(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】甘味料粉末組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20221208BHJP
【FI】
A23L27/00 101Z
A23L27/00 E
(21)【出願番号】P 2020572935
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2019007910
(87)【国際公開番号】W WO2020005021
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0075049
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093974
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500578515
【氏名又は名称】サムヤン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ゴウン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ヘジン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,テチョル
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウンス
(72)【発明者】
【氏名】リュ,キョンホン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジェギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チョンジン
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-055890(JP,A)
【文献】国際公開第2004/084650(WO,A1)
【文献】特開2011-229477(JP,A)
【文献】特表2017-515487(JP,A)
【文献】特表2016-509858(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0046853(KR,A)
【文献】Journal of Pharmaceutical Sciences,2013年,102(2),pp.518-529
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L,B01J
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルロースおよび粉末化助剤を含み、
ガラス転移温度が40℃~150℃であり、
溶解時間が、結晶形アルロースおよび前記粉末化助剤を固相混合した粉末組成物の溶解時間の80%以下であり、
前記粉末化助剤は粉末状態のガラス転移温度60℃~250℃を有し、
前記粉末化助剤が澱粉加水分解物または食物繊維である、粉末甘味料組成物。
【請求項2】
前記粉末甘味料が非結晶質粉末である、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項3】
前記粉末甘味料組成物のデキストロース当量(dextrose equivalent)値が10~44未満である、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項4】
前記粉末甘味料が2.0kcal/g以下のカロリーを有する、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項5】
前記粉末化助剤が、食物繊維、デキストリン、マルトオリゴ糖、マルトテトラオースシロップ、および水飴からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項6】
前記粉末化助剤が、難消化性デキストリン、またはDE25以下の水飴である、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項7】
前記粉末甘味料が10重量%以下の水分含量を有する、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項8】
前記粉末甘味料組成物が、前記アルロースおよび粉末化助剤の合計固形分含有量100重量%を基準として、1~35未満重量%の前記アルロースを含み、65超~99重量%の前記粉末化助剤を含む、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項9】
前記粉末が、噴霧乾燥物として、アルロースおよび粉末化助剤を含む液状原料を噴霧乾燥した噴霧乾燥物である、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項10】
前記液状原料が30~80重量%の固形分含有量を有する、請求項9に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項11】
高甘味度甘味料および砂糖からなる群より選ばれた1種以上をさらに含む、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項12】
前記粉末甘味料組成物の100重量%を基準として、前記砂糖の含有量が0.1~10重量%である、請求項11に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項13】
前記高甘味度甘味料が、アルロースを含む糖類および粉末化助剤の合計固形分含有量100重量部を基準として、0.001~0.3重量部で含まれる、請求項11に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項14】
前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サイクラミン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア甘味料、ズルチン、タウマチン、トマチン、ネオテーム、レバウディオサイドおよびモネリンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項11に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項15】
前記溶解時間が、前記組成物20gが水80gに溶解するまでかかる時間により測定される、請求項1に記載の粉末甘味料組成物。
【請求項16】
アルロースシロップおよび液状粉末化助剤を含み、デキストロース当量(dextrose equivalent)値が44未満である、請求項1ないし15のいずれか一項による粉末甘味料製造用組成物。
【請求項17】
請求項1ないし15のいずれか一項による粉末甘味料組成物を含む、食品組成物。
【請求項18】
前記食品組成物が、アイスクリーム、コーヒーミックス、乳製品、醗酵乳、アーモンドミルク、クリーマー、発泡ビタミン、粉末飲料、豆乳、茶飲料、ハードキャンディ、ゼリー類、グミ類、クッキー、菓子、油揚げ菓子、パイ菓子、ビスケット類、健康機能食品、スポーツまたはエネルギー用食品類、シリアル類、スナックバー類、および製菓製パン類からなる群より選ばれた1種以上である、請求項17に記載の食品組成物。
