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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/378 20110101AFI20221208BHJP
【FI】
H04N5/378
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020546547
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2018033379
(87)【国際公開番号】W WO2020053921
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】大澤 雅人
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-311487(JP,A)
【文献】特開2018-007035(JP,A)
【文献】特開2018-078281(JP,A)
【文献】特開2007-306348(JP,A)
【文献】特開2016-201649(JP,A)
【文献】特開2016-092661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30 - 5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記増幅トランジスタの閾値電圧よりも前記差動トランジスタの閾値電圧が小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記増幅トランジスタのW/Lのアスペクト比よりも前記差動トランジスタのW/Lのアスペクト比が大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記増幅トランジスタのソース電圧が前記差動トランジスタのソース電圧よりも高くなるレベルシフト回路を、前記増幅トランジスタと、前記信号処理回路のテール電流源との間に設けたことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記差動トランジスタのバックゲート端子が前記差動トランジスタのソース端子電圧に等しい電圧にバイアスされており、
前記増幅トランジスタのバックゲート端子が、前記差動トランジスタのソース端子電圧よりも低い電圧にバイアスされていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記信号処理回路に設けられた能動負荷のバイアス電流が、前記信号処理回路のテール電流源が出力するテール電流の半分よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記能動負荷のバイアス電流が前記テール電流の半分よりも小さな電流である第一の期間において前記信号処理回路は前記第一のアナログ信号と前記比較電圧とを比較し、
前記能動負荷のバイアス電流がテール電流の半分よりも大きな電流である第二の期間において前記信号処理回路はリセット動作することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、
前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、
漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、
前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、
前記信号処理回路は、
前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、
前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、
前記所定の絶対値は、30mV以上500mV以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
被検体に挿入される挿入部と、所定の画像処理を実行する制御装置に着脱自在に接続されるコネクタ部を備える内視鏡に対して適用され、前記挿入部の先端部に設けられる半導体装置であって、
前記入力されたアナログ電圧がリセット電圧にあったときに前記第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングにおける前記アナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する第1のメモリと、
前記入力されたアナログ電圧が映像電圧にあったときに前記第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミンングにおける前記アナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する第2のメモリと、
前記第2のメモリに記憶されるデジタルデータから前記第1のメモリに記憶されるデジタルデータのうち、同一の前記複数の要素アレーにおける要素に対応するデジタルデータを減算して画像データを生成する減算器と、
前記画像データを差動信号に変換して、前記差動信号を2本の伝送線によって前記コネクタ部へ伝送するLVDSドライバと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(固体撮像装置)として、CMOS集積回路と同様のプロセスで製造できるCMOSイメージセンサがある。CMOSイメージセンサには、画素アレーの画素列毎に並列処理するA-D(アナログ-デジタル)変換回路により、画素から出力されるアナログ信号を、画素の固定パターンノイズを抑圧しながらデジタル信号に変換して出力するカラムADC(Analog Digital Converter)方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2005-311487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているコンパレータ(比較器)の構成では、CMOSイメージセンサ(半導体装置)の面積を増大させるという課題があった。
図1は、特許文献1に記載されたカラムADC方式のCMOSイメージセンサにおけるコンパレータ(比較器)の回路構成を示す回路図である。図1に記載された従来のカラムADC用のコンパレータは、カラム側に少なくともトランジスタ5個(NchのMOSトランジスタ201、Pchの負荷MOSトランジスタ203、PchのMOSスイッチ(トランジスタ)205、PchMOSトランジスタ206、NchMOSトランジスタ207)と、オフセットキャンセル用の容量(容量202)が1つ必要である。特に、オフセットキャンセル用の容量202の面積は無視できないレイアウト面積を必要とし、コンパレータの面積を増大させるという課題があった。そこで、図1に示す従来のカラムADC用のコンパレータから、容量202を取り除いた場合、カラム自体は小型化できるものの、比較電圧Vrefを生成する回路に電源電圧Vhよりも高い電圧を供給する回路が必要となるため、撮像素子自体が複雑化して、撮像素子の面積が増大するという課題がある。
【0005】
図2は、図1に示すカラムADC用のコンパレータから、容量202とスイッチ205とを削除した回路図である。例えば、図2に示すように、図1に示す容量202とスイッチ205とを削除し、クロックフィードスルーの影響を無視した場合、従来のカラムADC用のコンパレータは、VfdとVrefとが等しい電圧になった場合に出力が反転する。Vfdのとり得る最大電圧はVhであるため、トランジスタ114とトランジスタ201との閾値電圧ばらつき(トランジスタ製造上の公差)を考慮した場合、コンパレータの反転には少なくともVref>Vhを出力できる比較電圧生成器が必要となる。一般に、トランジスタ製造上の公差にあたる閾値電圧のばらつきは数十mVから数100mVあるため、この公差を考慮してVref>Vhを出力できる比較電圧生成器を設計しようとした場合、一般には、Vhよりも数百mVは高い電圧の供給手段を設ける必要性が生じる。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的は、オフセットキャンセル用の容量やランプ波生成器(比較電圧生成器)のための昇圧回路を設けることなく、カラム並列型のイメージセンサを実現し、チップ面積を小型化できるCMOSイメージセンサ(半導体装置)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記増幅トランジスタの閾値電圧よりも前記差動トランジスタの閾値電圧が小さいことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記増幅トランジスタのW/Lのアスペクト比よりも前記差動トランジスタのW/Lのアスペクト比が大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記増幅トランジスタのソース電圧が前記差動トランジスタのソース電圧よりも高くなるレベルシフト回路を、前記増幅トランジスタと、前記信号処理回路のテール電流源との間に設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記差動トランジスタのバックゲート端子が前記差動トランジスタのソース端子電圧に等しい電圧にバイアスされており、前記増幅トランジスタのバックゲート端子が、前記差動トランジスタのソース端子電圧よりも低い電圧にバイアスされていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記信号処理回路に設けられた能動負荷のバイアス電流が、前記信号処理回路のテール電流源が出力するテール電流の半分よりも小さいことを特徴とする。
