(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】ホットドレープ成形機用の高温計制御
(51)【国際特許分類】
B29C 70/44 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
B29C70/44
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018130508
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-06-16
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド・ジェイ・サンドキスト
(72)【発明者】
【氏名】トレヴァー・エル・ハワード
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ヴェイスレイニー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エー・ラップ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ケー・ヒラム
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-179618(JP,A)
【文献】特表2014-500164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品をホットドレープ成形するための装置(100)であって、
複数の高温計(108)と、
成形可能な材料(112)を覆うブラダ(106)と、
前記複数の高温計(108)と前記成形可能な材料(112)との間に配置される高温計制御媒体(116)であって、前記複数の高温計(108)が前記高温計制御媒体(116)の温度を測定するように構成される、高温計制御媒体(116)と、
密閉可能な内部空間を形成するフレームの上方に取り付けられた複数の熱源(104)であって、雄型ツールの上に配置された前記成形可能な材料(112)を加熱するように構成された複数の熱源(104)と、
を備え、
前記高温計制御媒体(116)が前記ブラダ(106)と前記複数の高温計(108)との間にある、装置(100)。
【請求項2】
前記高温計制御媒体(116)が前記ブラダ(106)上に塗布される表面処理剤である、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記高温計制御媒体(116)が前記ブラダ(106)の上に載っている、請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記高温計制御媒体(116)が前記ブラダ(106)に組み込まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記高温計制御媒体(116)が20ミクロンを超える表面粗さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記高温計制御媒体(116)が4光沢度未満の光沢を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記高温計制御媒体(116)がポリエステルマットを備える、請求項6に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記高温計制御媒体(116)が黒マット加工された材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記高温計制御媒体(116)が複数の離間されたパッチ(116a、116b、116c)を備え、前記複数の離間されたパッチ(116a、116b、116c)の1つ1つが、前記複数の高温計(108)のそれぞれ1つの直下に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記高温計制御媒体(116)の厚さが1/5インチ未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記高温計制御媒体(116)がフェルト材料を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記高温計制御媒体(116)がラテックス材料を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記高温計制御媒体(116)が均一の厚さを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項14】
複数の高温計(108)と、
成形可能な材料(112)を覆うブラダ(106)と、
前記複数の高温計(108)と前記成形可能な材料(112)との間に配置される高温計制御媒体(116)であって、前記複数の高温計(108)が前記高温計制御媒体(116)の温度を測定するように構成される、高温計制御媒体(116)と、
を備える装置(100)と;
密閉可能な内部空間を形成するフレームの上方に取り付けられた複数の熱源(104)であって、雄型ツールの上に配置された前記成形可能な材料(112)を加熱するように構成された複数の熱源(104)と;
前記複数の高温計(108)の温度読取りに基づいて前記複数の熱源(104)を制御するコントローラ(205)と;
を備え、
前記高温計制御媒体(116)が前記ブラダ(106)と前記複数の高温計(108)との間にある、ホットドレープ成形システム(200)。
【請求項15】
前記複数の熱源(104)が複数のゾーン(120a~120e)に分割され、
前記複数の高温計(108)の1つ1つが前記ゾーン(120a~120e)のうちの1つに対応し、