【請求項19】
アルロースおよびガラス転移温度60℃~250℃を有する粉末化助剤を含む液状原料を製造し、前記液状原料を75~100℃の温度条件で噴霧乾燥して粉末甘味料組成物を製造する工程を含む、請求項1に記載の粉末甘味料組成物の製造方法。
【請求項20】
前記粉末化助剤が、食物繊維、デキストリン、難消化性デキストリン、マルトオリゴ糖、マルトテトラオースシロップ、および水飴からなる群より選ばれる1種以上である、請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記液状原料のデキストロース当量(dextrose equivalent)値が10~44未満である、請求項19に記載の製造方法。
【請求項22】
前記噴霧乾燥が、前記液状原料のガラス転移温度より低い温度で行われる、請求項19に記載の製造方法。
【請求項23】
前記噴霧乾燥が、前記液状原料のガラス転移温度より5℃以下の温度で行われる、請求項19に記載の製造方法。
【請求項24】
高甘味度甘味料および砂糖からなる群より選ばれた1種以上が前記液状原料にさらに含まれる、請求項19に記載の製造方法。
【請求項25】
前記噴霧乾燥が少なくとも2以上の乾燥段階を含む、請求項19に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘味料粉末組成物およびその製造方法に関し、より詳しくは機能性甘味料を含有する非結晶質粉末を製造するための甘味料粉末組成物とそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
砂糖はスクロースを主成分とするもので、食べ物に添加して甘味を出す代表的な甘味料の一つである。砂糖は優れた甘味度を有しており、過去から様々な食べ物、加工食品などに添加されて食べ物の味を良くし、食欲をそそる最も好まれる甘味料とされている。しかし、最近、砂糖の有害性が相次いで明らかにされるに伴い、問題が提起されている。具体的には、砂糖の過剰摂取が、虫歯はもちろん肥満、糖尿病など各種生活習慣病の大きな原因として指摘されており、全世界的にこれを代替できる甘味料開発の必要性が台頭している。
【0003】
そのため、砂糖を代替できる甘味度を有しつつも低カロリーで、さらに単に糖類の吸収を阻害するだけで糖の過剰摂取を遮断する甘味料でない、より改善した代替甘味料の開発が持続的に求められている。
【0004】
最近、機能性甘味料として、砂糖または果糖などを代替できる糖類として脚光を浴びる糖類の一つとしてアルロースがある。アルロースは、糖蜜や異性化糖中に微量含まれているが、D-果糖からエピメラーゼによって酵素的に生産可能な希少糖の一種であり、抗酸化性などの生理機能が期待され、さらに甘味が砂糖の60~70%に達するにもかかわらず、カロリーが殆どなく、溶解性に優れるため多様な食品への応用が期待される。
【0005】
アルロースは化学的または生物学的方法で製造されるが、生産物中のアルロース含有量が低いので、精製および濃縮する工程が必要である。しかし、濃縮されたシロップの場合、その適用の限界があるので、結晶または粉末に対する要求が高いが、アルロースは結晶性が低く結晶化し難い。アルロース転換酵素または前記酵素を生産する菌株を利用した生物学的方法でアルロースを生産する場合にも、低い転換率によってアルロースの純度を高めた後、結晶化しなければならないためD-アルロースの工業的利用を目的とした場合、精製工程や精製収率、結晶化収率などに未解決の課題が残っている。
【0006】
また、アルロースを食品甘味料として使用する場合、アルロースが砂糖に比べて相対的に低い甘味度を有するので、甘味を得るためのアルロースの使用量が多くなっており、アルロースの過度に高い濃厚感や、遅い甘味上昇などの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、粉末化し難い液相糖類を、粉末化助剤を混合して粉末化する糖類粉末化方法および前記製造された糖類の粉末を提供する。
本発明はまた、低カロリーのアルロース含有甘味料粉末組成物およびその製造方法を提供する。
本発明は、さらに砂糖と類似の甘味度および甘味質を有する、非結晶質の甘味料粉末組成物とその製造方法を提供する。前記甘味料粉末は溶解速度に優れ、液相に溶解して飲用する形態の食品組成物に有用に使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例は、アルロースおよび粉末化助剤を含む、粉末甘味料組成物に関する。
【0009】
前記粉末化助剤は、粉末状態のガラス転移温度が60℃~250℃であり得る。
【0010】
前記粉末甘味料組成物のガラス転移温度は40~150℃であり得る。
【0011】
前記粉末化助剤は、澱粉加水分解物、食物繊維、デキストリン、マルトオリゴ糖、マルトテトラオースシロップ、または水飴など前記アルロースを粉末化するための助剤であればすべて含まれ得、例えばガラス転移温度が60℃~250℃を有する食物繊維およびデキストリンからなる群より選ばれた1種以上であり得る。
【0012】
本発明の他の一例は、アルロースおよび粉末化助剤を含む液状原料を製造し、前記液状原料を噴霧乾燥して粉末を製造する工程を含む、粉末甘味料組成物の製造方法に関する。
【0013】
本発明の一例による粉末甘味料組成物は、粉末状製品の包装および流通および長期保管時に発生し得る問題を補完することができる。また、官能的にアルロースが有する甘味上昇が遅いという問題と後味での苦味(異味)が感じられる問題を補完し、甘味質が改善したアルロース含有粉末甘味料組成物を提供することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0014】
本発明による粉末甘味料組成物は、アルロースおよび粉末化助剤を含み、前記粉末甘味料はアルロースおよび粉末化素材を含有する液状原料の乾燥物を含む。
【0015】
本発明による粉末甘味組成物100重量%を基準として含まれる粉末化助剤の固形分含有量は、40~99重量%、45~99重量%、50~99重量%、55~99重量%、60~99重量%、65~99重量%、67~99重量%、68~99重量%、70~99重量%、75~99重量%、80~99重量%、40~95重量%、45~95重量%、50~95重量%、55~95重量%、60~95重量%、65~95重量%、67~95重量%、68~95重量%、70~95重量%、75~95重量%、80~95重量%、40~90重量%、45~90重量%、50~90重量%、55~90重量%、60~90重量%、65~90重量%、67~90重量%、68~90重量%、70~90重量%、75~90重量%、80~90重量%、40~85重量%、45~85重量%、50~85重量%、55~85重量%、60~85重量%、65~85重量%、67~85重量%、68~85重量%、70~85重量%、75~85重量%、40~80重量%、45~80重量%、50~80重量%、55~80重量%、60~80重量%、40~75重量%、45~75重量%、50~75重量%、55~75重量%、60~75重量%、40~70重量%、45~70重量%、50~70重量%、55~70重量%、60~70重量%であり得る。
【0016】
本発明で粉末化のための原料溶液または粉末甘味料に含有されたアルロースの固形分含有量は、原料溶液または粉末の固形分含有量100重量%を基準として、1~30重量%、1~25重量%、1~20重量%、2~30重量%、2~25重量%、2~20重量%、5~30重量%、5~25重量%、5~20重量%、10~30重量%、10~25重量%、10~20重量%であり得る。