【0014】
本発明の第6の態様に係る半導体装置は、上記第5の態様において、前記能動負荷のバイアス電流が前記テール電流の半分よりも小さな電流である第一の期間において前記信号処理回路は前記第一のアナログ信号と前記比較電圧とを比較し、前記能動負荷のバイアス電流がテール電流の半分よりも大きな電流である第二の期間において前記信号処理回路はリセット動作することを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の態様に係る半導体装置は、垂直信号線に選択的に接続され、入力されたアナログ電圧と個々の要素アレーの特性値のばらつきの実際の値に基づいた第一のアナログ信号を出力する増幅トランジスタを有する複数の要素アレーと、前記垂直信号線に接続された信号処理回路と、漸次増加する或いは減少する比較電圧を前記信号処理回路に出力する比較電圧生成回路と、から構成された半導体装置であって、前記信号処理回路は、記憶回路を有し、前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングを前記記憶回路に記憶し、前記信号処理回路は、前記要素アレーと前記信号処理回路が前記垂直信号線によって接続されたときに、前記要素アレーの前記増幅トランジスタと共に差動対を形成する差動トランジスタを有し、前記差動トランジスタに入力される前記比較電圧と、前記増幅トランジスタに入力されたアナログ電圧との差分を求め、前記所定の絶対値は、30mV以上500mV以下であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第8の態様に係る半導体装置は、上記第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、被検体に挿入される挿入部と、所定の画像処理を実行する制御装置に着脱自在に接続されるコネクタ部を備える内視鏡に対して適用され、前記挿入部の先端部に設けられる半導体装置であって、前記入力されたアナログ電圧がリセット電圧にあったときに前記第二のアナログ信号の電圧と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングにおける前記アナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する第1のメモリと、前記入力されたアナログ電圧が映像電圧にあったときに前記第二のアナログ信号の電圧と、前記比較電圧とが等しくなったタイミンングにおける前記アナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する第2のメモリと、前記第2のメモリに記憶されるデジタルデータから前記第1のメモリに記憶されるデジタルデータのうち、同一の前記複数の要素アレーにおける要素に対応するデジタルデータを減算して画像データを生成する減算器と、前記画像データを差動信号に変換して、前記差動信号を2本の伝送線によって前記コネクタ部へ伝送するLVDSドライバと、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の各態様によれば、容量や特別な電源を設けることなく、従来のよりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現できるため、イメージセンサを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】特許文献1に記載されたカラムADC方式のCMOSイメージセンサにおけるコンパレータ(比較器)の回路構成を示す回路図である。
図2図1に示すカラムADC用のコンパレータから、容量202とスイッチ205とを削除した回路図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るイメージセンサIMGの構成例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るイメージセンサIMGの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態の変形例1に係るイメージセンサIMG1の構成例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態の変形例2に係るイメージセンサIMG2の構成例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態の変形例3に係るイメージセンサIMG3の構成例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態の変形例4に係るイメージセンサIMG4の構成例を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係るイメージセンサIMG5の構成例を示す図である。
図10】本実施形態に係るイメージセンサIMG5の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図11図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5を適用した内視鏡システムの全体構成を模式的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係るイメージセンサIMGの構成例を示すブロック図である。
<イメージセンサIMGの構成について>
図3に示すイメージセンサIMG(半導体装置)は、m×n個のピクセルP(P[1,1]~P[m,n])と、タイミングジェネレータTGと、n個の比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)と、ランプ波生成器RAMP_GEN(比較電圧生成回路)と、n個のラッチLAT(LAT<1>~LAT<n>)と、グレイコードカウンターCOUNTERと、n個のテール電流源ITAIL(ITAIL<1>~ITAIL<n>)とで構成されている。
図3において、光電変換素子を含む単位画素(以下、単に「ピクセル」と記す)Pは、行列状(マトリックス状)にm×n個、2次元配置されることにより複数の画素アレー(要素アレー(Pixel Array))を構成している。このPixel Arrayにおいて、ピクセルPの行列状配列に対して行毎に行制御線VRST(VRST<1>,VRST<2>,…,VRST<m>)が配線され、列毎に列信号線(垂直信号線)VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)が配線され、Pixel Arrayにおける各ピクセルPはアドレス可能に接続されている。
【0020】
ピクセルPは、図3におけるピクセルP[1,1]で示すように、光電変換素子、例えばフォトダイオードPDに加えて、転送トランジスタMTX、リセットトランジスタMRSTおよび増幅トランジスタMSFの3つのトランジスタを有する構成となっている。増幅トランジスタMSFのソースは、列信号線VLに接続されている。
【0021】
ここで、行制御線VRSTは、各一端が不図示の行走査回路の各段の出力端に接続されている。
行走査回路は、シフトレジスタなどによって構成され、行制御線VRST(VRST<1>,VRST<2>,…,VRST<m>)に対して行選択パルスを順次出力することによって行アドレスや行走査の制御を実行する。これにより、行選択パルスが与えられた行制御線VRST(VRST<1>,VRST<2>,…,VRST<m>)に繋がる1行分のピクセルPがn個選択されることになる。そして、選択された行の各ピクセルPから、リセット動作時(P(プリセット)期間)にリセット信号(リセット電圧VRSTが増幅トランジスタMSFに印加された時のアナログ値の信号)が、読み出し動作(転送動作)時(D(データ)相期間)に画素信号(映像電圧VSIGが増幅トランジスタMSFに印加された時のアナログ値の信号)がそれぞれ列信号線VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)に出力される。
