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特許7190764通話システム、通話方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】通話システム、通話方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20221209BHJP
   H04M 3/58 20060101ALI20221209BHJP
   H04M 1/26 20060101ALI20221209BHJP
   H04M 1/72 20210101ALI20221209BHJP
【FI】
H04M3/42 Z
H04M3/58
H04M1/26
H04M1/72
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021124004
(22)【出願日】2021-07-29
(62)【分割の表示】P 2020132995の分割
【原出願日】2017-04-07
(65)【公開番号】P2021168522
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】514216384
【氏名又は名称】株式会社Widsley
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘考
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-325145(JP,A)
【文献】特開2001-086244(JP,A)
【文献】特開2016-225973(JP,A)
【文献】特開平08-167939(JP,A)
【文献】特開2006-128961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に当該通話先を示す通話先情報を送信し、当該発呼に応じて当該通話先の電話機との間で通信が接続された場合に接続結果情報を受信する制御装置と、
前記通話元から第1の音声ストリーミングデータを受信し、前記通話先との通話に用いる当該第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを送信する音声処理装置と、
前記通話のための処理を監視する監視装置と、を含み、
前記制御装置は、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータを前記監視装置に送信し、
前記音声処理装置は、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータ及び前記音声ストリーミングデータを前記監視装置に送信し、
前記監視装置は、前記制御装置及び前記音声処理装置から送信されたデータを受信し、当該データの内容を表示部に表示する
ことを特徴とする通話システム。
【請求項2】
前記通話先情報を受信した場合に、前記通話先に対して発呼を行う通信端末をさらに含み、
前記通信端末は、前記通話先との通話において前記第1の音声データを再生するとともに、当該通話先との通話における当該通話先の音声を含む第2の音声データを前記音声処理装置に対して送信し、
前記音声処理装置は、前記第2の音声データに基づいて作成した第2の音声ストリーミングデータを、前記通話元に対して送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通話システム。
【請求項3】
複数の前記通信端末を含み、
前記制御装置は、前記通話元から複数の通話先に対する発呼の指示を受信した場合に、当該の通話先の各々の通話先情報を、他の通話先情報と重複しないように、複数の前記通信端末のいずれか一つに送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の通話システム。
【請求項4】
第1および第2の音声ファイルを記憶する第2の記憶装置をさらに含み、
前記音声処理装置は、前記第2の音声データに基づいて作成した前記音声ファイルを、前記第2の記憶装置に記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の通話システム。
【請求項5】
通話のための通信を制御する制御装置と、音声処理を行う音声処理装置と、通話のための処理を監視する監視装置とを備える通話システムに用いる通話方法であって、
前記制御装置が、通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に当該通話先を示す通話先情報を送信し、当該発呼に応じて当該通話先の電話機との間で通信が接続された場合に接続結果情報を受信するステップと、
前記音声処理装置が、前記通話元から第1の音声ストリーミングデータを受信し、前記通話先との通話に用いる当該第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを送信するステップと、を含み、
更に、前記制御装置が、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータを前記監視装置に送信するステップと、
前記音声処理装置が、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータ及び前記音声ストリーミングデータを前記監視装置に送信するステップと、
前記監視装置が、前記制御装置及び前記音声処理装置から送信されたデータを受信し、当該データの内容を表示部に表示するステップ、
とを実行することを特徴とする通話方法。
【請求項6】
通話のための通信を制御する制御装置と、音声処理を行う音声処理装置と、通話のための処理を監視する監視装置とを備える通話システムに用いるプログラムであって、
前記通話システムに用いられるコンピュータに、
前記制御装置が、通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に当該通話先を示す通話先情報を送信し、当該発呼に応じて当該通話先の電話機との間で通信が接続された場合に接続結果情報を受信する機能と、
前記音声処理装置が、前記通話元から第1の音声ストリーミングデータを受信し、前記通話先との通話に用いる当該第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを送信する機能と、を含み、
更に、前記制御装置が、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータを前記監視装置に送信する機能と、
前記音声処理装置が、処理を実行する都度、当該処理の内容を示すデータ及び前記音声ストリーミングデータを前記監視装置に送信する機能と、
前記監視装置が、前記制御装置及び前記音声処理装置から送信されたデータを受信し、当該データの内容を表示部に表示する機能、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の通話先との通話を行う通話システム、通話のための通信を制御する通話システム、通話方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの顧客との通話を行うコールセンターにおいては、CTI(Computer Telephony Integration)が利用されている。CTIでは、電話番号を含む通話先に関する情報をコンピュータが記憶しており、コンピュータにより電話回線を通じて発呼が行われる。オペレータは、コンピュータを操作し、発呼の後に通信接続された通話先と通話を行う。特許文献1には、CTIを利用したコールセンターシステムの例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5485075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コールセンターを利用して業務を行おうとする者は、CTI用のコンピュータ及び電話回線等の必要な設備を用意する必要がある。このため、利用のための費用が高いという問題がある。また、オペレータによる業務はコールセンター内のみで行う必要があり、業務形態に制限がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、利用のための費用の低減が可能になり、業務形態をより自由にすることができる通話システム、通話方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通話システムは、通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に、当該通話先を示す通話先情報を送信する制御装置と、前記通話先情報を受信した場合に、前記通話先に対して発呼を行う通信端末と、前記通話先との通話に用いる第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを、前記通信端末に送信する音声処理装置と、を含み、前記制御装置は、前記通信端末から受信した当該通信端末と前記通話先との間で通信が確立したことを示す情報を、前記通信元に送信し、前記通信端末は、前記通話先との通話において前記第1の音声データを再生するとともに、当該通話先との通話における当該通話先の音声を含む第2の音声データを前記音声処理装置に対して送信し、前記音声処理装置は、前記第2の音声データに基づいて作成した第2の音声ストリーミングデータを、前記通話元に対して送信することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る通話システムは、前記通話元のユーザが使用する端末装置をさらに含み、
前記端末装置は、前記制御装置に対して前記発呼の指示を送信するとともに、前記通話先との通話において前記音声処理装置から受信した前記第2の音声ストリーミングデータに対応する第2の音声データを再生することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る通話システムは、
