(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】冷却装置、構造物、溶接方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/21 20140101AFI20221209BHJP
F28F 9/18 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B23K26/21 N
F28F9/18
B23K26/21 G
(21)【出願番号】P 2018216755
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】伊川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】岸 正幸
(72)【発明者】
【氏名】金井 俊典
(72)【発明者】
【氏名】平野 智哉
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-277772(JP,A)
【文献】特開2016-052666(JP,A)
【文献】特表2016-537201(JP,A)
【文献】特開2017-168267(JP,A)
【文献】特開平10-006056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
F28F 9/00 - 9/26
H01M 10/60、8/0267、8/0268
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
性質の異なる2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される冷却装置であって、
前記レーザ溶接による溶融部の硬さが、前記2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬
く、
前記一方のアルミニウム材の材料が非熱処理合金であり、他方のアルミニウム材の材料が熱処理合金である、ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記一方のアルミニウム材の材料が3000系であり、前記他方のアルミニウム材の材料が6000系である
請求項
1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記一方のアルミニウム材は加工硬化後であり、前記他方のアルミニウム材は時効硬化後である
請求項
2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記一方のアルミニウム材の硬さが35(HV)以上であり、他方のアルミニウム材の硬さが42(HV)以上である
請求項1から
3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記一方のアルミニウム材は板材であり、他方のアルミニウム材は押出材である
請求項1から
4のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項6】
液体が流通する流通路を内部に有する本体と、
前記本体に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材と、
を備え、
前記本体がアルミニウムの熱処理合金であり、前記被接合部材がアルミニウムの非熱処理合金であり、
前記レーザ溶接の溶融部の硬さが、前記被接合部材の硬さよりも硬い
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項7】
性質の異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせた状態でレーザ溶接することにより接合して構成される冷却装置であって、
細長い部材であり、液体が流通する流通路を内部に有する本体と、
前記流通路の少なくとも一部の上方に位置するように前記本体に重ね合わせた状態でレーザ光が照射されることにより当該本体に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材と、
を備え、
前記本体における溶融部の深さが、
当該本体と前記被接合部材との接合界面における当該溶融部の幅以上であ
り、
前記溶融部は、前記流通路まで至っていない、
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項8】
前記溶融部の幅が前記レーザ光を照射する方のアルミニウム材の板厚の45%以上の大きさであり、熱影響部の幅が当該溶融部の幅より小さい
請求項
7に記載の冷却装置。
【請求項9】
性質の異なる2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される構造物であって、
前記レーザ溶接による溶融部の硬さが、前記2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬
く、
前記一方のアルミニウム材の材料が非熱処理合金であり、他方のアルミニウム材の材料が熱処理合金である、ことを特徴とする構造物。
【請求項10】
硬さが異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、
前記2つのアルミニウム材の内、硬さが低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する
