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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】エアゾール容器用アクチュエーター
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/20 20060101AFI20221209BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B65D83/20 100
B05B9/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018222090
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020083396
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】三田 延行
(72)【発明者】
【氏名】朱 彦博
(72)【発明者】
【氏名】藤波 進
(72)【発明者】
【氏名】尾形 謙
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-315470(JP,A)
【文献】特開平07-285570(JP,A)
【文献】登録実用新案第3030483(JP,U)
【文献】特開2002-104555(JP,A)
【文献】特開平10-035750(JP,A)
【文献】特開2001-219982(JP,A)
【文献】特開2004-090943(JP,A)
【文献】特開2008-120441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00-83/76
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器の上端部に形成された突条部に嵌着される筒状スカート部を備え、該筒状スカート部が上下方向に沿う方向において該突条部に着脱される肩カバーと、
エアゾール容器の上面に設けたステムに嵌着される嵌着部を備えるとともに、該ステムに連通する吐出口を備え、上下方向に沿う方向において該ステムに着脱されるボタンと、
前記肩カバーと前記ボタンとを連結するヒンジとを有し、
前記ボタンにおける前記嵌着部を挟む前記ヒンジの反対側に押し部を備え、該押し部に加える押し下げ操作力による該ステムの押し下げにより該エアゾール容器の内容物を該吐出口から吐出可能にするエアゾール容器用アクチュエーターであって、
前記肩カバーは、前記筒状スカート部に取り外し誘導部を備え、
該取り外し誘導部は、前記筒状スカート部における筒状壁の周方向の一定範囲に渡り、該肩カバーがエアゾール容器の該突条部に取付けられた状態で該エアゾール容器の上面に臨む位置に設けられる切欠部と、その筒状スカート部における該切欠部の上部から該筒状スカート部の半径方向の外方に張り出るように設けられる鍔部とを備え、それらの切欠部と鍔部に加える押し上げ力により筒状スカート部が押し上げられ、その筒状スカート部とエアゾール容器の突条部との嵌着が解除されて該筒状スカート部を持ち上げ可能にし、
前記押し部が前記嵌着部から該エアゾール容器の外方向に向けて延びる形状をなし、該押し部の延在方向に沿う直線上で、前記嵌着部を挟む該押し部の反対側に、前記ヒンジを設けるとともに、前記吐出口を設け、
前記押し部が前記筒状スカート部の上側にまで延びるものとされ、
前記ボタンにおけるエアゾール容器の前記ステムへの着脱方向視で、前記筒状スカート部における前記筒状壁の周方向において、前記切欠部及び前記鍔部の中心位置が、前記押し部の延在方向に沿う中心線からずれた位置に設けられ、
前記ボタンにおけるエアゾール容器の前記ステムへの着脱方向視で、該ボタンが備える押し部における筒状スカート部の上側で最も外方に延びている部分と重なる位置に、前記肩カバーの筒状スカート部が備える前記切欠部及び前記鍔部が設けられ、前記切欠部及び鍔部に加える押し上げ力により持ち上げられた筒状スカート部がその筒状スカート部の上側にまで延びている当該押し部を突き上げることにより、当該ボタンが持ち上げられてその嵌着部とエアゾール容器のステムとの嵌着も解除可能にするエアゾール容器用アクチュエーター。
【請求項2】
前記肩カバーが、その筒状スカート部をエアゾール容器の突条部に嵌着させるとき、該筒状スカート部における前記筒状壁の内周の周方向の複数位置に設けた複数個の各係止部が該エアゾール容器の突条部に係止するものとされ、
前記筒状壁の周方向のうちで前記ヒンジが連結される部分の内周に設けられる前記係止部の前記突条部に対する係止強度が、前記筒状壁の周方向における他の部分の内周に設けられる他の前記係止部の前記突条部に対する係止強度よりも強く設定される請求項に記載のエアゾール容器用アクチュエーター。
