することができ、例えば、第i+1圧電部(311[i+1])の第1長さ(L1)より短い第2長さ(L2)を有することができる。
【0079】
第2~i圧電部(311[2]~311[i])は、第1圧電部(311[1])より長く、第i+1圧電部(311[i+1])より短い範囲内で異なる長さを有し、第i+1圧電部(311[i+1])に近いほど長い長さを有することができる。第i+2~N-1圧電部(311[i+2]~311[N-1])は、第N圧電部(311[N])より長く、第i+1圧電部(311[i+1])より短い範囲内で異なる長さを有し、第i+1圧電部(311[i+1])に近いほど長い長さを有することができる。したがって、第1~i+1圧電部(311[1]~311[i+1])は、異なる大きさ(または長さ)によって、異なる振動数を有することができ、第i+2~N圧電部(311[i+2]~311[N])は、異なる大きさ(または長さ)によって、異なる振動数を有することができる。第1~第N圧電部(311[1]~311[N])のうち、第i+1圧電部(311[i+1])を中心に左右対称構造を有する圧電部は、互いに同一振動数を有することができる。
【0080】
一実施例による複数の圧電部311のそれぞれは、複数のグループ(または圧電グループ)にグループ化することができる。複数のグループのそれぞれは、互いに同一または異なる数の圧電部311を含むことができる。各グループに配置された圧電部311は、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で、同じ大きさを有することができる。複数の圧電部311のそれぞれは、グループ別にそれぞれ異なる大きさを有することができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で、すべて同じ幅と厚さ(または高さ)を有することができ、グループごとにそれぞれ異なる長さを有することができる。したがって、複数のグループのそれぞれは、異なる振動数を有することができる。
【0081】
一実施例によると、複数のグループのそれぞれは、複数の圧電部311の中から2以上の圧電部311を含むことができる。各グループの2以上の圧電部311は、互いに隣接するように配置するか、または圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置されたグループを除いた残りのグループに配置された圧電部は、圧電複合層310の第2中間部(CP2)を基準に上下非対称構造で配置することができる。一例として、図3のように、圧電複合層310が第1~第17圧電部(311[1]~311[N])を含む場合、17個の圧電部(311[1]~311[N])は、第1~9グループにグループ化することができる。第1グループは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された一つの圧電部を含むことができ、第2~9のグループのそれぞれは、2つの圧電部を含むことができ、第2~9グループそれぞれに含まれた2つの圧電部は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。例えば、第1グループは、最も長い長さ(L1)を有しながら圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された第9圧電部(311 [i+1])を含むことができ、第2グループは第1グループに最も近接した第8圧電部(311[i])と第10圧電部(311[i+2])を含むことができ、第9グループは圧電複合層310の一端(EP1)に最も近接した第1圧電部(311[1])と圧電複合層310の他端(EP2)に最も近接した第17圧電部(311[N])を含むことができる。したがって、第1~9グループのそれぞれは、グループ別に異なる大きさを有する圧電部311によって、それぞれ異なる振動数を有することができ、グループ別の振動数は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を中心に左右対称であり得る。
【0082】
一実施例による複数の圧電部311のそれぞれは、電界による圧電効果(piezoelectric effect)(または圧電特性)によって振動する無機物質または圧電物質を含むことができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、電気活性部、無機物質部、圧電物質部、または振動部などで表現され得る。
【0083】
複数の圧電部311のそれぞれは、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)系の結晶構造を有する圧電セラミックスで構成することができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれに構成される無機物質部は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、およびニオブ(Nb)のうち1種以上を含むことができる。他の例としては、複数の圧電部311のそれぞれに構成される無機物質部は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、及びチタン(Ti)を含むPZT(lead zirconate titanate)系物質、または鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(lead zirconate nickel niobate)系物質を含むことができる。また、無機物質部は、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも一つを含むことができる。このような構成を有する複数の圧電部311は、印加される信号による逆圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことができる。したがって、複数の圧電部311は、d31変位の振動モード(または曲げ現象)によって振動することができる。
【0084】
軟性部313は、圧電複合層310に柔軟性を付与しながら圧電複合層310の全体的な形態を形状化する。一例による軟性部313は、複数の圧電部311間に配置されて隣接する圧電部311に接続して圧電複合層310を多角形態で形状化することができる。例えば、軟性部313は、複数の圧電部311それぞれの4つの外側面(または側壁)のうちの少なくとも3外側面を囲むか覆うことができる。
【0085】
軟性部313は、圧電部311に比べ低いモジュラス(modulus)と粘弾性を有することにより、脆性特性によって衝撃に脆弱な圧電部311の信頼性を向上させることができる。例えば、表示パネル100を振動させるためのフレキシブル振動モジュール300は、耐衝撃性と高剛性を有する場合、最大の振動特性を有することができる。フレキシブル振動モジュール300が耐衝撃性と高剛性を有するために、軟性部313は、相対的に高いダンピング ファクター減衰比(damping factor)(tanδ)と相対的に高い剛性(stiffness)特性を有する物質で構成することができる。例えば、軟性部313は、0.1~1 [Gpa]のダンピング ファクター(tanδ)と0~10 [Gpa]の剛性特性を有する物質で構成され得る。また、ダンピング ファクター(tanδ)と剛性特性は損失係数とモジュラスの相関関係でも説明することができる。軟性部313は、0.01~1の損失係数と1~10 [Gpa]のモジュラスを有する物質で構成され得る。
【0086】
軟性部313は、圧電部311と比較して柔軟な特性を有する有機物質または有機高分子(polymer)で構成され得る。例えば、軟性部313は、有機物質、有機高分子、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。このような軟性部313は、有機物質部、接着部、伸縮部、曲げ部、または減衰部などで表現され得る。
【0087】
一実施例による軟性部313は、有機圧電物質および有機非圧電物質のうち少なくとも一つを含むことができる。したがって、軟性部313は、圧電部311に印加される衝撃を吸収して、フレキシブル振動モジュール300の全体の耐久性を向上させることができる。
【0088】
軟性部313を構成する有機圧電物質は、電気活性特性を有する有機材料であり得る。例えば、PVDF(Polyvinylidene fluoride)、ベータ-PVDF(β-Polyvinylidene fluoride)、PVDF-TrFE(Polyvinylidene-trifluoroethylene)、およびPVDF-TrFE-CFE(Polyvinylidene-trifluoroethylene-Chloro Fluoro Ethelene)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0089】
軟性部313を構成する有機非圧電物質は、硬化性樹脂組成物及びこれを含む接着剤を含むことができる。例えば、有機非圧電物質は、エポキシ系高分子、アクリル系高分子、およびシリコン系高分子のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0090】
一実施例による軟性部313は、複数の軟性パターン313aおよび軟性ダミーパターン313bを含むことができる。
【0091】
複数の軟性パターン313aのそれぞれは、圧電複合層310のうち、複数の圧電部311間のギャップ領域を埋めるように構成され得る。例えば、複数の軟性パターン313aのそれぞれは、第2方向(Y)と並んでしながら、第1方向(X)に沿って一定の間隔または距離で離隔した複数の圧電部311間に配置され得る。したがって、複数の軟性パターン313aのそれぞれは、複数の圧電部311間の間隔または距離に対応する第2幅(W2)を有するラインパターンであり得る。
【0092】
一実施例によると、複数の軟性パターン313aのそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ第2幅(W2)を有することができる。複数の軟性パターン313aそれぞれの第2幅(W2)は、圧電部311の第1幅(W1)と同一または異なり得る。複数の軟性パターン313aそれぞれの大きさは、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって設定され得る。例えば、柔軟性よりも圧電特性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、圧電部311の第1幅(W1)が軟性パターン313aの第2幅(W2)より大きく設定され得る。
【0093】
他の実施例としては、、圧電特性よりも柔軟性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、圧電部311の第1幅(W1)が軟性パターン313aの第2幅(W2)より小さく構成され得る。したがって、表示装置に要求される特性によって圧電複合層310の大きさが調節され得るので、圧電複合層310の設計が容易であるという長所がある。
【0094】
軟性ダミーパターン313bは、圧電複合層310のうち、複数の圧電部311と、複数の軟性パターン313aが配置されないダミー領域に配置され得る。軟性ダミーパターン313bは、フレキシブル振動モジュール300の全体的な形状の中で圧電部311と軟性パターン313aの配置形状を除いた残りの形状を形状化することができる。
【0095】