ことを特徴とする溶接方法。
【請求項11】
熱伝導率が異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、
前記2つのアルミニウム材の内、熱伝導率が低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する
ことを特徴とする溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置、構造物、溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム材料を用いて成形された部材にて構成される冷却装置において、アルミニウム材料を用いて成形された部材同士を接合するために、はんだ付やろう付を行うことが提案されている。
例えば、特許文献1に記載された液冷式冷却装置は、冷却液流通体の流入部の一端面にアルミニウム製入口ヘッダをろう付し、同じく流出部の一端面にアルミニウム製出口ヘッダをろう付し、冷却液流通体の他端面にアルミニウム製中間ヘッダをろう付することにより構成されている。
また、アルミニウム材料を用いて成形された部材を接合するための方法として、特許文献2には、レーザ溶接を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-161158号公報
【文献】特開平4-270088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷却装置を構成する、アルミニウム材料を用いて成形された部材(以下、「アルミニウム材」と称する場合がある。)同士を接合するために、レーザ溶接を行うことが考えられる。そして、レーザ溶接による溶接部は、溶接欠陥がない、又は、溶接欠陥が許容範囲内である、信頼性の高い溶接部であることが必要である。
本発明は、信頼性の高い溶接部を有する冷却装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、性質の異なる2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される冷却装置であって、前記レーザ溶接による溶融部の硬さが、前記2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬いことを特徴とする冷却装置である。
ここで、前記一方のアルミニウム材の材料が非熱処理合金であり、他方のアルミニウム材の材料が熱処理合金であっても良い。
また、前記一方のアルミニウム材の材料が3000系であり、前記他方のアルミニウム材の材料が6000系であっても良い。
また、前記一方のアルミニウム材は加工硬化後であり、前記他方のアルミニウム材は時効硬化後であっても良い。
また、前記一方のアルミニウム材の硬さが35(HV)以上であり、他方のアルミニウム材の硬さが42(HV)以上であっても良い。
また、前記一方のアルミニウム材は板材であり、他方のアルミニウム材は押出材であっても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、液体が流通する流通路を内部に有する本体と、前記本体に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材と、を備え、前記本体がアルミニウムの熱処理合金であり、前記被接合部材がアルミニウムの非熱処理合金であり、前記レーザ溶接の溶融部の硬さが、前記被接合部材の硬さよりも硬いことを特徴とする冷却装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、性質の異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせた状態でレーザ溶接することにより接合して構成される冷却装置であって、レーザ光を照射しない方のアルミニウム材における溶融部の深さが、前記2つのアルミニウム材の接合界面における当該溶融部の幅以上であることを特徴とする冷却装置である。
ここで、前記溶融部の幅が前記レーザ光を照射する方のアルミニウム材の板厚の45%以上の大きさであり、熱影響部の幅が当該溶融部の幅より小さくても良い。
また、前記レーザ光を照射しない方のアルミニウム材は、液体が流通する流通路を内部に有する部材であり、前記溶融部は、前記流通路まで至っていなくても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、性質の異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせた状態でレーザ溶接することにより接合して構成される冷却装置であって、前記レーザ溶接による溶融部の幅がレーザ光を照射する方のアルミニウム材の板厚の45%以上の大きさであり、熱影響部の幅が当該溶融部の幅より小さいことを特徴とする冷却装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、液体が流通する流通路を内部に有する本体と、前記本体に重ね合わせられた状態でレーザ光が照射されることで、当該本体に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材と、を備え、前記レーザ溶接による溶融部は、前記本体の前記流通路まで至っていないことを特徴とする冷却装