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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】基板処理装置及びそのカバーリング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221208BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021143671
(22)【出願日】2021-09-03
(65)【公開番号】P2022045344
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114922
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンイル
(72)【発明者】
【氏名】リ,サン-キ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-260159(JP,A)
【文献】特開2012-221979(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224900(JP,U)
【文献】特開2013-147691(JP,A)
【文献】特開2020-031209(JP,A)
【文献】特開2012-057253(JP,A)
【文献】特開2001-015491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に処理空間を提供する工程チャンバーと、
前記処理空間内で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間内に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、を含み、
前記支持ユニットは、
前記基板が置かれる支持板と、
前記支持板上に支持された基板を囲むように提供され、プラズマが基板に形成されるようにするエッジリングアセンブリと、を含み、
前記エッジリングアセンブリは、
第1材質で成され、前記基板に対するプラズマ分布を形成するために提供されるフォーカスリングと、
前記基板に対して前記フォーカスリングより外側領域に提供され、網目構造に成される第2材質で成され、前記網目構造の空席に網目修飾体が注入され提供される強化表面層を含むカバーリングと、を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記第1材質は、導電性材質で提供され、
前記第2材質は、前記第1材質より絶縁性が高い材質で提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1材質は、シリコンカーバイド(SiC)であり、
前記第2材質は、非晶質の網目構造を有するクォーツである請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記網目修飾体は、Si4よりイオン半径が大きいことと提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記網目修飾体は、Na、K、Ca2+、又はMg2+の中でいずれか1つ以上である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記強化表面層は、10μm乃至500μm厚さに形成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記エッジリングアセンブリは、
前記カバーリングと前記フォーカスリングとの間に提供され、前記フォーカスリングの外側領域の上部に位置される内側カバーリングをさらに含み、
前記内側カバーリングはSiO及びAlが所定の第1比率に混合された第3材質で成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記内側カバーリングは、前記SiO 96.0~99.5重量%、及び前記Al 0.5~4.0重量%を含む請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記工程ガスは、弗素(fluorine)含有ガスである請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングにおいて、
前記基板に対して所定の距離離隔されるように配置されるように内径が前記基板の直径より大きく提供され、網目構造に成される材質で成され、前記網目構造の空席に網目修飾体が注入され提供される強化表面層を含むカバーリング。
【請求項11】
前記カバーリングの前記材質は、非晶質の網目構造を有するクォーツである請求項10に記載のカバーリング。
【請求項12】
前記網目修飾体は、Si4よりイオン半径が大きいことと提供される請求項10に記載のカバーリング。
【請求項13】
前記網目修飾体は、Na、K、Ca2+、又はMg2+の中でいずれか1つ以上である請求項10に記載のカバーリング。
【請求項14】
前記強化表面層は、10μm乃至500μm厚さに形成される請求項10に記載のカバーリング。
【請求項15】
前記プラズマを形成する工程ガスは、弗素(fluorine)含有ガスであり、前記カバーリングは、前記工程ガスから励起された弗素ラジカルに前記強化表面層が露出される請求項10に記載のカバーリング。
【請求項16】
基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングを製造する方法において、
Si4+よりイオン半径のサイズが大きい網目修飾体を含む塩水槽を準備する段階と、
前記塩水槽に網目構造に成される材質で形状加工されたカバーリングを第1温度で浸漬する段階と、を含むエッジリングアセンブリのカバーリング製造方法。
【請求項17】
前記第1温度は、常温である請求項16に記載のエッジリングアセンブリのカバーリング製造方法。
【請求項18】
