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特許7190494新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体およびこれらの用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体およびこれらの用途
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/073 20060101AFI20221208BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
C07H19/073
A61P31/16
A61P31/18
A61P31/14
A61P31/20
A61K31/7068
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020540631
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 KR2019001036
(87)【国際公開番号】W WO2019147050
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2018-0009009
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516017994
【氏名又は名称】エスティー ファーム カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】231,Hyeomnyeok-ro,Siheung-si,Gyeonggi-do,15086 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミヘイン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウキル
(72)【発明者】
【氏名】コ,ユンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ファジョン
(72)【発明者】
【氏名】バン,ヒョンテ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジンス
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジヘ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イェジン
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-072486(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105001291(CN,A)
【文献】国際公開第2017/158621(WO,A1)
【文献】特表2016-515545(JP,A)
【文献】国際公開第2015/134334(WO,A1)
【文献】特表2004-513083(JP,A)
【文献】ZHANG, D. et al.,Tetrahedron Letters,2008年,Vol. 49,pp. 2052-2055
【文献】WADA, T. et al.,European Journal of Organic Chemistry,2001年,pp. 4583-4593
【文献】PLUSKOTA-KARWATKA, D. et al.,Chemical Research in Toxicology,2006年,Vol. 19,pp. 921-926
【文献】WALLIS, M. P. et al.,Tetrahedron Letters,1995年,Vol. 36,pp. 3759-3762
【文献】YAMADA, K. et al.,Organic & Biomolecular Chemistry,2014年,Vol. 12,pp. 2255-2262
【文献】AKULA, H. K. et al.,Organic & Biomolecular Chemistry,2017年,Vol. 15,pp. 1130-1139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩:
[化学式1]
上記化学式中、
Yは、ヘテロシクリルまたは-NHC(O)Rであり;
は、水素または
であり;
’は、水素またはハロであり;
’’は、ハロであり;
は、ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、非置換であるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-3アルコキシ-C1-3アルキル、およびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよく、該C3-6シクロアルキルまたは該ヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1-6ヒドロキシアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ホルミル、C1-6アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ジ(C1-6アルキル)カルバモイルまたはC1-3アルコキシ-C1-3アルキルで置換されてもよく;
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたは該ヘテロアリールは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ-C1-3アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、ハロ、シアノ、ピラジニル、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、ホルミル、C1-6アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ジ(C1-6アルキル)カルバモイルまたはC1-6アルキルスルホニルで置換されてもよく;
前記ハロは、F、Cl、BrまたはIであり;
前記ヘテロシクリルは、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピロリニル、オキセタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ジオキソテトラヒドロチオフェニル、ジオキソチオラニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニルまたはオキソオキサゾリジニルであり、
前記ヘテロアリールは、窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む5員~10員の単一環の形態である。
【請求項2】
Yは、ヘテロシクリルまたは-NHC(O)Rであり;
は、水素または
であり;
’は、水素またはハロであり;
’’は、ハロであり;
は、ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、非置換であるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、C3-4シクロアルキル、C1-4アルコキシ、ヘテロシクリル、C1-3アルコキシ-C1-3アルキルおよびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよく、該C3-4シクロアルキルまたは該ヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1-4ヒドロキシアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、ホルミル、C1-4アルキルホルミル、カルボキシ、C1-4アルキルカルボキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-4アルキルカルバモイル、ジ(C1-4アルキル)カルバモイルまたはC1-3アルコキシ-C1-3アルキルで置換されてもよく;
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたは該ヘテロアリールは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ-C1-3アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、ハロ、シアノ、ピラジニル、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、ホルミル、C1-4アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-4アルキルカルバモイル、ジ(C1-4アルキル)カルバモイルまたはC1-4アルキルスルホニルで置換されてもよく;
ハロは、F、Cl、BrまたはIであり;
前記ヘテロシクリルは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む3員~10員の単一または融合環の形態であり、
前記ヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む5員~10員の単一環の形態である、請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、前記ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルは、非置換であるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、C3-4シクロアルキル、C1-4アルコキシ、ヘテロシクリル、C1-3アルコキシ-C1-3アルキルおよびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよく、該C3-4シクロアルキルまたは該ヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、ヒドロキシ、オキソ、ハロまたはC1-4ハロアルキルで置換されてもよく;
前記アリールは、フェニルであり、該フェニルは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシまたはオキソで置換されてもよい、請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
Yはオキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニルまたは-NHC(O)Rであり、前記オキソピロリジニルおよびオキソイミダゾリジニルは非置換であるかまたは1~3個の水素がフルオロ、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群より選択された置換基で置換されてもよく
は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルである(ここで、前記ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルは、非置換であるか、1~4個の水素がフルオロ、クロロ、メチル、シアノ、ニトロ、アミノ、メトキシ、トリフルオロメチルおよびフェニルからなる群より選択された置換基で置換されてもよい)、請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
Yは、オキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニル、ニコチノイルアミノ、ピコリノイルアミノ、フルオロニコチノイルアミノ、メチルニコチノイルアミノ、ピリダジニルカルボニルアミノ、フルオロピコリノイルアミノ、メチルピコリノイルアミノまたはトリフルオロメチルニコチノイルアミノである、請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
前記化学式1の化合物は、
1)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
2)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
3)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フルオロニコチンアミド;
4)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミド;
5)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキシアミド;
6)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
7)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
8)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
9)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フルオロピコリンアミド;
10)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミド;
11)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
12)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルピコリンアミド;
13)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピコリンアミド;
14)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
15)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
