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特許7190827回転係合によるトラック取付具の迅速な実装
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】回転係合によるトラック取付具の迅速な実装
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/10 20060101AFI20221209BHJP
   B64D 11/06 20060101ALI20221209BHJP
   B60N 2/005 20060101ALI20221209BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
F16B5/10 H
B64D11/06
B60N2/005
F16B5/07 D
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018120533
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2019060489
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】15/636,698
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】メール, ローランド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ケック, ラッセル ダブリュ.
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05178346(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0013972(US,A1)
【文献】特開2011-201327(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0251082(US,A1)
【文献】独国実用新案第202011108804(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0118056(US,A1)
【文献】米国特許第04936527(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00- 2/90
B64B 1/00- 1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00- 5/60
B64G 1/00-99/00
F16B 5/00- 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ(103)と本体(105)を有する細長い部材(102)であって、前記細長い部材(102)は前記細長い部材(102)の長手方向軸に沿って延在する第1の端部(104)と第2の端部(106)を含み、前記フランジ(103)は第1の面(114)と、前記フランジ(103)の前記第1の面(114)に背向する第2の面(115)を含み、前記本体(105)は前記フランジ(103)の前記第2の面(115)に接続され、前記フランジ(103)の前記第2の面(115)から離れるように延在し、前記本体(105)は第1の面(108)、第2の面(120)、及び第3の面(109)を含み、前記本体(105)の前記第1の面(108)は前記本体(105)の前記第2の面(120)に背向し、前記本体(105)の前記第3の面(109)は前記フランジ(103)の前記第1の面(114)に背向し、前記本体(105)の前記第1の面(108)のみが、前記細長い部材(102)の前記第1の端部(104)と前記第2の端部(106)との間の前記本体(105)の少なくとも一部から延在する突出リップ(110)を含それによって前記突出リップ(110)と前記本体(105)の前記第1の面(108)のみにある前記フランジ(103)の前記第2の面(115)との間に隙間を形成する細長い部材(102)と、
前記細長い部材(102)の前記第1の端部(104)と前記第2の端部(106)との間の前記フランジ(103)の前記第1の面(114)に連結された第1の整列ボア(112)と、
前記細長い部材(102)の前記第1の端部(104)と前記第2の端部(106)との間の前記本体(105)の前記第2の面(120)から延在する第1のボス(118)と
を備え、
前記突出リップ(110)は、シートトラック(126A、126B)に対するデバイス(100)の垂直運動を制限するため、前記シートトラック(126A、126B)の開口部(144A、144B)内に回転して配置可能である、デバイス(100)。
【請求項2】
前記フランジ(103)の前記第1の面(114)に連結された第2の整列ボア(116)と、
前記細長い部材(102)の前記第1の端部(104)と前記第2の端部(106)との間の前記本体(105)の前記第2の面(120)から延在する第2のボス(122)と
を更に備える、請求項1に記載のデバイス(100)。
【請求項3】
前記第1の整列ボア(112)は前記細長い部材(102)の前記第1の端部(104)に隣接して配置され、また、前記第2の整列ボア(116)は前記細長い部材(102)の前記第2の端部(106)に隣接して配置される、請求項2に記載のデバイス(100)。
【請求項4】
前記第1のボス(118)は前記第2のボス(122)から第1の距離だけ離間され、また、前記第1の整列ボア(112)は前記第2の整列ボア(116)から第2の距離だけ離間されており、前記第1の距離は前記第2の距離に等しい、請求項2又は3に記載のデバイス(100)。
【請求項5】
前記第1のボス(118)は前記第1の整列ボア(112)と前記第2のボス(122)との間に配置され、また、前記第2のボス(122)は前記第1のボス(118)と前記第2の整列ボア(116)との間に配置される、請求項2又は3に記載のデバイス(100)。
【請求項6】
前記第1のボス(118)と前記第2のボス(122)は半円形の形状で、前記本体(105)の第2の面(120)から外に向かって延在する、請求項2から5のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項7】
前記第1の整列ボア(112)と前記第2の整列ボア(116)はそれぞれ軸受筒(128、130)を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項8】
前記フランジ(103)の第1の表面(114)又は前記第1の整列ボア(112)の表面(136)のうちの少なくとも1つから垂直に延在する装着プレート(134)を更に備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項9】
前記装着プレート(134)は、
前記フランジ(103)の前記第1の表面(114)又は前記第1の整列ボア(112)の前記表面(136)のうちの少なくとも1つから垂直に延在する第1の部分(138)を備える、請求項8に記載のデバイス(100)。
【請求項10】
前記装着プレート(134)の前記第1の部分(138)に配置された貫通孔(142)を更に備える、請求項9に記載のデバイス(100)。
【請求項11】
前記第1のボス(118)は、前記シートトラック(126A、126B)に対する前記デバイス(100)の水平運動を制限するため、前記シートトラック(126A、126B)の対応する切り欠き(124A、124B)に係合可能である、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス(100)。
【請求項12】
第1のフランジ(103A)と第1の本体(105A)を有する第1の細長い部材(102A)であって、前記第1の細長い部材(102A)は前記第1の細長い部材(102A)の長手方向軸に沿って延在する第1の端部(104A)と第2の端部(106A)を含み、前記第1のフランジ(103A)は第1の面(114A)と、前記第1の面(114A)に背向する第2の面(115A)を含み、前記第1の本体(105A)は前記第1のフランジ(103A)の前記第2の面(115A)に接続され、前記第2の面(115A)から離れるように延在し、前記第1の本体(105A)は第1の面(108A)、第2の面(120A)、及び第3の面(109A)を含み、前記第1の本体(105A)の第1の面(108A)は前記第1の本体(105A)の前記第2の面(120A)に背向し、前記第1の本体(105A)の前記第3の面(109A)は前記第1のフランジ(103A)の前記第1の面(114A)に背向し、前記第1の本体(105A)の前記第1の面(108A)のみが、前記第1の細長い部材(102A)の前記第1の端部(104A)と前記第2の端部(106A)との間の前記第1の本体(105A)の少なくとも一部から延在する第1の突出リップ(110A)を含それによって前記第1の突出リップ(110A)と前記第1の本体(105A)の前記第1の面(108A)のみにある前記第1のフランジ(103A)の前記第2の面(115A)との間に第1の隙間を形成する第1の細長い部材(102A)と、