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、性質の異なる2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される構造物であって、前記レーザ溶接による溶融部の硬さが、前記2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬いことを特徴とする構造物である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、硬さが異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、前記2つのアルミニウム材の内、硬さが低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射することを特徴とする溶接方法である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、熱伝導率が異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、前記2つのアルミニウム材の内、熱伝導率が低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射することを特徴とする溶接方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、信頼性の高い溶接部を有する冷却装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る液冷式冷却装置の斜視図である。
【
図2】液冷式冷却装置を構成する部品を分解した図である。
【
図5】重ね合わせ部におけるレーザ溶接工程を説明する斜視図である。
【
図6】(a)は、
図1のVI-VI部の断面図である。(b)は、(a)のVIb部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る液冷式冷却装置1の斜視図である。
図2は、液冷式冷却装置1を構成する部品を分解した図である。
図3は、
図1のIII-III部の断面図である。
図4は、
図1のIV-IV部の断面図である。
実施の形態に係る液冷式冷却装置1は、内部に冷却液が流通する装置本体10と、装置本体10を流通する冷却液の流通方向を変更する変更部材20と、を備えている。また、液冷式冷却装置1は、装置本体10の外部から内部に冷却液を流入させる入口ジョイント30と、装置本体10の内部から外部に冷却液を流出させる出口ジョイント40と、を備えている。
【0009】
(装置本体10)
装置本体10は、概形が直方体の部材である。装置本体10は、押出加工にて成形された、JIS A6063合金の押出材を用いて成形されており、押出方向が長手方向となるように成形されている。また、
図1に示すように、装置本体10の長手方向及び短手方向の長さは、上下方向の長さよりも大きい。なお、JIS A6063合金の質別は、T0又はT6であることを例示することができる。また、その他の質別であっても良いが、装置本体10の硬さが、42(HV(ビッカース硬さ))以上であることが望ましい。
【0010】
装置本体10の内部には、長手方向における一方の端部から他方の端部まで貫通した貫通孔11が複数形成されている。本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、
図4に示すように、貫通孔11は、短手方向の中央部よりも手前側と、中央部よりも奥側とに、それぞれ6つ形成されている。
【0011】
手前側の6つの貫通孔11は、入口ジョイント30を介して流入し、変更部材20に至る前の冷却液が流通する流入側流路111として機能する。隣接する流入側流路111は、流入側壁111aにより仕切られている。
他方、奥側の6つの貫通孔11は、変更部材20を通過後に流入し、出口ジョイント40に至る前の冷却液が流通する流出側流路112として機能する。隣接する流出側流路112は、流出側壁112aにより仕切られている。
【0012】
また、装置本体10には、長手方向における中央部に、上面から凹んだ空間12が2つ形成されている。2つの空間12の内の一つは、流入側流路111と連通するように形成された流入側空間121であり、他方は、流出側流路112と連通するように形成された流出側空間122である。
流入側空間121は、上壁13及び流入側壁111aが例えば切削加工にて除去されることで形成された空間であり、上壁13が貫通された貫通孔121aと、流入側壁111aが除去された下部空間121bとにより形成される。なお、
図2に示した例では、流入側壁111aは、上側から下側にかけて全て除去されているが、上側の一部が除去され、下側の部分が残っていても良い。
流出側空間122は、上壁13及び流出側壁112aが例えば切削加工にて除去されることで形成された空間であり、上壁13が貫通された貫通孔122aと、流出側壁112aが除去された下部空間122bとにより形成される。なお、
図2に示した例では、流出側壁112aは、上側から下側にかけて全て除去されているが、上側の一部が除去され、下側の部分が残っていても良い。
【0013】
(変更部材20)
変更部材20は、装置本体10における長手方向の両端部それぞれに配置されている。
変更部材20は、概形が直方体の部材であるとともに、装置本体10側の端面から凹んだ凹部21が形成されている。凹部21により、流入側流路111と流出側流路112とが連通させられている。
