(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
A45D20/12 C
(21)【出願番号】P 2020058753
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】202010174245.1
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020310546.8
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517144123
【氏名又は名称】エアーグル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Airgle Corporation
【住所又は居所原語表記】14838 56th RD flushing NY USA
(73)【特許権者】
【識別番号】520109081
【氏名又は名称】深▲せん▼奥郎格環保有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN AIRGLE CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】ZONE A&B, THE 11TH FLOOR, KECHUANG BUILDING,QUANZHI SCIENCE & TECHNOLOGY INNOVATION PARK HOUTINGMAOZHOUSHAN INDUSTRIAL PARK SHAJING STREET, BAOAN DISTRICT,SHENZHEN CITY, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲きん▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 拯
(72)【発明者】
【氏名】徐 勇
(72)【発明者】
【氏名】龍 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】聶 列清
(72)【発明者】
【氏名】石 紹斉
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-531626(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110219833(CN,A)
【文献】米国特許第06102075(US,A)
【文献】特開2015-066447(JP,A)
【文献】特開2015-112493(JP,A)
【文献】特開2015-023798(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110448029(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104510137(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D20/00-20/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に
吸込口から流れ込んだ流体を吹出口から排出する前記流体が流れる風道が形成さ
れるケースと、
前記ケースに設置され、且つ前記風道内に位置するファンと、
前記ケースの外側に嵌設されて固定されるシェルと、
を含み、
前記ケースの外面は横断面が正多角形を呈する正多角形ケース部分を有し、前記シェルの内面は横断面が円形を呈する円形シェル部分を有し、前記円形シェル部分が前記正多角形ケース部分に嵌設されることで、前記ケースの
外面と前記シェルの内面との間において複数の凹んだ円弧空間を備える消音隙間が形成される、ことを特徴とするヘアドライヤー。
【請求項2】
前記ケースは本体とハンドルを含み、前記本体は前記吹出口を有し、前記ハンドルには前記吸込口が設けられて、前記本体は前記ハンドルと接続されることで、前記本体と前記ハンドルとを組み合わせて前記風道を形成し、前記ファンは前記ハンドル内に位置し、前記ハンドルは前記正多角形ケース部分を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記ハンドルは、
前記本体と接続されている接続部と、
前記接続部の前記本体から離れた側に接続され、前記ファンが内部に取り付けられている取付部と、
前記取付部の前記接続部から離れた側に接続され、前記吸込口が設けられている吸込部と、を含み、
前記シェルは前記接続部と前記取付部に嵌設されて固定され、前記取付部が前記正多角形ケース部分である、ことを特徴とする請求項2に記載のヘアドライヤー。
【請求項4】
前記ハンドルの延伸方向において、前記接続部の横断面面積は前記取付部の横断面面積より大きい、ことを特徴とする請求項3に記載のヘアドライヤー。
【請求項5】
前記接続部の前記シェルに向かう表面には消音溝が凹んで設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載のヘアドライヤー。
