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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20221209BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221209BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20221209BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20221209BHJP
   A61B 5/18 20060101ALI20221209BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20221209BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/09 F
G08G1/0969
A61B5/16 200
A61B5/18
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019064035
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020165694
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【弁理士】
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】新谷 秀和
(72)【発明者】
【氏名】相沢 直秀
(72)【発明者】
【氏名】小関 真冬
(72)【発明者】
【氏名】石川 敬明
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/007386(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/179285(WO,A1)
【文献】特開2010-210271(JP,A)
【文献】特開2004-294430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
A61B 5/06-5/22
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の経路計画を生成する生成手段と、
前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する制御手段と、
前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視手段と、
前記監視手段により監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成手段により生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定手段と、
を備え、
前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、
前記制御手段は、前記第1の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御し、前記第2の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する、
とを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記監視手段により監視される前記車両情報が条件を満たす場合、前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記車両情報は、エネルギー関連情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記エネルギー関連情報は、燃料の残量、車載電池の残容量、の少なくともいずれかを含み、
前記エネルギー関連情報に基づいて前記車両が目的地まで到達できないと判定された場合、前記車両情報が前記条件を満たすとして、前記判定手段による判定が行われる、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記監視手段により監視される前記搭乗者の情報が条件を満たす場合、前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記搭乗者に関する画像データを用いて画像認識を行う画像認識手段と、
前記搭乗者に関する音声データを用いて音声認識を行う音声認識手段と、をさらに備え、
