IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フヤ バイオサイエンス インターナショナル エルエルシーの特許一覧

特許7190548HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法
<>
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図1
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図2
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図3
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図4
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図5
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図6
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図7
  • 特許-HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4406 20060101AFI20221208BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 38/15 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61K31/4406 ZMD
A61K31/167
A61K31/18
A61K31/343
A61K31/4045
A61K31/506
A61K38/15
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167100
(22)【出願日】2021-10-12
(62)【分割の表示】P 2018559885の分割
【原出願日】2017-05-11
(65)【公開番号】P2022017295
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】62/335,056
(32)【優先日】2016-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512123949
【氏名又は名称】フヤバイオ インターナショナル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】レイド ピー. ビッソンネッテ
(72)【発明者】
【氏名】アラン ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ミレイレ ギリングス
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157162(WO,A1)
【文献】Cancer Chemotherapy and Pharmacology,2012年,69(4),pp.901-909
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物を含む、それを必要とする対象においてがんを治療するための薬学的組成物であって、
【化1】
PD-L1阻害剤と組み合わせて使用される、前記薬学的組成物。
【請求項2】
前記対象が、過去にチェックポイント阻害剤で治療されていない、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記薬学的組成物が、レジメンとして投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記薬学的組成物が、1日1回(Q.D.)、1日おきに1回(Q.O.D.)、週1回(Q.W.)、週2回(BIW)、又は週3回(TIW)投与される、請求項3記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記薬学的組成物が、2週間毎に投与される、請求項3記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.05mg~200mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg~100mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg~10mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記PD-L1阻害剤が、約30分間にわたって静脈内注入として投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記がんが、血液癌である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記血液癌が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、リードステルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、又は慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記固形腫瘍が、扁平上皮細胞癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、メラノーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠芽細胞腫、結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、又は悪性末梢鞘腫瘍(MPNST)である、請求項13記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記PD-L1阻害剤が、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、又はSTI-A1015である、請求項1記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2016年5月11日に出願された米国仮特許出願第62/335,056
号の優先権を主張するものであり、これは、全ての表、図、および特許請求の範囲を含め
て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組み合わせ、およびがんの治療にお
けるそのような組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
がんは、世界的に罹患率および死亡率の重要な原因である。多くの異なるがん型の治療
基準が長年にわたって大幅に改善されているが、現行の治療基準は、がんの治療を改善す
るための有効な治療の必要性を依然として満たしていない。細胞傷害性Tリンパ球関連タ
ンパク質4(CTLA-4)、ならびにプログラム細胞死受容体-1(PD-1)および
そのリガンドPD-L1を標的とする免疫腫瘍剤の臨床使用は、多くのがん型の治療にお
ける治療基準にわたって改善をもたらしている。これらのチェックポイント阻害剤は、こ
のようなある特定のがんにおいて改善された臨床応答を生成しているが、持続的な臨床応
答は、約10~45%の患者においてのみ起こる。さらに、かなりの数の腫瘍は、耐性で
あるか、または不応性になる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)などのエピ
ジェネティック修飾因子は、いくつかの血液悪性腫瘍の治療に成功しているが、固形腫瘍
に対する活性を示す前臨床データにもかかわらず、この結果は単独療法として臨床には移
行していない。したがって、当該技術分野において、例えば、がんの治療のための組み合
わせ療法を含む、新しい療法が必要とされている。本明細書に提供されるものは、当該技
術分野におけるこれらおよび他の問題に対する解決策である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書において、とりわけ、HDAC阻害剤(HDACi)およびPD-L1阻害剤
を含む組み合わせが提供される。この組み合わせには、式Iの化合物およびPD-L1阻
害剤が含まれる。ある場合には、PD-L1阻害剤は、PD-L1阻害剤抗体である。
【0005】
第1の態様では、治療的有効量のPD-L1阻害剤および治療有効量の式Iの化合物を
含む組み合わせであり、
【化1】
【0006】
Aは、任意に、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C
アルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキル
アミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-C
ペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキ
シカルボニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基
で置換される、フェニルまたは複素環基である。Bは、任意に、ハロゲン、-OH、-N
、-NO、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C
-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-C
シルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-C
ルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボニル、およびフェニルからなる
群から選択される1~3個の置換基で置換される、フェニルである。Yは、直鎖である-
CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W2)と、部分Yにおけ
る水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、それぞれ、W1-W2=約
6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2-W3=約4.0Å~約8
.0Åである。Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-
CO-、-CS-、-SO-または-SO-である。RおよびRは、独立して、水
素またはC-Cアルキルである。Rは、水素またはC-Cアルキルである。R
は、水素または-NHである。X、X、X、またはXのうちの1つは、ハロ
ゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C
アルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-C
シル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアル
キル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、またはハロゲンまたはC-Cアルキ
ルで任意に置換されたC-Cアルコキシカルボニルであるが、X、X、X、ま
たはXの他のものは、独立して、水素であるが、ただし、Rが水素である場合に、X
、X、X、またはXのうちの1つは、-NH、アミノアルキル基、またはアル
キルアミノ基である。
【0007】
一実施形態において、式Iの化合物は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-
4-[[[(2E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]
アミノ]メチル]ベンズアミド(本明細書ではHBI-8000と称する)またはチダミ
ドである。
【0008】
別の実施形態において、PD-L1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパ
ク質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、
またはその断片もしくはバリアントである。
【0009】
さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤は、抗体である。
【0010】
さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ
、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、
STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A10
15(Sorrento Therapeutics)から選択される。
【0011】
別の態様では、本明細書に記載される組み合わせと、薬学的に許容可能な賦形剤と、を
含む薬学的組成物がある。
【0012】
さらに別の態様では、本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を含むキッ
トがある。
【0013】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を、それを必要とする患者に投与することによってがんを治療するための方法がある。
【0014】
一実施形態において、本方法に含まれる組み合わせは、式Iの化合物およびPD-L1
阻害剤抗体を含む。PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズ
マブ、BMS-936559、rSTI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015(So
rrento Therapeutics)であり得る。
【0015】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を投与することによって、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルの軽減を必
要とする患者におけるそのレベルを軽減させるための方法がある。
【0016】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を投与することによって、調節性T細胞(Treg細胞)のレベルの軽減を必要とする
患者におけるそのレベルを軽減させるための方法がある。
【0017】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を投
与することによって、がん患者におけるインビボでのナチュラルキラー(NK)の活性ま
たは細胞傷害性T細胞活性を増強するための方法がある。
【0018】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を投
与することによって、がん患者における抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強するため
の方法である。
【0019】
別の態様では、PD-1阻害剤による治療に対して耐性を持つようになっているがんを
治療するための方法であって、かかるがんは、HDAC阻害剤とPD-L1阻害剤との組
み合わせで治療される。この態様の実施態様において、HDAC阻害剤は、HBI-80
00(チダミドとしても知られている)を含む、式Iの化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本明細書の実施例1に記載される研究における全ての群における時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍成長を示す。
【0021】
図2】本明細書の実施例1に記載される研究における50mg/kgの化合物(HBI-8000)で処理したマウスにおける時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍成長を示す。
【0022】
図3】は、本明細書の実施例1に記載される研究において試験した全ての群についての生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0023】
図4】本明細書の実施例1に記載される研究において50mg/kgの化合物(HBI-8000)で処置したマウスの生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0024】
図5】本明細書の実施例2に記載される研究における全ての群に時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍成長を示す。
【0025】
図6】本明細書の実施例2に記載される研究において試験した全ての群についての生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0026】
図7】本明細書の実施例3に記載される研究における全ての群における時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍成長を示す。
【0027】
図8】本明細書の実施例3に記載される研究において試験した全ての群についての生存率(カプランマイヤー)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
定義
本明細書で引用した全ての特許、出願、公開出願、および他の刊行物は、その全体が参
照により組み込まれる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語お
よび科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ
意味を有する。本明細書に記載される化学構造および式は、化学技術において知られてい
る化学原子価の標準規則に従って構築される。描写された構造とその構造に与えられた名
前との間に相違がある場合、描写された構造はより重視されるべきである。構造または構
造の一部の立体化学が、示された構造または図示された構造の一部に示されていない場合
、示された構造は、その可能な立体異性体の全てを包含するものとして解釈されるべきで
ある。
【0029】
本明細書に記載されたものと類似または等価な任意の方法、デバイス、および材料は、
本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書において頻繁に使
用されるある特定の用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定するも
のではない。本明細書の用語の定義が複数ある場合は、特に断りのない限り、このセクシ
ョンの定義が優先される。本明細書で使用される見出しは、組織的な目的のみのためであ
り、本明細書に記載される発明を決して限定するものではない。
【0030】
「PD-L1阻害剤」という用語は、PD-L1のその受容体、PD-1への活性、結
合、またはhuma PD-L1(例えば、マウス)のバリアント、アイソフォーム、種
相同体、およびPD-L1を有する少なくとも1つの共通エピトープを有する類似体を含
むPD-L1(例えば、プログラム細胞死1リガンド;PD-L1(CD274);GI
:30088843)の発現を低下させ、阻害し、遮断し、無効にする、または妨害する
部分(例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体)を指す。PD-L1阻害剤は、例え
ば、化合物(低分子化合物)、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ
、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)などの分子および高分子、ならびにその断片
またはバリアントを含む。したがって、本明細書で使用されるPD-L1阻害剤は、PD
-L1活性、PD-1へのその結合、またはその発現に拮抗する任意の部分を指す。PD
-L1阻害剤効力は、例えば、50%の阻害剤濃度(最大阻害剤濃度の半分またはIC
)によって測定することができる。PD-L1阻害剤は、本明細書に記載される例示的
な化合物および組成物を含む。PD-L1阻害剤抗体は、本明細書に記載されるモノクロ
ーナルまたはポリクローナル抗体であるPD-L1阻害剤を指す。
【0031】
「デュルバルマブ」、「アベルマブ」、「アテゾリズマブ」、「BMS-936559
」、「STI-A1010」、「STI-A1011」、「STI-A1012」、「S
TI-A1013」、「STI-A1014」、および「STI-A1015」という用
語は、当該技術分野で理解されているように、それらの単純かつ通常の意味に従って使用
される。
【0032】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され
、少なくとも2個以上のアミノ酸を含む任意の分子を指す。
【0033】
「有効量」という用語は、記載された目的を達成する、またはそうでなければそれが投
与される効果に達するのに十分である治療剤(例えば、本明細書中に提供される組み合わ
せまたは本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性薬剤)の量を指す。所与の疾患、障
害、もしくは病態および/またはそれに関連する症状の進行、発生、再発、重症度および
/または持続時間を低減および/または改善するのに十分であり得るか、またはポリペプ
チド(例えば、PD-L1)の活性または結合のレベルを低下させるのに十分であり得る
。有効量は、「治療有効量」であり得、例えば、所与の疾患、障害、もしくは病態の進歩
または進行の軽減または改善、所与の疾患、障害、もしくは病態の再発、発症、もしくは
発病の軽減または改善などの治療的利益を提供する、および/または別の治療法の予防的
もしくは治療的効果(複数可)を改善または増強するために十分な量を指す。本明細書に
記載される組成物の治療有効量は、別の治療剤の治療効果を高めることができる。
【0034】
「レジメン」という用語は、本明細書に記載される疾患、障害、または病態を治療する
ための1つ以上の治療剤(例えば、本明細書に記載される組み合わせまたは本明細書に記
載される抗癌剤などの別の活性薬剤)の投与を投与するおよびタイミングを決めるプロト
コルを指す。レジメンは、当該技術分野で知られているように、有効な投与期間および休
止期間を含み得る。有効な投与期間には、本明細書に記載される組み合わせおよび組成物
の投与ならびにそのような組み合わせおよび組成物の有効性の持続時間が含まれる。本明
細書に記載されるレジメンの休止期間には、化合物が積極的に投与されない期間が含まれ
、場合によっては、そのような化合物の有効性が最小限であり得る期間も含まれる。本明
細書に記載されるレジメンにおける有効な投与と休薬の組み合わせは、本明細書に記載さ
れる組み合わせおよび組成物の投与の効力および/または持続時間を増加させることがで
きる。
【0035】
「療法(therapies)」および「療法(therapy)」という用語は、疾
患、障害、もしくは病態、またはその1つ以上の症状の予防、治療、管理、および/また
は改善に使用することができる任意のプロトコル(複数可)、方法(複数可)、および/
または薬剤(複数可)を指す。場合によっては、この用語は、本明細書に記載される抗癌
剤などの活性剤を指す。「療法」および「療法」という用語は、抗ウイルス療法、抗細菌
療法、抗真菌療法、抗癌療法、生物学的療法、支持療法、および/あるいは当業者、例え
ば医師などの医学の専門家に知られている疾患、障害、もしくは病態、またはその1つ以
上の症状の治療、管理、予防、または改善に有用な他の療法を指す。
【0036】
「患者」または「対象」という用語は、ヒト、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、類
人猿、ヤギ、ヒツジ、ウシ、またはシカなどの哺乳動物を指す。一般に、本明細書に記載
される患者はヒトである。
【0037】
「阻害」、「阻害する」、「阻害している」という用語は、ポリペプチドの活性、結合
、もしくは発現の低下、または疾患、障害、もしくは病態、またはそれらの症状の軽減も
しくは改善を指す。ここで使用されるような阻害は、刺激を部分的または完全に遮断し、
活性化または結合を減少、防止、または遅延させるか、またはタンパク質もしくは酵素の
活性もしくは結合を不活性化、脱感作、または下方制御することを含み得る。
【0038】
本明細書に記載される抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、異種、
同種、もしくは同系の形態およびそれらの修飾されたバージョン(例えば、ヒト化または
キメラ)を含み得る。「抗体」とは、特定の分子抗原に結合することができ、2つの同一
のポリペプチド鎖の対で構成され、免疫グロブリンクラスのポリペプチド内のB細胞のポ
リペプチド産物を意味することを意図しており、各対は、1つの重鎖(約50~70kD
a)および1つの軽鎖(約25kDa)を有し、各鎖の各アミノ末端部分は、約100~
約130個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含み、各鎖の各カルボキシ末端部分は
、定常領域を含む(Borrebaeck(ed.)(1995)Antibody E
ngineering,Second Edition,Oxford Univers
ity Press.、Kuby(1997)Immunology,Third Ed
ition,W.H.Freeman and Company,New Yorkを参
照されたい)。本明細書に記載される抗体によって結合することができる特定の分子抗原
には、PD-L1およびそのエピトープが含まれる。
【0039】
「モノクローナル抗体(複数可)」という用語は、抗原の特定のエピトープと免疫反応
することができる1つの種の抗原結合部位を含む抗体分子の集団を指し、「ポリクローナ
ル抗体(複数可)」という用語は、特定の抗原と相互作用することができる複数の種の抗
原結合部位を含む抗体分子の集団を指す。モノクローナル抗体は、典型的には、免疫反応
する特定の抗原に対して単一の結合親和性を示す。例えば、本発明に従って使用されるモ
ノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Mi
lstein.,Nature,256:495-97(1975)、Hongo et
al.,Hybridoma,14(3):253-260(1995)、Harlo
w et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,
(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd
ed.1988)、Hammerling et al.,in:Monoclona
l Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-6
81(Elsevier,N.Y.,1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許
第4,816,567号を参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackso
n et al.,Nature,352:624-628(1991)、Marks
et al.,J Mol.Biol.222:581-597(1992)、Sidh
u et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004)
、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(
2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 10
1(34):12467-12472(2004)、およびLee et al.,J.
Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参
照、ならびにヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部もしくは全部またはヒト免疫グロブリン
配列をコードする遺伝子を有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を産生するための技
術(例えば、WO1998/24893、WO1996/34096、WO1996/3
3735、WO1991/10741、Jakobovits et al.,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993)、Jakobov
its et al.,Nature 362:255-258(1993)、Brug
gemann et al.,Year in Immunol.7:33(1993)
、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,82
5号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、および同第5,661,
016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779-
783(1992)、Lon berg et al.,Nature 368:856
-859(1994)、Morrison, Nature 368:812-813(
1994)、Fishwild et al.,Nature Biotechnol.
14:845-851(1996)、Neuberger,Nature Biotec
hnol.14:826(1996)、およびLonberg and Huszar,
Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を含む、様々な
技術によって作製され得る。
【0040】
本明細書中のモノクローナル抗体はまた、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種
に由来する抗体または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配
列と同一または相同性である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)も含むが、鎖(複数可)
の残りは、別の種に由来する抗体または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体
中の対応する配列、およびそのような抗体の断片(それらが所望の生物学的活性を示す限
り)に対応する配列と同一または相同性である(米国特許第4,816,567号、Mo
rrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,pp.
6851-6855(1984))。「ヒト化抗体(複数可)」は、本明細書に記載され
るキメラ抗体のサブセットとして考えられ得る。
【0041】
「ヒト」という用語は、抗体またはその機能的断片(例えば、「ヒト化抗体(複数可)
」)に関して使用される場合、ヒト生殖細胞系免疫グロブリンに対応するヒト可変領域ま
たはその一部分を有する抗体またはその機能的断片を指す。このようなヒト生殖系列免疫
グロブリン配列は、Kabat et al.(1991)Sequences of
Proteins of Immunological Interest,Fifth
Edition,U.S.Department of Health and Hu
man Services,NIH Publication No.91-3242に
記載されている。本発明の文脈におけるヒト抗体は、本明細書に記載されるPD-L1ま
たはそのバリアントに結合する抗体を含み得る。
【0042】
場合によっては、ヒト抗体は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応する
アミノ酸配列を有する抗体であり、および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製
するための技術のいずれかを用いて作製されている。ヒト抗体は、ファージディスプレイ
ライブラリーを含む当該技術分野で既知の様々な技術を用いて産生され得る。Hooge
nboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(199
1)、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991
)。Cole et al.,Monoclonal Antibodies and
Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、Bo
emer et al.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991
)に記載される方法もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である。van
Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmac
ol.,.2.:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原チャレン
ジに応答してそのような抗体を産生するように修飾されているが、内因性遺伝子座が無効
化されているトランスジェニック動物、例えば免疫化されたゼノマウスに抗原を投与する
ことにより調製することができる(例えば、XENOMOUSE技術に関しては、米国特
許第6,075,181号および同第6,150,584号を参照されたい)。ヒトB細
胞ハイブリドーマ技術によって生成されたヒト抗体に関しては、例えば、Li et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(
2006)も参照されたい。
【0043】
「ヒト化抗体」は、ヒト細胞によって作製され得る抗体により密接に類似するように改
変された可変または可変および定常領域を有する非ヒト細胞によって作製された抗体を指
す。例えば、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列中に見出されるアミノ酸を組み込むように
非ヒト抗体アミノ酸配列を改変することによって。本発明のヒト化抗体は、例えば、CD
R中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例
えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発またはインビボでの体細
胞突然変異によって導入された変異)を含むことができる。ヒト化抗体はまた、マウスな
どの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に
移植された抗体を含むことができる。
【0044】
非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限
の配列を含む抗体である。一実施形態において、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領
域からの残基が、所望の特異性、親和性、および/または能力を有する、マウス、ラット
、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基に
よって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては
、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(「FR」)残基は、対応する非ヒト残基によっ
て置換されている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見出さ
れない残基を含み得る。これらの改変は、結合親和性などの抗体の性能をさらに改良する
ために行うことができる。一般的に、ヒト化抗体は、実質的に全ての少なくとも1つ、典
型的には2つの可変ドメインを含み、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免
疫グロブリン配列のものに対応し、FR領域は、ヒトの免疫グロブリン配列のものである
が、FR領域は、抗体の性能、例えば結合親和性、異性化、免疫原性などを改善する1つ
以上の個々のFR残基置換を含むことができる。FRにおけるこれらのアミノ酸置換の数
は、典型的にはH鎖では6以下、L鎖では3以下である。ヒト化抗体は、任意に、ヒト免
疫グロブリンであり得る免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含むことも
できる。例示的な方法およびヒト化抗体には、Jones et al.Nature
321:522-525(1986)、Riechmann et al.Nature
332:323-329(1988)、およびPresta,Curr.Op.Str
uct.Biol.2:593-596(1992)、Vaswani and Ham
ilton,Ann.Allergy.Asthma&Immunol.1:105-1
15(1998)、Harris,Biochem.Soc.Transactions
23:1035-1038(1995)、Burle and Gross,Curr
.Op.Biotech.5:428-433(1994)、ならびに米国特許第6,9
82,321号および同第7,087,409号によって記載されるものが含まれる。
【0045】
「機能的断片」という用語は、抗体に関して使用される場合、その断片が由来する抗体
として結合活性の一部または全てを保持する重鎖または軽鎖ポリペプチドを含む抗体の一
部分を指す。そのよう機能的断片は、例えば、Fd、Fv、Fab、F(ab’)、F(
ab)、F(ab’)、一本鎖Fv(ScFv)、ダイアボディ、トリアボディ、テト
ラボディ、およびミニボディを含むことができる。他の機能的断片は、例えば、そのよう
な機能的断片が結合活性を保持する限り、重鎖または軽鎖ポリペプチド、可変領域ポリペ
プチド、またはCDRポリペプチドもしくはその一部を含むことができる。そのような抗
体結合断片は、例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A
Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab
oratory,New York(1989)、Myers(ed.),Molec.