一実施例による軟性ダミーパターン313bは、複数の圧電部311のそれぞれの長さ勾配によって圧電複合層310の第1側(S1)と第2側(S2)それぞれの角部分に発生するダミー領域(または圧電部の未配置領域)を満たすように構成することができる。軟性ダミーパターン313bは、複数の軟性パターン313aそれぞれの一側面に連結することができる。例えば、複数の軟性パターン313aのそれぞれは、軟性ダミーパターン313bから複数の圧電部311間に延長されたフィンガー構造を有することができる。
【0096】
いくつかの実施例で、圧電複合層310は、同一平面上に配置された複数の圧電部311と、複数の軟性パターン313aおよび軟性ダミーパターン313bによって四角形態を有することができる。他の例として、圧電複合層310は、円形、楕円形、三角形、または5以上の多角形を有することができる。例えば、圧電複合層310が5以上の多角形を有することができる。圧電複合層310は、円形に近い振動源(または振動体)であり得、これにより、振動特性が向上することができる。
【0097】
圧電複合層310で、圧電部311と軟性部313の軟性パターン313aが交互に繰り返して連結することにより、薄いフィルム状を有することができる。これにより、圧電複合層310は、表示パネル100の形状と対応して曲げることができ、表示パネル100と対応する大きさを有するか、表示パネル100が振動によって設定された振動特性または音響特性を実現できる大きさを有することができる。
【0098】
第1電極層320は、圧電複合層310の第1面(または背面または裏面)上に配置され、複数の圧電部311それぞれの第1面と電気的に連結する。一例による第1電極層320は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができる。不透明導電性物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはこれらの合金からなり得る。
【0099】
第2電極層330は、圧電複合層310の第1面とは反対の第2面(または前面)上に配置され、複数の圧電部311それぞれの第2面と電気的に連結する。一例による第2電極層330は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、第2電極層330は、第1電極層320と同一の物質からなり得る。
【0100】
圧電複合層310は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で、第1電極層320と第2電極層330に印加される一定の電圧によって分極化され得る。複数の圧電部311それぞれは、分極方向は、第1電極層320と第2電極層330に印加される電圧によって決定(または調節)され得る。
【0101】
本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、第1保護フィルム340及び第2保護フィルム350をさらに含むことができる。
【0102】
第1保護フィルム340は、第1電極層320を覆うように配置されて圧電複合層310の第1面または第1電極層320を保護することができる。例えば、第1保護フィルム340は、PI(polyimide)フィルムまたはPET(polyethyleneterephthalate)フィルムであり得る。
【0103】
第2保護フィルム350は、第2電極層330を覆うように配置されて圧電複合層310の第2面または第2電極層330を保護することができる。例えば、第2保護フィルム350は、PI(polyimide)フィルムまたはPET(polyethyleneterephthalate)フィルムであり得る。
【0104】
他の例において、フレキシブル振動モジュール300で圧電部311の配置構造は、図3に示した配置構造に限定されない。配置構造は、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって、多様な構造に変更することができる。例えば、圧電部311の長さ勾配または振動数は圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中心部(CP1)に行くほど漸進的に増加するように設定(または調整)せずにランダムに変化するように設定(または調整)され得る。他の例として、圧電部311の長さ勾配または振動数は、圧電複合層310の一端(EP1)から他端(EP2)まで漸進的に増加するように設定(または調整)することもできる。
【0105】
本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、複数の圧電部311それぞれが印加される信号による逆圧電効果による曲げ現象によって振動して表示パネル100を振動させることで、音響または触覚フィードバックを使用者に提供することができる。複数の圧電部311の間に満たされるか配置された軟性部313が、柔軟性を有することによって圧電複合層310が曲げ現象によって曲がっても圧電部311の破損または性能の低下が発生しないことがあり得る。
【0106】
本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の背面に配置されて表示パネル100を上下(または前後)方向に十分に振動させることができるので、表示装置の前方に必要な音響を出力することができる。圧電部311と軟性部313は、パターン形状で具現される圧電複合層310を具現することができる。したがって、圧電複合層310は、表示パネル100に対応する大きさを有することができので、表示パネル100とのパネルカバレッジ(または接触面積)が増加して表示パネル100の振動による音響特性を向上させることができる。例えば、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100と同等の大きさの広い面積を有することができる。したがって、フィルム型圧電体の欠点であった低音域帯での音圧特性を向上させることができ、駆動電圧を下げることができる。本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、薄膜形態で具現することができる。したがって、フレキシブル振動モジュール300は、表示装置を構成する他の部品および/または機構物に干渉されずに表示装置に一体化または装着することができる。
【0107】
本明細書の第1実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、複数の圧電部311のそれぞれの大きさ勾配による多様な振動数を有することができる。したがって、フレキシブル振動モジュール300は、複数の圧電部311それぞれが印加される信号による電界によって、多様な振動数を有する振動を介して表示パネルを振動させることができる。したがって、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性と音圧平坦化(または平坦性)特性を向上させ、音域再生帯域を拡張させることができる。
【0108】
図5は、本明細書の第2実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示した図であって、これは、図3に示した圧電複合層で圧電部の配置構造を変更したものである。
【0109】
図5を参照すると、圧電複合層310は、複数の圧電部311および、複数の圧電部311間に配置された軟性部313を含むことができる。
【0110】
複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)と並んで圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称の構造を有することができる。一例による複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に減少する大きさを有することにより、多様な大きさ(または長さ勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。しかし、複数の圧電部311のそれぞれは、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に減少し得る。
【0111】
軟性部313は、圧電複合層310に柔軟性を付与しながら圧電複合層310の全体的な形態を形状化することができる。一実施例による軟性部313は、複数の圧電部311間に配置されて隣接する圧電部311に接続して圧電複合層310を多角形態で形状化することができる。例えば、軟性部313は、複数の圧電部311のそれぞれの3つまたは4つの外側面(または側壁)を囲むか覆うことができる。軟性部313は、複数の圧電部311の間のギャップ領域を埋めるように構成された複数の軟性パターン313a、および複数の圧電部311と複数の軟性パターン313aが配置されないダミー領域に配置され、軟性ダミーパターン313bを含むものであり、これは、図3及び図4に示した軟性部の配置位置を除き同様である。
【0112】
本明細書の第2実施例に係るフレキシブル振動モジュール300は、複数の圧電部311それぞれの大きさ勾配による多様な振動数で表示パネルを振動させることができる。したがって、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性と音圧平坦化(または平坦性)特性を向上させ、音域再生帯域を拡張させることができる。例えば、本明細書の第2実施例に係るフレキシブル振動モジュール300は、相対的に大きな大きさのため、相対的に低い振動数(または低い共振周波数)を有する圧電部311が両端(EP1、EP2)に隣接するように配置することができる。したがって、圧電部311によって振動する表示パネル100の振動領域が拡大し得、これにより、低音域帯の音響が改善され得る。豊かな低音響を発生させる振動領域(または面積)を最大に広く活用することができる。
【0113】
図6は、本明細書の第3実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示した図であって、これは、図3に示した圧電複合層で圧電部の配置構造を変更したものである。
【0114】
図6を参照すると、本明細書の第3実施例に係るフレキシブル振動モジュール300において、圧電複合層310は、複数の圧電部311および、複数の圧電部311間に配置された軟性部313を含むことができる。
【0115】
複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に増加する大きさを有することにより、多様な大きさに対応した多様な振動数を有することができる。
【0116】
第2方向(Y)と並んで複数の圧電部311それぞれの長さ方向の中心部は、圧電複合層310の第2中間部(CP2)に配置され得る。複数の圧電部311のうち圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された圧電部を除く残りの圧電部の両端は、第1方向(X)と並んで圧電複合層310の両側辺(または上側辺と下側辺)それぞれから離隔し得る。このような複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に増加する大きさを有することにより多様な大きさ(または長さ勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。このように、複数の圧電部311のそれぞれは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置され、圧電複合層310の第2中間部(CP2)を基準に上下対称構造に配置することを除いては、図3及び図4と同じである。
