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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/00 20060101AFI20221209BHJP
   H01H 89/00 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
H01H25/00 A
H01H25/00 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019549950
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2018034719
(87)【国際公開番号】W WO2019087608
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】P 2017214083
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】吉原 聡
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/116364(WO,A1)
【文献】特開2011-100552(JP,A)
【文献】特表2015-522474(JP,A)
【文献】国際公開第2009/062360(WO,A1)
【文献】特開2014-116167(JP,A)
【文献】特開2002-093278(JP,A)
【文献】米国特許第06831238(US,B1)
【文献】特開2011-086490(JP,A)
【文献】特開2012-064324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/00; 25/06
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準平面に沿った第1方向および前記基準平面に沿った第2方向にスライド移動が可能な操作部と、
前記操作部のスライド移動を検知するスライド検知部と、
を備え、
前記スライド検知部は、揺動体と揺動検知部とを有し、
前記操作部は、リング状の外側リブを有し、
前記揺動体は、前記外側リブの内側に配置されたリング状の内側リブを有し、
前記操作部のスライド移動に伴って、前記操作部の前記外側リブが前記揺動体の前記内側リブを摺動することで、前記揺動体は前記基準平面に対して傾斜し、
前記揺動検知部は、前記揺動体の傾斜を検知することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記揺動検知部は、前記揺動体と接触することにより前記揺動体の傾斜を検知することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記揺動検知部は、前記揺動体と導通することにより前記揺動体との接触を検知することを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記揺動体は、スライド移動した前記操作部をスライド移動する前の位置に復帰させる復帰カムを兼ねていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記第1方向と前記第2方向とは、直交していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記揺動検知部は、第1検知部と第2検知部を有し、
前記第1検知部は、前記揺動体の前記第1方向の端部および前記揺動体の前記第1方向と反対の方向の端部とに設けられ、
前記操作部の前記第1方向へのスライド移動に伴う前記揺動体の傾斜を検知し、
前記第2検知部は、前記揺動体の前記第2方向の端部および前記揺動体の前記第2方向と反対の方向の端部に設けられ、
前記操作部の前記第2方向へのスライド移動に伴う前記揺動体の傾斜を検知する
ことを特徴とする請求項5に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関し、より詳細には回転操作入力及びスライド操作入力が可能な入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転操作及び摺動操作(スライド操作)が可能な多方向操作スイッチ(入力装置)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の多方向操作スイッチでは、固定体内に、摺動ケースと配線基板から形成された摺動体とを摺動可能に収納する。また、固定体内に、互いに略直交する方向に移動可能に、固定体と摺動体の間に第一の可動体および第二の可動体が装着されている。固定体と摺動体との間に第一のスイッチ接点としてのレバースイッチが形成されている。摺動体と回転体との間に第二のスイッチ接点が形成されている。摺動体の揺動によって第一のスイッチ接点の電気的接離が行われる。回転体の回転によって第二のスイッチ接点の電気的接離が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-308759号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る入力装置は、基準平面に沿った第1方向および前記基準平面に沿った第2方向にスライド移動が可能な操作部と、前記操作部のスライド移動を検知するスライド検知部と、を備え、前記スライド検知部は、揺動体と揺動検知部とを有し、前記操作部は、リング状の外側リブを有し、前記揺動体は、前記外側リブの内側に配置されたリング状の内側リブを有し、前記操作部のスライド移動に伴って、前記操作部の前記外側リブが前記揺動体の前記内側リブを摺動することで、前記揺動体は前記基準平面に対して傾斜し、前記揺動検知部は、前記揺動体の傾斜を検知することを特徴とする。
【0005】
本開示の入力装置では、小型化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示の実施形態に係る入力装置の分解斜視図である。
図2A図2Aは、図1に示す入力装置の平面図である。
図2B図2Bは、図1に示す入力装置の正面図である。
図2C図2Cは、図1に示す入力装置の下面図である。
図3図3は、図1に示す入力装置をタッチパネル上に配置した状態の斜視図である。
図4図4は、図1に示す入力装置における操作部、連結体、及び回転体の分解斜視図である。
図5図5は、図1に示す入力装置における操作部、連結体、及び回転体の別方向からの分解斜視図である。
図6図6は、図1に示す入力装置におけるベースの平面図である。
図7図7は、図1に示す入力装置における複数の固定電極の平面図である。
図8図8は、図1に示す入力装置における断面図である。
図9図9は、図1に示す入力装置における操作部がスライド移動した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0008】
(1)概要
本実施形態の入力装置100の分解斜視図を図1に示す。入力装置100の平面図を図2Aに示し、正面図を図2Bに示し、下面図を図2Cに示す。
【0009】
以下の説明では、図2Aにおける左右方向を方向D1、図2Aにおける上下方向を方向D2とする。方向D1と方向D2とは、直交している。また、方向D1及び方向D2に交差する斜め方向を方向D3、方向D4とする。方向D3と方向D4とは直交している。方向D3は、方向D1及び方向D2に対して45°傾斜している。方向D4は、方向D1及び方向D2に対して45°傾斜している。方向D1~方向D4は同一平面に沿い、その平面を基準平面という。また、図2Bにおける上下方向を方向D5とする。方向D5は、基準平面に対して直交している。なお、方向D1~方向D5の交差角度は、誤差の範囲で直交(90度)、又は45度からずれていてもよい。
【0010】
本実施形態の入力装置100は、回転操作入力、スライド操作入力、及びプッシュ操作入力のそれぞれを独立して入力可能な複合操作型入力装置である。入力装置100は、ユーザからの回転操作入力、及びスライド操作入力を受け付ける操作部1と、ユーザからのプッシュ操作入力を受け付ける押圧体83と、操作部1及び押圧体83を保持するベース4と、を備えている。