複数の通話先を示す複数の通話先情報を記憶する第1の記憶装置をさらに含み、前記制御装置は、前記通話元から受信した前記通信先に対する発呼の指示に基づいて、前記第1の記憶装置を参照して前記通話先を示す通話先情報を抽出することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る通話システムは、複数の前記通信端末を含み、前記制御装置は、前記通話元から複数の通話先に対する発呼の指示を受信した場合に、当該の通話先の各々の通話先情報を、他の通話先情報と重複しないように、複数の前記通信端末のいずれか一つに送信することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る通話システムは、前記制御装置は、前記通信が確立されたことを示す情報を受信した場合に、前記通信端末に対して、前記発呼の停止指示を送信することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る通話システムは、前記通信端末は、当該通信端末と前記通話先との間で通信が確立された場合に、前記発呼を自律的に停止することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る通話システムは、前記第1および第2の音声ファイルを記憶する第2の記憶装置をさらに含み、前記音声処理装置は、前記第2の音声データに基づいて作成した前記音声ファイルを、前記第2の記憶装置に記憶することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る通話システムは、前記通話のための処理を監視する監視装置をさらに含み、前記制御装置は、前記通話のための処理を前記監視装置に対して送信し、前記音声処理装置は、前記音声ストリーミングデータを前記監視装置に対して送信することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る通信方法は、通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に、当該通話先を示す通話先情報を送信するステップと、前記通話先情報を受信した場合に、前記通話先に対して発呼を行うステップと、前記通話先との通話に用いる第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを送信するステップと、前記通話先との間で通信が確立したことを示す情報を前記通信元に送信するステップと、前記通話先との通話において前記第1の音声データを再生するとともに、当該通話先との通話における当該通話先の音声を含む第2の音声データを送信するステップと、前記第2の音声データに基づいて作成した第2の音声ストリーミングデータを、前記通話元に対して送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るプログラムは、通話元からの通話先に対する発呼の指示を受信した場合に、当該通話先を示す通話先情報を送信する機能と、前記通話先情報を受信した場合に、前記通話先に対して発呼を行う機能と、前記通話先との通話に用いる第1の音声ストリーミングデータに対応する第1の音声データを送信する機能と、前記通話先との間で通信が確立したことを示す情報を前記通信元に送信する機能と、前記通話先との通話において前記第1の音声データを再生するとともに、当該通話先との通話における当該通話先の音声を含む第2の音声データを送信する機能と、前記第2の音声データに基づいて作成した第2の音声ストリーミングデータを、前記通話元に対して送信する機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、使用者が使用する端末装置は、インターネット等の外部の通信ネットワークを介して、通信の制御を行う制御装置及び音声処理装置と接続されている。使用者と通話先との間で通話を行うために、通信ネットワークを通じて端末装置と音声処理装置との間で音声ストリーミングデータが送受信され、音声処理装置と通信端末との間で音声データが送受信され、通信端末と通話先との間で通話のための通信が行われる。音声ストリーミングデータを送受信することにより、使用者は通信ネットワークを通じてほぼリアルタイムで通話を行うことが可能である。また、端末装置が通信ネットワークに接続することができる場所であれば、端末装置の配置が可能である。
【0017】
また、本発明においては、制御装置は、夫々に通話先を示す複数の通話先情報を複数の通信端末へ送信する。夫々の通信端末は、受信した通話先情報が示す通話先へ、並行して発呼を行う。これにより、移動体通信を利用したプレディクティブ発信が行われる。
【0018】
また、本発明においては、複数の通信端末の内で一の通信端末で発呼に応じて通信が接続された場合に、制御装置は、他の通信端末での発呼を停止させる。通信が接続された通話先との間で、通話が可能となる。
【0019】
また、本発明においては、音声処理装置は、音声ストリーミングデータを音声ファイルに変換し、音声ファイルを記憶装置に記憶させる。これにより、通話の内容が記録される。
【0020】
また、本発明においては、制御装置は処理の内容を示す情報を監視装置へ送信し、音声処理装置は、音声ストリーミングデータを監視装置へ送信する。監視装置は、受信した情報及び音声ストリーミングデータに基づき、通話システムで実行された処理の内容を監視することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、利用のための費用の低減が可能になり、業務形態をより自由にすることができる通話システム、通話方法およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態1に係る通話システムの構成を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る通信端末の内部の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る制御装置の内部の機能構成を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係る音声処理装置の内部の機能構成を示すブロック図である。
図5】実施形態1に係る通話先データの内容例を示す概念図である。
図6】実施形態1に係る監視装置の内部の機能構成を示すブロック図である。
図7】実施形態1に係る端末装置の内部の機能構成を示すブロック図である。
図8】実施形態1に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
図9】実施形態1に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
図10】実施形態1に係る表示部に表示される通話先のリストを含む操作画面の例を示す模式図である。
図11】実施形態2に係る通話システムの構成を示す模式図である。
図12】実施形態2に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
図13】実施形態3に係る通話システムの構成を示す模式図である。
図14】実施形態3に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
図15】実施形態4に係る通話システムの構成を示す模式図である。
図16】実施形態4に係る情報処理端末8の内部の機能構成を示すブロック図である。
図17】実施形態4に係る記憶装置5が記憶する通話ログの構成例を示す図である。
図18】実施形態4に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る通話システムの構成を示す模式図である。通話システムは、通話のための通信を制御する制御装置3と、通信端末2と、音声処理を行う音声処理装置4と、データを記憶する記憶装置5と、通話のための処理を監視する監視装置6とを備える。制御装置3、通信端末2、音声処理装置4、記憶装置5及び監視装置6は、通話のサービスを提供するためのサービスセンター1内に配置される。制御装置3、音声処理装置4、記憶装置5及び監視装置6は、サービスセンター1内に設けられている通信ネットワークN3に接続され、通信ネットワークN3を介して相互に通信が可能である。
【0025】
本発明の実施形態1において、通信ネットワークN1乃至N3の各々は、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、インターネットの一部、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)CDMA(code division multiple access)衛星通信などである。なお、通信ネットワークN1乃至N3の各々は、これらの例に限られず、どのような通信プロトコルを用いて通信を行うネットワークであってもよい。
【0026】
なお、本発明の通話システムは、いわゆるクラウドコンピューティングにより、使用者にサービスを提供可能である。クラウドコンピューティングにおいて、使用者の使用する端末装置7と、通話システムを提供するサービスセンター1とは、例えばインターネットを介して接続している。そして、使用者は、インターネットを介して、サービスセンター1から通話システムのサービスの提供を受ける。このように、使用者は、通話システムを提供するための装置や施設を保有する必要がなく、最低限の接続環境と、サービス使用料とを支払うことで、通話システムのサービスを使用することができる。また、使用者は、後述する種々のデータを、サービスセンター1において管理・記憶しておくことができ、データの管理を行う必要もなくなる。
【0027】
