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特許7190768窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20221209BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021168345
(22)【出願日】2021-10-13
(62)【分割の表示】P 2019088633の分割
【原出願日】2019-05-08
(65)【公開番号】P2022009113
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514323028
【氏名又は名称】株式会社ミラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】谷川 一也
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-337873(JP,A)
【文献】特開2003-058674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置であって、
1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得部と、
前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理部と、
換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信部と、を備え
前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであることを特徴とする窓口業務管理装置。
【請求項2】
各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置であって、
前記事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示すエリア別項目データを取得するエリア別項目データ取得部と、
管轄エリア毎に取得したエリア別項目データに基づいて、前記帳票における各項目名を言語解析し、各項目名を、同義度に基づいて分類された複数の同義項目グループの中のいずれかの同義項目グループに分類する項目グループ分類部と、
前記同義項目グループに分類された各項目名を前記管轄エリアごとに対応させて対応データを作成するデータ作成部と、
1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得部と、
前記対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理部と、
換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信部と、を備えていることを特徴とする窓口業務管理装置。
【請求項3】
前記エリア別帳票データ取得部は、第1事業所が利用する第1事業所端末から前記第1エリア別帳票データを取得し、
前記エリア別帳票データ送信部は、第2事業所が利用する第2事業所端末に向けて、変換された前記第2エリア別帳票データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の窓口業務管理装置。
【請求項4】
各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理方法であって、
ンピュータが、
1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得工程と、
前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理工程と、
換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信工程と、を実行し、
前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであることを特徴とする窓口業務管理方法。
【請求項5】
各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置としてのコンピュータに実行させる窓口業務管理プログラムであって、
記コンピュータに、
1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得処理と、
前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理と、
換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信処理と、を実行させ
前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであることを特徴とする窓口業務管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラムに係り、特に、各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の帳票を取り扱っている自治体や企業等の事業所では、当該事業所の窓口業務を行うにあたって、紙媒体の各種帳票を電子化する技術を利用することで、当該窓口業務の効率化、人件費や保管コストの抑制を図っている。
また、同じ種類の帳票であっても、例えば自治体の管轄エリア別に(具体的には、都道府県毎や市区町村毎に)異なった様式が採用されていることが多い。そのため、異なる自治体への帳票の申請手続きが生じた場合であっても窓口業務を行うことが可能な技術が提案されているところである(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-337873号公報