前記塩水槽は、CaCl、KCl、NaCl、又はMgClを含む水溶液で提供される請求項16に記載のエッジリングアセンブリのカバーリング製造方法。
【請求項19】
基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングを製造する方法において、
Si4+よりイオン半径のサイズが大きい網目修飾体を含むペースト物質を準備する段階と、
前記ペースト物質の溶融点以上の温度である第2温度で網目構造に成される材質で形状加工されたカバーリングの表面と前記ペースト物質を反応させる段階と、を含むエッジリングアセンブリのカバーリング製造方法。
【請求項20】
前記ペースト物質はCaCl、KCl、NaCl、又はMgClの中で1つ以上を含む請求項19に記載のエッジリングアセンブリのカバーリング製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板を処理する装置に関り、さらに詳細にはプラズマを利用して基板を処理する装置及びプラズマを基板上部領域に制限させるエッジリング組立体に提供されるカバーリングに係る。
【背景技術】
【0002】
基板の処理工程にはプラズマが利用されることができる。例えば、蝕刻、蒸着、又はドライクリーニング工程にプラズマが使用されることができる。プラズマは非常に高い温度や、強い電界或いは高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成され、プラズマはイオンや電子、ラジカル等から成されたイオン化されたガス状態を言う。プラズマを利用したドライクリーニング、アッシング、又は磨耗工程はプラズマに含まれたイオン又はラジカル粒子が基板と衝突することによって遂行される。
【0003】
プラズマを利用した基板処理装置はチャンバー、基板支持ユニット、プラズマソースを含むことができる。基板支持ユニットはプラズマが基板に向かうようにするために基板を囲むように配置されるエッジリング組立体を含むことができる。エッジリング組立体はクォーツ材質で成される構成を含むことができる。クォーツ素材で製作された構成(例えば、カバーリング)はエッチング工程装備内で工程副産物が少なく、工程に及ぶ影響が少ないが、耐プラズマ性が低く、パーティクル発生によって部品交替周期が短く、クォーツ表面欠陥にプラズマが集中されて局部的なエッチングが発生し、それによって装備寿命が短縮されることができる。
【0004】
クォーツ素材の構成はプラズマ環境で弗素ガスと反応して昇華点が低いSiFを生成した後、昇華して速く腐食が進行されることができ、プラズマによって磨耗されることができる。クォーツがプラズマ環境でエッチングされれば、エッジリング組立体の下部に位置したチャンバー部品がプラズマに露出されてチャンバー部品の寿命が減少し、チャンバー部品の交替周期も短縮されることができる。また、磨耗されたエッジリング組立体は基板に入射されるプラズマ分布を不均一にすることができる。不均一なプラズマ分布は基板を均一に処理できなくなる結果をもたらすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際特許公開第WO2017/222201A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は基板を均一に処理することができ、基板処理効率を高めるようにプラズマ分布を形成することができるエッジリング組立体に提供されるカバーリング及びこれを具備する基板処理装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は耐プラズマ性が高く、パーティクル発生が少なく、部品交替周期を増加させることができるエッジリング組立体に提供されるカバーリング及びこれを具備する基板処理装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は弗素を含むプラズマに露出される耐プラズマ性が向上されたクォーツ部品の製造方法において、相対的に低い温度条件で製造することによって、生産単価を節減することができる製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は広い表面面積に対して均一な表面強化が成されたエッジリング組立体に提供されるカバーリング及びこれを具備する基板処理装置を提供することにある。
【0010】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は基板処理装置を提供する。一実施形態において、基板処理装置は、内部に処理空間を提供する工程チャンバーと、前記処理空間内で前記基板を支持する支持ユニットと、前記処理空間内に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、を含み、前記支持ユニットは、前記基板が置かれる支持板と、前記支持板上に支持された基板を囲むように提供され、プラズマが基板に形成されるようにするエッジリングアセンブリと、を含み、前記エッジリングアセンブリは、第1材質で成され、前記基板に対するプラズマ分布を形成するために提供されるフォーカスリングと、前記基板に対して前記フォーカスリングより外側領域に提供され、網目構造に成される第2材質で成され、前記網目構造の空席に網目修飾体が注入され、提供される強化表面層を含むカバーリングと、を含む。
【0012】
一実施形態において、前記第1材質は導電性材質で提供され、前記第2材質は前記第1材質より絶縁性が高い材質で提供されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記第1材質はシリコンカーバイド(SiC)であり、前記第2材質は非晶質の網目構造を有するクォーツであり得る。
【0014】
一実施形態において、前記網目修飾体はSi4+よりイオン半径が大きいことと提供されることができる。
【0015】
一実施形態において、前記網目修飾体はNa、K、Ca2+、又はMg2+の中でいずれか1つ以上であり得る。
【0016】
一実施形態において、前記強化表面層は10μm乃至500μm厚さに形成されることができる。
【0017】
