(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】プログラム、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221209BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G06Q30/06 312
(21)【出願番号】P 2022068533
(22)【出願日】2022-04-18
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2021196514
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ラッコ株式会社は、各種メディア(42件、2021年2月1日-2021年9月21日)、SNS(18件、2021年1月6日-2021年11月1日)及び自社ホームページ(61件、2020年12月4日-2021年11月30日)に、自社のサービスを公開することにより、本発明に係る「プログラム、方法、及びシステム」について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518445942
【氏名又は名称】ラッコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 泰翔
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0119283(US,A1)
【文献】[保存版]サイト売却のやり方!個人間の名義変更~ドメイン移管手順を公開!,[online],2021年04月30日,インターネット<URL:https://rintaro0329.com/3113.html>,[2022年7月26日検索]
【文献】ドメイン取得サービス「ムームードメイン」、ドメイン名ハイジャックや意図しないドメイン設定変更を防ぐオプションサービス「ドメインロック」を提供開始,[online],2019年07月01日,インターネット<URL:https://pepabo.com/news/press/201907011300>,[2022年7月26日検索]
【文献】[売主様向け]ラッコM&Aサイト移行代行のご案内,[online],2021年11月05日,インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20211105171618/ https://rakkoma.com/knowledge/703/>,[2022年7月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備え、
ウェブサイトに関する取引を管理するサーバである取引管理サーバに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、前記ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップと、
前記ウェブサイトに対する、取引の対象になりえるものかどうかについての審査の通過に応答して、当該ウェブサイトを構成するドメイン契約に対する変更
が制限されるように、前記ドメイン契約を管理するドメイン契約管理サーバに対して、当該ドメイン契約の変更に関する操作制限として、ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するステップと、
前記審査の通過に応答して、前記ウェブサイトを構成する管理サーバの契約に対する変更
が制限されるように、前記管理サーバの契約を管理するサーバ契約管理サーバに対して、当該管理サーバの契約の変更に関する操作制限として、サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するステップと、
売買対象となる
前記ウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップと、
前記ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、前記ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップと、
前記ウェブサイトの
前記管理サーバの契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替え
るために、前記サーバ契約管理サーバに対して、前記サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するステップと、
前記ウェブサイトの前記ドメイン契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替えるために、前記ドメイン契約管理サーバに対して、前記ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップの後に、購入希望者からの購入に係る代金の支払いを検出するステップを実行させ、
当該支払いの検出をトリガーとして、
前記ドメイン契約の名義および
前記サーバ契約の名義を切り替えさせる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、前記売却希望ユーザから、前記購入希望ユーザに切り替えさせるステップにおいて、
前記管理サーバの契約に係るサーバアカウントのパスワードを、前記購入希望ユーザが使用するパスワードに変更させるステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
変更した前記パスワードを含むログイン情報を、前記購入希望ユーザに通知するステップを実行させる、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップの前に、
前記ウェブサイトのドメインの管理を、ドメイン契約を管理するシステムに要求するステップと、
前記ウェブサイトを構成するサイトデータを、管理サーバ内に設置させるステップと、を実行させる請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
プロセッサと、メモリとを備え、
ウェブサイトに関する取引を管理するサーバである取引管理サーバに実行させるための方法であって、前記方法は、前記プロセッサが、
前記ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、前記ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップと、
前記ウェブサイトに対する、取引の対象になりえるものかどうかについての審査の通過に応答して、当該ウェブサイトを構成するドメイン契約に対する変更
が制限されるように、前記ドメイン契約を管理するドメイン契約管理サーバに対して、当該ドメイン契約の変更に関する操作制限として、ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するステップと、
前記審査の通過に応答して、前記ウェブサイトを構成する管理サーバの契約に対する変更
が制限されるように、前記管理サーバの契約を管理するサーバ契約管理サーバに対して、当該管理サーバの契約の変更に関する操作制限として、サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するステップと、
売買対象となる
前記ウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップと、
前記ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、前記ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップと、
前記ウェブサイトの
前記管理サーバの契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替え
るために、前記サーバ契約管理サーバに対して、前記サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するステップと、
前記ウェブサイトの前記ドメイン契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替えるために、前記ドメイン契約管理サーバに対して、前記ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するステップと、
を実行する方法。
【請求項7】
プロセッサと、メモリとを備え
、ウェブサイトに関する取引を管理するサーバである取引管理サーバを備えるシステムであって、前記システムにおける前記プロセッサは、
前記ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、前記ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるモジュールと、
