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特許7190441ブライユ端子およびブライユ端子用のモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ブライユ端子およびブライユ端子用のモジュール
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20221208BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20221208BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G09B21/00 C
G06F1/16 312K
G06F1/18 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019552567
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 GB2018050774
(87)【国際公開番号】W WO2018178642
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102017205373.9
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518040149
【氏名又は名称】ジョンソン マッセイ ピエゾ プロダクツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター, ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】クルンプ, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】キューゲル, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】リュエッテル, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダーバンガー, ダニエル
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-282639(JP,A)
【文献】特開2006-217572(JP,A)
【文献】特開2005-003797(JP,A)
【文献】特開昭59-013270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0242555(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0280266(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 21/00-21/06,
G06F 1/00, 1/16-1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向(6)に延在し、複数のセル(26)を有するブライユ端子(2)において、各セル(26)は、ユーザーが感じることができ、複数の列(32)および複数の行(30)で配置される複数のピン(28)を有し、前記セル(26)は個々の文字を表すように設計され、それぞれのピン(28)は、それぞれの場合に圧電屈曲変換器(54)によって個々に作動することができ、前記圧電屈曲変換器(54)は複数のプリント基板(52)上に留められる、ブライユ端子(2)であって、複数のモジュール(4)であって、前記横方向(6)に並置され、それぞれがモジュールハウジング(12)を有し、複数のセル(26)はモジュール(4)内に一体化される、複数のモジュール(4)を特徴とし、
前記列(32)は前記横方向(6)に垂直な縦方向(8)に延在し、前記プリント基板(52)は、前記モジュールハウジング(12)内で前記横方向および前記縦方向に垂直な垂直方向について互いの上に配置され、各プリント基板(52)上で、前記横方向(6)に互いの隣に配置された複数の個々の圧電屈曲変換器(54)は接触し留められ、それぞれのプリント基板(52)上の前記圧電屈曲変換器(54)は、前記モジュール(4)の複数のセルの各行の前記ピン(28)を駆動するために役立つ、ブライユ端子(2)。
【請求項2】
