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特許7190549HDAC阻害剤とPD-1阻害剤との組み合わせ療法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】HDAC阻害剤とPD-1阻害剤との組み合わせ療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4406 20060101AFI20221208BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221208BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A61K31/4406 ZMD
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/395 M
A61K39/395 T
A61K39/395 E
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167113
(22)【出願日】2021-10-12
(62)【分割の表示】P 2018559736の分割
【原出願日】2017-05-11
(65)【公開番号】P2022017296
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】62/436,361
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/335,044
(32)【優先日】2016-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512123949
【氏名又は名称】フヤバイオ インターナショナル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】レイド ピー. ビッソンネッテ
(72)【発明者】
【氏名】アラン ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ミレイレ ギリングス
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157162(WO,A1)
【文献】Cancer Chemotherapy and Pharmacology,2012年,69(4),pp.901-909
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物を含む、それを必要とする対象においてがんを治療するための薬学的組成物であって、
【化1】
PD-1阻害剤と組み合わせて使用される、前記薬学的組成物。
【請求項2】
前記対象が、過去にチェックポイント阻害剤で治療されていない、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記薬学的組成物が、レジメンとして投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記薬学的組成物が、1日1回(Q.D.)、1日おきに1回(Q.O.D.)、週1回(Q.W.)、週2回(BIW)、又は週3回(TIW)投与される、請求項3記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記薬学的組成物が、2週間毎に投与される、請求項3記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.05mg~200mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg~100mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg~10mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記薬学的組成物が、前記対象の体重の1kg当たり約0.5mg(mpk)BIWの量で投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記PD-1阻害剤が、約30分間にわたって静脈内注入として投与される、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記がんが、血液癌である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記血液学的癌が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、リードステルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、又は慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記固形腫瘍が、扁平上皮細胞癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、メラノーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠芽細胞腫、結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、又は悪性末梢鞘腫瘍(MPNST)である、請求項13記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記PD-1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られる)、PDR001、SHR-1210、又はMEDI0680である、請求項1記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2016年5月11日に出願された米国仮特許出願第62/335,044
号および2016年12月19日に出願された米国仮特許出願第62/436,361号
の優先権を主張するものであり、これらは、全ての表、図、および特許請求の範囲を含め
て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、HDACiおよびPD-1阻害剤の組み合わせ、ならびにがんの治療におけ
るこのような組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
がんは、世界的に罹患率および死亡率の重要な原因である。多くの異なるがん型の治療
基準が長年にわたって大幅に改善されているが、現行の治療基準は、がんの治療を改善す
るための有効な治療の必要性を依然として満たしていない。細胞傷害性Tリンパ球関連タ
ンパク質4(CTLA-4)、ならびにプログラム細胞死受容体-1(PD-1)および
そのリガンドPD-L1を標的とする免疫腫瘍剤の臨床使用は、多くのがん型の治療にお
ける治療基準にわたって改善をもたらしている。これらのチェックポイント阻害剤は、こ
のようなある特定のがんにおいて改善された臨床応答を生成しているが、持続的な臨床応
答は、約10~45%の患者においてのみ起こる。さらに、かなりの数の腫瘍は、耐性で
あるか、または不応性になる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)などのエピ
ジェネティック修飾因子は、いくつかの血液悪性腫瘍の治療に成功しているが、固形腫瘍
に対する活性を示す前臨床データにもかかわらず、この結果は単独療法として臨床には移
行していない。したがって、当該技術分野において、例えば、がんの治療のための組み合
わせ療法を含む、新しい療法が必要とされている。本明細書に提供されるものは、当該技
術分野におけるこれらおよび他の問題に対する解決策である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書において、とりわけ、HDAC阻害剤(HDACi)およびPD-1阻害剤を
含む組み合わせが提供される。この組み合わせには、式Iの化合物およびPD-1阻害剤
が含まれる。場合によっては、PD-1阻害剤は、PD-1抗体である。
【0005】
第1の態様では、治療有効量のPD-1阻害剤および治療有効量の式Iの化合物を含む
組み合わせであり、
【化1】

Aは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-Cペルフ
ルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置
換される、フェニルまたは複素環基である。Bは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミ
ノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、
-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロア
ルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボニル、およびフェニルからなる群から選択さ
れる1~3個の置換基で任意に置換される、フェニルである。Yは、直鎖である-CO-
を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W2)と、当該部分Yにおける
水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、それぞれ、W1-W2=約6
.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2-W3=約4.0Å~約8.
0Åである。Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-C
O-、-CS-、-SO-、または-SO-である。RおよびRは、独立して、水
素またはC-Cアルキルである。Rは、水素またはC-Cアルキルである。R
は、水素または-NHである。X、X、X、またはXのうちの1つは、ハロ
ゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C
アルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-C
シル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアル
キル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、またはハロゲンまたはC-Cアルキ
ルで任意に置換されたC-Cアルコキシカルボニルであるが、X、X、X、ま
たはXの他のものは、独立して、水素であるが、ただし、Rが水素である場合に、X
、X、X、またはXのうちの1つは、-NH、アミノアルキル基、またはアル
キルアミノ基である。
【0006】
一実施形態において、式Iの化合物は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-
4-[[[(2E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]
アミノ]メチル]ベンズアミド(本明細書ではHBI-8000と称する)またはチダミ
ドである。
【0007】
別の実施形態において、PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク
質、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、ま
たはそのバリアントである。
【0008】
さらに別の実施形態において、PD-1阻害剤は、抗体である。
【0009】
さらに別の実施形態において、PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジ
リズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR0
01、SHR-1210、またはMEDI0680から選択される。
【0010】
別の態様では、本明細書に記載される組み合わせと、薬学的に許容可能な賦形剤と、を
含む薬学的組成物がある。
【0011】
さらに別の態様では、本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を含むキッ
トがある。
【0012】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を、それを必要とする患者に投与することによってがんを治療するための方法がある。
【0013】
一実施形態において、本方法に含まれる組み合わせは、式Iの化合物およびPD-1抗
体を含む。PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2
810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-121
0、またはMEDI0680であり得る。
【0014】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を投与することによって、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルの軽減を必
要とする患者におけるそのレベルを軽減させるための方法がある。
【0015】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成
物を投与することによって、調節性T細胞(Treg細胞)のレベルの軽減を必要とする
患者におけるそのレベルを軽減させるための方法がある。
【0016】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を投
与することによって、がん患者におけるインビボでのナチュラルキラー(NK)の活性ま
たは細胞傷害性T細胞活性を増強するための方法がある。
【0017】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせまたは薬学的組成物を投
与することによって、がん患者における抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強するため
の方法である。
【0018】
さらに別の態様では、治療を必要とし、そのがんがPD-L1阻害剤でこれまでに治療
されたことがある対象に投与される、治療有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HD
AC阻害剤)およびPD-1の組み合わせを使用して、疾患、障害を治療する、または例
えばがんなどの疾患および障害の症状を緩和もしくは排除するための方法がある。
【0019】
他の態様では、本明細書に開示される方法は、対象における原発性腫瘍の転移を低減ま
たは防止する。
【0020】
本明細書に記載される方法は、治療有効量の、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤およびP
D-1阻害剤の組み合わせを投与することを含む。この実施形態の一態様では、ヒストン
デアセチラーゼ阻害剤は、1つ以上の式Iの化合物である。この実施形態のいくつかの態
様では、式Iの化合物は、以下の構造を有する:
【化2】
【0021】
さらに別の態様では、式Iの化合物は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-
4-[[[(2E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]
アミノ]メチル]ベンズアミドである。いくつかの態様では、式Iの化合物は、約5mg
を超える量または約5~50mgの量で投与される。
【0022】
いくつかの態様では、PD1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、
抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、または
そのバリアントである。いくつかの態様では、PD-1阻害剤は、AMP-24、または
モノクローナル抗体などの抗体、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ
、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、S
HR-1210、またはMEDI0680などのヒト抗体またはヒト化抗体を含む。いく
つかの態様では、PD-1抗体は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、また
は5mg/kgの量で投与される。
【0023】
いくつかの態様では、治療されるがんは、前立腺、皮膚、卵巣癌;心臓、胎盤、骨格筋
、および肺を含む非リンパ様実質性臓器の癌;乳癌;マントル細胞リンパ腫、非ホジキン
B細胞リンパ腫、PTCL、腺腫、扁平上皮癌、喉頭癌、唾液腺癌、胸腺腫、および胸腺
癌などの種々のリンパ腫を含む頭頸部癌;白血病;網膜の癌;食道の癌;多発性骨髄腫;
メラノーマ;結腸直腸癌;肺癌;子宮頸癌;子宮内膜癌;胆嚢癌;肝臓癌;甲状腺濾胞癌
;胃癌;非小細胞肺癌;神経膠腫;尿路上皮癌;膀胱癌;前立腺癌;腎細胞癌;浸潤性腺
管癌;ならびに多形性膠芽腫のうちの1つ以上である。
【0024】
さらに他の態様では、HDAC阻害剤とPD-1阻害剤の組み合わせを使用して転移を
低減または予防するための方法であって、その組み合わせを、原発性腫瘍の治療より前に
、同時に、その後に、またはそれらの組み合わせが投与される。原発性腫瘍の治療には、
放射線、外科手術、化学療法、免疫療法、標的療法、ホルモン療法、幹細胞移植、凍結療
法、レーザー療法、および精密医療のうちの1つ以上が含まれ得る。原発性腫瘍には、乳
房、肺、膀胱、皮膚、腸、結腸、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、脳、胃、甲状腺、頭頸部、
胃食道管、結合組織または他の非上皮組織、リンパ球、または子宮のがんが含まれ得るが
、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、原発性腫瘍は、トリプルネガテ
ィブであり得る進行性転移性乳癌である乳癌である。いくつかの態様では、HDACiを
単独で使用して、その組み合わせを用いて治療する前に腫瘍を一定期間プライミングする
。プライミングの期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、1週間超、2
週間、2週間超、3週間、または3週間超であり得る。プライミングのいくつかの態様で
は、HDACiは、その組み合わせを用いた治療の前に、2週間毎にまたは3週間毎に投
与される。
【0025】
さらなる態様では、本明細書の開示は、(i)原発性腫瘍の転移を減少させるための使
用;(ii)がんの再発を予防または遅延すること;(iii)疾患または腫瘍のない生
存時間を延長すること;(iv)全生存期間を延長すること;(v)治療の頻度を減少さ
せること;(vi)がんの1つ以上の症状を軽減すること、および(vii)腫瘍負荷を
減少させることのためのキットを含む。このキットには、HDACiおよびPD-1阻害
剤が含まれる。キットのいくつかの態様では、HDACiおよびPD-1阻害剤は、別々
の製剤を含む。いくつかの態様では、PD-1阻害剤およびHDACiは、異なる容器に
ある。キットには、投与のための使用説明書ならびに/または試薬および医療デバイスが
含まれ得る。
【0026】
別の態様では、本明細書の開示は、HDACiおよびPD-1阻害剤の組み合わせを用
いて原発性癌を有する対象を治療するための方法を提供し、その結果、以下のうちの1つ
以上が生じる:(i)腫瘍転移を低減または遅らせる;(ii)がんの再発を予防または
遅延させる;(iii)疾患または腫瘍のない生存時間を延長する;(iv)全生存期間
を増加させる;(v)治療の頻度を減少させる;(vi)がんの1つ以上の症状または上
記の組み合わせを緩和する;ならびに(vii)腫瘍負荷を減少させる。この方法のいく
つかの実施形態において、患者は、PD-L1チェックポイント阻害剤でこれまでに治療
されたことがある。
【0027】
本明細書に開示される方法のいくつかの態様では、減少した転移は、副腎、脳、および
/または脊髄、骨、肺、肝臓、および/または胸膜、胃腸管、腹膜、筋肉、リンパ節、お
よび皮膚のうちの1つ以上の転移である。
【0028】
本明細書に開示される方法のさらに他の態様では、転移を減少または予防するための方
法であり、この組み合わせで治療される対象の原発性腫瘍または二次腫瘍が、乳房、肺、
膀胱、皮膚、腸、結腸、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、肝臓、脳、胃、甲状腺、頭頸部、胃
食道管、骨髄、リンパ球、結合組織または他の非上皮組織、および子宮のがんである。こ
の方法のいくつかの態様では、がんは、トリプルネガティブの乳癌である。
【0029】
本方法のいくつかの態様では、本方法は、対象へのE-セレクチン阻害剤、またはプレ
リキサホル、またはE-セレクチン阻害剤とプレリキサホルの組み合わせによる治療をさ
らに含む。本方法のいくつかの態様では、E-セレクチン阻害剤および/またはプレリキ
サホルは、HDACiおよびPD-1の組み合わせより前に、同時に、またはその後に、
またはその前に、同時に、もしくはその後の組み合わせで投与される。
【0030】
本方法のいくつかの態様では、治療は、αvインテグリン阻害剤、またはエタラシズマ
ブ、インテツムマブ、もしくはアビツズマブを含む群からの抗体、またはαvインテグリ
ン阻害剤と、エタラシズマブ、エタラシズマブ、インテツムマブ、もしくはアビツズマブ
を含む群からの抗体との組み合わせで対象を治療することをさらに含む。この実施形態の
他の態様では、治療は、対象をマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤で治療すること
をさらに含み、当該マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、HDACiおよびPD
-1阻害剤より前に、同時に、またはその後に、またはその前に、同時に、もしくはその
後の組み合わせで投与される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本明細書の実施例1に記載される研究に記載される研究における全ての群における時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)を示す。
【0032】
図2】本明細書の実施例1に記載される研究における50mg/kgの化合物(HBI-8000)で処置したマウスにおける時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍増殖を示す。
【0033】
図3】は、本明細書の実施例1に記載される研究において試験した全ての群についての生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0034】
図4】本明細書の実施例1に記載される研究において50mg/kgの化合物(HBI-8000)で処置したマウスの生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0035】
図5】本明細書の実施例2に記載される研究における全ての群に時間(日数、x軸)に対する腫瘍体積の中央値(mm、y軸)としての群の腫瘍増殖を示す。
【0036】
図6】本明細書の実施例2に記載される研究において試験した全ての群についての生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0037】
図7】本明細書の実施例2における各動物に対するエンドポイントを研究するまでの個々の時間を示す。
【0038】
図8】本明細書の実施例3に記載される研究における生存率(カプランマイヤー)を示す。
【0039】
図9】本明細書の実施例3における各動物に対するエンドポイントを研究するまでの個々の時間を示す。
【0040】
図10】本明細書の実施例4に記載される研究のための転移性肺病巣の数を示す。
【0041】
図11】全ての研究群における中央値腫瘍体積曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
定義
全ての特許、出願、公開された出願、および他の刊行物は、その全体が参照により組み
込まれる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語
は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する
。本明細書に記載される化学構造および式は、化学技術において知られている化学原子価
の標準規則に従って構築される。描写された構造とその構造に与えられた名前との間に相
違がある場合、描写された構造はより重視されるべきである。構造または構造の一部の立
体化学が、示された構造または図示された構造の一部に示されていない場合、示された構
造は、その可能な立体異性体の全てを包含するものとして解釈されるべきである。
【0043】
本明細書に記載されたものと類似または等価な任意の方法、デバイス、および材料は、
本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書において頻繁に使
用される特定の用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定するもので
はない。本明細書の用語の定義が複数ある場合は、特に断りのない限り、このセクション
の定義が優先される。本明細書で使用される見出しは、組織的な目的のみのためであり、
本明細書に記載される発明を決して限定するものではない。
【0044】
「PD-1阻害剤」という用語は、ヒトPD-1(例えば、マウス)のバリアント、ア
イソフォーム、種相同体、およびPD-1を有する少なくとも1つの共通エピトープを有
する類似体を含む、PD-1(例えば、プログラム細胞死1リガンド;PD-1(CD2
79);GI:145559515)の活性または発現を低下させ、阻害し、遮断し、無
効にする、または妨害する部分(例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体)を指す。
PD-1阻害剤は、例えば、化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボディ、ダイア
ボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、ならびにその断片またはバリアント
などの分子および巨大分子を含む。したがって、本明細書で使用されるPD-1阻害剤は
、PD-1の活性または発現を拮抗する任意の部分を指す。PD-1阻害剤効力は、例え
ば、50%の阻害剤濃度(最大阻害剤濃度の半分またはIC50)によって測定すること
ができる。PD-1阻害剤は、本明細書に記載される例示的な化合物および組成物を含む
。PD-1抗体は、本明細書に記載されるモノクローナルまたはポリクローナル抗体であ
るPD-1阻害剤を指す。
【0045】
「ニボルマブ」、「ペンブロリズマブ」、「ピジリズマブ」、「AMP-224」、「
REGN2810」、「PDR001」、「SHR-1210」、「SAR-43968
4」、および「MEDI0680」という用語は、当該技術分野で理解されているように
、それらの単純かつ通常の意味に従って使用される。
【0046】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され
、少なくとも2個以上のアミノ酸を含む任意の分子を指す。
【0047】
「有効量」という用語は、記載された目的を達成する、またはそうでなければそれが投
与される効果に達するのに十分である治療剤(例えば、本明細書に記載される組み合わせ
または本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性薬剤)の量を指す。有効量は、所与の
疾患、障害、もしくは病態および/またはそれに関連する症状の進行、発生、再発、重症
度および/または持続時間を低減および/または改善するのに十分であり得るか、または
ポリペプチド(例えば、PD-1)の活性のレベルを低下させるのに十分であり得る。有
効量は、「治療有効量」であり得、例えば、所与の疾患、障害、もしくは病態の進歩また
は進行の軽減または改善、所与の疾患、障害、もしくは病態の再発、発症、もしくは発病
の軽減または改善などの治療的利益を提供する、および/または別の治療法の予防的もし
くは治療的効果(複数可)を改善または増強するために十分な量を指す。本明細書に記載
される組成物の治療有効量は、別の治療剤の治療効果を高めることができる。
【0048】
「レジメン」という用語は、疾患、障害、または病態を治療するための1つ以上の治療
剤(例えば、本明細書に記載される組み合わせまたは本明細書に記載される抗癌剤などの
別の活性薬剤)の投与を投与するおよびタイミングを決めるプロトコルを指す。レジメン
は、当該技術分野で知られているように、有効な投与期間および休止期間を含み得る。有
効な投与期間には、本明細書に記載される組み合わせおよび組成物の投与ならびにそのよ
うな組み合わせおよび組成物の有効性の持続時間が含まれる。本明細書に記載されるレジ
メンの休止期間には、化合物が積極的に投与されない期間が含まれ、場合によっては、そ
のような化合物の有効性が最小限であり得る期間も含まれる。本明細書に記載されるレジ
メンにおける有効な投与と休薬の組み合わせは、本明細書に記載される組み合わせおよび
組成物の投与の効力および/または持続時間を増加させることができる。
【0049】
「療法(therapies)」および「療法(therapy)」という用語は、疾
患、障害、もしくは病態、またはその1つ以上の症状の予防、治療、管理、および/また
は改善に使用することができる任意のプロトコル(複数可)、方法(複数可)、および/
または薬剤(複数可)を指す。場合によっては、この用語は、本明細書に記載される抗癌
剤などの他の活性剤を指す。「療法」および「療法」という用語は、抗ウイルス療法、抗
細菌療法、抗真菌療法、抗癌療法、生物学的療法、支持療法、および/あるいは当業者、
例えば医師などの医学の専門家に知られている疾患、障害、もしくは病態、またはその1
つ以上の症状の治療、管理、予防、または改善に有用な他の療法を指す。
【0050】
「患者」または「対象」という用語は、ヒト、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、類
人猿、ヤギ、ヒツジ、ウシ、またはシカなどの哺乳動物を指す。一般に、本明細書に記載
される患者はヒトである。
【0051】
「阻害」、「阻害する」、「阻害している」という用語は、ポリペプチドの活性もしく
は発現の低下、または疾患、障害、もしくは病態、またはそれらの症状の軽減もしくは改
善を指す。ここで使用されるような阻害は、刺激を部分的または完全に遮断し、活性化を
減少、防止、または遅延させるか、またはタンパク質もしくは酵素の活性を不活性化、脱
感作、または下方制御することを含み得る。
【0052】
本明細書に記載される抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、異種、
同種、もしくは同系の形態およびそれらの修飾されたバージョン(例えば、ヒト化または
キメラ)を含み得る。「抗体」とは、特定の分子抗原に結合することができ、2つの同一
のポリペプチド鎖の対で構成され、免疫グロブリンクラスのポリペプチド内のB細胞のポ
リペプチド産物を意味することを意図しており、各対は、1つの重鎖(約50~70kD
a)および1つの軽鎖(約25kDa)を有し、各鎖の各アミノ末端部分は、約100~
約130個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含み、各鎖の各カルボキシ末端部分は
、定常領域を含む(Borrebaeck(ed.)(1995)Antibody E
ngineering,Second Edition,Oxford Univers
ity Press.、Kuby(1997)Immunology,Third Ed
ition,W.H.Freeman and Company,New Yorkを参
照されたい)。本明細書に記載される抗体によって結合することができる特定の分子抗原
には、PD-1およびそのエピトープが含まれる。
【0053】
「モノクローナル抗体(複数可)」という用語は、抗原の特定のエピトープと免疫反応
することができる1つの種の抗原結合部位を含む抗体分子の集団を指し、「ポリクローナ
ル抗体(複数可)」という用語は、特定の抗原と相互作用することができる複数の種の抗
原結合部位を含む抗体分子の集団を指す。モノクローナル抗体は、典型的には、それが免
疫反応する特定の抗原に対して単一の結合親和性を示す。例えば、本発明に従って使用さ
れるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and
Milstein.,Nature,256:495-97(1975)、Hongo
et al.,Hybridoma,14(3):253-260(1995)、Ha
rlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manu
al,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,
2nd ed.1988)、Hammerling et al.,in:Monocl
onal Antibodies and T-Cell Hybridomas 56
3-681(Elsevier,N.Y.,1981))、組換えDNA法(例えば、米
国特許第4,816,567号を参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clac
kson et al.,Nature,352:624-628(1991)、Mar
ks et al.,J Mol.Biol.222:581-597(1992)、S
idhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(20
04)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-10
93(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
101(34):12467-12472(2004)、およびLee et al.
,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004
)を参照、ならびにヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部もしくは全部またはヒト免疫グロ
ブリン配列をコードする遺伝子を有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を産生するた
めの技術(例えば、WO1998/24893、WO1996/34096、WO199
6/33735、WO1991/10741、Jakobovits et al.,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993)、Jako
bovits et al.,Nature 362:255-258(1993)、B
ruggemann et al.,Year in Immunol.7:33(19
93)、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569
,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、および同第5,6
61,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:7
79-783(1992)、Lon berg et al.,Nature 368:
856-859(1994)、Morrison,Nature 368:812-81
3(1994)、Fishwild et al.,Nature Biotechno
l.14:845-851(1996)、Neuberger,Nature Biot
echnol.14:826(1996)、およびLonberg and Husza
r,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を含む、様
々な技術によって作製され得る。
【0054】
本明細書中のモノクローナル抗体はまた、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種
に由来する抗体または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配
列と同一または相同性である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)も含むが、鎖(複数可)
の残りは、別の種に由来する抗体または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体
中の対応する配列、およびそのような抗体の断片(それらが所望の生物学的活性を示す限
り)に対応する配列と同一または相同性である(米国特許第4,816,567号、Mo
rrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,pp.