前記ウェブサイトに対する、取引の対象になりえるものかどうかについての審査の通過に応答して、当該ウェブサイトを構成するドメイン契約に対する変更
が制限されるように、前記ドメイン契約を管理するドメイン契約管理サーバに対して、当該ドメイン契約の変更に関する操作制限として、ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するモジュールと、
前記審査の通過に応答して、前記ウェブサイトを構成する管理サーバの契約に対する変更
が制限されるように、前記管理サーバの契約を管理するサーバ契約管理サーバに対して、当該管理サーバの契約の変更に関する操作制限として、サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグをオンにする処理を要求するモジュールと、
売買対象となる
前記ウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するモジュールと、
前記ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、前記ウェブサイトの購入の提案を受け付けるモジュールと、
前記ウェブサイトの
前記管理サーバの契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替え
るために、前記サーバ契約管理サーバに対して、前記サーバ契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するモジュールと、
前記ウェブサイトの前記ドメイン契約の名義を、前記売却希望ユーザから前記購入希望ユーザに切り替えるために、前記ドメイン契約管理サーバに対して、前記ドメイン契約情報管理テーブルにおける管理者ロックフラグの変更および名義変更を要求するモジュールと、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェブサイトの管理者が、自身が運営してきたウェブサイトを他人に譲渡し、管理権限を当該他人に移譲することが行われている。
例えば特許文献1には、案件紹介ページから購入希望者に購入の募集をかけ、購入希望者と譲渡希望者とつなぐシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ウェブサイトを他人に譲渡するサイト移行手続きは、移転元と移転先の技術仕様やサービス特性の確認といった事前準備から、移転元となるサーバから、サイトデータを移転先となるサーバに移動するとともに、ドメインの移管及び、DNSの設定変更、動作確認などが行われる。このようなサイト移行手続きは作業が煩雑であるとともに、手続きの一部に瑕疵がある場合には、データが紛失し復旧できなくなること、又は譲渡後の利用が停止されることが想定され、一定のリスクを伴うものであった。また一連の作業は、数日間から2週間程度の期間を要することが一般的であった。
【0005】
本開示は、ウェブサイトの譲渡に関するサイト移行手続きを簡便にして、サイト移行手続きのリスクを低減するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プロセッサに、ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップと、売買対象となるウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップと、ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップと、ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから購入希望ユーザに切り替えさせるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシステムによれば、ウェブサイトの譲渡に関するサイト移行手続きを簡便にして、サイト移行手続きのリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】本実施形態のシステムに含まれる端末装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態のシステムに含まれる取引管理サーバの構成を示す図である。
【
図4】本実施形態のシステムに含まれるドメイン契約管理サーバの構成を示す図である。
【
図5】本実施形態のシステムに含まれるサーバ契約管理サーバの構成を示す図である。
【
図6】取引管理サーバが記憶するデータテーブルの一例を示す図である。
【
図7】ドメイン契約管理サーバおよびサーバ契約管理サーバが記憶するデータテーブルの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態のシステムの処理のうち、サイトの売却登録から案件情報管理テーブルの更新までの処理を示す図である。
【
図9】本実施形態のシステムの処理のうち、売却案件ページの閲覧から購入提案までの処理を示す図である。
【
図10】本実施形態のシステムの処理のうち、取引条件の入力から電子契約サービスへの情報送信までの処理を示す図である。
【
図11】本実施形態のシステムの処理のうち、契約締結の報告の受付から送金受領の通知までの処理を示す図である。
【
図12】本実施形態のシステムの処理のうち、サーバ契約の名義変更の要求から手続き完了の通知までの処理を示す図である。
【
図13】本実施形態のシステムにおける画面例を示す図である。
【
図14】本実施形態のシステムの処理のうち、ドメイン契約管理サーバへの事前のドメイン移管、およびサーバ契約管理サーバへの事前のサーバ契約の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
<1.概要>
本実施形態に係るウェブサイト取引および管理システム1(単にシステム1という)は、ユーザが運営するウェブサイトを管理するシステムである。システム1は、ウェブサイトのドメインの管理、およびサイトデータの管理を行うとともに、ユーザ同士の合意に応じて、当該ウェブサイトを他のユーザに譲渡(売却)するうえでの必要な手続きを実行する。すなわち、システム1は、ユーザ間でのウェブサイトに関する取引を管理する機能を有する。
【0011】
<2.全体構成>
図1は、本実施形態のシステム1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、端末装置10と、取引管理サーバ20と、ドメイン契約管理サーバ30と、サーバ契約管理サーバ40と、を備えている。
端末装置10、取引管理サーバ20、ドメイン契約管理サーバ30,およびサーバ契約管理サーバ40は、有線又は無線の通信規格を用いて、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。
【0012】
端末装置10は、例えば、ウェブサイトの運営を行うユーザが使用する端末である。また、端末装置10には、他のユーザからウェブサイトを購入して、将来的にウェブサイトの運営を行う予定のあるユーザが使用する端末も含まれる。
図示の例では、複数の端末装置10がシステム1に含まれている。なお、端末装置10の数量は、ユーザの人数に合わせて任意に変更可能である。ウェブサイトの内容については、例えばアニメや映画鑑賞のブログ、又はゲームの攻略法をまとめたブログ等、様々なものが含まれる。
【0013】
端末装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC、により実現される。また、端末装置10は、スマートフォン、タブレット端末、又はヘッドマウントディスプレイ等などの携行性を備えたコンピュータであってもよい。
【0014】
<3.端末装置10の構成>
次に、
図2を用いて端末装置10の構成について説明する。
図2Aは、端末装置10のハードウェア構成を示す図である。
図2Bは、端末装置10の機能的な構成を示す図である。
図2Aに示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0015】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を送受信するためのインタフェースである。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置である。入力装置13は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を含む。
【0016】
出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等を含む。
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより実現される。
【0017】
記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)により実現される。
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0018】
図2Bに示すように、端末装置10は、通信部121と、入出力部130と、記憶部170と、制御部180とを備える。また、端末装置10は、
