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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】連続滅菌装置及び連続滅菌方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/02 20060101AFI20221209BHJP
   A61L 2/04 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
C02F1/02 C
A61L2/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019068399
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020162995
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000190677
【氏名又は名称】新光産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100097319
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100151002
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100201673
【弁理士】
【氏名又は名称】河田 良夫
(72)【発明者】
【氏名】中山 欽司
(72)【発明者】
【氏名】田村 英輔
(72)【発明者】
【氏名】木原 均
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/054390(WO,A1)
【文献】特開2004-57951(JP,A)
【文献】米国特許第7101507(US,B1)
【文献】特開2018-58641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/04
C02F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液を貯留する排液槽から前記被処理液が供給される第1タンクと、
前記第1タンクからの前記被処理液を滅菌温度に加熱する加熱器と、
前記加熱器により加熱された前記被処理液を、少なくとも予め設定された滅菌時間保持する保持手段と、
熱交換媒体との間の熱交換により、前記保持手段から送出された前記被処理液を冷却して排水槽に送出する冷却器と、
前記加熱器の上流側に配置され、前記熱交換媒体との間の熱交換により、前記加熱器による加熱前の前記被処理液を予熱する予熱器と、
前記冷却器により加温された前記熱交換媒体を前記予熱器に向けて送り込む第1管路と、前記予熱器により冷却された前記熱交換媒体を前記冷却器に向けて送り込む第2管路とを含み、前記熱交換媒体を前記予熱器及び前記冷却器の間で循環させる熱交換媒体ポンプを備える循環路と、
前記保持手段から送り出される前記被処理液を前記冷却器に送出する第3管路と、
前記保持手段から送り出される前記被処理液を前記第1タンクに戻す第4管路と、
前記保持手段からの流路を、前記第3管路と前記第4管路との間で切り替える第1切替手段と、
を備えたことを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の連続滅菌装置において、
前記保持手段から送り出される前記被処理液の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出される前記被処理液の温度が予め設定された設定温度に到達していないときに、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第4管路に送出し、前記被処理液の温度が前記設定温度に到達したことを受けて、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第3管路に送出する制御手段と、
を備えることを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項3】
請求項2に記載の連続滅菌装置において、
前記第1タンクから送出される前記被処理液を前記予熱器に向けて送り出す駆動源と、
前記駆動源により送り出された前記被処理液の流量を測定する流量測定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記流量測定手段により測定された前記被処理液の流量が、所定流量を超えずに近づくように前記駆動源により送出される前記被処理液の流量を制御する
ことを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項4】
請求項1に記載の連続滅菌装置において、
前記第1タンクから送出される前記被処理液を前記予熱器に向けて送り出す駆動源と、
前記駆動源により送り出された前記被処理液の流量を測定する流量測定手段と、
前記流量測定手段により検出される前記被処理液の流量が所定流量を超える流量が検出されたときに、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第4管路に送出し、前記被処理液の流量が前記所定流量を下回ったことを受けて、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第3管路に送出する制御手段と、
を備えることを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の連続滅菌装置において、
前記所定流量は、前記保持手段における前記被処理液の保持時間が、予め設定された滅菌時間となるように設定される
ことを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の連続滅菌装置において、
前記冷却器は、前記熱交換媒体と前記被処理液との熱交換により前記被処理液を一次冷却し、
前記冷却器を出た前記一次冷却された前記被処理液を別な冷媒により二次冷却する第2冷却器を前記冷却器の後流側に備えることを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項7】
請求項6に記載の連続滅菌装置において、
洗浄液を貯留する第2タンクと、
前記冷却器又は前記第2冷却器からの流路を、前記第2タンクに戻す第5管路と前記排水槽への第6管路との間で切り替える第2切替手段と、
前記予熱器への流路を、前記第1タンクからの流路と前記第2タンクからの流路との間で切り替える第3切替手段と、
をさらに備えることを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項8】
請求項7に記載の連続滅菌装置において、
前記洗浄液を用いた洗浄時に、
前記第3切替手段は前記予熱器への流路を前記第2タンクからの流路に切り替え、
前記第2切替手段は前記冷却器からの流路を前記第2タンクに戻す第5管路に切り替え、
前記第1切替手段は前記保持手段からの流路を前記第3管路に切り替える
ことを特徴とする連続滅菌装置。
【請求項9】
排液槽から被処理液を第1タンクに供給する工程と、
前記第1タンクからの前記被処理液を駆動源の駆動により予熱器に送り込み、前記予熱器にて予熱する予熱工程と、
前記予熱工程により予熱された前記被処理液を加熱器に送り込み、前記加熱器にて滅菌温度まで加熱する加熱工程と、
前記加熱器により加熱された前記被処理液を保持手段に送り込み、前記保持手段にて少なくとも予め設定された滅菌時間保持する保持工程と、
前記保持工程が施された前記被処理液を冷却器に送り込み、前記冷却器にて前記被処理液を冷却する冷却工程と、
