(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】防災照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20221209BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20221209BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221209BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20221209BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221209BHJP
【FI】
H05B47/155
F21S9/02 110
F21V23/00 120
H05B45/10
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019026872
(22)【出願日】2019-02-18
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 功
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-008486(JP,A)
【文献】特開2009-187845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0100787(US,A1)
【文献】中国実用新案第201652113(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
G09F 13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難照明用の第1光源と、
スタンバイ照明用の第2光源と、
前記第1光源を点灯させる第1点灯回路と、
前記第2光源を点灯させる第2点灯回路と、
非常用電源と、
前記第1光源、前記第2光源、前記第1点灯回路、前記第2点灯回路及び前記非常用電源を収容する筐体と
を備え、
前記第1点灯回路及び前記第2点灯回路は、少なくとも前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源と前記第2光源を点灯させ
、
前記第1点灯回路は、常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させ、前記常用電源の電力供給が停止したときに前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させ、
前記第2点灯回路は、前記非常用電源から供給される電力で前記第2光源を点灯させ、
前記第1点灯回路は、前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させている期間が所定の上限に達すると前記第1光源を消灯させ、
前記第2点灯回路は、前記第1点灯回路が前記第1光源を消灯させた後も継続して前記第2光源を点灯させ続ける、
防災照明装置。
【請求項2】
前記第1点灯回路は、前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させるときの前記第1光源の光量を、前記常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させるときの光量よりも少なくする、
請求項1記載の防災照明装置。
【請求項3】
前記第2点灯回路は、前記第1点灯回路が前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させている期間に前記第2光源の光量を減少させ、前記第1点灯回路が前記第1光源を消灯させた後の期間に前記第2光源の光量を増加させる、
請求項
1又は2記載の防災照明装置。
【請求項4】
前記筐体の前面に表示パネルが設けられ、
前記第1光源から放射される光が前記表示パネルを通して前記筐体の前方に照射され、
前記第2光源から放射される光が前記筐体の下方に照射される、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の防災照明装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防災照明装置に関し、より詳細には、蓄電池を電源として非常時用照明を行う防災照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の誘導灯(防災照明装置)を例示する。特許文献1記載の従来例は、正方形板状の導光板と、導光板の上下の端辺に沿って設けられた2本の直管形の冷陰極ランプと、各冷陰極ランプを点灯させる点灯装置と、導光板、冷陰極ランプ及び点灯装置を支持する枠体とを備える。点灯装置は、商用電源を電源として動作する通常時用インバータ、二次電池を電源として動作する非常時用インバータ及び二次電池などを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非常時用照明には避難照明とスタンバイ照明の2種類がある。避難照明用の非常時用照明器具として上記従来例のような誘導灯があり、スタンバイ照明用の非常時用照明器具として非常灯がある。これら2種類の非常時用照明器具(防災照明装置)は、それぞれ別々に設置されていた。しかしながら、防災照明装置(非常時用照明器具)の設置スペースの削減が望まれている。