通信ネットワークN3は、例えば、LANである。通信ネットワークN3は、サービスセンター1外に設けられたインターネット等の通信ネットワークN1に接続されている。通信ネットワークN1は、通話システム外の通信ネットワークである。通信端末2は、例えば、無線または有線により通信ネットワークN3に接続する。また、通信端末2は、無線によりサービスセンター1外の通信ネットワークN2に接続し、通信ネットワークN2を介して他の電話機との間で音声通信を行う。なお、図1には一つの通信端末2を示しているが、通信端末2は複数あってもよい。
【0028】
通信ネットワークN1には、サービスセンター1外に配置された端末装置7が接続されている。端末装置7は、通話システムを使用して顧客等の通話先と通話を行う使用者が使用する装置である。例えば、使用者は、コールセンターのオペレータである。通信端末2には、ヘッドフォン及びマイクを有するヘッドセット70が無線又は有線で接続されている。端末装置7は、通信ネットワークN1を通じて通信ネットワークN3に接続され、通信ネットワークN1及び通信ネットワークN3を通じて制御装置3及び音声処理装置4に接続されている。使用者は、ヘッドセット70を装着して端末装置7を操作し、ヘッドセット70を用いて通話を行う。図1には一組の端末装置7及びヘッドセット70を示しているが、複数組の端末装置7及びヘッドセット70があってもよい。
【0029】
図2は、通信端末2の内部の機能構成を示すブロック図である。通信端末2は、例えば、スマートフォン、携帯電話、又はPHS(Personal Handy-phone System)である。なお、通信端末2は、これらの例に限られず、コンピュータ(ラップトップ、タブレットなど)、PDA(Personal Digital Assistant)などであってもよい。通信端末2は、制御部21、不揮発性の記憶部22、液晶ディスプレイ又はEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示部23、タッチパネル等の入力部24、及び通信部25を備える。制御部21は、演算を行う演算部及びメモリを含む。通信部25は、無線通信または有線通信により通信ネットワークN3及び通信ネットワークN2に接続する。例えば、通信部25は、Wi-Fi(登録商標)により通信ネットワークN3に接続し、3G規格の通信により通信ネットワークN2に接続する。通信端末2は、通話に必要な処理を実行するためのアプリケーションプログラム221を、通信部25を介してダウンロードする。きおく部22はアプリケーションプログラム221を記憶する。制御部21は、アプリケーションプログラム221に従って、必要な処理を実行する。アプリケーションプログラム221は、本発明におけるプログラムに対応する。
【0030】
図3は、制御装置3の内部の機能構成を示すブロック図である。制御装置3は、サーバ装置等のコンピュータである。制御装置3は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )31、RAM(Random Access Memory)32、不揮発性の記憶部33、及び通信部34を備える。例えば、記憶部33はハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。通信部34は、通信ネットワークN3に接続されており、通信ネットワークN3を介して通信ネットワークN1、音声処理装置4、記憶装置5、監視装置6及び通信端末2に接続する。記憶部33はコンピュータプログラム331を記憶している。CPU31は、必要に応じてコンピュータプログラム331をRAM32に展開し、コンピュータプログラム331に従って処理を実行する。記憶部33は、通信端末2を特定する情報を記録した通信機データ332を記憶している。例えば、通信機データ332には、通信端末2のIP(Internet Protocol )アドレスが記録されている。なお、通信端末2を特定する情報は、Wi-FiのユーザID又はMAC(Media Access Control)アドレス等、IPアドレス以外の情報であってもよい。なお、制御装置3において、CPU31の機能は、例えば、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、ASIC(Application-specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などにより実行されてもよい。また、コンピュータプログラム331は、インターネット等を介してダウンロードされ、記憶部33に記憶されてもよい。
【0031】
図4は、音声処理装置4の内部の機能構成を示すブロック図である。音声処理装置4は、サーバ装置等のコンピュータである。音声処理装置4は、演算を行うCPU41、RAM42、不揮発性の記憶部43、及び通信部44を備えている。例えば、記憶部43はハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。通信部44は、通信ネットワークN3に接続されている。記憶部43はコンピュータプログラム431を記憶している。CPU41は、必要に応じてコンピュータプログラム431をRAM42に展開し、コンピュータプログラム431に従って処理を実行する。なお、音声処理装置4において、CPU41の機能は、例えば、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどにより実行されてもよい。また、コンピュータプログラム431は、インターネット等を介してダウンロードされ、記憶部43に記憶されてもよい。
【0032】
記憶装置5は、サーバ装置又はNAS(Network Attached Storage)等で構成されている。記憶装置5は、本発明における第2の記憶装置を兼ねている。図1に示すように、記憶部5は、通話を行うべき通話先を示す通話先情報を記録した通話先データ51を記憶している。通話先データ51には、複数の通話先情報が記録されている。図5は、通話先データ51の内容例を示す概念図である。通話先を識別する番号に関連付けて、通話先である顧客の氏名及び住所が記録される、また、通話先データ51は、通話先情報である自宅電話番号、携帯電話番号及び職場電話番号が記録されている。通話先データ51は、複数の通話先情報が夫々に番号別に記録されており、通話先のリストになっている。通話先データ51には、より多くの通話先に関する情報が記録されていてもよい。また、記憶装置5は、通話履歴を記録した履歴データ52及び通話された音声を表す音声ファイル53を記憶している。履歴データ52は、通話先ごとに、通話の成否、通話を行った日時、及び通話時間などの過去の通話結果を表すデータを含んでいる。音声ファイル53には、通話先を示す情報が関連付けられている。
【0033】
図6は、監視装置6の内部の機能構成を示すブロック図である。監視装置6は、PC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータである。監視装置6は、演算を行うCPU61、RAM62、不揮発性の記憶部63、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等の表示部64、及び通信部65を備えている。例えば、記憶部63はハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。通信部65は、通信ネットワークN3に接続されている。記憶部63はコンピュータプログラム631を記憶している。CPU61は、必要に応じてコンピュータプログラム631をRAM62に展開し、コンピュータプログラム631に従って処理を実行する。なお、監視装置6において、CPU61の機能は、例えば、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどにより実行されてもよい。また、コンピュータプログラム631は、インターネット等を介してダウンロードされ、記憶部63に記憶されてもよい。
【0034】
図7は、端末装置7の内部の機能構成を示すブロック図である。端末装置7は、PC等のコンピュータである。端末装置7は、演算を行うCPU71、RAM72、不揮発性の記憶部73、画像を表示する表示部74、使用者からの操作を受け付ける操作部75及び通信部76を備えている。例えば、記憶部73はハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。また、表示部74は液晶ディスプレイ又はELディスプレイである。また、操作部75は、キーボード又はマウスである。通信部76は、通信ネットワークN1に接続されている。また、通信部76は、ヘッドセット70と通信を行う。例えば、通信部76は、BLUETOOTH(登録商標)によりヘッドセット70に接続し、ヘッドセット70との間でデータを送受信する。端末装置7は、端末装置7を制御するためのコンピュータプログラム731を、通信部76を通じて外部からダウンロードし、記憶部73はコンピュータプログラム731を記憶する。なお、端末装置7は、光ディスク等の記録媒体に記録されたコンピュータプログラム731を読み出して記憶部73に記憶してもよい。CPU71は、必要に応じてコンピュータプログラム731をRAM72に展開し、コンピュータプログラム731に従って処理を実行する。なお、端末装置7において、CPU71の機能は、例えば、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどにより実行されてもよい。
【0035】
以下に、本実施形態に係る通話システムの処理を説明する。図8及び図9は、実施形態1に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。使用者は、端末装置7の操作部75を操作して、通話システムにログインする。CPU71は、コンピュータプログラム731に従って処理を実行する。CPU71は、通信部76を動作させて、通信ネットワークN1及びN3を通じて、記憶装置5から、通話先データ51及び履歴データ52を読み出す(S101)。CPU71は、読み出したデータをRAM72又は記憶部73に記憶させ、通話先データ51に基づいて通話先のリストを表示部74に表示させる(S102)。
【0036】