【0011】
操作部1は、平面視が略円形に形成されており、ベース4に対して回転移動が可能に構成されている。操作部1の回転軸は、操作部1の中心を通り方向D5に沿っている。図2Aにおいて、操作部1の回転方向をD6で示す。
【0012】
また、操作部1は、方向D1~方向D4が沿う基準平面内において、ベース4に対してスライド移動が可能に構成されている。操作部1は、基準平面内において、基準位置を中心として360°の方向にスライド移動が可能である。基準位置とは、操作部1の中心と、ベース4の中心とが方向D5に重なる位置である。本実施形態の入力装置100は、操作部1における、基準位置を中心とした方向D1~方向D4それぞれに沿った8つの向きのスライド移動を検知するように構成されている。
【0013】
押圧体83は、ベース4に対して、方向D5に沿った方向に移動可能に構成されている。押圧体83は、ユーザからプッシュ操作入力を受け付けると、方向D5に沿ってベース4に近付く向きに移動する。本実施形態の入力装置100は、押圧体83における、方向D5に沿ってベース4に近付く向きの移動を検知するように構成されている。
【0014】
図3に示すように、本実施形態の入力装置100は、静電容量式のタッチパネル200上に配置される。詳細は後述するが、入力装置100は、複数の固定電極5(図2C参照)を備えている。入力装置100は、複数の固定電極5が、タッチパネル200が有する複数のセンサ電極と対向するように配置される。入力装置100は、タッチパネル200上に設けられた円環状の保持部材101によって、位置決め及び固定される。入力装置100への回転操作入力、スライド操作入力、プッシュ操作入力に応じて、入力装置100の固定電極5と、タッチパネル200のセンサ電極との間の電気的状態が変化する。複数のセンサ電極は、操作検知回路300に電気的に接続されている。操作検知回路300は、複数の固定電極5と複数のセンサ電極との間に形成される静電容量の変化を検出することにより、ユーザが入力装置100に対して行った回転操作入力、スライド操作入力、プッシュ操作入力を検知する。具体的には、操作検知回路300は、回転操作入力による操作部1の回転方向(向き)、回転角度、回転移動速度等を検知する。また、操作検知回路300は、スライド操作入力による操作部1の、方向D1~方向D4それぞれに沿った8つの向きのスライド移動を検知する。操作検知回路300は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、操作検知回路300は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが操作検知回路300として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0015】
(2)構成
以下に、本実施形態の入力装置100の詳細な構成について図1図9を参照して説明する。以下では説明の便宜上、方向D5(図1図2B参照)を上下方向とし、ベース4に対して操作部1側を上側、操作部1に対してベース4側を下側として説明する。なお、以下の説明で用いる「上下方向」は、入力装置100の使用時の方向を規定するものではない。本開示で用いる方向を示す用語は、相対的な位置関係を示しているだけである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の入力装置100は、操作部1と、連結体2と、回転体3と、ベース4と、揺動体6と、復帰ばね60と、クリックばね30と、固定部材7と、を備えている。入力装置100は、可動接点81と、弾性体82と、押圧体83と、をさらに備えている。
【0017】
まず、操作部1、連結体2、及び回転体3の構成について図4及び図5を用いて説明する。なお、図4及び図5は、操作部1と連結体2と回転体3との関係を説明するための分解斜視図であり、入力装置100における操作部1、連結体2、及び回転体3以外の構成要素の図示を省略している。
【0018】
操作部1は、電気絶縁性を有する樹脂等で構成されており、ユーザからの回転操作入力、及びスライド操作入力を受け付ける。操作部1は、本体部11と周壁12とを有する。本体部11は、平面視が円形に形成されている。平面視における本体部11の中央部には、円形の貫通孔13が形成されている。貫通孔13には、ベース4の内側隔壁部44(図1参照)が挿通される。周壁12は、本体部11の外周縁から下向きに突出するように形成されている。この周壁12により、本体部11の下面側に、周壁12で囲まれた収納空間17が形成されている(図5参照)。収納空間17は、下面が開口した空間である。この収納空間17には、連結体2が収納される。連結体2は、本体部11および周壁12によって囲まれる空間(収納空間17)に位置する。
【0019】
なお、周壁12は必ずしも本体部11の外周縁から突出する必要はない。たとえば、周壁12は、本体部11の外周縁より少し内側に形成されていてもよい。
【0020】
図5に示すように、本体部11の下面には、一対の第1突出部14が形成されている。一対の第1突出部14は、本体部11(貫通孔13)の中心を通る方向D1に沿った直線上に形成されている。一対の第1突出部14は、本体部11(貫通孔13)の中心に対して方向D1の一方側と他方側とに形成されている。第1突出部14は、円筒状に形成されている。一対の第1突出部14は、操作部1の下方に配置される連結体2が有する一対の第1開口部21を挿通する。
【0021】
また、本体部11は、下面における一対の第1突出部14の周囲に、一対の第1凹部15が形成されている(図5参照)。言い換えれば、一対の第1突出部14は、一対の第1凹部15の底面から突出するように形成されている。第1凹部15は、方向D1を長手方向とする略矩形状に形成されている。一対の第1凹部15は、操作部1の下方に配置される連結体2が有する一対の第1開口部21と上下方向に対向する。一対の第1凹部15それぞれの内側には、連結体2における一対の第1開口部21の周囲に形成された第1切り起し片24(図4参照)が入る。
【0022】
また、本体部11は、下面において、本体部11(貫通孔13)の中心を通る方向D2に沿った直線上に一対の第2凹部16が形成されている(図5参照)。一対の第2凹部16は、本体部11(貫通孔13)の中心に対して方向D2の一方側と他方側とに形成されている。一対の第2凹部16は、方向D1を長手方向とする略矩形状に形成されている。一対の第2凹部16は、操作部1の下方に配置される連結体2が有する一対の第2開口部22と上下方向に対向する。一対の第2凹部16それぞれの内側には、連結体2における一対の第2開口部22の周囲に形成された第2切り起し片25(図4参照)が入る。
【0023】
図5に示すように、本体部11の下面には、複数(本実施形態では12個)の第1ボス111が形成されている。複数の第1ボス111は、本体部11(貫通孔13)の中心に対して、周方向に略等間隔に形成されている。複数の第1ボス111の各々は、円柱状に形成されている。第1ボス111は、第1突出部14よりも方向D5の突出寸法が小さい。第1ボス111の下端は、第1突出部14の下端よりも上方に位置している。複数の第1ボス111により、本体部11の下面が連結体2の上面と接触することが抑制される。つまり、複数の第1ボス111により、操作部1と連結体2との接触面積が低減する。これにより、操作部1と連結体2との間の摩擦力が低減し、操作部1をスライド移動させやすくなる。
【0024】
また、本体部11の下面における貫通孔13の周縁から下方に向かって外側リブ18が形成されている。外側リブ18は、リング状に形成されている。外側リブ18の内周面は、下端部から上方に向かうにつれて貫通孔13の中心に近付くように傾斜している(図8参照)。外側リブ18は、後述する揺動体6と接触する。
【0025】