前記冷却器と前記予熱器との間で熱交換媒体を循環させる工程と、
所定条件を満足しない場合に、前記保持工程が施された後の前記被処理液を、前記冷却器に送り込まずに、前記第1タンクに戻す工程と、
を有することを特徴とする連続滅菌方法。
【請求項10】
請求項9に記載の連続滅菌方法において、
前記保持手段から送り出される前記被処理液の温度を検出する温度検出工程を有し、
前記第1タンクに戻す工程は、前記温度検出工程により検出された前記被処理液の温度が、滅菌温度に到達していない場合に実施される
ことを特徴とする連続滅菌方法。
【請求項11】
請求項9に記載の連続滅菌方法において、
前記第1タンクから前記予熱器に送り込まれる前記被処理液の流量を測定する流量測定工程を有し、
前記第1タンクに戻す工程は、前記流量測定工程により検出された前記被処理液の流量が、所定流量を超えてしまった場合に実施される
ことを特徴とする連続滅菌方法。
【請求項12】
請求項11に記載の連続滅菌方法において、
前記所定流量は、前記保持手段における前記被処理液の保持時間が、予め設定された滅菌時間となるように設定される
ことを特徴とする連続滅菌方法。
【請求項13】
請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の連続滅菌方法において、
第2タンクに貯留された洗浄液を、前記予熱器、前記加熱器、前記保持手段及び前記冷却器の順で循環させた後に、前記第2タンクに戻す工程を、
をさらに備えることを特徴とする連続滅菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、研究所、ワクチン製造施設等において排出される細菌、遺伝子組換微生物、ウイルスなどを含む排液を加熱処理して不活性化する連続滅菌装置及び連続滅菌方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、研究所、ワクチン製造施設等では、細菌、遺伝子組換微生物、ウイルス等による施設内の感染防止や、施設外に排出する排液に対する不活性化が求められる。したがって、医療関連施設においては、例えば「廃棄物の処理および清掃に関する法律」や「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」等に基づいて、排液に対して滅菌、殺菌、消毒等の処理を適切に行う必要がある。ここで、排液に対する滅菌、殺菌、消毒等の処理としては、例えば、排液中の細菌、遺伝子組換微生物、ウイルスを滅菌するのに適した温度以上で、且つ加熱滅菌処理後の排液に含まれる細菌、遺伝子組換微生物、ウイルスの数が所定数以下に減少するとされる時間加熱する処理が挙げられる。
【0003】
上述した処理を行う装置として、例えば殺菌温度(又は滅菌温度)まで加温した排液をホールドチューブ内で所要時間滞留させることで排液を不活性化する装置がある。このような装置の中には、熱交換器により排液を加温した後、該排液をホールドチューブにて一定時間滞留させて不活性化し、不活性化した後の排液(処理液)を冷却器により冷却する装置が考案されている(特許文献1参照)。また、この他に、加熱蒸気を用いた熱交換器により廃液を加温した後、該廃液をホールドチューブ内にて一定時間滞留させて不活性化し、処理液と廃液との間で熱交換を行って、廃液の予熱及び処理液の冷却を行う装置も考案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2958365号公報
【文献】特開平4-354579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1に開示される装置は、排液の加熱と不活性化処理後の廃液の冷却とが独立したものとなっており、処理液の熱を用いて廃液を予熱する特許文献2の装置に比べて熱効率が悪く、また、蒸気や冷却水などのユーティリティを多く必要とする。
【0006】
また、特許文献2に開示される装置は、処理液と排液との間で熱交換を行う熱交換器を用いることから、特許文献1に開示される排液と、清水を途中のインラインヒータにより蒸気供給を受け昇温させた温水との間で熱交換を行う熱交換器に比べて熱交換器の伝熱面に、排液又は処理液中に含まれる有機物や無機物に由来する汚れが付着しやすい。したがって、特許文献2に開示される装置では、特許文献1に開示される装置に比べて、熱交換器における伝熱性能が低下しやすい。また、特許文献2に開示される装置では、排液と処理液との間の熱交換であることから、熱交換器が破損した場合には、処理液が排液により汚染される可能性が高い。したがって、特許文献2に開示される装置では、熱交換器の伝熱面に付着した汚れを頻繁に清掃する必要がある。
【0007】
本発明は、不活性化のために必要な蒸気の使用量とその後の冷却水など冷却の冷熱源という不活性化のためのユーティリティ量を削減しつつ、また、排液による装置内の汚染を確実に防止することができるようにした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の連続滅菌装置は、被処理液を貯留する排液槽から前記被処理液が供給される第1タンクと、前記第1タンクからの前記被処理液を滅菌温度に加熱する加熱器と、前記加熱器により加熱された前記被処理液を、少なくとも予め設定された滅菌時間保持する保持手段と、熱交換媒体との間の熱交換により、前記保持手段から送出された前記被処理液を冷却して排水槽に送出する冷却器と、前記加熱器の上流側に配置され、前記熱交換媒体との間の熱交換により、前記加熱器による加熱前の前記被処理液を予熱する予熱器と、前記冷却器により加温された前記熱交換媒体を前記予熱器に向けて送り込む第1管路と、前記予熱器により冷却された前記熱交換媒体を前記冷却器に向けて送り込む第2管路とを含み、前記熱交換媒体を前記予熱器及び前記冷却器の間で循環させる熱交換媒体ポンプを備える循環路と、前記保持手段から送り出される前記被処理液を前記冷却器に送出する第3管路と、前記保持手段から送り出される前記被処理液を前記第1タンクに戻す第4管路と、前記保持手段からの流路を、前記第3管路と前記第4管路との間で切り替える第1切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記保持手段から送り出される前記被処理液の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出される前記被処理液の温度が予め設定された設定温度に到達していないときに、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第4管路に送出し、前記被処理液の温度が前記設定温度に到達したことを受けて、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第3管路に送出する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1タンクから送出される前記被処理液を前記予熱器に向けて送り出す駆動源と、前記駆動源により送り出された前記被処理液の流量を測定する流量測定手段と、を備え、前記制御手段は、前記流量測定手段により測定された前記被処理液の流量が、所定流量を超えずに近づくように前記駆動源により送出される前記被処理液の流量を制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記第1タンクから送出される前記被処理液を前記予熱器に向けて送り出す駆動源と、前記駆動源により送り出された前記被処理液の流量を測定する流量測定手段と、前記流量測定手段により検出される前記被処理液の流量が所定流量を超える流量が検出されたときに、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第4管路に送出し、前記被処理液の流量が前記所定流量を下回ったことを受けて、前記第1切替手段を制御して前記被処理液を前記第3管路に送出する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