【文献】特開2004-272444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、事業所の窓口業務において管轄エリア別に異なった帳票を取り扱うような場合に、当該窓口業務を効率的に情報管理することが可能な窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明の窓口業務管理装置によれば、各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置であって、1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得部と、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理部と、換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信部と、を備え、前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであること、により解決される。
上記構成により、事業所の要求に応じて、管轄エリア別に異なっているエリア別帳票データの様式を特定の管轄エリアの様式に変換し、変換したエリア別帳票データを特定の事業所の事業所端末に向けて送信することができる。
そのため、各事業所の窓口業務として、自分の管轄エリアとは異なる様式の帳票を取り扱うような場合には、自分の管轄エリアにおける様式に変換させた帳票を取得することで対応することができる。
また上記構成により、管轄エリア別に異なった帳票の各項目名をより精度良く情報管理することができる。
【0007】
また前記課題は、本発明の窓口業務管理装置によれば、各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置であって、前記事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示すエリア別項目データを取得するエリア別項目データ取得部と、管轄エリア毎に取得したエリア別項目データに基づいて、前記帳票における各項目名を言語解析し、各項目名を、同義度に基づいて分類された複数の同義項目グループの中のいずれかの同義項目グループに分類する項目グループ分類部と、前記同義項目グループに分類された各項目名を前記管轄エリアごとに対応させて対応データを作成するデータ作成部と、第1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得部と、前記対応データを参照して、取得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理部と、変換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信部と、を備えていること、によっても解決される。
上記構成により、管轄エリア別に異なった帳票の各項目名をより精度良く情報管理することができる。
また例えば、自治体又は委託企業を管理する管理機関が、自治体等の窓口業務を効率的に情報管理することができる。特に日本国内では自治体の総数が1700以上存在し(2019年2月時点)、各自治体が取り扱う帳票の総数も考慮すれば膨大な情報量になるため、本発明に係る窓口業務管理装置を実現することに多大な意義がある。
また、将来的には、当該管理機関によって各事業所の窓口業務における帳票の様式を統一化するにあたり、当該統一作業(標準化作業)を支援することもできる。
【0008】
また前記課題は、各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理方法であって、ンピュータが、1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得工程と、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理工程と、換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信工程と、を実行し、前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであること、によっても解決される。
【0009】
また前記課題は、各種帳票を取り扱う事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置としてのコンピュータに実行させる窓口業務管理プログラムであって、記コンピュータに、1事業所の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名が設定された第1エリア別帳票データを取得するエリア別帳票データ取得処理と、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を前記管轄エリアごとに対応させた対応データを参照して、得した第1エリア別帳票データを、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名が設定された第2エリア別帳票データに変換する帳票データ変換処理と、換された前記第2エリア別帳票データを送信するエリア別帳票データ送信処理と、を実行させ、前記対応データは、前記事業所の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名を、同義度に基づいた同義項目グループ毎に分類することで前記管轄エリアごとに対応させたデータであること、によっても解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラムによれば、事業所の窓口業務において管轄エリア別に異なった帳票を取り扱うような場合に、当該窓口業務を効率的に情報管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】窓口業務管理システム全体の構成図である。