【0017】
本発明の一例による粉末甘味料組成物は、アルロースおよび粉末化助剤の固形分100重量%を基準として、前記粉末化助剤を65超~99重量%、67~99重量%、68~99重量%、70~99重量%、75~99重量%、80~99重量%、65超~95重量%、67~95重量%、68~95重量%、70~95重量%、75~95重量%、80~95重量%、65超~90重量%、67~90重量%、68~90重量%、70~90重量%、75~90重量%、80~90重量%、65超~85重量%、67~85重量%、68~85重量%、70~85重量%、75~85重量%、65超~80重量%、67~80重量%、68~80重量%、70~80重量%、75~80重量%、65超~75重量%、67~75重量%、68~75重量%、70~75重量%、または65超~70重量%含み得る。
【0018】
本発明の一例による粉末甘味料組成物は、固形分重量基準として前記アルロースおよび前記粉末化助剤を1:99~34:66、1:99~33:67、1:99~32:68、1:99~31:69、1:99~30:70、1:99~29:71、1:99~28:72、1:99~27:73、1:99~26:74、1:99~25:75、1:99~20:80、1:99~17:83、5:95~34:66、5:95~33:67、5:95~32:68、5:95~31:69、5:95~30:70、5:95~29:71、5:95~28:72、5:95~27:73、5:95~26:74、5:95~25:75、5:95~20:80、5:95~17:83、10:90~34:66、10:90~33:67、10:90~32:68、10:90~31:69、10:90~30:70、10:90~29:71、10:90~28:72、10:90~27:73、10:90~26:74、10:90~25:75、10:90~20:80、10:90~17:83、15:85~34:66、15:85~33:67、15:85~32:68、15:85~31:69、15:85~30:70、15:85~29:71、15:85~28:72、15:85~27:73、15:85~26:74、15:85~25:75、15:85~20:80、または15:85~17:83の配合比で含み得る。
【0019】
前記粉末甘味料組成物は液状原料の噴霧乾燥物を含み、噴霧乾燥物の水分含量は10重量%以下、5重量%以下または2重量%以下であり得る。また、粉末甘味料組成物は、液状原料に含まれた粉末の回収率が80%以上または90%以上であり得る。
【0020】
前記回収率は、液状原料の固形分含有量100重量を基準として、回収された噴霧乾燥粉末の重量%を意味し、本発明の一例による粉末甘味料組成物は、前記回収率が10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、または78%以上であり得る。
【0021】
アルロース結晶および粉末に対する要求はあるが、結晶化方法以外には液相状態から粉末状態の製品への製造はかなり難しい。アルロースは化学的または生物学的方法で製造されるが、生産物中のアルロース含有量が低いので精製および濃縮工程を行ってアルロース純度を高めて結晶化することができる。また、アルロースの生産において、精製工程や精製収率、結晶化収率などの未解決の課題が残っている。
【0022】
一般的に糖類の粉末粒子が微細であるほど流れ性が良くなく加工面で発生する使用便利性が低下し、アルロースは高い吸湿性により粉末状態を保持し難い。本発明の粉末甘味料は水分の影響は少なく、分散性と流れ性が向上して多様な包装を可能にする長所がある。
【0023】
粉末化工程は、噴霧乾燥または真空乾燥などの方法で行われるが、水分が蒸発される温度と圧力条件、すなわち高温と真空(または減圧)条件で水分が蒸発されて非結晶質の粉末粒子が形成される。好ましくは、本発明による粉末甘味料組成物はアルロースと粉末化助剤を含む液状原料を噴霧乾燥して製造される噴霧乾燥物であり得る。本明細書で、噴霧乾燥は液体試料を熱風に噴霧して分散させることによって熱風で搬送させながら急速に水分を蒸発させて乾燥して粉末を得る乾燥方法であり、例えばsingle-stage方式、またはmulti-stage方式であり得る。前記multi-stage乾燥方式は乾燥を2以上の細部段階に分けて行うことを意味し、例えば2段階以上の乾燥段階、または3段階の乾燥段階を含み得、細部段階は同一乾燥方法または相異する乾燥方法を組み合わせて行われることができる。具体的一例として、乾燥を3段階の細部乾燥段階にして行う場合、最初に前記液状原料が噴霧されながら乾燥される段階、二番目に噴霧乾燥設備の底から熱風が上がってきて噴霧乾燥粉末が流動しながら顆粒乾燥される段階、三番目に追加の乾燥機クーラーを導入して乾燥、冷却する段階を含み得る。
【0024】
一般的に噴霧乾燥原料である液状原料として使用される物質は、その物質自体の固有のガラス転移温度(Tg)値を有するが、Tg値以上ではガラス転移状態、すなわちべたつき、かつ弾力のある軟化状態に変化する。したがって、Tg値以上の温度で乾燥が行われると、粉末の状態がべたつく性状を持つようになり、乾燥粉末として回収することが難しくなるので、特に噴霧乾燥工程ではTg値以下の温度で噴霧乾燥が行われるべきであり、またTg値以下の温度に出口(Outlet)温度を設定して水分が蒸発されるように工程パラメータを調整することが重要である。一般的にデキストリンのような糖類は高分子を多く含有するほど高いTg値を有するので、噴霧乾燥工程で水分蒸発が容易な高い出口(Outlet)温度で粉末化がうまく行われる。しかし、アルロースは零下のガラス転移温度(-5.5℃)を有しており、他の糖類に比べてTg値が非常に低い。アルロースを噴霧乾燥工程で粉末化するためにTg値以下の温度に粉末化装置の内部温度または出口温度を設定して乾燥させようとする場合、前記Tg値以下温度では水分が蒸発されにくく乾燥がうまく行われない。したがって、アルロースは単独で粉末化工程によって粉末粒子を形成することはかなり難しい。
【0025】
本発明の一例は、アルロースが含有された粉末を製造するために粉末化助剤を混合して液状原料のガラス転移温度を増加させて噴霧乾燥を容易に遂行できる方法を提供する。噴霧乾燥物のガラス転移温度に影響を及ぼす主な因子は原料の液状試料のDE値、固形分含有量、粉末化助剤の種類などであり得る。
【0026】
本発明の一例による粉末化助剤は、澱粉加水分解物、食物繊維、マルトデキストリン、難消化性マルトデキストリン、DE20以下のデキストリン、水飴、DE25以下の水飴、マルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖含有シロップ、マルトテトラオースシロップ、イヌリン、またはポリデキストローであり得る。
【0027】
本発明の一例による粉末化助剤のガラス転移温度は、60~250℃、62~250℃、70~250℃、80~250℃、90~250℃、60~240℃、62~240℃、70~240℃、80~240℃、90~240℃、60~230℃、62~230℃、70~230℃、80~230℃、90~230℃、60~220℃、62~220℃、70~220℃、80~220℃、90~220℃、60~210℃、62~210℃、70~210℃、80~210℃、90~210℃、60~200℃、62~200℃、70~200℃、80~200℃、または90~200℃であり得る。
【0028】