なお、前記所定流量は、前記保持手段における前記被処理液の保持時間が、予め設定された滅菌時間となるように設定されることが好ましい。
【0013】
また、前記冷却器は、前記熱交換媒体と前記被処理液との熱交換により前記被処理液を一次冷却し、前記冷却器を出た前記一次冷却された前記被処理液を別な冷媒により二次冷却する第2冷却器を前記冷却器の後流側に備えることを特徴とする。
【0014】
また、洗浄液を貯留する第2タンクと、前記冷却器又は前記第2冷却器からの流路を、前記第2タンクに戻す第5管路と前記排水槽への第6管路との間で切り替える第2切替手段と、前記予熱器への流路を、前記第1タンクからの流路と前記第2タンクからの流路との間で切り替える第3切替手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
この場合、前前記洗浄液を用いた洗浄時に、前記第3切替手段は前記予熱器への流路を前記第2タンクからの流路に切り替え、前記第2切替手段は前記冷却器からの流路を前記第2タンクに戻す第5管路に切り替え、前記第1切替手段は前記保持手段からの流路を前記第3管路に切り替えることが好ましい。
【0016】
また、本発明の連続滅菌方法は、排液槽から被処理液を第1タンクに供給する工程と、前記第1タンクからの前記被処理液を駆動源の駆動により予熱器に送り込み、前記予熱器にて予熱する予熱工程と、前記予熱工程により予熱された前記被処理液を加熱器に送り込み、前記加熱器にて滅菌温度まで加熱する加熱工程と、前記加熱器により加熱された前記被処理液を保持手段に送り込み、前記保持手段にて少なくとも予め設定された滅菌時間保持する保持工程と、前記保持工程が施された前記被処理液を冷却器に送り込み、前記冷却器にて前記被処理液を冷却する冷却工程と、前記冷却器と前記予熱器との間で熱交換媒体を循環させる工程と、所定条件を満足しない場合に、前記保持工程が施された後の前記被処理液を、前記冷却器に送り込まずに、前記第1タンクに戻す工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、前記保持手段から送り出される前記被処理液の温度を検出する温度検出工程を有し、前記第1タンクに戻す工程は、前記温度検出工程により検出された前記被処理液の温度が、滅菌温度に到達していない場合に実施されることを特徴とする。
【0018】
この他に、前記第1タンクから前記予熱器に送り込まれる前記被処理液の流量を測定する流量測定工程を有し、前記第1タンクに戻す工程は、前記流量測定工程により検出された前記被処理液の流量が、所定流量を超えてしまった場合に実施してもよい。
【0019】
なお、前記所定流量は、前記保持手段における前記被処理液の保持時間が、予め設定された滅菌時間となるように設定されることが好ましい。
【0020】
また、第2タンクに貯留された洗浄液を、前記予熱器、前記加熱器、前記保持手段及び前記冷却器の順で循環させた後に、前記第2タンクに戻す工程を、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、不活性化のために必要な蒸気の使用量とその後の冷却水など冷却の冷熱源という不活性化のためのユーティリティ量を削減しつつ、また、排液による装置内の汚染を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態の滅菌設備の構成の一例を示す図である。
図2】滅菌設備に設けられる連続滅菌装置の構成の一例を示す図である。
図3】連続滅菌装置における排液の不活性化処理に係る工程の一例を示すフローチャートである。
図4】エア抜き工程における市水の流れを示す図である。
図5】排液の温度が設定温度に到達していないときの排液の流れを示す図である。
図6】排液の温度が設定温度に到達したときの排液の流れを示す図である。
図7】冷却停止工程における市水の流れを示す図である。
図8】連続滅菌装置に対する洗浄工程の一例を示すフローチャートである。
図9】洗浄工程における洗浄液の流れを示す図である。
図10】すすぎ工程における洗浄液の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態の滅菌設備について、図面を用いて説明する。本実施形態の滅菌設備10は、例えば病院、研究所、ワクチン製造施設等に設置され、排出される細菌、遺伝子組換微生物、ウイルスなどを含む排液を加熱処理して不活性化する設備である。以下、細菌、遺伝子組換微生物、ウイルスなどを含む排液を加熱処理して滅菌する処理を、不活性化処理と称する。以下、図面においては、管路を実線にて記載している。
【0024】
滅菌設備10は、排液槽15、バランスタンク(請求項に記載の第1タンクに相当)16、洗浄用タンク(請求項に記載の第2タンクに相当)17、2つの連続滅菌装置18、及びコントロールユニット20を有する。以下、2つの連続滅菌装置18を、第1連続滅菌装置18a、第2連続滅菌装置18bと称して説明する。なお、本実施形態では、2つの連続滅菌装置18を設けた滅菌設備10を例に取り上げているが、滅菌設備10として設置される連続滅菌装置18の数は、2つに限定されるものではなく、1つの連続滅菌装置18でもよいし、3以上の連続滅菌装置18でもよい。
【0025】
排液槽15は、管路25を介してバランスタンク16と接続される。排液槽15は、排液を貯留する。管路25は開閉弁26を有する。開閉弁26は、コントロールユニット20によって開閉制御される。開閉弁26が開くことで、排液槽15に貯留される排液が排液槽15からバランスタンク16に供給される。
【0026】
バランスタンク16は、排液槽15から供給される排液、又は市水のいずれか一方を貯留する。上述した連続滅菌装置18において排液の不活性化処理を行う場合、バランスタンク16は、排液槽15から供給される排液を貯留する。また、連続滅菌装置18においてエア抜きを行う場合やSIP(Sterilizing In Place)洗浄を行う場合、バランスタンク16は、管路27aを介して供給される市水を貯留する。
【0027】
バランスタンク16は、バランスタンク16に貯留される液体の液面位を検出する液位計16aを有する。液位計16aにより検出される信号は、コントロールユニット20に出力される。なお、符号28は、コントロールユニット20によって開閉制御される開閉弁であり、コントロールユニット20に設定されたタイミングあるいは液位計16aからの信号から演算された出力信号により開閉制御される。
【0028】
バランスタンク16に貯留された液体は、バランスタンク16に接続された管路29により第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの各々に向けて送り出される。なお、管路29は、下流側で2つの管路29a,29bに分岐され、三方弁(請求項に記載の第3切替手段に相当)32,33に各々接続される。なお、符号34は、コントロールユニット20によって開閉制御される開閉弁である。
【0029】
洗浄用タンク17は、例えば水酸化ナトリウム水溶液等の洗浄液を貯留する。洗浄用タンク17には、薬液及び市水が供給される。薬液はアルカリ又は酸であり、よく使用されるのは水酸化ナトリウムやクエン酸などである。以下の説明では、例えば生物由来の汚染を対象として細胞膜を溶かす水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)及び市水が洗浄用タンク17に供給される。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)及び市水は洗浄用タンク17の内部で所定の濃度に調整するため混合され、水酸化ナトリウム水溶液を生成する。洗浄用タンク17には液位計17aが備えられている。なお、符号37は、コントロールユニット20によって開閉制御される開閉弁である。
