(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】火災検出システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
G08B17/00 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021156741
(22)【出願日】2021-09-27
【審査請求日】2021-09-27
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519031944
【氏名又は名称】光禾感知科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】OSENSE TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】陳 富貴
(72)【発明者】
【氏名】王 友光
(72)【発明者】
【氏名】林 信標
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-134859(JP,A)
【文献】特開2016-133938(JP,A)
【文献】特開2016-181173(JP,A)
【文献】特開2020-042862(JP,A)
【文献】特開平01-144195(JP,A)
【文献】特開2020-166447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0275549(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/00-5/14
7/00-7/42
13/00-13/95
19/00-19/55
G01V1/00-99/00
G08B17/00
19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット情報、環境情報、及び位置情報を取得し、感知情報を出力する、感知領域に配置される感知装置であって、前記感知領域が、前記感知装置に対応するサブ感知領域を含む、感知装置と、
前記感知情報に応じて、統合情報を出力する、前記感知装置に接続される制御センターと、
前記感知装置と前記制御センターとを接続する物理回路と、
を備え、
前記感知装置は、前記物理回路に応じて、固有でかつ前記サブ感知領域に対応する前記位置情報を取得する、
ことを特徴とする火災検出システム。
【請求項2】
前記感知装置は、
前記ターゲット情報を取得するため、前記感知装置に対応する前記サブ感
知領域におけるターゲットを検出するレーダーセンサと、
前記環境情報を取得する環境センサと、
前記ターゲット情報、前記環境情報、及び前記位置情報に応じて前記感知情報を出力する、前記レーダーセンサ及び前記環境センサに接続されるプロセッサと、
前記位置情報を取得するため、前記プロセッサ及び前記物理回路に接続される接続モジュールと、
を備え、
前記プロセッサは、前記接続モジュールを介して前記制御センターに前記感知情報を伝達する、
ことを特徴とする請求項1に記載の火災検出システム。
【請求項3】
前記レーダーセンサは、ミリメータ波センサを備え、
前記ターゲット情報は、前記ターゲットの位置を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の火災検出システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ターゲットの位置に応じて、前記ターゲットが前記サブ感知領域に存在するかを判別する、
ことを特徴とする請求項2に記載の火災検出システム。
【請求項5】
前記環境センサは、イオン化環境センサ及び光散乱環境センサの少なくともいずれかを備え、
前記環境情報は、環境温度と環境煙濃度とを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の火災検出システム。
【請求項6】
前記物理回路は、信号線回路を備え、
前記接続モジュールは、信号線回路モジュールを備え、
前記接続モジュールは、前記物理回路から電力を受け、
前記感知装置は、前記電力に基づいて動作し、
前記接続モジュールは、前記物理回路の分布
に応じて、固有でかつ前記感知装置に対応する前記位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の火災検出システム。
【請求項7】
前記制御センターは、前記物理回路に応じて、前記感知情報が対応する前記サブ感知領域を識別する、
ことを特徴とする請求項6に記載の火災検出システム。
【請求項8】
前記統合情報は、前記感知領域におけるターゲットの数、及び各前記ターゲットに対応するそれぞれの前記位置情報を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の火災検出システム。
【請求項9】
クライアントをさらに備え、
前記制御センターは、前記統合情報に応じて、前記クライアントに前記統合情報を伝達するかを判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の火災検出システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記感知情報の内容を判別するため、前記ターゲット情報に応じて前記ターゲットのターゲット挙動を判別する、
ことを特徴とする請求項2に記載の火災検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システムに関し、より具体的には、火災検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
火災を防止するため、様々な警報装置又は検出システムが存在する。また、火災が発生した場合、火災シナリオ情報が非常に重要であり、直ちに必要である。しかしながら、火災は上記のシステムに影響を与え、故障させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
火災が発生した場合、火災シナリオ情報は非常に重要で、直ちに必要であるが、関連するシステムが火災による影響を受け、故障し得る。従って、火災が発生した場合に、どのように火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供するかが当業者にとって検討すべきトピックである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、火災が発生した場合に、火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供可能な火災検出システムを提供する。