Biology and Biotechnology:A Comprehensiv
e Desk Reference,New York:VCH Publisher,
Inc.、Huston et al.,Cell Biophysics,22:18
9-224(1993)、Pluckthun and Skerra,Meth.En
zymol.,178:497-515(1989)、およびDay,E.D.,Adv
anced Immunochemistry,Second Ed.,Wiley-L
iss,Inc.,New York,NY(1990).Antibody Engi
neering,Second Edition,Oxford University
Press,1995に見出され記載され得る。
【0046】
「重鎖」という用語は、抗体に関して使用される場合、約50~70kDaのポリペプ
チド鎖を指し、アミノ末端部分は、約120~130個またはそれ以上のアミノ酸の可変
領域および定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。定常領域は、重鎖定常領域のアミ
ノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)
、およびミュー(μ)領域と称される、5つの異なる種類のうちの1つであり得る。異な
る重鎖はサイズが異なる:α、δ、およびγは約450個のアミノ酸を含むが、μおよび
εは約550個のアミノ酸を含む。軽鎖と組み合わせる場合、これらの異なる種類の重鎖
は、5つの公知のクラスの抗体、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを生じ
、それぞれ、4つのサブクラスのIgG、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、お
よびIgG4を含む。重鎖は、ヒト重鎖であり得る。
【0047】
「軽鎖」という用語は、抗体に関して使用される場合、約25kDaのポリペプチド鎖
を指し、アミノ末端部分は約100~約110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域、
および定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。軽鎖のおおよその長さは、211~2
17アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基づくラムダ(λ)のカッパ(κ)
と称される2つの異なる種類がある。軽鎖アミノ酸配列は、当該技術分野で公知である。
軽鎖は、ヒト軽鎖であり得る。
【0048】
「可変ドメイン」または「可変領域」という用語は、軽鎖または重鎖のアミノ末端に一
般に位置し、重鎖では約120~130アミノ酸、軽鎖では約100~110アミノ酸の
長さを有する、抗体の軽鎖または重鎖の一部を指し、それぞれの特定の抗体のその特定の
抗原に対する結合および特異性に使用される。可変ドメインは、異なる抗体間で配列が大
きく異なっていてもよい。配列中の可変性はCDRに集中しているが、可変ドメイン中の
可変が少ない部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。軽鎖および重鎖のCDRは
、抗体と抗原との相互作用に主に関与する。本明細書で使用されるアミノ酸位置の番号付
けは、Kabat et al.(1991)Sequences of protei
ns of immunological interestのように、EUインデック
スに従う。(米国保健社会福祉省、Washington,D.C.)第5版の改訂。可
変領域は、ヒト可変領域であり得る。
【0049】
CDRは、免疫グロブリン(Igまたは抗体)VHβ-シートフレームワークの非フレ
ームワーク領域内の3つの超可変領域(H1、H2、またはH3)のうちの1つ、または
抗体VLβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(L1、
L2、またはL3)のうちの1つを指す。したがって、CDRは、フレームワーク領域配
列内に点在する可変領域配列である。CDR領域は当業者に公知であり、例えば、Kab
atが、抗体可変(V)ドメイン内の最も超可変性の領域であると定義している(Kab
at et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977
)、Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1-75(1978))。CDR
領域配列はまた、保存されたβシートフレームワークの一部ではなく、したがって異なる
立体配座に適合することができる残基としてChothiaによって構造的に定義されて
いる(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-9
17(1987))。両方の用語は、当該分野において十分に認識されている。カノニカ
ル抗体可変ドメイン内のCDRの位置は、多数の構造の比較によって決定されている(A
l-Lazikani et al.,J.Mol.Biol.273:927-948
(1997)、Morea et al.,Methods 20:267-279(2
000))。超可変領域内の残基の数は異なる抗体で変化するので、カノニカル可変ドメ
イン番号付けスキームにおいて残基番号の隣にa、b、cなどでカノニカル位置に対する
追加の残基が通常付番される(Al-Lazikani et al.,上記参照(19
97))。そのような命名法は、当業者には同様に公知である。
【0050】
例えば、Kabat(超可変性)、Chothia(構造性)、またはMacCall
um(J.Mol.Biol.262:732-745(1996))の名称のいずれに
従って定義されたCDRを、以下の表1に示す。
【表1】
【0051】
「がん」という用語は、調節されていない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における任意
の生理学的状態を指す。本明細書に記載されるがんは、固形腫瘍および血液学的(血液)
がんを含む。「血液学的癌」は、任意の血液由来癌を指し、例えば、骨髄腫、リンパ腫、
および白血病を含む。「固形腫瘍」または「腫瘍」は、悪性または良性のいずれかの病変
および新生細胞の増殖および増殖、ならびに異常な組織増殖をもたらす全ての前癌性およ
び癌性の細胞および組織を指す。本明細書で使用される「新生物」は、異常な組織増殖を
もたらす悪性または良性のいずれかの形態の調節不全または調節されていない細胞増殖を
指す。
【0052】
「治療している」または「治療」という用語は、軽減;寛解;症状を減少させる、もし
くは患者がより耐容可能な傷害、病変、もしくは病態を生じさせること;変性もしくは衰
退の速度を遅延させること;衰弱させることなく最終点を変性させること;または患者の
身体的もしくは精神的健康を改善させることなどのような客観的または主観的パラメータ
を含む、疾患、病変または病態の進行、重症度、および/または持続時間の成功または改
善の任意の指標を指す。
【0053】
「増強する」という用語は、投与または接触前のタンパク質または細胞と比較して、本
明細書に記載される組み合わせの投与またはそれとの接触後のタンパク質または細胞の機
能または活性の増加または改善を指す。
【0054】
「投与している」という用語は、経口、粘膜、局所、座薬、静脈内、非経口、腹腔内、
筋肉内、病巣内、くも膜下腔内、鼻腔内、または皮下投与などの経路によって、本明細書
に記載される組み合わせまたは組成物を対象に送達する行為を指す。非経口投与には、静
脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内投与が含まれる。
投与は、一般に、疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の発症後に起こるが、場合
によっては、疾患、障害、もしくは病態、またはその症状(例えば、そのような疾患、障
害、もしくは病態を起こす傾向がある患者に対する投与)の前に起こり得る。
【0055】
「共投与」という用語は、2種以上の薬剤(例えば、本明細書に記載される組み合わせ
および本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性薬剤)の投与を指す。共投与のタイミ
ングは、投与される組み合わせおよび組成物の一部に依存し、1つ以上の追加の治療、例
えば化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法などの癌療法の投与と同時、
直前または直後の投与を含み得る。本発明の化合物は、患者に単独で投与することもでき
るし、同時投与することもできる。共投与は、化合物を個別にまたは(1種を超える化合
物または薬剤を)組み合わせて同時にまたは連続して投与することを含むことを意味する
。したがって、調製物は、所望される場合、(例えば、代謝分解を減少させるために)他
の活性物質と組み合わせることもできる。本明細書に記載される化合物は、がんを治療す
るのに有用であることが知られている他の活性薬剤と、互いに組み合わせて使用すること
ができる。
【0056】
「抗癌剤」という用語は、その通常の意味に従って使用され、抗新生物特性または細胞
の増殖または増殖を阻害する能力を有する組成物を指す。実施形態において、抗癌剤は化
学療法剤である。実施形態において、抗癌剤は、がんを治療する方法において有用性を有
する本明細書において特定される薬剤である。実施形態において、抗癌剤は、がんを治療
するために、米国以外の国のFDAまたは同様の規制当局によって承認された薬剤である
【0057】
「化学療法剤」または「化学療法剤」という用語は、その通常の意味に従って使用され
、抗新生物特性または細胞の増殖または増殖を阻害する能力を有する化学組成物または化
合物を指す。「化学療法」は、本明細書に記載される化学療法剤または抗癌剤の投与を含
む療法またはレジメンを指す。
【0058】
「ハロ」、「ハロゲン」、および「ハロゲン化物」という用語は、-F、-Cl、-B
r、および-Iを指す。
【0059】
それ自体で、または別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、特に明記し
ない限り、不飽和をもたない直鎖(例えば、非分枝鎖)または分岐鎖炭素鎖(または炭素
)、またはこれらの組み合わせを指し、モノ-、ジ-、および多価ラジカルを含み得る。
本明細書で定義されるアルキルは、その炭素原子の数によって示すことができる(例えば
、C-C10は1~10個の炭素を意味する)。本明細書においてアルキルは、C
10、C-C、C-C、およびC-Cの長さを含むことができる。「ペル
フルオロアルキル」は、アルキル鎖中の全ての水素がフルオロで置換されているアルキル
を指す。
【0060】
「アルコキシ」という用語は、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残りに結合した
アルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-Cアルキ
ル)を指す。例示的なアルコキシ基には、式-OR(式中、Rは分枝鎖または直鎖アルキ
ルである)を有する基が含まれる。「ペルフルオロアルコキシ」部分は、アルキル鎖中の
全ての水素がフルオロで置換されているアルコキシを指す。
【0061】
「アミノアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がアミノ基で置換されているア
ルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-Cアルキル
)を指す。
【0062】
「アルキルアミノ」という用語は、窒素リンカー(-NR-)を介して分子の残りに結
合したアルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-C
アルキル)を指す。例示的なアルキルアミノ基には、N-メチルアミノ、N-エチルアミ
ノ、N-イソプロピルアミノなどが含まれる。
【0063】
「アシル」という用語は、式-C(O)R(式中、Rは、置換または非置換のアルキル
、ハロアルキル、またはアミノ基である)を有する部分を指す。「アシルアミノ」という
用語は、結合したアミノ基を有するアシル部分を指し、例えば、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどの部分を含む。
【0064】
「アルキチオ(alkythio)」という用語は、硫黄リンカー(-S-)を介して
分子の残りに結合したアルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、お
よびC-Cアルキル)を指す。例示的なアルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオなどが含まれる。
【0065】
「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、飽和または不飽和であり、1個以
上のヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を含む安定した3~15員の単環式基を指
す。例示的な複素環としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、
ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキセタニル、アゼチ
ジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
組成物
【0066】
本明細書において、例えば、がんを含む様々な疾患、障害、およびそれらの症状を治療
するのに有用な組み合わせ(例えば、組み合わせ療法および組成物)が提供される。本明
細書に記載される組み合わせは、本明細書に記載される、式IのベンズアミドHDAC阻
害剤およびPD-L1阻害剤などのHDAC阻害剤およびPD-L1阻害剤を含む。一態
様では、治療有効量のPD-L1阻害剤および治療有効量の式Iの化合物を含む組み合わ
せがあり、
【化2】
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-Cペルフ
ルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に
置換される、フェニルまたは複素環基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペル
フルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカル
ボニル、およびフェニルからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換される
、フェニルであり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO-であり、
およびRは、独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素または-NHであり、
、X、X、またはXのうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミ
ノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、
-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロア
ルキルオキシ、またはハロゲンもしくはC-Cアルキルで任意に置換されるC-C
アルコキシカルボニルであるが、X、X、X、またはXの他のものは、独立し
て、水素であり、
ただし、Rが水素である場合、X、X、X、またはXのうちの1つは、-N
、アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である。
【0067】
場合によっては、Aは、フェニルであるか、またはハロゲン、-OH、-NH、-N
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-C
ミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ
、C-Cアルキチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロア
ルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボニル、フェニル、または複素環式基で任意に
置換されるフェニルである。Aは、-N-、-S-、または-O-部分を含む複素環式基
(例えば、5~10員の複素環式基)であり得る。場合によっては、Aは、例えば、ピロ
リジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリル
、オキサゾリジニル、オキサゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリ
ジニル、ピペリジニル、ジアジニル、テトラゾリル、トリアジニル、テトラジニル、アゼ
ピニル、ジアゼピニル、アゾカニル、またはアゾチニルなどの1個、2個、3個、4個、
またはそれ以上の窒素ヘテロ原子を有する5~10員のN-複素環部分である。Aは、飽
和または不飽和5~10員のN-複素環部分であり得る。場合によっては、Aは、6員の
N-ヘテロ環式部分、例えば、ピリジンである。
【0068】
ある特定の実施形態において、Bはフェニルである。Bは、例えば、ハロゲン、-OH
、-NH、-NO、-CN、-COOH、またはC-Cアルキルなどの小さな部
分で任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態において、Bは、ハロゲ
ンで置換されたフェニルである。他の実施形態において、Bは、電子供与基(EDG)で
置換されている。さらに他の実施形態において、Bは、電子求引基(EWG)で置換され
たフェニルである。さらに別の実施形態において、Bは、C-Cアルキルで置換され
たフェニルである。Bは、メチル、エチル、またはプロピルで置換されたフェニルであり
得る。Bは、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシで置換されたフェニルであり得る。
【0069】
場合によっては、Yは-C(O)NH-CH-である。ある特定の実施形態において
、Zは結合である。Zは、メチレン、エチレン、またはプロピレン部分であり得る。いく
つかの実施形態において、Zは、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-CS-、-S
O-、または-SO-である。
【0070】
およびRは、場合によっては、両方とも水素である。RおよびRはともに、
-Cアルキルであり得、例えばRおよびRはともに、メチル、エチル、または
プロピルであり得る。場合によっては、RまたはRの一方が水素である場合、他方は
-Cアルキル(例えば、メチル)である。Rは、水素であり得る。他の実施形態
において、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。
【0071】
は、-NHであり得る。場合によっては、Rは-NHであり、式中、X
、X、またはXのうちの1つはハロゲンである。Rが-NHである場合、X
またはXはハロゲンであり得る。一実施形態において、Rは-NHであり、X
はハロゲンである。このような場合、Xは、-Fであり得る。
【0072】
別の実施形態において、R、R、およびRは水素であり、式中、Zは結合であり
、Rは-NHであり、Yは-C(O)NH-CH-である。このような実施形態に
おいて、Aは、上記の複素環式部分であり得、Bは、フェニルであり得る。X、X
、またはXは、ハロゲン(例えば、-F)または-NHであり得る。
【0073】
式Iの化合物は、米国特許第7,244,751号および同第7,550,490号に
実質的に記載されている化合物であり得、その両方は、全ての目的のためにそれらの全体
が本明細書に組み込まれる。一実施形態において、式Iの化合物は、N-(2-アミノ-
4-フルオロフェニル)-4-[[[(2E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-
2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル]ベンズアミドである。
【0074】
別の実施形態において、式Iの化合物は、以下に示す式Iaを有する。
【化3】
【0075】
本明細書に記載される式Iの化合物には、薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な
立体異性体、プロドラッグ、エナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、共結晶、およ
びそれらの多形が含まれる。
【0076】
場合によっては、この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、1
0mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、5
0mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg
、150mg、175mg、または200mgを超える量で存在する式I(例えば、Ia
)の化合物を含む。この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6
mg、7mg、8mg、9mg、または10mgを超える量で存在する式Iの化合物を含
み得る。ある特定の例において、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgを超える量
で存在する。この組み合わせは、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~
約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg
~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約
200mgを超える量で存在する式Iの化合物を含み得る。
【0077】
この組み合わせは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg
、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg
、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、15
0mg、175mg、または200mgの量で存在する化合物を含み得る。この組み合わ
せは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg
、9mg、または10mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。場合によっては、式
Iの化合物は、少なくとも約5mgまたは約10mgの量で存在する。この組み合わせは
、少なくとも約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg
~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10
mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200mgの量で存
在する式Iの化合物を含み得る。
【0078】
この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg
、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg
、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、1
75mg、または200mgの量で存在する化合物を含み得る。この組み合わせは、約1
mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、または10
mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。場合によっては、式Iの化合物は、約5m
gまたは約10mgの量で存在する。この組み合わせは、約1mg~約10mg、1mg
~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg
~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg
、または100mg~約200mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。
【0079】
式Iの化合物は、患者の体重(例えば、mg/kg)に関して本明細書に記載される組
み合わせで存在し得る。場合によっては、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~
約200mg/kg、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.01mg/kg
~約200mg/kg、0.01mg/kg~約150mg/kg、0.01mg/kg
~約100mg/kg、0.01mg/kg~約50mg/kg、0.01mg/kg~
約25mg/kg、0.01mg/kg~約10mg/kg、または0.01mg/kg
~約5mg/kg、0.05mg/kg~約200mg/kg、0.05mg/kg~約
150mg/kg、0.05mg/kg~約100mg/kg、0.05mg/kg~約
50mg/kg、0.05mg/kg~約25mg/kg、0.05mg/kg~約10
mg/kg、または0.05mg/kg~約5mg/kg、0.5mg/kg~約200
mg/kg、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg
/kg、0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、
0.5mg/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgに相当
する量で存在する。他の例では、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg
、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1mg/k
g~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg/
kg、または1mg/kg~約5mg/kgに相当する量で存在する。
【0080】
本明細書に記載される組み合わせにおいて有用なPD-L1阻害剤には、PD-L1の
PD-1への結合、PD-L1の活性または発現を阻害し、遮断し、無効にする、または
妨害することができる任意の分子が含まれる。特に、PD-L1阻害剤は、小分子化合物
、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断
片(ScFv)、またはその機能断片もしくはバリアントであり得る。一例では、PD-
L1阻害剤は、小分子化合物(例えば、約1000Da未満の分子量を有する化合物)で
ある。他の実施形態において、PD-L1阻害剤は、CA-170(AUPM-170;
Curis,Inc.)である。他の例では、本明細書に記載される組み合わせにおける
有用なPD-L1阻害剤には、核酸およびポリペプチドが含まれる。PD-L1阻害剤は
、米国特許出願公開第2014/0294898号に例示されているようなポリペプチド
(例えば、大環状ポリペプチド)であり得、これは、その全体が全ての目的のために参照
により本明細書に組み込まれる。一例では、PD-L1阻害剤は、抗体、ペプチボディ、
ダイアボディ、ミニボディ、ScFv、またはその機能的断片である。別の例では、PD
-L1阻害剤は、PD-L1阻害剤抗体である。PD-L1阻害剤抗体は、モノクローナ
ルまたはポリクローナル抗体であり得る。ある特定の実施形態において、PD-L1阻害
剤抗体は、モノクローナル抗体である。
【0081】
PD-L1抗体には、例えば、ヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、また
はキメラヒト化抗体などの本明細書に例示されているものを含むが、これらに限定されな
い、全ての既知のタイプの抗体およびその機能的断片が含まれる。
【0082】
一実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、ヒト抗体である。別の実施形態におい
て、PD-L1阻害剤抗体は、マウス抗体である。さらに別の実施形態において、PD-
L1阻害剤抗体は、キメラ抗体である。さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤
抗体は、ヒト化抗体である。さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、キ
メラヒト化抗体である。PD-L1阻害剤抗体は、ヒト抗体またはヒト化抗体であり得る
。PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-9
36559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-
A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015であり得る。いくつかの実
施形態において、2つ以上のPD-L1抗体は、本明細書に記載される式Iの化合物と組
み合わせて投与される。
【0083】
PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブであり得る。デュルバルマブは、潜在的な免
疫チェックポイント阻害および抗新生物活性を有する、PD-L1に対するFc最適化モ
ノクローナル抗体である。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、デュルバルマブ
はPD-L1に結合し、それにより活性化T細胞上に発現され得るその受容体、PD-1
の結合および活性化を遮断する。これは、T細胞不活性化を逆転させ、PD-L1を発現
する腫瘍細胞に対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を発揮するように免疫系を活
性化することができる。デュルバルマブのFc領域は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)
または補体依存性細胞傷害(CDC)のいずれも誘導しないように修飾される。
【0084】
PD-L1阻害剤抗体は、アベルマブであり得る。アベルマブは、潜在的な免疫チェッ
クポイント阻害および抗腫瘍活性を有するPD-L1に対するヒト免疫グロブリンG1(
IgG1)モノクローナル抗体である。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、ア
ベルマブはPD-L1に結合し、PD-L1とその受容体PD-1との相互作用を防止す
る。これは、PD-1およびその下流シグナル伝達経路の活性化を阻害する。これは、P
D-L1を過剰発現する腫瘍細胞を標的とする細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の活性化
を介して免疫機能を回復させることができる。アベルマブは、PD-L1を発現する腫瘍
細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)応答を誘導すると思われる。
【0085】
PD-L1阻害剤抗体は、アテゾリズマブであり得る。アテゾリズマブは、潜在的な免
疫チェックポイント阻害および抗腫瘍活性を有する、タンパク質リガンドPD-L1に対
するヒトFc最適化モノクローナル抗体である。いかなる特定の理論に拘束されることな
く、アテゾリズマブはPD-L1に結合し、活性化T細胞上に発現されるその受容体、P
D-1の結合および活性化を遮断し、新生物に対するT細胞媒介性免疫応答を増強し、T
細胞不活性化を逆転させ得る。加えて、PD-L1に結合することにより、アゼリズマブ
はまた、活性化T細胞上に発現されるB7.1へのPD-L1の結合を妨げるようであり
、T細胞媒介免疫応答をさらに増強することができる。アテゾリズマブのFc領域は、抗
体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)のいずれも誘導しな
いように修飾される。
【0086】
PD-L1阻害剤抗体は、BMS-936559であり得る。BMS-936559は
潜在的な免疫チェックポイント阻害活性を有するPD-L1に対する完全ヒトIgG4モ
ノクローナル抗体である。いかなう特定の理論にも拘束されることなく、BMS-936
559はPD-L1に結合し、PD-1とCD80の両方へのその結合を阻害する。
【0087】
PD-L1阻害剤抗体は、STI-A1010、STI-A1011、STI-A10
12、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015であり得る
。STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、STI-A1014、およびSTI-A1015(Sorrento Therape
utics)は、それぞれ、PD-L1に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。
【0088】
PD-L1阻害剤抗体は、任意の抗体アイソタイプであり得る。アイソタイプという用
語は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスを指す。所与の抗体または機
能性断片の重鎖は、その抗体または機能的断片のクラスを決定する:IgM、IgG、I
gA、IgDまたはIgE。各クラスは、κまたはλ軽鎖のいずれかを有し得る。サブク
ラスという用語は、サブクラスを識別する重鎖のアミノ酸配列のわずかな違いを指す。ヒ
トには、IgA(サブクラスIgA1およびIgA2)の2つのサブクラスがあり、Ig
Gの4つのサブクラス(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)が
存在する。そのようなクラスおよびサブクラスは、当業者に公知である。
【0089】
有用なPD-L1抗体は、PD-L1の活性を阻害するのに十分な強度でPD-L1に
結合する。本明細書で使用される結合という用語は、複合体を形成する分子間の相互作用
を指す。相互作用は、例えば、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、および/または
ファンデルワールス相互作用を含む非共有相互作用であり得る。複合体は、共有結合また
は非共有結合、相互作用または力によって一緒に保持された2つ以上の分子の結合も含む
ことができる。抗体またはその機能的断片の結合は、例えば酵素結合免疫吸着アッセイま
たは当業者に公知の多くの方法のいずれか1つを用いて検出することができる。
【0090】
PD-L1阻害剤抗体または機能性断片上の単一の抗原結合部位とPD-L1などの標
的分子の単一エピトープとの間の非共有結合相互作用全体の強度は、抗体またはそのエピ
トープにおける機能性断片の親和性である。一価抗原に対する抗体またはその機能的断片
の会合(k)対解離(k-1)の比(k/k-1)は、親和性の尺度である会合定数
Kである。Kの値は、抗体または機能的断片および抗原の異なる複合体について異なり、
およびk-1の両方に依存する。本発明の抗体または機能性断片の会合定数Kは、本
明細書で提供される任意の方法または当業者に公知の任意の他の方法を用いて決定するこ
とができる。
【0091】
1つの結合部位における親和性は、抗体または機能的断片と抗原との間の相互作用の真
の強度を必ずしも反映しない。複数の反復抗原決定基を含む複雑な抗原が複数の結合部位
を含む抗体と接触すると、このような抗体または機能的断片の1つの部位での抗原との相
互作用は、第2の部位での反応の可能性が高まるであろう。多価抗体と抗原との間のその
ような複数の相互作用の強度は、結合活性(avidity)と呼ばれる。抗体または機
能的断片の結合活性は、その個々の結合部位の親和性よりも、その結合能力のより良い尺
度であり得る。例えば、高結合活性は、IgGよりも低い親和性を有し得る五量体IgM
抗体で時々見られるような低親和性を補うことができるが、その多価から生じるIgMの
高い結合活性は、抗原に効果的に結合することを可能にする。
【0092】
PD-L1阻害剤抗体またはその機能的断片の特異性は、単一の抗原(例えば、PD-
L1の単一エピトープ)と反応する個々の抗体またはその機能的断片の能力を指す。抗体
または機能的断片は、それが抗原の一次、二次、もしくは三次構造または抗原の異性体形
態における差異を識別できる場合に特異的であると考えられ得る。
【0093】
PD-L1阻害剤抗体は、それを必要とする患者の体重に関する尺度としての量で存在
することができる。例えば、PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/kg~約50mg
/kg、0.1mg/kg~約40mg/kg、0.1mg/kg~約30mg/kg、
0.1mg/kg~約25mg/kg、0.1mg/kg~約20mg/kg、0.1m
g/kg~約15mg/kg、0.1mg/kg~約10mg/kg、0.1mg/kg
~約7.5mg/kg、0.1mg/kg~約5mg/kg、0.1mg/kg~約2.
5mg/kg、または約0.1mg/kg~約1mg/kgの量で存在することができる
。PD-L1阻害剤抗体は、約0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg
~約40mg/kg、0.5mg/kg~約30mg/kg、0.5mg~約25mg/
kg、0.5mg/kg~約20mg/kg、0.5mg/kg~約15mg/kg、0
.5mg/kg~約10mg/kg、0.5mg/kg~約7.5mg、0.5mg/k
g~約5mg/kg、0.5mg/kg~約2.5mg/kg、または約0.5mg/k
g~約1mg/kgの量で存在することができる。PD-L1阻害剤抗体は、約0.5m