【0117】
軟性部313は、圧電複合層310に柔軟性を付与しながら圧電複合層310の全体的な形態を形状化することができる。一例による軟性部313は、複数の圧電部311間に配置されて隣接する圧電部311に接続して圧電複合層310を多角形態で形状化することができる。例えば、軟性部313は、複数の圧電部311のそれぞれの4つの外側面(または側壁)のすべてを囲むか覆うことができる。このような軟性部313は、複数の圧電部311の間のギャップ領域を埋めるように構成された複数の軟性パターン313a、および複数の圧電部311と複数の軟性パターン313aが配置されないダミー領域に配置され、軟性ダミーパターン313bを含むもので、これは、図3及び図4に示した軟性部の配置位置を除き同様である。
【0118】
本実施例に係るフレキシブル振動モジュール300で、複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほどだんだん減少する大きさを有することができる。
【0119】
第3実施例に係るフレキシブル振動モジュール300で、圧電部311の配置構造は、図6に示した配置構造に限定されない。この実施例で、フレキシブル振動モジュール300は、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって、多様な構造に変更することができる。例えば、圧電部311の長さ勾配または振動数は、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中心部(CP1)に行くほど漸進的に増加するように設定(または調整)せずにランダムに変化するように設定(または調整)したり、圧電複合層310の一端(EP1)から他端(EP2)まで漸進的に増加したり、ランダムに変化するように設定(または調整)することもできる。
【0120】
図7は、本明細書の第4実施例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図であり、図8は、図7に示した線III-III’の断面図であり、これは、図3に示した圧電複合層の構造を変更したものである。
【0121】
図7及び図8を参照すると、本明細書の第4実施例に係るフレキシブル振動モジュール300において、圧電複合層310は、複数の圧電部311および、複数の圧電部311間に配置された軟性部313を含むことができる。
【0122】
複数の圧電部311のそれぞれは、多角形態のパターンを含むことができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、所定の第1長さ(L1)を有するラインパターン(line pattern)であり得、第1方向(X)に沿って互いに離隔され、第2方向(Y)と並んで配置され得る。
【0123】
複数の圧電部311の一部は、異なる大きさを有することができる。圧電部311の大きさは、長さ、幅、厚さ、広さ、面積、および体積の中のいずれか一つであり得る。例えば、複数の圧電部311中の一部は、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で互いに同一な大きさを有し、残りはそれぞれ異なる大きさを有することができる。
【0124】
複数の圧電部311のそれぞれは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称の構造を有し、圧電複合層310の第2中間部(CP2)を基準に上下対称構造を有することができる。一例による複数の圧電部311のそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に増加する大きさを有することにより、多様な大きさ(または幅勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。
【0125】
本実施例に係る複数の圧電部311のそれぞれは、d32変位(または方向)の振動モードで振動することができる。圧電部311の振動数および共振周波数のそれぞれは、第1方向(X)に沿って幅が減少するほど増加することができる。
【0126】
一実施例による圧電複合層310は、第1~第N(Nは5以上の奇数)圧電部(311[1]~311[N])を含むことができ、第i +1(iは(N-1)/2)圧電部(311[i+1])は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置され、第1~第i圧電部(311[1]~311[i])は、圧電複合層310の一端(EP1)と、第1中間部(CP1)の間である第1側面(S1)に配置され得る。第i+2~第N圧電部(311[i+2]~311[N])は、圧電複合層310の他端(EP2)と第1中間部(CP1)の間である第2側面(S2)に配置され得る。
【0127】
一実施例によると、第1~第N圧電部(311[1]~311[N])のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ長さ(L1)と厚さ(H1)(または高さ)を有することができる。第i+1圧電部(311[i+1])は、圧電部311の中で最も広い幅(W3)を有することができる。第1圧電部(311[1])と第N圧電部(311[N])は、圧電複合層310の端に最も近く配置され圧電部311の中で最も狭い幅(W4)を有することができる。第2~i圧電部(311[2]~311[i])は、第1圧電部(311[1])よりも広く、第i+1圧電部(311[i+1])より狭い範囲内で異なる幅を有し、第i+1圧電部(311[i+1])に近いほど広い幅を有することができる。第i+2~N-1圧電部(311[i+2]~311[N-1])は、第N圧電部(311[N])よりも広く、第i+1圧電部(311[i+1])より狭い範囲内で異なる幅を有し、第i+1圧電部(311[i+1])に近いほど広い幅を有することができる。したがって、第1~i+1圧電部(311[1]~311[i+1])は、異なる幅によって、異なる振動数を有することができ、第i+2~N圧電部(311[i+2]~311[N])は、異なる幅によって、それぞれ異なる振動数を有することができる。第1~第N圧電部(311[1]~311[N])の中で第i+1圧電部(311[i+1])を中心に左右対称構造を有する圧電部は、互いに同一振動数を有することができる。
【0128】
一実施例による複数の圧電部311は、複数のグループ(または圧電グループ)にグループ化することができる。複数のグループは、互いに同一または異なる個数の圧電部311を含むことができる。各グループに配置された圧電部は、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で、同じ大きさを有することができる。複数の圧電部311のそれぞれは、グループ別にそれぞれ異なる大きさを有することができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ長さと厚み(または高さ)を有することができ、グループごとにそれぞれ異なる幅を有することができる。したがって、複数のグループのそれぞれは、それぞれ異なる振動数を有することができる。
【0129】
一実施例によると、複数のグループのそれぞれは、複数の圧電部311の中から2以上の圧電部311を含むことができ、各グループに含まれた2以上の圧電部311は、互いに隣接するように配置するか、または圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。一実施例として、図7のように、圧電複合層310が第1~第17圧電部(311[1]~311[N])を含む場合、17個の圧電部(311[1]~311[N])は、第1~9のグループにグループ化することができる。第1グループは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された一つの圧電部(311[i+1])を含むことができ、第2~9のグループのそれぞれは、2つの圧電部を含むことができ、第2~9のグループのそれぞれに含まれた2つの圧電部は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。例えば、第1グループは、最も広い幅(W3)を有しながら圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された第9圧電部(311[i+1])を含むことができ、第2グループは第1グループに最も近接した第8圧電部(311[i])と第10圧電部(311[i+2])を含むことができ、第9グループは、最も狭い幅(W4)を有しながら圧電複合層310の一端(EP1)に最も近接した第1圧電部(311[1])と圧電複合層310の他端(EP2)に最も近接した第17圧電部(311[ N])を含むことができる。したがって、第1~9のグループは、グループ別に異なる幅を有する圧電部311によって、異なる振動数を有することができ、グループ別の振動数は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を中心に左右対称であり得る。
【0130】
軟性部313は、複数の圧電部311間に配置された複数の軟性パターン313aを含むことができる。複数の軟性パターン313aのそれぞれは、複数の圧電部311間に配置されることによって圧電部311の耐衝撃性を補完し、フレキシブル振動モジュール300に柔軟性を付与することができる。
【0131】
複数の軟性パターン313aと、複数の圧電部311のそれぞれは、同一平面(または同一層)に交互に繰り返して配置(または配列)され得る。複数の軟性パターン313aのそれぞれは、隣接する2つの圧電部311間のギャップを埋めるように構成されることにより、隣接する圧電部311と接続したり接着することができる。例えば、複数の軟性パターン313aのそれぞれは、隣接する2つの圧電部311間のギャップに対応する幅(W5)を有するラインパターンであり得る。
【0132】
複数の軟性パターン313aのそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ大きさ、例えば広さ、面積、または体積を有することができるが、必ずこれに限定されず、互いに異なる大きさを有したり、隣接する2つの圧電部311の大きさに対応する大きさを有することができる。これにより、複数の軟性パターン313aのそれぞれの大きさは、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって設定され得る。例えば、柔軟性よりも圧電特性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、軟性パターン313aの幅(W5)が相対的に減少して構成され得る。他の実施例としては、圧電特性よりも柔軟性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、軟性パターン313aの幅(W5)が相対的に増加して構成され得る。したがって、表示装置に要求される特性によって圧電複合層310の大きさを調節することができるので、圧電複合層310の設計が容易であるという長所がある。
【0133】
選択的に、本明細書の第4実施例に係るフレキシブル振動モジュール300で、複数の圧電部311のそれぞれは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称の構造を有し、圧電複合層310の第2中間部(CP2)を基準に上下対称構造を有しながら、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に減少する大きさを有することができる。したがって、複数の圧電部311は、多様な大きさ(または幅勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。