16)イソプロピル((S)-(((2R、3R、5R)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(ニコチンアミド)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホイル)-L-アラニネート;
17)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミド;
18)1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
19)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミド;
20)5-アミノ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド.ヒドロクロリド;
21)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミド;
22)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミド;
23)6-クロロ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
24)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド;
25)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミド;
26)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
27)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミド;
28)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミド;
29)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド;
30)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミド;
31)5-アミノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
32)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミド;
33)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキサミド;
34)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピラジン-2-カルボキサミド;
35)5-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
36)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリミジン-4-カルボキサミド;
37)5-シアノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
38)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミド;
39)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミド;
40)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
41)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
42)6-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
43)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミド;および
44)イソプロピル((S)-(((2R、3R、4R、5R)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド)-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホイル)-L-アラニネートからなる群より選択されるものである、請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化学式1の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むウイルス感染関連疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項8】
前記ウイルス関連疾患は、HIV、HBV、HCV、インフルエンザ(influenza)、ピコルナ(picorna)、フラビ(flavi)、アルファ(alpha)、フレボ(phlebo)、エボラ(ebola)またはコロナ(corona)ウイルス疾患である、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を追加的に含む、請求項7に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2018年1月24日付韓国特許出願第10-2018-0009009号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩;これを有効成分として含むウイルス感染関連疾患の予防または治療用薬学的組成物;およびその用途に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体は、臨床でウイルス感染または癌関連病気の治療に使用されている。
【0004】
ゲムシタビン(Gemcitabine)の抗ウイルス活性は、RNAウイルス(例えば、インフルエンザウイルス、エンテロウイルス、サーズおよびメルスコロナウイルス)およびレトロウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス)に対して報告された(Clouser et al.、2012;Kang et al.、2015、de Wilde et al.、2014)。細胞基盤の抗ウイルス試験を行った結果、ゲムシタビン(Gemcitabine)は、インフルエンザウイルス(A型、B型)、エンテロウイルス(コクサッキーウイルス、ポリオウイルス)、そしてコロナヴィリダエ(コロナウイルス)に対して広範囲な効能を示した。
【0005】
しかし、培養細胞に対して広範囲な毒性が観察され、インフルエンザウイルスの場合、感染用として使用されるMadin-Darby Canine Kidney(MDCK;犬の腎臓細胞由来)細胞の場合には100μM濃度を3日間投与する場合50%ほどの細胞死滅が誘導された。
【0006】
したがって、抗ウイルス活性は維持しながら細胞毒性を改善させることができる新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体を合成して抗ウイルス効能を調査した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、抗ウイルス活性を示す新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、その製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、本発明の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むウイルス感染関連疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明者らが研究努力した結果、新しく考案して合成したヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体の抗ウイルス活性を確認して本発明を完成した。
【0011】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物
【0013】
本発明は、下記化学式1で表される化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を提供する:
[化学式1]
【化1】
【0014】
上記化学式中、
Yは、ヘテロシクリルまたは-NHC(O)Rであり;
は、水素または
【化2】
であり;
は、水素またはハロであり;
は、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり(ここで、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、非置換されるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびC1-3アルコキシ-C1-3アルキル、およびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよい);
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
前記ハロは、F、Cl、BrまたはIであり;
前記ヘテロシクリルは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む3員~10員単一または融合環形態であり、ヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む5員~10員単一または融合環形態であってもよく;
前記それぞれのシクロアルキルおよびヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1-6ヒドロキシアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ホルミル、C1-6アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ジ(C1-6アルキル)カルバモイルまたはC1-3アルコキシ-C1-3アルキルで置換されてもよく;
前記それぞれのアリールおよびヘテロアリールは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ-C1-3アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、ハロ、シアノ、ピラジニル、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、ホルミル、C1-6アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ジ(C1-6アルキル)カルバモイルまたはC1-6アルキルスルホニルで置換されてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式中、
Yは、ヘテロシクリルまたは-NHC(O)Rであり;
は、水素または
【化3】
であり;
は、水素またはハロであり;
は、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり(ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、非置換されるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、C1-4シクロアルキル、C1-4アルコキシ、ヘテロシクリル、C1-3アルコキシ-C1-3アルキルおよびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよい);
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ハロは、F、Cl、BrまたはIであり;
前記ヘテロシクリルは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む3員~10員単一または融合環形態であり、ヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄またはこれらの組み合わせから構成された群より選択される1つ以上のヘテロ元素を含む5員~10員単一または融合環形態であってもよく;
前記それぞれのシクロアルキルおよびヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1-4ヒドロキシアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、ホルミル、C1-4アルキルホルミル、カルボキシ、C1-4アルキルカルボキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-4アルキルカルバモイル、ジ(C1-4アルキル)カルバモイルまたはC1-3アルコキシ-C1-3アルキルで置換されてもよく;
前記それぞれのアリールおよびヘテロアリールは、選択的に、1~3個のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ-C1-3アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、ハロ、シアノ、ピラジニル、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、ホルミル、C1-4アルキルホルミル、カルボキシ、C1-6アルキルカルボキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-4アルキルカルバモイル、ジ(C1-4アルキル)カルバモイルまたはC1-4アルキルスルホニルで置換されてもよいものである、
化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式中、