前記第1の細長い部材(102A)の前記第1の端部(104A)と前記第2の端部(106A)との間の前記第1のフランジ(103A)の前記第1の面(114A)に連結された第1の整列ボア(112A)と、
前記第1の細長い部材(102A)の前記第1の端部(104A)と前記第2の端部(106A)との間の前記第1のフランジ(103A)の前記第1の面(114A)に連結された第2の整列ボア(116A)と、
前記第1の細長い部材(102A)の前記第1の端部(104A)と前記第2の端部(106A)との間の前記第1の本体(105A)の前記第2の面(120A)から延在する第1のボス(118A)と、
前記第1の細長い部材(102A)の前記第1の端部(104A)と前記第2の端部(106A)との間の前記第1の本体(105A)の前記第2の面(120A)から延在する第2のボス(122A)と
を備える、第1のデバイス(100A)、並びに、
第2のフランジ(103B)と第2の本体(105B)を有する第2の細長い部材(102B)であって、前記第2の細長い部材(102B)は前記第2の細長い部材(102B)の長手方向軸に沿って延在する第1の端部(104B)と第2の端部(106B)を含み、前記第2のフランジ(103B)は第1の面(114B)と、前記第1の面(114B)に背向する第2の面(115B)を含み、前記第2の本体(105B)は前記第2のフランジ(103B)の前記第2の面(115B)に接続され、前記第2の面(115B)から離れるように延在し、前記第2の本体(105B)は第1の面(108B)、第2の面(120B)、及び第3の面(109B)を含み、前記第2の本体(105B)の前記第1の面(108B)は前記第2の本体(105B)の前記第2の面(120B)に背向し、前記第2の本体(105B)の前記第3の面(109B)は前記第2のフランジ(103B)の前記第1の面(114B)に背向し、前記第2の本体(105B)の前記第1の面(108B)のみが、前記第2の細長い部材(102B)の前記第1の端部(104B)と前記第2の端部(106B)との間の前記第2の本体(105B)の少なくとも一部から延在する第2の突出リップ(110B)を含それによって前記第2の突出リップ(110B)と前記第2の本体(105B)の前記第1の面(108B)のみにある前記第2のフランジ(103B)の前記第2の面(115B)との間に第2の隙間を形成する第2の細長い部材(102B)と、
前記第2の細長い部材(102B)の前記第1の端部(104B)と前記第2の端部(106B)との間の前記第2のフランジ(103B)の前記第1の面(114B)に連結された第3の整列ボア(112B)と、
前記第2の細長い部材(102B)の前記第1の端部(104B)と前記第2の端部(106B)との間の前記第2のフランジ(103B)の前記第1の面(114B)に連結された第4の整列ボア(116B)と、
前記第2の細長い部材(102B)の前記第1の端部(104B)と前記第2の端部(106B)との間の前記第2の本体(105B)の前記第2の面(120B)から延在する第3のボス(118B)と、
前記第2の細長い部材(102B)の前記第1の端部(104B)と前記第2の端部(106B)との間の前記第2の本体(105B)の前記第2の面(120B)から延在する第4のボス(122B)と
を備える、第2のデバイス(100B
を備え
前記第1の突出リップ(110A)は、第1のシートトラックに対する前記第1のデバイス(100A)の垂直運動を制限するため、前記第1のシートトラックの開口部内に回転して配置可能であり、
前記第2の突出リップ(110B)は、第2のシートトラックに対する前記第2のデバイス(100B)の垂直運動を制限するため、前記第2のシートトラックの開口部内に回転して配置可能である、
システム(101)。
【請求項13】
第1のトラック(126A)の開口部に第1のデバイス(100A)を配置すること(202)であって、前記第1のトラック(126A)は、前記第1のデバイス(100A)の突出リップ(110A)を受容するオーバーハング部分(146A)を含み、これによって、前記第1のトラック(126A)に対する前記第1のデバイス(100A)の垂直運動を防止する、第1のデバイス(100A)を配置すること(202)と、
前記第1のトラック(126A)に対する前記第1のデバイス(100A)の水平運動を防止するため、前記第1のデバイス(100A)の第1のボス(118A)及び第2のボス(118B)が、前記第1のトラック(126A)の対応する切り欠き(124A)に配置されるまで、前記第1のトラック(126A)に対して前記第1のデバイス(100A)を回転すること(204)と、
第2のトラック(126B)に対する第2のデバイス(100B)の垂直運動を防止するため、前記第2のデバイス(100B)の突出リップ(110B)を受容するオーバーハング部分(146B)を含む前記第2のトラック(126B)の開口部に前記第2のデバイス(100B)を配置すること(206)と、
前記第2のトラック(126B)に対する前記第2のデバイス(100B)の水平運動を防止するため、前記第2のデバイス(100B)の第1のボス(118B)及び第2のボス(122B)が前記第2のトラック(126B)の対応する切り欠き(124B)に配置されるまで、前記第2のトラック(126B)に対して前記第2のデバイス(100B)を回転すること(208)と、
前記第1のデバイス(100A)の第1の整列ボア(112A)を通して、トラック装着製品(132)の第1のピン(148A)を配置すること(210)と、
前記第1のデバイス(100A)の第2の整列ボア(116A)を通して、前記トラック装着製品(132)の第2のピン(148B)を配置すること(212)と、
前記第2のデバイス(100B)の第1の整列ボア(112B)を通して、前記トラック装着製品(132)の第3のピン(148C)を配置すること(214)と、
前記第2のデバイス(100B)の第2の整列ボア(116B)を通して、前記トラック装着製品(132)の第4のピン(148D)を配置すること(216)と、
を含む方法(200)。
【請求項14】
前記第1及び第2のデバイス(100A、100B)がそれぞれのトラック(126A、126B)に配置されるとき、前記第1のデバイス(100A)の第1の整列ボア(112A)の長手方向軸を前記第2のデバイス(100B)の第1の整列ボア(112B)の前記長手方向軸に揃えること、
前記第1及び第2のデバイス(100A、100B)がそれぞれのトラック(126A、126B)に配置されるとき、前記第1のデバイス(100A)の第2の整列ボア(116A)の長手方向軸を前記第2のデバイス(100B)の第2の整列ボア(116B)の前記長手方向軸に揃えること、
を更に含む、請求項13に記載の方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、シートトラック取付デバイスの迅速な係合、並びに、航空機又は他のビークル(乗り物)のトラック装着製品の迅速な取り付けの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の多くのトラック装着製品は、ほとんどの場合、業界で共通かつ標準的なシートトラックに装着される。シートトラックの構造的な適合では、トラック装着製品を飛行機の構造体に装着して保持することが必要となる。現在、幾つかの種類のシートトラック取付具が入手可能で利用されている。これらの既存のシートトラック取付具は、大きく2つのカテゴリに分けることができる。第1のカテゴリには、互いに取り外し可能に接続される複数の部品を使用する低コストシステムが含まれる。しかしながら、これらのシートトラック取付具は実装が容易ではなく、シートトラックに直接アクセスすることが必要になる。更に、これらの構成要素は複数の部品を組み立てる工具を必要とし、結果として実装及び取り外しの時間が増大し、実装が難しいため、人間工学的な懸念も生ずる。既存のシートトラック取付具の第2のカテゴリには、座席自体など、大量のアイテムのほとんどで利用される迅速な実装のためのシートトラック取付具が含まれる。残念ながら、これらの迅速な実装機能は比較的複雑な機構を利用することによって実現されるため、コストと検証作業の増大を招く結果となる。
【0003】