【0030】
ここで、図1中符号27bは市水を送出する管路、符号36は水酸化ナトリウムを送出する管路である。なお、市水を送出する管路27a及び管路27bは、管路27から分岐される配管である。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を供給する管路36の途中には、図示しない開閉弁があり、コントロールユニット20からの信号によりこの図示しない開閉弁と市水供給の開閉弁37との開閉制御により所定の濃度調整が可能なように水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)及び市水の供給を行い、かつ、2液総量の液位計17aの設定液位による液位制御を、コントロールユニット20からの2つの開閉弁への信号送出により行う。
【0031】
洗浄用タンク17に貯留された洗浄液は、洗浄用タンク17に接続された管路38により第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの各々に送出される。なお、管路38は、下流側で2つの管路38a,38bに分岐された後、三方弁32,33に各々接続される。なお、符号39は、コントロールユニット20によって開閉制御される開閉弁である。
【0032】
三方弁32は、入力側に管路29a,38aを接続し、出力側に管路41を接続する。三方弁32は、出力側の管路41に接続する入力側の管路29a,38aを切り替える。なお、三方弁32は、コントロールユニット20によって制御される。
【0033】
管路41はポンプ(請求項に記載の駆動源に相当)42の入力側に接続される。ポンプ42は、コントロールユニット20により駆動制御(ON/OFF制御及び流量制御)される。なお、ポンプ42の駆動制御は、ポンプ42の出力側に接続した管路43に設けた流量計(請求項に記載の流量測定手段に相当)44により得られる流量値(測定値)に基づいて実施される。
【0034】
三方弁33は、入力側に管路29b,38bを接続し、出力側に管路46を接続する。三方弁33は、出力側の管路46に接続する入力側の管路29b,38bを切り替える。なお、三方弁33は、コントロールユニット20によって制御される。
【0035】
管路46はポンプ(請求項に記載の駆動源に相当)47の入力側に接続される。ポンプ47は、コントロールユニット20により駆動制御(ON/OFF制御及び流量制御)される。なお、ポンプ47の駆動制御は、ポンプ47の出力側に接続した管路48に設けた流量計(請求項に記載の流量測定手段に相当)49により得られる流量値(測定値)に基づいて実施される。
【0036】
なお、上述したポンプは、例えばポンプから送り出される排液の流量が後述するホールドチューブ72の内部に予め設定された時間以上滞留することができる流量となるように駆動される。
【0037】
第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bは、ポンプ42,47により流量が調整されて送り込まれる排液を加熱処理して不活性化する装置である。なお、第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bにより不活性化された排液(以下、処理液と称する)は、処理液を受け入れる排水槽(図示省略)に送出される。なお、図1中符号50は、第1連続滅菌装置18aによって不活性化された処理液が排出される管路(請求項に記載の第6管路に相当)、符号51は、第2連続滅菌装置18bによって不活性化された処理液が排出される管路である。
【0038】
ここで、図1に示す符号52は、井水を第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの各々に送出する管路である。管路52は、下流側で、管路52a,52b,52c,52dに分岐される。これら管路52a,52b,52c,52dのうち、管路52aは、第1連続滅菌装置18aが有する第2冷却器74に冷熱源としてワンパスに接続され、管路52bは、後述する第1連続滅菌装置18aの循環路を構成する管路78にメンテ時の再充填補給水流路として接続される。また、管路52cは、第2連続滅菌装置18bが有する第2冷却器74に冷熱源としてワンパスに接続され、管路52dは、第2連続滅菌装置18bの循環路を構成する管路78にメンテ時の再充填補給水流路として接続される。なお、第2冷却器への冷熱源を井水のワンパスとしているが、井水や市水などの清水を補給する冷却塔を介して別なポンプで循環する循環水としてもよい。井水は地中冷熱を取り出す清水冷媒として利用するものであり、これの代わりに冷却塔で大気冷熱を取り出す循環清水冷媒として別ポンプ循環水を利用する。
【0039】
また、符号55,56,57,58は、各管路52a,52b,52c,52dの各々に設けた開閉弁である。これら開閉弁55,56,57,58は、コントロールユニット20によって開閉制御され、さらに、開閉弁55,57は流量制御が可能となっていてもよい。
【0040】
さらに、図1中符号60は、蒸気を第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの各々に送出する管路である。管路60は、下流側で管路60a、60bに分岐され、第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの加熱器71に各々接続される。なお、符号61は管路60aに設けた開閉弁、符号62は管路60bに設けた開閉弁である。これら開閉弁61,62は、コントロールユニット20により制御され、開閉弁61,62それぞれに図示しない流量調整弁を併設し、これもコントロールユニット20により制御する。
【0041】
コントロールユニット20は、本実施形態の滅菌設備10の各部を、ON/OFF制御又は比例制御する。コントロールユニット20は、制御部63、操作パネル64、表示部65を有する。
【0042】
制御部63は、操作パネル64による操作信号、バランスタンク16の液位計16aや洗浄用タンク17の液位計17aの検出信号、第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bが有する温度センサ84、流量計44,49の検出信号等に基づいて、例えばポンプ42,47の駆動制御、各開閉弁の開閉制御、三方弁の切替制御等を行う。操作パネル64は、滅菌設備10における各種設定を行う場合や、滅菌設備10の駆動開始、駆動停止時に操作される。表示部65は、滅菌設備10の状態を示す表示や、操作パネル64を用いた入力操作時の画面等の表示を行う。
【0043】
次に、第1連続滅菌装置18a及び第2連続滅菌装置18bの構成について説明する。なお、第1連続滅菌装置18aの構成と、第2連続滅菌装置18bの構成とは、同一構成となることから、以下では第1連続滅菌装置18aの構成についてのみ説明し、第2連続滅菌装置18bの構成については説明を省略する。したがって、図2においては、バランスタンク16及び洗浄用タンク17から第2連続滅菌装置18bへ分岐する配管については省略している。また、図2中括弧書きで示す符号は、第2連続滅菌装置18bを対象とした場合の符号である。
【0044】
図2に示すように、第1連続滅菌装置18aは、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ(請求項に記載の保持手段に相当)72、第1冷却器(請求項に記載の冷却器に相当)73及び第2冷却器74を有する。
