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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】水素システム
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/08 20060101AFI20221209BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20221209BHJP
   C25B 15/00 20060101ALI20221209BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
C25B15/08 302
C25B1/04
C25B15/00 303
C01B3/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019005347
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2019157266
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】P 2018039474
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藥丸 雄一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦志
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0174965(US,A1)
【文献】特開2016-056397(JP,A)
【文献】特開2002-269633(JP,A)
【文献】特開2010-196149(JP,A)
【文献】特開2017-203218(JP,A)
【文献】特開2014-080633(JP,A)
【文献】特開2003-306787(JP,A)
【文献】特開2005-299865(JP,A)
【文献】特開2016-094948(JP,A)
【文献】特開2012-074386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0178062(US,A1)
【文献】特開2011-225964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素含有ガスを生成する生成器と、
前記生成器で生成された水素含有ガスを貯蔵する貯蔵器と、
前記生成器と前記貯蔵器とを接続する第1のガス流路と、
前記生成器、前記貯蔵器および前記第1のガス流路を収納する筐体と、
前記第1のガス流路から前記筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第2のガス流路と、
前記第2のガス流路に設けられた第1弁と、
前記貯蔵器から前記筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第3のガス流路と、
前記第3のガス流路に設けられた第2弁と、
前記筐体内での水素漏れを検知する、少なくとも1つの検知器と、
前記第1弁および前記第2弁を制御する制御器とを備え
前記少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、前記制御器は、前記第1弁および前記第2弁のうち前記第1弁を優先的に開放し、
前記第1弁を開放後、所定時間内に前記少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されなくなると、前記制御器は、前記第2弁を開放せず、
前記第1弁を開放後、所定時間後も前記少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、前記制御器は、前記第2弁を開放する、水素システム。
【請求項2】
前記第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の前記第1のガス流路に設けられた第3弁を備え、前記制御器は、前記第1弁を開放しているとき、前記第3弁を閉止する、請求項1に記載の水素システム。
【請求項3】
前記第2のガス流路への分岐箇所よりも上流の前記第1のガス流路に設けられた第4弁を備え、
前記制御器は、前記第1弁を開放しているとき、前記第3弁を閉止し、前記第4弁を開放する、請求項に記載の水素システム。
【請求項4】
前記第2のガス流路への分岐箇所よりも上流の前記第1のガス流路に設けられた第4弁を備え、
前記制御器は、前記第1弁を開放しているとき、前記第3弁および前記第4弁をともに閉止する、請求項に記載の水素システム。
【請求項5】
前記第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の前記第1のガス流路に設けられた第3弁を備え、前記制御器は、前記第2弁を開放しているとき、前記第3弁を閉止する、請求項1に記載の水素システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は水素システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水素社会の普及に向けて、水素システムの開発が行われている。かかる水素システムとしては、水電解装置などの水素生成器と、水素生成器で生成された水素を貯蔵する水素貯蔵器とを備えるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の水素システムでは、水電解装置および貯蔵タンクがそれぞれ、筐体内の内壁で仕切られた二つの部屋のそれぞれに収納されており、各部屋内のそれぞれに水素センサおよび換気器などが設けられ、これらにより水素漏れ対策が行われている。
【0004】
また、水素は、メタンなどの化石燃料に比べて燃焼範囲が広いので、水素貯蔵タンクの異常に起因する水素着火が発生しないように取り扱いに注意が必要となる。
【0005】
例えば、特許文献2の水素貯蔵システムでは、水素貯蔵タンクの外殻の振動、熱、温度またはひずみが所定の範囲から外れた場合、水素貯蔵タンクの内部と外部とを通気する開閉部を開放することが提案されている。これにより、水素貯蔵タンク内の水素を外部に放出することで、水素貯蔵タンクの外殻の何等かの異常に起因する水素着火のリスクを軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-056397号公報
【文献】特開2016―94948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本開示の一態様の水素システムは、水素含有ガスを生成する生成器と、前記生成器で生成された水素含有ガスを貯蔵する貯蔵器と、前記生成器と前記貯蔵器とを接続する第1のガス流路と、前記生成器、前記貯蔵器および前記第1のガス流路を収納する筐体と、前記第1のガス流路から前記筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第2のガス流路と、前記第2のガス流路に設けられた第1弁と、前記貯蔵器から前記筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第3のガス流路と、前記第3のガス流路に設けられた第2弁と、前記第1弁および前記第2弁の少なくとも1つを開放させる制御器とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様の水素システムは、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態の第1実施例の水素システムの一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態の第1実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態の第2実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態の第3実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第3実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第4実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第5実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図10図10は、第6実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図11図11は、第7実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図12図12は、第8実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図13図13は、第8実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第9実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図15図15は、第9実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第9実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、第10実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図18図18は、第10実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、第11実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図20図20は、第11実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図21図21は、第12実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図22図22は、第12実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図23図23は、第13実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図24図24は、第13実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図25図25は、第14実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図26図26は、第15実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特許文献1記載の発明では、各部屋内で水素漏れの状態になった場合、ファンを動作させることで筐体内の水素を筐体外に放出させる。一般的に、筐体内で水素漏れが生じたときに、ファンを動作させて筐体内の水素濃度を可燃範囲未満になるまで低下させるのには、時間を要する。従って、水素漏れが生じたときに作業員がメンテナンスに着手するのに時間を要する。
【0012】
そこで、本開示の第1態様の水素システムは、水素含有ガスを生成する生成器と、生成器で生成された水素含有ガスを貯蔵する貯蔵器と、生成器と貯蔵器とを接続する第1のガス流路と、生成器、貯蔵器および第1のガス流路を収納する筐体と、第1のガス流路から筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第2のガス流路と、第2のガス流路に設けられた第1弁と、貯蔵器から筐体外に放出される水素含有ガスが流れる第3のガス流路と、第3のガス流路に設けられた第2弁と、第1弁および第2弁の少なくとも1つを開放する制御器とを備える。
【0013】
かかる構成により、本態様の水素システムは、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得る。
【0014】
本開示の第2態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する、少なくとも1つの検知器を備え、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁および第2弁の少なくとも1つを開放し、筐体外に水素含有ガスを放出させてもよい。
【0015】
例えば、第1弁および第2弁の開放を制御することで、第1のガス流路から優先的に水素含有ガスを筐体外に放出、第1のガス流路および貯蔵器からともに筐体外に水素含有ガスを放出、および貯蔵器から優先的に水素含有ガスを筐体外に放出を適宜選択することが可能になる。
【0016】
また、本態様の水素システムは、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路および第3のガス流路の少なくとも一方から、筐体外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0017】
本開示の第3態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁および第2弁のうち第1弁を優先的に開放してもよい。
【0018】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁および第2弁のうち第1弁を優先的に開放することで、第1弁を開放した後の水素漏れの検知に基づいて第2弁の開閉を適切に制御できる。
【0019】
本開示の第4態様の水素システムは、第3態様の水素システムにおいて、第1弁を開放後、所定時間内に少なくとも一つの検知器で水素漏れが検知されなくなると、制御器は、第2弁を開放しなくてもよい。
【0020】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁を開放後、所定時間内に水素漏れが検知されなくなった場合、第2弁を開放しないように制御することで、第1弁および第2弁を同時に開放する場合に比べて、筐体外に短時間で大量の水素含有ガスが放出されることを抑制できる。
【0021】
本開示の第5態様の水素システムは、第3態様または第4態様の水素システムにおいて、第1弁を開放後、所定時間後も少なくとも一つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第2弁を開放してもよい。
【0022】
つまり、本態様の水素システムは、第1弁を開放後、所定時間後も少なくとも一つの検知器で水素漏れが検知される場合、第2弁を開放するように制御することで、所定時間後に水素漏れ状態が続いている場合にのみ、貯蔵器から直接、筐体外に水素含有ガスを放出している。よって、本態様の水素システムは、所定時間後に、第2弁を開放することで、第2弁を開放しない場合に比べて水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0023】
本開示の第6態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第2弁をともに開放してもよい。
【0024】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁および第2弁を開放することにより、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得る。
【0025】
本開示の第7態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁および第2弁をともに開放してもよい。
【0026】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路および第3のガス流路の両方から筐体外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0027】
本開示の第8態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁を開放し、第2弁を閉止してもよい。
【0028】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁を開放することにより、従来に比べて、第1のガス流路内の水素含有ガスを筐体外に適切に放出させ得る。
【0029】
本開示の第9態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁を開放し、第2弁を閉止してもよい。
【0030】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路から筐体外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0031】
本開示の第10態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁を閉止し、第2弁を開放してもよい。
【0032】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第2弁を開放することにより、従来に比べて、貯蔵器内の水素含有ガスを筐体外に適切に放出させ得る。
【0033】
本開示の第11態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁を閉止し、第2弁を開放してもよい。