【請求項3】
前記ヒンジは、前記肩カバーにおける筒状スカート部に連結されて上方に立ち上がっており、その立ち上がり端と前記ボタンにおける高さ方向の中間位置とを連結する薄肉帯状体を有している請求項1又は2に記載のエアゾール容器用アクチュエーター。
【請求項4】
前記切欠部が、該肩カバーの筒状スカート部における筒状壁の半径方向視で湾曲状をなす請求項1乃至のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエーター。
【請求項5】
エアゾール容器の上端部に形成された突条部に嵌着される筒状スカート部を備え、該筒状スカート部が上下方向に沿う方向において該突条部に着脱される肩カバーと、
エアゾール容器の上面に設けたステムに嵌着される嵌着部を備えるとともに、該ステムに連通する吐出口を備え、上下方向に沿う方向において該ステムに着脱されるボタンと、
前記肩カバーと前記ボタンとを連結するヒンジとを有し、
前記ボタンにおける前記嵌着部を挟む前記ヒンジの反対側に押し部を備え、該押し部に加える押し下げ操作力による該ステムの押し下げにより該エアゾール容器の内容物を該吐出口から吐出可能にするエアゾール容器用アクチュエーターであって、
前記肩カバーは、前記筒状スカート部に取り外し誘導部を備え、
該取り外し誘導部は、前記筒状スカート部における筒状壁の周方向の一定範囲に渡り、該肩カバーがエアゾール容器の該突条部に取付けられた状態で該エアゾール容器の上面に臨む位置に設けられる切欠部、又は、前記筒状スカート部の半径方向の外方に張り出るように設けられる鍔部であって、それらの切欠部又は鍔部に加える押し上げ力により筒状スカート部が押し上げられ、その筒状スカート部とエアゾール容器の突条部との嵌着が解除されて該筒状スカート部を持ち上げ可能にし、
前記押し部が前記嵌着部から該エアゾール容器の外方向に向けて延びる形状をなすとともに、前記筒状スカート部の上側にまで延びており、
前記ボタンにおけるエアゾール容器の前記ステムへの着脱方向視で、該ボタンが備える押し部における筒状スカート部の上側で最も外方に延びている部分と重なる位置に、前記肩カバーの筒状スカート部が備える前記取り外し誘導部が設けられ、該取り外し誘導部に加える押し上げ力により持ち上げられた筒状スカート部がその筒状スカート部の上側にまで延びている当該押し部を突き上げることにより、当該ボタンが持ち上げられてその嵌着部とエアゾール容器のステムとの嵌着も解除可能にするエアゾール容器用アクチュエーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアゾール容器用アクチュエーターに関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール容器用アクチュエーターとして、特許文献1に記載の如く、エアゾール容器の上端部に形成された突条部に嵌着される筒状スカート部を備え、該筒状スカート部が上下方向に沿う方向において該突条部に着脱される肩カバーと、エアゾール容器の上面に設けたステムに嵌着される嵌着部を備えるとともに、該ステムに連通する吐出口を備え、上下方向に沿う方向において該ステムに着脱されるボタンと、肩カバーとボタンとを連結するヒンジとを有してなるものがある。このエアゾール容器用アクチュエーターでは、ボタンにおけるエアゾール容器のステムへの嵌着部を挟むヒンジの反対側に押し部を備え、該押し部に加える押し下げ操作力による該ステムの押し下げにより該エアゾール容器の内容物を該吐出口から吐出可能にしている。
【0003】
そして、特許文献1に記載のエアゾール容器用アクチュエーターでは、エアゾール容器が不用になって廃棄するときに、エアゾール容器の金属部分と、アクチュエーターの合成樹脂部分とを簡単に分別して廃棄するため、肩カバーにおける筒状スカート部の下端部に切欠部を設け、該切欠部に硬貨の端部を挿入して該筒状スカート部をエアゾール容器に対してこじ上げることにより、アクチュエーターをエアゾール容器から取外しできるようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載のエアゾール容器用アクチュエーターでは、肩カバーにおける筒状スカート部の頂壁に設けた連結片を切断して形成されるC字状の分離スリットと、ボタンの周辺に設けたC字状の押圧用スリットとの間に環状の指掛け可能なリング片が形成されるようにし、アクチュエーターを分離するための特別な器具がなくてもアクチュエーターをエアゾール容器から取外しできるようにしている。
【0005】
