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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/02 20060101AFI20221209BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20221209BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
E03D9/02
E03D9/08 Z
E03D9/08 A
E03D5/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018084766
(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2019190153
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松永 博
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-043995(JP,A)
【文献】特開2009-172291(JP,A)
【文献】特開平10-217949(JP,A)
【文献】特開2016-123583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部に供給される機能水を生成する機能水生成装置を備えた便器装置であって、
前記ボウル部の便器奥行方向奥側には、前記機能水生成装置を着脱自在に、かつ該機能水生成装置の上端側を露出させた状態で該機能水生成装置の下端側部位を収納する収納部と、該機能水生成装置の上端部に設けられた給水元側接続部に接続される上流側管路と、該上流側管路と区別可能なように異なった色とされ、該機能水生成装置の上端部に設けられた給水先側接続部に接続される下流側管路と、上方側に向けて開口するように下側ケース部に設けられた前記収納部の上方側を覆う上側ケース部と、が設けられており、
前記給水元側接続部と前記給水先側接続部とが区別可能なように異なった色とされ、前記給水元側接続部と前記上流側管路とが同系色とされ、前記給水先側接続部と前記下流側管路とが同系色とされていることを特徴とする便器装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記上流側管路及び前記下流側管路のうちの一方が白色系であり、他方が黒色系であることを特徴とする便器装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記上流側管路及び前記下流側管路のうちの一方が暖色系であり、他方が寒色系であることを特徴とする便器装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記機能水生成装置は、電極が設けられた電解槽内において水を電気分解して除菌液を生成する構成とされていることを特徴とする便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機能水生成装置において生成された除菌液等の機能性を有した機能水をボウル部に供給する構成とされた便器装置が知られている。
例えば、下記特許文献1には、電解装置において生成した除菌水をボウル部内に供給する構成とされた便器装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-28258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような除菌水を生成する電解装置においては、電極やイオン交換膜等に劣化が生じれば、交換や修理等のメンテナンスが必要となり、便器本体や温水洗浄便座等の本体に対して電解装置を脱着させる必要が生じる。電解装置を取り付ける際には、電解装置の給水元側接続部及び給水先側接続部のそれぞれに正しい管路が接続されるように、各管路及び各接続部を慎重に確認して接続する必要があり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、機能性を有した機能水の供給が可能でありながらも、機能水生成装置のメンテナンス性を向上し得る便器装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る便器装置は、ボウル部に供給される機能水を生成する機能水生成装置を備えた便器装置であって、前記ボウル部の便器奥行方向奥側には、前記機能水生成装置を着脱自在に、かつ該機能水生成装置の上端側を露出させた状態で該機能水生成装置の下端側部位を収納する収納部と、該機能水生成