図2】窓口業務管理装置のハードウェア構成図である。
図3】窓口業務管理装置、事業所端末及び事業所管理サーバーのソフト構成図である。
図4】エリア別帳票データの一例を示す図である。
図5】個別/標準項目対応データの一例を示す図である。
図6】標準帳票データの一例を示す図である。
図7】標準項目名を設定する処理の一例を説明する図である。
図8】窓口業務管理プログラムの処理の一例を示すフロー図である。
図9】窓口業務管理プログラムの処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態について図1図9を参照して説明する。
本実施形態は、事業所の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置であって、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示すエリア別項目データを取得するエリア別項目データ取得部と、管轄エリア毎に取得したエリア別項目データに基づいて、当該帳票における各項目名を言語解析し、各項目名を、同義度に基づいて分類された複数の同義項目グループの中の所定の同義項目グループに分類する項目グループ分類部と、同義項目グループに分類された各項目名を言語解析し、同義項目グループ毎に帳票における標準項目名を設定する標準項目設定部と、設定された標準項目名から構成される帳票の内容を示す標準帳票データを作成する標準帳票データ作成部と、を備えていることを主な特徴とする発明に関するものである。
【0013】
本実施形態となる窓口業務管理システムS全体の構成を図1に示す。
窓口業務管理システムSは、各種帳票を取り扱う事業所(自治体)の窓口業務を管理するための窓口業務管理装置1と、窓口業務管理装置1とネットワークを通じて接続され、各事業所によって所有される事業所端末100と、各事業所を管理する管理機関(国や省庁)によって所有される事業所管理サーバー200と、から主に構成されている。
ここで「帳票」とは、情報の入力が可能であって所定の手続きに供される書類を意味する。例えば、市区町村等の自治体、国、民間企業等をあて先として各種申請を行うために用いられるものが「帳票」に相当する。具体的には、自治体の窓口に対して申請する出生届や死亡届、住所変更届、マラソン大会への参加届等の申請書類が「帳票」の一例に相当する。
「事業所」とは、従業者と設備を有し、物の生産や販売、サービスの提供が継続的に行われている場所を意味し、例えば、自治体や自治体によって委託された委託企業のほか、民間企業等も広く含まれるものである。
「管理機関」とは、事業所を管理する専門機関であって、例えば、各自治体の窓口業務を管理する国や省庁等が挙げられるほか、管理会社(管理システム会社)等も含まれるものである。
【0014】
窓口業務管理装置1は、ネットワークを介して接続される事業所端末100及び事業所管理サーバー200に対して、ソフトウェアサービスを提供するクラウドサーバーである。
詳しく述べると、事業所端末100及び事業所管理サーバー200の間に介在し、各事業所の窓口業務管理に関するソフトウェアサービスをそれぞれに提供するものである。
具体的には、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名及びレイアウトの情報を取得して、管轄エリア毎に取得した当該帳票における各項目名及びレイアウトを解析し、標準的な項目名及びレイアウトから構成される「標準帳票データ」を作成した上で、当該「標準帳票データ」を事業所管理サーバー200に向けて送信する。
そのため、管理機関にとって事業所の窓口業務を情報管理し易くなる。また、将来的に各事業所の窓口業務における帳票の様式を統一化するにあたって、当該統一作業(標準化作業)を支援することができる。
ここで「管轄エリア」とは、ある事業所に対して与えられた権限が及ぶ区域を意味し、例えば、自治体(地方公共団体)が管轄する市区町村の各エリアが挙げられる。
「項目名」とは、帳票の構成要素であって、帳票への入力情報の内容や形式を規定するための情報である。例えば、「子供の氏名」、「子供の住所」、「父母の氏名」等が上記の項目名の一例に相当する。
【0015】
また、窓口業務管理装置1は、所定の事業所端末100からの要求データを受け付けて、例えば第1事業所端末100から取得した第1管轄エリアにおける項目名が設定された「第1エリア別帳票データ」を、第2管轄エリアにおける項目名が設定された「第2エリア別帳票データ」に変換し、変換した「第2エリア別帳票データ」を第2管轄エリアに対応する第2事業所端末100に向けて送信する。
そのため、当面の各事業所の窓口業務として、自分の管轄エリアとは異なる様式の帳票を取り扱うような場合には、自分の管轄エリアにおける様式に変換させた帳票を取得することで対応することができる。
【0016】
事業所端末100は、事業所に相当する自治体によって所有され、当該自治体の担当者等のユーザーによって操作される情報端末であって、具体的には、PC、タブレット端末等のコンピュータである。なお、自治体の代わりに自治体によって委託された委託企業によって所有されていても良い。
事業所端末100は、自治体の管轄エリアにおける窓口業務を取り扱うために、当該管轄エリアの様式からなる各種帳票を電子化した各種の「エリア別帳票データ(フォーマット)」を保管しており、各種帳票の電子申請を受け付け可能となっている。また、当該管轄エリア内において電子申請を受け付けた後の「エリア別帳票データ(回答入力済)」についても保管している。
事業所管理サーバー200は、管理機関に相当する国や省庁によって所有され、当該国や省庁の担当者等のユーザーによって操作される管理サーバーであって、具体的には、PC等のコンピュータである。