また、本体部11における貫通孔13の周囲に4つの貫通孔112が形成されている。4つの貫通孔112は、本体部11(貫通孔13)の中心を通る方向D3及び方向D4に沿った直線上に形成されている。4つの貫通孔112は、本体部11(貫通孔13)の中心に対して、方向D3の一方側及び他方側と、方向D4の一方側及び他方側に形成されている。4つの貫通孔112には、操作部1の上方に配置される押圧体83が有する4つの爪部831が通る(図1参照)。押圧体83については後述する。
【0026】
連結体2は、操作部1と回転体3とで上下方向(方向D5)に挟まれるように配置されている。連結体2は、操作部1と回転体3とを連結しており、操作部1の回転動作を回転体3に伝えるように構成されている。
【0027】
連結体2は、操作部1の収納空間17に収納されるように配置されている。連結体2は、上下方向(方向D5)を厚さ方向とする金属板で構成されている。連結体2は、リング状に形成されており、平面視における中央部に略円形の貫通孔23を有する。連結体2は、外周縁が円形である。連結体2は、一対の第1開口部21と、一対の第2開口部22とを有する。
【0028】
一対の第1開口部21は、連結体2(貫通孔23)の中心を通る方向D1に沿った直線上に形成されている。一対の第1開口部21は、連結体2(貫通孔23)の中心に対して方向D1の一方側と他方側とに形成されている。一対の第1開口部21は、連結体2を上下方向(方向D5)に貫通する貫通孔である。一対の第1開口部21は、方向D1を長手方向とする略矩形状に形成されている。
【0029】
一対の第1開口部21には、操作部1の一対の第1突出部14が挿通されている。これにより、連結体2と操作部1とが機械的に結合される。方向D1において、第1開口部21の寸法は、第1突出部14の寸法よりも大きい。したがって、操作部1は、第1開口部21の範囲内において、連結体2に対して、方向D1に沿って相対的にスライド移動可能となる。操作部1が基準位置にある場合、第1突出部14は、第1開口部21内において方向D1の略中央部に位置している。したがって、操作部1は、連結体2に対して、基準位置から方向D1の一方側及び他方側に向かって相対的にスライド移動可能となる。
【0030】
また、方向D2において、第1開口部21の寸法は、第1突出部14の寸法よりも僅かに大きい。つまり、操作部1は、第1開口部21と第1突出部14との寸法関係により、連結体2に対する相対的なスライド移動の方向が方向D1のみとなるように規制されている。したがって、操作部1が回転移動した場合、第1開口部21の内周面に操作部1の第1突出部14が接触し、操作部1の回転に伴って連結体2も回転する。
【0031】
また、一対の第1開口部21の縁から上方に突出するように第1切り起し片24が形成されている。第1切り起し片24は、第1開口部21における方向D2に対向する縁に形成されている。第1切り起し片24により、操作部1の回転に伴って連結体2が回転する際に、連結体2と操作部1の第1突出部14との接触面積が増加し、第1突出部14の損傷を抑制することができる。
【0032】
操作部1において、本体部11の下面には、第1切り起し片24と対向する位置に第1凹部15が形成されている。第1切り起し片24の上端部が第1凹部15に入ることにより、第1切り起し片24と操作部1との干渉(接触)が抑制される。また、第1凹部15は、方向D1を長手方向とするように形成されている。したがって、操作部1が連結体2に対して方向D1にスライド移動したとしても、連結体2の第1切り起し片24と操作部1との干渉(接触)が抑制される。
【0033】
一対の第2開口部22は、連結体2(貫通孔23)の中心を通る方向D2に沿った直線上に形成されている。一対の第2開口部22は、連結体2(貫通孔23)の中心に対して方向D2の一方側と他方側とに形成されている。一対の第2開口部22は、連結体2を上下方向(方向D5)に貫通する貫通孔である。一対の第2開口部22は、方向D2を長手方向とする矩形状に形成されている。一対の第2開口部22には、連結体2の下方に配置される回転体3が有する一対の第2突出部35が挿通される。これにより、連結体2と回転体3とが機械的に結合される。方向D2において、第2開口部22の寸法は、第2突出部35の寸法よりも大きい。したがって、連結体2は、第2開口部22の範囲内において、回転体3に対して、方向D2に沿って相対的にスライド移動可能となる。
【0034】
また、方向D1において、第2開口部22の寸法は、第2突出部35の寸法よりも僅かに大きい。つまり、連結体2は、第2開口部22と第2突出部35との寸法関係により、回転体3に対する相対的なスライド移動の方向が方向D2のみとなるように規制されている。したがって、操作部1の回転に伴って連結体2が回転移動した場合、第2開口部22の内周面に回転体3の第2突出部35が接触し、操作部1及び連結体2の回転に伴って回転体3も回転する。
【0035】
なお、操作部1がスライド移動、及び回転移動した際の連結体2、回転体3の動作については、後述の「(3)動作例」の欄で詳細に説明する。
【0036】
また、一対の第2開口部22の縁から上方に突出するように第2切り起し片25が形成されている。第2切り起し片25は、第2開口部22における方向D1に対向する縁に形成されている。第2切り起し片25により、連結体2の回転に伴って回転体3が回転する際に、連結体2と回転体3の第2突出部35との接触面積が増加し、第2突出部35の損傷を抑制することができる。
【0037】
操作部1において、本体部11の下面には、第2切り起し片25と対向する位置に第2凹部16が形成されている。第2切り起し片25の上端部が第2凹部16に入ることにより、第2切り起し片25と操作部1との干渉(接触)が抑制される。また、第2凹部16は、方向D1を長手方向とするように形成されている。したがって、操作部1が連結体2に対して方向D1にスライド移動したとしても、連結体2の第2切り起し片25と操作部1との干渉(接触)が抑制される。
【0038】
回転体3は、リング状に形成されており、平面視における中央部に円形の貫通孔34を有している。回転体3は、外周縁が略円形である。回転体3は、ベース4内において連結体2の下側に配置される(図1参照)。回転体3は、本体部31と、凹凸部32と、回転端子部33と、を有する。
【0039】
本体部31は、電気絶縁性を有する樹脂等で構成されており、円筒状に形成されている。図4に示すように、本体部31の上面には、一対の第2突出部35が形成されている。一対の第2突出部35は、本体部31(貫通孔34)の中心を通る方向D2に沿った直線上に形成されている。一対の第2突出部35は、本体部31(貫通孔34)の中心に対して方向D2の一方側と他方側とに形成されている。第2突出部35は、円筒状に形成されている。一対の第2突出部35は、連結体2の一対の第2開口部22に挿通される。これにより、連結体2と回転体3とが機械的に結合される。
【0040】
また、本体部31の上面には、複数(本実施形態では12個)の第2ボス311が形成されている。複数の第2ボス311は、本体部31(貫通孔34)の中心に対して、周方向に略等間隔に形成されている。複数の第2ボス311の各々は、円柱状に形成されている。第2ボス311は、第2突出部35よりも方向D5の突出寸法が小さい。第2ボス311の上端は、第2突出部35の上端よりも下方に位置している。複数の第2ボス311により、本体部31の上面が連結体2の下面と接触することが抑制される。つまり、複数の第2ボス311により、回転体3と連結体2との接触面積が低減する。これにより、回転体3と連結体2との間の摩擦力が低減し、操作部1のスライド移動に伴う連結体2のスライド移動をさせやすくなる。
【0041】
凹凸部32は、本体部31の内周面に沿って円環状に形成されている。凹凸部32は、上方に突出した複数の凸部321と、下方に窪んだ複数の凹部322と、が周方向に沿って交互に並んで形成されている。凹凸部32の上方には、円環状のクリックばね30が配置される(図1参照)。クリックばね30は、例えば金属板で構成されており、上下方向(方向D5)に弾性を有している。クリックばね30は、回転体3の貫通孔34内における凹凸部32の上方に、凹凸部32と接触するようにベース4に固定されている。クリックばね30は、凹凸部32に向かって突出した一対の突部301を有している。回転体3が回転すると、凹凸部32の凸部がクリックばね30の突部301に接触してクリックばね30が弾性変形し、弾性変形した状態から復帰することによって、クリック感が得られる。つまり、回転体3が有する凹凸部32と、ベース4に固定されたクリックばね30とによって、操作部1を回転させた際にクリック感を発生させるクリック機構を構成している。