【0045】
予熱器70は、入力側に管路43を接続し、出力側に管路75を接続する。予熱器70は、図示を省略した伝熱面(図では簡単にシェルアンドチューブ方式を模式)を有し、ポンプ42から予熱器70の内部(例えばチューブ内)に送り込まれる液体(排液、市水或いは水酸化ナトリウム水溶液のいずれか)と、第1連続滅菌装置18a内で単独で循環される井水を密閉配管系に閉じ込めた熱交換媒体(例えばシェル側を流す)との間で熱交換を行う。つまり、予熱器70は、第1連続滅菌装置18a内で単独循環される熱交換媒体を用いて、ポンプ42から予熱器70の内部に送り込まれる液体を予熱する。なお、ポンプ42から予熱器70の内部に送り込まれる液体と熱交換媒体との間の熱交換により、ポンプ42から送り出される液体の温度は例えば25℃から48℃となる。一方、熱交換媒体は、例えば70℃から47℃となる。
【0046】
ところで、第1連続滅菌装置18aにおいて、熱交換媒体は、予熱器70及び第1冷却器73との間で循環される。ここで、図2において、符号76は、熱交換媒体を循環させるための熱交換媒体ポンプである。また、符号77は、第1冷却器73から予熱器70までの管路(請求項に記載の第1管路に相当)、符号78は、予熱器70から熱交換媒体ポンプ76までの管路、符号79は、熱交換媒体ポンプ76から第1冷却器73までの管路である。なお、管路77,78,79により熱交換媒体の循環路が形成される。ここで、管路78及び管路79が請求項に記載の第2管路に相当する。
【0047】
加熱器71は、例えばシェルアンドチューブ方式熱交換器であり、チューブ入力側に管路75を接続し、チューブ出力側に管路81を接続する。加熱器71は、加熱器71の例えばシェル側に送り込まれる蒸気を用いて、予熱された液体を加熱する。なお、液体を加熱することで蒸気は低温となり液化する(ドレン水となる)。ドレン水は、加熱器71のシェル下部に蒸気トラップを介して接続された管路82を介して排水槽に送出される。なお、液体は、例えば48℃から95℃となる。
【0048】
ここで、加熱器71として、供給される蒸気を用いて、排液を加熱しているが、電気ヒータやマイクロ波を用いて排液を加熱する加熱器71を用いることも可能である。
【0049】
ホールドチューブ72は、入力側に管路81を接続し、出力側に管路83を接続する。ホールドチューブ72は、加熱器71にて加熱された液体について、所定の温度以上に保持できるよう該液体を保温しながら、予め設定された滅菌時間以上保持するための長さを有しており、所定流速以下で流すと自動的に滅菌時間を保持するよう送り出す。
【0050】
ここで、滅菌時間は、例えば初期生菌数Nに対して滅菌後の生菌数Nの生存割合(N/N)が10-6以下となるように設定される。なお、滅菌時間は、対象となる細菌(ウイルス)の種類や、加熱する排液の温度によって異なる値に設定される。
【0051】
管路83には温度センサ(請求項に記載の温度検出手段に相当)84が配設される。温度センサ84は、ホールドチューブ72から送り出された液体の温度を検出する。放熱ロスのあるホールドチューブ72出口で温度を計測すれば、その上流では液温は検出温度以上であることが保証されるからである。温度センサ84にて検出される温度は、コントロールユニット20に出力される。
【0052】
管路83は、三方弁(請求項に記載の第1切替手段に相当)85に接続される。三方弁85は、管路83を入力側、管路86及び管路87を出力側とし、管路83に接続される管路を管路86又は管路87の間で切り替える。三方弁85は、コントロールユニット20によって制御される。
【0053】
冷却器である第1冷却器73は、例えばシェルアンドチューブ方式の熱交換器であり、チューブの入力側に管路86を接続し、チューブの出力側に管路88を接続する。第1冷却器73は、ホールドチューブ72から送出された液体と、上述した熱交換媒体の循環路内で循環されるシェル側を流れる熱交換媒体との間で熱交換を行って、ホールドチューブ72から送出された液体を一次冷却する。なお、液体と熱交換媒体との間の熱交換により、液体の温度は例えば95℃から71.5℃となる。一方、熱交換媒体は、例えば47℃から70℃となる。
【0054】
第2冷却器74は、例えばシェルアンドチューブ方式の熱交換器であり、チューブの入力側に管路88を接続し、チューブの出力側に管路89を接続する。第2冷却器74は、第1冷却器73により冷却された液体を、管路52から管路52aに分岐されて供給される井水をシェル側に供給して熱交換し二次冷却する。なお、第2冷却器74により液体の温度は例えば71.5℃から35℃となる。一方、井水は、例えば15℃から35℃となる。なお、第2冷却器74から送り出される井水は、管路90を介して滅菌設備系外へ排出される。
【0055】
管路89は、三方弁(請求項に記載の第2切替手段に相当)91に接続される。三方弁91は、管路89を入力側、管路92及び管路(請求項に記載の第5管路に相当)93を出力側とし、管路89に接続される管路を管路92又は管路93の間で切り替える。三方弁91は、コントロールユニット20により制御される。
【0056】
管路92は、三方弁94に接続される。三方弁94は、管路92を入力側、管路50及び管路95を出力側とし、管路92に接続される管路を管路50又は管路95の間で切り替える。三方弁94は、コントロールユニット20により制御される。
【0057】
管路95は、三方弁96に接続される。三方弁96は、管路95及び管路87を入力側、管路97を出力側とし、管路97に接続される管路を管路95又は管路87の間で切り替える。三方弁96は、コントロールユニット20により制御される。
【0058】
以下、図1及び図2に示す滅菌施設10を用いて、排液の不活性化処理を行う手順の一例について図3のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、第1連続滅菌装置18aの制御についてのみ説明する。滅菌施設10の動作が停止しているときには、バランスタンク16及び洗浄用タンク17は、液体が貯留されていない状態である。
【0059】
ステップS101は、不活性化条件を設定する処理である。オペレータは、コントロールユニット20の操作パネル64を操作して、排液槽15に貯留される排液の不活性化条件を入力する。操作パネル64が操作されると、操作パネル64から制御部63に向けて操作信号が出力される。したがって、制御部63は、操作パネル64からの操作信号に基づいて、排液の不活性化に係る条件(加熱器71により加熱される排液の温度や、ポンプ42,47により送り込まれる排液の流量、各処理操作の時間など)を設定する。
【0060】
ステップS102は、自動運転を開始するか否かの判定を行う処理である。オペレータによる操作パネル64の操作に基づいて入力される操作信号が、自動運転を開始することを示す信号であれば、制御部63は、ステップS102の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS103に進む。一方、上記操作信号が、自動運転を開始することを示す信号でないときには、制御部63は、ステップS102の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御部63は、ステップS102の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS102の判定処理を繰り返し実行する。
【0061】
