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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】熱媒加熱システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20220101AFI20221209BHJP
   F24H 15/219 20220101ALI20221209BHJP
   F24H 15/325 20220101ALI20221209BHJP
【FI】
F24D3/00 K
F24D3/00 M
F24H15/219
F24H15/325
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018127732
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2019020110
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】P 2017139040
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】早川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】山木 理生
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-020774(JP,A)
【文献】特開2016-114294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00- 3/18
F24H 15/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱消費端末に供給する熱消費用熱媒を加熱する熱媒加熱システムであって、
予め定められた或る目標温度で前記熱消費端末に供給される前記熱消費用熱媒が循環する熱消費用熱媒循環路と、
前記熱消費用熱媒循環路の途中で、前記熱消費端末で熱が利用された後の前記熱消費用熱媒を加熱可能な第1加熱機器と、
前記熱消費用熱媒循環路の途中の前記第1加熱機器よりも前記熱消費端末に近い下流側で、前記熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱機器とを備え、
前記第1加熱機器は、熱を発生する第1熱源部、及び、当該第1熱源部から供給される熱により昇温された第1熱媒と前記熱消費用熱媒循環路を通って前記熱消費端末から流れてきた前記熱消費用熱媒との熱交換を行う第1加熱部と、前記熱消費用熱媒循環路を通って前記熱消費端末から流れてきた前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を迂回して前記第2加熱機器へ流すことのできるバイパス流路と、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節できる流量調節機構と、前記第1加熱部を経由して流れた前記熱消費用熱媒と前記バイパス流路を経由して流れた前記熱消費用熱媒との合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度を測定する第2温度測定手段とを有し、前記第1加熱部に供給する前記第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で前記或る目標温度以上に調節し、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを前記流量調節機構によって調節し、
前記第2加熱機器は、供給される前記熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱部と、前記第2加熱部よりも下流側で前記熱消費用熱媒の温度を測定する第1温度測定手段とを有し、前記熱消費端末が運転されているとき、前記第1温度測定手段で測定される前記熱消費用熱媒の温度が前記或る目標温度になるように加熱作動する熱媒加熱システム。
【請求項2】
前記第1加熱機器は、予め定められた前記或る目標温度よりも低い別の目標温度の前記熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季であるか否かを、外気温との相関を有する温度情報を取得する外気温相関情報取得手段にて取得された前記温度情報、又は暦上の現在の月日に基づいて判定する時季判定手段を有し、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段によって、前記別の目標温度の前記熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定されている間、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に調節する請求項1に記載の熱媒加熱システム。
【請求項3】
前記熱消費用熱媒循環路は、前記或る目標温度が相対的に低い熱消費端末及び前記或る目標温度が相対的に高い熱消費端末の双方に、前記熱消費用熱媒を供給可能に構成され、
前記第1加熱機器は、予め定められた前記或る目標温度が相対的に低い熱消費端末での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定する時季判定手段を有し、
前記第1加熱機器が、前記第1加熱部に供給する前記第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で相対的に高い前記或る目標温度以上に調節すると共に、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段によって、低温時季であると判定されている間、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が相対的に低い前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節し、前記時季判定手段によって、低温時季ではないと判定されている間、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が相対的に高い前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節する請求項1に記載の熱媒加熱システム。
【請求項4】
前記第1加熱機器は、ユーザーが、前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を経由して流す状態、又は、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に切り替えるかを入力可能なバイパス切替入力手段を有し、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段の判定結果よりも、前記バイパス切替入力手段により行われたユーザー入力を優先して、前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を経由して流す状態、又は、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に切り替わる請求項2又は3に記載の熱媒加熱システム。
【請求項5】
前記第1加熱機器は、コージェネレーション装置及びヒートポンプ装置及び太陽熱温水装置の少なくとも一つ以上を備えて構成されており、
前記第2加熱機器は、燃焼式給湯暖房機及び電気ヒータの少なくとも一つ以上を備えて構成されており、