一実施形態において、前記エッジリングアセンブリは、前記カバーリングと前記フォーカスリングとの間に提供され、前記フォーカスリングの外側領域の上部に位置される内側カバーリングをさらに含み、前記内側カバーリングはSiO及びAlが所定の第1比率に混合された第3材質で成されることができる。
【0018】
一実施形態において、前記内側カバーリングは前記SiO 96.0~99.5重量%、及び前記Al 0.5~4.0重量%を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記工程ガスは弗素(fluorine)含有ガスであり得る。
【0020】
また、本発明は基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングを提供する。
【0021】
一実施形態において、カバーリングは、前記基板に対して所定の距離離隔されるように配置されるように内径が前記基板の直径より大きく提供され、網目構造に成される材質で成され、前記網目構造の空席に網目修飾体が注入され提供される強化表面層を含む。
【0022】
一実施形態において、前記カバーリングの前記材質は非晶質の網目構造を有するクォーツであり得る。
【0023】
一実施形態において、前記網目修飾体はSi4よりイオン半径が大きいことと提供されることができる。
【0024】
一実施形態において、前記網目修飾体はNa、K、Ca2+、又はMg2+の中でいずれか1つ以上であり得る。
【0025】
一実施形態において、前記強化表面層は10μm乃至500μm厚さに形成されることができる。
【0026】
一実施形態において、前記プラズマを形成する工程ガスは弗素(fluorine)含有ガスであり、前記カバーリングは前記工程ガスから励起された弗素ラジカルに前記強化表面層が露出されることであり得る。
【0027】
また、本発明は基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングを製造する方法を提供する。一実施形態において、カバーリング製造方法は、Si4よりイオン半径のサイズが大きい網目修飾体を含む塩水槽を準備する段階と、前記塩水槽に網目構造に成される材質で形状加工されたカバーリングを第1温度で浸漬する段階と、を含む。
【0028】
一実施形態において、前記第1温度は常温であり得る。
【0029】
一実施形態において、前記塩水槽はCaCl、KCl、NaCl、又はMgClを含む水溶液で提供される。
【0030】
本発明の他の観点にしたがう基板をプラズマによって処理する装置で基板を囲み、プラズマが基板に形成されるようにするために提供されるエッジリングアセンブリのカバーリングを製造する方法は、Si4よりイオン半径のサイズが大きい網目修飾体を含むペースト物質を準備する段階と、前記ペースト物質の溶融点以上の温度である第2温度で網目構造に成される材質で形状加工されたカバーリングの表面と前記ペースト物質を反応させる段階と、を含む。
【0031】
一実施形態において、前記ペースト物質はCaCl、KCl、NaCl、又はMgClの中で1つ以上を含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施形態に係るエッジリング組立体に提供されるカバーリング及びこれを具備する基板処理装置によれば、基板を均一に処理することができ、基板処理効率を高めるようにプラズマ分布を形成することができる。
【0033】
本発明の一実施形態に係るエッジリング組立体に提供されるカバーリングは耐プラズマ性が高く、パーティクル発生が少なく、部品交替周期を増加させることができる。
【0034】
本発明の一実施形態に係る弗素を含むプラズマに露出される耐プラズマ性が向上されたクォーツ部品の製造方法によれば、相対的に低い温度条件で製造することによって、生産単価を節減することができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係るエッジリング組立体に提供されるカバーリングは広い表面面積に対して均一な表面強化が成されることができる。
【0036】
本発明の効果は上述した効果によって制限されない。上述されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
図2図1の‘A’部の拡大図であって、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を構成するエッジリング組立体の断面図である。
図3図2のカバーリング247の強化表面層247bと素材層247aとの間の分子間の結合構造(molecular structure)を概略的に示した図面である。
図4】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
図5図4の‘B’部の拡大図であって、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を構成するエッジリング組立体の断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るクォーツ素材の湿式イオン強化方法を示したフローチャートである。
図7】本発明の他の実施形態に係るクォーツ素材の乾式イオン強化方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を添付された図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されることとして解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている。
【0039】
本発明の実施形態では誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式にプラズマを生成して基板を処理する基板処理装置に対して説明する。しかし、本発明はこれに限定されななく、容量結合型プラズマ(CCP:Conductively Coupled Plasma)方式又はリモートプラズマ方式等プラズマを利用して基板を処理する多様な種類の装置に適用可能である。
