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特許7190480縁部が密閉されたパウチを製造するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】縁部が密閉されたパウチを製造するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/02 20060101AFI20221208BHJP
   B32B 37/14 20060101ALI20221208BHJP
   B32B 37/04 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
B65B9/02
B32B37/14 Z
B32B37/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020502132
(86)(22)【出願日】2018-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 DE2018000222
(87)【国際公開番号】W WO2019020139
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】102017006991.3
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】シューマン,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ボーム,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】グルーネンベルク,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】グリューネ,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ベー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュルター,アンナ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/023012(WO,A1)
【文献】特開平03-043372(JP,A)
【文献】特開2007-099313(JP,A)
【文献】特開2000-271164(JP,A)
【文献】特表2008-500242(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02340815(EP,A1)
【文献】特開平1-99906(JP,A)
【文献】特表2002-500140(JP,A)
【文献】特表2005-538906(JP,A)
【文献】特開平1-279006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00
B65D 77/00
B65D 77/00
B32B 37/00
A61F 13/00
A61F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層複合材を保存して縁部が密閉されたパウチを製造するための方法であって、
夫々のカバーフィルムによって覆われて少なくとも接着剤を含む基体が配置されているキャリアフィルムを有する積層複合材ウェブから個々の積層複合材を分離し、
一又は複数の中間体が前記基体の自由面を少なくとも部分的に囲むように、前記中間体を前記積層複合材ウェブ若しくは前記積層複合材に供給するか、又は前記積層複合材ウェブの前記キャリアフィルムに成形し、
前記積層複合材及び前記中間体の全てを2つの包装材料ウェブ間に導入し、
前記2つの包装材料ウェブを互いに密閉し、
縁部が密閉されたパウチを、密閉された包装材料ウェブから分離することを特徴とする方法。
【請求項2】
密閉を、第2の搬送装置によって搬送中に行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基体に対向する前記中間体の面は、前記基体に対向する前記キャリアフィルムの面の接着性と同一の接着性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カバーフィルムに標識を付すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に係る方法により、縁部が密閉されたパウチを製造するための装置であって、
キャリアフィルムと、前記キャリアフィルム上にありカバーフィルムを夫々有して少なくとも接着剤を含む基体とを有する積層複合材ウェブを、第1の搬送装置によって搬送することができ、
少なくとも1つの基体を夫々有している積層複合材を、第1の分離装置によって前記積層複合材ウェブから分離することができ、
前記積層複合材ウェブ又は積層複合材が中間体によって覆われ得るように、前記中間体を成形装置により前記キャリアフィルムに成形することができるか、又は前記装置が偏倚装置を備え、
前記中間体を含む前記積層複合材を、包装ステーションで2つの包装材料ウェブ間に導入することができ、
前記2つの包装材料ウェブを、密閉ステーションで前記積層複合材の投影領域の外側で互いに接合することができ、
接合された包装材料ウェブを、第2の搬送装置によって搬送することができ、
積層複合材が夫々充填されている縁部が密閉されたパウチを、第2の分離装置によって分離することができることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記第1の搬送装置は、前記成形装置と組み合わせられていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
標識付与ステーションを備えていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
請求項1に係る方法に従って製造された縁部が密閉されたパウチであって、