【0005】
本開示の目的は、設置スペースの削減を図ることができる防災照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る防災照明装置は、避難照明用の第1光源と、スタンバイ照明用の第2光源と、前記第1光源を点灯させる第1点灯回路と、前記第2光源を点灯させる第2点灯回路と、非常用電源とを備える。前記防災照明装置は、前記第1光源、前記第2光源、前記第1点灯回路、前記第2点灯回路及び前記非常用電源を収容する筐体を備える。前記第1点灯回路及び前記第2点灯回路は、少なくとも前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源と前記第2光源を点灯させる。前記第1点灯回路は、常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させ、前記常用電源の電力供給が停止したときに前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させる。前記第2点灯回路は、前記非常用電源から供給される電力で前記第2光源を点灯させる。前記第1点灯回路は、前記非常用電源から供給される電力で前記第1光源を点灯させている期間が所定の上限に達すると前記第1光源を消灯させる。前記第2点灯回路は、前記第1点灯回路が前記第1光源を消灯させた後も継続して前記第2光源を点灯させ続ける。
【発明の効果】
【0007】
本開示の防災照明装置は、設置スペースの削減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る防災照明装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の防災照明装置の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の防災照明装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る防災照明装置について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
実施形態に係る防災照明装置1(以下、防災照明装置1と略す。)は、
図1及び
図2に示すように、誘導灯ユニット2、非常灯ユニット3、第1回路ブロック22、第2回路ブロック4、蓄電池ブロック5、筐体10などを備える。
【0011】
筐体10は、それぞれ長方形の前壁11、後壁12及び四つの側壁13を有する直方体状に形成されている。ただし、筐体10は、本体100とプレート101で構成されている。本体100は、前面が開放された箱形に形成されており、筐体10の後壁12と四つの側壁13を構成している。プレート101は、四角形の平板状に形成された主部1010と、主部1010の四つの辺から後方へ立ち上がる四つの側部1011とを有している。プレート101の主部1010は筐体10の前壁11を構成している。プレート101の四つの側部1011は筐体10の四つの側壁13の前端部分を構成している。プレート101は、一対の取付ばね102によって着脱可能に本体100に取り付けられる。本体100の前面にプレート101が取り付けられることによって筐体10が構成される。なお、筐体10(本体100及びプレート101)は、鋼板などの不燃物で形成されている。
【0012】
筐体10の内底面(後壁12の前面)には取付台15がねじ止めされている。取付台15は、合成樹脂材料によって前面と下面が開放された箱形に形成されている。誘導灯ユニット2及び第2回路ブロック4は取付台15に取り付けられた状態で筐体10内に収容されている(
図2参照)。
【0013】
誘導灯ユニット2は、表示パネル20と光源ブロック21を有している。表示パネル20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の板状に形成されている。ただし、表示パネル20は、前後方向の厚みを上端から下端に向かって徐々に小さくするように形成されている。表示パネル20の前面には避難口を示すピクトグラムが描かれている。
【0014】
光源ブロック21は、二つの第1LED(Light Emitting Diode)211(