図2では図示されていない機能、及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0019】
通信部121は、端末装置10が他の装置と通信するための処理を行う。通信部121は、制御部180で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、取引管理サーバ20)へ送信する。通信部121は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部180へ出力する。
【0020】
入出力部130は、端末装置10を所有するユーザからの入力操作を受け付け、出力内容を表示するための機構を有する。具体的には入出力部130は、キーボード131と、ディスプレイ132と、を含む。入出力部130は、マウス等の他の入力デバイスを含むこととしてもよい。
【0021】
キーボード131は、タイピングされたテキストデータを、ユーザからの入力操作として制御部180へ出力する。
ディスプレイ132は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0022】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。
【0023】
制御部180は、プロセッサ19が記憶部170に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部180は、端末装置10の動作を制御する。具体的には、例えば、制御部180は、操作受付部181、送受信部182、取得部183、提示部184としての機能を発揮する。
【0024】
操作受付部181は、入力装置13から入力されるユーザの操作を受け付けるための処理を行う。例えば、操作受付部181は、キーボード131に対して入力されたテキストデータに基づいて、操作を受け付ける。
【0025】
送受信部182は、端末装置10が、取引管理サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0026】
取得部183は、端末装置10を使用するユーザが入力した情報を取得する。取得される情報としては、例えば、ユーザが端末装置10のキーボード131から入力した情報が挙げられる。取得部183により取得された情報は、送受信部182を介して取引管理サーバ20へ送信される。
提示部184は、ユーザに対して種々の情報を提示する。
【0027】
<4.取引管理サーバ20の構成>
次に、
図3を用いて取引管理サーバ20の構成について説明する。
図3Aは、取引管理サーバ20のハードウェア構成を示す図である。
図3Bは、取引管理サーバ20の機能的な構成を示す図である。
取引管理サーバ20は、ウェブサイトに関する取引を管理するサーバである。取引管理サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0028】
図3Aに示すように、取引管理サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29と、を備える。
【0029】
通信IF22は、取引管理サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を送受信するためのインタフェースである。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、端末装置10に対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0030】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリにより実現される。
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDDにより実現される。
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0031】
図3Bに示すように、取引管理サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0032】
通信部201は、取引管理サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0033】
記憶部202は、取引管理サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部202は、以下のデータテーブルを記憶する。
・アカウントテーブル281
・案件情報管理テーブル282
・取引情報管理テーブル283
これらの各データテーブルの詳細については後述する。
【0034】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、取引管理サーバ20の動作を制御する。具体的には、例えば、制御部203は、送受信部2031、データ取得部2032、手続実行部2033、売却案件ページ作成部2034、および通知部2035としての機能を発揮する。
【0035】
送受信部2031は、取引管理サーバ20が、端末装置10等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信する処理を制御する。
【0036】
データ取得部2032は、送受信部2031が受信した各種の情報を取得し、記憶部202に記憶させる。データ取得部2032は、取得した情報の内容に応じて、記憶部202に記憶されるそれぞれのデータテーブルにおいて、新たなレコードとして記録する。
【0037】
手続実行部2033は、記憶部202に記録されている情報、および端末装置10から入力された情報に基づいて、ウェブサイトの移転に関する手続きを実行する。
また、手続実行部2033は、ドメイン契約管理サーバ30、およびサーバ契約管理サーバ40に対して各種の操作を要求する。手続実行部2033がドメイン契約管理サーバ30、およびサーバ契約管理サーバ40に対して要求する各種の操作については後述する。
【0038】
売却案件ページ作成部2034は、売却案件ページを作成する。売却案件ページとは、サーバ契約管理サーバ40に管理されている各種のウェブサイトのうち、管理者ユーザが、売却を希望している案件が公開されている掲示板である。売却案件ページから、公開されているウェブサイトの購入等の手続きを行うことができる。
【0039】
売却案件ページでは、売却対象となる各ウェブサイトの概要および詳細情報が開示されている。売却案件ページの具体的な表示態様については後述する。
売却案件ページ作成部2034は、売却案件ページを閲覧するユーザからの閲覧に関する操作に応じて、案件情報管理テーブル282に格納された案件ごとの情報を、売却案件ページのフォーマットに沿って表示する。
【0040】
通知部2036は、端末装置10に対して、各種の通知を行う。
通知部2036は、売却案件ページを介した取引における、支払いの要求、支払いの受領、取引の成立、および契約内容を端末装置10に通知する。これらの各処理の内容については後述する。
【0041】
<5.ドメイン契約管理サーバ30の構成>
次に、
図4を用いてドメイン契約管理サーバ30の構成について説明する。
図4Aは、ドメイン契約管理サーバ30のハードウェア構成を示す図である。
図4Bは、ドメイン契約管理サーバ30の機能的な構成を示す図である。
図4Aに示すように、ドメイン契約管理サーバ30は、通信IF(Interface)32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、プロセッサ39と、を備える。
【0042】
通信IF32は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を送受信するためのインタフェースである。
入出力IF33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、端末装置10に対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0043】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより実現される。
【0044】
ストレージ36は、データを保存するための記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)により実現される。
プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0045】
図4Bに示すように、ドメイン契約管理サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
【0046】
通信部301は、ドメイン契約管理サーバ30が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0047】
記憶部302は、ドメイン契約管理サーバ30が使用するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部302は、以下のデータテーブルを記憶する。