少なくとも1つの基体の厚さが、前記キャリアフィルムのキャリアフィルム部分の厚さの3倍と7倍との間の範囲内にあり、
前記キャリアフィルム部分は、部分的に重なり合う2つのキャリアフィルム部分セクションから構成されており、
前記縁部が密閉されたパウチは、4つの縁部が密閉されたパウチであることを特徴とする縁部が密閉されたパウチ。
【請求項9】
包装された積層複合材は、カバーフィルムを夫々有する少なくとも2つの基体を有していることを特徴とする請求項に記載の縁部が密閉されたパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層複合材を保存して縁部が密閉されたパウチを製造するための方法、この方法により、縁部が密閉されたパウチを製造するための装置、及びこの方法に従って製造された縁部が密閉されたパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第3921434 号明細書には、縁部が密閉されたパウチが開示されている。長期に亘る保存中、基体が包装材料に付着することを防ぐために、スタッド又はリングが、基体を囲むキャリアフィルムの領域に押し付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、縁部が密閉されたパウチを自動的に製造するための方法及び装置、並びにこのように製造された縁部が密閉されたパウチを開発する課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を主請求項の特徴で解決している。このために、夫々のカバーフィルムによって覆われている基体が配置されているキャリアフィルムを有する積層複合材ウェブから積層複合材を分離する。
【0005】
一又は複数の中間体が基体の自由面の全てを少なくとも部分的に囲むように、中間体を積層複合材ウェブ若しくは積層複合材に供給するか、又はキャリアフィルムに成形する。積層複合材及び中間体の全てを2つの包装材料ウェブ間に導入する。包装材料ウェブを互いに密閉する。最後に、縁部が密閉されたパウチを分離する。
【0006】
装置では、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上にありカバーフィルムを夫々有して少なくとも接着剤を含む基体とを有する積層複合材ウェブを、第1の搬送装置によって搬送することができる。少なくとも1つの基体を夫々有している積層複合材を、第1の分離装置によって積層複合材ウェブから分離することができる。中間体を成形装置によりキャリアフィルムに成形することができるか、又は装置が偏倚装置を備え、従って、積層複合材ウェブ又は積層複合材が中間体を用いて重ね合わされ得る。中間体を含む積層複合材を、包装ステーションで2つの包装材料ウェブ間に導入することができる。2つの包装材料ウェブを、密閉ステーションで積層複合材の投影領域の外側で互いに接合することができる。接合された包装材料ウェブを、第2の搬送装置によって搬送することができる。更に、積層複合材が夫々充填されている縁部が密閉されたパウチを、第2の分離装置によって分離することができる。
【0007】
縁部が密閉されたパウチは少なくとも1つの基体を含んでおり、少なくとも1つの基体の厚さが、キャリアフィルムのキャリアフィルム部分の厚さの3倍と7倍との間の範囲内にある。キャリアフィルム部分は、部分的に重なり合う2つのキャリアフィルム部分セクションから構成されている。更に、縁部が密閉されたパウチは、4つの縁部が密閉されたパウチである。
【0008】
下記の例示的な実施形態では、例えば冷流により基体が包装材料に付着することを、接着剤を含む厚い基体の場合にも防止する方法及び装置が記載されている。従って、ユーザは、使用直前に、縁部が密閉されたパウチから基体を含む積層複合材を容易に取り出すことができる。
【0009】
縁部が密閉されたパウチの製造中、裂け、穿孔、又は積層複合材の一部である使用されるフィルムへのその他の損傷が防止される。従って、厚い基体を有する積層複合材を確実に再現可能に製造すること、及び厚い基体を有する積層複合材を容易に取り出すことの両方が保証される。
【0010】
本発明の更なる詳細は、従属請求項、及び概略的に示された例示的な実施形態の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図2図1からの包装される材料を準備する工程を示す図である。
図3】冷間成形装置の部分的なセクションを示す図である。
図4図1からの包装される材料を示す部分的な縦断面図である。
図5図1からの包装される材料を示す図である。
図6図1からの包装ユニットを示す部分的な縦断面図である。
図7】第2の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図8図7からの包装される材料を準備する工程を示す図である。
図9図7からの包装される材料を示す部分的な縦断面図である。
図10図7からの包装ユニットを示す部分的な縦断面図である。
図11】第3の例示的な実施形態に係る包装される材料を準備する工程を示す図である。
図12】第4の例示的な実施形態に係る包装される材料を準備する工程を示す図である。
図13図12からの例示的な実施形態に係る包装される材料を示す図である。
図14図11からの例示的な実施形態の変形例を示す図である。
図15図12からの例示的な実施形態の変形例を示す図である。
図16図14及び図15に係る包装ユニットを示す部分的な縦断面図である。
図17】第5の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図18図17に係る包装ユニットを示す部分的な縦断面図である。