図3参照)と、各第1LED211から放射される光を導光する導光部材212と、二つの第1LED211及び導光部材212を収容するケース210とを備える。ケース210は、左右方向を長手方向とする直方体状に形成されている。ケース210の長手方向(左右方向)の両端に第1LED211が一つずつ配置されている。導光部材212は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって柱状に形成されている。導光部材212の長手方向(左右方向)の一方の端面(左端面)が左側の第1LED211と対向し、導光部材212の長手方向(左右方向)の他方の端面(右端面)が右側の第1LED211と対向している。つまり、二つの第1LED211から放射される光は、導光部材212の長手方向の両端面から導光部材212に入射し、導光部材212の下面から出射する。そして、導光部材212の下面から出射する光が表示パネル20の上端面から表示パネル20に入射する。表示パネル20は、上端面から入射する光を前面から外に出射させる。なお、光源ブロック21は、
図2に示すように、取付台15の上部に取り付けられる。また、表示パネル20は、上端面を光源ブロック21の導光部材212の下面に対向させるようにして取付台15に取り付けられる。
【0015】
誘導灯ユニット2は、筐体10の前壁11(プレート101の主部1010)に設けられた四角形状の窓110から表示パネル20の前面を露出させるようにして筐体10内に収容される。誘導灯ユニット2は、光源ブロック21から表示パネル20の上面に光を入射させ、表示パネル20全体を発光させることにより、表示パネル20の前面の輝度を高めてピクトグラムの視認性を高めている。
【0016】
非常灯ユニット3は、第2LED30(
図3参照)と、第2LED30から放射される光の配光を制御するレンズ31とを有している(
図2参照)。第2LED30は、例えば、チップオンボード型の照明用白色LEDである。レンズ31は、石英ガラスなどの無機ガラスによってドーム状に形成されている。レンズ31は、筐体10の下側の側壁13に設けられた挿通孔14を通して筐体10の外に露出する(
図2参照)。
【0017】
蓄電池ブロック5は、複数本の乾電池型の電池セルが熱収縮チューブに包まれて構成されている。各電池セルは、ニッケル水素電池のような蓄電池である。蓄電池ブロック5は、取付台15の左隣に収容されている(
図2参照)。
【0018】
次に、第1回路ブロック22と第2回路ブロック4の回路構成について、
図3を参照して詳細に説明する。
【0019】
第1回路ブロック22は、電源回路220と第1点灯回路221を有する。電源回路220は、常用電源9(例えば、商用の電力系統)から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。電源回路220は、例えば、整流回路と昇圧チョッパ回路を有することが好ましい。
【0020】
第1点灯回路221は、例えば、昇降圧チョッパ回路を有することが好ましい。第1点灯回路221は、電源回路220から供給される直流電圧を降圧して二つの第1LED211に出力する。なお、二つの第1LED211は、第1点灯回路221の出力端間に電気的に直列接続される。また、第1点灯回路221は、後述するように非常用電源50から供給される直流電圧を昇圧して二つの第1LED211に出力する。さらに、第1点灯回路221は、二つの第1LED211に流す電流(直流電流)を定電流化することが好ましい。
【0021】
第2回路ブロック4は、充電回路40、制御回路41、第2点灯回路42、スイッチ43、モニタランプ44、ダイオード45などを有する。充電回路40は、第1回路ブロック22の電源回路220から出力される直流電圧によって動作し、非常用電源50に充電電流を供給して非常用電源50を充電する。非常用電源50は、蓄電池ブロック5の複数の電池セルによって構成されている。なお、充電回路40と非常用電源50の正極の間に、モニタランプ44が電気的に接続されている。モニタランプ44は、例えば、緑色光を放射する発光ダイオードで構成されることが好ましい。モニタランプ44は、充電回路40から非常用電源50に供給される充電電流によって発光し、非常用電源50が充電中であることを表示する。
【0022】
第2点灯回路42は、例えば、昇降圧チョッパ回路を有することが好ましい。第2点灯回路42は、非常用電源50から供給される直流電圧を昇圧又は降圧して第2LED30に出力する。なお、第2LED30は、第2点灯回路42の出力端間に電気的に直列接続される。また、第2点灯回路42は、第2LED42に流す電流(直流電流)を定電流化することが好ましい。
【0023】
スイッチ43は、非常用電源50の正極から第1点灯回路221及び第2点灯回路42への給電路の途中に挿入されている。スイッチ43は、例えば、MOSFETのような半導体スイッチング素子であることが好ましい。つまり、スイッチ43が閉じている(オンしている)ときに非常用電源50から給電路を介して第1点灯回路221及び第2点灯回路42に電力が供給されて第1LED211及び第2LED30が点灯する。そして、スイッチ43が開いている(オフしている)ときに非常用電源50から第1点灯回路221及び第2点灯回路42への給電路が遮断される。ただし、スイッチ43と第1点灯回路221の間には逆流防止用のダイオード45が電気的に接続されている。