【0022】
列信号線VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)の一端側にはテール電流源ITAIL<1>~ITAIL<n>がそれぞれ接続されている。テール電流源ITAILは、図3においては不図示であるが、例えば、ゲートおよびドレインが共通に接続され、ソースがグランドに接続された第1のNchMOSトランジスタと、当該MOSトランジスタとゲートが共通に接続され、ドレインが列信号線VLに、ソースがグランドにそれぞれ接続された第2のNchMOSトランジスタとからなるカレントミラー回路によって構成されている。このテール電流源ITAILの第2のNchMOSトランジスタは、ピクセルPの増幅トランジスタMSFと共にソースフォロア回路を形成している。
【0023】
信号処理回路(以下、カラム回路と呼ぶこともある)は、テール電流源ITAIL(ITAIL<1>~ITAIL<n>)と、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)と、ラッチLAT(LAT<1>~LAT<n>)とから構成される。
【0024】
比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)は、列信号線VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)の一端側に、列信号線VL<1>,VL<2>,…,VL<n>の各々に対応して設けられている。
また、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)に対して共通に、参照電圧DACOUT(比較電圧)の生成手段であるランプ波生成器RAMP_GENと、グレイコードカウンターCOUNTERと、タイミングジェネレータTGと、が設けられている。
【0025】
ランプ波生成器RAMP_GENは、時間が経過するにつれてレベルが傾斜状に変化するランプ(RAMP)波形をした、すなわち、漸次増加する或いは減少する参照電圧DACOUT(比較電圧)を生成し、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)に対して出力する。本実施形態においては、参照電圧DACOUTは、NMOSトランジスタのゲート電圧として入力するので、LレベルからHレベルへと漸次増加する方式を採用している。もっとも、参照電圧DACOUTを、PMOSトランジスタのゲート電圧として入力する場合(増幅トランジスタMSFと、比較器CMPを構成するペアトランジスタMSF’と、テール電流源ITAILとで形成される差動増幅回路が、PMOS入力型の差動増幅回路である場合)、HレベルからLレベルへと漸次減少する方式を採用してもよい。
グレイコードカウンターCOUNTERは、所定周期のクロックCKに同期してカウント動作を実行することにより、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)の出力する論理レベルが反転するまでに要する時間を計測する。
タイミングジェネレータTGは、マスタークロックに基づいてグレイコードカウンターCOUNTERの動作の基準となるクロックCKを生成し、グレイコードカウンターCOUNTERに対して供給する。
【0026】
比較器CMP(CMP<1>,CMP<2>,…,CMP<n>)は、ランプ波生成器RAMP_GENで生成されるランプ波形の参照電圧DACOUT(比較電圧)と、行制御線VRST(VRST<1>,VRST<2>,…,VRST<m>)毎に選択されたn個のピクセルPにおける増幅トランジスタMSFがアナログ電圧(増幅トランジスタMSFのゲート電圧)に基づきアナログ値を列信号線VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)へ出力する際の当該アナログ電圧と、をそれぞれ比較し、判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]を、対応するラッチLAT(LAT<1>,LAT<2>,…,LAT<n>)に出力する。
【0027】
ラッチLAT(LAT<1>,LAT<2>,…,LAT<n>)は、グレイコードカウンターCOUNTERによる比較器CMP(CMP<1>,CMP<2>,…,CMP<n>)それぞれにおけるカウント結果のうち、後述する所定時刻において判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]がHからLに遷移したときの情報(p(p=10)ビットのカウントデータCOUNT[9:0]および当該遷移時刻、あるいはカウント開始時刻から遷移時刻までの比較時間(比較判定に要した時間))を記録、あるいは保持する。
【0028】
図3において、比較器CMPの入力段に、ソースが列信号線VLに接続されたNchのMOSトランジスタMSF’が設けられている。また、MOSトランジスタMSF’は、ピクセルPの増幅トランジスタMSFと列信号線VLによってソースが共通に接続されることで、当該増幅トランジスタMSFと共に差動対を形成することになる。すなわち、ピクセルPを構成する増幅トランジスタMSFは、比較器CMPを構成するペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)およびテール電流源ITAILと共に差動増幅回路を形成する。
ペアトランジスタMSF’のゲートには、ランプ波生成器RAMP_GENで生成されるランプ波形の参照電圧DACOUTが印加される。ペアトランジスタMSF’のドレインは、Pchの負荷MOSトランジスタ(能動負荷)MRST’のドレインと接続され、負荷MOSトランジスタMRST’によって負荷MOSトランジスタMRST’のソースである電圧VDDAの電源ラインに接続されている。負荷MOSトランジスタMRST’のゲートには、DCゲート電圧BIASが印加される。ここで、第1の実施形態においては、DCゲート電圧BIASのレベルは、負荷MOSトランジスタ(能動負荷)MRST’がテール電流源ITAILの電流の半分の電流をペアトランジスタMSF’のドレインへと流すときの固定したレベルである。
そして、負荷MOSトランジスタMRST’のドレインとペアトランジスタMSF’のドレインは接続され、上記構成の差動増幅回路の出力を生成する。
ペアトランジスタMSF’ドレインから導出される差動増幅回路の出力は、判定信号CMPOUT<1>(CMPOUT<1>~CMPOUT<n>)となり、その出力が反転するまでに要した時間(判定信号CMPOUT<1>(CMPOUT<1>~CMPOUT<n>)の出力が反転したタイミングにおけるグレイコードカウンターCOUNTERのカウント値)が次段のラッチLAT(LAT<1>~LAT<n>)にそれぞれ保持される。
【0029】
<イメージセンサIMGの動作について>
上述の通り、1列目のピクセルPを構成する増幅トランジスタMSFは、比較器CMPを構成するペアトランジスタMSF’およびテール電流源ITAIL<1>と共に差動増幅回路を形成する。ここで、設計では、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧VTH(Voltage THreshold)は、増幅トランジスタMSFの閾値電圧VTHよりもΔVだけ低くなる。この閾値調整はトランジスタへのイオン濃度調整により実現可能である。
このようなトランジスタは、Low-VTHトランジスタとして知られており、一般的な半導体製造メーカのラインでも供給されている。半導体トランジスタの閾値電圧VTHは、一般に以下の式で与えられることが知られており、増幅トランジスタMSFに対するペアトランジスタMSF’の真性キャリア濃度nの値を、大きくすることにより、相対的な閾値電圧を下げることができる。
TH=ΦMS+2Φ+Qdep/Cox
ここで、ΦMSはポリゲートとシリコン基板の仕事関数の差、Φは下記式で与えられるフェルミレベルである。
Φ=(kT/q)ln(Nsub/n
ただし、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量、Nsubは基板の不純物濃度、nは真性キャリア濃度である。
また、Qdepは以下の式で与えられる値(空乏層界面の電荷量)である。
dep=(4qεSI|Φ|Nsub1/2
ただし、εSIはシリコンの誘電率である。
また、Coxは単位面積当たりのゲート酸化膜容量である。
【0030】
従って、ペアトランジスタMSF’にLow-VTHトランジスタを用いることにより、増幅トランジスタMSFと、増幅トランジスタMSFよりもΔVだけ低い電圧でオンするペアトランジスタMSF’とで形成される差動対からなる比較器CMP<1>を実現できるため、オフセットキャンセル用の容量やランプ波生成器のための昇圧回路を設けることなくカラム並列型のイメージセンサを実現できるため、チップ面積を小型化できる。
【0031】