【0040】
また、本発明の実施形態では支持ユニットに静電チャックを例として説明する。しかし、本発明はこれに限定されななく、支持ユニットは機械的クランピングによって基板を支持するか、又は真空によって基板を支持することができる。
【0041】
本発明の実施形態に係る基板処理装置は耐プラズマ性(耐蝕刻性)が優れたエッジリング組立体を具備する。エッジリング組立体は基板と所定の距離離隔されて基板を囲むように提供され、耐蝕刻性を有するカバーリングと、耐蝕刻性を有し、基板にプラズマ分布を形成するためにカバーリングの内側部に提供されるフォーカスリングを含む。又はエッジリングは内側部及び下部に提供されるフォーカスリングを含む。
【0042】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。図1を参照すれば、基板処理装置10はプラズマを利用して基板Wを処理する。例えば、基板処理装置10は基板Wに対して蝕刻工程を遂行することができる。本発明の実施形態ではプラズマを利用して基板を蝕刻する基板処理装置に対して説明する。しかし、本発明はこれに限定されななく、チャンバー内にプラズマを供給して工程を遂行する多様な種類の装置に適用可能である。
【0043】
基板処理装置10は工程チャンバー100、支持ユニット200、ガス供給ユニット300、プラズマソース400、及び排気ユニット500を含む。
【0044】
工程チャンバー100は内部に基板を処理する処理空間を有する。工程チャンバー100はハウジング110、カバー120、そしてライナー130を含む。
【0045】
ハウジング110は内部に上面が開放された空間を有する。ハウジング110の内部空間は基板処理工程が遂行される処理空間として提供される。ハウジング110は金属材質で提供される。ハウジング110はアルミニウム材質で提供されることができる。ハウジング110は接地されることができる。チャンバー110の底面には排気ホール102が形成される。排気ホール102は排気ライン151と連結される。工程過程で発生した反応副産物及びハウジング110の内部空間に留まるガスは排気ライン151を通じて外部に排出されることができる。排気過程によってハウジング110の内部は所定の圧力に減圧される。
【0046】
カバー120はハウジング110の開放された上面を覆う。カバー120は板形状に提供され、ハウジング110の内部空間を密閉させる。カバー120は誘電体(dielectric substance)窓(window)を含むことができる。
【0047】
ライナー130はハウジング110の内部に提供される。ライナー130は上面及び下面が開放された内部空間を有する。ライナー130は円筒形状に提供されることができる。ライナー130はハウジング110の内側面に相応する半径を有することができる。ライナー130はハウジング110の内側面に沿って提供される。
【0048】
支持リング131はライナー130の上端に形成されることができる。支持リング131はリング形状の板で提供され、ライナー130の周辺に沿ってライナー130の外側に突出される。支持リング131はハウジング110の上端に置かれ、ライナー130を支持する。ライナー130はハウジング110と同一な材質で提供されることができる。ライナー130はアルミニウム材質で提供されることができる。ライナー130はハウジング110の内側面を保護する。例えば、工程ガスが励起される過程で工程チャンバー100の内部にはアーク(Arc)放電が発生されることができる。アーク放電は周辺装置を損傷させる。ライナー130はハウジング110の内側面を保護してハウジング110の内側面がアーク放電で破損されることを防止する。また、基板処理工程中に発生した反応副産物がハウジング110の内側壁に蒸着されることを防止する。ライナー130はハウジング110に比べて費用が安く、交替が容易である。したがって、アーク放電でライナー130が損傷される場合、作業者は新しいライナー130で交替することができる。
【0049】
支持ユニット200は工程チャンバー100の内部の処理空間内で基板を支持する。例えば、支持ユニット200はハウジング110の内部に配置される。支持ユニット200は基板Wを支持する。支持ユニット200は静電気力(electrostatic force)を利用して基板Wを吸着する静電チャック方式に提供されることができる。これと異なりに、支持ユニット200は機械的なクランピングのような様々な方式に基板Wを支持することもできる。以下では、静電チャック方式に提供された支持ユニット200に対して説明する。
【0050】
支持ユニット200は支持板220、静電電極223、流路形成板230、エッジリング組立体240、絶縁プレート250、及び下部カバー270を含む。支持ユニット200は工程チャンバー100の内部でハウジング110の底面で上部に離隔されて提供されることができる。支持板220は支持ユニット200の上端部に位置する。支持板220は円板形状の誘電体(dielectric substance)で提供されることができる。支持板220の上面には基板Wが置かれる。支持板220には基板Wの底面に熱伝達ガスが供給される通路として利用される第1供給流路221が形成される。
【0051】
静電電極223は支持板220内に埋め込まれる。静電電極223は第1下部電源223aと電気的に連結される。静電電極223に印加された電流によって静電電極223と基板Wとの間には静電気力が作用し、静電気力によって基板Wは支持板220に吸着される。
【0052】
流路形成板230は支持板220の下部に位置される。支持板220の底面と流路形成板230の上面は接着剤236によって接着されることができる。流路形成板230には第1循環流路231、第2循環流路232、そして第2供給流路233が形成される。第1循環流路231は熱伝達ガスが循環する通路として提供される。第2循環流路232は冷却流体が循環する通路として提供される。第2供給流路233は第1循環流路231と第1供給流路221を連結する。第1循環流路231は流路形成板230の内部に螺旋形状に形成されることができる。又は、第1循環流路231は互いに異なる半径を有するリング形状の流路が同一な中心を有するように配置されることができる。各々の第1循環流路231は互いに連通されることができる。第1循環流路231は同一な高さに形成される。