は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり(ここで、前記ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルは、非置換されるか、1~4個の水素がハロ、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、チオール、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、C1-4シクロアルキル、C1-4アルコキシ、ヘテロシクリル、C1-3アルコキシ-C1-3アルキルおよびアリールからなる群より選択された置換基で置換されてもよい);
前記アリールは、フェニルであり;
前記ヘテロシクリルは、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピロリニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ジオキソテトラヒドロチオフェニル、ジオキソチオラニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニルまたはオキソオキサゾリジニルであってもよく;
前記ヘテロアリールは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、オキサゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリルまたはアザインドリルであり;
前記それぞれのシクロアルキルおよびヘテロシクリルは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、ヒドロキシ、オキソ、ハロまたはC1-4ハロアルキルで置換されてもよく;
前記それぞれのアリールおよびヘテロアリールは、選択的に、1~3個のC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシまたはオキソで置換されてもよいものである、
化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式中、
Yはオキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニルまたは-NHC(O)Rであり、前記オキソピロリジニルおよびオキソイミダゾリジニルは非置換されるかまたは1~3個の水素がフルオロ、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群より選択された置換基で置換されてもよく;
は、水素またはフルオロであり;
は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルである(ここで、前記ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルは、非置換されるか、1~4個の水素がフルオロ、クロロ、メチル、シアノ、ニトロ、アミノ、メトキシ、トリフルオロメチルおよびフェニルからなる群より選択された置換基で置換されてもよい)、
化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式中、
Yは、オキソピロリジニル、オキソイミダゾリジニル、ニコチノイルアミノ、ピコリノイルアミノ、フルオロニコチノイルアミノ、メチルニコチノイルアミノ、ピリダジニルカルボニルアミノ、フルオロピコリノイルアミノ、メチルピコリノイルアミノまたはトリフルオロメチルニコチノイルアミノである
化合物、そのラセミ体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記化合物は、
1)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
2)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
3)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フルオロニコチンアミド;
4)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミド;
5)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキシアミド;
6)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
7)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
8)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
9)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フルオロピコリンアミド;
10)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミド;
11)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
12)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルピコリンアミド;
13)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピコリンアミド;
14)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
15)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
16)イソプロピル((S)-(((2R、3R、5R)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(ニコチンアミド)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホイル)-L-アラニネート;
17)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミド;
18)1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オン;
19)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミド;
20)5-アミノ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド.ヒドロクロリド;
21)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミド;
22)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミド;
23)6-クロロ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
24)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド;
25)N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミド;
26)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
27)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミド;
28)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミド;
29)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド;
30)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミド;
31)5-アミノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
32)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミド;
33)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキサミド;
34)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピラジン-2-カルボキサミド;
35)5-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
36)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリミジン-4-カルボキサミド;
37)5-シアノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド;
38)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミド;
39)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミド;
40)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
41)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
42)6-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミド;
43)N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミド;および
44)イソプロピル((S)-(((2R、3R、4R、5R)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド)-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホイル)-L-アラニネートからなる群より選択されるものであってもよい。但し、これに制限されない。
【0020】
本発明の化学式1の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で存在し得る。塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩が有用である。本発明の用語“薬学的に許容可能な塩”とは、患者に比較的に非毒性であり無害の有効作用を有する濃度としてこの塩に起因した副作用が化学式1で表される化合物の利する効能を低下させない前記化合物の任意の全ての有機酸または無機酸付加塩を意味する。
【0021】
この時、遊離酸としては有機酸と無機酸を使用することができ、無機酸としては塩酸、リン酸、硫酸または硝酸などを使用することができ、有機酸としてはメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸(maleic acid)、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸(fumaric acid)、マンデル酸、プロピオン酸(propionic acid)、クエン酸(citric acid)、乳酸(lactic acid)、グリコール酸(glycollic acid)、グルコン酸(gluconic acid)、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸(glutaric acid)、グルクロン酸(glucuronic acid)、アスパラギン酸、アスコルビン酸、カーボン酸、バニリン酸またはヨウ化水素酸(hydroiodic acid)などを使用することができる。但し、これらに制限されない。
【0022】
また、塩基を使用して薬学的に許容可能な金属塩を作ることができる。この時、金属塩としては、特にナトリウム、カリウム、またはカルシウム塩を製造するのが製薬上適するが、これらに制限されるわけではない。また、これに対応する銀塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を適当な銀塩(例えば、硝酸銀)と反応させて得ることができる。
【0023】
本発明のヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体の塩としては、薬学的に許容可能な塩として、ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物と同等な抗ウイルス活性を示すヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体の塩であれば制限なく全て使用可能である。
【0024】
ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物の製造方法
【0025】
本発明の化学式1の化合物は、一連の反応によって4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンまたは4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンから合成でき、具体的な一様態として、下記反応式1によって製造することができる。
【0026】
しかし、下記反応式1は本発明の化合物の例示的な製造方法に過ぎず、本発明の化合物の製造方法はこれに制限されず、当業界に公知された方法を用いるか適切に変更して行うことができる。
【0027】
前記のように、本発明の化合物の出発物質である4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンまたは4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンから当業界に公知された一つ以上の反応を追加的に行って置換基(R)を導入することができる。
【0028】
例えば、下記反応式1によって化合物(1)でアルコールに保護化反応を行って化合物(2)を合成し、多様なカルボニルハライドを用いてアミド反応を通じて本発明の表題化合物であるヌクレオシド誘導体化合物(3)を収得することができる。
[反応式1]
【化4】
【0029】
好ましくは、前記保護化反応で、従来保護基として使用される多様な基を制限なく保護基(P)として使用することができ、本発明による具体的な一実施形態ではトリメチルシリル(TMS)またはtert-ブチルジメチルシリル(TBS)基を使用した。