つまり、上記差動増幅回路は、VSF=VSF’+ΔV(VSF、VSF’は夫々MSFおよびMSF’のゲート電圧)の条件を満たしたときに、その出力(差動増幅回路の出力であるMSF’のドレイン電圧)が反転する。即ち、VSF’とVFSの電圧差がΔVよりも小さくなった瞬間に、比較器CMP(CMP<1>,CMP<2>,…,CMP<n>)の出力信号である判定信号CMPOUT(CMPOUT[1],CMPOUT[2],…,CMPOUT[n])がHからLに遷移する。ここで、ΔVは、設計時においては、上述の通り、ΔV=(増幅トランジスタMSFの閾値電圧)-(ペアトランジスタMSF’の閾値電圧)>0に設定されている。
しかし、製造されたイメージセンサIMGにおいては、増幅トランジスタMSFの閾値電圧は、製造時のばらつきにより閾値電圧のばらつきΔV(実測値)を有するが、上式のΔV(設計値)の絶対値は、ΔV(実測値)の絶対値よりも大きな値となるように設計されている。
【0032】
これについて説明すると、閾値電圧のばらつきによってペアトランジスタMSF’に対する増幅トランジスタMSFの相対的な閾値電圧が大きくなる場合は、ΔV(実測値)は大きくなる。つまり、増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtが最大の値Vtmaxとなったときは、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧Vt<増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtmaxであるから、ΔV(実測値)のプラス側の最大値=増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtmax-ペアトランジスタMSF’の閾値電圧Vt(>0)となる。
一方、閾値電圧のばらつきによってペアトランジスタMSF’に対する増幅トランジスタMSFの閾値電圧が小さくなる場合は、ΔV(実測値)は小さくなり、0となり(ペアトランジスタMSF’の閾値電圧Vt=増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vt)、さらにマイナスの値となる。つまり、増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtが最小の値Vtminとなったときは、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧Vt>増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtminであるから、ΔV(実測値)のマイナス側の最大値=増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtmin-ペアトランジスタMSF’の閾値電圧Vt(<0)となる。
よって、これら2つのプラス、マイナスのΔV(実測値)の最大値を、「ばらつきの最大値」といい、比較器CMPは、VSF+ΔV(実測値)=VSF’+ΔV(設計値)(VSF、VSF’は夫々MSFおよびMSF’のゲート電圧)の条件を満たしたときに、その出力である判定信号CMPOUTの出力が反転する。今までの議論より、VSF+=VSF’+(ΔV(設計値)-ΔV(実測値))であり、(ΔV(設計値)-ΔV(実測値))>0であるから、VSFとVSF’の電位差が(ΔV(設計値)-ΔV(実測値))と等しくなった瞬間に、判定信号CMPOUTの出力が反転する。
即ち、比較器CMPは、入力端子の一端に入力された第一のアナログ信号(画素の電圧)と、入力端子の他端に入力された比較電圧信号(比較電圧生成回路が生成する電圧)とを比較し、アドレスされた前記要素アレーが出力する前記第一のアナログ信号と、前記比較電圧生成回路が出力する前記比較電圧とを比較して、前記第一のアナログ信号に所定の絶対値を加えた第二のアナログ信号の値と、前記比較電圧とが等しくなったタイミングにおいて、判定信号CMPOUTの出力が反転することが保証できるので、増幅トランジスタMSFの閾値電圧Vtにばらつきがある場合でも、オフセットキャンセル用の容量や比較電圧生成のための昇圧回路を設けることなく小型な半導体装置を供給できる。なお、所定の絶対値は、例えば30mV以上500mV以下の値である。
また、上述したΔV(実測値)を、以下、ΔVとして説明する。
【0033】
すなわち、信号処理回路における比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)は、アドレスされたPixel Array(要素アレー)と信号処理回路が列信号線(垂直信号線)VL(VL<1>,VL<2>,…,VL<n>)によって接続されたときに、Pixel Arrayの増幅トランジスタMSFと共に差動対を形成するペアトランジスタ(差動トランジスタ)MSF’を有し、信号処理回路のペアトランジスタMSF’に入力された参照電圧(比較電圧)DACOUT(VSF’)と、Pixel Arrayの増幅トランジスタMSFに入力されたアナログ電圧(VSF)の差分を求め、VSF-VSF’=ΔV>0であれば判定信号CMPOUTとして“H(ハイ)”レベルを出力し、VSF-VSF’=ΔV<0であれば判定信号CMPOUTとして“L(ロー)”レベルを出力する。
また、信号処理回路におけるラッチ(記憶回路)LAT(LAT<1>~LAT<n>)は、当該差分ΔV(参照電圧DACOUTと、アナログ電圧との差分)が、Pixel Arrayの増幅トランジスタMSFの閾値電圧のばらつきの最大値より大きな所定の絶対値となったn個のタイミングを記憶する。
【0034】
続いて、イメージセンサIMGの動作について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るイメージセンサIMGの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4が示すタイミングチャートは、横軸においては時間[sec]を表し、縦軸においては、イメージセンサIMGにおける主要信号として、増幅トランジスタMSFに入力される参照電圧DACOUT、比較器CMP<1>におけるペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)のゲート電圧として入力されるアナログ電圧PIXOUT[1]、比較器CMP<1>の判定信号CMPOUT[1]、グレイコードカウンターCOUNTERがカウントするカウンタデータCOUNTN[9:0]の各時刻におけるレベル変化を表している。
イメージセンサIMGは、図4に示すタイミングチャートに従って、時刻t3~t5で表わすP相の期間において、行制御線VRST<1>により選択された行のピクセルP[1,1]から、リセット信号(リセット電圧VRSTが増幅トランジスタMSFに印加された時のアナログ値の信号)が列信号線VL<1>へ出力されたときの比較器CMP<1>による判定信号CMPOUT[1]を出力する。また、イメージセンサIMGは、図4に示すタイミングチャートに従って、時刻t5~t1’で表わすD相の期間において、行制御線VRST<1>により選択された行のピクセルP[1,1]から、画素信号(映像電圧VSIGが増幅トランジスタMSFに印加された時のアナログ値の信号)が列信号線VL<1>へ出力されたときの、比較器CMP<1>による判定信号CMPOUT[1]を出力する。
【0035】
先ず、時刻t1にリセットトランジスタMRSTがオンすることによりピクセルP[1,1]がリセットされ、時刻t2にリセットトランジスタMRSTがオフすることによりリセット電圧VRSTが増幅トランジスタMSFのゲートに現れる。時刻t3にランプ波生成器RAMP_GENがランプ波(DACOUT)の生成を開始すると同時に、グレイコードカウンターCOUNTERはカウントデータCOUNTN[9:0]のカウンティングを開始する。ランプ波の上昇とカウンティグはその後も継続し、時刻tp1に比較器CMP<1>の判定信号CMP_OUT[1]がHからLに遷移する。これは、差動増幅回路を構成する増幅トランジスタMSFと共に差動対を形成するペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)それぞれのゲート電圧VSF(=VRST)、VSF’(=DACOUT)が、VSF=VSF’+ΔVの条件を満たし、差動増幅回路の出力であるMSF’のドレイン電圧が反転するためである。また、ラッチLAT<1>は時刻tp1におけるカウントデータCOUNTN[9:0]の値を保持する。このカウンティングは時刻t4まで継続し、この時刻までに全ての列の判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]が反転するタイミングが、各列毎に設けられたラッチLAT<1>~LAT<n>に記録される。
【0036】