ステップS103は、エア抜き工程を開始する処理である。図4に示すように、制御部63は、開閉弁28を開く。開閉弁28を開くことにより、市水がバランスタンク16に供給される。バランスタンク16に貯留される市水の水量は、液位計16aにより検出される。液位計16aからの検出信号はコントロールユニット20に出力される。コントロールユニット20は、バランスタンク16に貯留される水量が所定量に到達しているか否かを判断する。そして、制御部63はバランスタンク16に貯留される水量が所定量に到達したと判断した場合、開閉弁28を閉じる。これにより、市水のバランスタンク16への供給が停止される。
【0062】
制御部63は、開閉弁34を開く。さらに、制御部63は、三方弁32を制御し、管路29aと管路41とを接続する。同時に、制御部63は、ポンプ42を駆動させる。これにより、バランスタンク16に送り込まれた市水は、ポンプ42によって引き込まれ、第1連続滅菌装置18aに送出される。また、制御部63は、三方弁85を制御し、管路83と管路86とを接続して、管路83、管路86、管路88及び管路89までを連通させる。同時に、制御部63は、三方弁91を制御し、管路89と管路92とを接続する。さらに、制御部63は、三方弁94を制御し、管路92と管路95とを接続する。そして、制御部63は、三方弁96を制御し、管路95と管路97とを接続する。その結果、ポンプ42の駆動により送り出される市水は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73、第2冷却器74の順に流れた後、バランスタンク16に戻される。各管路が接続され各管路に送り込まれる水が増えた結果バランスタンク16の液位が所定液位より下がった場合、再度開閉弁28を開放して、送給中液位計16aの上限を超えない限り所定量だけ市水をバランスタンク16を介して補給してもよい。こうして、ポンプ42の駆動により送り出される市水は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73、第2冷却器74の順に流れた後、バランスタンク16に戻される循環により、開放部分のバランスタンク16へ向けて管路や熱交換器内のエアが市水の流れに同伴して送られ、バランスタンク16への管路からの落下時にエアが管路系内から抜かれるのである。こうして、バランスタンク16から予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73、第2冷却器74の要素とその間の管路に市水を充満させ、滞留、キャビテーションによる流量不足や微生物の隠れ場所になる管内エアをなくすエア抜きが完了される。
【0063】
ステップS104は、自動運転を停止するか否かの判定を行う処理である。オペレータによる操作パネル64の操作に基づいて入力される操作信号が、自動運転を停止することを示す信号であるとき、制御部63は、ステップS104の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS111に進む。一方、上記操作信号が、自動運転を開始することを示す信号でないときには、制御部63は、ステップS104の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御部63は、ステップS105に進む。
【0064】
ステップS105は、所定時間経過したか否かを判定する処理である。制御部63は、図示を省略したタイマーにより、自動運転を開始してからの経過時間を測定している。タイマーによる経過時間が予め設定された所定時間に到達した場合には、制御部63はステップS105の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS106に進む。一方、タイマーによる経過時間が予め設定された所定時間に到達していない場合には、制御部63はステップS105の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS104に戻る。ここで、所定時間とは、バランスタンク16に貯留される市水がバランスタンク16と第1連続滅菌装置18aとの間で循環される過程で、バランスタンク16に戻される市水に装置内に残留する空気(気体)が混入されなくなるまでの時間である。
【0065】
ステップS106は、エア抜き工程を終了する処理である。制御部63は、市水を供給している場合は開閉弁28を閉じる。
【0066】
ステップS107は、加熱滅菌工程を開始する処理である。制御部63は、開閉弁26を開き、排液槽15に貯留された排液をバランスタンク16に供給する。開閉弁26を開くことにより、排液がバランスタンク16に供給される。バランスタンク16に貯留される排液の水量は、液位計16aにより検出される。液位計16aからの検出信号はコントロールユニット20に出力される。コントロールユニット20は、図示しない排水槽へ流出する液の流量が少なくて、バッファであるバランスタンク16に貯留されてしまう水量が所定量に到達しているか否かを判断する。そして、制御部63はバランスタンク16に貯留される水量が所定量に到達したと判断した場合、開閉弁26を閉じる。これにより、排液のバランスタンク16への供給が一時停止され、液位計16aの下位レベルなどから貯留液量が減ったと検知したら、制御部63は再び開閉弁26を開放する。
【0067】
また、制御部63は、開閉弁55,61を開く。これにより、井水が第2冷却器74に、蒸気が加熱器71に送り込まれる。
【0068】
したがって、ポンプ42の駆動により第1連続滅菌装置18aに送り込まれた排液は、予熱器70によって予熱された後、加熱器71によって加熱される。その後、加熱された排液は、ホールドチューブ72に送り込まれる。ホールドチューブ72から送り出された排液の温度は、管路83に有する温度センサ84によって検出され、温度センサ84からの検出信号がコントロールユニット20に送られる。コントロールユニット20は、温度センサ84からの検出信号から得られる排液の温度が、設定した温度に到達したか否かを判定する。例えば排液の温度が設定した温度に到達していない場合、制御部63は、三方弁85を制御して、管路83と管路87とを接続する。同時に、制御部63は、三方弁96を制御して、管路87と管路97とを接続する(図5参照)。
【0069】
つまり、ホールドチューブ72から送り出された排液の温度が設定した温度に到達していない場合には、排液の不活性化が適切に行われていない。したがって、図5に示すように、ホールドチューブ72から送り出された排液の温度が設定した温度に到達していない場合、排液は、ホールドチューブ72から送出されたときの温度が設定した温度に到達するまで、バランスタンク16、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72で循環される。この動作により、エア抜きのための市水と導入され始めた排液とが混合され始めた時から、きっちりと一定時間滞留させる体制がいち早く整うこととなる。
【0070】
一方、排液の温度が設定した温度に到達したか、到達している場合には、制御部63は、三方弁94を管路92と管路95との接続から切替えて管路95の代わりに管路50と接続する。また、制御部63は、三方弁85を制御して、管路83と管路86とを接続する。制御部63は、三方弁91を制御して、管路89と管路92を接続する(図6参照)。これにより、バランスタンク16内の液が、一方通行で図示しない排水槽に流れるようになる。
【0071】
この場合、図6に示すように、排液は、第1冷却器73に送り込まれる。排液は、第1冷却器73の内部に送り込まれる熱交換媒体によって冷却される。その後、排液は第2冷却器74に送出される。第2冷却器74に送り込まれた排液は、第2冷却器74内に送り込まれる井水によって冷却される。
【0072】