図19】経皮治療システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、接着剤を含む基体(130) を縁部が密閉されたパウチ(160) 内に包装するための装置(10)を概略的に示す。接着剤を含む基体(130) は、例えば、解放ライナと称されるキャリアフィルム(110) 上の幅方向(6) の中心にある。幅方向(6) では、キャリアフィルム(110) は個々の基体(130) より幅広い。キャリアフィルム(110) は、第1の搬送装置(40)によって搬送方向(5) に周期的に基体(130) と共に運ばれる。
【0013】
接着剤を含む個々の基体(130) は作用物質を更に含むことができる。例えば、接着剤を含む基体は経皮治療システムとして設計され得る。例示的な実施形態では(図19参照)、基体(130) の形状は円筒状であり、基体の端面(131) は、キャリアフィルム(110) にある基面を形成している。基体(130) の高さ、つまり基体(130) の厚さは、例えば50マイクロメートルと700 マイクロメートルとの間の範囲内にあり、例えば300 マイクロメートルと500 マイクロメートルとの間の範囲内にある。基体(130) は例えば均質的に形成されている。基体(130) は、例えば、キャリアフィルム(110) の表面(111) の使用部分に関して1平方メートル当たり400 グラムの特定の質量を有している。
【0014】
基体(130) は更に楕円体、直方体、立方体、角柱などの形状を有し得る。例えば、例示的な実施形態の全てで、キャリアフィルム(110) に対向する端面(131) 及びキャリアフィルム(110) から離れる方向を向いた端面(132) (図4参照)は互いに平行に互いに合同に形成されている。
【0015】
キャリアフィルム(110) (図2参照)は、例えば部分的に重なり合う2つのキャリアフィルムセクション(112, 113)から構成されている。重なり部分(121) は、例えばキャリアフィルム(110) の垂直中心縦断面に対して対称的に設けられている。幅方向(6) において、重なり部分(121) の幅は、例えばキャリアフィルム(110) の幅の5%と30%との間の範囲内にある。キャリアフィルム(110) の長手方向は搬送方向(5) に向いている。キャリアフィルムセクション(112, 113)の厚さは、例えば100 マイクロメートルである。例示的な実施形態では、キャリアフィルムセクションはポリエチレンテレフタレート(PET) から製造されている。キャリアフィルムセクションは非接着性であるように構成され得る。例えば、少なくとも基体(130) に対向する表面(111) はシリコーン処理されている。
【0016】
バッキング層と称されるカバーフィルム(136) が、キャリアフィルム(110) から離れる方向を向いた基体(130) の端面(132) 上に全領域に亘って配置されている。例えば、カバーフィルム(136) は基体(130) に接着している。キャリアフィルム(110) に標準投影で投影されるカバーフィルムの表面(137) は端面(132) の領域に対応し、従って、カバーフィルム(136) は基体(130) を越えて突出しない。例示的な実施形態では、カバーフィルム(136) はキャリアフィルム(110) の材料と同一の材料から構成されている。カバーフィルム(136) の厚さは例えば23マイクロメートルである。
【0017】
キャリアフィルム(110) 又はカバーフィルム(136) に接しない基体(130) の表面は全て自由面(133) である。この例示的な実施形態で示された基体(130) は自由面(133) を有している。この自由面は円筒の外側面である。
【0018】
カバーフィルム(136) を夫々有している基体(130) が配置されているキャリアフィルム(110) は積層複合材ウェブ(140) を形成している。前記積層複合材ウェブ(140) が搬送方向(5) に搬送されるとき、キャリアフィルム(110) は、搬送装置(40)の運搬あご部材(41)によって把持されて搬送される。運搬あご部材(41)が解除方向(42)に解除された後、キャリアフィルム(110) は静止している。運搬あご部材(41)は開始位置に戻される。ここで、運搬あご部材(41)はキャリアフィルム(110) を再度把持する。搬送装置(40)の搬送ストロークは、例えばキャリアフィルム(110) 上の2つの基体(130) の中心距離に相当する。複数回使用され得る装置(10)の場合、搬送ストロークは前記距離の複数倍になり得る。キャリアフィルム(110) に垂直な運搬あご部材(41)のストローク高は、例えば基体(130) 及びカバーフィルム(136) の高さの合計より大きい。搬送装置(40)のストローク頻度は、例えば1時間当たり5500~6000ストロークである。
【0019】
図1及び図2の例示では、エンボス加工装置(30)の構造形態の成形装置(30)が搬送装置(40)の上流側に連結されている。前記エンボス加工装置(30)は押込組立体(31)を有しており、押込組立体(31)は、例えばキャリアフィルム(110) に垂直な方向に互いに対して接近又は離間する方向に共に移動可能な8つの押込具(32)及びダイ(34)を有している。ダイ(34)は、同一に構成されて例えばピッチ円に沿って配置されている凹部(35)を有している。前記凹部は夫々例えば円錐の形状を有しており、円錐の母線は、例えばダイ(34)の基面(36)と接線方向に一体になる。円錐状先端部(37)が球状部分の形状に構成されている。基面(36)の面にある円錐状基部の直径は、例えば凹部(35)の深さの半分より大きい。押込具(32)は凹部に相似して形成されている。
【0020】
押込組立体(31)及びダイ(34)が共に移動するとき、キャリアフィルム(110) は、押込具(32)によってダイ(34)の凹部(35)に押し込まれる。キャリアフィルム(110) はこのとき局所的に塑性変形し、従って、エンボス加工装置(30)の戻りストロークで、突起(114) がキャリアフィルム(110) に残る。この場合、キャリアフィルム(110) の最大伸び率は、破断伸び率より小さい。例えば円錐形の前記突起(114) の高さは、基体(130) 及びカバーフィルム(136) の厚さの合計より高い。例えば、基体(130) の外側面(133) を囲む8つの突起(114) は、各エンボス加工ストローク中に製造される。このように製造された突起の円(115) は例えば均一に区分されている。一又は複数の突起(114) がキャリアフィルムセクション(112, 113)の重なり部分に成形されるように、突起の円(115) は構成され得る。