・ドメイン契約情報管理テーブル284
このデータテーブルの詳細については後述する。
【0048】
制御部303は、プロセッサ39が記憶部302に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部303は、ドメイン契約管理サーバ30の動作を制御する。具体的には、例えば、制御部303は、送受信部3031、データ取得部3032、ドメイン管理部3033としての機能を発揮する。
【0049】
送受信部3031は、ドメイン契約管理サーバ30が、端末装置10等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信する処理を制御する。
【0050】
データ取得部3032は、送受信部3031が受信した各種の情報を取得し、記憶部302に記憶させる。データ取得部3032は、取得した情報の内容に応じて、記憶部302に記憶されるそれぞれのデータテーブルにおいて、新たなレコードとして記録する。
【0051】
ドメイン管理部3033は、ドメイン契約管理サーバ30に管理されるウェブサイトのドメインを管理する。ドメイン管理部3033は、ドメイン名とDNSサーバとの紐づけを行うネームサーバ申請を行う。ドメイン管理部3033は、各ドメインについて、ウェブサイトの管理者であるユーザの契約名義と関連付けて管理する。
【0052】
<6.サーバ契約管理サーバ40の構成>
次に、
図5を用いてサーバ契約管理サーバ40の構成について説明する。
図5Aは、サーバ契約管理サーバ40のハードウェア構成を示す図である。
図5Bは、サーバ契約管理サーバ40の機能的な構成を示す図である。
図5Aに示すように、サーバ契約管理サーバ40は、通信IF(Interface)42と、入出力IF43と、メモリ45と、ストレージ46と、プロセッサ49と、を備える。
【0053】
通信IF42は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を送受信するためのインタフェースである。
入出力IF43は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、端末装置10に対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0054】
メモリ45は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより実現される。
【0055】
ストレージ46は、データを保存するための記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)により実現される。
プロセッサ49は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0056】
図5Bに示すように、サーバ契約管理サーバ40は、通信部401と、記憶部402と、制御部403としての機能を発揮する。
【0057】
通信部401は、サーバ契約管理サーバ40が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0058】
記憶部402は、サーバ契約管理サーバ40が使用するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部202は、以下のデータテーブルを記憶する。
・サーバ契約情報管理テーブル285
このデータテーブルの詳細については後述する。
【0059】
制御部403は、プロセッサ49が記憶部402に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、サーバ契約管理サーバ40の動作を制御する。具体的には、例えば、制御部403は、送受信部4031、データ取得部4032、サーバ管理部4033としての機能を発揮する。
【0060】
送受信部4031は、サーバ契約管理サーバ40が、端末装置10等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信する処理を制御する。
【0061】
データ取得部4032は、送受信部4031が受信した各種の情報を取得し、記憶部402に記憶させる。データ取得部4032は、取得した情報の内容に応じて、記憶部402に記憶されるそれぞれのデータテーブルにおいて、新たなレコードとして記録する。
【0062】
サーバ管理部4033は、サーバの契約を管理する。サーバ管理部4033は、入力操作に従って、サーバ契約の名義変更を行う。詳細については後述する。
【0063】
<8.データ構造>
図6は、取引管理サーバ20が記憶するデータテーブルの一例を示す図である。
図6に示す各データテーブルの構造はあくまで一例であり、記載されていないデータ項目が含まれてもよい。
【0064】
<8-1.アカウントテーブル>
図6Aは、アカウントテーブル281のデータ構造の一例を示す図である。アカウントテーブル281は、ユーザのアカウント情報を管理するデータテーブルである。
アカウントテーブル281のレコードの各々は、項目「ユーザID」、項目「パスワード」、項目「属性」、項目「組織名」、項目「氏名」、項目「メールアドレス」、項目「郵便番号」、項目「所在地」、項目「電話番号」、項目「SMS認証フラグ」、項目「本人確認フラグ」項目「銀行項口座情報」等を含む。
【0065】
項目「ユーザID」には、ユーザを識別するためのIDが格納される。
【0066】
項目「パスワード」、には、ユーザIDに該当するユーザが本システム1へのログイン時に入力が要求されるパスワードが格納される。
【0067】
項目「属性」には、ユーザIDに該当するユーザの属性に関する情報が格納される。ユーザの属性に関する情報としては、ユーザが、法人などの組織か、個人か、を区別する情報を指す。
【0068】
項目「組織名」には、ユーザIDに該当するユーザが所属する組織の名称が格納される。
【0069】
項目「氏名」には、ユーザIDに該当するユーザの氏名が格納される。
【0070】
項目「メールアドレス」には、ユーザIDに該当するユーザのメールアドレスが格納されている。
【0071】
項目「郵便番号」には、ユーザIDに該当するユーザの住所又は居所の郵便番号が格納されている。
【0072】
項目「所在地」には、ユーザIDに該当するユーザの住所又は居所の所在地が格納されている。
【0073】
項目「電話番号」には、ユーザIDに該当するユーザの電話番号が格納されている。
【0074】
項目「SMS認証フラグ」には、ユーザ登録の際に行われる、ユーザの電話番号を用いたSMS認証が適切に行われたかどうかという情報が格納されている。
【0075】
項目「本人確認フラグ」には、ユーザ登録の際に行われる免許証等の身分証明書の確認が済んでいるかどうかという情報が格納されている。身分証明書の確認は、例えばユーザが自身の免許証の画像を提供することで行われる。
【0076】
項目「銀行口座情報」には、ユーザが各種の代金を支払いう際に用いる銀行口座に関する情報が格納されている。
なお、アカウントテーブル281には、その他の情報が格納されてもよい。
【0077】
<8-2.案件情報管理テーブル>
図6Bは、案件情報管理テーブル282のデータ構造の一例を示す図である。案件情報管理テーブル282は、ユーザが運営するウェブサイトに情報を管理するデータテーブルである。
【0078】
案件情報管理テーブル282のレコードの各々は、項目「案件ID」、項目「売主ユーザID」、項目「主な売却対象物名称」、項目「主な売却対象物のURL」、項目「案件ステータス」、項目「リアルタイム譲渡連携フラグ」、項目「希望売却価格」、「カテゴリ」、項目「アクセスデータ」、項目「収支情報」、項目「概要文」等を含む。
【0079】
項目「案件ID」には、売却案件となるウェブサイトを識別するためのIDが格納される。
【0080】
項目「売主ユーザID」には、案件IDにより特定されるウェブサイトの売主のユーザIDが格納される。
【0081】
項目「主な売却対象物名称」には、案件IDにより特定されるウェブサイトの名称が格納される。
【0082】
項目「主な売却対象物のURL」には、案件IDにより特定されるウェブサイトのURLが格納される。
【0083】
項目「案件ステータス」には、案件IDにより特定されるウェブサイトのステータスが格納される。ウェブサイトの状況としては、「審査中」、「掲載中」、「売却先決定」、「成約済み」等が挙げられる。
【0084】
案件ステータスが「審査中」とは、当該ウェブサイトの運用状況などが確認され、資産価値が審査されている状況を指す。なお、「審査中」に相当するステータスを、「掲載準備中」と表現してもよい。
案件ステータスが「掲載中」とは、当該案件に売却案件登録がされ、売却案件ページに掲載されている状況を指す。なお、「掲載中」に相当するステータスを、「受付中」と表現してもよい。
【0085】
案件ステータスが「売却先決定」とは、当該案件が、売却希望ユーザから購入提案を承諾した状態を指す。
案件ステータスが「成約済み」とは、売却希望ユーザと購入希望ユーザとの間で、契約が締結され全ての取引が完了した状態を指す。
【0086】