装置の上端部に設けられた給水元側接続部に接続される上流側管路と、該上流側管路と区別可能なように異なった色とされ、該機能水生成装置の上端部に設けられた給水先側接続部に接続される下流側管路と、上方側に向けて開口するように下側ケース部に設けられた前記収納部の上方側を覆う上側ケース部と、が設けられており、前記給水元側接続部と前記給水先側接続部とが区別可能なように異なった色とされ、前記給水元側接続部と前記上流側管路とが同系色とされ、前記給水先側接続部と前記下流側管路とが同系色とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る便器装置は、上述のような構成としたことで、機能性を有した機能水の供給が可能でありながらも、機能水生成装置のメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る便器装置の一例を模式的に示す概略縦断面図である。
図2】(a)は、同便器装置が備える機能水生成装置の一例を模式的に示す概略斜視図、(b)は、同便器装置の一部省略概略平面図である。
図3】同便器装置の一部省略概略縦断面図である。
図4】同便器装置の一部省略概略分解縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、便器装置を設置した状態を基準として、上下方向等を説明する。
【0010】
図1図4は、本実施形態に係る便器装置の一例及びこれが備える機能水生成装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る便器装置1は、図1に示すように、ボウル部10に供給される機能水を生成する機能水生成装置30を備えている。
この便器装置1は、腰掛式(いわゆる洋式)とされ、トイレ空間内の床や壁等の設置部に設置される。また、この便器装置1には、上方に向けて開口するすり鉢状とされたボウル部(便鉢)10の周囲を囲むスカート部が設けられている。また、便器装置1には、便器本体または温水洗浄便座の本体に対して便器幅方向に軸方向を沿わせた軸回りに起倒自在(回転自在)とされた便座4及び便蓋5等が設けられている。
【0011】
また、この便器装置1の適所に、便座4や便蓋5を開閉する開閉装置や、ボウル部10内を脱臭する脱臭装置、便座4を温める加熱装置、局部を洗浄する局部洗浄装置等の各種機能装置や機構部材を設けた構成としてもよい。また、便器装置1に、人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを設けた構成としてもよく、上記した各種機能装置を操作する操作部としてのリモコン装置や、リモコン装置の各種信号の送受信を可能とする送受信装置等を設けた構成としてもよい。
【0012】
また、便器装置1には、水道管等の給水管2に接続される給水機構や、床側または壁側の排水管3に接続される排水機構等が設けられている。
排水機構は、本実施形態では、ボウル部10の底部に設けられた排水口12に接続された筒状トラップ13を駆動機構14によって回動させて排水及び封水する構成とされたいわゆる機械式排出機構とされている。なお、排水機構としては、このような構成とされたものに限られず、サイホン式やサイホンゼット式、サイホンボルテックス式、ネオボルテックス式、洗い落とし式等の他の排水機構を採用するようにしてもよい。
【0013】
給水機構は、給水管2に接続され、ボウル部10に洗浄水を供給する構成とされている。このような給水機構としては、ボウル部10の周壁部の上端部に周方向に沿って延びるように設けられたリム部11に沿わせるように洗浄水を給水し、ボウル部10を洗浄する構成とされたものとしてもよい。図例では、便器装置1を、水洗タンク(ロータンク)を備えていない、いわゆるタンクレスタイプとした例を示しているが、水洗タンクを備えた構成としてもよい。
また、便器装置1には、給水機構を作動させて洗浄水をボウル部10に供給する洗浄操作部が設けられている。このような洗浄操作部としては、リモコン装置に設けられた操作ボタンやレバー等に限られず、人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを洗浄操作部として把握、つまり、検知有無を操作と把握するような態様としてもよい。この給水機構の洗浄操作がなされれば、リム部11に沿うように洗浄水が供給され、ボウル部10内面の洗浄がなされる。
【0014】
また、便器装置1の便器奥行方向奥側には、図2(b)、図3及び図4に示すように、機能水生成装置30を着脱自在に収納する収納部28が設けられている。本実施形態では、この収納部28を、上方側に向けて開口するように下側ケース部25に設けた構成としている。また、便器装置1に、この下側ケース部25の収納部28の上方側を覆う上側ケース部20を設けた構成としている。また、下側ケース部25及び機能水生成装置30のうちの一方に、上下方向に突出する位置決め突起部26を設け、他方に、この位置決め突起部26が嵌め合わされる嵌合部37を設けた構成としている。