前記熱消費端末は、床暖房装置及び浴室暖房乾燥機及びデシカント空調機の少なくとも一つ以上を備えて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載の熱媒加熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱消費端末に供給する熱消費用熱媒を加熱する熱媒加熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2016-205798号公報)には、二つの加熱機器によって湯を加熱して、その湯を給湯で利用させる熱媒加熱システムが記載されている。この熱媒加熱システムは給湯栓(69)に湯を供給するためのシステムであり、熱源となる燃料電池を有する第1加熱機器(発電ユニット)で加熱した湯を、更に第2加熱機器(給湯器(Wh))で加熱する構成になっている。具体的には、第1加熱機器から第2加熱機器へと供給される湯は30℃程度であり、第2加熱機器でその30℃程度の湯を更に加熱して給湯栓(69)に供給する。このように、第1加熱機器は、第2加熱機器へと供給する湯を予め比較的低温の湯に調節しているので、第1加熱機器と第2加熱機器との間で例えば湯の温度情報などをやり取りしなくても構わない。第1加熱機器が上述のような動作を行うことで、例えば、第2加熱機器(給湯器(Wh))が既に設置されている場所に後から第1加熱機器を追加で設置するとしても、第2加熱機器は第1加熱機器が設置される前と同じ動作を行っていればよい。
【0003】
特許文献2(特開2006-349301号公報)には、暖房器具(4)などの熱消費端末に供給する熱媒を加熱する熱媒加熱システムが記載されている。具体的には、特許文献2のシステムにおいて、熱消費端末としての暖房器具(4)に供給される熱媒は2つの加熱機器、即ち、燃料電池ユニット(1)から回収した熱が供給される第2の熱交換器(Hx2)と、バーナー(31)で発生した熱が供給される熱交換器(34)とで加熱される。但し、特許文献2のシステムは、燃料電池ユニット(1)及び第2の熱交換器(Hx2)及びバーナー(31)及び熱交換器(34)などが一体化されたシステムであり、その一部を後から追加で設置するようなシステムではない。
【0004】
特許文献3(特開2012-107793号公報)の段落0067には、熱消費端末(暖房負荷)に対して供給する熱媒を二つの加熱機器で加熱する熱媒加熱システムが記載されている。つまり、特許文献3の熱媒加熱システムは、熱消費端末(暖房負荷)に供給される熱消費用熱媒が循環する熱消費用熱媒循環路(循環路15)と、熱消費用熱媒循環路の途中で、熱消費端末で熱が利用された後の熱消費用熱媒を加熱可能な第1加熱機器(暖房負荷熱交換器14)と、熱消費用熱媒循環路の途中の第1加熱機器よりも熱消費端末に近い下流側で、熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱機器(ガス給湯暖房機6)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-205798号公報
【文献】特開2006-349301号公報
【文献】特開2012-107793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3には、熱消費端末(暖房負荷)に対して供給する熱媒を二つの加熱機器で加熱することは記載されているものの、具体的に、熱消費端末に熱を供給するために循環している熱媒の温度を、第1加熱機器と第2加熱機器とを用いてどのように調節するのかは記載されていない。
特に、第1加熱機器と第2加熱機器とが情報通信を行うことができない構成の場合、第1加熱機器での熱媒の加熱制御と、第2加熱機器での熱媒の加熱制御との調和が図られていなければならないが、特許文献3に記載のシステムでは、第1加熱機器と第2加熱機器とを用いて、熱消費端末に供給する熱媒の温度をどのように調節すればよいのかが不明である。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1加熱機器及び第2加熱機器が互いにどのような熱媒の加熱制御を行っているのかを知ることができなくても、熱消費端末に対して適切な温度の熱媒を供給できる熱媒加熱システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る熱媒加熱システム特徴構成は、熱消費端末に供給する熱消費用熱媒を加熱する熱媒加熱システムであって、
予め定められた或る目標温度で前記熱消費端末に供給される前記熱消費用熱媒が循環する熱消費用熱媒循環路と、
前記熱消費用熱媒循環路の途中で、前記熱消費端末で熱が利用された後の前記熱消費用熱媒を加熱可能な第1加熱機器と、
前記熱消費用熱媒循環路の途中の前記第1加熱機器よりも前記熱消費端末に近い下流側で、前記熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱機器とを備え、
前記第1加熱機器は、熱を発生する第1熱源部、及び、当該第1熱源部から供給される熱により昇温された第1熱媒と前記熱消費用熱媒循環路を通って前記熱消費端末から流れてきた前記熱消費用熱媒との熱交換を行う第1加熱部と、前記熱消費用熱媒循環路を通って前記熱消費端末から流れてきた前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を迂回して前記第2加熱機器へ流すことのできるバイパス流路と、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節できる流量調節機構と、前記第1加熱部を経由して流れた前記熱消費用熱媒と前記バイパス流路を経由して流れた前記熱消費用熱媒との合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度を測定する第2温度測定手段とを有し、前記第1加熱部に供給する前記第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で前記或る目標温度以上に調節し、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを前記流量調節機構によって調節し、
前記第2加熱機器は、供給される前記熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱部と、前記第2加熱部よりも下流側で前記熱消費用熱媒の温度を測定する第1温度測定手段とを有し、前記熱消費端末が運転されているとき、前記第1温度測定手段で測定される前記熱消費用熱媒の温度が前記或る目標温度になるように加熱作動する点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、第2加熱機器は、供給される熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱部よりも下流側で熱消費用熱媒の温度を測定する第1温度測定手段を有する。そして、第2加熱機器は、第1温度測定手段が測定する加熱後の熱消費用熱媒の温度がその目標温度になるように加熱作動する。つまり、第2加熱機器は、熱消費用熱媒を第2加熱部で加熱する必要があるか否かを自身で判断して、熱消費端末に対して目標温度の熱消費用熱媒が供給されるように動作できる。
【0010】
加えて、第1加熱機器では、第1加熱部において、第1熱源部から供給される熱により、調節可能な範囲で目標温度以上に調節された第1熱媒と熱消費用熱媒循環路を通って熱消費端末から流れてきた熱消費用熱媒との熱交換が行われる。
以下ではまず、第1熱媒を目標温度以上に調節可能である場合について説明する。この場合、第1加熱部において、熱消費用熱媒は目標温度以上の第1熱媒と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に近い温度又は目標温度以上になる。