前記搭乗者の情報は、前記画像認識手段による認識の結果から得られる搭乗者の画像情報、前記音声認識手段による認識の結果から得られる音声情報、生体情報、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記監視手段により監視される前記搭乗者の情報に基づき認識される前記搭乗者の体調が条件を満たす場合、前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記体調は、疲労状態、空腹、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記監視手段により監視される前記搭乗者の情報に基づき認識される前記搭乗者の挙動が条件を満たす場合、前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記搭乗者の挙動は、所定の感情に分類されて記憶されることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御手段による前記車両の経路計画の変更の際に、前記搭乗者の情報に基づいて目的地までの経由地が追加されることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記目的地までの経由地の追加においては、前記車両の給油もしくは給電が必要であると判断された場合、該給油もしくは給電が可能な経由地が追加されることを特徴とする請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記監視手段により監視される前記環境に関する情報が条件を満たす場合、前記判定手段による判定が行われることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記環境に関する情報は、交通情報、施設情報、天候情報、災害情報、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記生成手段により生成された前記車両の経路計画上の目的地における前記搭乗者の行動予定を取得する取得手段と、
前記目的地と前記目的地までの経由地との少なくとも一つに対応する前記環境に関する情報に基づき、前記行動予定の実現の可能性を判断する第1判断手段と、
を備えることを特徴とする請求項13又は14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第1判断手段により前記行動予定の実現の可能性が一定の閾値を下回ると判断された場合、前記搭乗者に他の目的地若しくは経由地の候補を通知する通知手段、をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
制御装置において実行される制御方法であって、
前記制御装置が、車両の経路計画を生成する生成工程と、
前記制御装置が、前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御する制御工程と、
前記制御装置が、前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視工程と、
前記制御装置が、前記監視工程において監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成工程において生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定工程と、
を有し、
前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、
前記制御工程では、前記第1の要因であると前記判定工程において判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御し、前記第2の要因であると前記判定工程において判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御する、
とを特徴とする制御方法。
【請求項18】
車両の経路計画を生成する生成手段、
前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する制御手段、
前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成手段により生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、
前記制御手段は、前記第1の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御し、前記第2の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行経路を生成可能な制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、車両の乗員の生体情報や意向や特性を用いた経路生成システムが知られている。特許文献1には、乗員の複数種類の生体情報を検出して乗員の感情変化の推移を記憶する構成が記載されている。特許文献2には、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等に適合した推奨経路を決定することができる経路処理装置が記載されている。特許文献3には、運転時の個々人の休憩特性を学習し、その休憩特性を利用することにより、休憩時間の取得を加味した余裕のある所要時間計算を行うナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-137201号公報
【文献】特開2018-77207号公報
【文献】特開平11-6741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、目的地への走行において起こり得る様々な事象に応じて、経路を柔軟に変更する構成については改善の余地がある。
【0005】
