(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】防食コーティング用の固定メッシュ
(51)【国際特許分類】
B21D 47/00 20060101AFI20221209BHJP
B32B 3/12 20060101ALI20221209BHJP
B32B 15/01 20060101ALI20221209BHJP
C10G 11/18 20060101ALI20221209BHJP
C10G 75/00 20060101ALI20221209BHJP
B01J 8/34 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B21D47/00 H
B32B3/12 B
B32B15/01 K
C10G11/18
C10G75/00
B01J8/34
(21)【出願番号】P 2020510569
(86)(22)【出願日】2018-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018069216
(87)【国際公開番号】W WO2019037950
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-15
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510063177
【氏名又は名称】トタルエナジーズ ラフィナージュ シミ
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】シモン,ユベール
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D47/00-55/00
B32B 1/00-43/00
C10G 1/00-99/00
B01J 8/00- 8/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動接触分解ユニットの槽の金属壁(62)に固定され、前記金属壁を保護する
コンクリートを受け入れることができるセル(64)を形成するように意図された金属製固定メッシュであって、前記セルをそれぞれ画定することができる円筒面を形成するために連続的に相互に接合された複数の波形基本構成要素(10、12、14、16)を備え、前記円筒面はそれぞれ対称中心軸Aを有し、前記複数の波形基本構成要素の前記波形基本構成要素(10、12、14、16)はそれぞれ突出舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)を有し、
少なくとも一つの前記突出舌部
がそれぞれ前記セル(64)内に延
び、
前記波形基本構成要素(10、12、14、16)が、前記波形基本構成要素を連続的に相互に接合できるように、ステープル留めオリフィス(38、40)及びステープル留めタブ(34、36)を有する、金属製固定メッシュにおいて、
前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)が、前記円筒面と前記円筒面の前記対称中心軸Aとの間に延びる距離dの4分の1未満の長さにわたって延びる、
ことを特徴とする金属製固定メッシュ。
【請求項2】
前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)が、前記円筒面と前記円筒面の前記対称中心軸Aとの間に延びる距離dの5分の1未満の長さにわたって延びることを特徴とする請求項1に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項3】
前記波形基本構成要素(10、12、14、16)が、2つの対向する端部間に延びる楕円形スロット(54、56)を有利に有し、前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)が、楕円形スロットの前記対向する端部の一方(52)から舌部の自由端までそれぞれ延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項4】
前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)が、前記楕円形スロット(54、56)の長さより短い長さにわたって延びることを特徴とする請求項3に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項5】
前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)の自由端が丸みを帯びていることを特徴とする請求項3又は4に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項6】
前記波形基本構成要素(10、12、14、16)が二等辺台形の波形を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項7】