項目「リアルタイム譲渡連携フラグ」には、案件IDにより特定されるウェブサイトが、本システム1により実行するリアルタイム譲渡に連携しているかどうかに関する情報が格納されている。具体的には、リアルタイム譲渡を行うためには、当該ウェブサイトが、ドメイン契約管理サーバ30およびサーバ契約管理サーバ40により既に管理されていること、およびサーバアカウントIDに複数のウェブサイトが管理されていないかといった要件が求められる。
【0087】
項目「希望売却価格」には、案件IDにより特定されるウェブサイトについて、売主が希望する売却価格が格納されている。
【0088】
項目「カテゴリ」には、案件IDにより特定されるウェブサイトのカテゴリが格納されている。ウェブサイトのカテゴリとは、ウェブサイトの内容を示す区分であり、例えば、スポーツ、アニメ、ゲーム、映画等がある。
【0089】
項目「アクセスデータ」には、案件IDにより特定されるウェブサイトへのアクセスに関するデータが格納されている。
【0090】
項目「収支情報」には、案件IDにより特定されるウェブサイトの運用における収支情報が格納されている。
【0091】
項目「概要文」には、案件IDにより特定されるウェブサイトの概要を示す説明文が格納されている。
なお、案件情報管理テーブル282には、その他の情報が格納されてもよい。
【0092】
<8-3.取引情報管理テーブル>
図4Cは、取引情報管理テーブル283のデータ構造の一例を示す図である。取引情報管理テーブル283は、ユーザ間でのウェブサイトの取引に関する情報を管理するデータテーブルである。
【0093】
取引情報管理テーブル283のレコードの各々は、項目「取引ID」、項目「案件ID」、項目「売主ユーザID」、項目「買主ユーザID」、項目「取引ステータス」、項目「合意金額」、項目「取引条件」、項目「契約者情報」等を含む。
【0094】
項目「取引ID」には、売却案件に関する取引を識別するためのIDが格納される。
【0095】
項目「案件ID」には、取引IDにより特定される取引の対象となるウェブサイトの案件IDが格納される。
【0096】
項目「売主ユーザID」には、取引IDにより特定される取引において、ウェブサイトを売却するユーザのユーザIDが格納される。
【0097】
項目「買主ユーザID」には、取引IDにより特定される取引において、ウェブサイトを購入するユーザのユーザIDが格納される。
【0098】
項目「取引ステータス」には、取引IDにより特定される取引のステータスが格納される。取引ステータスには、「交渉申込み」、「交渉中」、「取引条件確認」、「契約書作成」、「エスクロー入金」、「サイト移行・検収」、「取引完了」などがある。これらの各ステータスは、後述する取引に関する各処理と対応しており、取引が進むたびにステータスが更新される。
【0099】
項目「合意金額」には、取引IDにより特定される取引において、ウェブサイトを売買するうえでの売却金額として、ユーザ間で合意された金額が格納される。
【0100】
項目「取引条件」には、取引IDにより特定される取引における各種の条件が格納される。各種の条件とは、具体的には、サイト移行の期限日、研修期間、運用サポート期間、競業避止期間など、契約書に含める項目を指す。
【0101】
項目「契約者情報」には、取引IDにより特定される取引における契約者の情報、すなわち売主ユーザと買主ユーザの情報が格納されている。
なお、取引情報管理テーブル283には、その他の情報が格納されてもよい。
【0102】
<8-4.ドメイン契約情報管理テーブル>
図7には、ドメイン契約管理サーバ30およびサーバ契約管理サーバ40が記憶するデータテーブルの一例を示す図である。
図7Aは、ドメイン契約管理サーバ30が記憶するドメイン契約情報管理テーブル284の一例を示す図である。ドメイン契約情報管理テーブル284は、ドメイン契約に関する情報を管理するデータテーブルである。
【0103】
ドメイン契約情報管理テーブル284のレコードの各々は、項目「ドメインID」、項目「ドメイン名」、項目「ステータス」、項目「ユーザID(所有者)」、項目「有効期限」、項目「管理者ロックフラグ」等を含む。
【0104】
項目「ドメインID」には、ドメイン契約管理サーバ30が管理するドメインを識別するためのIDが格納されている。
【0105】
項目「ドメイン名」には、ドメインIDにより特定されるドメインの名称が格納されている。
【0106】
項目「ステータス」には、ドメインIDにより特定されるドメインのステータスが格納される。
【0107】
項目「ユーザID(所有者)」には、ドメインIDにより特定されるドメインの所有者であるゆ
【0108】
項目「有効期限」には、ドメインIDにより特定されるドメインの有効期限が格納されている。
【0109】
項目「管理者ロックフラグ」には、ドメインIDにより特定されるドメインが管理者によりロック(操作制限)されているかどうかを示す情報が格納されている。
【0110】
<8-5.サーバ契約情報管理テーブル>
図7Bは、サーバ契約管理サーバ40が記憶するサーバ契約情報管理テーブル285の一例を示す図である。サーバ契約情報管理テーブル285は、サーバ契約に関する情報を管理するデータテーブルである。
【0111】
サーバ契約情報管理テーブル285のレコードの各々は、項目「サーバアカウントID」、項目「ログイン情報」、項目「プラン」、項目「ステータス」、項目「ユーザID(所有者)」、項目「有効期限」、項目「アドオンドメイン情報」、項目「管理者ロックフラグ」等を含む。
【0112】
項目「サーバアカウントID」には、サーバ契約管理サーバ40が管理するサーバ契約を識別するIDが格納されている。
【0113】
項目「ログイン情報」には、サーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントにログインする際に入力が要求されるログイン情報が格納される。
【0114】
項目「プラン」には、サーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントの契約プランを示す情報が格納されている。
【0115】
項目「ステータス」には、サーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントのステータスが格納されている。
【0116】
項目「ユーザID(所有者)」には、サーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントを行っているユーザのユーザIDが格納されている。サーバ契約を行っているユーザとは、売却案件となるウェブサイトの所有者を指す。
【0117】
項目「有効期限」には、サーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントの有効期限を示す情報が格納されている。
【0118】
項目「アドオンドメイン情報」、にはサーバ契約管理サーバ40に紐づけられているドメイン名の一覧が格納されている。
【0119】
項目「管理者ロックフラグ」にはサーバアカウントIDにより特定されるサーバアカウントに、管理者によるロック(操作制限)がされているかどうかを示す情報が格納されている。
【0120】
<9.システムの処理フロー>
以下、
図8~
図12を参照して、システム1による処理について説明する。
図8は、本実施形態のシステムの処理のうち、サイトの売却登録から案件情報管理テーブル282の更新までの処理を示す図である。
【0121】
まず、自身が管理するウェブサイトの売却を希望する売却希望ユーザが、端末装置10を操作して、当該ウェブサイトの売却案件登録を行う(ステップS111)。売却案件登録とは、ウェブサイトを売却する旨の意思表示である。
【0122】
ステップS111の後に、取引管理サーバ20は、売却案件登録を受け付ける(ステップS211)。この際、取引管理サーバ20のデータ取得部2032は、案件情報管理テーブル282における案件ステータスを「審査中」に変更する。ここで、システム1の運営者による審査が行われる。審査では、売却を希望されたウェブサイトが適切に管理されており、取引の対象になりえるものかどうかが審査される。審査を通過すると、ステップS212の処理を実行する。審査を通過しなかった場合は、売却の取引は認められず手続きは終了する。
【0123】
ステップS211の後に、取引管理サーバ20は、操作制限をドメイン契約管理サーバ30およびサーバ契約管理サーバ40に要求する(ステップS212)。
ステップS212の後に、ドメイン契約管理サーバ30は、ドメイン契約の変更を制限するように、ドメイン契約に操作制限を実行する(ステップS311)。これにより、ドメイン契約管理サーバ30のデータ取得部3032は、ドメイン契約情報管理テーブル284における管理者ロックフラグをオンにする。
【0124】
ステップS212の後に、サーバ契約管理サーバ40に対して、サーバ契約の操作制限を実行する(ステップS411)。これにより、サーバ契約管理サーバ40のデータ取得部4032は、サーバ契約情報管理テーブル285における管理者ロックフラグをオンにする。