前記コントローラ(205)が、前記複数の高温計(108)のうちの対応する1つに基づいて各ゾーンの電源を入り切りするように構成される、
請求項14に記載のホットドレープ成形システム(200)。
【請求項16】
前記コントローラ(205)が、前記高温計制御媒体(116)の前記温度に基づいて前記成形可能な材料(112)の温度を予測するように構成される、請求項14または15に記載のホットドレープ成形システム(200)。
【請求項17】
ホットドレープ成形機を制御する方法(300)であって、
複数の高温計(108)と成形可能な材料(112)を覆うブラダ(106)との間に高温計制御媒体(116)を配置するステップと、
密閉可能な内部空間を形成するフレームの上方に取り付けられた複数の熱源(104)によって雄型ツールの上に配置された前記成形可能な材料(112)を加熱するステップと、
前記高温計制御媒体(116)の温度を前記複数の高温計(108)で測定するステップと、
前記高温計制御媒体(116)の前記温度に基づいて前記成形可能な材料(112)の温度を予測するステップと、
を含む、方法(300)。
【請求項18】
前記複数の高温計(108)と前記成形可能な材料(112)を覆う前記ブラダ(106)との間に前記高温計制御媒体(116)を配置する前記ステップが、前記ブラダ(106)と前記複数の高温計(108)との間にマット加工された材料を配置するステップを含む、請求項17に記載の方法(300)。
【請求項19】
前記複数の高温計(108)と前記成形可能な材料(112)を覆うブラダ(106)との間に前記高温計制御媒体(116)を配置するステップが、前記ブラダ(106)上に前記高温計制御媒体(116)を表面処理剤として塗布するステップを含む、請求項17または18に記載の方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ホットドレープ成形プロセス(hot drape forming processes)に関し、より詳細には、ホットドレープ成形プロセス用の温度制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットドレープ成形(HDF)は、部品の複合材料が曲面または外形をつけた形状に形成されることを可能にする。複合材料に関して、HDFは、複合材料を加熱するステップと、加熱された複合材料を曲面または外形をつけた成形ツールに押し付けるステップと、を含む。複合材料の不正確な温度読取り(inaccurate temperatures readings)によってしばしば引き起こされる、HDF中の複合材料の不均一な加熱は、部品の望ましくない変形または不一致につながる可能性がある。現在のHDF技法では、複合材料の均一な加熱を助長するように複合材料の温度を正確に監視するのは困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の主題は、最新技術に応じて、特に、現在利用可能な技法によってまだ十分には解決されていない従来のホットドレープ成形プロセスに関連する問題および欠点に応じて開発されている。したがって、本願の主題は、従来技術の技法の上述した短所のうちの少なくともいくつかを克服するシステム、装置、および方法の諸実施形態を提供するために開発されている。例えば、一実施態様によれば、部品全体にわたって一貫した温度読取りを容易にするホットドレープ成形プロセスが開示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
部品をホットドレープ成形するための装置が本明細書で開示される。この装置は、複数の高温計と、成形可能な材料を覆うブラダと、複数の高温計と成形可能な材料との間に配置される高温計制御媒体と、を含む。複数の高温計は高温計制御媒体の温度を測定するように構成される。本項の先の主題は本開示の例1を特徴付ける。
【0005】
高温計制御媒体はブラダと複数の高温計との間にある。本項の先の主題は本開示の例2を特徴付け、例2は上記の例1に記載の主題も含む。
【0006】
高温計制御媒体はブラダ上に塗布される表面処理剤(surface treatment)である。本項の先の主題は本開示の例3を特徴付け、例3は上記の例2に記載の主題も含む。
【0007】
高温計制御媒体はブラダの上に載っている。本項の先の主題は本開示の例4を特徴付け、例4は上記の例2に記載の主題も含む。
【0008】
高温計制御媒体はブラダに組み込まれる。本項の先の主題は本開示の例5を特徴付け、例5は上記の例2に記載の主題も含む。
【0009】
高温計制御媒体は20ミクロンを超える表面粗さを有する。本項の先の主題は本開示の例6を特徴付け、例6は上記の例1から5のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0010】
高温計制御媒体は4光沢度未満の光沢を有する。本項の先の主題は本開示の例7を特徴付け、例7は上記の例1から6のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0011】
高温計制御媒体はポリエステルマットを含む。本項の先の主題は本開示の例8を特徴付け、例8は上記の例7に記載の主題も含む。
【0012】
高温計制御媒体は黒マット加工された材料(black matted material)を含む。本項の先の主題は本開示の例9を特徴付け、例9は上記の例1から8のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0013】
高温計制御媒体は複数の離間されたパッチを含む。複数の離間されたパッチの1つ1つが、複数の高温計のそれぞれ1つの直下に配置される。本項の先の主題は本開示の例10を特徴付け、例10は上記の例1から9のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0014】
