(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】データセンターのトラフィック共有方法、装置、デバイスおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 45/42 20220101AFI20221208BHJP
H04L 47/41 20220101ALI20221208BHJP
【FI】
H04L45/42
H04L47/41
(21)【出願番号】P 2021526365
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2019103115
(87)【国際公開番号】W WO2020114017
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】201811473922.9
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲シュ▼ 懿
(72)【発明者】
【氏名】呉 志 明
(72)【発明者】
【氏名】顔 永 明
(72)【発明者】
【氏名】徐 海 峰
(72)【発明者】
【氏名】左 良
(72)【発明者】
【氏名】許 多
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0146664(US,A1)
【文献】国際公開第2014/082056(WO,A1)
【文献】米国特許第09369408(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0195178(US,A1)
【文献】国際公開第2018/198114(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0067729(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0069754(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109716717(CN,A)
【文献】国際公開第2018/048511(WO,A1)
【文献】特開2017-050708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SDNコントローラを設け、
前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成し、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートは前記論理デバイスの論理ポートであることと、
最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現し、前記最適なネットワーク経路は前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適な経路であり、前記関連関係はゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関係であることとを含み、
前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、
SDNコントローラにおけるVTEP Group属性をMC-LAGとして構成することと、
前記VTEP Group属性に基づいてSDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1台の論理デバイスとして構成することとを含む、
ことを特徴とするデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項2】
前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、
前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項3】
前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、
ゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定することを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項4】
ゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定することは、
前記MC-LAGリンクの少なくとも2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化することを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項5】
前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、
ゲートウェイ物理デバイスのピアリンク情報を設定することを更に含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項6】
最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、
前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項7】
前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することは、
前記ゲートウェイ物理デバイスのルーティング情報を取得することと、
前記ルーティング情報に基づいて前記最適なネットワーク経路を計算することとを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項8】
最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、
前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項9】
前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することは、
VDCまたはDCIサービス設定情報を設定することと、
前記VDCまたはDCIサービス設定情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインおよび従来のドメインの情報を編成することで、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を取得することとを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載のデータセンターのトラフィック共有方法。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサにデータセンターのトラフィック供給方法を実行させ、当該方法は、
SDN
(Software Defined Network)コントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成し、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートは前記論理デバイスの論理ポートであることと、