変更部材20は、装置本体10側の端面と、装置本体10の長手方向の端面とが突き合わせられた状態で、突き合わせ部にレーザ溶接が施されることにより接合されている。このように、変更部材20は、本体の一例としての装置本体10に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材の一例である。
【0014】
変更部材20は、例えば、質別OのJIS A3000系合金からなる条に深絞り加工が施されることにより成形されたものであることを例示することができる。また、変更部材20は、例えば、質別H14のJIS A3000系合金又は質別H14のJIS A1000系アルミニウムからなる素材に切削加工が施されることにより成形されたものであっても良い。
【0015】
(入口ジョイント30)
入口ジョイント30は、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される入口パイプ31と、入口パイプ31を保持する保持部材32とを有している。
【0016】
入口パイプ31は、上端寄りの部分に設けられた、径方向外側に全周に亘って突出した上端側突出部311と、下端寄りの部分に設けられた、径方向外側に全周に亘って突出した下端側突出部312とを有している。
入口パイプ31における、下端側突出部312よりも下端側の部分が、保持部材32に形成された後述する貫通孔321に挿入されている。
保持部材32は、概形が板状の直方体の部材であり、中央部に円形の貫通孔321が形成されている。保持部材32は、JIS A3003合金の板材を用いて成形されている。なお、JIS A3003合金の質別は、質別H12又は質別H18であることを例示することができる。また、その他の質別であっても良いが、保持部材32の硬さが、35(HV)以上であることが望ましい。
【0017】
入口パイプ31は、下端側突出部312よりも下端側の部分が、保持部材32に形成された貫通孔321に挿入された状態でろう付されている。下端側突出部312における最外径部と保持部材32との間には、溶融したろう材からなるフィレット33が形成されている。
【0018】
そして、入口ジョイント30は、入口パイプ31の下端部が装置本体10の流入側空間121に挿入され、保持部材32の下端面が装置本体10の上面に載せられた状態(保持部材32と装置本体10とを重ね合わせた状態)で、レーザ溶接が施されることにより接合されている。このように、保持部材32は、装置本体10に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材の一例である。
【0019】
(出口ジョイント40)
出口ジョイント40は、入口ジョイント30と同様の部材であり、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される出口パイプ41と、出口パイプ41を保持する保持部材42とを有している。
【0020】
出口パイプ41は、上端寄りの部分に設けられた、径方向外側に全周に亘って突出した上端側突出部411と、下端寄りの部分に設けられた、径方向外側に全周に亘って突出した下端側突出部412とを有している。
出口パイプ41における、下端側突出部412よりも下端側の部分が、保持部材42に形成された後述する貫通孔(不図示)に挿入されている。
保持部材42は、概形が板状の直方体の部材であり、中央部に円形の貫通孔(不図示)が形成されている。保持部材42は、保持部材32と同様に、JIS A3003合金の板材を用いて成形されている。なお、JIS A3003合金の質別は、質別H12又は質別H18であることを例示することができる。また、その他の質別であっても良いが、保持部材42の硬さが、35(HV)以上であることが望ましい。
【0021】
出口パイプ41は、下端側突出部412よりも下端側の部分が、保持部材42に形成された貫通孔(不図示)に挿入された状態でろう付されている。下端側突出部412における最外径部と保持部材42との間には、溶融したろう材からなるフィレット43が形成されている。
【0022】
そして、出口ジョイント40は、出口パイプ41の下端部が装置本体10の流出側空間122に挿入され、保持部材42の下端面が装置本体10の上面に載せられた状態(保持部材42と装置本体10とを重ね合わせた状態)で、レーザ溶接が施されることにより接合されている。このように、保持部材42は、装置本体10に対してレーザ溶接にて接合される被接合部材の一例である。
【0023】
(液冷式冷却装置1の作用)
以上のように構成された液冷式冷却装置1には、装置本体10の上面であって、入口ジョイント30及び出口ジョイント40が設けられた部位よりも長手方向の外側に、この液冷式冷却装置1により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、複数の直方体状の単電池101からなる組電池100であることを例示することができる。
【0024】
そして、液冷式冷却装置1においては、入口ジョイント30の入口パイプ31から装置本体10の流入側空間121内に流入した冷却液が、流入側流路111を通って変更部材20の凹部21内に至る。変更部材20の凹部21内に至った冷却液は、その後、流出側流路112を通って流出側空間122に至り、出口ジョイント40の出口パイプ41から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体10の流入側流路111及び流出側流路112を流通する間に、装置本体10の上面に載せられた組電池100を冷却する。