ステップS311およびステップS411により、当該ウェブサイトを運営する売却希望ユーザは、当該ウェブサイトの表示に関わる設定変更、譲渡対象外のドメイン設定の追加、解約、管理会社の変更などの操作ができない状態となる。これにより、ドメイン契約およびサーバ契約という個別の契約が、ウェブサイトという一つの単位として成立され、譲渡可能な状態が維持される。
【0125】
ステップS212の後に、取引管理サーバ20は、当該ウェブサイトを売却案件として公開可能に案件情報管理テーブル282を更新する(ステップS213)。具体的には、取引管理サーバ20の売却案件ページ作成部2034が、売却案件ページを更新する。この際、案件情報管理テーブル282における当該ウェブサイトの案件ステータスが「掲載中」となる。
【0126】
図9は、本実施形態のシステムの処理のうち、売却案件ページの閲覧から購入提案までの処理を示す図である。
ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザは、端末装置10から取引管理サーバ20にアクセスし、売却案件ページを閲覧する(ステップS121)。
【0127】
ステップS121の後に、購入希望ユーザは、交渉申し込みを行う。具体的には、端末装置10が交渉申し込みの操作を受け付ける(ステップS122)。
ステップS122の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザから入力された交渉申し込みに基づき、取引情報管理テーブル283を更新する(ステップS221)。具体的には、取引情報管理テーブル283における取引ステータスを「交渉申し込み」に更新する。
【0128】
ステップS221の後に、取引管理サーバ20は、交渉申し込みを売却希望ユーザに通知する(ステップS222)。
ステップS222の後に、売却希望ユーザは、交渉申し込みを承認する場合には、ステップS131を端末装置10に実行される。具体的には、売却希望ユーザの端末装置10が、売却希望ユーザからの交渉申し込みを承認する操作を受け付ける(ステップS131)。
一方、売却希望ユーザが交渉申し込みを承認しない場合には、交渉は終了する。
【0129】
ステップS131の後に、取引管理サーバ20は、取引情報管理テーブル283の取引ステータスを「交渉中」に更新し、ウェブサイトの情報を購入希望ユーザに開示する。(ステップS223)。またこの際、取引管理サーバ20は、交渉開始を各ユーザに通知する。これにより両者による交渉が開始される。取引管理サーバ20は、ユーザ間でやりとりされるチャットを受付ける。
【0130】
ステップS223の後に、購入希望ユーザは売却希望ユーザと調整した購入条件で購入を希望する場合には、購入条件での購入提案の操作を行う。購入希望ユーザの端末装置10は、購入提案の操作を受け付ける(ステップS123)。購入希望ユーザが購入条件に合意しない場合には、交渉中の状態を維持することができる。交渉中の状態において、購入希望ユーザおよび売却希望ユーザのうちの双方が、任意のタイミングで交渉を終了することができる。
【0131】
交渉を継続する場合には、ステップS123の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザからの購入提案を受領する(ステップS224)。この際、取引管理サーバ20は、売却希望ユーザが使用する端末装置10に受領した購入提案を通知する。
【0132】
ステップS224の後に、売却希望ユーザは、購入提案のうち、譲渡をしてもよいと思われるユーザからの提案を承認する(ステップS132)。具体的には、端末装置10が、購入提案を承認する操作を受け付ける。端末装置10は、その結果を取引管理サーバ20に通知する。
購入提案の申請は、複数の購入希望ユーザから受領することがある。この場合には、売却希望ユーザは、複数の購入提案から、任意の一つを選択する。仮に売却希望ユーザが、購入提案を承認しない場合は、交渉中のステータスが維持される。
【0133】
ステップS132の後に、取引管理サーバ20は、購入提案の承認を受領する(ステップS225)。この際、取引管理サーバ20は、案件情報管理テーブル282における案件ステータスを「売却先決定」に変更する。また、取引管理サーバ20は、取引情報管理テーブル283における取引ステータスを「取引条件確認」に更新する。
【0134】
図10は、本実施形態のシステムの処理のうち、取引条件の入力から電子契約サービスへの情報送信までの処理を示す図である。
ステップS224の後に、端末装置10は、売却希望ユーザからの取引条件の入力を受け付ける(ステップS151)。取引条件とは、例えば、競業避止期間、検収期間など契約書に盛り込む各種の条件である。
【0135】
ステップS151の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザの端末装置10に対して、取引条件の確認依頼を行う(ステップS226)。
【0136】
ステップS226の後に、購入希望ユーザの端末装置10は、取引条件の承認の受付を行う(ステップS141)。具体的には、取引管理サーバ20から提示された取引条件を売却希望ユーザが確認し、その内容への承認を行う。端末装置10は、入力された承認操作を取引管理サーバ20に返す。
【0137】
ステップS141の後に、取引管理サーバ20は、契約書の作成を行う(ステップS227)。契約書は、承認された取引条件の内容に基づいて作成される。この際、取引情報管理テーブル283における取引ステータスは「契約書作成」に変更される。
【0138】
ステップS227の後に、売却希望ユーザの端末装置10は、契約書のチェックの受付を行う(ステップS152)。具体的には、売却希望ユーザが契約書をチェックし、問題ない旨の意思表示を端末装置10に対して行う。端末装置10は、その結果を取引管理サーバ20に返す。
【0139】
ステップS152の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザの端末装置10に対して、契約書の確認依頼を行う(ステップS228)。具体的には、売却希望ユーザがチェックした契約書を購入希望ユーザに送信し、問題がないかどうかの回答を入力させる。
【0140】
ステップS228の後に、購入希望ユーザの端末装置10は、契約書の承認の受付を行う(ステップS142)。具体的には、購入希望ユーザが契約書をチェックし、問題ない旨の意思表示を端末装置10に対して行う。端末装置10は、その結果を取引管理サーバ20に返す。
【0141】
仮に、売却希望ユーザおよび購入希望ユーザのいずれか一方が契約書の内容を修正したい場合には、以下のいずれかの手続きが行われる。
・取引条件内で定義した値だけを変更したい場合は、売却希望ユーザによる「取引条件の入力」からやりなおす。
・自動生成された契約書をダウンロードして、修正したものをPDFデータにしてアップロードする。
・全てオリジナルの契約書を作成し、PDFデータにしてアップロードする。
上記のいずれかを行ったうえで、契約書の確認を改めて購入希望ユーザに対して行う。
【0142】
ステップS142の後に、取引管理サーバ20は、電子契約サービスに情報を送信する(ステップS229)。具体的には、取引管理サーバ20は、売却希望ユーザおよび購入希望ユーザに関する情報、および契約書の内容に関する情報を電子契約サービスに提供し、当該サービスによる電子契約を締結させる。取引管理サーバ20と電子契約サービスはAPI連携されている。
【0143】
図11は、本実施形態のシステムの処理のうち、契約締結の報告の受付から送金受領の通知までの処理を示す図である。
ステップS229の後に、取引管理サーバ20は、電子契約サービスから契約締結の報告を受け付ける(ステップS231)。
【0144】
ステップS231の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザの端末装置10に対して、エスクロー送金を要求する(ステップS232)。エスクロー送金とは、購入希望ユーザから、購入に係る代金を一時的に預かり、譲渡対象物が適切に譲渡されたことが確認した後に、売却希望ユーザに売却代金を支払う送金方法である。この際、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザに対して振込先となる銀行口座を指定する。購入希望ユーザは、指定された銀行口座に対して振込を行う。またこの際、取引情報管理テーブル283における取引ステータスは「エスクロー入金」に変更される。
【0145】
ステップS232の後に、取引管理サーバ20は、エスクロー送金が適切に行われた旨を受領する(ステップS233)。これに伴い、取引管理サーバ20は、取引情報管理テーブル283の取引ステータスを「サイト移行・検収」に更新する。
【0146】
ステップS233の後に、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザおよび売却希望ユーザそれぞれの端末装置10に対して、購入希望ユーザからの送金を受領した旨を通知する(ステップS234)。
【0147】
図12は、本実施形態のシステムの処理のうち、サーバ契約の名義変更の要求から手続き完了の通知までの処理を示す図である。
【0148】
ステップS234の後に、取引管理サーバ20は、サーバ契約管理サーバ40に対して、サーバ契約の名義変更を要求する(ステップS241)。サーバ契約の名義変更の要求は、エスクロー送金の受領(ステップS233)をトリガーとして行われる。