最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現し、前記最適なネットワーク経路は前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適な経路であり、前記関連関係はゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関係であることとを含み、
前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、
SDNコントローラにおけるVTEP Group属性をMC-LAGとして構成することと、
前記VTEP Group属性に基づいてSDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1台の論理デバイスとして構成することとを含む、
ことを特徴とするネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2018年12月04日に提出された名称が「データセンターのトラフィック共有方法、装置、デバイスおよび記憶媒体」であり、出願番号が201811473922.9である中国特許出願を引用し、その全ての内容を引用により本発明に援用する。
【0002】
本発明は通信領ドメインに関し、特に、データセンターのトラフィック共有方法、装置、デバイスおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
クラウドコンピューティングおよびモバイルインターネットアプリケーションの発展にも伴い、複雑なインタラクティブアプリケーションは新型のIDC(Internet Data Center、インターネットデータセンター)に現れ、特に、大量のデータアクセスおよびプロセス呼び出しにより、単一のIDCは既にインターネットアプリケーションのニーズを満たすことができず、アプリケーションのニーズを満たすために異なるIDCを1つの統一的なリソースプールに統合する必要がある。それと同時に、IDCを接続するベアラネットワークとしては、DC(Data Center、データセンター)間の仮想化、VM(Virtual Machine、仮想マシン)のリアルタイム遷移、DC間のテナント分離等のようなこれにより生じる様々な上位層アプリケーションをサポートする必要がある。
【0004】
ICP(Internet Content Provider、インターネットコンテンツプロバイダ)およびOTT(Over The Top、インターネットを介してユーザに様々なアプリケーションサービスを提供することを意味する)プロバイダがネットワークを介してコンテンツおよびサービスを提供することの高速な発展に伴い、ますます多くのユーザトラフィックは、ICP/OTTが提供するコンテンツおよびサービスにアクセスし、データセンターはICP/OTTがコンテンツおよびサービスを提供する主なプラットフォームであり、それと同時に、クラウドデータセンターの成熟および発展に伴い、ますます多くの企業はIT(Information Technology、情報技術)システムをデータセンターに入れるように選択する。そのため、データセンターは、将来のネットワークトラフィックの集約点になっている。
【0005】
データセンターのトラフィックは、南北方向トラフィックおよび東西方向トラフィックに分けられる。南北方向は、ユーザがデータセンターのコンテンツにアクセスすることを主とし、東西方向トラフィックは、主にデータセンター内またはデータセンター間の同期、バックアップ、およびCDN(Content Delivery Network、コンテンツデリバリネットワーク)プッシュトラフィック等を指す。ここで、データセンター間のトラフィックは、主にインターネットを用いてベアラされる。データセンターのネットワークトラフィックに対する冗長性保護は、ネットワークの信頼性の基本的な要求である。
【0006】
いくつかの場合、一般的に、ゲートウェイ物理デバイスのスタックモードを採用してデータセンターのトラフィック出力の冗長性保護をサポートする。スタックモードで、ゲートウェイ物理デバイスの上りや下りは、ゲートウェイの実際状態の切り替えを感知せず、バージョンアップ時に2台のデバイスを同時にアップグレードする必要があり、ネットワークの中断時間が長いという問題が存在する。更に、従来のデータセンターのネットワークには集中制御点がなく、データセンターのネットワークトラフィックをグローバルに管理することができず、ネットワークトラフィックを統一的にスケジューリングすることで、運用保守の複雑さが高いという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は、少なくとも従来の技術に存在する一部の問題を解決するためのデータセンターのトラフィック共有方法、装置、デバイスおよび記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様において、データセンターのトラフィック共有方法は、SDNコントローラを設け、前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成し、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートは前記論理デバイスの論理ポートであることと、最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現し、前記最適なネットワーク経路は前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適な経路であり、前記関連関係はゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関係であることとを含む。
【0009】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、SDNコントローラにおけるVTEP Group属性をMC-LAGとして構成することと、前記VTEP Group属性に基づいてSDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1台の論理デバイスとして構成することとを含む。
【0010】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することを含む。
【0011】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、ゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定することを含む。
【0012】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、ゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定することは、前記MC-LAGリンクの少なくとも2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化することを含む。
【0013】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、ゲートウェイ物理デバイスのピアリンク情報を設定することを更に含む。
【0014】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することを更に含む。