【0053】
第1循環流路231は熱伝達媒体供給ライン231bを通じて熱伝達媒体貯蔵部231aと連結される。熱伝達媒体貯蔵部231aには熱伝達媒体が貯蔵される。熱伝達媒体は不活性ガスを含む。熱伝達媒体はヘリウム(He)ガスを含むことができる。ヘリウムガスは供給ライン231bを通じて第1循環流路231に供給され、第2供給流路233と第1供給流路221を順次的に経て基板Wの底面に供給される。ヘリウムガスは基板Wと支持板220との間に熱交換を助ける媒介体の役割をする。したがって、基板Wは全体的に温度が均一になる。
【0054】
第2循環流路232は冷却流体供給ライン232cを通じて冷却流体貯蔵部232aと連結される。冷却流体貯蔵部232aには冷却流体が貯蔵される。冷却流体貯蔵部232a内には冷却器232bが提供されることができる。冷却器232bは冷却流体を所定の温度に冷却させる。これと異なりに、冷却器232bは冷却流体供給ライン232c上に設置されることができる。冷却流体供給ライン232cを通じて第2循環流路232に供給された冷却流体は第2循環流路232に沿って循環し、流路形成板230を冷却することができる。流路形成板230は冷却されながら、支持板220と基板Wを共に冷却させて基板Wを所定の温度に維持させる。上述したような理由によって、一般的に、支持板220及びエッジリング組立体240の下部は上部に比べて低い温度に提供される。
【0055】
エッジリング組立体240は支持ユニット200の縁領域に配置される。エッジリング組立体240はリング形状を有し、支持板220及び支持板220上に支持された基板を囲むように提供される。例えば、エッジリング組立体240は支持板220の周辺に沿って配置されて基板Wの外側領域を支持する。エッジリング組立体240は工程チャンバー100内でプラズマが基板Wと対向する領域に集中されるようにする。
【0056】
絶縁プレート250は流路形成板230の下部に位置する。絶縁プレート250は絶縁性材質で提供され、流路形成板230と下部カバー270を電気的に絶縁させる。
【0057】
下部カバー270は支持ユニット200の下端部に位置する。下部カバー270はハウジング110の底面で上部に離隔されて位置する。下部カバー270は上面が開放された空間が内部に形成される。下部カバー270の上面は絶縁プレート250によって覆われる。したがって、下部カバー270の断面の外部半径は絶縁プレート250の外部半径と同一な長さに提供されることができる。下部カバー270の内部空間には搬送される基板Wが外部の搬送部材から伝達されて支持板に安着させるリフトピンモジュール(図示せず)等が位置することができる。
【0058】
下部カバー270は連結部材273を有する。連結部材273は下部カバー270の外側面とハウジング110の内側壁を連結する。連結部材273は下部カバー270の外側面に一定の間隔に複数が提供されることができる。連結部材273は支持ユニット200を工程チャンバー100の内部で支持する。また、連結部材273はハウジング110の内側壁と接続されることによって下部カバー270が電気的に接地(grounding)されるようにする。
【0059】
第1下部電源223aと連結される第1電源ライン223c、熱伝達媒体貯蔵部231aと連結された熱伝達媒体供給ライン231b、そして冷却流体貯蔵部232aと連結された冷却流体供給ライン232c等は連結部材273の内部空間を通じて下部カバー270の内部に延長される。
【0060】
ガス供給ユニット300は工程チャンバー100の内部の処理空間にガスを供給する。ガス供給ユニット300が供給するガスは基板の処理に使用される工程ガスを含む。又はガス供給ユニット300が供給するガスは工程チャンバー100の内側を洗浄するのに使用される洗浄ガスを含むことができる。
【0061】
ガス供給ユニット300はガス供給ノズル310、ガス供給ライン320、そしてガス貯蔵部330を含む。ガス供給ノズル310はカバー120の中央部に設置される。ガス供給ノズル310の底面には噴射口が形成される。噴射口はカバー120の下部に位置し、工程チャンバー100の内部にガスを供給する。ガス供給ライン320はガス供給ノズル310とガス貯蔵部330を連結する。ガス供給ライン320はガス貯蔵部330に貯蔵されたガスをガス供給ノズル310に供給する。ガス供給ライン320にはバルブ321が設置される。バルブ321はガス供給ライン320を開閉し、ガス供給ライン320を通じて供給されるガスの流量を調節する。
【0062】
プラズマソース400は工程チャンバー100の内部の処理空間内に供給されたガスからプラズマを生成する。プラズマソース400は工程チャンバー100の処理空間の外部に提供される。一実施形態によれば、プラズマソース400としては誘導結合型プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ソースが使用されることができる。プラズマソース400はアンテナ室410、アンテナ420、そしてRF(Radio Frequency、高周波)電源430を含む。
【0063】
アンテナ室410は下部が開放された円筒形状に提供される。アンテナ室410は内部に空間が提供される。アンテナ室410は工程チャンバー100と対応される直径を有するように提供される。アンテナ室410の下端はカバー120に脱着可能するように提供される。アンテナ420はアンテナ室410の内部に配置される。アンテナ420は複数回巻かれる螺旋形状のコイルで提供され、RF電源430と連結される。アンテナ420は外部電源430から電力が印加される。RF電源430は工程チャンバー100の外部に位置することができる。電力が印加されたアンテナ420は工程チャンバー100の処理空間に電磁気場を形成することができる。工程ガスは電磁気場によってプラズマ状態に励起される。
【0064】