【0021】
図3は、更なる成形装置(30)の部分的なセクションを示す。ダイ(34)の個々の凹部(35)は円筒状に形成されている。前記凹部の直径は例えば運搬フィルム(110) の厚さの30倍である。基面(36)への移行部分で、凹部(35)は丸みを帯びるように形成されている。
【0022】
個々の押込具(32)は夫々円筒状に同様に形成されている。押込具は丸みを帯びた周縁部を有している。押込具の直径は例えば凹部の直径の半分である。直径のこの比は0.375 と0.75との間の範囲内にあり得る。記載された最小値より低い比では、キャリアフィルム(110) は伸びる傾向がある。記載された最大値を超過する場合、突起(114) が引き剥がされる危険性がある。
【0023】
記載された実施形態では、突起(114) を成形するために冷間成形法が使用される。この場合、熱作用による基体(130) への損傷が回避される。更に、冷間成形が使用される場合、突起(114) は成形装置(30)の戻りストローク後に僅かなスプリングバックしか有さない。
【0024】
搬送装置(40)が静止している間に成形装置(30)は起動可能である。しかしながら、搬送ストローク中に成形作業を実行することが更に考えられる。この場合、成形装置(30)は搬送方向(5) 及び搬送方向(5) の反対方向に移動可能である。成形装置(30)は、この場合、搬送装置(40)に結合可能である。成形装置(30)を搬送装置(40)に一体化することが更に考えられる。このタイプの装置は、一体化された搬送成形工具を有する。運搬あご部材(41)が閉じているときに突起(114) が形成される。ここで、工具が閉じる速度は、例えば調整可能である。従って、キャリアフィルム(110) が裂けることを防止することが可能である。搬送中、基体(130) が配置されたキャリアフィルム(110) は異なる弾性の領域を有さない。従って、キャリアフィルム(110) は滑ることなく搬送され得る。
【0025】
搬送装置(40)が成形装置(30)の下流側に配置されている場合、運搬あご部材(41)は、突起(114) の周囲で係合するように構成されている。例えば、運搬あご部材(41)の内輪郭は中空円筒の一部の形状を有する。成形装置(30)及び搬送装置(40)の両方は、複数回使用されるように構成され得る。
【0026】
キャリアフィルム(110) は、搬送装置(40)によって分離装置(50)に更に運搬される。分離装置(50)は、横断切断ナイフ(51)を含む横断切断装置を有している。横断切断ナイフ(51)の幅方向(6) の幅はキャリアフィルム(110) の幅より大きい。
【0027】
分離装置(50)が作動すると、キャリアフィルム(110) は完全に切断される。処理中、個々の積層複合材(141) が製造される。図4及び図5は、このタイプの積層複合材(141) を部分的な縦断面等角図及び等角図で夫々示す。前記積層複合材は、キャリアフィルム部分(116) 、基体(130) 及びカバーフィルム(136) を有している。この例示的な実施形態では、(ここでは底部に示されている)キャリアフィルム部分(116) は、部分的に重なり合って突起(114) が成形されている2つのキャリアフィルム部分セクション(117, 118)から構成されている。この例示的な実施形態では、積層複合材(141) の幅に対する重なり部分(121) の比は、キャリアフィルム(110) の幅に対する重なり部分(121) の幅の比に相当する。突起(114) は基体(130) の自由面(133) を囲んでいる。カバーフィルム(136) は基体(130) に付着している。
【0028】
このように分離された積層複合材(141) は、次の包装ステーション(60)で包装される。下側包装材料ウェブ(61)及び上側包装材料ウェブ(62)が包装ステーション(60)に供給される。包装される材料(141) 、つまり積層複合材(141) は前記2つの包装材料ウェブ(61, 62)間に供給される。積層複合材(141) は、供給された後、キャリアフィルム部分(116) と共に下側包装材料ウェブ(61)上に位置する。上側包装材料ウェブ(62)はカバーフィルム(136) 及び突起(114) 上に位置する。キャリアフィルム部分(116) の外側で、上側包装材料ウェブ(62)は下側包装材料ウェブ(61)上に位置する。例示的な実施形態では、包装材料ウェブ(61, 62)を搬送する第2の搬送装置(90)の運搬方向(7) は、第1の搬送装置(40)の搬送方向(5) と同一である。第2の搬送装置(90)は更に非連続コンベヤである。
【0029】
下流側の密閉ステーション(80)では、上側包装材料ウェブ(62)及び下側包装材料ウェブ(61)は互いに密閉される。例えば、2つの包装材料ウェブ(61, 62)は、積層複合材(141) を囲む4つの全ての縁部で互いに溶接される。従って、このように製造された密閉シーム(161) は、包装材料ウェブ(61, 62)に標準投影で投影される積層複合材(141) の表面を囲んでいる。2つの密閉シーム(161) は、いずれの場合にも2つの埋め込まれた積層複合材(141) 間に設けられている。前記密閉シーム(161) は互いに接触し得るか、又は互いから僅かな距離を隔てて設けられ得る。
【0030】
例示的な実施形態では、密閉ステーション(80)は、更に第2の搬送装置(90)として構成されている。従って、積層複合材(141) が埋め込まれた包装材料ウェブ(61, 62)の搬送を、包装材料ウェブ(61, 62)の密閉中に行う。ここで密閉具(81)は運搬あご部材としての機能を果たす。搬送ストローク後、密閉具(81)は開放され、密閉装置(80)は、搬送するために開始位置に再度戻される。
【0031】