【0042】
回転端子部33は、本体部31の下面に配置されている(図5参照)。回転端子部33は、金属板で構成されており、インサート成形によって本体部31と一体に形成されている。回転端子部33は、本体部31の下面における外周縁に沿って円環状に形成されている。回転端子部33の外周部331には、矩形状の複数の開口部333が周方向に沿って等間隔に形成されている。つまり、回転端子部33の外周部331は、周方向において導電部と非導電部(本体部31)とが交互に並んでいる。また、回転端子部33の内周部332は、導電部のみで構成されている。
【0043】
次に、ベース4について図1図6図7を参照して説明する。ベース4は、本体部41と、複数の固定電極5と、を有する。
【0044】
本体部41は、有底円筒状に形成されており、回転体3と、クリックばね30と、揺動体6と、復帰ばね60と、を収納する。本体部41は、外側隔壁部43と、内側隔壁部44と、を有する。
【0045】
外側隔壁部43は、本体部41の底面から上方に突出するように形成されている。外側隔壁部43は、本体部41の底面の中央部を中心とした円周上に形成されている。本実施形態では、外側隔壁部43は、本体部41の底面から突出した複数(4つ)の外側突出壁431で構成されている。複数の外側突出壁431は、周方向において離れている。複数の外側突出壁431のうち、方向D2に対向する2つの外側突出壁431は、クリックばね30を固定するための爪部432を有している。本体部41の周壁42と外側隔壁部43との間に、回転体3が配置される。
【0046】
内側隔壁部44は、本体部の底面から上方に突出するように形成されている。内側隔壁部44は、本体部41の底面の中央部を中心とした円周上に形成されている。内側隔壁部44は、外側隔壁部43の内側に形成されている。本実施形態では、内側隔壁部44は、本体部41の底面から突出した複数(8つ)の内側突出壁441で構成されている。複数の内側突出壁441は、周方向において離れている。外側隔壁部43と内側隔壁部44との間には、揺動体6及び復帰ばね60が配置される。内側隔壁部44の内側には、可動接点81及び弾性体82が配置される。
【0047】
複数の固定電極5の各々は、金属板で構成されており、インサート成形によって本体部41と一体に形成されている(図2C図6参照)。複数の固定電極5の各々は、一部が本体部41の底面から上方に露出している。図6では、複数の固定電極5にドットハッチングを付している。複数の固定電極5を区別する場合、基準電極51、第1回転用電極52、第2回転用電極53、第1スライド用電極54、第2スライド用電極55、第3スライド用電極56、第4スライド用電極57、プッシュ用電極58という。複数の固定電極5は、本体部41の底面の中央部を中心とした円周上に配置されている。本実施形態では、図7に示すように、複数の固定電極5の平面視において、時計回りに、基準電極51、第1スライド用電極54、第1回転用電極52、第2スライド用電極55、プッシュ用電極58、第3スライド用電極56、第2回転用電極53、第4スライド用電極57の順に配置されている。基準電極51は、本体部41の底面の中央部に対して方向-D1(図6図7の左側)に配置されている。
【0048】
基準電極51は、電極本体511と、基準接点部512と、突出片514と、を有する。
【0049】
電極本体511は、略台形状に形成されている。電極本体511は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。
【0050】
基準接点部512は、一対の接触子513を有している。一対の接触子513は、電極本体511の一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子513は、方向D2を長手方向とするように形成されている。一対の接触子513は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子513の先端部は、本体部41における周壁42と外側隔壁部43との間に形成された矩形状の開口部451を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子513は、回転体3が有する回転端子部33の内周部332に接触する。回転端子部33の内周部332は、導電体のみで構成されている。したがって、一対の接触子513は、回転体3の回転角度に関わらず、回転端子部33に接触する。つまり、回転体3の回転角度に関わらず、基準電極51と回転体3の回転端子部33とが電気的に接続される。
【0051】
突出片514は、図7に示すように、電極本体511から本体部41の中央部に向かって突出している。突出片514は、曲げ加工により電極本体511よりも上方に位置しており、一部が本体部41の底面から上方に露出している。突出片514は、第1接触部515と、第2接触部517と、を有している。第1接触部515は、本体部41の底面における内側隔壁部44の内側から露出している。第1接触部515は、第1接触部515の中央部に形成された第1開口部516を有している。第1接触部515上には、第1開口部516を跨ぐように可動接点81が配置される。これにより、基準電極51と可動接点81とが電気的に接続される。第2接触部517は、第1接触部515から方向D1の両側及び方向D2の両側に突出するように形成されており、本体部41の底面における内側隔壁部44と外側隔壁部43との間から露出している。第1接触部515における電極本体511と反対側の端部から突出した第2接触部517には、方向D1に沿って第2開口部518が形成されている。各第2接触部517上には、復帰ばね60が配置される。これにより、基準電極51と復帰ばね60とが電気的に接続される。
【0052】
第1回転用電極52は、電極本体521と、回転用接点部522と、を有する。
【0053】
電極本体521は、略台形状に形成されている。電極本体521は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。
【0054】
回転用接点部522は、一対の接触子523を有している。一対の接触子523は、電極本体521の一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子523は、方向D1を長手方向とするように形成されている。一対の接触子523は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子523の先端部は、本体部41における周壁42と外側隔壁部43との間に形成された矩形状の開口部452を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子523は、回転体3が有する回転端子部33の外周部331に接触する。したがって、一対の接触子523は、回転体3の回転角度に応じて、回転端子部33と、回転端子部33の開口部333を介して回転体3の本体部31とのいずれか一方に接触する。つまり、回転体3の回転角度に応じて、第1回転用電極52と回転体3の回転端子部33とが電気的に接続される。
【0055】
第2回転用電極53は、電極本体531と、回転用接点部532と、を有する。
【0056】
電極本体531は、略台形状に形成されている。電極本体531は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。
【0057】