排気ユニット500はハウジング110の内側壁と支持ユニット200との間に位置される。排気ユニット500は貫通ホール511が形成された排気板510を含む。排気板510は環状のリング形状に提供される。排気板510には複数の貫通ホール511が形成される。ハウジング110内に提供された工程ガスは排気板510の貫通ホール511を通過して排気ホール102に排気される。排気板510の形状及び貫通ホール511の形状に応じて工程ガスの流れが制御されることができる。
【0065】
支持板220内にはヒーター225が埋め込まれる。ヒーター225は静電電極223の下部に位置する。ヒーター225はヒーターケーブル225cから印加される発熱電源(電流)に抵抗することによって熱を発生させる。発生された熱は支持板210を通じて基板Wに伝達される。ヒーター225で発生された熱によって基板Wは所定の温度に維持される。
【0066】
ヒーター電源供給部225aはヒーター225に発熱電源を印加するために提供される。ヒーター電源供給部225aとヒーター225との間にはヒーター電源供給部225aに高周波が流入されることを遮断するためのフィルター部(図示せず)が提供されることができる。一実施形態として、プラズマソース400によって13.56MHz高周波電源が印加されてプラズマが生成される場合、フィルター部は60Hz交流(AC)電源である発熱電源をヒーターケーブル225cに通過させ、ヒーター電源供給部225aに13.56MHz RFが流入されることを遮断するように設計されることができる。フィルター部はキャパシタ、インダクタ等の素子で提供されることができる。
【0067】
以下、本発明の一実施形態に係る基板処理装置のエッジリング組立体240に対して説明する。図2図1の‘A’部の拡大図であって、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を構成するエッジリング組立体の断面図である。図1及び図2を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0068】
エッジリング組立体240はフォーカスリング245と、絶縁リング246と、カバーリング247を含むことができる。支持板220の外側面とフォーカスリング245の内側面は設定距離離隔されることができる。フォーカスリング245はシース、プラズマ界面を調節する。
【0069】
フォーカスリング245は導電性素材で提供されることができる。フォーカスリング245は珪素(Si)、炭化ケイ素(SiC)等で提供されることができる。フォーカスリング245の上面には第1層241及び第2層242が形成されることができる。第1層241と第2層242はフォーカスリング245の高さを基準に区分することができる。第1層241はフォーカスリング245の内側領域で上部面が露出される。第1層241は支持板220の上面に対応される高さに提供されて、基板Wの外側領域を支持することができる。一例として、第1層241は支持板220の上面と同一な高さに提供されて、基板Wの外側下面と接することができる。又は、第1層241は支持板220の上面より設定寸法くらい低く提供されて、基板の外側下面と第1層241との間には設定間隔が形成されることができる。第1層241は基板Wの下面と平行に平面として提供されることができる。第2層242は第1層241より高く、第1層241の外側端部から上方に突出されて形成されることができる。一実施形態によれば、第2層242の高さは少なくとも支持板220の上部にローディングされた基板Wの上部面と同一であるか、或いはさらに高いことがあり得る。第1層241と第2層242の高さ差によって、シース、プラズマ界面、及び電気場が調節されて、プラズマは基板W上に集中されるように誘導されることができる。
【0070】
フォーカスリング245の下方には絶縁リング246が提供されることができる。絶縁リング246は流路形成板230とフォーカスリング245を電気的に絶縁させる。絶縁リング246は誘電体材料、例えばクォーツ、又はセラミック、イットリウム酸化物(Y)、又はアルミナ(Al)、又はポリマーで成されることができる。一方、絶縁リング246は省略され、フォーカスリング245は流路形成板230と直接接するように位置されてもよい。
【0071】
一実施形態において、フォーカスリング245の外側方向にはカバーリング247が位置されることができる。カバーリング247はフォーカスリング245の外側領域を囲むようにリング形状に提供される。カバーリング247はフォーカスリング245の側面がプラズマに直接露出されるか、或いはフォーカスリング245の側部にプラズマが流入されることを防止する。
【0072】
カバーリング247は表面がイオン強化されて耐食性(耐プラズマ性)が向上されたクォーツ素材で提供される。カバーリング247の強化表面層247bは耐食性(耐プラズマ性)が向上されるようにイオン強化処理されて提供される。図3図2のカバーリング247の強化表面層247bと素材層247aとの間の分子間の結合構造(molecular structure)を概略的に示した図面である。
【0073】
図3を参照すれば、カバーリング247はQuartz(SiO)を主成分とする素材層247aと、イオン強化された強化表面層247bは10μm乃至500μm厚さh1に形成されることができる。Quartz(SiO)を主成分とする素材層247aは非晶質ガラスクォーツで提供されることができる。強化表面層247bは網目修飾体(network-modifier)をQuartz(SiO)が形成する分子結合に応じる網目構造の間に形成される空席に注入して形成する。例えば、網目修飾体はNa、K、Ca2+、又はMg2+等のイオン(ion)種類を表面強化イオンで選択してQuartz(SiO)が形成する分子結合に応じる網目構造の空席に注入する。網目修飾体の中でNa、K、Ca2+、又はMg2+はSi4+と比較して相対的に半径が大きい。イオンの半径サイズに対しては論文と測定条件に応じて少しずつそのサイズが異なるが、R.D.Shannon(1976).“Revised effective ionic radii and systematic studies of interatomic distances in halides and chalcogenides”にしたがう有効イオン半径(Effective ionic radii)によれば、Naのイオン半径は102pm、Kのイオン半径は138pm、Ca2+のイオン半径は100pm、Mg2+のイオン半径は72pmで、Si4+のイオン半径が40pmであることと比較して相対的に大きい。本発明の一実施形態に係る網目修飾体が注入され強化表面層247bが形成されたカバーリング247は表面で網目構造周囲に圧縮応力が発生してクォーツ素材の機械的強度及び耐蝕性が増加する。カバーリング247の機械的強度と耐蝕性が優れにつれ、カバーリング247の交替周期を向上させることができる。