高温計制御媒体の厚さは1/5インチ未満である。本項の先の主題は本開示の例11を特徴付け、例11は上記の例1から10のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0015】
高温計制御媒体はフェルト材料を含む。本項の先の主題は本開示の例12を特徴付け、例12は上記の例1から11のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0016】
高温計制御媒体はラテックス材料を含む。本項の先の主題は本開示の例13を特徴付け、例13は上記の例1から12のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0017】
高温計制御媒体は均一の厚さを有する。本項の先の主題は本開示の例14を特徴付け、例14は上記の例1から13のいずれか1つに記載の主題も含む。
【0018】
ホットドレープ成形システムも本明細書で開示される。ホットドレープ成形システムは、複数の高温計と、成形可能な材料を覆うブラダと、複数の高温計と成形可能な材料との間に配置される高温計制御媒体と、を含む装置を含む。複数の高温計は高温計制御媒体の温度を測定するように構成される。ホットドレープ成形システムは、複数の熱源と、複数の高温計の温度読取りに基づいて複数の熱源を制御するコントローラと、をさらに含む。本項の先の主題は本開示の例15を特徴付ける。
【0019】
複数の熱源は複数のゾーンに分割される。複数の高温計の1つ1つが複数のゾーンのうちの1つに対応し、コントローラは、複数の高温計のうちの対応する1つに基づいて各ゾーンの電源を入り切りするように構成される。本項の先の主題は本開示の例16を特徴付け、例16は上記の例15に記載の主題も含む。
【0020】
コントローラは、高温計制御媒体の温度に基づいて成形可能な材料の温度を予測するように構成される。本項の先の主題は本開示の例17を特徴付け、例17は上記の例15または16に記載の主題も含む。
【0021】
さらに、ホットドレープ成形機(hot drape former)を制御する方法が本明細書で開示される。方法は、複数の高温計と成形可能な材料を覆うブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップを含む。方法は、高温計制御媒体の温度を複数の高温計で測定するステップも含む。方法は、高温計制御媒体の温度に基づいて成形可能な材料の温度を予測するステップをさらに含む。本項の先の主題は本開示の例18を特徴付ける。
【0022】
複数の高温計と成形可能な材料を覆う前記ブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップは、ブラダと複数の高温計との間にマット加工された材料を配置するステップを含む。本項の先の主題は本開示の例19を特徴付け、例19は上記の例18に記載の主題も含む。
【0023】
複数の高温計と成形可能な材料を覆うブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップは、ブラダ上に高温計制御媒体を表面処理剤として塗布するステップを含む。本項の先の主題は本開示の例20を特徴付け、例20は上記の例18または19に記載の主題も含む。
【0024】
本開示の主題の上記の形態、構造、利点、および/または特徴は、1以上の実施形態および/または実施態様において任意適当な態様で組み合わされてもよい。以下の説明では、本開示の主題の実施形態の完全な理解を与えるために多くの特定の詳細が提供される。当業者なら、本開示の主題が特定の実施形態または実施態様の特定の形態、詳細、構成要素、材料、および/または方法のうちの1以上なしに実施され得ることを認識するであろう。他の例では、追加の形態および利点が、すべての実施形態または実施態様には存在しないかもしれないいくつかの実施形態および/または実施態様で認識され得る。さらに、場合によっては、よく知られた構造、材料、または動作は、本開示の主題の諸態様を不明瞭にするのを回避するために詳細には図示または記述されていない。本開示の主題の形態および利点は、下記の説明および添付の特許請求の範囲からさらに十分に明らかになり、あるいは後述するように主題を実行することで習得することができる。
【0025】
主題の利点をより容易に理解できるようにするために、簡潔に上述した主題のより詳細な説明が、添付図面に示されている特定の実施形態を参照することによって与えられる。これらの図面は主題の典型的な実施形態だけを描いてあり、したがって、主題の範囲を制限すると見なされるべきでないという理解の下で、主題は、図面の使用により追加の特異性および詳細を用いて記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の1以上の実施形態による、部品をホットドレープ成形するための装置の側面図である。
【
図2】本開示の1以上の実施形態による、
図1の装置のブラダおよび高温計制御媒体の詳細の側面図である。
【
図3】本開示の1以上の実施形態による、部品をホットドレープ成形するための装置の熱源および高温計の上平面図である。
【
図4】本開示の1以上の実施形態による、部品をホットドレープ成形するための装置の側面図である。
【
図5】本開示の1以上の実施形態による、ホットドレープ成形システムのブロック図である。
【