6851-6855(1984))。「ヒト化抗体(複数可)」は、本明細書に記載され
るキメラ抗体のサブセットとして考えられ得る。
【0055】
「ヒト」という用語は、抗体またはその機能的断片(例えば、「ヒト化抗体(複数可)
」)に関して使用される場合、ヒト生殖細胞系免疫グロブリンに対応するヒト可変領域ま
たはその一部分を有する抗体またはその機能的断片を指す。このようなヒト生殖系列免疫
グロブリン配列は、Kabat et al.(1991)Sequences of
Proteins of Immunological Interest,Fifth
Edition,U.S.Department of Health and Hu
man Services,NIH Publication No.91-3242に
記載されている。本発明の文脈におけるヒト抗体は、本明細書に記載されるPD-1また
はそのバリアントに結合する抗体を含み得る。
【0056】
場合によっては、ヒト抗体は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応する
アミノ酸配列を有する抗体であり、および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製
するための技術のいずれかを用いて作製されている。ヒト抗体は、ファージディスプレイ
ライブラリーを含む当該技術分野で既知の様々な技術を用いて産生され得る。Hooge
nboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(199
1)、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991
)。Cole et al.,Monoclonal Antibodies and
Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、Bo
emer et al.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991
)に記載される方法もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である。van
Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmac
ol.,.2.:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原チャレン
ジに応答してそのような抗体を産生するように修飾されているが、内因性遺伝子座が無効
化されているトランスジェニック動物、例えば免疫化されたゼノマウスに抗原を投与する
ことにより調製することができる(例えば、XENOMOUSE技術に関しては、米国特
許第6,075,181号および同第6,150,584号を参照されたい)。ヒトB細
胞ハイブリドーマ技術によって生成されたヒト抗体に関しては、例えば、Li et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(
2006)も参照されたい。
【0057】
「ヒト化抗体」は、ヒト細胞によって作製され得る抗体により密接に類似するように改
変された可変または可変および定常領域を有する非ヒト細胞によって作製された抗体を指
す。例えば、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列中に見出されるアミノ酸を組み込むように
非ヒト抗体アミノ酸配列を改変することによって。本発明のヒト化抗体は、例えば、CD
R中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例
えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発またはインビボでの体細
胞突然変異によって導入された変異)を含むことができる。ヒト化抗体はまた、マウスな
どの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に
移植された抗体を含むことができる。
【0058】
非ヒト(例えばネズミ)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限
の配列を含む抗体である。一実施形態において、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領
域からの残基が、所望の特異性、親和性、および/または能力を有する、マウス、ラット
、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基に
よって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては
、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(「FR」)残基は、対応する非ヒト残基によっ
て置換されている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見出さ
れない残基を含み得る。これらの改変は、結合親和性などの抗体性能をさらに改良するた
めに行うことができる。一般に、ヒト化抗体は、実質的に全ての少なくとも1つ、典型的
には2つの可変ドメインを含み、超可変ループの全てまたは実質的にすべてが非ヒト免疫
グロブリン配列のものに対応し、FR領域は、ヒトの免疫グロブリン配列のものであるが
、FR領域は、抗体の性能、例えば結合親和性、異性化、免疫原性などを改善する1つ以
上の個々のFR残基置換を含むことができる。FRにおけるこれらのアミノ酸置換の数は
、典型的にはH鎖では6以下、L鎖では3以下である。ヒト化抗体は、任意に、ヒト免疫
グロブリンであり得る免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含むこともで
きる。例示的な方法およびヒト化抗体には、Jones et al.Nature 3
21:522-525(1986)、Riechmann et al.Nature
332:323-329(1988)、およびPresta,Curr.Op.Stru
ct.Biol.2:593-596(1992)、Vaswani and Hami
lton,Ann.Allergy.Asthma&Immunol.1:105-11
5(1998)、Harris,Biochem.Soc.Transactions
23:1035-1038(1995)、Burle and Gross,Curr.
Op.Biotech.5:428-433(1994)、ならびに米国特許第6,98
2,321号および同第7,087,409号によって記載されるものが含まれる。
【0059】
「機能的断片」という用語は、抗体に関して使用される場合、その断片が由来する抗体
として結合活性の一部または全てを保持する重鎖または軽鎖ポリペプチドを含む抗体の一
部分を指す。そのよう機能的断片は、例えば、Fd、Fv、Fab、F(ab’)、F(
ab)2、F(ab’)2、一本鎖Fv(ScFv)、ダイアボディ、トリアボディ、テ
トラボディ、およびミニボディを含むことができる。他の機能的断片は、例えば、そのよ
うな機能的断片が結合活性を保持する限り、重鎖または軽鎖ポリペプチド、可変領域ポリ
ペプチド、またはCDRポリペプチドもしくはその一部を含むことができる。そのような
抗体結合断片は、例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A
Laboratory Manual,Cold Spring Harbor La
boratory,New York(1989)、Myers(ed.),Molec
.Biology and Biotechnology:A Comprehensi
ve Desk Reference,New York:VCH Publisher
,Inc.、Huston et al.,Cell Biophysics,22:1
89-224(1993)、Pluckthun and Skerra,Meth.E
nzymol.,178:497-515(1989)、およびDay,E.D.,Ad
vanced Immunochemistry,Second Ed., Wiley
-Liss,Inc.,New York,NY(1990).Antibody En
gineering,Second Edition,Oxford Universi
ty Press,1995に見出され記載され得る。
【0060】
「重鎖」という用語は、抗体に関して使用される場合、約50~70kDaのポリペプ
チド鎖を指し、アミノ末端部分は、約120~130個またはそれ以上のアミノ酸の可変
領域および定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。定常領域は、重鎖定常領域のアミ
ノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)
、およびミュー(μ)領域と称される、5つの異なる種類のうちの1つであり得る。異な
る重鎖はサイズが異なる:α、δ、およびγは約450個のアミノ酸を含むが、μおよび
εは約550個のアミノ酸を含む。軽鎖と組み合わせる場合、これらの異なる種類の重鎖
は、5つの公知のクラスの抗体、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを生じ
、それぞれ、4つのサブクラスのIgG、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、お
よびIgG4を含む。重鎖は、ヒト重鎖であり得る。
【0061】
「軽鎖」という用語は、抗体に関して使用される場合、約25kDaのポリペプチド鎖
を指し、アミノ末端部分は約100~約110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域、
および定常領域を含むカルボキシ末端部分を含む。軽鎖のおおよその長さは、211~2
17アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基づくラムダ(λ)のカッパ(κ)
と称される2つの異なる種類がある。軽鎖アミノ酸配列は、当該分野で公知である。軽鎖
は、ヒト軽鎖であり得る。
【0062】
「可変ドメイン」または「可変領域」という用語は、軽鎖または重鎖のアミノ末端に一
般に位置し、重鎖では約120~130アミノ酸、軽鎖では約100~110アミノ酸の
長さを有する、抗体の軽鎖または重鎖の一部を指し、それぞれの特定の抗体のその特定の
抗原に対する結合および特異性に使用される。可変ドメインは、異なる抗体間で配列が大
きく異なっていてもよい。配列の可変性はCDRに集中しているが、可変ドメイン中の可
変が少ない部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。軽鎖および重鎖のCDRは、
抗体と抗原との相互作用に主に関与する。本明細書で使用されるアミノ酸位置の番号付け
は、Kabat et al.(1991)Sequences of protein
s of immunological interestのように、EUインデックス
に従う。(米国保健福祉省、Washington,D.C.)第5版の改訂。可変領域
は、ヒト可変領域であり得る。
【0063】
CDRは、免疫グロブリン(Igまたは抗体)VHβ-シートフレームワークの非フレ
ームワーク領域内の3つの超可変領域(H1、H2、またはH3)のうちの1つ、または
抗体VLβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(L1、
L2、またはL3)のうちの1つを指す。したがって、CDRは、フレームワーク領域配
列内に点在する可変領域配列である。CDR領域は当業者に公知であり、例えば、Kab
atが、抗体可変(V)ドメイン内の最も超可変性の領域であると定義している(Kab
at et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977
)、Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1-75(1978))。CDR
領域配列はまた、保存されたβシートフレームワークの一部ではなく、したがって異なる
立体配座に適合することができる残基としてChothiaによって構造的に定義されて
いる(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-9
17(1987))。両方の用語は、当該分野において十分に認識されている。カノニカ
ル抗体可変ドメイン内のCDRの位置は、多数の構造の比較によって決定されている(A
l-Lazikani et al.,J.Mol.Biol.273:927-948
(1997)、Morea et al.,Methods 20:267-279(2
000))。超可変領域内の残基の数は異なる抗体で変化するので、カノニカル可変ドメ
イン番号付けスキームにおいて残基番号の隣にa、b、cなどでカノニカル位置に対する
追加の残基が通常付番される(Al-Lazikani et al.,上記参照(19
97))。そのような命名法は、当業者には同様に公知である。
【0064】
例えば、Kabat(超可変性)、Chothia(構造性)、またはMacCall
um(J.Mol.Biol.262:732-745(1996))の名称のいずれに
従って定義されたCDRを、以下の表1に示す。
【0065】
表1:CDRの定義
【表1】
残基番号付けは、上記のKabatらの命名法に従う
残基番号付けは、上記のChothiaらの命名法に従う
【0066】
「がん」という用語は、調節されていない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における任意
の生理学的状態を指す。本明細書に記載されるがんは、固形腫瘍および血液学的(血液)
がんを含む。「血液学的癌」は、任意の血液由来癌を指し、例えば、骨髄腫、リンパ腫、
および白血病を含む。「固形腫瘍」または「腫瘍」は、悪性または良性のいずれかの病変
および新生細胞の増殖および増殖、ならびに異常な組織増殖をもたらす全ての前癌性およ
び癌性の細胞および組織を指す。本明細書で使用される「新生物」は、異常な組織増殖を
もたらす悪性または良性のいずれかの形態の調節不全または調節されていない細胞増殖を
指す。
【0067】
「治療している」または「治療」という用語は、軽減;寛解;症状を減少させる、もし
くは患者がより耐容可能な傷害、病変、もしくは病態を生じさせること;変性もしくは衰
退の速度を遅延させること;衰弱させることなく最終点を変性させること;または患者の
身体的もしくは精神的健康を改善させることなどのような客観的または主観的パラメータ
を含む、疾患、病変または病態の進行、重症度、および/または持続時間の成功または改
善の任意の指標を指す。
【0068】
「増強する」という用語は、投与または接触前のタンパク質または細胞と比較して、本
明細書に記載される組み合わせの投与またはそれとの接触後のタンパク質または細胞の機
能または活性の増加または改善を指す。
【0069】
「投与している」という用語は、経口、粘膜、局所、座薬、静脈内、非経口、腹腔内、
筋肉内、病巣内、くも膜下腔内、鼻腔内、または皮下投与などの経路によって、本明細書
に記載される組み合わせまたは組成物を対象に送達する行為を指す。非経口投与には、静
脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内投与が含まれる。
投与は、一般に、疾患、障害、もしくは病態、またはその症状の発症後に起こるが、場合
によっては、疾患、障害、もしくは病態、またはその症状(例えば、そのような疾患、障
害、もしくは病態を起こす傾向がある患者に対する投与)の前に起こり得る。
【0070】
「共投与」という用語は、2種以上の薬剤(例えば、本明細書に記載される組み合わせ
および本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性薬剤)の投与を指す。共投与のタイミ
ングは、投与される組み合わせおよび組成物の一部に依存し、1つ以上の追加の治療、例
えば化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法などの癌療法の投与と同時、
直前または直後の投与を含み得る。本発明の化合物は、患者に単独で投与することもでき
るし、同時投与することもできる。共投与は、化合物を個別にまたは(1種を超える化合
物または薬剤を)組み合わせて同時にまたは連続して投与することを含むことを意味する
。したがって、調製物は、所望される場合、(例えば、代謝分解を減少させるために)他
の活性物質と組み合わせることもできる。本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載さ
れる特定のキナーゼを発現する細胞に関連する疾患を治療するのに有用であることが知ら
れている他の活性薬剤、または単独では有効ではあり得ないが、活性剤の有効性の一因と
なり得る補助剤と、互いに組み合わせて使用することができる。
【0071】
「抗癌剤」という用語は、その通常の意味に従って使用され、抗新生物特性または細胞
の増殖または増殖を阻害する能力を有する組成物を指す。実施形態において、抗癌剤は化
学療法剤である。実施形態において、抗癌剤は、がんを治療する方法において有用性を有
する本明細書において特定される薬剤である。実施形態において、抗癌剤は、がんを治療
するために、米国以外の国のFDAまたは同様の規制当局によって承認された薬剤である
【0072】
「化学療法剤」または「化学療法剤」という用語は、その通常の意味に従って使用され
、抗新生物特性または細胞の増殖または増殖を阻害する能力を有する化学組成物または化
合物を指す。「化学療法」は、本明細書に記載される化学療法剤または抗癌剤の投与を含
む療法またはレジメンを指す。
【0073】
「ハロ」、「ハロゲン」、および「ハロゲン化物」という用語は、-F、-Cl、-B
r、および-Iを指す。
【0074】
それ自体で、または別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、特に明記し
ない限り、不飽和をもたない直鎖(すなわち、非分枝鎖)または分岐鎖炭素鎖(または炭
素)、またはこれらの組み合わせを指し、モノ-、ジ-、および多価ラジカルを含み得る
。本明細書で定義されるアルキルは、その炭素原子の数によって示すことができる(すな
わち、C-C10は1~10個の炭素を意味する)。本明細書においてアルキルは、C
-C10、C-C、C-C、およびC-Cの長さを含むことができる。「
ペルフルオロアルキル」は、アルキル鎖中の全ての水素がフルオロで置換されているアル
キルを指す。
【0075】
「アルコキシ」という用語は、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残りに結合した
アルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-Cアルキ
ル)を指す。例示的なアルコキシ基には、式-OR(式中、Rは分枝鎖または直鎖アルキ
ルである)を有する基が含まれる。「ペルフルオロアルコキシ」部分は、アルキル鎖中の
全ての水素がフルオロで置換されているアルコキシを指す。
【0076】
「アミノアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がアミノ基で置換されているア
ルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-Cアルキル
)を指す。
【0077】
「アルキルアミノ」という用語は、窒素リンカー(-NR-)を介して分子の残りに結
合したアルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、およびC-C
アルキル)を指す。例示的なアルキルアミノ基には、N-メチルアミノ、N-エチルアミ
ノ、N-イソプロピルアミノなどが含まれる。
【0078】
「アシル」という用語は、式:-C(O)R(式中、Rは、置換または非置換のアルキ
ル、ハロアルキル、またはアミノ基である)を有する部分を指す。「アシルアミノ」とい
う用語は、結合したアミノ基を有するアシル部分を指し、例えば、アセチルアミノ、プロ
ピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどの部分を含む。
【0079】
「アルキチオ(alkythio)」という用語は、硫黄リンカー(-S-)を介して
分子の残りに結合したアルキル基(例えば、C-C10、C-C、C-C、お
よびC-Cアルキル)を指す。例示的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオなどが挙げられる。
【0080】
「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、飽和または不飽和であり、1個以
上のヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を含む安定した3~15員の単環式基を指
す。例示的な複素環としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、
ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキセタニル、アゼチ
ジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
組成物
【0081】
本明細書において、例えば、がんを含む様々な疾患、障害、およびそれらの症状を治療
するのに有用な組み合わせ(例えば、併用療法および組成物)が提供される。本明細書に
記載される組み合わせは、以下に記載されるような、式IのベンズアミドHDAC阻害剤
およびPD-1阻害剤を含む。一態様では、治療有効量のPD-1阻害剤および治療有効
量の式Iの化合物を含む組み合わせがあり、
【化3】
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-Cペルフ
ルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に
置換される、フェニルまたは複素環基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペル
フルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカル
ボニル、およびフェニルから選択される1~3個の置換基で任意に置換される、フェニル
であり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO-であり、
およびRは、独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素または-NHであり、
、X、XまたはXのうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノ
アルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C
-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロアル
キルオキシ、またはハロゲンもしくはC-Cアルキルで任意に置換されるC-C
アルコキシカルボニルであるが、X、X、X、またはXの他のものは、独立して
、水素であり、
ただし、Rが水素である場合、X、X、X、またはXの1つは、-NH
アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である。
【0082】
場合によっては、Aは、フェニルであるか、またはハロゲン、-OH、-NH、-N
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-C
ミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ
、C-Cアルキチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロア
ルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボニル、フェニル、または複素環式基で任意に
置換されるフェニルである。Aは、-N-、-S-、または-O-部分を含む複素環式基
(例えば、5~10員の複素環式基)であり得る。場合によっては、Aは、例えば、ピロ
リジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリル
、オキサゾリジニル、オキサゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリ
ジニル、ピペリジニル、ジアジニル、テトラゾリル、トリアジニル、テトラジニル、アゼ
ピニル、ジアゼピニル、アゾカニル、またはアゾチニルなどの1個、2個、3個、4個、
またはそれ以上の窒素ヘテロ原子を有する5~10員のN-複素環部分である。Aは、飽
和または不飽和5~10員N-複素環部分であり得る。場合によっては、Aは、6員のN
-ヘテロ環式部分、例えば、ピリジンである。
【0083】
ある特定の実施形態において、Bはフェニルである。Bは、例えば、ハロゲン、-OH
、-NH、-NO、-CN、-COOH、またはC-Cアルキルなどの小さな部
分で任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態において、Bは、ハロゲ
ンで置換されたフェニルである。他の実施形態において、Bは、電子供与基(EDG)で
置換されている。さらに他の実施形態において、Bは、電子求引基(EWG)で置換され
たフェニルである。さらに別の実施形態において、Bは、C-Cアルキルで置換され
たフェニルである。Bは、メチル、エチル、またはプロピルで置換されたフェニルであり
得る。Bは、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシで置換されたフェニルであり得る。
【0084】
場合によっては、Yは-C(O)NH-CH-である。ある特定の実施形態において
、Zは結合である。Zは、メチレン、エチレン、またはプロピレン部分であり得る。いく
つかの実施形態において、Zは、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-CS-、-S
O-、または-SO-である。
【0085】
およびRは、場合によっては、両方とも水素である。RおよびRはともに、
-Cアルキルであり得、例えばRおよびRはともに、メチル、エチル、または
プロピルであり得る。場合によっては、RまたはRの一方が水素である場合、他方は
-Cアルキル(例えば、メチル)である。Rは、水素であり得る。他の実施形態
において、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。
【0086】
は、-NHであり得る。場合によっては、Rは-NHであり、式中、X
、X、またはXのうちの1つはハロゲンである。Rが-NHである場合、X
またはXはハロゲンであり得る。一実施形態において、Rは-NHであり、X
はハロゲンである。このような場合、Xは、-Fであり得る。
【0087】
別の実施形態において、R、R、およびRは水素であり、式中、Zは結合であり
、Rは-NHであり、Yは-C(O)NH-CH-である。このような実施形態に
おいて、Aは、上記の複素環式部分であり得、Bは、フェニルであり得る。X、X
、またはXは、ハロゲン(例えば、-F)または-NHであり得る。
【0088】
式Iの化合物は、米国特許第7,244,751号および同第7,550,490号に
実質的に記載されている化合物であり得、その両方は、全ての目的のためにそれらの全体
が本明細書に組み込まれる。一実施形態において、式Iの化合物は、N-(2-アミノ-
4-フルオロフェニル)-4-[[[(2E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-
2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル]ベンズアミドである。別の実施形態において
、式Iの化合物は、以下に示す式Iaを有する。
【化4】
【0089】
本明細書に記載される式Iの化合物には、薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な
立体異性体、プロドラッグ、エナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、共結晶、およ
びそれらの多形が含まれる。
【0090】
場合によっては、この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、1
0mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、5
0mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg
、150mg、175mg、または200mgを超える量で存在する式I(例えば、Ia
)の化合物を含む。この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6
mg、7mg、8mg、9mg、または10mgを超える量で存在する式Iの化合物を含
み得る。ある特定の例において、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgを超える量
で存在する。この組み合わせは、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~
約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg
~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約
200mgを超える量で存在する式Iの化合物を含み得る。
【0091】
この組み合わせは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg
、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg
、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、15
0mg、175mg、または200mgの量で存在する化合物を含み得る。この組み合わ
せは、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg
、9mg、または10mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。場合によっては、式
Iの化合物は、少なくとも約5mgまたは約10mgの量で存在する。この組み合わせは
、少なくとも約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg
~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10
mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200mgの量で存
在する式Iの化合物を含み得る。
【0092】
この組み合わせは、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg
、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg
、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、1
75mg、または200mgの量で存在する化合物を含み得る。この組み合わせは、約1
mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、または10
mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。場合によっては、式Iの化合物は、約5m
gまたは約10mgの量で存在する。この組み合わせは、約1mg~約10mg、1mg
~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg
~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg
、または100mg~約200mgの量で存在する式Iの化合物を含み得る。
【0093】
式Iの化合物は、患者の体重(すなわち、mg/kg)に関して本明細書に記載される
組み合わせで存在し得る。場合によっては、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg
~約200mg/kg、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.01mg/k
g~約200mg/kg、0.01mg/kg~約150mg/kg、0.01mg/k
g~約100mg/kg、0.01mg/kg~約50mg/kg、0.01mg/kg
~約25mg/kg、0.01mg/kg~約10mg/kg、または0.01mg/k
g~約5mg/kg、0.05mg/kg~約200mg/kg、0.05mg/kg~
約150mg/kg、0.05mg/kg~約100mg/kg、0.05mg/kg~
約50mg/kg、0.05mg/kg~約25mg/kg、0.05mg/kg~約1
0mg/kg、または0.05mg/kg~約5mg/kg、0.5mg/kg~約20
0mg/kg、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100m
g/kg、0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg
、0.5mg/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgに相
当する量で存在する。他の例において、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg
/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1m
g/kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10
mg/kg、または1mg/kg~約5mg/kgに相当する量で存在する。
【0094】
本明細書に記載される組み合わせにおいて有用なPD-1阻害剤には、PD-1の活性
または発現を阻害し、遮断し、無効にする、または妨害することができる任意の分子が含
まれる。特に、PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ポリペプチド、抗体、ペプチボ
ディ、二重特異性抗体、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはその機能断片
もしくはバリアントであり得る。一例では、PD-1阻害剤は、小分子化合物(例えば、
約1000Da未満の分子量を有する化合物)である。他の例では、本明細書に記載され
る組み合わせにおける有用なPD-1阻害剤には、核酸およびポリペプチドが含まれる。
PD-1阻害剤は、米国特許出願公開第2014/0294898号に例示されているよ
うなポリペプチド(例えば、大環状ポリペプチド)であり得、これは、その全体が全ての
目的のために参照により本明細書に組み込まれる。一例では、PD-1阻害剤は、抗体、
ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、ScFv、またはその機能的断片である。一
例では、PD-1阻害剤は、AMP-224(GSK)である。
【0095】
AMP-224は、PD-1リガンドプログラム細胞死リガンド2(PD-L2)の細
胞外ドメインおよびヒトIgGのFc領域を含む組換え融合タンパク質である。ある特定
のがんは、PD-1とB7-H1との間の相互作用によって、一部分において、およびい
かなる特定の理論にも拘束されることはなく、免疫系を回避し、抑制することができる。
AMP-224は、この相互作用を遮断するようであり、したがって、免疫抑制を克服す
るようである。
【0096】
別の例では、PD-1阻害剤は、PD-1抗体である。PD-1抗体は、モノクローナ
ルまたはポリクローナル抗体であり得る。ある特定の実施形態において、PD-1抗体は
、モノクローナル抗体である。
【0097】
PD-1抗体には、例えば、ヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または
キメラヒト化抗体などの本明細書に例示されているものを含むが、これらに限定されない
、全ての既知のタイプの抗体およびその機能的断片が含まれる。
【0098】
一実施形態において、PD-1抗体は、ヒト抗体である。別の実施形態において、PD
-1抗体は、マウス抗体である。さらに別の実施形態において、PD-1抗体は、キメラ
抗体である。さらに別の実施形態において、PD-1抗体は、ヒト化抗体である。さらに
別の実施形態において、PD-1抗体は、キメラヒト化抗体である。PD-1抗体は、ヒ
ト抗体またはヒト化抗体であり得る。PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、
ピジリズマブ、REGN2810、PDR001、またはMEDI0680であり得る。
いくつかの実施形態において、2つ以上のPD-1抗体は、本明細書に記載される式Iの
化合物と組み合わせて投与される。
【0099】
PD-1抗体は、ニボルマブであり得る。ニボルマブ(OPDIVOとして市販されて
いる)は、免疫賦活活性を有するPD-1に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。
いかなる特定の理論にも拘束されることなく、ニボルマブは、その同族リガンドによるP
D-1に結合し、PD-1の活性化を阻害し、T細胞の活性化および腫瘍細胞または病原
体に対する細胞性免疫応答を生じる。
【0100】
PD-1抗体は、ペンブロリズマブであり得る。ペンブロリズマブ(KEYTRUDA
として市販されているMK-3475)は、潜在的な免疫増強活性を有するヒト細胞表面
受容体PD-1に対するヒト化モノクローナルIgG4抗体である。いかなる特定の理論
にも拘束されることなく、ペンブロリズマブは、活性化T細胞の表面上に発現する阻害性
シグナル伝達受容体であるPD-1に結合し、その同族リガンドによるPD-1への結合
および活性化を阻害する。結合および活性の遮断は、腫瘍細胞に対するT細胞媒介免疫応
答の活性化をもたらす。
【0101】
PD-1抗体は、ピジリズマブであり得る。ピジリズマブ(CT-011)は、免疫調
節および抗腫瘍活性を有するヒトPD-1に対するヒト化モノクローナル抗体である。い
かなる特定の理論にも拘束されることなく、ピジリズマブは、受容体PD-1とそのリガ
ンドとの相互作用を遮断し、リンパ球、主にエフェクター/メモリT細胞におけるアポト
ーシス過程の減弱およびNK細胞の抗腫瘍活性の増強をもたらす。
【0102】
PD-1抗体は、REGN2810であり得る。REGN2810は、潜在的な免疫チ
ェックポイント阻害および抗新生物活性を有するPD-1に対するヒトモノクローナル抗
体である。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、REGN2810は、PD-1
に結合し、その同族リガンドへの結合を阻害し、その下流のシグナル伝達経路の活性化を
妨げる。これは、細胞傷害性T細胞の活性化を介して免疫機能を回復させることができる
【0103】
PD-1抗体は、PDR001であり得る。PDR001は、免疫チェックポイント阻
害および抗新生物活性を有するPD-1に対する完全ヒト化モノクローナル抗体である。
いかなる特定の理論にも拘束されることなく、PDR001は、活性化T細胞上に発現す
るPD-1に結合し、その同族リガンドとの相互作用を遮断する。リガンド結合の阻害は
、PD-1媒介シグナル伝達を妨げ、T細胞活性化および腫瘍細胞に対するT細胞媒介性
免疫応答の誘導をもたらす。
【0104】
PD-1抗体は、MEDI0680であり得る。MEDI0680(AMP-514)
は、潜在的な免疫調節活性および抗新生物活性を有するPD-1に対するモノクローナル
抗体である。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、MEDI0680は、PD-
1およびその下流シグナル伝達経路の活性化を阻害するようである。この阻害は、T細胞
およびPD-1を過剰発現する腫瘍細胞に対する細胞媒介性免疫応答の活性化を介して免
疫機能を回復させることができる。
【0105】
PD-1抗体は、任意の抗体アイソタイプであり得る。アイソタイプという用語は、重
鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスを指す。所与の抗体または機能性断片
の重鎖は、その抗体または機能的断片のクラスを決定する:IgM、IgG、IgA、I
gDまたはIgE。各クラスは、κまたはλ軽鎖のいずれかを有し得る。サブクラスとい
う用語は、サブクラスを識別する重鎖のアミノ酸配列のわずかな違いを指す。ヒトには、
IgA(サブクラスIgA1およびIgA2)の2つのサブクラスがあり、IgGの4つ
のサブクラス(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)が存在する
。そのようなクラスおよびサブクラスは、当業者に公知である。
【0106】
有用なPD-1抗体は、PD-1の活性を阻害するのに十分な強度でPD-1に結合す
る。本明細書で使用する結合は、複合体を形成する分子間の相互作用を指す。相互作用は
、例えば、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、および/またはファンデルワールス
相互作用を含む非共有相互作用であり得る。複合体は、共有結合または非共有結合、相互
作用または力によって一緒に保持された2つ以上の分子の結合も含むことができる。抗体
またはその機能的断片の結合は、例えば酵素結合免疫吸着アッセイまたは当業者に公知の
多くの方法のいずれか1つを用いて検出することができる。
【0107】
PD-1抗体または機能性断片上の単一の抗原結合部位とPD-1などの標的分子の単
一エピトープとの間の非共有結合相互作用全体の強度は、抗体またはそのエピトープにお
ける機能性断片の親和性である。一価抗原に対する抗体またはその機能的断片の会合(k
)対解離(k-1)の比(k/k-1)は、親和性の尺度である会合定数Kである。
Kの値は、抗体または機能的断片および抗原の異なる複合体について異なり、kおよび
-1の両方に依存する。本発明の抗体または機能性断片の会合定数Kは、本明細書で提
供される任意の方法または当業者に公知の任意の他の方法を用いて決定することができる
【0108】
1つの結合部位における親和性は、抗体または機能的断片と抗原との間の相互作用の真
の強度を必ずしも反映しない。複数の反復抗原決定基を含む複雑な抗原が複数の結合部位
を含む抗体と接触すると、このような抗体または機能的断片の1つの部位での抗原との相
互作用は、第2の部位での反応の可能性が高まるであろう。多価抗体と抗原との間のその
ような複数の相互作用の強度は、結合活性(avidity)と呼ばれる。抗体または機
能的断片の結合活性は、その個々の結合部位の親和性よりも、その結合能力のより良い尺
度であり得る。例えば、高親和性は、IgGよりも低い親和性を有し得る五量体IgM抗
体で時々見られるような低親和性を補うことができるが、その多価から生じるIgMの高
い結合活性は、抗原に効果的に結合することを可能にする。
【0109】
PD-1抗体またはその機能的断片の特異性は、1つの抗原(例えば、PD-1の単一
エピトープ)と反応する個々の抗体またはその機能的断片の能力を指す。抗体または機能
的断片は、それが抗原の一次、二次、もしくは三次構造または抗原の異性体形態における
差異を識別できる場合に特異的であると考えられ得る。
【0110】
PD-1抗体は、それを必要とする患者の体重に関する尺度としての量で存在すること
ができる。例えば、PD-1抗体は、約0.1mg/kg~約30mg/kg、0.1m
g/kg~約25mg/kg、0.1mg/kg~約20mg/kg、0.1mg/kg
~約15mg/kg、0.1mg/kg~約10mg/kg、0.1mg/kg~約7.