事業所管理サーバー200は、全ての管轄エリアにおいて自治体が取り扱った各種帳票を管理するために、各事業所端末100から、電子申請を受け付けた後の「エリア別帳票データ(回答入力済)」を取得し、全ての管轄エリア内における当該「エリア別帳票データ」を一括して保管している。
【0017】
事業所端末100及び事業所管理サーバー200は、窓口業務管理装置1とネットワークを介して接続され、窓口業務管理装置1からソフトウェアサービスの提供を受けるものである。
具体的には、事業所端末100は、窓口業務に関する所定の表示画面上において所定のユーザー操作の入力を受け付けることで、窓口業務管理装置1から、所定の管轄エリアにおける項目名及びレイアウトに変換された「エリア別帳票データ」を受信することや、標準的な項目名及びレイアウトが設定された「標準帳票データ」を受信する。
また、事業所管理サーバー200は、窓口業務の管理に関する所定の表示画面上において所定のユーザー操作の入力を受け付けることで、窓口業務管理装置1から、窓口業務管理装置1によって「エリア別帳票データ(回答入力済)」を加工して作成された「標準帳票データ」を受信し、当該「標準帳票データ」を一括して保管している。
すなわち、事業所管理サーバー200は、全ての管轄エリア内における「エリア別帳票データ(回答入力済)」が加工された「標準帳票データ」を一括して保管している。
【0018】
<窓口業務管理装置のハード構成>
窓口業務管理装置1は、図2に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースと、を備えたコンピュータである。
また、窓口業務管理装置1は、所定の書式で表示される文字又は画像の情報を表示する表示装置と、CPUに所定の指令を入力するときユーザー入力操作される入力装置と、外付けハードディスク等の記憶媒体装置と、文字又は画像の情報を出力する印刷装置と、をさらに備えている。
なお、事業所端末100、事業所管理サーバー200についても同様のハード構成を備えたコンピュータとなっている。
【0019】
窓口業務管理装置1は、図2に示すように、帳票処理装置2及びスキャナ装置3とネットワークを通じて接続されている。
帳票処理装置2は、スキャナ装置3によって取り込んだ紙媒体の帳票を処理するコンピュータであって、具体的には、帳票に対してOCR(光学文字認識)を実行して、帳票に記載の文字列データを取得する。そして、当該文字列データを解析し、帳票を構成する項目欄、入力欄、穴埋め入力欄に分けて「レイアウトの情報」を抽出するとともに、項目欄(さらには穴埋め入力欄)に記載された「項目名の情報」を抽出する。
ここで「項目欄」とは、項目名としての文字列が記載された領域であり、「入力欄」とは、文字列が記載されず、項目欄に対応する情報を入力する領域である。そして、「穴埋め入力欄」とは、文字列が記載され、文字列の間に情報を入力する領域である。
つまり、窓口業務管理装置1は、帳票処理装置2から、各種帳票における各項目名の情報(エリア別項目データ)及びレイアウトの情報(エリア別レイアウトデータ)を取得している。
【0020】
窓口業務管理装置1のROM、HDD、及び外部記憶装置には、図3に示すように、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、窓口業務管理プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、窓口業務管理装置1の機能が発揮されることになる。
事業所端末100、事業所管理サーバー200についても同様である。
【0021】
<窓口業務管理装置のソフト構成>
窓口業務管理装置1は、図3に示すように、機能面から説明すると、「エリア別項目データ」、「エリア別レイアウトデータ」、「エリア別帳票データ」、「個別/標準項目対応データ」、「個別/標準レイアウト対応データ」及び「標準帳票データ」等、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10と、エリア別項目データ取得部11と、項目グループ分類部12と、標準項目設定部13と、エリア別レイアウトデータ取得部14と、標準レイアウト設定部15と、標準帳票データ作成部16と、標準帳票データ送信部17と、エリア別帳票データ取得部18と、帳票データ変換処理部19と、エリア別帳票データ送信部20と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
【0022】
なお、事業所端末100についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種データを保持して格納しておく記憶部110と、窓口業務管理装置1に向けて各種データを発信するデータ発信部111と、各種データを受信するデータ受信部112と、を主な構成要素として備えている。
事業所管理サーバー200についても同様に記憶部と210と、データ発信部211と、データ受信部212と、を主な構成要素として備えている。
【0023】
記憶部10に記憶される「エリア別項目データ」は、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示すデータであって、また「エリア別レイアウトデータ」は、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票におけるレイアウトの内容を示すデータである。これらデータは、帳票毎にまた管轄エリア毎に記憶されている。
詳しく述べると、「エリア別項目データ」には、「帳票の種別」、「自治体名(自治体の管轄エリア)」及び「各項目名」の情報が含まれている。また、「エリア別レイアウトデータ」には、「帳票の種別」、「自治体名」及び「レイアウト」の情報が含まれている。
【0024】
「エリア別帳票データ」は、図4に示すように、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名及びレイアウトから構成される帳票の内容を示すデータであって、ユーザー操作の入力を受け付けて、帳票の各項目に対する回答内容がデータ入力されるものである。