【0025】
(液冷式冷却装置1の製造方法)
以上のように構成された液冷式冷却装置1は、以下のようにして製造される。
装置本体10における長手方向の両端部の端面と、変更部材20における装置本体10側の端面とを突き合わせた状態で、突き合わせ部に対して、レーザ光を連続的に照射する。このようにして、装置本体10における長手方向の両端部に、変更部材20を、レーザ溶接にて接合する。
突き合わせ部にレーザ光が照射されることで、突き合わせ部と略同一位置に溶接部22(
図3参照)が形成される。
【0026】
また、装置本体10の流入側空間121に入口ジョイント30の入口パイプ31の下端部を挿入し、入口ジョイント30の保持部材32の下端面を装置本体10の上面に載せる(保持部材32と装置本体10とを重ね合わせる)。そして、保持部材32と装置本体10とを重ね合わせた状態で、保持部材32に対してレーザ光を照射し、入口パイプ31の周囲にレーザ光を連続的に照射していく。このようにして、装置本体10における中央部に、入口ジョイント30を、レーザ溶接にて接合する。
重ね合わせ部にレーザ光が照射されることで、照射された位置と略同一位置に溶接部34(
図3参照)が形成される。
【0027】
同様に、装置本体10の流出側空間122に出口ジョイント40の出口パイプ41の下端部を挿入し、出口ジョイント40の保持部材42の下端面を装置本体10の上面に載せる(保持部材42と装置本体10とを重ね合わせる)。そして、保持部材42と装置本体10とを重ね合わせた状態で、保持部材42に対してレーザ光を照射し、出口パイプ41の周囲にレーザ光を連続的に照射していく。このようにして、装置本体10における中央部に、出口ジョイント40を、レーザ溶接にて接合する。
重ね合わせ部にレーザ光が照射されることで、照射された位置と略同一位置に溶接部44(
図1参照)が形成される。
【0028】
(レーザ溶接工程)
図5は、重ね合わせ部におけるレーザ溶接工程を説明する斜視図である。
図5に示すように、装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)との重ね合わせ部に向けて、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。そして、レーザヘッド151を、入口パイプ31(出口パイプ41)の周囲の保持部材32(保持部材42)の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。
なお、レーザ装置150のレーザ源は特に限定されない。YAGレーザ、CO
2レーザ、ファイバレーザ、ディスクレーザ、半導体レーザであることを例示することができる。また、レーザ光Lの照射方向は、重ね合わせ部の保持部材32(保持部材42)の面に対して直交する方向でも良いし、直交方向に対して傾斜した方向であっても良い。
また、装置本体10と変更部材20との突き合わせ部に向けて、レーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。そして、レーザヘッド151を、突き合わせ部の形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。
【0029】
(溶接部)
上述したように製造される液冷式冷却装置1において、装置本体10に用いられるアルミニウム材料と、変更部材20に用いられるアルミニウム材料とは異なる。また、装置本体10に用いられるアルミニウム材料と、入口ジョイント30の保持部材32及び出口ジョイント40の保持部材42に用いられるアルミニウム材料とは異なる。
これは、本発明者が鋭意研究したところ、性質の異なる2つのアルミニウム材がレーザ溶接にて接合されることで、レーザ溶接による溶融部の硬さが、2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬くなることを見出したことに起因する。
【0030】
図6(a)は、
図1のVI-VI部の断面図である。
図6(b)は、
図6(a)のVIb部の拡大図である。
図7は、溶接部の硬さを示す図である。
図6(a)及び
図6(b)は、入口ジョイント30の保持部材32と装置本体10との重ね合わせ部の溶接部34の断面形状を示している。レーザ装置150のレーザヘッド151から保持部材32に対してレーザ光Lが照射され、レーザ光Lのエネルギーが熱に変換されることによって、重ね合わせ部を構成している、アルミニウム材である保持部材32と装置本体10の母材自体が溶融し、その後急速に冷却される。この急速加熱・急速冷却により溶接部34に組織変化が生じ、溶接部34は、溶けて固まった溶融部34mと、溶接熱により組織変化の生じた熱影響部34hとにより構成される。熱影響部34hは、保持部材32の熱影響部32hと、装置本体10の熱影響部10hとにより構成される。
【0031】
図7は、
図6(b)に示した、溶接部34の断面における部位である、保持部材32の母材、保持部材32の熱影響部32h、溶融部34m、装置本体10の熱影響部10h、装置本体10の母材の硬さを示す図である。
図7に示した硬さは、質別T6のJIS A6063合金からなる押出材を用いてつくられた装置本体10と、質別H18のJIS A3003合金からなる板材(板厚0.9(mm))を用いてつくられた保持部材32とを、ファイバレーザのレーザ装置にてレーザ溶接した場合の硬さを示している。なお、溶接条件は、スポット径が50(μm)、レーザ出力をレーザの移動速度で割ったものが25(J/mm)であり、不活性ガスとして窒素(N