前記波形基本構成要素(10、12、14、16)のそれぞれの前記波形がステープル留めオリフィス(38、40)及びステープル留めタブ(34、36)を交互に呈することを特徴とする請求項
6に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項8】
前記波形基本構成要素(10、12、14、16)が長手方向に延びることを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の金属製固定メッシュ。
【請求項9】
前記舌部(42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’)が切込み及び折曲げによって前記波形基本構成要素内に形成されることを特徴とする請求項1~
8のいずれか一項に記載の金属製固定メッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防食コーティングを固定することができるように製油所ユニットの槽の金属壁に取り付けられるように意図された金属製固定メッシュに関する。
【0002】
1つの想定される適用分野は、特に、しかし排他的ではなく、流動接触分解(FCC)ユニットの分野である。
【背景技術】
【0003】
流動接触分解ユニット、換言すると流動床接触分解ユニットは、触媒の存在下で、長い炭化水素鎖を有する重質留分をより軽い留分に変換することを可能にする。したがって、触媒は、反応器と再生器との間を、450℃~750℃の間の温度で、低圧で時々速い速度で流動床内を循環する。定常状態では、反応器の温度は実質的に510℃~540℃の間に達するが、再生器の温度は730℃~760℃の間に達する。したがって、反応器、再生器、及びそれらの内部機器、特にサイクロン、分離器、又は空気分配器の金属壁は、触媒チャージャの動きによって引き起こされる腐食からそれらを保護するためのコーティングで覆われる。反応器の上流では、下流に位置するサイクロンの内壁のように、供給ライザーの内壁もコーティングで覆われている可能性がある。このコーティングは、コンクリートと金属製固定メッシュとを含む複合材料である。
【0004】
したがって、金属製固定メッシュは、コンクリートを受け入れることができるセルを形成するように、金属壁に溶接される。前記金属製固定メッシュは、波形の山によって互いに連続して接続され、それぞれセルを画定することができる円筒面を形成する、複数の波形の長手方向基本構成要素を含む。通常、長手方向基本構成要素はスチールストリップでできており、ステープル留めによって互いに結合される。これを達成するために、波形の基本構成要素の山は、単一の打ち抜き/スタンピング工程中に作られるステープル留めタブとステープル留めオリフィスを交互に示す。次に、基本構成要素は、ステープル留めタブがステープル留めオリフィスに入ることができるように、それぞれピッチの半分だけオフセットされて互いに連続して取り付けられる。次に、ステープル留めタブを互いに向かって折り曲げて、基本構成要素を一緒に固定し、メッシュを形成する。次にメッシュは、波形の基本構成要素の縁面が金属壁に接触するように金属壁に適用され、次に、メッシュを金属壁に固定するために、基本構成要素と金属壁との間にセルの内側に溶接シームが形成される。
【0005】
また、波形の基本構成要素は、波形のそれぞれについて、及び波形の山から離れる方に、そこから突出し、したがってメッシュが形成されるときにセル内に延びる舌部を有する。したがって、これらの舌部は、コンクリートがセルに適用され、セルに押し込まれ、硬化した後、コンクリートのより良い保持を可能にする。特に、そのような舌部を有する固定メッシュを記載している文献FR3028307号明細書を参照することができる。
【0006】
これらの舌部はまた、ストリップを打ち抜き/スタンピングする単一の工程中に形成される。このようにして、ストリップの長手方向に、切込みの一端で中断される楕円形の切込みが形成され、切込みの形状は前記端の周りで曲げられる。切り込まれて曲げられた形状は突出した舌部を構成する一方、細長いスロットが形成される。このように形成された楕円形のスロットは、コンクリートがメッシュに固定されるのを促進する。
【0007】
舌部は、メッシュ内のコンクリートの固定に大きく寄与するが、メッシュを金属壁に溶接することを難しくする。さらに、これは、コンクリートの適用中の空気の閉塞を促進し、その後、ガスポケットの形成を促進し、その結果、腐食又はコークスの堆積を促進する。
【0008】