【0134】
第4実施例に係るフレキシブル振動モジュール300で圧電部311の配置構造は、図7に示した配置構造に限定されず、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの求められる条件によって多様な構造に変更することができる。一例として、圧電部311の幅勾配または振動数は、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中心部(CP1)に行くほど漸進的に増加するように設定(または調整)せずにランダムに変化したり、設定(または調整)したり、圧電複合層310の一端(EP1)から他端(EP2)まで漸進的に増加したり、ランダムに変化するように設定(または調整)することもできる。
【0135】
図9は、本明細書の第5例に係るフレキシブル振動モジュールを示す図であり、図10は、図9に示した線IV-IV’の断面図で、これは、図3に示した圧電複合層の構造を変更したものである。
【0136】
図9及び図10を参照すると、本明細書の第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300において、圧電複合層310は、複数の圧電部311と複数の圧電部311間に配置された軟性部313を含むことができる。
【0137】
複数の圧電部311のそれぞれは、多角形態のパターンを含むことができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、所定の長さを有するラインパターン(line pattern)であり得、第1方向(X)に沿って互いに離隔され、第2方向(Y)と平行に配置することができる。
【0138】
複数の圧電部311のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で互いに同一の大きさを有することができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれは、互いに同じ幅(W6)と厚さおよび長さを有することができる。このような複数の圧電部311のそれぞれの大きさは、第1方向(X)と並んで圧電複合層310の第1中間部(CP1)(または横方向の中心線)を基準に左右対称であり得る。
【0139】
複数の圧電部311のそれぞれは、下部圧電部311aと上部圧電部311bを含むことができる。
【0140】
複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aと、上部圧電部311bの厚さ(または高さ)は、すべて異なり得る。下部圧電部311aと、上部圧電部311bの厚さ(または高さ)は、圧電部311ごとに、すべて異なる厚さ比率(または厚さ勾配)を有し得る。このような厚さ比率は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称であり得る。例えば、複数の圧電部311のそれぞれを構成する下部圧電部311aと上部圧電部311bは、圧電部311の中間の厚さ(または中間の高さ)を基準に、非対称の厚さを有することがことができる。
【0141】
他の例として、複数の圧電部311の中の一部は、互いに同一の厚さ(または高さ)を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができ、残りのすべては、それぞれ互いに異なる厚さ(または高さ)を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができる。例えば、第1方向(X)を基準に、圧電複合層310の一端(EP1)と、第1中間部(CP1)の間に配置されたいずれか一つの電圧部(311[#5])は、互いに同じ厚さ(または高さ)を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができる。圧電複合層310の他端(EP2)と、第1中間部(CP1)の間に配置されたいずれか一つの圧電部(311[#13])は、互いに同一の厚さ(または高さ)を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができる。このような下部圧電部311aと、上部圧電部311bの厚さ(または高さ)が同じ圧電部(311[#5]、311[#12])を除いた残りの圧電部のそれぞれは、それぞれ異なる厚さ(または高さ)を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができる。
【0142】
複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aは、圧電部311の全体の厚さにおいて一部の厚さを有することができる。複数の下部圧電部311aのうち少なくとも一つは、異なる厚さを有することができる。一例として、複数の下部圧電部311aの一部は、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で互いに同一の厚さを有し、残りはそれぞれ異なる厚さを有することができる。他の例として、複数の下部圧電部311aは、それぞれ異なる厚さを有することができる。
【0143】
複数の下部圧電部311aのそれぞれは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称の構造を有することができる。例えば、複数の下部圧電部311aのそれぞれは、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)それぞれと第1中間部(CP1)の間に階段状に配置することができる。複数の下部圧電部311aのそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に減少する厚さを有することができる。したがって、複数の下部圧電部311aは、多様な大きさ(または厚さ勾配)に対応する多様な振動数を有したり、それぞれ異なる振動数を有することができる。
【0144】
複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bの中で少なくとも2つは、異なる振動数を有することができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bは、それぞれ異なる振動数を有することができる。
【0145】
複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bは、圧電部311の全体の厚さから重畳する下部圧電層311aの厚さを差し引いた残りの厚さを有することができる。圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された圧電部を除く残りの圧電部は、圧電部311の中間の厚さ(または中間の高さ)を基準に、非対称の厚さの構造を有することができる。例えば、複数の上部圧電部311bのそれぞれは、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)それぞれと第1中間部(CP1)の間に階段状に配置することができる。このような複数の上部圧電部311bのそれぞれは、第1方向(X)に沿って圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中間部(CP1)に行くほど漸進的に増加する厚さを有することによって、多様な大きさ(または厚さ勾配)に対応する多様な振動数を有することができる。
【0146】
下部圧電部311aと、上部圧電部311bの厚さ(または高さ)が同じ圧電部(311[#5]、311[#13])を除いた残りの圧電部のそれぞれは、垂直積層構造を有することができる。垂直積層構造は、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)と、第1中間部(CP1)の間の配置位置によって、相対的に厚い厚さを有する下部圧電部311aと相対的に薄い厚さを有する上部圧電部311bを含むことができる。または、垂直積層構造は、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)と第1中間部(CP1)の間の配置位置によって相対的に薄い厚さを有する下部圧電部311aと、相対的に厚い厚さを有する上部圧電部311bを含むことができる。
【0147】
本実施例に係る複数の下部圧電部311aのそれぞれと、複数の上部圧電部311bのそれぞれは、d33変位(または方向)の振動モードで振動することができる。圧電部311の振動数および共振周波数のそれぞれは、第3方向(Z)(または厚さ方向)に沿って厚さ(または高さ)が減少するほど増加することができる。
【0148】
一実施例による複数の圧電部311のそれぞれは、複数のグループ(または圧電グループ)にグループ化することができる。複数のグループのそれぞれは、互いに同一またはそれぞれ異なる個数の圧電部311を含むことができる。例えば、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aと上部圧電部311bは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ長さと幅を有することができ、グループごとに異なる厚さを有することができる。したがって、複数のグループのそれぞれは、異なる振動数を有することができる。
【0149】
一実施例によると、複数のグループのそれぞれは、複数の圧電部311の中から2以上の圧電部311を含むことができる。各グループに含まれた2以上の圧電部311は、互いに隣接するように配置したり、または圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。一例として、図9および図10のように、圧電複合層310が第1~第17圧電部311を含む場合、17個の圧電部311は、第1~9のグループにグループ化され得る。
【0150】
第1グループは、圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された一つの圧電部(311[#9])を含むことができる。第2~9のグループのそれぞれは、2つの圧電部を含むことができ、第2~9のグループのそれぞれに含まれた2つの圧電部は、圧電複合層310の第1中間部(CP1)を基準に左右対称構造に配置することができる。例えば、第1グループは、互いに異なる厚さを有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを有しながら圧電複合層310の第1中間部(CP1)に配置された第9圧電部(311[#9])を含むことができる。第2グループは第1グループに最も近接した第8圧電部と第10圧電部を含むことができ、第9グループは圧電複合層310の一端(EP1)に最も近接した第1圧電部と圧電複合層310の他端(EP2)に最も近接した第17圧電部を含むことができる。第2~9のグループの中の一部のグループに含まれた圧電部(311[#5]~311[#13])は、互いに同一の厚さを有する下部圧電部311aと上部圧電部311bを含むことができる。残りのグループのそれぞれに含まれた圧電部それぞれは、配置位置によって、グループごとにそれぞれ異なる厚さを有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含むことができる。したがって、第1~9のグループのそれぞれは、グループごとに異なる厚さを有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bを含む圧電部311によって、異なる振動数を有することができ、グループ別の振動数は圧電複合層310の第1中間部(CP1)を中心に左右対称であり得る。