本発明に使用される粉末化助剤は、ガラス転移温度が60℃~250℃、または90℃~250℃を有する澱粉加水分解物、または食物繊維であり、例えばガラス転移温度60℃~250℃を有する食物繊維、デキストリン(例、DE20以下)、および水飴からなる群より選ばれた1種以上であり得る。本発明は粉末化助剤としてデキストリンまたは水溶性食物繊維のような糖類とアルロースを混合してTg値を高め、混合液を噴霧乾燥して甘味度を改善した非結晶性粒子を製造する方法を提供する。前記水飴はDE値が30以下、または25以下、例えばDE20~25またはDE20~24である低糖水飴であり得る。
【0029】
前記食物繊維の例は、難消化性マルトデキストリン、イヌリンおよびポリデキストロースからなる群より選ばれた1種以上であり得、前記水飴はDE値25以下の水飴であり得る。前記粉末化助剤として食物繊維を使用する場合、食物繊維を含む粉末化助剤は食物繊維を80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、または95重量%以上が含有量で含み得る。
【0030】
本明細書で用語、食物繊維は食品のうち野菜、果物、海藻類などに多く入っている繊維質またはセルロースとして知られている成分で、人の消化酵素では消化されず身体の外へ排出される高分子炭水化物を意味する。セルロース、ヘミセルロース、またはリグニンなどや、水溶性食物繊維、例えば果実類のペクチン、植物性ガム類、または海藻類の多糖類などを含み得、生物工学的方法によって生産されるポリデキストロース(polydextrose)、低分子量アルギン酸、または難消化性マルトデキストリンなどを含み得る。したがって、本発明による食物繊維は、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、ペクチン、植物性ガム類、海藻類の多糖類、イヌリン、ポリデキストロース(polydextrose)、アルギン酸、および難消化性マルトデキストリンからなる群より選ばれた1種以上であり得る。
【0031】
前記難消化性マルトデキストリンは、食物繊維成分が豊富で円滑な排便活動、食後の血糖上昇の抑制、血中中性脂質の改善などの効果を有しており、健康機能食品原料として健康志向コンセプト製品への活用度が非常に高い。しかし、軽い粉末状の製品特性により、単独で摂取または活用する場合は微粉の飛散が激しいため取り扱いが容易でなく、甘味度が低いため甘味料としての活用が難しい。
【0032】
前記粉末化のための原料溶液は、アルロースシロップ形態でアルロースが提供される。例えば、前記アルロースシロップはアルロースを0.1~100重量%を含み得、例えば1~50重量%、3~35重量%、3~25重量%または3~20重量%を含む低純度アルロースシロップであるか、または70重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、96重量%以上、97重量%以上、または99重量%以上の含有量で含む高純度アルロース溶液であり得る。前記アルロースシロップの粘度は温度45℃で2cps~200cpsであり得、電気伝導度は1000uS/cm以下、例えば0.01~1000uS/cm、好ましくは30uS/cm以下、例えば0.1~30uS/cmであり得る。
【0033】
前記アルロースシロップは、生物学的に得られるアルロース含有溶液を、第1次イオン精製、SMBクロマトグラフィー分離、第2次イオン精製、および濃縮工程を含む工程により得ることができ、選択的にアルロース転換反応物を活性炭処理工程、イオン精製工程、または活性炭処理工程とイオン精製工程をすべて遂行することができる。
【0034】
本発明によりアルロースと粉末化助剤を含む粉末甘味料の甘味度および甘味質を改善して、砂糖と類似の甘味度および甘味質を有する粉末甘味料を得ることができ、砂糖および高甘味度甘味料からなる群より選ばれた1種以上をさらに含み得る。
【0035】
本発明による粉末甘味料に含まれたアルロースは、甘味度が多少低く砂糖や果糖のような甘味料を同一に代替することは難しい。したがって、砂糖と等しい甘味度を達成するため、高甘味度甘味料を使用して甘味度を上昇させることが好ましい。具体的には、粉末甘味料の主原料であるアルロースは砂糖甘味度の70%水準であり、粉末助剤の一つである難消化性マルトデキストリンは甘味がほとんど感じられない水準であるから、原料糖類であるアルロースの低い甘味度と添加される粉末助剤の甘味度によって、製造された粉末甘味料組成物の甘味度はより低くなる。
【0036】
本発明による粉末甘味料に含まれた粉末補助剤による異味および異臭などを改善する必要があり、例えば、難消化性マルトデキストリンから感じられる特有の澱粉臭と異味をマスキングすることが難しく、たとえ高甘味度甘味料の使用により甘味度を高めることはできても甘味質を砂糖と同じ水準に達成することは容易でない。
【0037】
本発明による粉末甘味料組成物はさらに高甘味度甘味料を含み得る。本発明で使用される高甘味度甘味料の含有量は、原料の液状試料または粉末甘味料に含まれたアルロースを含む糖類と粉末化助剤の合計固形分含有量100重量部を基準として0.001~0.5重量部、好ましくは0.05~0.3重量部であり得る。前記糖類はブドウ糖、果糖、および砂糖からなる群より1種以上を含み得、これに限定されない。本発明による粉末化液状原料に含まれた砂糖の含有量は前記粉末甘味料組成物の100重量%を基準として、前記砂糖の含有量は0.1~10重量%であり得る。
【0038】
前記高甘味度甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サイクラミン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア甘味料(ステビオール配糖体、酵素処理ステビア)、ズルチン、タウマチン、トマチン、ネオテーム、レバウディオサイドおよびモネリンからなる群より選ばれる1種以上であり得る。
【0039】
本発明により得られた粉末甘味料組成物または粉末甘味料の製造のための液状原料のデキストロース当量(DE)は、粉末化ができる程度のDE値を有することができ、一例として44未満のDE値を有することができる。例えば、本発明の一例による粉末甘味料を製造するための液状原料のDE値の上限値は、44未満、43以下、42以下、41以下、40以下、39以下、38以下、37以下、または36以下であり得、下限値は1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上であり得、一例としてDE値10~44未満であり得、または20~40であり得る。前記デキストロース当量(dextrose equivalent,DE)とは、多糖類の加水分解産物内の還元糖の含有量を純粋ブドウ糖溶液と比較して百分率で表した値として多糖類が加水分解された程度(特に澱粉がブドウ糖に)を表す尺度として使用され、完全に加水分解された澱粉の場合DE値は100である。
【0040】
そこで、本発明の一例による粉末甘味料組成物に含まれる粉末化助剤のデキストロース当量(DE)値は、粉末化が不可能な液相アルロースを補完できるDE値を有することが好ましく、例えばDE30以下、29以下、28以下、27以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、または20以下であり得る。
【0041】