【0030】
また、前記反応は、前記中間体(2)をPyridine/DCM溶媒で所望の表題化合物に適した置換基(R)を含むカルボニルハライドと反応を通じて行うことができる。好ましく、前記反応は、-78~60℃で7~18時間反応を通じて行うことができる。
【0031】
例えば、下記反応式2によって化合物(4)でホスホロアミダイト反応を行って化合物(5)を合成し、多様なカルボニルハライドを用いてアミド反応後、脱保護化反応を通じて本発明の表題化合物であるヌクレオチド誘導体化合物(6)を収得することができる。
[反応式2]
【化5】
【0032】
好ましくは、前記反応は、前記化合物(4)をTHF溶媒でt-BuMgClを用いてホスホロアミダイト化合物(5)を合成し、所望の表題化合物に適した置換基(R)を含むカルボニルハライドと反応後、脱保護化反応を通じて行うことができる。好ましく、前記脱保護化反応は、0℃~常温でTBAF(Tetrabutylammonium fluoride)溶液を用いて0.5~1時間反応を通じて行うことができる。
【0033】
ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物を含む組成物、その用途およびこれを用いた予防または治療方法
【0034】
本発明は、下記化学式1の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むウイルス感染関連疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
[化学式1]
【化6】
【0035】
上記化学式1は、前記で定義した通りである。
【0036】
本発明の化学式1の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩は、抗ウイルス活性を示すことができる。
【0037】
したがって、本発明の化学式1の化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む薬学的組成物は、汎用的抗ウイルス活性を示すことによってウイルス感染関連疾患の予防または治療に有用に使用できる。
【0038】
具体的に、本発明の薬学的組成物は、ウイルス感染関連疾患の予防または治療に有用に使用できる。
【0039】
前記ウイルス疾患は、HIV、HBV、HCV、インフルエンザ(influenza)、ピコルナ(picorna)、フラビ(flavi)、アルファ(alpha)、フレボウイルス(phlebovirus)、エボラ(ebola)またはコロナ(corona)ウイルスによって起こる疾患であり得るが、これに制限されない。
【0040】
本発明において、前記用語“予防”とは本発明の組成物の投与でタンキラーゼ関連疾患の発生、拡散および再発を抑制させるか遅延させる全ての行為を意味し、前記用語“治療”とは本発明の組成物の投与で前記疾患の症状が好転するか有利に変更される全ての行為を意味する。
【0041】
本発明による薬学的組成物は、有効成分として化学式1で表される化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩を組成物の総重量を基準にして0.1~75重量%で、より好ましくは1~50重量%で含有することができる。
【0042】
また、本発明の薬学的組成物は薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を追加的に含むことができ、それぞれの使用目的に合わせて通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、エマルジョン、シロップ、エアゾールなどの経口剤形、滅菌注射溶液の注射剤など多様な形態に剤形化して使用することができ、経口投与するか静脈内、腹腔内、皮下、直腸、局所投与などを含む多様な経路を通じて投与できる。このような組成物に含まれる適した担体、賦形剤または希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アラビアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート、および鉱物油などが挙げられる。また、本発明の組成物は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などを追加的に含むことができる。
【0043】
本発明の組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、前記用語“薬学的に有効な量”は医学的治療に適用可能な合理的な受益/危険比率で疾患を治療するに十分であり副作用を起こさない程度の量を意味し、有効容量水準は患者の健康状態、疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与方法、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、配合または同時使用される薬物を含む要素およびその他の医学分野によく知られた要素によって決定できる。本発明の組成物は、個別治療剤で投与するか他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤と順次にまたは同時に投与することができ、単一または多重投与することができる。前記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定できる。
【0044】
具体的に、本発明の組成物で、化合物の有効量は患者の年齢、性別、体重によって変わることがあり、一般には、体重kg当り1~100mg、好ましくは5~60mgを毎日または隔日投与するか1日1~6回に分けて投与することができる。しかし、投与経路、病気の重症度、性別、体重、年齢などによって増減できるので、前記投与量がいかなる方法でも本発明の範囲を限定するのではない。
【0045】
本発明の他の実施形態によれば、本発明は、化学式1で表される化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩をこれを必要とする個体に投与する段階を含む、個体でウイルス関連疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0046】
本発明において、前記用語“個体”とは、前記ウイルス関連疾患が発病したか発病し得る人間を含む猿、牛、馬、羊、豚、鶏、七面鳥、ウズラ、猫、犬、マウス、ネズミ、ウサギまたはギニアピッグを含む全ての動物を意味し、本発明の薬学的組成物を個体に投与することによって前記疾患を効果的に予防または治療することができる。本発明の薬学的組成物は、既存の治療剤と並行して投与することができる。
【0047】
本発明において、前記用語“投与”とは、任意の適切な方法で患者に所定の物質を提供することを意味し、本発明の組成物の投与経路は、目的組織に到達できる限りいかなる一般的な経路を通じても投与することができる。腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与することができるが、これに制限されない。また、本発明の薬学的組成物は、活性物質が標的細胞に移動できる任意の装置によって投与することもできる。好ましい投与方式および製剤は、静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などである。
【0048】
本発明の薬学的組成物は、予防または治療しようとする疾患の種類によって、有効成分としてヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩以外の公知された各疾患の予防または治療に使用される公知の薬物を追加的に含むことができる。例えば、ウイルス疾患の予防または治療に使用される場合、有効成分としてヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体化合物、そのラセミ体、立体異性体またはこれらの薬学的に許容可能な塩以外に公知された抗ウイルス剤を追加的に含むことができ、これら疾患の治療のために公知された他の治療と併用することができる。他の治療には化学療法、放射線治療、ホルモン治療、骨髓移植、幹-細胞代替治療、他の生物学的治療、免疫治療などが含まれるが、これに限定されるのではない。
【発明の効果】
【0049】
本発明の新規なヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体は、抗ウイルスおよび坑癌活性が優れているので、ウイルス感染関連疾患の予防または治療に有用に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、実施例を通じて本発明の構成および効果をさらに詳しく説明する。これら実施例はひたすら本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例によって限定されるのではない。
【実施例
【0051】
製造例1:4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-(トリメチルシリルオキシ)-5-((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(I-A)の製造
【化7】
【0052】
4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンヒドロクロリド(600mg、2.002mmol)をpyridine(10ml)に溶解させた後、TMSCl(0.76ml、6.006mmol)を加えた。55℃~60℃で17時間攪拌した。反応液をEtOAcに希釈させた後、飽和CuSO水溶液で5回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して白色固体で600mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=407.8(M+H
【0053】
製造例2:4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-((トリメチルシリル)オキシ)-5-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(I-B)の製造
【化8】
【0054】
4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(1g、4.078mmol)をpyridine(10ml)に溶解させた後、TMSCl(1.54ml、12.234mmol)を加えた。70℃で6時間攪拌した。反応液をEtOAcに希釈させた後、飽和CuSO水溶液で5回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して白色固体で1.57gの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=390.1(M+H
【0055】
実施例1:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミドの製造
【0056】
段階1:4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オンヒドロクロリド(1g、3.337mmol)をpyridine(16.7ml)に溶解させた後、TMSCl(1.4ml、11.012mmol)を加えた。55℃~60℃で3.5時間攪拌した後、nicotinoyl chloride hydrochloride(720mg、4.044mmol)を加え、同じ温度で7時間攪拌した。反応液をEtOAcに希釈させた後、飽和CuSO水溶液で5回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して白色固体で1.67gの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=513.0(M+H
【0057】
段階2:前記段階1から収得した化合物(1.65g、3.219mmol)をDCM(6ml)に溶解させた後、4M HCl in dioxane(8ml)を0℃で徐々に加えた。常温で1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を精製水で希釈し、2N NaOH水溶液を加えてpHを6~7に調節した。析出された固体(precipitate)をろ過、乾燥して白色固体で1.08gの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=369.。0(M+H
【0058】
実施例2:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミドの製造
【0059】
Picolinoyl chloride hydrochloride(141.5mg、0.674mmol)とI-A(260mg、0.683mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で71.5mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=368.2(M+H
【0060】
実施例3:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フルオロニコチンアミドの製造
【0061】
6-fluoronicotinoylchloride(133mg、0.834mmol)とI-A(200mg、0.490mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で38.6mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=386.2(M+H
【0062】
実施例4:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミドの製造
【0063】
6-methylnicotinoylchloride(133mg、0.834mmol)とI-A(100mg、0.245mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で32mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=382.3(M+H