回転用接点部532は、一対の接触子533を有している。一対の接触子533は、電極本体531の一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子533は、方向D1を長手方向とするように形成されている。一対の接触子533は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子533の先端部は、本体部41における周壁42と外側隔壁部43との間に形成された矩形状の開口部453を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子533は、回転体3が有する回転端子部33の外周部331に接触する。したがって、一対の接触子533は、回転体3の回転角度に応じて、回転端子部33と、回転端子部33の開口部333を介して回転体3の本体部31とのいずれか一方に接触する。つまり、回転体3の回転角度に応じて、第2回転用電極53と回転体3の回転端子部33とが電気的に接続される。
【0058】
第1スライド用電極54は、電極本体541と、スライド用接点部543と、を有する。
【0059】
電極本体541は、略台形状に形成されている。電極本体541は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。また、電極本体541は、本体部41の底面の中央部に向かって突出した突出片542を有している。
【0060】
スライド用接点部543は、一対の接触子544を有している。一対の接触子544は、電極本体541及び突出片542それぞれの一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子544は、方向D4を長手方向とするように形成されている。一対の接触子544は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子544の先端部は、本体部41における外側隔壁部43の2つの外側突出壁431の間の領域を含んで形成された矩形状の開口部454を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子544の先端部は、外側隔壁部43と内側隔壁部44との間に位置している。一対の接触子544は、揺動体6が傾斜した方向に応じて、揺動体6と接触する。後述の「(3)動作例」の欄で詳細に説明するが、操作部1がスライド移動すると、揺動体6は、傾斜するように構成されている。また、揺動体6は、復帰ばね60を介して第2接触部517(基準電極51)と電気的に接続されている。したがって、操作部1のスライド方向に応じて、復帰ばね60及び揺動体6を介して第1スライド用電極54と基準電極51とが電気的に接続される。
【0061】
第2スライド用電極55は、電極本体551と、スライド用接点部553と、を有する。
【0062】
電極本体551は、略台形状に形成されている。電極本体551は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。また、電極本体551は、本体部41の底面の中央部に向かって突出した突出片552を有している。
【0063】
スライド用接点部553は、一対の接触子554を有している。一対の接触子554は、電極本体551及び突出片552それぞれの一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子554は、方向D3を長手方向とするように形成されている。一対の接触子554は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子554の先端部は、本体部41における外側隔壁部43の2つの外側突出壁431の間の領域を含んで形成された矩形状の開口部455を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子554の先端部は、外側隔壁部43と内側隔壁部44との間に位置している。一対の接触子554は、揺動体6が傾斜した方向に応じて、揺動体6と接触する。したがって、操作部1のスライド方向に応じて、復帰ばね60及び揺動体6を介して第2スライド用電極55と基準電極51とが電気的に接続される。
【0064】
第3スライド用電極56は、電極本体561と、スライド用接点部563と、を有する。
【0065】
電極本体561は、略台形状に形成されている。電極本体561は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。また、電極本体561は、本体部41の底面の中央部に向かって突出した突出片562を有している。
【0066】
スライド用接点部563は、一対の接触子564を有している。一対の接触子564は、電極本体561及び突出片562それぞれの一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子564は、方向D4を長手方向とするように形成されている。一対の接触子564は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子564の先端部は、本体部41における外側隔壁部43の2つの外側突出壁431の間の領域を含んで形成された矩形状の開口部456を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子564の先端部は、外側隔壁部43と内側隔壁部44との間に位置している。一対の接触子564は、揺動体6が傾斜した方向に応じて、揺動体6と接触する。したがって、操作部1のスライド方向に応じて、復帰ばね60及び揺動体6を介して第3スライド用電極56と基準電極51とが電気的に接続される。
【0067】
第4スライド用電極57は、電極本体571と、スライド用接点部573と、を有する。
【0068】
電極本体571は、略台形状に形成されている。電極本体571は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。また、電極本体571は、本体部41の底面の中央部に向かって突出した突出片572を有している。
【0069】
スライド用接点部573は、一対の接触子574を有している。一対の接触子574は、電極本体571及び突出片572それぞれの一部の切り起しにより形成されている。一対の接触子574は、方向D3を長手方向とするように形成されている。一対の接触子574は、上下方向に弾性を有する。一対の接触子574の先端部は、本体部41における外側隔壁部43の2つの外側突出壁431の間の領域を含んで形成された矩形状の開口部457を介して、本体部41の底面よりも上方に突出している。一対の接触子574の先端部は、外側隔壁部43と内側隔壁部44との間に位置している。一対の接触子574は、揺動体6が傾斜した方向に応じて、揺動体6と接触する。したがって、操作部1のスライド方向に応じて、復帰ばね60及び揺動体6を介して第4スライド用電極57と基準電極51とが電気的に接続される。
【0070】
プッシュ用電極58は、電極本体581と、突出片582と、を有する。
【0071】
電極本体581は、略台形状に形成されている。電極本体581は、本体部41の下側に露出しており、タッチパネル200に設けられた複数のセンサ電極のうち対応するセンサ電極と対向する。
【0072】
突出片582は、図7に示すように、電極本体581から本体部41の中央部に向かって突出している。突出片582は、基準電極51の突出片514における第2接触部517の第2開口部518を通るように形成されている。突出片582の先端部583は、基準電極51の突出片514における第1接触部515の中央部に形成された第1開口部516の内側に位置している。先端部583は、曲げ加工により電極本体581よりも上方に位置しており、本体部41の底面における内側隔壁部44の内側から上方に露出している。先端部583は、第1開口部516を跨ぐように第1接触部515に配置された可動接点81と上下方向に対向する。詳しくは後述するが、可動接点81は、上方に凸となるようにドーム状に形成されており、押圧体83が押されると、下方に凹むように構成されている。したがって、押圧体83が押されると、可動接点81を介してプッシュ用電極58と基準電極51とが電気的に接続される。
【0073】
次に、揺動体6及び復帰ばね60について図1図8を参照して説明する。
【0074】
揺動体6は、導電性を有する金属等で構成されており、リング状に形成されている。揺動体6は、接触部61と内側リブ62とを有する。