本発明の一例による粉末甘味料組成物のガラス転移温度は、40~150℃、40~145℃、40~140℃、40~135℃、40~150℃、40~145℃、40~140℃、40~135℃、45~150℃、45~145℃、45~140℃、45~135℃、45~150℃、45~145℃、45~140℃、45~135℃、50~150℃、50~145℃、50~140℃、50~135℃、50~150℃、50~145℃、50~140℃、50~135℃、55~150℃、55~145℃、55~140℃、55~135℃、55~150℃、55~145℃、55~140℃、55~135℃、60~150℃、60~145℃、60~140℃、60~135℃、65~150℃、65~145℃、65~140℃、65~135℃、70~150℃、70~145℃、70~140℃、70~135℃、75~150℃、75~145℃、75~140℃、75~135℃、80~150℃、80~145℃、80~140℃、80~135℃、85~150℃、85~145℃、85~140℃、85~135℃、90~150℃、90~145℃、90~140℃、90~135℃、95~150℃、95~145℃、95~140℃、95~135℃、100~150℃、100~145℃、100~140℃、100~135℃、104~150℃、104~145℃、104~140℃、104~135℃、105~150℃、105~145℃、105~140℃、105~135℃、110~150℃、110~145℃、110~140℃、110~135℃、120~150℃、120~145℃、120~140℃、120~135℃、130~150℃、130~145℃、130~140℃、または130~135℃であり得る。
【0042】
本発明の一例による粉末甘味料組成物の水での溶解速度は、アルロースおよび粉末化助剤を固相混合した組成物(対照群)の溶解速度の1倍超、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.7倍以上、1.75倍以上、2倍以上、3倍以上、4倍以上、または5倍以上であり得、前記溶解速度の上限値は、前記対照群の溶解速度の10倍以下、9倍以下、8倍以下、7倍以下、6倍以下、5倍以下、3倍以下、2倍以下、または1.5倍以下であり得る。
【0043】
前記溶解速度は、前記粉末甘味料組成物または前記固相混合組成物20gが水80gに溶解するまでかかる時間により測定される。前記溶解するまでかかる時間は、粉末が溶媒に溶けて定常状態に到達するまでかかる時間であり得る。
【0044】
本発明の一例による粉末甘味料組成物20gが水80gに溶解して一定の上澄液濃度に到達するまでかかる時間が450秒未満、440秒以下、430秒以下、420秒未満、410秒以下、400秒以下、350秒以下、300秒以下、290秒以下、280秒以下、270秒以下、260秒以下、250秒以下、240秒以下、200秒以下、150秒以下、100秒以下、または80秒以下であり得、例えば50~400秒、50~350秒、50~300秒、60~400秒、60~350秒、60~300秒、70~400秒、70~350秒、70~300秒、80~400秒、80~350秒、80~300秒、100~400秒、100~350秒、100~300秒、150~400秒、150~350秒、150~300秒、200~400秒、200~350秒、または200~300秒であり得る。
【0045】
本発明の一例による粉末甘味料の溶解速度は、対照群の溶解速度の1倍超~10倍、1倍超~9倍、1倍超~8倍、1倍超~7倍、1倍超~6倍、1倍超~5倍、1倍超~4倍、1倍超~3倍、1倍超~2倍、1倍超~1.8倍、1.05~10倍、1.05~9倍、1.05~8倍、1.05~7倍、1.05~6倍、1.05~5倍、1.05~4倍、1.05~3倍、1.05~2倍、または1.05~1.8倍であり得る。
【0046】
本発明の一例による混合糖組成物の溶解速度は、対照群の溶解速度の100%超、105%以上、109%以上、110%以上、120%以上、125%以上、130%以上、140%以上、150%以上、160%以上、または170%以上であり得る。この時、前記溶解速度の上限値は1000%以下、900%以下、800%以下、700%以下、600%以下、500%以下、400%以下、300%以下、200%以下、190%以下、または180%以下であり得る。
【0047】
本発明の一例による粉末甘味料の溶解時間は、対照群の溶解時間に対して100%未満、99%以下、95%以下、94%以下、93%以下、92%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、または20%以下であり得る。
【0048】
前記溶解速度または溶解時間において、前記対照群は本発明の一例による粉末甘味料に含まれる粉末化助剤およびアルロース結晶が固相混合された試料、またはアルロースを含まず粉末化助剤のみを含む試料であり得る。
【0049】
本発明による粉末甘味料は非結晶質(Amorphous)粉末であり、結晶粒子は原子の配列が規則的であり、均一な格子状になっているが、非結晶質粒子は結晶の性質を有さないもので、内部の原子配列が不規則で乱れている状態をいう。
【0050】
本発明で得られる粉末甘味料は、2.0kcal/g以下を有することもでき、例えば0.001~2.0kcal/gであり得、砂糖100%基準として50%以下のカロリーを示し、非常に低いカロリーを有することができる。
【0051】
本発明で得られる粉末甘味料は、粒径10~300μm、50~300μm、または50~250μm、例えば150μmであり得る。また、噴霧乾燥機で得られる粉末の顆粒化工程を追加してより大きな粒径を有するように製造することもできる。
【0052】
本発明による粉末甘味料の水分含量は、10重量%以下、または5重量%以下であり得る。
【0053】
本発明の一例で、前記粉末甘味料は噴霧乾燥物として、アルロースおよび粉末化助剤を含む液状原料を噴霧乾燥した噴霧乾燥物であり得る。より詳しくは、本発明による粉末甘味料の製造方法は、アルロースおよび粉末化助剤としてガラス転移温度が60℃~250℃を有する澱粉加水分解物、または食物繊維を含む液状原料を製造し、前記液状原料を噴霧乾燥して粉末甘味料組成物を製造する工程を含み得る。
【0054】
本発明による粉末甘味料の製造方法で、アルロースおよび粉末化助剤に関する記載は上述したとおりである。
【0055】
前記噴霧乾燥は、前記液状原料のガラス転移温度より低い温度で行われるべきであり、例えば(液状原料のTg-3℃)以下の温度、好ましくは(液状原料のTg-5℃)以下の温度で行われ得る。また、前記噴霧乾燥温度の上限線は、100℃であり得る。噴霧乾燥温度は具体的な例として、本発明による噴霧乾燥は、75~100℃、好ましくは85~98℃の温度条件で行われ得る。前記噴霧乾燥温度は、噴霧乾燥機内部の温度または出口空気の温度であり得る。前記噴霧乾燥温度は、前記噴霧乾燥機に注入される熱風温度と液状原料の投入速度を調節して好ましい範囲に設定することができる。前記噴霧乾燥機に注入される熱風温度は、前記噴霧乾燥温度条件を満足するように適宜調節することができ、例えば120~200℃温度範囲であり得る。前記噴霧乾燥のために注入される液状原料の投入速度は1~50mL/min,例えば5~10mL/minであり得る。
【0056】
本発明による噴霧乾燥は、噴霧する液状原料を多様な噴霧手段、例えばディスクまたはノズルなどで噴霧し、乾燥機内部で熱風を吹いて乾燥することができる。前記噴霧乾燥機のatomizer例は、two-fluid nozzle、pressure nozzle、Rotary atomizerなどがある。
【0057】