当該エリア別帳票データは、自治体の窓口業務において取り扱われる帳票毎に電子化されて作成されており、各自治体(各管轄エリア)による個別的な項目名及びレイアウトが設定されているデータである。
詳しく述べると、エリア別帳票データには、主に「帳票の種別」、「自治体名(自治体の管轄エリア)」、「各項目名」及び「レイアウト」の情報が設定されている。
図4の本実施例を見ると、帳票の種別「出生届」、自治体名「A県○○市」のエリア別帳票データにおいて、項目名として「こどもの名前」、「こどもの住まい」、「父母の名前」等の情報が設定されていることが分かる。
また、レイアウトとして、左上の欄外の部分において上から順に「帳票の種別」、「日付」及び「自治体名」の情報が配置されているほか、欄内の部分において上から順に「生まれたこども」、「生まれたこどもの父母」等の情報が配置されていることが分かる。
【0025】
「個別/標準項目対応データ」は、図5に示すように、自治体の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名と、各項目名に対して設定された標準項目名との対応関係を示すテーブルデータである。
個別/標準項目対応データは、「自治体(自治体の管轄エリア)」の追加や削除、「項目名」の追加や削除等に伴って適宜アップデートされるものであって、管轄エリア別に設定された各項目名に対応する標準項目名の情報が一元管理されたデータである。
当該データを参照することで、標準帳票データを作成する機能や、所定の管轄エリアにおけるエリア別帳票データを他の管轄エリアにおけるエリア別帳票データに変換する機能を利用することができる。
【0026】
詳しく述べると、個別/標準項目対応データには、テーブルの見出しとして「帳票種別」、「同義項目グループID」、「標準項目名」、「各自治体(各自治体の管轄エリア)の項目名」の情報が設定されている。
図5の本実施例を見ると、一番始めの行において、帳票種別「出生届」、同義項目グループID「G0001」、標準項目名「子供の氏名」、自治体「A県○○市」の項目名「こどもの名前」、自治体「B県○○市」の項目名「子供の名称」、自治体「C県○○市」の項目名「児童の氏名」等の情報が含まれていることが分かる。
また、そのほかの標準項目名として「子供の住所」、「父母の氏名」等の情報が含まれていることが分かる。
【0027】
「個別/標準レイアウト対応データ」は、自治体の管轄エリア別に設定された帳票のレイアウトと、当該帳票のレイアウトに対して設定された標準レイアウトとの対応関係を示すテーブルデータである。
当該データを参照することで、標準帳票データを作成する機能や、所定の管轄エリアにおけるエリア別帳票データを他の管轄エリアにおけるエリア別帳票データに変換する機能を利用することができる。
【0028】
「標準帳票データ」は、図6に示すように、帳票における各標準項目名及び標準レイアウトから構成される帳票の内容を示すデータであって、ユーザー操作の入力を受け付けて、帳票の各項目に対する回答内容がデータ入力されるものである。
当該標準帳票データは、管轄エリア別に設定された個別的な各項目名及びレイアウトをそれぞれ解析し、解析結果に基づいて各標準項目名及び標準レイアウトを設定することで作成されるデータであって、適宜アップデートされるものである。
詳しく述べると、標準帳票データには、エリア別帳票データと同様に、「帳票の種別」、「自治体名(自治体の管轄エリア)」、「各項目名」及び「レイアウト」の情報が設定されている。
図6の本実施例を見ると、帳票の種別「出生届」の標準帳票データにおいて、項目名として「子供の氏名」、「子供の住所」、「父母の氏名」等の情報が設定されていることが分かる。
また、レイアウトとして、上の欄外の部分において一番上の行に「帳票の種別」、二番目の行に「日付」及び「自治体名」の情報が配置されているほか、欄内の部分において上から順に「生まれた子供」、「生まれた子供の父母」の情報等が配置されていることが分かる。
【0029】
エリア別項目データ取得部11は、図2に示す帳票処理装置2から、自治体の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示す「エリア別項目データ」を管轄エリア毎に取得するものである。取得されたエリア別項目データは、自治体毎に(管轄エリア別に)分類されて記憶部10に記憶される。
【0030】
詳しいステップを述べると、図7に示すように、まず、帳票処理装置2が、各自治体から得られた紙媒体の各種帳票をスキャナ装置3によって取り込むことで、各種の帳票の内容を示す各種の「エリア別帳票データ」を管轄エリア毎に取得する。
取得した各種の帳票データは、項目名A、項目名B、項目名C等の1以上の項目名から構成された帳票のデータであって、各項目名は、1以上の単語を含む語句である。各項目名には、帳票の種別を識別可能な帳票識別IDが付されている。
そして、帳票処理装置2が、これら「エリア別帳票データ」から、管轄エリア別に設定された帳票における各項目名の情報を光学文字認識によって抽出する。
このとき、いずれの帳票から抽出した項目名であるかを判別可能なように、各項目名と合わせて各帳票識別IDを取得している。帳票識別IDを取得する一例として、帳票を取り込むときにユーザーより入力された情報を取得する方法がある。
そして、エリア別項目データ取得部11が、帳票処理装置2から、「エリア別項目データ」を管轄エリア毎に取得する。
【0031】
項目グループ分類部12は、管轄エリア毎に取得した「エリア別項目データ」に基づいて、管轄エリア別に設定された各項目名を言語解析し、各項目名を、同義度に基づいて分類された複数の同義項目グループの中の所定の同義項目グループに分類するものである。