【0034】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第3のガス流路から筐体外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0035】
本開示の第12態様の水素システムは、第1態様から第11態様のいずれか一つの態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の第1のガス流路に設けられた第3弁を備え、制御器は、第1弁を開放しているとき、第3弁を閉止してもよい。
【0036】
第2のガス流路は、第1のガス流路より分岐して延伸しているので、第1のガス流路内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する配管の連結部などから筐体内に漏れる可能性がある。そこで、本態様の水素システムは、第1弁を開放しているとき、第3弁を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体内に漏れる水素含有ガス量を低減することができる。なお、このとき、第2弁が閉止状態であると、第3弁を閉止するにより、貯蔵器に存在する水素含有ガスが筐体外に放出されることを抑制することができる。
【0037】
本開示の第13態様の水素システムは、第12態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも上流の第1のガス流路に設けられた第4弁を備え、制御器は、第1弁を開放しているとき、第3弁を閉止し、第4弁を開放してもよい。
【0038】
第2のガス流路は、第1のガス流路より分岐して延伸しているので、第1のガス流路内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する配管の連結部などから筐体内に漏れる可能性がある。そこで、本態様の水素システムは、第1弁を開放しているとき、第3弁を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体内に漏れる水素含有ガス量を低減することができる。なお、このとき、第2弁が閉止状態であると、第3弁を閉止するにより、貯蔵器に存在する水素含有ガスが筐体外に放出されることを抑制することができる。
【0039】
本開示の第14態様の水素システムは、第12態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも上流の第1のガス流路に設けられた第4弁を備え、制御器は、第1弁を開放しているとき、第3弁および第4弁をともに閉止してもよい。
【0040】
第2のガス流路は、第1のガス流路より分岐して延伸しているので、第1のガス流路内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する配管の連結部などから筐体内に漏れる可能性がある。そこで、本態様の水素システムは、第1弁を開放しているとき、第3弁および第4弁を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体内への水素漏れを適切に停止することができる。なお、このとき、第2弁が閉止状態であると、第3弁を閉止するにより、貯蔵器に存在する水素含有ガスが筐体外に放出されることを抑制することができる。
【0041】
本開示の第15態様の水素システムは、第1態様から第11態様のいずれか一つの態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の第1のガス流路に設けられた第3弁を備え、制御器は、第2弁を開放しているとき、第3弁を閉止してもよい。
【0042】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第2弁を開放することにより、第3のガス流路から筐体外に直接、水素含有ガスを速やかに放出させることができる。また、このとき、第3弁を閉止することにより、例えば、操作者が、貯蔵器のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
【0043】
本開示の第16態様の水素システムは、第1態様から第11態様のいずれか一つの態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の第1のガス流路に設けられた第3弁と、第2のガス流路への分岐箇所よりも上流の前記第1のガス流路に設けられた第4弁と、第3弁および第4弁の間の第1のガス流路に第1継手および第2継手とを備え、第2のガス流路は、第1継手および第2継手の間の第1のガス流路より分岐していてもよい。
【0044】
第2のガス流路は、第1継手および第2継手の間の第1のガス流路より分岐して延伸しているので、第1のガス流路内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する第1継手および第2継手から筐体内に漏れる可能性がある。
【0045】
そこで、本態様の水素システムは、第3弁および第4弁の間の第1のガス流路に第1継手および第2継手を設けている。これにより、本態様の水素システムは、第1弁を開放させるとともに第3弁および第4弁を閉止することで、第1継手および第2継手から筐体内への水素漏れを適切に停止することができる。
【0046】
本開示の第17態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器は、第1のガス流路から漏れる水素を検知する第1検知器と、貯蔵器から漏れる水素を検知する第2検知器とを備え、第1検知器で水素漏れが検知され、第2検知器で水素漏れが検知されないとき、制御器は、第1弁を開放し、第2弁を閉止してもよい。
【0047】
第1検知器で水素漏れが検知され、第2検知器で水素漏れが検知されない場合は、第1のガス流路から筐体内に水素含有ガスが漏れている可能性が高い。よって、この場合、本態様の水素システムは、第1弁を開放し、第2弁を閉止することで、筐体外に放出される水素含有ガス量を低減することができる。具体的には、例えば、第1弁を開放する際に、第2のガス流路への分岐箇所と貯蔵器との間の第1のガス流路上に設けられた開閉弁を閉止すると、貯蔵器に存在する水素含有ガスが筐体外に放出されることを抑制することができる。なお、この開閉弁は、上記の第3弁であってもよい。
【0048】
本開示の第18態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、少なくとも1つの検知器は、第1のガス流路から漏れる水素を検知する第1検知器と、貯蔵器から漏れる水素を検知する第2検知器とを備え、第2検知器で水素漏れが検知され、第1検知器で水素漏れが検知されないとき、制御器は、第2弁を開放し、第1弁を閉止してもよい。
【0049】
第2検知器で水素漏れが検知され、第1検知器で水素漏れが検知されない場合、貯蔵器から筐体内に水素含有ガスが漏れている可能性が高い。よって、この場合、本態様の水素システムは、第2弁を開放し、第1弁を閉止することで、筐体外に放出される水素含有ガス量を低減することができる。具体的には、例えば、第2弁を開放する際に、第2のガス流路への分岐箇所と生成器との間の第1のガス流路上に設けられた開閉弁を閉止すると、生成器に存在する水素含有ガスが筐体外に放出されることを抑制することができる。なお、この開閉弁は、上記の第4弁であってもよい。
【0050】
本開示の第19態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、筐体内を換気する換気器を備え、制御器は、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、換気器を動作させてもよい。
【0051】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、換気器の動作により、筐体内の水素含有ガスを筐体外に放出することができる。
【0052】
本開示の第20態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、筐体内を換気する換気器を備え、制御器は、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、生成器での水素含有ガスの生成を停止するとともに、換気器を動作させてもよい。
【0053】
ここで、水素含有ガスを生成する生成器の運転時に換気器を動作させているとき、水素システムの運転を通常停止すると、この生成器の運転を停止するとともに換気器の動作も停止する。しかし、本態様の水素システムは、上記のとおり、少なくとも1つの検知器で水素漏れが検知されると、生成器での水素含有ガスの生成を停止するとともに、換気器を動作させている。すると、生成器の運転停止後において、換気器の動作により、筐体内の水素含有ガスを筐体外に放出することができる。
【0054】
ところで、特許文献1では、上記のとおり、筐体内で水素漏れが生じたときに操作者が復旧作業に着手するのに時間を要する。また、例えば、特許文献1-2には、メンテナンスなどに伴う装置内から筐体外への水素放出の際における水素昇圧のための昇圧器の役割について記載されていない。
【0055】
そこで、本開示の第21態様の水素システムは、第1態様から第20態様のいずれか一つの態様の水素システムにおいて、生成器で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第2のガス流路は、昇圧器よりも下流の第1のガス流路より分岐していてもよい。
【0056】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、第1弁および第2弁の開放状態および昇圧器の動作状態を適宜設定することで、生成器内および貯蔵器内の水素含有ガスを適時に、筐体外に放出可能になる。
【0057】
本開示の第22態様の水素システムは、第21態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁を開放しているときに、昇圧器を動作させてもよい。
【0058】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、第1弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により生成器内の水素含有ガスを、第2のガス流路を通じて筐体外に適切に放出させることができる。よって、操作者が、例えば、生成器のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
【0059】
本開示の第23態様の水素システムは、第14態様の水素システムにおいて、生成器で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第2のガス流路は、昇圧器よりも下流の第1のガス流路より分岐しており、制御器は、第1弁を開放し、第3弁および第4弁を閉止しているときに、昇圧器を動作させなくてもよい。
【0060】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁を開放しているにも拘わらず、第3弁を閉止する際には、生成器と第4弁との間に設けられた昇圧器を動作させない。これにより、昇圧器が破損する可能性を低減することができる。また、昇圧器の動作に必要な電力を削減することができる。
【0061】
水素システムのメンテナンスに伴う水素放出について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。例えば、水素システムの水素生成器のメンテナンスを行うとき、水素貯蔵器のメンテナンスが不要な場合があるので、水素システムの水素貯蔵器内の水素含有ガスを外部に放出すると、水素貯蔵器内の水素放出によるロスが発生する可能性がある。
【0062】
そこで、本開示の第24態様の水素システムは、第1態様から第23態様のいずれか一つの態様の水素システムにおいて、第2のガス流路への分岐箇所よりも下流の第1のガス流路に設けられた第3弁と、外部からの入力を受信する受信器と、を備え、制御器は、受信器で受信した入力に基づいて、第1弁および第2弁を開放する第1のモード、および、第2弁および第3弁を閉止し、第1弁を開放する第2のモードのいずれかを実行してもよい。
【0063】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、メンテナンスに伴う水素放出を従来よりも適切に行い得る。
【0064】
例えば、本態様の水素システムは、水素システムの生成器のメンテナンスを行うとき、制御器が、受信器で受信した入力に基づいて、第2弁および第3弁を閉止し、第1弁を開放する第2のモードを実行する。すると、貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁および第3弁で遮断するので、貯蔵器内の水素含有ガスが筐体外に放出されない。
【0065】
よって、本態様の水素システムは、水素システムの生成器のメンテナンスを行うとき、貯蔵器のメンテナンスが不要な場合、貯蔵器内の水素含有ガスを温存することができる。
【0066】
本開示の第25態様の水素システムは、第24態様の水素システムにおいて、生成器で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第2のガス流路は、昇圧器よりも下流の第1のガス流路より分岐しており、制御器は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器を動作させもよい。
【0067】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器の昇圧動作により生成器内の水素含有ガスを筐体外に適切に放出させることができる。
【0068】
本開示の第26態様の水素システムは、第24態様の水素システムにおいて、制御器は、受信器で受信した入力に基づいて、第1のモード、第2のモード、および第1弁および第3弁を閉止し、第2弁を開放する第3のモードのいずれかを実行してもよい。
【0069】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、操作者が、生成器および貯蔵器のいずれか一方、または、両方のメンテナンスを行うとき、制御器が、受信器で受信した入力に基づいて、第1のモード、第2のモードおよび第3のモードのいずれかを実行することで生成器内および/または貯蔵器内を筐体外へ水素放出可能な状態にすることができる。よって、操作者が、生成器および/または貯蔵器のメンテナンスを支障なく行うことができる。
【0070】
具体的には、生成器および貯蔵器の両方のメンテナンスを行うときは、第1のモードの実行により、生成器内および貯蔵器内が筐体外に連通する。これにより、生成器内および貯蔵器内の水素含有ガスが筐体外に放出可能になる。
【0071】
また、生成器のメンテナンスを行うときは、第2のモードの実行により、貯蔵器内と筐体外との間の連通が第2弁および第3弁で遮断するとともに、生成器内が筐体外に連通する。これにより、生成器内の水素含有ガスが筐体外に放出可能になる。
【0072】
また、貯蔵器のメンテナンスを行うときは、第3のモードの実行により、生成器内と筐体外との間の連通が第1弁および第3弁で遮断するとともに、貯蔵器内が筐体外に連通する。これにより、貯蔵器内の水素含有ガスが筐体外に放出可能になる。
【0073】
本開示の第27態様の水素システムは、第26態様の水素システムにおいて、生成器で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第2のガス流路は、昇圧器よりも下流の第1のガス流路より分岐しており、制御器は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器を動作させ、第3のモードにおいて、昇圧器を動作させなくてもよい。
【0074】
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器の昇圧動作により生成器内の水素含有ガスを筐体外に適切に放出させることができる。
【0075】
また、貯蔵器には、水素含有ガスが高圧状態で貯蔵される場合が多い。この場合、第3のモードにおいて、第1弁および第3弁を閉止した状態で、第2弁を開放すると、貯蔵器内のガス圧により貯蔵器内の水素含有ガスを筐体外に適切に放出させることができる。よって、本態様の水素システムは、第3のモードにおいて、昇圧器を動作させないことにより、昇圧器の動作に必要な電力を低減することができる。また、第3のモードにおいて、第1弁および第3弁を閉止する際に、生成器と第1弁および第3弁との間に設けられた昇圧器を動作させないことにより、昇圧器が破損する可能性を低減することができる。
【0076】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、上記の各態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
【0077】
動作においては、必要に応じて、各工程の順序などを変更できる。また、必要に応じて、他の公知の工程を追加できる。
【0078】
(第1実施形態)
[装置構成]
図1は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0079】
なお、図1において、[上]および[下]が同図の如く取られており、重力は、上から下に作用するものとする(他の図においても同じ)。
【0080】
図1に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14と、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、筐体19と、制御器50と、を備える。