本発明で粉末化のための原料の液状試料の固形分含有量は、30~80重量%、好ましくは45~60重量%、例えば55重量%であり得る。前記原料の液状試料のガラス転移温度は40~150℃で、DE値が10~44未満であり得る。
【0058】
前記液状原料は高甘味度甘味料および砂糖からなる群より選ばれた1種以上をさらに含み得る。
【0059】
本発明のまた他の一例で、前記粉末甘味料を含む食品組成物を提供することができ、前記粉末甘味料は溶解速度に優れ、単独アルロースに比べて甘味度が向上した長所があり、砂糖や甘味料と同様の用途に使用され得、多様な食品に適用することが可能である。本発明の一例で、前記甘味組成物を適用した食品組成物および飲料組成物などを製造することができ、好ましくは粉末状食品および飲料製品、これらの製品を製造するための組成物に添加されることができる。前記食品および飲料製品は、前記飲料組成物は粉末自体品またはコーヒー製品などに適用されることができる。
【0060】
前記食品組成物は、アイスクリーム、コーヒーミックス、乳製品、醗酵乳、アーモンドミルク、クリーマー、発泡ビタミン、粉末飲料、豆乳、茶飲料、ハードキャンディ、ゼリー類、グミ類、クッキー、菓子、油揚げ菓子、パイ菓子、ビスケット類、健康機能食品、スポーツまたはエネルギー用食品類、シリアル類、スナックバー類、および製菓製パン類からなる群より選ばれた1種以上であり得るが、これに制限されるものではない。
【0061】
具体的には、飲料、キャンディ、氷菓子、ヨーグルト、チョコレートなど甘味が付与された食品全般に使用することができ、特に粉末形態の食品群において適した甘味付与用組成物として使用することができる。前記食品組成物中の粉末甘味料の含有量は0.01~50重量%で含まれ得る。
【発明の効果】
【0062】
本発明による機能性甘味料を含有した粉末組成物は、粉末化が難しい糖類を容易に粉末化することができ、砂糖と類似の甘味度と甘味質を有するように改善した甘味官能を有する甘味料粉末組成物を提供し、前記甘味料粉末は多様な食品、特に粉末化食品などに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明の一実施例によるアルロース粉末をDSC(示差走査熱量計)で分析してガラス転移温度(Tg)を示すグラフである。
【
図2】砂糖と高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファム-K)の甘味度プロファイルを示すグラフである。
【
図3】実施例4による噴霧乾燥粉末の実体顕微鏡粒子写真(倍率X100)である。
【
図4】粉末化助剤として難消化性マルトデキストリンを使用して製造された粉末甘味料組成物の溶解速度を示すグラフである。
【
図5】粉末化助剤としてマルトデキストリンを使用して製造された粉末甘味料組成物の溶解速度を示すグラフである。
【
図6】本発明の一例による粉末甘味料の溶解時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明される。ただし、下記の実施例は本発明の好ましい実施例だけであり、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0065】
実施例1: 難消化性マルトデキストリンを利用した粉末甘味料の製造
(1)試料準備
固形分含有量100重量%を基準としてアルロース94重量%を含む高純度アルロースシロップを55Brix濃度になるように希釈して参考例1の試料に製造した。55Brixの難消化性マルトデキストリン溶液を準備して参考例2の試料として使用した。前記難消化性マルトデキストリンのガラス転移温度は191.6℃であり、食物繊維含有量は85重量%であった。
乾燥のための原料溶液の固形分含有量100重量%基準として、高純度アルロースシロップ(参考例1)と難消化性マルトデキストリン溶液(参考例2)を、固形分の重量比(アルロースシロップの固形分重量比:難消化性マルトデキストリン溶液の重量比)が25:75(実施例1-1)、20:80(実施例1-2)、17:78(実施例1-3)、および16.7:83.3(実施例1-4)になるように混合して噴霧乾燥のための原料として使用した。実施例1-3の場合、難消化性マルトデキストリン溶液および高純度アルロースシロップとともに、砂糖を5重量%になるように追加で投入して原料溶液を製造した。
前記実施例1-1~実施例1-4の混合溶液のDE(Dextrose equivalent)値はCryoscope装備を利用して、試料濃度10Brixで希釈した後測定して計算し、計算されたDE値を下記表1に示した。
【0066】
(2)乾燥による粉末の製造
前記実施例1-1、実施例1-2、および実施例1-4の原料混合溶液を、噴霧乾燥機(製造会社:GEA Niro、モデル名:HKC-100-DJ)はTwo-fluid NozzleタイプのAtomizerを利用して噴霧し、熱風の注入(Inlet)温度は160~180℃、噴霧乾燥機内部および排出口(Outlet)の熱風温度は85~100℃が維持される条件で粉末を製造した。
前記実施例1-3の原料混合溶液はMulti-stage SD方式で噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した。具体的には、実施例1-3の原料混合溶液を3段階に噴霧乾燥し、(1)混合溶液を噴霧して乾燥する1次乾燥、(2)噴霧乾燥機の下から上がってくる熱風を利用して粉末が顆粒化されて乾燥される2次乾燥、および(3)追加fluidized bed乾燥機クーラーを利用して3次乾燥および冷却を行った。
【0067】
(3)粉末甘味料のHPLC分析
前記製造された粉末に含まれたアルロース含有量は、下記HPLC分析を行い、分析条件は次のとおりであり、分析結果を下記表1に示した。
分析カラム: Biolad carbohydrate column Aminex HPX-87C column
移動相: 水
Flow rate: 0.6 ml/min
カラム温度: 80℃
検出器: RI detector
【0068】
(4)噴霧乾燥の結果
表1におけるアルロースシロップの配合比および粉末化助剤の配合比は、粉末化のための液状原料に含まれたアルロースシロップの固形分含有量と粉末化助剤の固形分含有量の合計固形分含有量100重量%を基準として、含まれたアルロースシロップの固形分含有量と粉末化助剤の固形分含有量を重量比で示したものである。ただし、実施例1-3の場合、追加で含まれた砂糖の固形分含有量5重量%を除いて、アルロースシロップの固形分含有量と粉末化助剤の合計固形分含有量95重量%を基準として示した。
表1におけるアルロース固形分含有量は、液状原料の固形分100重量%を基準としたアルロース固形分含有量(重量%)を意味する。
表1に示す粉末甘味料のカロリー(Kcal)は1gの粉末甘味料を基準として計算された数値である。
【0069】
【0070】
比較例1および参考例1の噴霧乾燥の結果は、液状原料を噴霧した時すぐに水分が蒸発できず器壁に積もって乾燥されなかった。比較例1の場合、難消化性マルトデキストリンを混合したにもかかわらず、混合液状原料のDE値が粉末化可能な程度に調節されず粉末化が起きなかった。
【0071】
実施例1-1の場合、噴霧乾燥工程条件(Outlet温度、Feed速度、噴霧原液の濃度など)の影響を多く受け、乾燥粉末は生成されたが回収率が相対的に低く、約45%程度の回収率を示した。前記回収率とは液状原料の固形分含有量100重量を基準として、回収された噴霧乾燥粉末の重量%を意味する。実施例1-1の噴霧乾燥結果、回収率が実施例1-2~実施例1-4に比べて低いのは、粉末粒子の粒径が小さいため微粉損失が発生したり、水分含量が比較的高いため器壁などに付着するなどの理由に起因すると考えられる。