g/kg~約5mg/kgまたは約0.1mg/kg~約10mg/kgの量で存在する
ことができる。PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/kg~約20mg/kgまたは
約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で存在することができる。
【0094】
さらに他の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/kg、0.5
mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg
、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg
、35mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgの量で存在することができる
。PD-L1阻害剤抗体は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、5mg/k
g、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、または30m
g/kgの量で存在することができる。PD-L1阻害剤抗体は、約3mg/kg、10
mg/kg、20mg/kg、または30mg/kgの量で存在することができる。
【0095】
PD-L1阻害剤抗体は、約1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25m
g、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90m
g、100mg、150mg、または200mgの量で組み合わせで存在することができ
る。PD-L1阻害剤抗体は、約250mg、300mg、400mg、500mg、6
00mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、120
0mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1
800mg、1900mg、または2000mgの量で組み合わせで存在することができ
る。PD-L1阻害剤抗体は、約1000mg~約2000mgの量で組み合わせで存在
することができる。PD-L1阻害剤抗体は、約1mg~約10mg、10mg~約20
mg、25mg~約50mg、30mg~約60mg、約40mg~約50mg、50m
g~約100mg、75mg~約150mg、100mg~約200mg、200mg~
約500mg、500mg~約1000mg、1000mg~約1200mg、1000
mg~約1500mg、1200mg~約1500mg、または1500~約2000m
gの量で組み合わせで存在することができる。
【0096】
PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL、2
mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL
、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、2
5mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、7
0mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、150mg/mL
、200mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、400mg/mL、または
500mg/mLの量で組み合わせで存在することができる。一実施形態において、PD
-L1阻害剤抗体は、約1mg/mL~約10mg/mL、5mg/mL~約10mg/
mL、5mg/mL~約15mg/mL、10mg/mL~約25mg/mL、20mg
/mL~約30mg/mL、25mg/mL~約50mg/mL、または50mg/mL
~約100mg/mLの量で組み合わせで存在することができる。
【0097】
場合によっては、PD-L1阻害剤抗体の治療有効量は、PD-L1阻害剤抗体が提供
される添付文書に提供される量として決定される。添付文書という用語は、米国以外の国
のFDAまたは同様の規制当局によって承認された医薬品の市販パッケージに慣習的に含
まれている指示書を指し、これには、例えば、使用法、用量、投与、禁忌、および/また
はそのような医薬品の使用に関する警告が含まれる。
【0098】
本明細書に記載される式Iの化合物は、PD-L1阻害剤の量と相乗作用のある量で提
供することができる。相乗作用という用語は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば
、本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性剤との同時投与を含む、式Iの化合物とP
D-L1阻害剤の化合物)またはそれぞれの個々の治療法もしくはレジメンの相加効果よ
りも効果的である本明細書に記載されているようなレジメンの組み合わせを指す。
【0099】
本明細書に記載される組み合わせの相乗効果は、組み合わせの構成要素の1つ以上(例
えば、式Iの化合物またはPD-L1阻害剤)のより低い用量の使用を可能にすることが
できる。相乗効果は、投与された治療剤(例えば、式Iの化合物またはPD-L1阻害剤
)のうちの少なくとも1つを、本明細書に記載される疾患、障害、または病態を有する対
象にあまり頻繁に投与することが不可能である。そのようなより低い投薬量および減少し
た投与頻度は、治療の有効性を軽減させることなく、対象への治療剤(例えば、式Iの化
合物またはPD-L1阻害剤)のうちの少なくとも1つの投与に関連する毒性を軽減させ
ることができる。本明細書に記載される相乗効果は、任意の療法の使用に関連する有害な
または望ましくない副作用を回避または軽減する。
【0100】
薬学的組成物
本明細書に記載される組み合わせは、経口、粘膜(例えば、鼻、吸入、肺、舌下、膣、
頬、または直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、または動脈
内)、局所(例えば、点眼剤または他の眼科用調製物)、患者への経皮または経皮投与が
含まれるが、これらに限定されない、患者への本明細書に記載される任意の経路による投
与に好適な薬学的組成物として提供され得る。
【0101】
剤形の例には、錠剤;カプレット;カプセル(例えば、ゼラチンカプセル);カシェ;
ロゼンジ;座薬;粉剤;ゲル;患者への非経口投与に好適な液体剤形;および患者への非
経口投与に好適な液体剤形を提供するために再構成され得る滅菌固体(例えば、結晶また
は非晶質固体)が含まれる。
【0102】
本明細書に記載される薬学的組成物および剤形は、典型的には、1つ以上の賦形剤を含
む。好適な賦形剤は、薬学分野の当業者に公知である。特定の賦形剤が薬学的組成物また
は剤形への組み込みに好適であるかどうかは、例えば、患者への意図された投与経路など
の様々な要因に依存する。本明細書に記載される薬学的組成物は、活性成分が特定の製剤
において分解することができる速度を低下させることができる安定剤、潤滑剤、緩衝剤、
および崩壊剤のような他の薬剤を含むことができる。
【0103】
本明細書に記載される薬学的組成物は、場合によっては、本明細書で提供される量で、
本明細書に記載された組み合わせにあるもの以外の追加の活性剤(例えば、本明細書に記
載されるものなどの抗癌剤)を含むことができる。
【0104】
一実施形態において、式Iの化合物は、錠剤またはカプセル剤などの経口剤形で提供さ
れる。別の実施形態において、式Iの化合物は、非経口投与に好適な液体中に再懸濁する
ことができる粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として供給される。
【0105】
本明細書に記載されるPD-L1阻害剤は、患者への投与に都合がよい、または患者へ
の投与を容易にする形態で提供することができる。例えば、PD-L1阻害剤が本明細書
に記載されるPD-L1阻害剤抗体である場合、PD-L1阻害剤は、非経口投与のため
のすぐに使用できる溶液として製剤化され得る。他の例において、例えばPD-L1阻害
剤抗体を含むPD-L1阻害剤は、非経口投与に好適な液体中に再懸濁することができる
粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として製剤化され得る。一実施形態において、この組み合
わせは、静脈内投与用に製剤化されたPD-L1阻害剤抗体を含む。さらに別の実施形態
において、この組み合わせは、経口剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)として製剤化
された式Iの化合物と、静脈内投与用に製剤化されたPD-L1阻害剤と、を含む。
【0106】
本明細書に記載される組み合わせは、それらの制御されていない対応物によって達成さ
れる薬物療法よりも薬物療法を改善することを目標とする制御放出医薬品として提供する
ことができる。制御放出製剤は、薬物の活性を延長し、投薬頻度を減少させ、対象のコン
プライアンスを増加させることができる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用の開始
時間または薬物の血中濃度などの他の特性に影響を与え、したがって副作用(例えば有害
作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0107】
キット
本明細書に記載される組み合わせおよび薬学的組成物は、キットの一部として提供する
ことができる。そのようなキットは、例えば、患者のコンプライアンスを改善するか、ま
たは組み合わせを投与するための正確性または調製の容易性を改善することができる。キ
ットは、式Iの化合物を含み、ここで、化合物は、本明細書に記載される製剤中に供給さ
れる。このキットはまた、本明細書に記載されるPD-L1阻害剤も含む。いくつかの実
施形態において、キットは、CA-170(Curis)などのPD-L1阻害剤を含む
。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI
-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015な
どの本明細書に記載されるPD-L1阻害剤抗体を含む。キットは、本明細書に記載され
るがん患者などの、それを必要とする患者への組み合わせの投与に有用な添付文書または
他の情報(例えば、処方情報)を含むことができる。
【0108】
本発明のキットは、同一または異なる製剤を有する本明細書に記載される組み合わせ(
例えば、式Iの化合物およびPD-L1阻害剤抗体)を含むことができる。キット中の本
明細書に記載される組み合わせの各構成要素は、別個の個々の容器で供給することができ
る。代替的または追加的に、本明細書に記載される組み合わせの構成要素は、単一の容器
に供給され得る。このような場合、容器は、例えば、IVバッグ、アンプル、またはシリ
ンジなどの、それを必要とする患者に投与するための準備ができている容器であり得る。
一実施形態において、キット中の式Iの化合物は、経口投与(例えば、錠剤、カプセル、
またはサシェ)のために製剤化される。PD-L1阻害剤は、例えば粉末(例えば、凍結
乾燥粉末)として、または非経口投与用の溶液として供給することができる。場合によっ
ては、PD-L1阻害剤は、例えば、静脈内投与による非経口投与のために製剤化された
本明細書に記載されるPD-L1阻害剤抗体である。
【0109】
本明細書に記載されるキットの内容物は、滅菌形態で提供することができる。キットお
よびその内容物は、必要とする対象に投与するための準備が整った形態で提供することが
できる。このような場合、キットの組み合わせの構成要素は、製剤として、および任意に
、投与がユーザによるさらなる措置をほとんど必要としないように投与デバイス中に供給
される。キットが投与デバイスを含む場合、そのようなデバイスには、注射器、ポンプ、
バッグ、カップ、吸入器、点滴器、パッチ、クリーム、または注入器などであるが、これ
らに限定されない、本明細書に記載される投与経路については、当業者であれば既知であ
り、理解されるデバイスを含む。
【0110】
方法
本明細書に記載される組み合わせ、薬学的組成物、およびキットは、疾患、障害の治療
、または例えばがんなどの疾患および障害の症状の緩和または除去に有用である。本明細
書に記載される方法は、本明細書に記載される組み合わせおよび薬学的組成物の投与に関
するものであり、そのような組み合わせおよび薬学的組成物は、本明細書に記載されるキ
ットの形態で提供することができることを理解されたい。治療有効量の本明細書に記載さ
れる組み合わせを、それを必要とする患者に投与することによって、がんを治療する方法
が本明細書に提供される。また、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを、それ
を必要とする患者に投与することによって、がんを管理する方法も本明細書に提供される
【0111】
本明細書に記載される方法において有用な組み合わせは、式Iの化合物を含み、
【化4】
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-Cペルフ
ルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に
置換される、フェニルまたは複素環基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペル
フルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカル
ボニル、およびフェニルからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換される
、フェニルであり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO-であり、
およびRは、独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素または-NHであり、
、X、X、またはXのうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミ
ノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、
-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロア
ルキルオキシ、またはハロゲンもしくはC-Cアルキルで任意に置換されるC-C
アルコキシカルボニルであるが、X、X、X、またはXの他のものは、独立し
て、水素であり、
ただし、Rが水素である場合、X、X、X、またはXのうちの1つは、-N
、アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である。
【0112】
本明細書に記載される方法において有用な式Iの化合物には、上に実質的に記載される
化合物が含まれる。場合によっては、本明細書で提供される方法においてがんを治療する
ために使用される式Iの化合物は、R、R、およびRが水素である化合物を含む。
場合によっては、Yは-C(O)NH-CH-である。場合によっては、Rは、上記
のC-Cアルキルであり得る。式IのAは、5~10員の複素環部分であり得る。特
に、上記のように、式Iの化合物の有用な実施形態は、AがN-複素環である化合物、例
えば、5または6員の複素環部分などを含む。Aは、場合によっては、ピリジニルであり
得る。
【0113】
本明細書に記載される方法において有用な式Iの化合物は、Rが-NHであり、0
.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、5m
g/kg、10mg/kg、または20mg/kgの量であり、少なくともX、X
、またはXが、-NHまたはハロゲンである、化合物であり得る。場合によって
は、本明細書に記載される方法で使用するための式Iの化合物は、Rが-NHであり
、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つがハロゲン(例えば、-F)で
ある、化合物を含む。一実施形態において、式Iの化合物は、上記の式Iaの化合物であ
る。
【0114】
本明細書に記載される方法で使用するためのPD-L1阻害剤は、本明細書に記載され
るPD-L1阻害剤である。例えば、PD-L1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ポリペ
プチド、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)
、またはそれらの機能的断片もしくはバリアントであり得る。他の例では、PD-L1阻
害剤は、上記のPD-L1阻害剤抗体であり得る。一例では、本明細書に記載される方法
で使用するためのPD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A10
12、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015である。別
の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、ま
たはBMS-936559である。
【0115】
このような方法で使用するための組み合わせを構成する式Iの化合物およびPD-L1
阻害剤は、本明細書に記載される量で各治療剤を含み、本明細書に記載されるように投与
されることが理解されるべきである。例えば、式Iの化合物は、約5mg~約50mgま
たは約5mg~約100mgの量でそれを必要とする患者に投与される組み合わせで存在
することができる。別の例として、PD-L1阻害剤は、例えば、約0.1mg/kg~
約10mg/kg、約0.1mg/kg~約20mg/kg、または約0.1mg/kg
~約30mg/kgの量で存在するPD-L1阻害剤抗体であり得る。別の例では、PD
-L1阻害剤は、例えば約1000mg~2000mgの量で存在するPD-L1阻害剤
抗体である。これらの量は、単なる例示であって、本明細書に記載される組み合わせで存
在し得る各治療剤の量をいかなる方法においても制限しない。
【0116】
また、本明細書に記載される方法で使用するための組み合わせが、上記のようなキット
として提供され得ることも理解される。このようなキットには、本明細書に記載されるよ
うな組み合わせの各構成要素、および任意に、例えば容器および上記のような投与デバイ
スを含む追加のキット構成要素が含まれる。
【0117】
がんは、固形腫瘍であり得る。がんは、血液癌であり得る。場合によっては、がんは、
扁平上皮細胞癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、メラノーマ
、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠芽細胞腫、
結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢鞘腫
瘍(MPNST)からなる群から選択される固形腫瘍がんである。
【0118】
特定の実施形態において、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノー
マ、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌から選択される固形腫瘍である
。がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)であり得る。がんは、肝細胞癌であり得る。がん
は、メラノーマであり得る。がんは、卵巣癌であり得る。がんは、乳癌であり得る。がん
は、膵臓癌であり得る。がんは、腎細胞癌であり得る。がんは、結腸直腸癌であり得る。
【0119】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってNSCLCを治
療する方法が、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマ
ブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI
-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、または
STI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD
-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-9
36559である。いくつかの実施形態において、NSCLCは、IIA期またはIIB
期である。NSCLCは、IIIA期またはIIIB期のがんであり得る。NSCLCは
、IV期のがんであり得る。本明細書に記載されるがんの病期分類は、当技術分野で十分
に理解されているように、悪性腫瘍のがんの病期分類の表記の米国癌合同委員会TNM分
類によって記載されている。当業者は、他の病期分類システムが利用可能であり、本明細
書に記載される方法に適用可能であることを容易に理解するであろう。場合によっては、
本方法は、式Iの化合物、およびデュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS
-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、ST
I-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-
L1阻害剤抗体を含む、本明細書に記載される組み合わせを投与することによってIII
A期またはIIIB期のNSCLCを治療する方法である。別の例では、PD-L1阻害
剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559
である。さらに別の態様では、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリ
ズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選
択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む、本明細書に記載される組み合わせを投与する
ことによってIV期のNSCLCを治療する方法である。別の例では、PD-L1阻害剤
抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559で
ある。
【0120】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって肝細胞がんを治
療する方法が、本明細書にさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュル
バルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、
STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、
またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では
、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBM
S-936559である。いくつかの実施形態において、肝細胞癌は、II期のがんであ
る。別の実施形態において、肝細胞癌は、IIIA期、IIIB期、またはIIIC期の
がんである。さらに別の実施形態において、肝細胞癌は、IVA期またはIVB期の癌で
ある。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与する
ことによって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の肝細胞が
んを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベル
マブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A101
1、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A
1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害
剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559
である。さらに別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ
を投与することによって、IV期(例えば、IVA期またはIVB期)の肝細胞癌を治療
する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、ア
テゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、ST
I-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015
から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は
、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0121】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってメラノーマを治
療する方法が、本明細書になおさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デ
ュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A101
0、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A101
4、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例
では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、または
BMS-936559である。いくつかの実施形態において、メラノーマは、IIA、I
IB、またはIIC期のがんである。別の実施形態において、メラノーマは、IIIA期
、IIIB期、またはIIIC期のがんである。さらに別の実施形態において、メラノー
マは、IV期のがんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによって、II期(例えば、IIA、IIB、またはIIC期
)のメラノーマを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバル
マブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、ST
I-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、また
はSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、P
D-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-
936559である。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC
期)のメラノーマを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、S
TI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、ま
たはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、
PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS
-936559である。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって、IV期のメラノーマを治療する方法であり、この組み合わ
せは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936
559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1
013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害
剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ
、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0122】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって卵巣癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマ
ブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI
-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、または
STI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD
-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-9
36559である。いくつかの実施形態において、卵巣癌は、FIGO卵巣癌の病期分類
基準によって定義されるI期のがんである。卵巣癌は、IA、IB、またはIC期(例え
ば、IC1、IC2、またはIC3期)のがんであり得る。別の実施形態において、卵巣
癌は、II期のがんである。卵巣癌は、IIA期またはIIB期のがんであり得る。一態
様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによっ
てI期(例えば、IA、IB、IC1、IC2、またはIC3期)の卵巣癌を治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリ
ズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選
択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュ
ルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。別の態
様において、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって、II期(例えば、IIAまたはIIB期)の卵巣癌を治療する方法であり、この
組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS
-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、ST
I-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-
L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、ア
ベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0123】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって乳癌を治療する
方法も、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、ア
ベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1
011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI
-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1
阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-9365
59である。乳癌は、HER2陰性乳癌であり得る。乳癌は、HER2陽性乳癌であり得
る。乳癌は、トリプルネガティブ乳癌であり得る。いくつかの実施形態において、乳癌は
、IA期またはIB期のがんである。別の実施形態において、乳癌は、IIA期またはI
IB期のがんである。さらに別の実施形態において、乳癌は、IIIA期、IIIB期、
またはIIIC期のがんである。さらに別の実施形態において、乳癌は、ステージIVの
がんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによってI期(例えば、IAまたはIB期)の乳癌を治療する方法であり、こ
の組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、
アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。別の態様では、本方
法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、II期(
例えば、IIAまたはIIB期)の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式I
の化合物、およびデュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559
、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、STI-A1014、またはSTI-A1015(Sorrento Therape
utics)から選択されるPD-L1阻害剤抗体を含む。別の例では、PD-L1阻害
剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559
である。さらに別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ
を投与することによって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)
の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、ア
ベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1
011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI
-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1
阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-9365
59である。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与
することによって、IV期の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合
物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-
A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-
A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む
。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ
、またはBMS-936559である。
【0124】
膵臓癌を治療する方法が本明細書に提供される。1つの態様では、本方法は、治療有効
量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって膵臓癌を治療することを含
み、この組み合わせは、式Iの化合物、およびデュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズ
マブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1
012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015(Sor
rento Therapeutics)から選択されるPD-L1阻害剤抗体を含む。
別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、
またはBMS-936559である。いくつかの実施形態において、膵臓癌は、局所的に
進行し、外科的に切除されるかまたは切除されていない膵臓癌、または転移性の膵臓腺癌
である。いくつかの実施形態において、膵臓癌は、IA期またはIB期のがんである。別
の実施形態において、膵臓癌は、IIA期またはIIB期のがんである。さらに別の実施
形態において、膵臓癌は、III期のがんである。さらに別の実施形態において、膵臓癌
は、IV期のがんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組
み合わせを投与することによってI期(例えば、IAまたはIB期)の膵臓癌を治療する
方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾ
リズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-
A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から
選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デ
ュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。別の
態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、II期(例えば、IIAまたはIIB期)の膵臓癌を治療する方法であり、この組
み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-