図10は、表示部74に表示される通話先のリストを含む操作画面の例を示す模式図である。例えば、CPU71は、コンピュータプログラム731に含まれるウェブブラウザのプログラムを実行して、操作画面を表示部74に表示させる。操作画面は、使用者が操作部75を操作して各種の指示を入力するための画面である。操作画面には、通話先データ52に含まれる通話先のリスト741が表示されている。使用者が操作部75を操作することに応じて、CPU71は、リスト741に含まれる一の通話先の選択指示を受け付ける。図10には、番号1で識別される通話先が選択された例を示している。操作画面には、選択された通話先に関する詳細情報746が表示される。詳細情報746は、通話先データ51に記録された通話先に関する情報に基づいて表示される。また、操作画面には、選択されている通話先に関する通話の履歴745が表示される。通話の履歴745は、履歴データ53に含まれた情報の内、選択されている通話先に関する通話結果を表すデータに基づいて表示される。
【0037】
更に、操作画面には、発信ボタン742及び切断ボタン743が表示される。使用者が操作部75を操作することによって、操作画面上で発信ボタン742が指定された場合、CPU71は、選択されている通話先に対する発呼の指示を受け付ける。使用者が操作部75を操作することによって、操作画面上で切断ボタン743が指定された場合、CPU71は、通話の終了の指示を受け付ける。また、通話に利用すべき電話番号を指定するための電話番号指定領域744が表示されている。自宅、携帯及び職場の内のいずれかを指定するようになっており、何れかを指定することで、通話先データ51に記録された自宅電話番号、携帯電話番号及び職場電話番号の内、いずれの電話番号を使用するのかが指定される。使用者が操作部75を操作することによって、電話番号指定領域744中の自宅、携帯及び職場の内のいずれかが指定された場合、CPU71は、電話番号の指定を受け付ける。図10には、自宅電話番号が指定された例を示している。
【0038】
図10に示す如き操作画面を用いて、使用者が操作部75を操作することによって、CPU71は、通話先の選択、電話番号の指定、及び発呼の指示を受け付け、受け付けた内容に応じて、発呼を行うべき通話先を選択する(S103)。CPU71は、次に、通信部76に、選択した通話先への発呼を指示する発呼指示を制御装置3へ送信させる(S104)。送信される発呼指示には、通話先を示す通話先情報が含まれる。発呼指示は、通信ネットワークN1及びN3を通じて制御装置3へ送信される。
【0039】
制御装置3は、端末装置7から送信された発呼指示を通信部34で受信する(S105)。CPU31は、コンピュータプログラム331に従って処理を実行する。CPU31は、通信ネットワークN3を通じて、記憶装置5に記憶された通話先データ51を参照し、受信した発呼指示が正当であるか否かを判定する(S106)。例えば、CPU31は、発呼指示に含まれた通話先情報が通話先データ51に記録されている場合に、発呼指示は正当であると判定し、発呼指示に含まれた通話先情報が通話先データ51に記録されていない場合に、発呼指示は正当では無いと判定する。発呼指示が正当ではない場合に(S106:NO)、CPU71は、通話ができないことを示すエラー情報を通信部34に端末装置7へ送信させ(S107)、処理を終了する。発呼指示が正当である場合に(S106:YES)、CPU31は、記憶部33に記憶している通信機データ332から、通信端末2を特定する情報を読み出し、読み出した情報が特定する通信端末2へ、発呼指示に含まれた通話先情報を送信する(S107)。S108では、CPU31は、通信部34に、通信ネットワークN3を通じて通信端末2へ通話先情報を送信させる。
【0040】
通信端末2は、制御装置3から送信された通話先情報を通信部25で受信する(S109)。制御部21は、アプリケーションプログラム221に従って、処理を実行する。制御部21は、通信部25に、通話先情報が示す通話先への発呼を実行させる(S110)。通信部25は、通信ネットワークN2を介して、電話番号である通話先情報を用いて通話先の電話機に対して発呼を行う。制御部21は、通話先との通信の接続を待ち受ける(S111)。通信が接続されない場合は(S111:NO)、制御部21は、処理をS110へ戻して発呼を継続する。発呼に応じて通話先の電話機との間で通信が接続された場合は(S111:YES)、制御部21は、通信が接続された結果を示す接続結果情報を、通信部25に制御装置3へ送信させる(S112)。
【0041】
制御装置3は、通信端末2から送信された接続結果情報を通信部34で受信する(S113)。CPU31は、通話先との間で通話のための通信が接続されたことを通知する通知情報を、発呼指示の送信元の端末装置7へ送信する(S114)。S114では、CPU31は、通信部34に、通信ネットワークN3及びN1を通じて端末装置7へ通知情報を送信させる。端末装置7は、通知情報を通信部76で受信する(S115)。CPU71は、通知情報に応じて、通話のための通信が接続されたことを表示部74に表示させる。表示内容を確認した使用者は、通話のための発声をする。使用者が発した声はヘッドセット4のマイクで検出され、ヘッドセット4は検出した声を表す音声データを端末装置7へ送信する。端末装置7は、ヘッドセット4から送信された音声データを通信部76で受信する。CPU71は、受信した音声データに基づいて、使用者が発した声を表す音声ストリーミングデータを生成する(S116)。例えば、CPU71は、受信した音声データを音声ストリーミングデータへ変換する。CPU71は、次に、通信部76に、音声ストリーミングデータを音声処理装置4へ送信させる(S117)。音声ストリーミングデータは通信ネットワークN1及びN3を通じて送信される。
【0042】
音声処理装置4は、端末装置7から送信された音声ストリーミングデータを通信部44で受信する(S118)。CPU41は、受信した音声ストリーミングデータに対応する音声データを、通信部44に通信端末2へ送信させる(S119)。S119では、例えば、CPU41は、受信した音声ストリーミングデータをそのまま音声データとして送信する。又は、CPU41は、受信した音声ストリーミングデータから他の音声データを生成し、生成した音声データを送信する。音声データは、受信した音声ストリーミングデータと同一の音声を表す。また、CPU41は、音声データを生成する際に、音声ストリーミングデータに含まれる情報の一部の除去、音声ストリーミングデータに含まれていない情報の追加、又は音声の加工を行ってもよい。S119では、CPU41は、通信部44に、通信ネットワークN3を通じて通信端末2へ音声データを送信させる。また、CPU41は、音声データの送信と並行して、音声ストリーミングデータが表す音声を記録した音声ファイル53を作成し(S120)、記憶装置5に音声ファイル53を記憶させる(S121)。S121では、CPU31は、通信部44に、通信ネットワークN3を通じて記憶装置5へ音声ファイル53を送信させ、記憶装置5は受信した音声ファイル53を記憶する。
【0043】
通信端末2は、音声処理装置4から送信された音声データを通信部25で受信する(S122)。制御部21は、音声データが表す音声と通話先からの音声とを用いた通話の処理を行う(S123)。S124では、制御部21は、通信部25に、通信ネットワークN2を通じた通信先との間の移動体通信を実行させ、必要なデータを送受信することによって、音声データが表す音声を相手先へ伝え、相手先からの音声を受け取る通話を行う。制御部21は、次に、通信部25に、通話先からの音声を表す音声データを音声処理装置4へ送信させる(S124)。例えば、制御部21は、通話先からの音声を表す音声ストリーミングデータを作成し、作成した音声ストリーミングデータを音声処理装置4へ送信する。又は、制御部21は、音声ストリーミングデータとは異なる音声データを作成して音声処理装置4へしてもよい。音声データは通信ネットワークN3を通じて送信される。
【0044】
制御部21は、通話を終了すべきか否かを判定し(S125)、通話を終了しない場合は(S125:NO)、処理をS122へ戻す。通話を終了すると判定した場合は(S125:YES)、制御部21は、通話を終了させる処理を行い(S126)、処理を終了する。例えば、使用者が操作部75を操作することによって、端末装置7は通話の終了指示を受け付け、端末装置7は終了指示を制御装置3へ送信し、制御装置3は終了指示を通信端末2へ送信し、制御部21は、終了指示を受信した場合に通話を終了すると判定する。また、通話先で通信が切断された場合に、制御部21は通話を終了すると判定する。
【0045】
音声処理装置4は、通信端末2から送信された音声データを通信部44で受信する(S127)。CPU41は、受信した音声データに対応する音声ストリーミングデータを、通信部44に端末装置7へ送信させる(S128)。例えば、音声処理装置4は、通信端末2から音声データとして音声ストリーミングデータを受信し、受信した音声ストリーミングデータを端末装置7へ送信する。又は、CPU41は、受信した音声データから音声ストリーミングデータを作成し、作成した音声ストリーミングデータを送信する。音声ストリーミングデータは、受信した音声データと同一の音声を表す。また、CPU41は、音声ストリーミングデータを生成する際に、音声データに含まれる情報の一部の除去、音声ストリーミングデータに含まれていない情報の追加、又は音声の加工を行ってもよい。S128では、CPU41は、通信部44に、通信ネットワークN3及びN1を通じて音声ストリーミングデータを端末装置7へ送信させる。また、CPU41は、音声ストリーミングデータの送信と並行して、音声ストリーミングデータが表す音声を記録した音声ファイル53を作成し(S129)、記憶装置5に音声ファイル53を記憶させる(S130)。S121及びS130での処理により、通話の内容が記録される。音声ファイル53に基づき、使用者と通話先との間で交換された音声の再生が可能である。
【0046】