本発明は、目的地への走行において生じる要因に応じて、経路を柔軟に変更する制御装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、車両の経路計画を生成する生成手段と、前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する制御手段と、前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視手段と、前記監視手段により監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成手段により生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定手段と、を備え、前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、前記制御手段は、前記第1の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御し、前記第2の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る制御方法は、制御装置において実行される制御方法であって、車両の経路計画を生成する生成工程と、前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御する制御工程と、前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視工程と、前記監視工程において監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成工程において生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定工程と、を有し、前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、前記制御工程では、前記第1の要因であると前記判定工程において判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御し、前記第2の要因であると前記判定工程において判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成工程において生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成工程を制御する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、車両の経路計画を生成する生成手段、前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する制御手段、前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを監視する監視手段、前記監視手段により監視される前記車両の車両情報、前記搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つが、前記生成手段により生成された前記経路計画を変更するための第1の要因であるか、もしくは第2の要因であるかを判定する判定手段、としてコンピュータを機能させ、前記第1の要因は、前記第2の要因よりも優先度が高く、前記制御手段は、前記第1の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の操作を受け付けることなく、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御し、前記第2の要因であると前記判定手段により判定された場合、前記搭乗者の現在の状態を示す情報を受け付け、当該受け付けた情報に基づいて、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する、ことを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目的地への走行において生じる要因に応じて、経路を柔軟に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ナビゲーションシステムの構成を示す図である。
図2】車両用制御装置の構成を示す図である。
図3】制御ユニットの機能ブロックを示す図である。
図4】サーバの構成を示す図である。
図5】ナビゲーションシステムの処理を示すフローチャートである。
図6】経路変更の処理を示すフローチャートである。
図7】スポットの評価の処理を示すフローチャートである。
図8】発話内容を監視する処理を示すフローチャートである。
図9】車内画像を監視する処理を示すフローチャートである。
図10】車両情報、交通情報、環境情報を監視する処理を示すフローチャートである。
図11】搭乗者の状態を監視する処理を示すフローチャートである。
図12】経路候補の生成の処理を示すフローチャートである。
図13】メッセージを通知するための画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステム100の構成を示す図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム100は、サーバ101と、基地局103と、車両104とを含む。サーバ101は、本実施形態のナビゲーションサービスを車両104に提供可能なサーバであり、車両104に対してナビゲーション機能を提供する。車両104は、サーバ101とネットワーク102を介して通信可能であり、サーバ101からのナビゲーションサービスを享受する。
【0013】