【0074】
従来のイオン強化は素材層(例えば、クォーツ素材層)をなす表面のイオンを半径が大きいイオンで‘交替’する技術の適用が論議されて来た。例えば、クォーツを焼結するのにおいて、クォーツ原料粉末にAl(アルミニウム)又はY(イットリウム)粉末を含ませ、クォーツをなすイオンを交替する技術である。このような技術は高温の溶融温度を必要とすることによって、生産性低下及び単価が上昇され、高温の溶融に必要であるモールド製作及び維持費用が追加され、溶融の時、高い粘度によって多成分系均一分散が困難な問題と、形状にしたがう追加加工の必要性によって加工残余物発生で生産性低い問題がある。
【0075】
しかし、本発明の実施形態に係るクォーツ部材(実施形態によれば、カバーリング)は低温の環境で表面強化が可能であり、このように表面が強化されたクォーツ部材は耐食性の向上で交替周期が向上されることができる。また、本発明の実施形態に係って製造された表面が強化されたカバーリング247はカバーリング247の下端に位置したフォーカスリング245と絶縁リング246をプラズマ露出から保護することができる。
【0076】
また、本発明の実施形態に係るクォーツ部材(実施形態によれば、カバーリング)は弗素(F Fluorine)を含むプラズマ環境に露出される時、プラズマ環境で形成されるCaF2の昇華点は1、418℃、NaFの昇華点は1、695℃であり、KFの昇華点は1、502℃、MgFの昇華点は2、260℃であり、SiFが-86℃であることに比べて非常に高いので、プラズマ反応の時にも昇華されなく、クォーツ素材の表面構成成分として作用して、F radicalによる蝕刻を防止することができる。
【0077】
図4は本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。図5図4の‘B’部の拡大図として、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を構成するエッジリング組立体の断面図である。図4及び図5を参照して本発明の他の実施形態に係るエッジリング組立体1240を説明する。
【0078】
エッジリング組立体1240はフォーカスリング1245と、絶縁リング1246と、内側カバーリング1248と外側カバーリング1247を含む。
【0079】
フォーカスリング1245は絶縁リング1246の上部に置かれる。内側カバーリング1248はフォーカスリング1245の外側方向の上面に置かれて、フォーカスリング1245の外側上面を保護する。フォーカスリング1245と内側カバーリング1248の外側方向には外側カバーリング1247が提供される。
【0080】
フォーカスリング1245は導電性素材で提供されることができる。フォーカスリング1245は珪素(Si)、炭化ケイ素(SiC)等で提供されることができる。フォーカスリング1245の上面は異なる高さに形成されることができる。フォーカスリング1245の内側領域は支持板220の上面に対応される高さに提供されて、基板Wの外側領域を支持することができる。一例として、フォーカスリング1245の内側領域は支持板220の上面と同一な高さに提供されて、基板Wの外側下面と接することができる。又は、フォーカスリング1245の内側領域は支持板220の上面より設定寸法くらい低く提供されて、基板Wの外側下面とフォーカスリング1245の内側領域との間には設定間隔が形成されることができる。フォーカスリング1245の内側領域で外側領域に行くほど、上部に突出されるように形成されることができる。一実施形態によれば、内側領域で外側領域に行くほど、傾くように形成されて内側領域よりさらに突出された部分を含むことができる。フォーカスリング1245の内側領域と突出部分の高さ差によって、シース、プラズマ界面、及び電気場が調節されて、プラズマは基板W上に集中されるように誘導されることができる。フォーカスリング1245の外側領域は内側カバーリング1248の高さくらい陥没されて、フォーカスリング1245の外側領域の上部に内側カバーリング1248が置かれることがきる。
【0081】
内側カバーリング1248はフォーカスリング1245の外側上部を保護することができる。内側カバーリング1248のフォーカスリング1245と接触される部分は非晶質SiOを96.0~99.5重量%含有し、Alを0.5~4.0重量%含有する非晶質耐プラズマ性高ケイ酸材質から成されることができる。実施形態で、内側カバーリング1248は外側カバーリング1247より誘電率が高い。内側カバーリング1248はフォーカスリング1245の誘電率より低い第1誘電率を有することができる。
【0082】
内側カバーリング1248は非晶質SiOを主成分でし、耐食性Alを0.5~4.0重量%含有することによって、非晶質特性を有しながら、耐プラズマ抵抗性が優れたガラス素材特性を具現することができる。非晶質ガラス素材は結晶粒界の部材によって選択的腐食が存在しないので、プラズマ蝕刻環境で耐蝕性が優秀であり、工程の中でパーティクル発生を減少させることができる。内側カバーリング1248に非晶質SiOが96.0~99.5wt%含有される場合、クォーツと類似な成分を示しながら、耐食性のAl(0.5~4.0wt%)をガラス内に均一に分布させてプラズマ蝕刻工程の中で耐蝕刻性を著しく向上させることができる。96.0~99.5wt%の高ケイ酸非晶質ガラス素材を利用すれば、低い温度で気化されるSiF反応物によって工程に悪影響が発生することを防止することができ、耐プラズマ特性の向上によって、チャンバー寿命及び設備交替周期を向上させることができる。