端末装置7は、音声ストリーミングデータを通信部76で受信する(S131)。CPU71は、受信した音声ストリーミングデータに基づき、通話先からの音声を再生する(S132)。例えば、CPU71は、音声ストリーミングデータを音声データへ変換し、通信部76に音声データをヘッドセット70へ送信させ、ヘッドセット70は、音声データに基づいた音声をスピーカで発声する。通話システムがS116~S132の処理を繰り返すことにより、使用者は、通話先との間で通話を行う。
【0047】
通話システムでは、通話の処理と並行して、処理内容を監視装置6で監視する。制御装置3のCPU31は、夫々の処理を実行する都度、処理の内容を示すデータを、通信部34に監視装置6へ送信させる。また、音声処理装置4のCPU41は、夫々の処理を実行する都度、処理の内容を示すデータ及び音声ストリーミングデータを、通信部44に監視装置6へ送信させる。監視装置6は、制御装置3及び音声処理装置4から送信されたデータを通信部65で受信する。CPU61は、コンピュータプログラム631に従って処理を実行する。CPU61は、受信したデータの内容を表示部64に表示させる。監視装置6を使用するオペレータは、表示部64に表示された内容を確認することで、通話システムの処理内容及び通話内容を監視する。また、CPU61は、受信したデータの内容に基づいて、通話システムでの処理に異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合に異常の発生を報知する処理を行ってもよい。異常が発生したか否かの判定は、コンピュータプログラム631に予め定められている判定基準に従って行われる。異常の発生を報知する処理は、例えば、異常の内容を記録した電子メールを所定のアドレスへ送信することによって行われる。
【0048】
以上詳述した如く、本実施形態では、使用者は、端末装置7を使用し、端末装置7は、通話システム外の通信ネットワークN1を介して制御装置3及び音声処理装置4と接続されている。使用者と通話先との間で通話を行うために、通信ネットワークN1を通じて端末装置7と音声処理装置4との間で音声ストリーミングデータが送受信され、音声処理装置4と通信端末2との間で音声データが送受信され、通信端末2と通話先との間で通話のための通信が行われる。端末装置7が音声ストリーミングデータを送受信することにより、使用者はほぼリアルタイムで通話を行うことが可能である。端末装置7は、通信ネットワークN1を介してサービスセンター1内の制御装置3及び音声処理装置4と接続されているので、サービスセンター1内に配置されている必要は無い。端末装置7が通信ネットワークN1に接続することができる場所であれば、どのような場所であっても、端末装置7の配置が可能であり、使用者が通話システムを使用する上での場所の制限が無くなる。このため、通話システムを利用した業務の形態がより自由化される。例えば、コールセンターのオペレータである使用者が複数人いる場合、使用者は夫々に異なった場所で通話システムを使用して、業務を行うことができる。
【0049】
また、サービス事業者がサービスセンター1を構築し、使用者が通信ネットワークN1を通じてサービスセンター1にアクセスすることで、使用者は通話システムを使用することが可能になる。即ち、使用者は、端末装置7を用意するだけで通話システムの使用が可能になり、使用者が通話システムを使用する上での費用の低減が可能となる。例えば、コールセンターを安価に実現することができる。
【0050】
また、本実施形態では、通信端末2と通信先との間で移動体通信が行われるので、通話システムの運用に必要な通話料金は、移動体通信に対する通話料金となる。移動体通信では通話料金を定額にする料金体系が存在するので、このような料金体系を利用することにより、通話システムの運用に必要な通話料金を低減することができる。このため、本実施形態では、通話システムの運用に必要な費用をより低減させることができる。
【0051】
(実施形態2)
実施形態2に係る通話システムは、複数の通話先に対して並行して発呼を行う所謂プレディクティブ発信を行う。図11は、実施形態2に係る通話システムの構成を示す模式図である。通話システムは、複数の通信端末2を備えている。通話システムのその他の構成は実施形態1と同様である。図11中には一組の端末装置7及びヘッドセット70を示しているが、複数組の端末装置7及びヘッドセット70があってもよい。
【0052】
実施形態2において、複数の通信端末2の代わりに、同時に複数の通信を実行可能な通信装置(図示しない)により、当該複数の通信端末2を実現してもよい。具体的には、当該通信装置は、キャリアが加入者を特定するためのID番号が記録されたICカードを複数搭載し、同時に複数の通信が実行可能である。ICカードは、例えば、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)である。ICカードは、加入者を特定するためのID番号が記録されていればよく、どのような種類のカードであってもよい。
【0053】
図12は、実施形態2に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。端末装置7は、使用者が操作部75を操作することによって発呼の指示を受け付け、CPU71は、通信部76に、通話先への発呼を指示する発呼指示を制御装置3へ送信させる(S201)。S201では、端末装置7は、発呼を行うべき通話先を指定せずに発呼指示を送信してもよい。また、端末装置7は、使用者の操作によって複数の通話先の指定を操作部75で受け付け、指定された複数の通話先を示す複数の通話先情報を含む発呼指示を送信してもよい。発呼指示は、通信ネットワークN1及びN3を通じて制御装置3へ送信される。
【0054】
制御装置3は、端末装置7から送信された発呼指示を通信部34で受信する(S202)。CPU31は、通信ネットワークN3を通じて、記憶装置5に記憶された通話先データ51を読み出し、通話先データ51に記録されている複数の通話先情報を選択する(S203)。例えば、通話先データ51には、端末装置7又は使用者を識別する情報に関連付けて複数の通話先情報が記録されており、CPU31は、端末装置7又は使用者に関連付けられた通話先情報の中から所定数の通話先情報を選択する。また例えば、CPU31は、履歴データ52を参照し、過去一年間等の特定の期間内に通話が行われていない通話先を示す所定数の通話先情報を選択する。また例えば、CPU31は、発呼指示に含まれた通話先情報と同じ通話先情報を選択する。なお、実施形態1と同様に、CPU31は、発呼指示が正当であるか否かの判定を行ってもよい。
【0055】
CPU31は、次に、複数の通信端末2へ、選択した複数の通話先情報を送信する(S204)。S204では、CPU31は、複数の通話先情報が一つの通信端末2へ重複して送信されることが無く、夫々の通話先情報がいずれか一つの通信端末2へ送信されるように、送信を行う。S204では、CPU31は、通信部34に、通信ネットワークN3を通じて複数の通話先情報を送信させる。
【0056】
複数の通信端末2の各々は、制御装置3から送信された通話先情報を通信部25で受信する(S205)。制御部21は、通信部25に、通話先情報が示す通話先への発呼を実行させる(S206)。通信部25は、通信ネットワークN2を介して、電話番号である通話先情報を用いて通話先の電話機に対して発呼を行う。複数の通信端末2がS205及びS206を実行することにより、プレディクティブ発信が行われる。制御部21は、通話先との通信の接続を待ち受ける(S207)。発呼に応じて通話先の電話機との間で通信が接続された場合は(S207:YES)、制御部21は、通信が接続された結果を示す接続結果情報を、通信部25に制御装置3へ送信させる(S208)。
【0057】
制御装置3は、通信端末2から送信された接続結果情報を通信部34で受信する(S211)。CPU31は、S204で通話先情報を送信した複数の通信端末2の内、受信した接続結果情報の送信元の通信端末2を除いた通信端末2へ、通信部34に発呼の停止指示を送信させる(S212)。通信端末2では、制御部21は、発呼に応じた通信の接続が無い場合に(S207:NO)、発呼の停止指示の受信を待ち受ける(S209)。発呼の停止指示の受信が無い場合は(S209:NO)、制御部21は、処理をS206へ戻して発呼を継続する。通信部25で発呼の停止指示を受信した場合は(S209:YES)、発呼を停止する。
【0058】
制御装置3では、CPU31は、記憶装置5に記憶された通話先データ51及び履歴データから、通信が接続された通話先の情報を読み出し、通話先との間で通話のための通信が接続されたことを通知する通知情報及び通話先の情報を、発呼指示の送信元の端末装置7へ送信する(S213)。S213では、CPU31は、通信部34に、通信ネットワークN3及びN1を通じて端末装置7へ通知情報を送信させる。端末装置7は、通知情報及び通話先の情報を通信部76で受信する(S214)。CPU71は、通知情報に応じて、通話のための通信が接続されたことを表示部74に表示させ、更に、通信が接続された通話先の情報を表示部74に表示させる(S215)。例えば、表示部74には、通話先である顧客の氏名及び住所等の通話先に関する詳細な情報、並びにこれまでの通話の履歴が表示される。使用者は、表示部74に表示された内容を確認しながら通話を行う。通話システムは、以後、実施形態1と同様のS116~S132の処理を実行し、使用者と通話先との間で通話を行わせる。
【0059】
以上詳述した如く、本実施形態に係る通話システムは、通信端末2を用いてプレディクティブ発信を行う。プレディクティブ発信では、複数の通話先に対して並行に発呼を行い、最初に通信が接続した通話先との通話が行われる。通話を開始するまでの時間が短縮され、効率的に通話が行われる。例えば、コールセンターの業務効率が向上する。また、プレディクティブ発信を行うためには複数の回線を必要とするものの、本実施形態では、複数の通信端末2を用いることによって、低コストでプレディクティブ発信を実現している。本実施形態においても、実施形態1と同様に、使用者が通話システムを使用する上での場所の制限が無い。また、使用者は、端末装置7を用意するだけで通話システムの使用が可能になり、使用者が通話システムを使用する上での費用の低減が可能となる。また、移動体通信を利用することにより、通話システムの運用に必要な通話料金を低減させることができる。