搬送装置(90)及び密閉ステーション(80)を、材料の流れで互いに離れているように配置することが更に考えられる。例えば、この場合、搬送装置(90)は密閉ステーション(80)の下流側に配置されている。そのため、包装材料ウェブ(61, 62)の密閉を、搬送中、又は第2の搬送装置(90)が静止している間に行うことができる。
【0032】
互いに密閉されて積層複合材(141) が埋め込まれている包装材料ウェブ(61, 62)は第2の分離装置(100) に搬送される。第2の分離装置(100) は、例えば第1の分離装置(50)と同様に構成されている。第2の分離装置(100) が作動するとき、第2の分離装置(100) は、隣り合う2つの密閉シーム(161) 間で2つの包装材料ウェブ(61, 62)を切断する。従って、積層複合材(141) を夫々含む縁部が密閉されたパウチ(160) が分離される。縁部が密閉された個々のパウチ(160) は、4つの密閉シーム(161) によって互いに夫々接合された下側包装材料(162) 及び上側包装材料(163) を有している。
【0033】
図6は、このタイプの縁部が密閉されたパウチ(160) の部分的な縦断面を等角図で示す。基体(130) の厚さは、キャリアフィルム部分(116) の3倍と7倍との間の範囲内にある。接着剤を含む基体(130) の端面(132) にカバーフィルム(136) が配置されている基体(130) はキャリアフィルム部分(116) に付着している。ここで、中間体(165) としての突起(114) は基体(130) の自由面(133) を囲んでおり、従って、包装材料ウェブ(61, 62)の内の一方が基体(130) に接触することが防止される。
【0034】
基体(130) を使用するために、ユーザは縁部が密閉されたパウチ(160) を破って開ける。縁部が密閉されたパウチ(160) は、このために所定の破断点を有し得る。そのため、ユーザは積層複合材(141) を容易に取り出すことができる。基体(130) は包装材料(162, 163)に接触しない。そのため、ユーザは基体(130) からキャリアフィルム部分セクション(117, 118)を引き剥がして、基体(130) を基体(130) の端面(131) で、例えば皮膚に置くことができる。
【0035】
温度変動、湿気変動又は加圧により基体(130) が幾何学的に変形すると、基体(130) は、例えば保存中、突起(114) の領域に変形し得る。このような場合でも、突起(114) のサイズ、強度及び配置により、基体(130) が包装材料(162, 163)と接触することが防止される。従って、積層複合材(141) は全ての場合で安全に取り出され得る。
【0036】
図7~10は、接着剤を含む基体(130) を包装するための第2の例示的な実施形態を示す。キャリアフィルム(110) 、基体(130) 及びカバーフィルム(136) は、まず第1の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成及び配置される。保護フィルム(150) が、偏倚ローラ(23)によって偏倚装置(20)上の積層複合材ウェブ(140) に供給される。前記保護フィルムは、例えばキャリアフィルム(110) の材料と同一の材料から製造されている。保護フィルムは、基体(130) に対向する側でシリコーン処理されることができ、基体(130) から離れる方向を向いた側でシリコーン処理されないように構成されることができる。例示的な実施形態では、保護フィルム(150) は幅方向(6) において、基体(130) の直径、基体(130) の厚さの2倍及びカバーフィルム(136) の厚さの2倍の合計より幅広い。図8~10の例示では、保護フィルム(150) は幅方向(6) においてキャリアフィルム(110) より狭いように構成されているので、キャリアフィルム(110) は、運搬ウェブ(119) と共に保護フィルム(150) を越えて両側に突出している。運搬ウェブ(119) は例えば両側に同一の幅を有しており、保護フィルム(150) は、基体(130) の中心長手方向に対して対称的に置かれている。従って、関連付けられたカバーフィルム(136) を含む個々の基体(130) は、保護フィルム(150) が基体(130) 上に置かれた後、全ての側で覆われている。図8では、積層複合材ウェブ(140) 上の保護フィルム(150) の膨らみが破線として示されている。
【0037】
この例示的な実施形態では、第1の搬送装置(40)は、第1の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成されている。搬送装置(40)は、上述したように構成されている第1の分離装置(50)にキャリアフィルム(110) を搬送する。第1の分離装置(50)が作動すると、第1の分離装置(50)上にあるキャリアフィルム(110) 及び保護フィルム(150) は切断される。このようにして分離された積層複合材(141) は、いずれの場合にも夫々の保護フィルム部分(151) によって覆われている。
【0038】
図9は、キャリアフィルム(110) の垂直中心縦断面に沿った部分的な垂直縦断面図で分離後のこの中間生成物を示す。2つのキャリアフィルム部分セクション(117, 118)は幅方向(6) に部分的な領域で重なり合っている。積層複合材(141) の幅に対する重なり部分(121) の幅の比は、第1の例示的な実施形態に関連して記載されている比に相当する。基体(130) は、キャリアフィルム部分(116) 上の中心にあり、前記基体の端面(132) はカバーフィルム(136) によって覆われている。保護フィルム部分(151) は、カバーフィルム(136) 及び運搬フィルム部分(116) 上にある。
【0039】
次の包装ステーション(60)では、前記中間生成物が下側包装材料ウェブ(61)と上側包装材料ウェブ(62)との間に導入される。処理中、2つの包装材料ウェブ(61, 62)は運搬方向(7) に、キャリアフィルム部分(116) の上流側及びキャリアフィルム部分(116) の下流側、並びにキャリアフィルム部分(116) の側部に対する幅方向(6) の両側で接触する。