続いて、時刻t5には、ピクセル内の転送トランジスタMTXがオンし、映像電圧VSIGが増幅トランジスタMSFのゲートに現れる。時刻t6にランプ波生成器RAMP_GENがランプ波(DACOUT)の生成を開始すると同時に、カウンタCOUNTERはカウントデータCOUNTN[9:0]のカウンティングを開始する。ランプ波の上昇とカウンティグはその後も継続し、時刻td1に比較器CMP<1>の判定信号CMP_OUT[1]がHからLに遷移する。これは、差動増幅回路を構成する増幅トランジスタMSFと共に差動対を形成するペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)それぞれのゲート電圧VSF(=VSIG)、VSF’(=DACOUT)が、VSF=VSF’+ΔV(実測値)の条件を満たし、差動増幅回路の出力であるMSF’のドレイン電圧が反転するためである。また、ラッチLAT<1>は時刻td1におけるカウントデータCOUNTN[9:0]の値を保持する。このカウンティングは時刻t1’まで継続し、この時刻までに全ての列の判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]が反転するタイミングが、各列毎に設けられたラッチLAT<1>~LAT<n>に記録される。
時刻tp1および時刻td1の反転タイミングを記録したラッチLAT<1>~LAT<n>の情報は、順番に不図示の信号伝送手段によってイメージセンサIMGの外部に出力される。
【0037】
以上説明した通り、増幅トランジスタMSFと、増幅トランジスタMSFよりもΔVだけ低い電圧でオンするペアトランジスタMSF’とで形成される差動対からなる比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)を用いることにより、オフセットキャンセル用の容量やランプ波生成器のための昇圧回路を設けることなくカラム並列型のイメージセンサIMGを実現できるため、チップ面積を小型化できる。
【0038】
<第1の実施形態の変形例1>
次に、本発明の第1の実施形態の変形例1について図面を参照して説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係るイメージセンサIMG1の構成例を示す図である。なお、図5において図3に示す構成と同一あるいは対応する構成には同一の数字の符号または同一の数字に英字を付加した符号を付けて説明を適宜省略する。
図5に示すとおり、増幅トランジスタMSFのバックゲート端子は、GND(グラウンド)にバイアスされており、ペアトランジスタMSF’のバックゲート端子は自身のソース端子に等しい電圧にバイアスまたは自身のソース端子に接続(セルフバイアス)されていてもよい。
なぜならば、基板バイアス効果を考慮した増幅トランジスタMSFの閾値電圧VTHは下式で与えられることからわかるとおり、トランジスタのバックゲートをセルフバイアスした場合が、閾値電圧が最も小さく、トランジスタのバックゲートとソース電圧の差が大きくなるほど、閾値電圧は大きくなる。ここで、VSBはトランジスタのソース-バックゲート間電圧であり、γは、閾値電圧パラメータと呼ばれる所定の係数である。
TH=VTH0+γ{(2Φ+VSB1/2-(2Φ1/2
一方、増幅トランジスタMSF’の閾値電圧VTHは、上式においてVSB=0とした下式で与えられる。 VTH=VTH0+γ{(2Φ1/2-(2Φ1/2
つまり、増幅トランジスタMSF’の閾値電圧VTHは、基板バイアス効果による閾値電圧変動VSBの項の影響分だけ、閾値電圧が低くなる。
【0039】
すなわち、図5に示すイメージセンサIMG1においては、カラム回路のペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)のバックゲート端子がペアトランジスタMSF’のソース端子電圧に等しい電圧にバイアスされており、Pixel Array(要素アレー)の増幅トランジスタMSFのバックゲートが、ペアトランジスタMSF’のソース端子電圧よりも低い電圧にバイアスされている。
これにより、設計では、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧を、増幅トランジスタMSFの閾値電圧よりもΔVだけ低くできるため、容量や特別な電源を設けることなく、従来のよりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現でき、イメージセンサIMG1を小型化できる。
【0040】
なお、本実施例における比較器CMP(CMP1<1>~CMP1<n>)には、図5に示すように、トランジスタMTX’およびトランジスタMSEL’とで構成されるCMOSインバータが、ペアトランジスタMSF’のドレイン端子と、ラッチLATとの間に設けられているが、このようにCMOSインバータをペアトランジスタMSF’のドレイン端子と、ラッチLATとの間に設けられる比較器CMPの構成としてもよい。
また、本実施例において、ピクセルP[1,1]~P[m,n]と、比較器CMP(比較器CMP<1>~CMP<n>)と、ランプ波生成器RAMP_GENと、テール電流源ITAIL<1>~ITAIL<n>を構成するトランジスタは、高耐圧トランジスタ(例えば3.6V耐圧、最小ゲート長330nm)で構成されており、タイミングジェネレータTGと、ラッチLATと、グレイコードカウンターCOUNTERを構成するトランジスタは低耐圧トランジスタ(例えば1.4V耐圧、最小ゲート長65nm)で構成されていてもよい。
【0041】
また、ピクセルP[1,1]~P[m,n]に供給される電圧VRST<m>の最高電圧と、リセットトランジスタMRSTとに供給される電圧は、高耐圧トランジスタの標準動作電圧(例えば3.3V)であって、インバータINV(上記CMOSインバータ)およびラッチLAT、グレイコードカウンターCOUNTER、タイミングジェネレータTGに供給される電圧は低耐圧トランジスタの標準動作電圧(例えば1.2V)であってもよい。このような構成であれば、ピクセル部に対しては十分な動作電圧を供給することにより、アナログドメインで十分なS/Nを確保しつつ、デジタルドメインで低耐圧トランジスタを用いることによる低消費電力化や、小面積化のメリットも享受できる。なお、本変形例において、インバータINVを設けた場合、図4における判定信号CMPOUT(CMPOUT[1],CMPOUT[2],…,CMPOUT[n])の論理が反転してしまうが、イメージセンサIMG2全体の基本動作としてはイメージセンサIMG1全体の基本動作と何ら変わることは無い点に留意されたい。
本実施例では、アナログ電圧ドメインとデジタル電圧ドメインとを接続するための手段として、高耐圧トランジスタで構成され、低耐圧トランジスタの標準動作電圧が供給されたインバータINVの具体例を説明したが、同等な機能を有するバッファや、レベルシフタ等の変形例も考えられる。なお、バッファや、レベルシフタを使用した場合には、図4における判定信号CMPOUTの論理を反転させる必要は無い。
【0042】
<第1の実施形態の変形例2>
次に、本発明の第1の実施形態の変形例2について図面を参照して説明する。図6は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係るイメージセンサIMG2の構成例を示す図である。なお、図6において図3および図5に示す構成と同一あるいは対応する構成には同一の数字の符号または同一の数字に英字を付加した符号を付けて説明を適宜省略する。
図6に示すとおり、増幅トランジスタMSFのソース端子と、テール電流源Itail<1>~Itail<n>との間に抵抗器R<1>~R<n>が挿入されていてもよい。一般に、コンパレータである比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)を設計する場合、入力差動対となる増幅トランジスタMSFと、ペアトランジスタMSF’に流れる電流は、各トランジスタへの入力電圧が等しい場合に、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)の出力信号が反転する。このような設計を実現するためには、リセットトランジスタMRSTのバイアス電流Ibiasは(1/2)Itailとなる。
【0043】
本変形例の設計においても、リセットトランジスタMRSTのバイアス電流Ibiasは(1/2)Itailとなる。このようなコンパレータの出力が反転を開始する条件は、増幅トランジスタMSFと、ペアトランジスタMSF’のゲートーソース間電圧が等しくなったタイミングである。
1行1列目のピクセルP[1,1]が選択されており、抵抗器R<1>の抵抗値が0の場合、コンパレータの反転が開始するタイミングはIbias=(1/2)Itailとなった瞬間である。
本実施例(変形例)の場合、上記条件における増幅トランジスタMSFのソース電圧は抵抗器R<1>の抵抗値r1と増幅トランジスタMSFに流れる電流(Itail-Ibias)との積の分だけ高くなる。ペアトランジスタMSF’に流れる電流をIbiasとした場合、増幅トランジスタMSFに流れる電流はItail-Ibiasとなるため、図6におけるΔVがr1×(Itail-Ibias)=r1×(1/2)Itailとなる。