【請求項6】
前記消音溝の数は複数であり、複数の前記消音溝は前記接続部の周方向に沿って間隔を置いて配列されている、ことを特徴とする請求項
5に記載のヘアドライヤー。
【請求項7】
前記シェルの内壁面には凸起が設置され、前記取付部には凹溝が設けられ、前記シェルの凸起は前記取付部の凹溝内に嵌められて、且つネジ接続により固定を行う、ことを特徴とする請求項3に記載のヘアドライヤー。
【請求項8】
前記ヘアドライヤーはさらに操作スイッチを含み、前記シェルには第一取付穴、前記接続部には対応するように第二取付穴が設けられて、前記操作スイッチは順に前記第一取付穴と前記第二取付穴を通り、且つ前記シェルに押さえられて前記ハンドルに固定される、ことを特徴とする請求項3に記載のヘアドライヤー。
【請求項9】
ヘアドライヤーはさらに第一ろ過スリーブを含み、前記第一ろ過スリーブは前記吸込部に外嵌されて固定され、且つ前記吸込口を覆い、前記第一ろ過スリーブには外部の流体をろ過するための幾つかの第一ろ過穴が設けられている、ことを特徴とする請求項3から8の何れか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項10】
前記ヘアドライヤーはさらに第二ろ過スリーブを含み、前記第二ろ過スリーブには幾つかの第二ろ過穴が設けられて、前記第二ろ過スリーブは前記吸込部の前記取付部から離れた一端に接続されて、且つ前記第二ろ過スリーブの内面は前記第一ろ過スリーブの外面に当接されて、かつ前記第二ろ過穴は前記第一ろ過穴と向かい合うように設置されて、前記第一ろ過穴の穴径は前記第二ろ過穴の穴径より小さい、ことを特徴とする請求項9に記載のヘアドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電の分野に関し、特にヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術において、ヘアドライヤーは人々の日常生活において頻繁に使われている小型家電製品であり、ヘアドライヤーは主に髪の毛の乾かしとスタイリングに使われているが、日常の使用において、ヘアドライヤーの運転時に、ファンの回転により生じた騒音は非常に大きく、ひいては騒音による公害を起こし、使用者の使用に影響してしまう。
【0003】
上記内容は本願の技術案の理解を助けるために用いられ、上記内容が先行技術だと認めるわけではない。
関連技術として、特許文献1(KR 10-2018-0086531)では、少なくとも1つのワイヤ(102,104)をハウジング内に配線するためのデバイス(100)であって、中央ハブ(110)と、中央ハブからハウジングに向かって延びる少なくとも1つのアーム(120,122)を有するデバイス(100)が開示され、該少なくとも1つのアームは、該少なくとも1つのワイヤを収容し、ハウジングは、中央ハブの直径よりも大きい直径を有し、該少なくとも1つのアームは、一対のアームを含んでもよく、一対のアームはY字形をなすことができるが開示されてある。また、デバイスは、第1の部分及び第2の部分から形成され、第1の部分及び第2の部分は該少なくとも1つのアームの一部を構成することができ、第1の部分(100a)及び第2の部分(100b)はハブの一部を構成することができることが開示されてある。さらに、手持ち式の電気器具が開示され、手持ち式の電気器具は、流体が流入する流体入口から流体が流出する流体出口までの流体通路を定めるチューブと、少なくとも1つのワイヤをチューブに配線するためのデバイスと、を有することが開示されてある。
また、関連技術として、特許文献2(KR 10-1761297)では、電気モータ取付具が開示され、この取付具は、モータを収容するためのスリーブと、スリーブの周りに延びる環状シールとを備え、スリーブは、スリーブの表面から突出する複数の素子を含み、スリーブは、第1の端部及び第2の端部を有し、環状シールは、スリーブの第1の端部に配置され、第2の環状シールは、スリーブの第2の端部に配置され、環状シールはベローズシールとすることができることが開示されてある。また、複数の素子は、少なくとも一列の円錐素子、スリーブの周りで離間した軸方向リブ、スリーブの周りで離間した圧縮リブ、及び/又はスリーブの周りで半径方向に配置されたリップシールを含むことが開示されてある。さらに、ヘアケア用電気器具が開示され、ヘアケア用電気器具は流体入口、流体出口、及び環状座部を有するケーシングと、モータ取付具とを備え、モータ取付具は環状座部で支持されることが開示されてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、ヘアドライヤーの運転時の騒音を低減させることで、使用者がヘアドライヤーを使用する時ファンの騒音に影響される程度を低減させるためのヘアドライヤーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願が提案するヘアドライヤーは、
内部に風道が形成され、前記風道に連通する吸込口と吹出口を有するケースと、