【0081】
生成器11は、水素含有ガスを生成する装置である。生成器11は、水素含有ガスを生成することができれば、どのような構成であってもよい。水素含有ガスとして、例えば、メタンガスなどの改質反応により発生する改質ガス、水の電気分解により発生する水蒸気を含む水素ガスなどを挙げることができる。
【0082】
よって、生成器11として、例えば、水の電気分解により水素含有ガスを発生する水電解装置を挙げることができるが、これに限定されない。水電解装置は、例えば、太陽光などの再生可能エネルギーにより発電された電力を用いて、水素含有ガスを生成してもよい。また、水電解装置の水電解の方式は、いずれの種類であってもよい。水電解の方式として、例えば、アルカリ水電解、固体高分子形水電解、固体酸化物形水電解などを挙げることができる。
【0083】
なお、図示を省略するが、水電解装置で水素含有ガスを発生するのに必要な機器が適宜、設けられる。例えば、水電解装置に水を供給するための水ポンプ、水の電気分解により発生したプロトンを伝導するための電解質膜などが設けられていてもよい。また、電解質膜の主面のそれぞれに触媒層が設けられてもよい。そして、これらの触媒層の間に電圧を印加する電圧印加器が設けられていてもよい。
【0084】
貯蔵器12は、生成器11で生成された水素含有ガスを貯蔵する装置である。貯蔵器12は、生成器11で生成された水素含有ガスを貯蔵することができれば、どのような構成であってもよい。貯蔵器12として、例えば、タンクを挙げることができるが、これに限定されない。
【0085】
第1のガス流路13は、生成器11と貯蔵器12とを接続する流路である。つまり、第1のガス流路13では、生成器11から放出され、貯蔵器12に流入する水素含有ガスが流れている。これにより、生成器11で生成された水素含有ガスが、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0086】
筐体19は、生成器11、貯蔵器12および第1のガス流路13を収納する容器である。本例では、図1に示すように、生成器11および貯蔵器12のそれぞれが存在する空間を仕切るための内壁(仕切り壁)が筐体19内に設けられていない。
【0087】
第2のガス流路14は、第1のガス流路13から筐体19外に放出される水素含有ガスが流れる流路である。本例では、第2のガス流路14は、第1のガス流路13より分岐して筐体19にまで延伸している。なお、ここでは、第2のガス流路14の下流端は、筐体19の上面で接続しているが、これに限定されない。例えば、第2のガス流路14の下流端は、筐体19の側面で接続していてもよい。
【0088】
第1弁16は、第2のガス流路14に設けられている弁である。第1弁16として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
【0089】
第3のガス流路15は、貯蔵器12から筐体19外に放出される水素含有ガスが流れる流路である。本例では、第3のガス流路15は、貯蔵器12から筐体19にまで延伸している。なお、ここでは、第3のガス流路15の下流端は、筐体19の上面で接続しているが、これに限定されない。例えば、第3のガス流路15の下流端は、筐体19の側面で接続していてもよい。
【0090】
また、貯蔵器12には、貯蔵器12から放出され、水素利用機器(図示せず)に流入する水素含有ガスが流れる水素供給流路が設けられている。つまり、貯蔵器12に貯蔵された水素含有ガスは、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。よって、水素供給流路は、筐体19内から筐体19の壁部を通過して水素利用機器まで延伸している。
【0091】
なお、水素利用機器として、例えば、水素を燃料として発電する燃料電池を挙げることができる。また、図示を省略するが、水素システム100が、筐体19内において、上記の水素利用機器を備えてもよい。
【0092】
第2弁17は、第3のガス流路15に設けられている弁である。第2弁17として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
【0093】
制御器50は、第1弁16および第2弁17の少なくとも1つを開放する。例えば、水素含有ガスが存在する水素システム100の領域内から筐体19外に水素含有ガスを放出させる必要がある場合、第1弁16および第2弁17の少なくとも1つが開放される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16および第2弁17のうち、上記で開放された弁が閉止され、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0094】
制御器50は、制御機能を有するものであれば、どのような構成であってもよい。制御器50は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを挙げることができる。記憶回路として、例えば、メモリなどを挙げることができる。制御器50は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0095】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得る。
【0096】
例えば、第1弁16および第2弁17の開放を制御することで、第1のガス流路13から優先的に水素含有ガスを筐体19外に放出、第1のガス流路13および貯蔵器12からともに筐体19外に水素含有ガスを放出、および、貯蔵器12から優先的に水素含有ガスを筐体19外に放出を適宜選択することが可能になる。
【0097】
(第1実施例)
図2は、第1実施形態の第1実施例の水素システムの一例を示す図である。
【0098】
図2に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14と、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、検知器18と、筐体19と、制御器50と、を備える。
【0099】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第2のガス流路14、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0100】
検知器18は、筐体19内での水素漏れを検知するセンサである。検知器18は、筐体19内に設けられている。検知器18の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。本例では、筐体19内に、1つの検知器18が設けられている。なお、筐体19内に、2つの検知器が設けられている構成は、第8実施形態で説明する。
【0101】
ここで、検知器18は、筐体19内に存在する水素を検知するセンサであってもよい。この場合、検知器18は、筐体19内の水素を検知することができれば、どのような構成であってもよい。検知器18として、例えば、金属の多孔質焼結体に酸化触媒を含有させた接触燃焼式の水素センサを挙げることができる。なお、検知器18は、上記水素センサに限らず、筐体19内に漏れた水素を検知可能であれば、どのようなセンサであってもよい。例えば、筐体19内で水素漏れが発生すると、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路のガス圧が変化するので、検知器18として、かかる流路に設けられた圧力計(図示せず)を用いることもできる。つまり、検知器18は、この圧力計のように間接的に筐体19内に漏れた水素を検知するセンサであってもよい。なお、このような圧力計は、貯蔵器12の容器表面に設けられたひずみゲージにより代用できる場合があるが、詳細は後で説明する。
【0102】
以下、図面を参照しながら、本実施例の水素システム100の動作の一例を説明する。
【0103】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0104】
図3は、第1実施形態の第1実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0105】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0106】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。例えば、水素利用機器が燃料電池の場合、貯蔵器12から供給された水素含有ガス中の水素が燃料電池の燃料として利用され、燃料電池で発電が行われる。
【0107】
この状態で、ステップS101において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0108】
検知器18で水素漏れが検知されない場合(ステップS101で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0109】
検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS101で「Yes」の場合)、ステップS102で、第1弁16および第2弁17の少なくとも1つが開放される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0110】
以上により、例えば、第1弁16が開放されると、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出される。また、第2弁17が開放されると、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0111】
なお、ステップS101で使用される検知器18は、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。
【0112】
検知器18が、前者の水素センサである場合、筐体19内の空気中の水素濃度が、この水素センサで検知可能な水素濃度範囲内に入ることで筐体19内への水素漏れが検知されたと判定できる。
【0113】
検知器18が、後者の圧力計である場合、圧力計で検知された圧力が所定値以上、低下することで間接的に筐体19内への水素漏れが検知されたと判定できる。
【0114】
次に、ステップS103において、検知器18で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
【0115】
検知器18で水素漏れが検知される場合(ステップS103で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0116】
検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS103で「No」の場合)、ステップS104で、第1弁16および第2弁17が閉止される。例えば、ステップS102で、第1弁16のみを開放した場合は、ステップS104で、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0117】
なお、ステップS103で使用される検知器18は、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。
【0118】
圧力計であるときは、上記の流路内から水素含有ガスの流出が停止すると、ステップS103で水素漏れが検知されないと判定される。
【0119】
一方、検知器18が、水素センサである場合、筐体19内の空気中の水素濃度が、上記の水素濃度範囲内から、この範囲外に出ることで筐体19内への水素漏れが検知されなくなったと判定される。従って、この場合は、上記の流路内からの水素含有ガスの流出が停止した後に、図示しない換気器により筐体19内が換気された後、上記水素濃度範囲外になるので、圧力計の場合に比べ、ステップS103の判定において水素漏れが検知されないと判定されるまで、タイムラグが発生する可能性がある。
【0120】
また、検知器18が、後者の圧力計である場合、圧力計で検知される圧力Pが所定圧力Pmに至ることで間接的に筐体19内への水素漏れが検知されなくなったと判定できる。例えば、所定圧力Pmとして、大気圧(例えば、0.1MPa)に設定するとよい。つまり、圧力Pが大気圧になると、筐体19内の空間圧力(大気圧)と筐体19の水素含有ガスが存在する領域内の圧力との間の圧力差(以下、圧力差)による水素含有ガスの漏れは、起きないと判断してよい。ここでの所定圧力Pmは、例示であって、本例に限定されない。
【0121】
なお、水素システム100の運転中、貯蔵器12には水素含有ガスが高圧状態で充填されている場合が多い。よって、この場合、貯蔵器12の容器表面の水素含有ガス圧によるひずみ量が、圧力計で検知される圧力Pに相関する。このため、この圧力Pが所定圧力Pmに至ったかどうかの判定は、貯蔵器12の容器表面に設けられたひずみゲージのひずみ量で推定することもできる。
【0122】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本実施形態の水素システム100は、筐体19内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路14および第3のガス流路15の少なくとも一方から、筐体19外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0123】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
【0124】
(第2実施例)
本実施例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
【0125】
検知器18で水素漏れが検知されると、制御器50は、第1弁16および第2弁17を開放する。また、第1弁16および第2弁17を開放後、所定時間Tm内に検知器18で水素漏れが検知されなくなると、制御器50は、第1弁16および第2弁17を閉止する。
【0126】
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0127】
図4は、第1実施形態の第2実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0128】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0129】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0130】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0131】
この状態で、ステップS201において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0132】
検知器18で水素漏れが検知されない場合(ステップS201で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0133】
検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS201で「Yes」の場合)、ステップS202で、第1弁16および第2弁17が開放される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0134】
以上により、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出されるとともに、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0135】
なお、ステップS201で使用される検知器18は、ステップS101と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0136】
次に、ステップS203で、第1弁16および第2弁17が開放されてからの時間Tが、所定時間Tmを経過したか否かが判定される。
【0137】
時間Tが、所定時間Tmを経過した場合(ステップS203で「Yes」の場合)、ステップS204で、第1弁16および第2弁17が閉止される。なお、所定時間Tmは、第1弁16および第2弁17を開放することで、圧力差による筐体19内への水素含有ガスの漏れが起きないようなレベルにまで達するのに十分な時間に設定するとよい。所定時間Tmとして、例えば、約30分程度であってもよいが、これに限定されない。
【0138】
一方、時間Tが、所定時間Tmを経過していない場合(ステップS203で「No」の場合)、ステップS205に進み、ステップS205において、検知器18で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
【0139】
検知器18で水素漏れが検知される場合(ステップS205で「Yes」の場合)、ステップS203に戻って、ステップS203の判定が繰り返される。
【0140】
検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS205で「No」の場合)、ステップS204で、第1弁16および第2弁17が閉止される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0141】
なお、ステップS205で使用される検知器18は、ステップS103と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0142】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、第1弁16および第2弁17を開放することで、第2のガス流路14および第3のガス流路15から、筐体19外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0143】