【0060】
(実施形態3)
実施形態3に係る通話システムは、制御部21が通信端末2の発信(発呼)を制御可能であり、通信部25が制御部21の制御に基づいて発信を実行可能である。図13は、実施形態3に係る通話システムの構成を示す模式図である。通話システムは、複数の通信端末2を備え、複数の通話先に対して並行して発呼を行う所謂プレディクティブ発信を行う。通話システムのその他の構成は、実施形態1または実施形態2と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0061】
なお、実施形態2と同様、複数の通信端末2の代わりに、同時に複数の通信を実行可能な通信装置(図示しない)により、当該複数の通信端末2を実現してもよい。具体的には、当該通信装置は、キャリアが加入者を特定するためのID番号が記録されたICカードを複数搭載し、同時に複数の通信が実行可能である。ICカードは、例えば、SIMカードである。ICカードは、加入者を特定するためのID番号が記録されていればよく、どのような種類のカードであってもよい。
【0062】
図13に示すように、複数の通信端末2の各々は、発信を制御可能な制御部21を備え、制御装置3から通話先情報を受信したことに応じて、発信の可否を判断する。実施形態1および2では、制御装置3からの通話先情報を受信した場合には発信を実行していたが、実施形態3では、制御部21が発信の可否を判断し、発信可能と判断した場合に通信部25に発信を指示する。また、制御部25は、端末装置7や制御装置3から発信の停止指示を受けることなく、自律的に発信を停止する機能も備える。例えば、制御部25は、所定の時間内に通信が接続できなかった場合に、自律的に発信を停止する。また、制御部25は、発信を停止した場合に、所定のインターバルの後、自律的に発信を再度実行してもよい。
【0063】
また、制御部21は、通話を終了させるか否かを判断する機能も備える。通信端末2が通話を終了させるか否かを自律的に判断可能なため、通話先との通話において何らかのアクシデントが発生した場合は、端末装置7や制御装置3の指示を受けることなく、通信端末2において、当該通話を終了させることができる。
【0064】
また、制御部21は、通話先からの音声を示す音声ストリーミングデータを作成する機能も備える。制御部21は、通話先からの音声に基づいて音声ストリーミングデータを作成し、作成した音声ストリーミングデータを制御装置3及び端末装置7に送信する。また、制御部21は、音声ストリーミングデータを生成する際に、音声に含まれる情報の一部の除去、音声ストリーミングデータに含まれていない情報の追加、又は音声の加工を行ってもよい。
【0065】
図14は、実施形態3に係る通話システムが行う通話の処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
CPU71は、通信部76を動作させて、通信ネットワークN1及びN3を通じて、記憶装置5から、通話先データ51及び履歴データ52を読み出す(S301)。CPU71は、読み出したデータをRAM72又は記憶部73に記憶させ、通話先データ51に基づいて通話先のリストを表示部74に表示させる(S302)。
【0067】
CPU71は、通話先の選択、電話番号の指定、及び発呼の指示を受け付け、受け付けた内容に応じて、発呼を行うべき通話先を選択する(S303)。CPU71は、次に、通信部76に、選択した通話先への発呼を指示する発呼指示を制御装置3へ送信させる(S304)。送信される発呼指示には、通話先を示す通話先情報が含まれる。
【0068】
制御装置3は、端末装置7から送信された発呼指示を通信部34で受信する(S305)。CPU31は、通信ネットワークN3を通じて、記憶装置5に記憶された通話先データ51を参照し、受信した発呼指示が正当であるか否かを判定する(S306)。発呼指示が正当ではない場合に(S306:NO)、CPU71は、通話ができないことを示すエラー情報を通信部34に端末装置7へ送信させ(S307)、処理を終了する。
【0069】
発呼指示が正当である場合に(S306:YES)、CPU31は、通信ネットワークN3を通じて、記憶装置5に記憶された通話先データ51を読み出し、通話先データ51に記録されている複数の通話先情報を選択する(S308)。CPU31は、次に、複数の通信端末2へ、選択した複数の通話先情報を送信する(S309)。
【0070】
複数の通信端末2の各々は、制御装置3から送信された通話先情報を通信部25で受信する(S310)。制御部21は、通話先情報で示された通話先に発呼可能かを判定する(S311)。発行できないと判定した場合(S311:NO)、制御部21は、通話ができないことを示すエラー情報を、通信部25を介して制御装置3及び端末装置7へ送信させ(S307)、処理を終了する。一方、発行可能と判定した場合(S311:YES)、制御部21は、通信部25に、通話先情報が示す通話先への発呼を実行させる(S313)。
【0071】
制御部21は、通話先との通信が接続するか否かを判定する(S314)。発呼に応じて通話先の電話機との間で通信が接続された場合は(S314:YES)、制御部21は、通信が接続された結果を示す接続結果情報を、通信部25に制御装置3へ送信させる(S315)。一方、制御部21は、通話先の電話機との間で通信が接続できない場合は(S314:NO)、S311の処理へ戻る。
【0072】
制御装置3は、接続結果情報を受信する(S316)。制御装置3のCPU31は、記憶装置5に記憶された通話先データ51及び履歴データから、通信が接続された通話先の情報を読み出し、通話先との間で通話のための通信が接続されたことを通知する通知情報及び通話先の情報を、発呼指示の送信元の端末装置7へ送信する(S317)。
【0073】
端末装置7は、通知情報及び通話先の情報を通信部76で受信する(S318)。CPU71は、通知情報に応じて、通話のための通信が接続されたことを表示部74に表示させ、更に、通信が接続された通話先の情報を表示部74に表示させる(S319)。通話システムは、以後、実施形態1と同様のS116~S132の処理を実行し、使用者と通話先との間で通話を行わせる。
【0074】
通信端末(情報処理端末)2の各々は、発信を制御可能な制御部21を備えるため、端末装置7や制御装置3からの指示を受けることなく、通信端末2が自律的に当該発信や通話を開始または終了することができる。そのため、通信端末2の発信や通話の制御に関して、端末装置7や制御装置3の負荷を低減することが可能となる。
【0075】
なお、以上の実施形態1及び2においては、電話による通話を行う形態を示したが、通話システムは、電話以外の方法により通話を行う形態であってもよい。例えば、発呼システムは、通信ネットワークN2ではなくインターネットを通じた通信により通話を行う形態であってもよい。この形態では、通話先情報は、電話番号とは異なる情報になる。また、実施形態1及び2では、端末装置7がコンピュータプログラム731に従って動作する形態を示したが、通話システムは、端末装置7の動作に必要なプログラムが記憶装置5に記憶されている形態であってもよい。例えば、端末装置7の動作に必要なプログラムがウェブブラウザによって実行されるプログラムの形で記憶装置5に記憶されており、端末装置7は、通信ネットワークN1を通じて記憶装置5にアクセスし、ウェブブラウザを用いてプログラムを実行することによって、本発明に必要な処理を実行してもよい。
【0076】
(実施形態4)
実施形態4に係る通話システムにおいて、記憶装置5が、通信ネットワークN2を介して情報処理端末8と接続し、該情報処理端末8が他の情報処理端末8等と通話又は通信した場合に、該通信のログを記憶する場合の実施形態である。
【0077】
図15は、実施形態4に係る通話システムの構成を示す模式図である。通話システムは、通話ログ54を記憶する記憶装置5を含む。また、図15に示すように、実施形態4に係る通話システムは、図1等に示す実施形態1とは異なり、通信端末2を介さずに、ネットワークN2と接続してもよい。
【0078】
情報処理端末8は、例えば、スマートフォン、携帯電話、又はPHS(Personal Handy-phone System)である。なお、情報処理端末8は、これらの例に限られず、コンピュータ(ラップトップ、タブレットなど)、PDA(Personal Digital Assistant)などであってもよい。また、情報処理端末8は、いわゆる固定電話などであってもよい。情報処理端末8は、これらの例に限られず、他の情報処理端末8と通話や通信が可能であれば、どのような装置であってもよい。
【0079】
情報処理端末8は、例えば、会社や学校など所定のグループから貸与されているものであってもよいし、ユーザ個人の所有物であってもよい。情報処理端末8が会社等から貸与されている場合、該情報処理端末8は業務上の通話や通信に用いられることが想定される。その場合、通話システムは、業務上の通話の通話ログを記憶することにより、他社や顧客先との業務上のやり取りや、その他の業務に関する情報を記憶・記録する。その結果、社員の業務内容を組織として共有することが可能になり、該業務に適切かつ迅速に対応することが可能となる。
【0080】
なお、情報処理端末8は、有線ネットワークや無線ネットワークを介して、他の情報処理端末8と通信・通話が可能である。通信ネットワークN2は、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、ISDNs(integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、衛星通信などであってもよい。また、情報処理端末8は、有線の電話回線による通話・通信や、無線による電話回線による通話・通信、VoIP(Voice over Internet Protocol)などのインターネット回線による通話・通信を行うこともできる。