なお、第2冷却器74にて冷却された排液は排水槽に送り出される。つまり、図6に示すように、ホールドチューブ72から送り出された排液の温度が設定した温度に到達した場合、バランスタンク16から送り出された排液は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73、第2冷却器74の順で流れ、排水槽に送り出される。なお、排液が不活性化されていると判断した場合には、第1連続滅菌装置18aからバランスタンク16に戻る排液がなくなるので、バランスタンク16に貯留される排液の水量が少なくなる。したがって、制御部63は、液位計16aからの水量が下限値になる毎に、開閉弁26を開き、排液を排液槽15からバランスタンク16に供給する。そして、バランスタンク16に貯留される排液の水量が上限値に到達したときに、制御部63は、開閉弁26を閉じる。
【0073】
ステップS108は、自動運転を停止するか否かを判定する処理である。制御部63は、オペレータにより自動運転を停止する操作が行われた場合や、温度センサ84からの検出信号に基づいた温度が危険設定温度の上限値を超えた場合、或いは流量計44からの検出信号に基づいた排液の流量が上限値を超える場合に、自動運転を停止すると判定する。この場合、制御部63は、ステップS108の判定処理の結果をYesとし、ステップS109に進む。一方、上記条件が当てはまらない場合には、制御部63は、引き続き自動運転を行うと判定する。この場合、制御部63は、ステップS108の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS108の判定処理を繰り返し実行する。
【0074】
ステップS109は、加熱滅菌工程を停止する処理である。制御部63は、三方弁85を切り替えて管路83から管路87へ、三方弁96を切替えて、管路87と管路97とを接続する。制御部63は、開閉弁26を閉じて排液槽15からの排液の導入を停止する。その後、図5に示すように、バランスタンク16から管路29、管路41、駆動源42、管路43、予熱器70、管路75、加熱器71、管路81、ホールドチューブ72、管路83、管路87、管路97の順でバランスタンク16に戻る循環をしながら、液の導入を停止されたこの循環経路内の保有液量分全体が、ホールドチューブ72を所定時間流れるまで駆動源42を駆動し続ける。ここで、図示していないが、管路97からバランスタンク16へ加熱された液を戻すにあたり、管路97の末端部で切り替えてバランスタンク17内面にまんべんなく液を噴霧するシャワーボールを介して噴霧しながら戻す。これによりタンク内壁面も液で加熱殺菌され系内に菌がいない状態とする。つまり、SIP洗浄として加熱する。この加熱滅菌工程を停止する処理中も、熱交換媒体ポンプ76の動作も、第2冷却器74への管路52aからの冷媒の供給も継続した状態にしておく。その後、制御部63は、ある一定の時間経過後、開閉弁34を閉じ、バランスタンク16から第1連続滅菌装置18aへの排水の供給を停止する。
【0075】
ステップS110は、冷却停止工程である。図7に示すように、制御部63は、三方弁85を制御して管路83に接続する管路を管路87から管路86に切り替える。制御部63は、三方弁91を制御して管路89と管路92とを接続する。また、制御部63は、三方弁94を制御して、管路92に接続する管路を管路95から管路50へと切り替える。ポンプ42は、引き続き駆動している。したがって、ポンプ42は、バランスタンク16に貯留された完全に不活性化された排液を引き込み、予熱器70に向けて送り出す。その結果、ポンプ42から送り出される排液は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73及び第2冷却器74の順に流れる。また、管路92に接続する管路を管路95から管路50へと切り替えると同時に、制御部63は、加熱器71への蒸気の供給を停止する。一方、熱交換媒体は予熱器70と第1冷却器73との間で引き続き循環される。また、井水は、第2冷却器74に引き続き供給される。したがって、排液は、予熱器70において加熱されずに押し出され、第1冷却器73及び第2冷却器74にて冷却された後、排水槽に押し出される。このように、バランスタンク16に貯留される、加熱滅菌された排液は、ポンプ42の駆動によりワンパスにて排水槽に送り出される。なお、排液は所定時間加熱滅菌されているので、汚染は生じない。
【0076】
一方、ポンプ42の駆動により排液が引き込まれることで、バランスタンク16の液位が次第に下降する(バランスタンク内の排液量が次第に減少する)。そして、バランスタンク16の液位が下限液位となると、制御部63は、バルブ28を開き、バランスタンク16の液位が上限液位となるまで、市水をバランスタンク16に供給する。バランスタンク16の液位が下限液位になるたびに、制御部63は、バルブ28を開き、バランスタンク16に市水を供給する。この市水の供給が、ポンプ42が駆動されている期間内に繰り返し行われる結果、バランスタンク16からポンプ42に引き込まれる排液の濃度が低下していき、最終的に市水となる。そして、バランスタンク16からポンプ42に引き込まれた市水が予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73及び第2冷却器74の順に流れる過程で、各部材をすすぎ、排水槽に送り出される。したがって、系内に排液が残存することが防止される。
【0077】
上記運転では、ホールドチューブ72から送出された排液の温度が冷却されたと判断される温度以下となった時から所定の設定時間が経過すると、制御部63は、開閉弁34を閉じ、ポンプ42の駆動を停止する。同時に、制御部63は、熱交換媒体ポンプ76の動作を停止し、開閉弁55を閉じ、井水の第2冷却器74への供給を停止する。
【0078】
上述したステップS104においてYesとなる場合、つまり、制御部63が自動運転停止であると判定した場合には、ステップS111に進む。
【0079】
ステップS111は、エア抜き工程を停止する処理である。なお、ステップS111の処理を行うと、図3に示すフローチャートに示す処理が終了する。
【0080】
このように、ホールドチューブ72から送り出される排液の温度を検出することで、排液が不活性化されたか否かを判定し、判定結果に基づいて排液の流路を切り替える。その結果、不活性化された場合にのみ排液が処理液として第1連続滅菌装置18aの下流側に送り出される。その結果、不活性化されていない排液を第1連続滅菌装置18aの下流側に送り出すことが防止される。
【0081】
また、予熱器70と冷却器である第1冷却器73との間で熱交換媒体を循環させることで、予熱器70において排液が熱交換媒体内に漏れたとしても、第1冷却器73は熱交換媒体とは処理液を隔離された間接熱交換器なので、不活性化処理を行った処理液に排液が混入する恐れがない。したがって、処理液の汚染を防止することができる。また、予熱器70と第1冷却器73との間で熱交換媒体を循環させることで、予熱器70や第1冷却器73の伝熱面の汚れが少ないため、伝熱面の清掃回数を減らすことが可能となる。
【0082】
なお、第2連続滅菌装置18bも、第1連続滅菌装置18aと同様にして制御される。したがって、第2連続滅菌装置18bにおいても、不活性化された場合にのみ排液が処理液として第2連続滅菌装置18bの下流側に送り出すことが可能となる。
【0083】
次に、上述した第1連続滅菌装置18aや第2連続滅菌装置18bの洗浄について、図8のフローチャートに基づいて説明する。以下では、第1連続滅菌装置18aを洗浄する場合を示す。なお、第1連続滅菌装置18aの洗浄は、第1連続滅菌装置18aにおいて、排液の不活性化処理を行っていない場合に実施される。
【0084】
ステップS201は、洗浄パターンを選択する処理である。オペレータは、操作パネル64を操作して、洗浄パターンを選択する。なお、洗浄パターンを選択できない場合には、ステップS201の処理は省略される。