【0005】
本開示の火災検出システムは、感知装置と、制御センターと、物理回路と、を備える。感知装置は、感知領域に配置される。感知装置は、ターゲット情報、環境情報、及び、位置情報を取得し、感知情報を出力する。感知領域は、感知装置に対応するサブ感知領域を含む。制御センターは、感知装置に接続される。制御センターは、感知情報に応じて、統合情報を出力する。物理回路は、感知装置と制御センターとを接続する。感知装置は、物理回路に応じて、サブ感知領域に対応する固有の位置情報を取得する。
【発明の効果】
【0006】
以上より、本開示による火災検出システムは、火災が発生した場合、火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供可能である。
【0007】
本開示の上記の特徴及び利点について理解をより容易にするため、以下に図面と共に実施の形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係る火災検出システムの概略図である。
【0009】
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係る火災を検出するための感知装置の概略図である。
【0010】
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係る火災検出システムの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の内容についての理解を容易にするため、以下の具体的な実施の形態を本開示の実際の実施の例として説明する。また、可能な限り、図面及び実施の形態において、同一又は類似の要素/構成要素/ステップには、同一の参照番号を付す。
【0012】
更に、特に定義がされない限り、本明細書で用いる全ての用語(技術的及び科学的な用語を含む)は、本開示が属する技術分野における当業者にとって共通に理解される同一の意味を有する。例えば、辞書によって一般に定義された用語は、関連する技術の背景における意味と一致する意味を有し、本明細書において明確に定義されない限り、理想的又は過度に型どおりの感覚で解釈されるべきではない。
【0013】
図1は、本開示の実施の形態に係る火災検出システムの概略図である。
図1を参照すると、検出システム100は、感知装置110と、制御センター140と、物理回路130と、を備えてよい。感知装置110は、ターゲット情報、環境情報、及び位置情報を取得し、感知情報を出力するために、感知領域120に配置されてよい。感知領域120は、感知装置に対応するサブ感知領域121を含んでよい。本実施の形態において、サブ感知領域の数は、1つ以上であってよいが、本開示はこれに限定されない。制御センター140は、感知装置110に接続される。制御センター140は、感知情報に応じて統合情報を出力する。物理回路130は、感知装置110と制御センタ140とを接続する。感知装置110は、物理回路130に応じてサブ感知対象領域121に対応する固有の位置情報を取得する。
【0014】
具体的には、本実施の形態において、感知領域120は、住宅、オフィス、レストラン、学校、図書館、又は公共区域等の様々な位置を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。また、本実施の形態において、サブ感知領域121は、居間、学習室、寝室、バスルーム等の様々な部屋又は空間を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。例えば、一つの実施の形態において、感知領域120は住宅であってよい。従って、サブ感知領域121は、例えば、居間、学習室、寝室、及びバスルームを含んでよい。感知装置110は、それぞれ、居間、学習室、寝室、及びバスルームに配置されてよい。また、感知装置110は、ターゲット情報を出力するために、対応するサブ感知領域121にターゲットが存在するかを検出してよい。本実施の形態において、ターゲットは、人、動物、又は、ユーザによって設定された様々なターゲット、を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。また、感知装置110は、環境情報を出力するために、対応するサブ感知領域121における温度、湿度、煙濃度、及び他の要因を検出してよい。更に、感知装置110は、対応するサブ感知領域121の位置情報を検出してよい。上記の検出の後、感知装置110は、物理回路130を介して制御センター140に感知情報を出力してよい。次に、制御センタ140ーは、統合情報を出力するために、各サブ感知領域121の感知情報を統合してよい。さらに、制御センタ140ーは、統合情報に応じて、クライアントに統合情報を伝達すべきかを判断してよい。一つの実施の形態において、クライアントは、居住者、建築物管理者、セキュリティメンバ、火災制御センター等を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。
【0015】
火災が発生した場合、基地局又は電源へのダメージにより、無線信号の送信がある程度妨げられ得る。本実施の形態において、物理回路130は、信号線回路(SLC)を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。また、SLCは、データを送信し、また電力を供給するために用いられてよい。より重要なことに、SLCに接続された感知装置110は、SLCの分布に応じて感知装置110に対応する固有の位置情報を取得してよい。従って、SLC等の物理回路130を採用することで、火災が発生した際の信号送信及び電力供給に対する干渉が、効果的にまた確実に低減される。このように、検出システム100は、火災が発生した場合、火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供可能である。
【0016】
図2は、本開示の一つの実施の形態に係る火災を検出するための感知装置の概略図である。
図1及び
図2を参照すると、感知装置210は、レーダーセンサ211と、環境センサ212と、プロセッサ213と、接続モジュール214と、を備える。レーダーセンサ211は、ターゲット情報を取得するために、対応するサブ感知領域121におけるターゲットを検出する。環境センサ212は、環境情報を取得する。プロセッサ213は、レーダーセンサ211と環境センサ212とを接続する。プロセッサ213は、ターゲット情報、環境情報、及び位置情報に応じて感知情報を出力する。接続モジュール214は、プロセッサ213に接続される。接続モジュール214は、サブ感知領域に対応する固有の位置情報を取得し、プロセッサ213は、接続モジュール214を介して制御センター140に感知情報を伝達する。