【0081】
ここで、通話ログは、情報処理端末8の発着信に関する情報を含む。通話ログは、発着信に関する情報として、例えば、“情報処理端末8が発信した時刻や着信を受けた時刻”を含む。また、通話ログは、発着信に関する情報として、例えば、情報処理端末8が発信又は着信した“他の情報処理端末8の電話番号”を含む。なお、電話番号に限られず、他の情報処理端末8を一意に識別可能な識別子であれば、どのような情報であってもよい。また、通話ログは、発着信に関する情報として、例えば、情報処理端末8自体を識別可能な識別子や、該情報処理端末8自体の電話番号を含んでいてもよい。
【0082】
また、通話ログは、情報処理端末8が“通話や通信を終了した時刻”を含んでいてもよい。また、通話ログは、情報処理端末8による“通話や通信を継続した時間”を含んでいてもよい。
【0083】
また、通話ログは、情報処理端末8が発着信を受けた時点における、該情報処理端末8の現在位置を含んでいてもよい。情報処理端末8は、例えば、GPS(Global Positioning System)により、現在位置を測定可能である。また、通話ログは、情報処理端末8が通話を終了した時点における、該情報処理端末8の現在位置を含んでいてもよい。また、通話ログは、情報処理端末8が通話や通信を継続している間に移動した場合、移動経路や移動距離などを含んでいてもよい。
【0084】
図16は、実施形態4に係る情報処理端末8の内部の機能構成を示すブロック図である。図16に示すように、情報処理端末8は、制御部81、不揮発性の記憶部82、液晶ディスプレイ又はEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示部83、タッチパネル等の入力部84、及び通信部85を備える。
【0085】
制御部81は、演算を行う演算部及びメモリを含む。通信部85は、無線通信または有線通信により通信ネットワークN2に接続する。情報処理端末8は、通話に必要な処理を実行するためのアプリケーションプログラム821を、通信部85を介してダウンロードする。記憶部82はアプリケーションプログラム821を記憶する。制御部81は、アプリケーションプログラム821に従って、必要な処理を実行する。アプリケーションプログラム821は、本発明におけるプログラムに対応する。
【0086】
制御部81は、他の情報処理端末8に対して発信し、該他の情報処理端末8との間で通信が確立された場合、該通信の通話ログを、通話システム1の記憶装置5に通知する。また、制御部81は、他の情報処理端末8から着信を受け、該他の情報処理端末8との間で通信が確立された場合、該通信の通話ログを、通信システム1の記憶装置5に通知する。
【0087】
制御部81は、例えば、他の情報処理端末8との通話又は通信が完了した時点で、通話ログを通信システム1の記憶装置5に通知する。なお、制御部81が通話ログを通知するタイミングは、他の情報処理端末8との通話又は通信が継続している間、所定の周期で通知してもよい。また、制御部81は、例えば、他の情報処理端末8との通話又は通信が完了した後、所定の時間が経過後に、通話ログを通信システム1の記憶装置5に通知してもよい。所定の時間は、任意に設定可能であり、例えば、1秒後や1分後など、どのような長さであってもよい。
【0088】
また、制御部81は、他の情報処理端末8との通話又は通信の都度、通話ログを通知してもよいし、複数の通話ログを纏めて、通信システム1の記憶装置5に通知してもよい。複数の通話ログを纏めて通知する場合、制御部81は、該複数の通話ログを記憶部82に記憶する。制御部81は、例えば、所定の周期で、記憶部82に記憶された複数の通話ログを、記憶装置5に通知する。所定の周期は、例えば、30分や1時間など、どのような時間に設定されてもよい。また、制御部81は、記憶部82に記憶されている通話ログの個数が所定数に達した場合、該所定数の通話ログを纏めて通信装置5に通知してもよい。所定数は、例えば、5個や10個など、どのような個数であってもよい。
【0089】
また、制御部81は、他の情報処理端末8との通話又は通信の内容である通話データ、すなわち音声データを、記憶部82に記憶させる機能を含む。制御部81は、他の情報処理端末8との通話又は通信が開始された場合、通話データを記憶部82に記憶する。また、制御部81は、例えば、いわゆるテレビ電話のように、他の情報処理端末8との間で映像の送受信を行った場合には、該映像の動画データも記憶部82に記憶する。なお、制御部81が、記憶部82に記憶するデータは、通話データや動画データだけに限られず、どのようなデータであってもよい。
【0090】
制御部81は、記憶部85に記憶する通話データや動画データに対して、対応する通話ログを一意に識別可能な識別子を割り当てる。情報処理端末8は、通話又は通信を行った場合、該通話又は通信の通話ログを記憶装置5に通知するとともに、該通話ログを一意に識別可能な識別子が割り当てられた通話データや動画データを、該情報処理端末8が所定の環境に含まれた場合に、該記憶装置5に通知する。
【0091】
通話データや動画データに通話ログを一意に識別可能な識別子が割り当てられているので、記憶装置5は、異なるタイミングで通話ログと、通話データ等とをそれぞれ受信した場合であっても、両者(通話ログと通話データ等)を紐づけることが可能となる。
【0092】
情報処理端末8の制御部81は、情報処理端末8が所定のネットワークに接続した場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データを、通信部85を介して記憶装置5に通知する。制御部81は、例えば、無線LANと接続した場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データを、通信部85を介して記憶装置5に通知する。より具体的には、制御部81は、例えば、無線LANの規格の1つであるWi-Fiに接続した場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データを、該Wi-Fiを介して記憶装置5に通知する。
【0093】
なお、所定のネットワークに接続した場合は、Wi-Fiに接続した場合に限られず、例えば、情報処理端末8が有線ネットワークに接続された場合や、Bluethooth(登録商標)などの近距離無線通信に接続された場合であってもよい。また、所定のネットワークに接続した場合は、例えば、情報処理端末8の通信速度が所定値以上になった場合であってもよい。例えば、情報処理端末8が、携帯電話網に接続していても、所定値以上の通信速度が保たれている場合には、通話データや動画データを記憶装置5に通知してもよい。
【0094】
また、所定のネットワークに接続した場合は、例えば、情報処理端末8をユーザに貸与している会社などのグループが提供する社内ネットワークに、該情報処理端末8が接続した場合であってもよい。この場合、情報処理端末8のユーザが、会社などに戻って、該会社などが提供する社内ネットワークに接続した場合に、通話データや動画データを記憶装置5に通知する。このように構成することで、情報処理端末8は、通話データや動画データを、セキュリティが担保されている通信ネットワーク(すなわち、社内ネットワーク)により、記憶装置5に通知することが可能となる。通話データや動画データは、会社の事業内容に関する情報を含む機密性の高い情報の場合があり、社内ネットワークに接続した場合に通知させることにより、該情報が外部に漏れることを防ぐことが可能となる。また、通話データや動画データを社内ネットワークにより記憶装置5に通知することで、他のネットワーク(有料の無線LANなど)を用いるよりも、該通知を安価に実行できる場合もある。
【0095】
制御部81は、所定のネットワークに接続した場合、自動的に通話データや動画データを記憶装置5に通知する。なお、制御部81は、所定のネットワークに接続し、さらに情報処理端末8のユーザが所定の操作を実行した場合に、通話データや動画データを記憶装置5に通知してもよい。また、制御部81は、所定のネットワークに接続し、かつ、予め定められた所定の時間帯である場合、通話データや動画データを記憶装置5に通知してもよい。所定の時間帯は、例えば、ユーザが情報処理端末8を利用する頻度が減少する時間帯、例えば、深夜の時間帯などである。ただし、所定の時間帯は、深夜の時間帯に限られず、どのような時間帯であってもよい。
【0096】
制御部81は、記憶部82に記憶した通話データや動画データを、削除する処理を実行する機能を含む。制御部81は、例えば、記憶装置5に通知した通話データや動画データを、通知が完了した時点で削除する。また、制御部81は、例えば、記憶部82に記憶可能なデータ容量を超えた場合に、記憶装置5に通知した通話データや動画データのうち、古いデータから順に削除してもよい。この場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データは、一定の期間、削除されない。そのため、情報処理端末8のユーザが、一定の期間、該通話データや動画データを参照することが可能となる。
【0097】
また、制御部81は、削除を要求する所定の指示を受信した場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データを削除してもよい。所定の指示は、例えば、通信システム1から通知可能である。制御部81は、所定の指示を受信した場合、記憶部82に記憶された通話データや動画データの全てを削除してもよい。また、制御部81は、記憶部82に記憶されたデータのうち、所定の指示により指定された通話データや動画データを、削除してもよい。このように、通話システム1からの所定の指示に基づいて、記憶部82に記憶された通話データや動画データが削除できるため、情報処理端末8を紛失した場合などでも、該通話データや動画データを遠隔で削除することで、該通話データや動画データが他人に取得されることを防止することができる。
【0098】