【0024】
制御回路41は、例えば、マイクロコントローラで構成されることが好ましい。制御回路41は、電源回路220の出力電圧をしきい値と比較することにより、出力電圧がしきい値未満である場合に常用電源9の給電が停止(停電)していると判定する。制御回路41は、常用電源9が停電していないときはスイッチ43をオフし、常用電源9が停電していると判定すればスイッチ43をオンする。
【0025】
また、制御回路41はフォトダイオード48と電気的に接続されている。制御回路41は、赤外線を通信媒体とする無線信号をフォトダイオード48で受信(受光)する。当該無線信号は、防災照明装置1の動作点検を行う作業者によって操作されるワイヤレス送信器から送信される無線信号であり、試験点灯を指示する無線信号である。防災照明装置1の動作点検は、例えば防災照明装置1の設置時や定期点検時に実施される。防災照明装置1の定期点検は、所定の期間(例えば、六ヶ月)ごとに実施される。当該定期点検は、非常用電源50から供給される電力で第1点灯回路221及び第2点灯回路42を強制的に動作させて第1LED211及び第2LED30が規定の時間(例えば、30分)以上、点灯状態を維持できることを確認するために実施される。なお、ワイヤレス送信器から送信される無線信号は、試験点灯を指示する無線信号に限定されず、防災照明装置1に所望の動作(例えば、一定時間だけ点灯させる動作など)を行わせることを制御内容とする無線信号でもよい。
【0026】
さらに、制御回路41は、二つの押釦スイッチ(第1押釦スイッチ46及び第2押釦スイッチ47)と電気的に接続されている。制御回路41は、常用電源9が停電していない状況で第1押釦スイッチ46がオンされると、電源回路220を停止させ、かつ、スイッチ43をオンすることで試験点灯を実施する。また、制御回路41は、常用電源9が停電していない状況で第2押釦スイッチ47がオンされると、数秒の間だけ電源回路220を停止させ、かつ、スイッチ43をオンした後、電源回路220を再度動作させ、かつ、スイッチ43をオフする。
【0027】
ここで、第1押釦スイッチ46を押し操作するための第1押釦、及び第2押釦スイッチ47を押し操作するための第2押釦17が筐体10内に収容される(
図1参照)。第1押釦スイッチは、筐体10の下側の側壁13に設けられた穴131の奥(上)に位置し、筐体10の外に突出しない。一方、第2押釦スイッチ47は、筐体10の下側の側壁13に設けられた穴132から筐体10の外に突出している。また、モニタランプ44から放射される光は、筐体10の下側の側壁13に設けられた穴133を通して筐体10の外に出射する。さらに、筐体10の下側の側壁13に設けられた穴134を通して、ワイヤレス送信器から送信される無線信号(赤外線)が筐体10内のフォトダイオード48で受光される。
【0028】
ここで、従来の防災照明においては、避難照明とスタンバイ照明が別々の器具(誘導灯及び非常灯)で行われていた。これに対して防災照明装置1は、第1LED211による避難照明及び第2LED30によるスタンバイ照明の両方の防災照明を行うことができる。その結果、防災照明装置1は、誘導灯と非常灯のそれぞれを設置する場合に比べて、設置スペースの削減を図ることができる。しかも、防災照明装置1は、一つの非常用電源50を避難照明及びスタンバイ照明の両方に利用するので、避難照明用の非常用電源とスタンバイ照明用の非常用電源を個別に備える場合に比べて、筐体10の小型化を図ることができる。
【0029】
また、防災照明装置1は、第1LED211から放射される光を、表示パネル20を通して筐体10の前方に照射し、かつ、第2LED30から放射される光を、筐体10の下方に放射する。ゆえに、防災照明装置1は、誘導標識(表示パネル20の前面のピクトグラム)の視認性を高めつつ、スタンバイ照明に必要となる床面照度を確保することができる。
【0030】
ところで、消防法の規定によれば、誘導灯は、非常用電源からの給電によって20分以上にわたって点灯し続ける必要がある。建築基準法の規定によれば、非常灯は、非常用電源からの給電によって30分以上にわたって点灯し続ける必要がある。また、誘導灯では、誘導標識の表示面の平均輝度に上限値と下限値が規定されている。さらに、誘導標識の表示面の平均輝度の上限値と下限値は、常用電源によって点灯する場合よりも、非常用電源によって点灯する場合の方が低い値に設定されている。なお、非常灯については、30分間の点灯後に1ルクス以上の床面照度を確保する必要がある。
【0031】
そこで、第1点灯回路221は、非常用電源50から供給される電力で第1LED211を点灯させるときの第1LED211の光量を、常用電源9から供給される電力で第1LED211を点灯させるときの光量よりも少なくすることが好ましい。また、防災照明装置1において、第1点灯回路221は、非常用電源50から供給される電力で第1LED211を点灯させている期間が所定の下限(例えば、20分)に達すると第1LED211を消灯させることが好ましい。さらに、第2点灯回路42は、第1点灯回路221が第1LED211を消灯させた後も継続して第2LED30を点灯させ続けることが好ましい。ただし、第1点灯回路221及び第2点灯回路42は、制御回路41に制御されることによって、上述のように第1LED211及び第2LED30の光量の増減及び消灯などを行っても構わない。第1点灯回路221及び第2点灯回路42が上述のように動作すれば、非常用電源50の電池容量が減少する速度を抑えることができる。
