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特許7190789MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/067 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
G06K19/067 020
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022515526
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2021102901
(87)【国際公開番号】W WO2022048269
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】202010923081.8
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲積▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ ▲詩▼波
(72)【発明者】
【氏名】史 治国
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 宇豪
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-61516(JP,A)
【文献】国際公開第2019/065665(WO,A1)
【文献】特表2008-503759(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106295775(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグパッチユニット、媒体基板及び接地層を含む、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグであって、
前記タグパッチユニットは、媒体基板の上面に位置し、前記接地層は、媒体基板の下面に位置し、
前記タグパッチユニットは、6つのバーコード型共振ユニットと6つのダブルL型共振ユニットを含み、
前記バーコード型共振ユニットは、5つの同じ長方形パッチが平行に配列されかつ反時計回りに回転してなるものであり、異なるバーコード型共振ユニットの長方形パッチは、同じ幅及び間隔、異なる長さを有し、6つのバーコード型共振ユニットは水平に配列され、異なるバーコード型共振ユニット間の間隔は、同じであり、
前記ダブルL型共振ユニットは、4つの同じ長方形パッチからなる2つのL型パッチを逆方向に組み合わせてなり、異なるダブルL型共振ユニットにおける長方形パッチは、同じ幅、異なる長さ及び間隔を有し、6つのダブルL型共振ユニットは、水平に配列され、異なるダブルL型共振ユニット間の間隔は、同じであり、
送信アンテナTXは、水平偏波の電磁波を問合せ信号として送信し、信号がタグで反射された後の散乱波は、受信アンテナRXにより取得され、受信機は当該散乱波のスペクトルを取得し、スペクトルは逆フーリエ変換により時間領域信号に変換され、まずプリエンファシスが行われ、次に20nsの時間ウィンドウと10nsのウィンドウ移動ステップサイズを用いて短時間フーリエ変換が行われ、さらに各フレームの12次元MFCC特徴値が抽出され、前記タグは、2~8GHzのMFCC特徴符号化方式を実現し、合計で15ビットの符号化を実現することができる
ことを特徴とするMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項2】
前記バーコード型共振ユニットとダブルL型共振ユニットは何れも複数の長方形パッチからなり、長方形パッチの幅が何れも同じであり、長方形パッチの長さが共振周波数点に決定的な役割を果たし、長方形パッチの長さが長いほど、共振周波数が低くなる
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレRFIDタグ。
【請求項3】
前記タグの1行目は、6つのバーコード型共振ユニットを有し、前記タグの2行目は、6つのダブルL型共振ユニットを有し、各行には、異なるサイズの共振ユニットを減少させることにより、異なるタグの12次元MFCC特徴値の区分が実現される
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項4】
バーコード型共振ユニットの回転角度を変更することにより、異なるタグの12次元MFCC特徴値の区分が実現される
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項5】
前記バーコード型共振ユニットは、最高点で水平に一列に配列され、前記ダブルL型共振ユニットは、中心点で水平に一列に配列される
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項6】
各共振ユニットの寸法の大きさ、回転角度は、特定のMFCC特徴値を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項7】
タグの散乱波の時間領域信号のMFCC特徴が抽出され、機械精度が許可される場合に、共振ユニットの変化の有無及び回転変化によるMFCC特徴値の変化が区別されることによって、符号化が実現される
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項8】