本実施形態では、下側ケース部25及び機能水生成装置30のうちの一方としての下側ケース部25に位置決め突起部26を設け、他方としての機能水生成装置30に嵌合部37を設けた構成としている。また、本実施形態では、位置決め突起部26を、機能水生成装置30の上端部に設けられた嵌合部37に嵌め合わされる構成としている。
また、本実施形態では、機能水生成装置30に、機能水生成装置30の下端側を位置決めする下端側位置決め突起部35を設け、下側ケース部25に、この下端側位置決め突起部35が嵌め合わされる下端側嵌合部29を設けた構成としている。
【0015】
上側ケース部20及び下側ケース部25は、図3及び図4に示すように、便器装置1の便器奥行方向奥側の外郭を構成するように設けられ、上下に分割されている。これら上側ケース部20及び下側ケース部25には、上記した種々の機構部や、各部を制御する制御部を含む基板19(図1及び図2(b)参照)等が内蔵されている。
下側ケース部25の収納部28は、便器装置1の便器幅方向一方側に設けられている。この収納部28は、便器装置1の便器奥行方向奥側部位においてボウル部10近傍、つまり、手前側に位置するように設けられている。
また、この収納部28は、後記する機能水生成装置30の上端側を露出させた状態で機能水生成装置30の下端側部位を収納する構成とされている。また、この収納部28の底部には、上方側に向けて開口し、下端側位置決め突起部35が嵌め込まれる下端側嵌合部29が設けられている。本実施形態では、この下端側嵌合部29を、収納部28の底部を区画する底板部を貫通するように設けられた貫通孔状としている。
【0016】
また、下側ケース部25の位置決め突起部26は、上方側に向けて突出するように設けられている。この位置決め突起部26は、収納部28の開口縁部近傍部位に設けられている。また、位置決め突起部26は、略円形孔状とされた後記する機能水生成装置30の嵌合部37に対応させて略円柱状とされている。また、本実施形態では、位置決め突起部26を、基端側よりも先端(上端)側が小径状とされたものとしている。また、位置決め突起部26に、基端側大径部26cと、この基端側大径部26cよりも小径状とされ、嵌合部37に嵌め込まれる中段被嵌合部26bと、この中段被嵌合部26bよりも小径状とされた先端側小径部26aと、を設けた構成としている。このような構成とすれば、嵌合部37に位置決め突起部26を容易に嵌め込むことができる。
【0017】
また、基端側大径部26cと中段被嵌合部26bとの境界部に段部を設け、中段被嵌合部26bと先端側小径部26aとの境界部に段部を設けた構成としている。基端側大径部26cと中段被嵌合部26bとの境界部の段部に、嵌合部37の下側開口周縁部が当接される。また、先端側小径部26aの径(外径)は、嵌合部37の内径よりも小径とされ、中段被嵌合部26bの径(外径)は、嵌合部37の内径と概ね同径とされ、基端側大径部26cの径(外径)は、嵌合部37の内径よりも大径とされている。
また、位置決め突起部26には、上側ケース部20を貫通するねじ挿通孔22に連通されるねじ穴27が設けられている。このねじ穴27は、上方側に向けて開口するように設けられている。
【0018】
上側ケース部20のねじ挿通孔22は、上側ケース部20の下面側(下側ケース部25に向く側)から下方側に向けて突出するように設けられた筒状部21の先端部(下端部)に設けられている。この筒状部21のねじ挿通孔22の周囲には、その上下の中空部よりも小径状となるように段部が設けられており、この段部の上面側がねじ6の座面となる。
また、この筒状部21の先端部には、位置決め突起部26の先端部を受け入れる先端受入凹所23が下方側に向けて開口するように設けられている。先端受入凹所23の開口が筒状部21の先端側の開口を構成する。また、この先端受入凹所23の底側は、ねじ挿通孔22の周囲の段部の下面によって区画され、この段部の下面に、位置決め突起部26の先端部が当接される。
【0019】
また、筒状部21の上側ケース部20の表面側の開口は、キャップ部材によって開放可能に封止されている。このキャップ部材を取り外すことで、ねじ挿通孔22に挿通させたねじ6を位置決め突起部26のねじ穴27に対して締緩させることができる。なお、上側ケース部20を下側ケース部25に取り付けるためのねじ及びねじ穴は、図示を省略しているが、他の複数箇所にも設けられている。