5mg/kg、0.1mg/kg~約5mg/kg、0.1mg/kg~約2.5mg/
kg、または約0.1mg/kg~約1mg/kgの量で存在することができる。PD-
1抗体は、約0.5mg/kg~約30mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/k
g、0.5mg/kg~約20mg/kg、0.5mg/kg~約15mg/kg、0.
5mg/kg~約10mg/kg、0.5mg/kg~約7.5mg/kg、0.5mg
/kg~約5mg/kg、0.5mg/kg~約2.5mg/kg、または約0.5mg
/kg~約1mg/kgの量で存在することができる。PD-1抗体は、約0.5mg/
kg~約5mg/kgまたは約0.1mg/kg~約10mg/kgの量で存在すること
ができる。PD-1抗体は、約0.5mg/kg~約15mg/kgまたは約0.1mg
/kg~約20mg/kgの量で存在することができる。
【0111】
さらに他の実施形態において、PD-1抗体は、約0.1mg/kg、0.5mg/k
g、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、10m
g/kg、15mg/kg、20mg/kg、または30mg/kgの量で存在すること
ができる。PD-1抗体は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、または5m
g/kgの量で存在することができる。
【0112】
PD-1抗体は、約1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30
mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、10
0mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、
600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、12
00mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、
1800mg、1900mg、または2000mgの量で組み合わせで存在することがで
きる。PD-1抗体は、約1mg~約10mg、10mg~約20mg、25mg~約5
0mg、30mg~約60mg、40mg~約50mg、50mg~約100mg、75
mg~約150mg、100mg~約200mg、200mg~約500mg、500m
g~約1000mg、約1000mg~約1200mg、1000mg~約1500mg
1200mg~約1500mg、または1500mg~約2000mgの量で組み合わ
せで存在することができる。
【0113】
PD-1抗体は、約0.1mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL、2mg/m
L、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg
/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、25mg/
mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/
mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、150mg/mL、200
mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、400mg/mL、または500m
g/mLの量で組み合わせで存在することができる。一実施形態において、PD-1抗体
は、約1mg/mL~約10mg/mL、5mg/mL~約10mg/mL、5mg/m
L~約15mg/mL、10mg/mL~約25mg/mL、20mg/mL~約30m
g/mL、25mg/mL~約50mg/mL、または50mg/mL~約100mg/
mLの量で組み合わせで存在することができる。
【0114】
場合によっては、PD-1抗体の治療有効量は、PD-1抗体が提供される添付文書に
提供される量として決定される。添付文書という用語は、米国以外の国のFDAまたは同
様の規制当局によって承認された医薬品の市販パッケージに慣習的に含まれている指示書
を指し、これには、例えば、使用法、用量、投与、禁忌、および/またはそのような医薬
品の使用に関する警告が含まれる。
【0115】
本明細書に記載される式Iの化合物は、PD-1阻害剤の量と相乗作用のある量で提供
することができる。相乗作用という用語は、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、
本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性剤との同時投与を含む、式Iの化合物とPD
-1阻害剤の化合物)またはそれぞれの個々の治療法もしくはレジメンの相加効果よりも
効果的である本明細書に記載されているようなレジメンの組み合わせを指す。
【0116】
本明細書に記載される組み合わせの相乗効果は、組み合わせの構成要素の1つ以上(例
えば、式Iの化合物またはPD-1阻害剤)のより低い用量の使用を可能にすることがで
きる。相乗効果は、投与された治療剤(例えば、式Iの化合物またはPD-1阻害剤)の
うちの少なくとも1つを、本明細書に記載される疾患、障害、または病態を有する対象に
あまり頻繁に投与することが不可能である。そのようなより低い投薬量および減少した投
与頻度は、治療の有効性を軽減させることなく、対象への治療剤(例えば、式Iの化合物
またはPD-1阻害剤)のうちの少なくとも1つの投与に関連する毒性を軽減させること
ができる。本明細書に記載される相乗効果は、任意の療法の使用に関連する有害なまたは
望ましくない副作用を回避または軽減する。
【0117】
薬学的組成物
本明細書に記載される組み合わせは、経口、粘膜(例えば、鼻、吸入、肺、舌下、膣、
頬、または直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、または動脈
内)、局所(例えば、点眼剤または他の眼科用調製物)、患者への経皮または経皮投与が
含まれるが、これらに限定されない、患者への本明細書に記載される任意の経路による投
与に好適な薬学的組成物として提供され得る。
【0118】
剤形の例には、錠剤;カプレット;カプセル(例えば、ゼラチンカプセル);カシェ;
ロゼンジ;座薬;粉剤;ゲル;患者への非経口投与に好適な液体剤形;および患者への非
経口投与に好適な液体剤形を提供するために再構成され得る滅菌固体(例えば、結晶また
は非晶質固体)が含まれる。
【0119】
本明細書に記載される薬学的組成物および剤形は、典型的には、1つ以上の賦形剤を含
む。好適な賦形剤は、薬学分野の当業者に公知である。特定の賦形剤が薬学的組成物また
は剤形への組み込みに好適であるかどうかは、例えば、患者への意図された投与経路など
の様々な要因に依存する。本明細書に記載される薬学的組成物は、活性成分が特定の製剤
において分解することができる速度を低下させることができる安定剤、潤滑剤、緩衝剤、
および崩壊剤のような他の薬剤を含むことができる。
【0120】
本明細書に記載される薬学的組成物は、場合によっては、本明細書で提供される量で、
本明細書に記載された組み合わせにあるもの以外の追加の活性剤(例えば、本明細書に記
載されるものなどの抗癌剤)を含むことができる。
【0121】
一実施形態において、式Iの化合物は、錠剤またはカプセル剤などの経口剤形で提供さ
れる。別の実施形態において、式Iの化合物は、非経口投与に好適な液体中に再懸濁する
ことができる粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として供給される。
【0122】
本明細書に記載されるPD-1阻害剤は、患者への投与に都合がよい、または患者への
投与を容易にする形態で提供することができる。例えば、PD-1阻害剤が本明細書に記
載されるPD-1抗体である場合、PD-1阻害剤は、非経口投与のためのすぐに使用で
きる溶液として製剤化され得る。他の例において、例えばPD-1抗体を含むPD-1阻
害剤は、非経口投与に好適な液体中に再懸濁することができる粉末(例えば、凍結乾燥粉
末)として製剤化され得る。一実施形態において、この組み合わせは、静脈内投与用に製
剤化されたPD-1抗体を含む。さらに別の実施形態において、この組み合わせは、経口
剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)として製剤化された式Iの化合物と、静脈内投与
用に製剤化されたPD-1阻害剤と、を含む。
【0123】
本明細書に記載される組み合わせは、それらの制御されていない対応物によって達成さ
れる薬物療法よりも薬物療法を改善することを目標とする制御放出医薬品として提供する
ことができる。制御放出製剤は、薬物の活性を延長し、投薬頻度を減少させ、対象のコン
プライアンスを増加させることができる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用の開始
時間または薬物の血中濃度などの他の特性に影響を与え、したがって副作用(例えば有害
作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0124】
キット
本明細書に記載される組み合わせおよび薬学的組成物は、キットの一部として提供する
ことができる。そのようなキットは、例えば、患者のコンプライアンスを改善するか、ま
たは組み合わせを投与するための正確性または調製の容易性を改善することができる。キ
ットは、式Iの化合物を含み、ここで、化合物は、本明細書に記載される製剤中に供給さ
れる。このキットはまた、本明細書に記載されるPD-1阻害剤も含む。このキットには
、AMP-224が含まれ得る。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、ニボ
ルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684と
しても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680など
の本明細書に記載されるPD-1抗体を含む。キットは、本明細書に記載されるがん患者
などの、それを必要とする患者への組み合わせの投与に有用な添付文書または他の情報(
例えば、処方情報)を含むことができる。
【0125】
本発明のキットは、同一または異なる製剤を有する本明細書に記載される組み合わせ(
例えば、式Iの化合物およびPD-1抗体)を含むことができる。キット中の本明細書に
記載される組み合わせの各構成要素は、別個の個々の容器で供給することができる。代替
的または追加的に、本明細書に記載される組み合わせの構成要素は、単一の容器に供給さ
れ得る。このような場合、容器は、例えば、IVバッグ、アンプル、またはシリンジなど
の、それを必要とする患者に投与するための準備ができている容器であり得る。一実施形
態において、キット中の式Iの化合物は、経口投与(例えば、錠剤、カプセル、またはサ
シェ)のために製剤化される。PD-1阻害剤は、例えば粉末(例えば、凍結乾燥粉末)
として、または非経口投与用の溶液として供給することができる。場合によっては、PD
-1阻害剤は、例えば、静脈内投与による非経口投与のために製剤化された本明細書に記
載されるPD-1抗体である。
【0126】
本明細書に記載されるキットの内容物は、滅菌形態で提供することができる。キットお
よびその内容物は、必要とする対象に投与するための準備が整った形態で提供することが
できる。このような場合、キットの組み合わせの構成要素は、製剤として、および任意に
、投与がユーザによるさらなる措置をほとんど必要としないように投与デバイス中に供給
される。キットが投与デバイスを含む場合、そのようなデバイスには、注射器、ポンプ、
バッグ、カップ、吸入器、点滴器、パッチ、クリーム、または注入器などであるが、これ
らに限定されない、本明細書に記載される投与経路については、当業者であれば既知であ
り、理解されるデバイスを含む。
【0127】
方法
本明細書に記載される組み合わせ、薬学的組成物、およびキットは、疾患、障害の治療
、または例えばがんなどの疾患および障害の症状の緩和または除去に有用である。本明細
書に記載される方法は、本明細書に記載される組み合わせおよび薬学的組成物の投与に関
するものであり、そのような組み合わせおよび薬学的組成物は、本明細書に記載されるキ
ットの形態で提供することができることを理解されたい。治療有効量の本明細書に記載さ
れる組み合わせを、それを必要とする患者に投与することによって、がんを治療する方法
が本明細書に提供される。また、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを、それ
を必要とする患者に投与することによって、がんを管理する方法も本明細書に提供される
【0128】
本明細書に記載される方法において有用な組み合わせは、式Iの化合物を含み、
【化5】
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキチオ、C-Cペルフ
ルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に
置換される、フェニルまたは複素環基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO、-CN、-COOH、C-Cアル
キル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノアルキル、C-Cアルキルアミノ、
-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C-Cアルキルチオ、C-Cペル
フルオロアルキル、C-Cペルフルオロアルキルオキシ、C-Cアルコキシカル
ボニル、およびフェニルから選択される1~3個の置換基で任意に置換される、フェニル
であり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC-Cアルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO-であり、
およびRは、独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素または-NHであり、
、X、XまたはXのうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH、-NO
、-CN、-COOH、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアミノ
アルキル、C-Cアルキルアミノ、C-Cアシル、C-Cアシルアミノ、C
-Cアルキルチオ、C-Cペルフルオロアルキル、C-Cペルフルオロアル
キルオキシ、またはハロゲンもしくはC-Cアルキルで任意に置換されるC-C
アルコキシカルボニルであるが、X、X、X、またはXの他のものは、独立して
、水素であり、
ただし、Rが水素である場合、X、X、X、またはXの1つは、-NH
アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である。
【0129】
本明細書に記載される方法において有用な式Iの化合物には、上に実質的に記載される
化合物が含まれる。場合によっては、本明細書で提供される方法においてがんを治療する
ために使用される式Iの化合物は、R、R、およびRが水素である化合物を含む。
場合によっては、Yは-C(O)NH-CH-である。場合によっては、Rは、上記
のC-Cアルキルであり得る。式IのAは、5~10員の複素環部分であり得る。特
に、上記のように、式Iの化合物の有用な実施形態は、AがN-複素環である化合物、例
えば5または6員複素環部分などを含む。Aは、場合によっては、ピリジニルであり得る
【0130】
本明細書に記載される方法において有用な式Iの化合物は、Rが-NHであり、少
なくともX、X、X、またはXが、-NHまたはハロゲンである、化合物であ
り得る。場合によっては、本明細書に記載される方法で使用するための式Iの化合物は、
が-NHであり、X、X、X、またはXのうちの少なくとも1つがハロゲ
ン(例えば、-F)である、化合物を含む。一実施形態において、式Iの化合物は、上記
の式Iaの化合物である。
【0131】
本明細書に記載される方法で使用するためのPD-1阻害剤は、本明細書に記載される
PD-1阻害剤である。例えば、PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ポリペプチド
、抗体、ペプチボディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、また
はそれらの機能的断片もしくはバリアントであり得る。一例では、PD-1阻害剤は、A
MP-224である。他の例では、PD-1阻害剤は、上記のPD-1抗体であり得る。
一例では、本明細書に記載される方法で使用するためのPD-1抗体は、ニボルマブ、ペ
ンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知ら
れている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680である。
【0132】
このような方法で使用するための組み合わせを構成する式Iの化合物およびPD-1阻
害剤は、本明細書に記載される量で各治療剤を含み、本明細書に記載されるように投与さ
れることが理解されるべきである。例えば、式Iの化合物は、約5mg~約50mgまた
は約5mg~約100mgの量でそれを必要とする患者に投与される組み合わせで存在す
ることができる。別の例として、PD-1阻害剤は、例えば、約0.1mg/kg~約1
0mg/kgまたは約0.1mg/kg~約20mg/kgの量で存在するPD-1抗体
であり得る。これらの量は単なる例示であって、本明細書に記載される組み合わせで存在
することができる各治療剤の量をいかなる方法においても制限しない。
【0133】
また、本明細書に記載される方法で使用するための組み合わせが、上記のようなキット
として提供され得ることも理解される。このようなキットには、本明細書に記載されるよ
うな組み合わせの各構成要素、および任意に、例えば容器および上記のような投与デバイ
スを含む追加のキット構成要素が含まれる。
【0134】
がんは、固形腫瘍であり得る。がんは、血液癌であり得る。場合によっては、がんは、
扁平上皮細胞癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、メラノーマ
、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠芽細胞腫、
結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢鞘腫
瘍(MPNST)からなる群から選択される固形腫瘍がんである。
【0135】
特定の実施形態において、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノー
マ、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌から選択される固形腫瘍である
。がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)であり得る。がんは、肝細胞癌であり得る。がん
は、メラノーマであり得る。がんは、卵巣癌であり得る。がんは、乳癌であり得る。がん
は、膵臓癌であり得る。がんは、腎細胞癌であり得る。がんは、結腸直腸癌であり得る。
【0136】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによってNSCLCを治
療する方法が、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、
ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知
られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択され
るPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合
物と組み合わせてAMP-224を投与することによってNSCLCを治療することを含
む。いくつかの実施形態において、NSCLCは、IIA期またはIIB期である。NS
CLCは、IIIA期またはIIIB期のがんであり得る。NSCLCは、IV期のがん
であり得る。本明細書に記載されるがんの病期分類は、当技術分野で十分に理解されてい
るように、悪性腫瘍のがんの病期分類の表記の米国癌合同委員会TNM分類によって記載
されている。当業者は、他の病期分類システムが利用可能であり、本明細書に記載される
方法に適用可能であることを容易に理解するであろう。場合によっては、本方法は、式I
の化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR
-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはME
DI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む、本明細書に記載される組み合わせ
を投与することによって、IIIA期またはIIIB期のNSCLCを治療する方法であ
る。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP
-224を投与することによって、IIIAまたはIIIB期のNSCLCを治療するこ
とを含む。さらに別の態様では、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジ
リズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR0
01、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含
む、本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、IV期のNSCLCを治
療する方法である。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み
合わせてAMP-224を投与することによって、IV期のNSCLCを治療することを
含む。
【0137】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、肝細胞癌を治
療する方法が、本明細書にさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボル
マブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選
択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式I
の化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、肝細胞癌を治療するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、肝細胞癌は、II期のがんである。別の実施形
態において、肝細胞癌は、IIIA期、IIIB期、またはIIIC期のがんである。さ
らに別の実施形態において、肝細胞癌は、IVA期またはIVB期のがんである。一態様
では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の肝細胞癌を治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリ
ズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR00
1、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む
。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-
224を投与することによって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIII
C期)の肝細胞癌を治療することを含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に
記載される組み合わせを投与することによって、IV期(例えば、IVA期またはIVB
期)の肝細胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ
、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても
知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択さ
れるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化
合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、IV期(例えば、IVA期
またはIVB期)の肝細胞癌を治療することを含む。
【0138】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、メラノーマを
治療する方法が、本明細書になおさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、
ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-43968
4としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680
から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載され
る式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、メラノーマを治
療することを含む。いくつかの実施形態において、メラノーマは、IIA、IIB、また
はIIC期のがんである。別の実施形態において、メラノーマは、IIIA期、IIIB
期、またはIIIC期のがんである。さらに別の実施形態において、メラノーマは、IV
期のがんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ
を投与することによって、II期(例えば、IIA、IIB、またはIIC期)のメラノ
ーマを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロ
リズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られてい
る)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-
1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み
合わせてAMP-224を投与することによって、II期(例えば、IIA、IIB、ま
たはIIC期)のメラノーマを治療することを含む。一態様では、本方法は、治療有効量
の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、III期(例えば、III
A、IIIB、またはIIIC期)のメラノーマを治療する方法であり、この組み合わせ
は、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810
(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、ま
たはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は
、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによ
って、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)のメラノーマを治療
することを含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを
投与することによって、IV期のメラノーマを治療する方法であり、この組み合わせは、
式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(S
AR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、または
MEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本
明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって
、IV期のメラノーマを治療することを含む。
【0139】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって、卵巣癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ
、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても
知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択さ
れるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化
合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、卵巣癌を治療することを含
む。いくつかの実施形態において、卵巣癌は、FIGO卵巣癌の病期分類基準によって定
義されるI期のがんである。卵巣癌は、IA、IB、またはIC(例えば、IC1、IC
2、またはIC3)期のがんであり得る。別の実施形態において、卵巣癌は、II期のが
んである。卵巣癌は、IIA期またはIIB期のがんであり得る。一態様では、本方法は
、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、I(例えば、
IA、IB、IC1、IC2、またはIC3)期の卵巣癌を治療する方法であり、この組
み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN
2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-12
10、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、
本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与する
ことによって、I期(例えば、IA、IB、IC1、IC2、またはIC3期)の卵巣癌
を治療することを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組
み合わせを投与することによって、II期(例えば、IIAまたはIIB期)の卵巣癌を
治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマ
ブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、
PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体
と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせ
てAMP-224を投与することによって、II期(例えば、IIAまたはIIB期)の
卵巣癌を治療することを含む。
【0140】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、乳癌を治療す
る方法もまた、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、
ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知
られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択され
るPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合
物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、乳癌を治療することを含む。
乳癌は、HER2陰性乳癌であり得る。乳癌は、HER2陽性乳癌であり得る。乳癌は、
トリプルネガティブ乳癌であり得る。いくつかの実施形態において、乳癌は、IA期また
はIB期のがんである。別の実施形態において、乳癌は、IIA期またはIIB期のがん
である。さらに別の実施形態において、乳癌は、IIIA期、IIIB期またはIIIC
期のがんである。さらに別の実施形態において、乳癌は、IV期のがんである。一態様で
は、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、
I期(例えば、IAまたはIB期)の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式
Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SA
R-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはM
EDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明
細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、
I期(例えば、IAまたはIB期)の乳癌を治療することを含む。別の態様では、本方法
は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、II期(例
えば、IIAまたはIIB期)の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-
439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMED
I0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書
に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、II
期(例えば、IIAまたはIIB期)の乳癌を治療することを含む。さらに別の態様では
、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、I
II期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の乳癌を治療する方法であり
、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、
REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SH
R-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態
様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を
投与することによって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の
乳癌を治療することを含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組
み合わせを投与することによって、IV期の乳癌を治療する方法であり、この組み合わせ
は、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810
(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、ま
たはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は
、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによ
って、IV期の乳癌を治療することを含む。
【0141】
膵臓癌を治療する方法が本明細書に提供される。一態様では、本方法は、治療有効量の
本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、膵臓癌を治療することを含み
、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、
REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SH
R-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態
様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を
投与することによって、膵臓癌を治療することを含む。いくつかの実施形態において、膵
臓癌は、局所的に進行し、外科的に切除されるかまたは切除されていない膵臓癌、または
転移性の膵臓腺癌である。いくつかの実施形態において、膵臓癌は、IA期またはIB期
のがんである。別の実施形態において、膵臓癌は、IIA期またはIIB期のがんである
。さらに別の実施形態において、膵臓癌は、III期のがんである。さらに別の実施形態
において、膵臓癌は、IV期のがんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって、I期(例えば、IAまたはIB期)
の膵臓癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペン
ブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られ
ている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるP
D-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と
組み合わせてAMP-224を投与することによって、I期(例えば、IAまたはIB期
)の膵臓癌を治療することを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記
載される組み合わせを投与することによってII期(例えば、IIAまたはIIB期)の
膵臓癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブ
ロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られて
いる)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD
-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組
み合わせてAMP-224を投与することによって、II期(例えば、IIAまたはII
B期)の膵臓癌を治療することを含む。さらに別の態様では、本方法は、治療有効量の本
明細書に記載される組み合わせを投与することによって、III期の膵臓癌を治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリ
ズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR00
1、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む
。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-
224を投与することによって、III期の膵臓癌を治療することを含む。さらに別の態
様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、IV期
の膵臓癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペン
ブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られ
ている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるP
D-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と
組み合わせてAMP-224を投与することによって、IV期の膵臓癌を治療することを
含む。
【0142】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、腎細胞癌を治
療する方法が、本明細書にさらに提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボル
マブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選
択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式I
の化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、腎細胞癌を治療するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、腎細胞癌は、I期のがんである。別の実施形態
において、腎細胞癌は、II期のがんである。さらに別の実施形態において、腎細胞癌は
、III期のがんである。さらに別の実施形態において、腎細胞癌は、IV期のがんであ
る。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、I期の腎細胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と
、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-4396
84としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI068
0から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載さ
れる式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、I期の腎細胞
癌を治療することを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによって、II期の腎細胞癌を治療する方法であり、この組み
合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2
810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-121
0、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本
方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与するこ
とによって、II期の腎細胞癌を治療することを含む。さらに別の態様では、本方法は、
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、III期の腎細
胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロ
リズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られてい
る)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-
1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み
合わせてAMP-224を投与することによって、III期の腎細胞癌を治療することを
含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、IV期の腎細胞癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物
と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439
684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI06
80から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載
される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、IV期の腎
細胞癌を治療することを含む。
【0143】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、結腸直腸癌を
治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマ
ブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、
PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体
と、を含む、方法もまた、本明細書に提供される。別の態様では、本方法は、本明細書に
記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、結腸直
腸癌を治療することを含む。いくつかの実施形態において、結腸直腸癌は、I期のがんで
ある。別の実施形態において、結腸直腸癌は、IIA期、IIB期、またはIIC期のが
んである。さらに別の実施形態において、結腸直腸癌は、IIIA期、IIIB期、また
はIIIC期のがんである。さらに別の実施形態において、結腸直腸癌は、IVA期また