前記送信アンテナTXは、アクセス電磁波を送信する役割を果たし、受信アンテナRXは、タグの散乱波を検出する役割を果たし、前記送信アンテナTXと受信アンテナRXの最高動作周波数は8GHzより高い
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項9】
前記タグの異なる行は、異なる形状の共振ユニットに対応し、各行は、異なるサイズで同じ形状の共振ユニットを追加することにより、符号化ビット数を増加させ、
バーコード型共振ユニットに対して、その回転角度を変更することにより、符号化ビット数を増加させることができる
ことを特徴とする請求項1に記載のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【請求項10】
前記媒体基板は、140mm×54mmの矩形板であり、厚さが0.2mmであり、Rogers RO4003C材料を採用し、
前記タグパッチユニットは金属板でエッチングされてなるものであり、厚さが0.035mmであり、
前記接地層の厚さが0.2mmであり、
前記長方形パッチの幅が何れも2mmである
ことを特徴とする請求項1に記載の超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチップレスRFIDの分野に関し、具体的にはMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数識別技術(RFID)は、高周波信号を利用して物体の表面に取り付けられたタグを検出及び識別することである。無線周波数識別は、バーコードの本来の機能を引き継いだ上で、タグに含まれる情報を遠隔で読み取り、バッチで読み取り、及び補正する機能を追加している。無線周波数識別のこれらの利点は、それが例えば物流、追跡及びアクセス制御などの分野に大きな発展潜在力を有することである。しかし、従来の無線周波数識別には集積回路チップのRFタグを含む必要があるが、集積回路チップのコストが高く、大規模な適用が困難であるため、集積回路チップを除去する低コストのチップレスタグを設計する研究は、無線周波数識別技術の人気研究方向である。そのうちの設計難点の一つは、異なる実際のシーン需要を満たすことができる、大きな符号化容量を有するRFタグをどのように設計するかということである。
【0003】
現在、異なる実際のシーン需要を満たす、大きな符号化容量を有するRFタグが主に使用するのは、周波数領域符号化方式であり、これは時間領域符号化RFタグの適用シーンが常にコンベアシーンに制限されるためである。現在、多く研究されている大きな符号化容量の周波数領域符号化方式は、主に、符号化の有無、振幅符号化、オフセット符号化及び混合符号化等であるが、これら符号化方式を実際のシーンに適用すると、常に異なる周波数帯域の異なる程度の符号化失効の問題が現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術に存在する欠点と不足を克服するために、本発明は、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、以下の技術手段によって実現される。タグパッチユニット、媒体基板及び接地層を含む、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグであって、前記タグパッチユニットは、媒体基板の上面に位置し、前記接地層は、媒体基板の下面に位置し、
前記タグパッチユニットは、6つのバーコード型共振ユニットと6つのダブルL型共振ユニットを含み、
前記バーコード型共振ユニットは、5つの同じ長方形パッチが平行に配列されかつ反時計回りに回転してなるものであり、異なるバーコード型共振ユニットの長方形パッチは、同じ幅及び間隔、異なる長さを有し、6つのバーコード型共振ユニットは、水平に配列され、異なるバーコード型共振ユニット間の間隔は、同じであり、
前記ダブルL型共振ユニットは、4つの同じ長方形パッチからなる2つのL型パッチを逆方向に組み合わせてなり、異なるダブルL型共振ユニットにおける長方形パッチは、同じ幅、異なる長さ及び間隔を有し、6つのダブルL型共振ユニットは、水平に配列され、異なるダブルL型共振ユニット間の間隔は、同じであり、
送信アンテナTXは、水平偏波の電磁波を問合せ信号として送信し、信号がタグで反射された後の散乱波は、受信アンテナRXにより取得され、受信機は、当該散乱波のスペクトルを取得し、スペクトルは、逆フーリエ変換により時間領域信号に変換され、まずプリエンファシスが行われ、次に20nsの時間ウィンドウと10nsのウィンドウ移動ステップサイズを用いて短時間フーリエ変換が行われ、さらに各フレームの12次元MFCC特徴値が抽出され、前記タグは、2~8GHzのMFCC特徴符号化方式を実現し、合計で15ビットの符号化を実現することができる、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ。
【0006】
さらに、前記バーコード型共振ユニットとダブルL型共振ユニットは何れも複数の長方形パッチからなり、長方形パッチの幅が何れも同じであり、長方形パッチの長さが共振周波数点に決定的な役割を果たし、長方形パッチの長さが長いほど、共振周波数が低くなることである。
【0007】
さらに、前記タグの1行目は、6つのバーコード型共振ユニットを有し、2行目は、6つのダブルL型共振ユニットを有し、各行には、異なるサイズの共振ユニットを減少させることにより、異なるタグの12次元MFCC特徴値の区分が実現される。