基地局103は、例えばサーバ101がナビゲーションサービスを提供可能な領域内に設けられた基地局であり、車両104と相互に通信可能である。また、サーバ101は、有線もしくは無線、もしくはそれらが混在されたネットワーク102を介して基地局103と相互に通信可能に構成されている。そのような構成により、例えば、車両104は、GPS位置情報等の車両情報をサーバ101に送信可能であり、サーバ101は、車両104に対してナビゲーション画面データなどを送信可能である。また、サーバ101及び車両104は、図1に示すネットワーク102以外のネットワークにも接続可能であり、例えば、インターネットに接続することができる。また、サーバ101は、予め登録されたユーザ(車両104の搭乗者に対応)のWeb検索結果やSNS情報を取得し、スケジュール情報やそのユーザの検索傾向など(好み)を取得可能である。
【0014】
ナビゲーションシステム100は、図1に示す以外の構成を含んでも良く、例えば、道路沿いに設けられた路側機がネットワーク102に接続されていても良い。そのような路側機は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)により、車両104との路車間通信が可能であり、車両104の車両情報をサーバ101に転送するために用いられる場合や、路面の状態情報(地割れなど)を、サーバ101に送信するために用いられる場合がある。
【0015】
図1では、サーバ101は、1台のみ示されているが、複数の装置により構成されても良い。また、図1では、車両104は、2つのみ示されているが、サーバ101がナビゲーションサービスを提供可能であれば、特に図示される数に限定されるものではない。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る車両用制御装置(走行制御装置)のブロック図であり、車両1を制御する。図2の車両1は、図1の車両104に対応する。図2において、車両1はその概略が平面図と側面図とで示されている。車両1は一例としてセダンタイプの四輪の乗用車である。
【0017】
図2の走行制御装置は、制御ユニット2を含む。制御ユニット2は車内ネットワークにより通信可能に接続された複数のECU20~29を含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。
【0018】
以下、各ECU20~29が担当する機能等について説明する。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。
【0019】
ECU20は、車両1の自動運転に関わる制御を実行する。自動運転においては、車両1の操舵と、加減速の少なくともいずれか一方を自動制御する。
【0020】
ECU21は、電動パワーステアリング装置3を制御する。電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31に対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。また、電動パワーステアリング装置3は、操舵操作をアシストしたり、あるいは、前輪を自動操舵するための駆動力を発揮するモータや、操舵角を検知するセンサ等を含む。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU21は、ECU20からの指示に対応して電動パワーステアリング装置3を自動制御し、車両1の進行方向を制御する。
【0021】
ECU22および23は、車両の周囲状況を検知する検知ユニット41~43の制御および検知結果の情報処理を行う。検知ユニット41は、車両1の前方を撮影するカメラであり(以下、カメラ41と表記する場合がある。)、本実施形態の場合、車両1のルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ41が撮影した画像の解析により、例えば、物標の輪郭抽出や、道路上の車線の区画線(白線等)を抽出可能である。
【0022】
検知ユニット42は、Light Detection and Ranging(LIDAR)であり、車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、検知ユニット42は5つ設けられており、車両1の前部の各隅部に1つずつ、後部中央に1つ、後部各側方に1つずつ設けられている。検知ユニット43は、ミリ波レーダであり(以下、レーダ43と表記する場合がある)、車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、レーダ43は5つ設けられており、車両1の前部中央に1つ、前部各隅部に1つずつ、後部各隅部に一つずつ設けられている。
【0023】
ECU22は、一方のカメラ41と、各検知ユニット42の制御および検知結果の情報処理を行う。ECU23は、他方のカメラ41と、各レーダ43の制御および検知結果の情報処理を行う。車両の周囲状況を検知する装置を二組備えたことで、検知結果の信頼性を向上でき、また、カメラやレーダ等、種類の異なる検知ユニットを備えたことで、車両の周辺環境の解析を多面的に行うことができる。
【0024】
ECU24は、ジャイロセンサ5、GPSセンサ24b、通信装置24cの制御および検知結果あるいは通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ5は、車両1の回転運動を検知する。ジャイロセンサ5の検知結果や、車輪速等により車両1の進路を判定することができる。GPSセンサ24bは、車両1の現在位置を検知する。通信装置24cは、地図情報や交通情報、気象情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。ECU24は、記憶デバイスに構築された地図情報のデータベース24aにアクセス可能であり、ECU24は、現在地から目的地へのルート探索等を行う。なお、データベース24aには、上記の交通情報や気象情報などのデータベースが構築されても良い。