はIVB期のがんである。場合によっては、結腸直腸癌は、がんのグレードによってさら
に特徴付けられる。結腸直腸癌は、本明細書で提供される病期のいずれにおいても、グレ
ード1、グレード2、グレード3、またはグレード4のがんであり得る。一態様では、本
方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、I期の
結腸直腸癌を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペ
ンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知ら
れている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択される
PD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物
と組み合わせてAMP-224を投与することによって、I期の結腸直腸癌を治療するこ
とを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによってII期(例えば、IIA、IIB、またはIIC期)の結腸直腸癌を
治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマ
ブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、
PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体
と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせ
てAMP-224を投与することによって、II期(例えば、IIA、IIB、またはI
IC期)の結腸直腸癌を治療することを含む。さらに別の態様では、本方法は、治療有効
量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、III期(例えば、II
IA、IIIB、またはIIIC期)の結腸直腸癌を治療する方法であり、この組み合わ
せは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN281
0(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、
またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法
は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することに
よって、III期(例えば、IIIA、IIIB、またはIIIC期)の結腸直腸癌を治
療することを含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせ
を投与することによって、IV期(例えば、IVAまたはIVB期)の結腸直腸癌を治療
する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、
ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PD
R001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、
を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてA
MP-224を投与することによって、IV期(例えば、IVAまたはIVB期)の結腸
直腸癌を治療することを含む。
【0144】
他の実施形態において、がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキン
リンパ腫、リードステルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)
、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、または慢性リンパ球
性白血病(CLL)である。ある特定の実施形態において、がんは、ホジキンリンパ腫ま
たはリードステルベルグ病である。
【0145】
ある特定の実施形態において、がんを治療する方法は、治療有効量の本明細書に記載さ
れる組み合わせを投与することによって、NHLを治療する方法を含み、この組み合わせ
は、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810
(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、ま
たはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は
、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによ
って、NHLを治療することを含む。NHLは、例えばAnn Arbor病期分類シス
テムによるその病期によって特徴付けることができる。NHLは、NHL(例えば、濾胞
性リンパ腫(FL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LL);辺縁帯リンパ腫(MZL)ま
たは原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫)または進行性NHL(例えば、びまん性大細胞型
B細胞リンパ腫(DLBCL);III期の濾胞性大細胞リンパ腫;未分化大細胞リンパ
腫;節外性NK-/T細胞リンパ腫;リンパ腫様肉芽腫症;血管免疫芽球性T細胞リンパ
腫;末梢T細胞リンパ腫;血管内大型B細胞リンパ腫;バーキットリンパ腫;リンパ芽球
性リンパ腫;成人T細胞白血病/リンパ腫;またはマントル細胞リンパ腫)であり得る。
いくつかの実施形態において、NHLは、I期(例えば、I(I)期(胸腺)またはI(
E)期(リンパ系))のがんである。別の実施形態において、NHLは、II期(例えば
、II(I)期(リンパ節)またはII(E)期(近くの器官))のがんである。さらに
別の実施形態において、NHLは、III期(例えば、III期(I)期(リンパ節)、
III(E)期(近くの器官)、III(S)期(脾臓)、またはIII(ES)期(近
くの器官および脾臓)のがんである。さらに別の実施形態において、NHLは、IV期の
がんである。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによって、I期(例えば、I(I)またはI(E)期)のNHLを治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリ
ズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR00
1、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む
。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-
224を投与することによって、I期(例えば、I(I)またはI(E)期)のNHLを
治療することを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み
合わせを投与することによってII期(例えば、II(I)またはII(E)期)のNH
Lを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリ
ズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている
)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1
抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合
わせてAMP-224を投与することによって、II期(例えば、II(I)またはII
(E)期)のNHLを治療することを含む。さらに別の態様では、本方法は、治療有効量
の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、III期(例えば、III
(I)、III(E)、III(S)、またはIII(ES)期)のNHLを治療する方
法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリ
ズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR00
1、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む
。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-
224を投与することによって、III期(例えば、III(I)、III(E)、II
I(S)、またはIII(ES)期)のNHLを治療することを含む。さらに別の態様で
は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、IV期のN
HLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロ
リズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られてい
る)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-
1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み
合わせてAMP-224を投与することによって、IV期のNHLを治療することを含む
【0146】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
、ホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボル
マブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選
択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式I
の化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、ホジキンリンパ腫を治
療することを含む。ホジキンリンパ腫は、古典的または結節性リンパ球優勢であり得る。
いくつかの実施形態において、ホジキンリンパ腫は、リード-ステルベルグ細胞を含み、
リード-ステルベルグ病を引き起こし得る。いくつかの実施形態において、ホジキンリン
パ腫は、I期のがんである。別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、II期のがん
である。さらに別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、III期のがんである。さ
らに別の実施形態において、ホジキンリンパ腫は、IV期のがんである。一態様では、本
方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、I期の
ホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマ
ブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684として
も知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択
されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの
化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、I期のホジキンリンパ腫
を治療することを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組
み合わせを投与することによって、II期のホジキンリンパ腫を治療する方法であり、こ
の組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、RE
GN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-
1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様で
は、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与
することによって、II期のホジキンリンパ腫を治療することを含む。さらに別の態様で
は、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、
III期のホジキンリンパ腫を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と
、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-4396
84としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI068
0から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載さ
れる式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、III期のホ
ジキンリンパ腫を治療することを含む。さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記
載される組み合わせを投与することによって、IV期のホジキンリンパ腫を治療する方法
であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズ
マブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001
、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。
別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-2
24を投与することによって、IV期のホジキンリンパ腫を治療することを含む。
【0147】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって、慢性リンパ球性白血病(CLL)を治療する方法であり、この組み合わせは、式
Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SA
R-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはM
EDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明
細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、
CLLを治療することを含む。CLLは、RaiシステムまたはBinetシステムに従
って病期分類され得る。例えば、一実施形態において、CLLは、Rai I期のがんで
ある。別の実施形態において、CLLは、Rai II期のがんである。さらに別の実施
形態において、CLLは、Rai III期のがんである。さらに別の実施形態において
、CLLは、Rai IV期のがんである。さらに別の実施形態において、CLLは、B
inet A期のがんである。CLLは、Binet B期のがんであり得る。CLLは
、Binet C期のがんであり得る。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に
記載される組み合わせを投与することによって、Rai I期のCLLを治療する方法で
あり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマ
ブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、
SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別
の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-22
4を投与することによって、Rai I期のCLLを治療することを含む。一態様では、
本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、Ra
i II期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボル
マブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選
択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式I
の化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、Rai II期のCL
Lを治療することを含む。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組
み合わせを投与することによって、Rai III期のCLLを治療する方法であり、こ
の組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、RE
GN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-
1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様で
は、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与
することによって、Rai III期のCLLを治療することを含む。一態様では、本方
法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、Rai
IV期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ
、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても
知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択さ
れるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化
合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、Rai IV期のCLLを
治療することを含む。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって、Binet A期のCLLを治療する方法であり、この組
み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN
2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-12
10、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、
本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与する
ことによって、Binet A期のCLLを治療することを含む。一態様では、本方法は
、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、Binet
B期のCLLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、
ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知
られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択され
るPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合
物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、Binet B期のCLLを
治療することを含む。一態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって、Binet C期のCLLを治療する方法であり、この組
み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN
2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-12
10、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、
本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与する
ことによって、Binet C期のCLLを治療することを含む。
【0148】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって、急性リンパ性白血病(ALL)を治療する方法であり、この組み合わせは、式I
の化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR
-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはME
DI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細
書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、A
LLを治療することを含む。ALLは、世界保健機関(WHO)の分類に従って特徴付け
ることができる。ALLは、T細胞リンパ芽球性白血病であり得る。ALLは、B細胞リ
ンパ芽球性白血病であり得る。ALLは、以下から選択される再発性遺伝的異常を有する
B細胞リンパ芽球性白血病であり得る:
t(9;22)(q34;q11.2)、BCR-ABL1を伴うBリンパ芽球性白血
病/リンパ腫、
t(v;11q23)MLL再構成を伴うBリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
t(12;21)(p13;q22)TEL-AML1(ETV6-RUNX1)を伴
うBリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
高2倍体性Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
低2倍体性Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫、
t(5;14)(q31;q32)IL3-IGHを伴うBリンパ芽球性白血病/リン
パ腫、または
t(1;19)(q23;p13.3)TCF3-PBX1を伴うBリンパ芽球性白血
病/リンパ腫。
【0149】
さらに別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することに
よって、慢性骨髄性白血病(CML)を治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-
439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMED
I0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書
に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、CM
Lを治療することを含む。CMLは、疾患の段階によって特徴付けることができる。一実
施形態において、CMLは、慢性期のCMLである(例えば、患者は、その血液または骨
髄において約10%未満の芽球を有する)。別の実施形態において、CMLは、加速期の
CMLである(例えば、患者は、(1)10%超の芽球を有するが、その血液または骨髄
では20%未満の芽球を有する、(2)少なくとも約20%の白血球(WBC)数を含む
、好塩基球数、(3)高いWBC数、(4)高もしくは低血小板数、または(5)白血病
細胞における染色体変化を有する)。さらに別の実施形態において、CMLは、急性転化
期のCMLである(例えば、患者がその血液または骨髄に20%超の芽球を有する)。一
態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによ
って、CMLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、
ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知
られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択され
るPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合
物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、慢性期のCMLを治療するこ
とを含む。別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによって、加速期のCMLを治療する方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-
439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMED
I0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書
に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、加速
期のCMLを治療することを含む。さらに別の態様では、本方法は、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって、急性転化期のCMLを治療する方法
であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズ
マブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001
、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。
別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化合物と組み合わせてAMP-2
24を投与することによって、急性転化期のCMLを治療することを含む。
【0150】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、AMLを治療
する方法もまた、本明細書に提供され、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ
、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても
知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択さ
れるPD-1抗体と、を含む。別の態様では、本方法は、本明細書に記載される式Iの化
合物と組み合わせてAMP-224を投与することによって、AMLを治療することを含
む。AMLは、例えば、WHO分類システムによって特徴付けることができる。一実施形
態において、AMLは、以下に示すものを含む、ある特定の遺伝的異常を有することを特
徴とする:
染色体8と21との間の転座を伴うAML、
染色体16における転座または逆位を伴うAML、
染色体9と11との間の転座を伴うAML、
染色体15と17との間の転座を伴うAPL(M3)、
染色体6と9との間の転座を伴うAML、
染色体3における転座または逆位を伴うAML、または
染色体1と22との間の転座を伴うAML(巨核芽球)。
【0151】
AMLは、骨髄異形成に関連する変化を有すると特徴付けることができる。AMLは、
これまでの抗癌治療(例えば、化学療法または放射線療法)に関連するものとして特徴付
けることができる。AMLは、上記のWHOグループに該当しないと考えられるAMLと
して特徴付けることができ、例えば、以下を含む:
最小分化を伴うAML(M0)、
成熟を伴わないAML(M1)、
成熟を伴うAML(M2)、
急性骨髄単球性白血病(M4)、
急性単球性白血病(M5)、
急性赤血球性白血病(M6)、
急性巨核芽球性白血病(M7)、
急性好塩基球性白血病、または
線維症を伴う急性汎髄症。
【0152】
本明細書に記載される組み合わせは、診断後の任意の時点でがん患者に投与することが
できる。例えば、がん患者は、治療未経験であり得る(すなわち、診断されたがんのがん
治療を受けていない)。がん患者は、あるがんに対して治療未経験であり得るが、例えば
、転移または悪性腫瘍に起因する1つ以上の他のがんと診断され得る。がん患者は、1つ
以上のがんに対して未知の免疫チェックポイントであり得る。がん患者は、難治性のがん
を有し得る。場合によっては、本明細書に記載される組み合わせを、それを必要とする患
者への一次治療(例えば、治療未経験のがん患者に投与される第1治療)として投与する
【0153】
しかしながら、がんの罹患率および死亡率は、効果のない治療またはがんが1つ以上の
がん治療に耐性を示すかまたは難治性になることと関連することが多い。したがって、本
明細書に記載される組み合わせは、治療の二次、三次、四次、五次、六次、またはそれ以
上の治療として、それを必要とする患者に投与することができる。本明細書に記載される
組み合わせは、少なくとも1つの抗癌治療または抗癌剤で治療されているがん患者に投与
することができる。場合によっては、患者は、例えば、化学療法、放射線療法、外科手術
、標的療法、免疫療法、またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの抗癌治療を受
けている。患者は、少なくとも1つの抗癌剤による治療に耐性/難治性のがんを有し得る
【0154】
本明細書においてがんを治療する方法は、PD-L1チェックポイント阻害剤で治療さ
れ、治療への応答がない、部分応答、もしくは安定した疾患に対する応答を経験していな
いが、その後、疾患の進行を伴う治療に耐性になるか、または治療への完全な応答を経験
したが、その後、疾患の進行(RECISTまたは他の基準によって定義される)に伴う
治療に耐性になる、対象を治療することを含む。耐性は、治療中の疾患の進行または治療
に対する応答の欠如として定義される。このようなPD-1阻害剤抗体治療の失敗は、H
BI-8000、またはHDAC1、HDAC2、もしくはHDAC3のうちの1つ以上
から選択されるがん関連クラスI HDACを阻害するHDAC阻害剤などであるが、こ
れらに限定されない、HDAC阻害剤と組み合わせたPD-L1で治療することができる
。場合によっては、HDAC阻害剤はまた、クラスIIb HDAC10を阻害する。H
BI-8000は、HDAC1、2、3、および10の低ナノモル濃度を阻害することが
報告されている(Zhi-Qiang Ning et al.,Cancer Che
mother Pharmacol(2012)69:901-909を参照)。それは
また、HDAC8および11での活性を有する。Ningらはまた、HBI-8000が
HDAC1、2、3、8、10、および11でEntinostatよりも活性であるこ
とを報告している。さらに、HBI-8000は、連続投与-経口投与pK(t1/2
17時間)を可能にする良好な薬物動態プロファイルおよび安全性プロファイルを有する
【0155】
応答基準
【0156】
RECIST:
【0157】
RECISTは、一連の確立された基準または標準であり、臨床試験および臨床業務にお
ける患者の応答、安定性、および進行を評価するために国際的に認められている。元々、
2000年に公表され、2009年に改訂され(Eisenhauer EAら;固形腫
瘍における新しい応答基準:RECISTガイドライン(バージョン1.1)改訂、Eu
r J Cancer 2009;45:228-47)、欧州癌研究治療期間、米国国
立癌研究所、および国立がん研究所カナダ臨床試験グループの共同努力として、RECI
STは、伝統的に化学療法に対する応答の評価に利用されている。
【0158】
標的病変の評価:
【0159】
完全応答(CR):全ての標的病変の消失;部分応答(PR):標的病変のLD(最長径
)の合計が少なくとも30%減少し、ベースライン総和LDを基準とする;安定性疾患(
SD):治療開始以来、最小の総和LDを基準として、PRの資格を得るための十分な収
縮も、PDの資格を得るための十分な増加もない;進行性疾患(PD):治療開始以来記
録された最小の総和LDまたは1つ以上の新しい病変の出現を基準として、標的病変のL
Dの合計が少なくとも20%増加する。
【0160】
非標的病変の評価
【0161】
完全応答(CR):全ての非標的病変の消失および腫瘍マーカーレベルの正常化;不完全
な応答/安定性疾患(SD):1つ以上の非標的病変(複数可)の持続性または/および
正常な限度を超える腫瘍マーカーレベルの維持;進行性疾患(PD):1つ以上の新しい
病変の出現および/または既存の非標的病変の明白な進行。
【0162】
他の対応基準
【0163】
他の応答基準には、2009年にWolchokらによって定義されるように、免疫関連
応答基準またはiRECIST(Wolchok JD,et al.;Guideli
nes for the Evaluation of Immune Therapy
Activity in Solid Tumors:Immune-Related
Response Criteria.Clin Cancer Res 2009;
15(23):7412-20)および改訂された国際ワーキンググループ応答基準(C
heson BD et al,.Revised response criteri
a for malignant lymphoma.J.Clin.Oncol.20
07;25:579-586)が含まれる。
【0164】
がんを治療する方法には、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与するこ
とによって、細胞増殖を阻害するための方法が含まれ、この組み合わせは、本明細書に記
載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む。一例では、PD-1阻害剤は、
AMP-224である。別の例では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投
与することによって、細胞増殖を阻害するための方法であり、この組み合わせは、式Iの
化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-
439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMED
I0680から選択されるPD-1抗体と、を含む。
【0165】
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、がんの転移の
阻害を必要とする患者におけるそれを阻害するための方法もまた、本明細書に提供され、
この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む
。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有効量の本明
細書に記載される組み合わせを投与することによって、がんの転移の阻害を必要とする患
者におけるそれを阻害するための方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボ
ルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684と
しても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から
選択されるPD-1抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、転移は、少なくとも
約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、
または100%阻害される。
【0166】
別の態様では、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって
、既存の腫瘍転移の減少を必要とするがん患者におけるそれを減少させる方法であり、こ
の組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む。
一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有効量の本明細
書に記載される組み合わせを投与することによって、既存の腫瘍転移の減少を必要とする
がん患者におけるそれを減少させる方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニ
ボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684
としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680か
ら選択されるPD-1抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、既存の腫瘍転移は
、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80
%、90%、または100%減少する。
【0167】
さらに別の態様では、がんを治療する方法はまた、治療有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによって、個体における腫瘍負荷を減少させるための方法も提
供し、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、
を含む。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有効量
の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、個体における腫瘍負荷を減
少させるための方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、nニボルマブ、ペンブ
ロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られて
いる)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD
-1抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍負荷は、少なくとも約5%、1
0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または10
0%減少する。
【0168】
別の態様では、がんを治療する方法はまた、治療有効量の本明細書に記載される組み合
わせを投与することによって、対象における腫瘍負荷を減少させるための方法も提供し、
この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む
。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有効量の本明
細書に記載される組み合わせを投与することによって、個体における腫瘍負荷を減少させ
る方法があり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピ
ジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR
001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と、を
含む。いくつかの実施形態において、腫瘍負荷は、少なくとも約5%、10%、20%、
30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%減少する。
【0169】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、ある特定の段階(本明細書に記載さ
れるIIIおよびIV期のがんなどの進行した段階のがんを含む)の疾患の進行までの時
間を増加させるか、そうでなければ延長する方法も提供する。疾患の進行までの時間は、
治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって患者において延長
され得、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と
、を含む。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有効
量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、患者における疾患の進行
までの時間を増加させるための方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボル
マブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選
択されるPD-1抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、増加は、本明細書に記
載される組み合わせによる治療を行わない疾患の進行と、治療を行う疾患の進行までの時
間との比較である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、疾患の
進行までの時間を少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月、2カ月、3カ月
、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、1年または
それ以上延長し、これには、その中の値が含まれる。
【0170】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、本明細書に記載されるがんと診断さ
れた患者の生存(全生存を含む)を増加させるか、そうでなければ延長するための方法も
提供する。患者の生存は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与すること
によって延長され得、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD
-1阻害剤と、を含む。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例で
は、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、患者の生存
を延長させる方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、ペンブロリ
ズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている
)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1
抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、増加は、本明細書に記載される組み合わ
せによる治療を行わない生存と治療を行う生存との比較である。いくつかの実施形態にお
いて、本明細書に記載される方法は、生存を少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間
、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ
月、11カ月、1年、2年、またはそれ以上延長し、これには、その中の値が含まれる。
【0171】
本明細書に記載されるがんを治療する方法はまた、本明細書に記載されるがんと診断さ
れた患者の無増悪生存期間を増加させるための方法も提供する。患者の無増悪生存期間は
、治療有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって患者において延
長され得、この組み合わせは、本明細書に記載される、式Iの化合物と、PD-1阻害剤
と、を含む。一例では、PD-1阻害剤は、AMP-224である。別の例では、治療有
効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、がんと診断された患者
の無増悪生存期間を増加させるための方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、
ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-43968
4としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680
から選択されるPD-1抗体と、を含む。いくつかの実施形態において、増加は、本明細
書に記載される組み合わせによる治療を行わない無増悪生存期間と、それによる治療を行
う無増悪生存期間との比較である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される
方法は、無増悪生存期間を少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月、2カ月
、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、1
年、2年、またはそれ以上増加させ、これには、その中の値が含まれる。
【0172】