図6】本開示の1以上の実施形態による、部品をホットドレープ成形する方法の概略流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書全体を通して「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」または類似言語に言及することは、その実施形態に関連して記述される特定の形態、構造、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書全体を通して「一実施形態では(in one embodiment)」、「ある実施形態では(in an embodiment)」、および類似言語の語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を意味するものではない。同様に、「実施態様(implementation)」という用語は、本開示の1以上の実施形態に関連して記述される特定の形態、構造、または特徴を有する一実施態様を意味するが、特に指示すべき明確な相関関係がない限り、一実施態様は、1以上の実施形態に関連することができる。
【0028】
図1を参照すると、部品をホットドレープ成形(HDF)するための装置100の一実施形態が示されている。装置100は、HDFプロセスを実施するために使用される。以下でより詳細に記述するように、装置100は温度制御システムを含み、温度制御システムは、装置100全体にわたって正確でより均一な温度制御を助長する。
【0029】
装置100は、フレーム102および複数の熱源104を含む。フレーム102は、装置100の様々な構成要素および装置100と共に利用される要素を収容、支持、または補強する構造またはケーシングである。フレーム102は上方部分および下方部分を有し、上方部分および下方部分は互いに相対的に移動し、密閉可能な内部空間を形成することができる。複数の熱源104はフレーム102に装着される。複数の熱源104は、以下に限定するものではないが、熱ランプ、熱コイル、熱要素などを含む様々なタイプの熱源のいずれでもよい。複数の熱源104は、装置100の内部または外部の様々な箇所に、例えば、フレーム102に、フレーム102の上方に、またはフレーム102の下方に装着され得る。いくつかの実施形態では、複数の熱源104はフレーム102に対して協働して移動可能に結合される。いくつかの実施形態では、熱源104はフレーム102には装着されず、内部空間を加熱するように配置される。
【0030】
装置100は、成形可能な材料112を部品に形成するように構成される。成形可能な材料112は、単一材料、または加熱されたときに成形可能である複合材料を含む複数の材料で作られた材料シートである。成形可能な材料は、制限なく、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)またはポリマーマトリックス複合物を含む積層体または積層素材(laminate charge)とすることができる。複数の熱源104は、装置100内に雄型ツール110の上に配置された成形可能な材料112を加熱するように構成され、雄型ツール110はマンドレル状とすることができる。
【0031】
HDFプロセスでは、熱源104が成形可能な材料112を、雄型ツール110の上の成形可能な材料112の変形を助長するのに十分な温度に加熱した後、加えられた力が成形可能な材料112の張出し縁部を雄型ツール110の上に密着させる。いくつかの実施形態では、加えられた力は成形可能な材料112への圧力差によって引き起こされて、成形可能な材料112を雄型ツール110の上に形成する。
図1を参照すると、空隙部125のブラダ106(薄膜またはダイヤフラムと呼ばれることもある)の下に真空が作られ、真空は空隙部125内に圧力差を引き起こす。この圧力差によりブラダ106が成形可能な材料112に力を加え、成形可能な材料112は、成形可能な材料112の突出し部を雄型ツール110の上に押し付ける。ブラダ106は、限定的ではなく、シリコンなどの可撓性の伸縮性材料である。
【0032】
装置100にはスタンドオフブロック114も配置され、スタンドオフブロック114は、圧力差を加える前にブラダ106が成形可能な材料112に加える重量および力を軽減するのに役立つ。スタンドオフブロック114は、適切な温度に達する前に成形可能な材料112を雄型ツール110上にまで下方へ押し下げるのを妨げるために、雄型ツール110の周縁のまわりにブラダ106の重量の一部を支持するように配置される。
【0033】
成形可能な材料112に沿って温度がばらつくと、成形部品が不適合になる可能性がある。対照的に、成形可能な材料112全体の温度が均一であると、成形部品の最適特性を高めるのに役立ち、不適合部品を廃棄する必要性を低くなる。装置100は、成形可能な材料112の加熱および成形可能な材料112全体の温度均一性を調整するために、温度制御システムを含むフィードバックメカニズム(feedback mechanisms)を利用する。フィードバックメカニズムは、成形可能な材料112全体の温度均一性を促進するために、熱源104を機能的に制御する(例えば、熱源104を作動させたり非作動にしたりする、熱源104によって生成される熱を調整する、など)。
【0034】
本明細書に記載されている諸実施形態は、フィードバックを返すために高温計108を利用する。高温計は、赤外線温度計と呼ばれることもあり、表面の温度を測定するために使用されるリモートセンシング温度計の一種である。高温計は、高温測定または放射測定として知られるプロセスを用いて距離から表面の温度を決定する。一般に、高温測定または放射測定は、表面が発する、黒体放射と呼ばれることもある熱放射のスペクトルを検出することを含む。高温計108は、成形可能な材料112に向かう方向に向けられる。図示の実施形態では、高温計108はフレーム102に装着され、フレーム102に沿って固定箇所に配置される。いくつかの実施形態では、高温計108は、成形可能な材料112に対する高温計108の位置を調整するために、フレーム102に沿って再配置可能であり得る。例えば、高温計108は、フレーム102に形成されたスロット内で摺動可能であるとともに、高温計108とフレーム102の相対運動を一時的に妨げるためにスロット内の所望の箇所で解放可能に締付可能であり得る。いくつかの実施態様では、高温計108の位置は、形成されるべき部品のサイズおよび/または形状に基づいて調整可能である。