前記ケースに設置され、且つ前記風道内に位置するファンと、
前記ケースの外側に嵌設されて固定され、且つ前記ケースの外面と前記シェルの内面との間に消音隙間を形成するシェルと、
を含む。
【0006】
本願の一実施例において、前記ケースは本体とハンドルを含み、前記本体は前記吹出口を有し、前記ハンドルには前記吸込口が設けられて、前記本体は前記ハンドルと接続されることで、前記本体と前記ハンドルとを組み合わせて前記風道を形成し、前記ファンは前記ハンドル内に位置する。前記シェルが前記ハンドルの外側に嵌設されることで、前記ハンドルの外面と前記シェルの内面との間に消音隙間を形成する。
【0007】
本願の一実施例において、前記ハンドルは、
前記本体と接続されている接続部と、
前記接続部の前記本体から離れた側に接続され、前記ファンが内部に取り付けられている取付部と、
前記取付部の前記接続部から離れた側に接続され、前記吸込口が設けられている吸込部と、を含み、
前記シェルは前記接続部と前記取付部に嵌設されて固定され、且つ前記シェルと前記取付部との間に前記消音隙間を形成する。
【0008】
本願の一実施例において、前記ハンドルの延伸方向において、前記取付部の横断面は多角形を呈し、前記シェルの横断面は円形を呈し、
且つ/又は、前記ハンドルの延伸方向において、前記接続部の横断面面積は前記取付部の横断面面積より大きい。
【0009】
本願の一実施例において、前記接続部の前記シェルに向かう表面には消音溝が凹んで設けられている。
【0010】
本願の一実施例において、前記消音溝の数は複数であり、複数の前記消音溝は前記接続部の周方向に沿って間隔を置いて配列されている。
【0011】
本願の一実施例において、前記シェルの内壁面には凸起が設置され、前記取付部には凹溝が設けられ、前記シェルの凸起は前記取付部の凹溝内に嵌められて、且つネジ接続により固定を行う。
【0012】
本願の一実施例において、前記ヘアドライヤーはさらに操作スイッチを含み、前記シェルには第一取付穴、前記接続部には対応するように第二取付穴が設けられて、前記操作スイッチは順に前記第一取付穴と前記第二取付穴を通り、且つ前記シェルに押さえられて前記ハンドルに固定される。
【0013】
本願の一実施例において、ヘアドライヤーはさらに第一ろ過スリーブを含み、前記第一ろ過スリーブは前記吸込部に外嵌されて固定され、且つ前記吸込口を覆う。前記第一ろ過スリーブには外部の流体をろ過するための幾つかの第一ろ過穴が設けられている。
【0014】
本願の一実施例において、前記ヘアドライヤーはさらに第二ろ過スリーブを含み、前記第二ろ過スリーブには幾つかの第二ろ過穴が設けられて、前記第二ろ過スリーブは前記吸込部の前記取付部から離れた一端に接続されて、且つ前記第二ろ過スリーブの内面は前記第一ろ過スリーブの外面に当接されて、かつ前記第二ろ過穴は前記第一ろ過穴と向かい合うように設置されて、前記第一ろ過穴の穴径は前記第二ろ過穴の穴径より小さい。
【0015】
本発明の技術案のヘアドライヤーはケース、ファン及びシェルを含み、当該ケース内には風道が形成され、且つケース内は風道に連通する吸込口1と吹出口があり、当該ファンはケースに設置されて且つ風道内に位置し、当該シェルはケースの外側に嵌設されて固定され、且つケースの外面とシェルの内面との間に消音隙間を形成している。このように、ファンの運転時に生じた音はケース、消音隙間、シェルを順に通り、最後に外部の環境に伝播する。この過程において生じた音は消音隙間を通った時、空気中で拡散するので、ファンの運転時に生じた音の大きさは消音隙間を通ることで弱くなり、よって、外部の環境に伝播した時の音の大きさは比較的小さい。このように、ヘアドライヤーの運転時の騒音を有効に低減させて、使用者がヘアドライヤーを使用する時ファンの騒音に影響される程度を低減させて、さらには使用者がヘアドライヤーを使用する快適度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単にs説明する。下記説明における添付図面は本発明の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【
図1】本発明のヘアドライヤーの一実施例の構造模式図である。
【
図2】本発明のヘアドライヤーの分解構造模式図である。
【
図3】本発明のヘアドライヤーのシェルとハンドルの構造模式図である。
【
図4】本発明のヘアドライヤーのハンドルと操作ボタンの組立構造模式図である。
【
図5】
図4のもう一つの角度から見たヘアドライヤーのハンドルと操作ボタンの組立模式図である。
【
図6】本発明のヘアドライヤーのシェル構造模式図である。
【
図7】本発明のヘアドライヤーの第一ろ過スリーブの構造模式図である。
【
図8】本発明のヘアドライヤーの第二ろ過スリーブの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施例における添付図面と組み合わせ、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本発明の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られた全ての他の実施例は、本発明の保護する範囲に属す。