【0008】
さらに、バーコード型共振ユニットの回転角度を変更することにより、異なるタグの12次元MFCC特徴値の区分が実現される。
【0009】
さらに、前記バーコード型共振ユニットは、最高点で水平に一列に配列され、前記ダブルL型共振ユニットは、中心点で水平に一列に配列される。
【0010】
さらに、各共振ユニットの寸法の大きさ、回転角度は、特定のMFCC特徴値を生成する。
【0011】
さらに、タグの散乱波の時間領域信号のMFCC特徴が抽出され、機械精度が許可される場合に、共振ユニットの変化の有無及び回転変化によるMFCC特徴値の変化が区別されることによって、符号化が実現される。
【0012】
さらに、前記送信アンテナTXは、アクセス電磁波を送信する役割を果たし、受信アンテナRXは、タグの散乱波を検出する役割を果たし、前記送信アンテナTXと受信アンテナRXの最高動作周波数は、8GHzより高い。
【0013】
さらに、前記タグの異なる行は、異なる形状の共振ユニットに対応し、各行は、異なるサイズで同じ形状の共振ユニットを追加することにより、符号化ビット数を増加させることができる。バーコード型共振ユニットに対して、その回転角度を変更することにより、符号化ビット数を増加させることができる。
【0014】
さらに、前記媒体基板は、140mm×54mmの矩形板であり、厚さが0.2mmであり、Rogers RO4003C材料を採用し、前記タグパッチユニットは、金属板でエッチングされてなるものであり、厚さが0.035mmであり、前記接地層の厚さが0.2mmであり、前記長方形パッチの幅が何れも2mmである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は、下記の通りである。
(1)バーコード型共振ユニットは低周波数帯域において品質因子が高くかつ隣接する共振ユニットに結合されにくく、ダブルL型共振ユニットは高周波数帯域において品質因子が高くかつ隣接する共振ユニットに結合されにくいという特徴を利用して、共振周波数が2~5GHz周波数帯域にある6つの異なる大きさのバーコード型共振ユニット、及び共振周波数が5~8GHz周波数帯域にある6つの異なる大きさのダブルL型共振ユニットを設計し、当該タグ設計は、スペクトル利用率を向上させ、より多くの異なるMFCC特徴値を取得することに役立つ。
(2)入射波交差偏波方向におけるタグ散乱波のRCS図を用いて、MFCC特徴抽出を行い、環境における入射波共偏波方向のノイズの干渉を回避し、理論上、環境においてノイズがいずれも入射波共偏波方向偏波であるため、当該タグ設計は、実践環境において測定されたスペクトルの正確性を向上させ、より正確なMFCC特徴を取得することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの作業システム構成図である。
図2】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの平面図である。
図3】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの側面図である。
図4】本発明の実施例における組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグのパラメータ概略図である。
図5(a)】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの交差偏波方向における第1のフレームの12次元MFCC特徴値ヒストグラムである。
図5(b)】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの図5(a)において任意に1つの共振ユニットを除去した後の第1のフレームの12次元MFCC特徴値ヒストグラムである。
図5(c)】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの図5(a)において任意に2つの共振ユニットを除去した後の第1のフレームの12次元MFCC特徴値ヒストグラムである。
図5(d)】本発明の組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグ在図5(a)においてバーコード型共振ユニットの回転角度を15度に変更した後の第1のフレームの12次元MFCC特徴値ヒストグラムである。
図6図5(a)、5(b)及び5(c)の3種類のタグの第1のフレームの12次元MFCC特徴比較図である。
図7図5(a)及び5(d)の2種類のタグの第1のフレームの12次元MFCC特徴比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に実施例及び図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
【0018】
実施例
図1に示すように、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグの作業システムであって、RFIDリーダー、送信アンテナTX、受信アンテナRX及びタグから構成され、送信アンテナTXは、水平偏波の電磁波を問合せ信号として送信し、信号がタグで反射された後の散乱波は、受信アンテナRXにより垂直偏波方向に取得されることができ、受信機は、当該散乱波のスペクトルを取得し、スペクトルは、逆フーリエ変換により時間領域信号に変換され、まずプリエンファシスが行われ、次に20nsの時間ウィンドウと10nsのウィンドウ移動ステップサイズを用いて短時間フーリエ変換が行われ、さらに各フレームの12次元MFCC (Mel Frequency Cepstrum Coefficient,メル周波数ケプストラム係数)特徴値が抽出される。タグは、2~8GHzのMFCC特徴符号化方式を実現し、合計で15ビットの符号化を実現することができる。