【0015】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することは、前記ゲートウェイ物理デバイスのルーティング情報を取得することと、前記ルーティング情報に基づいて前記最適なネットワーク経路を計算することとを含む。
【0016】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することを更に含む。
【0017】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することは、VDCまたはDCIサービス設定情報を設定することと、前記VDCまたはDCIサービス設定情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインおよび従来のドメインの情報を編成することで、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を取得することとを含む。
【0018】
第2態様において、ネットワークデバイスは、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサにより実行されると、第1態様のいずれかの方法のステップを実現する。
【0019】
第3態様において、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサにより実行されると、第1態様のいずれかの方法のステップを実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【発明の効果】
【0020】
上記説明は、本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術的手段をより明確に理解できるように、明細書の内容に従って実施することができ、且つ、本発明の上記および他の目的、特徴および利点をより分かりやすくするために、以下、本発明の具体的な実施形態を例示する。
【0021】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を閲読することにより、各種の他の利点およびメリットは当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。更に、図面全体において、同じ参照符号は同じ部材を表す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例1に係るSDNコントローラがデータセンターのネットワークデバイスを編成してゲートウェイのトラフィック出力の冗長性保護を実現する各モジュールのインタラクションの模式的なブロック図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るデータセンターのトラフィック共有方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例1に係る前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化するフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例1に係る前記論理ポートが受信したトラフィックを前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートに転送する最適なネットワーク経路を取得するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例1に係る前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定するフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例2に係るデータセンターのトラフィック共有装置のネットワーク構成のブロック図である。
【
図7】本発明の実施例2に係るデータセンターのトラフィック共有装置の原理ブロック図である。
【
図8】本発明の実施例2に係る論理デバイス設定モジュールの原理ブロック図である。
【
図9】本発明の実施例2に係る論理インターフェース設定モジュールの原理ブロック図である。
【
図10】本発明の実施例2に係る経路計算モジュールの原理ブロック図である。
【
図11】本発明の実施例2に係る関連関係設定モジュールの原理ブロック図である。
【
図12】本発明の実施例3に係るデータセンターが南北方向トラフィックを出力するシーンにおけるゲートウェイのマスターデバイスが故障した模式図である。
【
図13】本発明の実施例4に係るデータセンターが南北方向トラフィックを出力するシーンにおけるPeer-Linkが故障した模式図である。
【
図14】本発明の実施例5に係るデータセンター間の東西方向トラフィックのシーンにおけるMC-LAGポートが故障した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。図面において本発明の例示的な実施例を示すが、様々な形式で本発明を実現することができ、ここで説明する実施例に限定されるべきではないことを理解すべきである。逆に、これらの実施例を提供するのは、本発明をより明確に理解することができ、且つ本発明の範囲を完全に当業者に伝えることができるためである。
【0024】
SDN(Software Defined Network、ソフトウェアにより定義されたネットワーク)は、生まれてからその制御と転送分離、ソフトウェアとハードウェアのデカップリング、およびサービスのネットワークに対するプログラミング可能性等の特性により、業界でよく注目されている。SDNの技術的優位性でクラウド化データセンターの相互接続を主なニーズとする次世代のインテリジェント型ベアラネットワークにサービスを提供することは、将来のネットワークイボリューションの1つの新たなきっかけである。
【0025】
大部分のデータセンターの内部状況に基づき、既存のネットワークに1つのソフトウェアにより定義された論理的なネットワークを重畳し、元のネットワークをできるだけ改造せず、その上の論理的なネットワークを定義することにより業務ロジックを実現することで、元のデータセンターのネットワーク問題を解決し、従来のユーザ投資を大幅に節約する。従って、VXLAN(Virtual Extensible LAN、拡張可能な仮想ローカルエリアネットワーク)を代表とするOverlay(ネットワークアーキテクチャに重畳された仮想化技術モードを意味し、その大体な枠組みは、基礎ネットワークを大規模に修正しない条件で、アプリケーションのネットワークにおけるベアラを実現し、且つ他のネットワークサービスと分離可能であり、IPに基づく基礎ネットワーク技術を主とするものである)ネットワーク仮想アーキテクチャは、既に現在の多くのメーカーがサポートかつ使用する成熟した形態となる。
【0026】
本発明の実施例は、SDNアーキテクチャでコントローラがゲートウェイ物理デバイスを管理編成し、ゲートウェイ物理デバイスが、MC-LAG(Multi-chassis Link Aggregation Group、マルチシャシーリンクアグリゲーショングループ)モードを採用してデータセンターのトラフィック出力の冗長性保護を実現することに基づくモデルを提供する。スタックモードの配置に存在するバージョンアップによるネットワークの中断時間が長い、およびデータセンターのネットワークをグローバルに運用保守して管理することができないという問題を解決できる。