前記モジュールハウジング(12)は、上壁(18)を有する閉鎖式設計を有し、前記上壁(18)内に、前記複数のピン(28)用の通路(60)が導入される、請求項に記載のブライユ端子(2)。
【請求項3】
路(60)の領域において、操作モジュール(24)は前記上壁(18)上に取り付けられ、前記操作モジュール(24)は、前記操作モジュール(24)を貫通して延在する前記ピン(28)を有し、前記モジュール(4)の各セル(26)用の作動ボタン(34)を有する、請求項に記載のブライユ端子(2)。
【請求項4】
保持プレート(70)は、前記操作モジュール(24)の内部に設置され、前記保持プレート(70)を通して、前記ピン(28)は個々に誘導され、前記操作モジュール(24)内で、前記ピン(28)は、前記保持プレート(70)と一緒の取り外しを可能にするために、捕捉的に保持される、請求項に記載のブライユ端子(2)。
【請求項5】
マスターボード(38)が存在する受け取り空間(36)は、前記作動ボタン(34)と前記上壁(18)との間に形成される、請求項3または4に記載のブライユ端子(2)。
【請求項6】
隣接モジュール(4)の前記マスターボード(38)は、前記マスターボード(38)上で側方に取り付けられるプラグコネクタ(44)によって互いに接続されて、前記個々のモジュール(4)の直列相互接続を可能にする、請求項に記載のブライユ端子(2)。
【請求項7】
前記上壁(18)は、前記プリント基板(52)の電気接触のためのさらなる通路(62)を有する、請求項2または3に記載のブライユ端子(2)。
【請求項8】
前記それぞれのプリント基板(52)の上側面上で、ばね接点(58)が形成されて、上に配置されるプリント基板(52)の下側との電気接触を可能にする、請求項に記載のブライユ端子(2)。
【請求項9】
信号および供給電圧が、前記個々のプリント基板(52)を介してループ状に直列にルーティングされる、請求項1または2に記載のブライユ端子(2)。
【請求項10】
各プリント基板(52)上で、ドライバーチップ(56)は、前記プリント基板(52)に割り当てられる前記ピン(28)を駆動するために配置される、請求項1または2に記載のブライユ端子(2)。
【請求項11】
前記モジュールハウジング(12)は、前部分(22)および前記前部分(22)によって前で閉鎖される受け取りカセット(20)を有し、前記プリント基板(52)は前記前部分(22)上で留められ、前記プリント基板(52)上に留められた前記圧電屈曲変換器(54)を有する前記プリント基板(52)は、前記受け取りカセット(20)内に延在する、請求項1または8に記載のブライユ端子(2)。
【請求項12】
各プリント基板(52)用の前記前部分(22)はインサートウェル(64)を有し、前記インサートウェル(64)内に前記それぞれのプリント基板(52)が挿入されることができ、プロセス時に、前記プリント基板(52)の相互接続が、前記ばね接点(58)によって自動的に起こる、請求項8に従属する、請求項11に記載のブライユ端子(2)。
【請求項13】
前記モジュールハウジング(12)は横通路(48)を有し、前記横通路(48)は、前記縦方向(8)に互いに対向して存在し、また、前記横方向(6)に延在し、前記横通路(48)を通して誘導される接続ロッド(46)を有する、請求項1または2に記載のブライユ端子(2)。
【請求項14】
請求項1または2に記載のブライユ端子(2)用のモジュールであって、モジュールハウジング(12)を有し、複数のセル(26)は前記モジュールハウジング(12)内に一体化され、各セル(26)は、ユーザーが感じることができ、複数の列(32)および複数の行(30)で配置される複数のピン(28)を有し、前記セル(26)は個々の文字を表すように設計され、それぞれのピン(28)は、それぞれの場合に圧電屈曲変換器(54)によって個々に作動することができ、前記圧電屈曲変換器(54)は複数のプリント基板(52)上に留められ