アセンブリの生産速度及び値ごろ感はますます重要になりつつあるため、航空業界は、コスト高を招くことなく、安全性と人間工学の面で妥協することのない迅速な実装取付具を必要としている。しかも、航空会社は航空機のライフサイクル内で定期的に機内の改装を行ったり、定期点検など、その他の理由によりトラック装着製品を取り外す必要がある。トラック装着製品の着脱時間の短縮は、結果として航空機の相手先商標製造業者(OEM)並びに運航業者の効率化につながる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、複雑な機構を用いることなく、シートトラック装着製品の実装を簡略化するシートトラック取付具の設計について記述している。本書に記載のデバイス(装置)は、実装に必要となる締結具の数を減らし、アクセスに便利な場所への締結ハードウェアの配置を可能にする。デバイスは、構成要素の移動や、複雑化とコスト高をもたらす内部機構を必要とせずに、単純な機械加工された部品を利用する。本書に記載のシートトラック取付具の設計は、シートトラックのオーバーハング部分の一列の周りの回転運動(例えば、長手方向軸に沿った回転)による、新しい取付方法を採用する。この運動は、デバイスのフランジをシートトラックのオーバーハング部分の下方に移動し(オーバーハング部分を捕捉し、Z方向に垂直になるようにデバイスをトラックに固定し)、また、デバイスのせん断ボス(shear boss)をトラックの対応する穴に落とす(X-Y方向に水平になるようにデバイスをトラックに固定する)。次に、トラック装着製品は、デバイスが回転して外に出るのを防止し、同時にトラック装着製品をシートトラックに固定する、バヨネットブラケットによって実装される。
【0005】
具体的には、第1の態様では、デバイスについて説明される。デバイスは、フランジと本体を有する細長い部材を含む。細長い部材は、細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含む。フランジは、第1の面と、第1の面に背向する第2の面を含む。本体は、フランジの第2の面に接続され、第2の面から離れるように延在している。本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、本体の第1の面は本体の第2の面に背向し、本体の第3の面はフランジの第1の面に背向している。本体の第1の面は、細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の本体の少なくとも一部から延在する突出リップを含む。デバイスはまた、細長い部材の第1の端部と第2の端部との間のフランジの第1の面に連結された第1の整列ボアを含む。デバイスはまた、細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の本体の第2の面から延在する第1のボス(boss)を含む。
【0006】
第2の態様では、システムについて説明される。システムは、(i)第1のフランジと第1の本体を有する第1の細長い部材であって、第1の細長い部材は第1の細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含み、第1のフランジは第1の面と、第1の面に背向する第2の面を含み、第1の本体は第1のフランジの第2の面に接続され、第2の面から離れるように延在し、第1の本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、第1の本体の第1の面は第1の本体の第2の面に背向し、第1の本体の第3の面は第1のフランジの第1の面に背向し、第1の本体の第1の面は、第1の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第1の本体の少なくとも一部から延在する第1の突出リップを含む、第1の細長い部材と、(ii)第1の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第1のフランジの第1の面に連結された第1の整列ボアと、(iii)第1の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第1のフランジの第1の面に連結された第2の整列ボアと、(iv)第1の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第1の本体の第2の面から延在する第1のボスと、(v)第1の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第1の本体の第2の面から延在する第2のボスとを備える、第1のデバイスを含む。システムはまた、(i)第2のフランジと第2の本体を有する第2の細長い部材であって、第2の細長い部材は第2の細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含み、第2のフランジは第1の面と、第1の面に背向する第2の面を含み、第2の本体は第2のフランジの第2の面に接続され、第2の面から離れるように延在し、第2の本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、第2の本体の第1の面は第2の本体の第2の面に背向し、第2の本体の第3の面は第2のフランジの第1の面に背向し、第2の本体の第1の面は、第2の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第2の本体の少なくとも一部から延在する第2の突出リップを含む、第2の細長い部材と、(ii)第2の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第2のフランジの第1の面に連結された第3の整列ボアと、(iii)第2の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第2のフランジの第1の面に連結された第4の整列ボアと、(iv)第2の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第2の本体の第2の面から延在する第3のボスと、(v)第2の細長い部材の第1の端部と第2の端部との間の第2の本体の第2の面から延在する第4のボスとを備える、第2のデバイスを含む。
【0007】
第3の態様では、方法について説明される。方法は、第1のトラックの開口部に第1のデバイスを配置することを含み、第1のトラックは、第1のデバイスの細長い部材の本体の突出リップを受容するオーバーハング部分を含み、これによって、第1のトラックに対する第1のデバイスの垂直運動を防止する。方法はまた、第1のデバイスの第1のボス及び第2のボスが、第1のトラックの対応する切り欠きに配置されるまで、第1のトラックに対して第1のデバイスを回転することを含み、これによって、第1のトラックに対する第1のデバイスの水平運動を防止する。方法はまた、第2のトラックの開口部に第2のデバイスを配置することを含み、第2のトラックは、第2のデバイスの細長い部材の本体の突出リップを受容するオーバーハング部分を含み、これによって、第2のトラックに対する第2のデバイスの垂直運動を防止する。方法はまた、第2のデバイスの第1のボス及び第2のボスが、第2のトラックの対応する切り欠きに配置されるまで、第2のトラックに対して第2のデバイスを回転することを含み、これによって、第2のトラックに対する第2のデバイスの水平運動を防止する。方法はまた、第1のデバイスの第1の整列ボアを通して、トラック装着製品の第1のピンを配置することを含む。方法はまた、第1のデバイスの第2の整列ボアを通して、トラック装着製品の第2のピンを配置することを含む。方法はまた、第2のデバイスの第1の整列ボアを通して、トラック装着製品の第3のピンを配置することを含む。方法はまた、第2のデバイスの第2の整列ボアを通して、トラック装着製品の第4のピンを配置することを含む。
【0008】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施例において個別に実現可能であるか、又は、更に別の実施例において組み合わされうる。下記の説明及び図面を参照することで、これらの特徴、機能、及び利点の更なる詳細が理解されうる。
【0009】
実施例の特性と考えられる新規の特徴は、付随する特許請求の範囲に明記される。しかし、実施例並びに好ましい使用モード、更なる目的及びそれらの特徴は、添付図面を参照して、本開示の実施例についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施例によるデバイスの斜視図である。
図2】一実施例による別のデバイスの斜視図である。
図3】一実施例による更に別のデバイスの斜視図である。
図4】一実施例によるシステムの斜視図である。
図5A】一実施例によるトラックに回転係合する図2のデバイスの側面図を示す。
図5B】一実施例によるトラックに回転係合する図2のデバイスの側面図を示す。
図5C】一実施例によるトラックに回転係合する図2のデバイスの側面図を示す。
図5D】一実施例によるトラックに回転係合する図2のデバイスの側面図を示す。
図6A】一実施例による図2のデバイスに係合するトラック装着製品の側面図である。
図6B】一実施例による図2のデバイスに係合するトラック装着製品の拡大図である。
図7】一実施例による図3のデバイスに固定されたトラック装着製品の側面断面図である。
図8】一実施例による図3のデバイスに固定されたトラック装着製品の斜視図である。