【0075】
接触部61は、中央部に円形の貫通孔63を有する円板状に形成されている。内側リブ62は、貫通孔63の全周から上方向に突出するように形成されている。つまり、内側リブ62は、リング状に形成されている。内側リブ62は、上方に向かうにつれて貫通孔63の中心に近付くように傾斜している。また、内側リブ62は、上端部の全周から貫通孔63の中心に向かって突出した鍔部64を有する。
【0076】
揺動体6は、操作部1の外側リブ18と接触するように配置される。具体的には、図8に示すように、揺動体6は、接触部61の上面が外側リブ18の下面と接触し、内側リブ62の外周面が外側リブ18の内周面と接触するように配置されている。つまり、揺動体6の内側リブ62は、操作部1の外側リブ18の内側に位置している。後述の「(3)動作例」の欄で詳細に説明するが、操作部1のスライド移動によって揺動体6が傾斜(揺動)し、スライド用接点部543,553,563,573のうち1つ又は2つのスライド用接点部と接触する。
【0077】
復帰ばね60は、金属製のコイルスプリングである。復帰ばね60は、揺動体6の貫通孔63の内側に配置される。具体的には、復帰ばね60は、上下方向に弾性を有し、揺動体6の鍔部64の下面に接触するように配置される。また、復帰ばね60は、ベース4における内側隔壁部44と外側隔壁部43との間に収納される。つまり、復帰ばね60は、内側隔壁部44を通るように配置される。復帰ばね60は、ベース4の本体部41の底面から露出した基準電極51における第2接触部517上に配置される。これにより、復帰ばね60を介して、揺動体6と基準電極51とが電気的に接続される。
【0078】
復帰ばね60は、揺動体6と第2接触部517との間で圧縮された状態で、ベース4に収納される。具体的には、リング状の固定部材7によって操作部1の上方への移動が規制されることにより、復帰ばね60が圧縮された状態でベース4に収納される。固定部材7は、例えば金属で構成されており、中央部に開口部71を有する円板状に形成されている。固定部材7の開口部71には、ベース4の本体部における内側隔壁部44が通される。図6に示すように、内側隔壁部44における複数の内側突出壁441のうち4つの内側突出壁441は、爪部442を有している。固定部材7は、開口部71の縁に爪部442が係止することによりベース4に取り付けられる。ベース4に取り付けられた固定部材7により、操作部1、及び揺動体6の上方への移動が規制され、復帰ばね60が圧縮(弾性変形)した状態でベース4に収納される。
【0079】
次に、可動接点81、弾性体82、及び押圧体83について説明する。
【0080】
可動接点81は、導電性を有する金属等で構成されている。可動接点81は、上方に凸となるようにドーム状に形成されており、上下方向に弾性を有する。可動接点81は、ベース4における内側隔壁部44の内側に配置される。可動接点81は、第1開口部516を跨ぐように第1接触部515上に配置される。これにより、可動接点81は、基準電極51と電気的に接続される。
【0081】
弾性体82は、例えば硬質のゴム等で構成されている。弾性体82は、ベース4の内側隔壁部44の内側において可動接点81の上面に接触するように配置される。図8に示すように、弾性体82は、本体部821と、突出部822と、接触部823と、を有している。本体部821は、円柱状に形成されている。突出部822は、本体部821の下面から突出しており、円柱状に形成されている。接触部823は、突出部822の下面から突出しており、円錐台状に形成されている。弾性体82は、接触部823の下面が可動接点81の上面に接触するように配置される。
【0082】
押圧体83は、上下方向に移動可能な状態で操作部1に取り付けられる。押圧体83は、平板状に形成されており、方向D3及び方向D4それぞれの両端部から下方に突出した4つの爪部831を有している。4つの爪部831は、操作部1の貫通孔13の周囲に形成された4つの貫通孔112を通り、操作部1の下面における貫通孔13の縁に係止される。これにより、押圧体83が、上下方向に移動可能な状態で操作部1に取り付けられる。また、押圧体83は、下面から突出した接触部832を有している(図8参照)。接触部832は、円柱状に形成されており、下面が弾性体82の上面に接触している。
【0083】
なお、本実施形態では、図示を省略しているが、操作部1には、操作部1を覆うように化粧ノブが取り付けられる。また、押圧体83には、押圧体83を覆うように化粧板が取り付けられる。
【0084】
(3)動作例
次に、本実施形態の入力装置100の動作例について説明する。
【0085】
(3.1)スライド操作入力
ユーザによってスライド操作入力された場合における入力装置100の動作について説明する。まず、スライド操作入力された場合における、操作部1、連結体2、及び回転体3の動作について図4図5を参照して説明する。
【0086】
図4図5に示すように、連結体2は、操作部1と回転体3とで挟まれた状態で操作部1と回転体3とを連結している。操作部1の一対の第1突出部14が、連結体2の一対の第1開口部21に挿通されることにより、操作部1と連結体2とが結合されている。回転体3の一対の第2突出部35が、連結体2の一対の第2開口部22に挿通されることにより、回転体3と連結体2とが結合されている。
【0087】
また、連結体2の一対の第1開口部21は、方向D1を長手方向とするように形成されている。言い換えると、第1開口部21は、方向D1に延伸している。したがって、操作部1を方向D1に沿ってスライド移動させると、一対の第1突出部14が一対の第1開口部21内を移動する。つまり、操作部1が方向D1に沿ってスライド移動した場合、連結体2は移動せず、操作部1が連結体2に対して相対的に移動する。
【0088】
また、連結体2の一対の第2開口部22は、方向D2を長手方向とするように形成されている。言い換えると、第2開口部22は、方向D2に延伸している。これにより、連結体2は、第2開口部22の範囲内において、回転体3に対して、方向D2に沿って相対的に移動可能となる。したがって、操作部1を方向D2に沿ってスライド移動させると、第2開口部22の範囲内において操作部1と共に連結体2が移動する。操作部1が方向D2に沿ってスライド移動した場合、回転体3は移動せず、操作部1及び連結体2が回転体3に対して相対的に移動する。
【0089】
また、操作部1が、方向D1及び方向D2と交差する方向(例えば方向D3、方向D4)にスライド移動すると、連結体2に対して操作部1が相対的に移動し、かつ、回転体3に対して連結体2が相対的に移動する。
【0090】
つまり、操作部1のスライド方向に応じて連結体2が移動することにより、回転体3が固定された状態で操作部1をいずれの方向にもスライド移動させることができる。
【0091】
次に、操作部1がスライド移動した場合における揺動体6の動作について図8図9を参照して説明する。図8は、操作部1が基準位置にある場合における入力装置100の方向D3及び方向D5に沿った断面図である。図9は、操作部1が方向+D3にスライド移動した場合における入力装置100の断面図である。
【0092】
つまり、本開示においては、方向D1~方向D5のそれぞれは、2つの方向を含んでいる。例えば、方向D3については、図9において右に向かう方向と、左に向かう2つの方向を含んでいる。なお、方向D3の例で説明すると、右に向かう方向を「方向+D3」と表し、左に向かう方向を「方向-D3」と表すことで、2つの方向を区別して説明する場合がある。方向D3以外の、方向D1、D2、D4、D5についても同様に説明する場合がある。
【0093】
復帰ばね60によって操作部1の外側リブ18と揺動体6が接触するように、揺動体6はベース4に収納されている。操作部1がスライド移動すると、操作部1の外側リブ18が揺動体6の内側リブ62を摺動する。これにより、図9に示すように、揺動体6は、操作部1のスライド移動方向(方向+D3)と反対側の端部(図9の左側の端部)が、操作部1で押し下げられるように傾斜する。
【0094】