【0064】
実施例5:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキシアミドの製造
【0065】
pyridazine-3-carbonylchloride(210mg、1.472mmol)とI-A(500mg、1.226mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で54.4mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=369.2(M+H
【0066】
実施例6:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オンの製造
【0067】
段階1:I-A(200mg、0.49mmol)をchloroform(5ml)に溶解させた後、2-chloroethylisocyanate(0.04ml、0.49mmol)を加えて常温で3時間攪拌した。反応物を減圧濃縮して精製なく次の反応を行った。
【0068】
段階2:前記段階1から収得した化合物をTHF(2.5ml)に溶解させた後、60%NaH(37mg、1.47mmol)を-20℃で加え徐々に温度を上げて常温で18時間攪拌した。反応物に氷を入れて5分間攪拌した後、EtOAcで希釈し、有機層をNaSOで脱水させた後、減圧濃縮した。濃縮残渣をMeOHで希釈し、DCMを加えて析出された固体(precipitate)をろ過、乾燥して白色固体で96.1mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=332.2(M+H
【0069】
実施例7:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オンの製造
【0070】
段階1:picolinoyl 4-bromobutyrylchloride(0.4ml、3.434mmol)とTEA(1.2ml、8.587mmol)をDCM(8.5ml)に溶解されたI-A(162mg、0.397mmol)に-50℃で徐々に加えた。反応液を10℃で24時間攪拌した後、DCMで希釈して精製水で洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮後、800mgを得て精製なく次の反応を行った。
【0071】
段階2:段階1から収得した化合物(800mg、1.437mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で303.2mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=331.2(M+H
【0072】
実施例8:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オンの製造
【0073】
段階1:(2R、3R、5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-yl)-4,4-ジフルオロ-2-((3-フルオロベンゾイルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル 3-フルオロベンゾエート(200mg、0.394mmol)をDCM(4ml)に溶解させた後、pyridine(0.05ml、0.591mmol)とphenyl chloroformate(0.06ml、0.472mmol)を加えた。常温で1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。濃縮物をpyridine(4ml)に溶解させた後、2-chloro-N-methylethanamine hydrochloride(256mg、1.97mmol)を加えて50℃で8時間攪拌した。反応液をEtOAcに希釈させた後、飽和CuSO水溶液で5回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して白色固体で170mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=626.9(M+H
【0074】
段階2:前記段階1から収得した化合物(170mg、0.288mmol)をMeOH(1ml)に溶解させた後、7N NH in MeOH(2ml)を加えて常温で18時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで分離して白色固体で64.3mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=346.2(M+H
【0075】
実施例9:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フルオロピコリンアミドの製造
【0076】
6-fluoropicolinic acid(300mg、2.126mmol)をDCM(4.25ml)に溶解させた後、DMF(16.5μl、0.213mmol)とoxalyl chloride(0.27ml、3.189mmol)を0℃で徐々に加える。反応液を常温で22時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をエーテルで洗浄後、乾燥してアンズ色固体で339mgの化合物を収得した。収得した6-fluoropicolinoyl chloride(88mg、0.552mmol)とDIPEA(0.48ml、2.76mmol)をDCM(1.2ml)に溶解されたI-A(150mg、0.368mmol)に-78℃で徐々に加えた。反応液を常温で18時間攪拌した後、DCMで希釈して精製水で洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーで分離して白色固体で36.7mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=386.8(M+H
【0077】
実施例10:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミドの製造
5-methylpicolinic acid(200mg、1.458mmol)をoxalyl chloride(0.38ml、4.374mmol)と反応させて得られた5-methylpicolinoyl chloride(119mg、0.766mmol)とI-A(260mg、0.683mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて白色固体で67.5mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=382.8(M+H
【0078】
実施例11:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミドの製造
2-methyl-6-(trifluoromethyl)nicotinic acid(205mg、1.000mmol)をoxalyl chloride(0.36ml、3.000mmol)と反応させて得られた2-methyl-6-(trifluoromethyl)nicotinoyl chloride(164.7mg、0.737mmol)とI-A(200mg、0.491mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて白色固体で75mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=450.6(M+H
【0079】
実施例12:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-3-メチルピコリンアミドの製造
【0080】
段階1:3-methylpicolinic acid(300mg、2.188mmol)をoxalyl chloride(0.56ml、6.563mmol)と反応させて得られた3-methylpicolinoyl chloride(86mg、0.552mmol)とI-A(150mg、0.368mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて黄色液体で80mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=455.1(M+H
【0081】
段階2:段階1から収得した化合物(80mg、0.165mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で44mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=383.0(M+H
【0082】
実施例13:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピコリンアミドの製造
【0083】
6-methylpicolinic acid(300mg、2.188mmol)をoxalyl chloride(0.56ml、6.563mmol)と反応させて得られた6-methylpicolinoyl chloride(68.7mg、0.442mmol)とI-A(150mg、0.368mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて白色固体で14.4mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=383.0(M+H
【0084】
実施例14:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミドの製造
【0085】
段階1:6-(trifluoromethyl)nicotinic acid(150mg、0.784mmol)をoxalyl chloride(0.13ml、1.569mmol)と反応させて得られた6-(trifluoromethyl)nicotinoyl chloride(62mg、0.294mmol)とI-A(100mg、0.245mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させてアンズ色固体で108mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=581.1(M+H
【0086】
段階2:段階1から収得した化合物(108mg、0.185mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で19.8mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=437.0(M+H
【0087】
実施例15:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの製造
【0088】
段階1:1-methyl-1H-pyrazole-4-carboxylic acid(300mg、2.380mmol)をoxalyl chloride(0.4ml、4.720mmol)と反応させて得られた1-methyl-1H-pyrazole-4-carbonyl chloride(85mg、0.588mmol)とI-A(200mg、0.490mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させてアンズ色固体で148mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=516.1(M+H
【0089】
段階2:段階1から収得した化合物(148mg、0.287mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で18.2mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=372.1(M+H
【0090】
実施例16:イソプロピル((S)-(((2R、3R、5R)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(ニコチンアミド)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホイル)-L-アラニネートの製造
【0091】
段階1:4-amino-1-((2R、4R、5R)-4-((tert-butyldimethylsilyl)oxy)-3,3-difluoro-5-(hydroxymethyl)tetrahydrofuran-2-yl)pyrimidin-2(1H)-one(365mg、0.967mmol)をTHF(10ml)に溶かして0℃に冷却する。t-BuMgCl(1.7M in THF)0.85mlを徐々に入れて15分間攪拌した。Isopropyl((R)-(perfluorophenoxy)(phenoxy)phosphoryl)-L-alaninateをTHF少量に溶かした後、徐々に入れた。温度を常温に徐々に上げた後、常温で22時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体で442mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=647.2(M+H
【0092】
段階2:段階1から収得した化合物(442mg、0.683mmol)を前記実施例1の段階1と類似の方法で反応させて白色固体で497mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=752.2(M+H
【0093】
段階3:段階2から収得した化合物(442mg、0.683mmol)をTHF(0.5ml)に溶かして0℃に冷却する。TBAF 1M in THF 0.16mlを徐々に入れた後、常温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体で52mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=638.1(M+H