「同義語」とは、異なる2以上の語が互いに同じ意味を有している場合、特に、帳票の項目において同じ属性を示す語として用いられる場合、これらの語を同義語という。
【0032】
詳しいステップを述べると、図7に示すように、項目グループ分類部12は、まず、それぞれの項目名を、項目名のタイプ別に分類する(「第1分類処理」をする)。
このとき、それぞれの項目名のうち、所定の項目名が引当不可条件を満足するか否かを判定し、当該項目名が引当不可条件を満たすものについては、引当不可項目と判定して、その項目名に対してはタイプ別分類の処理対象から除外する。
「引当不可条件」とは、例えば、予め設定されている引当不可項目を要素とする引当不可辞書などの情報に含まれる項目名と一致する場合である。
当該項目名が引当不可項目でない場合には、当該項目名に対してタイプ別分類を行う。
【0033】
具体的には、各項目名のタイプには、「名前(name)」、「住所(address)」等が予め定められており、それぞれのタイプ別に分類I、分類II等が設定されている。また、予め設定されているタイプのいずれにも該当しない項目名を分類するため、「その他(etc)」タイプの分類Nが設定されている。
そして、それぞれの項目名に含まれる語(名詞)が項目名のタイプのいずれに該当するかに基づいて、それぞれの項目名をタイプ別に分類する。このとき、所定の項目名がいずれのタイプにも該当しない場合には、その他タイプの分類CNに分類する。
例えば、タイプ別分類I(name)には、項目名「子供の氏名」や「父母の氏名」等が分類され、タイプ別分類II(address)には、項目名「子供の住所」等が分類されることになる。
【0034】
より具体的には、形態素解析によって項目名を分解した語(形態素)のうちから名詞を抽出し、所定条件に基づいて、抽出した名詞が項目名のタイプのいずれに該当するかを判定する。例えば、タイプ名と、対応する名詞(または名詞内の一部の文字列)との対応付けが定義されたタイプ定義情報を予め設定しておき、このタイプ定義情報に基づいて、抽出した名詞がいずれのタイプに該当するかを判定することができる。
そして、抽出した名詞がいずれのタイプにも該当しないときには、その項目名をその他タイプに分類する。
なお、項目名から抽出した名詞が複数あって、それぞれの名詞のタイプが異なる、すなわち項目名に複数のタイプが含まれている場合には、その項目名を引当不可項目であると判定し、タイプ別分類の処理は行わない。
以上の処理によって、項目グループ分類部12は、引当不可項目を除く全ての項目名をタイプ別分類に分類する(「第1分類処理」をする)。
【0035】
次に、項目グループ分類部12は、図7に示すように、タイプ別分類に分類された各項目名を、同義関係にある1以上のグループに分類する(「第2分類処理」をする)。
具体的には、タイプ別分類に属する1つの項目名内に異義関係にある語が含まれている場合には、その項目名を処理対象外とする。
項目名内に異義関係にある語が含まれていなければ、当該項目名と、同義項目グループ内の別の項目名との同義度を計算し、最も同義度が高い項目名と同じ同義項目グループに分類していく。
「同義度」とは、例えば、同義語辞書において同義語として設定されている場合に値が大きくなるように算出される評価値である。
例えば、同義項目グループG1には、図5に示すように、項目名「子供の名前」や「子供の名称」、「児童の氏名」等が分類されることになる。
【0036】
標準項目設定部13は、同義項目グループに分類された各項目名を言語解析し、同義項目グループ毎に標準項目名を設定するものである。
詳しく述べると、図7に示すように、標準項目設定部13は、同義項目グループに分類されたそれぞれの項目名の標準度を計算する。
「標準度」とは、既に設定されている標準項目名との一致度が高い程大きくなるように算出される評価値である。
そして、同義項目グループに分類された項目名のうち標準度が閾値以上であって、かつ、最も値が大きい項目名を選択し、それを標準項目名に設定する。
【0037】
また、同義項目グループに分類された項目名の中に標準度が閾値以上のものがない場合には、所定条件に基づき、標準項目名の候補となる項目名を選択する。
所定条件とは、例えば、同義項目グループの中で出現頻度が最も高い項目名、名詞の数が最も少ない項目名、文字数が最も少ない項目名、の優先順位にしたがって項目名を選択する。
そして、選択した項目名又は当該選択した項目名を標準項目名の辞書情報に基づいて変換した項目名を、標準項目名の候補として得る。そして、当該標準項目名の候補をユーザーに提示し、ユーザーの確認又は修正を経て、標準項目名候補に基づく項目名を標準項目名として設定する。
例えば、同義項目グループG1には、図5に示すように、標準項目名として「子供の氏名」や「子供の名称」、「児童の氏名」等が分類されることになる。
【0038】
なお、これらの一連の標準項目名の設定処理を機械学習の学習モデルとして学習させることで、より自動化された効率的な辞書生成機能を構築することができる。
【0039】
エリア別レイアウトデータ取得部14は、図2に示す帳票処理装置2から、自治体の管轄エリア別に設定された、帳票におけるレイアウトの内容を示す「エリア別レイアウトデータ」を管轄エリア毎に取得するものである。取得されたエリア別レイアウトデータは、自治体毎に(管轄エリア別に)分類されて記憶部10に記憶される。
標準レイアウト設定部15は、管轄エリア毎に取得した「エリア別レイアウトデータ」に基づいて、管轄エリア別に設定されたレイアウトをレイアウト解析し、所定の条件に基づいて標準レイアウトを設定するものである。
なお、所定の条件とは、標準項目名を設定する際の条件と同様の条件としても良いし、公知な条件を採用しても良い。
【0040】
標準帳票データ作成部16は、標準項目設定部13によって設定された標準項目名と、標準レイアウト設定部15によって設定された標準レイアウトから構成される帳票の内容を示す「標準帳票データ」を作成するものである。