更に、第1加熱機器は、熱消費用熱媒を第1加熱部を迂回して流すことのできるバイパス流路を有しているため、第1加熱部を経由して流れた熱消費用熱媒については目標温度に近い温度又は目標温度以上にすることができ、バイパス流路を流れた熱消費用熱媒については第1加熱部による加熱が行われないようにできる。そして、流量調節機構によって、第2温度測定手段で測定される合流部の下流側での熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように、第1加熱部を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とが調節される。その結果、調節された温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器から第2加熱機器へと熱消費用熱媒循環路を通って供給され、上述したように第2加熱機器において必要に応じて熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
次に、第1熱媒を目標温度以上に調節可能でない場合について説明する。この場合、第1加熱部において、熱消費用熱媒は目標温度に達しない第1熱媒と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に達しない。流量調節機構によって、熱消費用熱媒は全て第1加熱部を経由して流れるが、第2温度測定手段で測定される合流部の下流側での熱消費用熱媒の温度も目標温度に達しない。その結果、目標温度に達しない温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器から第2加熱機器へと熱消費用熱媒循環路を通って供給され、上述したように第2加熱機器において目標温度まで熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
また、第1加熱機器は、コージェネレーション装置、ヒートポンプ装置、太陽熱温水装置の少なくとも一つ以上を備えた構成にすることができ、第2加熱機器は、燃焼式給湯暖房機、電気ヒータの少なくとも一つ以上を備えた構成にすることができ、熱消費端末は、床暖房装置、浴室暖房乾燥機、デシカント空調機の少なくとも一つ以上を備えた構成にすることができる。
従って、第1加熱機器及び第2加熱機器が互いにどのような熱媒の加熱制御を行っているのかを知ることができなくても、熱消費端末に対して適切な温度の熱媒を供給できる熱媒加熱システムを提供できる。よって、例えば、第2加熱機器と熱消費端末とが既に設置されている場所に、第2加熱機器と情報のやり取りを行うことができない第1加熱機器を追加で設置することになっても、熱消費端末に対して適切な温度の熱媒を供給できる。
【0011】
本発明に係る熱媒加熱システムの別の特徴構成は、前記第1加熱機器は、予め定められた前記或る目標温度よりも低い別の目標温度の前記熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季であるか否かを、外気温との相関を有する温度情報を取得する外気温相関情報取得手段にて取得された前記温度情報、又は暦上の現在の月日に基づいて判定する時季判定手段を有し、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段によって、前記別の目標温度の前記熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定されている間、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に調節する点にある。
【0012】
一年の中には、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季と小さくなる時季とが存在する。例えば、熱消費端末には、上述のように床暖房装置や浴室暖房乾燥機やデシカント空調機などがあり、その内、冬季に暖房目的で運転される床暖房装置については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に低く(例えば40℃等)設定され、ほぼ一年を通して運転される浴室暖房乾燥機やデシカント空調機については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に高く(例えば80℃等)設定されている。
そこで本特徴構成では、流量調節機構が、時季判定手段によって、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季(例えば冬季など)ではないと判定されている間、熱消費用熱媒を全てバイパス流路を経由して流す状態に調節する。つまり、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末で大きな熱量が必要とされていない時季には、熱消費端末に供給する熱消費用熱媒の加熱は、第2加熱機器の第2加熱部のみによって行われる。
更に、上記特徴構成によれば、時季判定手段は、暦上の現在の月日に基づいて、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季であるのか、或いは、その熱消費端末での熱消費量が小さくなる時季であるのかを適切に判定できる。
また、時季判定手段は、暦上の現在の月日に基づいて、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを適切に判定できる。
更に、上記特徴構成によれば、時季判定手段は、温度情報に基づいて、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末での熱消費量が大きくなる時季であるのか、或いは、その熱消費端末での熱消費量が小さくなる時季であるのかを適切に判定できる。
また、時季判定手段は、温度情報に基づいて、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを適切に判定できる。
【0013】
本発明に係る熱媒加熱システムの更に別の特徴構成は、前記熱消費用熱媒循環路は、前記或る目標温度が相対的に低い熱消費端末及び前記或る目標温度が相対的に高い熱消費端末の双方に、前記熱消費用熱媒を供給可能に構成され、
前記第1加熱機器は、予め定められた前記或る目標温度が相対的に低い熱消費端末での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定する時季判定手段を有し、
前記第1加熱機器が、前記第1加熱部に供給する前記第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で相対的に高い前記或る目標温度以上に調節すると共に、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段によって、低温時季であると判定されている間、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が相対的に低い前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節し、前記時季判定手段によって、低温時季ではないと判定されている間、前記第2温度測定手段で測定される前記合流部の下流側での前記熱消費用熱媒の温度が相対的に高い前記或る目標温度になるように、前記第1加熱部を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量と前記バイパス流路を経由して流れる前記熱消費用熱媒の流量とを調節する点にある。