【0151】
軟性部313は、複数の圧電部311間に配置されることによって圧電部311の耐衝撃性を補完し、フレキシブル振動モジュール300に柔軟性を付与することができる。
【0152】
軟性部313と、複数の圧電部311のそれぞれは、同一平面(または同一層)に交互に繰り返して配置(または配列)され得る。軟性部313は、隣接する2つの圧電部311間のギャップを埋めるように構成されることにより、隣接する圧電部311と接続したり接着することができる。例えば、軟性部313は、隣接する2つの圧電部311間のギャップに対応する幅(W6)を有するラインパターンであり得る。
【0153】
一実施例として、複数の圧電部311間に配置される軟性部313のそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内ですべて同じ大きさ、例えば広さ、面積、または体積を有することができるが、必ずしもこれに限定されず、異なる大きさを有したり、隣接する2つの圧電部311の大きさに対応する大きさを有することができる。これにより、軟性部313のそれぞれの大きさは、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって設定され得る。例えば、柔軟性よりも圧電特性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、圧電部311の幅(W6)が軟性部313の幅(W7)より大きく設定することができる。他の例としては、圧電特性よりも柔軟性を必要とするフレキシブル振動モジュール300または表示装置では、圧電部311の幅(W6)を軟性部313の幅(W7)より小さく構成することができる。したがって、表示装置に要求される特性によって圧電複合層310の大きさを調節することができるので、圧電複合層310の設計が容易であるという長所がある。
【0154】
本実施例に係る軟性部313は、下部軟性部313aおよび上部軟性部313bを含むことができる。
【0155】
下部軟性部313aは、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aの間に配置され得る。下部軟性部313aと下部圧電部311aは、同一平面(または同一層)に交互に繰り返して配置(または配列)され得る。下部軟性部313aは、隣接する2つの下部圧電部311aの間のギャップを埋めるように構成されることにより、隣接する下部圧電部311aと連結したり接着することができる。これにより、下部軟性部313aは、隣接する下部圧電部311aと同じ厚さを有することができる。このような下部軟性部313aと、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aは、圧電複合層310の下部圧電複合層310aを構成することができる。
【0156】
上部軟性部313bは、複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bの間に配置され得る。上部軟性部313bと上部圧電部311bは、同一平面(または同一層)に交互に繰り返して配置(または配列)され得る。上部軟性部313bは、隣接する2つの上部圧電部311bの間のギャップを埋めるように構成されることにより、隣接する上部圧電部311bと連結したり接着することができる。これにより、上部軟性部313bは、隣接する上部圧電部311bと同一の厚さを有することができる。このような上部軟性部313bと複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bは、圧電複合層310の上部圧電複合層310bを構成することができる。
【0157】
本実施例に係る圧電複合層310は、複数の圧電部311のそれぞれが下部圧電部311aと、上部圧電部311bが垂直積層構造を有することができる。したがって、バイモルフ構造による膨張力(引張力)と収縮力(または圧縮力)がさらに増加するようになって音圧特性が増加することができる。
【0158】
本実施例に係る圧電複合層310は、第1対向電極層360、第2対向電極層370、および絶縁層380をさらに含むことができる。
【0159】
第1対向電極層360は、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aに電気的に連結され得る。例えば、第1対向電極層360は、圧電複合層310の下部圧電複合層310a上に配置され、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aに電気的に連結することができる。このような第1対向電極層360は、第1電極層320と同一の物質からなり得る。このように、複数の圧電部311のそれぞれの下部圧電部311aは、第1電極層320と、第1対向電極層360に印加される電気信号によって振動することができる。
【0160】
第2対向電極層370は、複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bの第1面(背面)に電気的に連結するように具現され得る。例えば、第2対向電極層370は、圧電複合層310の上部圧電複合層310bの背面に配置され、複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bに電気的に連結することができる。第2対向電極層370は、第2電極層330と同一の物質からなることができ、これに限定されるものではない。このような、複数の圧電部311のそれぞれの上部圧電部311bは、第2電極層330と第2対向電極層370に印加される電気信号によって振動することができる。
【0161】
絶縁層380は、第1対向電極層360と第2対向電極層370の間に介在することによって、第1対向電極層360と第2対向電極層370を電気的に絶縁することができる。絶縁層380は、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁材料を含むことができる。例えば、絶縁層380は、エポキシ系高分子、アクリル系高分子、およびシリコン系高分子のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0162】
他の実施例としては、本実施例に係るフレキシブル振動モジュール300において、絶縁層380と第2対向電極層370のそれぞれは、省略することができる。一実施例として、図11に示すように、第1対向電極層360は、下部圧電複合層310aに配置された下部圧電部311aそれぞれの第2面(または前面)と電気的に連結すると同時に、上部圧電複合層310bに配置された上部圧電部311bそれぞれの第1面(または背面)と電気的に連結することができる。これにより、第1対向電極層360は、下部圧電複合層310aと上部圧電複合層310bの共通電極(または共用電極)として使用することができ、この場合、複数の圧電部311のそれぞれで、下部圧電部311aの分極方向は、上部圧電部311bの分極方向と反対の方向であり得る。
【0163】
第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300で圧電部311の配置構造は、図9に示した配置構造に限定されず、フレキシブル振動モジュール300の振動特性、柔軟性、および大きさのうちの少なくとも一つの条件によって、多様な構造に変更することができる。例えば、圧電部311のそれぞれに含まれた下部圧電部311aの厚さ勾配または振動数は、圧電複合層310の両端(EP1、EP2)から第1中心部(CP1)に行くほど漸進的に減少するように設定(または調整)せずにランダムに変化するように設定(または調整)したり、圧電複合層310の一端(EP1)から他端(EP2)まで漸進的に減少したり、ランダムに変化するように設定(または調整)することもできる。
【0164】
本明細書の第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300は、垂直積層構造を有する下部圧電部311aと、上部圧電部311bの厚さ勾配によって複数の圧電部311それぞれが多様な振動数を有することができる。したがって、複数の圧電部311は、複数の圧電部311それぞれが印加される信号による電界によって、多様な振動数を有する振動を通じて表示パネルを振動させることができる。したがって、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性と音圧平坦化(または平坦性)特性を増加させ、音域の再生帯域を拡張させることができる。本明細書の第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300は、圧電複合層310のバイモルフ構造を有することによって膨張力(引張力)と収縮力(または圧縮力)がさらに増加することにより、表示パネルを上下(または前後)方向に十分に振動させることができる。これにより、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性と音圧平坦化特性をさらに増加させ、音域の再生帯域をさらに拡大させることができる。
【0165】
本明細書の第1~第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300は、相対的に高い柔軟性を有する薄膜フィルム形態を有することによって表示パネルを振動板として使用する表示装置に適用することができる。例えば、本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、フレキシブル表示装置、例えば、所定の曲率半径で曲がったカーブド表示装置(curved display apparatus)に適用され得る。これに限定されず、フレキシブル振動モジュール300は、螺旋形態に巻き取りまたは巻き出される巻かれるローラーブル表示装置(rollable display apparatus)、ベンダブル表示装置(bendable display apparatus)、手首に巻くタイプのウェアラブル表示装置(wearable display apparatus)、または複数の曲面部を有するコマーシャル表示装置(commercial display)などに適用することができる。例えば、フレキシブル振動モジュール300は、所定の曲率半径に対応して曲がったり螺旋形態に巻き取りまたは巻き出しに対応して曲がるよう具現することで表示パネルの表示領域全体と対応したり、重畳するように表示パネルに配置したり、あらかじめ設定された間隔を有するように表示パネルに配置し得る。
【0166】
図12は、図1に示した線I-I’の他の断面図であり、図13は、図12に示したフレキシブル振動モジュールおよびパーティションを示した図であって、これは、図1及び図2に示した表示装置でフレキシブル振動モジュールを変更したものである。
【0167】
図12及び図13を参照すると、本明細書の他の実施例に係る表示装置で、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の背面に配置された第1フレキシブル振動モジュール300-1及び第2フレキシブル振動モジュール300-2を含むことができる。