図9】一実施例の方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本書ではこれより、添付図面を参照しつつ開示されている実施例についてより網羅的に説明するが、添付図面に示すのは開示されている実施例の一部であって、すべてが示されているわけではない。実際には、幾つかの異なる実施例が提供されることがあり、これらは本書に明記されている例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、この開示が包括的なものになり、かつ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように、これらの実施例について説明している。
【0012】
以下の説明において、記載されている概念の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記されるが、その概念はこれらの特定事項の一部又はすべてがなくとも実践されうる。他の事例においては、記載を不必要に分かりにくくすることを避けるために、既知のデバイス及び/又はプロセスの詳細が省略されている。一部の概念は特定の実施例と併せて説明されることになるが、それらは限定を目的とするものではないことを理解されたい。
【0013】
本書で使用されているように、「連結された(coupled)」とは、直接的に及び間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、又は、例えば、別の部材Cを介して間接的に関連付けられていてよい。開示される種々の要素間のすべての関係が必ずしも表わされているわけではないことを理解されたい。
【0014】
上記の図9では、ブロックは動作及び/又はその一部を表わすことがあり、様々なブロックを接続する線は、動作又はその一部の、いかなる特定の順番又は依存性も暗示していない。開示されている様々な動作間のすべての従属関係が必ずしも表わされているわけではないことが、理解されよう。本書に明記された一又は複数の方法の実施を説明する、図9及び付随する開示は、必ずしも、動作が実行されるシーケンスを決定すると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順番が示されていても、動作のシーケンスは、それが適当な場合には、改変されることがあると理解されたい。したがって、ある特定の動作は、異なる順番で又は同時に実行されうる。更に、当業者であれば、記載されたすべての動作を実施する必要はないことを認識するであろう。
【0015】
別途指示されない限り、「第1(first)」、「第2(second)」などの語は、本書では単に符号として使用されており、これらの語が表わすアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、すなわちより小さい数がふられたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、すなわちより大きな数がふられたアイテムの存在を、必要とすることも、排除することもない。
【0016】
本書における「一実施例」への言及は、その例に関連して説明される一又は複数の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実行形態に含まれることを意味する。本書内の様々な個所で使われている「一実施例」という表現は、同一の実施例を表してもよく、またはそうでなくてもよい。
【0017】
本書において、特定の機能を実施する「よう構成/設定された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、いかなる変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、更なる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。換言すると、特定の機能を実施する「よう構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計される。本明細書で使用される、「ように構成された」という表現は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが更なる改変なしで特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施する「よう構成/設定され」ていると説明されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合している(adapted to)」、及び/又は、実施するよう「動作可能である(operative to)」とも説明されうる。
【0018】
本書で使用されているように、測定に関して、「約」は±5%を意味する。
【0019】
本書で使用されているように、測定に関して、「実質的に」は±5%を意味する。
【0020】
本書で使用されているように、2つの軸間に90度±5%の角度がある場合には、2つの軸は「実質的に垂直」になる。
【0021】
本書で使用されているように、「トラック装着製品」とは、座席及び座席の調度品、収納/クローゼット、客室仕切板、電子部品を含む、航空機のトラックに取り付けるように構成されている任意の構成要素、或いは、限定するものではないが、トイレ、ギャレー、又はビデオコントロールセンターなどを含む、航空機の内装設備を意味する。
【0022】
特許請求されうるかまたはされえない、本開示による主題の例示的かつ非網羅的な実施例が、以下で提供される。
【0023】
実施例では、本書の開示は、シートトラック取付デバイスの迅速の係合と、トラック装着製品、筐体、又は同様の構成要素を航空機客室内の構造的なシートトラックレールに直接、迅速に取り付けるための方法を提供する。具体的には、本書に記載のデバイスは、複雑な機構を用いることなく、シートトラック装着製品の実装を劇的に簡略化する。新しいシートトラック実装デバイスは、実装に必要となる締結具の数を最小限に抑える。しかも、必要なハードウェアは簡便にアクセスできる場所に配置することが可能で、シートトラックに締結されるべき既存のシートトラック取付具の人間工学的な懸念を払拭することができる。
【0024】
他の締結具のないシートトラック取付具とは異なり、本書に記載のシートトラック実装デバイスは、複雑な機構を必要としない。その代わりに、このデバイスは、複雑化させコスト高を招く可動式の構成要素を必要とせず、単純な機械加工部品を利用する。このデバイスは、設計が単純で、実装と取り外しが迅速なため、頻繁に着脱される製品用にカスタマイズされる。これに加えて、設計が単純で、動作機構や可動部品がないため、反復認証試験や負荷認証試験を実施する必要がない。このように、デバイスは従来の有限要素法を用いて解析可能である。しかも、デバイスは、負荷の大きさに基づいて、ソリューションに合わせて任意のサイズに拡大縮小することができる。
【0025】
上述の例示的なデバイス及びシステムの様々な他の特徴もまた、これらのデバイスを使用する方法と同様、添付の図面を参照して以下で記載される。
【0026】
図1を全体的に参照すると、例示的なデバイス100が開示されている。デバイス100は、フランジ103と本体105を有する細長い部材102を含む。細長い部材102は、細長い部材102の長手方向軸に沿って延在する第1の端部104と第2の端部106を含む。一実施例では、細長い部材102の長さは、約5.08cmから約2.54cmの範囲となる。フランジ103は、第1の面114と、第1の面114に背向する(反対側にある)第2の面115を含む。本体105は、フランジ103の第2の面115に接続され、第2の面115から離れるように延在している。本体105は、第1の面108、第2の面120、及び第3の面109を含む。本体105の第1の面108は本体105の第2の面120に背向しており、本体105の第3の面109はフランジ103の第1の面114に背向している。本体105の第1の面108は、細長い部材102の第1の端部104と第2の端部106との間の本体105の少なくとも一部から延在する突出リップ110を含む。
【0027】
デバイス100は、細長い部材102の第1の端部104と第2の端部106との間のフランジ103の第1の面114に連結された第1の整列ボア112を含む。一実施例では、第1の整列ボア112の長手方向軸は、細長い部材102の長手方向軸に対して実質的に垂直に配置される。別の実施例では、第1の整列ボア112の長手方向軸は、細長い部材102の長手方向軸に対して別の角度で配置されている。デバイス100はまた、細長い部材102の第1の端部104と第2の端部106との間の本体105の第2の面120から延在する第1のボス118を含む。
【0028】