【0014】
一年の中には、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末での熱消費量が発生する低温時季が存在する。例えば、熱消費端末には、上述のように床暖房装置や浴室暖房乾燥機やデシカント空調機などがあり、その内、冬季に暖房目的で運転される床暖房装置については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に低く(例えば40℃等)設定され、ほぼ一年を通して運転される浴室暖房乾燥機やデシカント空調機については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に高く(例えば80℃等)設定されている。
そこで本特徴構成では、流量調節機構が、時季判定手段によって、低温時季であると判定されている間、第2温度測定手段で測定される合流部の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に低い或る目標温度になるように、第1加熱部を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節し、時季判定手段によって、低温時季ではないと判定されている間、第2温度測定手段で測定される合流部の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に高い或る目標温度になるように、第1加熱部を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節する。つまり、低温時季であると判定されている間、相対的に高い目標温度以上に調節された第1熱媒により、熱消費用熱媒を相対的に高い目標温度まで加熱(過加熱)することを防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る熱媒加熱システムの更に別の特徴構成は、前記第1加熱機器は、ユーザーが、前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を経由して流す状態、又は、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に切り替えるかを入力可能なバイパス切替入力手段を有し、
前記流量調節機構は、前記時季判定手段の判定結果よりも、前記バイパス切替入力手段により行われたユーザー入力を優先して、前記熱消費用熱媒を前記第1加熱部を経由して流す状態、又は、前記熱消費用熱媒を全て前記バイパス流路を経由して流す状態に切り替わる点にある。
【0016】
例えば、熱消費端末が、浴室暖房乾燥機(浴室そのものや衣類などを乾燥させる運転モード)やデシカント空調機である場合、時季に関わらずその熱消費量は大きくなる。そのため、夏季であっても、第1加熱機器の第1加熱部及び第2加熱機器の第2加熱部の両方で熱消費用熱媒を加熱することが好ましい場合が存在する。
そこで本特徴構成では、第1加熱機器は、ユーザーが、熱消費用熱媒を第1加熱部を経由して流す状態、又は、熱消費用熱媒を全てバイパス流路を経由して流す状態に切り替えるかを入力可能なバイパス切替入力手段を有する。そして、流量調節機構は、時季判定手段の判定結果よりも、バイパス切替入力手段により行われたユーザー入力を優先して、熱消費用熱媒を第1加熱部を経由して流す状態、又は、熱消費用熱媒を全てバイパス流路を経由して流す状態に切り替わる。その結果、熱消費用端末に供給する熱消費用熱媒の加熱を、第1加熱機器の第1加熱部及び第2加熱機器の第2加熱部の両方で行うことができる状態と、第2加熱機器の第2加熱部のみで行うことができる状態とを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1参考形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
図2第1実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
図3第2及び第3実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
図4第4実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
図5第5実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0022】
参考形態>
以下に図面を参照して参考形態に係る熱媒加熱システムについて説明する。
図1は、参考形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。図示するように、熱媒加熱システムは、熱消費端末10に供給する熱消費用熱媒を加熱するシステムであり、予め定められた或る目標温度で熱消費端末10に供給される熱消費用熱媒が循環する熱消費用熱媒循環路L1と、熱消費用熱媒循環路L1の途中で、熱消費端末10で熱が利用された後の熱消費用熱媒を加熱可能な第1加熱機器20と、熱消費用熱媒循環路L1の途中の第1加熱機器20よりも熱消費端末10に近い下流側で、熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱機器40とを備える。
【0023】
熱消費端末10は、熱消費用熱媒が保有する熱を利用する装置であり、床暖房装置、浴室暖房乾燥機、デシカント空調機の少なくとも一つ以上を備えて構成されている。床暖房装置は、熱消費用熱媒から放熱される熱によって床などの資材を暖める装置である。浴室暖房乾燥機は、熱消費用熱媒から放出される熱によって浴室内の空気を暖めることで、浴室内の暖房や乾燥を行う装置である。デシカント空調機は、デシカント素子を用いて空調対象空間の除湿や加湿を行う装置であり、デシカント素子に供給する空気の加熱を行うときに熱消費用熱媒から放出される熱が利用される。例えば、熱消費用熱媒から放出される熱によって加熱した空気を用いてデシカント素子からの水分の脱離を行わせることで、乾燥したデシカント素子と、脱離した水分を含んだ空気が得られる。そして、乾燥したデシカント素子を用いて、空調対象空間に供給する空気中の水分を吸着させることで、空調対象空間の除湿を行うことができる。或いは、脱離した水分を含んだ空気を空調対象空間に供給することで、空調対象空間の加湿を行うことができる。
【0024】
第1加熱機器20は、熱を発生する第1熱源部Hと、第1熱源部Hから供給される熱により昇温された第1熱媒と熱消費用熱媒循環路L1を通って熱消費端末10から流れてきた熱消費用熱媒との熱交換を行う第1加熱部21とを有する。加えて、第1加熱機器20は、それ自身の動作を制御する第1制御部C1を有する。本参考形態では、第1加熱機器20には、熱消費用熱媒循環路L1に接続される熱消費用熱媒第1流路L2が設けられる。この熱消費用熱媒第1流路L2は、熱消費用熱媒循環路L1を経由して第1加熱機器20の流入部33に供給された熱消費用熱媒が、流出部34から熱消費用熱媒循環路L1に流出するまでの間に流れる流路である。
【0025】
第1加熱機器20は、コージェネレーション装置及びヒートポンプ装置及び太陽熱温水装置の少なくとも一つ以上を備えて構成される。本参考形態の場合、第1加熱機器20の第1熱源部Hが、コージェネレーション装置及びヒートポンプ装置及び太陽熱温水装置の少なくとも一つ以上を備えて構成される。例えば、コージェネレーション装置は、熱と電気とを併せて発生させる装置である。例えば、コージェネレーション装置は、燃料電池を備えて構成され、その燃料電池で発生される電気と熱とを利用するタイプの装置や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備えて構成され、その発電機から出力される発電電力とエンジンから排出される熱とを利用するタイプの装置などである。