【0168】
表示パネル100の背面(または後面また裏面)は、第1および第2領域(A1、A2)を含むことができる。例えば、表示パネル100の背面(または後面また裏面 )は、第1および第2領域(A1、A2)に分割され得る。例えば、表示パネル100の背面で、第1領域(A1)は、左側の領域であり得、第2領域(A2)は、右側の領域であり得る。第1および第2領域(A1、A2)は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称であり得る。
【0169】
第1フレキシブル振動モジュール300-1は、表示パネル100の第1領域(A1)に配置され得る。第1フレキシブル振動モジュール300-1は、表示パネル100の第1領域(A1)を振動させることにより表示パネル100の第1領域(A1)で第1パネルの振動音響を発生させたり、第1触覚フィードバックを発生させることができる。例えば、第1パネルの振動音響は左側音響であり得る。第1フレキシブル振動モジュール300-1は、図3図11に示した本明細書の第1~第5実施例に係るフレキシブル振動モジュール300のいずれか一つで構成され得る。
【0170】
一実施例による第1フレキシブル振動モジュール300-1は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の第1領域(A1)内で中央部または端の方に偏るように配置することができる。第1フレキシブル振動モジュール300-1の大きさは、第1領域(A1)の半分以上の大きさを有することができ、必ずしもこれに限定されず、表示装置に要求される音響特性に基づいて、第1領域(A1)の半分以上に設定することもできる。例えば、表示パネル100の第1領域(A1)において、第1フレキシブル振動モジュール300-1の大きさが増加するほど、第1領域(A1)の振動領域(または振動面積)が増加して左側音響の低音域帯の特性が向上し得る。逆に、表示パネル100の第1領域(A1)において、第1フレキシブル振動モジュール300-1の大きさが減少するほど、第1領域(A1)の振動領域が減少し、左側音響の高音帯の域特性を向上させることができる。したがって、第1フレキシブル振動モジュール300-1の大きさは、表示パネル100の振動によって要求される音域帯の特性によって設定され得る。
【0171】
第2フレキシブル振動モジュール300-2は、表示パネル100の第1領域(A2)に配置され得る。第2フレキシブル振動モジュール300-2は、表示パネル100の第2領域(A2)を振動させることにより表示パネル100の第2領域(A2)で第2パネルの振動音響を発生させたり、第2触覚(haptic)フィードバックを発生させることができる。例えば、第2パネルの振動音響は右側音響であり得る。第2フレキシブル振動モジュール300-2は、第1フレキシブル振動モジュール300-1と同じでありながら、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に、第1フレキシブル振動モジュール300-1と対称であり得るので、これに対する説明は省略する。
【0172】
一実施例による第2フレキシブル振動モジュール300-2は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の第2領域(A2)内で中央部または端の方に偏るように配置することができ、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に、第1フレキシブル振動モジュール300-1と対称するように配置され得る。
【0173】
本明細書の他の実施例に係る表示装置は、第1および第2振動モジュール300-1、300-2を介して左側音響と右側音響を表示パネル100の前方に出力することにより、ステレオ音響を使用者に提供することができる。
【0174】
本明細書の他の実施例に係る表示装置は、第1フレキシブル振動モジュール300-1による振動領域と第2フレキシブル振動モジュール300-2による振動領域を分離するためのパーティション700をさらに含むことができる。
【0175】
実施例によるパーティション700は、第1および第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2の間に配置された第1パーティション部材710を含むことができる。
【0176】
第1パーティション部材710は、表示パネル100の背面中央ライン(CL)上に配置され、第1フレキシブル振動モジュール300-1と第2フレキシブル振動モジュール300-2によって発生する第1パネルの振動(またはパネルの振動音響)と第2パネルの振動(またはパネルの振動音響)を分離できる。一例による第1パーティション部材710は、表示パネル100の背面中央と背面構造物500の間に配置することによって表示パネル100と背面構造物500の間に配置されたギャップ空間(GS)を空間的に分離することができる。例えば、第1パーティション部材710は、第1フレキシブル振動モジュール300-1によって表示パネル100の第1領域(A1)で発生する振動が表示パネル100の第2領域(A2)に伝達することを遮断(または防止)したり、第2フレキシブル振動モジュール300-2によって表示パネル100の第2領域(A2)で発生する振動が表示パネル100の第1領域(A1)に伝達することを遮断(または防止)することができる。これにより、第1パーティション部材710は、表示パネル100の中央で表示パネル100の振動を減衰したり、吸収することで、第1領域(A1)での音響が第2領域(A2)に伝達されたり第2領域(A2)での音響が第1領域(A1)に伝達されることを遮断することができる。第1パーティション部材710は、中央パーティションまたは音分離部材、中央エンクロージャ、中央バッフル、または隔壁などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0177】
一実施例による第1パーティション部材710は、ポリウレタン(polyurethane)、および/またはポリオレフィン(polyolefin)材質で構成することができる。他の例として、第1パーティション部材710は、一面テープまたは両面テープなどで構成することができ、一定程度圧縮することができる弾性を有する材質で構成され得る。
【0178】
第1パーティション部材710は、左右の音響を分離することにより、表示装置の音響出力特性をより向上させることができ、第1パーティション部材710を含む表示装置は、第1パーティション部材710による左右の音響の分離によって2チャネルモードのステレオ音響を表示パネル100の前方に出力することができる。
【0179】
一実施例によるパーティション700は、表示パネル100と背面構造物500の間を囲む第2パーティション部材720をさらに含むことができる。
【0180】
第2パーティション部材720は、第1および第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2全体を囲むように表示パネル100の背面の端(または背面の周辺)と背面構造物500の前面の端(または前面の周辺)の間に沿って配置され得る。第2パーティション部材720は、エッジパーティションまたは音遮断部材、エッジエンクロージャ、またはバッフルなどで表現され得る。
【0181】
第2パーティション部材720は、第1パーティション部材710と一緒に表示パネル100と背面構造物500の間に第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)を設ける。例えば、第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)のそれぞれは、振動空間、音圧空間、響胴、響き部、共鳴筒、または共鳴部と表現することができる。
【0182】
第1エアギャップ(AG1)は、第1パーティション部材710と表示パネル100の第1領域(A1)に配置された第2パーティション部材720によって囲まれている表示パネル100の第1領域(A1)に設けられ得る。
【0183】
第2エアギャップ(AG2)は、第1パーティション部材710と表示パネル100の第2領域(A2)に配置された第2パーティション部材720によって囲まれている表示パネル100の第2領域(A2)に設けられ得る。
【0184】
第1フレキシブル振動モジュール300-1は、第1エアギャップ(AG1)を設ける第2パーティション部材720の一部と、第1パーティション部材710によって囲まれ、第2フレキシブル振動モジュール300-2は、第2エアギャップ(AG2)を設ける第2パーティション部材720の残りの部分と、第1パーティション部材710によって囲まれ得る。他の例としては、第2パーティション部材720は、省略することができる。
【0185】
第2パーティション部材720は、表示パネル100と背面構造物500の間に存在し得、第1パーティション部材710と一緒に第1および第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれを個別に囲むことにより、第1及び第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれの振動空間を確保して、左右の音響の音圧特性を増加させ、表示パネル100と背面構造物500の間の側面を通じた音響または音圧の外部への流出を遮断することができるので、表示装置の音響出力特性をより向上させることができる。
【0186】
実施例によるパーティション700は、第1フレキシブル振動モジュール300-1を囲む第3パーティション部材730、及び第2フレキシブル振動モジュール300-2を囲む第4パーティション部材740をさらに含むことができる。
【0187】
第3パーティション部材730は、第1エアギャップ(AG1)と重畳したり、第1エアギャップ(AG1)に対応するように表示パネル100と背面構造物500の間を配置され、第1フレキシブル振動モジュール300-1を個別に囲むことができる。一実施例による第3パーティション部材730は、第1フレキシブル振動モジュール300-1を囲む円形の形態を有することができ、これに限定されず、第1フレキシブル振動モジュール300-1の全体的な形と同じかまたは他の形態を有することができる。例えば、第1フレキシブル振動モジュール300-1は、長方形の形態を有する場合、第3パーティション部材730は、第1フレキシブル振動モジュール300-1より相対的に大きい大きさを有する長方形形状を有することができる。
【0188】
第3パーティション部材730は、第1フレキシブル振動モジュール300-1による表示パネル100の振動領域(または振動面積)を限定(または定義)することができる。例えば、表示パネル100の第1領域(A1)において、第3パーティション部材730の大きさが増加するほど、第1領域(A1)の振動領域が増加し、左側音響の低音域帯の特性が向上することができる。逆に、表示パネル100の第1領域(A1)において、第3パーティション部材730の大きさが減少するほど、第1領域(A1)の振動領域が減少し、左側の音響の高音域帯の特性が向上することができる。したがって、第3パーティション部材730の大きさは、表示パネル100の振動によって要求される音域帯の特性によって設定され得る。
【0189】
第4パーティション部材740は、第2エアギャップ(AG2)と重畳したり、第2エアギャップ(AG2)に対応するように表示パネル100と背面構造物500の間を配置され、第2フレキシブル振動モジュール300-2を個別に囲むことができる。一例による第4パーティション部材740は、左側音響と右側音響間の対称性のために、第3パーティション部材730と同じ形態を有しながら表示パネル100の背面中央ライン(CL)を基準に第3パーティション部材730と対称の構造を有することができる。