したがって、現在発生し、本発明が解決しようとする1つの問題は、金属壁に容易に実装及び固定できる固定メッシュを提供することである。同様に1つの問題は、操業中の防食コーティングの劣化を回避するような固定メッシュを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、流動接触分解ユニットの槽の金属壁に固定され、前記金属壁を保護する防食コーティングを受け入れることができるセルを形成するように意図された金属製固定メッシュが提案されており、前記金属製固定メッシュは前記セルをそれぞれ画定することができる円筒面を形成するために相互に連続的に接合された複数の波形基本構成要素を備え、前記円筒面はそれぞれ対称中心軸を有し、前記複数の波形基本構成要素の波形基本構成要素はそれぞれ突出舌部を有し、前記突出舌部は、それぞれ前記セル内に延びることができる。前記舌部は、前記円筒面と前記円筒面の対称中心軸との間に延びる距離の4分の1未満の長さにわたって延びる。
【0010】
したがって、本発明の1つの特徴は、短い舌部の使用にあり、その長さは円筒面からこの円筒面の対称中心軸まで延びる距離の4分の1未満である。円筒面とは、中心を規定する閉じた準線曲線によって支持される母線によって規定される表面から延びることに注意されたい。結果として、円筒面の断面は必ずしも円形である必要はなく、以下の記載において説明するように、例えば六角形である。したがって、対称中心軸は、前記中心と交差し、母線に平行に延びる。
【0011】
このようにして、セルを介して槽の金属壁にメッシュを溶接することはより簡単になる。加えて、メッシュが例えば凹状の金属壁に適合するように成形される必要がある場合、舌部の自由端が前記金属壁と接触する危険性が排除される。さらに、コンクリートは空気を閉塞することなくセル内に適用して押し込むことができる。したがって、短い舌部のおかげで、700℃を超える温度での作業中に、コンクリートと舌部の膨張差が小さくなり、結果としてコーティングが亀裂するリスクが減少する。
【0012】
本発明によるメッシュは、必ずしも全てのセルに舌部があるわけではない。
【0013】
さらに有利には、前記舌部は、前記円筒面と前記円筒面の前記対称中心軸との間に延びる距離の5分の1未満の長さにわたって延びる。したがって、及び以下の記載でより詳細に説明するように、変形パターンあたり少なくとも2つの中断される楕円形切込みが、金属ストリップに形成され、その結果、セルあたり少なくとも2つの互いに向き合う舌部を形成することができる。このようにして、コンクリートを適用して押し込んだ後、セル内に補足されたコーティングの部分は、実質的に反対の2つの舌部の間に保持される。
【0014】
特定の状況下では、セルあたり1つのみの舌部を形成することが可能であり、及び上記のように、メッシュの全てのセルのうちのいくつかには舌部がない場合がある。
【0015】
したがって、前記波形基本構成要素は、2つの対向する端部の間に延びる楕円形スロットを有利に有し、前記舌部は、楕円形スロットの前記対向する端部の一方から舌部の自由端までそれぞれ延びる。このようにして、コンクリートは、舌部の周りだけでなく、楕円形スロットを通って流れ、コーティングのより良い固定を提供する。
【0016】
本発明の1つの特に有利な特徴によれば、前記舌部は、前記楕円形スロットの長さよりも短い長さにわたって延びる。したがって、実際には、比較的長い中断された楕円形の切欠きが形成され、舌部がいったん曲げられると、それらは、例えばそれらの長さの中間で断ち切られる。このようにして、得られる舌部は短く、上記の欠点の全てを回避することを可能にし、さらに、楕円形スロットは、より多くのコンクリートを収容することを可能にする長さを有する。このようにして、コーティングの固定は強化される。
【0017】
さらに、本発明の1つの特に有利な実施形態によれば、前記舌部の自由端は丸みを帯びている。これにより、セルにコンクリートを適用するときに作業者が負傷することが防止される。
【0018】
別の実施形態によれば、舌部は楕円形スロットの長さの1/4~1/2の間の長さにわたって延びる。
【0019】
さらに、及び本発明の1つの特に有利な特徴によれば、前記波形基本構成要素は、二等辺台形の波形を有する。したがって、波形基本構成要素は長手方向に延び、例えば厚さ2mm、幅25mmの金属ストリップから形成される。また、波形は均一に離間される。このようにして、2つの波形基本構成要素は、半ピッチだけオフセットされるように波形の山を介して対にされ、その結果、以下で詳細に説明するように、実質的に六角形の断面の円筒面を形成する。したがって、円筒面は、舌部の長さを評価する際に基準となり得る対称中心軸を有する。
【0020】
また、前記波形基本構成要素は、好ましくは、前記波形基本構成要素を連続的に相互に接合できるように、ステープル留めオリフィスとステープル留めタブを有する。1つの特定の実施形態によれば、前記波形基本構成要素のそれぞれの前記波形は、ステープル留めオリフィス及びステープル留めタブを交互に呈する。例えば、波形基本構成要素の波形の山は、ステープル留めオリフィスの対と、台形の外側に向けられたステープル留めタブの対とを交互に呈する。したがって、半ピッチだけオフセットされた2つの基本構成要素を重ね合わせることにより、基本構成要素の一方のステープル留めタブの対は、他方の基本構成要素のオリフィスの対にそれぞれ係合する。次に、各対のそれぞれのステープル留めタブを互いに向かって曲げて、2つの基本構成要素を相互に固定する。かくして、波形基本構成要素は、メッシュを形成するように互いに固定される。