【0027】
スタックおよびMC-LAGはそれぞれ利点と欠点があり、要するに、ネットワーク設計/保守員にとって、スタックの利点は管理保守しやすいことであり、MC-LAGの利点は信頼性および低いアップグレードリスクである。本発明の実施例におけるコントローラの集中管理は、運用保守の複雑さをある程度低減し、更に、MC-LAGを採用することにより、ネットワークの信頼性を大きく向上させることができる。
【0028】
MC-LAGモードとスタックモードとの比較分析表は、表1に示すとおりである。
【0029】
【0030】
本発明の実施例は、MC-LAG技術の高信頼性および低いアップグレードリスクの利点を十分に発揮するとともに、コントローラのゲートウェイに対する集中管理により、MC-LAG技術の設定および保守が複雑であるという欠陥をある程度補う。
【0031】
本発明の実施例は、SDNコントローラを設けることにより、ゲートウェイ物理デバイスを論理デバイスとして構成し、且つ、ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを論理デバイスの論理ポートとして仮想化し、SDNコントローラの制御で構成された論理デバイスはデータセンターのトラフィックをグローバルに管理することで、ネットワークトラフィックを統一的にスケジューリングし、運用保守の複雑さを低減する効果を達成する。それと同時に、ゲートウェイ物流デバイスがMC-LAGモードを採用するように編成することで、ゲートウェイ物理デバイスの故障時またはリンクの故障時またはバージョンアップ時のネットワークの中断時間が短いという効果を達成することができ、ネットワークの信頼性を向上させる。ゲートウェイ物理デバイスのスタックモードが配置されたシーンにおけるバージョンアップによるネットワークの中断時間が長いという問題を解決する。
【実施例1】
【0032】
本発明の実施例は、SDNコントローラを設け、前記SDNコントローラは、
図1に示すように、サービス関連情報を設定するためのサービス設定モジュール101と、SDNコントローラにアクセスしたゲートウェイ物理デバイスの情報を管理するためのデバイスアクセス管理モジュール102と、データセンターのルーティング情報を管理するためのルーティング管理モジュール103と、データセンターのデバイストポロジーを収集してリンク情報を感知し、前記ルーティング管理モジュール103のルーティング情報に基づいてリンクを経路計算し、最適なネットワーク経路を得るためのリンク管理モジュール105と、受信したプロトコルメッセージを処理するための送受信パケット処理モジュール104と、前記デバイスアクセス管理モジュール102、サービス設定モジュール101およびリンク管理モジュール105の情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスを編成するためのデバイス駆動モジュール106とを備えるデータセンターのトラフィック共有方法を提供する。
【0033】
1つの例示的な実施例において、サービス関連情報は、VDCまたはDCIサービス設定情報を含む。1つの例示的な実施例において、データセンターのルーティング情報は、静的ルーティング、ルーティングプロトコルが学習した動的ルーティング、およびインターフェースに関連する直接接続ルーティング情報を含む。
【0034】
図2に示すように、データセンターのトラフィック共有方法は、以下のステップを含む。ステップS201において、前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成し、ここで、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートは前記論理デバイスの論理ポートである。具体的な適用シーンにおいて、SDNコントローラにおけるVTEP Group属性をMC-LAGとして構成し、具体的には、SDNコントローラにVTEP Group情報を設定し、VTEP Group属性がMC-LAGであり、2台のゲートウェイ物理デバイスをネットワークトポロジー層で1台の論理的なデバイスとして表示させ、デバイスアクセス管理モジュール102は、アクセスされたゲートウェイ物理デバイス情報を記憶し、ゲートウェイ物理デバイス情報はDeviceid情報をインデックスとし、本適用シーンでは2台のゲートウェイ物理デバイスを例とするが、2台に限定されるものではない。
【0035】
ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートは前記論理デバイスの論理ポートであり、1つの例示的な実施例において、以下のステップ202のように、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化する。
【0036】
ステップS205において、前記最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現する。ここで、前記最適なネットワーク経路は前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適な経路であり、前記関連関係はゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関係である。1つの例示的な実施例において、最適なネットワーク経路および関連関係は、前記最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に設定されてもよく、既に設定されたパラメータを採用してもよい。
【0037】
ゲートウェイ物理デバイスの故障時またはリンクの故障時に、SDNコントローラのリンク管理モジュール105は、ゲートウェイ故障情報を感知した後にリンクの関連情報を更新し、且つ経路計算により最新の転送経路を取得することで、新たな論理デバイス内のトラフィック転送の最適なネットワーク経路を取得し、デバイス駆動モジュールによりゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインのトラフィックテーブル情報および従来のドメインのルーティング情報を更新し、最終的にゲートウェイの故障またはリンクの故障時にゲートウェイの南北方向トラフィックおよび東西方向トラフィックの出力による中断時間が短いことを実現する。
【0038】
データセンターのトラフィック共有方法により、SDNデータセンターのネットワーク構成における南北方向およびDCI東西方向トラフィックの冗長性保護を実現することができ、デバイスの故障時またはリンクの故障時に、スタンバイデバイスまたはリンクに切り替えることができ、ネットワークの中断時間が短い。
【0039】
1つの具体的な実施形態において、ステップS201の前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成することは、ステップS202の前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することを更に含む。
【0040】
1つの例示的な実施例において、
図3に示すように、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、ステップS301のゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定することを含む。
【0041】