【0026】
第2加熱機器40は、熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱部41と、第2加熱部41よりも下流側で熱消費用熱媒の温度を測定する第1温度測定手段としての温度センサT1とを有する。加えて、第2加熱機器40は、それ自身の動作を制御する第2制御部C2を有する。温度センサT1の測定結果は第2制御部C2に伝達される。
【0027】
参考形態では、第2加熱機器40には、熱消費用熱媒循環路L1に接続される熱消費用熱媒第2流路L3が設けられる。この熱消費用熱媒第2流路L3は、熱消費用熱媒循環路L1を経由して第2加熱機器40の流入部42に供給された熱消費用熱媒が、第2加熱部41を経由して流出部43から熱消費用熱媒循環路L1に流出するまでの間に流れる流路である。また、熱消費用熱媒第2流路L3の途中にはポンプP3が設けられており、このポンプP3により熱消費用熱媒循環路L1及び熱消費用熱媒第1流路L2及び熱消費用熱媒第2流路L3での熱消費用熱媒の流動が行われる。ポンプP3の動作は第2制御部C2が制御する。
【0028】
第2加熱機器40は、燃焼式給湯暖房機及び電気ヒータの少なくとも一つ以上を備えて構成される。燃焼式給湯暖房機は、ガスなどの燃料を燃焼した際に発生する熱を、湯や熱媒の加熱に利用させる装置である。電気ヒータは、通電により発生するジュール熱を、湯や熱媒の加熱に利用させる装置である。本参考形態の場合、第2加熱機器40の第2加熱部が、燃焼式給湯暖房機及び電気ヒータなどで得られる熱により熱消費用熱媒を加熱可能に構成されている。
【0029】
参考形態では、第1加熱機器20は、第1加熱部21に供給する第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で目標温度に調節する。具体的には、第1加熱機器20の第1制御部C1は、温度センサT4で測定される湯水の温度、即ち、第1加熱部21に供給する湯水(第1熱媒)の温度が、調節可能な範囲で目標温度になるようにポンプP2の動作を制御する。
以下ではまず、湯水(第1熱媒)を目標温度に調節可能である場合について説明する。
この場合、第1加熱機器20は、第1熱媒としての湯水が第1熱源部Hと第1加熱部21との間で循環する湯水循環路25(第1熱媒循環路)と、湯水循環路25で湯水を循環させる循環手段としてのポンプP2を有し、第1加熱部21に供給する湯水(第1熱媒)の温度が目標温度になるようにポンプP2の動作を制御するように構成されている。この目標温度は、第2加熱機器40から熱消費端末10に熱消費用熱媒を供給するときに目標とする温度である。例えば、目標温度は、熱消費端末10毎に設定されており、床暖房装置であれば例えば40℃、浴室暖房乾燥機であれば80℃、デシカント空調機であれば80℃といった値に予め定められている。そして、例えば第1加熱機器20の設置時に、設置者などが第1加熱機器20に搭載されているメモリ(図示せず)などにこの目標温度についての情報を予め記憶させておけば、第1制御部C1はその情報を読み出して利用できる。
【0030】
第1加熱部21では、湯水循環路25を流れる湯水(第1熱媒)と熱消費用熱媒第1流路L2を流れる熱消費用熱媒とが熱交換する。その結果、湯水によって熱消費用熱媒の昇温が行われる。そして、第1加熱部21で昇温された熱消費用熱媒は、流出部34から熱消費用熱媒循環路L1に供給されて、その後、第2加熱機器40へと至る。
【0031】
第2加熱機器40は、熱消費端末10が運転されているとき、温度センサT1で測定される熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように加熱作動する。例えば、リモコン装置(図示せず)などによって熱消費端末10の運転開始が指令されると、その指令は第2加熱機器40の第2制御部C2に伝達される。そして、第2制御部C2は第2加熱機器40が有するポンプP3を動作させて熱消費用熱媒の流動を開始させる。加えて、上述したのと同様に、第2加熱機器40に搭載されているメモリ(図示せず)などにもこの目標温度についての情報が予め記憶されており、第2制御部C2はその情報を読み出して利用する。
従って、第2制御部C2は、運転開始が指令された各熱消費端末10に応じた目標温度を設定できる。そして、本参考形態では、第2制御部C2は、熱消費端末10が運転されているとき、温度センサT1で測定される熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように第2加熱部41を加熱作動させる。
尚、図示は省略するが、予め定められた或る目標温度が相対的に高い熱消費端末10に熱消費用熱媒を供給する熱消費用熱媒の流出部43と、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末10に熱消費用熱媒を供給する熱消費用熱媒の流出部43は、2つに分かれており、前者の流出部43には第2加熱部41で加熱した熱消費用熱媒をそのまま供給し、後者の流出部43には第2加熱部41の加熱後と加熱前の熱消費用熱媒を混合して供給することにより、2つの目標温度に同時に対応することができる。具体的には、例えば、相対的に高い或る目標温度の熱消費端末10へは、熱消費用熱媒が、ポンプP3、熱消費用熱媒第2流路L3、第2加熱部41、熱消費用熱媒第2流路L3、温度センサT1、一方側の流出部43、熱消費用熱媒循環路L1の順に供給されるように構成されている。また、相対的に低い或る目標温度の熱消費端末10へは、熱消費用熱媒が、ポンプP3、熱消費用熱媒第2流路L3、第2加熱部41、熱消費用熱媒第2流路L3、温度センサT1、他方側の流出部43、熱消費用熱媒循環路L1の順に供給されるが、ポンプP3を通過して熱消費用熱媒第2流路L3を通流する熱消費用熱媒の一部は加熱部41を介して温度センサT1側へ供給され、当該熱消費用熱媒の他部は加熱部41を介さずに温度センサT1側へ供給されるように構成されている。これにより、熱消費端末10が、相対的に低い或る目標温度の熱消費端末10及び相対的に高い或る目標温度の熱消費端末10を備えている場合でも、熱消費用熱媒を第2加熱機器40において各熱消費端末10に応じた目標温度に適切に加熱した状態で供給することができる。
【0032】
以上のように、第2加熱機器40は、第1温度測定手段としての温度センサT1が測定する加熱後の熱消費用熱媒の温度がその目標温度になるように加熱作動する。つまり、第2加熱機器40は、熱消費用熱媒を第2加熱部41で加熱する必要があるか否かを自身で判断して、熱消費端末10に対して目標温度の熱消費用熱媒が供給されるように動作できる。
加えて、第1加熱機器20では、第1加熱部21において、第1熱源部Hから供給される熱により目標温度に調節された湯水(第1熱媒)と熱消費用熱媒循環路L1を通って熱消費端末10から流れてきた熱消費用熱媒との熱交換が行われる。つまり、第1加熱部21において、熱消費用熱媒は目標温度の湯水と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に近い温度になる。その結果、目標温度に近い温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器20から第2加熱機器40へと熱消費用熱媒循環路L1を通って供給され、上述したように第2加熱機器40において必要に応じて熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