936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI
-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L
1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベ
ルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。さらに別の態様において
、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、I
II期の膵臓癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバル
マブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、ST
I-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、また
はSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、P
D-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-
936559である。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わ
せを投与することによって、IV期の膵臓癌を治療する方法であり、この組み合わせは、
式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559
、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体
と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0125】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって腎細胞癌を治療
する方法が、本明細書にさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、S
TI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、ま
たはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、
PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS
-936559である。いくつかの実施形態において、腎細胞癌は、I期のがんである。
別の実施形態において、腎細胞癌は、II期のがんである。さらに別の実施形態において
、腎細胞癌は、III期のがんである。さらに別の実施形態において、腎細胞癌は、IV
期のがんである。1つの態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによってI期の腎細胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、
式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559
、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体
と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、またはBMS-936559である。別の態様では、本方法は、治療有効量
の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってII期の腎細胞癌を治療する
方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾ
リズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-
A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から
選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デ
ュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。さら
に別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによってIII期の腎細胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物
、およびデュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559、
STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、
STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体を
含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズ
マブ、またはBMS-936559である。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書
に記載される組み合わせを投与することによって、IV期の腎細胞癌を治療する方法であ
り、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ
、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A101
2、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択され
るPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバル
マブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0126】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって結腸直腸癌を治
療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物、およびデュルバルマブ、アベルマ
ブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011
、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1
015(Sorrento Therapeutics)から選択されるPD-L1阻害
剤抗体を含む、方法もまた、本明細書に提供される。別の例では、PD-L1阻害剤抗体
は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である
。いくつかの実施形態において、結腸直腸癌は、I期のがんである。別の実施形態におい
て、結腸直腸癌は、IIA期、IIB期、またはIIC期のがんである。さらに別の実施
形態において、結腸直腸癌は、IIIA期、IIIB期、またはIIIC期のがんである
。さらに別の実施形態において、結腸直腸癌は、IVA期またはステージIVB期のがん
である。場合によっては、結腸直腸癌は、がんのグレードによってさらに特徴付けられる
。結腸直腸癌は、本明細書で提供される病期のいずれにおいても、グレード1、グレード
2、グレード3、またはグレード4のがんであり得る。一態様では、本方法は、治療有効
量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってI期の結腸直腸癌を治療す
る方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI
-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015か
ら選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、
デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。別
の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よりII期(例えば、IIA、IIB、またはIIC期)の結腸直腸癌を治療する方法で
あり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A10
12、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択さ
れるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。さらに別の
態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の結腸直腸癌を治療
する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、ア
テゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、ST
I-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015
から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は
、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、IV期(例えば、IVAまたはIVB期)の結腸直腸癌を治療する方法であり、こ
の組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、
アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0127】
他の実施形態において、がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキン
リンパ腫、リードステルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)
、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、または慢性リンパ球
性白血病(CLL)である。ある特定の実施形態において、がんは、ホジキンリンパ腫ま
たはリードステルベルグ病である。
【0128】
ある特定の実施形態において、がんを治療する方法は、治療有効量の本明細書に記載さ
れる組み合わせを投与することによってNHLを治療する方法を含み、この組み合わせは
、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-93655
9、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A101
3、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗
体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、ア
テゾリズマブ、またはBMS-936559である。NHLは、例えばAnn Arbo
r病期分類システムによるその病期によって特徴付けることができる。NHLは、NHL
(例えば、濾胞性リンパ腫(FL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、辺縁帯リンパ
腫(MZL)または原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫)または進行性NHL(例えば、び
まん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、III期の濾胞性大細胞リンパ腫、未分
化大細胞リンパ腫、節外性NK-/T細胞リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、血管免疫芽球
性T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、血管内大型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ
腫、リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫
)であり得る。いくつかの実施形態において、NHLは、I期(例えば、I(I)期(胸
腺)またはI(E)期(リンパ系))のがんである。別の実施形態において、NHLは、
II期(例えば、II(I)期(リンパ節)またはステージII(E)期(近くの器官)
)のがんである。さらに別の実施形態において、NHLは、III期(例えばIII(I
)期(リンパ節)、III(E)期(近くの器官)、III(S)期(膵臓)、またはI
II(ES)期(近くの器官および脾臓))のがんである。さらに別の実施形態において
、NHLは、IV期のがんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載
される組み合わせを投与することによってI期(例えば、I(I)またはI(E)期)の
NHLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、ア
ベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1
011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI
-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1
阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-9365
59である。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを
投与することによって、II期(例えば、II(I)またはII(E)期)のNHLを治
療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、
アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、S
TI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A101
5から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体
は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である
。さらに別の態様において、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを
投与することによって、III期(例えば、III(I)、III(E)、III(S)
、またはIII(ES)期)のNHLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、ST
I-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、ST
I-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を
含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、IV期のNHLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と
、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1
010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1
014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別
の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、ま
たはBMS-936559である。
【0129】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
ホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、S
TI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、ま
たはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、
PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS
-936559である。ホジキンリンパ腫は、古典的または結節性リンパ球優勢であり得
る。いくつかの実施形態において、ホジキンリンパ腫は、リード-ステルベルグ細胞を含
み、リード-ステルベルグ病を引き起こし得る。いくつかの実施形態において、ホジキン
リンパ腫は、I期のがんである。別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、II期の
がんである。さらに別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、III期のがんである
。さらに別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、IV期のがんである。一態様では
、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってI期
のホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュル
バルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、
STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、
またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では
、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBM
S-936559である。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによってII期のホジキンリンパ腫を治療する方法であり、こ
の組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、
アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。さらに別の態様にお
いて、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
、III期のホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物
と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A
1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A
1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。
別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、
またはBMS-936559である。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載
される組み合わせを投与することによって、IV期のホジキンリンパ腫を治療する方法で
あり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A10
12、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択さ
れるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0130】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって慢性リンパ球性白血病(CLL)を治療する方法であり、この組み合わせは、式I
の化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、S
TI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、S
TI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、
を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリ
ズマブ、またはBMS-936559である。CLLは、RaiシステムまたはBine
tシステムに従って病期分類され得る。例えば、一実施形態において、CLLは、Rai
I期のがんである。別の実施形態において、CLLは、Rai II期のがんである。
さらに別の実施形態において、CLLは、Rai III期のがんである。さらに別の実
施形態において、CLLは、Rai IV期のがんである。さらに別の実施形態において
、CLLは、Binet A期のがんである。CLLは、Binet B期のがんであり
得る。CLLは、Binet C期のがんであり得る。一態様では、本方法は、治療有効
量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、Rai I期のCLLを
治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ
、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、
STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A10
15から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗
体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559であ
る。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、Rai II期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、ST
I-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、ST
I-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を
含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズ
マブ、またはBMS-936559である。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって、Rai III期のCLLを治療す
る方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI
-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015か
ら選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、
デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。一
態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、Rai IV期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物
、およびデュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、または
STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、
STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体を
含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズ
マブ、またはBMS-936559である。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって、Binet A期のCLLを治療す
る方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI
-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015か
ら選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、
デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。一
態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、Binet B期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合
物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-
A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-
A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む
。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ
、またはBMS-936559である。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に
記載される組み合わせを投与することによって、Binet C期のCLLを治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリ
ズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選
択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュ
ルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
【0131】
さらになお別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、急性リンパ性白血病(ALL)を治療する方法であり、この組み合わせは、
式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559
、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体
と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテ
ゾリズマブ、またはBMS-936559である。ALLは、世界保健機関(WHO)の
分類に従って特徴付けることができる。ALLは、T細胞リンパ芽球性白血病であり得る
。ALLは、B細胞リンパ芽球性白血病であり得る。ALLは、以下から選択される再発
性遺伝的異常を有するB細胞リンパ芽球性白血病であり得る:
t(9;22)(q34;q11.2)、BCR-ABL1を伴うBリンパ芽球性白血
病/リンパ腫、
t(v;11q23)MLL再構成を伴うBリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
t(12;21)(p13;q22)TEL-AML1(ETV6-RUNX1)を伴
うBリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
高2倍体性Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
低2倍体性Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
t(5;14)(q31;q32)IL3-IGHを伴うBリンパ芽球性白血病/リン
パ腫、または
t(1;19)(q23;p13.3)TCF3-PBX1を伴うBリンパ芽球性白血
病/リンパ腫。
【0132】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって慢性骨髄性白血病(CML)を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化
合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI
-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI
-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含
む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、またはBMS-936559である。CMLは、疾患の段階によって特徴付けること
ができる。一実施形態において、CMLは、慢性期のCMLである(例えば、患者は、そ
の血液または骨髄において約10%未満の芽球を有する)。別の実施形態において、CM
Lは、加速期のCMLである(例えば、患者は、(1)10%超の芽球を有するが、その
血液または骨髄では20%未満の芽球を有する、(2)少なくとも約20%の白血球(W
BC)数を含む、好塩基球数、(3)高いWBC数、(4)高もしくは低血小板数、また
は(5)白血病細胞における染色体変化を有する)。さらに別の実施形態において、CM
Lは、急性転化期のCMLである(例えば、患者がその血液または骨髄に20%超の芽球
を有する)。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによって慢性期のCMLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化
合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI
-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI
-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含
む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、またはBMS-936559である。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって加速期のCMLを治療する方法であり
、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、
BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012
、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択される
PD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマ
ブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。さらに別の態様
において、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
り、急性転化期のCMLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、デ
ュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A101
0、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A101
4、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。別の例
では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、または
BMS-936559である。
【0133】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってAMLを治療す
る方法も、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、デュルバルマブ、
アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A
1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはST
I-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体と、を含む。AMLは、例えば、W
HO分類システムによって特徴付けることができる。一実施形態において、AMLは、以
下に示すものを含む、ある特定の遺伝的異常を有することを特徴とする:
染色体8と21との間の転座を伴うAML、
染色体16における転座または逆位を伴うAML、
染色体9と11との間の転座を伴うAML、
染色体15と17との間の転座を伴うAPL(M3)、
染色体6と9との間の転座を伴うAML、
染色体3における転座または逆位を伴うAML、または
染色体1と22との間の転座を伴うAML(巨核芽球)。
【0134】
AMLは、骨髄異形成に関連する変化を有すると特徴付けることができる。AMLは、
これまでの抗癌治療(例えば、化学療法または放射線療法)に関連するものとして特徴付
けることができる。AMLは、上記のWHOグループに該当しないと考えられるAMLと
して特徴付けることができ、例えば、以下を含む:
最小分化を伴うAML(M0)、
成熟を伴わないAML(M1)、
成熟を伴うAML(M2)、
急性骨髄単球性白血病(M4)、
急性単球性白血病(M5)、
急性赤血球性白血病(M6)、
急性巨核芽球性白血病(M7)、
急性好塩基球性白血病、または
線維症を伴う急性汎髄症。
【0135】
本明細書に記載される組み合わせは、診断後の任意の時点でがん患者に投与することが
できる。例えば、がん患者は、治療未経験であり得る(例えば、診断されたがんのがん治
療を受けていない)。がん患者は、あるがんに対して治療未経験であり得るが、例えば、
転移または悪性腫瘍に起因する1つ以上の他のがんと診断され得る。がん患者は、1つ以
上のがんに対して未知の免疫チェックポイントであり得る。がん患者は、難治性のがんを
有し得る。場合によっては、本明細書に記載される組み合わせを、それを必要とする患者
への一次治療(例えば、治療未経験のがん患者に投与される第1治療)として投与する。
【0136】
しかしながら、がんの罹患率および死亡率は、効果のない治療またはがんが1つ以上の
がん治療に耐性を示すかまたは難治性になることと関連することが多い。したがって、本
明細書に記載される組み合わせは、治療の二次、三次、四次、五次、六次、またはそれ以
上の治療として、それを必要とする患者に投与することができる。本明細書に記載される
組み合わせは、少なくとも1つの抗癌治療または抗癌剤で治療されているがん患者に投与
することができる。場合によっては、患者は、例えば、化学療法、放射線療法、外科手術
、標的療法、免疫療法、またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの抗癌治療を受
けている。患者は、少なくとも1つの抗癌剤による治療に耐性/難治性のがんを有し得る
。本明細書においてがんを治療する方法は、PD-1チェックポイント阻害剤で治療され
、治療への応答がない、部分応答、もしくは安定した疾患に対する応答を経験していない
が、その後、疾患の進行を伴う治療に耐性になるか、または治療への完全な応答を経験し
たが、その後、疾患の進行(RECISTまたは他の基準によって定義される)に伴う治
療に耐性になる、対象を治療することを含む。耐性は、治療中の疾患の進行または治療に
対する応答の欠如として定義される。このようなPD-1阻害剤抗体治療の失敗は、HB
I-8000、またはHDAC1、HDAC2、もしくはHDAC3のうちの1つ以上か
ら選択されるがん関連クラスI HDACを阻害するHDAC阻害剤などであるが、これ
らに限定されない、HDAC阻害剤と組み合わせたPD-L1で治療することができる。
場合によっては、HDAC阻害剤はまた、クラスIIb HDAC1を阻害する。HBI
-8000は、HDAC1、2、3、および10の低ナノモル濃度を阻害することが報告
されている(Zhi-Qiang Ning et al.,Cancer Chemo
ther Pharmacol(2012)69:901-909を参照)。それはまた
、HDAC8および11での活性を有する。Ningらはまた、HBI-8000がHD
AC1、2、3、8、10、および11でEntinostatよりも活性であることを
報告している。さらに、HBI-8000は、連続投与-経口投与pK(t1/2約17
時間)を可能にする良好な薬物動態プロファイルおよび安全性プロファイルを有する。
【0137】
応答基準
【0138】
RECIST:
【0139】
RECISTは、一連の確立された基準または標準であり、臨床試験および臨床業務に
おける患者の応答、安定性、および進行を評価するために国際的に認められている。元々
、2000年に公表され、2009年に改訂され(Eisenhauer EAら;固形
腫瘍における新しい応答基準:RECISTガイドライン(バージョン1.1)改訂、E
ur J Cancer 2009;45:228-47)、欧州癌研究治療期間、米国
国立癌研究所、および国立がん研究所カナダ臨床試験グループの共同努力として、REC
ISTは、伝統的に化学療法に対する応答の評価に利用されている。
【0140】
標的病変の評価:
【0141】
完全応答(CR):全ての標的病変の消失;部分応答(PR):標的病変のLD(最長
径)の合計が少なくとも30%減少し、ベースライン総和LDを基準とする;安定性疾患
(SD):治療開始以来、最小の総和LDを基準として、PRの資格を得るための十分な