一実施例では、図2に示したように、デバイス100はまた、フランジ103の第1の面114に結合された第2の整列ボア116を含む。一実施例では、第2の整列ボア116の長手方向軸は、細長い部材102の長手方向軸に実質的に垂直に配置される。別の実施例では、第1の整列ボア112の長手方向軸は、細長い部材102の長手方向軸に対して別の角度で配置されている。更に、デバイス100はまた、細長い部材102の第1の端部104と第2の端部106との間の本体105の第2の面120から延在する第2のボス122を含みうる。
【0029】
一実施例では、第1の整列ボア112は細長い部材102の第1の端部104に隣接して配置され、第2の整列ボア116は細長い部材102の第2の端部106に隣接して配置される。一実施例では、第1のボス118は第2のボス122から第1の距離だけ離間され、また、第1の整列ボア112は第2の整列ボア116から第2の距離だけ離間されており、第1の距離は第2の距離に等しい。別の実施例では、第1のボス118は第1の整列ボア112と第2のボス122との間に配置され、また、第2のボス122は第1のボス118と第2の整列ボア116との間に配置される。図2に示したように、一実施例では、第1のボス118と第2のボス122は半円形の形状で、本体105の第2の面120から外に向かって延在する。このような半円形は、図4に示したように、また、以下で更に詳細に説明されるように、トラック126A、126Bの対応する切り欠き124A、124B内に適合するように寸法が決定されうる。ほとんどの場合、このようなトラック126A、126Bは、業界で共通かつ標準的である。一実施例では、トラック126A、126Bの切り欠き124A、124Bは、2.54cmずつ離間されている。このような実施例では、第1のボス118と第2のボス122は2.54cmの倍数だけ離間されている。
【0030】
図1は1つのボス118を示し、図2は2つのボス118、122を示しているが、ボスの数は、特定の使用事例では、所望の前方/後方方向に機能を付加するため、任意の数まで増やすことができる。同様に、図は1つの整列ボア112を示し、図2は2つの整列ボア112,116を示しているが、整列ボアの数は、取付具の界面とトラック装着製品との間の強度を付加するため、増やすこともできる。
【0031】
一実施例では、図1及び図2に示したように、第1の整列ボア112は第1の軸受筒(ブッシング)128を含む。図2に示したように、第2の整列ボア116は第2の軸受筒130を含む。軸受筒128、130は整列ボア112、116に挿入され、内部に座面をもたらす。軸受筒128、130は、実施例として、スリーブ軸受筒、フランジ付き軸受筒、スプリット軸受筒、クレンチト軸受筒になりうる。使用時には、軸受筒128、130が、(図3A図3Bに示され、説明されているように)デバイス100によるトラック装着製品132の滑らかな実装を促進し、また、飛行中のデバイス100に対するトラック装着製品132のがたつきを防止する。
【0032】
図3は、一実施例による、別の例示的なデバイス100を示す。図3に示したように、一実施例では、デバイス100は更に、第1の整列ボア112の表面136から垂直に延在する装着プレート134を含む。別の実施例では、装着プレート134はフランジ103の第1の面114から垂直に延在する。装着プレート134は、以下で更に詳細に説明されるように、トラック装着製品132に接続可能である。一実施例では、装着プレート134は、締結具が挿入され、それによって装着プレート134をトラック装着製品132に接続するように構成された貫通孔142を含む。図3に示したように、一実施例では、装着プレート134は、第1の部分138及び第2の部分140を含む。第1の部分138は、フランジの第1の面114、又は第1の整列ボア112の表面136から垂直に延在する。第2の部分140は、装着プレート134がL字形を有するように、第1の部分138に対して垂直に延在する。このような実施例では、装着プレート134は更に、装着プレート134の第2の部分に配置された貫通孔142を含む。一実施例では、貫通孔142はねじ切りされる。別の実施例では、第2の部分140は、以下で更に詳細に説明されるように、装着プレート134をトラック装着製品に固定するための別の連結機構を含む。
【0033】
使用時には、デバイス100は、シートトラックに対するデバイス100の垂直運動を制限するため、シートトラックの開口部内に配置可能である。更に、第1のボス118及び/又は第2のボス122は、以下で更に詳細に説明されるように、シートトラックに対するデバイス100の水平運動を制限するため、シートトラックの対応する切り欠きに係合可能である。
【0034】
ある実施例では、図1図3のいずれかに示したように、これらのうちの例示的なデバイス又は構成要素は、数ある可能性の中で、ステレオリソグラフィ、多重ジェットモデリング、選択的レーザ焼結/融解、及び熱溶解積層などの積層造形装置を用いて作られる。例示的な積層造形装置は、単一の材料を用いて、図1図3のいずれか1つに記述されたデバイス100を製造する。このような材料には、例として、ステンレス鋼、チタニウム、ニッケル超合金、アルミニウム、ポリマー複合材(例えば、炭素繊維強化ナイロン)及びポリマーナノ複合材(例えば、カーボンナノチューブ充填ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが含まれる。別の実施例では、デバイス100の様々な構成要素が、他の構成要素とは異なる材料特性を有する材料を用いて形成されるように、積層造形処理は、複数材料積層造形処理になっている。このような実施例では、細長い部材102、第1の整列ボア112、第2の整列ボア116、第1のボス118、及び第2のボス122は第1の材料から作られ、軸受筒128、130は第1の材料とは異なる第2の材料から作られる。1つの特定の実施例では、第1の材料はトラック装着製品の負荷に耐える剛構造をもたらし、第2の材料はトラック装着製品とデバイス100との摩擦を減らし、がたつきを防止する。他の実施例も同様に可能である。
【0035】
図1図3に関連して上記で説明されたデバイス100は、図4に示したように、第1のトラック126Aに回転係合するように構成された第1のデバイス100Aと、第2のトラック126Bに回転係合するように構成された第2のデバイス100Bとを含む、システム101の一部である。第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bは共に、図4に示したように、トラック装着製品132をトラック126A、126Bに固定する。一実施例では、2つのデバイス100A、100Bは同一で、上述の2つのデバイス100を含む。別の実施例では、第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bは、互いに鏡像となるように配置される。このような実施例では、第1のデバイス100Aと第2のデバイス100Bはデバイス100の一例で、図1図3のいずれか1つに関連して上述されているように特徴を含むが、各デバイス100A、100Bの構造は互いに向かい合うように反転される。このような実施例では、第1のデバイス100Aは実装中、第1のトラック126Aに対して第1の方向に回転され、第2のデバイス100Bは実装中、第2のトラック126Bに対して反対の方向に回転される。
【0036】
具体的には、図4に示したように、システム101は第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bを含みうる。第1のデバイス100Aは、第1のフランジ103Aと第1の本体105Aを有する第1の細長い部材102Aを含む第1の細長い部材102Aは、第1の細長い部材102Aの長手方向軸に沿って延在する第1の端部104Aと第2の端部106Aを含む。第1のフランジ103Aは、第1の面114Aと、第1の面114Aに背向する第2の面115Aを含む。第1の本体105Aは、第1のフランジ103Aの第2の面115Aに接続され、第2の面115Aから離れるように延在している。第1の本体105Aは、第1の面108A、第2の面120A、及び第3の面109Aを含む。第1の本体105Aの第1の面108Aは第1の本体105Aの第2の面120Aに背向し、また、第1の本体105Aの第3の面109Aは第1のフランジ103Aの第1の面114Aに背向する。第1の本体105Aの第1の面114Aは、第1の細長い部材102Aの第1の端部104Aと第2の端部106Aとの間の第1の本体105Aの少なくとも一部から延在する第1の突出リップ110Aを含む。第1のデバイス100Aはまた、第1の細長い部材102Aの第1の端部104Aと第2の端部106Aとの間の第1のフランジ103Aの第1の面114Aに連結された第1の整列ボア112Aを含む。一実施例では、第1の整列ボア112Aの長手方向軸は、第1の細長い部材102Aの長手方向軸に対して実質的に垂直に配置される。別の実施例では、第1の整列ボア112Aの長手方向軸は、第1の細長い部材102Aの長手方向軸に対して別の角度で配置される。第1のデバイス100Aはまた、第1のフランジ103Aの第1の面114Aに連結された第2の整列ボア116Aを含む。一実施例では、第2の整列ボア116Aの長手方向軸は、第1の細長い部材102Aの長手方向軸に対して実質的に垂直に配置される。別の実施例では、第2の整列ボア116Aの長手方向軸は、第1の細長い部材102Aの長手方向軸に対して別の角度で配置される。第1のデバイス100Aはまた、第1の細長い部材102Aの第1の端部104Aと第2の端部106Aとの間の第1の本体105Aの第2の面120Aから延在する第1のボス118Aを含む。第1のデバイス100Aはまた、第1の細長い部材102Aの第1の端部104Aと第2の端部106Aとの間の第1の本体105Aの第2の面120Aから延在する第2のボス122Aを含む。