また、制御部81は、情報処理端末8の操作をロックするための指示を受信した場合、情報処理端末8の全てのまたは一部の機能を停止させる。情報処理端末8の操作をロックするための指示は、例えば、通信システム1から通知可能である。通話システム1からの指示に基づいて、情報処理端末8の全てのまたは一部の機能を停止できるため、情報処理端末8を紛失した場合などでも、該情報処理端末8を他人に使用されることを防止することができる。
【0099】
また、制御部81は、通話ログの通知の有無に関係なく、所定の周期で、情報処理端末8の位置を記憶装置5に通知してもい。所定の周期は、例えば、1分ごとや15分ごと、1時間ごとなど、どのような時間であってもよい。
【0100】
通話システム1に含まれる記憶装置5は、情報処理端末8から受信する通話ログを記憶する。
【0101】
図17は、記憶装置5が記憶する通話ログの構成例を示す図である。図17に示すように、通話ログには、情報処理端末8の通話又は通信相手である他の情報処理端末8に関する情報が含まれる。通話ログは、例えば、通話又は通信の相手である“氏名又は名称”と、該通話又は通信相手である他の情報処理端末8の“電話番号”と、通話又は通信を開始した“日時”と、通話の有無を示す“ステータス”と、が対応付けられる。通話又は通信の相手である“氏名又は名称”は、例えば、“顧客名”であってもよい。また、通話ログは、例えば、“再コールの回数”や“通話時間”、“通話時の情報処理端末8の位置”など、種々の情報が対応付けられていてもよい。
【0102】
また、通話ログには、該通話ログにおける通話又は通信の内容である、通話データや動画データが、対応付けられていてもよい。記憶装置5は、まず通話ログを記憶し、その後、該通話ログに対応する通話データや動画データを、該通話ログに対応付けて記憶する。記憶装置5は、通話データや動画データに割り当てられている、対応する通話ログを一意に識別可能な識別子を用いて、該通話データや該動画データと、対応する該通話ログを対応付ける。
【0103】
図18は、情報処理端末8の動作例を示すフローチャートである。なお、図18の動作例は、情報処理端末8の動作の一例であって、他の動作例であってもよい。
【0104】
図18に示すように、情報処理端末8が、他の情報処理端末8との間で通信を確立する(S401)。情報処理端末8の制御部81は、他の情報処理端末8との間で通信を確立した場合、通話ログに関する情報の収集を開始する(S402)。また、制御部81は、他の情報処理端末8との間で通信を確立した場合、該通信の内容である通話データ又は動画データを記憶部85に記憶する(S403)。なお、情報処理端末8は、他の情報処理端末8との間で通信を確立した場合、自装置の位置を測定してもよい。
【0105】
制御部81は、他の情報処理端末8との間の通信が終了した場合、通話ログを、通信部85を介して、通話システム1に送信する(S404)。また、情報処理端末8は、他の情報処理端末8との間で通信が終了した時点の自装置の位置を測定し、通信部85を介して、通話システム1に送信する(S405)。
【0106】
その後、制御部81は、所定の通信ネットワークと接続したか否かを判定する(S406)。所定の通信ネットワークと接続したと判定した場合(S406のYES)、制御部81は、記憶部85に記憶している通話データ又は動画データを、記憶装置85に通知する(S407)。一方、所定の通信ネットワークと接続していないと判定した場合(S406のNO)、S406に戻る。
【0107】
上記のとおり、実施形態4に係る通話システムにおいて、情報処理端末8は、該情報処理端末8が他の情報処理端末8等と通話又は通信した場合に、通信ネットワークN2を介して、該通話又は通信のログを通話システム1に通知する。一方、情報処理端末8は、所定の通信ネットワークと接続した場合に、該他の情報処理端末8等との通話又は通信の内容である通話データや動画データを、該通話システム1に通知する。そのため、通話システム1は、情報処理端末8の通話ログをまず取得し、その後、該情報処理端末8が所定のネットワーク(例えば、Wi-Fiなど)に接続した場合に、通話又は通信の内容である通話データや動画データする。その結果、通話システム1は、情報処理端末8の通話又は通信に関し、容量の小さい通話ログはリアルタイムで把握できるとともに、容量の大きい通話データや動画データは、適切なネットワークを用いて取得することができる。
【0108】
また、実施形態1乃至4の各々においては、記憶装置5が第2の記憶装置を兼ねている形態を示したが、通話システムは、記憶装置5と第2の記憶装置とを別個のコンピュータで構成した形態であってもよい。また、制御装置3、音声処理装置4、記憶装置5及び監視装置6の夫々は、複数のコンピュータで構成されていてもよい。また、制御装置3及び音声処理装置4は一体に構成されていてもよい。また、制御装置3は、通信ネットワークN3を介さずに通信ネットワークN1に直接に接続されていてもよい。また、実施形態1及び2においては、必要な処理を、ソフトウェアを利用して実行する形態を示したが、通話システムは、処理の一部又は全部を、ソフトウェアを利用しないハードウェアにより実行する形態であってもよい。
【0109】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0110】
本発明は以下のように記載することもできる。
(付記1)
他の情報処理端末との間で通信を行う情報処理端末であって、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の通話ログに関する情報を、前記情報処理端末を管理する通話システムに含まれる記憶装置に送信する送信部と、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の内容を示す通話データを記憶する記憶部と、
前記情報処理端末が、所定のネットワークと接続したか否かを判定する制御部と、を含み、
前記記憶部は、前記通話データに対応する前記通話ログを一意に識別可能な識別子を、当該通話データに付加して記憶し、
前記制御部は、前記所定のネットワークと接続したと判定した場合、前記記憶部に記憶された通話データを、前記記憶装置に送信する
ことを特徴とする情報処理端末。
(付記2)
前記送信部は、前記通話が終了した場合、前記情報処理端末の位置を前記記憶装置に送信することを特徴とする付記1に記載の情報処理端末。
(付記3)
前記通信ネットワークは、通信速度が所定値以上の通信ネットワークであり、
前記制御部は、通信速度が所定値以上の通信ネットワークに接続した場合、前記通話データを前記記憶装置に送信することを特徴とする付記1又は付記2に記載の情報処理端末。
(付記4)
前記通信ネットワークは、前記情報処理端末が属する所定のグループが提供する通信ネットワークであり、
前記制御部は、前記所定のグループが提供する通信ネットワークに接続した場合、前記通話データを前記記憶装置に送信することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理端末。
(付記5)
前記制御部は、前記通信ネットワークに接続し、かつ、予め定められた所定の時間帯に、前記通話データを前記記憶装置に送信することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理端末。
(付記6)
前記記憶装置は、前記情報処理端末から受信した前記通話データを、当該通話データに付加された前記識別子を用いて、前記通話ログに対応付けて記憶することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理端末。
(付記7)
前記制御部は、前記通話システムから前記情報処理端末の操作をロックするための指示を受信した場合、当該情報処理端末の全て又は一部の機能を停止させることを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理端末。
(付記8)
他の情報処理端末との間で通信を行う情報処理端末の通信方法であって、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の通話ログに関する情報を、前記情報処理端末を管理する通話システムに含まれる記憶装置に送信する送信ステップと、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の内容を示す通話データを記憶する記憶ステップと、
前記情報処理端末が、所定のネットワークと接続したか否かを判定する制御ステップと、を含み、
前記記憶ステップにおいて、前記通話データに対応する前記通話ログを一意に識別可能な識別子を、当該通話データに付加して記憶し、
前記制御ステップにおいて、前記所定のネットワークと接続したと判定した場合、前記記憶部に記憶された通話データを、前記記憶装置に送信する
ことを特徴とする通信方法。
(付記9)
他の情報処理端末との間で通信を行う情報処理端末が実行可能なプログラムであって、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の通話ログに関する情報を、前記情報処理端末を管理する通話システムに含まれる記憶装置に送信する送信機能と、
前記他の情報処理端末との間で通信を確立した場合、前記通信の内容を示す通話データを記憶する記憶機能と、
前記情報処理端末が、所定のネットワークと接続したか否かを判定する制御機能と、を含み、
前記記憶機能において、前記通話データに対応する前記通話ログを一意に識別可能な識別子を、当該通話データに付加して記憶し、
前記制御機能において、前記所定のネットワークと接続したと判定した場合、前記記憶部に記憶された通話データを、前記記憶装置に送信する
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 サービスセンター
2 通信端末
21 制御部
221 アプリケーションプログラム
3 制御装置
4 音声処理装置
5 記憶装置
6 監視装置
7 端末装置
70 ヘッドセット
N1、N2、N3 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18