【0044】
すなわち、図6に示すイメージセンサIMG2においては、Pixel Array(要素アレー)の増幅トランジスタMSFのソース電圧がカラム回路のペアトランジスタMSF’のソース電圧よりも高くなる抵抗器R<1>~R<n>(レベルシフト回路)を、Pixel Arrayの増幅トランジスタMSFと、信号処理回路のテール電流源Itail<1>~Itail<n>との間に設けている。
これにより、設計では、ペアトランジスタMSF’の実効的な閾値電圧を、増幅トランジスタMSFの閾値電圧よりもΔVだけ低くできるため、容量や特別な電源を設けることなく、従来よりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現でき、イメージセンサを小型化できる。
【0045】
なお、本イメージセンサIMG2には、図6に示すように、OB出力のAD変換結果を保持するOBメモリMEM_OBと、映像出力のAD変換結果を保持する映像メモリMEM_SIGと、これら2つの値を減算する減算器Subtractorと、減算後のデータを出力するLVDS(Low Voltage Differential Signaling)ドライバを具備していてもよい。
OBメモリMEM_OB<1>~MEM_OB<n>は、P相(アナログ電圧=VRST)について、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)が判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]それぞれを反転させたタイミング(時刻tp1)におけるカウントデータCOUNTN[9:0](ラッチLAT<1>~LAT<n>それぞれが保持したカウントデータ)を保持している。
また、映像メモリMEM_SIG<1>~MEM_SIG<n>は、D相(アナログ電圧=VSIG)について、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)が判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]それぞれを反転させたタイミング(時刻td1)におけるカウントデータCOUNTN[9:0](ラッチLAT<1>~LAT<n>それぞれが保持したカウントデータ)を保持している。
【0046】
また、減算器Subtractorは、映像メモリMEM_SIG<1>~MEM_SIG<n>に記憶されたカウントデータCOUNTN[9:0]それぞれからOBメモリMEM_OB<1>~MEM_OB<n>に記憶されたカウントデータCOUNTN[9:0]を減算し、画像データを生成する。
また、LVDSドライバには、小振幅信号の高速伝送用のインタフェースであるLVDS(低電圧差動信号インタフェース、Low Voltage Differential Signals)が採用されており、入力信号(画像データ)が入力される。LVDSドライバは、この入力信号を信号レベルが正(+)方向と負(―)方向に跨り、かつ振幅が例えば350mVの差動信号を一対の出力信号線(2本のケーブル)によって、接続される外部機器へ出力する。
【0047】
このようなイメージセンサIMG2を内視鏡システムに適用することにより、LVDSドライバが出力すべきデータの転送速度を下げることが可能になるため、細い伝送ケーブルであっても映像信号の伝達が可能になる。
以上説明したとおり、本イメージセンサIMG2は、容量や特別な電源を設けることなく、従来よりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現することによるイメージセンサの小型化、映像信号の転送レートを下げることによるケーブルの細径化の両方が可能であるため、内視鏡システムでの利用に好適なイメージセンサを提供できる。
なお、内視鏡システムでの利用する際に、映像信号の転送レートを下げることによるケーブルの細径化の可能になることについては、本願発明の第2の実施形態を説明した後に、詳述する。
【0048】
<第1の実施形態の変形例3>
次に、本発明の第1の実施形態の変形例3について図面を参照して説明する。図7は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係るイメージセンサIMG3の構成例を示す図である。なお、図7において図3図5および図6に示す構成と同一あるいは対応する構成には同一の数字の符号または同一の数字に英字を付加した符号を付けて説明を適宜省略する。
図7に示すとおり、増幅トランジスタMSFのソース端子と、テール電流源Itail<1>~Itail<n>との間に選択スイッチMSELが挿入されていてもよい。
選択スイッチMSELのオン抵抗をr2とした場合、変形例2の議論と同じ理由で、図7におけるΔVがr2×(Itail-Ibias)となる。
【0049】
すなわち、図7に示すイメージセンサIMG3においては、Pixel Array(要素アレー)の増幅トランジスタMSFのソース電圧がカラム回路のペアトランジスタMSF’のソース電圧よりも高くなる選択スイッチMSEL(レベルシフト回路)を、Pixel Arrayの増幅トランジスタMSFと、信号処理回路のテール電流源Itail<1>~Itail<n>との間に設けている。
これにより、設計では、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧を、増幅トランジスタMSFの閾値電圧よりもΔVだけ低くできるため、容量や特別な電源を設けることなく、従来のよりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現でき、イメージセンサを小型化できる。
【0050】
<第1の実施形態の変形例4>
次に、本発明の第1の実施形態の変形例4について図面を参照して説明する。図8は、本発明の第1の実施形態の変形例4に係るイメージセンサIMG4の構成例を示す図である。なお、図8において図3図5図6および図7に示す構成と同一あるいは対応する構成には同一の数字の符号または同一の数字に英字を付加した符号を付けて説明を適宜省略する。
図8に示すとおり、増幅トランジスタMSFのW(チャネル幅)/L(チャネル長)のアスペクト比よりもペアトランジスタMSF’のW/Lのアスペクト比が大きく設定されていてもよい。W/Lのアスペクト比が同じトランジスタのゲート-ソース間電圧が等しい場合に、比較器(コンパレータ)CMP(CMP<1>~CMP<n>)は反転を開始するが、所定のゲート-ソース間電圧を与えたトランジスタのドレイン電流はアスペクト比に略比例するため、ペアトランジスタMSF’のゲート-ソース間電圧が増幅トランジスタMSFのゲート-ソース間電圧より低くても、コンパレータが反転を開始するためである。
【0051】
すなわち、図8に示すイメージセンサIMG4においては、Pixel Array(要素アレー)の増幅トランジスタMSFのW/Lのアスペクト比よりも前記信号処理回路のペアトランジスタMSF’(差動トランジスタ)のW/Lのアスペクト比が大きい。
これにより、設計では、ペアトランジスタMSF’の閾値電圧を、増幅トランジスタMSFの閾値電圧よりもΔVだけ低くできるため、容量や特別な電源を設けることなく、従来のよりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現でき、イメージセンサを小型化できる。
【0052】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係るイメージセンサIMG5の構成例を示すブロック図である。なお、図9において図3図5図6図7および図8に示す構成と同一あるいは対応する構成には同一の数字の符号または同一の数字に英字を付加した符号を付けて説明を適宜省略する。
<イメージセンサIMG5の構成について>
図9に示すイメージセンサIMG5(半導体装置)は、m×n個のピクセルP(P[1,1]~P[m,n])と、タイミングジェネレータTGと、n個の比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)と、ランプ波生成器RAMP_GENと、n個のラッチLAT(LAT<1>~LAT<n>)と、グレイコードカウンターCOUNTERと、n個のテール電流源ITAIL(ITAIL<1>~ITAIL<n>)に加え、抵抗器R<1>~R<n>と、OBメモリMEM_OB(MEM_OB<1>~MEM_OB<n>)と、映像メモリMEM_SIG(MEM_SIG<1>~MEM_SIG<n>)と、減算器Subtractorと、減算後のデータを出力するLVDS(Low Voltage Differential Signaling)ドライバとで構成されている。
【0053】
<イメージセンサIMG5の動作について>