【0040】
密閉ステーション(80)が、この例示的な実施形態で第2の搬送装置(90)としても構成されている。搬送中、密閉シーム(161) が、下側包装材料ウェブ(61)及び上側包装材料ウェブ(62)が接しているゾーンに導入される。密閉ステーション(80)は更に第2の搬送装置(90)から空間的に離れて配置され得る。
【0041】
積層複合材(141) 及び保護フィルム部分(151) が埋め込まれている互いに密閉された包装材料ウェブ(61, 62)は第2の分離装置(100) に搬送される。全ての側で閉じられて縁部が密閉されたパウチ(160) が第2の分離装置(100) によって分離される。
【0042】
図10は、このタイプの縁部が密閉されたパウチ(160) の部分的な縦断面を示す。上側包装材料ウェブ(62)及び下側包装材料ウェブ(61)は、4つの縁部が密閉されたパウチ(160) の周囲の密閉シーム(161) で互いに連結されている。運搬フィルム部分(116) は、基体(130) 、カバーフィルム(136) 及び保護フィルム部分(151) と共に2つの包装材料ウェブ(61, 62)間に包まれている。ここで保護フィルム部分(151) は、基体(130) の自由面(133)と包装材料ウェブ(61, 62)との間にある中間体(165) を形成している。基体(130) に対向する中間体(165) の表面(166) は、基体(130) に対向するキャリアフィルム(110) の表面(111) の接着性と同一の接着性を有する。従って、環境条件が変わる場合であっても、基体(130) が包装材料(162, 163)に接着する危険性がない。
【0043】
縁部が密閉されたパウチ(160) の開封及び基体(130) の使用を上述したように行う。縁部が密閉されたパウチ(160) から基体(130) を取り出した後、保護フィルム部分(151) を例えば容易に残留物無しで外すことができる。
【0044】
図11は、包装される基体(130) を準備するための更なる例示的な実施形態を示す。キャリアフィルム(110) の幅は、例えば、上述したキャリアフィルム(110) の幅の2倍である。この場合、図11の例示では左側に示されているキャリアフィルムセクション(112) の大きさは、例えば、上述した例示的な実施形態で記載されたキャリアフィルムセクション(112) の大きさと同一である。
【0045】
この例示的な実施形態では、図11の右側に示されているキャリアフィルムセクション(113) の幅は、左側のキャリアフィルムセクション(112) の幅の3倍である。2つのキャリアフィルムセクション(112, 113)の重なり部分(121) は、他の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成されている。カバーフィルム(136) を有する基体(130) は重なり部分(121) にある。
【0046】
転向装置(20)の構造形態の偏倚装置(20)が、搬送方向(5) に向いた材料流れ方向(5) に第1の搬送装置(40)の上流側に配置されている。前記転向装置(20)は、キャリアフィルム(110) が位置する案内面(21)を有している。前記案内面(21)は、例えば搬送方向(5) に15度の角度を成す弧状部分(22)を有している。弧状部分(22)は180 度の角度に対応している。従って、搬送中に案内面(21)に沿って摺動するキャリアフィルム(110) はある領域で偏倚するため、キャリアフィルム(110) の外側領域(122) はカバーフィルム(136) 上に置かれる。従って、基体(130) は、実質的にはキャリアフィルム(110) によって包まれる。
【0047】
今や、例えば2層のキャリアフィルム(110) は、第1の搬送装置(40)によって搬送方向(5) に周期的に運搬される。搬送装置(40)は、この場合、例えば第1及び第2の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成されている。
【0048】
第1の分離装置(50)は、その後、包装ステーション(60)に移される積層複合材(141) を分離するために使用される。積層複合材(141) の幅、及び前記幅に対する重なり部分(121) の比は、先の例示的な実施形態における幅及び比に相当する。包装される材料は、その後、例えば互いに溶接される2つの包装材料ウェブ(61, 62)間に包装ステーション(60)で導かれる。その後、縁部が密閉されたパウチ(160) が分離される。分離装置(50, 100) 、包装ステーション(60)及び密閉ステーション(80)は、例えば先の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成されている。
【0049】
縁部が密閉されたパウチ(160) では、キャリアフィルム部分(116) の、基体(130) 及びカバーフィルム(136) 上にある部分が、基体(130) の自由面(133) を囲む中間体(165) を形成している。中間体(165) は、包装材料(61, 62)と基体(130) との接触を防止する。
【0050】
縁部が密閉されたパウチ(160) から基体(130) を取り出すと、前記基体は、初めキャリアフィルム部分(116) に囲まれたままである。従って、キャリアフィルム部分(116) は意図せず外れ得ない。キャリアフィルム部分セクション(117, 118)が重なり部分(121) の領域で引き離されると、基体(130) が露出して使用することができ、例えば皮膚に付着され得る。
【0051】
図12及び13は更なる変形例を示す。カバーフィルム(136) を夫々有する基体(130) が位置する2つの部分を有するキャリアフィルム(110) は、まず第1及び第2の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成される。
【0052】