【0037】
同様に、第2のデバイス100Bは、第2のフランジ103Bと第2の本体105Bを有する第2の細長い部材102Aを含む。第2の細長い部材102Bは、第2の細長い部材102Bの長手方向軸に沿って延在する第1の端部104Bと第2の端部106Bを含む。第2のフランジ103Bは、第1の面114Bと、第1の面114Bに背向する第2の面115Bを含む。第2の本体105Bは、第2のフランジ103Bの第2の面115Bに接続され、第2の面115Bから離れるように延在している。第2の本体105Bは、第1の面108B、第2の面120B、及び第3の面109Bを含む。第2の本体105Bの第1の面108Bは第2の本体105Bの第2の面120Bに背向し、また、第2の本体105Bの第3の面109Bは第2のフランジ103Bの第1の面114Bに背向する。第2の本体105Bの第1の面108Bは、第2の細長い部材102Bの第1の端部104Bと第2の端部106Bとの間の第2の本体105Bの少なくとも一部から延在する第2の突出リップ110Bを含む。第2のデバイス100Bはまた、第2の細長い部材102Bの第1の端部104Bと第2の端部106Bとの間の第2のフランジ103Bの第1の面114Bに連結された第3の整列ボア112Bを含む。一実施例では、第3の整列ボア112Bの長手方向軸は、細長い部材102Bの長手方向軸に対して実質的に垂直に配置されている。別の実施例では、第3の整列ボア112Bの長手方向軸は、第2の細長い部材102Bの長手方向軸に対して別の角度で配置されている。第2のデバイス100Bはまた、第2のフランジ103Bの第1の面114Bに連結された第4の整列ボア116Bを含む。一実施例では、第4の整列ボア116Bの長手方向軸は、第2の細長い部材102Bの長手方向軸に対して実質的に垂直に配置されている。別の実施例では、第4の整列ボア116Bの長手方向軸は、細長い部材102Bの長手方向軸に対して別の角度で配置されている。第2のデバイス100Bはまた、第2の細長い部材102Bの第1の端部104Bと第2の端部106Bとの間の第2の本体105Bの第2の面120Bから延在する第3のボス118Bを含む。第2のデバイス100Bはまた、第2の細長い部材102Bの第1の端部104Bと第2の端部106Bとの間の第2の本体105Bの第2の面120Bから延在する第4のボス122Bを含む。図4に示したように、一実施例では、第3のボス118Bと第4のボス122Bは半円形の形状であってよく、第3のボス118Bと第4のボス122Bの各々は、第2の本体105の第2の面120Bから外に向かって延在しうる。
【0038】
図4は更に、実施例に従い、第1のデバイス100Aに位置合わせされたトラック装着製品132の第1のピン148A及び第2のピン148Bの斜視図を示している。図4に示したように、第1のピン148Aは第2のピン148Bより長くてもよく、また、第3のピン148Cは第4のピン148Dより長くてもよい。このような実施例では、図4に示したように、第1のピン148Aが最初に第1のデバイス100Aの第1の整列ボア112Aに係合し、次に第2のピン148Bが第1のデバイス100Aの第2の整列ボア116Aに係合してもよい。同様に、第3のピン148Cが最初に第2のデバイス100Bの第1の整列ボア112Bに係合し、次に第4のピン148Dが第2のデバイス100Bの第2の整列ボア116Bに係合してもよい。別の実施例では、ピン148A、148B、148C、148Dはそれぞれ同じ長さである。
【0039】
図5A図5Dは、実施例に従い、第1のトラック126Aに回転係合する第1のデバイス100Aの側面図を示す。具体的には、第1のトラック126Aは、開口部144Aとオーバーハング部分146Aを含みうる。図5A図5Bに示したように、第1のデバイス100Aは第1のトラック126Aの開口部144Aの中に配置される。第1のトラック126Aのオーバーハング部分146Aは、第1のトラック126Aに対する第1のデバイス100Aの垂直運動を防止するため、第1のデバイス100Aの突出リップ110Aを受容するように構成されている。図5C図5Dに示したように、第1のトラック126Aに対する第1のデバイス100Aの水平運動を防止するため、第1のデバイス100Aの第1のボス118と第2のボス122(図5A図5Dには示していない)が第1のトラック126Aの対応する切り欠き124に配置されるまで、第1のデバイス100Aは第1のトラック126Aに対して回転される。このように、いかなる種類のハードウェアを必要とせずに、デバイス100Aは第1のトラック126Aに対して自由に回転して出入りする。図5A図5Dには示していないが、第2のデバイス100Bは同様に、オーバーハング部分146Bを含む、第1のトラック126Aと同じ構成要素を有する第2のトラック126Bに回転係合する。
【0040】
第1のデバイス100Aと第2のデバイス100Bが対応するトラック126A、126Bに配置されると、トラック装着製品132は、図6A図6Bに示したように、第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bに固定されうる。具体的には、図6Aは第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bに係合するトラック装着製品132の側面図で、一方、図6Bは第1のデバイス100Aに係合するトラック装着製品132の拡大図である。図6Aに示したように、トラック装着製品132は、第1のピン148A、第2のピン148B(図6Aに示した側面斜視図からは見えない)、第3のピン148C、及び第4のピン148D(図6Aに示した側面斜視図からは見えない)を含む。4つのピン148A~148Dが第1のデバイス100A及び第2のデバイス100Bの対応する整列ボア112、116に挿入されると、デバイス100A、100Bの回転は不可能になり、これにより、トラック装着製品132をトラック126A、126Bに固定する。図7は、第1のデバイス100Aの装着プレート134に固定されたトラック装着製品132の側面断面図で、また、図8は、第2のデバイス100Bの装着プレート134に固定されたトラック装着製品132の斜視図である。
【0041】
一実施例では、トラック装着製品がデバイス100A、100Bに連結されると、第1のデバイス100Aの本体105Aの第3の面109A及び第2のデバイス100Bの本体105Bの第3の面109Bは耐荷重性になる。別の実施例では、トラック装着製品がデバイス100A、100Bに連結されると、第1のデバイス100Aのフランジ103Aの第2の面115A及び第2のデバイス100Bのフランジ103Bの第2の面115Bは耐荷重性になる。更に別の実施例では、トラック装着製品がデバイス100A、100Bに連結されると、第1のデバイス100Aの本体105Aの第3の面109A及び第2のデバイス100Bの本体105Bの第3の面109B、第1のデバイス100Aのフランジ103Aの第2の面115A及び第2のデバイス100Bのフランジ103Bの第2の面115Bは共に耐荷重性になる。
【0042】
図9は、トラック装着製品を航空機のトラックに固定するための例示的な方法のブロック図である。図9に示した方法200は、実施例として、図1図8のデバイス100、100A、及び100Bを実装し、利用するための方法の一例を示している。方法200は、ブロック202~216のうちの一又は複数で示すように、一又は複数の操作、機能、又は動作を含む。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックはまた、並行して実行してもよく、及び/または、本書に記載の順序とは異なる順序で実行してもよい。更に、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、組み合わせてブロックの数を減らしたり、分割してブロックの数を増やしたり、取り除いたりしてもよい。
【0043】