【0025】
ECU25は、車車間通信用の通信装置25aを備える。通信装置25aは、周辺の他車両と無線通信を行い、車両間での情報交換を行う。通信装置25aは、各種の通信機能を有し、例えば、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)機能やセルラー通信機能を有する。通信装置25aは、送受信アンテナを含むTCU(Telematics Communication Unit)として構成されても良い。
【0026】
ECU26は、パワープラント6を制御する。パワープラント6は、車両1の駆動輪を回転させる駆動力を出力する機構であり、例えば、エンジンと変速機とを含む。ECU26は、例えば、アクセルペダル7Aに設けた操作検知センサ7aにより検知した運転者の運転操作(アクセル操作あるいは加速操作)に対応してエンジンの出力を制御したり、車速センサ7cが検知した車速等の情報に基づいて変速機の変速段を切り替える。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU26は、ECU20からの指示に対応してパワープラント6を自動制御し、車両1の加減速を制御する。
【0027】
ECU27は、方向指示器8(ウィンカ)を含む灯火器(ヘッドライト、テールライト等)を制御する。図2の例の場合、方向指示器8は、車両1の前部、ドアミラーおよび後部に設けられている。
【0028】
ECU28は、入出力装置9の制御を行う。入出力装置9は、運転者に対する情報の出力と、運転者からの情報の入力の受け付けを行う。音声出力装置91は、運転者に対して音声により情報を報知する。表示装置92は、運転者に対して画像の表示により情報を報知する。表示装置92は例えば運転席正面に配置され、インストルメントパネル等を構成する。なお、ここでは、音声と表示を例示したが振動や光により情報を報知してもよい。また、音声、表示、振動または光のうちの複数を組み合わせて情報を報知してもよい。更に、報知すべき情報のレベル(例えば緊急度)に応じて、組み合わせを異ならせたり、報知態様を異ならせてもよい。また、表示装置92は、ナビゲーション装置を含んでも良い。
【0029】
入力装置93は、運転者が操作可能な位置に配置され、車両1に対する指示を行うスイッチ群であるが、マイク等の音声入力装置も含まれてもよい。
【0030】
ECU29は、ブレーキ装置10やパーキングブレーキ(不図示)を制御する。ブレーキ装置10は、例えばディスクブレーキ装置であり、車両1の各車輪に設けられ、車輪の回転に抵抗を加えることで車両1を減速あるいは停止させる。ECU29は、例えば、ブレーキペダル7Bに設けた操作検知センサ7bにより検知した運転者の運転操作(ブレーキ操作)に対応してブレーキ装置10の作動を制御する。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU29は、ECU20からの指示に対応してブレーキ装置10を自動制御し、車両1の減速および停止を制御する。ブレーキ装置10やパーキングブレーキは、車両1の停止状態を維持するために作動することができる。また、パワープラント6の変速機がパーキングロック機構を備える場合、これを車両1の停止状態を維持するために作動することもできる。
【0031】
ECU20が実行する車両1の自動運転に関わる制御について説明する。ECU20は、運転者により目的地と自動運転が指示されると、ECU24により探索された案内ルートにしたがって、目的地へ向けて車両1の走行を自動制御する。自動制御の際、ECU20はECU22および23から車両1の周囲状況に関する情報(外界情報)を取得して認識を行い、取得した情報及び認識結果に基づきECU21、ECU26および29に指示して、車両1の操舵、加減速を制御する。
【0032】
図3は、制御ユニット2の機能ブロックを示す図である。制御部200は、図2の制御ユニット2に対応し、外界認識部201、自己位置認識部202、車内認識部203、行動計画部204、駆動制御部205、デバイス制御部206を含む。各ブロックは、図2に示す1つのECU、若しくは、複数のECUにより実現される。
【0033】
外界認識部201は、外界認識用カメラ207及び外界認識用センサ208からの信号に基づいて、車両1の外界情報を認識する。ここで、外界認識用カメラ207は、例えば図2のカメラ41であり、外界認識用センサ208は、例えば図2の検知ユニット42、43である。外界認識部201は、外界認識用カメラ207及び外界認識用センサ208からの信号に基づいて、例えば、交差点や踏切、トンネル等のシーン、路肩等のフリースペース、他車両の挙動(速度や進行方向等)を認識する。自己位置認識部202は、GPSセンサ211からの信号に基づいて車両1の現在位置を認識する。ここで、GPSセンサ211は、例えば、図2のGPSセンサ24bに対応する。
【0034】