また、本実施形態では、上側ケース部20に、下側ケース部25に取り付けられた状態で、機能水生成装置30を上方側から押さえるように機能水生成装置30の上端部の被当接部39に当接される当接部24aを設けた構成としている。この当接部24aは、上側ケース部20の下面側から下方側に向けて突出するように設けられた柱状部24の先端部とされている。この柱状部24は、上側ケース部20を下側ケース部25に取り付けた状態では、後記する機能水生成装置30の受入凹所38にその先端部が差し入れられ、その先端の当接部24aが被当接部39に当接される。
【0020】
また、柱状部24は、筒状部21の側方近傍に位置するように設けられている。図例では、柱状部24を、筒状部21の便器幅方向外側に位置するように設けた例を示している。また、柱状部24の基端部と筒状部21の基端部とを一体的に設けた例を示している。なお、ねじ挿通孔22を設けた筒状部21や当接部24aを設けた柱状部24としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0021】
機能水生成装置30は、本実施形態では、図1に示すように、電極31a,31aが設けられた電解槽31内において水を電気分解して除菌液を生成する構成とされている。また、機能水生成装置30は、水を電気分解して除菌液としてのオゾン水を生成する構成とされている。つまり、機能水生成装置30は、電解式とされている。
一対の電極31a,31aは、電源に接続され、陽極及び陰極を構成する。これら一対の電極31a,31a間には、ダイヤモンド電極やイオン交換膜31bが設けられている。
【0022】
また、機能水生成装置30の電解槽31は、図2(a)に示すように、上下方向に長尺状とされている。この電解槽31は、下端側に給水元側接続部32に連通される導入口を設け、上端側に給水先側接続部36に連通される導出口を設けた構成とされている(図1も参照)。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、機能水生成装置30の上端部に設けられた給水元側接続部32と電解槽31の下端側の導入口とを接続する接続管路33を電解槽31の側部に沿わせるように設けた構成としている。また、電解槽31の側部には、この接続管路33を覆うように側部カバー34が設けられている。
また、この側部カバー34の下端部に、下方側に向けて突出するように下端側位置決め突起部35が設けられている。この下端側位置決め突起部35は、電解槽31の下方側を覆うように設けられた側部カバー34の下端側部位に設けられている。
【0023】
機能水生成装置30の上端部の嵌合部37は、上記した下側ケース部25の位置決め突起部26を受入可能なように上下方向に向けて開口する凹状とされている。本実施形態では、嵌合部37は、位置決め突起部26が挿通される上下方向に貫通する貫通孔状とされている。図例では、嵌合部37を、貫通方向に見て略円形孔状とした例を示している。この嵌合部37は、電解槽31の上端部から水平方向一方側(便器幅方向中央側)に向けて突出する突出部の先端部に設けられている。なお、嵌合部37は、閉環状とされたものに限られず、開環状とされたものでもよい。
機能水生成装置30の上端部の被当接部39は、この突出部の基端側に設けられている。また、被当接部39は、上方側に向けて開口する受入凹所38の底部とされている。
また、機能水生成装置30の上端部には、図示を省略しているが、電源ケーブルが接続されるケーブル接続部が設けられている。
【0024】
なお、機能水生成装置30の構成によっては、オゾンガスを水に溶解させる気液混合部を機能水生成装置30の下流側等に設けた構成としてもよい。このような気液混合部としては、例えば、圧壊式や、せん断式、加圧溶解式、エジェクタ式等の適宜の構成とされたものでもよい。また、機能水生成装置30を、オゾン濃度変更可能な構成とされたものとしてもよい。また、このような電解式の機能水生成装置30としては、上記したような構成とされたものに限られず、種々の構成とされたものでもよい。また、除菌液としては、オゾン水に限られず、例えば、次亜塩素酸水や強酸性水、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過酸化水素水等でもよい。
【0025】
また、便器装置1の便器奥行方向奥側には、図1に示すように、この機能水生成装置30の給水元側接続部32に接続される上流側管路15と、機能水生成装置30の給水先側接続部36に接続される下流側管路17と、が設けられている。
上流側管路15は、給水元となる給水管2に接続され、機能水生成装置30への給水を供給または遮断する給水弁16を設けた構成とされている。なお、この上流側管路15は、当該便器装置1の給水機構の洗浄水供給路から分岐して設けられたものでもよい。