また、第1弁16および第2弁17が開放されてからの時間Tが、所定時間Tmを経過していない早い段階でも、ステップS205で、検知器18で水素漏れが検知されるか否かを判定するので、筐体19内の水素漏れの状態を解消できたかどうかの確認を速やかに行い得る。なお、第1弁16および第2弁17が開放されてからの時間Tが、所定時間Tmを経過していない早い段階で、筐体19内の水素漏れを確認する必要が無い場合は、ステップS205は省略してもよい。
【0144】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様であってもよい。
【0145】
(第3実施例)
本実施例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
【0146】
検知器18で水素漏れが検知されると、制御器50は、第1弁16および第2弁17のうち第1弁16を優先的に開放する。また、第1弁16を開放後、所定時間Tm内に検知器18で水素漏れが検知されなくなると、制御器50は、第2弁17を開放しない。逆に、第1弁16を開放後、所定時間Tmの経過後も検知器18で水素漏れが検知されると、制御器50は、第2弁17を開放する。
【0147】
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0148】
図5は、第1実施形態の第3実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0149】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0150】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0151】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0152】
この状態で、ステップS301において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0153】
検知器18で水素漏れが検知されない場合(ステップS301で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0154】
検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS301で「Yes」の場合)、ステップS302で、第1弁16が開放され、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0155】
以上により、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0156】
なお、ステップS301で使用される検知器18は、ステップS101と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知は省略する。
【0157】
次に、ステップS303で、第1弁16が開放されてからの時間Tが、所定時間Tmを経過したか否かが判定される。
【0158】
時間Tが、所定時間Tmを経過していない場合(ステップS303で「No」の場合)、本例では、そのままの状態が維持されているが、これに限定されない。例えば、図示を省略するが、時間Tが、所定時間Tmを経過していない場合(ステップS303で「No」の場合)、図4のステップS205と同様の判定ステップが行われてもよい。この場合、第1弁16を開放後、所定時間Tm内に検知器18で水素漏れが検知されなくなると、第2弁17が開放されない。つまり、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。
【0159】
なお、所定時間Tmは、第1弁16を開放することで、圧力差による筐体19内への水素含有ガスの漏れが起きないようなレベルにまで達するのに十分な時間に設定するとよい。所定時間Tmとして、例えば、約30分程度であってもよいが、これに限定されない。
【0160】
時間Tが、所定時間Tmを経過した場合(ステップS303で「Yes」の場合)、ステップS304に進み、ステップS304において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0161】
検知器18で水素漏れが検知される場合(ステップS304で「Yes」の場合)、ステップS306で、第2弁17が開放され、第1弁16の開閉状態は、開放のまま維持される。その後、ステップS304に戻って、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0162】
一方、検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS304で「No」の場合)、ステップS305で、第1弁16および第2弁17が閉止される。例えば、ステップS306で、第2弁17が開放された場合は、ステップS305で、第1弁16および第2弁17の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わる。また、ステップS306で、第2弁17が開放されなかった場合は、ステップS305で、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0163】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、第1弁16および第2弁17のうち第1弁16を優先的に開放することで、第1弁16を開放した後の水素漏れの検知に基づいて第2弁17の開閉を適切に制御できる。
【0164】
具体的には、本実施例の水素システム100は、第1弁16を開放後、所定時間Tm内に水素漏れが検知されなくなった場合、第2弁17を開放しないように制御することで、第1弁16および第2弁17を同時に開放する場合に比べて、筐体19外に短時間で大量の水素含有ガスが放出されることを抑制できる。
【0165】
また、本実施例の水素システム100は、第1弁16を開放後、所定時間Tmの経過後も検知器18で水素漏れが検知される場合、第2弁17を開放するように制御することで、所定時間Tmの経過後に水素漏れ状態が続いている場合にのみ、貯蔵器12から直接、筐体19外に水素含有ガスを放出している。よって、本実施例の水素システム100は、所定時間Tmの経過後に、第2弁17を開放することで、第2弁17を開放しない場合に比べて水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0166】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第2実施例の水素システム100と同様であってもよい。
【0167】
(第2実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の水素システム100と同様である。
【0168】
制御器50は、第1弁16および第2弁17をともに開放する。例えば、第1のガス流路13内および貯蔵器12内から直接、筐体19外に水素含有ガスを放出するには、第1弁16および第2弁17を開放するとよい。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16および第2弁17を閉止することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0169】
なお、第1弁16および第2弁17をともに開放する必要性は、例えば、筐体19内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、実施例で説明する。
【0170】
これにより、本実施形態の水素システム100は、第1弁16および第2弁17を開放することにより、従来に比べて、装置内から筐体19外に水素含有ガスを適切に放出させ得る。
【0171】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例の水素システム100と同様であってもよい。
【0172】
(実施例)
本実施例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
【0173】
検知器18で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁16および第2弁17をともに開放する。
【0174】
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0175】
図6は、第2実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0176】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0177】
図6のステップS101およびステップS103は、図3のステップS101およびステップS103と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0178】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0179】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0180】
ここで、検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS101で「Yes」の場合)、ステップS102Aで、第1弁16および第2弁17が開放される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0181】
次に、検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS103で「No」の場合)、ステップS104Aで、第1弁16および第2弁17が閉止される。ステップS102Aで、第1弁16および第2弁17を開放しているので、ステップS104Aで、第1弁16および第2弁17の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わる。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0182】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本実施例の水素システム100は、筐体19内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路14および第3のガス流路15の両方から筐体19外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0183】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例および第2実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0184】
(第3実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の水素システム100と同様である。
【0185】
制御器50は、第1弁16を開放し、第2弁17を閉止する。例えば、第1のガス流路13内から直接、筐体19外に水素含有ガスを放出するには、第1弁16を開放するとともに第2弁17を閉止するとよい。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16を閉止することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0186】
なお、第1弁16を開放するとともに第2弁17を閉止する必要性は、例えば、筐体19内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、実施例で説明する。
【0187】
これにより、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放することにより、従来に比べて、第1のガス流路13内の水素含有ガスを筐体19外に適切に放出させ得る。
【0188】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例の水素システム100と同様であってもよい。
【0189】
(実施例)
本実施例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
【0190】
検知器18で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁16を開放し、第2弁17を閉止する。
【0191】
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0192】
図7は、第3実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0193】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0194】
図7のステップS101およびステップS103は、図3のステップS101およびステップS103と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0195】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0196】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0197】
ここで、検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS101で「Yes」の場合)、ステップS102Bで、第1弁16は開放され、第2弁17の開閉状態は閉止のまま維持される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0198】
次に、検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS103で「No」の場合)、ステップS104Bで、第1弁16および第2弁17が閉止される。ステップS102Bで、第1弁16を開放しているので、ステップS104Bで、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わる。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0199】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本実施例の水素システム100は、筐体19内で水素漏れが生じたときに、第2のガス流路14から筐体19外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0200】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例および第3実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0201】
(第4実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の水素システム100と同様である。
【0202】
制御器50は、第1弁16を閉止し、第2弁17を開放する。例えば、貯蔵器12内から直接、筐体19外に水素含有ガスを放出するには、第1弁16を閉止するとともに第2弁17を開放するとよい。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第2弁17を閉止することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0203】
なお、第1弁16を閉止するとともに第2弁17を開放する必要性は、例えば、筐体19内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、実施例で説明する。
【0204】
これにより、本実施形態の水素システム100は、第2弁17を開放することにより、従来に比べて、貯蔵器12内の水素含有ガスを筐体19外に適切に放出させ得る。
【0205】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例の水素システム100と同様であってもよい。
【0206】
(実施例)
本実施例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
【0207】
検知器18で水素漏れが検知されると、制御器は、第1弁16を閉止し、第2弁17を開放する。
【0208】
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0209】
図8は、第4実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0210】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0211】
図8のステップS101およびステップS103は、図3のステップS101およびステップS103と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0212】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0213】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0214】