最初に、方法200はブロック202で、第1のトラック126Aの開口部144Aに第1のデバイス100Aを配置することを含み、第1のトラック126Aは、第1のデバイス100Aの突出リップ110Aを受容するオーバーハング部分146Aを含み、これによって、第1のトラック126Aに対する第1のデバイス100Aの垂直運動を防止する。次に、方法200はブロック204で、第1のデバイス100Aの第1のボス118A及び第2のボス122Aが第1のトラック126Aの対応する切り欠き124Aに配置されるまで、第1のトラック126Aに対して第1のデバイス100Aを回転することを含み、これによって、第1のトラック126Aに対する第1のデバイス100Aの水平運動を防止する。次に、方法200はブロック206で、第2のトラック126Bの開口部144Bに第2のデバイス100Bを配置することを含み、第2のトラック126Bは、第2のデバイス100Bの突出リップ110Bを受容するオーバーハング部分146Bを含み、これによって、第2のトラック126Bに対する第2のデバイス100Bの垂直運動を防止する。第1のトラック126Aと第2のトラック126Bは互いに、実質的に平行である。次に、方法200はブロック208で、第2のデバイス100Bの第1のボス118B及び第2のボス122Bが第2のトラック126Bの対応する切り欠き124Bに配置されるまで、第2のトラック126Bに対して第2のデバイス100Bを回転することを含み、これによって、第2のトラック126Bに対する第2のデバイス100Bの水平運動を防止する。
【0044】
一実施例では、2つのデバイス100A、100Bは同一で、上述のデバイス100の特徴を含む。別の実施例では、第1のデバイス100Aと第2のデバイス100Bは、互いに鏡像になるように配置され、上述のデバイス100の特徴を含む。このような実施例では、方法200は更に、第1のデバイス100Aを第1のトラック126Bに対して第1の方向に回転すること、及び、第2のデバイス100Bを第2のトラック126Bに対して反対の方向に回転することを含む。
【0045】
次に、方法200はブロック210で、第1のデバイス100Aの第1の整列ボア112Aを通して、トラック装着製品132の第1のピン148Aを配置することを含む。次に、方法200はブロック212で、第1のデバイス100Aの第2の整列ボア116Aを通して、トラック装着製品132の第2のピン148Bを配置することを含む。次に、方法200はブロック214で、第2のデバイス100Bの第1の整列ボア112Bを通して、トラック装着製品132の第3のピン148Cを配置することを含む。次に、方法200はブロック216で、第2のデバイス100Bの第2の整列ボア116Bを通して、トラック装着製品132の第4のピン148Dを配置することを含む。
【0046】
一実施例では、方法200は更に、第1及び第2のデバイス100A、100Bがそれぞれのトラック126A、126Bに配置されるとき、第1のデバイス100Aの第1の整列ボア112Aの長手方向軸を、第2のデバイス100Bの第1の整列ボア112Bの長手方向軸に揃えることを含む。このような実施例では、方法200はまた、第1及び第2のデバイス100A、100Bがそれぞれのトラック126A、126Bに配置されるとき、第1のデバイス100Aの第2の整列ボア116Aの長手方向軸を、第2のデバイス100Bの第2の整列ボア116Bの長手方向軸に揃えることを含む。
【0047】
別の実施例では、図3に関連して上述されているように、第1のデバイスと第2のデバイスは更に、フランジ103A、103Bの第1の面114A、114B、又は第1の整列ボア112A、112Bの表面136A、136Bから垂直に延在する装着プレート134A、134Bを含む。このような実施例では、方法200は更に、トラック装着製品132を装着プレート134A、134Bに固定することを含む。一実施例では、装着プレート134A、134Bは、ナット及び貫通孔142を通るボルトによって、或いは他の何らかのハードウェアを介して、トラック装着製品132をデバイス100に固定するために使用される。このように、装着プレート134A、134Bはハードウェアへの容易なアクセスをもたらし、これによって、トラック装着製品132の実装をより容易にする。別の実施例では、貫通孔142はねじ切りされ、これによって、ねじ切りしたボルトをねじ切りした貫通孔142に締結することによって、トラック装着製品132は装着プレート134に固定可能になる。トラック装着製品132を装着プレートに固定する他の方法も同様に可能である。
【0048】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0049】
条項1. フランジと本体を有する細長い部材であって、前記細長い部材は前記細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含み、前記フランジは第1の面と、前記第1の面に背向する第2の面を含み、前記本体は前記フランジの前記第2の面に接続され、前記第2の面から離れるように延在し、前記本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、前記本体の前記第1の面は前記本体の前記第2の面に背向し、前記本体の前記第3の面は前記第1のフランジの前記第1の面に背向し、前記本体の前記第1の面は、前記細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記本体の少なくとも一部から延在する第1の突出リップを含む、細長い部材と、
前記細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記フランジの前記第1の面に連結された第1の整列ボアと、
前記細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記本体の前記第2の面から延在する第1のボスと
を備えるデバイス。
【0050】
条項2. 前記フランジの前記第1の面に連結された第2の整列ボアと、
前記細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記本体の前記第2の面から延在する第2のボスと
を更に備える、条項1に記載のデバイス。
【0051】
条項3. 前記第1の整列ボアは前記細長い部材の前記第1の端部に隣接して配置され、また、前記第2の整列ボアは前記細長い部材の前記第2の端部に隣接して配置される、条項2に記載のデバイス。
【0052】
条項4. 前記第1のボスは前記第2のボスから第1の距離だけ離間され、また、前記第1の整列ボアは前記第2の整列ボアから第2の距離だけ離間されており、前記第1の距離は前記第2の距離に等しい、条項2に記載のデバイス。
【0053】
条項5. 前記第1のボスは前記第1の整列ボアと前記第2のボスとの間に配置され、また、前記第2のボスは前記第1のボスと前記第2の整列ボアとの間に配置される、条項2に記載のデバイス。
【0054】
条項6. 前記第1のボスと前記第2のボスは半円形の形状で、前記半円形の表面は前記本体の前記第2の表面から外に向かって延在する、条項2に記載のデバイス。
【0055】
条項7. 前記第1の整列ボアと前記第2の整列ボアはぞれぞれ軸受筒を含む、条項2に記載のデバイス。
【0056】
条項8. 前記フランジの第1の表面又は前記第1の整列ボアの表面(136)のうちの少なくとも1つから垂直に延在する装着プレートを更に備える、条項1に記載のデバイス。
【0057】
条項9. 前記装着プレートはトラック装着製品に接続可能である、条項8に記載のデバイス。
【0058】
条項10. 前記装着プレートは、
前記フランジの前記第1の表面又は前記第1の整列ボアの前記表面のうちの少なくとも1つから垂直に延在する第1の部分を備える、条項8に記載のデバイス。
【0059】
条項11. 前記装着プレートの前記第1の部分に配置された貫通孔を更に備える、条項10に記載のデバイス。
【0060】
条項12. 前記装着プレートがL字形を有するように、前記第1の部分に垂直に延在する第2の部分を備える、条項10に記載のデバイス。
【0061】
条項13. 前記突出リップは、シートトラックに対するデバイスの垂直運動を制限するため、前記シートトラックの開口部内に配置可能である、条項1に記載のデバイス。
【0062】
条項14. 前記第1のボスは、前記シートトラックに対してデバイスの水平運動を制限するため、前記シートトラックの対応する半円形の切り欠きに係合可能である、条項13に記載のデバイス。
【0063】
条項15. 第1のフランジと第1の本体を有する第1の細長い部材であって、前記第1の細長い部材は前記第1の細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含み、前記第1のフランジは第1の面と、前記第1の面に背向する第2の面を含み、前記第1の本体は前記第1のフランジの前記第2の面に接続され、前記第2の面から離れるように延在し、前記第1の本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、前記第1の本体の第1の面は前記第1の本体の前記第2の面に背向し、前記第1の本体の前記第3の面は前記第1のフランジの前記第1の面に背向し、前記第1の本体の前記第1の面は、前記第1の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第1の本体の少なくとも一部から延在する第1の突出リップを含む、第1の細長い部材と、