収縮も、PDの資格を得るための十分な増加もない;進行性疾患(PD):治療開始以来
記録された最小の総和LDまたは1つ以上の新しい病変の出現を基準として、標的病変の
LDの合計が少なくとも20%増加する。
【0142】
非標的病変の評価
【0143】
完全応答(CR):全ての非標的病変の消失および腫瘍マーカーレベルの正常化;不完
全な応答/安定性疾患(SD):1つ以上の非標的病変(複数可)の持続性または/およ
び正常な限度を超える腫瘍マーカーレベルの維持;進行性疾患(PD):1つ以上の新し
い病変の出現および/または既存の非標的病変の明白な進行。
【0144】
他の応答基準
【0145】
他の応答基準には、2009年にWolchokらによって定義されるように、免疫関
連応答基準またはiRECIST(Wolchok JD,et al.;Guidel
ines for the Evaluation of Immune Therap
y Activity in Solid Tumors:Immune-Relate
d Response Criteria.Clin Cancer Res 2009
;15(23):7412-20)および改訂された国際ワーキンググループ応答基準(
Cheson BD et al,.Revised response criter
ia for malignant lymphoma.J.Clin.Oncol.2
007;25:579-586)が含まれる。
【0146】
がんを治療する方法には、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、細胞増殖を阻害するための方法が含まれ、この組み合わせは、本明細書に記
載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む。一例では、PD-L1阻害剤
は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A
1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A
1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体である。別の
例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、また
はBMS-936559である。
【0147】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、がんの転移の
阻害を必要とする患者におけるそれを阻害するための方法もまた、本明細書に提供され、
この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含
む。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、B
MS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、
STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるP
D-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、ア
ベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの実施形態に
おいて、転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%
、70%、80%、90%、または100%阻害される。
【0148】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
、既存の腫瘍転移の減少を必要とするがん患者におけるそれを減少させる方法であり、こ
の組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む
。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベ
ルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの実施形態にお
いて、既存の腫瘍転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%
、60%、70%、80%、90%、または100%減少する。
【0149】
さらに別の態様では、がんを治療する方法はまた、治療有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによって、個体における腫瘍負荷を減少させるための方法も提
供し、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と
、を含む。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマ
ブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A10
12、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択さ
れるPD-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマ
ブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの実施
形態において、腫瘍負荷は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50
%、60%、70%、80%、90%、または100%減少する。
【0150】
別の態様では、がんを治療する方法はまた、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって個体における腫瘍負荷を減少させるための方法も提供し、こ
の組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む
。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベ
ルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの実施形態にお
いて、腫瘍負荷は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60
%、70%、80%、90%、または100%減少する。
【0151】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、ある特定の段階(本明細書に記載さ
れるIIIおよびIV期のがんなどの進行した段階のがんを含む)の疾患の進行までの時
間を増加させるか、そうでなければ延長する方法も提供する。疾患の進行までの時間は、
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、患者において延
長され得、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害
剤と、を含む。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリ
ズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選
択されるPD-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバ
ルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの
実施形態において、増加は、本明細書に記載される組み合わせによる治療を行わない疾患
の進行と、治療を行う疾患の進行までの時間との比較である。いくつかの実施形態におい
て、本明細書に記載される方法は、疾患の進行までの時間を少なくとも1週間、2週間、
3週間、4週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、
9カ月、10カ月、11カ月、1年またはそれ以上延長し、これには、その中の値が含ま
れる。
【0152】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、本明細書に記載されるがんと診断さ
れた患者の生存(全生存を含む)を増加させるか、そうでなければ延長するための方法も
提供する。患者の生存は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与すること
によって延長され得、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD
-L1阻害剤と、を含む。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ
、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、
STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A10
15から選択されるPD-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は
、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。
いくつかの実施形態において、増加は、本明細書に記載される組み合わせによる治療を行
わない生存と治療を行う生存との比較である。いくつかの実施形態において、本明細書に
記載される方法は、生存を少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月、2カ月
、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、1
年、2年、またはそれ以上を延長し、これには、その中の値が含まれる。
【0153】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、本明細書に記載されるがんと診断さ
れた患者の無増悪生存期間を増加させるための方法も提供する。患者の無増悪生存期間は
、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって延長され得、こ
の組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む
。一例では、PD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BM
S-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD
-L1阻害剤抗体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベ
ルマブ、アテゾリズマブ、またはBMS-936559である。いくつかの実施形態にお
いて、増加は、本明細書に記載される組み合わせによる治療を行わない無増悪生存期間と
、それによる治療を行う無増悪生存期間との比較である。いくつかの実施形態において、
本明細書に記載される方法は、無増悪生存期間を少なくとも1週間、2週間、3週間、4
週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、1
0カ月、11カ月、1年、2年、またはそれ以上増加させ、これには、その中の値が含ま
れる。
【0154】
有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、骨髄由来サプレッ
サー細胞(MDSC)のレベルの低下を必要とする患者におけるそのレベルを低下させる
ための方法もまた、本明細書に提供され、この組み合わせは、本明細書に記載される、式
Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む。一例では、PD-L1阻害剤は、式Iの化
合物またはPD-L1阻害剤の単独での投与と比較して、デュルバルマブ、アベルマブ、
アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-A1010、STI-A1011、S
TI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A101
5(Sorrento Therapeutics)から選択されるPD-L1阻害剤抗
体である。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾ
リズマブ、またはBMS-936559である。MDSCの減少は、本明細書に記載され
るがんの治療に有益であり得る。ヒト患者におけるMDSCのレベルは、本明細書に記載
される組み合わせの投与前、投与中、および投与後に測定することができる。いくつかの
実施形態において、患者におけるMDSCの投与前および投与後の量を比較することが有
用であり得る。投与後のMDSCの量、レベル、または数の減少は、例えば、本明細書に
記載されるがんの治療における組み合わせの有効性を示すことができる。MDSCレベル
は、本明細書に記載される治療またはレジメンの過程にわたって、本明細書に記載される
組み合わせでモニターすることができる。このような場合、投与過程の様々な時点でのM
DSCレベルの判定は、レジメンの有効性を示すことができる。
【0155】
Treg細胞の割合またはレベルの低下を必要とする患者においてその割合またはレベ
ルを低下させる方法も、本明細書に提供される。このような方法は、有効量の本明細書に
記載される組み合わせを投与することを含み、この組み合わせは、本明細書に記載される
、式Iの化合物と、PD-L1阻害剤と、を含む。一例では、PD-L1阻害剤は、患者
への、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、STI-
A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-
A1014、またはSTI-A1015から選択されるPD-L1阻害剤抗体であり、こ
の投与は、投与前のレベルと比較して患者におけるTreg細胞の割合またはレベルを低
下させる。別の例では、PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾ
リズマブ、またはBMS-936559である。Treg細胞の減少は、本明細書に記載
されるがんの治療に有益であり得る。ヒト患者におけるTreg細胞のレベルは、本明細
書に記載される組み合わせの投与前、投与中、および投与後に測定することができる。い
くつかの実施形態において、患者におけるTreg細胞の投与前および投与後の量を比較
することが有用であり得る。投与後のTreg細胞の量、レベル、または数の減少は、例
えば、本明細書に記載されるがんの治療における組み合わせの有効性を示すことができる
。Treg細胞レベルは、本明細書に記載される治療またはレジメンの過程にわたって、
本明細書に記載される組み合わせでモニタリングすることができる。このような場合、投
与過程の様々な時点でのTreg細胞レベルの判定は、レジメンの有効性を示すことがで
きる。
【0156】
本明細書に記載される組み合わせは、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性を増強する
方法において有用であり得る。本明細書に記載される組み合わせはまた、細胞傷害性T細
胞の活性を増強する方法において有用であり得る。増強する方法は、NK細胞または細胞
傷害性T細胞を、本明細書に記載される組み合わせと接触させることを含み、この組み合
わせは、接触前のその活性と比較してNK細胞または細胞傷害性T細胞の活性を増強する
。いくつかの実施形態において、NK細胞または細胞傷害性T細胞の増強された活性は、
本明細書に記載される組み合わせを投与されたがん患者にある。
【0157】
本明細書に記載される組み合わせはまた、本明細書に記載される組み合わせの投与時に
がん患者において抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強させることができる。
【0158】
本明細書に記載される組み合わせは、各治療剤(例えば、式Iの化合物およびPD-L
1阻害剤)の投与を含み得、投与は、同時にまたは連続的に(いずれかの順序で)実施さ
れる。一実施形態において、式Iの化合物およびPD-L1阻害剤は、同時に(例えば、
互いに少なくとも1~5分以内に)投与される。別の実施形態において、式Iの化合物お
よびPD-L1阻害剤は、連続的に(例えば、互いに少なくとも10分、15分、30分
、1時間、2時間、5時間、10時間、12時間、1日、2日、5日、7日、14日、ま
たは21日以内に)投与される。
【0159】
一例では、式Iの化合物は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-
936559、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、
STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015から選択されるP
D-L1阻害剤抗体と同時に投与される。別の例では、式Iの化合物は、デュルバルマブ
の投与前に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、アベルマブの投与前に
投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、アテゾリズマブの投与前に投与す
ることができる。別の例では、式Iの化合物は、BMS-936559の投与前に投与す
ることができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、STI-A1010、STI-A
1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはST
I-A1015の投与前に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、デュル
バルマブの投与後に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、アベルマブの
投与後に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、アテゾリズマブの投与後
に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、BMS-936559の投与後
に投与することができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、STI-A1010、S
TI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、ま
たはSTI-A1015の投与後に投与することができる。
【0160】
式Iの化合物は、例えば、1日1回(QD)、1日2回(BID)、週1回(QW)、
週2回(BIW)、週3回(TIW)、または月1回(QM)、定期的に週2回などの連
続ベースまたは間欠的なベースで3ヶ月間投与し、その後1ヶ月後に再開することができ
る。例えば、式Iの化合物は、1日2回投与することができる。式Iの化合物は、週3回
投与することができる。場合によっては、式Iの化合物は、1週間に2~3回投与される
。別の実施形態において、式Iの化合物は、1日1回投与する。化合物は、約1日~約7
日、1日~約14日、1日~約21日、1日~約28日、または疾患の進行または許容不
可能な毒性まで毎日1日1回投与することができる。式Iの化合物の投与は、部分的には
、より大きな耐性がより多いまたはより頻繁な投与を可能にし得る患者の耐性に依存し得
る。あるいは、患者が式Iの化合物に対して耐性が低い場合、化合物の量を少なくするか
、投与回数を少なくすることができる。式Iの化合物は、本明細書に記載される任意のレ
ジメンで投与することができる。
【0161】
例えば、式Iの化合物は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、1
5mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、6
0mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150m
g、175mg、または200mgの量で1日1回投与することができる。例えば、式I
の化合物は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20m
g、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70m
g、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg
、または200mgの量で週2回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1
mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、3
0mg、35mg、50mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、8
0mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、また
は200mgの量で週3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg、
2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg
、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg
、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの量
で週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg、2mg、3mg、
4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40
mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、10
0mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの量で2週間隔で投与
することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で1日1回
投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で週2
回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で週
3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で
週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量
で2週間隔で投与することができる。式Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式Iの
化合物の投与は、断続的であり得る。
【0162】
例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約5
0mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約
25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約20
0mgの量で1日1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg~約1
0mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約2
5mg、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg
~約100mg、または100mg~約200mgの量で週2回投与することができる。
例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50
mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約2
5mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200
mgの量で週3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10m
g、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25m
g、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約
100mg、または100mg~約200mgの量で週1回投与することができる。例え
ば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg
、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約25m
g、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200mg
の量で2週間隔で投与することができる。式Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式
Iの化合物の投与は、断続的であり得る。
【0163】
例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0.00
1mg/kg~約200mg/kg、0.01mg/kg~約200mg/kg、0.0
1mg/kg~約150mg/kg、0.01mg/kg~約100mg/kg、0.0
1mg/kg~約50mg/kg、0.01mg/kg~約25mg/kg、0.01m
g/kg~約10mg/kg、または0.01mg/kg~約5mg/kg、0.05m
g/kg~約200mg/kg、0.05mg/kg~約150mg/kg、0.05m
g/kg~約100mg/kg、0.05mg/kg~約50mg/kg、0.05mg
/kg~約25mg/kg、0.05mg/kg~約10mg/kg、または0.05m
g/kg~約5mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg
~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5mg/kg~約
50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/kg~約10mg
/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で1日1回投与することができる
。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0.00
1mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0.5m
g/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5mg/
kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/kg~約
10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週2回投与することが
できる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0
.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0
.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5
mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/k
g~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週3回投与する
ことができる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/k
g、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/k
g、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、
0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5m
g/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週1回投
与することができる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200m
g/kg、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200m
g/kg、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/
kg、0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0
.5mg/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で2
週間隔で投与することができる。一例では、式Iの化合物は、約15mg/kg~約75
mg/kgの量で1日1回投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、約20
mg/kg~約50mg/kgの量で投与することができる。さらに別の例では、式Iの
化合物は、約0.001mg/kg、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1
mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/
kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/k
g、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/k
g、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150m
g/kg、175mg/kg、または200mg/kgの量で投与することができる。式
Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式Iの化合物の投与は、断続的であり得る。
【0164】
例えば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約1
50mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg
、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/
kg~約5mg/kgの量で1日1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、
約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/k
g~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg
/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~約5mgの量で週2回
投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg
、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/
kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg
/kg、または1mg/kg~約5mg/kgの量で週3回投与することができる。例え
ば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150m
g/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1m
g/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~
約5mg/kgの量で週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg
/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約1
00mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、
1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~約5mg/kgの量で2週間隔
で投与することができる。一例では、式Iの化合物は、約15mg/kg~約75mg/
kgの量で1日1回投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、約20mg/
kg~約50mg/kgの量で投与することができる。さらに別の例では、式Iの化合物
は、約0.001mg/kg、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/
kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、
5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、3
0mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、8
0mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/k
g、175mg/kg、または200mg/kgの量で投与することができる。式Iの化
合物の投与は、連続的であり得る。式Iの化合物の投与は、断続的であり得る。
【0165】
本明細書で使用される場合、毎日という用語は、式Iの化合物などの本明細書に記載さ
れる組み合わせの治療化合物が、ある期間中、毎日1回または1回より多く投与すること
を意味することが意図される。連続という用語は、式Iの化合物などの本明細書に記載さ
れる組み合わせの治療化合物が、少なくとも10日間~52週間の中断されない期間にわ
たって毎日投与されることを意味することが意図される。本明細書で使用される間欠的ま
たは断続的という用語は、規則的または不規則のいずれかの間隔で停止および開始するこ
とを意味することが意図される。例えば、式Iの化合物などの本明細書に記載される組み
合わせの治療化合物の断続的投与には、1週間あたり1~6日間(例えば週2~3回また
は1日1回)、サイクル(例えば、2~8週間連続して毎日投与し、次いで、少なくとも
1日投与しない休止期間)、または例えば、1日おきの投与が含まれる。
【0166】
PD-L1阻害剤がPD-L1阻害剤抗体である場合、PD-L1阻害剤は、添付文書
に提供されるような確立されたレジメンに従って投与することができる。PD-L1阻害
剤抗体は、本明細書に記載される量で投与することができ、週1回、2週間に1回(2週
間隔で)、3週間に1回(3週間隔で)、または4週間に1回(4週間隔で)投与するこ
とができる。一実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、2週間隔でまたは4週間隔
で投与される。別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、2週間隔で投与される
。さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、3週間隔で投与される。さら
に別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、週2回少なくとも3週間投与する。
さらに別の実施形態において、PD-L1阻害剤抗体は、4週間隔で投与される。
【0167】
例えば、デュルバルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1
mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、
2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/k
g、8mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例えば
、デュルバルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg/k
g、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/
kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8m
g/kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25m
g/kg、30mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、デ
ュルバルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、
0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg
、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/
kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/
kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。例えば、デュル
バルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.