有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与することによって、骨髄由来サプレッ
サー細胞(MDSC)のレベルの低下を必要とする患者におけるそのレベルを低下させる
ための方法もまた、本明細書に提供され、この組み合わせは、本明細書に記載される、式
Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む。別の例では、有効量の本明細書に記載される
組み合わせを投与することによって、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルの
低下を必要とする患者におけるそのレベルを低下させるための方法であり、式Iの化合物
またはPD-1阻害剤の単独での投与と比較して、この組み合わせは、式Iの化合物と、
ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-43968
4としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680
から選択されるPD-1阻害剤と、を含む。MDSCの減少は、本明細書に記載されるが
んの治療に有益であり得る。ヒト患者におけるMDSCのレベルは、本明細書に記載され
る組み合わせの投与前、投与中、および投与後に測定することができる。いくつかの実施
形態において、患者におけるMDSCの投与前および投与後の量を比較することが有用で
あり得る。投与後のMDSCの量、レベル、または数の減少は、例えば、本明細書に記載
されるがんの治療における組み合わせの有効性を示すことができる。MDSCレベルは、
本明細書に記載される治療またはレジメンの過程にわたって、本明細書に記載される組み
合わせでモニターすることができる。このような場合、投与過程の様々な時点でのMDS
Cレベルの判定は、レジメンの有効性を示すことができる。
【0173】
Treg細胞の割合またはレベルの低下を必要とする患者においてその割合またはレベ
ルを低下させる方法も、本明細書に提供される。このような方法には、有効量の本明細書
に記載される組み合わせを投与することを含み、この組み合わせは、本明細書に記載され
る、式Iの化合物と、PD-1阻害剤と、を含む。一例では、PD-1阻害剤は、AMP
-224である。別の例では、有効量の本明細書に記載される組み合わせを投与すること
によって、Treg細胞の割合またはレベルの低下を必要とする患者においてその割合ま
たはレベルを低下させる方法であり、この組み合わせは、式Iの化合物と、ニボルマブ、
ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知
られている)、PDR001、SHR-1210、またはMEDI0680から選択され
るPD-1抗体と、を含み、この投与は、投与前のレベルと比較して患者におけるTre
g細胞の割合またはレベルを低下させる。Treg細胞の減少は、本明細書に記載される
がんの治療に有益であり得る。ヒト患者におけるTreg細胞のレベルは、本明細書に記
載される組み合わせの投与前、投与中、および投与後に測定することができる。いくつか
の実施形態において、患者におけるTreg細胞の投与前および投与後の量を比較するこ
とが有用であり得る。投与後のTreg細胞の量、レベル、または数の減少は、例えば、
本明細書に記載されるがんの治療における組み合わせの有効性を示すことができる。Tr
eg細胞レベルは、本明細書に記載される治療またはレジメンの過程にわたって、本明細
書に記載される組み合わせでモニタリングすることができる。このような場合、投与過程
の様々な時点でのTreg細胞レベルの判定は、レジメンの有効性を示すことができる。
【0174】
本明細書に記載される組み合わせは、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性を増強する
方法において有用であり得る。本明細書に記載される組み合わせはまた、細胞傷害性T細
胞の活性を増強する方法において有用であり得る。増強する方法には、NK細胞または細
胞傷害性T細胞を、本明細書に記載される組み合わせと接触させることを含み、この組み
合わせは、接触前のその活性と比較してNK細胞または細胞傷害性T細胞の活性を増強す
る。いくつかの実施形態において、NK細胞または細胞傷害性T細胞の増強された活性は
、本明細書に記載される組み合わせを投与されたがん患者にある。NK細胞または細胞傷
害性T細胞の活性を増強するのに有用なそのような組み合わせは、AMP-224を含む
ことができる。他の例では、NK細胞または細胞傷害性T細胞の活性を増強するための方
法に有用な本明細書に記載される組み合わせは、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリ
ズマブ、REGN2810(SAR-439684としても知られている)、PDR00
1、SHR-1210、またはMEDI0680から選択されるPD-1を含む。
【0175】
本明細書に記載される組み合わせはまた、本明細書に記載される組み合わせの投与時に
がん患者において抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強させることができる。
【0176】
本明細書に記載される組み合わせは、各治療剤(例えば、式Iの化合物およびPD-1
阻害剤)の投与を含み得、この投与は、同時にまたは連続的に(いずれかの順序で)実施
される。一実施形態において、式Iの化合物およびPD-1阻害剤は、同時に(例えば、
互いに少なくとも1~5分以内に)投与される。別の実施形態において、式Iの化合物お
よびPD-1阻害剤は、連続的に(例えば、互いに少なくとも10分、15分、30分、
1時間、2時間、5時間、10時間、12時間、1日、2日、5日、7日、14日、また
は21日以内に)投与される。
【0177】
一例では、式Iの化合物は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN
2810(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-12
10、またはMEDI0680から選択されるPD-1抗体と同時に投与される。別の例
では、式Iの化合物は、ニボルルマブの投与前に投与することができる。別の例では、式
Iの化合物は、ペンブロリズマブの投与前に投与することができる。別の例では、式Iの
化合物は、ピジリズマブの投与前に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は
、REGN2810(SAR-439684としても知られている)の投与前に投与する
ことができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、PDR001の投与前に投与するこ
とができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、MEDI0680の投与前に投与する
ことができる。別の例では、式Iの化合物は、ニボルルマブの投与後に投与することがで
きる。別の例では、式Iの化合物は、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、またはSHR
-1210の投与後に投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、ピジリズマ
ブ、アテゾリズマブ、またはSHR-1210の投与後に投与することができる。別の例
では、式Iの化合物は、REGN2810(SAR-439684としても知られている
)の投与後に投与することができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、PDR001
の投与前後に投与することができる。さらに別の例では、式Iの化合物は、MEDI06
80の投与後に投与することができる。
【0178】
別の例では、式Iの化合物は、AMP-224と同時に投与される。さらに別の例では
、式Iの化合物は、AMP-224の投与前に投与される。さらに別の例では、式Iの化
合物は、AMP-224の投与後に投与される。
【0179】
式Iの化合物は、例えば、1日1回(QD)、1日2回(BID)、週1回(QW)、
週2回(BIW)、週3回(TIW)、または月1回(QM)投与することができる。例
えば、式Iの化合物は、1日2回投与することができる。式Iの化合物は、週3回投与す
ることができる。場合によっては、式Iの化合物は、1週間に2~3回投与される。他の
実施形態において、式Iの化合物は、1日1回投与される。化合物は、約1日~約7日、
1日~約14日、1日~約21日、1日~約28日、または疾患の進行または許容不可能
な毒性まで毎日1日1回投与することができる。式Iの化合物の投与は、部分的には、よ
り大きな耐性がより多いまたはより頻繁な投与を可能にし得る患者の耐容性に依存し得る
。あるいは、患者が式Iの化合物に対して耐性が低い場合、化合物の投与量を少なくする
か、投与回数を少なくすることができる。化合物の投与は、最大の治療効果が達成された
ときに中断することもでき、その後、別の投与スケジュールで投与するが、さらなる投与
が正当化されるときに再開する。式Iの化合物は、本明細書に記載される任意のレジメン
で投与することができる。
【0180】
例えば、式Iの化合物は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、1
5mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、6
0mg、70mg、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150m
g、175mg、または200mgの量で1日1回投与することができる。例えば、式I
の化合物は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20m
g、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70m
g、80mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg
、または200mgの量で週2回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1
mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、3
0mg、35mg、50mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、8
0mg、85mg、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、また
は200mgの量で週3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg、
2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg
、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg
、90mg、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの量
で週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg、2mg、3mg、
4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40
mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、85mg、90mg、10
0mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの量で2週間隔で投与
することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で1日1回
投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で週2
回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で週
3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量で
週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約5mgまたは約10mgの量
で2週間隔で投与することができる。式Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式Iの
化合物の投与は、断続的であり得る。
【0181】
例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約5
0mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約
25mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約20
0mgの量で1日1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg~約1
0mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約2
5mg、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg
~約100mg、または100mg~約200mgの量で週2回投与することができる。
例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50
mg、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約2
5mg、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200
mgの量で週3回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg~約10m
g、1mg~約25mg、1mg~約50mg、5mg~約10mg、5mg~約25m
g、5mg~約50mg、10mg~約25mg、10mg~約50mg、50mg~約
100mg、または100mg~約200mgの量で週1回投与することができる。例え
ば、式Iの化合物は、約1mg~約10mg、1mg~約25mg、1mg~約50mg
、5mg~約10mg、5mg~約25mg、5mg~約50mg、10mg~約25m
g、10mg~約50mg、50mg~約100mg、または100mg~約200mg
の量で2週間隔で投与することができる。式Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式
Iの化合物の投与は、断続的であり得る。
【0182】
例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0.00
1mg/kg~約200mg/kg、0.01mg/kg~約200mg/kg、0.0
1mg/kg~約150mg/kg、0.01mg/kg~約100mg/kg、0.0
1mg/kg~約50mg/kg、0.01mg/kg~約25mg/kg、0.01m
g/kg~約10mg/kg、または0.01mg/kg~約5mg/kg、0.05m
g/kg~約200mg/kg、0.05mg/kg~約150mg/kg、0.05m
g/kg~約100mg/kg、0.05mg/kg~約50mg/kg、0.05mg
/kg~約25mg/kg、0.05mg/kg~約10mg/kg、または0.05m
g/kg~約5mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg
~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5mg/kg~約
50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/kg~約10mg
/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で1日1回投与することができる
。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0.00
1mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0.5m
g/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5mg/
kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/kg~約
10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週2回投与することが
できる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/kg、0
.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/kg、0
.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、0.5
mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5mg/k
g~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週3回投与する
ことができる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200mg/k
g、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200mg/k
g、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/kg、
0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0.5m
g/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で週1回投
与することができる。例えば、式Iの化合物は、約0.0001mg/kg~約200m
g/kg、0.001mg/kg~約200mg/kg、0.5mg/kg~約200m
g/kg、0.5mg/kg~約150mg/kg、0.5mg/kg~約100mg/
kg、0.5mg/kg~約50mg/kg、0.5mg/kg~約25mg/kg、0
.5mg/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgの量で2
週間隔で投与することができる。式Iの化合物の投与は、連続的であり得る。式Iの化合
物の投与は、断続的であり得る。
【0183】
例えば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約1
50mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg
、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/
kg~約5mg/kgの量で1日1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、
約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/k
g~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg
/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~約5mgの量で週2回
投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg
、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/
kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg
/kg、または1mg/kg~約5mg/kgの量で週3回投与することができる。例え
ば、式Iの化合物は、約1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150m
g/kg、1mg/kg~約100mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1m
g/kg~約25mg/kg、1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~
約5mg/kgの量で週1回投与することができる。例えば、式Iの化合物は、約1mg
/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約1
00mg/kg、1mg/kg~約50mg/kg、1mg/kg~約25mg/kg、
1mg/kg~約10mg/kg、または1mg/kg~約5mg/kgの量で2週間隔
で投与することができる。一例では、式Iの化合物は、約15mg/kg~約75mg/
kgの量で1日1回投与することができる。別の例では、式Iの化合物は、約20mg/
kg~約50mg/kgの量で投与することができる。さらに別の例では、式Iの化合物
は、約0.001mg/kg、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/
kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、
5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、3
0mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、8
0mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/k
g、175mg/kg、または200mg/kgの量で投与することができる。式Iの化
合物の投与は、連続的であり得る。式Iの化合物の投与は、断続的であり得る。
【0184】
本明細書で使用される場合、毎日という用語は、式Iの化合物などの本明細書に記載さ
れる組み合わせの治療化合物が、ある期間中、毎日1回または1回より多く投与すること
を意味することが意図される。連続という用語は、式Iの化合物などの本明細書に記載さ
れる組み合わせの治療化合物が、少なくとも10日間~52週間の中断されない期間にわ
たって毎日投与されることを意味することが意図される。本明細書で使用される間欠的ま
たは断続的という用語は、規則的または不規則のいずれかの間隔で停止および開始するこ
とを意味することが意図される。例えば、式Iの化合物などの本明細書に記載される組み
合わせの治療化合物の断続的投与には、1週間あたり1~6日間(例えば週2~3回また
は1日1回)、サイクル(例えば、2~8週間連続して毎日投与し、次いで、少なくとも
1日投与しない休止期間)、または例えば、1日おきの投与が含まれる。
【0185】
PD-1阻害剤がPD-1抗体である場合、添付文書に提供されているような確立され
たレジメンに従って投与することができる。PD-1抗体は、本明細書に記載の量で投与
することができ、週1回、2週間に1回(2週間隔で)、または3週間に1回(3週間隔
で)投与することができる。一実施形態において、PD-1抗体は、2週間または3週間
に1回投与される。別の実施形態において、PD-1抗体は、2週間隔で投与される。さ
らに別の実施形態において、PD-1抗体は、3週間隔で投与される。さらに別の実施形
態において、PD-1抗体は、週2回少なくとも3週間投与される。
【0186】
例えば、ニボルマブは、約0.1~約10mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0
.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、
3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/k
gを含む)の量で週1回投与することができる。例えば、ニボルマブは、約0.1~約1
0mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.
7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/k
g、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与すること
ができる。例えば、ニボルマブは、約0.1~約10mg/kg(例えば、0.1mg/
kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg
/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8
mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。例えば、ニボルマブは、約
0.1~約10mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg
/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg
、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kgを含む)の量で4週間に2
回(4週間毎に2回)投与することができる。例えば、ニボルマブは、約0.1~約10
mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7
mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg
、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することが
できる。ニボルマブの投与は、連続的であり得る。ニボルマブの投与は、断続的であり得
る。
【0187】
ニボルマブは、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上にわ
たって静脈内注入として投与することができる。ニボルマブは、1、2、3、4、5週間
毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することがで
きる。ニボルマブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。ニボルマブは、3週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として
投与することができる。ニボルマブは、4週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注
入として投与することができる。ニボルマブは、添付文書に従って静脈内注入として投与
することができる。ニボルマブの投与は、連続的であり得る。ニボルマブの投与は、断続
的であり得る。
【0188】
例えば、ペンブロリズマブは、約0.5~約20mg/kg(例えば、0.5mg/k
g、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5
mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/k
g、15mg/kgを含む)の量で投与することができる。例えば、ペンブロリズマブは
、約0.5~約20mg/kg(例えば、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg
/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7
mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kgを含む)の
量で週1回投与することができる。例えば、ペンブロリズマブは、約0.5~約20mg
/kg(例えば、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、
3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/k
g、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与する
ことができる。例えば、ペンブロリズマブは、約0.5~約20mg/kg(例えば、0
.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4m
g/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、
10mg/kg、15mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができる。例え
ば、ペンブロリズマブは、約0.5~約20mg/kg(例えば、0.5mg/kg、0
.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/
kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、1
5mg/kg)を含む)の量で4週間隔で投与することができる。ペンブロリズマブの投
与は、連続的であり得る。ペンブロリズマブの投与は、断続的であり得る。
【0189】
ペンブロリズマブは、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以
上にわたって静脈内注入として投与することができる。ペンブロリズマブは、1、2、3
、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与
することができる。ペンブロリズマブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内
注入として投与することができる。ペンブロリズマブは、3週間毎に1回、約60分間に
わたって静脈内注入として投与することができる。ペンブロリズマブは、4週間毎に1回
、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。ペンブロリズマブは、
添付文書に従って投与することができる。ペンブロリズマブの投与は、連続的であり得る
。ペンブロリズマブの投与は、断続的であり得る。
【0190】
例えば、ピジリズマブは、約0.1~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、
0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg
、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/
kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/k
g、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例えば、ピジリズマブ
は、約0.1~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.
5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg
/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、1
0mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含
む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、ピジリズマブは、約0.1~約3
0mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.
7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/k
g、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15
mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔
で投与することができる。例えば、ピジリズマブは、約0.1~約30mg/kg(例え
ば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1m
g/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、
7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20m
g/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することがで
きる。ピジリズマブの投与は、連続的であり得る。ピジリズマブの投与は、断続的であり
得る。
【0191】
ピジリズマブは、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上に
わたって静脈内注入として投与することができる。ピジリズマブは、1、2、3、4、5
週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与すること
ができる。ピジリズマブは、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投
与することができる。ピジリズマブは、3週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注
入として投与することができる。ピジリズマブは、4週間毎に1回、約60分間にわたっ
て静脈内注入として投与することができる。ピジリズマブの投与は、連続的であり得る。
ピジリズマブの投与は、断続的であり得る。
【0192】
例えば、AMP-224は、約1~約50mg/kg(例えば、5mg/kg、10m
g/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35m
g/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kgを含む)の量で週1回投与
することができる。例えば、AMP-224は、約1~約50mg/kg(例えば、5m
g/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30m
g/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kgを含む)
の量で2週間隔で投与することができる。例えば、AMP-224は、約1~約50mg
/kg(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、2
5mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、5
0mg/kgを含む)の量で3週間隔で投与することができる。例えば、AMP-224
は、約1~約50mg/kg(例えば、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg
、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg
、45mg/kg、50mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。A
MP-224の投与は、連続的であり得る。AMP-224の投与は、断続的であり得る
【0193】
AMP-224は、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上
にわたって静脈内注入として投与することができる。AMP-224は、1、2、3、4
、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。AMP-224は、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入と
して投与することができる。AMP-224は、3週間毎に2回、約60分間にわたって
静脈内注入として投与することができる。AMP-224は、6週間毎に3回、約60分
間にわたって静脈内注入として投与することができる。AMP-224の投与は、連続的
であり得る。AMP-224の投与は、断続的であり得る。
【0194】
例えば、REGN2810(SAR-439684としても知られている)は、約0.
1~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/k
g、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5
mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/k
g、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で
2週間隔で投与することができる。例えば、REGN2810(SAR-439684と
しても知られている)は、約0.1~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0
.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、
3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/k
g、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg
、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。例えば、REGN2
810(SAR-439684としても知られている)は、約0.1~約30mg/kg
(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg
、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/
kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、
20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与するこ
とができる。例えば、REGN2810(SAR-439684としても知られている)
は、約0.1~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.
5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg
/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、1
0mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含
む)の量で週1回投与することができる。REGN2810(SAR-439684とし
ても知られている)の投与は、連続的であり得る。REGN2810の投与は、断続的で
あり得る。
【0195】
REGN2810(SAR-439684としても知られている)は、約10、20、
30、40、50、または60分もしくはそれ以上にわたって静脈内注入として投与する
ことができる。REGN2810(SAR-439684としても知られている)は、1
、2、3、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入と
して投与することができる。REGN2810(SAR-439684としても知られて
いる)は、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができ
る。REGN2810(SAR-439684としても知られている)は、3週間毎に2
回、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。REGN2810(
SAR-439684としても知られている)は、6週間毎に3回、約60分間にわたっ
て静脈内注入として投与することができる。REGN2810(SAR-439684と
しても知られている)の投与は、連続的であり得る。REGN2810(SAR-439
684としても知られている)の投与は、連続的であり得る。
【0196】
例えば、PDR001は、約0.5~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、
0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg
、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/
kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/k
g、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例えば、PDR001
は、約0.5~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.
5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg
/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、1
0mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含
む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、PDR001は、約0.5~約3
0mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.
7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/k
g、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15
mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で3週間隔
で投与することができる。例えば、PDR001は、約0.5~約30mg/kg(例え
ば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1m
g/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、
7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20m
g/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔で投与することがで
きる。PDR001の投与は、連続的であり得る。PDR001の投与は、断続的であり
得る。
【0197】
PDR001は、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以上に
わたって静脈内注入として投与することができる。PDR001は、1、2、3、4、5
週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与すること
ができる。PDR001は、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投
与することができる。PDR001は、3週間毎に2回、約60分間にわたって静脈内注
入として投与することができる。PDR001は、3週間毎に1回、約60分間にわたっ
て静脈内注入として投与することができる。PDR001の投与は、連続的であり得る。
PDR001の投与は、断続的であり得る。
【0198】
例えば、MEDI0680は、約0.5~約30mg/kg(例えば、0.1mg/
kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg
/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8
mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25m
g/kg、30mg/kgを含む)の量で週1回投与することができる。例えば、MED
I0680は、約0.5~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/
kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/k
g、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg
/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg
/kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、MEDI0680は、
約0.5~約30mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5m
g/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/k
g、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10m
g/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)
の量で3週間隔で投与することができる。例えば、MEDI0680は、約0.5~約3
0mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.