尚、エアゾール容器に取付けたアクチュエーターの使用時には、ボタンの吐出口から吐出される内容物が該吐出口において固化することがあり、そのような場合には、その吐出口を洗浄するために、アクチュエーターをエアゾール容器から簡単に取外し可能にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-35750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のエアゾール容器用アクチュエーターには以下の問題点がある。
(1)肩カバーにおける筒状スカート部の下端部に切欠部を設けるエアゾール容器用アクチュエーターでは、該切欠部に挿入する硬貨等の特別な器具が必要になる。
【0008】
尚、切欠部に挿入された硬貨等は筒状スカート部をこじ上げるときに、エアゾール容器の表面を傷付けるおそれがある。不用となったエアゾール容器とアクチュエーターを分別廃棄する場合には不都合がないものの、エアゾール容器から取外したアクチュエーターの吐出口を洗浄し、該アクチュエーターを再びエアゾール容器に取付けて該エアゾール容器を繰り返し使用する場合には、そのようなエアゾール容器の表面を傷付ける硬貨等の使用は適当でない。
【0009】
(2)環状の指掛け可能なリング片が形成されるようにしたエアゾール容器用アクチュエーターでは、肩カバーにおける筒状スカート部の頂壁に設けた連結片を切断してC字状の分離スリットを形成することから、アクチュエーターを破損させるものになる。不用となったエアゾール容器とアクチュエーターを分別廃棄する場合には不都合がないものの、エアゾール容器から取外したアクチュエーターの吐出口を洗浄し、該アクチュエーターを再びエアゾール容器に取付けて該エアゾール容器を繰り返し使用する場合には、そのようなアクチュエーターを破損させる構造の採用は適当でない。
【0010】
本発明の課題は、エアゾール容器から簡単に取外しできるエアゾール容器用アクチュエーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、エアゾール容器の上端部に形成された突条部に嵌着される筒状スカート部を備え、該筒状スカート部が上下方向に沿う方向において該突条部に着脱される肩カバーと、エアゾール容器の上面に設けたステムに嵌着される嵌着部を備えるとともに、該ステムに連通する吐出口を備え、上下方向に沿う方向において該ステムに着脱されるボタンと、前記肩カバーと前記ボタンとを連結するヒンジとを有し、前記ボタンにおける前記嵌着部を挟む前記ヒンジの反対側に押し部を備え、該押し部に加える押し下げ操作力による該ステムの押し下げにより該エアゾール容器の内容物を該吐出口から吐出可能にするエアゾール容器用アクチュエーターであって、前記肩カバーは、前記筒状スカート部に取り外し誘導部を備え、該取り外し誘導部は、前記筒状スカート部における筒状壁の周方向の一定範囲に渡り、該肩カバーがエアゾール容器の該突条部に取付けられた状態で該エアゾール容器の上面に臨む位置に設けられる切欠部と、その筒状スカート部における該切欠部の上部から該筒状スカート部の半径方向の外方に張り出るように設けられる鍔部とを備え、それらの切欠部と鍔部に加える押し上げ力により筒状スカート部が押し上げられ、その筒状スカート部とエアゾール容器の突条部との嵌着が解除されて該筒状スカート部を持ち上げ可能にし、前記押し部が前記嵌着部から該エアゾール容器の外方向に向けて延びる形状をなし、該押し部の延在方向に沿う直線上で、前記嵌着部を挟む該押し部の反対側に、前記ヒンジを設けるとともに、前記吐出口を設け、前記押し部が前記筒状スカート部の上側にまで延びるものとされ、前記ボタンにおけるエアゾール容器の前記ステムへの着脱方向視で、前記筒状スカート部における前記筒状壁の周方向において、前記切欠部及び前記鍔部の中心位置が、前記押し部の延在方向に沿う中心線からずれた位置に設けられ、前記ボタンにおけるエアゾール容器の前記ステムへの着脱方向視で、該ボタンが備える押し部における筒状スカート部の上側で最も外方に延びている部分と重なる位置に、前記肩カバーの筒状スカート部が備える前記切欠部及び前記鍔部が設けられ、前記切欠部及び鍔部に加える押し上げ力により持ち上げられた筒状スカート部がその筒状スカート部の上側にまで延びている当該押し部を突き上げることにより、当該ボタンが持ち上げられてその嵌着部とエアゾール容器のステムとの嵌着も解除可能にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エアゾール容器用アクチュエーターをエアゾール容器から簡単に取外しできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1はエアゾール容器に取付けた本発明のアクチュエーターの一実施形態を示す斜視図である。