次に、湯水(第1熱媒)を目標温度に調節可能でない場合について説明する。調節可能でない場合とは、例えば、目標温度が80℃であっても、第1熱源部Hの温度やポンプP2の出力下限などが制約となって、第1加熱部21に供給する湯水(第1熱媒)の温度を80℃まで上昇させられない場合のことである。この場合、第1加熱部21において、熱消費用熱媒は目標温度に達しない湯水(第1熱媒)と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に達しない温度になる。その結果、目標温度に達しない温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器20から第2加熱機器40へと熱消費用熱媒循環路L1を通って供給され、上述したように第2加熱機器40において目標温度まで熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
従って、第1加熱機器20及び第2加熱機器40が互いにどのような熱媒の加熱制御を行っているのかを知ることができなくても、熱消費端末10に対して適切な温度の熱媒を供給できる。また、例えば、第2加熱機器40と熱消費端末10とが既に設置されている場所に、第2加熱機器40と情報のやり取りを行うことができない第1加熱機器20を追加で設置することになっても、熱消費端末10に対して適切な温度の熱媒を供給できる。
【0033】
<第実施形態>
実施形態の熱媒加熱システムは、熱消費端末10に供給する熱消費用熱媒の温度の制御手法が上記参考形態と異なっている。以下に第実施形態の熱媒加熱システムについて説明するが上記参考形態と同様の構成については説明を省略する。
【0034】
は、第実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
本実施形態において、第1加熱機器20は、熱を発生する第1熱源部H、及び、第1熱源部Hから供給される熱により昇温された湯水(第1熱媒)と熱消費用熱媒循環路L1を通って熱消費端末10から流れてきた熱消費用熱媒との熱交換を行う第1加熱部21と、熱消費用熱媒循環路L1を通って熱消費端末10から流れてきた熱消費用熱媒を第1加熱部21を迂回して第2加熱機器40へ流すことのできるバイパス流路35と、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節できる流量調節機構36と、第1加熱部21を経由して流れた熱消費用熱媒とバイパス流路35を経由して流れた熱消費用熱媒との合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度を測定する第2温度測定手段としての温度センサT2とを有する。温度センサT2の測定結果は第1制御部C1に伝達される。
【0035】
本実施形態では、流量調節機構36は、第1加熱部21を経由して流れた熱消費用熱媒とバイパス流路35を経由して流れた熱消費用熱媒との合流部30に設けられた混合弁などを用いて構成される。
【0036】
そして、第1加熱機器20は、第1加熱部21に供給する第1熱媒の温度を、調節可能な範囲で目標温度以上に調節する。具体的には、第1加熱機器20の第1制御部C1は、ポンプP2の動作を制御して、温度センサT4で測定される湯水の温度、即ち、第1加熱部21に供給する湯水(第1熱媒)の温度を、調節可能な範囲で目標温度以上に調節する。
以下ではまず、湯水(第1熱媒)を目標温度以上に調節可能である場合について説明する。この場合、例えば、目標温度が40℃である場合、第1制御部C1は、ポンプP2の動作を制御して、温度センサT4で測定される湯水の温度を70℃などに調節してもよい。加えて、第1制御部C1は、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを流量調節機構36によって調節する。例えば、第1制御部C1は、温度センサT2の測定結果を継続的に取得して監視し、温度センサT2で測定される温度が目標温度になるように、流量調節機構36の動作を制御して、第1加熱部21を経由して流れた相対的に高温の熱消費用熱媒の量とバイパス流路35を経由して流れた相対的に低温の熱消費用熱媒の量とを調節する。
【0037】
第2加熱機器40は、参考形態と同様に、熱消費端末10が運転されているとき、温度センサT1で測定される熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように加熱作動する。
【0038】
以上のように、第2加熱機器40は、供給される熱消費用熱媒を加熱可能な第2加熱部41よりも下流側で熱消費用熱媒の温度を測定する第1温度測定手段としての温度センサT1を有する。そして、第2加熱機器40は、温度センサT1が測定する加熱後の熱消費用熱媒の温度がその目標温度になるように加熱作動する。つまり、第2加熱機器40は、熱消費用熱媒を第2加熱部41で加熱する必要があるか否かを自身で判断して、熱消費端末10に対して目標温度の熱消費用熱媒が供給されるように動作できる。
【0039】
加えて、第1加熱機器20では、第1加熱部21において、第1熱源部Hから供給される熱により目標温度以上に調節された湯水(第1熱媒)と熱消費用熱媒循環路L1を通って熱消費端末10から流れてきた熱消費用熱媒との熱交換が行われる。つまり、第1加熱部21において、熱消費用熱媒は目標温度以上の湯水と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に近い温度又は目標温度以上になる。
更に、第1加熱機器20は、熱消費用熱媒を第1加熱部21を迂回して流すことのできるバイパス流路35を有しているため、第1加熱部21を経由して流れた熱消費用熱媒については目標温度に近い温度又は目標温度以上にすることができ、バイパス流路35を流れた熱消費用熱媒については第1加熱部21による加熱が行われないようにできる。そして、流量調節機構36によって、第2温度測定手段としての温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とが調節される。その結果、調節された温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器20から第2加熱機器40へと熱消費用熱媒循環路L1を通って供給され、上述したように第2加熱機器40において必要に応じて熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
次に、湯水(第1熱媒)を目標温度以上に調節可能でない場合について説明する。調節可能でない場合とは、例えば、目標温度が80℃であっても、第1熱源部Hの温度やポンプP2の出力下限などが制約となって、第1加熱部21に供給する湯水(第1熱媒)の温度を80℃まで上昇させられない場合のことである。この場合、第1加熱部21において、熱消費用熱媒は目標温度に達しない湯水(第1熱媒)と熱交換するので、その熱交換後の熱消費用熱媒の温度は目標温度に達しない。流量調節機構36によって、熱消費用熱媒は全て第1加熱部21を経由して流れるが、第2温度測定手段としての温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度も目標温度に達しない。その結果、目標温度に達しない温度の熱消費用熱媒が、第1加熱機器20から第2加熱機器40へと熱消費用熱媒循環路L1を通って供給され、上述したように第2加熱機器40において目標温度まで熱消費用熱媒の加熱が行われるようになる。
従って、第1加熱機器20及び第2加熱機器40が互いにどのような熱媒の加熱制御を行っているのかを知ることができなくても、熱消費端末10に対して適切な温度の熱媒を供給できる。
【0040】
<第実施形態>
実施形態の熱媒加熱システムは、流量調節機構36の動作が上記第実施形態と異なっている。以下に第実施形態の熱媒加熱システムについて説明するが上記参考形態及び第実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0041】