【0017】
本実施の形態において、レーダーセンサ211は、mm波レーダーセンサ、パッシブ赤外線センサ(PIRセンサ)等の感知機能を有する電子機器を備えてよいが、本開示はこれに限定されない。加えて、レーダーセンサ211は、ターゲットがサブ感知領域121に存在するかを判別するために、ターゲットの位置を検出してよい。また、ターゲット情報は、制御センター140によってその後に使用される、ターゲットの位置を含んでよい。
【0018】
本実施の形態において、環境センサ212は、イオン化環境センサ及び光散乱環境センサを備えてよいが、本開示はこれに限定されない。加えて、環境センサ212は、対応するサブ感知領域121の環境温度、環境湿度、及び環境煙濃度等のパラメータを取得してよい。同様に、環境情報は、制御センター140によってその後に使用される、環境温度、環境湿度及び環境煙濃度を含んでよい。
【0019】
本実施の形態において、接続モジュール214は、SLCモジュールを備えてよいが、本開示はこれに限定されない。接続モジュール214は、物理回路から電力供給を得る。また、感知装置は、電力供給に応じて動作し、接続モジュール214は、物理回路の分布を介して感知装置に対応する固有の位置情報を取得する。本実施の形態において、プロセッサ213は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ制御ユニット(MCU)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えてよいが、本開示はこれに限定されない。プロセッサ213は、ターゲット情報、環境情報、及び位置情報に応じて感知情報を出力するために用いられてよい。加えて、プロセッサ213は、接続モジュール214を介して制御センター140に感知情報を伝達してよい。
【0020】
本実施の形態において、接続モジュール214は、感知装置210にビルトインされてよい。しかしながら、別の実施の形態において、接続モジュール214は、外部接続を介して感知モジュール210に接続されてよく、本開示はこれに限定されない。換言すると、従来の感知装置は、接続モジュール214に外部接続されることにより、位置情報を取得する機能を有し得る。加えて、感知領域120の元の回路を調整することで、元の回路は、データを送信する機能と電力を供給する機能とを同時に有し得る。このように、ユーザは、火災が生じた場合、元の感知装置を無駄にすることなく、火災シーンに関する情報を効率的に収集し、信頼できる情報を提供可能である。
【0021】
図3は、本開示の一つの実施の形態に係る火災検出システムの動作フローチャートである。
図1から
図3を参照すると、ステップS310において、レーダーセンサ211は、サブ感知領域121におけるターゲットを検出して、ターゲット情報を取得してよい。レーダーセンサ211は、サブ感知対象領域121における位置を感知して、ターゲットがサブ感知領域121に存在するかを判別してよい。ステップS320において、環境センサ212は、サブ感知領域121の環境温度、環境湿度、及び環境煙濃度を検出して、環境情報を出力してよい。ステップS330において、接続モジュール214は、物理回路230を介してサブ感知領域121に対応する位置情報を取得してよい。ステップS340において、プロセッサは、ターゲット情報、環境情報、及び位置情報に応じて、接続モジュール214を介して制御センターに感知情報を伝達してよい。
【0022】
プロセッサ213は、レーダーセンサ211から提供されるターゲット情報と、環境センサ212から提供される環境情報とに応じて、ターゲットのターゲット挙動を判別してよい。また、プロセッサ213は、ターゲット挙動に応じて感知情報の内容を判別してよい。例えば、一つの実施の形態において、感知装置110は、キッチン等のサブ感知対象領域121に配置されてよく、サブ感知対象領域121におけるターゲットは料理である。プロセッサ213は、感知情報の内容を判別するために、ターゲット挙動と環境情報とに応じて現在の環境情報とターゲット挙動との間の関連性を判別してよい。本実施の形態において、環境情報内の環境温度、及び環境煙濃度が、料理のターゲット挙動によって生じ、環境情報のパラメータ値が火災報知閾値未満であるので、プロセッサ213は、感知情報の内容を火事ではない事象として判別し得る。別の実施の形態において、環境情報とターゲット挙動との間の関連性が低いか、環境情報のパラメータ値が火災報知閾値以上である場合、プロセッサ213は、感知情報の内容を火災事象として判別してよい。
【0023】
ステップS350において、制御センター140は、物理回路130に応じて、感知情報が対応するサブ感知領域121を識別してよい。また、制御センター140は、統合情報を出力するため、各サブ感知領域121からのそれぞれの感知情報を統合してよい。統合情報は、感知領域120におけるターゲットの数、及び各ターゲットに対応する位置情報を含む。加えて、統合情報は、各サブ感知領域121に対応する環境情報に火災事象が存在するかを含み得る。ステップS360において、制御センター140は、統合情報に応じてクライアントに統合情報を伝達するかを判別してよい。一つの実施の形態において、特定のサブ感知領域121に対応する環境情報に火災事象が存在するので、制御センター140は、クライアントに統合情報を伝達することを判断してよい。一つの実施の形態において、クライアントは、居住者、建物管理者、セキュリティメンバ、火災制御センター等を含んでよいが、本開示はこれに限定されない。このように、火災事象の初期段階で火災の影響を低減するため、関係者は、統合情報に基づいた対応処置を行うことができる。
【0024】
要約すると、本開示の火災検出システムは、火災が生じた場合、火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
火災が生じた場合に、本開示により提供される火災検出システムは、火災シナリオ情報を効果的に収集し、信頼できる情報を提供するように適用され得る。
【符号の説明】
【0026】
100 検出システム
110、210 感知装置
120 感知領域
121 サブ感知領域
130、230 物理的回路
140 制御センター
211 レーダーセンサ
212 環境センサ
213 プロセッサ
214 接続モジュール
S310、S320、S330、S340、S350、S360 ステップ