ここで、検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS101で「Yes」の場合)、ステップS102Cで、第1弁16の開閉状態は閉止のまま維持され、第2弁17は開放される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0215】
次に、検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS103で「No」の場合)、ステップS104Cで、第1弁16および第2弁17が閉止される。ステップS102Cで、第2弁17を開放しているので、ステップS104Cで、第2弁17の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わる。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0216】
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べ、より適切に水素漏れの状態を解消し得る。つまり、本実施例の水素システム100は、筐体19内で水素漏れが生じたときに、第3のガス流路15から筐体19外に直接、水素含有ガスが放出されるので、従来に比べ、水素漏れの状態を速やかに解消できる。
【0217】
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例および第4実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0218】
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0219】
図9に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Aと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第3弁20と、筐体19と、制御器50と、を備える。
【0220】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0221】
第3弁20は、第2のガス流路14Aへの分岐箇所Gよりも下流の第1のガス流路13に設けられた弁である。つまり、第3弁20は、貯蔵器12と上記の分岐箇所Gとの間の第1のガス流路13に設けられている。第3弁20として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
【0222】
制御器50は、第1弁16を開放しているとき、第3弁20を閉止する。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16を閉止するとともに第3弁20を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0223】
ここで、第2のガス流路14Aは、第1のガス流路13より分岐して延伸しているので、第1のガス流路13内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する配管の連結部などから筐体19内に漏れる可能性がある。
【0224】
そこで、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放しているとき、第3弁20を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体19内に漏れる水素含有ガス量を低減することができる。なお、このとき、第2弁17が閉止状態であると、第3弁20を閉止するにより、貯蔵器12に存在する水素含有ガスが筐体19外に放出されることを抑制することができる。
【0225】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態および第4実施形態の実施例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0226】
(変形例)
本変形例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第5実施形態の水素システム100と同様である。
【0227】
制御器50は、第2弁17を開放しているとき、第3弁20を閉止する。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第2弁17を閉止するとともに第3弁20を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0228】
これにより、本変形例の水素システム100は、第2弁17を開放することにより、第3のガス流路15から筐体19外に直接、水素含有ガスを速やかに放出させることができる。また、このとき、第3弁20を閉止することにより、例えば、操作者が、貯蔵器12のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
【0229】
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例および第5実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0230】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0231】
図10に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Bと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第3弁20と、第4弁21と、筐体19と、制御器50と、を備える。
【0232】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第3弁20は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0233】
第4弁21は、第2のガス流路14Bへの分岐箇所Gよりも上流の第1のガス流路13に設けられた弁である。つまり、第4弁21は、生成器11と上記の分岐箇所Gとの間の第1のガス流路13に設けられている。第4弁21として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
【0234】
制御器50は、例えば、第1弁16を開放しているとき、第3弁20を閉止し、第4弁21を開放する。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16を閉止するとともに第3弁20を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0235】
また、制御器50は、例えば、第1弁16を開放しているとき、第3弁20および第4弁21をともに閉止する。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。その後、第1弁16を閉止するとともに第3弁20および第4弁21を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
【0236】
ここで、第2のガス流路14Aは、第1のガス流路13より分岐して延伸しているので、第1のガス流路13内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する配管の連結部などから筐体19内に漏れる可能性がある。
【0237】
そこで、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放しているとき、第3弁20を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体19内に漏れる水素含有ガス量を低減することができる。また、第1弁16を開放しているとき、第3弁20および第4弁21を閉止することで、上記の配管の連結部から筐体19内への水素漏れを適切に停止することができる。
【0238】
なお、上記の場合において、第2弁17が閉止状態であると、第3弁20を閉止するにより、貯蔵器12に存在する水素含有ガスが筐体19外に放出されることを抑制することができる。
【0239】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態および第5実施形態の変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0240】
(第7実施形態)
図11は、第7実施形態の実施例の水素システムの一例を示す図である。
【0241】
図11に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Cと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、筐体19と、第3弁20と、第4弁21と、第1継手23と、第2継手24と、制御器50と、を備える。
【0242】
生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17、筐体19、第3弁20および第4弁21は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0243】
第1継手23および第2継手24は、第3弁20および第4弁21の間の第1のガス流路13に設けられている。そして、第2のガス流路14Cは、第1継手23および第2継手24の間の第1のガス流路13より分岐している。具体的には、第1継手23は、第2のガス流路14Cへの分岐箇所Gと第3弁20との間の第1のガス流路13上に設けられている。第2継手24は、分岐箇所Gと第4弁21との間の第1のガス流路13上に設けられている。
【0244】
このような第1継手23および第2継手24は、第1のガス流路13を流れる水素含有ガスが漏れないように第1のガス流路13を締結し得るとともに、第1継手23および第2継手24で第1のガス流路13を切り離すことが可能なように構成されている。なお、第1継手23および第2継手24として、例えば、管継手を挙げることができるが、これに限定されない。
【0245】
ここで、第2のガス流路14Cは、第1継手23および第2継手24の間の第1のガス流路13より分岐して延伸しているので、第1のガス流路13内の水素含有ガスは、このような分岐経路を構成する第1継手23および第2継手24から筐体19内に漏れる可能性がある。
【0246】
そこで、第7実施形態の水素システム100は、第3弁20および第4弁21の間の第1のガス流路13に第1継手23および第2継手24を設けている。これにより、第1弁16を開放させるとともに第3弁20および第4弁21を閉止させることで、第1継手23および第2継手24から筐体19内への水素漏れを適切に停止することができる。
【0247】
第7実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例および第6実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0248】
(第8実施形態)
[装置構成]
図12は、第8実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0249】
図12に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14と、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第1検知器18Aと、第2検知器18Bと、筐体19と、制御器50と、を備える。
【0250】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第2のガス流路14、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0251】
第1検知器18Aは、第1のガス流路13から漏れる水素を検知するセンサである。また、第2検知器18Bは、貯蔵器12から漏れる水素を検知するセンサである。例えば、第1検知器18Aは、筐体19内の第1のガス流路13の近傍に設けられていてもよい。また、第2検知器18Bは、筐体19内の貯蔵器12の近傍に設けられていてもよい。
【0252】
第1検知器18Aおよび第2検知器18Bは、筐体19内の水素漏れを検知することができれば、どのような構成であってもよい。第1検知器18Aおよび第2検知器18Bの具体例は、第1実施形態の第1実施例の検知器18と同様であるので説明を省略する。
【0253】
第1検知器18Aで水素漏れが検知され、第2検知器18Bで水素漏れが検知されないとき、制御器50は、第1弁16を開放し、第2弁17を閉止する。
【0254】
第2検知器18Bで水素漏れが検知され、第1検知器18Aで水素漏れが検知されないとき、制御器50は、第2弁17を開放し、第1弁16を閉止する。
【0255】
[動作]
以下、図面を参照しながら、本実施形態の水素システム100の動作の一例を説明する。
【0256】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0257】
図13は、第8実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0258】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0259】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0260】
この状態で、ステップS501において、第1検知器18Aで水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0261】
第1検知器18Aで水素漏れが検知されない場合(ステップS501で「No」の場合)、ステップS502に進み、ステップS502において、第2検知器18Bで水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0262】
ここで、第2検知器18Bで水素漏れが検知されない場合(ステップS502で「No」の場合)、ステップS501に戻って、ステップS501の判定が繰り返される。
【0263】
逆に、第2検知器18Bで水素漏れが検知された場合(ステップS502で「Yes」の場合)、貯蔵器12から筐体19内に水素含有ガスが漏れている可能性が高いので、ステップS506で、第1弁16が閉止されるとともに、第2弁17が開放される。なお、水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されているので、ステップS506では、第2弁17の開閉状態が、閉止から開放へ切り替わるとともに、第1弁16の開閉状態は、閉止のまま維持される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0264】
以上より、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0265】
その後、ステップS507に進む。
【0266】
これに対して、第1検知器18Aで水素漏れが検知された場合(ステップS501で「Yes」の場合)、ステップS503に進み、ステップS503において、第2検知器18Bで水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0267】
ここで、第2検知器18Bで水素漏れが検知されない場合(ステップS503で「No」の場合)、第1のガス流路13から筐体19内に水素含有ガスが漏れている可能性が高いので、ステップS505で、第1弁16が開放されるとともに、第2弁17が閉止される。なお、水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されているので、ステップS505では、第1弁16の開閉状態が、閉止から開放へ切り替わるとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0268】
以上より、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0269】
その後、ステップS507に進む。
【0270】
逆に、第2検知器18Bで水素漏れが検知された場合(ステップS503で「Yes」の場合)、第1のガス流路13および貯蔵器12から筐体19内に水素含有ガスが漏れている可能性が高いので、ステップS504で、第1弁16および第2弁17が開放される。なお、水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されているので、ステップS504では、第1弁16および第2弁17の開閉状態が、閉止から開放へ切り替わる。このとき、生成器11の動作を停止してもよい。
【0271】
以上により、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出されるとともに、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0272】
その後、ステップS507に進む。
【0273】
なお、ステップS501で使用される第1検知器18A、および、ステップS502とステップS503で使用される第2検知器18Bは、ステップS101と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、第1検知器18Aおよび第2検知器18Bによる水素検知の詳細な説明は省略する。