【0085】
ステップS202は、自動運転を開始するか否かを判定する処理である。オペレータによる操作パネル64の操作に基づいて入力される操作信号が、自動運転を開始することを示す信号であれば、制御部63は、ステップS202の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS203に進む。一方、上記操作信号が、自動運転を開始することを示す信号でないときには、制御部63は、ステップS202の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御部63は、ステップS202の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS202の判定処理を繰り返し実行する。
【0086】
ステップS203は、洗浄工程である。なお、洗浄工程は、CIP洗浄にて実施される。図9に示すように、制御部63は、開閉弁37を開き、市水を洗浄用タンク17に供給する。同時に、制御部63は、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を洗浄用タンク17に供給する。制御部63は、開閉弁37や管路36に備わる図示しない流量調整弁を制御して所定の濃度の水溶液に調整することができる。これにより、洗浄用タンク17に、洗浄液として機能する水酸化ナトリウム水溶液が貯留される。制御部63は、三方弁85を制御して、管路83と管路86とを接続する。同時に、制御部63は、三方弁91を制御して、管路89と管路93とを接続する。また、制御部63は、開閉弁61を開き、蒸気を加熱器71に送り込む。制御部63は、開閉弁55を開き、井水を第2冷却器74に送り込む。制御部63は、熱交換媒体ポンプ76を駆動して、循環路内の井水を補給した熱交換媒体を循環させる。
【0087】
制御部63は、開閉弁39を開く。同時に、制御部63は、三方弁32を制御して、管路38aと管路41とを接続する。また、制御部63は、ポンプ42を駆動させる。これにより、洗浄液がポンプ42を介して第1連続滅菌装置18aに送り込まれる。
【0088】
第1連続滅菌装置18aに送り込まれた洗浄液は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73、第2冷却器74の順で流れ、洗浄用タンク17に戻される。したがって、各部に付着した汚れなどが除去される。
【0089】
ステップS204は、洗浄時間が設定時間に到達したか否かを判定する処理である。制御部63は、ステップS203における洗浄工程の時間(洗浄時間)が、設定時間行われたか否かを判定する。例えば、洗浄時間が設定時間に到達したのであれば、制御部63は、ステップS204の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS205に進む。一方、洗浄回数が設定時間未満である場合には、制御部63は、ステップS204の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS203に戻る。なお、上述した洗浄時間は、制御部63のタイマーによってカウントされるものである。したがって、ステップS204の処理は、洗浄時間が設定時間に到達されるまで実施される。
【0090】
ステップS205は、洗浄液の排出工程である。図10に示すように、制御部63は、三方弁91を制御して、管路89に接続する管路を管路93から管路92へと切り替える。また、制御部63は、三方弁94を制御して、管路92と管路50とを接続する。ポンプ42は引き続き駆動している。したがって、ポンプ42は、洗浄用タンク17に貯留された洗浄液を引き込み、予熱器70に向けて送り出す。その結果、ポンプ42から送り出される洗浄液は、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73及び第2冷却器74の順に流れる。また、上記三方弁91,94の切り替え制御を行うと同時に、制御部63は、加熱器71への蒸気の供給を停止する。一方、熱交換媒体は予熱器70と第1冷却器73との間で引き続き循環される。また、井水は、第2冷却器74に引き続き供給される。したがって、洗浄液は、予熱器70において加熱されずに、第1冷却器73及び第2冷却器74にて冷却された後、排水槽に押し出される。このように、洗浄用タンク17に貯留された洗浄液は、ポンプ42の駆動によりワンパスにて排水槽に送り出される。なお、このステップS205の処理は、洗浄用タンク17の液位が次第に下降し(バランスタンク内の排液量が次第に減少し)、バランスタンク16の液位が下限液位となるまで、行われる。
【0091】
ステップS206は、すすぎ工程である。制御部63は、バルブ37を開き、洗浄用タンク17の液位が上限液位となるまで、市水を洗浄用タンク17に供給する。ポンプ42は引き続き駆動している。したがって、ポンプ42は、洗浄用タンク17に貯留された洗浄液を引き込み、予熱器70に向けて送り出す。洗浄用タンク17の液位が下限液位になるたびに、制御部63は、バルブ28を開き、洗浄用タンク17に市水を供給する。この動作を繰り返し行うことで、ポンプ42に引き込まれる洗浄液の濃度が低下していき、最終的に市水となる。そして、ポンプ42に引き込まれる市水が予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、第1冷却器73及び第2冷却器74の順に流れる過程で、各部材をすすぎ、排水槽に送り出される。したがって、系内に洗浄液が残存することが防止される。
【0092】
本実施形態では、加熱滅菌工程においてホールドチューブ72から送出された排液の温度を検出して、該検出温度が設定温度未満となる場合にバランスタンク16に排液を戻しているが、例えば、流量計44,49により検出された排液の流量が、設定流量を超える場合に排液をバランスタンク16に戻してもよい。
【0093】
本実施形態では、各要素の熱交換器を、例えばシェルアンドチューブ方式を例としたが当然これに限られず、プレート式やスパイラル式などほかの形式の熱交換器であってもよい。また、熱交換媒体と第2冷却器への供給を井水としたが、当然これに限られず市水でもほかの清水でも清水であればなんでもよい。
【0094】
本実施形態では、加熱器71での加熱が、排液側では大気圧で沸騰しない100℃未満の例を示したが、ポンプ42以降の、予熱器70、加熱器71、ホールドチューブ72、温度センサ84、第1冷却器73及び第2冷却器74までの系が加圧された高温水系とするため、三方弁85、三方弁96は削除して管路89の位置に背圧弁を設け、加熱器71及びホールドチューブ72にて100℃以上の排液を液相で温度保持可能として、厳密な高圧蒸気滅菌とすることも当然よい。その場合、図5に示す排液の流路(管路87を介する)により排液をバランスタンク16へ戻すことはできず、図4に示す市水の流路(管路89、管路92及び管路95を介する)により高圧水の状態で排液を冷やした後でバランスタンク16へ戻せば突沸を防止できてよい。
【符号の説明】
【0095】
10…滅菌設備、15…排液槽、16…バランスタンク、16a,17a…液位計、17…洗浄用タンク、18…連続滅菌装置、18a…第1連続滅菌装置、18b…第2連続滅菌装置、26,28,34,37,39,55,56,57,58,61,62…開閉弁、32,33,85,91,94,96…三方弁、42,47,76…ポンプ、70…予熱器、44,49…流量計、71…加熱器、72…ホールドチューブ、73…第1冷却器、74…第2冷却器、84…温度センサ
図1
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図10