前記列(32)は横方向(6)に垂直な縦方向(8)に延在し、前記複数のプリント基板(52)は、前記モジュールハウジング(12)内で前記横方向および前記縦方向に垂直な垂直方向について互いの上に配置され、各プリント基板(52)上で、前記横方向(6)に互いの隣に配置された複数の個々の圧電屈曲変換器(54)は接触し留められ、それぞれのプリント基板(52)上の前記圧電屈曲変換器(54)は、前記モジュール(4)の複数のセルの各行の前記ピン(28)を駆動するために役立つことを特徴とする、モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向に延在し、複数のセルを有するブライユ端子であって、各セルが、ユーザーが感じることができ、複数の列および複数の行で配置される複数のピンを有し、セルが個々のキャラクターを表すように設計され、それぞれのピンが、それぞれの場合に圧電屈曲変換器によって作動することができ、圧電屈曲変換器が複数のプリント基板上に留められる、ブライユ端子に関係する。
【背景技術】
【0002】
ブライユ端子は、概して、個々のキャラクターがブライユアルファベットで表される盲人用のデバイス、特に出力デバイスである。ブライユ端子またその一部は、例えば、米国特許第4,283,178号明細書または第7,367,806号明細書から知られている。
【0003】
それぞれの個々のキャラクターは所定の数の触知ピンによって表される。設計の変形に応じて、1キャラクターについて6、8、またはさらに10のピンが存在する。
【0004】
ブライユ端子は、通常、互いの隣りに配置される複数の個々のモジュールから構成される。モジュールは、前もって作製されたコンポーネントであり、各モジュールは、それぞれの場合に、1つのセルを提示する、すなわち、ちょうど1つのキャラクター用のピンを受け取り駆動するように設計される。
【0005】
ブライユ端子は、全体として、生産するのが非常に複雑であり、相応して資本集約的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第4,283,178号明細書
【文献】米国特許第7,367,806号明細書
【発明の概要】
【0007】
この背景から進むと、本発明の目的は、生産するのが簡単でありかつ費用効果的であるブライユ端子を入手可能にすることである。
【0008】
第1の態様によれば、本発明、目的は、請求項1の特徴を有するブライユ端子によって達成される。ブライユ端子は、横方向に延在し、複数のセルを有する。各セルは、さらに、ユーザーが感じることができ、複数の列および複数の行で配置される複数のピンを有する。通常、2つの列、および、3つ、4つ、または5つの行が存在する。各セルは、ちょうど1つの個々のキャラクターを表すように設計される。個々のピンは、それぞれの場合に、それぞれのピンに割り得てられた圧電屈曲変換器によって作動され得る。圧電屈曲変換器はさらに、複数のプリント基板上に留められる。プリント基板に対向して、屈曲変換器は、自由端であって、適切に駆動されると、垂直方向に偏向され、それにより、それぞれのピンを駆動する、自由端を有し、それにより、ピンは、持ち上がった位置と後退位置との間で交互に繰り返して、セルのそれぞれのキャラクターを表す。
【0009】
本発明によれば、ブライユ端子は、横方向に並置される複数のモジュールによって形成され、それぞれのモジュールは、モジュールハウジングを有し、複数のセルはモジュールハウジング内に一体化される。
【0010】
それぞれのモジュールが1つだけのセルを規定した従来のブライユ端子と対照的に、複数のセルを共通モジュール内にまとめることは、組み立てを簡略化し、コストを低減する。複数のセル、例えば、3つ、4つ、または5つのセルを、共通モジュールハウジング内にまとめることによって、ブライユ端子を生産するために必要とされる部品の総数が大幅に低減される。
【0011】
ブライユ端子は、複数のセル、通常、少なくとも16の個々のセル、しばしば同様に、20、40、または80の個々のセルを有するため、より大きいブライユ端子は、特に複数のセルを有するモジュールからより一層迅速かつ容易に組み立てられ得る。さらに、こうして、より低い公差が達成され得る。全体として、ブライユ端子全体のコンパクトな構造が同様に達成される。
【0012】
好ましくは、列は、横方向に垂直な縦方向に延在し得る。プリント基板は、モジュールハウジング内で、垂直方向に互いの上に配置される複数の平面で配置され得る。横方向に互いの隣に配置された複数の個々の屈曲変換器は、各プリント基板上で接触し留められることができ、それぞれのプリント基板の屈曲変換器は、モジュールの全てのセルの各行のピンを駆動するために役立つ。したがって、複数のセルのそれぞれの行のピンは、個々のプリント基板によって駆動され得る。したがって、それぞれのプリント基板は、概して、複数のセルのピンを駆動し得る。