【0032】
また、防災照明装置1において、第2点灯回路42は、第1点灯回路221が非常用電源50から供給される電力で第1LED211を点灯させている期間に第2LED30の光量を減少させることが好ましい。さらに、第2点灯回路42は、第1点灯回路221が第1LED211を消灯させた後の期間に第2LED30の光量を増加させることが好ましい。第1点灯回路221及び第2点灯回路42が上述のように動作すれば、スタンバイ照明の照度を確保しつつ非常用電源50の電池容量が減少する速度を更に抑えることができる。
【0033】
上述のように第1の態様に係る防災照明装置(1)は、避難照明用の第1光源(第1LED211)と、スタンバイ照明用の第2光源(第2LED30)と、第1光源を点灯させる第1点灯回路(221)とを備える。第1の態様に係る防災照明装置(1)は、第2光源を点灯させる第2点灯回路(42)と、非常用電源(50)と、第1光源、第2光源、第1点灯回路(221)、第2点灯回路(42)及び非常用電源(50)を収容する筐体(10)とを備える。第1点灯回路(221)及び第2点灯回路(42)は、少なくとも非常用電源(50)から供給される電力で第1光源と第2光源を点灯させる。
【0034】
第1の態様に係る防災照明装置(1)は、誘導照明用の器具(誘導灯)とスタンバイ照明用の器具(非常灯)のそれぞれを設置する場合に比べて、設置スペースの削減を図ることができる。
【0035】
第2の態様に係る防災照明装置(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る防災照明装置(1)において、第1点灯回路(221)は、常用電源(9)から供給される電力で第1光源を点灯させ、常用電源(9)の電力供給が停止したときに非常用電源(50)から供給される電力で第1光源を点灯させることが好ましい。第2点灯回路(42)は、非常用電源(50)から供給される電力で第2光源を点灯させることが好ましい。第1点灯回路(221)は、非常用電源(50)から供給される電力で第1光源を点灯させるときの第1光源の光量を、常用電源(9)から供給される電力で第1光源を点灯させるときの光量よりも少なくすることが好ましい。
【0036】
第2の態様に係る防災照明装置(1)は、非常用電源(50)の電池容量が減少する速度を抑えることができる。
【0037】
第3の態様に係る防災照明装置(1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る防災照明装置(1)において、第1点灯回路(221)は、非常用電源(50)から供給される電力で第1光源を点灯させている期間が所定の上限に達すると第1光源を消灯させることが好ましい。第2点灯回路(42)は、第1点灯回路(221)が第1光源を消灯させた後も継続して第2光源を点灯させ続けることが好ましい。
【0038】
第3の態様に係る防災照明装置(1)は、スタンバイ照明の継続時間を延ばすことができる。
【0039】
第4の態様に係る防災照明装置(1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る防災照明装置(1)において、第2点灯回路(42)は、第1点灯回路(221)が非常用電源(50)から供給される電力で第1光源を点灯させている期間に第2光源の光量を減少させることが好ましい。さらに、第2点灯回路(42)は、第1点灯回路(221)が第1光源を消灯させた後の期間に第2光源の光量を増加させることが好ましい。
【0040】
第4の態様に係る防災照明装置(1)は、スタンバイ照明の照度を確保しつつ非常用電源50の電池容量が減少する速度を更に抑えることができる。
【0041】
第5の態様に係る防災照明装置(1)は、第1~第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る防災照明装置(1)において、筐体(10)の前面に表示パネル(20)が設けられることが好ましい。第1光源から放射される光が表示パネル(20)を通して筐体(10)の前方に照射されることが好ましい。第2光源から放射される光が筐体(10)の下方に照射されることが好ましい。
【0042】
第5の態様に係る防災照明装置(1)は、誘導照明の視認性を確保しつつ、スタンバイ照明に必要となる床面照度を確保することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 防災照明装置
9 常用電源
10 筐体
20 表示パネル
30 第2LED(第2光源)
42 第2点灯回路
50 非常用電源
211 第1LED(第1光源)
221 第1点灯回路