下流側管路17には、機能水生成装置30において生成された機能水を供給または遮断する供給弁18が設けられている。この供給弁18及び上記した給水弁16は、開閉弁(ON/OFF弁)でもよい。なお、このような供給弁18を設けずに、逆止弁等の逆流防止機構を設けた構成としてもよい。
【0026】
また、下流側管路17の末端には、機能水生成装置30において生成された機能水をボウル部10に向けて供給する供給口17bが設けられている。本実施形態では、供給口17bを、ボウル部10の便器奥行方向奥側に位置するように設け、ボウル部10の内面に向けて機能水を散布するように供給する構成としている。このような供給口17bとしては、機能水を放射状に噴出させるノズル等でもよく、どのようなものでもよい。なお、機能水を供給する供給口17bとしては、このような構成とされたものに限られず、ボウル部10に洗浄水を供給する給水機構の供給口としてもよい。つまり、リム部11に沿わせるように機能水(または機能水を混合させた洗浄水)を供給する構成とされたものでもよい。
【0027】
上記した機能水生成装置30が起動されて給水弁16が開放され、電極31a,31aに通電されれば、電解槽31内に導入された水が電気分解されてオゾンガスが生成され、このオゾンガスが溶解部において水に溶解されてオゾン水が生成される。なお、機能水生成装置30が起動されれば直ちに、または起動されてから所定の遅延時間が経過すれば、供給弁18を開放させるようにしてもよい。また、このような機能水(除菌液)の供給は、機能水生成装置30を含む各部が制御部によって制御されてなされる。この機能水の供給は、適宜の操作部が操作されることでなされるものでもよく、ボウル部10に洗浄水を供給してボウル部10を洗浄する洗浄モード中の終盤等においてなされるものでもよい。また、例えば、所定時間が経過する毎に機能水の供給がなされるものでもよい。
【0028】
また、上流側管路15と下流側管路17とは、区別可能なように異なった色に形成されている。これら上流側管路15と下流側管路17とは、作業者が視覚によって区別可能なように色相、明度及び彩度のうちの少なくとも一つが異なるように形成されたものでもよい。また、これら上流側管路15と下流側管路17とは、互いの色差が比較的に大とされたものでもよい。
また、例えば、上流側管路15及び下流側管路17のうちの一方を白色系とし、他方を黒色系としてもよい。このような構成とすれば、上流側管路15と下流側管路17とを区別可能なように互いの彩度を異ならせたものと比べて、明瞭に区別することができる。この場合において、白色系は、白色に近い灰色を含み、黒色系は、黒色に近い灰色を含んでもよい。また、この場合において、白色系は、無彩色に限られず、クリーム色やアイボリー、ベージュなどの淡色系を含んでもよい。また、黒色系も同様、濃紺や濃緑などの濃色系を含んでもよい。
【0029】
また、例えば、上流側管路15及び下流側管路17のうちの一方を暖色系とし、他方を寒色系としてもよい。このような構成とすれば、上流側管路15と下流側管路17とを区別可能なように互いの彩度や明度を異ならせたものと比べて、色相の違いによってより明瞭に区別することができる。この場合、上流側管路15と下流側管路17とを、色相環上で互いに反対に位置する反対色としてもよく、互いに正反対に位置する補色としてもよい。
また、これら上流側管路15及び下流側管路17は、それぞれが全長に亘って均一な色に形成されたものでもよいが、少なくとも機能水生成装置30に接続される側の部位同士が異なる色とされたものでもよい。図例では、これら上流側管路15及び下流側管路17の機能水生成装置30側の端部に設けられた被接続部15a,17aも含んで異なる色とした例を示している。
【0030】
これら上流側管路15及び下流側管路17が接続される機能水生成装置30の給水元側接続部32及び給水先側接続部36は、本実施形態では、機能水生成装置30の上端部に設けられている。給水元側接続部32は、上流側管路15と同系色に形成されている。また、給水先側接続部36は、下流側管路17と同系色に形成されている。つまり、給水元側接続部32と給水先側接続部36とは、区別可能なように異なった色に形成されている。
給水元側接続部32は、上記した接続管路33に連通され、側部カバー34の上端部から上方側に向けて突出するように設けられている。
給水先側接続部36は、上記した電解槽31の上端部から上方側に向けて突出するように設けられている。
【0031】
これら給水元側接続部32及び給水先側接続部36は、上記した上流側管路15及び下流側管路17の被接続部15a,17aに応じて適宜の構成とされたものでもよい。図例では、これら給水元側接続部32及び給水先側接続部36を、クイック継手(ワンタッチ継手)の雄側を構成するものとし、被接続部15a,17aを、クイック継手の雌側を構成するものとした例を示している。給水元側接続部32及び給水先側接続部36並びに被接続部15a,17aとしては、このようなものに限られず、雄ねじ部及び雌ねじ部を構成するものや、その他、種々の構成とされたものでもよい。