【0274】
次に、ステップS507において、第1検知器18Aおよび第2検知器18Bで水素漏れが検知されるか否かが判定される。
【0275】
第1検知器18Aおよび第2検知器18Bのいずれかで、水素漏れが検知される場合(ステップS507で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0276】
第1検知器18Aおよび第2検知器18Bの両方で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS507で「No」の場合)、ステップS508で、第1弁16および第2弁17が閉止される。例えば、ステップS504で、第1弁16および第2弁17を開放した場合は、ステップS508で、第1弁16および第2弁17の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わる。ステップS505で、第1弁16を開放し、第2弁17を閉止した場合は、ステップS508で、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。ステップS506で、第1弁16を閉止し、第2弁17を開放した場合は、ステップS508で、第2弁17の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるとともに、第1弁16の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0277】
なお、ステップS507で使用される第1検知器18Aおよび第2検知器18Bは、ステップS103と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、第1検知器18Aおよび第2検知器18Bによる水素検知の詳細な説明は省略する。
【0278】
以上のとおり、第1検知器18Aで水素漏れが検知され、第2検知器18Bで水素漏れが検知されない場合は、第1のガス流路13から筐体19内に水素含有ガスが漏れている可能性が高い。よって、この場合、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放し、第2弁17を閉止することで、筐体19外に放出される水素含有ガス量を低減することができる。具体的には、例えば、第1弁16を開放する際に、第2のガス流路14への分岐箇所Gと貯蔵器12との間の第1のガス流路13上に設けられた開閉弁を閉止すると、貯蔵器12に存在する水素含有ガスが筐体19外に放出されることを抑制することができる。なお、この開閉弁は、図10の第3弁20であってもよい。
【0279】
また、第2検知器18Bで水素漏れが検知され、第1検知器18Aで水素漏れが検知されない場合、貯蔵器12から筐体19内に水素含有ガスが漏れている可能性が高い。よって、この場合、本実施形態の水素システム100は、第2弁17を開放し、第1弁16を閉止することで、筐体19外に放出される水素含有ガス量を低減することができる。具体的には、例えば、第2弁17を開放する際に、第2のガス流路14への分岐箇所Gと生成器11との間の第1のガス流路13上に設けられた開閉弁を閉止すると、生成器11に存在する水素含有ガスが筐体19外に放出されることを抑制することができる。なお、この開閉弁は、図10の第4弁21であってもよい。
【0280】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第7実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図12では、第1のガス流路13の第3弁20および第4弁21(図10参照)を示していないが、このような第3弁20および第4弁21を、図12の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図12では、第1のガス流路13の第1継手23および第2継手24(図11参照)を示していないが、このような第1継手23および第2継手24を、図12の水素システム100に設けてもよい。
【0281】
(第9実施形態)
[装置構成]
図14は、第9実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0282】
図14に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14と、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、検知器18と、筐体19と、換気器30と、制御器50と、を備える。
【0283】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第2のガス流路14、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。検知器18は、第1実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0284】
換気器30は、筐体19内を換気する装置である。換気器30は、筐体19内を換気することができれば、どのような構成であってもよい。例えば、換気器30は、筐体19の壁部に設けられており、筐体19内の空気を排出して、筐体19の壁部に設けられた給気口(図示せず)から流入する外気で入れ替えることができる一般的な換気装置であってもよい。換気器30として、例えば、軸流タイプのファンモータを挙げることができるが、これに限定されない。
【0285】
制御器50は、検知器18で水素漏れが検知されると、換気器30を動作させる。
【0286】
[動作]
以下、図面を参照しながら、本実施形態の水素システム100の動作の一例を説明する。
【0287】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0288】
図15は、第9実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0289】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0290】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0291】
この状態で、ステップS601において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0292】
検知器18で水素漏れが検知されない場合(ステップS601で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0293】
検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS601で「Yes」の場合)、ステップS602で第1弁16および第2弁17の少なくとも1つが開放され、ステップS603で換気器30を動作(ON)させる。これにより、筐体19内の水素を含有する空気が筐体19外に放出され、給気口からの外気が筐体19内に流入する。また、例えば、第1弁16が開放されると、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出される。また、第2弁17が開放されると、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0294】
検知器18で水素漏れが検知された後だけでなく、検知器18で水素漏れが検知される前においても換気器30を動作させてもよい。
【0295】
なお、ステップS601で使用される検知器18は、ステップS101と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0296】
次に、ステップS604において、検知器18で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
【0297】
検知器18で水素漏れが検知される場合(ステップS604で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0298】
検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS604で「No」の場合)、ステップS605で第1弁16および第2弁17が閉止され、ステップS606で換気器30の動作が停止される。例えば、ステップS602で、第1弁16のみを開放した場合は、ステップS605で、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0299】
なお、ステップS604で使用される検知器18は、ステップS103と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0300】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、検知器18で水素漏れが検知されると、換気器30を動作させている。すると、換気器30の動作により、筐体19内に漏れた水素含有ガスを筐体19外に放出することができる。
【0301】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例および第6実施形態-第8実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図14では、第1のガス流路13の第3弁20および第4弁21(図10参照)を示していないが、このような第3弁20および第4弁21を、図14の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図14では、第1のガス流路13の第1継手23および第2継手24(図11参照)を示していないが、このような第1継手23および第2継手24を、図14の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図14の検知器18が、第1検知器18Aおよび第2検知器18B(図12参照)を備えてもよい。
【0302】
(変形例)
第9実施形態の変形例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第9実施形態の水素システム100と同様である。
【0303】
制御器50は、検知器18で水素漏れが検知されると、生成器11での水素含有ガスの生成を停止するとともに、換気器30を動作させる。
【0304】
以下、本変形例の水素システム100の動作の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0305】
図16は、第9実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0306】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0307】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0308】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0309】
この状態で、ステップS701において、検知器18で水素漏れが検知されたか否かが判定される。
【0310】
検知器18で水素漏れが検知されない場合(ステップS701で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0311】
検知器18で水素漏れが検知された場合(ステップS701で「Yes」の場合)、ステップS702で第1弁16および第2弁17の少なくとも1つが開放され、ステップS703で生成器11の運転が停止され、ステップS704で換気器30を動作(ON)させる。これにより、筐体19内の水素を含有する空気が筐体19外に放出され、給気口からの外気が筐体19内に流入する。また、例えば、第1弁16が開放されると、第2のガス流路14を通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスが放出される。また、第2弁17が開放されると、第3のガス流路15を通じて、貯蔵器12から筐体19外に水素含有ガスが放出される。
【0312】
検知器18で水素漏れが検知された後だけでなく、検知器18で水素漏れが検知される前の生成器11の運転時においても換気器30を動作させてもよい。
【0313】
ここで、生成器11の運転時に換気器30を動作させているとき、水素システム100の運転を通常停止すると、生成器11の運転を停止するとともに換気器30の動作も停止する。これに対して、本例の如く、検知器18で水素漏れが検知された場合には、生成器11の運転を停止しても、換気器30を動作させる。つまり、水素システム100の運転の通常停止時は、水素漏れ検知による水素システム100の運転の異常停止時に比べ、生成器11の運転停止後の換気器30の換気量が少ない。なお、水素システム100の運転の通常停止時における換気器30の動作の停止タイミングは、生成器11の運転停止と同時であってもよいし、生成器11の運転停止に対して前後してもよい。
【0314】
なお、ステップS701で使用される検知器18は、ステップS101と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0315】
次に、ステップS705において、検知器18で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
【0316】
検知器18で水素漏れが検知される場合(ステップS705で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0317】
検知器18で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS705で「No」の場合)、ステップS706で第1弁16および第2弁17が閉止され、ステップS707で換気器30の動作が停止される。例えば、ステップS702で、第1弁16のみを開放した場合は、ステップS706で、第1弁16の開閉状態が、開放から閉止へ切り替わるとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0318】
なお、ステップS705で使用される検知器18は、ステップS103と同様、筐体19内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体19内の水素含有ガスが存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。よって、検知器18による水素検知の詳細な説明は省略する。
【0319】
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、検知器18で水素漏れが検知されると、生成器11での水素含有ガスの生成を停止するとともに、換気器30を動作させている。すると、生成器11の運転停止後において、換気器30の動作により、筐体19内に漏れた水素含有ガスを筐体19外に放出することができる。
【0320】
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例および第6実施形態-第9実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0321】
(第10実施形態)
図17は、第10実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0322】
図17に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Dと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、筐体19と、昇圧器40と、制御器50と、を備える。
【0323】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0324】
昇圧器40は、生成器11で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器12に供給する装置である。
【0325】
そして、制御器50は、第1弁16が開放しているときに、昇圧器40を動作させる。
【0326】
昇圧器40は、生成器11で生成された水素含有ガスを昇圧して、貯蔵器12に供給することができれば、どのような構成であってもよい。昇圧器40は、例えば、固体高分子膜による電気化学式の昇圧装置であってもよいし、機械式の昇圧装置であってもよい。いすれの昇圧装置も公知であるので詳細な説明を省略する。
【0327】
また、本実施形態の水素システム100では、第2のガス流路14Dは、昇圧器40よりも下流の第1のガス流路13より分岐している流路である。つまり、第2のガス流路14Dの上流端は、昇圧器40と貯蔵器12の間の第1のガス流路13に接続されている。
【0328】
以上により、本実施形態の水素システム100は、例えば、第1弁16の開放状態および昇圧器40の動作状態を適宜設定することで、生成器11内および貯蔵器12内の水素含有ガスを適時に、筐体19外に放出可能になる。
【0329】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0330】