【0094】
実施例17:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミドの製造
【0095】
段階1:6-phenylpicolinic acid(250mg、1.254mmol)をoxalyl chloride(0.27ml、3.189mmol)と反応させて得られた6-phenylpicolinoyl chloride(159.9mg、0.735mmol)とI-A(200mg、0.49mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて黄色液体で精製なく得て、次の段階を行った。
LC-MS(ESI、m/z)=589.1(M+H
【0096】
段階2:段階1から収得した化合物(0.49mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で123mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=445.0(M+H
【0097】
実施例18:1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(3-メチル-2-オキソピロリジン-1-イル)ピリミジン-2(1H)-オンの製造
【0098】
段階1:3-methyldihydrofuran-2(3H)-one(1g、9.988mmol)をHydrogen bromide solution(33wt.% in acetic acid、9.98ml、30.266mmol)、thionyl chloride(6ml、50.432mmol)と反応させて得られた4-bromo-2-methylbutanoyl chloride(0.12ml、0.919mmol)とI-A(250mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて樺色固体で349mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=516.1(M+H
【0099】
段階2:段階1から収得した化合物(300mg、0.581mmol)をDMF(0.6ml)に溶解させた後、TEA(0.2ml、1.402mmol)を加えて200℃で1時間microwave reactorで反応させた。反応液をEtOAcに希釈させた後、精製水で洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して黄色固体で210mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=490.1(M+H
【0100】
実施例19:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミドの製造
【0101】
段階1:5-nitropicolinic acid(300mg、1.785mmol)をoxalyl chloride(0.46ml、5.353mmol)と反応させて得られた5-nitropicolinoyl chloride(98.6mg、0.442mmol)とI-A(150mg、0.368mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて黄色固体で100mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=558.0(M+H
【0102】
段階2:段階1から収得した化合物(100mg、0.179mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて黄色固体で59mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=414.0(M+H
【0103】
実施例20:5-アミノ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミド.ヒドロクロリドの製造
【0104】
前記実施例19の段階1から収得した化合物(110mg、0.197mmol)を水素気体下で10% Pd/C(55mg)と反応させて得られた化合物(90mg、0.197mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて黄色固体で82mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=384.1(M+H
【0105】
実施例21:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミドの製造
【0106】
段階1:5-methoxypicolinic acid(200mg、1.305mmol)をoxalyl chloride(0.28ml、3.264mmol)と反応させて得られた5-methoxypicolinoyl chloride(126mg、0.735mmol)とI-A(200mg、0.49mmol)を前記実施例8と類似の方法で反応させて白色固体で110mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=543.2(M+H
【0107】
段階2:段階1から収得した化合物(110mg、0.202mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で35mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=399.0(M+H
【0108】
実施例22:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミドの製造
【0109】
段階1:6-methoxynicotinic acid(200mg、1.305mmol)をoxalyl chloride(0.22ml、2.611mmol)と反応させて得られた6-methoxynicotinoyl chloride(168mg、0.980mmol)と4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン ヒドロクロリド(200mg、0.668mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で106mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=543.1(M+H
【0110】
段階2:段階1から収得した化合物(106mg、0.195mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で71.8mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=399.1(M+H
【0111】
実施例23:6-クロロ-N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミドの製造
【0112】
段階1:6-chloronicotinoyl chloride(117mg、0.668mmol)と4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン ヒドロクロリド(200mg、0.668mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で95mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=547.1(M+H
【0113】
段階2:段階1から収得した化合物(95mg、0.173mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で30.4mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=403.0(M+H
【0114】
実施例24:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミドの製造
【0115】
段階1:2-methylpyrimidine-4-carboxylic acid(200mg、1.448mmol)をoxalyl chloride(0.24ml、2.896mmol)と反応させて得られた2-methylpyrimidine-4-carbonyl chloride(104mg、0.668mmol)と4-アミノ-1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン ヒドロクロリド(200mg、0.668mmol)を前記実施例1と類似の方法で反応させて白色固体で246mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=527.1(M+H
【0116】
段階2:段階1から収得した化合物(246mg、0.466mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で83mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=384.1(M+H
【0117】
実施例25:N-(1-((2R、4R、5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミドの製造
【0118】
段階1:5-phenylpicolinic acid(300mg、1.505mmol)をoxalyl chloride(0.25ml、3.011mmol)と反応させて得られた5-phenylpicolinoyl chloride(138mg、0.637mmol)とI-A(200mg、0.490mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させてアンズ色固体で190mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=589.2(M+H
【0119】
段階2:段階1から収得した化合物(190mg、0.322mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で49.7mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=445.1(M+H
【0120】
実施例26:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミドの製造
【0121】
段階1:Nicotinoyl chloride HCL(158.6mg、0.891mmol)とI-B(315.5mg、0.81mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で130mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=493.1(M-H
【0122】
段階2:段階1から収得した化合物(130mg、0.262mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で60mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=351.0(M+H
【0123】
実施例27:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-フェニルピコリンアミドの製造
【0124】
段階1:4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(200mg、0.407mmol)をpyridine(2ml)に溶解させた後、TMSCl(0.3ml、1.223mmol)を加えた。55℃~60℃で6時間攪拌した後、5℃に冷却し、6-phenylpicolinoyl chloride(177mg、0.407mmol)を加えて同じ温度で1時間攪拌した。反応液をEtOAcに希釈させた後、飽和CuSO水溶液で5回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、減圧濃縮して白色固体で272mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=571.2(M+H
【0125】
段階2:段階1から収得した化合物(272mg、0.477mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で134mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=427.1(M+H
【0126】
実施例28:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-フェニルピコリンアミドの製造
【0127】
段階1:5-phenylpicolinic acid(300mg、1.505mmol)をoxalyl chloride(0.25ml、3.011mmol)と反応させて得られた5-phenylpicolinoyl chloride(111mg、0.513mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させてアンズ色固体で125mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=571.2(M+H
【0128】
段階2:段階1から収得した化合物(125mg、0.219mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で69.5mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=427.1(M+H
【0129】
実施例29:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチルピリミジン-4-カルボキサミドの製造
【0130】