1つの例示的な実施例において、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンクを設定し、具体的には、前記MC-LAGリンクの2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化する。
【0042】
具体的には、SDNコントローラはMC-LAGリンクの2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化する。
【0043】
1つの例示的な実施例において、前記物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化することは、ステップS302のゲートウェイ物理デバイスのピアリンク情報を設定することを更に含む。
【0044】
1つの具体的な適用シーンにおいて、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンクおよびPeer-Link(ピアリンク)情報を設定し、MC-LAGに設定された2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化し、2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化した後、データ伝送時に、論理ポートのデータは一方のMC-LAGのポートのみを介してデータ伝送を行い、他方のMC-LAGのポートはスタンバイ状態となり、即ち、データ伝送において、2つの物理のMC-LAGのポートを1つの論理ポートとして仮想化して仮想的な論理ポートが外部とデータのインタラクションを行うが、具体的には、ゲートウェイ物理デバイスに一方の物理のMC-LAGのポートだけを設けてデータのインタラクションを行わればよく、他方のスタンバイのMC-LAGのポートを設ける必要がなく、また、MC-LAGが設定されていなポートも論理デバイスで1つのグローバル番号を占有する。Peer-Linkは、管理面に表示できて対応する設定が可能であり、設定されたゲートウェイ物理デバイスのMC-LAG情報は、デバイスアクセス管理モジュール102の対応するデバイス情報表に記憶される。
【0045】
1つの具体的な実施形態において、ステップS205の前記最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、ステップS203の前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することを更に含み、即ち、論理デバイスによる受信は、論理ポートを介してトラフィックを受信することであるが、論理デバイスが受信したトラフィックは、ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートに伝送する必要があり、しかし、論理ポートが複数のゲートウェイ物理デバイスのポートに対応するため、論理ポートからゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適な経路を計算する必要がある。
【0046】
1つの例示的な実施例において、前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得することは、
図4に示すように、ステップS401の前記ゲートウェイ物理デバイスのルーティング情報を取得することと、ステップS402の前記ルーティング情報に基づいて前記最適なネットワーク経路を計算することとを含む。
【0047】
1つの具体的な適用シーンにおいて、SDNコントローラは論理ポートを介してARP学習、MAC learning、トポロジー、およびテーブル項目情報を受信し、送受信パケット処理モジュール104、ルーティング管理モジュール103、リンク管理モジュール105は、論理ポートインターフェースの実際のメッセージおよびデバイスリンクポート情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスのルーティング情報を更新し、最適なネットワーク経路を計算し、更にデバイス駆動モジュールによりOpenflowトラフィックテーブルをNVE計算ノードおよびゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインに配布し、データセンター内部のネットワークトラフィックの転送を指導する。
【0048】
1つの具体的な実施形態において、ステップS205の前記最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するステップの前に、ステップS204の前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することを更に含む。
【0049】
1つの例示的な実施例において、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定することは、
図5に示すように、ステップS501のVDCまたはDCIサービス設定情報を設定することと、ステップS502の前記VDCまたはDCIサービス設定情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインおよび従来のドメインの情報を編成することで、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を取得することとを含む。
【0050】
1つの具体的な適用シーンにおいて、クラウドプラットフォームにおいてデータセンターNetwork、Port、Subnet、Vrouter、外部ネットワーク等のVDCサービス情報を設定し、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスと外部ネットワークとの関連関係を設定し、論理デバイスを論理ルータ(Vrouter)とし、論理ルータの設定情報をゲートウェイ物理デバイスのエンティティに設定することで、ゲートウェイ物理デバイスの外部ネットワークまたは外部デバイスに接続されたポートグループ情報を設定する。DCIサービスは、クラウドプラットフォームでVDCサービスを作成した後にニーズに応じて設定されたものである。南北方向トラフィックは、ポートグループのタイプをSouth-Northに設定し、DCI東西方向トラフィックは、ポートグループのタイプをEast-Westに設定し、ポートグループのうちのポートは、生成されたゲートウェイに対応する論理ポート情報に関連する。サービス設定モジュール101は、設定されたVDCまたはDCIサービス設定情報に基づき、デバイスアクセス管理モジュール102のデバイス情報およびリンク管理モジュール105の関連情報と合わせ、デバイスの状況に応じてゲートウェイ物理デバイスSDNドメインおよび従来のドメインの関連情報を編成するようにデバイス駆動モジュールに通知する。SDNドメインは、主にOpenflowトラフィックテーブル転送情報であり、データセンターのドメイン内のトラフィックがゲートウェイ物理デバイスに伝送できることを確保し、従来のドメインは、主に外部デバイスと共有するルーティング構成情報およびゲートウェイ物理デバイスの冗長性保護のMC-LAG関連情報であり、コントローラは、NetconfまたはRestfulまたはRestconf等のデバイスにより南方向構成プロトコル(プロトコルタイプを限定せず)をサポートすることで、ゲートウェイ物理デバイスの従来のドメインを構成することができる。