【0021】
好ましくは、前記波形基本構成要素は長手方向に延びる。それらはそれぞれ、例えば、数十の二等辺台形の変形を含む。
【0022】
また、及び特に有利な方法において、前記舌部は、切込み及び折曲げによって前記波形基本構成要素に形成される。したがって、それらは適切な打ち抜き/スタンピングプレスを使用して1回の作業で形成される。固定タブは、固定オリフィスと同様に、この同じ作業中に形成されることが理解されよう。
【0023】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、非限定的な示唆として与えられる本発明の1つの特定の実施形態の以下に与えられる記載を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】上からの概略図であり、本発明によるメッシュを形成することを可能にする要素を示している。
【
図2】
図1に示された要素の上からの概略部分斜視図である。
【
図3】本発明によるメッシュの概略部分斜視図である。
【
図4】
図3の上からの及び詳細の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、例として、4つの同一の波形基本構成要素:第1の波形基本構成要素10、第2の波形基本構成要素12、第3の波形基本構成要素14、及び第4の波形基本構成要素16を、水平面に載った状態で及び部分的に上面図で示す。これらは互いに向き合いながら並列し、以下の記載で説明される特定の配列で互いに配置されている。
【0026】
基本構成要素10、12、14及び16のそれぞれは、例えば2mmの厚さe及び25mmの幅を有するスチールストリップで作られている。幅19mmのストリップを使用することもできる。或いは幅38mmさらには50mmのストリップを使用することもできる。
【0027】
次に、二等辺台形の規則的な波形を形成するようにスチールストリップを変形する。これを行うために、この場合、ストリップは、30mmを計測しながら、それぞれ120°の値で反時計回りに2回、次に同じ量だけ反対方向に2回、長さlの部分で変形される。このようにして、長手方向に延び、同一の第1の直線20に沿って整列した第1の平行部18、同一の第2の直線24に沿って整列した反対側の第2の平行部22、同一の第1の方向28に向けられた第1の傾斜部26、及び同一の第2の方向32に向けられた第2の傾斜部30を有する波形基本構成要素が形成される。
【0028】
適切な打ち抜き/スタンピングプレスで実行されるストリップ自体の変形に加えて、打ち抜きが同時に使用され、一方で、変形されたストリップの第1の平行部18のステープル留めタブ34、36の対と、反対側の第2の平行部22の対応するステープル留めオリフィス38、40の対とを形成し、他方で、固定舌部の対、第1の舌部42及び第2の舌部44を、第1の平行部18の各側にそれぞれ延びる第1及び第2の傾斜部26及び30に形成する。
【0029】
したがって、波形基本構成要素10は、ピッチPaで反復し、第1の傾斜部26によって接続された第1の平行部18及び第2の平行部22と、第1の平行部18を延長する第2の傾斜部30とを備える反復パターンを有する。したがって、これらの実質的に同じ長さの4つの部分は、波形基本構成要素の全長にわたって反復する変形パターンを構成する。通常それらは用途に応じて数十又は数百のパターンを含む長さに沿って長手方向に延在するため、それらはここでは部分的にのみ示されている。したがって、
図1中、説明及び明確さの理由から、それらのうちの4つがある。繰り返すが、この数は通常、覆われる表面に応じて数十又は数百のオーダーである。
【0030】
4つの波形基本構成要素10、12、14、16は同一であるので、それらの同様の構成部分は、第2の基本構成要素12の場合単一プライム記号「’」を、第3の基本構成要素14の場合二重プライム記号(’’)を、第4の基本構成要素16の場合三重プライム記号(’’’)を付加された同一の参照番号を有する。
【0031】
そのような波形基本構成要素10のパターンを
図2を参照して詳細に記載する。
【0032】
波形基本構成要素10はまた、2つの反対側の縁面、すなわち、以下に説明するように金属壁に押し付けられるように意図された接触縁面46と、反対側の自由縁面48とを有する。
【0033】
したがって、互いに向き合う固定舌部の対の2つの固定舌部42、44を再度ここで見ることができる。固定舌部42、44は傾斜部26、30に切り込まれることが理解される。具体的に、その端部の一方52で中断された楕円形の切込み50は、打ち抜き/スタンピング工程中に形成され、第2の舌部44が上に押され、その端部の前記一方52の周りで曲げられ、その結果、傾斜部30から突出する。その後、第2の楕円形スロット54を表す。
【0034】