【0149】
ステップS241の後に、サーバ契約管理サーバ40は、サーバ契約の名義を変更する(ステップS421)。これにより、サーバアカウントの契約者が、売却希望ユーザから購入希望ユーザに変更される。
【0150】
ステップS421の後に、サーバ契約管理サーバ40は、新たなログイン情報を割り当てて、購入希望ユーザに通知する(ステップS422)。この際、サーバ契約管理サーバ40のサーバ管理部4033は、サーバ契約に係るサーバアカウントはそのまま引き継ぎ、サーバアカウントに対応するパスワードを、ランダムに発行して変更する。データ取得部4032は、割り当てられたログイン情報を用いて、サーバ契約情報管理テーブル285におけるログイン情報、およびユーザIDを更新する。またこの際、サーバ契約への操作制限が解除される。
【0151】
ステップS422の後に、購入希望ユーザの端末装置10は、新たなログイン情報を受領する(ステップS161)。
【0152】
ステップS234の後に、取引管理サーバ20は、ドメイン契約管理サーバ30に対して、ドメインの名義変更を要求する(ステップS242)。ドメインの名義変更の要求は、エスクロー送金の受領(ステップS233)をトリガーとして行われる。
【0153】
ステップS242の後に、ドメイン契約管理サーバ30は、ドメインの名義を変更する(ステップS321)。ドメイン契約管理サーバ30のドメイン管理部3033は、ドメイン契約情報管理テーブル284におけるユーザIDを更新する。またこの際、ドメイン契約への操作制限が解除される。
【0154】
ステップS321の後に、取引管理サーバ20は、ドメインおよびサーバの名義変更をメールで購入希望ユーザおよび売却希望ユーザの双方に通知する(ステップS243)。通知内容は、名義変更の完了のお知らせと、他に譲渡するべき資産がある場合は移行作業をする旨を指示し、それらの移行完了後、購入希望ユーザに対して検収作業を指示するものとなっている。これにより、購入希望ユーザは、購入したウェブサイトの動作確認を含む検収作業を開始する。すなわち、本システムが実行するリアルタイム譲渡では、ステップS421およびステップS321により、ユーザ間でウェブサイトの移行が完了する。
【0155】
ステップS243の後に、端末装置10は、検収完了の操作を受け付ける(ステップS162)。具体的には、検収を行い問題がなかった旨を購入希望ユーザが端末装置10に対して入力する。仮に検収作業で問題が発生した場合には、その旨を連絡し、売却希望ユーザに対して取引中止申請を送信する。この際、売却希望ユーザが承認すると、契約が解除される。契約が解除された場合には、既に購入希望ユーザに移行していた譲渡対象物は、売却希望ユーザに戻す作業が行われる。
【0156】
ステップS162の後に、取引管理サーバ20は、売却希望ユーザの売却代金の送金を行う(ステップS244)。すなわち、検収が完了したことを条件として、売却希望ユーザがウェブサイトの売却に関して受けるべき代金(売却代金)を受け取ることができる。なお、売却希望ユーザが受け取る売却代金は、購入希望ユーザが支払った購入に係る代金から、所定の手数料が差し引かれた額に相当する。
【0157】
ステップS244の後に、取引管理サーバ20は、手続完了を売却希望ユーザおよび購入希ユーザに対して通知する(ステップS245)。これにより、ウェブサイトの譲渡に関する全ての手続きが終了する。この際、取引情報管理テーブル283における取引ステータスは「取引完了」に変更される。また、案件情報管理テーブル282における案件ステータスは「成約済み」に変更される。
【0158】
<10.画面例>
次に、
図13を参照して、システム1の画面例について説明する。
図13は、システム1の第1画面例を示す図である。第1画面例は、システム1において売買の対象となるウェブサイトを公開する売却案件ページを示す図である。
【0159】
図13に示すように、売却案件ページには、サーバ契約管理サーバ40で管理するウェブサイトの概要が、リスト状(L1、L2、L3、…)に表示されている。画面の左側には、ウェブサイトを検索するための検索欄Aが設けられている。
【0160】
検索欄Aでは、ウェブサイトを条件で絞り込むことができる。条件としては、「タグ」、「種別」、「ステータス」、「キーワード」、「カテゴリ」、「収益モデル」、「希望売却価格」、「売上」、「PV」、「記事数」、「ユーザ数」、「SNS総フォロワー数」等がある。
【0161】
このうち、タグとは、各案件リストの右下に表示されているラベルを指す。このうち、「リアルタイム譲渡」と表示されている案件については、前述したドメイン契約およびサーバ契約の名義を変更することによる即時的なウェブサイトの移転が可能となっている案件である。
また、タグのうち、「PICK UP」については、取引管理サーバ20で管理される案件のうち、取引条件が優良なお勧め案件に付されている。
また、タグのうち、「サイト移行代行可能」については、リアルタイム売却はできないが、サイト移行の手続きを本システムのサービス提供者側で対応可能な案件にふされている。
【0162】
各リストには、「サイト名称」、「売却希望価格」、「営業利益」、「売上」、「PV」、「閲覧数」、「交渉申込数」、「公開日」等の案件についての評価指標が記載されている。またレーダーチャートにより主要な評価指標が可視化されている。
サイト名称をクリックすることで、ウェブサイトの詳細情報が表示される。
【0163】
<11.変形例>
次に、システム1の変形例について説明する。上記の実施形態では、売買対象となるウェブサイトが、既にドメイン契約管理サーバ30およびサーバ契約管理サーバ40で管理されている状況を想定して説明した。一方、この変形例では、ドメイン契約管理サーバ30およびサーバ契約管理サーバ40で管理させる処理について説明する。すなわち、
図8に示す売却案件登録(ステップS111)の前処理として行われる処理を説明する。具体的には、ユーザがサーバ契約管理サーバ40の管理下のサーバ(レンタルサーバ)の利用を開始するケースが想定される。
この際、ユーザは端末装置10から、自身が運営するウェブサイトのドメインをドメイン契約管理サーバ30で管理させる依頼を行う。具体的には、端末装置10は、ドメイン管理の要求を受け付ける(ステップS101)。
【0164】
ステップS101の後に、ドメイン契約管理サーバ30は、ドメインを管理する(ステップS301)。これによりドメインの管理権限がドメイン契約管理サーバ30に移管される。
具体的には、以下の手続きによりドメイン移管が行われる。
・移管元のレジストラで移管準備を行う。(WHOIS情報代理公開の解除、ドメインロック解除、AUTHCODE取得など)
・移転先となるドメイン契約管理サーバ30で移管申請(転入)をする。
・移管元のレジストラで移管承認(転出)を行う。
・移管完了
【0165】
ステップS301の後に、端末装置10は、サイトデータのエクスポートを行う(ステップS102)。具体的には、端末装置10は、サイトデータを移行元となるサーバから抽出するために、サーバからサイト構成ファイルをダウンロードしたり、データベースからSQLデータをエクスポートし、ダウンロードしたりする。
【0166】
ステップS102の後に、端末装置10は、移転先サーバの契約依頼を受け付ける(ステップS103)。具体的には、ユーザが端末装置10を操作して、サーバ契約管理サーバ40に対してサーバ契約を申し込む。
【0167】
ステップS103の後に、サーバ契約管理サーバ40は、サーバ契約を締結する(ステップS401)。これにより、サーバ契約情報管理テーブル285に新たなレコードが記録され、新たなサーバアカウントIDが発行される。ステップS401による新たなサーバアカウントは、サーバ契約の申し込み(ステップS103)の際に発行され、即時利用可能となる。
【0168】
ステップS401の後に、端末装置10は、サイトデータを移転先サーバへ設置する。(ステップS104)。
【0169】
ステップS104の後に、端末装置10は、DNSの変更の依頼受付を行う(ステップS105)。
ステップS105の後に、ドメイン契約管理サーバ30は、DNSの変更を行う(ステップS302)。これにより、新たなサーバのIPアドレスとドメインが関連付けられる。
【0170】
以上により、管理するウェブサイトを、他のサーバからサーバ契約管理サーバ40の管理下のサーバに移転する処理が終了する。
そして、この処理の後に、
図8に示す売却案件登録(ステップS111)の処理を行ってもよい。
【0171】
<12.小括>
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1では、購入希望ユーザからのウェブサイトの購入の提案を受け付けた後に、取引管理サーバ20が、ドメイン契約管理サーバ30に対してウェブサイトのドメイン契約の名義を変更させる。また、取引管理サーバ20は、サーバ契約管理サーバ40に対して、サーバ契約の名義を変更させる。これにより、ウェブサイトのサイトデータのサーバ間での移転、およびドメインの移管手続きを伴うことなく、ドメインおよびサーバそれぞれの契約名義の変更のみにより、ウェブサイトの所有権を売却希望ユーザから購入希望ユーザに移転することができる。このため、ウェブサイトの譲渡に関するサイト移行の手続きを簡便にして、サイト移行の手続きのリスクを低減することができる。