3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3
mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg
、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg
、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で2回(4週毎に2回)投与することができる
。例えば、デュルバルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1
mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、
2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/k
g、8mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができる。例
えば、デュルバルマブは、約1000mg~約2000mg(例えば、1000mg、1
100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg
を含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、デュルバルマブは、約100
0mg~約2000mg(例えば、1000mg、1100mg、1200mg、130
0mg、1400mg、1500mg、1600mgを含む)の量で3週間隔で投与する
ことができる。例えば、デュルバルマブは、約1000mg~約2000mg(例えば、
1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500m
g、1600mgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。デュルバルマブの投
与は、連続的であり得る。デュルバルマブの投与は、断続的であり得る。
【0168】
デュラバルマブは、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上
にわたって静脈内注入として投与することができる。デュルバルマブは、1、2、3、4
、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。デュルバルマブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入と
して投与することができる。デュルバルマブは、3週間毎に1回、約60分間にわたって
静脈内注入として投与することができる。デュラバルマブは、4週間毎に1回、約60分
間にわたって静脈内注入として投与することができる。デュラバルマブは、添付文書に従
って静脈内注入として投与することができる。デュルバルマブの投与は、連続的であり得
る。デュルバルマブの投与は、断続的であり得る。
【0169】
例えば、アベルマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg
/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2m
g/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、
8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25
mg/kg、30mg/kgを含む)の量で投与することができる。例えば、アベルマブ
は、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、0.1mg/kg、0.3
mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3m
g/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、
9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、3
0mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例えば、アベルマブは、約0
.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/k
g、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg
、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/
kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/
kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、アベルマブは、約0.1
~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg
、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5m
g/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg
、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3
週間隔で投与することができる。例えば、アベルマブは、約0.1~約30mg/kg(
例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、
1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/k
g、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、2
0mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与すること
ができる。アベルマブの投与は、連続的であり得る。アベルマブの投与は、断続的であり
得る。
【0170】
アベルマブは、約10、20、30、40、50、または60分以上にわたって静脈内
注入として投与することができる。アベルマブは、1、2、3、4、5週間毎もしくはそ
れ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。アベル
マブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる
。アベルマブは、3週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与すること
ができる。アベルマブは、4週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与
することができる。アベルマブは、添付の添付文書に従って投与することができる。アベ
ルマブの投与は、連続的であり得る。アベルマブの投与は、断続的であり得る。
【0171】
例えば、アテゾリズマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、
0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/
kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7m
g/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/
kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例
えば、アテゾリズマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例
えば、アテゾリズマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができる。例
えば、アテゾリズマブは、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。例
えば、アテゾリズマブは、約1000mg~約2000mg(例えば、1000mg、1
100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg
を含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、アテゾリズマブは、約100
0mg~約2000mg(例えば、1000mg、1100mg、1200mg、130
0mg、1400mg、1500mg、1600mgを含む)の量で3週間隔で投与する
ことができる。例えば、アテゾリズマブは、約1000mg~約2000mg(例えば、
1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500m
g、1600mgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。一例では、アテゾリ
ズマブは、約15mg/kgの量で2週間隔または4週間隔で投与することができる。一
例では、アテゾリズマブは、約1200mgまたは1500mgの量で月1回投与するこ
とができる。アテゾリズマブの投与は、連続的であり得る。アテゾリズマブの投与は、断
続的であり得る。
【0172】
アテゾリズマブは、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上
にわたって静脈内注入として投与することができる。アテゾリズマブは、1、2、3、4
、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。アテゾリズマブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入と
して投与することができる。アテゾリズマブは、3週間毎に1回、約60分間にわたって
静脈内注入として投与することができる。アテゾリズマブは、4週間毎に1回、約60分
間にわたって静脈内注入として投与することができる。アテゾリズマブの投与は、連続的
であり得る。アテゾリズマブの投与は、断続的であり得る。
【0173】
例えば、BMS-936559は、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、
0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/
kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7m
g/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/
kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例
えば、BMS-936559は、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例
えば、BMS-936559は、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができる。例
えば、BMS-936559は、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.
1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/
kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg
、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。B
MS-936559の投与は、連続的であり得る。BMS-936559の投与は、断続
的であり得る。
【0174】
BMS-936559は、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそ
れ以上にわたって静脈内注入として投与することができる。BMS-936559は、1
、2、3、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入と
して投与することができる。BMS-936559は、2週間毎に1回、約60分間にわ
たって静脈内注入として投与することができる。BMS-936559は、3週間毎に2
回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。BMS-93655
9は、6週間毎に3回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。
BMS-936559の投与は、連続的であり得る。BMS-936559の投与は、断
続的であり得る。
【0175】
例えば、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A
1013、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、ST
I-A1013、STI-A1014、およびSTI-A1015(Sorrento
Therapeutics)は、独立して、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例
えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1
mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg
、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20
mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができ
る。例えば、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-
A1013、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015は、独立して、約0
.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0
.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4m
g/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、
10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを
含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、STI-A1010、STI-
A1011、STI-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、S
TI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、ま
たはSTI-A1015は、独立して、約0.1mg/kg~約30mg/kg(例えば
、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg
/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7
mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg
/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができ
る。例えば、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-
A1013、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、S
TI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015は、独立して、約0
.1mg/kg~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0
.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4m
g/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、
10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを
含む)の量で4週間隔で投与することができる。STI-A1010、STI-A101
1、STI-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、STI-A
1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはST
I-A1015の投与は、連続的であり得る。STI-A1010、STI-A1011
、STI-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、STI-A1
011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI
-A1015の投与は、断続的であり得る。
【0176】
STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013
、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1
013、STI-A1014、またはSTI-A1015は、独立して、約10分、20
分、30分、40分、50分、または60分もしくはそれ以上にわたって静脈内注入とし
て投与することができる。STI-A1010、STI-A1011、STI-A101
2、STI-A1013、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A
1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015は、独
立して、1、2、3、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静
脈内注入として投与することができる。STI-A1010、STI-A1011、ST
I-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、STI-A1011
、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1
015は、独立して、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI
-A1013、またはSTI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、
STI-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015は、独立して、3
週間毎に2回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。STI-
A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、またはS
TI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、S
TI-A1014、またはSTI-A1015は、独立して、6週間毎に3回、約60分
間にわたって静脈内注入として投与することができる。STI-A1010、STI-A
1011、STI-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、ST
I-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、また
はSTI-A1015の投与は、連続的であり得る。STI-A1010、STI-A1
011、STI-A1012、STI-A1013、またはSTI-A1010、STI
-A1011、STI-A1012、STI-A1013、STI-A1014、または
STI-A1015の投与は、断続的であり得る。
【0177】
本明細書に記載される組み合わせは、レジメンで投与することができる。レジメンは、
所定の期間(例えば、投与時間)にわたり、治療有効量の式Iの化合物およびPD-L1
阻害剤、例えばPD-L1阻害剤抗体を提供するように構成することができる。レジメン
は、本明細書に記載される組み合わせの各構成要素の副作用または望ましくない合併症を
制限または防止するように構成することができる。レジメンは、組み合わせの両方の療法
に対する効果(例えば、相乗作用)が増加する方法で構成することができる。がんを治療
するのに有用なレジメンは、必要に応じて繰り返すことができる任意の投与日数を含み得
る。投与期間は、少なくとも1つの療法の投与を含まない休止期間によって中断してもよ
い。例えば、レジメンは、2、3、5、7、10、15、21、28日、またはそれ以上
を含む投与期間を含み得る。これらの期間は、繰り返すことができる。例えば、レジメン
は、レジメンが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13回、また
はそれ以上繰り返される場合に、先に記載したように、設定された日数を含むことができ
る。
【0178】
レジメンは、少なくとも1つの療法がもはや患者に投与されない、少なくとも1、2、
3、5、7、10日、またはそれ以上の休止期間を含むことができる。休止期間は、例え
ば、薬物に対する患者の反応をモニタリングすることによって、または治療の有効性を測
定することによって決定することができる。休止期間は、本明細書に記載される組み合わ
せの1つの療法のみが休止期間に中止されるが、他の療法(複数可)が依然として施され
るように、単一の療法に適用可能であり得る。休止期間は、対象が、休止期間中に一定期
間、治療を受けないように、対象に投与される全ての療法に適用され得る。
【0179】
本明細書に記載される組み合わせを用いてがんを治療するための本明細書に記載される
レジメンは、疾患の進行または許容不可能な毒性まで続けることができる。
【0180】
本明細書に記載される組み合わせの投与レジメンには、例えば、式Iの化合物の週2回
または週3回の投与およびPD-L1阻害剤の投与が含まれる。例えば、式Iの化合物は
、1日1回約21日間投与することができ、本明細書に記載されるPD-L1阻害剤抗体
は、2週間隔または4週間隔で)投与することができる。例えば、式Iの化合物は、週2
回または週3回投与することができ、本明細書に記載されるPD-L1阻害剤抗体は、2
週間隔で投与することができる。別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回ま
たは週3回投与することができ、PD-L1阻害剤抗体は、週2回2または3週間投与す
ることができる。さらに別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回または週3
回投与することができ、PD-L1阻害剤抗体は、4週間隔で投与することができる。さ
らに別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回投与することができ、本明細書
に記載されるPD-L1阻害剤は、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で投与すること
ができる。場合によっては、そのようなレジメンには、2週間隔、3週間隔、または4週
間隔で投与されたPD-L1阻害剤抗体の投与が含まれる。さらに別の例示的なレジメン
では、式Iの化合物は、週3回投与することができ、本明細書に記載されるPD-L1阻
害剤は、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で投与することができる。場合によっては
、そのようなレジメンには、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で投与されたPD-L
1阻害剤抗体の投与が含まれる。場合によっては、そのようなレジメンには、1日1回投
与された式Iの化合物の投与が含まれる。場合によっては、そのようなレジメンには、1
日1回少なくとも21日間投与された式Iの化合物の投与が含まれる。さらに別の例示的
なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回または週1回投与することができ、PD-L
1阻害剤(例えば、PD-L1阻害剤抗体)は、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で
投与される。
【0181】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とアベルマブの投与のためのレジメン
であり得る。アベルマブを含む1つの例示的なレジメンにおいて、式Iの化合物は、週2
回または週3回投与することができ、アベルマブは、例えば、添付文書に提供される処方
情報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、アベルマブは、レジメンの1日目
に約1mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不
可能な毒性まで2週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週
3回投与される。別の例示的なレジメンでは、アベルマブは、レジメンの1日目に約1m
g/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒
性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与
される。アベルマブは、式Iの化合物とともに4週間隔で投与することができ、式Iの化
合物は、例えば、このようなレジメンの過程において週2回または週3回投与される。ア
ベルマブは、式Iの化合物とともに2週間隔で投与することができ、式Iの化合物、例え
ば、このようなレジメンの過程において週2回または週3回投与される。さらに別の例示
的なレジメンでは、アベルマブは、式Iの化合物とともに2週間隔または4週間隔で投与
することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回
または週1回投与される。そのようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる
【0182】
アベルマブを含む別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回投与すること
ができ、アベルマブは、例えば、添付文書に提供される処方情報に従って投与される。別
の例示的なレジメンでは、アベルマブは、レジメンの1日目に約1mg/kg~約20m
g/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで2週間隔で投
与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。別の例示的なレジメン
では、アベルマブは、レジメンの1日目に約1mg/kg~約20mg/kgの量で投与
され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合
物が同じ期間にわたって1日1回投与される。アベルマブは、式Iの化合物とともに4週
間隔で投与することができ、式Iの化合物は、このようなレジメンの過程において1日1
回投与される。アベルマブは、式Iの化合物とともに2週間隔で投与することができ、式
Iの化合物は、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。そのようなレジ
メンは、上記のように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1
2回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0183】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とデュルバルマブの投与のためのレジ
メンであり得る。デュルバルマブを含む1つの例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、
週2回または週3回投与することができ、デュルバルマブは、例えば、添付文書に提供さ
れる処方情報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、1日
目に約1mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容
不可能な毒性まで2週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または
週3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、1日目に約1
mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な
毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投
与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、2週間隔で投与するこ
とができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において週2回または週
3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、4週間隔で投与
することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において週2回ま
たは週3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、2週間隔
または4週間隔で投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの
過程において1日1回または週1回投与される。そのようなレジメンは、上記のように(
例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれ以上)
繰り返すことができる。
【0184】
デュルバルマブを含む別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回投与する
ことができ、デュルバルマブは、例えば、添付文書に提供される処方情報に従って投与さ
れる。別の例示的なレジメンでは、デュルバルマブは、1日目に約1mg/kg~約20
mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで2週間隔で
投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。さらに別の例示的な
レジメンでは、デュルバルマブは、1日目に約1mg/kg~約20mg/kgの量で投
与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化
合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュ
ルバルマブは、2週間隔で投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレ
ジメンの過程において1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバ
ルマブは、4週間隔で投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメ
ンの過程において1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、デュルバルマ
ブは、3週間隔で投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの
過程において1日1回投与される。そのようなレジメンは、上記のように(例えば、1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれ以上)繰り返すこと
ができる。
【0185】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とアテゾリズマブの投与のためのレジ
メンであり得る。アテゾリズマブを含む1つの例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、
週2回または週3回投与することができ、アテゾリズマブは、例えば、添付文書に提供さ
れる処方情報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日
目に約10mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許
容不可能な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回また
は週3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約
10mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可
能な毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3
回投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約15mg/k
gの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで3週間隔で投与され
、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。さらに別の例示的
なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約15mg/kgの量で投与され、その後
、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間
にわたって週2回または週3回投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブ
は、1日目に約1000mg~約2000mgの量で投与され、その後、疾患の進行また
は許容不可能な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回
または週3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目
に約1000mg~約2000mgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可
能な毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3
回投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約1200mg
~約1500mgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで3週
間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。さ