段階1:2-methylpyrimidine-4-carboxylic acid(200mg、1.448mmol)をoxalyl chloride(0.24ml、2.896mmol)と反応させて得られた2-methylpyrimidine-4-carbonyl chloride(104mg、0.668mmol)と4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(200mg、0.816mmol)を前記実施例27と類似の方法で反応させて白色固体で320mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=510.1(M+H
【0131】
段階2:段階1から収得した化合物(320mg、0.627mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で174.5mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=366.1(M+H
【0132】
実施例30:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-ニトロピコリンアミドの製造
【0133】
段階1:5-nitropicolinic acid(300mg、1.785mmol)をoxalyl chloride(0.46ml、5.353mmol)と反応させて得られた5-nitropicolinoyl chloride(143mg、0.4770mmol)とI-B(300mg、0.770mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて黄色固体で213mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=540.1(M+H
【0134】
段階2:段階1から収得した化合物(213mg、0.394mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で64.6mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=396.0(M+H
【0135】
実施例31:5-アミノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミドの製造
【0136】
前記実施例30の段階2から収得した化合物(58mg、0.146mmol)を水素気体下で10% Pd/C(55mg)と反応させてセライトろ過し、減圧濃縮して白色固体で32.8mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=366.1(M+H
【0137】
実施例32:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルニコチンアミドの製造
【0138】
段階1:6-methylnicotinic acid(400mg、2.916mmol)をoxalyl chloride(0.5ml、5.833mmol)と反応させて得られた6-methylnicotinoyl chloride(126mg、0.816mmol)と4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(200mg、0.816mmol)を前記実施例27と類似の方法で反応させて白色固体で159mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=509.2(M+H
【0139】
段階2:段階1から収得した化合物(159mg、0.312mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で103.9mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=365.1(M+H
【0140】
実施例33:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリダジン-3-カルボキサミドの製造
【0141】
段階1:pyridazine-3-carboxylic acid(415mg、3.344mmol)をoxalyl chloride(0.85ml、10.032mmol)と反応させて得られたpyridazine-3-carbonyl chloride(586mg、3.303mmol)と4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(700mg、2.753mmol)を前記実施例27と類似の方法で反応させて黄色固体で729mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=496.1(M+H
【0142】
段階2:段階1から収得した化合物(729mg、1.470mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて析出された固体(precipitate)をろ過、乾燥して白色固体で523.2gの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=352.1(M+H
【0143】
実施例34:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メチルピラジン-2-カルボキサミドの製造
【0144】
段階1:6-methylpyrazine-2-carboxylic acid(200mg、1.448mmol)をoxalyl chloride(0.24ml、2.896mmol)と反応させて得られた6-methylpyrazine-2-carbonyl chloride(88.4mg、0.564mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で115mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=510.1(M+H
【0145】
段階2:段階1から収得した化合物(115mg、0.225mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で54mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=366.1(M+H
【0146】
実施例35:5-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミドの製造
【0147】
段階1:5-fluoropicolinic acid(141mg、1mmol)をoxalyl chloride(0.257ml、3mmol)と反応させて得られた5-fluoropicolinoyl chloride HCl(120.54mg、0.615mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で115mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=513.2(M+H
【0148】
段階2:段階1から収得した化合物(115mg、0.22mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で48mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=369.0(M+H
【0149】
実施例36:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピリミジン-4-カルボキサミドの製造
【0150】
段階1:pyrimidine-4-carboxylic acid(200mg、1.611mmol)をoxalyl chloride(0.4ml、4.833mmol)と反応させて得られたpyrimidine-4-carbonyl chloride(137.6mg、0.769mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で106mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=496.1(M+H
【0151】
段階2:段階1から収得した化合物(115mg、0.225mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で54mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=352.1(M+H
【0152】
実施例37:5-シアノ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ピコリンアミドの製造
【0153】
段階1:5-cyanopicolinic acid(148mg、1mmol)をoxalyl chloride(0.257ml、3mmol)と反応させて得られた5-cyanopicolinoyl chloride HCl(125mg、0.615mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて黄色液体で100mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=520.0(M+H
【0154】
段階2:段階1から収得した化合物(100mg、0.192mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて黄色固体で52mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=376.0(M+H
【0155】
実施例38:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メチルピコリンアミドの製造
【0156】
段階1:5-methylpicolinic acid(200mg、1.458mmol)をoxalyl chloride(0.37ml、4.375mmol)と反応させて得られた5-methylpicolinoyl chloride(197mg、1.026mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で215mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=509.2(M+H
【0157】
段階2:段階1から収得した化合物(215mg、0.422mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で106.4mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=365.1(M+H
【0158】
実施例39:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-5-メトキシピコリンアミドの製造
【0159】
段階1:5-methoxypicolinic acid(200mg、1.305mmol)をoxalyl chloride(0.33ml、3.915mmol)と反応させて得られた5-methoxypicolinoyl chloride(213mg、1.026mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で139mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=525.1(M+H
【0160】
段階2:段階1から収得した化合物(139mg、0.264mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で57mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=381.1(M+H
【0161】
実施例40:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミドの製造
【0162】
段階1:2-methyl-6-(trifluoromethyl)nicotinic acid(200mg、0.974mmol)をoxalyl chloride(0.25ml、2.922mmol)と反応させて得られた2-methyl-6-(trifluoromethyl)nicotinoyl chloride(329mg、1.572mmol)と4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(200mg、0.816mmol)を前記実施例27と類似の方法で反応させて黄色固体で98mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=577.1(M+H
【0163】
段階2:段階1から収得した化合物(98mg、0.169mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で64.8mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=433.1(M+H
【0164】
実施例41:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ニコチンアミドの製造
【0165】
段階1:6-(trifluoromethyl)nicotinic acid(200mg、1.046mmol)をoxalyl chloride(0.26ml、3.139mmol)と反応させて得られた6-(trifluoromethyl)nicotinoyl chloride(189mg、0.769mmol)と4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(200mg、0.816mmol)を前記実施例27と類似の方法で反応させて黄色固体で202mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=563.1(M+H
【0166】
段階2:段階1から収得した化合物(202mg、0.359mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で66mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=419.0(M+H