【0018】
本発明の実施例での全ての方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後......)は、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられ、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれ相当に変わることは説明すべきである。
【0019】
本発明において、別途明確な規定や限定がない限り、術語「接続」、「固定」などは広義に理解されるべきである。例えば、「固定」は固定的な接続でもよく、取り外し可能な接続でもよく、或いは一体としてもよい、機械的な接続でもよく、電気的な接続でもよい、直接につながってもよく、中間にある媒介によって間接的につながってもよく、二つの素子内部の連通或いは二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況により上記術語の本発明における具体的な意味を理解できる。
【0020】
また、本発明の実施例において「第一」、「第二」等の説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定されている特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。また、各実施例の技術案はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在しない、且つ本発明が主張する保護範囲にないと理解すべきである。
【0021】
本願発明ではヘアドライヤー100を提案する。
【0022】
図1から
図3、及び
図6を参照し、本発明の実施例では、当該ヘアドライヤー100はケース10、ファン及びシェル20を含み、前記ケース10内には風道が形成され、前記ケース10内は前記風道に連通する吸込口1231と吹出口112があり、前記ファンは前記ケース10に設置されて且つ前記風道内に位置し、前記シェル20は前記ケース10の外側に嵌設されて固定され、且つ前記ケース10の外面と前記シェル20の内面との間に消音隙間10Aを形成している。
【0023】
当該ファンは具体的に、モータがブレードを回転させて吸い込ませるようにすることが可能である。ヘアドライヤー100の使用安全性を高めるために、ケース10の材質はプラスチック材質、例えば、ABS、POM、PS、PMMA、PC、PET等の材質を採用してもいいが、勿論、他の絶縁材質でもよい。これにより、ヘアドライヤー100に漏電が起こった場合、使用者はハンドル12を握って感電しにくくなり、使用者によるヘアドライヤー100の使用の安全性を高める。同時に、使用者がヘアドライヤー100を把持する時に比較的良い手触りが得られるように、当該ケース20はゴム等の弾性材質としてもよい。消音隙間10Aが大きいほど、騒音低減の効果はよいが、それなりにヘアドライヤー100の体積を増やしてしまうので、本願では、ケース10とシェル20との間に消音隙間10Aが存在するのを保証すればよく、具体的な消音隙間10Aの大きさは当業者により選択でき、ここでは限定しないことは、説明しておく必要がある。また、ヘアドライヤー100は電源コード60を含み、電源コード60はケース10に接続されて、且つケース10の外に出ているので、外部の電源と接続して、持続時間を延ばすことができる。
【0024】
本発明の技術案のヘアドライヤー100はケース10、ファン及びシェル20を含み、当該ケース10内には風道が形成され、且つケース10は風道に連通する吸込口1231と吹出口112を有し、当該ファンはケース10に設置されて且つ風道内に位置し、当該シェル20はケース10の外側に嵌設されて固定され、且つケース10の外面とシェル20の内面との間に消音隙間10Aを形成している。このように、ファンの運転時に生じた音はケース10、消音隙間10A、シェル20を順に通り、最後に外部の環境に伝播する。この過程において生じた音は消音隙間10Aを通った時、空気中で拡散するので、ファンの運転時に生じた音の大きさは消音隙間10Aを通ることで弱くなり、よって、外部の環境に伝播した時の音の大きさは比較的小さい。このように、ヘアドライヤー100の運転時の騒音を有効に低減させて、使用者がヘアドライヤー100を使用する時ファンの騒音に影響される程度を低減させて、さらには使用者がヘアドライヤー100を使用する快適度を向上させる。
【0025】
本願の一実施例において、
図1から