【0051】
本実施例は、データセンターのトラフィック出力の冗長性保護を行う様々なシーンについて記述し、主なシーンは、データセンターから外部ネットワークに出力される南北方向トラフィックと、データセンター間の東西方向トラフィックとが共有するシーンであり、南北方向トラフィックは、主に3層のトラフィックであり、データセンター間の東西方向トラフィックは、2~3層のトラフィックを含む。以上の2つのシーンでゲートウェイ物理デバイスの切り替えおよびゲートウェイ物理デバイスリンクの切り替えを行い、ネットワークトラフィックの中断時間が短く、普通から秒レベルにアップグレードする。
【実施例2】
【0052】
SDNコントローラは、管理データセンターネットワークの核心コンポーネントであり、SDNコントローラに備えられるモジュールおよび各モジュールのインタラクション図は、
図1に示すように、SDNコントローラは、サービス構成モジュール101、デバイスアクセス管理モジュール102、ルーティング管理モジュール103、リンク管理モジュール105、送受信パケット処理モジュール104、およびデバイス駆動モジュールを備える。
【0053】
サービス設定モジュール101は、主にVDCネットワークおよびDCIサービスに関連する構成情報を含むサービスに関連する情報を設定するために使用される。
【0054】
デバイスアクセス管理モジュール102は、アクセスされたゲートウェイ物理デバイスの関連情報を管理するために使用され、SDNコントローラがゲートウェイ物理デバイスを編成する時に使用される。
【0055】
ルーティング管理モジュール103は、設定された静的ルーティング、ルーティングプロトコルが学習した動的ルーティング、およびインターフェースに関連する直接接続ルーティング等のルーティング情報を含むデータセンターネットワークの関連ルーティング情報を管理するために使用される。
【0056】
リンク管理モジュール105は、データセンターネットワークのデバイストポロジーを収集してリンク情報を感知し、ルーティング管理モジュール103のルーティング情報に基づいてリンクを経路計算し、データセンターネットワークの最適なリンク情報を取得するために使用される。
【0057】
送受信パケット処理モジュール104は、ARP、Openflow等のコントローラが受信管理するプロトコルメッセージを処理するために使用される。
【0058】
デバイス駆動モジュールは、デバイスアクセス管理モジュール102のゲートウェイ物理デバイスアクセス情報およびサービス設定モジュール101のサービスに関連する情報、リンク管理モジュール105のリンク情報に基づいて具体的なゲートウェイ物理デバイスを編成するために使用される。
【0059】
1つの例示的な実施例において、データセンターのトラフィック共有装置は、アクセスデータセンターにゲートウェイサービスを提供するためのデータセンターゲートウェイを更に備える。
【0060】
1つの例示的な実施例において、データセンターのトラフィック共有装置は、ネットワーク仮想端末およびホストを更に備え、前記ホストが前記ネットワーク仮想端末に接続され、前記ネットワーク仮想端末が前記SDNコントローラに接続されている。
【0061】
図6に示すように、データセンターのトラフィック共有装置は、SDNデータセンターのネットワークを編成して管理するためのSDNコントローラ(SDN Controller、SDNコントローラ)を備え、Openflow(SDNの制御、転送分離の核心技術)トラフィックテーブルをVTEP(Vxlan Tunnel EndPoint、Vxlanトンネル端末)デバイスに配布することにより、データセンター内部の2~3層のトラフィックの転送を実現するとともに、ゲートウェイ物理デバイスを編成してドメイン内とドメイン外のネットワークの共有およびトラフィックの冗長性保護を実現する。
【0062】
NVE(Network Virtualization EndPoint、ネットワーク仮想端末)は、SDNデータセンター内部のVTEPデバイスであり、Openflowスイッチであってもよいし、TORスイッチであってもよい。
【0063】
HOSTは、データセンターの内部において、Openflowソフトウェアスイッチ下のホストは仮想マシンVMであり、TOR(Top Of Rack、ラック最上部のスイッチ)スイッチ下のホストは裸金属サーバである。
【0064】
DCGW(Data Center Gateway、データセンターゲートウェイ)は、SDNデータセンターのゲートウェイ物理デバイスであり、ユーザがSDNデータセンター内のサービスをアクセスするためにゲートウェイサービスを提供し、DCのドメイン内からドメイン外までの南北方向トラフィックおよび東西方向トラフィックは、それぞれDCGWを介して外部ネットワークおよび相手端DCに出力される。
【0065】
クラウドデータセンターが配置した上位層クラウドプラットフォームおよびクラウド編成器は、主にネットワーク編成情報をSDNコントローラに通知してネットワーク管理を行い、下位層ゲートウェイ物理デバイスとの協働に直接関与せず、
図2に示されていない。
【0066】
図7に示すように、データセンターのトラフィック共有装置は、SDNコントローラが設けられ、前記SDNコントローラにアクセスした少なくとも2つのゲートウェイ物理デバイスを1つの論理デバイスとして構成するための論理デバイス設定モジュール701と、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートを前記論理デバイスの論理ポートとして仮想化するための論理インターフェース設定モジュール702と、前記論理ポートから前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートまでの最適なネットワーク経路を取得するための経路計算モジュール703と、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を設定するための関連関係設定モジュール704と、前記最適なネットワーク経路および関連関係に基づいてデータセンターと外部ネットワークとのトラフィック共有を実現するための共有モジュール705とを備える。
【0067】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、
図8に示すように、前記論理デバイス設定モジュール701は、SDNコントローラにおけるVTEP Group属性をMC-LAGとして構成するためのMC-LAG設定モジュール801と、前記VTEP Group属性に基づいてSDNコントローラにアクセスしたゲートウェイ物理デバイスを1台の論理デバイスとして構成するためのデバイス設定モジュール802とを備える。
【0068】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、
図9に示すように、前記論理インターフェース設定モジュール702は、ゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンク情報を設定するためのMC-LAGリンク情報設定モジュール901を備える。
【0069】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記MC-LAGリンク情報設定モジュールは、具体的に、前記MC-LAGリンクの2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化するために使用される。