車内認識部203は、車内認識用カメラ209及び車内認識用センサ210からの信号に基づいて、車両1の搭乗者を識別し、また、搭乗者の状態を認識する。車内認識用カメラ209は、例えば、車両1の車内の表示装置92上に設置された近赤外カメラであり、例えば、撮影された画像データから搭乗者の視線の方向を検出する。また、車内認識用センサ210は、例えば、搭乗者の生体信号を検知し生体情報を取得するためのセンサである。生体情報とは、例えば、脈拍、心拍数、体重、体温、血圧、発汗といった生体に関わる情報である。車内認識用センサ210は、そのような生体に関わる情報を例えば搭乗者のウエアラブルデバイスから取得するようにしても良い。車内認識部203は、それらの信号に基づいて、搭乗者の居眠り状態、運転以外の作業中の状態、であることなどを認識する。
【0035】
行動計画部204は、外界認識部201、自己位置認識部202による認識の結果に基づいて、最適経路、リスク回避経路など、車両1の行動を計画する。行動計画部204は、例えば、交差点や踏切等の開始点や終点に基づく進入判定、他車両の挙動の予測結果に基づく行動計画を行う。駆動制御部205は、行動計画部204による行動計画に基づいて、駆動力出力装置212、ステアリング装置213、ブレーキ装置214を制御する。ここで、駆動力出力装置212は、例えば、図2のパワープラント6に対応し、ステアリング装置213は、図2の電動パワーステアリング装置3に対応し、ブレーキ装置214は、ブレーキ装置10に対応する。
【0036】
デバイス制御部206は、制御部200に接続されるデバイスを制御する。例えば、デバイス制御部206は、スピーカ215、マイク216を制御し、警告やナビゲーションのためのメッセージ等、所定の音声メッセージを出力させ、車両内の搭乗者が発話した音声信号を検知し音声データを取得する。また、例えば、デバイス制御部206は、表示装置217を制御し、所定のインタフェース画面を表示させる。表示装置217は、例えば表示装置92に対応する。また、例えば、デバイス制御部206は、ナビゲーション装置218を制御し、ナビゲーション装置218での設定情報を取得する。
【0037】
制御部200は、図3に示す以外の機能ブロックを適宜含んでも良く、例えば、通信装置24cを介して取得した地図情報に基づいて目的地までの最適経路を算出する最適経路算出部を含んでも良い。また、制御部200が、図3に示すカメラやセンサ以外から情報を取得しても良く、例えば、通信装置25aを介して他の車両の情報を取得するようにしても良い。また、制御部200は、GPSセンサ211だけでなく、車両1に設けられた各種センサからの検知信号を受信する。例えば、制御部200は、車両1のドア部に設けられたドアの開閉センサやドアロックの機構センサの検知信号を、ドア部に構成されたECUを介して受信する。それにより、制御部200は、ドアのロック解除や、ドアの開閉動作を検知することができる。
【0038】
図4は、サーバ101のブロック構成を示す図である。制御部300は、CPUやGPU、ROMやRAM等のメモリを含むコントローラであり、サーバ101を統括的に制御する。サーバ101は、本発明を実行するコンピュータとなり得る。また、本実施形態では、制御装置の一例となり得るサーバ101の構成の少なくとも一部、若しくはサーバ101の構成が車両104に含まれるようにしても良い。即ち、制御装置としての構成は、車両104の内部に構成されても良いし、車両104の外部に構成されても良いし、車両104の外部と内部の両方に分散され協働するように構成されても良い。例えば、CPUとしてのプロセッサ301は、ROMに記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、本実施形態の動作を実現する。制御部300内のブロックは、例えば、GPUを含んで構成されても良い。表示部325は、例えば、ディスプレイであって、各種ユーザインタフェース画面を表示する。操作部326は、例えば、キーボードやポインティングデバイスであって、ユーザ操作を受け付ける。通信インタフェース(I/F)327は、ネットワーク102との通信を可能にするためのインタフェースである。例えば、サーバ101は、通信I/F327を介して、車両104から後述するような各種のデータを取得可能である。
【0039】
プロセッサ301は、例えばメモリ302に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部300内の各ブロックを統括的に制御する。例えば、プロセッサ301は、車両104からの以下の各種のデータを取得するよう制御し、取得後、対応するブロックに対してその解析を指示する。通信部303は、外部との通信を制御する。外部とは、ネットワーク102のみならず、他のネットワークも含む。通信部303は、例えば、ネットワーク102に接続された車両104や他の装置、インターネットや携帯電話システム等の他のネットワークに接続された他のサーバとも通信可能である。
【0040】
車両情報解析部304は、車両104からの車両情報、例えば、GPS位置情報、速度情報を取得して挙動を解析する。音声認識部305は、車両104の搭乗者が発話した音声信号が変換されて送信された音声データに基づいて音声認識処理を行う。例えば、音声認識部305は、車両104の搭乗者が発話したワードを喜怒哀楽等の感情に分類し、その分類結果を車両情報解析部304による解析結果(車両104の位置、時刻等)と関連付けてユーザ情報319の音声認識結果320(音声情報)として保存する。本実施形態において、搭乗者とは、車両104の運転者、運転者以外の乗員を含むものとする。画像認識部306は、車両104内で撮影された画像データに基づいて画像認識処理を行う。ここで、画像とは、静止画像、動画像を含む。例えば、画像認識部306は、車両104の搭乗者の顔画像から笑顔を認識し、その認識結果を車両情報解析部304による解析結果(車両104の位置、時刻等)と関連付けてユーザ情報319の画像認識結果321(画像情報)として保存する。