揺動体6の接触部61の下側には、ベース4の本体部41の底面から突出するようにスライド用接点部543,553,563,573が配置されている(図6参照)。スライド用接点部543,553,563,573は、本体部41の底面の中央部を中心とした円周上において略等間隔(略90度間隔)に配置されている。揺動体6の接触部61の端部が押し下げられるように傾斜することによって、スライド用接点部543,553,563,573のうち、1つ又は2つのスライド用接点が揺動体6と接触する。図9に示す例では、操作部1が方向+D3(図9の右側)にスライド移動することによって、揺動体6における方向D3に沿った2つの端部のうち、一方の端部(図9では左側の端部)が押し下げられ、揺動体6とスライド用接点部573とが接触する。揺動体6は、復帰ばね60を介して基準電極51と電気的に接続されている。したがって、揺動体6とスライド用接点部573とが接触することによって、基準電極51と第4スライド用電極57とが復帰ばね60及び揺動体6を介して電気的に接続される。これにより、操作検知回路300(図3参照)は、第4スライド用電極57と、第4スライド用電極57に対応するセンサ電極との間の静電容量の変化に基づいて、操作部1が方向+D3にスライド移動するようにスライド操作入力されたことを検知することができる。
【0095】
ここでは詳細な説明を省略するが、操作部1が方向-D3(図9の左側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部553とが接触する。また、操作部1が方向+D1(図6の右側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部543,573とが接触する。操作部1が方向-D1(図6の左側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部553,563とが接触する。操作部1が方向+D2(図6の上側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部563,573とが接触する。操作部1が方向-D2(図6の下側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部543,553とが接触する。操作部1が方向+D4(図6の左上側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部563とが接触する。操作部1が方向-D4図6の右下側)にスライド移動した場合、揺動体6とスライド用接点部543とが接触する。これにより、操作検知回路300は、第1~第4スライド用電極54~57のそれぞれとセンサ電極との間の静電容量の変化に基づいて、スライド操作入力による操作部1のスライド移動が、方向+D1~+D4,-D1~-D4のそれぞれに沿った8つの向きのうちいずれの向きであるかを検知することができる。
【0096】
このように、本実施形態の入力装置100では、揺動体6及びスライド用接点部543,553,563,573(揺動検知部50)は、操作部1のスライド移動を検知するスライド検知部500としての機能を有する(図6図7参照)。言い換えれば、スライド検知部500は、揺動体6と、スライド用接点部543,553,563,573である揺動検知部50と、を有する。揺動検知部50(スライド用接点部543,553,563,573)は、揺動体6と接触して導通することにより揺動体6の傾斜を検知する。また、揺動検知部50は、操作部1の方向D1のスライド移動に伴う揺動体6の傾斜を検知する第1検知部と、操作部1の方向D2のスライド移動に伴う揺動体6の傾斜を検知する第2検知部と、を有する。本実施形態では、スライド用接点部543,553,563,573は、方向D1及び方向D2と交差する方向D3又は方向D4に沿った直線上に設けられている。つまり、スライド用接点部543,553,563,573の各々は、第1検知部と第2検知部とを兼用している。
【0097】
また、揺動体6は、復帰ばね60によって操作部1に押し付けられるように保持されている。したがって、スライド操作入力が解除されると、揺動体6は、復帰ばね60の弾性力により、傾斜状態から元の状態に戻る。これにより、操作部1は、揺動体6によってスライド移動した位置から基準位置に押し戻される。つまり、揺動体6は、スライド移動した操作部1を基準位置に戻す復帰カムとしての機能を有する。
【0098】
(3.2)回転操作入力
次に、ユーザによって回転操作入力された場合における入力装置100の動作について説明する。
【0099】
図4図5に示すように、連結体2は、操作部1と回転体3とで挟まれた状態で操作部1と回転体3とを連結している。操作部1の一対の第1突出部14が、連結体2の一対の第1開口部21に挿通されることにより、操作部1と連結体2とが結合されている。回転体3の一対の第2突出部35が、連結体2の一対の第2開口部22に挿通されることにより、回転体3と連結体2とが結合されている。
【0100】
連結体2の周方向において、一対の第1突出部14の外周面と一対の第1開口部21の内周面とは、接触している、又は間に僅かな隙間がある状態となっている。また、連結体2の周方向において、一対の第2突出部35の外周面と一対の第2開口部22の内周面とは、接触している、又は間に僅かな隙間がある状態となっている。したがって、操作部1が回転移動すると、一対の第1突出部14が一対の第1開口部21の内周面に接触して連結体2が回転する。連結体2が回転すると、一対の第2突出部35が一対の第2開口部22の内周面に接触して回転体3が回転する。つまり、連結体2によって、操作部1の回転動作が回転体3に伝えられ、操作部1の回転に伴って回転体3が回転する。
【0101】
回転体3の本体部31の下面には、回転端子部33(図5参照)が設けられている。回転端子部33の下側には、ベース4の本体部41の底面から突出するように基準接点部512、及び回転用接点部522,532(図6参照)が配置されている。
【0102】
基準接点部512は、回転端子部33の内周部332(図5参照)に接触している。したがって、基準接点部512(図6参照)は、回転体3(図5参照)の回転角度に関わらず、回転端子部33に接触した状態となる。また、回転用接点部522,532は、回転端子部33の外周部331に接触している。したがって、回転用接点部522,532は、回転体3の回転角度に応じて、回転端子部33と、回転端子部33の開口部333を介して回転体3の本体部31とのいずれか一方に接触する。
【0103】
つまり、回転体3の回転角度に応じて、回転端子部33を介して、基準電極51と第1回転用電極52とが電気的に接続される。また、回転体3の回転角度に応じて、回転端子部33を介して、基準電極51と第2回転用電極53とが電気的に接続される。
【0104】
回転用接点部522,532は、基準電極51と第1回転用電極52とが電気的に接続される回転体3の回転角度と、基準電極51と第2回転用電極53とが電気的に接続される回転体3の回転角度とがずれるように配置されている。これにより、操作検知回路300(図3参照)は、第1回転用電極52及び第2回転用電極53のそれぞれとセンサ電極との間の静電容量の変化に基づいて、操作部1(回転体3)への回転操作入力の回転角度、及び回転方向を検知することができる。
【0105】
(3.3)プッシュ操作入力
次に、ユーザによってプッシュ操作入力された場合における入力装置100の動作について説明する。
【0106】
プッシュ操作入力により押圧体83(図3参照)が押されると、弾性体82を介して可動接点81が押され、可動接点81が凹むように弾性変形する。可動接点81は、第1開口部516(図7参照)を跨ぐように第1接触部515上に配置されており、基準電極51と電気的に接続されている。また、第1開口部516内にはプッシュ用電極58の先端部583(図7参照)が位置している。したがって、押圧体83が押されて可動接点81が凹むように変形することによって、可動接点81が先端部583に接触する。これにより、基準電極51とプッシュ用電極58とが電気的に接続される。操作検知回路300(図3参照)は、プッシュ用電極58とセンサ電極との間の静電容量の変化に基づいて、プッシュ操作入力されたことを検知することができる。