【0070】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、前記論理インターフェース設定モジュール702は、ゲートウェイ物理デバイスのピアリンク情報を設定するためのピアリンク情報設定モジュール902を更に備える。
【0071】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、
図10に示すように、前記経路計算モジュール703は、前記ゲートウェイ物理デバイスのルーティング情報を取得するためのルーティング情報取得モジュール1001と、前記ルーティング情報に基づいて前記最適なネットワーク経路を計算するための計算モジュール1002とを備える。
【0072】
本発明の実施例の具体的な実現形態として、
図11に示すように、前記関連関係設定モジュール704は、VDCまたはDCIサービス設定情報を設定するためのサービス設定情報モジュール1101と、前記VDCまたはDCIサービス設定情報に基づいてゲートウェイ物理デバイスのSDNドメインおよび従来のドメインの情報を編成することで、前記ゲートウェイ物理デバイスの物理ポートと外部ネットワークとの関連関係を取得するための編成モジュール1102とを備える。
【実施例3】
【0073】
図12に示すように、データセンターから外部ネットワークに出力される南北方向トラフィックが共有するシーンにおいて、ゲートウェイのマスターデバイスが故障すると、実現する主なステップは以下のとおりである。ステップ1、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスにアクセスし、SDNコントローラにおいてVTEP Group情報を設定し、VTEP Group属性がMC-LAGであり、2台のゲートウェイ物理デバイスがネットワークトポロジー層で1台の論理デバイスとして表示される。ステップ2、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンクおよびPeer-Link情報を設定し、MC-LAGに設定された2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化し、MC-LAGが設定されていないポートも、論理デバイスで1つのグローバル番号を占有する。Peer-Linkは管理面に表示できて対応する設定が可能である。ステップ3、Openstackクラウドプラットフォームで仮想ルータを作成し、外部ネットワーク構成に関連し、SDNコントローラにおいてゲートウェイ物理デバイスと外部ネットワークとの関連関係を設定し、ゲートウェイ物理デバイスの外部と接続するポートグループのタイプをSouth-Northに設定する。ステップ4、SDNコントローラのARP学習、MAC learning、トポロジー、およびテーブル項目は、いずれも論理デバイスの論理ポートにより操作される。ステップ5、SDNデータセンターのドメイン内のトラフィックは、ゲートウェイ物理デバイスを介して外部ネットワークに到達し、ドメイン内からドメイン外への南北方向トラフィック共有を実現することができる。ステップ6、ゲートウェイマスターデバイスが故障すると、MC-LAG状態がスタンバイであるデバイスはマスターにアップグレードし、そのデバイス側Eth-Trunk(イーサネット(登録商標)リンクアグリゲーショングループ)リンク状態が依然としてUpであり、トラフィック転送状態が変わらず、トラフィックを転送し続ける。MC-LAG状態を主とするデバイス側Eth-Trunkリンク状態がDownに変更し、デュアルホーミングシーンがシングルホーミングシーンに変更する。以上のいくつかのステップにより、ゲートウェイマスターデバイスが故障した場合におけるデータセンターの南北方向トラフィックの出力による中断時間の秒レベルを実現することができる。
【実施例4】
【0074】
図13に示すように、データセンターから外部ネットワークに出力される南北方向トラフィックが共有するシーンにおいて、Peer-linkが故障すると、関連するステップは以下のとおりである。ステップ1、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスにアクセスし、SDNコントローラにおいてVTEP Group情報を設定し、VTEP Group属性がMC-LAGであり、2台のゲートウェイ物理デバイスがネットワークトポロジー層で1台の論理デバイスとして表示される。ステップ2、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンクおよびPeer-Link情報を設定し、MC-LAGに設定された2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化し、MC-LAGが設定されていないポートも論理デバイスで1つのグローバル番号を占有する。Peer-Linkは管理面に表示できて対応する設定が可能である。ステップ3、Openstackクラウドプラットフォームで仮想ルータを作成し、外部ネットワーク構成に関連し、SDNコントローラにおいてゲートウェイ物理デバイスと外部ネットワークとの関連関係を設定し、ゲートウェイ物理デバイスの外部と接続するポートグループのタイプをSouth-Northに設定する。ステップ4、SDNコントローラのARP学習、MAC learning、トポロジー、およびテーブル項目はいずれも論理デバイスの論理ポートにより操作される。ステップ5、SDNデータセンターのドメイン内のトラフィックは、ゲートウェイ物理デバイスを介して外部ネットワークに到達し、ドメイン内からドメイン外への南北方向トラフィック共有を実現することができる。ステップ6、Peer-linkが故障すると、MC-LAGのマスター・スタンバイ状態は、Eth-Trunkのリンク状態を決定する。MC-LAG状態がマスターであるデバイス側Eth-Trunkリンク状態が依然としてUpである。MC-LAG状態がスタンバイであるデバイス側Eth-Trunkリンク状態がDownに変更し、デュアルホーミングシーンがシングルホーミングシーンに変更する。peer-linkが故障したが心拍状態が正常である場合、状態がスタンバイであるデバイスにおけるMC-LAGインターフェースはERROR DOWN状態にある。peer-linkの故障が回復すると、ERROR DOWN状態にある物理インターフェースは自動的にUp状態に戻る。以上のいくつかのステップにより、Peer-linkが故障した場合におけるデータセンターの南北方向トラフィックの出力による中断時間の秒レベル実現することができる。
【実施例5】
【0075】