2)を使用し、焦点は材料表面に合うように設定した。溶接条件は、例えば、接合体である保持部材32の板厚によって好適な条件が異なるが、板厚0.9~1.2(mm)であれば上記条件が好適な条件である。
【0032】
図7に示した、保持部材32の母材の硬さは、質別H18のJIS A3003合金の板材、言い換えれば、冷間加工後に加工硬化されたJIS A3003合金の硬さである、55(HV(ビッカース硬さ))である。装置本体10の母材の硬さは、質別T6のJIS A6063合金の押出材、言い換えれば、焼き入れ後、時効硬化処理の一例である焼き戻しされたJIS A6063合金の硬さである、73(HV)である。
【0033】
そして、
図7に示すように、溶融部34mの硬さは、40~50(HV)である。装置本体10の熱影響部10hの硬さは、約50(HV)であり、保持部材32の熱影響部32hの硬さは、約36(HV)である。つまり、溶融部34mの硬さは、保持部材32の熱影響部32hの硬さよりも硬く、装置本体10の熱影響部10hの硬さよりも柔らかい。なお、
図7に示すように、保持部材32の熱影響部32hの硬さは、質別H16のJIS A3003合金の硬さよりも柔らかいが、質別OのJIS A3003合金の硬さよりも硬い。また、
図7に示すように、装置本体10の熱影響部10hの硬さは、質別T5のJIS A6063合金の硬さよりも柔らかいが、質別T1のJIS A6063合金の硬さよりも硬い。
【0034】
このように、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、性質の異なる2つのアルミニウム材がレーザ溶接にて接合されることで、レーザ溶接による溶融部(例えば溶融部34m)の硬さが、2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材(例えば熱影響部32h)の硬さよりも硬くなることが実現されている。その結果、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、溶融部(例えば溶融部34m)が破断するよりも、溶融部(例えば溶融部34m)よりも硬くない保持部材32の方が先に破断するので、溶融部(例えば溶融部34m)から破断することを抑制することができる。それゆえ、信頼性の高い溶接部34とすることができる。
【0035】
なお、硬さが同じの2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合した場合には、レーザ溶接による溶融部の硬さが最も低くなる。例えば、質別T6のJIS A6063合金同士をレーザ溶接にて接合した場合には、溶融部の硬さがほぼO材の硬さまで戻ってしまい、溶融部の硬さが最も低くなる。その結果、溶融部から破断してしまう。そのため、実施の形態に係る液冷式冷却装置1は、硬さが同じである2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される冷却装置に比べて壊れ難いので、信頼性の高い溶接部とすることができる。
【0036】
また、出口ジョイント40の保持部材42も入口ジョイント30の保持部材32と同じアルミニウム材料を用いているので、出口ジョイント40の保持部材42と装置本体10との重ね合わせ部の溶接部44においても、溶融部の硬さは、保持部材42の熱影響部の硬さよりも硬い。その結果、溶融部が破断するよりも、溶融部よりも硬くない保持部材42の方が先に破断するので、溶融部から破断することを抑制することができる。それゆえ、信頼性の高い溶接部44とすることができる。
【0037】
また、上記事項は、硬さが異なる2つのアルミニウム材がレーザ溶接にて接合された場合、溶接部の硬さが、2つのアルミニウム材の内の硬い方のアルミニウム材の熱影響部、溶融部、2つのアルミニウム材の内の硬くない方のアルミニウム材の熱影響部と、順に低下することを示すものと考えられる。
【0038】
それゆえ、硬さが異なる2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材が非熱処理合金で、他方のアルミニウム材が熱処理合金である場合においては、非熱処理合金の方が熱処理合金よりも硬くないので、溶融部の硬さは、非熱処理合金の熱影響部の硬さよりも硬くなる。その結果、溶融部が破断するよりも、溶融部よりも硬くない非熱処理合金の方が先に破断するので、溶融部から破断することを抑制することができ、信頼性の高い溶接部とすることができる。
【0039】
なお、非熱処理合金としては、上述した保持部材32(保持部材42)のアルミニウム材料であるJIS A3003合金が含まれるA3000系や、A1000系、A5000系を例示することができる。熱処理合金としては、上述した装置本体10のアルミニウム材料であるJIS A6063合金が含まれるA6000系や、A2000系、A7000系を例示することができる。
【0040】
それゆえ、例えば、保持部材32がA1000系合金、装置本体10がA6000系合金である組み合わせの場合においても、溶融部34mの硬さは、保持部材32の熱影響部32hの硬さよりも硬くなる。その結果、溶融部34mが破断するよりも、溶融部34mよりも硬くない保持部材32の方が先に破断するので、溶融部34mから破断することを抑制することができ、信頼性の高い溶接部34とすることができる。