【0167】
実施例42:6-フルオロ-N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ニコチンアミドの製造
【0168】
段階1:6-fluoronicolinic acid(200mg、1.417mmol)をoxalyl chloride(0.36ml、4.252mmol)と反応させて得られた6-fluoronicolinoyl chloride(100.5mg、0.513mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で175mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=513.1(M+H
【0169】
段階2:段階1から収得した化合物(175mg、0.342mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で15mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=369.0(M+H
【0170】
実施例43:N-(1-((2S、3R、4R、5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)-6-メトキシニコチンアミドの製造
【0171】
段階1:6-methoxypicolinic acid(200mg、1.305mmol)をoxalyl chloride(0.33ml、3.915mmol)と反応させて得られた6-methoxypicolinoyl chloride(213mg、1.026mmol)とI-B(200mg、0.513mmol)を前記実施例9と類似の方法で反応させて白色固体で125mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=525.1(M+H
【0172】
段階2:段階1から収得した化合物(125mg、0.238mmol)を前記実施例1の段階2と類似の方法で反応させて白色固体で31.4mgの表題化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=381.1(M+H
【0173】
実施例44:イソプロピル((S)-(((2R、3R、4R、5R)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-5-(4-(2-メチルピリミジン-4-カルボキサミド)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)-L-アラニネートの製造
【0174】
段階1:4-アミノ-1-((2R、3R、4R、5R)-4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(395mg、1.10mmol)を実施例16の段階1と類似の方法で反応させて黄色固体で318mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=629.2(M+H
【0175】
段階2:段階1から収得した化合物(307mg、0.488mmol)を前記実施例9のアミドを得た方法と類似の方法で反応させて黄色固体で345mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=749.2(M+H
【0176】
段階3:段階2から収得した化合物(120mg、0.160mmol)をTHF(0.8ml)に溶かし、-5℃に冷却する。TBAF 1M in THF 0.17mlを徐々に入れた後、20分間同一な温度で攪拌した。反応液に水を加え、EtOAcで希釈させた後、水で3回洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体で60mgの化合物を収得した。
LC-MS(ESI、m/z)=635.0(M+H
【0177】
前記実施例を構造と名称で下記表1のように整理した。
【0178】
[表1]
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0179】
実験例1:抗インフルエンザウイルス効能試験
【0180】
実施例の化合物が多様なインフルエンザウイルスに活性を示すか調べてみるために次のように実験した。
【0181】
(1)インフルエンザウイルスに感染した細胞の準備
【0182】
MDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞は米国ATCCで購入し、10%ウシ血清(fetal bovine serum、FBS)が含まれているMEM(minimal essential medium)で培養し、培養器の温度は37℃、二酸化炭素濃度は5%で維持した。
【0183】
インフルエンザウイルスA/Puerto Rico/8/34(H1N1)(以下、“PR8”という)、A/HongKong/8/68(H3N2)(以下、“HK”という)、B/Lee/40(以下、“Lee”という)はATCCで購入した。インフルエンザウイルスPR8とHKは10日になった卵に接種して37℃で増殖させた。インフルエンザウイルスLeeはMDCK細胞に感染させて増殖させ、この時、培養液には血清がない状態で、2μg/mlのTPCK-trypsin(Sigma、(St.Louis、MO)が添加された。培養温度は35℃を維持した。感染3日後に、卵の尿膜腔液(allantoic fluids)または細胞培養液を1,000rpmで5分間遠心分離して不純物を精製することによって増殖されたウイルスを獲得した。ウイルス力価は、鶏赤血球に含まれている血球凝集素(hemagglutinin、HA)を用いるか、MDCK細胞にウイルスを感染させてウイルスプラーク(plaque)数を測定した。各ウイルスを分注して70℃で保管した。
【0184】
(2)細胞病変効果(cytopathic effect)の減少測定
【0185】
96-ウェルプレートに十分に育ったMDCK細胞をリン酸緩衝食塩水(phosphate-buffered saline、PBS)で洗浄をした後、50-100プラーク形成単位(plaque forming units、PFU)のインフルエンザウイルスをウェルごとに接種した。1時間ほどウイルスが細胞に感染するように放置し、この時、PR8、HK、Leeウイルスを35℃で感染するようにした。ウイルスが含まれている培養液を除去し、リン酸緩衝食塩水で洗浄をした後、各実施例化合物が多様な濃度で希釈された2μg/ml TPCK-trypsin含むMEM培養液をウェルごとに添加した。感染後3日目になる日、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-dipheyltetrazolimbromide(MTT)を用いて細胞生存度(cell viability)を測定した[Y.Jang et al.、2016.Antiviral activity of KR-23502 targeting nuclear export of influenza B virus ribonucleoproteins、Antiviral Res 134:77-88]。
【0186】
方法を簡単に整理すれば、細胞培養液を除去し、ウェルごとに100μlのMTT溶液(2.5mg/ml)を添加して37℃で1時間放置した。MTT solvent(4mM HCl、0.1% Nondet P-40(NP40)in isopropanol)を100μl添加して反応を停止させた後540nm~690nmでspectrophotometer(モデル名:SpectraMax M3 plate reader、製造会社:Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で吸光の強さを測定した。50%細胞毒性濃度(CC50、正常細胞の50%の損傷を加える化合物の濃度)と50%有効濃度(EC50、ウイルス感染による細胞毒性を50%正常化させる濃度)を計算した。比較群としては、従来の標準抗ウイルス剤であるアマンタジン(AMT;Sigma)、オセルタミビルカルボキシレート(oseltamivir carboxylate)(OSV-C;US Biological、Swampscott、MA)およびリバビリン(RBV;Sigma)が使用された。
【0187】
[表2]ヌクレオシドまたはヌクレオチド誘導体の抗インフルエンザウイルス効能
【表2-1】
【表2-2】
【0188】
実験例2:抗コロナウイルス効能試験
【0189】
実施例の化合物が多様な抗コロナウイルスに活性を示すか調べてみるために次のように実験した。
【0190】
1.コロナウイルスに感染した細胞の準備。
【0191】
Huh-7(Human hepatoma-7)細胞は日本細胞株銀行(JCRB)で購入し、10%ウシ血清(fetal bovine serum、FBS)が含まれているDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s medium)で培養した。MRC-5細胞は米国ATCCで購入し、10%ウシ血清が含まれているMEM(Minimal essential medium)で培養した。培養器の温度は37℃、二酸化炭素濃度は5%で維持した。
【0192】
メルスウイルス(MERS-CoV/KOR/KNIH/002_05_2015)は疾病管理本部から分譲を受け、ヒトコロナウイルスhCoV 229E、OC43、猫腹膜塩ウイルス(FIPV:feline infectious peritonitis)はATCCで購入した。メルスウイルスは、Huh-7細胞に感染させて37℃で増殖させた。同様な方法でhCoV 229EとOC43はMRC-5細胞に感染させて増殖し、FIPVはCRFK細胞で増殖した。感染2~3日後に細胞培養液を3,000rpmで20分間遠心分離して細胞不純物を除去することによって、増殖したウイルスを獲得した。ウイルス力価は、各ウイルス増殖に用いた細胞にウイルスを感染させウイルスプラーク(plaque)数を測定した。各ウイルスは、少量で分注して70℃に保管した。
【0193】
2.細胞病変効果(cytopathic effect)の減少測定
【0194】
96-ウェルプレートに育ったHuh-7(メルス)、MRC-5(hCoV 229E、O43)、CRFK(FIPV)細胞に各該当ウイルスをウェルごとに接種した後、各実施例化合物が多様な濃度で希釈されて含まれた培養液をウェルごとに添加した。感染後3日目になる日、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-dipheyltetrazolimbromide(MTT)を用いて細胞生存度(cell viability)を測定した。吸光強さは、540nm~690nmでspectrophotometer(モデル名:SpectraMax M3 plate reader、製造会社:Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で測定した。50%細胞毒性濃度(CC50、正常細胞の50%の損傷を加える化合物の濃度)と50%有効濃度(EC50、ウイルス感染による細胞毒性を50%正常化させる濃度)を計算した。比較群としては、gemcitabine(Sigma)が使用された。
【0195】
【表3】
【0196】
実験例3:抗蚊媒介ウイルス(デング、ジカ、チクングニア)効能試験
【0197】
実施例の化合物が多様な抗蚊媒介ウイルスに活性を示すか調べてみるために次のように実験した。
【0198】
1.フラビウイルスとアルファウイルスに感染した細胞の準備。
【0199】
Vero(African green monkey kidney)細胞は米国ATCCで購入し、10%ウシ血清が含まれているDMEMで培養した。培養器の温度は37℃、二酸化炭素濃度は5%で維持した。
【0200】
フラビウイルス属に属するデングウイルスNew Guinea C(NGC)(以下、“DENV”という)は英国NCPV(National Collection of Pathogenic Viruses)で購入し、ジカウイルス(MR766)は米国ATCCで購入した。アルファウイルス属に属するチクングニアウイルスは国内患者分離株で疾病管理本部国家病原体資源銀行から分譲を受けた。フラビウイルスとアルファウイルスは、Vero細胞に感染させて37℃で増殖させた。ウイルス力価は、Vero細胞にウイルスを感染させてウイルスプラーク(plaque)数を測定した。各ウイルスは少量で分注して70℃に保管した。
【0201】
2.免疫蛍光染色法(Immunofluorescence assay)を用いたウイルス感染減少測定
【0202】
96-ウェルプレートに育ったVero細胞に各デングウイルスまたはジカウイルスをウェルごとに接種した後、各実施例化合物が多様な濃度で希釈されて含まれた培養液をウェルごとに添加した。感染後3日目になる日、フラビウイルス膜蛋白質に交差反応を示す4G2単クローン抗体を用いて感染した細胞を免疫蛍光染色法で分析し、蛍光値はイメージ分析装備であるOperetta(PerkinElmer)を用いて測定した。
【0203】
3.細胞病変効果(cytopathic effect)の減少測定
【0204】
96-ウェルプレートに育ったVero細胞にチクングニアウイルスをウェルごとに接種した後、各実施例化合物が多様な濃度で希釈されて含まれた培養液をウェルごとに添加した。感染後、3日目になる日、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-dipheyltetrazolimbromide(MTT)を用いて細胞生存度(cell viability)を測定した。吸光強さは、540nm~690nmでspectrophotometer(モデル名:SpectraMax M3 plate reader、製造会社:Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で測定した。50%細胞毒性濃度(CC50、正常細胞の50%の損傷を加える化合物の濃度)と50%有効濃度(EC50、ウイルス感染による細胞毒性を50%正常化させる濃度)を計算した。比較群としては、クロロキン(Chloroquine、Sigma)が使用された。
【0205】
【表4】