【0083】
外側カバーリング1247は表面がイオン強化されて耐食性(耐プラズマ性)が向上されたクォーツ素材で提供される。外側カバーリング1247の強化表面層1247bは耐食性(耐プラズマ性)が向上されるようにイオン強化処理されて提供される。外側カバーリング1247の強化表面層1247bと素材層1247aとの間の分子間の結合構造(molecular structure)は図3の実施形態と同一であり、図3に図示された実施形態に関する説明は省略する。
【0084】
外側カバーリング1247は外側カバーリング1247と他の付属品との間の放電を防止するために、外側カバーリング1247の外周縁部が屈曲された形状を有することができる。即ち、外側カバーリング1247の断面が屈曲された扇形を有するように、外側カバーリング1247の上部面と外側壁は曲がった曲線を形成することができる。
【0085】
内側カバーリング1248のような素材のカバーリングは耐蝕刻性は高いが、製造するのにおいて、96.0~99.5wt%の高ケイ酸非晶質ガラスと0.5~4.0wt%のAlを混合及び溶融の時、高い粘度によって均一な分散(混合)を得るのが難しいが、本発明の一実施形態のように外側カバーリング1247の内側に提供され、フォーカスリング1245の上部に置かれる形態に提供される場合、そのサイズと形状の制約を減らすことによって均一な分散を得ることができる。
【0086】
また、内側カバーリング1248によって外側カバーリング1247と基板Wとの間の距離を離隔させることによって、外側カバーリング1247で蝕刻されることができるNa、Ca、K、又はMgのような網目修飾体によって、基板Wに悪影響を与えることができる可能性を予防することができる。
【0087】
フォーカスリング1245の下方には絶縁リング1246が提供されることができる。絶縁リング1246は流路形成板230とフォーカスリング1245を電気的に絶縁させる。絶縁リング1246は誘電体材料、例えばクォーツ、又はセラミック、イットリウム酸化物(Y)、又はアルミナ(Al)、又はポリマーから成されることができる。一方、絶縁リング1246は省略され、フォーカスリング1245は流路形成板230と直接接するように位置されてもよい。
【0088】
図6は本発明の一実施形態に係るクォーツ素材の湿式イオン強化方法を示したフローチャートである。図6を参照して、本発明の一実施形態に係るクォーツ素材の製造方法を説明する。一実施形態によれば、CaCl、KCl、NaCl、又はMgClを含む塩水槽を準備する(S110)。第1温度条件で準備された塩水槽に加工されたクォーツ素材(例えば、カバーリングで加工されたクォーツ素材)を浸漬する。第1温度は常温であり得る。他の実施形態において、第1温度は常温より高い温度であり得る。CaCl、KCl、NaCl、又はMgClは水溶性であることによって水内でCa2+、K、Na、又はMg2+の網目修飾体はイオン状態に存在し、イオン状態に存在する網目修飾体はクォーツ素材の表面と反応してクォーツ素材の網目構造の内部に浸透されてクォーツ素材の表面を強化することができる。塩水槽に浸漬する時間はクォーツ素材の網目構造の内部に網目修飾体が10μm乃至500μm厚さに浸透されるのに充分な時間である。図6を通じて参照される実施形態に係るクォーツ素材の製造方法によれば、常温の条件でもクォーツ素材の表面を強化することによって、Al又はYをクォーツに混合させるために、2000℃以上の高温で溶融することと比較して、高温条件が不必要であるので、生産単価が節減されることができ、広い面積に対して均一な表面強化が可能である。
【0089】
図7は本発明の他の実施形態に係るクォーツ素材の乾式イオン強化方法を示したフローチャートである。図7を参照して、本発明の一実施形態に係るクォーツ素材の製造方法を図示する。一実施形態によれば、Ca2+、K、Na、又はMg2+等の網目修飾体含有物質をペースト状態に準備する(S210)。一例として、Ca2+、K、Na、又はMg2+を含むペースト物質はCaCl、KCl、NaCl、又はMgClであり得る。準備されたペースト物質をペースト物質の溶融点以上である第2温度で加工されたクォーツ素材(例えば、カバーリングとして加工されたクォーツ素材)の表面と反応させる。一実施形態によれば、加工されたクォーツ素材(例えば、カバーリングで加工されたクォーツ素材)の表面に準備されたペースト物質を塗布し、溶融点以上に加熱することによって、網目修飾体をクォーツ素材の網目構造の空席に注入する。例示的に、CaClの溶融点は772℃、KClの溶融点は770℃、NaClの溶融点は801℃、MgClの溶融点は714℃であることによって、第2温度は700乃至850℃程度に設定されることができる。表面反応時間はクォーツ素材の網目構造の内部に網目修飾体が10μm乃至500μm厚さに浸透されるのに充分な時間である。図6を通じて参照される実施形態に係るクォーツ素材の製造方法によれば、700乃至850℃範囲の条件でもクォーツ素材の表面を強化することによって、Al又はYをクォーツに混合させるために、2000℃以上の高温で溶融することと比較して、高温条件が不必要であるので、生産単価が節減されることができ、広い面積に対して均一な表面強化が可能である。
【0090】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0091】
10 基板処理装置
100 工程チャンバー
200 支持ユニット
220 支持板
230 流路形成板
240 エッジリング組立体
245 フォーカスリング
246 絶縁リング
247 カバーリング
247a 素材層
247b 強化表面層
250 絶縁プレート
270 下部カバー
300 ガス供給ユニット
400 プラズマソース
500 排気ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7