【0035】
高温計108は、成形可能な材料112の温度を検知するように配置される。しかしながら、
図1に示されているように、ブラダ106などのいくつかの固形形態は、高温計108と成形可能な材料112との間に挿置されてもよい。したがって、高温計108は、成形可能な材料112の温度を直接的には検知せず、むしろ、高温計108と成形可能な材料112との間の固形形態の温度を直接検知したのに基づいて成形可能な材料112の温度を間接的に検知する。言い換えると、成形可能な材料112の温度は、中間表面の温度読取りに基づいて予測される。中間表面の正確な読取りは、成形可能な材料112の温度の正確な予測または間接的な読取りを助長する。成形可能な材料112の温度の正確な予測を助長するために、装置100は、複数の高温計108の下方にかつブラダ106および成形可能な材料112の上方に配置される高温計制御媒体116を含む。高温計制御媒体116は、高温計108によるより正確な温度読取りを助長するように構成され、このことは、成形可能な材料112の温度のより正確な予測につながる。
【0036】
上述のように、高温計108は、高温計制御媒体116の温度を測定または遠隔検知するように構成される。高温計制御媒体116は、ブラダ106の上に配置されかつブラダ106の上に載っている覆いまたはシートでもよく、ブラダ106から分離しているまたはブラダ106に装着されてもよく、ブラダ106上に塗布される表面処理剤でもよく、あるいはブラダ106の一部であってもよい。
【0037】
高温計制御媒体116がブラダ106の上に配置されかつブラダ106の上に載っている覆いまたはシートである実施形態では、高温計制御媒体116は、均一の厚さまたは実質的に均一の厚さ(例えば、材料の表面粗さの許容差以内の厚さ)の薄い材料シートとすることができる。材料シートは、高温計制御媒体116がブラダ106をまたぎかつこれを覆うことができるサイズである。いくつかの実施態様では、高温計制御媒体116は均一の厚さではない。
【0038】
いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106から分離していてもよい。高温計制御媒体116は、いかなる方法でもブラダ106に連結または装着されない。高温計制御媒体116はブラダ106に対して移動することができるので圧力差が加えられると、高温計制御媒体116とブラダ106が接触して熱伝達が起こり、ブラダ106の動きを阻止しないまたはこの動きに影響を及ぼさないままに正確な温度読取りが可能になる。
【0039】
いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106に装着される。この種の実施形態では、高温計制御媒体116はより安定することができ、さらに、高温計制御媒体116の配置が部分ごとに一貫性のあるまたは反復可能であるようにする。例えば、高温計制御媒体116は、粘着性材料によってブラダ106に付着されてもよく、またはブラダ106に縫合もしくは縫付けされてもよく、あるいはその他の方法で装着されてもよい。高温計制御媒体116は同行移動可能に装着されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106から分離しておらず、表面処理剤としてブラダ106に塗布される。例えば、高温計制御媒体116はブラダ106上に直接塗られてもよい。高温計制御媒体116上に塗られることで、別個の材料シートを必要とせずに高温計のより正確な読取りが可能になる。他の実施態様では、高温計制御媒体116は、ブラダ106に塗布される他の表面処理剤用途でもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106の一部でもよい。ブラダ106に高温計制御媒体116を表面処理剤として塗布するのではなく、ブラダ106の形成または製造は高温計制御媒体116を含むことができる。例えば、高温計制御媒体116は、ブラダ106に組み込まれてもよく、またはブラダ106と共形成されてもよい。いくつかの実施態様では、ブラダ106は、本明細書に記載されているものと同じ色彩、テクスチャ、および/または表面特性を有する材料で作られ、高温計制御媒体116として機能することができる。
【0042】
図2を参照すると、高温計制御媒体116およびブラダ106の詳細図が示されている。高温計制御媒体116は、複数の高温計108にさらされるように構成された表面117を含む。表面は粗くてもよい。いくつかの実施形態では、表面粗さは20ミクロンを超える。いくつかの実施形態では、表面粗さは350ミクロンを超える。いくつかの実施形態では、表面粗さは400ミクロンを超える。表面粗さは、高温計制御媒体116に利用される材料のタイプに依存することができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はマット加工された材料である。
【0043】
正確な温度センシングを高めるために、高温計制御媒体116は比較的暗い色彩を有する材料で作られる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は黒色である。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は灰色である。高温計制御媒体116は、緑色、茶色、青色、または紫色を含む他の暗い色彩または色調でもよい。色彩の暗さおよび/または明るさもまた、高温計制御媒体116に利用される材料のタイプに依存することができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は、CIELAB色空間またはLab色空間で測定される30L*未満の明度を含む。