第1の搬送装置(40)を通過する前に保護フィルム(150) を供給する。保護フィルム(150) の供給を、第2の例示的な実施形態に関連して記載されているように行う。図12及び13の例示的な実施形態では、保護フィルム(150) の幅方向(6) の幅は、キャリアフィルム(110) の幅方向(6) の幅に相当する。
【0053】
接合装置(25)が、偏倚ローラ(23)と搬送装置(40)との間の一方の側に配置されている。前記接合装置は、進行方向(28)及び反対方向に互いに垂直に移動可能な上側ダイ(27)及び下側ダイ(26)を有している。接合具(26, 27)が閉じている位置では、キャリアフィルム(110) 及び保護フィルム(150) は互いに接合され、例えば互いに溶接される。この連結で使用される接合法として、例えば超音波溶接、回転摩擦溶接、発熱体溶接、レーザ溶接などを挙げることができる。互いに対するフィルムの折り重ね若しくはエンボス加工、又はシリコーン接着剤による接着結合が更に考えられる。搬送方向(5) に向いた接合シーム(29)の長さは、例えばキャリアフィルム(110) 上の基体(130) の区分部分に対応する。搬送装置(40)が静止している間、又は搬送中に接合を行うことができる。搬送中の場合、接合装置(25)は搬送方向(5) 及び搬送方向(5) の反対方向に移動可能である。
【0054】
積層複合材(141) の分離を、先の例示的な実施形態に関連して記載されているように行う。このように製造された積層複合材(141) が図13に示されている。縁部がここでは破線によって隠線として示されている基体(130) は、キャリアフィルム(110) と保護フィルム(150) との間に完全に覆われて配置されている。
【0055】
積層複合材(141) の包装を、第2の例示的な実施形態に関連して記載されているように行う。縁部が密閉されたパウチ(160) では、保護フィルム(150) は、基体(130) が包装材料ウェブ(61, 62)に接着するのを防ぐ中間体(165) を形成する。縁部が密閉されたパウチ(160) から基体(130) を取り出すと、基体(130) に固定されているキャリアフィルム部分(116) 及び保護フィルム部分(151) も取り出される。前記フィルム部分(116, 151)は包装材料(162, 163)に接着しないため、容易な取り出しが保証される。基体(130) を使用する前に、運搬フィルム部分(116) 及び保護フィルム部分(151) を引き剥がす。その後、基体(130) を使用することができる。
【0056】
この方法は、複数回に亘って使用する場合にも使用され得る。この場合、例えば、互いに平行な複数の積層複合材(141) を製造して、縁部が密閉されたパウチ(160) に包装する。
【0057】
図14は、図11に示されている例示的な実施形態の変形例を示す。カバーフィルム(136) は、例えば基体(130) のロットを識別するラベル(138) を有している。各基体(130) の個々の識別マークが更に考えられる。このラベル(138) は、例えば、カバーフィルム(136) を有する基体(130) を設けた後の工程順序でキャリアフィルム(110) に付与される。
【0058】
キャリアフィルム(110) の外側領域(122) は開口部(123) を有しており、開口部の区分はキャリアフィルム(110) 上の基体(130) の区分に相当する。開口部は、基体(130) の垂直中心縦断面に平行に設けられている。夫々の開口部(123) は幅方向(6) に基体(130) に隣り合って配置されている。開口部(123) の直径は、カバーフィルム(136) の直径より小さい。
【0059】
偏倚装置(20)では、開口部(123) がいずれの場合にもカバーフィルム(136) 上にあるように、キャリアフィルム(110) の外側領域(122) を偏倚させる。従って、ラベル(138) は、基体(130) の上側にある、キャリアフィルム(110) の外側領域(122) を通して可視であり判読することができる。
【0060】
積層複合材(141) の分離及び包装を、図11の例示的な実施形態に関連して記載されているように行う。縁部が密閉されたパウチ(160) では、この例示的な実施形態の外側領域(122) は、基体(130) の自由面(133) が包装材料(162, 163)に付着するのを防止する中間体(165) を更に形成している。
【0061】
縁部が密閉されたパウチ(160) からの取り出し中、ユーザは、基体(130) が包まれているキャリアフィルム部分(116) を取り出す。基体(130) が露出する前であっても、ユーザは、開口部(123) を通してカバーフィルム(136) のラベル(138) 、例えば製造日又は使用期限を判読可能である。キャリアフィルム(110) からの基体(130) の解放を上述したように行う。
【0062】
この方法では、包装直前に識別マーク(138) を付与することが更に考えられる。この場合、ラベル(138) は、例えばサーマルプリンタによって開口部(123) を通してカバーフィルム(136) 上に付与される。
【0063】
図15及び図16は、図12及び図13に示されている例示的な実施形態の変形例を示す。これらの図では、開口部(123) は、カバーフィルム(136) を夫々有する基体(130) 上に偏倚ローラ(23)で置かれる保護フィルム(150) に配置されている。この例示的な実施形態でも、カバーフィルム(136) はラベル(138) 又は識別マーク(138) を有している。
【0064】
キャリアフィルム(110) への保護フィルム(150) の結合、積層複合材(141) の分離、包装、密閉、及び縁部が密閉されたパウチ(160) の分離を、図12及び図13の例示的な実施形態に関連して記載されているように行う。
【0065】
図16は、この方法によって製造された縁部が密閉されたパウチ(160) の部分的な縦断面を示す。保護フィルム(150) は、基体(130) の自由面(133) と包装材料(162, 163)との間にあるため、縁部が密閉されたパウチ(160) への基体(130) の付着が防止される。透明な包装材料(162, 163)の場合、カバーフィルム(136) のラベル(138) は包装材料(162, 163)を通して判読可能である。ラベルは、例えば自動選別中に使用され得る。