【0041】
状態情報解析部307は、車両104の搭乗者の状態情報を解析する。ここで、状態情報とは、脈拍、心拍数、体重等の生体情報を含む。また、状態情報は、車両104の搭乗者が飲食を行った時刻や、トイレに行った時刻についての情報を含む。例えば、状態情報解析部307は、車両104の搭乗者の心拍数を車両情報解析部304による解析結果(車両104の位置、時刻等)と関連付けてユーザ情報319の状態情報322として保存する。また、例えば、状態情報解析部307は、状態情報322に対して各種の解析を行い、例えば、心拍数の単位時間当たりの上昇率が閾値以上であることを検出可能である。
【0042】
ユーザ情報解析部308は、記憶部314に記憶されたユーザ情報319に対して各種の解析を行う。例えば、ユーザ情報解析部308は、ユーザ情報319の音声認識結果320及び画像認識結果321に基づいて、車両104の走行経路付近(例えば、海辺の車道)や車両104が訪れた場所(目的地や経由地など)について搭乗者から発話の内容を取得したり、会話のトーンやテンポ、搭乗者の表情などから搭乗者の感情を分析する。また、例えば、ユーザ情報解析部308は、車両104の走行経路付近や車両104が訪れた場所について搭乗者が発話した内容と、その際の音声認識結果320及び画像認識結果321から取得される感情とから、訪れた若しくは走行した場所に満足しているなどといったユーザの好み(嗜好の傾向)を分析する。ユーザ情報解析部308による解析結果は、ユーザ情報319として格納され、例えば、目的地の選定や本ナビゲーションサービスの終了後の学習に用いられる。
【0043】
経路生成部309は、車両104の走行のための経路を生成する。ナビゲーション情報生成部310は、経路生成部309により生成された経路に基づいて、車両104のナビゲーション装置218に表示するためのナビゲーション表示データを生成する。例えば、経路生成部309は、車両104から取得した目的地に基づいて、現在地点から目的地までの経路を生成する。本実施形態では、例えば、出発地において、目的地がナビゲーション装置218で入力されると、車両104の搭乗者の好みが反映された、例えば、海沿いを通る経路が生成される。また、例えば、目的地に向かっている途中で、渋滞等により目的地まで間に合わないことが推測される場合、代わりの目的地までの経路が生成される。また、例えば、目的地に向かっている途中で車両104の搭乗者の疲労状態が認識された場合、休憩地を探索し、その休憩地までの経路が生成される。
【0044】
地図情報311は、道路網や道路に関連する施設等の情報であり、例えば、ナビゲーション機能等に用いられる地図データベースが用いられても良い。交通情報312は、交通に関する情報であり、例えば、渋滞情報や、工事やイベント等による交通規制情報である。環境情報313は、環境に関する情報であり、例えば、気象情報(気温、湿度、天候、風速、濃霧や降雨、降雪等による視界情報、災害情報など)である。また、環境情報313は、施設等に関する属性情報も含む。例えば、そのような属性情報としては、インターネット等で公開され得る、遊園地等の娯楽施設の現在の入場者数や、天候による急な閉園情報である。地図情報311、交通情報312、環境情報313は、例えば、ネットワーク102に接続された他のサーバから取得するようにしても良い。
【0045】
記憶部314は、サーバ101が動作するために必要なプログラムやデータを記憶するための記憶領域である。また、記憶部314は、車両104から取得した車両情報や、車両104の搭乗者から取得したユーザ情報とに基づいてデータベース315を構成する。
【0046】
データベース315は、車両104に関する情報と、その車両104の搭乗者に関する情報とをセットとしたデータベースである。つまり、ナビゲーションシステム100において、ある車両104が出発地から目的地まで走行すると、その車両104に関する情報と、その車両104の搭乗者に関する情報とがセットとしてデータベース315に格納される。つまり、データベース315には、ある車両104についての車両情報316及びユーザ情報319のセット、他の車両104についての車両情報323及びユーザ情報324のセット、というように、複数組のセットが含まれる。また、同じ搭乗者が別日に車両104を走行した場合でも、別々の組のセットとして保存される。
【0047】
車両情報316は、走行情報317、エネルギー関連情報318を含む。走行情報317は、例えば、車両104のGPS位置情報、速度情報であり、エネルギー関連情報318は、車両104の燃料の残量、車載電池の残容量である。ユーザ情報319は、上述した音声認識結果320、画像認識結果321、状態情報322を含む。また、ユーザ情報解析部308による解析結果もユーザ情報319として記憶される。車両情報316とユーザ情報319は、車両104が出発地から目的地まで走行している間、随時更新される。また、本ナビゲーションサービスの終了後においても、車両情報316及びユーザ情報319は、データベース315に保持され、ユーザ情報解析部308による学習に用いられる。
【0048】