【0044】
高温計制御媒体116は、十分に暗くかつ許容可能なテクスチャを与える様々な材料のいずれかで作ることができる。高温計制御媒体116は、ゴム、フェルト、ラテックス、ポリエステル、シリコン、アルミニウム箔、および/または他の類似材料とすることができる。
【0045】
正確な温度センシングを高めるために、高温計制御媒体116は特定の光沢レベル未満とすることができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は4光沢度未満の光沢を含む。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体は10光沢度未満の光沢を含む。光沢は、表面の鏡面反射光沢を測定する光沢計を用いて測定することができる。
【0046】
正確な温度センシングを高めるために、さらに成形可能な材料112の加熱を可能にするためにも、高温計制御媒体116は、効率的熱伝達を可能にする厚さとなるように構成することができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106全体にわたって均一の厚さとすることができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は1/5インチ以下の厚さを含む。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は1インチ以下の厚さを含む。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116は1/20インチ以下の厚さを含む。高温計制御媒体116の厚さもまた、高温計制御媒体116に利用される材料のタイプに依存することができる。熱をより効率的に伝達する材料は、一般に、熱伝達にあまり効率的でない材料より厚くすることができる。
【0047】
高温計制御媒体116はブラダ106に接触することができる。高温計制御媒体116とブラダ106との間の接触により、高温計制御媒体116とブラダ106との間の熱伝達分布がより一様になり、高温計制御媒体116の温度とブラダ106との間の関係がより正確になることが可能になり得る。同じ原理が、ブラダ106と成形可能な材料112との間に適用され得る。ブラダ106と成形可能な材料112との間の接触により、ブラダ106と成形可能な材料112との間の熱伝達分布がより一様になり、ブラダ106の温度と成形可能な材料112との間の関係がより正確になることが可能になり得る。
【0048】
高温計108の位置決めは、異なる温度読取りにつながる可能性もある。成形可能な材料112の中心が雄型ツール110の上に載っているとき、成形可能な材料112の中心は、雄型ツール110の上に張り出す成形可能な材料の外縁部よりもゆっくりと熱くなり得る。成形可能な材料112の中心での1回の読取りでは温度読取値が低くなる可能性があり、成形可能な材料112の中心での読取りだけに頼ると、雄型ツール110の上に張り出す成形可能な材料112の外縁部上の温度を超過する結果となり得る。
【0049】
図3に示されているように、成形可能な材料の様々な部分の間の加熱分散を抑制しようとするために、熱源104は加熱ゾーン120a~120eに分割されてもよい。図示のように、所定のパターンの熱源104の格子がフレーム102に装着される。熱源104の運転は、個々にかつ/または加熱ゾーンによって制御され得る。図示の実施形態では、熱源104は、5つの別々の加熱ゾーン120a~120eに分割される。各加熱ゾーンは、他の加熱ゾーンに対して独立に制御および運転され得る。例えば、加熱ゾーン120b、120c、および120d内の熱源104は、加熱ゾーン120aおよび120e内の熱源104の電源が切られている間に発熱させ続けることができる。
【0050】
独立した加熱ゾーン120a~120eは、高温計108a~108eの独立読取値に基づいて制御(例えば、作動(電源オン)、非作動(電源オフ)、および調整)され得る。個々の高温計108a~108eはそれぞれ、高温計108a~108eの対応する加熱ゾーン120a~120eの熱源104の電源を入り切りすべきときの制御を可能にするために、独立読取値を与えることができる。例えば、加熱ゾーン120aの熱源104の運転は、高温計108aによって収集された読取値に依存することができるが、熱ゾーン120bの熱源104の運転は、高温計108bによって収集された読取値に依存することができる、などである。
【0051】
図示の実施形態では、加熱ゾーン120a~120eはそれぞれ、単一の対応する高温計108a~108eを有する。いくつかの実施形態では、加熱ゾーン120a~120eは複数の高温計108を含むことができる。このような場合、特定の加熱ゾーン120a~120e内の熱源104の運転は、特定の加熱ゾーン120a~120e内の高温計108からの複数の読取値の平均または混合に依存することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、加熱ゾーン120a~120eは、形成されるべき成形可能な材料112のサイズおよび形状ならびに/あるいは雄型ツール110のサイズおよび形状に応じて調整可能であり得る。加えて、高温計108a~108eは、選択される加熱ゾーン120a~120eに基づいて作動/非作動にされてもよく、あるいは認知/無視されてもよい。例えば、ある実施形態では、装置100は、装置100内の一定の箇所にある複数の高温計108を含むことができる。形成されるべき成形可能な材料112のサイズおよび形状ならびに/あるいは雄型ツール110のサイズおよび形状に応じて、いくつかの高温計108の電源が切られてもよく、あるいは読取値が装置の運転中に無視されてもよい。