図2図2はエアゾール容器に取付けた図1に示すアクチュエーターを示す断面図である。
図3図3図1に示すアクチュエーターの側面図である。
図4図4図1に示すアクチュエーターの正面図である。
図5図5図1に示すアクチュエーターの背面図である。
図6図6図1に示すアクチュエーターの平面図である。
図7図7図1に示すアクチュエーターの底面図である。
図8図8図1に示すアクチュエーターの取外し手順を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)(図1乃至図8
図1図2に示したエアゾール容器1は、金属等からなる容器本体2の上端部2Aにマウンテンカップ3を加締め止め等によって固定し、このマウンテンカップ3の上面中央部よりエアゾール容器1の軸方向の上方へ突出するステム4を備える。エアゾール容器1は、ステム4を外方から内方へ押し下げ可能にしており、該ステム4を押し下げることにより内蔵吐出弁が開き、ガス圧で内容物をステム4の上端開口から吐出可能にしている。
【0015】
尚、本明細書では、正立されたエアゾール容器1の突条部5に肩カバー20の筒状スカート部21が嵌合して取付けられ、該エアゾール容器1のステム4にボタン30が嵌着された状態で、アクチュエーター10の前後について、ボタン30におけるステム4との嵌着部32に対して吐出口33が設けられる側を「前」といい、その反対側を「後」という。また、アクチュエーター10の上下について、肩カバー20における突条部5に嵌合される筒状スカート部21、及びボタン30においてステム4に嵌着される嵌着部32が設けられる側を「下」といい、その反対側を「上」という。
【0016】
本実施形態におけるエアゾール容器用アクチュエーター10は、図1乃至図7に示す如く、肩カバー20とボタン30を有して構成される。
【0017】
肩カバー20は、エアゾール容器1における容器本体2の上端部2Aに形成された突条部5に嵌着される筒状スカート部21を備え、該筒状スカート部21が上下方向に沿う方向において該突条部5に着脱される。尚、肩カバー20の筒状スカート部21が嵌着して取付けられるエアゾール容器1の突条部5は、本実施形態では、エアゾール1において容器本体2の上端部2Aに固定されたマウンテンカップ3の加締め止め部により形成され、エアゾール1の上面のステム4を囲んで該ステム4と同芯状をなす。
【0018】
ボタン30は、本体部31に、エアゾール容器1の上面のステム4に嵌着される丸孔状の嵌着部32を後述する如くに備えるとともに、該ステム4に連通路34を介して連通する丸孔状の吐出口33を備え、該嵌着部32が上下方向に沿う方向において該ステム4に着脱される。ボタン30に加える押し下げ操作力によるステム4の押し下げにより、エアゾール容器1の内容物をステム4経由で吐出口33から吐出可能にする。
【0019】
ここで、アクチュエーター10は、プラスチックを金型成形する等によって製作された成形体からなり、図2乃至図7に示す如く、肩カバー20とボタン30とが薄肉状のヒンジ40により連結されて構成される。即ち、肩カバー20とボタン30とは、肩カバー20におけるエアゾール容器1の突条部5に嵌着される筒状スカート部21と、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4との嵌着部32との中間位置に設けたヒンジ40により連結される。
【0020】
肩カバー20の筒状スカート部21は、エアゾール容器1の上面のステム4を囲む周方向の全周に渡って連続する短尺筒状体(本実施形態では短尺円筒状体)をなす。筒状スカート部21は、エアゾール容器1の半径方向の外方に臨む突条部5の外側面に嵌着される筒状壁22と、筒状壁22の上端部からエアゾール容器1の半径方向の内方に延在し、該エアゾール容器1の軸方向の上方に臨む突条部5の上端面に当接する環状の肩部23とを有する。
【0021】
また、肩カバー20の筒状スカート部21は、筒状壁22の内周の周方向の複数位置に複数個の係止部22A乃至22Cを設けており、エアゾール容器1の突条部5に嵌着されるとき、それらの各係止部22A乃至22Cが該突条部5に係止するものとされている。本実施形態において、各係止部22A乃至22Cは、筒状壁22の内周における下縁沿いの周方向に沿う各一定の角度範囲θa、θb、θcに渡って、該筒状壁22の内周面からエアゾール容器1の半径方向の内方に向かって一定の高さhだけ突出したリブ状をなす(図2図7)。本実施形態において、係止部22Aは筒状壁22の周方向のうちで前記ヒンジ40が連結される部分の内周に設けられ、他の係止部22B、22Cは筒状壁22の周方向のうちで後述する切欠部50と鍔部60が設けられる部分の両脇部のそれぞれに設けられる。肩カバー20は、筒状スカート部21がエアゾール容器1の突条部5に嵌着したとき、筒状壁22の各係止部22A乃至22Cが該突条部5の対応する外側面の下縁部に下方から係止し、筒状スカート部21のその嵌着状態を維持可能にする。