7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/k
g、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15
mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kgを含む)の量で4週間隔
で投与することができる。MEDI0680の投与は、連続的であり得る。MEDI06
80の投与は、断続的であり得る。
【0199】
MEDI0680は、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以
上にわたって静脈内注入として投与することができる。MEDI0680は、1、2、3
、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与
することができる。MEDI0680は、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内
注入として投与することができる。MEDI0680は、3週間毎に2回、約60分間に
わたって静脈内注入として投与することができる。MEDI0680は、3週間毎に1回
、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。MEDI0680の投
与は、連続的であり得る。MEDI0680の投与は、断続的であり得る。
【0200】
例えば、SHR-1210は、約0.5~約20mg/kg(例えば、0.1mg/k
g、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/
kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8m
g/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kgを含む)の
量で週1回投与することができる。例えば、SHR-1210は、約0.5~約20mg
/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg
/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6
mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/
kg、20mg/kgを含む)の量で2週間隔で投与することができる。例えば、SHR
-1210は、約0.5~約20mg/kg(例えば、0.1mg/kg、0.3mg/
kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/k
g、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg
/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kgを含む)の量で3週間隔で投
与することができる。例えば、SHR-1210は、約0.5~約20mg/kg(例え
ば、0.1mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1m
g/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、
7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20m
g/kgを含む)の量で4週間隔で投与することができる。SHR-1210の投与は、
連続的であり得る。SHR-1210の投与は、断続的であり得る。
【0201】
SHR-1210は、約10、20、30、40、50、または60分もしくはそれ以
上にわたって静脈内注入として投与することができる。SHR-1210は、1、2、3
、4、5週間毎もしくはそれ以上毎に1回、約60分間にわたって静脈内注入として投与
することができる。SHR-1210は、2週間毎に1回、約60分間にわたって静脈内
注入として投与することができる。SHR-1210は、3週間毎に2回、約60分間に
わたって静脈内注入として投与することができる。SHR-1210は、3週間毎に1回
、約60分間にわたって静脈内注入として投与することができる。SHR-1210の投
与は、連続的であり得る。SHR-1210の投与は、断続的であり得る。
【0202】
本明細書に記載される組み合わせは、レジメンで投与することができる。レジメンは、
所定の期間(例えば、投与時間)にわたり、治療有効量の式Iの化合物およびPD-1阻
害剤(例えば、PD-1抗体)を提供するように構成することができる。レジメンは、本
明細書に記載される組み合わせの各構成要素の副作用または望ましくない合併症を制限ま
たは防止するように構成することができる。レジメンは、組み合わせの両方の療法に対す
る効果(例えば、相乗作用)が増加する方法で構成することができる。がんを治療するの
に有用なレジメンは、必要に応じて繰り返すことができる任意の投与日数を含み得る。投
与期間は、少なくとも1つの療法の投与を含まない休止期間によって中断してもよい。例
えば、レジメンは、2、3、5、7、10、15、21、28日、またはそれ以上を含む
投与期間を含み得る。これらの期間は、繰り返すことができる。例えば、レジメンは、レ
ジメンが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13回、またはそれ
以上繰り返される場合に、前述のように、設定された日数を含むことができる。
【0203】
レジメンは、少なくとも1つの療法がもはや患者に投与されない、少なくとも1、2、
3、5、7、10日、またはそれ以上の休止期間を含むことができる。休止期間は、例え
ば、薬物に対する患者の反応をモニタリングすることによって、または治療の有効性を測
定することによって決定することができる。休止期間は、本明細書に記載される組み合わ
せの1つの療法のみが休止期間に中止されるが、他の療法(複数可)が依然として施され
るように、単一の療法に適用可能であり得る。休止期間は、対象が、休止期間中に一定期
間、治療を受けないように、対象に投与される全ての療法に適用され得る。
【0204】
本明細書に記載される組み合わせを用いてがんを治療するための本明細書に記載される
レジメンは、疾患の進行または許容不可能な毒性まで続けることができる。
【0205】
本明細書に記載される組み合わせの投与レジメンには、例えば、式Iの化合物の週2回
または週3回の投与およびPD-1阻害剤の投与が含まれる。例えば、式Iの化合物は、
1日1回約21日間投与することができ、本明細書に記載されるPD-1抗体は、2週間
隔または4週間隔で)投与することができる。例えば、式Iの化合物は、週2回または週
3回投与することができ、本明細書に記載されるPD-1抗体は、2週間隔で投与するこ
とができる。別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回または週3回投与する
ことができ、PD-1抗体は、週2回2または3週間投与することができる。さらに別の
例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回または週3回投与することができ、PD
-1抗体は、3週間隔で投与することができる。さらに別の例示的なレジメンでは、式I
の化合物は、週2回投与することができ、本明細書に記載されるPD-1阻害剤は、週1
回、2週間隔、または3週間隔で投与することができる。場合によっては、そのようなレ
ジメンには、週1回、2週間隔、または3週間隔で投与されたPD-1抗体の投与が含ま
れる。さらに別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週3回投与することができ、
本明細書に記載されるPD-1阻害剤は、週1回、2週間隔、または3週間隔で投与する
ことができる。場合によっては、そのようなレジメンには、週1回、2週間隔、または3
週間隔で投与されたPD-1抗体の投与が含まれる。場合によっては、そのようなレジメ
ンには、1日1回投与された式Iの化合物の投与が含まれる。場合によっては、そのよう
なレジメンには、1日1回少なくとも21日間投与された式Iの化合物の投与が含まれる
。さらに別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回または週1回投与するこ
とができ、PD-1阻害剤(例えば、PD-1抗体)は、週1回、2週間隔、または3週
間隔で投与される。
【0206】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とペンブロリズマブの投与のためのレ
ジメンであり得る。ペンブロリズマブを含む1つの例示的なレジメンでは、式Iの化合物
は、週2回または週3回投与することができ、ペンブロリズマブは、例えば、添付文書に
提供される処方情報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、ペンブロリズマブ
は、レジメンの1日目に約1mg/kg~約10mg/kgの量で投与され、その後、疾
患の進行または許容不可能な毒性まで週2回少なくとも3週間投与され、式Iの化合物が
同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。別の例示的なレジメンでは、ペンブ
ロリズマブは、レジメンの1日目に約1mg/kg~約10mg/kgの量で投与され、
その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで3週間隔で1回投与され、式Iの化合物
が同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。ペンブロリズマブは、式Iの化合
物とともに週2回3週間投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジ
メンの過程において週2回または週3回投与される。ペンブロリズマブは、式Iの化合物
とともに週1回3週間投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメ
ンの過程において週2回または週3回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、ペ
ンブロリズマブは、式Iの化合物とともに週1回3週間投与することができ、式Iの化合
物は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回または週1回投与される。そ
のようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0207】
ペンブロリズマブを含む別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回投与す
ることができ、ペンブロリズマブは、例えば、添付文書に提供される処方情報に従って投
与される。別の例示的なレジメンでは、ペンブロリズマブは、レジメンの1日目に約1m
g/kg~約10mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒
性まで週2回少なくとも3週間投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投
与される。別の例示的なレジメンでは、ペンブロリズマブは、レジメンの1日目に約1m
g/kg~約10mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒
性まで3週間隔で1回投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される
。ペンブロリズマブは、式Iの化合物とともに週2回3週間投与することができ、式Iの
化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。ペンブロリ
ズマブは、式Iの化合物とともに週1回3週間投与することができ、式Iの化合物は、例
えば、このようなレジメンの過程において1日1回投与される。そのようなレジメンは、
上記のように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、ま
たはそれ以上)繰り返すことができる。
【0208】
レジメンは、本明細書に記載される式Iの化合物とニボルムマブの投与のためのレジメ
ンであり得る。ニボルマブを含む1つの例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、週2回
または週3回投与することができ、ニボルマブは、例えば、添付文書に提供される処方情
報に従って投与される。別の例示的なレジメンでは、ニボルマブは、1日目に約1mg/
kg~約5mg/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで
週2回3週間投与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与され
る。さらに別の例示的なレジメンでは、ニボルマブは、1日目に約1mg/kg~約5m
g/kgの量で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで2週間隔で投
与され、式Iの化合物が同じ期間にわたって週2回または週3回投与される。さらに別の
例示的なレジメンでは、ニボルマブは、2週間隔で投与することができ、式Iの化合物は
、例えば、このようなレジメンの過程において週2回または週3回投与される。さらに別
の例示的なレジメンでは、ニボルマブは、2週間隔で投与することができ、式Iの化合物
は、例えば、このようなレジメンの過程において1日1回または週1回投与される。その
ようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0209】
ニボルマブを含む別の例示的なレジメンでは、式Iの化合物は、1日1回投与すること
ができ、ニボルマブは、例えば、添付文書に提供される処方情報に従って投与される。別
の例示的なレジメンでは、ニボルマブは、1日目に約1mg/kg~約5mg/kgの量
で投与され、その後、疾患の進行または許容不可能な毒性まで週2回3週間投与され、式
Iの化合物が同じ期間にわたって1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは
、ニボルマブは、1日目に約1mg/kg~約5mg/kgの量で投与され、その後、疾
患の進行または許容不可能な毒性まで2週間隔で投与され、式Iの化合物が同じ期間にわ
たって1日1回投与される。さらに別の例示的なレジメンでは、ニボルマブは、2週間隔
で投与することができ、式Iの化合物は、例えば、このようなレジメンの過程において1
日1回投与される。そのようなレジメンは、上記のように(例えば、1、2、3、4、5
、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれ以上)繰り返すことができる。
【0210】
がんを治療するための本明細書に記載される組み合わせは、本明細書に記載される組み
合わせ(例えば、抗癌剤)に存在するもの以外の他の活性薬剤と同時投与することができ
ることも理解されるべきである。上記の例示的なレジメンを含む、本明細書に記載される
組み合わせの投与のためのレジメンは、そのような活性薬剤の投与を含むように必要に応
じて変更することができる。このような活性薬剤、例えば抗癌剤の投与は、例えば抗癌剤
の投与は、1日1回、週1回、月1回、1日2回、週2回、週3回、2週間隔、3週間隔
、または4週間隔で、または例えば、添付文書に記載されるそのような抗癌剤の処方情報
に従って行うことができる。例示的な抗癌剤としては、ABRAXANE;アビラテロン
;ace-11;アクラルビシン;アシビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アクチ
ノマイシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼルジン;アドリアマイシン;アル
デスロイキン;全てのトランス-レチノイン酸(ATRA);アルテラミン;アンバムス
ティーン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミドックス;アミホスチン;アミノ
グルテチミド;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナス
トロゾール;アンドログラホリド;アンタレリックス;アントラマイシン;アフィジコリ
ングリシネート;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナー
ゼ;ARRY-162;ARRY-300;ARRY-142266;AS703026
;アスパラギナーゼ;アスペリン;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキ
シナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシ
ン;アザチロシン;アザシチジン;AZD8330;アゼチパ;アゾトマイシン;バラノ
ール;バチマスタット;BAY11-7082;BAY43-9006;BAY8697
66;ベンダムスチン;ベンゾクロリン;ベンゾデパ;ベンゾイルスタウロスポリン;ベ
ータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;b-FGF阻害剤;ビカルタミド;
ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビスナフィドジメシレー
ト;ビストラチンA;塩酸ビスアントレン;ブレオマイシン;硫酸ブレオマイシン;ブス
ルファン;ビゼレシン;ブレフラート;ボルテゾミブ;ブレキナールナトリウム;ブロピ
リミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;ブリオスタチン;カクチノマイシン;
カラステロン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタ
ビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaR
est M3;CARN 700;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルム
スチン;塩酸カルビシン;カルゼレジン;カスタノスペルミン;セクロピンB;セデフィ
ンゴール;セレコキシブ;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンア
ミド;シカプロスト;クロラムブシル;クロロフシン;サイロレマイシン;シスプラチン
;CI-1040;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリ
マゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタ
スタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリスナトール
メシレート;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペン
タアントラキノン類;シクロプラタム;シピマイシン;シクロホスファミド;シタラビン
;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダカルバジン;ダクチ
ノマイシン;ダウノルビシン;塩酸ダウノルビシン;デカルバジン;ダクリシマブ;ダサ
チニブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホ
スファミド;デキサゾキサン;デクスベラパミル;デキソルマプラチン;デザグアニン;
デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペ
ルミン;ジヒドロ5アザシチジン;ジヒドロタクソール;9-ジオキサマイシン;ジフェ
ニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩
酸ドキソルビシン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;
プロピオン酸ドロモスタノン;ドロナビノール;デュアゾマイシン;デュオカルマイシン
SA;エブセレン;エコムスティン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エダトレキサー
ト;塩酸エフロルニチン;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エルサミトルシン
;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン;塩酸エピルビシン
;エプリステリド;エルブロゾール;エリブリン;塩酸エソルビシン;エストラムスチン
;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド
;エトプリン;エキセメスタン;ファドロゾール;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;
フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチ
ン;フルアセロン;フロクスウリジン;フルダラビンホスフェート;フルダラビン;塩酸
フルオロダウノルビシン;ホルフェニメキス;ホルメスタン;フルオロウラシル;フラッ
クスウリジン;フルロシタビン;ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;フォストリ
シン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニ
レリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;ゲルダナマイシン;ゴシポール;GDC
-0973;GSK1120212/トラメチニブ;ハーセプチン;ヒドロキシウレア;
ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンド
ロン酸;イブルチニブ;イダルビシン;塩酸イダルビシン;イホスファミド;カンホスフ
ァミド;イルモホシン;イプロプラチン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシ
ン;イロマスタット;イミダゾピリドン;イマチニブ(例えば、GLEEVEC);イミ
キモド;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール;イリノテカン;塩酸
イリノテカン;イルソグラジン;イソベンザゾール;イソホロンハリコンドリンB;イタ
セトロン;イイモホシン;インターロイキンIL-2(組換えインターロイキンIIまた
はrlLを含む);インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2
b;インターフェロンアルファ-n1;インターフェロンアルファ-n3;インターフェ
ロンベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;ジャスプラキノリド;カハラリドF
;ラメララミンNトリアセテート;ランレオチド;ライナマイシン;レノグラスチム;硫
酸レンチナン;レプトスタチン;レトロゾール;リュープロレリン;レバミゾール;レナ
リドミド;レンバチニブ;リアロゾール;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロンブリ
シン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロゾキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン
;ルーテテカン;ルテチウムテキサフィリン;リゾフィリン;酢酸ランレオチド;ラパチ
ニブ;レトロゾール;ロイコボリン;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキ
ソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロキサントロン;ポマリドマイド;LY29400
2;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マ
トリリシン阻害剤;メノガリル;メルバロン;メレレリン;メチオニナーゼ;メトクロプ
ラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾ
ン;ミトラクトール;ミトナフィド;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチ
ム;モピダモール;マイケルペルオキシドB;ミリオポロン;メイタンシン;塩酸メクロ
レタミン;酢酸メゲストロール;メレンゲストロールアセテート;メルファラン;メルカ
プトプリン;メトトレキサート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ
(meturedepa);ミトイドマイド;ミトカルシン;ミトクロムミン;ミトギリ
ン;マイトマルシン;マイトマイシン;ミトスパー;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;
ミコフェノール酸;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナパビン;
ナフテルピン;ナトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミ
ド;ニサマイシン;酸化窒素調節剤;ニトロキシド抗酸化剤;ニトリルン;ノコダゾール
;ノガラマイシン;オブリメルセン(GENASENSE);オクトレオチド;オキセノ
ン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラ
シン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オキシラン;オキサロプラチン;オセ
テロン;オキサリプラチン;オキサウママイシン;パラオアミン;パルミトイルリソキシ
ン;パミドロン酸;パナキトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリチジン;ペ
グスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペント
ロゾール;ペルフルブロン;パーコサミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;
フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラル
ビシン;ピリトレキシム;プラセインA;プラセインB;ポルフィロマイシン;プレドニ
ゾン;プロスタグランジンJ2;ピラゾロアクリジン;パクリタキセル;PD03590
1;PD184352;PD318026;PD98059;ペリオマイシン;ペンタム
スチン;硫酸ペロマイシン;PKC412;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキ
サントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポドフィロトキシン;ポリフェノールE;
ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン;塩
酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;ラルチト
レキセド;ラモセトロン;レチェリチジン脱メチル化;リゾキシン;リツキシマブ;RI
Iレチンアミド;ロゲットイミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノ
ンB1;ルボキシル;リボプリン;ロミデプシン;サフィンゴール;塩酸サファンゴル;
サントピン;サルコフィトールA;サルグラモスチム;セムスチン;シゾフィラン;ソブ
ゾキサン;ボロカプテートナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソネル
ミン;ソラフェニブ;スニチニブ;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;
脾臓ペプチド;スポンジスタチン1;スポンジスタチン2;スポンジスタチン3;スポン
ジスタチン4;スポンジスタチン5;スポンジスタチン6;スポンジスタチン7;スポン
ギスタチン8;およびスポンギスタチン9;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシ
ン阻害剤;スルフィノシン;スラディスタ;スラミン;スワインソニン;SB23906
3;セルメチニブ/AZD6244;シムトラジン;SP600125;酒石酸ナトリウ
ム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロプラチン;ストレプトギグリン
;ストレプトゾシン;スルフォヌール;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウ
ロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テモ
ポリン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリ
ブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;チマルファシン;チモポエチン受容体ア
ゴニスト;チモトリナン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トップセンチン;トレミ
フェン;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;ト
リプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チルホスチン;タリソマイシン;TAK
-733;タキソテール;テガフール;トルロキサントロン塩酸塩;テロキシロン;テス
トラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;ク
エン酸トレミフェン;トラスツズマブ;トレストロンアセテート;トリシリビンホスフェ
ート;トリメトレキセート;トリメトレキセートグルクロン酸塩;トリプトレリン;塩酸
ツブロゾール;腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL);UBC阻害
剤;ウベニメクス;U0126;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチ
ド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキ
サルチン;ビタキシン;ビンブラスチン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビ
ンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシ
ン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ウォルト
マンニン;XL518;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマ
ラマー;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0211】
他の例示的な抗癌剤には、エルブロゾール(例えば、R-55104);ドラスタチン
10(例えば、DLS-10およびNSC-376128);ミボブリンイセチオネート
(例えば、CI-980);NSC-639829;ディスコデルモライド(例えば、N
VP-XX-A-296);ABT-751(Abbott;例えば、E-7010);
アルトリチンA;アルトリチンC;塩酸セマドチン(例えば、LU-103793および
NSC-D-669356);エポチロンA;エポチロンB;エポチロンC;エポチロン
D;エポチロンE;エポチロンF;エポチロンB N-オキシド;エポチロンA N-オ
キシド;16-アザ-エポチロンB;21-アミノエポチロンB;21-ヒドロキシエポ
チロンD;26-フルオロエポチロン;オーリスタチンPE(例えば、NSC-6546