は、第実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
一年の中には、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季と小さくなる時季とが存在する。例えば、熱消費端末10には、上述のように床暖房装置や浴室暖房乾燥機やデシカント空調機などがある。その内、冬季に暖房目的で運転される床暖房装置については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に低く(例えば40℃等)設定されている。それに対して、ほぼ一年を通して運転される浴室暖房乾燥機やデシカント空調機については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に高く(例えば80℃等)設定されている。
【0042】
そこで、本実施形態では、第1加熱機器20は、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であるか否かを判定する時季判定手段38を有する。具体的には、時季判定手段38は、暦上の現在の月日に基づいて、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であるか否かを判定する。例えば、時季判定手段38は、暦上の現在の月日が1月~4月及び10月~12月であれば、上記床暖房装置などの熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であると判定し、暦上の現在の月日が5月~9月であれば、上記床暖房装置などの熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定する。
【0043】
そして、時季判定手段38の判定結果は第1制御部C1に伝達され、第1制御部C1は、流量調節機構36が、時季判定手段38によって、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定されている間、熱消費用熱媒を全てバイパス流路35を経由して流す状態に調節するように動作させる。つまり、その時季には、熱消費端末10に供給する熱消費用熱媒の加熱は、第2加熱機器40の第2加熱部41のみによって行われる。
それに対して、第1制御部C1は、時季判定手段38によって、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であると判定されている間、上記第実施形態と同様の制御、即ち、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを流量調節機構36によって調節する。
【0044】
<第実施形態>
実施形態の熱媒加熱システムは、流量調節機構36の動作及び時季判定手段38の動作が上記第実施形態と異なっている。以下に第実施形態の熱媒加熱システムについて説明するが上記参考形態第1及び第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
は、第実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
一年の中には、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季が存在する。例えば、熱消費端末10には、上述のように床暖房装置や浴室暖房乾燥機やデシカント空調機などがある。その内、冬季に暖房目的で運転される床暖房装置については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に低く(例えば40℃等)設定されている。それに対して、ほぼ一年を通して運転される浴室暖房乾燥機やデシカント空調機については、供給する熱消費用熱媒の目標温度が相対的に高く(例えば80℃等)設定されている。
【0046】
そこで、本実施形態では、第1加熱機器20は、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定する低温時季判定手段38(時季判定手段の一例)を有する。なお、図においては、単に時季判定手段38と記載する。具体的には、低温時季判定手段38は、暦上の現在の月日に基づいて、予め定められた相対的に高い或る目標温度よりも相対的に低い或る目標温度の熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定する。例えば、低温時季判定手段38は、暦上の現在の月日が1月~4月及び10月~12月であれば、上記床暖房装置などの熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季であると判定し、暦上の現在の月日が5月~9月であれば、上記床暖房装置などの熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季ではないと判定する。
【0047】
そして、低温時季判定手段38の判定結果は第1制御部C1に伝達され、第1制御部C1は、流量調節機構36が、低温時季判定手段38によって低温時季であると判定されている間、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に低い或る目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節するように動作させる。
また、第1制御部C1は、流量調節機構36が、低温時季判定手段38によって低温時季ではないと判定されている間、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に高い或る目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節するように動作させる。
さらに、第1制御部C1は、温度センサT4で測定される湯水の温度、即ち、第1加熱機器20が第1加熱部21に供給する第1熱媒の温度を調節可能な範囲で相対的に高い或る目標温度以上に調節するように、ポンプP2の動作を制御する。
これにより、低温時季であると判定されている間、相対的に高い目標温度以上に調節された第1熱媒により、熱消費用熱媒を相対的に高い目標温度まで加熱(過加熱)することを防ぐことができる。
【0048】
<第実施形態>
実施形態の熱媒加熱システムは、流量調節機構36の動作が上記第及び第実施形態と異なっている。以下に第実施形態の熱媒加熱システムについて説明するが上記参考形態、第~第実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0049】
は、第実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図である。
例えば、熱消費端末10が、上述した浴室暖房乾燥機(浴室そのものや衣類などを乾燥させる運転モード)やデシカント空調機である場合、時季に関わらずその熱消費量は大きくなる。そのため、夏季であっても、第1加熱機器20の第1加熱部21及び第2加熱機器40の第2加熱部41の両方で熱消費用熱媒を加熱することが好ましい場合が存在する。
【0050】
本実施形態では、第1加熱機器20は、ユーザーが、熱消費用熱媒を第1加熱部21を経由して流す状態、又は、熱消費用熱媒を全てバイパス流路35を経由して流す状態に切り替えるかを入力可能なバイパス切替入力手段39を有する。バイパス切替入力手段39は、ユーザーが手動操作可能なスイッチなどを用いて実現できる。また、第1加熱機器20は、第実施形態で説明した時季判定手段38又は第実施形態で説明した低温時季判定手段38も有する。
【0051】