【0107】
(4)変形例
以下に、本実施形態の入力装置100の変形例について列挙する。
【0108】
本実施形態では、図4および図5に示すように、連結体2は、第1開口部21及び第2開口部22をそれぞれ2つずつ備えているが、これに限らない。連結体2は、第1開口部21を1つ又は3つ以上備えた構成であってもよい。また、連結体2は、第2開口部22を1つ又は3つ以上備えた構成であってもよい。
【0109】
図4および図5に示すように、連結体2の第1開口部21及び第2開口部22は、貫通孔で構成されているが、これに限らない。第1開口部21及び第2開口部22は、有底の穴(溝)であってもよい。また、第1開口部21及び第2開口部22は、連結体2の内周縁又は外周縁まで形成されていてもよい。
【0110】
操作部1の第1突出部14と連結体2の第1開口部21との嵌合関係が逆であってもよい。つまり、連結体2が操作部1に向かって突出した突出部を有し、操作部1が連結体2の突出部が入る開口部を有していてもよい。また、回転体3の第2突出部35と連結体2の第2開口部22との嵌合関係が逆であってもよい。つまり、連結体2が回転体3に向かって突出した突出部を有し、回転体3が連結体2の突出部が入る開口部を有していてもよい。
【0111】
また、第1開口部21の長手方向である方向D1と、第2開口部22の長手方向である方向D2との交差角度は90度(直交)に限らず、90度以外の角度で交差していてもよい。
【0112】
また、本実施形態の入力装置100は、方向+D1~+D4,-D1~-D4それぞれに沿った8方向の操作部1のスライド移動を検知可能に構成されているが、検知可能なスライド方向は8方向に限らず、例えば4方向、16方向等であってもよい。
【0113】
また、操作部1の回転に伴って揺動体6が回転しないように、回転防止構造が設けられていてもよい。回転防止構造は、例えば揺動体6の外周形状、及び外側隔壁部43の内周形状を非円形とすることにより実現できる。
【0114】
また、本実施形態では、揺動検知部50は、スライド用接点部543,553,563,573であり、揺動体6と接触して導通することにより揺動体6の傾斜を検知するように構成されているが、これに限らない。例えば、揺動検知部50は、プッシュスイッチであって、傾斜した揺動体6によって押されることにより揺動体6の傾斜を検知するように構成されていてもよい。また、揺動検知部50は、例えばホール素子を備え、揺動体6の傾斜を非接触で検知するように構成されていてもよい。
【0115】
(5)まとめ
一態様に係る入力装置(100)は、基準平面に沿った第1方向(D1)および基準平面に沿った第2方向(D2)にスライド移動が可能な操作部(1)と、操作部(1)のスライド移動を検知するスライド検知部(500)と、を備える。スライド検知部(500)は、揺動体(6)と揺動検知部(50)とを有し、揺動体(6)は、操作部(1)のスライド移動に伴って、基準平面に対して傾斜し、揺動検知部(50)は、揺動体(6)の傾斜を検知する。
【0116】
この態様によれば、第1方向(D1)又は第2方向(D2)に沿った操作部(1)のスライド移動を、1つの揺動体(6)で検知することができるので、構成が簡略化され入力装置(100)の小型化を図ることができる。
【0117】
一態様に係る入力装置(100)では、揺動検知部(50)は、前記揺動体(6)と接触することにより前記揺動体(6)の傾斜を検知する。
【0118】
この態様によれば、揺動体(6)の傾斜を簡易な構成で検知することができる。
【0119】
一態様に係る入力装置(100)では、揺動検知部(50)は、揺動体(6)と導通することにより揺動体(6)との接触を検知する。
【0120】
この態様によれば、揺動検知部(50)と揺動体(6)との導通により揺動体(6)の傾斜を検知するので、誤検知を抑制することができる。
【0121】
一態様に係る入力装置(100)では、揺動体(6)は、スライド移動した操作部(1)をスライド移動する前の位置に復帰させる復帰カムを兼ねている。
【0122】
この態様によれば、操作部(1)のスライド移動に伴って傾斜する揺動体(6)が、操作部(1)をスライド移動する前の位置に復帰させる復帰カムを兼ねているので、部品点数を削減することができ、入力装置(100)の小型化を図ることができる。
【0123】
一態様に係る入力装置(100)では、第1方向(D1)と第2方向(D2)とは、直交している。
【0124】
この態様によれば、互いに直交した4方向への操作部(1)のスライド移動を検知することができる。
【0125】
一態様に係る入力装置(100)では、揺動検知部(50)は、第1検知部(543,553,563,573)と第2検知部(543,553,563,573)を有する。第1検知部(543,553,563,573)は、揺動体(6)の第1方向(+D1)の端部および揺動体(6)の第1方向(+D1)と反対の方向(-D1)の端部とに設けられ、操作部(1)の第1方向(+D1)へのスライド移動に伴う揺動体(6)の傾斜を検知する。第2検知部(543,553,563,573)は、揺動体(6)の第2方向(+D2)の端部および揺動体(6)の第2の方向(+D2)と反対の方向(-D2)の端部に設けられ、操作部(1)の第2方向(+D2)へのスライド移動に伴う揺動体(6)の傾斜を検知する。
【0126】
この態様によれば、第1検知部(543,553,563,573)と第2検知部(543,553,563,573)とによって、操作部(1)の第1方向(D1)又は第2方向(D2)へのスライド移動を検知することができる。
【0127】
一態様に係る入力装置(100)では、操作部(1)は、リング状の外側リブ(18)を有する。揺動体(6)は、外側リブ(18)の内側に配置されたリング状の内側リブ(62)を有する。操作部(1)がスライド移動すると、操作部(1)の外側リブ(18)が揺動体(6)の内側リブ(62)を摺動し、揺動体(6)が傾斜する。
【0128】
この態様によれば、簡易な構成で、操作部(1)のスライド移動に伴って揺動体(6)を傾斜させることができる。
【符号の説明】
【0129】
1 操作部
2 連結体
3 回転体
4 ベース
5 固定電極
6 揺動体
7 固定部材
11 本体部
12 周壁
13 貫通孔
14 第1突出部
15 凹部
16 凹部
17 収納空間
18 外側リブ
21 第1開口部
22 第2開口部
23 貫通孔
24 第1切り起し片
25 第2切り起し片
30 クリックばね
31,41 本体部
32 凹凸部
33 回転端子部
34 貫通孔
35 第2突出部
42 周壁
43 外側隔壁部
44 内側隔壁部
50 揺動検知部
51 基準電極
52 第1回転用電極
53 第2回転用電極
54 第1スライド用電極
55 第2スライド用電極
56 第3スライド用電極
57 第4スライド用電極
58 プッシュ用電極
61 接触部
62 内側リブ
63 貫通孔
64 鍔部
71 開口部
81 可動接点
82 弾性体
83 押圧体
100 入力装置
101 保持部材
111 第1ボス
112 貫通孔
200 タッチパネル
300 操作検知回路
301 突部
311 第2ボス
321 凸部
322 凹部
331 外周部
332 内周部
333,451,452,453,454,455,456,457 開口部
431 外側突出壁
432,442 爪部
441 内側突出壁
500 スライド検知部
511,521,531,541,551,561,571,581 電極本体
512 基準接点部
513,523,533,544,554,564,574 接触子
514,542,552,562,572,582 突出片
515 第1接触部
516 第1開口部
517 第2接触部
518 第2開口部
522,532 回転用接点部
543,553,563,573 スライド用接点部
583 先端部
821 本体部
822 突出部
823,832 接触部
831 爪部
D1 方向(第1の方向)
D2 方向(第2の方向)
D3 方向
D4 方向
D5 方向
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9