【0072】
実施例1-2~実施例1-4の噴霧乾燥結果、噴霧後に粉末として回収可能な水準に通常の乾燥がうまく行われ、実施例1-2の場合は回収率62%、実施例1-3の場合は回収率65%、および実施例1-4の場合は回収率78%を示した。参考例2の難消化性マルトデキストリンの粉末回収率は85%であった。前記アルロースと難消化性マルトデキストリン混合液を噴霧乾燥して粉末化した結果、実施例1-4の粉末化作業が最も容易で、乾燥粉末の回収率も最も高かった。
【0073】
噴霧原液のDE値が低いほど粉末化がうまく行われたことを確認することができ、DE値が高い場合には粉末化が可能でも回収率が低く、粉末の吸湿性、流れ性、水分含量などの物性が変わり得る。実施例1-3で使用されたmulti-stage SD方式では、2以上の乾燥段階を経て粉末化を行い、その結果安定的に乾燥されて粉末の水分含量、流れ性などがより向上した。
【0074】
したがって、アルロースシロップおよび難消化性マルトオリゴ糖の固形分含有量100重量%を基準として、アルロースシロップの固形分含有量が35重量%未満である時、または噴霧乾燥のための液相原料のDE値44未満で粉末化が可能であることが分かった。
【0075】
比較例1: 粉末甘味料の製造
実施例1-1の液状原料を利用した方法と同様の方法により噴霧乾燥用原料溶液を製造して噴霧乾燥した。ただし、乾燥原料溶液の固形分含有量100重量%基準として参考例1による高純度アルロースシロップと参考例2の難消化性マルトデキストリンの固形分の重量比が65:35になるように混合して噴霧乾燥のための液状原料を製造し、噴霧乾燥を行った。
【0076】
実施例2: マルトデキストリンを利用した粉末甘味料の製造
55Brixのマルトデキストリン溶液を準備して参考例3の試料として使用した。前記マルトデキストリンのガラス転移温度は粉末状態で測定し、141℃であった。前記マルトデキストリンのDE値は18.5であった。
乾燥のための原料溶液の固形分含有量100重量%を基準として、固形分含有量100重量%を基準としてアルロース94重量%を含む高純度アルロースシロップ(参考例1)と、参考例3のマルトデキストリン(DE18.5)溶液を、固形分の重量比が20:80(実施例2)になるように混合して噴霧乾燥のための原料として使用した。前記実施例2の混合溶液のDE値は前記実施例1と同様に測定および計算して下記表2に示した。
前記噴霧原料溶液を実施例1-2の噴霧乾燥方法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した。
前記製造された粉末甘味料のアルロース含有量を実施例1のHPLC分析法と同様の方法で分析し、分析結果を下記表2に示した。
【0077】
【0078】
実施例2を原料として噴霧乾燥した結果、乾燥粉末が生成された。したがって、粉末化助剤の種類としてマルトデキストリンを使用可能であることを確認することができた。
【0079】
実施例3: 水飴を利用した粉末甘味料の製造
(1)水飴および高純度アルロースの混合原料を利用した粉末甘味料の製造
55Brixの水飴溶液を準備して参考例4の試料として使用した。前記参考例4の水飴溶液のDE値は22であった。
固形分含有量100重量%を基準として、参考例1の高純度アルロースシロップと参考例4の水飴(DE22)溶液を、固形分の重量比が18:82(実施例3-1)になるように混合して噴霧乾燥のための原料として使用した。前記実施例3-1の混合溶液のDE値は前記実施例1の方法と同様に測定および計算して下記表3に示した。
前記噴霧原料溶液を実施例1-2の噴霧乾燥方法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した。
前記製造された粉末甘味料を実施例1のHPLC分析法と同様の方法で分析し、分析結果を下記表3に示した。
【0080】
(2)水飴および低純度アルロースの混合原料を利用した粉末甘味料の製造
固形分含有量100重量%を基準としてアルロース14重量%を含み、75Brixの低純度アルロースシロップを60Brix濃度になるように希釈して参考例5の試料として製造した。
固形分含有量100重量%を基準として参考例5による低純度アルロースシロップと参考例4の水飴(DE22)溶液を、固形分の重量比が20:80(実施例3-2)になるように混合して噴霧乾燥のための原料として使用した。前記実施例3-2の混合溶液のDE値は前記実施例1と同様に測定および計算して下記表3に示した。
前記噴霧原料溶液を実施例1-2の噴霧乾燥方法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した。
前記製造された粉末甘味料を実施例1のHPLC分析法と同様の方法で分析し、分析結果を下記表3に示した。
【0081】
【0082】
実施例3-1または実施例3-2を原料として噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した結果、乾燥粉末が生成された。したがって、粉末化助剤の種類として水飴を使用可能であることを確認することができた。
【0083】
実施例4: マルトテトラオースシロップを利用した粉末甘味料の製造
(1)マルトテトラオースシロップの製造
とうもろこし澱粉7000gを水13000gと混ぜた後、ハイドロヒーターにより110℃高温液化反応後再びハイドロヒーターにより130℃~140℃を通過させて液化酵素を失活した。その後熱交換器を経て温度を61℃に下げた後、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)由来の耐熱性a-amylaseを利用して高含量のマルトテトラオース加水分解を行って反応完了時点であるDE20~22で80℃に加温後、活性炭を固形分に対して0.1~0.8重量%を投入して30分以上攪拌させた。その後フィルタープレスを経て活性炭を除去後イオン精製、濃縮を経て9600gのマルトテトラオースシロップを得た。前記マルトテトラオースシロップのマルトテトラオース含有量は46.8重量%であり、DE値は21であった。前記製造されたマルトテトラオースシロップを参考例6の試料として使用した。
【0084】
(2)噴霧原料の製造
前記製造された参考例6のマルトテトラオースシロップを1000gずつ6個に分画した後、アルロース含有量96重量%で含む70Brixアルロースシロップを混合した。全体混合糖の固形分含有量を基準としてアルロースの固形分含有量が実施例4-1から実施例4-5に行くほど増加し、噴霧乾燥原料内の最終アルロース固形分含有量が表4のようになるように混合した。
【0085】
【0086】
(3)乾燥による粉末の製造
実施例4-1~4-5の噴霧乾燥原料を実施例1-2の噴霧乾燥方法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥して粉末甘味料を製造した。
その結果、アルロース含有量25重量%を含む噴霧乾燥原料の粉末化がうまく行われ、そのため、マルトテトラオースシロップを粉末化助剤として使用する場合、アルロース含有量が25重量%で比較的高い場合にも粉末化がよく起きることを確認した。
【0087】
実施例5および6:甘味度が改善した粉末甘味料の製造