【0022】
このとき、筒状スカート部21における筒状壁22の周方向のうちで前記ヒンジ40が連結される部分の内周に設けられる係止部22Aの上記突条部5に対する係止強度は、上記筒状壁22の周方向における他の部分の内周に設けられる他の係止部22B、22Cの上記突条部5に対する係止強度よりも強く設定されている。本実施形態において、係止部22Aはその角度範囲θaが他の係止部22B、22Cの角度範囲θb、θcよりも大とされ、その係止強度を強く設定されている。これに限らず、例えば係止部22Aの高さhを他の係止部22B、22Cの高さhよりも高くし、その係止強度を強く設定することもできる。
【0023】
ボタン30は、肩カバー20の筒状スカート部21における肩部23の円形状内径部よりも小径の外径を備えて概ね有天筒状体(本実施形態では有天円筒状体)をなす本体部31を備える。そして、ボタン30は、エアゾール容器1のステム4に嵌着する嵌着部32を、本体部31の天面部における下面中央部から垂下するように設けてアクチュエーター10の下方に臨ませて開口するとともに、吐出口33を本体部31の前面中央部に設けてエアゾール容器1の前方に臨ませて開口する。ボタン30は、嵌着部32から上方に延びる縦孔34Aと、縦孔34Aの上端部から前方に延びる横孔34Bを本体部31の内部に有し、縦孔34Aと横孔34BからなるL字状連通路34によって、嵌着部32と吐出口33を接続している。
【0024】
そして、アクチュエーター10にあっては、図6に示すように、筒状スカート部21における筒状壁22の軸方向視で、筒状スカート部21における肩部23の円形状内径部の内側に、ボタン30における本体部31が位置している。詳述すると、図6に示すように、筒状スカート部21における筒状壁22の軸方向視で、肩部23の中心位置と、本体部31の中心位置とが一致するように配されている。そして、図3に示すように、前述のヒンジ40が肩カバー20の筒状スカート部21における肩部23の円形状内径部に連結されて上方に立ち上がり、その立ち上がり端がボタン30の本体部31における高さ方向中間部(吐出口33の下部)に連結される。本実施形態において、ヒンジ40は、上述の立ち上がりの上端部からボタン30に連結される部分までの水平に延びる薄肉帯状体41を有している。
【0025】
更に、アクチュエーター10にあっては、図3に示すように、ボタン30の本体部31におけるエアゾール容器1のステム4との嵌着部32を挟むヒンジ40の反対側に位置する押し部35を、該本体部31の天面からなだらかに下り勾配をなして後方に向かう外方向へ延出させている。押し部35に加える押し下げ操作力によって該ボタン30をヒンジ40まわりに回動し、該ステム4を押し下げ可能にする。このとき、ボタン30の押し部35に加えた押し下げ操作力は、ヒンジ40を支点とするテコの原理によって拡大された押し下げ作用力をエアゾール容器1のステム4に作用し、該ステム4の押し下げによりエアゾール容器1の内容物をボタン30の吐出口33から吐出させる。
【0026】
尚、アクチュエーター10にあっては、ボタン30の押し部35がエアゾール容器1におけるステム4への嵌着部32から後方に向かう外方向に延びる長手状をなし、該押し部35の延在方向に沿う直線上で、該ステム4への嵌着部32を挟む該押し部35の反対側に、前記ヒンジ40を設けるとともに、該ボタン30の吐出口33を設ける。このとき、ボタン30の長手状をなす押し部35は、肩カバー20の筒状スカート部21における肩部23の上側にまで延在されている。
【0027】
しかるに、アクチュエーター10はエアゾール容器1から簡単に取外し可能とするために、肩カバー20に以下の構造を具備する。
【0028】
即ち、本実施形態において、肩カバー20は、図1図3図5図6図7に示す如く、取り外し誘導部として、切欠部50と鍔部60とを備える。切欠部50は、肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の周方向の一定範囲に渡り、該肩カバー20がエアゾール容器1の突条部5に取付けられた状態で該エアゾール容器1の上面のマウンテンカップ3に臨む位置に設けられる。鍔部60は、肩カバー20の筒状スカート部21における該切欠部50の上部から該筒状スカート部21の半径方向の外方に張り出るように設けられる。本実施形態において、切欠部50は筒状スカート部21における筒状壁22の周方向に沿う幅W(図7)の範囲に渡るものとしている。また、鍔部60は筒状スカート部21における筒状壁22の上縁部から外方に長さL(図7)だけ張り出て、該鍔部60の上面を肩部23の上面と概ね面一をなすものとしている。使用者は、手の親指等の指先(又は爪先)を上記切欠部50に入れ、その指先の腹を上記鍔部60の下面に当て、その切欠部50と鍔部60に加える押し上げ力によって肩カバー20の筒状スカート部21をエアゾール容器1の突条部5から押し上げ可能にするものになる。