【0013】
好ましくは、モジュールハウジングは、全体として閉鎖される。したがって、それぞれのモジュールハウジングは、機械的に安定したハウジングが全体として形成されるように、底部、上壁、側壁、および前壁を有する。したがって、モジュールハウジングは、骨格構造を持たない。少数の通路を除いて、モジュールハウジングは、壁によって周りをぐるっと囲まれる。こうして、モジュールハウジング全体は、頑健な設計を有し、コンポーネントは、モジュールハウジングの内部内で保護されて存在する。
【0014】
個々のピン用の通路は、好ましくは、上壁内に導入される。したがって、ピンは、屈曲変換器によってモジュールハウジングの内部に駆動され、上壁を通して押され、上壁の上に突出し得る。
【0015】
有利には、操作モジュールは、上壁上でこれらの通路の領域において取り付けられ、操作モジュールは、操作モジュールを貫通して延在するピンを有する。さらに、好ましい配置構成において、操作モジュールは、モジュールの各セル用の作動ボタンを有する。操作モジュールは、モジュールハウジング上にかつ上壁上にキャップの方式で嵌合する。ピンは、配備される位置に位置すると、とりわけ丸いヘッドが操作モジュールの上側面の上になる状態で突出する。後退位置において、ピンは、上側面の上にもはや突出しないように引き戻される。作動ボタンによって、ユーザーは、例えばそれぞれの場合に、特定のキャラクターの認識を確認し得る。操作モジュールは、通常、モジュールハウジングと、横方向に同じ幅を有する。
【0016】
好ましくは、保持プレートは、操作モジュールの内部に設置される。好ましくは、保持プレートは、操作モジュール内で緩く、すなわち、固定なしで、特に同様に、ねじなどによる解除可能な固定さえなしで設置される。ピンは保持プレートを通して個々に誘導される。さらに、ピンは、保持プレートによって捕捉的に保持(held captive)され、それにより、保持プレートは、例えば検査のためにまたは清掃のために、保持プレート上に保持されたピンと共に取り外され得る。
【0017】
ピンは、一定間隔で清掃される必要がある場合がある。モジュールの全てのピンがそこに保持される保持プレートを含む<配置構成によって、モジュール部品であって、ワンピースで取り除くことができ、例えば清掃のためのハンドリングを大幅に簡略化する、モジュール部品が作成される。ピンは、好ましくは、保持プレートの一方の側で、特に、ピンのヘッドに向いて配向する側で幅広化部分を有することによって、保持プレート内でフォームフィット係合(form-fit engagement)によって留められる。幅広化部分は保持プレート内の対応する穴より大きい、
【0018】
当を得た開発において、マスターボードは、モジュールハウジングの上側面上に、すなわち、上壁上に配置される。このマスターボードによって、モジュールハウジングの個々のプリント基板は、制御コマンドおよびエネルギーを供給され得る。マスターボードは、特に、作動ボタンと上壁との間に設置される。そのため、マスターボード用の受け取り空間は、全体的に作動ボタンと上壁との間に形成される。
【0019】
概して、マスターボードは、バスシステムを提供し、バスシステムによって、ブライユ端子を形成するための個々の直列に相互接続されたモジュールが駆動され、エネルギーを供給される。
【0020】
ブライユ端子の単純な接触および単純な組み立てを可能にするために、隣接モジュールのマスターボードは、信号および供給電圧の電気的給送のために互いに接続され得る。このため、マスターボードは、側方に取り付けられるプラグコネクタを有し得る。組み立て中に、個々のモジュールは、単に横方向に共に押されなければならない。側方に取り付けられるプラグコネクタは、隣接モジュールのマスターボードの自動交互接触を可能にする。それぞれのマスターボードは、一方の縁に接触ピンを、また、その対向する縁に接触ソケットを含み得る。
【0021】
ピン用の通路に加えて、上壁は、好ましくは、プリント基板の電気接触のための少なくとも1つのさらなる通路を有する。したがって、それぞれのマスターボードによって提供される、信号、電源などは、マスターボードから上壁を通って、下に存在するプリント基板まで伝達される。
【0022】