図18は、第10実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0331】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0332】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、昇圧器40で昇圧されて、貯蔵器12に供給される。第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給された高圧状態の水素含有ガスは、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0333】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0334】
ここで、ステップS801において、第1弁16が開放される。なお、図示を省略するが、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持されてもよいし、開放されてもよい。また、ステップS801において、第1弁16が開放しているときに、昇圧器40を動作させる(ON)。このとき、生成器11の動作を停止させる。
【0335】
水素システム100の運転中、第1弁16を閉止するとともに、昇圧器40を動作させているので、ステップS801では、第1弁16の開閉状態を閉止から開放へ切り替えるとともに、昇圧器40の動作状態をそのまま維持する。これにより、第2のガス流路14Dを通じて、第1のガス流路13から筐体19外に水素含有ガスを放出させ得る。また、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを第2のガス流路14Dに送ることができる。
【0336】
次に、ステップS802において、第1弁16が閉止される。また、ステップS802において、昇圧器40の動作が停止される(OFF)。ステップS801で、第1弁16を開放するとともに、昇圧器40を動作させているので、ステップS802では、第1弁16の開閉状態を開放から閉止へ切り替えるとともに、昇圧器40の動作状態をオンからオフにする。なお、図示を省略するが、ステップS801において、第2弁17を開放した場合は、ステップS802で、第2弁17の開閉状態を開放から閉止に切り替える。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0337】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放する際に、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Dを通じて筐体19外に適切に放出させることができる。よって、操作者が、例えば、生成器11のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
【0338】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態および第9実施形態の変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0339】
(第11実施形態)
図19は、第11実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0340】
図19に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Eと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第3弁20と、第4弁21と、筐体19と、昇圧器40と、制御器50と、を備える。
【0341】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第3弁20は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。第4弁21は、第6実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器40は、第10実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0342】
本実施形態の水素システム100では、第2のガス流路14Eは、昇圧器40よりも下流の第1のガス流路13より分岐している流路である。つまり、昇圧器40は、第2のガス流路14Aへの分岐箇所Gよりも上流の第4弁21と生成器11との間の第1のガス流路13に設けられている。
【0343】
制御器50は、第1弁16を開放し、第3弁20および第4弁21を閉止しているときに、昇圧器40を動作させない。
【0344】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0345】
図20は、第11実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0346】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0347】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止され、第3弁20および第4弁21は開放されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、昇圧器40で昇圧されて、貯蔵器12に供給される。第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給された高圧状態の水素含有ガスは、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0348】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0349】
ここで、ステップS901において、第1弁16が開放され、第3弁20および第4弁21が閉止される。また、ステップS901において、第1弁16を開放し、第3弁20および第4弁21を閉止しているときに、昇圧器40の動作させない(OFF)。つまり、昇圧器40の動作を停止させる。このとき、生成器11の動作も停止させる。
【0350】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17を閉止し、第3弁20および第4弁21を開放するとともに、昇圧器40を動作させているので、ステップS901では、第1弁16の開閉状態を閉止から開放に切り替え、第3弁20および第4弁21の開閉状態を開放から閉止へ切り替えるとともに、昇圧器40の動作状態をオンからオフにする。なお、図示を省略するが、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持されてもよいし、開放されてもよい。仮に、第2弁17を開放すると、第3のガス流路15を通じて筐体19外に、貯蔵器12内の水素含有ガスを放出させ得る。また、図20のステップS901では、第3弁20を閉止したが、第3弁20の開閉状態は、開放のまま維持されてもよい。
【0351】
次に、ステップS902において、第1弁16が閉止され、第3弁20および第4弁21が開放される。また、ステップS902において、昇圧器40を動作させない(OFF)。ステップS901で、第1弁16を開放、第3弁20および第4弁21を閉止するとともに、昇圧器40の動作を停止しているので、ステップS902では、第1弁16の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第3弁20および第4弁21の開閉状態を閉止から開放に切り替えるとともに、昇圧器40の動作状態をそのまま維持する。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0352】
以上にとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁16を開放しているにも拘わらず、第4弁21を閉止する際には、生成器11と第4弁21との間に設けられた昇圧器40を動作させない。これにより、昇圧器40が破損する可能性を低減することができる。また、昇圧器40の動作に必要な電力を削減することができる。
【0353】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0354】
(第12実施形態)
図21は、第12実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0355】
図21に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Aと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第3弁20と、筐体19と、受信器60と、制御器50と、を備える。
【0356】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第3弁20および第2のガス流路14Aは、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0357】
受信器60は、外部からの入力を受信する装置である。
【0358】
そして、制御器50は、受信器60で受信した入力に基づいて、第1弁16および第2弁17を開放する第1のモード、および、第2弁17および第3弁20を閉止し、第1弁16を開放する第2のモードのいずれかを実行する。
【0359】
ここで、受信器60は、外部入力を受信することができれば、どのような構成であってもよい。
【0360】
例えば、受信器60として、タッチパネルなどの操作器を挙げることができる。この場合、操作器の画面上には、第1のモードおよび第2のモードのそれぞれを実行するための入力部がそれぞれ設けられ、操作者が画面上の入力部のうちのいずれかをタッチすることで、操作器において、第1のモードおよび第2のモードのいずれかを実行するための外部入力が受信される。
【0361】
また、例えば、受信器60として、無線の通信機器を挙げることもできる。この場合、操作者が、情報携帯端末(例えば、スマートフォン)を操作することで、通信機器において、第1のモードおよび第2のモードのいずれかを実行するための外部入力が、無線通信により受信される。
【0362】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0363】
図22は、第12実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0364】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0365】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止され、第3弁20は開放されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0366】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0367】
ここで、水素システム100のメンテナンスが行われるとき、図22に示すように、ステップS1001で、受信器60が、第1のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0368】
受信器60が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1001で「Yes」の場合)、ステップS1002で、第1弁16および第2弁17を開放する。なお、図示を省略するが、第3弁20の開閉状態は、開放のまま維持されてもよいし、閉止されてもよい。
【0369】
すると、第1のモードの実行により、生成器11内および貯蔵器12内が筐体19外(例えば、大気中)に連通する。これにより、生成器11内および貯蔵器12内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Aおよび第3のガス流路15を通じて筐体19外に放出可能になる。
【0370】
次に、ステップS1003で、受信器60がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0371】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1003で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0372】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1003で「Yes」の場合)、ステップS1004で、第1弁16および第2弁17を閉止する。なお、図示を省略するが、ステップS1002において、第3弁20を閉止した場合は、ステップS1004で、第3弁20の開閉状態を閉止から開放に切り替える。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0373】
ステップS1001で、受信器60が、第1のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1001で「No」の場合)、ステップS1005に進み、ステップS1005で、受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0374】
受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1005で「No」の場合)、ステップS1001に戻り、適時に、ステップS1001の判定動作が行われる。
【0375】
受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1005で「Yes」の場合)、ステップS1006で、第1弁16を開放し、第3弁20を閉止するとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。すると、第2のモードの実行により、貯蔵器12内と筐体19外との間の連通が第2弁17および第3弁20で遮断するとともに、生成器11内が筐体19外に連通する。これにより、生成器11内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Aを通じて筐体19外に放出可能になる。
【0376】
次に、ステップS1007で、受信器60がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0377】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1007で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0378】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1007で「Yes」の場合)、ステップS1008で、第1弁16を閉止し、第3弁20を開放するとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0379】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、メンテナンスに伴う水素放出を従来よりも適切に行い得る。
【0380】
例えば、本実施形態の水素システム100は、水素システム100の生成器11のメンテナンスを行うとき、制御器50が、受信器60で受信した入力に基づいて、第2弁17および第3弁20を閉止し、第1弁16を開放する第2のモードを実行する。すると、貯蔵器12内と筐体19外との間の連通を第2弁17および第3弁20で遮断するので、貯蔵器12内の水素含有ガスが筐体19外に放出されない。
【0381】
よって、本実施形態の水素システム100は、水素システム100の生成器11のメンテナンスを行うとき、貯蔵器12のメンテナンスが不要な場合、貯蔵器12内の水素含有ガスを温存することができる。
【0382】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態-第11実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0383】
(第13実施形態)
図23は、第13実施形態の水素システムの一例を示す図である。
【0384】
図23に示す例では、水素システム100は、生成器11と、貯蔵器12と、第1のガス流路13と、第2のガス流路14Eと、第3のガス流路15と、第1弁16と、第2弁17と、第3弁20と、筐体19と、昇圧器40と、受信器60と、制御器50と、を備える。
【0385】
ここで、生成器11、貯蔵器12、第1のガス流路13、第3のガス流路15、第1弁16、第2弁17および筐体19は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第3弁20は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器40は、第10実施形態と同様であるので説明を省略する。第2のガス流路14Eは、第11実施形態と同様であるので説明を省略する。受信器60は、第12実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0386】
制御器50は、第1弁16および第2弁17を開放する第1のモード、および、第2弁17および第3弁20を閉止し、第1弁16を開放する第2のモードにおいて、昇圧器40を動作させる。
【0387】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0388】