【0029】
ここで、肩カバー20に備えた切欠部50と鍔部60は、好適には、ボタン30におけるエアゾール容器のステム4への嵌着部32を挟む、ヒンジ40の反対側に位置する該肩カバー20の筒状スカート部21に設けられる。そして、図6に示すように、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4への着脱方向視(筒状スカート部21における筒状壁22の軸方向視)で、該肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の周方向において、切欠部50と鍔部60の中心位置は、押し部35の延在方向に沿う中心線lからずれた位置に設けられる。より詳述すると、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4への着脱方向視で、押し部35における最も外方に延びている部分と重なる位置に切欠部50及び鍔部60が設けられている。
【0030】
また、肩カバー20に備えた切欠部50は、該肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の半径方向視で、使用者の指先の腹の湾曲面に倣う如くの湾曲状をなすことが好ましい。
【0031】
また、肩カバー20に備えた鍔部60は、該肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の軸方向視で、切欠部50に入れた使用者の指先の腹の一部に上方から重なる張り出し状をなす。鍔部60は使用者の指先の腹に優しく接するように丸味を帯びた湾曲状をなすことが好ましく、更には上記指先の腹との当接面を確保するためにその輪郭の一端側と他端側とが互いに非対称をなすことも好ましい。
【0032】
従って、アクチュエーター10は以下の如くに使用される。
(A)エアゾール容器1の内容物を吐出するとき。
ボタン30の押し部35に押し下げ操作力を加える。押し部35に加えた押し下げ操作力は、ヒンジ40を支点とするテコの原理によって拡大された押し下げ作用力をステム4に及ぼし、エアゾール容器1の内容物をステム4経由でボタン30の吐出口33から吐出させる。
【0033】
このとき、ボタン30の本体部31は肩カバー20に対してヒンジ40まわりに回動して押下され、当該本体部31の下端部を肩カバー20における筒状スカート部21の肩部23が形成している円形状内径部に若干没入させる。
【0034】
(B)エアゾール容器1の内容物を使い切って該エアゾール容器1を廃棄するとき、或いはアクチュエーター10をエアゾール容器1から取外してその吐出口33を洗浄するために、アクチュエーター10をエアゾール容器1から取外すとき。
【0035】
アクチュエーター10をエアゾール容器1から取外すため、一方の手でエアゾール容器1を保持した状態において、図8(A)に示す如く、肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22に設けた切欠部50に他方の手の親指等の指先(又は爪先)を入れ、その指先の腹をその筒状スカート部21における該切欠部50の上部から外方に突き出るように設けた鍔部60に当て、その切欠部50と鍔部60に加える押し上げ力によって該筒状スカート部21を押し上げる。
【0036】
これにより、該肩カバー20はその筒状スカート部21とエアゾール容器1の突条部5との嵌着を解除されて持ち上げられるとともに(図8(B))、該肩カバー20にヒンジ40を介して連結されているボタン30も持ち上げられてその嵌着部32とエアゾール容器1のステム4との嵌着も解除され、アクチュエーター10の全体がエアゾール容器1から取外されるものになる(図8(C))。
【0037】
これにより、エアゾール容器1の廃棄段階で、エアゾール容器1とアクチュエーター10とを分別処理でき、アクチュエーター10を再利用することもできる。
【0038】
また、エアゾール容器1に取付けたアクチュエーター10の使用時に、ボタン30の吐出口33から吐出された内容物が該吐出口33において固化したとき、アクチュエーター10をエアゾール容器1から取外してその吐出口33を洗浄することができる。尚、ボタン30の吐出口33が洗浄されたアクチュエーター10は、再びエアゾール容器1に取付けられて繰り返し使用に供される。
【0039】