【0041】
上記事項により、装置本体10と変更部材20との突き合わせ部がレーザ溶接にて接合された溶接部22においても、装置本体10の硬さよりも変更部材20の硬さの方が低いことから、溶融部の硬さは、変更部材20の熱影響部の硬さよりも硬い。その結果、溶融部が破断するよりも、溶融部よりも硬くない変更部材20の方が先に破断するので、溶融部から破断することを抑制することができる。それゆえ、信頼性の高い溶接部22とすることができる。
【0042】
(重ね合わせ部のレーザ溶接に関して)
また、本発明者が鋭意研究したところ、硬さが異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する場合において、硬さが低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射すると、硬さが高い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する場合に比べて、凝固割れが生じる可能性が小さくなることを見出した。
【0043】
それゆえ、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1における装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)とのアルミニウム材料を選定するにあたって以下のことに鑑みる。つまり、装置本体10が細長い部材であるため硬さ(強度)が高い必要があること、及び、装置本体10の上面に入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)を載せた状態でレーザ溶接を施すために、保持部材32(保持部材42)に対してレーザ光を照射することに鑑みる。その結果、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、装置本体10の母材の硬さよりも低い硬さのアルミニウム材料を用いて保持部材32(保持部材42)を成形する。例えば、質別T6のJIS A6063合金を用いて装置本体10を成形し、このアルミニウム材よりも硬さが低い、質別H18のJIS A3003合金を用いて保持部材32(保持部材42)を成形する。あるいは、質別T1のJIS A6063合金(硬さ42(HV))を用いて装置本体10を成形し、このアルミニウム材よりも硬さが低い、質別H12のJIS A3003合金(硬さ35(HV))を用いて保持部材32(保持部材42)を成形する。
【0044】
すなわち、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1を、硬さが異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、2つのアルミニウム材の内、硬さが低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する溶接方法を用いて製造した。そして、これにより、溶融部(例えば溶融部34m)に凝固割れが生じることを抑制することができるので、溶接欠陥がない、又は、溶接欠陥が許容範囲内である、信頼性の高い溶接部を実現し易くなる。
【0045】
また、本発明者が鋭意研究したところ、熱伝導率が異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する場合において、熱伝導率が低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射すると、熱伝導率が高い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する場合に比べて、高品質な溶接が可能であることを見出した。これは、同じエネルギーのレーザ光を照射したとしても、熱伝導率が低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する方が、発熱量が高くなり、溶融部(例えば溶融部34m)を深くすることができると考えられるためである。
【0046】
それゆえ、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1における装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)とのアルミニウム材料を選定するにあたって以下のことに鑑みる。つまり、装置本体10が細長い部材であるため硬さ(強度)が高い必要があること、装置本体10の上面に入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)を載せた状態でレーザ溶接を施すために、保持部材32(保持部材42)に対してレーザ光を照射することに鑑みる。そして、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、装置本体10のアルミニウム材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率のアルミニウム材料を用いて保持部材32(保持部材42)を成形した。例えば、質別T6のJIS A6063合金(熱伝導率210(W/m・℃))を用いて装置本体10を成形し、このアルミニウム材よりも熱伝導率が低い、質別H18のJIS A3003合金(熱伝導率160(W/m・℃))を用いて保持部材32(保持部材42)を成形した。
【0047】