【0066】
縁部が密閉されたパウチ(160) を開けた後、例えば破って開けた後、ユーザは、キャリアフィルム部分(116) 及び保護フィルム部分(151) によって更に包装されている基体(130) を取り出す。基体(130) が取り出される前であっても、識別マーク(138) をチェックすることができる。例えば開封時間、使用時間などの更なる識別マークを更に付与することができる。
【0067】
図17及び図18は更なる例示的な実施形態を示す。基体(130) は、例えば、図1~10に示されている例示的な実施形態に関連して記載されているように、キャリアフィルム(110) 上の中心にある。第1の搬送装置(40)によって、カバーフィルム(136) を有する基体(130) が接着されているキャリアフィルム(110) が、搬送方向(5) に分離装置(50)に運搬される。分離装置(50)では、積層複合材(141) が分離される。積層複合材(141) は、運搬フィルム部分(116) 、運搬フィルム部分(116) に付着している基体(130) 、及び基体(130) に付着しているカバーフィルム(136) を有している。
【0068】
この例示的な実施形態でも、包装のために下側包装材料ウェブ(61)及び上側包装材料ウェブ(62)を使用する。図17の例示では、供給ステーション(70)が上側包装材料ウェブ(62)の上側に配置されている。前記供給ステーション(70)では、保護フィルム部分(151) がキャリアウェブ(71)から上側包装材料ウェブ(62)に供給される。個々の保護フィルム部分(151) は、例えば、上側包装材料ウェブ(62)に対向する表面(152) が上側包装材料ウェブ(62)に接着するように構成されている。上側包装材料ウェブ(62)から離れる方向を向いた表面は、少なくとも接着剤を含む基体(130) に関して非接着性であるように構成されている。個々の保護フィルム部分(151) の長さは、例えばキャリアフィルム部分(116) の長さに相当する。
【0069】
保護フィルム部分(151) が接着している上側包装材料ウェブ(62)及び下側包装材料ウェブ(61)は、包装ステーション(60)で積層複合材(141) の周りに置かれる。そのため、積層複合材(141) は下側包装材料ウェブ(61)上に位置する。保護フィルム部分(151) は、基体(130) と共にキャリアフィルム部分(116) と重なり合っている。上側包装材料ウェブ(62)及び下側包装材料ウェブ(61)は、キャリアフィルム部分(116) の上流側及び下流側で第2の搬送方向(7) に縁部領域で互いに接触して載置される。
【0070】
搬送密閉ステーション(80, 90)が、運搬方向(7) に包装ステーション(60)の下流側に配置されている。前記搬送密閉ステーションは、2つの第1の例示的な実施形態に関連して記載されているように構成されている。個々の閉じられて縁部が密閉されたパウチ(160) は、第2の分離装置(100) によって分離される。
【0071】
図18は、このタイプの縁部が密閉されたパウチ(160) を部分的な等角縦断面で示す。積層複合材(141) は下側包装材料ウェブ(61)上に位置する。保護フィルム部分(151) が接着している上側包装材料ウェブ(62)は積層複合材(141) 上にある。この例示的な実施形態では、前記保護フィルム部分(151) は、基体(130) の自由面(133) と包装材料(162, 163)との接触を防止する中間体(165) を形成している。
【0072】
縁部が密閉されたパウチ(160) が破って開けられた後、積層複合材(141) が取り出される。保護フィルム部分(151) は、縁部が密閉されたパウチ(160) 内に残っている。キャリアフィルム部分(116) が引き剥がされた後、基体(130) は、例えば皮膚に付着され得る。
【0073】
述べられた例示的な実施形態の組み合わせが更に考えられる。
【符号の説明】
【0074】
5 搬送方向、第1の搬送方向、材料流れ方向
6 幅方向
7 運搬方向、第2の搬送方向
10 包装するための装置
20 転向装置、偏倚装置
21 案内面
22 弧状部分
23 偏倚ローラ
25 接合装置
26 下側ダイ
27 上側ダイ
28 進行方向
29 接合シーム
30 成形装置、エンボス加工装置
31 押込組立体
32 押込具
34 ダイ
35 凹部
36 基面
37 円錐状先端部
40 搬送装置、第1の搬送装置
41 運搬あご部材
42 解除方向
50 分離装置、第1の分離装置
51 横断切断ナイフ
60 包装ステーション
61 下側包装材料ウェブ
62 上側包装材料ウェブ
70 供給ステーション
71 キャリアウェブ
80 密閉ステーション
81 密閉具
90 第2の搬送装置
100 分離装置、第2の分離装置
110 キャリアフィルム、解放ライナ、運搬フィルム
111 (110)の表面
112 キャリアフィルムセクション
113 キャリアフィルムセクション
114 突起
115 突起の円
116 キャリアフィルム部分、運搬フィルム部分
117 キャリアフィルム部分セクション
118 キャリアフィルム部分セクション
119 運搬ウェブ
121 重なり部分
122 (110)の外側領域
123 開口部
130 基体
131 端面
132 端面
133 (130)の自由面、(130)の外側面
136 カバーフィルム、バッキング層
137 (136)の表面
138 ラベル、識別マーク
140 積層複合材ウェブ
141 積層複合材、包装される材料
150 保護フィルム
151 保護フィルム部分
152 (151)の表面
160 縁部が密閉されたパウチ、4つの縁部が密閉されたパウチ
161 密閉シーム
162 下側包装材料
163 上側包装材料
165 中間体
166 (165)の表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19