詳しく述べると、図5に示す「個別/標準項目対応データ」及び不図示の「エリア/帳票レイアウト対応データ」を参照しながら、各標準項目名及び標準レイアウトが設定された図6の「標準帳票データ」を作成することになる。
図6の本実施例を見ると、帳票の種別「出生届」に対して標準項目名「子供の氏名」、「子供の住所」、「父母の氏名」等が設定されていることが分かる。
また、標準レイアウトとして、上の欄外の部分において一番上の行に「帳票の種別」、二番目の行に「日付」及び「自治体名」の情報が配置されているほか、欄内の部分において上から順に「生まれた子供」、「生まれた子供の父母」の情報等が配置されていることが分かる。
【0041】
標準帳票データ送信部17は、事業所管理サーバー200に向けて、図6に示す「標準帳票データ」を送信するものである。送信された「標準帳票データ」は、帳票の種別毎に分類されて記憶部210に記憶される。
また、標準帳票データ送信部17は、事業所端末100に向けて「標準帳票データ」を送信することもできる。
【0042】
エリア別帳票データ取得部18は、所定の第1自治体が所有する第1事業所端末100から、第1自治体の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名及びレイアウトが設定された「第1エリア別帳票データ」を取得するものである。
帳票データ変換処理部19は、所定のユーザー操作の入力を受け付けて、図5の「個別/標準項目対応データ」及び不図示の「エリア/帳票レイアウト対応データ」を参照し、第1事業所端末100から取得した「第1エリア別帳票データ」を、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける項目名及びレイアウトが設定された「第2エリア別帳票データ」に変換するものである。
エリア別帳票データ送信部20は、第2管轄エリアに対応する第2自治体が所有する第2事業所端末100に向けて、変換された「第2エリア別帳票データ」を送信するものである。
具体的には、自治体「A県○○市」に住民票を有する住民が、自治体「B県○○市」にある実家において里帰り出産し、自治体「B県○○市」の窓口で出生届(出生届データ)を提出した場合のケースが考えられる。
当該ケースでは、提出された出生届(出生届データ)が、追って自治体「B県○○市」から自治体「A県○○市」へ送信されるところ、当該出生届の様式が各自治体によって異なるため、自治体「A県○○市」の様式に反映させた出生届(出生届データ)に変換される必要がある。
【0043】
上記ケースへの対応として、帳票データ変換処理部19は、第1自治体「B県○○市」が所有する第1事業所端末100から取得した第1管轄エリアにおける項目名及びレイアウトが設定された「第1エリア別帳票データ」を、第2自治体「A県○○市」の管轄エリアである第2管轄エリアにおける項目名及びレイアウトが設定された「第2エリア別帳票データ」に変換する。
そして、エリア別帳票データ送信部20が、第2自治体「A県○○市」が所有する第2事業所端末100に向けて、変換された「第2エリア別帳票データ」を送信することになる。
【0044】
<窓口業務管理プログラム>
次に、窓口業務管理装置1で実行される窓口業務管理プログラムの処理について、図8図9に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた窓口業務管理装置1の機能的な構成要素として、上述したエリア別項目データ取得部11と、項目グループ分類部12と、標準項目設定部13と、エリア別レイアウトデータ取得部14と、標準レイアウト設定部15と、標準帳票データ作成部16と、標準帳票データ送信部17と、エリア別帳票データ取得部18と、帳票データ変換処理部19と、エリア別帳票データ送信部20と、を実現させるために各種プログラムを集約させたユーティリティプログラムであって、窓口業務管理装置1のCPUがこの窓口業務管理プログラムを実行する。
上記プログラムは、ユーザーからの操作指示を受け付けて実行されるものである。
なお、窓口業務管理装置1の記憶部10には、不図示の「エリア別項目データ」、「エリア別レイアウトデータ」、図4に示す「エリア別帳票データ」、図5に示す「個別/標準項目対応データ」、不図示の「個別/標準レイアウト対応データ」、図6に示す「標準帳票データ」が記憶されている。
【0045】
図8に示す窓口業務管理処理フローでは、まず、エリア別項目データ取得部11が、自治体の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名の内容を示す「エリア別項目データ」を管轄エリア毎に取得し、また、エリア別レイアウトデータ取得部14が、管轄エリア別に設定された、帳票におけるレイアウトの内容を示す「エリア別レイアウトデータ」を管轄エリア毎に取得するステップS1から始まる。
【0046】
次に、ステップS2で、項目グループ分類部12が、管轄エリア毎に取得した「エリア別項目データ」に基づいて、管轄エリア別に設定された各項目名を言語解析し、各項目名を、同義度に基づいて分類された複数の同義項目グループの中の所定の同義項目グループに分類する。
そして、ステップS3で、標準項目設定部13が、同義項目グループに分類された各項目名を言語解析し、同義項目グループ毎に標準項目名を設定する。そして、標準項目設定部13が、自治体の管轄エリア別に設定された帳票における各項目名と、各項目名に対して設定された標準項目名との対応関係を示す「個別/標準項目対応データ」を作成する(ステップS4)。
【0047】
次に、ステップS5で、標準レイアウト設定部15が、管轄エリア毎に取得した「エリア別レイアウトデータ」に基づいて、管轄エリア別に設定されたレイアウトをレイアウト解析し、標準レイアウトを設定する。
そして、標準レイアウト設定部15が、自治体の管轄エリア別に設定された帳票のレイアウトと、当該帳票のレイアウトに対して設定された標準レイアウトとの対応関係を示す「個別/標準レイアウト対応データ」を作成する(ステップS6)。