第2の舌部44は、傾斜部30から突起として延び出るように曲げられるだけではなく、さらには、丸みを帯びた自由端を呈するようにその端部で縮小されて機械加工されていることを見ることができる。したがって、舌部44の長さは、楕円形スロット54の長さの半分よりも実質的に短い。例えば、第2の楕円形スロット54は13mm程度の長さを有するが、舌部44は6mmの長さにわたって延びる。また、楕円形スロット54は、例えば8mmの幅を有する。そしてそれは例えば接触縁面46から7mm程度の距離で、及び接触縁面46に実質的に平行に形成される。
【0035】
さらに、図示されていない本発明の別の代替実施形態によれば、傾斜部は、楕円形スロットの上縁部と下縁部にそれぞれ対応する2つの平行な切込みと、これら2つの平行な切込みを接続する1つの垂直な中央切込みとを形成するように打ち抜かれる。その後、1つの半舌部が傾斜部の片側に、1つの半舌部が他方側に押し出される。そのようにして、セルごとに2つの追加の短い舌部を追加することが可能であり、さらに、舌部を縮小する必要はない。
【0036】
また、この例において、第2の舌部44が波形基本構成要素10の第2の傾斜部30に対して実質的に傾斜していること、及びそれは5mmの領域の距離にわたって第2の傾斜部30に垂直な方向に突起としてそれから延び出ることに気づくだろう。その結果、第2の舌部44は、傾斜部30の長さの1/6に等しい長さにわたって第2の傾斜部30から突起として延びる。
【0037】
第1の平行部18を2つの等しい部分に直角で分ける中間平面Pmに関して第2の傾斜部30と対称的に、第1の傾斜部26は、第1の舌部42がないことに起因する第1の楕円形スロット56を有する。第1の楕円形スロット56及び第1の舌部42のそれぞれの寸法は、第2の楕円形スロット54及び舌部44と同一である。
【0038】
さらに、波形基本構成要素10の第1の平行部18は、2つのステープル留めタブ34、36の形成に起因する長手方向キャビティ58を有する。長手方向キャビティ58は、中間平面Pmにまたがり、第1の平行部18の長さの2/3の領域の長さにわたって延びるように形成されている。ステープル留めタブ34、36は
図2において互いに平行に、第1の平行部18の後部まで延びる。また、それらは、第1の平行部18の長さlの1/3未満の長さ及びこの長さlの実質的に4分の1の領域の長さにわたって第1の平行部18から突起として延びる。
【0039】
さらに、第2の平行部22には、ステープル留めオリフィスの対のステープル留めオリフィス38、40が形成されている。ステープル留めオリフィス38、40は、2つのステープル留めタブ34、36を分離する距離に等しい距離だけ離間されていることが分かる。
【0040】
再び
図1を参照すると、第2の波形基本構成要素12は第1の波形基本構成要素10の方向に平行な方向に延び、ステープル留めタブ34’、36’は第1のそれと同じ方向に向けられ、長手方向に半ピッチPa/2だけオフセットされていることが分かる。したがって、第2の波形基本構成要素12のステープル留めタブ34’、36’は、それぞれ第1の波形基本構成要素10のステープル留めオリフィス38、40に面して延びる。
【0041】
第3の波形基本構成要素14に関して、それは第2の波形基本構成要素12の方向に平行な方向に延び、ステープル留めタブ34’’、36’’は、第2の基本構成要素12のそれと同じ方向に向けられ、長手方向に半ピッチPa/2だけオフセットされる。したがって、第3の波形基本構成要素14は、第1の波形基本構成要素10と同じ軸方向位置に延びる。したがって、第3の波形基本構成要素14のステープル留めタブ34’’、36’’は、それぞれ第2の波形基本構成要素12のステープル留めオリフィス38’、40’に面して延びる。
【0042】
第4の波形基本構成要素16に関して、それは第3の波形基本構成要素14の方向に平行な方向に延び、ステープル留めタブ34’’’、36’’’は同じ方向に向けられ、長手方向に半ピッチPa/2だけオフセットされる。したがって、第4の波形基本構成要素16は、第2の波形基本構成要素12と同じ軸方向位置に延びる。したがって、第4の波形基本構成要素16のステープル留めタブ34’’’、36’’’は、それぞれ第3の波形基本構成要素14のステープル留めオリフィス38’’、40’’に面して延びる。
【0043】
このようにして、4つの波形基本構成要素10、12、14、16は、それぞれ、それらの長手方向に垂直な方向に互いに押し付けられて、それにより第2の波形基本構成要素12、第3の波形基本構成要素14、及び第4の波形基本構成要素16のステープル留めタブ34’、36’;34’’、36’’;34’’’、36’’’がそれぞれ第1の波形基本構成要素10、第2の波形基本構成要素12及び第3の波形基本構成要素14のステープル留めオリフィス38、40;38’、40’;38’’、40’’の内側に係合するようにする。
【0044】
ステープル留めタブの対の全てのステープル留めタブ34’、36’;34’’、36’’;34’’’、36’’’は次に、それぞれ互いに向かって曲げられて、4つの波形基本構成要素10、12、14、16を互いに固定するようにする。