粉末甘味料の甘味度改善のために、実施例1-4による83.3:16.7の混合重量比を有する難消化性マルトデキストリン粉末およびアルロースシロップを混合した液状原料溶液を製造し、前記原料溶液のアルロースシロップの固形分および難消化性マルトデキストリン粉末の合計固形分含有量100重量部を基準として、スクラロース0.1重量部とアセスルファム-K 0.133重量部を追加で投入して原料溶液を製造し、実施例1-4の噴霧乾燥方法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥を行って、実施例5の粉末甘味料を製造した。
実施例1-4の混合溶液で、固形分含有量基準として難消化性マルトデキストリンの配合比5重量%を砂糖に変えて投入して原料溶液を製造し、前記原料溶液のアルロースシロップ、難消化性マルトデキストリンおよび砂糖の合計固形分含有量100重量部を基準としてスクラロース0.1重量部とアセスルファム-K 0.133重量部を追加で投入して原料溶液を製造し、実施例1-4の噴霧乾燥法と実質的に同様の方法で噴霧乾燥を行って粉末甘味料実施例6を製造した。実施例5および6で使用した液状原料の固形分基準配合比を下記表3に示した。下記表3で液状原料に含まれたアルロースシロップと難消化性マルトデキストリンの配合比は、アルロースシロップの固形分含有量と難消化性マルトデキストリン粉末の合計固形分含有量100重量%を基準として含まれたアルロースシロップの固形分含有量と難消化性マルトデキストリン粉末の固形分含有量(重量%)を示す。下記表5に示した粉末甘味料のカロリーはkcal/gの粉末甘味料を基準として設定されたものである。
【0088】
【0089】
実験例1: 粉末甘味料の官能評価
官能評価のために実験群は実施例5および実施例6で製造された粉末を使用し、対照群として砂糖を使用した。各試料は10%Brix濃度になるように溶解して同じ温度になるように製造した。各試料は10mlずつ採取して提供し、乱数表を利用して無作為に抽出した三桁数字で表示した。試料提示順序は常に無作為に決め、検査員には口をすすぐぬるい水を共に提供した。官能検査室は一定温度(25±1℃)と臭いがない状態を保持した。
官能検査員は官能検査に対する理解度が高く官能試験の経験があるパネル15人を選定した。訓練は1週間に3回ずつ1ヶ月間行い、訓練1回当たり平均30分ずつ必要とされた。評価内容および方法は、対照群と実験群の甘味強度と甘味持続性、ボディ感、後味苦味の程度を5点満点で点数を評価した。甘味強度の基準は標準試料砂糖10%溶液を4.5点で提示してこれを基準として比較し、ボディ感は1点に近いほど軽く、5点に近いほど重いと表示した。その結果を表6に示した。
【0090】
【0091】
実施例5では甘味の甘味度は上昇したが、難消化性マルトデキストリンで感じられる特有の異味が強く残る反面、実施例6では砂糖の甘味が異味をマスキングして甘味がより上昇したように感じられた。砂糖、アセスルファム-Kとスクラロースの甘味プロファイル(
図2)を参照すると、アセスルファム-Kとスクラロースの甘味プロファイルの曲線が互いに交差するが、砂糖がアセスルファム-Kとスクラロース二つの甘味料間の甘味空白を満たすことによって、異味をマスキングすることができた。
したがって、本発明の一例による甘味が改善したアルロース含有非結晶質粉末に高甘味度甘味料とともに砂糖をさらに含む場合、異味をマスキングし、砂糖水準の甘味度まで補正することが可能であるため、より好ましい甘味料粉末を提供することができることを確認した。
【0092】
実験例2: 甘味料粉末のガラス転移温度(Tg)の測定
実施例1~4、および実施例6で得られた粉末産物のガラス転移温度値(Tg)を測定するために示差走査熱量計(DSC)分析をASTM D3418の方法により行い、具体的なDSC分析条件は次のとおりである。
装備名: DSC[differential scanning calorimetry]
製造会社: Perkin Elmer
方法: 30~250℃、10℃/min昇温、N2 gas purge
前記各粉末のDSC分析結果を下記表7に示した。
【0093】
【0094】
比較例1の液状原料は噴霧乾燥されず、そのため液状原料を凍結乾燥して得られた粉末のガラス転移温度を測定したものである。アルロースは結晶形アルロースのガラス転移温度を測定したものであり、参考例2は市販の難消化性マルトデキストリン((株)サムヤン社、難消化性マルトデキストリン、DE14.9,食物繊維含有量85%)のガラス転移温度である。参考例3および参考例4は市販のマルトデキストリン((株)サムヤン社、Genedex)および市販の水飴((株)サムヤン社、低甘味水飴)のガラス転移温度で粉末化して測定した。
前記DSC分析結果、アルロースシロップと粉末化助剤を混合することによって、粉末化原料溶液のガラス転移温度が噴霧乾燥で粉末が可能な水準に到達したことを確認した。
【0095】
実験例3: 溶解性測定
(1)粉末化による溶解速度の上昇確認
噴霧乾燥方式で製造された非結晶質粉末の溶解性を確認するために、本発明による噴霧乾燥した粉末甘味料を、同じ成分比を有し、かつ物理的に固相混合した試料(比較例2、および比較例3)と溶解速度を比較した。具体的には、難消化性マルトデキストリンおよびアルロース結晶を75:25の重量比で物理的に固相混合したサンプルを比較例2として使用し、マルトデキストリン(DE18)およびアルロース結晶を80:20の重量比で物理的固相混合したサンプルを比較例3として使用した。
具体的には、同じビーカーとマグネチックバーを利用し、常温で同じ攪拌速度で粉末20gを水80gにすべて溶解させ、粉末20gがすべて溶解するまでかかる時間(すなわち、溶解速度)を測定した。その結果を
図4、
図5、および表8に示した。表8で比較例に対する溶解時間は、比較例2(実施例1-1、および実施例1-3の場合)、または比較例3(実施例2の場合)の溶解速度100%を基準として示した相対的な溶解時間であり、小さい値であるほど対照群に対して溶解速度が速いことを意味する。具体的には、比較例2または比較例3に対してすべての試料に優れた溶解速度を示し、特に実施例1-3の試料が最も速い溶解速度を示した。
【0096】
【0097】
その結果、単に物理的に粉末を固相混合した比較例2および比較例3について本発明の一例による粉末甘味料組成物の溶解速度が1.5倍以上顕著に速いことを確認することができ、Multi-stage SD方式で製造した実施例1-3の場合、粉末粒子間の凝集(Aggregation)により粉末粒子の間に孔隙が生じ、single方式より粉末の分散性に優れ、比較例2または比較例3に対して5倍以上のより速い溶解速度を示した。
【0098】
(2)アルロースおよび粉末化助剤の組み合わせによる溶解速度の上昇
アルロースを含む甘味料粉末の溶解性を確認するために、実施例4のマルトオリゴ糖(マルトテトラオース)およびアルロース混合粉末甘味料を、参考例6のマルトオリゴ糖(マルトテトラオース)粉末と溶解速度を比較した。
具体的には、同じビーカーとマグネチックバーを利用し、同じ攪拌速度で粉末20gを水80gにすべて溶解させ、一定の上澄液濃度に到達するまでかかる時間(すなわち、溶解速度)を測定して表9および
図6に示した。その結果、本発明の一例によるアルロースを含む粉末甘味料が、マルトオリゴ糖粉末に対する速い溶解速度を有することを確認することができた。表8で参考例6に対して溶解時間は、参考例6のマルトオリゴ糖粉末の溶解速度を100%を基準として示した相対的な溶解時間であり、小さい値であるほど対照群に対して溶解速度が速いことを意味する。
【0099】