図5を参照し、前記ケース10は本体11とハンドル12を含み、前記本体11は前記吹出口112を有し、前記ハンドル12には前記吸込口1231が設けられて、前記本体11は前記ハンドル12と接続されることで、前記本体11と前記ハンドル12とを組み合わせて前記風道を形成する。前記ファンは前記ハンドル12内に位置する。前記シェル20が前記ハンドル12の外側に嵌設されることで、前記ハンドル12の外面と前記シェル20の内面との間に消音隙間10Aを形成する。具体的に、当該本機体に加熱ワイヤーとPCB回路基板等の構造を設けてもよい。こうして、PCB回路基板を通して加熱ワイヤーの作動を制御して、吸込口1231から流れ込んだ流体が加熱ワイヤーによる加熱を経てから吹出口112から排出されるようにして、使用者が温風を必要とする場合で満足させることが可能である。吸込口1231をハンドル12に設け、吹出口112を本機体上に設けることで、ヘアドライヤー100内の風道の長さを保証して、外部の流体がヘアドライヤー100内に流れ込んてから比較的長い時間続くことができ、加熱に便利になる。同時にファンをハンドル12内に設置することで、本体11の重さを低減させて、使用者がハンドル12を把持する時にヘアドライヤー100の全体がさらに安定するようにして、ヘアドライヤー100の使用に便利になる。ファンの騒音を消すために、対応するようにシェル20をハンドル12に嵌設して且つハンドル12と消音隙間10Aを形成することで、ファンに対して騒音低減を行う。
【0026】
さらに、前記ハンドル12は接続部121、取付部122及び吸込部123を含み、前記接続部121は前記本体11と接続され、前記取付部122は前記接続部121の前記本体11から離れた側に接続され、前記ファンは前記取付部122内に取り付けられ、前記吸込部123は前記取付部122の前記接続部121から離れた側に接続され、前記吸込口1231は前記吸込部123に設けられている。前記シェル20は前記接続部121と前記取付部122に嵌設されて固定され、前記シェル20と前記取付部122との間に前記消音隙間10Aを形成する。具体的に、当該接続部121と取付部122及び吸込部123は一体構造とすることで、取付過程を省くだけでなく、ハンドル12の強度を保証する。具体的に、接続部121と本体11との間の接続はバックル或いはネジ接続とすることで、後の修理、脱着を便利にする。同時に、ファンはバックル等の方法で取付部122内に固定され、ファンが取り付けた後に揺れるのを避けることが可能である。吸込部123を取付部122の接続部121から離れた側に接続することで、吸込口1231の吹出口112に対する距離をさらに長くして、ヘアドライヤー100内の風道の長さをさらに保証する。
【0027】
さらに、前記ハンドル12の延伸方向において、前記取付部122の横断面は多角形を呈し、前記シェル20の横断面は円形を呈している。具体的に、当該ハンドル12の延伸方向をハンドル12の長さ方向とすることで、ハンドル12とシェル20とを嵌設する時、多角形と円形の嵌合により、取付部122とシェル20の間に複数の凹んだ円弧空間を形成する。さらに、複数の凹んだ円弧空間を通して消音隙間10Aを形成することで、ファンの騒音を効果的に低減させる。これとともに、複数の凹んだ円弧はファン周りに配置されることで、複数の方位からファンに対して騒音低減を行い、ファンに対する騒音低減効果を保証する。当該多角形としては、六角形、八角形、十角形等とすることが可能である。具体的には、当業者により選択できるとともに、当該多角形の辺の長さを何れも等しくすることで、各方位からのファンに対す騒音低減効果を同じくする。
【0028】
好ましくは、前記ハンドル12の延伸方向において、前記接続部121の横断面面積は前記取付部122の横断面面積より大きい。当該ハンドル12の延伸方向はハンドル12の長さ方向とすることか可能である。取付部122とシェル20との間の消音隙間10Aのスペースを大きくして、接続部121の横断面面積を取付部122の横断面面積より大きくするために、シェル20の取付を行う時、先ずは接続部121と当接され接触して、取付部122とシェル20との間の隙間をさらに大きくして、ファンに対する騒音低減効果を向上させる。
【0029】
本願の一実施例において、
図4と
図5を参照し、前記接続部121の前記シェル20に向かう表面には消音溝1211が凹んで設けられている。具体的に、騒音低減の効果をさらに向上させるために、接続部121のシェル20に向かう表面に消音溝1211が凹んで形成されている。即ち、シェル20が接続部121と当接された時、当該消音溝1211とシェル20との間に一定の隙間が存在する。ファンが運転する時に生じた音が当該隙間を通った時もそれなりに大きさを小さくして、使用者がヘアドライヤー100を使用する時ファンの騒音に影響される程度をさらに低減させる。
【0030】
さらに、前記消音溝1211の数は複数であり、複数の前記消音溝1211は前記接続部121の周方向に沿って間隔を置いて配列されている。複数の消音溝1211を設置することで騒音低減の効果を向上させる。消音溝1211の具体的な数は当業者が実際の状況により選択できるとともに、複数の消音溝1211が接続部1211の周方向に沿って間隔を置いて配列することで、複数の方位からファンに騒音低減を提供して、ファンに対する騒音低減効果をさらに向上させることができる。
【0031】
本願の一実施例において、
図4から