【0190】
第4パーティション部材740は、第2フレキシブル振動モジュール300-2による表示パネル100の振動領域(または振動面積)を限定(または定義)することができる。例えば、表示パネル100の第2領域(A2)において、第4パーティション部材740の大きさが増加するほど、第2領域(A2)の振動領域が増加し、右側音響の低音域帯の特性が向上することができる。逆に、表示パネル100の第2領域(A2)において、第4パーティション部材740の大きさが減少するほど、第2領域(A2)の振動領域が減少し、右側音響の高音域帯の特性が向上することができる。したがって、第4パーティション部材740の大きさは、表示パネル100の振動によって要求される音域特性によって設定され得る。
【0191】
第3及び第4パーティション部材730、740は、フレキシブル振動モジュール300-1、300-2の振動領域(または振動面積)を限定することにより、表示パネル100の振動に基づいて発生する左側音響と右側音響の左右対称性を向上させ、左右の音響それぞれの音圧特性と音域再生帯域を最適化することができる。
【0192】
いくつかの実施例では、一つ以上のパーティション710、720、730は、両面粘着テープまたは片面粘着テープで構成することができ、例えば、一定程度圧縮することができる弾性力を有する材質で構成することができる。
【0193】
図14は、図12に示したフレキシブル振動モジュールおよびパーティションを示した図であって、これは、図13に示した第1パーティション部材を変更したものである。
【0194】
図14を参照すると、本明細書の他の実施例に係る表示装置では、第1パーティション部材710は、互いに離隔するように表示パネル100の背面中央ライン(CL)上に配置された第1及び第2サブパーティション部材711、713を含むことができる。第1および第2サブパーティション部材711、713を有する第1パーティション部材710は、少なくとも一つの第1パーティション部材で表現され得る。
【0195】
第1および第2サブパーティション部材711、713は、表示パネル100の背面中央と背面構造物500の間に配置され得る。例えば、第1および第2サブパーティション部材711、713は、表示パネル100の背面中央と背面構造物500の間に互いに並んで配置され得る。
【0196】
第1および第2サブパーティション部材711、713は、第2パーティション部材720と一緒に表示パネル100と背面構造物500の間に第1~第3エアギャップ(AG1、AG2 、AG3)を設ける。
【0197】
第1エアギャップ(AG1)は、第1サブパーティション部材711と表示パネル100の第1領域(A1)に配置された第2パーティション部材720によって囲まれる表示パネル100の第1領域(A1)に設けられ得る。
【0198】
第2エアギャップ(AG2)は、第2サブパーティション部材713と表示パネル100の第2領域(A2)に配置された第2パーティション部材720によって囲まれる表示パネル100の第2領域(A2)に設けられ得る。
【0199】
第3エアギャップ(AG3)は、第1および第2サブパーティション部材711、713と第2パーティション部材720によって囲まれる表示パネル100の中間領域に設けることができる。例えば、第3エアギャップ(AG3)は表示パネル100の背面中央ライン(CL)を含む第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)の間に設けることができる。このような第3エアギャップ(AG3)は音分離空間、音遮蔽空間、または音干渉防止空間などで表現され得る。第3エアギャップ(AG3)は、第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)を空間的に分離させることで、第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)それぞれで発生する一定の周波数帯域での共振現象または干渉現象を防止することができる。他の実施例としては、第2パーティション部材720は、省略することができる。
【0200】
第1フレキシブル振動モジュール300-1は、第1エアギャップ(AG1)を設ける第2パーティション部材720の一部と、第1サブパーティション部材711によって囲まれ、第2フレキシブル振動モジュール300-2は、第2エアギャップ(AG2)を設ける第2パーティション部材720の残りの部分と第2サブパーティション部材713によって囲まれ得る。
【0201】
第1および第2サブパーティション部材711、713を有する第1パーティション部材710は、第2パーティション部材720と一緒に第1および第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれを個別に囲む第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)及び第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)の間に第3エアギャップ(AG3)を設けすることにより、第1及び第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれの振動空間を確保して、左右の音響の音圧特性を増加させ、左右の音響の共振現象または干渉現象を防止して、左右の音響の音圧特性をさらに増加させることができる。これにより、表示装置の音響出力特性をさらに向上させることができる。
【0202】
図15a図15cは、図14に示した第1及び第2フレキシブル振動モジュールの変形例を示す図であって、これは、図14に示した圧電複合層で圧電部の配置構造を変更したものである。
【0203】
図15aを参照すると、第1変形例に係る第1及び第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれにおいて、複数の圧電部311それぞれの長さは、長さ勾配によって表示パネル100の端(または周辺)から中間ライン(CL)の方に行くほど漸進的に増加することを除いて、図3または図13に示したフレキシブル振動モジュールと同様である。したがって、第1変形例に係る複数の圧電部311のそれぞれは、それぞれ異なる長さによって、それぞれ異なる振動数を有することで、表示パネル100の振動によって発生する左側音響と右側音響それぞれの音圧特性が増加して音域再生帯域を拡大することができる。図15a図15cで第2パーティション部材720は、省略することができる。
【0204】
図15bを参照すると、第2変形例に係る第1及び第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれにおいて、複数の圧電部311それぞれの長さは、長さ勾配によって表示パネル100の端または周辺から中央ライン(CL)の方に行くほど漸進的に増加することを除いては、図5に示したフレキシブル振動モジュールと同様である。これにより、第2変形例に係る複数の圧電部311のそれぞれは、それぞれ異なる長さによって、それぞれ異なる振動数を有することにより、表示パネル100の振動によって発生する、左側音響と右側音響それぞれの音圧特性が増加して音域再生帯域を拡大することができる。
【0205】
図15cを参照すると、第3変形例に係る第1及び第2フレキシブル振動モジュール300-1、300-2それぞれにおいて、複数の圧電部311それぞれの幅は、幅勾配によって表示パネル100の端または周辺から中央ライン(CL)の方に行くほど漸進的に増加することを除いては、図7に示したフレキシブル振動モジュールと同様である。これにより、第3変形例に係る複数の圧電部311のそれぞれは、それぞれ異なる幅によって、そ異なる振動数を有することにより、表示パネル100の振動によって発生する、左側音響と右側音響それぞれの音圧特性が増加して音域再生帯域を拡大することができる。
【0206】
図16a図16cは、本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュールが適用可能な多様な表示装置を示した図であって、これは、図3図11に示したフレキシブル振動モジュールを適用した表示装置を示すものである。
【0207】
本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュールは、柔軟性を有するフィルム形態で具現されることにより、多様なアプリケーション装置に適用が可能である。
【0208】
図16aを参照すると、本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、凹面または凸面の複数の曲面部(CSP)を含む表示パネル100を有するフレキシブル表示装置またはコマーシャル表示装置(commercial display apparatus)に適用することができる。一実施例としては、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の各曲面部(CSP)の凸部または凹部と、それぞれマッチング(または対応)する曲率値(または曲率半径)を有する形状に曲がり得、表示パネル100の各曲面部(CSP)の凸部または凹部にそれぞれ配置され得る。他の例としては、フレキシブル振動モジュール300は、表示パネル100の各曲面部(CSP)の曲率値(または曲率半径)とマッチング(または対応)する形状を有し、表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0209】
図16bを参照すると、本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、螺旋形態に巻き取りまたは巻き出される表示パネル100を有するローラブル表示装置に適用することができる。一実施例としては、フレキシブル振動モジュール300は、螺旋形態に巻き取りまたは巻き出される表示パネル100の曲率値(または曲率半径)を有する形状に具現され、表示パネル100の背面に一定の間隔で配置することができる。他の実施例としては、フレキシブル振動モジュール300は、螺旋形態に巻き取りまたは巻き出される表示パネル100の曲率値(または曲率半径)とマッチング(または対応)する形状を有し表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0210】
図16cを参照すると、本明細書の実施例によるフレキシブル振動モジュール300は、使用者の手首に巻く「C」字型に曲がった表示パネル100を有するウェアラブル表示装置に適用することができる。一実施例としては、フレキシブル振動モジュール300は、「C」字形態に曲がった表示パネル100の曲率値(または曲率半径)を有する形状を有することができ、表示パネル100の背面に一定の間隔(または距離)で配置することができる。他の実施例としては、フレキシブル振動モジュール300は、「C」字形態に曲がった表示パネル100の曲率値(または曲率半径)とマッチング(または対応)する形状を有することができ、表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0211】
図17は、本明細書の一実施例による表示パネルの音圧特性と比較例による表示パネルの音圧特性それぞれを測定したグラフである。図17の音圧測定は、Audio Precision社のAPx525を利用し、サインスイープ(sine sweep)を20Hz~20kHzで印加し、表示パネルから50cm離れた位置で音圧を測定した。サインスイープは短時間でスイープをする方式であり得、この方式に制限されるものではない。図17で、横軸(x-軸)は周波数(frequency、Hz)を示し、縦軸(y-軸)は、音圧(Sound Pressure Level、dB)を示す。