【0045】
ここで
図3を参照する。
図3は、このように形成され且つ中間平面PMを定めるメッシュの斜視部分図である。
【0046】
ここで再び、第1の波形構成要素10が第2の構成要素12に接続され、第2の構成要素12自体は第3の構成要素14に接続され、第3の構成要素14は第4の構成要素16に接続されていることを部分的に見ることができる。
【0047】
ステープル留めタブ34’、36’;34’’、36’’;34’’’、36’’’がステープル留めオリフィス38、40;38’、40’;38’’、40’’の内側に係合され、各対の場合においてそれぞれ、互いに向かって折り曲げられることを見ることが可能である。
【0048】
このようにして、波形基本構成要素10、12、14、16は、それぞれ対称中心軸Aを有する実質的に六角形の閉じた円筒面60を画定する。
【0049】
図示されていない本発明の代替実施形態によれば、ステープル留めタブは、波形基本構成要素を互いに固定するために、互いに向かってではなく、互いに反対側に曲げられる。また、この最後の代替例によれば、第2の平行部は2つのステープル留めオリフィスではなく、より広い幅のステープル留めオリフィスを1つのみ有し得る。
【0050】
図3に示すメッシュは金属壁62に当接され、閉じた円筒面60のそれぞれがセル64を画定する。そして、セル64のそれぞれの中に延びるのは2つの対向舌部42、44であり、より少ない範囲まで、折り曲げられたステープル留めタブ34’、36’;34’’、36’’;34’’’、36’’’が延びる。
【0051】
図4を参照すると、1つのセル64が上面図で詳細に示されている。この図は、第2の波形基本構成要素12の2つの傾斜部26’、30’からそれぞれ突出して延びる2つの対向舌部42’、44’を再度示している。
【0052】
一方で第2の波形基本構成要素12の第2の傾斜部30’、第1の平行部18’及び第1の傾斜部26’によって、他方で第3の波形基本構成要素14の第2の傾斜部30’’、第2の平行部22’’及び第1の傾斜部26’’によって形成された閉じた円筒面は、したがって、対称中心軸Aを有する六角形セル64を画定する。したがって、舌部42’、44’は、それぞれ、2つの傾斜部26’、30’から突起として、これらの部分の法線に沿って、舌部42’、44’のレベルで対称中心軸Aから円筒面を分離する距離dの1/5未満の長さLにわたって延びる。
【0053】
以下のことを観察することができる。すなわち、対称中心軸Aから円筒面を分離する最大距離dMは、理論的に、及び波形基本構成要素の厚さを考慮せずに、部分30”、22”、26”、30’、18’、及び26’の長さlに等しい。換言すると、円筒面の六角形断面の各辺の長さに等しい。また、対称中心軸Aから円筒面を分離する最小距離dm、すなわち、対称中心軸Aと交わる前述の部分の法線は、
【数1】
に等しい。
【0054】
したがって、長さlが30mmに等しく、舌部が対称中心軸Aから最も遠い円筒面の部分から延びる場合、それは本発明の定義によれば円筒面から7.5mm未満の距離にわたり延びる。同じ条件下で、舌部が対称中心軸Aに最も近い円筒面の部分から延びる場合、それは6.5mm未満の距離だけそこから延びる。
【0055】
セル64の中心は比較的アクセス可能であることが
図4から見ることができる。さらに、折り曲げられたステープル留めタブ34’’、36’’は、舌部42’、44’の距離よりも短い距離にわたってセル64内に延びている。このようにして、以下で説明するように、それはコーティングのより良い固定に寄与する。
【0056】
【0057】
このようにして、かくして形成されたメッシュは、壁に当接する接触縁面46に沿って延びる基本構成要素10、12、14及び16の下縁部を溶接することにより、金属壁62に容易に固定される。これを行うために、溶融金属が、舌部42、44に邪魔されることなく、互いに接続された波形基本構成要素10、12、14、16と金属壁62との間の接合部に自由に適用される。また、特定の用途において、基本構成要素はまた、円筒面の内側のそれらの接触領域に沿ってより簡単に一緒に溶接される。
【0058】
次に、コンクリートをセルに適用し、完全な充填を得るためにセルに押し込む。コンクリートの厚さは、明らかに、その自由縁面を隠すためにセルの高さよりも実質的に高くすることができる。この追加の厚さは1mmを超えない。次に、コンクリートは、舌部42、44、42’、44’、42’’、44’’、42’’’、44’’’の下、さらに楕円形スロット54、56内、及び折り曲げられたステープル留めタブ34、36、34’、36’、34’’、36’’、34’’’、36’’’の下を空気の閉塞を形成することなく流れることができる。
【0059】
このようにして、コンクリートが硬化すると、メッシュにおける低い多孔度でコーティングのより良い固定が達成される。
【0060】
また、図示されていない本発明の前記他の代替実施形態によれば、セルのそれぞれが4つの短い舌部を備えることにより、コンクリートの固定も改善される。