らに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約1200mg~約150
0mgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4週間隔で投与
され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。さらに別の例
示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、3週間隔で投与することができ、式Iの化合物
は、例えば、このようなレジメンの過程において週2回または週3回投与される。さらに
別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、4週間隔で投与することができ、式Iの
化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において週2回または週3回投与される。
さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、2週間隔または4週間隔で投与す
ることができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回ま
たは週1回投与される。そのようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0186】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とアテゾリズマブの投与のためのレジ
メンであり得る。アテゾリズマブを含む1つの例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、
1日1回投与することができ、アテゾリズマブは、例えば、添付文書に提供される処方情
報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約10
mg/kg~約20mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な
毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。
さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約10mg/kg~約2
0mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4週間隔
で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。別の例示的なレジ
メンでは、アテゾリズマブは、1日目に約15mg/kgの量で投与され、その後、疾患
の進行または許容不可能な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわた
って1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目
に約15mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4
週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。別の例示的
なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約1000mg~約2000mgの量で投
与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化
合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、アテ
ゾリズマブは、1日目に約1000mg~約2000mgの量で投与され、その後、疾患
の進行または許容不可能な毒性まで4週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわた
って1日1回投与される。別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約1
200mgまたは約1500mgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能
な毒性まで3週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される
。さらに別の例示的なレジメンでは、アテゾリズマブは、1日目に約1200mgまたは
約1500mgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで4週間
隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。さらに別の例示
的なレジメンでは、アテゾリズマブは、3週間隔で投与することができ、式Iの化合物は
、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。さらに別の例示的な
レジメンでは、アテゾリズマブは、4週間隔で投与することができ、式Iの化合物は、例
えば、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。さらに別の例示的なレジ
メンでは、アテゾリズマブは、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で投与することがで
き、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。
そのようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0187】
がんを治療するための本明細書に記載される組み合わせは、本明細書に記載される組み
合わせ(例えば、抗癌剤)に存在するもの以外の他の活性薬剤と同時投与することができ
ることも理解されるべきである。上記の例示的なレジメンを含む、本明細書に記載される
組み合わせの投与のためのレジメンは、そのような活性薬剤の投与を含むように必要に応
じて変更することができる。このような活性薬剤、例えば抗癌剤の投与は、1日1回、週
1回、月1回、1日2回、週2回、週3回、2週間隔、3週間隔、または4週間隔で、ま
たは例えば、添付文書に記載されるそのような抗癌剤の処方情報に従って行うことができ
る。例示的な抗癌剤としては、ABRAXANE、アビラテロン、ace-11、アクラ
ルビシン、アシビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アクチノマイシン、アシルフル
ベン、アデシペノール、アドゼルジン、アドリアマイシン、アルデスロイキン、全てのト
ランス-レチノイン酸(ATRA)、アルテラミン、アンバムスティーン、アンボマイシ
ン、酢酸アメタントロン、アミドックス、アミホスチン、アミノグルテチミド、アミノレ
ブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログ
ラホリド、アンタレリックス、アントラマイシン、アフィジコリングリシネート、アプリ
ン酸、ara-CDP-DL-PTBA、アルギニンデアミナーゼ、ARRY-162、
ARRY-300、ARRY-142266、AS703026、アスパラギナーゼ、ア
スペリン、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシ
ナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アザ
シチジン、AZD8330、アゼチパ、アゾトマイシン、バラノール、バチマスタット、
BAY11-7082、BAY43-9006、BAY869766、ベンダムスチン、
ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、ベータ-アレチン、ベタク
ラマイシンB、ベツリン酸、b-FGF阻害剤、ビカルタミド、ビスアントレン、ビスア
ジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシレート、ビストラチンA、塩
酸ビスアントレン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、ブスルファン、ビゼレシン、
ブレフラート、ボルテゾミブ、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブ
チオニンスルホキシミン、ブリオスタチン、カクチノマイシン、カラステロン、カルシポ
トリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド-
アミノ-トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN
700、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン
、カルゼレジン、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セレコキシブ
、セトロレリックス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、ク
ロラムブシル、クロロフシン、サイロレマイシン、シスプラチン、CI-1040、シス
-ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシ
ンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲ
ニン、クラムベシジン816、クリスナトール、クリスナトールメシレート、クリプトフ
ィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタアントラキノン類、シ
クロプラタム、シピマイシン、シクロホスファミド、シタラビン、シタラビンオクホスフ
ェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビ
シン、塩酸ダウノルビシン、デカルバジン、ダクリシマブ、ダサチニブ、デシタビン、デ
ヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デキサゾキ
サン、デクスベラパミル、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシレート
、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ5アザ
シチジン、ジヒドロタクソール、9-ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ド
コサノール、ドラセトロン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドキ
シフルリジン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタ
ノン、ドロナビノール、デュアゾマイシン、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコ
ムスティン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン
、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エルサミトルシン、エンロプラチン、エン
プロメート、エピプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エプリステリド、エル
ブロゾール、エリブリン、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、リン酸エストラムスチ
ンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エキセメ
スタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィル
グラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアセロン、フロ
クスウリジン、フルダラビンホスフェート、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルビシン
、ホルフェニメキス、ホルメスタン、フルオロウラシル、フラックスウリジン、フルロシ
タビン、ホスキドン、フォストリエシンナトリウム、フォストリシン、ホテムスチン、ガ
ドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ
阻害剤、ゲムシタビン、ゲルダナマイシン、ゴシポール、GDC-0973、GSK11
20212/トラメチニブ;ハーセプチン;ヒドロキシウレア;ヘプスルファム;ヘレグ
リン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イブルチニブ;
イダルビシン;塩酸イダルビシン;イホスファミド;カンホスファミド;イルモホシン;
イプロプラチン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イ
ミダゾピリドン;イマチニブ(例えば、GLEEVEC);イミキモド;ヨーベングアン
;ヨードドキソルビシン;イポメアノール;イリノテカン;塩酸イリノテカン;イルソグ
ラジン;イソベンザゾール;イソホロンハリコンドリンB;イタセトロン;イイモホシン
;インターロイキンI1(組換えインターロイキンIL-2またはrlLを含む);イ
ンターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンア
ルファ-n1;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-1a;イン
ターフェロンガンマ-1b;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメララミンNトリア
セテート;ランレオチド;ライナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトス
タチン;レトロゾール;リュープロレリン;レバミゾール;レナリドミド;レンバチニブ
;リアロゾール;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール
;ロニダミン;ロゾキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルーテテカン;ルテチ
ウムテキサフィリン;リゾフィリン;酢酸ランレオチド;ラパチニブ;レトロゾール;ロ
イコボリン;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロム
スチン;塩酸ロキサントロン;ポマリドマイド;LY294002;マイタンシン;マン
ノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;メノ
ガリル;メルバロン;メレレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;
ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミ
トナフィド;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モピダモール;マイ
ケルペルオキシドB;ミリオポロン;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲスト
ロール;メレンゲストロールアセテート;メルファラン;メルカプトプリン;メトトレキ
サート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ(meturedepa
);ミトイドマイド;ミトカルシン;ミトクロムミン;ミトギリン;マイトマルシン;マ
イトマイシン;ミトスパー;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ナフ
ァレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナパビン;ナフテルピン;ナトグラ
スチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;酸化
窒素調節剤;ニトロキシド抗酸化剤;ニトリルン;ノコダゾール;ノガラマイシン;オブ
リメルセン(GENASENSE);オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド
;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン
誘導剤;オルマプラチン;オキシラン;オキサロプラチン;オセテロン;オキサリプラチ
ン;オキサウママイシン;パラオアミン;パルミトイルリソキシン;パミドロン酸;パナ
キトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリチジン;ペグスパルガーゼ;ペルデ
シン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロ
ン;パーコサミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホ
スファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム
;プラセインA;プラセインB;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロスタグランジ
ンJ2;ピラゾロアクリジン;パクリタキセル;PD035901;PD184352;
PD318026;PD98059;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペロマイシ
ン;PKC412;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイ
シン;プロメスタン;ポドフィロトキシン;ポリフェノールE;ポルフィマーナトリウム
;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン;塩酸プロカルバジン;ピュ
ーロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;ラルチトレキセド;ラモセトロン
;レチェリチジン脱メチル化;リゾキシン;リツキシマブ;RIIレチンアミド;ロゲッ
トイミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノンB1;ルボキシル;リ
ボプリン;ロミデプシン;サフィンゴール;塩酸サファンゴル;サントピン;サルコフィ
トールA;サルグラモスチム;セムスチン;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテー
トナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソネルミン;ソラフェニブ;ス
ニチニブ;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;脾臓ペプチド;スポンジ
スタチン1;スポンジスタチン2;スポンジスタチン3;スポンジスタチン4;スポンジ
スタチン5;スポンジスタチン6;スポンジスタチン7;スポンギスタチン8;およびス
ポンギスタチン9;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシ
ン;スラディスタ;スラミン;スワインソニン;SB239063;セルメチニブ/AZ
D6244;シムトラジン;SP600125;酒石酸ナトリウム;スパルソマイシン;
塩酸スピロゲルマニウム;スピロプラチン;ストレプトギグリン;ストレプトゾシン;ス
ルフォヌール;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン
;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テモポリン;テモゾロマイド
;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリ
ン;トロンボポエチン;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン
;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トップセンチン;トレミフェン;トレチノイン;
トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセ
トロン;ツロステリド;チルホスチン;タリソマイシン;TAK-733;タキソテール
;テガフール;トルロキサントロン塩酸塩;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリ
ン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;ト
ラスツズマブ;トレストロンアセテート;トリシリビンホスフェート;トリメトレキセー
ト;トリメトレキセートグルクロン酸塩;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;腫瘍壊死
因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL);UBC阻害剤;ウベニメクス;U0
126;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;バリオリンB;ベラ
レソール;ベラミン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;
ビンブラスチン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシ
ン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン
;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ウォルトマンニン;XL518;
ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー;ジノスタチン;
および塩酸ゾルビシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0188】
他の例示的な抗癌剤には、エルブロゾール(例えば、R-55104);ドラスタチン
10(例えば、DLS-10およびNSC-376128);ミボブリンイセチオネート
(例えば、CI-980);NSC-639829;ディスコデルモライド(例えば、N
VP-XX-A-296);ABT-751(Abbott;例えば、E-7010);
アルトリチンA;アルトリチンC;塩酸セマドチン(例えば、LU-103793および
NSC-D-669356);エポチロンA;エポチロンB;エポチロンC;エポチロン
D;エポチロンE;エポチロンF;エポチロンB N-オキシド;エポチロンA N-オ
キシド;16-アザ-エポチロンB;21-アミノエポチロンB;21-ヒドロキシエポ
チロンD;26-フルオロエポチロン;オーリスタチンPE(例えば、NSC-6546
63);ソブリドン(例えば、TZT-1027);LS-4559-P(Pharma
cia;例えば、LS-4577);LS-4578(Pharmacia;例えば、L
S-477-P);LS-4477(Pharmacia);LS-4559(Phar
macia);RPR-112378(Aventis);DZ-3358(Daiic
hi)FR-182877(Fujisawa;例えば、WS-9265B);GS-1
64(Takeda);GS-198(Takeda);KAR-2(Hungaria
n Academy of Sciences);BSF-223651(BASF;例
えば、ILX-651およびLU-223651);SAH-49960(Lilly/
Novartis);SDZ-268970(Lilly/Novartis);AM-
97(Armad/Kyowa Hakko);AM-132(Armad);AM-1
38(Armad/Kyowa Hakko);IDN-5005(Indena);ク
リプトフィシン52(例えば、LY-355703);AC-7739(Ajinomo
to;例えば、AVE-8063AおよびCS-39.HCl);AC-7700(Aj
inomoto;例えば、AVE-8062;AVE-8062A;CS-39-L-S
er.HCl;RPR-258062A);ビタミン;ツブリシンA;カナデンソール;
CA-170(Curis,Inc.);センタウレイジン(例えば、NSC-1069
69);T-138067(Tularik;例えば、T-67;TL-138067お
よびTI-138067);COBRA-1(Parker Hughes Insti
tute;例えば、DDE-261およびWHI-261);H10(Kansas S
tate University);H16(Kansas State Univer
sity);オンコシジンA1(例えば、BTO-956およびDIME);DDE-3
13(Parker Hughes Institute);フィジアノライドB;ラウ
リマリド;SPA-2(Parker Hughes Institute);SPA-
1(Parker Hughes Institute;例えばSPIKET-P);3
-IAABU(細胞骨格/Mt.Sinai School of Medicine;
例えばMF-569);ナルコシン(例えば、NSC-5366);ナスカピン;D-2
4851(Asta Medica);A-105972(Abbott);ヘミアステ
リン;3-BAABU(細胞骨格/Mt.Sinai School of Medic
ine;例えば、MF-191);TMPN(Arizona State Unive
rsity);バナドセンアセチルアセトネート;T-138026(Tularik)
;モンサトロール;イナノシン(例えば、NSC-698666);3-IAABE(C
ytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)
;A-204197(Abbott);T-607(Tuiarik;例えば、T-90
0607);RPR-115781(Aventis);エールテロビン(例えば、デス
メチルロイテロビン;デサオレテレロビン;イソセレウロビンA;およびZ-エリューテ
ロビン);カリビオシド;カリバエリン;ハリコンドリンB;D-64131(Asta
Medica);D-68144(Asta Medica);ジアゾナミドA;A-
293620(Abbott);NPI-2350(Nereus);タカロノライドA
;TUB-245(Aventis);A-259754(Abbott);ジオスタス
タチン;(-)-フェニルヒスチジン(例えば、NSCL-96F037);D-626
38(Asta Medica);D-62636(Asta Medica);ミヨセ
ベリンB;D-43411(Zentaris;例えば、D-81862);A-289
099(Abbott);A-318315(Abbott);HTI-286(例えば
、SPA-110;トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth);D-82317(Zenta
ris);D-82318(Zentaris);SC-12983(NCI);レバベ
スタチンリン酸ナトリウム;BPR-OY-007(National Health
Research Institutes);およびSSR-250411(Sanof
i));ゴセレリン;ロイプロリド;トリプトライド;ホモハリングトニン;トポテカン
;イトラコナゾール;デオキシアデノシン;セルトラリン;ピタバスタチン;クロファジ
ミン;5-ノニルオキシトリプタミン;ベムラフェニブ;ダブラフェニブ;ゲフィチニブ
(IRESSA);エルロチニブ(TARCEVA);セツキシマブ(ERBITUX)
;ラパチニブ(TYKERB);パニツムマブ(VECTIBIX);バンデタニブ(C
APRELSA);アファチニブ/BIBW2992;CI-1033/カネルチニブ;
ネラチニブ/HKI-272;CP-724714;TAK-285;AST-1306
;ARRY334543;ARRY-380;AG-1478;ダコミチニブ/PF29
9804;OSI-420/デスメチルエルロチニブ;AZD8931;AEE726;
ペリチニブ/EKB-569;CUDC-101;WZ8040;WZ4002;WZ3
146;AG-490;XL647;PD153035;5-アザチオプリン;5-アザ
-2’-デオキシシチジン;17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシ
ン(17-AAG);20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5エチニルウラ
シル;およびBMS-599626が含まれる。
【0189】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される組み合わせは、上記の抗癌剤と共
投与され、抗癌剤は、特定のがんに対する既知の活性を有する(例えば、膵臓癌を治療す
るために本明細書に記載される組み合わせで同時投与されるゲムシタビン)。上記の抗癌
剤は、ある特定の適応症(例えば、ある特定のがん)を、濃度、量、および当該技術分野
で公知の治療レジメンを用いて治療する際の使用について承認され得る。
【0190】
本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾も、本明細書で提供さ
れる本発明の定義内に含まれることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明
を説明することを意図するが、本発明を限定するものではない。
【実施例
【0191】
実施例:
実施例1:
【0192】
実施例1では、HBI-8000を単独療法として2回の用量で、5mg/kgのPD
-L1阻害剤抗体と組み合わせた2回の用量で試験した。この実験には、ビヒクル治療群
およびPD-L1阻害剤抗体の単独療法群が含まれ、効力の分析のための対照群として役
立った。研究が47日目に終了するまで、腫瘍を週2回測定した。各動物は、その腫瘍が
1000mmのエンドポイント腫瘍体積に達したとき、または研究の最終日のいずれか
早い方に達したときに殺処分し、各マウスのエンドポイントまでの時間(TTE)を計算
した。処置応答は、処置マウス対対照マウスに対するエンドポイントまでの時間(TTE
)の中央値の増加率として定義される腫瘍増殖遅延率(TGD(%)の分析から、ならび
に群間の生存のログランクの有意差および回帰反応によって決定した。
【0193】
マウス:雌C57BL/6マウス(Charles River Laborator
ies)は8週齢であり、研究の1日目に体重(BW)範囲は15.4~22.0gであ
った。動物は、不断水(逆浸透、1ppmのCl)、ならびに18.0%の粗タンパク質
、5.0%の粗脂肪、および5.0%の粗繊維からなるNIH 31 Modified
and Irradiated Lab Diet(登録商標)を与えられた。マウス
を、20~22℃(68~72°F)および40~60%湿度で12時間の照明サイクル
において、静電マイクロソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標
)Laboratory Animal Beddingに収容した。
【0194】
腫瘍細胞培養:MC38マウス結腸癌腫細胞を、10%ウシ胎仔血清および2mMグル
タミン、100単位/mLのペニシリンGナトリウム、100μg/mLの硫酸ストレプ
トマイシン、および25μg/mLのゲンタマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル
培地(DMEM)中で維持した。細胞培養物を、5%COおよび95%大気の雰囲気中
、37℃で、加湿されたインキュベーターで、組織培養フラスコ中で維持した。
【0195】
腫瘍移植:細胞を、指数増殖期に採取し、冷DMEM中に再懸濁した。各マウスに、1
×10細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。腫瘍の平均体積が所
望の100~150mmの範囲に近づくにつれて、腫瘍を成長をモニタリングするため
に2次元でキャリパーで測った。腫瘍負荷を、式を使用して計算した:
【数1】
式中、腫瘍の、w=幅(mm)、l=長さ(mm)である。腫瘍重量は、1mgが腫瘍
体積の1mmと等しいという仮定で推定されてもよい。研究の1日目として表される腫
瘍移植から14日後に、75~221mmの個々の腫瘍体積を有する動物を、11の群
(n=10匹/群)に分類し、群平均腫瘍体積は130~133mmであった。
【0196】
試験物質:HUYA Bioscience InternationalからHBI
-8000(Lot No.1384:0033)を提供した。抗体抗PDL-1 10
F.9G2(抗PDL-1、ロット番号5786-7-8/0815)をBio X c
ell(West Lebanon,NH)から購入した。全ての薬剤は、プロトコルの
指示に従って調製した。
【0197】
投与溶液:0.2%CMC:0.1%Tween80で希釈することによりHBI-8
000を調製し、5mg/mLの投与溶液を得た。投与溶液を毎週新たに調製し、4℃で
保存した。抗PDL-1抗体投与溶液は、ストックのアリコート(5.37mg/mL)
を滅菌PBS中に0.5mg/mLになるまで希釈することによって調製した。抗PDL
-1抗体投与溶液を週2回調製し、4℃で保存した。
【0198】
C57BL/6マウスに、表2に示されるMC38-e063プロトコルに従って投与
した。全ての用量は、上記のように調製した。HBI-8000を、1日1回21日間(
qd×21)経口投与(p.o.)した。投与は、動物の体重あたりに調整した。全ての
抗体レジメンを、5mg/kgで、週2回3週間(biwk×3)腹腔内(ip)投与し
、投与は、動物の体重あたりに調整した。
【0199】
表2:
【表2】
【0200】
腫瘍増殖遅延:腫瘍を、キャリパーを用いて週2回測定し、各動物は、その腫瘍が10
00mmの体積に達したとき、または研究の終わり(47日目)のいずれか早い時点で
殺処分した。エンドポイントの腫瘍体積について研究を終了した動物を、殺処分の日付と
ともに腫瘍進行(TP)について殺処分したものとして文書化した。分析のためのエンド
ポイントまでの時間(TTE)は、各マウスについて以下の式によって計算した:
【数2】
式中、TTEは日数で表され、エンドポイントの体積はmmで表され、bは切片であ
り、mはログ変換された腫瘍成長データセットの線形回帰によって得られた線の傾きであ
る。データセットは、分析に使用されたエンドポイントの体積を超えた最初の観察と、こ
のエンドポイントの体積の達成の直前の3回の連続観察とからなった。計算されたTTE
は、通常、動物が腫瘍負荷のために殺処分した日であるTP日よりも小さい。エンドポイ
ント体積に達していない腫瘍を有する動物には、研究の最終日と等しいTTE値を割り当
てた。ログ変換された計算されたTTEがエンドポイントに到達する前の日の前、または
腫瘍体積のエンドポイントに到達した日を超えた場合、線形補間を行ってTTEを近似し
た。事故(NTRa)または原因不明の理由(NTRu)によるNTR(治療に関連しな
い)死として分類されたいかなる動物も、TTE計算(および全てのさらなる分析)から
除外した。TR(治療に関連する)死、またはNTRm(転移によって治療に関連しない
死)と分類された動物は、死亡の日と等しいTTE値を割り当てた。
【0201】
治療の結果:治療の結果は、対照群と比較した治療群において、治療群のエンドポイン