【0172】
また、取引管理サーバ20は、売却案件登録を受け付けるステップの後に、譲渡の対象となるウェブサイトを構成するドメイン契約とサーバ契約に対して、一定の操作制限をさせる。すなわち、ドメイン契約や設定の変更を制限することで、売却希望ユーザがドメインを他人に譲渡することや、意図せぬ変更を防ぐことができる。また、サーバ契約や設定の変更を制限することで、他のサイトが当該サーバアカウントに追加されることや、意図せぬ変更を防ぐことができる。これにより、ドメイン契約およびサーバ契約という個別の契約が、ウェブサイトという一つの単位として成立し、譲渡可能な状態を維持することができる。
【0173】
また、取引管理サーバ20は、購入希望ユーザからの購入に係る代金の支払いを検出するステップの後に、購入に係る代金の支払いの検出を契機として、ドメイン名、およびサーバ契約管理サーバ40の契約を切り替えさせる。このため、購入に係る代金が未払いの状態で手続きが進むのを防ぐことができる。
【0174】
また、取引管理サーバ20は、管理サーバの契約に係るサーバアカウントのパスワードを、ランダムに発行した購入希望ユーザが使用するパスワードに変更させるステップを実行させる。これにより、売却希望ユーザから購入希望ユーザに対して管理サーバの契約に係るサーバアカウントのパスワードを適切に変更することができる。
なお、例えばCMS等によりウェブサイトが管理されている場合には、CMSのログイン情報についても変更してもよいし、CMSのログイン情報は変更せずに、そのまま引き継いでもよい。
【0175】
また、取引管理サーバ20は、変更したパスワードを含むログイン情報を、購入希望ユーザに通知する。これにより、購入希望ユーザは、変更されたログイン情報を適切に把握することができる。仮にCMSのログイン情報が変更されている場合には、取引管理サーバ20は変更したログイン情報を購入希望ユーザに通知する。
【0176】
このように本システム1を利用すれば、売却希望ユーザとしては、ウェブサイトを譲渡する際に最も時間のかかるリードタイムを短縮することができる。従来の手続きであれば通常、数日~2週間程度かかる作業が、ドメイン契約およびサーバ契約の名義変更のみで終わるため、リアルタイム(即時)でのサイト移行を実現することができる。
【0177】
また、このように、ウェブサイトの譲渡を簡易化、ローリスク化し、ウェブサイトの譲渡に関する障壁を取り除き、取引におけるリードタイムを短縮することで、ウェブサイトの市場における流動性を向上させることが期待できる。
これらの結果、売却希望ユーザとしては、早く安全にウェブサイトの売却を行うことで、早期に現金化することができる。また、購入希望ユーザとしては、早く安全にウェブサイトを購入することで、ウェブサイトで得られる収益を早期に得ることができる。また、本システム1を運営する仲介業者としては、ウェブサイトに関する譲渡契約の成約率が向上し、ウェブサイトの売買価格の上昇、資産価値の向上、および手数料収入の増加が見込まれる。
【0178】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【0179】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0180】
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、
ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップ(ステップS211)と、
売買対象となるウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップ(ステップS213)と、
ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップ(ステップS224)と、
ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから購入希望ユーザに切り替えさせるステップ(ステップS241、ステップS242)と、を実行させるプログラム。
【0181】
(付記2)
売却案件登録を受け付けるステップ(ステップS211)の後に、
譲渡の対象となるウェブサイトを構成するドメイン契約とサーバ契約に対して、一定の操作制限をさせるステップ(ステップS212)を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0182】
(付記3)
ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップ(ステップS211)の後に、購入希望者からの購入に係る代金の支払いを検出するステップ(ステップS233)を実行させ、
当該支払いの検出をトリガーとして、ドメイン契約の名義およびサーバ契約の名義を切り替えさせる、付記1又は2に記載のプログラム。
【0183】
(付記4)
ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから、購入希望ユーザに切り替えさせるステップ(ステップS241、ステップS242)において、
管理サーバの契約に係るサーバアカウントのパスワードを、購入希望ユーザが使用するパスワードに変更させるステップ(ステップS422)を実行させる、付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0184】
(付記5)
変更したパスワードを含むログイン情報を、購入希望ユーザに通知するステップ(ステップS422)を実行させる、付記4に記載のプログラム。
【0185】
(付記6)
ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップの前に、
ウェブサイトのドメインの管理を、ドメイン契約を管理するシステムに要求するステップ(ステップS101)と、
ウェブサイトを構成するサイトデータを、管理サーバ内に設置させるステップ(ステップS104)と、を実行させる付記1から5のいずれかに記載のプログラム。
【0186】
(付記7)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるための方法であって、方法は、プロセッサが、
ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップ(ステップS211)と、
売買対象となるウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップ(ステップS213)と、
ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップ(ステップS224)と、
ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから購入希望ユーザに切り替えさせるステップ(ステップS241、242)と、を実行する方法。
【0187】
(付記8)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータを備えるシステムであって、システムにおけるプロセッサは、
ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるモジュール(2032)と、
売買対象となるウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するモジュール(2034)と、
ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、ウェブサイトの購入の提案を受け付けるモジュール(2032)と、
ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから購入希望ユーザに切り替えさせるモジュール(2033)と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0188】
1…システム
10…端末装置
13…入力装置
14…出力装置
15…メモリ
16…記憶部
19…プロセッサ
20…サーバ
201…通信部
202…記憶部
203…制御部
25…メモリ
26…ストレージ
29…プロセッサ
【要約】
【課題】ウェブサイトの譲渡に関するサイト移行の手続きを簡便にして、サイト移行の手続きのリスクを低減する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プロセッサに、ウェブサイトの譲渡を希望する売却希望ユーザから、ウェブサイトの売却案件登録を受け付けるステップと、売買対象となるウェブサイトについての取引に関する情報を、売却案件ページ上に表示するステップと、ウェブサイトの購入を希望する購入希望ユーザから、ウェブサイトの購入の提案を受け付けるステップと、ウェブサイトのドメイン契約の名義、および管理サーバの契約の名義を、売却希望ユーザから購入希望ユーザに切り替えさせるステップと、を実行させる。
【選択図】
図12