図14に示すように、データセンター間のトラフィックが共有するシーンにおいて、MC-LAGポートが故障すると、関連するステップは以下のとおりである。ステップ1、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスにアクセスし、SDNコントローラにおいてVTEP Group情報を設定し、VTEP Group属性がMC-LAGであり、2台のゲートウェイ物理デバイスがネットワークトポロジー層で1台の論理デバイスとして表示される。ステップ2、SDNコントローラはゲートウェイ物理デバイスのMC-LAGリンクおよびPeer-Link情報を設定し、MC-LAGに設定された2つのキャビネット間スタックポートを1つの論理ポートとして仮想化し、MC-LAGが設定されていなポートも、論理デバイスで1つのグローバル番号を占有する。Peer-Linkは管理面で見えて対応する設定が可能である。ステップ3、Openstackクラウドプラットフォームで仮想ルータを作成し、クラウド編成器でDCI実例を作成し(適用シーンに応じてL2/L3 DCI実例を作成する)、SDNコントローラにおいてゲートウェイ物理デバイスおよび外部デバイスのポートグループのタイプをEast-Westに設定する。ステップ4、SDNコントローラのARP学習、MAC learning、トポロジー、およびテーブル項目は、いずれも論理デバイスの論理ポートにより操作される。ステップ5、SDNデータセンターのドメイン内のトラフィックは、ゲートウェイ物理デバイスを介して相手端データセンターに到達し、データセンター間の東西方向トラフィック共有を実現することができる。ステップ6、MC-LAGポートが故障すると、MC-LAGのマスター・スタンバイ状態が変わらず、トラフィックが別のリンクに切り替えられて転送され、故障したEth-Trunkリンクの状態がDownに変更する。MC-LAGメカニズムにより、故障したEth-Trunkリンクがトラフィックを転送せず、VXLANデュアルホーミングシーンがシングルホーミングシーンに変更する。SDNコントローラはMC-LAGポートの状態変更を感知し、最新の状態に基づいてMac、Arpの関連テーブル項目を更新してデバイス転送を指導する。以上のいくつかのステップにより、データセンター間の東西方向トラフィックが共有するシーンにおけるMC-LAGポートが故障した後のトラフィックの中断時間の秒レベルを実現することができる。
【0076】
実施例3~実施例5の記述は、主にデバイス故障、リンク故障、ポート故障の実施ステップについて説明し、この3種の故障はデータセンターが南北方向トラフィックシーンを出力するシーンにもデータセンター間の東西方向トラフィックが共有するシーンにも現れ、ここでは全てを列挙せず、主に、3種の故障の場合におけるコントローラとゲートウェイ物理デバイスとの協働フローについて説明する。
【0077】
本発明の実施例の方法および装置を採用し、SDNコントローラのゲートウェイ物理デバイスに対する集中管理を実現するとともに、ゲートウェイ物理デバイスがMC-LAGモードを採用するように編成することにより、ゲートウェイ物理デバイスの故障時またはリンクの故障時またはバージョンアップ時のネットワークの中断時間が短い効果を達成し、ネットワークの信頼性を向上させることができる。本技術の実施により、ゲートウェイ物理デバイスのスタックモードが配置されたシーンにおけるバージョンアップ時のネットワークの中断時間が長いという問題を解決する。
【実施例6】
【0078】
本発明の実施例は、エンティティ装置として理解できるネットワークデバイスを提供し、プロセッサと、前記プロセッサ実行可能命令が記憶されているメモリとを備え、前記命令がプロセッサにより実行されると、実施例1におけるいずれかに記載の方法のステップを実行する。
【0079】
上記方法ステップの具体的な実施例のプロセスは、第1実施例および第2実施例を参照することができ、本実施例はここで説明を省略する。
【0080】
プロセッサは、中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPU)のような汎用プロセッサであってもよく、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、または本発明の実施例を実行するように構成される1つまたは複数の集積回路であってもよい。ここで、メモリは、前記プロセッサの実行可能命令を記憶するために使用され、メモリは、プログラムコードを記憶して該プログラムコードをプロセッサに伝送するために使用される。メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)のような揮発性メモリ(Volatile Memory)を含んでもよいし、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク(Hard Disk Drive、HDD)またはソリッドステートデバイス(Solid-State Drive、SSD)のような不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory)を含んでもよいし、上記タイプのメモリの組み合わせを含んでもよい。
【実施例7】
【0081】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムはプロセッサにより実行されると、実施例1におけるいずれかに記載の方法のステップを実現する。
【0082】
上記方法ステップの具体的な実施例のプロセスは、第1実施例および第2実施例を参照することができ、本実施例はここで説明を省略する。ここで、コンピュータ可読記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスク等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0083】
なお、本発明において、「備える」、「含む」という用語「備える」、「含む」という用語、もしくはこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することが意図され、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけでなく、更に、明確に記載されていない他の要素も含み、または、このようなプロセス、方法、物品または装置のために固有する要素を更に含む。それ以上の制限がない場合、「1つの……を含む」という文で限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品または装置に別の同じ要素が更に存在することを排除しない。
【0084】
上記本発明の実施例の番号は説明するためのものに過ぎず、実施例の優劣を表すものではない。
【0085】
以上の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例の方法がソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加えた方式で実現でき、もちろん、ハードウェアによっても実現できるが、多くの場合、前者の方はより好ましい実施形態であることを明らかに理解できる。このような理解に基づき、本発明の技術案は、本質的または従来に技術に貢献する部分がソフトウェア製品の形式で具現化でき、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、1台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、空気調和装置、またはネットワークデバイス等)に本発明の各実施例に係る方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0086】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例について説明したが、本発明は上記具体的な実施形態に限定されず、上記具体的な実施形態は模式的なものに過ぎず、制限的なものではない。当業者は、本発明の示唆により、本発明の趣旨および特許請求の範囲から逸脱しない場合、多くの形式を作成することができ、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属する。