そして、時季判定手段38又は低温時季判定手段38の判定結果及びバイパス切替入力手段39へのユーザの入力結果は第1加熱機器20の第1制御部C1に伝達され、第1制御部C1は、流量調節機構36が、時季判定手段38又は低温時季判定手段38の判定結果よりも、バイパス切替入力手段39により行われたユーザー入力を優先して、熱消費用熱媒を第1加熱部21を経由して流す状態、又は、熱消費用熱媒を全てバイパス流路35を経由して流す状態に切り替わるよう動作させる。その結果、熱消費用端末に供給する熱消費用熱媒の加熱を、第1加熱機器20の第1加熱部21及び第2加熱機器40の第2加熱部41の両方で行うことができる状態と、第2加熱機器40の第2加熱部41のみで行うことができる状態とを切り替えることができる。
尚、ユーザーがバイパス切替入力手段39を用いて何れの入力も行っていない場合、即ち、熱消費用熱媒を第1加熱部21を経由して流す状態に切り替えること、及び、熱消費用熱媒を全てバイパス流路35を経由して流す状態に切り替えることの何れも入力していない場合、第1制御部C1は、時季判定手段38又は低温時季判定手段38の判定結果に従った制御を行う。
【0052】
<第実施形態>
実施形態の熱媒加熱システムは、時季判定手段38の動作が上記第実施形態~第実施形態と異なっている。以下に第実施形態の熱媒加熱システムについて説明するが上記参考形態、第~第実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
は、第実施形態の熱媒加熱システムの構成を示す図であり、第~第実施形態の改変例である。
本実施形態では、第1加熱機器20は、外気温との相関を有する温度情報を取得する外気温相関情報取得手段1を更に有する。そして、第1加熱機器20が有する時季判定手段38は、外気温相関情報取得手段1が取得した温度情報に基づいて、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季(例えば冬季など)であるか否かを判定する。例えば、外気温相関情報取得手段1が第1加熱機器20の内部又は外部の温度情報(気温、ガス温、水温など)を取得する場合、時季判定手段38は、外気温相関情報取得手段1が取得した上記温度情報に基づき推定される外気温が例えば15℃以下であれば、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であると判定し、推定される外気温が例えば15℃より高ければ、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定するといった動作を行う。
【0054】
そして、時季判定手段38の判定結果は第1制御部C1に伝達され、第1制御部C1は、流量調節機構36が、時季判定手段38によって、例えば床暖房装置など、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季ではないと判定されている間、熱消費用熱媒を全てバイパス流路35を経由して流す状態に調節するように動作させる。それに対して、第1制御部C1は、時季判定手段38によって、例えば床暖房装置など、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であると判定されている間、上記第実施形態と同様の制御、即ち、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを流量調節機構36によって調節する。
【0055】
また、本実施形態では、第1加熱機器20は時季判定手段38として低温時季判定手段38(時季判定手段の一例)を有していてもよい。なお、図においては、単に時季判定手段38と記載する。低温時季判定手段38は、外気温相関情報取得手段1が取得した温度情報に基づいて、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定する。例えば、外気温相関情報取得手段1が第1加熱機器20の内部又は外部の温度情報(気温、ガス温、水温など)を取得する場合、低温時季判定手段38は、外気温相関情報取得手段1が取得した上記温度情報に基づき推定される外気温が例えば15℃以下であれば、低温時季であると判定し、推定される外気温が例えば15℃より高ければ、低温時季ではないと判定するといった動作を行う。
そして、低温時季判定手段38の判定結果は第1制御部C1に伝達され、第1制御部C1は、流量調節機構36が、低温時季判定手段38によって低温時季であると判定されている間、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に低い或る目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節するように動作させる。
また、第1制御部C1は、流量調節機構36が、低温時季判定手段38によって低温時季ではないと判定されている間、温度センサT2で測定される合流部30の下流側での熱消費用熱媒の温度が相対的に高い或る目標温度になるように、第1加熱部21を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とバイパス流路35を経由して流れる熱消費用熱媒の流量とを調節するように動作させる。
さらに、第1制御部C1は、温度センサT4で測定される湯水の温度、即ち、第1加熱機器20が第1加熱部21に供給する第1熱媒の温度を調節可能な範囲で相対的に高い或る目標温度以上に調節するように、ポンプP2の動作を制御する。
これにより、低温時季であると判定されている間、相対的に高い目標温度以上に調節された第1熱媒により、熱消費用熱媒を相対的に高い目標温度まで加熱(過加熱)することを防ぐことができる。
【0056】
尚、図示は省略するが、第実施形態においても、時季判定手段38が、外気温相関情報取得手段1が取得した温度情報に基づいて、例えば床暖房装置など、予め定められた或る目標温度よりも低い別の目標温度の熱消費端末10での熱消費量が大きくなる時季であるか否かを判定するように構成してもよい。また、同様に、低温時期判定手段38が、外気温相関情報取得手段1が取得した温度情報に基づいて、予め定められた或る目標温度が相対的に低い熱消費端末10での熱消費量が発生する低温時季であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0057】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、本発明の熱媒加熱システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
例えば、第1加熱機器20及び第2加熱機器40の構成は図示したものに限定されず適宜変更可能である。
【0058】
<2>
上記実施形態では、熱消費端末10での目標温度について具体的な数値を挙げて説明したが、それらの数値は例示目的で記載したものであり適宜変更可能である。
【0059】
<3>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、第1加熱機器及び第2加熱機器が互いにどのような熱媒の加熱制御を行っているのかを知ることができなくても、熱消費端末に対して適切な温度の熱媒を供給できる熱媒加熱システムに利用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 外気温相関情報取得手段
10 熱消費端末
20 第1加熱機器
21 第1加熱部
25 湯水循環路
35 バイパス流路
36 流量調節機
8 時季判定手段
39 バイパス切替入力手段
40 第2加熱機器
41 第2加熱部
L1 熱消費用熱媒循環路
H 第1熱源部
T1 温度センサ(第1温度測定手段)
T2 温度センサ(第2温度測定手段)
図1
図2
図3
図4
図5