また、これら給水元側接続部32及び給水先側接続部36は、合成樹脂系材料から形成された樹脂成形品としてもよい。このような構成とすれば、これら給水元側接続部32と給水先側接続部36とを異なった色に容易に成形することができる。
【0032】
なお、給水元側接続部32は、接続管路33も含んで均一な色に形成されたものでもよく、または、雄側を構成する部位を含む側部カバー34から突出する部位のみ若しくは雄側を構成する部位のみが給水先側接続部36と異なる色とされたものでもよい。
また、給水先側接続部36は、電解槽31も含んで均一な色に形成されたものでもよく、または、電解槽31の上方側開口を覆う部位と電解槽31から突出する部位とが給水元側接続部32と異なる色とされたものでもよい。図2(b)では、給水先側接続部36における雄側を構成する部位を含む電解槽31から突出する部位を給水元側接続部32と異なる色とした例を示しているが、雄側を構成する部位のみが給水元側接続部32と異なる色とされたものでもよい。
【0033】
本実施形態に係る便器装置1は、上述のような構成としたことで、機能性を有した機能水の供給が可能でありながらも、機能水生成装置30のメンテナンス性を向上させることができる。
つまり、機能水を生成する機能水生成装置30を設けているので、機能性を有した機能水をボウル部10に供給することができる。また、機能水生成装置30の給水元側接続部32とこれに接続される上流側管路15とを同系色とし、この上流側管路15と区別可能なように異なった色とされた下流側管路17とこれが接続される機能水生成装置30の給水先側接続部36とを同系色としている。従って、同系色同士の接続部32(36)と管路15(17)とを接続すれば、正しい状態に接続することができ、メンテナンス性を向上させることができ、また、誤接続を防止することができる。
【0034】
また、本実施形態では、便器装置1に、上方側に向けて開口するように下側ケース部25に設けられた収納部28の上方側を覆う上側ケース部20を設けた構成としている。従って、上側ケース部20を取り外せば、機能水生成装置30を収納部28に対して上下方向に移動させて便器本体に対して脱着させることができる。
また、給水元側接続部32及び給水先側接続部36を、機能水生成装置30の上端部に設けた構成としている。従って、機能水生成装置30の下端部に給水元側接続部32及び給水先側接続部36を設けたものと比べて、接続性やシール性を向上させることができ、メンテナンス性をより向上させることができる。なお、このような態様に代えて、便器装置1に、便器幅方向や奥行方向に向けて開口する収納部28とこれを覆うカバーとを設けた構成としてもよい。この場合は、給水元側接続部32及び給水先側接続部36を、機能水生成装置30の上端部以外の適所に設けた構成としてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、機能水生成装置30を、電極31a,31aが設けられた電解槽31内において水を電気分解して除菌液を生成する構成としている。従って、ボウル部10に除菌液を供給することができる。また、電極31a,31aやイオン交換膜31b等が劣化した場合にも機能水生成装置30を便器本体から取り外すことで、メンテナンスを容易に行うことができる。なお、機能水生成装置30は、除菌液に限られず、汚物除去性を高めた水等、他の機能水を生成するものでもよい。
【0036】
また、機能水生成装置30の形状や位置決め態様等は、上記した態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、便器装置1のボウル部10の奥側の便器本体内に機能水生成装置30や上流側管路15、下流側管路17等を内蔵させた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、局部を洗浄する局部洗浄装置等が組み込まれ、便器本体に載せ置かれるいわゆる温水洗浄便座の本体内に機能水生成装置30等を内蔵させた構成等としてもよい。また、本実施形態に係る便器装置1の各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 便器装置
10 ボウル部
15 上流側管路
17 下流側管路
20 上側ケース部
25 下側ケース部
28 収納部
30 機能水生成装置
31 電解槽
31a 電極
32 給水元側接続部
36 給水先側接続部
図1
図2
図3
図4