【0019】
図2、3に示すように、MFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグは、2~8GHz周波数帯域で動作し、タグパッチユニット、媒体基板及び接地層を含む。前記タグパッチユニットは、金属板でエッチングされ、媒体基板の上面に位置し、前記接地層は、媒体基板の下面に位置する。
【0020】
前記タグパッチユニットは、バーコード型共振ユニットとダブルL型共振ユニットを含む。
【0021】
バーコード型共振ユニットは、5つの同じ長方形パッチが平行に配列されかつ反時計回りに回転してなり、図2に示すように、異なるバーコード型共振ユニットの長方形パッチは、同じ幅及び間隔、異なる長さを有し、6つのバーコード型共振ユニットは、水平に配列され、異なるバーコード型共振ユニット間の間隔は、同じである。
【0022】
ダブルL型共振ユニットは、4つの同じ長方形パッチからなる2つのL型パッチを逆方向に組み合わせてなり、図2に示すように、異なるダブルL型共振ユニットにおける長方形パッチは、同じ幅、異なる長さ及び間隔を有し、6つのダブルL型共振ユニットは、水平に配列され、異なるダブルL型共振ユニット間の間隔は、同じである。
【0023】
バーコード型共振ユニットであってもダブルL型共振ユニットであっても、パラメータと共振周波数との対応関係は、長方形パッチの長さが長いほど、共振周波数が低くなることである。2種類の形状の共振ユニットの特性に基づいて、当該タグは、2~5GHzの周波数帯域において、6つの異なる大きさのバーコード型共振ユニット(左から右の番号がS1~S6)を用いてMFCC特徴符号化を行い、5~8GHzにおいて6つの異なる大きさのダブルL型共振ユニット(左から右の番号がS7~S12)を用いてMFCC特徴符号化を行う。
【0024】
符号化可能なビット数の算出は、以下のとおりである。まず、バーコード型共振ユニットが特定の角度に回転する場合、各共振ユニットがいずれも異なる共振周波数を有するため、12個の共振ユニットの有無により、RCS図における対応する共振周波数ピークの有無を制御し、MFCC特徴抽出を経て、得られた特徴に対して12bit符号化を行う。次に、バーコード型共振ユニットの回転角度は5度を間隔とし、5度から45度まで、8種類の区別可能な状態を有する。すなわち、バーコード型共振ユニットの6bitの変化符号化の有無に、3bitの回転変化符号化を増加させ、合計で15bitの符号化を行うことができる。
【0025】
本実施例における各パラメータ数値は以下のとおりである(詳細は図4を参照する)。

【表1】

【表2】
【0026】
本実施例では、前記媒体基板がRogers RO4003C材料を用い、その比誘電率が3.55であり、電気損失正接が0.64である。媒体基板は140mm×54mmの矩形板であり、厚さが0.2mmである。使用される金属板は銅を採用し、厚さが0.035mmである。接地層の厚さが0.2mmである。
【0027】
図5(a)、図5(b)、図5(c)は、本発明のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグについて、バーコード型共振ユニットの回転角度が45度である場合、それぞれ0、1、2個の共振ユニットを削除して得られたMFCC特徴図であり、図6は、図5(a)、図5(b)及び図5(c)の三種類のタグのMFCC特徴比較図である。図から、三種類のタグの12次元MFCC特徴値が明らかに区別できる数値の差異を見ることができ、例えば、図5(a)に比べて、図5(b)の特徴6の値が0から正の値になり、図5(c)の特徴6の値が0から負の値になる。決定ツリー、サポートベクターマシンなどの機械学習アルゴリズムを用いて、MFCC特徴値をトレーニングし、異なるタグの識別を最終的に実現することができる。
【0028】
図5(a)、図5(d)は、本発明のMFCC特徴符号化に基づく組合型超広帯域交差偏波チップレスRFIDタグが0個の共振ユニットを消去するときに、バーコード型共振ユニットの回転角度が45度、15度である場合に得られるMFCC特徴図であり、図7は、図5(a)及び図5(d)の2種類のタグのMFCC特徴比較図である。図から、2種類のタグの12次元MFCC特徴値が明らかに区別できる数値の差異を見ることができ、例えば、図5(a)に比べて、図5(d)の特徴4の値が負の値から正の値になる。決定ツリー、サポートベクターマシンなどの機械学習アルゴリズムを用いて、MFCC特徴値をトレーニングし、異なるタグの識別を最終的に実現することができる。
【0029】
当該タグは、コストが低く、符号化容量が大きく、実際の環境で検出しやすいなどの利点を有する。
【0030】
上記実施例は本発明の典型的な実施形態であるが、本発明の実施形態は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の精神及び原理から逸脱せずに行われた他の任意の変更、修飾、置換、組み合わせ、簡略化は、いずれも等価な置換方式のべきであり、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図6
図7