接触努力を出来る限り低く維持するために、ばね接点が、それぞれのプリント基板の上側面上に形成されて、上に存在するプリント基板の下側に電気接触し得る。一番上のプリント基板の場合、マスターボードはばね接点によって接触され得る。全体として、個々のプリント基板の平面の間のばね接点による直接接触を有するこの配置構成は、非常に単純な接触を可能にする。特に、供給電圧または信号を提供するために、例えばプリント基板上にはんだ付けされなければならないことになるワイヤによって個々のプリント基板を互いに接続することが必要でない。
【0023】
本実施形態は、特に、プリント基板がそれらの意図された位置に共に置かれると、接触が自動的に起こるため、単純な組み立てを可能にする。いずれの公差も、ばね接点の弾性的取り付けによって補償され得る。ばね接点は、好ましくは、屈曲されスタンピングされたシートメタル部品の形態である。
【0024】
さらに、個々のピンを駆動するための信号および屈曲変換器用の供給電圧は、個々のプリント基板を介して直列にループでルーティングされ得る。したがって、対応するドライブ信号および供給電圧は、マスターボードによって提供され、ばね接点を介して一番上のプリント基板によって最初にタップされる。信号および供給電圧は、その後、次のプリント基板などを介して最後のプリント基板まで転送され、その後、マスターボードに再び戻るようにルーティングされることができ、それにより、プリント基板のループ状接点経由接続(loop-shaped through-contact)が存在する。
【0025】
当を得た配置構成において、各プリント基板は、プリント基板に割り当てられるピンを駆動するためのドライバーチップを有する。マスターボードは、必要なドライブ信号がそれを介して利用可能にされるバスボードとして同様に理解され得る。これは、シフトレジスターの方式で、通例行われ、対応する制御信号は、特に上述したループ状供給部(loop-shaped supply)を介してそれぞれのプリント基板のそれぞれのドライバーチップに送信され、ドライバーチップは、その後、対応する制御コマンドに変換し、プリント基板の屈曲変換器を適切な方式で駆動する。
【0026】
モジュールハウジングの閉鎖式構成に関して、モジュールハウジングは、好ましくは、前部分および同様に、受け取りカセットを有する。受け取りカセットは前部分によって前で閉鎖され、好ましくは、おおよそ直方体である。前部分に対向する受け取りカセットの前壁は、通常閉鎖される。プリント基板は、さらに前部分に留められ、プリント基板に留められた屈曲変換器は、受け取りウェル内に延在する。したがって、屈曲変換器の自由端は、前部分に対向する受け取りカセットの内部に位置し得る。受け取りカセットは、少なくとも上壁の大部分を同様に有する。ピン用の通路は、前部分に対向する受け取りカセットのその端に形成され得る。同様にこの対向する端において、操作モジュールは、受け取りカセットの上側面上に同様に留められる。
【0027】
好ましくは、各プリント基板用の前部分はインサートウェルを有し、それぞれのプリント基板は、インサートウェル内に一端で挿入することができる。インサートウェルは、プリント基板の組み立て位置、したがって、個々のプリント基板平面を画定する。インサートウェルは、プリント基板の挿入によって、相互接触がばね接点によって自動的に起こるように互いに対して位置決めされる。こうして、さらなる接触処置がとられる必要がないため、設置の容易さが高められる。
【0028】
好ましくは、モジュールハウジングは横通路を有し、横通路は、縦方向に互いに対向して存在し、また、横方向に延在し、横通路を通って誘導される接続ロッドを有する。個々のモジュールハウジングは、この接続ロッドによって横方向に互いに固定され得る。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、目的は、そのようなブライユ端子用の、請求項15の特徴を有するモジュールによって同様に達成される。ブライユ端子に関して述べた好ましい配置構成の利点は、そのモジュールに同様に類似的に当てはまる。
【0030】
本発明の例証的な実施形態は、部分的に簡略化された図を示す図を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ブライユ端子の斜視図である。
図2】モジュールの斜視図である。
図3図2に示すモジュールの分解図である。
図4】プリント基板の斜視図である。
図5図2によるモジュールを通した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