以下、図10を援用しつつ、図9に記載されたイメージセンサIMG5についての動作を説明する。図10は、イメージセンサIMG5の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図10の上段側は、1ライン分の読み出しシーケンスの時間スパン、下段側はtp1~t5までの時間を拡大している。図9は基本的に図6に記載されたイメージセンサIMG2と同じであるが、BIAS2/nRST信号が新たに追加された点のみが異なる。
すなわち、第1の実施形態においては、DCゲート電圧BIASのレベルは、負荷MOSトランジスタ(能動負荷)MRST’がテール電流源ITAILの電流の半分の電流をペアトランジスタMSF’のドレインへと流すときの固定したレベルである。
一方、BIAS2/nRST信号線は、BIAS2レベルと、“L”レベルを周期的に繰り返す信号である。
【0054】
ここで、BIAS2レベルは、負荷MOSトランジスタMRST’に十分なソース-ドレイン間電圧が与えられた場合に、負荷MOSトランジスタMRST’のドレイン電流がItailの半分よりも小さくなるようなゲート電圧VREFであり、“L”レベルは負荷MOSトランジスタMRST’のドレイン電流がItailの半分よりも大きくなるようなゲート電圧である。本実施例では“L”レベルはGNDレベルに設定することにより、バイアス回路を簡略化するだけでなく、負荷MOSトランジスタMRST’をスイッチとして動作させることにより、応答の高速化を実現している。
すなわち、負荷MOSトランジスタMRST’に印加されるゲート電圧は、第2の実施形態におけるnRST(例えば、GND(0V))<第1の実施形態におけるBIAS<第2の実施形態におけるBIAS2(例えば、VREF)となり、負荷MOSトランジスタMRST’のドレイン電流は、ゲート電圧がnRSTのドレイン電流>ゲート電圧がBIASのドレイン電流>ゲート電圧がBIAS2のドレイン電流となる。
【0055】
<AD変換時の動作について>
図10のタイミングチャートにおけるコンパレータ出力の下りエッジ遷移期間におけるスルーレートSRDN(変化率)は以下の式で与えられる。
SRDN=dV/dt=(Ibias-Itail)/Cp
ここで、Cpは、インバータの入力端子における寄生容量を表す。
第1の実施形態の場合は、設計では、Ibias=0.5×Itailとなるから、コンパレータが反転するタイミングにおけるスルーレートSRDN1(図10における波形CMPOUT[1]のスルーレートSRDN)は、以下の式で与えられる。
SRDN1=(0.5×Itail-Itail)/Cp=-(0.5×Itail)/Cp
一方、本実施形態に記載されたコンパレータの設計では、例えばIbias2=0.01×Itailとなるから、コンパレータが反転するタイミングにおけるスルーレートSRDN2(図10における波形CMPOUT’[1]、波形CMPOUT’’[1]のスルーレートSRDN)は、以下の式で与えられる。
SRDN2=(Ibias2-Itail)/Cp=(0.01×Ibias-Ibias)/Cp=-(0.99×Itail)/Cp
すなわち、本実施形態に記載されたコンパレータは、第1の実施形態に記載されたコンパレータよりも、短時間で、電圧の判定が完了する。カラムADCの変換精度は、コンパレータが反転した時刻の精度に依存すため、本実施例に記載されたコンパレータを用いることにより、より変換精度の高いAD変換器を実現できる。
【0056】
[リセット時動作]
上述したように、Ibiasの値をItailに比べて十分に小さな値に設定することにより、コンパレータの判定精度を向上させられることについて説明してきた。しかしながら、図9のタイミングチャートにおけるコンパレータ出力の上りエッジ遷移期間(コンパレータのリセット期間)におけるスルーレートSRUP(変化率)は以下の式で与えられる。
SRUP=dV/dt=Ibias/Cp
即ち、Ibiasの値が小さいほど、コンパレータのリセットに時間を要するという課題がある。
【0057】
この課題は、負荷MOSトランジスタMRST’(能動負荷)のバイアス電流がテール電流の半分よりも小さな電流で動作する第一の期間(判定期間)と、負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流がテール電流の半分よりも大きな電流で動作する第二の期間(リセット期間)で動作することによって解決する。
このため、本実施形態では、第二の期間における能動負荷のバイアス電流をテール電流の半分よりも大きくするために、本実施形態に記載されたコンパレータの負荷MOSトランジスタMRST’は、AD変換期間中にはBIAS2にバイアスされており、リセット期間中にはGNDレベルにバイアス(アナログスイッチとして動作)されていてもよい。
【0058】
この効果を示すためのタイミングチャートが図10に示されている。
図10下段のCMPOUT[1]が、第1の実施形態におけるコンパレータの応答を示すタイミングチャート、図9下段のCMPOUT’[1]が負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が、判定期間、リセット期間のいずれの期間においてもテール電流の半分よりも小さい場合にコンパレータが出力する応答を示すタイミングチャート、図10下段のCMPOUT’’[1]が負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が判定期間においてはテール電流の半分よりも小さな電流であり、負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流がリセット期間においてはテール電流の半分よりも大きな電流である場合にコンパレータが出力する応答を示すタイミングチャートである。
【0059】
CMPOUT[1]のリセット期間における電圧の変化率SRUP1は、以下の式で与えられる。
SRUP1=0.5×Ibias/Cp
すなわち、CMPOUT[1]の設計の場合は、リセット期間におけるIbiasがIbias=0.5×Itailとなるので、CMPOUT[1]のリセット期間(第二の期間)における負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が0.5×Ibiasで動作しているからである。
【0060】
CMPOUT’[1]のリセット期間における電圧の変化率SRUP2は、以下の式で与えられる。
SRUP2=0.01×Ibias/Cp
すなわち、CMPOUT’[1]の設計の場合は、リセット期間におけるIbiasがIbias=0.01×Itailとなるので、CMPOUT[1]のリセット期間(第二の期間)における負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が0.01×Ibiasで動作しているからである。
【0061】
CMPOUT’’[1]のリセット期間における電圧の変化率SRUP3は、以下の式で与えられる。
SRUP3=100×Ibias/Cp
すなわち、CMPOUT[1]’’の設計の場合は、リセット期間におけるIbiasが、例えばIbias=100×Itailとなるので、CMPOUT[1]のリセット期間(第二の期間)における負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が100×Ibiasで動作しているからである。
【0062】
以上説明した通り、CMPOUT’[1]の波形では、CMPOUT[1]の出力に対して、“H”から“L”に遷移するまでの時間が短縮されており(図10に示すようにΔt1がΔt2に短縮されており)、CMPOUT’’[1]の波形では、CMPOUT[1]の出力に対して、“L”から“H”に遷移するまでの時間が短縮されている(図10に示すようにΔt3がΔt5に短縮されている)。
【0063】
すなわち、図9に示すイメージセンサIMG5において負荷MOSトランジスタMRST’のゲート電圧をBIAS2=nRST>BIAS(第1の実施形態におけるゲート電圧)とした場合、信号処理回路に設けられた負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流が、テール電流の半分よりも小さい。
これにより、一般的なコンパレータに比べて、コンパレータの反転速度がより高速になるため、従来よりも高い精度でコンパレータの反転した時刻を記憶できる。コンパレータの反転した時刻の記憶精度は、AD変換器の変換精度に一致するため、本構成ではより高精度なAD変換器を提供できる。
【0064】
また、図9に示すイメージセンサIMG5において負荷MOSトランジスタMRST’のゲート電圧をBIAS2>BIAS>nRSTとした場合、信号処理回路に設けられた負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流がテール電流の半分よりも小さな電流である第一の期間において前記信号処理回路は判定動作し、負荷MOSトランジスタMRST’のバイアス電流がテール電流の半分よりも大きな電流である第二の期間において前記信号処理回路はリセット動作する。