【0048】
次に、ステップS7で、標準帳票データ作成部16が、設定された各標準項目名と、設定された標準レイアウトから構成される帳票の内容を示す「標準帳票データ」を作成する。
最後に、標準帳票データ送信部17が、事業所管理サーバー200に向けて、「標準帳票データ」を送信する。なお、事業所端末100に向けて「標準帳票データ」を送信することもできる。
上記ステップS1からステップS8を経てプロセスを終了する。または、引き続き、ステップS9に進む。
上記の窓口業務管理プログラムの構成により、自治体の窓口業務において管轄エリア別に異なった帳票の各項目名及びレイアウトを標準化し、標準的な帳票を作成することができる。
【0049】
ステップS9に進む場合には、次に、エリア別帳票データ取得部18が、所定の第1自治体が所有する第1事業所端末100から、第1自治体の管轄エリアとなる第1管轄エリアにおける項目名及びレイアウトが設定された「第1エリア別帳票データ」を取得する(図4参照)。
そして、ステップS10で、帳票データ変換処理部19が、所定のユーザー操作の入力を受け付けて、図5の「個別/標準項目対応データ」を参照し、第1管轄エリアとは異なる第2管轄エリアにおける各項目名の情報を取得し、さらにステップS11で、不図示の「エリア/帳票レイアウト対応データ」を参照し、第2管轄エリアにおけるレイアウトの情報を取得する。
そして、ステップS12で、帳票データ変換処理部19が、第1事業所端末100から取得した「第1エリア別帳票データ」を、第2管轄エリアにおける各項目名及びレイアウトが設定された「第2エリア別帳票データ」に変換する。
最後に、ステップS13で、エリア別帳票データ送信部20が、第2管轄エリアに対応する第2自治体が所有する第2事業所端末100に向けて、変換された「第2エリア別帳票データ」を送信する。
【0050】
上記ステップS9からステップS13を経てプロセスを終了する。
上記の窓口業務管理プログラムの構成により、自治体の要求に応じて、管轄エリア別に異なっている「エリア別帳票データ」の様式を特定の管轄エリアの様式に変換し、「変換したエリア別帳票データ」を特定の事業所の事業所端末に向けて送信することができる。
【0051】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、窓口業務管理装置1が、各種帳票を取り扱う自治体の窓口業務を管理するためのものとして記載されているが、特に自治体に限定されることなく、自治体によって委託された委託企業であっても良いし、民間企業等の事業所であっても良い。
【0052】
上記実施形態では、図1に示すように、窓口業務管理システムSが、窓口業務管理装置1と、事業所端末100と、事業所管理サーバー200とから構成されているが、特に限定されることなく、図2に示す帳票処理装置2やスキャナ装置3が当該システムSの中に含められても良い。
【0053】
上記実施形態では、図1に示すように、窓口業務管理装置1と事業所管理サーバー200とが別々の装置として構成されているが、特に限定されることなく、窓口業務管理装置1と事業所管理サーバー200が合わさって窓口業務管理装置として構成しても良い。
【0054】
上記実施形態では、図8に示すように、窓口業務管理装置1は、事業所の管轄エリア別に設定された、帳票における各項目名及びレイアウトの情報を取得して、管轄エリア毎に取得した当該帳票における各項目名及びレイアウトを解析し、標準的な項目名及びレイアウトから構成される「標準帳票データ」を作成しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、窓口業務管理装置1は、帳票における各項目名のみの情報を取得して、管轄エリア毎に取得した当該帳票における各項目名を解析し、標準的な項目名から構成される「標準帳票データ」を作成する等としても良い。
【0055】
上記実施形態では、窓口業務管理装置1が読み取り可能な記録媒体に窓口業務管理プログラムが記憶されており、窓口業務管理装置1が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで窓口業務管理装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、この窓口業務管理プログラムを通信回線によって事業所端末100(事業所管理サーバー200)に配信し、この配信を受けた事業所端末100(事業所管理サーバー200)が当該プログラムを実行するように構成しても良い。
【0056】
上記実施形態では、図1に示すように、窓口業務管理装置1が、ネットワークを介して接続される事業所端末100に対して、ソフトウェアサービスを提供するクラウドサーバーとなっているが、特に限定されることなく変更可能である。
具体的には、事業所端末100に窓口業務管理プログラムを直接インストールさせて、事業所端末100自身が、窓口業務管理装置として機能する構成にしても良い。
【0057】
上記実施形態では、主として本発明に係る窓口業務管理装置、窓口業務管理方法及び窓口業務管理プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
S 窓口業務管理システム
1 窓口業務管理装置
2 帳票処理装置
3 スキャナ装置
10 記憶部
11 エリア別項目データ取得部
12 項目グループ分類部
13 標準項目設定部
14 エリア別レイアウトデータ取得部
15 標準レイアウト設定部
16 標準帳票データ作成部
17 標準帳票データ送信部
18 エリア別帳票データ取得部
19 帳票データ変換処理部
20 エリア別帳票データ送信部
100 事業所端末
110 記憶部
111 データ発信部
112 データ受信部
200 管理サーバー
210 記憶部
211 データ発信部
212 データ受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9