同一の動作を有する部品は、図において同一の参照符号を備える。
【0033】
図1に示すブライユ端子2は、複数の個々のモジュール4から構成される。全部で5つのモジュールが、例証的な実施形態に示される。個々のモジュール4は、横方向6に並置される。モジュール4自身は、縦方向8に延在し、垂直方向10に延在する高さを有する。横方向6、縦方向8、および垂直方向10は、互いに垂直であり、デカルト座標系を形成する。
【0034】
個々のモジュール4(図2参照)はそれぞれ、全体的に直方体形状を有する実質的に閉鎖したモジュールハウジング12を有する。モジュールハウジング12は、互いに対向して存在する平面側壁14、閉鎖底部(図5参照)、および上壁18を有する。側壁14および底部16ならびに同様に上壁18の大部分は、例証的な実施形態において平坦表面を形成する。上壁18の場合、これは、少なくとも、モジュールハウジング12の長さの約2/3にわたって延在する前部分領域に当てはまる。
【0035】
モジュールハウジング12は、受け取りカセット20および受け取りカセット20の前端を閉鎖する前部分22から構成される。
【0036】
操作モジュール24は、前部分22に対向するモジュールハウジング12の側(side)で上壁18上に取り付けられる。この操作モジュール24は、複数のセル26、例証的な実施形態では、4つのセル26を提供し、それぞれの個々のセル26は、ブライユアルファベットの個々のキャラクターを表すように設計される。
【0037】
このため、複数のピン28は、行30および列32で配置される。例証的な実施形態において、それぞれのセル26は、2つの列32および4つの行30を有する。したがって、それぞれのセル26は、全部で8つのピンを有する。
【0038】
作動ボタン34は各セル26に割り当てられる。作動ボタン34は、上壁18を覆って自由に突出するブラケット上の端に形成される。ブラケットは全て、おおよそストリップ状であり、それぞれ、それぞれのセル26のピン28を受け取る。自由に突出し、互いに個々にかつ独立に作動されるブラケットのこの構成によって、受け取り空間36が、ブラケット間におよび作動ボタン34と上壁との間に形成される(特に図2参照)。
【0039】
マスターボード38は、概して、上壁18上に配置され、マスターボード38は、一端でこの受け取り空間36に押し込まれ、したがって、作動ボタン34と上壁との間に存在する。マスターボード38は、特にモジュールハウジング12の全体の幅に及ぶクリップ40によって固定される。クリップ40に対向して、マスターボードは、特に、前部分22の領域で、さらなる固定要素、例えば、ねじ42によってモジュールハウジング12に固定される。
【0040】
作動ボタン34は、それらの下側に接触要素を有し、作動されると、マスターボード38の対応する接触フィールドに接触する。
【0041】
図1で特に見られるように、互いに隣接するモジュール4のマスターボード38は、互いに直列に接続される。プラグコネクタ44は、それぞれの場合に、このために配置される。このため、横方向に突出する接触ピン44aは一方の側に形成され、接触ソケット44bは、対向する側に形成される。個々のモジュール4が共に接合(join)されると、電気接触が自動的に起こる。
【0042】
個々のモジュール4は、接続ロッド46によって互いに対して保持され、接続ロッド46は、モジュールハウジング12内の横通路48を通してルーティングされる。これらの横通路48は、モジュールハウジング12の対向端において形成される。
【0043】
モジュールハウジング12によって、自由内部が画定され、自由内部は、例証的な実施形態において、図4に示すプリント基板50の4つ全ておよび同様にピン28を受け取る。プリント基板モジュール50は、垂直方向に全部で4つの平面で互いの上に配置される。
【0044】
図5の断面図から特に見られるように、個々のプリント基板モジュール50は、縦方向8に多義に対してオフセットし、それにより、プリント基板モジュールの自由端は、異なる長さ位置でかつ異なる高さ位置で終端する。これは、それぞれのプリント基板モジュール50が、その自由端で、複数のセル26にわたるピン28のちょうど1つの行30を駆動するという効果を有する。垂直方向10への異なる平面のオフセット配置構成のために、異なる行30のピン28が、異なる長さを同様に有する。
【0045】