63);ソブリドン(例えば、TZT-1027);LS-4559-P(Pharma
cia;例えば、LS-4577);LS-4578(Pharmacia;例えば、L
S-477-P);LS-4477(Pharmacia);LS-4559(Phar
macia);RPR-112378(Aventis);DZ-3358(Daiic
hi)FR-182877(Fujisawa;例えば、WS-9265B);GS-1
64(Takeda);GS-198(Takeda);KAR-2(Hungaria
n Academy of Sciences);BSF-223651(BASF;例
えば、ILX-651およびLU-223651);SAH-49960(Lilly/
Novartis);SDZ-268970(Lilly/Novartis);AM-
97(Armad/Kyowa Hakko);AM-132(Armad);AM-1
38(Armad/Kyowa Hakko);IDN-5005(Indena);ク
リプトフィシン52(例えば、LY-355703);AC-7739(Ajinomo
to;例えば、AVE-8063AおよびCS-39.HCl);AC-7700(Aj
inomoto;例えば、AVE-8062;AVE-8062A;CS-39-L-S
er.HCl;RPR-258062A);ビチレブアミド;ツブリシンA;カナデンソ
ール;CA-170(Curis,Inc.);センタウレイジン(例えば、NSC-1
06969);T-138067(Tularik;例えば、T-67;TL-1380
67およびTI-138067);COBRA-1(Parker Hughes In
stitute;例えば、DDE-261およびWHI-261);H10(Kansa
s State University);H16(Kansas State Uni
versity);オンコシジンA1(例えば、BTO-956およびDIME);DD
E-313(Parker Hughes Institute);フィジアノライドB
;ラウリマリド;SPA-2(Parker Hughes Institute);S
PA-1(Parker Hughes Institute;例えばSPIKET-P
);3-IAABU(細胞骨格/Mt.Sinai School of Medici
ne;例えばMF-569);ナルコシン(例えば、NSC-5366);ナスカピン;
D-24851(Asta Medica);A-105972(Abbott);ヘミ
アステリン;3-BAABU(細胞骨格/Mt.Sinai School of Me
dicine;例えば、MF-191);TMPN(Arizona State Un
iversity);バナドセンアセチルアセトネート;T-138026(Tular
ik);モンサトロール;イナノシン(例えば、NSC-698666);3-IAAB
E(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medici
ne);A-204197(Abbott);T-607(Tuiarik;例えば、T
-900607);RPR-115781(Aventis);エールテロビン(例えば
、デスメチルロイテロビン;デサオレテレロビン;イソセレウロビンA;およびZ-エリ
ューテロビン);カリビオシド;カリバエリン;ハリコンドリンB;D-64131(A
sta Medica);D-68144(Asta Medica);ジアゾナミドA
;A-293620(Abbott);NPI-2350(Nereus);タカロノラ
イドA;TUB-245(Aventis);A-259754(Abbott);ジオ
スタスタチン;(-)-フェニルヒスチジン(例えば、NSCL-96F037);D-
62638(Asta Medica);D-62636(Asta Medica);
ミヨセベリンB;D-43411(Zentaris;例えば、D-81862);A-
289099(Abbott);A-318315(Abbott);HTI-286(
例えば、SPA-110;トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth);D-82317(Ze
ntaris);D-82318(Zentaris);SC-12983(NCI);
レバベスタチンリン酸ナトリウム;BPR-OY-007(National Heal
th Research Institutes);およびSSR-250411(Sa
nofi));ゴセレリン;ロイプロリド;トリプトライド;ホモハリングトニン;トポ
テカン;イトラコナゾール;デオキシアデノシン;セルトラリン;ピタバスタチン;クロ
ファジミン;5-ノニルオキシトリプタミン;ベムラフェニブ;ダブラフェニブ;ゲフィ
チニブ(IRESSA);エルロチニブ(TARCEVA);セツキシマブ(ERBIT
UX);ラパチニブ(TYKERB);パニツムマブ(VECTIBIX);バンデタニ
ブ(CAPRELSA);アファチニブ/BIBW2992;CI-1033/カネルチ
ニブ;ネラチニブ/HKI-272;CP-724714;TAK-285;AST-1
306;ARRY334543;ARRY-380;AG-1478;ダコミチニブ/P
F299804;OSI-420/デスメチルエルロチニブ;AZD8931;AEE7
26;ペリチニブ/EKB-569;CUDC-101;WZ8040;WZ4002;
WZ3146;AG-490;XL647;PD153035;5-アザチオプリン;5
-アザ-2’-デオキシシチジン;17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナ
マイシン(17-AAG);20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5エチニ
ルウラシル;およびBMS-599626が含まれる。
【0212】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される組み合わせは、上記の抗癌剤と共
投与され、抗癌剤は、特定のがんに対する既知の活性を有する(例えば、膵臓癌を治療す
るために本明細書に記載される組み合わせで同時投与されるゲムシタビン)。上記の抗癌
剤は、ある特定の適応症(例えば、特定の癌)を、濃度、量、および当該技術分野で公知
の治療レジメンを用いて治療する際の使用について承認され得る。
【0213】
本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾も、本明細書で提供さ
れる本発明の定義内に含まれることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明
を説明することを意図するが、本発明を限定するものではない。
【実施例
【0214】
実施例:
実施例1:
【0215】
本発明の実施例では、HBI-8000を単独療法として、および5mg/kgの抗P
D-1と組み合わせて試験した。この実験には、ビヒクル処置群およびPD-1阻害剤抗
体の単独療法群が含まれ、効力の分析のための対照群として役立った。研究が47日目に
終了するまで、腫瘍を週2回測定した。各動物は、その腫瘍が1000mmのエンドポ
イント腫瘍体積に達したとき、または研究の最終日のいずれか早い方に達したときに殺処
分し、各マウスのエンドポイントまでの時間(TTE)を計算した。処置応答は、処置マ
ウス対対照マウスに対するエンドポイントまでの時間(TTE)の中央値の増加率として
定義される腫瘍増殖遅延率(TGD(%))の分析から、ならびに群間の生存のログラン
クの有意差および回帰反応によって決定した。
【0216】
マウス:雌C57BL/6マウス(Charles River Laborator
ies)は8週齢であり、研究の1日目に体重(BW)範囲は15.4~22.0gであ
った。動物は、不断水(逆浸透、1ppmのCl)、ならびに18.0%の粗タンパク質
、5.0%の粗脂肪、および5.0%の粗繊維からなるNIH 31 Modified
and Irradiated Lab Diet(登録商標)を与えられた。マウス
を、20~22℃(68~72°F)および40~60%湿度で12時間の照明サイクル
において、静電マイクロソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標
)Laboratory Animal Beddingに収容した。
【0217】
腫瘍細胞:MC38マウス結腸癌腫細胞を、10%ウシ胎仔血清および2mMグルタミ
ン、100単位/mLのペニシリンGナトリウム、100μg/mLの硫酸ストレプトマ
イシン、および25μg/mLのゲンタマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地
(DMEM)中で維持した。細胞培養物を、5%CO2および95%大気の雰囲気中、3
7℃で、加湿されたインキュベーターで、組織培養フラスコ中で維持した。
【0218】
腫瘍移植:細胞を、対数増殖期に採取し、冷DMEM中に再懸濁した。各マウスに、1
×10細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。腫瘍の平均体積が所
望の100~150mmの範囲に近づくにつれて、腫瘍を成長をモニタリングするため
に2次元でキャリパーで測った。腫瘍負荷を、式を使用して計算した:
【数1】
式中、腫瘍の、w=幅(mm)、l=長さ(mm)である。腫瘍重量は、1mgが腫瘍体
積の1mmと等しいという仮定で推定されてもよい。研究の1日目として表される腫瘍
移植から14日後に、75~221mmの個々の腫瘍体積を有する動物を、11の群(
n=10匹/群)に分類し、群平均腫瘍体積は130~133mmであった。
【0219】
試験物質:HUYA Bioscience InternationalからHBI
-8000(ロット番号1384:0033)を提供した。抗体抗PD-1 RMP1-
14(ロット番号5611-10/0615)をBioXcellから購入した。
【0220】
投与溶液:抗体投与溶液を毎日新たに調製し、4℃で保存した。HBI-8000を0
.1%Tween 80中の0.2%CMC(カルボキシメチルセルロース)に溶解した
。抗PD-1抗体投与溶液は、ストックのアリコート(6.48mg/mL)を滅菌PB
S中に0.5mg/mLになるまで希釈することによって調製し、10mL/kgの投与
体積中に5mg/kgの投与量を得た。
【0221】
C57BL/6マウスの6つの群に、表2に示されるプロトコルに従って投与した。全
ての用量は、上記のように調製した。HBI-8000を、1日1回21日間(qd×2
1)経口投与(p.o.)した。投与は、動物の体重あたりに調整した。抗体レジメンは
、5mg/kgで、週2回3週間(biwk×3)腹腔内(ip)投与し、投与は、動物
の体重あたりに調整した。
【0222】
表2:
【表2】
【0223】
腫瘍増殖遅延:腫瘍を、キャリパーを用いて週2回測定し、各動物は、その腫瘍が10
00mmの体積に達したとき、または研究の終わり(47日目)のいずれか早い時点で
殺処分した。エンドポイントの腫瘍体積について研究を終了した動物を、殺処分の日付と
ともに腫瘍進行(TP)について殺処分したものとして文書化した。分析のためのエンド
ポイントまでの時間(TTE)は、各マウスについて以下の式によって計算した:
【数2】
式中、TTEは日数で表され、エンドポイントの体積はmmで表され、bは切片であり
、mはログ変換された腫瘍増殖データセットの線形回帰によって得られた線の傾きである
。データセットは、分析に使用されたエンドポイントの体積を超えた最初の観察と、この
エンドポイントの体積の達成の直前の3回の連続観察とからなった。計算されたTTEは
、通常、動物が腫瘍負荷のために殺処分した日であるTP日よりも小さい。エンドポイン
トの体積に達していない腫瘍を有する動物には、研究の最終日と等しいTTE値を割り当
てた。ログ変換された計算されたTTEがエンドポイントに到達する前の日の前、または
腫瘍体積のエンドポイントに到達した日を超えた場合、線形補間を行ってTTEを近似し
た。事故(NTRa)または原因不明の理由(NTRu)によるNTR(治療に関連しな
い)死として分類されたいかなる動物も、TTE計算(および全てのさらなる分析)から
除外した。TR(治療に関連する)死、またはNTRm(転移によって治療に関連しない
死)と分類された動物は、死亡の日と等しいTTE値を割り当てた。
【0224】
治療の結果:治療の結果は、対照群と比較した治療群において、治療群のエンドポイン
トまでの時間(TTE)の中央値の増加として定義される腫瘍増殖遅延(TGD)から評
価された:
【数3】
日数で、または対照群のTTEの中央値の割合として表した:
【数4】
式中、T=治療群のTTEの中央値、およびC=指定された対照群のTTEの中央値。
【0225】
治療有効性:治療有効性は、研究における最終日に残っている動物の腫瘍体積から決定
することができる。MTV(n)は、腫瘍がエンドポイントの体積に達していない残って
いる動物数(n)における研究最終日の腫瘍体積の中央値として定義された。治療有効性
はまた、研究中に観察された回帰反応の発生率および大きさから決定され得る。治療は、
動物の腫瘍の部分的退行(PR)または完全退行(CR)を引き起こし得る。PR反応に
おいて、腫瘍体積は、研究の経過の間における3回の連続した測定については、1日目の
体積の50%以下であり、これらの3回の測定のうちの1回以上については13.5mm
以上であった。CR反応において、腫瘍体積は、研究の経過の間における3回の連続し
た測定については13.5mm未満であった。研究の終了時においてCR反応を有する
動物は、さらに、無腫瘍生存者(TFS)として分類される。動物を、回帰反応について
モニタリングした。
【0226】
統計:Windows 6.07用のPrism(GraphPad)は、基本図形に
よる報告および統計的分析に使用した。全生存経験を評価するログランク検定を用いて、
2つの群のTTE値間の有意差を分析した。ログランク分析は、NTR死亡と評価された
ものを除き、群内の全ての動物のデータを含む。有意水準P=0.05で両側統計学的分
析を行った。群中央値腫瘍体積を時間の関数としてプロットした。腫瘍負荷のために動物
が研究を終了したとき、その動物について記録された最終腫瘍体積を、その後の時点にお
ける体積中央値を計算するために使用したデータに含めた。カプランマイヤープロットは
、研究において各群の残っている動物の割合を時間に対して示す。
【0227】
実施例1の動物を、表1に記載されるプロトコルに従って処置した。図1は、全ての研
究群の腫瘍増殖曲線の中央値を示し、図2は、単一薬剤およびビヒクル対照に対する50
mg/kgのHBI-8000とPD-1阻害剤抗体との組み合わせにおける腫瘍体積の
中央値を示す。50mg/kgのHBI-8000とPD-1阻害剤抗体との組み合わせ
は、統計学的に有意な腫瘍増殖阻害をもたらした。図3は、全ての群のカプランマイヤー
プロットを示し、図4は、単一の薬剤対照に対する50mg/kgのHBI-8000と
PD-1阻害剤抗体との組み合わせにおけるKaplan Meierプロットを示す。
50mg/kgのHBI-8000とPD-1阻害剤抗体との組み合わせは、統計学的に
有意な生存利益をもたらした。表3は、TTEおよびTGD(%)について計算された値
を記載する。
【0228】
表3:TTEの中央値およびTGD(%)(実施例1)
【表3】
【0229】
実施例2:
【0230】
本発明の実施例では、HBI-8000を単独療法として、および5mg/kgの抗P
D-1と組み合わせて試験した。この実験には、ビヒクル処置群およびPD-1阻害剤抗
体の単独療法群が含まれ、効力の分析のための対照群として役立った。研究が50日目に
終了するまで、腫瘍を週2回測定した。各動物は、その腫瘍が1000mmのエンドポ
イント腫瘍体積に達したとき、または研究の最終日のいずれか早い方に達したときに殺処
分し、各マウスのエンドポイントまでの時間(TTE)を計算した。処置応答は、処置マ
ウス対対照マウスに対するエンドポイントまでの時間(TTE)の中央値の増加率として
定義される腫瘍増殖遅延率(TGD(%))の分析から、ならびに群間の生存のログラン
クの有意差および回帰反応によって決定した。
【0231】
マウス:この実施例で使用される動物の詳細は、段落[00216]に見出すことがで
きる。
【0232】
腫瘍細胞培養:この実施例で使用される腫瘍細胞の詳細は、段落[00217]に見出
すことができる。
【0233】
腫瘍移植および測定:この実施例で使用される腫瘍移植および腫瘍増殖の測定の詳細は
、段落[00218]に見出すことができる。この実施例では、各マウスに、5×10
細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。
【0234】
試験物質:この実施例で使用される試験物質の詳細は、段落[00219]に見出すこ
とができる。
【0235】
投与溶液:この実施例で使用される投与溶液の詳細は、段落[00220]に見出すこ
とができる。
【0236】
処置:C57BL/6マウス(n=10)の4つの群に、表4中のプロトコルに従って
投与した。特に記載がない限り、1日目に投与を開始した。HBI-8000を、50m
g/kgで経口投与した。PD-1阻害剤抗体を、5mg/kgで腹腔内投与した。ビヒ
クル(0.2%カルボキシメチルセルロース:脱イオン水中の0.1%Tween 80
)に、経口投与した。全ての薬剤は、個々の動物の体重当たりに調整された10mL/k
gの投与体積で送達された。
【0237】
表4:
【表4】
【0238】
腫瘍増殖遅延:腫瘍増殖遅延の測定および計算の詳細は、段落[00223]に見出す
ことができる。
【0239】
治療の結果:治療の結果の測定および計算の詳細は、段落[00224]に見出すこと
ができる。
【0240】
治療有効性:治療有効性の測定および計算の詳細は、段落[00225]に見出すこと
ができる。
【0241】
統計:この研究で使用されている統計およびソフトウェアの詳細は、段落[00226
]に見出すことができる。図5は、全ての群についての腫瘍体積の中央値の測定を示し、
図6は、カプランマイヤープロットを示し、研究において各群の残っている動物の割合を
時間に対して示す。表6は、各治療群におけるTTEおよびTGD(%)について計算さ
れた値を記載する。
【0242】
実施例2の動物を、表4に記載されるプロトコルに従って処置した。図5は、全ての試
験群の腫瘍増殖曲線の中央値を示し、50mg/kgのHBI-8000とPD-1阻害
剤抗体との組み合わせは、腫瘍増殖阻害に関して統計学的有意性に近づいた。図6は、全
ての群のカプランマイヤープロットを示し、50mg/kgのHBI-8000とPD-
1阻害剤抗体との組み合わせは、単一の薬剤と同様にビヒクルに対して統計的に有意な生
存利益をもたらした。図7は、実施例7の全ての群のエンドポイントに対する個別の時間
を示す。表5は、TTEおよびTGD(%)について計算された値を記載する。
【0243】
表5
表5:TTEの中央値およびTGD(%)(実施例2)
【表5】
【0244】
実施例3
【0245】
このモデルでは、PD-L1チェックポイント阻害剤抗体を用いて第1選択で処置され
た動物の割合は、完全な腫瘍退行を経験する。しかしながら、PD-L1阻害剤抗体で第
1選択で処置された動物の同様の割合は、急速な腫瘍進行を経験する。このような方法で
処置された動物のバランスは、腫瘍の進行の遅延、または安定した疾患を経験し、これは
、PD-L1阻害剤抗体療法を受けている多数のヒトがん患者の状況に近似した結果であ
り、すなわち、過渡の部分反応を経験し、安定した疾患を含むが、PD-1阻害剤抗体療
法に失敗すると耐性を生じ、急速に進行する。この実施例では、第2選択療法として単独
で及びPD-1阻害剤抗体RMPI-14と組み合わせたHBI-8000の有効性を、
免疫応答性C57BL/6マウスのMC38ネズミ結腸癌腫同系モデルにおけるPD-L
1阻害剤抗体の第1選択療法の後に腫瘍が進行した動物における腫瘍増殖遅延(TGD)
を引き起こす能力について評価した。したがって、PD-L1阻害剤抗体療法に失敗した
ヒト患者のための診療所での必要性に取り組む。
【0246】
皮下MC38腫瘍(治療開始時に平均腫瘍体積:114mm)を有する雌C57BL
/6マウスを、PD-L1阻害剤抗体治療の第1選択療法で治療し、5mg/kgで、週
2回2週間(週2回×2)腹腔内(ip)投与した。腫瘍が失敗基準を満たし、腫瘍体積
が2回連続して増加し、腫瘍体積が<500mmであることが示されたとき、これらは
、6つの群(1群当たりn=10)のマウスからなる第2選択療法有効性研究で再導入さ
れた。健康回復の日を示し、マウス(これは各群に対して正規化された)によって異なる
D1で投与が開始された。第2選択療法は、以下の通りであった。ビヒクルを、経口投与
(p.o.)した。HBI-8000を、50mg/kgで経口投与した。PD-1阻害
剤抗体および抗PDL-1は、5mg/kgで腹腔内に(i.p)投与した。群1のマウ
スは対照の役割を果たし、脱イオン水(ビヒクル)中の0.2%カルボキシメチルセルロ
ース:0.1%Tween 80を1日1回21日間(qd×21)投与した。群2には
、HBI-8000を1日1回21日間施した。群3には、PD-L1阻害剤抗体の第2
コースを週2回2週間施した。群4には、HBI-8000を1日1回21日間施し、P
D-L1阻害剤抗体を週2回2週間施した。群5には、抗PD-1を週2回2週間施した
。群6には、HBI-8000を1日1回21日間施し、抗PD-1を週2回2週間施し
た。研究のエンドポイントは、腫瘍体積が1500mmであるか、または45日間のい
ずれか早い方の腫瘍体積であった。腫瘍体積エンドポイントに達した時点で、個々の動物
が研究を終了するD44まで、腫瘍の測定を週2回行った。
【0247】
マウス:最初のPD-1阻害剤抗体処置の開始時に、雌C57BL/6マウス(Cha
rles River)は8週齢であり、BW範囲は18.1~24.1gであった。動
物は、不断水(逆浸透、1ppmのCl)、ならびに18.0%の粗タンパク質、5.0
%の粗脂肪、および5.0%の粗繊維からなるNIH 31 Modified and
Irradiated Lab Diet(登録商標)を与えられた。マウスを、20
~22℃(68~72°F)および40~60%湿度で12時間の照明サイクルにおいて
、静電マイクロソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標)Bed
dingに収容した。
【0248】
腫瘍移植および測定:この実施例で使用される腫瘍移植および腫瘍増殖の測定の詳細は
、段落[00218]に見出すことができる。この実施例では、各マウスに、5×10
細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した。
【0249】
試験物質:HUYA Bioscience InternationalからHBI
-8000(ロット番号1384:0033)を提供した。PD-1阻害剤抗体RMPI
-14(ロット番号5611-10/0615)およびPDL-1抗体10F.9G2(
抗PDL-1、ロット番号5786-7-8/0815)をBio X cell(We
st Lebanon,NH)から購入した。全ての薬剤は、プロトコルの指示に従って
調製した。
【0250】
投与溶液:0.2%CMC:0.1%Tween80で希釈することによりHBI-8
000を調製し、5mg/mLの投与溶液を得た。投与溶液を毎週新たに調製し、4℃で
保存した。PD-1阻害剤抗体投与溶液は、ストックのアリコート(8.62mg/mL
)を滅菌PBS中に0.5mg/mLになるまで希釈することによって調製した。投与溶
液を週2回調製し、4℃で保存した。抗PDL-1抗体投与溶液は、ストックのアリコー
ト(5.37mg/mL)を滅菌PBS中に0.5mg/mLになるまで希釈することに
よって調製した。抗PDL-1抗体投与溶液を週2回調製し、4℃で保存した。
【0251】
処置:この研究の最初のPD-L1阻害剤抗体の失敗部分については、150のC57
BL/6マウスに、5mg/kgで第1選択のPD-L1阻害剤抗体を腹腔内投与した。
再登録の基準を満たした動物は、有効性研究を構成し、これには、腫瘍体積が2回連続し
て増加し、腫瘍体積が500mm未満である動物が含まれた。利用可能になった最初の
60匹の動物を、全ての群が満たされるまで順番に6つの有効性群に入れ、これは、第1
選択の投与の開始後、16日または22日のいずれかに発生した。有効性研究のために、
C57BL/6マウス(n=10)の6つの群に、表6中のプロトコルに従って投与した
。第2選択療法は、各個々の動物の登録日である1日目に開始した。
【0252】
表6:
【表6】
【0253】
腫瘍増殖遅延:腫瘍増殖遅延の測定および計算の詳細は、段落[00223]に見出す
ことができる。
【0254】
治療の結果:治療の結果の測定および計算の詳細は、段落[00224]に見出すこと
ができる。
【0255】
治療有効性:研究に使用された治療有効性の測定および計算の詳細は、段落[0022
5]に見出される。
【0256】
統計:この研究で使用された統計とソフトウェアの詳細は、段落[00226]に見出
すことができる。受けた治療に対する無反応(NR)、部分反応(PR)、および完全反
応(CR)と分類された各群の反応を集計した。全ての群についての平均腫瘍体積測定値
を得て、研究において各群の残っている動物の割合を時間に対して示す、カプランマイヤ
ープロットについてのデータを得た。
【0257】
実施例3の動物を、表6に記載されるプロトコルに従って処置した。図8は、全ての研
究群における腫瘍増殖曲線の中央値を示す。図8は、全ての群のカプランマイヤープロッ
トを示し、50mg/kgのHBI-8000とPD-1阻害剤抗体との組み合わせは、
単一の薬剤と同様にビヒクルに対して統計的に有意な生存利益をもたらした。図9は、実
施例3の全ての群のエンドポイントまでの個別の時間を示す。表7は、TTEおよびTG
D(%)について計算された値を記載する。
【0258】
表7
【表7】
【0259】
実施例4
【0260】
この実施例4では、BALB/cマウスの4T1マウス乳癌腫異種移植モデルにおいて
、単独で、および抗PD-1 RMP1-14(抗PD-1)と組み合わせて投与された
HBI-8000によって誘導された抗腫瘍応答が特徴付けられた。肺転移に対するこれ
らの療法の影響を評価した。
【0261】
処置は、確立された4T1腫瘍を有するBALB/cマウスの(D)1日目に開始した
。HBI-8000を経口投与し(po)、抗PD-1を腹腔内(ip)単回投与レベル
で投与した。試験薬剤を、単独で、およびHBI-8000と組み合わせて投与した。対
照動物は、ビヒクルを受けた。この研究は、転移巣のエンドポイントが達成された時点で
14日目に終了した。処置応答は、14日目に残っている動物から採取した転移数に基づ
いて決定した。
【0262】
マウス:雌BALB/cマウス(BALB/cAnNcr1、Charles Riv
er)は研究の1日目で7週齢であり、体重(BW)範囲は14.7~20.7gであっ
た。動物は、不断水(逆浸透、1ppmのCl)、ならびに18.0%の粗タンパク質、
5.0%の粗脂肪、および5.0%の粗繊維からなるNIH 31 Modified
and Irradiated Lab Diet(登録商標)を与えられた。マウスを
、20~22℃(68~72°F)および40~60%湿度で12時間の照明サイクルに
おいて、静電マイクロソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標)
Beddingに収容した。
【0263】
腫瘍細胞培養:4T1乳癌細胞株を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、100
単位/mLのペニシリンナトリウムG、25μg/mLのゲンタマイシン、および100
μg/mLの硫酸ストレプトマイシンを含むRPMI培地中で、対数期中期まで増殖させ
た。細胞を、5%CO2および95%大気の雰囲気中、37℃で、加湿されたインキュベ
ーターで、組織培養フラスコ中で培養した。
【0264】
インビボ移植および腫瘍増殖:4T1腫瘍細胞を、指数関数的増殖の間に採取し、PB
S中に再懸濁した。各試験マウスに、1×106細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を乳房
脂肪パッドに同所的に注射した。腫瘍の平均サイズが80~120mm3の目標範囲に近
づくにつれて、腫瘍増殖をモニタリングした。
【0265】
試験剤:HUYA Bioscience International、LLCはH
BI-8000(ロット番号1384:0033)を提供した。抗PD-1 RMP-1
4(抗PD-1、ロット番号5792-599016J1)はBio X cell(W
est Lebanon,NH)から購入した。全ての薬剤は、プロトコルの指示に従っ
て調製した。この研究で使用されたビヒクルは、脱イオン水中の0.2%カルボキシメチ
ルセルロース:0.1%Tween 80であった。0.2%CMC:0.1%TW80
で希釈することによって、HBI-8000を調製し、5mg/mLの投与溶液を得た。
投与溶液を毎週新たに調製し、4℃で保存した。抗PD-1抗体投与溶液を、ストックの
アリコート(6.37mg/mL)を滅菌PBS中0.5mg/mLになるまで希釈する
ことによって調製した。投与溶液を投与の各日に調製し、4℃で保存した。
【0266】
処置:研究の1日目において、確立された4T1腫瘍を有するマウスは、以下に要約さ
れた治療計画に従って投与を開始した。全ての薬剤は、10mL/kgの投与体積で投与
し、体積は個体のBWに従って調整した。
群1には、有効性対照の役割を果たし、ビヒクルを毎日13日間(1日1回×13)経口
投与した。
群2には、50mg/kgでHBI-8000を1日1回13日間経口投与した。
群3には、5mg/kgで抗PD-1を週2回2週間(週2回×2)腹腔内投与した。
群4には、50mg/kgでHBI-8000を1日1回13日間経口投与し、5mg/
kgで抗PD-1を週2回2週間腹腔内投与した。
【0267】
エンドポイント:転移数
【0268】
研究の最終日である14日目に肺転移性病巣を計数することによって結果を分析した。
イソフルラン麻酔を用いて動物をエンドポイントで殺処分し、転移を同定するために剖検
を行った。総数は、左肺内に計数された病巣の数に、右肺の上、中、下、および肺中葉に
計数された病巣の数を加えることによって得られた。パーセント阻害は、指定対照群の転
移病巣の数と薬剤処置群の転移病巣の数との間の差として定義され、指定対照群の一定の
割合の転移病巣の数として表した:
【数5】
【0269】
結果:群1対照動物の14日目の肺転移性病巣数は35.0±2.17であった(図1
0)。HBI-8000単独療法は、-26%の有意でない阻害をもたらした。抗PD-
1による単独療法は、30%の阻害をもたらした。HBI-8000と抗PD-1との併
用療法は、統計学的に有意である72%の病巣抑制を生じた。結果を図10に示す。
【0270】
実施例5
【0271】
本実施例では、HBI-8000を単独療法として、および10mg/kgの抗PD-
1抗体または10mg/kgのPD-L1抗体のいずれかと組み合わせて試験した。使用
したモデルは、腎細胞癌(RCC)のRENCA同種モデルであった。この実験には、ビ
ヒクル処置群およびPD-1阻害剤抗体の単独療法群が含まれ、有効性の分析のための対
照群に役立った。研究が25日目に終了するまで、腫瘍を週2回測定した。治療応答は、
腫瘍増殖遅延率(TGD(%))の分析から決定した。
【0272】
マウス:この実施例で使用される動物の詳細は、段落[00216]に見出すことがで
きるものと同様である。
【0273】
腫瘍細胞培養:この実施例で使用される腫瘍細胞の詳細は、段落[00217]に見出
すことができるものと同様である。
【0274】
腫瘍移植および測定:この実施例で使用される腫瘍移植および腫瘍増殖の測定の詳細は
、段落[00218]で見出すことができるものと同様である。この実施例では、各マウ
スに、1×10のRENCA細胞(0.1mLの細胞懸濁液)を右脇腹に皮下接種した
【0275】
試験物質:この実施例で使用される試験物質の詳細は、段落[00219]に見出すこ
とができる。
【0276】
投与溶液:この実施例で使用される投与溶液の詳細は、段落[00220]に見出すこ
とができる。
【0277】
処置:皮下RENCA腫瘍(治療開始時の平均腫瘍体積:62mm3)を有する雌BA
LB/cマウスの6つの群を、表8のプロトコルに従って処置した。特に記載がない限り
、1日目に投与を開始した。HBI-8000を、50mg/kgで経口投与した。PD
-1およびPD-L1阻害剤抗体を、10mg/kgで腹腔内投与した。ビヒクル(0.