図24は、第13実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0389】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0390】
ここで、図24のステップS1101、ステップS1103、ステップS1105およびステップS1107は、図22のステップS1001、ステップS1003、ステップS1005およびステップS1007と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0391】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止され、第3弁20は開放されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、昇圧器40で昇圧されて、貯蔵器12に供給される。第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給された高圧状態の水素含有ガスは、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0392】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0393】
ここで、受信器60が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1101で「Yes」の場合)、ステップS1102で、第1弁16および第2弁17を開放するとともに、昇圧器40を動作させる(ON)。なお、図示を省略するが、第3弁20の開閉状態は、開放のまま維持されてもよいし、閉止されてもよい。
【0394】
すると、第1のモードの実行により、生成器11内および貯蔵器12内が筐体19外(例えば、大気中)に連通する。これにより、生成器11内および貯蔵器12内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Eおよび第3のガス流路15を通じて筐体19外に放出可能になる。また、第1のモードにおいて、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを第2のガス流路14Eに流通させることができる。
【0395】
そして、受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1103で「Yes」の場合)、ステップS1104で、第1弁16および第2弁17を閉止するとともに、昇圧器40の動作を停止させる(OFF)。なお、図示を省略するが、ステップS1102において、第3弁20を閉止した場合は、ステップS1104で、第3弁20の開閉状態を閉止から開放に切り替える。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0396】
また、受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1105で「Yes」の場合)、ステップS1106で、第1弁16を開放し、第3弁20を閉止するとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。また、昇圧器40を動作させる(ON)。すると、第2のモードの実行により、貯蔵器12内と筐体19外との間の連通が第2弁17および第3弁20で遮断するとともに、生成器11内が筐体19外に連通する。これにより、生成器11内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Eを通じて筐体19外に放出可能になる。また、第2のモードにおいて、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを第2のガス流路14Eに流通させることができる。
【0397】
そして、受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1107で「Yes」の場合)、ステップS1108で、第1弁16を閉止し、第3弁20を開放するとともに、第2弁17の開閉状態は、閉止のまま維持される。また、昇圧器40の動作を停止させる(OFF)。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0398】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを、第2のガス流路14Eを通じて筐体19外に適切に放出させることができる。
【0399】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態-第12実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0400】
(第14実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第12実施形態の水素システム100と同様である。
【0401】
制御器50は、受信器60で受信した入力に基づいて、第1弁16および第2弁17を開放する第1のモード、第2弁17および第3弁20を閉止し、第1弁16を開放する第2のモード、および第1弁16および第3弁20を閉止し、第2弁17を開放する第3のモードのいずれかを実行する。
【0402】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0403】
図25は、第14実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0404】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0405】
ここで、図25のステップS1201、ステップS1202、ステップS1203、ステップS1204、ステップS1206、ステップS1207およびステップS1208は、図22のステップS1001、ステップS1002、ステップS1003、ステップS1004、ステップS1006、ステップS1007およびステップS1008と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0406】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止され、第3弁20は開放されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給され、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0407】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0408】
ステップS1205で、受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1205で「No」の場合)、ステップS1209に進み、ステップS1209で、受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0409】
受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1209で「No」の場合)、ステップS1201に戻り、適時に、ステップS1201の判定動作が行われる。
【0410】
受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1209で「Yes」の場合)、ステップS1210で、第2弁17を開放し、第3弁20を閉止するとともに、第1弁16の開閉状態は、閉止のまま維持される。すると、第3のモードの実行により、生成器11内と筐体19外との間の連通が第1弁16および第3弁20で遮断するとともに、貯蔵器12内が筐体19外に連通する。これにより、貯蔵器12内の水素含有ガスを、第3のガス流路15を通じて筐体19外に放出可能になる。
【0411】
次に、ステップS1211で、受信器60がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0412】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1211で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0413】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1211で「Yes」の場合)、ステップS1212で、第2弁17を閉止し、第3弁20を開放するとともに、第1弁16の開放状態は、閉止のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0414】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、操作者が、生成器11および貯蔵器12のいずれか一方、または、両方のメンテナンスを行うとき、制御器50が、受信器60で受信した入力に基づいて、第1のモード、第2のモードおよび第3のモードのいずれかを実行することで生成器11内および/または貯蔵器12内を筐体19外へ水素放出可能な状態にすることができる。よって、操作者が、生成器11および/または貯蔵器12のメンテナンスを支障なく行うことができる。
【0415】
具体的には、生成器11および貯蔵器12の両方のメンテナンスを行うときは、第1のモードの実行により、生成器11内および貯蔵器12内が筐体19外に連通する。これにより、生成器11内および貯蔵器12内の水素含有ガスが筐体19外に放出可能になる。
【0416】
また、生成器11のメンテナンスを行うときは、第2のモードの実行により、貯蔵器12内と筐体19外との間の連通が第2弁17および第3弁20で遮断するとともに、生成器11内が筐体19外に連通する。これにより、生成器11内の水素含有ガスが筐体19外に放出可能になる。
【0417】
また、貯蔵器12のメンテナンスを行うときは、第3のモードの実行により、生成器11内と筐体19外との間の連通が第1弁16および第3弁20で遮断するとともに、貯蔵器12内が筐体19外に連通する。これにより、貯蔵器12内の水素含有ガスが筐体19外に放出可能になる。
【0418】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態-第13実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0419】
(第15実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第13実施形態の水素システム100と同様である。
【0420】
制御器50は、第1弁16および第2弁17を開放する第1のモードおよび第2弁17および第3弁20を閉止し、第1弁16を開放する第2のモードにおいて、昇圧器40を動作させ、第1弁16および第3弁20を閉止し、第2弁17を開放する第3のモードにおいて、昇圧器40を動作させない。
【0421】
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
【0422】
図26は、第15実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0423】
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
【0424】
ここで、図26のステップS1301、ステップS1302、ステップS1303、ステップS1304、ステップS1306、ステップS1307およびステップS1308は、図24のステップS1101、ステップS1102、ステップS1103、ステップS1104、ステップS1106、ステップS1107およびステップS1108と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0425】
水素システム100の運転中、第1弁16および第2弁17は閉止され、第3弁20は開放されている。そして、水素システム100の運転中、生成器11で生成された水素含有ガスは、昇圧器40で昇圧されて、貯蔵器12に供給される。第1のガス流路13を通じて貯蔵器12に供給された高圧状態の水素含有ガスは、貯蔵器12において一時的に貯蔵される。
【0426】
貯蔵器12で貯蔵された水素含有ガスは、適時に、水素供給流路を通じて水素利用機器に供給される。すると、水素利用機器で水素含有ガス中の水素が利用される。
【0427】
ステップS1305で、受信器60が、第2のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1305で「No」の場合)、ステップS1309に進み、ステップS1309で、受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0428】
受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1309で「No」の場合)、ステップS1301に戻り、適時に、ステップS1301の判定動作が行われる。
【0429】
受信器60が、第3のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1309で「Yes」の場合)、ステップS1310で、第2弁17を開放し、第3弁20を閉止するとともに、第1弁16の開閉状態は、閉止のまま維持される。また、第2弁17を開放、第1弁16および第3弁20を閉止しているときに、昇圧器40の動作させない(OFF)。つまり、昇圧器40の動作を停止させる。すると、第3のモードの実行により、生成器11内と筐体19外との間の連通が第1弁16および第3弁20で遮断するとともに、貯蔵器12内が筐体19外に連通する。これにより、貯蔵器12内の水素含有ガスを、第3のガス流路15を通じて筐体19外に放出可能になる。
【0430】
次に、ステップS1311で、受信器60がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
【0431】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1311で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
【0432】
受信器60が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1311で「Yes」の場合)、ステップS1312で、第2弁17を閉止し、第3弁20を開放するとともに、第1弁16の開放状態は、閉止のまま維持される。また、昇圧器40の動作状態はオフのまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
【0433】
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器40の昇圧動作により生成器11内の水素含有ガスを筐体19外に適切に放出させることができる。
【0434】
また、貯蔵器12には、水素含有ガスが高圧状態で貯蔵される場合が多い。この場合、第3のモードにおいて、第1弁16および第3弁20を閉止した状態で、第2弁17を開放すると、貯蔵器12内のガス圧により貯蔵器12内の水素含有ガスを筐体19外に適切に放出させることができる。よって、本実施形態の水素システム100は、第3のモードにおいて、昇圧器40を動作させないことにより、昇圧器40の動作に必要な電力を低減することができる。また、第3のモードにおいて、第1弁16および第3弁20を閉止する際に、生成器11と第1弁16および第3弁20との間に設けられた昇圧器40を動作させないことにより、昇圧器40が破損する可能性を低減することができる。
【0435】
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態-第14実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
【0436】
なお、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第3実施形態の実施例、第4実施形態、第4実施形態の実施例、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態-第9実施形態、第9実施形態の変形例および第10実施形態-第15実施形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
【0437】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0438】
本開示の一態様は、従来に比べて、装置内から筐体外に水素含有ガスを適切に放出させ得る水素システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0439】
11 :生成器
12 :貯蔵器
13 :第1のガス流路
14 :第2のガス流路
14A :第2のガス流路
14B :第2のガス流路
14C :第2のガス流路
14D :第2のガス流路
14E :第2のガス流路
15 :第3のガス流路
16 :第1弁
17 :第2弁
18 :検知器
18A :第1検知器
18B :第2検知器
19 :筐体
20 :第3弁
21 :第4弁
23 :第1継手
24 :第2継手
30 :換気器
40 :昇圧器
50 :制御器
60 :受信器
100 :水素システム
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