図4から特に見られるように、それぞれのプリント基板モジュール50は、プリント基板52および屈曲変換器54を有する。屈曲変換器54は、プリント基板52の一端に固定され電気接触され、プリント基板52から既に述べた自由端まで自由に突出する。例証的な実施形態において、ちょうど8つの屈曲変換器54が、各プリント基板52上に配置される。それぞれの屈曲変換器54は、それぞれの個々のピン28を駆動するように役立つ。各プリント基板モジュール50は、さらに、ドライバーチップ56、および同様に、幾つかの接触要素であって、ばね接点58として特に設計される、幾つかの接触要素を有する。プリント基板52の上側面に留められる、屈曲されスタンピングされたシートメタル部品が特に存在する。ばね接点58はそれぞれ、上方に突出するレジリエンス的に弾性のある(resiliently elastic)ブラケットを有する。これは、プリント基板52の上に存在するプリント基板52、または一番上のプリント基板52の場合、プリント基板52の上に存在するマスターボード38との自動接触を提供する。このため、個々のピン28用の通路60に加えて、モジュールハウジング12の上壁18は、さらなる通路62を有し、それにより、一番上のプリント基板52のばね接点58は、モジュールハウジング12の上側面を超えて突出する。ばね接点58は、上壁18上に存在するマスターボード38の下側と接触する。
【0046】
例証的な実施形態において、ばね接点58の全部で2つの群が形成され、ばね接点58の全部で2つの群は、横方向に観察されると、プリント基板52の対向縁に配置される。したがって、2つだけのさらなる通路62が上壁18内に形成される。
【0047】
全部で8つのばね接点が設けられる。これらは、特に、ドライバーチップ56用の供給電圧(例えば、5ボルト)、可撓性変換器54を駆動するための高電圧電源(通常、200ボルト)、ならびに同様に、クロック用の接点接続、入力データ信号用の接続、出力データ信号用の接続、および同様に、イネーブル接続、ならびに、1つまたは複数のグラウンド接続を提供する。
【0048】
個々のプリント基板52はそれぞれ、前端22のインサートウェル64に挿入される。挿入されると、ばね接点58の特別の構成は、複数の平面で配置された個々のプリント基板52が互いに自動的に接触することを保証する。信号、例えば、データ入力信号は、個々のプリント基板52を通り、再びマスターボード38に戻るようにループでルーティングされる。
【0049】
図3から特に見られるように、操作モジュール24は、前部分22に対向するモジュールハウジング12の端に形成される。操作モジュール24は、キャップ66として指定される、ワンピースのキャップ状ハウジングを有し、キャップ66は、個々のピン28および同様に操作ボタン34用の通路を有する。このキャップ66は、上からモジュールハウジング12上に設置される。このため、モジュールハウジング12は、例えば、2つの対向する横ウェブ68であって、その上に、キャップ66が上から設置され、したがって、固定される、2つの対向する横ウェブ68を有する。ピン28用の通路60は、2つの横ウェブ68の間に導入される。保持プレート70は、キャップ66と上壁18との間で、特に緩く同様に設置される。個々のピン28は、この保持プレート70を通して個々に誘導され、保持プレート70上に保持され、それにより、ピン28の群全体は、保持プレート70によって共に取り外され得る。ピン28は、特に少なくとも1つの方向においてフォームフィット係合によって留められる。このため、ピン28は、図3および図5から特に見られるように、ピン28の丸いヘッドにおいて幅広化部分を有する。
【符号の説明】
【0050】
2 ブライユ端子
4 モジュール
6 横方向
8 縦方向
10 垂直方向
12 モジュールハウジング
14 側壁
16 底部
18 上壁
20 受け取りカセット
22 前部分
24 操作モジュール
26 セル
28 ピン
30 行
32 列
34 作動ボタン
36 受け取り空間
38 マスターボード
40 クリップ
42 ねじ
44 プラグコネクタ
44a 接触ピン
44b 接触ソケット
46 接続ロッド
48 横通路
50 プリント基板モジュール
52 プリント基板
54 屈曲変換器
56 ドライバーチップ
58 ばね接点
60 通路
62 さらなる通路
64 インサートウェル
66 キャップ
68 横ウェブ
70 保持プレート
72 幅広化部分

図1
図2
図3
図4
図5