2%カルボキシメチルセルロース:脱イオン水中の0.1%Tween 80)に、経口
投与した。全ての薬剤は、個々の動物の体重当たりに調整された10mL/kgの投与体
積で送達された。
【0278】
表8:
【表8】
【0279】
腫瘍増殖遅延:腫瘍増殖遅延の測定および計算の詳細は、段落[00223]に見出す
ことができる。
【0280】
治療の結果:治療の結果の測定および計算の詳細は、段落[00224]に見出すこと
ができる。
【0281】
治療有効性:研究に使用された治療有効性の測定および計算の詳細は、段落[0022
5]に見出される。
【0282】
統計:この研究で使用された統計とソフトウェアの詳細は、段落[00226]に見出
すことができる。受けた治療に対する無反応(NR)、部分反応(PR)、および完全反
応(CR)と分類された各群の反応を集計した。全ての群についての平均腫瘍体積測定値
を得て、研究において各群の残っている動物の割合を時間に対して示す、カプランマイヤ
ープロットについてのデータを得た。
【0283】
実施例5の動物を、表8に記載されるプロトコルに従って処置した。図11は、全ての
試験群の腫瘍増殖曲線の中央値を示し、50mg/kgのHBI-8000とPD-1阻
害剤抗体との組み合わせは、統計学的に有意であり、腫瘍増殖阻害の点でビヒクル(P=
0.026)またはPD-1抗体単独療法(P=0.036)のいずれかとは異なった。
【0284】
実施例6-HDAC酵素阻害アッセイ
【0285】
HDACアイソタイプのチダミド阻害の選択性および効力のアッセイは、ヒト組換えHD
ACタンパク質を使用し、Ningらに記載されるように行う。全ての酵素反応物を、H
DACアッセイ緩衝液(BPSカタログ番号50031)、5μgのBSA、HDAC基
質、精製された組換えHDAC酵素、および試験化合物を所定の濃度で含む50μlの反
応混合物中、室温で17時間インキュベートする。酵素反応後、50μlの29 HDA
C現像液(BPSカタログ番号50030)を各ウェルに添加し、プレートを室温でさら
に20分間インキュベートする。蛍光強度は、BioTek(Winooski,VT,
USA)からのSynergy(商標)2マイクロプレートリーダーを用いて、360n
mの励起および460nmの発光で測定される。各化合物の濃度は二重に行う。濃度反応
阻害曲線を分析することにより、IC50値を決定する。
【0286】
本発明は、開示された実施形態を参照して説明されているが、当業者は、上に詳述した特
定の実施例および研究が、本発明の単なる例示であることを容易に理解するであろう。本
発明の精神から逸脱することなく様々な修正を行うことができることを理解されたい。し
たがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
治療有効量のPD-1阻害剤および治療有効量の式Iの化合物を含む組み合わせであっ
て、
(化1)
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキチオ、C -C ペルフ
ルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカルボ
ニル、フェニル、および複素環式基からなる群から選択される1~4個の置換基で任意に
置換される、フェニルまたは複素環式基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、およびフェニルから選択される1~3個の置換基で任意に置換される、フェニル
であり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC -C アルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO -であり、
およびR は、独立して、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素または-NH であり、
、X 、X またはX のうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO
、-CN、-COOH、C -C アルキル、C -C アルコキシ、C -C アミノ
アルキル、C -C アルキルアミノ、C -C アシル、C -C アシルアミノ、C
-C アルキルチオ、C -C ペルフルオロアルキル、C -C ペルフルオロアル
キルオキシ、またはハロゲンもしくはC -C アルキルで任意に置換されるC -C
アルコキシカルボニルであるが、X 、X 、X 、またはX の他のものは、独立して
、水素であり、
ただし、R が水素である場合、X 、X 、X 、またはX の1つは、-NH
アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である、組み合わせ。
(態様2)
Zは結合である、態様1に記載の組み合わせ。
(態様3)
は水素である、態様1または2に記載の組み合わせ。
(態様4)
Aはピリジニルである、態様1~3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様5)
はハロゲンである、態様1~4のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様6)
は-Fである、態様1~5のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様7)
及びR は、独立して、水素である、態様1~6のいずれか1項に記載の組み合わ
せ。
(態様8)
は水素である、態様1~7のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様9)
は-NH である、態様1~8のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様10)
Yは-C(O)NH-CH である、態様1~9のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様11)
前記式Iの化合物が、以下の式を有する、態様1に記載の組み合わせ
(化2)

(態様12)
前記式Iの化合物は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-4-[[[(2E
)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル]
ベンズアミドである、態様1に記載の組み合わせ。
(態様13)
前記式Iの化合物は、約5mgを超える量で存在する、態様1~12のいずれか1項に
記載の組み合わせ。
(態様14)
前記式Iの化合物は、約5~約50mgの量で存在する、態様1~12のいずれか1項
に記載の組み合わせ。
(態様15)
前記PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボ
ディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはその断片もしく
はバリアントである、態様1に記載の組み合わせ。
(態様16)
前記PD-1阻害剤は、AMP-224である、態様15に記載の組み合わせ。
(態様17)
前記PD-1阻害剤は、抗体である、態様15に記載の組み合わせ。
(態様18)
前記PD-1抗体は、モノクローナル抗体である、態様17に記載の組み合わせ。
(態様19)
前記PD-1抗体は、ヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはキメラ
ヒト化抗体を含む、態様17に記載の組み合わせ。
(態様20)
前記PD-1抗体は、ヒト抗体またはヒト化抗体である、態様19に記載の組み合わせ

(態様21)
前記PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN281
0(SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、
またはMEDI0680を含む、態様15、18、または20のいずれか1項に記載の組
み合わせ。
(態様22)
前記PD-1抗体は、約0.1mg/kg~約10mg/kgの量で存在する、態様1
5~21のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様23)
前記PD-1抗体は、約0.5mg/kg~約5mg/kgの量で存在する、態様15
~21のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様24)
前記PD-1抗体は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、または5mg/
kgの量で存在する、態様15~21のいずれか1項に記載の組み合わせ。
(態様25)
前記組み合わせは、がん患者への投与に好適である、態様1~24のいずれか1項に記
載の組み合わせ。
(態様26)
態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせと、薬学的に許容可能な賦形剤と、を
含む、薬学的組成物。
(態様27)
態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物
を含む、キット。
(態様28)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-1阻害剤は、前記キット中の個々
の容器に供給される、態様27に記載のキット。
(態様29)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-1阻害剤は、異なる製剤を含む、
態様27または28に記載のキット。
(態様30)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、経口投与のために製剤化される、態様27~2
9のいずれか1項に記載のキット。
(態様31)
前記PD-1阻害剤前記組み合わせは、非経口投与のために製剤化される、態様27~
30のいずれか1項に記載のキット。
(態様32)
前記非経口投与は、静脈内(IV)投与を含む、態様31に記載の方法。
(態様33)
少なくとも1つの投与デバイスをさらに含む、態様27~32のいずれか1項に記載の
キット。
(態様34)
前記キット中の構成要素は、滅菌されている、態様27~33のいずれか1項に記載の
キット。
(態様35)
がんを治療するための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載
の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する
ことを含む、方法。
(態様36)
前記がんは、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、
メラノーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、膠
芽細胞腫、結腸直腸癌、膵臓癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪
性末梢鞘腫瘍(MPNST)からなる群から選択される固形腫瘍がんである、態様35に
記載の方法。
(態様37)
前記がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノーマ、卵巣癌、乳癌、膵
臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌である、態様0に記載の方法。
(態様38)
前記がんは、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、リードス
テルベルグ病、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病
(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、または慢性リンパ性白血病(CLL)であ
る、態様35に記載の方法。
(態様39)
前記がん患者は、治療未経験である、態様35~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様40)
前記がん患者は、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝細胞癌、メラノーマ、卵巣癌、乳癌
、膵臓癌、腎細胞癌、または結腸直腸癌に対して治療未経験である、態様39に記載の方
法。
(態様41)
前記組み合わせは、一次治療として前記がん患者に投与される、態様35~40のいず
れか1項に記載の方法。
(態様42)
前記組み合わせは、二次、三次、四次、五次、または六次治療として前記がん患者に投
与される、態様35~40のいずれか1項に記載の方法。
(態様43)
前記組み合わせは、少なくとも1つの抗癌治療による治療後に前記がん患者に投与され
る、態様35~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様44)
前記抗癌治療は、化学療法、放射線療法、外科手術、標的療法、免疫療法、またはこれ
らの組み合わせを含む、態様43に記載の方法。
(態様45)
前記がんは、少なくとも1つの抗癌剤に耐性がある、態様35~44のいずれか1項に
記載の方法。
(態様46)
前記組み合わせの前記式Iの化合物および前記PD-1阻害剤は、同時にまたは連続的
に投与される、態様35~44のいずれか1項に記載の方法。
(態様47)
前記式Iの化合物は、1週間に2~3回投与される、態様35~46のいずれか1項に
記載の方法。
(態様48)
前記式Iの化合物は、毎日投与される、態様35~46のいずれか1項に記載の方法。
(態様49)
PD-1阻害剤および前記式Iの化合物は、投与レジメンの1日目に併用投与される、
態様35~47のいずれか1項に記載の方法。
(態様50)
前記PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボ
ディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(ScFv)、またはそのバリアント
である、態様35~48に記載の組み合わせ。
(態様51)
前記PD-1阻害剤は、AMP-224である、態様50に記載の方法。
(態様52)
前記PD-1阻害剤は、PD-1抗体である、態様50に記載の方法。
(態様53)
前記PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN281
0(また、SAR-439684としても知られている)、PDR001、SHR-12
10、またはMEDI0680を含む、態様51に記載の方法。
(態様54)
前記組み合わせは、レジメンとして前記患者に投与される、態様35に記載の方法。
(態様55)
前記レジメンは、疾患の進行または許容不可能な毒性まで繰り返される、態様54に記
載の方法。
(態様56)
前記レジメンは、連続投与期間の間に少なくとも1日の休息期間を含む、態様54に記
載の方法。
(態様57)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、前記レジメンにおいて1週間に2~3回投与さ
れ、前記PD-1抗体は、2~3週間毎に投与される、態様54に記載の方法。
(態様58)
前記組み合わせの前記式Iの化合物は、前記レジメンにおいて21日間1日1回投与さ
れ、前記PD-1抗体は、2~3週間毎に投与される、態様54に記載の方法。
(態様59)
前記がんを治療する方法は、前記患者の前記がんの転移を阻害する、態様35~57の
いずれか1項に記載の方法。
(態様60)
前記がんを治療する方法は、前記患者の腫瘍または腫瘍負荷を減少させる、態様35~
57のいずれか1項に記載の方法。
(態様61)
前記がんを治療する方法は、前記患者の前記がんの既存の転移を阻害する、態様35~
57のいずれか1項に記載の方法。
(態様62)
前記がんを治療する方法は、前記患者の前記がんの疾患の進行までの時間を延長する、
態様35~57のいずれか1項に記載の方法。
(態様63)
前記がんを治療する方法は、前記患者の生存を延長させる、態様35~57のいずれか
1項に記載の方法。
(態様64)
前記がんを治療する方法は、前記患者の無増悪生存期間を増加させる、態様35~57
のいずれか1項に記載の方法。
(態様65)
骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルの低下を必要とする患者におけるその
レベルを低下させるための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記
載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物をそれを必要とする患者に投与する
ことと、前記投与後のMDSCのレベルを判定することと、を含む、方法。
(態様66)
調節性T細胞(Treg細胞)のレベルの低下を必要とする患者におけるそのレベルを
低下させる方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせ
または態様26に記載の薬学的組成物をそれを必要とする患者に投与することと、前記投
与後のTreg細胞のレベルを判定することと、を含む、方法。
(態様67)
がん患者におけるインビボでのナチュラルキラー(NK)の活性または細胞傷害性T細
胞活性を増強するための方法であって、治療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載
の組み合わせまたは態様26に記載の薬学的組成物を、前記患者に投与することを含み、
前記組み合わせは、前記組み合わせの非存在と比較して前記NKまたは細胞傷害性T細胞
の活性を増加させる、方法。
(態様68)
がん患者における抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増強するための方法であって、治
療有効量の態様1~25のいずれか1項に記載の組み合わせまたは態様26に記載の薬学
的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
(態様69)
がんを治療するための方法であって、治療有効量の、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(
HDAC阻害剤)およびPD-1阻害剤の組み合わせを、治療を必要とし、かつそのがん
がPD-L1阻害剤でこれまでに治療されたことがある対象に投与することを含む、方法

(態様70)
PD-L1阻害剤による治療後の前記がんは、部分的応答をもたらしたが、後に疾患の
進行に伴ってPD-L1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様71)
PD-L1阻害剤による治療後のがんは、安定した疾患をもたらしたが、後に疾患の進
行に伴ってPD-L1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様72)
PD-L1阻害剤による治療後のがんは、完全な応答をもたらしたが、後に疾患の進行
に伴ってPD-L1に対する耐性を生じる、態様69に記載の方法。
(態様73)
PD-L1阻害剤による治療後のがんは、治療に応答しない、態様69に記載の方法。
(態様74)
前記PD-1阻害剤は、小分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ペプチボ
ディ、ダイアボディ、ミニボディ、一本鎖可変断片(例えば、ScFv)、またはその断
片もしくはバリアントである、態様69~73に記載の方法。
(態様75)
前記PD-1阻害剤は、抗体を含む、態様69~74に記載の方法。
(態様76)
前記抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810(SA
R-439684としても知られている)、PDR001、SHR-1210、またはM
EDI0680のうちの1つ以上を含む、態様75に記載の方法。
(態様77)
前記HDAC阻害剤は、以下の式Iの化合物を含み、
(化3)
式中、
Aは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキチオ(alkythio
)、C -C ペルフルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C
アルコキシカルボニル、フェニル、および複素環基からなる群から選択される1~4
個の置換基で任意に置換される、フェニルまたは複素環式基であり、
Bは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO 、-CN、-COOH、C -C アル
キル、C -C アルコキシ、C -C アミノアルキル、C -C アルキルアミノ、
-C アシル、C -C アシルアミノ、C -C アルキルチオ、C -C ペル
フルオロアルキル、C -C ペルフルオロアルキルオキシ、C -C アルコキシカル
ボニル、およびフェニルからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換される
、フェニルであり、
Yは、直鎖である-CO-を含む部分であり、環Bの重心(W1)と、環Aの重心(W
2)と、当該部分Yにおける水素結合受容体としての酸素原子(W3)との間の距離は、
それぞれ、W1-W2=約6.0Å、W1-W3=約3.0Å~約6.0Å、およびW2
-W3=約4.0Å~約8.0Åであり、
Zは、結合またはC -C アルキレン、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-C
S-、-SO-、または-SO -であり、
およびR は、独立して、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素またはC -C アルキルであり、
は、水素または-NH であり、
、X 、X またはX のうちの1つは、ハロゲン、-OH、-NH 、-NO
、-CN、-COOH、C -C アルキル、C -C アルコキシ、C -C アミノ
アルキル、C -C アルキルアミノ、C -C アシル、C -C アシルアミノ、C
-C アルキルチオ、C -C ペルフルオロアルキル、C -C ペルフルオロアル
キルオキシ、またはハロゲンもしくはC -C アルキルで任意に置換されるC -C
アルコキシカルボニルであるが、X 、X 、X 、またはX の他のものは、独立して
、水素であり、
ただし、R が水素である場合、X 、X 、X 、またはX の1つは、-NH
アミノアルキル基、またはアルキルアミノ基である、態様69~76に記載の方法。
(態様78)
前記HDAC阻害剤は、N-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-4-[[[(2
E)-1-オキソ-3-(3-ピリジニル)-2-プロペン-1-イル]アミノ]メチル
]ベンズアミドである、態様77に記載の方法。
(態様79)
前記HDAC阻害剤は、以下の式を有する、態様77に記載の方法
(化4)

(態様80)
前記HDAC阻害剤は、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノス
タット、エンチノスタット、モセチノスタット、ジビノスタット、プラクチノスタット、
キシノスタット、アベキシノスタット、chr-3996、およびAR-42からなる群
のうちの1つ以上から選択される、態様69~76に記載の方法。
(態様81)
治療される前記がんは、前立腺、皮膚、卵巣癌;心臓、胎盤、骨格筋、および肺を含む
非リンパ様実質性臓器の癌;乳癌;マントル細胞リンパ腫、非ホジキンB細胞リンパ腫、
PTCL、腺腫、扁平上皮癌、喉頭癌、唾液腺癌、胸腺腫、および胸腺癌などの種々のリ
ンパ腫を含む頭頸部癌;白血病;網膜の癌;食道の癌;多発性骨髄腫;メラノーマ;結腸
直腸癌;肺癌;子宮頸癌;子宮内膜癌;胆嚢癌;肝臓癌;甲状腺濾胞癌;胃癌;非小細胞
肺癌;神経膠腫;尿路上皮癌;膀胱癌;前立腺癌;腎細胞癌;浸潤性腺管癌;ならびに多
形性膠芽腫のうちの1つ以上である、態様69~80に記載の方法。
(態様82)
対象における原発性腫瘍の転移を低減するための方法であって、前記治療が治療有効量
の、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤およびPD-1阻害剤の組み合わせを投与することを
含む、方法。
(態様83)
対象における原発性腫瘍の転移を低減するための方法であって、前記治療が治療を必要
とする前記対象に、治療有効量の態様1~26のいずれか1項に記載の組み合わせを投与
することを含む、方法。
(態様84)
前記原発性腫瘍の前記治療が、放射線、外科手術、化学療法、免疫療法、標的療法、ホ
ルモン療法、幹細胞移植、凍結療法、レーザー療法、および精密医療からなる群の1つ以
上を含む、態様82または83に記載の方法。
(態様85)
前記組み合わせは、前記原発性腫瘍の治療前に、同時に、その後に、または3つ全ての
組み合わせで投与される、態様84に記載の方法。
(態様86)
前記組み合わせの投与前に、前記HDAC阻害剤は、ある期間中単独で投与される、態
様82~85のいずれか1項に記載の方法。
(態様87)
減少した転移が、副腎、脳、脊髄、骨、肺、肝臓、および/または胸膜、胃腸管、腹膜
、筋肉、リンパ節、および皮膚のうちの1つ以上への転移である、態様82~86のいず
れか1項に記載の方法。
(態様88)
前記原発性腫瘍は、乳房、肺、肝臓、膀胱、皮膚、脳、腸、結腸、腎臓、卵巣、膵臓、
前立腺、胃、甲状腺、頭頸部、胃食道管、結合組織または他の非上皮性組織、骨髄性細胞
、リンパ細胞、または子宮のがんである、態様82~87のいずれか1項に記載の方法。
(態様89)
前記原発性腫瘍は、進行性転移性乳癌である乳癌である、態様88に記載の方法。
(態様90)
前記乳癌は、三重陰性である、態様89に記載の方法。
(態様91)
治療は、E-セレクチン阻害剤、またはプレリキサホル、またはE-セレクチン阻害剤
とプレリキサホルの組み合わせで前記対象を治療することをさらに含む、態様89または
90に記載の方法。
(態様92)
前記E-セレクチン阻害剤、または前記プレリキサホル、またはE-セレクチン阻害剤
とプレリキサホルの前記組み合わせは、前記HDACiおよびPD-1の組み合わせより
前に、同時に、またはその後に、または3つ全ての組み合わせで与えられる、態様91に
記載の方法。
(態様93)
治療は、αvインターグリン阻害剤、またはエタラシズマブ、インテツムマブ、もしく
はアビツズマブを含む群からの抗体、またはαvインターグリン阻害剤と、エタラシズマ
ブ、エタラシズマブ、インテツムマブ、もしくはアビツズマブを含む群からの抗体との組
み合わせで前記対象を治療することをさらに含む、態様89または90に記載の方法。
(態様94)
前記αvインターグリン阻害剤、またはエタラシズマブ、エタラシズマブ、インテツム
マブ、もしくはアビツズマブを含む群からの前記抗体、またはE-セレクチン阻害剤と、
エタラシズマブ、エタラシズマブ、インテツムマブ、もしくはアビツズマブを含む群から
の抗体の前記組み合わせは、HDACiおよびPD-1の組み合わせより前、同時に、ま
たはその後に、または3つ全ての組み合わせで与えられる、態様93に記載の方法。
(態様95)
治療は、前記対象をマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤で治療することをさらに
含む、態様89または90に記載の方法。
(態様96)
前記マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、HDACiおよびPD-1の組み合
わせより前に、同時に、またはその後に、または3つ全ての組み合わせで与えられる、態
様92に記載の方法。
(態様97)
前記HDAC阻害剤は、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノス
タット、エンチノスタット、モセチノスタット、ジビノスタット、プラクチノスタット、
キシノスタット、アベキシノスタット、chr-3996、およびAR-42を含む群の
うちの1つ以上から選択される、態様82に記載の方法。
(態様98)
対象における原発性または二次性のがんを治療するための方法であって、前記治療によ
り(i)がん細胞の数の減少、(ii)腫瘍体積の減少、(iii)腫瘍退行率の増加、
(iv)末梢器官へのがん細胞の浸潤の減少または減速、(v)腫瘍転移の減少または減
速、(vi)腫瘍増殖の減少または阻害、(vii)がんの発生および/もしくは再発の
予防または遅延、ならびに/または疾患もしくは腫瘍がない生存期間の延長、(viii
)全生存期間の増加、(ix)治療頻度の減少、(x)がん負荷の軽減、ならびに(XI
)前記がんに関連する症状のうちの1つ以上の軽減、のうちの1つ以上の結果が生じ、前
記治療が治療有効量の態様1~24のいずれか1項に記載の組み合わせを、治療を必要と
する前記対象に投与することを含む、方法。
(態様99)
前記組み合わせは、前記原発性腫瘍の治療より前、同時に、その後に、または前記原発
性腫瘍の治療より前、同時、およびその後の組み合わせで投与される、態様98に記載の
方法。
(態様100)
前記原発性腫瘍の治療は、放射線、外科手術、化学療法、免疫療法、標的療法、ホルモ
ン療法、幹細胞移植、凍結療法、レーザー療法、および精密医療からなる群のうちの1つ
以上を含む、態様98に記載の方法。
(態様101)
前記組み合わせの投与前に、前記HDAC阻害剤は、単一の薬剤として一定期間投与さ
れる、態様98~100のいずれか1項に記載の方法。
(態様102)
前記原発性腫瘍は、乳房、肺、膀胱、皮膚、腸、結腸、腎臓、肝臓、脳、卵巣、膵臓、
前立腺、胃、甲状腺、頭頸部、胃食道管、結合組織または他の非上皮性組織、骨髄性細胞
、リンパ細胞、および子宮のがんである、態様98~101のいずれか1項に記載の方法

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11