【0212】
本明細書の一実施例(太い実線)は、図15aに示した表示装置でパーティションが配置されていない表示パネルを準備し、比較例(点線)は、長さ勾配を持たずに互いに同じ長さを有する複数の圧電部を含むフレキシブル振動モジュールが左側領域と右側領域にそれぞれ付着した表示パネルを準備した。
【0213】
図17から分かるように、比較例に係る表示パネル(点線)と比較して、本明細書の一実施例による表示パネル(太い実線)は、可聴周波数全体で50dB以上の音圧を有し、低音域帯だけでなく、高音域帯で約10dB程度の高い音圧を有することが分かり、可聴周波数全体で音圧の低下(dipping)が改善され、音圧の平坦度が改善されたことを知ることができる。ここで、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。
【0214】
したがって、本明細書によるフレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置は、圧電複合層を構成する複数の圧電部をすべてそれぞれが、大きさ勾配によって多様な振動数を有することにより、可聴周波数全体で音圧特性が増加して音域再生帯域が拡大することが分かる。
【0215】
本明細書によるフレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置は、多様なアプリケーションに適用可能である。例えば、本明細書によるフレキシブル振動モジュールが配置された表示パネル及びこれを含む表示装置は、モバイルデバイス、映像電話、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable device)、フォルダブル機器(foldable device)、ローラーブル機器(rollable device)、ベンダブル機器(bendable device)、フレキシブルデバイス(flexible device)、カーブド機器(curved device)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player )、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、携帯電話、医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、カーナビゲーション、車両用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用することができる。また、本明細書のフレキシブル振動モジュールは、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。フレキシブル振動モジュールが照明装置に適用される場合、照明とスピーカーの役割をすることができる。また、本明細書のフレキシブル振動モジュールが、モバイルデバイスなど適用される場合、スピーカーまたはレシーバーであり得る。
【0216】
本明細書によるフレキシブル振動モジュール及びこれを含む表示装置は、以下のように説明することができる。
【0217】
本明細書の一例に係るフレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間の軟性部を含む圧電複合層を含み、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる大きさを有することができる。
【0218】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは、異なる大きさを有し、異なる振動数を有することができる。
【0219】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる長さ、異なる幅、および異なる厚さを有することができる。
【0220】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、圧電複合層の少なくとも一端から圧電複合層の中心部に行くほど漸進的に増加するか漸進的に減少することができる。
【0221】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、圧電複合層の一端と他端との間でランダムに変化することができる。
【0222】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれの長さ、幅、および厚さのいずれか一つは、圧電複合層の一端から一端とは反対の他端まで漸進的に増加するか漸進的に減少することができる。
【0223】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは下部圧電部、および下部圧電部上の上部圧電部を含むことができる。
【0224】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは、同じ厚さを有することができる。
【0225】
本明細書のいくつかの実施例によると、下部圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる厚さを有することができる。
【0226】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部は同じ厚さを有し、下部圧電部のそれぞれの厚さは、圧電複合層の一端から一端とは反対の他端まで漸進的に変化するかランダムに変化することができる。
【0227】
本明細書の一例に係るフレキシブル振動モジュールは、下部圧電部と上部圧電部の間に電極をさらに含むことができる。
【0228】
本明細書の一例に係るフレキシブル振動モジュールは、下部圧電部と上部圧電部の間に、第1電極、下部圧電部と上部圧電部の間に第2電極、及び第1電極と第2電極の間に絶縁層をさらに含むことができる。
【0229】
本明細書の一例に係るフレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間の軟性部を含む圧電複合層を含み、圧電複合層は、複数の振動数を有することができる。
【0230】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる振動数を有することができる。
【0231】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれの振動数は、圧電複合層の一端から一端とは反対の他端まで漸進的に変化するかランダムに変化することができる。
【0232】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは下部圧電部、および下部圧電部上の上部圧電部を含むことができる。
【0233】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の圧電部は同じ厚さを有し、下部圧電部それぞれの厚さは、圧電複合層の少なくとも一端から圧電複合層の中心部に行くほど漸進的に厚くなるか漸進的に薄くなることができる。
【0234】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは無機物質を含み、軟性部は、有機圧電物質および有機非圧電物質のうちの少なくとも一つの有機物質を含むことができる。
【0235】
本明細書の一例に係る表示装置は、フレキシブル振動モジュール、および映像を表示してフレキシブル振動モジュールの振動によって振動する表示領域を有する表示パネルを含み、フレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間の軟性部を含む圧電複合層を含み、複数の圧電部のうちの少なくとも2つは、異なる大きさを有することができる。
【0236】
本明細書の一例に係る表示装置は、フレキシブル振動モジュール、および映像を表示してフレキシブル振動モジュールの振動によって振動する表示領域を有する表示パネルを含み、フレキシブル振動モジュールは、圧電特性を有する複数の圧電部および複数の圧電部間の軟性部を含む圧電複合層を含み、圧電複合層は、複数の振動数を有することができる。
【0237】
本明細書の一例に係る表示装置は、タッチをセンシングするタッチ電極をさらに含み、フレキシブル振動モジュールは、タッチによって振動することができる。
【0238】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電部のそれぞれは無機物質を含み、軟性部は有機圧電物質および有機非圧電物質のうちの少なくとも一つの有機物質を含むことができる。
【0239】
本明細書のいくつかの実施例によると、表示パネルは、第1領域と第2領域を含み、フレキシブル振動モジュールは、表示パネルの第1領域に配置された第1フレキシブル振動モジュール、および表示パネルの第2領域に配置された第2フレキシブル振動モジュールを含むことができる。
【0240】
本明細書の一例に係る表示装置は、表示パネルの背面に配置された背面構造物、および表示パネルと背面構造物の間に配置され、第1フレキシブル振動モジュールと、第2フレキシブル振動モジュールの間に配置された少なくとも一つのパーティション部材をさらに含むことができる。
【0241】
本明細書の一例に係る表示装置は、表示パネルの背面に配置された背面構造物、および表示パネルと背面構造物の間に配置されたパーティションをさらに含み、パーティションは、第1フレキシブル振動モジュールおよび第2フレキシブル振動モジュールのうちの少なくとも一つを囲むことができる。
【0242】
本明細書の一例に係る表示装置は、表示パネルと背面構造物の間に配置された異なるパーティションをさらに含み、異なるパーティションは、第1フレキシブル振動モジュール、第2フレキシブル振動モジュール、およびパーティションを囲むことができる。
【0243】
上述した本明細書の例で説明した特徴、構造、効果などは、本明細書の少なくとも一つの例に含まれており、必ずしも一つの例のみに限定されるものではない。さらに、本明細書の少なくとも一つの例で例示した特徴、構造、効果などは、本明細書が属する分野の通常の知識を有する者によって他の例に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0244】
以上で説明した本明細書では、前述した実施例及び添付した図に限定されるものではなく、本明細書の技術的事項を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることが本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0245】
100:表示パネル
200:接着部材
300:フレキシブル振動モジュール
300-1:第1フレキシブル振動モジュール
300-2:第2フレキシブル振動モジュール
310:圧電複合層
311:圧電部
313:軟性部
320:第1電極層
330:第2電極層
500:背面構造物
700:パーティション
710:第1パーティション部材
711:第1サブパーティション部材
713:第2サブパーティション部材
720:第2パーティション部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図16a
図16b
図16c
図17