従って、本実施形態のアクチュエーター10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)アクチュエーター10の肩カバー20に設けた切欠部50及び鍔部60を用いて、アクチュエーター10の全体を簡易に取外しできる。
【0040】
アクチュエーター10の取外しのために、特殊な器具を用いる必要がなく、エアゾール容器1の表面を傷付けるおそれがないし、アクチュエーター10を破損させることもなく、該アクチュエーター10を簡単に取外しできる。
【0041】
従って、このようなアクチュエーター10は、不用となったエアゾール容器1からアクチュエーター10を取外して分別廃棄する場合だけでなく、エアゾール容器1から外したアクチュエーター10の吐出口33を洗浄し、該アクチュエーター10を再びエアゾール容器1に取付けて該エアゾール容器1を繰り返し使用する場合にも、好適に採用できる。
【0042】
特に、本実施形態においては、取り外し誘導部として、切欠部50及び該切欠部50の上部に設けられた鍔部60の両方を有しているため、指先からの押し上げ力を確実に筒状スカート部21に作用させることができるので、アクチュエーター10を簡単に取外しできる。
【0043】
(b)ボタン30の押し部35の延在方向に沿う直線上で、エアゾール容器1のステム4への嵌着部32を挟む該押し部35の反対側に、ヒンジ40及び該ボタン30の吐出口33を設けた。従って、ボタン30の押し部35に加える押し下げ操作力による該ボタン30のヒンジ40まわりの回動操作性が良い。また、ボタン30の押し部35に加える押し下げ操作力による吐出口33からの内容物の吐出方向が該押し部35の延在方向に沿う方向になることを容易に認識でき、使い勝手が良い。
【0044】
(c)ボタン30の長手状をなす押し部35が肩カバー20における筒状スカート部21の上側にまで延びる。従って、前述(a)で、肩カバー20に設けた切欠部50と鍔部60に加える押し上げ力により筒状スカート部21が押し上げられ、その筒状スカート部21とエアゾール容器1の突条部5との嵌着が解除されて持ち上げられたとき、当該持ち上げられた肩カバー20の筒状スカート部21が続いてその筒状スカート部21の上側にまで延びているボタン30の押し部35を突き上げることを可能にし、当該ボタン30が持ち上げられてその嵌着部32とエアゾール容器1のステム4との嵌着も解除するものになる。指先による筒状スカート部21の押し上げ操作に基づき、肩カバー20を持ち上げる動作と、更にはボタン30を持ち上げる動作とを一連化できる。肩カバー20の持ち上げ動作と、ボタン30の持ち上げ動作とを、使用者の別個の操作によることなく、その指先によって筒状スカート部21を押し上げる1個の操作で連続化でき、アクチュエーター10を一層簡単に取外しできる。
【0045】
特に、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4への着脱方向視で、押し部35における最も外方に延びている部分と重なる位置に取り外し誘導部(切欠部50、鍔部60)が設けられているので、取り外し動作により持ち上げられた筒状スカート部21が確実に押し部35を突き上げることができ、弱い力で確実にアクチュエーター10をエアゾール容器1の突条部5及びステム4から取り外すことができる。
【0046】
(d)アクチュエーター10は、ボタン30の押し部35に加える押し下げ操作力によって、ボタン30がヒンジ40を回動中心として該ボタン30を回動させてステム4を押し下げることにより、エアゾール容器1の内容物を吐出させる。このとき、ボタン30の押し部35に加えた押し下げ操作力は、ステム4との嵌着部32を支点とするテコの原理によって拡大された取り外し力をヒンジ40、更には該ヒンジ40の側の肩カバー20に及ぼす。従って、押し部35への押し下げ操作によってアクチュエーター10がエアゾール容器1から外れてしまわないように、肩カバー20の筒状スカート部21がエアゾール容器1の突条部5に対する嵌着強度はヒンジ40の側で強くなるように設定される必要がある。一方において、前述(a)で肩カバー20の筒状スカート部21に設けた切欠部50及び鍔部60に加える押し上げ力によって押し上げられ、エアゾール容器1の突条部5との嵌着を解除される筒状スカート部21は、エアゾール容器1の突条部5との嵌着強度が強くない側で、換言すればヒンジ40の反対側で持ち上げられて取外されることが好ましい。即ち、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4への嵌着部32を挟むヒンジ40の反対側に位置する肩カバー20の筒状スカート部21に切欠部50と鍔部60を設けることにより、切欠部50と鍔部60に加える押し上げ力が該筒状スカート部21においてエアゾール容器1の突条部5との嵌着強度が強くない側に作用するものになり、アクチュエーター10を一層簡単に取外しできる。