前記第1の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第1のフランジの前記第1の面に連結された第1の整列ボアと、
前記第1の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第1のフランジの前記第1の面に連結された第2の整列ボアと、
前記第1の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第1の本体の前記第2の面から延在する第1のボスと、
前記第1の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第1の本体の前記第2の面から延在する第2のボスと
を備える、第1のデバイス、並びに、
第2のフランジと第2の本体を有する第2の細長い部材であって、前記第2の細長い部材は前記第2の細長い部材の長手方向軸に沿って延在する第1の端部と第2の端部を含み、前記第2のフランジは第1の面と、前記第1の面に背向する第2の面を含み、前記第2の本体は前記第2のフランジの前記第2の面に接続され、前記第2の面から離れるように延在し、前記第2の本体は第1の面、第2の面、及び第3の面を含み、前記第2の本体の前記第1の面は前記第2の本体の前記第2の面に背向し、前記第2の本体の前記第3の面は前記第2のフランジの前記第1の面に背向し、前記第2の本体の前記第1の面は、前記第2の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第2の本体の少なくとも一部から延在する第2の突出リップを含む、第2の細長い部材と、
前記第2の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第2のフランジの前記第1の面に連結された第3の整列ボアと、
前記第2の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第2のフランジの前記第1の面に連結された第4の整列ボアと、
前記第2の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第2の本体の前記第2の面から延在する第3のボスと、
前記第2の細長い部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記第2の本体の前記第2の面から延在する第4のボスと
を備える、第2のデバイス
を備えるシステム。
【0064】
条項16. 前記第1のボスと前記第2のボスはそれぞれ、前記第1の本体の前記第2の表面から外に向かって延在する半円形の形状であり、また、前記第3のボスと前記第4のボスはそれぞれ、前記第2の本体の前記第2の表面から外に向かって延在する半円形の形状である、条項15に記載のシステム。
【0065】
条項17. 前記第1のデバイスは更に、前記第1のフランジの前記第1の表面又は前記第1の整合ボアの表面から垂直に延在する第1の装着プレートを備え、また、前記第2のデバイスは更に、前記第2のフランジの前記第1の表面又は前記第3の整合ボアの表面から垂直に延在する第2の装着プレートを備える、条項15に記載のシステム。
【0066】
条項18. 前記第1の装着プレート及び前記第2の装着プレートは、トラック装着製品に接続可能である、条項17に記載のシステム。
【0067】
条項19. 前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスは、互いに鏡像となるように配置される、条項15に記載のシステム。
【0068】
条項20. 前記第1の整合ボア、前記第2の整合ボア、前記第3の整合ボア、及び前記第4の整合ボアの各々は軸受筒を含む、条項15に記載のシステム。
【0069】
条項21. 前記第1の整列ボアを通して配置可能な第1のピンと、
前記第2の整列ボアを通して配置可能な第2のピンと、
前記第3の整列ボアを通して配置可能な第3のピンと、
前記第4の整列ボアを通して配置可能な第4のピンと
を備えるトラック装着製品を更に備える、条項15に記載のシステム。
【0070】
条項22. 前記トラック装着製品は、座席、座席の調度品、収納、クローゼット、客室仕切板、電子部品、トイレ、ギャレー、又はビデオコントロールセンターのうちの少なくとも1つを備える、条項15に記載のシステム。
【0071】
条項23. 第1のシートトラック、及び前記第1のシートトラックに平行に配置された第2のシートトラックを更に備える、条項15に記載のシステム。
【0072】
条項24. 前記第1の突出リップは、前記第1のシートトラックに対する前記第1のデバイスの垂直運動を制限するため、前記第1のシートトラックの第1の開口部内に配置可能であり、前記第1のボス及び前記第2のボスは、前記第1のシートトラックに対する前記第1のデバイスの水平運動を制限するため、前記第1のシートトラックの対応する切り欠きに係合可能であり、前記第2の突出リップは、前記第2のシートトラックに対する前記第2のデバイスの垂直運動を制限するため、前記第2のシートトラックの第2の開口部内に配置可能であり、また、前記第3のボス及び前記第4のボスは、前記第2のシートトラックに対する前記第2のデバイスの水平運動を制限するため、前記第2のシートトラックの対応する切り欠きに係合可能である、条項23に記載のシステム。
【0073】
条項25. 第1のトラックの開口部に第1のデバイスを配置することであって、前記第1のトラックは、前記第1のデバイスの細長い部材の本体の突出リップを受容するオーバーハング部分を含み、これによって、前記第1のトラックに対する前記第1のデバイスの垂直運動を防止する、配置することと、
前記第1のトラックに対する前記第1のデバイスの水平運動を防止するため、前記第1のデバイスの第1のボス及び第2のボスが、前記第1のトラックの対応する切り欠きに配置されるまで、前記第1のトラックに対して前記第1のデバイスを回転することと、
前記第2のトラックに対する前記第2のデバイスの垂直運動を防止するため、前記第2のデバイスの細長い部材の本体の突出リップを受容するオーバーハング部分を含む第2のトラックの開口部に第2のデバイスを配置することと、
前記第2のトラックに対する前記第2のデバイスの水平運動を防止するため、前記第2のデバイスの第1のボス及び第2のボスが前記第2のトラックの対応する切り欠きに配置されるまで、前記第2のトラックに対して前記第2のデバイスを回転することと、
前記第1のデバイスの第1の整列ボアを通して、トラック装着製品の第1のピンを配置することと、
前記第1のデバイスの第2の整列ボアを通して、前記トラック装着製品の第2のピンを配置することと、
前記第2のデバイスの第1の整列ボアを通して、前記トラック装着製品の第3のピンを配置することと、
前記第2のデバイスの第2の整列ボアを通して、前記トラック装着製品の第4のピンを配置することと、
を含む方法。
【0074】
条項26. 前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスは互いに鏡像であり、また、前記方法は、前記第1のトラックに対して第1の方向に前記第1のデバイスを回転すること、並びに、前記第2のトラックに対して背向する方向に前記第2のデバイスを回転することを含む、条項25に記載の方法。
【0075】
条項27. 前記第1及び第2のデバイスがそれぞれのトラックに配置されるとき、前記第1のデバイスの前記第1の整列ボアの前記長手方向軸を、前記第2のデバイスの前記第1の整列ボアの前記長手方向軸に揃えることと、
前記第1及び第2のデバイスがそれぞれのトラックに配置されるとき、前記第1のデバイスの前記第2の整列ボアの前記長手方向軸を、前記第2のデバイスの前記第2の整列ボアの前記長手方向軸に揃えることと
を更に備える、条項25に記載の方法。
【0076】
条項28. 前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスは更に、前記細長い部材のフランジの第1の表面、又は前記第1の整列ボアの表面から垂直に延在する装着プレートを備え、前記方法は更に、前記トラック装着製品を前記装着プレートに固定することを含む、条項25に記載の方法。
【0077】
種々の有利な構成の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、または開示された形態の実施例に限定されることを意図するものではない。当業者には、多くの修正形態及び変形形態が自明であろう。更に、種々の有利な実施例は、他の有利な実施例と比べて異なる利点を提供しうる。選択された一又は複数の実施例は、それらの実施例の原理と実践的応用を最もよく解説するため、及び、他の当業者が様々な例の開示内容と共に想定される特定の用途に適した様々な修正例について理解することを可能にするために、選ばれ、説明されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9