【0053】
高温計制御媒体116はブラダ106全体を覆うことができる。いくつかの実施形態では、高温計制御媒体116はブラダ106全体を覆わない。
図4を参照すると、高温計制御媒体116は複数のパッチ116a、116b、および116cである。図示の実施形態では、パッチ116a、116b、および116cは高温計108の直下に配置される。いくつかの実施形態では、高温計108は、パッチ116a、116b、および116cを指すように構成される。これにより、高温計108は、不正確な温度読取りを与え得るブラダ106の代わりにパッチ116a、116b、および116cの温度を遠隔検知することが可能になる。
【0054】
ここで
図5を参照すると、ホットドレープ成形システム200のブロック図が示されている。システム200は、本明細書に記載されている装置100の様々な実施形態の制御および運転を可能にする。システムは、本明細書に記載されている装置の制御を可能にするために、以下に限定されるものではないが、プロセッサ、メモリ、コンピュータハードウェアおよびソフトウェア、モジュールなど、図示されていない様々な構成要素を含むことができる。システム200は、本明細書に記載されている装置100の諸実施形態に関連して記述した構成要素を含む様々な構成要素を含む。
【0055】
例示したブロック図は、熱源104、高温計108、ブラダ106、成形可能な材料112、および高温計制御媒体116を含む。ホットドレープ成形システム200はコントローラ205をさらに含み、コントローラ205は、装置100ならびに装置100およびシステム200の様々な構成要素を制御することができる。
【0056】
コントローラ205は、
図1~
図4に関連して上述したように、熱源104、高温計108、および加熱ゾーン120a~120eの運転を制御するように構成することができる。装置100内の適所に固定された高温計108と熱源104、高温計108、および加熱ゾーン120a~120eをコントローラ205によって制御する能力とを用いると、部品を形成するためのセットアップ労力および時間を大幅に減らすことができる。個々の熱センサが、ホットドレープ成形機内に利用される従来の熱電対の場合のように、それぞれの新しい部品または異なるサイズの部品に配置される必要はない。高温計108は固定され、コントローラ205への入力に基づいて作動/非作動にされてもよく、あるいは認知/無視されてもよい。
【0057】
ここで
図6を参照すると、ホットドレープ成形機を制御する方法300の一実施形態が示されている。方法300は、ブロック302での複数の高温計を成形可能な材料に向けるステップと、ブロック304での複数の高温計と成形可能な材料を覆うブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップと、を含む。ブロック306で、方法300は、高温計制御媒体の温度を複数の高温計で測定するステップを含む。次いで方法は終了する。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数の高温計と成形可能な材料を覆うブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップは、ブラダの上にマット加工された材料を配置するステップを含む。いくつかの実施形態では、複数の高温計と成形可能な材料を覆うブラダとの間に高温計制御媒体を配置するステップは、ブラダ上に高温計制御媒体を表面処理剤として塗布するステップを含む。
【0059】
ホットドレープ成形機を制御する方法は、図示の順序で説明したが、いくつかの順序付けられた組合せのうちのいずれで進行してもよい。例として、高温計は、複数の高温計を成形可能な材料に向ける前にまたは向けた後で配置されてもよい。
【0060】
上記説明では、「上へ(up)」、「下へ(down)」、「上方の(upper)」、「下方の(lower)」、「水平の(horizontal)」、「垂直の(vertical)」、「左の(left)」、「右の(right)」、「~の上に(over)」、「~の下に(under)」、などのいくつかの用語が用いられることがある。これらの用語は、該当する場合、相対的関係を扱うときに説明のいくらかの明瞭さを提供するために用いられる。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを含意するものではない。例えば、一物体に関して、「上方」表面は、単純にその物体をひっくり返すことにより「下方」表面となり得る。それにもかかわらず、この物体は依然として同じ物体である。さらに、用語の「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、およびそれらの用語の変形は、特に明示的に規定されない限り「~を含むが、それらに限定されるものではないこと(including but not limited to)」を意味する。列挙した項目のリストは、特に明示的に規定されない限り、それらの項目のいずれかまたはすべてが相互排他的かつ/または相互包括的である。さらに、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、特に明示的に規定されない限り「1以上の(one or more)」を意味する。さらに、「複数(plurality)」という用語は、「少なくとも2つ(at least two)」と定義することができる。
【0061】