【0047】
また、切欠部50と鍔部60が、ボタン30におけるエアゾール容器1のステム4への着脱方向視で、該肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の周方向において該ボタン30の押し部35からずれた位置に設けられることにより、使用者はエアゾール容器1に取付けられたアクチュエーター10の平面視で、切欠部50と鍔部60をボタン30の押し部35に遮られることなく視認でき、切欠部50と鍔部60の使い勝手が良い。また、上記平面視において、ボタン30の押し部35が筒状スカート部21の半径方向で該筒状スカート部21の外径よりも外側に延びている場合に、この押し部35が前述(a)で切欠部50及び鍔部60に押し上げ力を加えようとする使用者の指先操作を損なうものにならない。
【0048】
(e)筒状スカート部21の筒状壁22の内周の周方向の複数位置に設けられてエアゾール容器1の突条部5に係止する各係止部22A乃至22Cのうち、該筒状壁22の周方向においてヒンジ40が連結される部分の内周に設けられる係止部22Aの係止強度が他の係止部22B、22Cにおけるよりも強く設定される。これにより、前述(d)でボタン30の押し部35に加えた押し下げ操作力が、ステム4との嵌着部32を支点とするテコの原理によって拡大された取外し力をヒンジ40、更には該ヒンジ40の側の肩カバー20に及ぼすとき、該ヒンジ40の側の筒状壁22の内周に設けられている係止部22Aはその強い係止強度によってエアゾール容器1の突条部5に強く係止され、当該肩カバー20の筒状スカート部21を安定的にエアゾール容器1の突条部5に嵌着維持できる。他方、ヒンジ40の反対側に位置する肩カバー20の筒状スカート部21に設けられた切欠部50と鍔部60に加える押し上げ力が係止強度の強くない側の該筒状壁22の内周に設けられる他の係止部22B、22Cに作用するものになり、アクチュエーター10を簡単に取外しできる。
【0049】
(f)ヒンジ40は、肩カバー20における筒状スカート部21の筒状壁22に連結されて上方に立ち上がっており、その立ち上がり端とボタン30の高さ方向における中間位置とを連結する薄肉帯状体41を有している。即ち、肩カバー20とボタン30とを連結するヒンジ40が長い帯状をなすことにより、柔軟になる。従って、前述(a)で肩カバー20の筒状スカート部21に設けた切欠部50と鍔部60に押し上げ力を加えたとき、その押し上げ力が筒状スカート部21に直接作用して肩カバー20が先ず押し上げられ、続いてその押し上げ力が柔軟なヒンジ40をある程度撓ませた後にボタン30に作用して該ボタン30を持ち上げるものになり、アクチュエーター10の全体がエアゾール容器1から取外されるものになる。アクチュエーター10の取外しに際し、先ず肩カバー20が持ち上げられ、続いてボタン30が持ち上げられる2段階動作となり、切欠部50と鍔部60に加えるべき押し上げ力は肩カバー20とボタン30を同時に持ち上げるに必要とされる力より軽くなる。
【0050】
(g)肩カバー20に備えた切欠部50が、該肩カバー20の筒状スカート部21における筒状壁22の半径方向視で湾曲状をなす。指先の先端腹面を湾曲状切欠部50に沿わせるようにして該指先を該切欠部50に入れることができ、指先による筒状スカート部21の押し上げ操作性が良好になる。
【0051】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0052】
例えば、上記実施形態においては、取り外し誘導部として切欠部50及び鍔部60を備えるものであったが、ボタン30におけるエアゾール容器のステム4への着脱方向視で、押し部35における最も外方に延びている部分と重なる位置に取り外し誘導部が設けられているのであれば、該取り外し誘導部として、切欠部50及び鍔部60のどちらか一方のみ設けられたものであっても良い。このような形態の場合も、エアゾール容器用アクチュエーターをエアゾール容器から簡単に取外し可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、エアゾール容器用アクチュエーターをエアゾール容器から簡単に取外しできる。
【符号の説明】
【0054】
1 エアゾール容器
4 ステム
5 突条部
10 アクチュエーター
20 肩カバー
21 筒状スカート部
22 筒状壁
22A乃至22C 係止部
23 肩部
30 ボタン
31 本体部
32 嵌着部
33 吐出口
35 押し部
40 ヒンジ
50 切欠部
60 鍔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8