これにより、大きなバイアス電流の流れる第二の期間にコンパレータを高速リセットできるため、コンパレータのリセットに時間がかかるという欠点を有するAD変換器のリセット速度を高速化できる。即ち、高精度かつ高速に動作するAD変換器を供給できる。
【0065】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図11は、図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5を適用した内視鏡システムの全体構成を模式的に示す概略図である。
<内視鏡システムの構成>
図11に示した内視鏡システム1は、ソース機器として機能する内視鏡2と、伝送路として機能する伝送ケーブル3と、シンク機器として機能するコネクタ部5と、プロセッサ6(制御装置)と、表示装置7と、光源装置8と、を備える。
【0066】
内視鏡2は、伝送ケーブル3の一部である挿入部100を被検体の体腔内に挿入することによって被検体の体内を撮像して生成した画像データをプロセッサ6へ出力する。また、内視鏡2は、伝送ケーブル3の一端側であり、被検体の体腔内に挿入される挿入部100の先端部101側に、下りデータである画像データを生成する撮像部20(図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5)が設けられ、挿入部100の基端102側に、内視鏡2に対する各種操作を受け付ける操作部4が接続される。撮像部20が生成した画像データは、少なくとも10cm以上の長さを有する伝送ケーブル3によって接続されるコネクタ部5に出力される。
【0067】
コネクタ部5は、プロセッサ6および光源装置8に着脱自在に接続され、撮像部20が出力する画像データに所定の信号処理を施してプロセッサ6へ出力する。
【0068】
プロセッサ6は、コネクタ部5から入力された撮像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡システム1全体を統括的に接続する。
【0069】
表示装置7は、プロセッサ6が画像処理を施した画像信号に対応する画像を表示する。また、表示装置7は、内視鏡システム1に関する各種情報を表示する。
【0070】
光源装置8は、プロセッサ6の制御による制御のもと、例えばハロゲンランプや白色LED(Light Emitting Diode)等を用いて構成され、コネクタ部5、伝送ケーブル3を経由して内視鏡2の挿入部100の先端部101側から被検体へ向けて照明光を照射する。
【0071】
<内視鏡の構成>
まず、内視鏡2について説明する。
図1に示すように、内視鏡2は、撮像部20と、伝送ケーブル3と、コネクタ部5と、を備える。
【0072】
撮像部20は、図6に示すIMG2において説明したように、OB出力のAD変換結果を保持するOBメモリMEM_OBと、映像出力のAD変換結果を保持する映像メモリMEM_SIGと、これら2つの値を減算する減算器Subtractorと、減算後のデータを出力するLVDS(Low Voltage Differential Signaling)ドライバを備えている。
OBメモリMEM_OB<1>~MEM_OB<n>は、P相(アナログ電圧=VRST)について、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)が判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]それぞれを反転させたタイミング(図4に示す時刻tp1)におけるカウントデータCOUNTN[9:0](ラッチLAT<1>~LAT<n>それぞれが保持したカウントデータ)を保持している。
また、映像メモリMEM_SIG<1>~MEM_SIG<n>は、D相(アナログ電圧=VSIG)について、比較器CMP(CMP<1>~CMP<n>)が判定信号CMP_OUT[1]~CMP_OUT[n]それぞれを反転させたタイミング(図4に示す時刻td1)におけるカウントデータCOUNTN[9:0](ラッチLAT<1>~LAT<n>それぞれが保持したカウントデータ)を保持している。
【0073】
また、減算器Subtractorは、映像メモリMEM_SIG<1>~MEM_SIG<n>に記憶されたカウントデータCOUNTN[9:0]それぞれからOBメモリMEM_OB<1>~MEM_OB<n>に記憶されたカウントデータCOUNTN[9:0]を減算し、画像データを生成する。
また、LVDSドライバは、小振幅信号の高速伝送用のインタフェースであるLVDS(低電圧差動信号インタフェース、Low Voltage Differential Signals)を採用が採用されており、入力信号(画像データ)が入力される。LVDSドライバは、この入力信号を信号レベルが正(+)方向と負(―)方向に跨り、かつ振幅が例えば100mV以下に低減した差動信号に変換し、当該差動信号を一対の出力信号線(2本の伝送線)によって、接続される外部機器へ出力する。
【0074】
伝送ケーブル3は、例えば同軸ケーブル等を用いて構成され、電源電圧を伝送する伝送線(電源線)と、グランド線と、差動信号を伝送する1対の伝送線と、を有する。伝送ケーブル3は、例えば長さ10cm以上であり、撮像部20とコネクタ部5とを接続する。
【0075】
このように、撮像部20(図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5)を内視鏡システムに適用することにより、実施形態1で説明したイメージセンサを適用するのに対して、2回別個に送信していたOB出力のAD変換結果と、映像出力のAD変換結果とを、1回の送信で差動信号として送信することが可能になる。すなわち、LVDSドライバが出力すべきデータの転送速度を下げることが可能になるため、細い伝送ケーブルであっても映像信号の伝達が可能になる。
【0076】
つまり、本撮像部20(図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5)は、被検体に挿入される挿入部100と、所定の画像処理を実行するプロセッサ6(制御装置)に着脱自在に接続されるコネクタ部5を備える内視鏡2に対して適用され、挿入部100の先端部に設けられるイメージセンサ(半導体装置)である。
また、本撮像部20は、OBメモリMEM_OB(第1のメモリ)と、映像メモリMEM_SIG(第2のメモリ)と、減算器Subtractorと、LVDSドライバと、をさらに備える。
ここで、OBメモリMEM_OB(第1のメモリ)は、入力されたアナログ電圧がリセット電圧VRSTにあったときに第二のアナログ信号の値と、比較電圧VSF’とが等しくなったタイミンングにおけるアナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する。また、映像メモリMEM_SIG(第2のメモリ)は、入力されたアナログ電圧が映像電圧VSIGにあったときに第二のアナログ信号の値と、比較電圧VSF’とが等しくなったタイミンングにおけるアナログ電圧に対応するデジタルデータを記憶する。また、減算器Subtractorは、映像メモリMEM_SIGに記憶されるデジタルデータからOBメモリMEM_OBに記憶されるデジタルデータのうち、同一のピクセルP(要素)に対応するデジタルデータを減算して画像データを生成する。また、LVDSドライバは、減算器Subtractorが生成した画像データを差動信号に変換して、変換した差動信号を2本の伝送線によって接続されるコネクタ部5へ伝送する。
【0077】
これにより、本撮像部20(図6に示すイメージセンサIMG2と、図9に示すイメージセンサIMG5)は、容量や特別な電源を設けることなく、従来よりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現することによるイメージセンサの小型化、映像信号の転送レートを下げることによるケーブルの細径化の両方が可能であるため、内視鏡システムでの利用に好適なイメージセンサを提供できる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0079】
上記各態様の半導体装置(イメージセンサ)によれば、容量や特別な電源を設けることなく、従来のよりも小さなカラム回路用のコンパレータを実現できるため、イメージセンサを小型化できる。
【符号の説明】
【0080】
IMG,IMG1,IMG2,IMG3,IMG4,IMG5,IMG6 イメージセンサ
P[1、1],P[m、n] ピクセル
TG タイミングジェネレータ
COUNTER グレイコードカウンター
ITAIL<1>,ITAIL<n> テール電流源
CMP<1>,CMP<n> 比較器
VL<1>,VL<n> 垂直信号線
VRST<1>,VRST<m> 行制御線
RAMP_GEN ランプ波生成器
LAT<1>,LAT<n> ラッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11