さらに、1つの要素が別の要素に「結合される(coupled)」本明細書の例は、直接結合および間接結合を含むことができる。直接結合は、1つの要素が別の要素に結合かつ一部接触しているものと定義することができる。間接結合は、互いに直接接触してない2つの要素の間で結合しているが、結合された要素の間に1以上の追加要素を有するものと定義することができる。さらに、本明細書では、1つの要素を別の要素に固着することは、直接固着することおよび間接固着することを含むことができる。さらに、本明細書では、「隣接(adjacent)」は必ずしも接触を表すものではない。例えば、1つの要素が、別の要素に、その要素と接触していない状態で隣接することができる。
【0062】
本明細書では、項目リストと共に用いられるときの「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、列挙された項目のうちの1以上の様々な組合せが使用され得ること、および、リスト内の項目のうちの1つだけが必要とされ得ること、を意味する。項目は、特定の物体、物事、またはカテゴリとすることができる。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」は、リストから項目の任意組合せまたは任意の数の項目が使用され得るが、リスト内の項目のすべてが必要ではない場合があることを意味する。例えば、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目Aおよび項目B、項目B、項目A、項目Bおよび項目C、あるいは項目Bおよび項目Cを意味することがある。場合によっては、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定的ではなく、2個の項目A、1個の項目Bおよび10個の項目C、4個の項目Bおよび7個の項目C、あるいは他の適切な組合せを意味することがある。
【0063】
特に指示がない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、本明細書では単にラベルとして用いられ、これらの用語が参照する項目に順序、位置、または階層の要件を課すものではない。さらに、例えば「第2の」項目への言及は、例えば「第1の」すなわち低い番号を付けられた項目、および/または、例えば「第3の(third)」すなわち高い番号を付けられた項目の存在を必要とするまたは排除するものではない。本明細書では、特定の機能を実行する「ように構成された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、確かに、さらなる変更後に特定の機能を実行する可能性を単に有するのではなく、何ら変更を加えることなく特定の機能を実行することができる。言い換えると、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、具体的には、特定の機能を実行するために選択、生成、実装、利用、プログラム設定、および/または設計される。本明細書では、「~ように構成された」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特徴を表し、既存の特徴により、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらなる変更なしに特定の機能を実行することが可能になる。この開示の目的のために、特定の機能を実行する「ように構成される」ものとして説明されるシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、付加的にまたは代替的に、その機能を実行する「ようになされた(adapted to)」かつ/または「よう動作する(operative to)」ものとして記述される場合がある。
【0064】
本明細書に含まれる概略流れ図は、一般に、論理流れ図として示されている。したがって、図示の順序およびラベル付きステップは、提示された方法の一実施形態を表す。機能、論理、または効果が、図示の方法の1以上のステップ、あるいはこれらのステップの一部と同等である他のステップおよび方法が考案され得る。さらに、使用された書式およびシンボルは、方法の論理的ステップを説明するために提供され、方法の範囲を限定するものではないと理解される。流れ図には様々な矢印種および線種が使用され得るが、それらの矢印種および線種は、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解され得る。実際、いくつかの矢印または他の結合子が方法の論理の流れのみを示すために使用されてもよい。例えば、ある矢印は、図示の方法の列挙されたステップの間の不特定期間の待機または監視期間を示すことがある。さらに、特定の方法が行われる順序は、図示されている対応するステップの順序を厳守しなくてもよい。
【0065】
本主題は、本主題の精神または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化され得る。前述した実施形態は、あらゆる点で単に例示と見なされ、限定的なものと見なされるべきではない。特許請求の範囲の等価物の意味および範囲に収まるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【符号の説明】
【0066】
100 装置、102 フレーム、104 熱源、106 ブラダ、108 高温計、108a 高温計、108b 高温計、108c 高温計、108d 高温計、108e 高温計、110 雄型ツール、112 成形可能な材料、114 スタンドオフブロック、116 高温計制御媒体、116a パッチ、116b パッチ、116c パッチ、117 表面、120a 加熱ゾーン、120b 加熱ゾーン、120c 加熱ゾーン、120d 加熱ゾーン、120e 加熱ゾーン、125 空隙部、200 ホットドレープ成形システム、205 コントローラ
300 方法