すなわち、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1を、熱伝導率が異なる2つのアルミニウム材を重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、2つのアルミニウム材の内、熱伝導率が低い方のアルミニウム材に対してレーザ光を照射する溶接方法を用いて製造した。そして、これにより、高品質な溶接部を実現し易くなる。
【0048】
ここで、十分な接合強度を確保するためには、レーザ光を照射しない方のアルミニウム材における溶融部の深さが、両アルミニウム材の接合界面における溶融部の幅以上であることが望ましい。
本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)との重ね合わせ部に対して、レーザ溶接が施されているので、装置本体10における溶融部34mの深さH(
図6(b)参照)が、装置本体10と保持部材32(保持部材42)の接合界面における溶融部34mの幅W(
図6(b)参照)以上である。レーザ溶接は、例えばアーク溶接に比較して、エネルギー密度が極めて高く、溶融部34mのアスペクト比(深さ/幅)が大きくなり易いためである。
【0049】
また、十分な接合強度を確保するためには、溶融部の幅が、レーザ光を照射する方のアルミニウム材の板厚の45%以上の大きさであることが望ましい。
本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)との重ね合わせ部に対して、レーザ溶接が施されることによって、溶融部34mの幅Wが、レーザ光を照射する保持部材32(保持部材42)の板厚0.9~1.2(mm)の45%以上の大きさである0.5(mm)を確保している。
【0050】
また、溶融部に生じる割れ等の溶接欠陥を抑制するためには、熱影響部の幅が溶融部の幅Wより小さいことが望ましい。
本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)との重ね合わせ部に対して、レーザ溶接が施されているので、保持部材32(保持部材42)の熱影響部32hの幅及び装置本体10の熱影響部10hの幅が、溶融部34mの幅Wより小さい。より具体的には、溶融部34mの幅Wが0.5(mm)であるのに対して、装置本体10の熱影響部10hの幅が0.3(mm)、保持部材32(保持部材42)の熱影響部32hの幅が0.2(mm)である。レーザ溶接は、例えばアーク溶接に比較して、エネルギー密度が極めて高いため、熱影響部の幅を小さくすることができるので、凝固・収縮を小さくすることができる。その結果、割れ等の溶接欠陥を抑制することができる。
【0051】
ただし、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1においては、上述したように、装置本体10における溶融部34mの深さHが、装置本体10と保持部材32(保持部材42)の接合界面における溶融部34mの幅W以上であるとしても、溶融部34mの深さHが、貫通孔11まで至っていない。つまり、溶融部34mが、冷却液が流通する流入側流路111及び流出側流路112に達していない(
図6(a)参照)。これにより、流入側流路111又は流出側流路112を流通する冷却液の流れを阻害することに起因して、圧力損失が増大することが抑制される。
【0052】
なお、上述した溶接部34の形状を実現するように、以下の溶接条件にて、装置本体10と入口ジョイント30の保持部材32(出口ジョイント40の保持部材42)との重ね合わせ部に対して、レーザ溶接を施している。
溶接条件は、例えばスポット径が50(μm)、不活性ガスとして窒素(N2)を使用し、焦点は材料表面に合うように設定した場合に、レーザ出力をレーザの移動速度で割ったものをエネルギーとした場合に22~26(J/mm)となるように設定した。溶接条件は、例えば、接合体である保持部材32の板厚によって好適な条件が異なるが、板厚0.9~1.2(mm)であれば上記条件が好適な条件である。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態に係る液冷式冷却装置1は、性質の異なる2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される冷却装置であって、レーザ溶接による溶融部の硬さが、2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬いことを特徴とする冷却装置の一例である。ただし、この特徴点である、性質の異なる2つのアルミニウム材がレーザ溶接にて接合され、レーザ溶接による溶融部の硬さが、2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬いのは、冷却装置に限って好適なわけではない。2つのアルミニウム材をレーザ溶接にて接合して構成される全ての構造物に好適である。そして、レーザ溶接による溶融部の硬さが、2つのアルミニウム材の内の一方のアルミニウム材の硬さよりも硬いことで、溶接欠陥がない、又は、溶接欠陥が許容範囲内である、信頼性の高い溶接部となるので、この構造物が壊れ難くなる。
【符号の説明】
【0054】
1…液冷式冷却装置、10…装置本体、10h…熱影響部、20…変更部材、30…入口ジョイント、31…入口パイプ、32…保持部材、32h…熱影響部、34…溶接部、34m…溶融部、34h…熱影響部、40…出口ジョイント、41…出口パイプ、42…保持部材