トまでの時間(TTE)の中央値の増加として定義される腫瘍増殖遅延(TGD)から評
価された:
【数3】
日数で、または対照群のTTEの中央値の割合として表した:
【数4】
式中、T=治療群のTTEの中央値、およびC=指定された対照群のTTEの中央値。
【0202】
治療有効性:治療有効性は、研究における最終日に残っている動物の腫瘍体積から決定
することができる。MTV(n)は、腫瘍がエンドポイントの体積に達していない残って
いる動物数(n)における研究最終日の腫瘍体積の中央値として定義された。治療有効性
はまた、研究中に観察された回帰反応の発生率および大きさから決定され得る。治療は、
動物の腫瘍の部分的退行(PR)または完全退行(CR)を引き起こし得る。PR反応に
おいて、腫瘍体積は、研究の経過の間における3回の連続した測定については、1日目の
体積の50%以下であり、これらの3回の測定のうちの1回以上については13.5mm
以上であった。CR反応において、腫瘍体積は、研究の経過の間における3回の連続し
た測定については13.5mm未満であった。研究の終了時にCR反応を有する動物は
、さらに、無腫瘍生存者(TFS)として分類される。動物を、回帰反応についてモニタ
リングした。
【0203】
統計:Windows 6.07用のPrism(GraphPad)は、基本図形に
よる報告および統計的分析に使用した。全生存経験を評価するログランク検定を用いて、
2つの群のTTE値間の有意差を分析した。ログランク分析は、NTR死亡と評価された
ものを除き、群内の全ての動物のデータを含む。有意水準P=0.05で両側統計学的分
析を行った。群中央値腫瘍体積を時間の関数としてプロットした。腫瘍負荷のために動物
が研究を終了したとき、その動物について記録された最終腫瘍体積を、その後の時点にお
ける体積中央値を計算するために使用したデータに含めた。カプランマイヤープロットは
、研究において各群の残っている動物の割合を時間に対して示す。
【0204】
実施例1の動物を、表1に記載されるプロトコルに従って処置した。図1は、全ての研
究群の腫瘍増殖曲線の中央値を示し、図2は、単一薬剤およびビヒクル対照に対する50
mg/kgのHBI-8000とPD-L1阻害剤抗体との組み合わせにおける腫瘍体積
の中央値を示す。図3は、全ての群のKaplan Meierプロットを示し、図4
、単一の薬剤対照に対する50mg/kgのHBI-8000とPD-L1阻害剤抗体と
の組み合わせにおけるKaplan Meierプロットを示す。表2.1は、各治療群
におけるTTEおよびTGD(%)について計算された値を記載する。
表2.1:TTEの中央値およびTGD(%)
【表3】
【0205】
実施例2:
【0206】
本実施例では、HBI-8000を単独療法として、および5mg/kgのPD-L1
阻害剤抗体と組み合わせて試験した。この実験は、ビヒクル処置群およびPD-L1阻害
剤抗体の単独療法群が含まれ、有効性の分析のための対照群の役割を果たした。研究が5
0日目に終了するまで、腫瘍を週2回測定した。各動物は、その腫瘍が1000mm
エンドポイント腫瘍体積に達したとき、または研究の最終日のいずれか早い方に達したと
きに殺処分し、各マウスのエンドポイントまでの時間(TTE)を計算した。処置応答は
、処置マウス対対照マウスに対するエンドポイントまでの時間(TTE)の中央値の増加
率として定義される腫瘍増殖遅延率(TGD(%))の分析から、ならびに群間の生存の
ログランクの有意差および回帰反応によって決定した。
【0207】
マウス:この実施例で使用される動物の詳細は、段落[00193]に見出すことがで
きる。
【0208】
腫瘍細胞培養:この実施例で使用される腫瘍細胞の詳細は、段落[00194]に見出
すことができる。
【0209】
腫瘍移植および測定:この実施例で使用される腫瘍移植および腫瘍増殖の測定の詳細は
、段落[00195]に見出すことができる。この実施例では、各マウスに、5×10
細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。
【0210】
試験物質:この実施例で使用される試験物質の詳細は、段落[00206]に見出すこ
とができる。
【0211】
投与溶液:この実施例で使用される投与溶液の詳細は、段落[00207]に見出すこ
とができる。
【0212】
処置:C57BL/6マウス(n=10)の4つの群に、表3中のプロトコルに従って
投与した。特に記載がない限り、1日目に投与を開始した。HBI-8000を、50m
g/kgで経口投与した。PD-1阻害剤抗体および抗PDL-1はそれぞれ、5mg/
kgで腹腔内投与した。ビヒクル(0.2%カルボキシメチルセルロース:脱イオン水中
の0.1%Tween 80)に、経口投与した。全ての薬剤は、個々の動物の体重当た
りに調整された10mL/kgの投与体積で送達された。
【0213】
表3:
【表4】
【0214】
腫瘍増殖遅延:腫瘍増殖遅延測定および計算の詳細は、段落[00200]に見出すこ
とができる。
【0215】
治療の結果:治療の結果の測定および計算の詳細は、段落[00201]に見出すこと
ができる。
【0216】
治療有効性:治療有効性の測定および計算の詳細は、段落[00202]に見出すこと
ができる。
【0217】
統計:この研究で使用されている統計およびソフトウェアの詳細は、段落[00203
]に見出すことができる。図5は、全ての群についての腫瘍体積の中央値の測定値を示し
図6は、カプランマイヤープロットを示し、研究において各群の残っている動物の割合
を時間に対して示す。表3.1は、各治療群におけるTTEおよびTGD(%)について
計算された値を記載する。
表3.1:TTEおよびTGD(%)
【表5】
【0218】
実施例3
【0219】
このモデルでは、PD-1チェックポイント阻害剤抗体を用いて第1選択で処置された
動物の割合は、完全な腫瘍退行を経験する。しかしながら、PD-1阻害剤抗体で第1選
択で処置された動物の同様の割合は、急速な腫瘍進行を経験する。このような方法で処置
された動物のバランスは、腫瘍の進行の遅延、または安定した疾患を経験し、これは、P
D-1阻害剤抗体療法を受けている多数のヒトがん患者の状況に近似した結果であり、す
なわち、過渡の部分反応を経験し、安定した疾患を含むが、PD-1阻害剤抗体療法に失
敗すると耐性を生じ、急速に進行する。この実施例では、第2選択療法として単独で及び
PDL-1阻害剤抗体10F.9G2(抗PDL-1)と組み合わせたHBI-8000
(DZ1)の有効性を、免疫応答性C57BL/6マウスのMC38ネズミ結腸癌腫同系
モデルにおけるPD-1阻害剤抗体の第1選択療法の後に腫瘍が進行した動物における腫
瘍増殖遅延(TGD)を引き起こす能力について評価した。したがって、PD-1阻害剤
抗体治療に失敗したヒト患者のための診療所での必要性に対応する。
【0220】
皮下MC38腫瘍(治療開始時に平均腫瘍体積:114mm)を有する雌C57BL
/6マウスを、PD-1阻害剤抗体治療の第1選択療法で治療し、5mg/kgで腹腔内
に(ip)、週2回2週間(週2回×2)投与した。腫瘍が失敗基準を満たし、腫瘍体積
が2回連続して増加し、腫瘍体積が<500mmであることが示されたとき、これらは
、6つの群(1群当たりn=10)のマウスからなる第2選択療法有効性研究で再導入さ
れた(MC38-e094-e099研究)。健康回復の日を示し、マウス(これは各群
に対して正規化された)によって異なるD1で投与が開始された。第2選択療法は、以下
の通りであった。ビヒクルを、経口投与(p.o.)した。HBI-8000を、50m
g/kgで経口投与した。PD-1阻害剤抗体および抗PDL-1はそれぞれ、5mg/
kgで腹腔内に(i.p)投与した。群1のマウスは対照として役立ち、脱イオン水(ビ
ヒクル)中の0.2%カルボキシメチルセルロース:0.1%Tween 80を1日1
回21日間(1日1回×21)投与した。群2は、HBI-8000を1日1回×21受
けた。群3は、PD-1阻害剤抗体の第2コースを週2回×2受けた。群4は、HBI-
8000を1日1回×21およびPD-1阻害剤抗体を週2回×2投与した。群5は、抗
PDL-1を週2回×2受けた。群6は、HBI-8000を1日1回×21および抗P
DL-1を週2回×2受けた。研究のエンドポイントは、腫瘍体積が1500mmであ
るか、または45日間のいずれか早い時点であった。腫瘍体積エンドポイントに達した時
点で、個々の動物が研究を終了するD44まで、腫瘍の測定を週2回行った。
【0221】
マウス:最初のPD-1阻害剤抗体処置の開始時に、雌C57BL/6マウス(Cha
rles River)は8週齢であり、BW範囲は18.1~24.1gであった。動
物は、不断水(逆浸透、1ppmのCl)、ならびに18.0%の粗タンパク質、5.0
%の粗脂肪、および5.0%の粗繊維からなるNIH 31 Modified and
Irradiated Lab Diet(登録商標)を与えられた。マウスを、20
~22℃(68~72°F)および40~60%湿度で12時間の照明サイクルにおいて
、静電マイクロソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標)Bed
dingに収容した。
【0222】
腫瘍移植および測定:この実施例で使用される腫瘍移植および腫瘍増殖の測定の詳細は
、段落[00195]に見出すことができる。この実施例では、各マウスに、5×10
細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。
【0223】
試験物質:HUYA Bioscience InternationalからHBI
-8000(Lot No.1384:0033)を提供した。PD-1阻害剤抗体RM
PI-14(ロット番号5611-10/0615)およびPDL-1抗体10F.9G
2(抗PDL-1、ロット番号5786-7-8/0815)をBio X cell(
West Lebanon,NH)から購入した。全ての薬剤は、プロトコルの指示に従
って調製した。
【0224】
0.2%CMC:0.1%Tween 80で希釈することによりHBI-8000を
調製し、5mg/mLの投与溶液を得た。投与溶液を毎週新たに調製し、4℃で保存した
。PD-1阻害剤抗体抗体投与溶液は、ストックのアリコート(8.62mg/mL)を
滅菌PBS中に0.5mg/mLになるまで希釈することにより調製した。投与溶液を週
2回調製し、4℃で保存した。抗PDL-1抗体投与溶液は、ストックのアリコート(5
.37mg/mL)を滅菌PBS中に0.5mg/mLになるまで希釈することによって
調製した。抗PDL-1抗体投与溶液を週2回調製し、4℃で保存した。
【0225】
処置:この研究の最初のPD-1阻害剤抗体の失敗部分については、120 C57B
L/6マウスに、5mg/kgで第1選択のPD-1阻害剤抗体を週2回×2腹腔内投与
した。再登録の基準を満たしている動物は、有効性研究を構成し、これには、腫瘍体積が
2回連続して増加し、500mm未満である動物が含まれた。利用可能になった最初の
60匹の動物を、群が満たされるまで順番に6つの有効性群に入れ、これは、第1選択の
投与の開始後、16日または22日のいずれかに発生した。有効性研究のために、C57
BL/6マウス(n=10)の6つの群に、表4中のプロトコルに従って投与した。第2
選択療法は、各個々の動物の登録日である1日目に開始した。
【0226】
表4:
【表6】
【0227】
腫瘍増殖遅延:腫瘍増殖遅延の測定および計算の詳細は、段落[00200]に見出す
ことができる。
【0228】
治療の結果:治療の結果の測定および計算の詳細は、段落[00201]に見出すこと
ができる。
【0229】
治療有効性:治療有効性の測定および計算の詳細は、段落[00202]に見出すこと
ができる。
【0230】
統計:この研究で使用されている統計およびソフトウェアの詳細は、段落[00203
]に見出すことができる。表5は、受けた治療に対する無応答(NR)、部分応答(PR
)、および完全応答(CR)として分類された各群の応答を示す。図7は、全ての群につ
いての平均腫瘍体積の測定値を示し、図8は、カプランマイヤープロットを示し、研究に
おいて各群の残っている動物の割合を時間に対して示す。
【0231】
表5.実施例3におけるPD-1阻害剤抗体を用いた初期療法に失敗した後の進行性MC
38腫瘍を担持するマウスにおける異なる処置に対する応速度
【表7】
【0232】
実施例4-HDAC酵素阻害アッセイ
【0233】
HDACアイソタイプのチダミド阻害の選択性および効力のアッセイは、ヒト組換えH
DACタンパク質を使用し、Ningらに記載されるように行う。全ての酵素反応物を、
HDACアッセイ緩衝液(BPSカタログ番号50031)、5μgのBSA、HDAC
基質、精製された組換えHDAC酵素、および試験化合物を所定の濃度で含む50μlの
反応混合物中、室温で17時間インキュベートする。酵素反応後、50μlの29 HD
AC現像液(BPSカタログ番号50030)を各ウェルに添加し、プレートを室温でさ
らに20分間インキュベートする。蛍光強度は、BioTek(Winooski,VT
,USA)からのSynergy(商標)2マイクロプレートリーダーを用いて、360
nmの励起および460nmの発光で測定する。各化合物の濃度は二重に行う。濃度反応
阻害曲線を分析することにより、IC50値を決定する。
【0234】
本発明は、開示された実施形態を参照して説明されているが、当業者は、上に詳述した
特定の実施例および研究は、本発明の単なる例示であることを容易に理解するであろう。
本発明の精神から逸脱することなく様々な修正を行うことができることを理解されたい。
したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
治療有効量のPD-L1阻害剤および治療有効量の式Iの化合物を含む組み合わせであ
って、
(化1)
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意
に置換される、フェニルまたは複素環式基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、およびフェニルからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換される
、フェニルであり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC -C アルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO -であり、
およびR は、独立して、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素または-NH であり、
、X 、X 、またはX のうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO
、-CN、-COOH、C -C アルキル、C -C アルコキシ、C -C アミ
ノアルキル、C -C アルキルアミノ、C -C アシル、C -C アシルアミノ、
-C アルキルチオ、C -C ペルフルオロアルキル、C -C ペルフルオロア
ルキルオキシ、またはハロゲンもしくはC -C アルキルで任意に置換されるC -C
アルコキシカルボニルであるが、X 、X 、X 、またはX の他のものは、独立し
て、水素であり、
ただし、R が水素である場合、X 、X 、X 、またはX のうちの1つは、-N
、アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である、組み合わせ。
(態様2)
Zは結合である、態様1に記載の組み合わせ。
(態様3)
は水素である、態様1または2に記載の組み合わせ。
(態様4)
Aはピリジンである、態様1~3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様5)
はハロゲンである、態様1~4のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様6)
はフルオロである、態様1~5のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様7)
およびR は、独立して、水素である、態様1~6のいずれか1項に記載の組み合
わせ。
(態様8)
は水素である、態様1~7のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様9)
は-NH である、態様1~8のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様10)
Yは-C(O)NH-CH である、態様1~9のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様11)
前記式Iの化合物が、以下の式を有する、態様1に記載の組み合わせ
(化2)

(態様12)
前記式Iの化合物は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-4-[[[(2E
)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル]
ベンズアミドである、態様1に記載の組み合わせ。
(態様13)
前記式Iの化合物は、約5mgを超える量で存在する、態様1~12のいずれか1項に
記載の組み合わせ。
(態様14)
前記式Iの化合物は、約5mg~約50mgの量で存在する、態様1~12のいずれか
1項に記載の組み合わせ。
(態様15)
前記PD-L1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチ
ボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはその断片もし
くはバリアントである、態様1に記載の組み合わせ。
(態様16)
前記PD-L1阻害剤は抗体である、態様15に記載の組み合わせ。
(態様17)
前記PD-L1阻害剤抗体はモノクローナル抗体である、態様15または16に記載の
組み合わせ。
(態様18)
前記PD-L1阻害剤抗体は、ヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、また
はキメラヒト化抗体を含む、態様15~17のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様19)
前記PD-L1阻害剤抗体は、ヒト抗体またはヒト化抗体である、態様15~18のい
ずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様20)
前記PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS
-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、ST
I-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015(Sorrento
Therapeutics)を含む、態様15~18のいずれか1項に記載の組み合わせ

(態様21)
前記PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、または
BMS-936559を含む、態様15~20のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様22)
前記PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で存在する
、態様15~20のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様23)
前記PD-L1阻害剤抗体は、約0.5mg/kg~約15mg/kgの量で存在する
、態様15~20のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様24)
前記PD-L1阻害剤抗体は、約0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg
、2mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、または20mg/kg
の量で存在する、態様15~20のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様25)
前記組み合わせは、がん患者への投与に好適である、態様1~24のいずれか1項に記
載の組み合わせ。
(態様26)
態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせと、薬学的に許容可能な賦形剤と、を
含む、薬学的組成物。
(態様27)
態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物
を含む、キット。
(態様28)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-L1阻害剤は、前記キット中の個
々の容器に供給される、態様27に記載のキット。
(態様29)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-L1阻害剤は、異なる製剤を含む
、態様27または28に記載のキット。
(態様30)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、経口投与のために製剤化される、態様27~2
9のいずれか1項に記載のキット。
(態様31)
前記PD-L1阻害剤前記組み合わせは、非経口投与用に製剤化される、態様27~3
0のいずれか1項に記載のキット。
(態様32)
前記非経口投与は、静脈内(IV)投与を含む、態様31に記載の方法。
(態様33)
少なくとも1つの投与デバイスをさらに含む、態様27~32のいずれか1項に記載の
キット。
(態様34)
前記キット中の構成要素は、滅菌されている、態様27~33のいずれか1項に記載の
キット。
(態様35)
がんを治療するための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載
の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する
ことを含む、方法。
(態様36)
前記がんは、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、
メラノーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠
芽細胞腫、結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪
性末梢鞘腫瘍(MPNST)からなる群から選択される固形腫瘍がんである、態様35に
記載の方法。
(態様37)
前記がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノーマ、卵巣癌、乳癌、膵
臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌である、態様36に記載の方法。
(態様38)
前記がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、リードス
テルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病
(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、または慢性リンパ性白血病(CLL)であ
る、態様35に記載の方法。
(態様39)
前記がん患者は、治療未経験である、態様35~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様40)
前記がん患者は、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノーマ、卵巣癌、乳癌
、膵臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌に対して治療未経験である、態様39に記載の方
法。
(態様41)
前記組み合わせは、一次治療として前記がん患者に投与される、態様35~40のいず
れか1項に記載の方法。
(態様42)
前記組み合わせは、二次、三次、四次、五次、または六次治療として前記がん患者に投
与される、態様35~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様43)
前記組み合わせは、少なくとも1つの抗癌治療による治療後に前記がん患者に投与され
る、態様35~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様44)
前記抗癌治療は、化学療法、放射線療法、外科手術、標的療法、免疫療法、またはこれ
らの組み合わせを含む、態様43に記載の方法。
(態様45)
前記がんは、少なくとも1つの抗癌剤に耐性がある、態様35~44のいずれか1項に
記載の方法。
(態様46)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-L1阻害剤は、同時にまたは連続
的に投与される、態様35~44のいずれか1項に記載の方法。
(態様47)
前記式Iの化合物は、1週間に2~3回投与される、態様35~46のいずれか1項に
記載の方法。
(態様48)
前記式Iの化合物は、毎日投与される、態様35~46のいずれか1項に記載の方法。
(態様49)
PD-L1阻害剤および前記式Iの化合物は、投与レジメンの1日目に併用投与される
、態様35~47のいずれか1項に記載の方法。
(態様50)
前記PD-L1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチ
ボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそのバリアン
トである、態様35~48のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様51)
前記PD-L1阻害剤は、PD-L1阻害剤抗体である、態様50に記載の方法。
(態様52)
前記PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS
-936559、STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、ST
I-A1013、STI-A1014、またはSTI-A1015(Sorrento
Therapeutics)を含む、態様51に記載の方法。
(態様53)
前記PD-L1阻害剤抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、または
BMS-936559を含む、態様51に記載の方法。
(態様54)
前記組み合わせは、レジメンとして前記患者に投与される、態様35に記載の方法。
(態様55)
前記レジメンは、疾患の進行または許容不可能な毒性まで繰り返される、態様53に記
載の方法。
(態様56)
前記レジメンは、連続投与期間の間に少なくとも1日の休止期間を含む、態様53に記
載の方法。
(態様57)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、前記レジメンにおいて1週間に2~3回投与さ
れ、前記PD-L1阻害剤抗体は、2~3週間毎に投与される、態様53に記載の方法。
(態様58)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、前記レジメンにおいて21日間1日1回投与さ
れ、前記PD-L1阻害剤抗体は、2~3週間毎に投与される、態様53に記載の方法。
(態様59)
前記がんを治療する方法は、前記患者の前記がんの転移を阻害する、態様35~57の
いずれか1項に記載の方法。
(態様60)
前記がんを治療する方法は、前記患者の腫瘍または腫瘍負荷を減少させる、態様35~
57のいずれか1項に記載の方法。
(態様61)
前記がんを治療する方法は、前記患者における前記がんの既存の転移を阻害する、態様
35~57のいずれか1項に記載の方法。
(態様62)
前記がんを治療する方法は、前記患者の前記がんの疾患の進行までの時間を延長する、
態様35~57のいずれか1項に記載の方法。
(態様63)
前記がんを治療する方法は、前記患者の生存を延長させる、態様35~57のいずれか
1項に記載の方法。
(態様64)
前記がんを治療する方法は、前記患者の無増悪生存期間を増加させる、態様35~57
のいずれか1項に記載の方法。
(態様65)
骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルの低下を必要とする患者におけるその
レベルを低下させるための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記
載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物をそれを必要とする患者に投与する
ことと、前記投与後のMDSCのレベルを判定することと、を含む、方法。
(態様66)
調節性T細胞(Treg細胞)のレベルの低下を必要とする患者におけるそのレベルを
低下させる方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせ
または態様26に記載の薬学的組成物をそれを必要とする患者に投与することと、前記投
与後のTreg細胞のレベルを判定することと、を含む、方法。
(態様67)
がん患者におけるインビボでのナチュラルキラー(NK)の活性または細胞傷害性T細
胞活性を増強するための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載
の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物を、前記患者に投与することを含み、
前記組み合わせは、前記組み合わせの非存在と比較して前記NKまたは細胞傷害性T細胞
の活性を増加させる、方法。
(態様68)
がん患者における抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強するための方法であって、治
療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学
的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
(態様69)
がんを治療するための方法であって、治療有効量の、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(
HDAC阻害剤)およびPD-L1阻害剤の組み合わせを、治療を必要とし、かつそのが
んがPD-1阻害剤でこれまでに治療されたことがある対象に投与することを含む、方法

(態様70)
PD-1阻害剤による治療後の前記がんは、部分的応答をもたらしたが、後に疾患の進
行に伴ってPD-1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様71)
PD-1阻害剤による治療後のがんは、安定した疾患をもたらしたが、後に疾患の進行
に伴ってPD-1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様72)
PD-1阻害剤による治療後のがんは、完全な応答をもたらしたが、後に疾患の進行に
伴ってPD-1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様73)
PD-1阻害剤による治療後のがんは、治療に応答しない、態様69に記載の方法。
(態様74)
前記PD-L1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチ
ボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはその断片もし
くはバリアントである、態様69~73に記載の方法。
(態様75)
前記PD-L1阻害剤は、抗体を含む、態様69~74に記載の方法。
(態様76)
前記抗体は、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、BMS-936559、
STI-A1010、STI-A1011、STI-A1012、STI-A1013、
STI-A1014、またはSTI-A1015のうちの1つ以上を含む、態様75に記
載の方法。
(態様77)
前記HDAC阻害剤は、式Iの化合物を含み、
(化3)
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意
に置換される、フェニルまたは複素環式基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、およびフェニルからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換される
、フェニルであり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC -C アルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO -であり、
およびR は、独立して、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素または-NH であり、
、X 、X 、またはX のうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO
、-CN、-COOH、C -C アルキル、C -C アルコキシ、C -C アミ
ノアルキル、C -C アルキルアミノ、C -C アシル、C -C アシルアミノ、
-C アルキルチオ、C -C ペルフルオロアルキル、C -C ペルフルオロア
ルキルオキシ、またはハロゲンもしくはC -C アルキルで任意に置換されるC -C
アルコキシカルボニルであるが、X 、X 、X 、またはX の他のものは、独立し
て、水素であり、
ただし、R が水素である場合、X 、X 、X 、またはX のうちの1つは、-N
、アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である、態様69~76に記載の方法

(態様78)
前記HDAC阻害剤は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-4-[[[(2
E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル
]ベンズアミドである、態様77に記載の方法。
(態様79)
前記HDAC阻害剤は、以下の式を有する、態様77に記載の方法
(化4)

(態様80)
前記HDAC阻害剤は、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノス
タット、エンチノスタット、モセチノスタット、ジビノスタット、プラクチノスタット、
キシノスタット、アベキシノスタット、chr-3996、およびAR-42からなる群
のうちの1つ以上から選択される、態様69~76に記載の方法。
(態様81)
治療される前記がんは、前立腺、皮膚、卵巣癌;心臓、胎盤、骨格筋、および肺を含む
非リンパ様実質性臓器の癌;乳癌;マントル細胞リンパ腫、非ホジキンB細胞リンパ腫、
PTCL、腺腫、扁平上皮癌、喉頭癌、唾液腺癌、胸腺腫、および胸腺癌などの種々のリ
ンパ腫を含む頭頸部癌;白血病;網膜の癌;食道の癌;多発性骨髄腫;メラノーマ;結腸
直腸癌;肺癌;子宮頸癌;子宮内膜癌;胆嚢癌;肝臓癌;甲状腺濾胞癌;胃癌;非小細胞
肺癌;神経膠腫;尿路上皮癌;膀胱癌;前立腺癌;腎細胞癌;浸潤性腺管癌;ならびに多
形性膠芽腫のうちの1つ以上である、態様69~80に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8