図6を参照し、前記シェル20の内壁面には凸起21が設置され、前記取付部122には凹溝1221が設けられ、前記シェル20の凸起21は前記取付部122の凹溝1221内に嵌められて、且つネジ接続により固定を行う。具体的に、シェル20上に凸起21を設置して、取付部122に凹溝1221を設けることで、シェル20を取付部122に嵌設する時に位置決めの役割を果たして、シェル20を取り付ける時の精度を保証する。それと共に、シェル20を取付部122に嵌設してから、シェル20の凸起21には第一接続穴、取付部122の凹溝1221内には第二接続穴が設けられて、ネジをそれぞれ第一接続穴と第二接続穴に通すことで、シェル20と取付部122をさらに固定して、シェル20の接続後の安定性を保証して、シェル20の揺れにより消音隙間10Aに影響するのを避けて、ヘアドライヤー100の使用を保証する。
【0032】
本願の一実施例において、
図2と
図4を参照し、前記ヘアドライヤー100はさらに操作スイッチ30を含み、前記シェル20には第一取付穴22、前記接続部121には対応するように第二取付穴1212が設けられて、前記操作スイッチ30は順に前記第一取付穴22と前記第二取付穴1212を通り、且つ前記シェル20に押さえられて前記ハンドル12に固定される。具体的に、操作スイッチ30が順に第一取付穴22と第二取付穴1212を通り、そしてシェル20で押さえてハンドル12と接続させることで、シェル20の取付後の安定性をさらに向上させ、シェル20が取り付けられた後に揺れるのを避ける。当該操作スイッチ30がさらにPCB回路基板と接続されることにより、当該操作スイッチ30で風速と温度等の機能を調節することができる。具体的には当業者により選択でき、ここでは説明しない。
【0033】
本願の一実施例において、
図2、
図7及び
図8を参照し、ヘアドライヤー100はさらに第一ろ過スリーブ40を含み、前記第一ろ過スリーブ40は前記吸込部123に外嵌されて固定され、且つ前記吸込口1231を覆う。前記第一ろ過スリーブ40には前記外部の流体をろ過するための幾つかの第一ろ過穴41が設けられている。外部の流体をろ過するように第一ろ過スリーブ40を設置することで、ハンドル12内に流れる流体の清浄度を保証できるとともに、異物がハンドル12に流れ込むことによりヘアドライヤー100への損傷を避けて、ヘアドライヤー100の使用を保証する。同時に、前記ハンドル12の前記本体11から離れた一端には複数の当接凸起1232が凸出するように設置され、前記第一ろ過スリーブ40が前記吸込部123に外嵌された時、前記複数の当接凸起1232は前記第一ろ過スリーブ40の位置を制限して当接されて保持するために用いられる。複数の当接凸起1232はハンドル12の本体11から離れた一端に対称に設置されて、第一ろ過スリーブ40がハンドル12に外嵌された後、複数の当接凸起1232で第一ろ過スリーブ40を当接により固定すると共に、当接時に受ける力のバランスを保証できる。これにより、第一ろ過スリーブ40の取り付け後に揺れにくくして、第一ろ過スリーブ40の取り付け後の安定性を向上させた。
【0034】
さらに、前記ヘアドライヤー100はさらに第二ろ過スリーブ50を含み、前記第二ろ過スリーブ50には幾つかの第二ろ過穴51が設けられて、前記第二ろ過スリーブ50は前記吸込部123の前記取付部122から離れた一端に接続されて、且つ前記第二ろ過スリーブ50の内面は前記第一ろ過スリーブ40の外面に当接されて、かつ前記第二ろ過穴51は前記第一ろ過穴41と向かい合うように設置されて、前記第一ろ過穴41の穴径は前記第二ろ過穴51の穴径より小さい。具体的に、第二ろ過スリーブ50と第一ろ過スリーブ40を組み合わせて設置することで、複数層のろ過を形成して、流体をろ過する効果をさらに向上させる。第二ろ過スリーブ50はネジ或いはバックル等の手段で吸込部123に接続できる。第二ろ過スリーブ50がハンドル12に接続された時、第二ろ過スリーブ50の内面が第一ろ過スリーブ40の外面と当接されているので、第二ろ過スリーブ50を固定することで、同時に第一ろ過スリーブ40の位置を制限して固定し、第一ろ過スリーブ40と第二ろ過スリーブ50の同時固定を実現できる。これによりヘアドライヤー100の構造全体の安定性を保証する。
【0035】
以上に述べたことは本発明の好ましい実施例にすぎず、それによって本発明の特許の範囲を制限するわけではない。本発明の発明構想の下で、本発明の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的なの応用は、何れも本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100 ヘアドライヤー、
10 ケース、
11 本体、
112 吹出口、
12 ハンドル、
121 接続部、
1211 消音溝、
1212 第二取付穴、
122 取付部、
1221 凹溝、
123 吸込部、
1231 吸込口、
1232 当接凸起、
10A 消音隙間、
20 シェル、
21 凸起、
22 第一取付穴、
30 操作スイッチ、
40 第一ろ過スリーブ、
41 第一ろ過穴、
50 第二ろ過スリーブ、
51 第二ろ過穴、
60 電源コード。