例えば、ナビゲーションサービスの終了後、ユーザ情報解析部308は、データベース315に保持された車両情報316及びユーザ情報319に基づいて、車両104の搭乗者の飲食を行った時刻や、トイレに行く頻度や間隔の傾向を学習する。そして、例えば、次回のナビゲーションサービスの実行時に、経路生成部309は、その学習結果を用いて経路を生成する。例えば、経路生成部309は、車両104の搭乗者の好みに合うような飲食店を、その搭乗者が飲食を行いたい時刻に経由することができるよう、目的地までの経路を生成する。また、搭乗者のトイレに行く頻度が比較的多いと学習された場合、経路生成部309は、次回のナビゲーションサービスの実行時に、目的地までの距離にかかる時間に応じて休憩地点を経由するよう最適化された経路を生成する。
【0049】
図5は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理を示すフローチャートである。図5の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。また、図5の処理は、車両104の搭乗者が出発地において車両104のナビゲーション装置217上で目的地を入力した際に開始される。
【0050】
S101において、制御部300は、ナビゲーション装置218上で目的地の入力を受け付ける。なお、その際、目的地への希望到着時刻の入力を受け付けるようにする。また、複数個所を目的地とする場合には、複数の目的地およびそれらの希望到着時刻の入力をスケジュールとして受け付けるようにする。そして、S102において、制御部300は、目的地までの経路候補を生成する。
【0051】
図12は、経路候補(経路計画)の生成の処理を示すフローチャートである。例えば、車両104の搭乗者は、初めてナビゲーションシステム100を利用するとする。その場合、サーバ101のデータベース315には、その搭乗者に対応する車両情報316及びユーザ情報319のセットは保持されていない。
【0052】
S801において、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313に基づいて、現在の車両101の位置(即ち、出発地)付近の地図情報、交通情報、環境情報を取得する。現時点では、サーバ101のデータベース315に、本例での搭乗者に対応する車両情報316及びユーザ情報319のセットは保持されていないので、S802~S804の処理はスキップする。
【0053】
S805において、制御部300は、目的地に到着するまでの間に経由地が必要か否かを判定する。ここでは、S804の処理がスキップされているので、S805で経由地が必要でないと判定される。
【0054】
S807において、制御部300は、S101で入力された目的地までの経路を生成する。その際、S801で取得した地図情報、交通情報、環境情報に基づいて、時間優先、移動のスムーズさを優先(例えば、渋滞がない、高速道路を使用、など)など、複数の優先基準を用いて、複数の経路候補を生成する。その後、図12の処理を終了する。
【0055】
図12の処理の終了後、図5のS103において、制御部300は、ナビゲーション装置218上にS807で生成された複数の経路候補を表示する。S104において、制御部300は、表示された複数の経路候補のうち搭乗者による選択を受け付ける。S105において、制御部300は、選択された経路候補を車両104の経路として決定し、ガイダンスによる案内を開始する。
【0056】
S106において、制御部300は、経路変更の要因が発生したか否かを判定する。以下、経路変更の要因の発生の判定について説明する。
【0057】
図8図9図10図11は、経路変更の要因が発生したか否かを判定する処理を示すフローチャートである。図8図11は、車両104が本ナビゲーションサービスを享受している間、つまり、車両104が出発地から目的地に到着するまでの間、常時行われる。つまり、車両104は、車両情報の他、車内認識用カメラ209、車内認識用センサ210、マイク216、により得られるデータを常時、サーバ101に送信し、サーバ101の制御部300は、送信されたそれらのデータを解析することにより、図8図11の処理を行う。
【0058】
図8は、サーバ101により行われる発話内容の監視の処理を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0059】
S401において、制御部300は、音声認識部305により、車両104から送信された音声データに基づいて音声認識処理を行う。S402において、制御部300は、音声認識処理により認識された発話内容のうち、喜怒哀楽の感情と関連付けられた発話内容があるか否かを判定する。喜怒哀楽の感情と関連付けられた発話内容とは、例えば「うれしい」や「悲しい」といったワードであり、そのようなワードが認識された場合には、感情と関連付けられた発話内容があると判定される。一方、地名や事実のみで構成される場合、例えば「ここは、1番地」や「右に曲がって」等の発話内容であれば、感情と関連付けられた発話内容がないと判定される。感情と関連付けられた発話内容があると判定された場合、S403に進み、制御部300は、発話内容を所定の各感情に分類し、S404において、記憶部314にユーザ情報319の音声認識結果320として保存する。その際、音声認識結果320は、例えば「(車両104の位置=緯度X、経度Y),(時刻=10:30),感情分類A(喜の感情を識別する記号)」のように、車両情報と関連づけて保存される。そのような構成により、車両104が走行していた領域に対応させてその搭乗者の感情情報を保存するので、例えば、海沿いの車道を走行しているときにはその搭乗者は楽しい気分となっていることを記憶することができる。S402で感情と関連付けられた発話内容がないと判定された場合、S401からの処理を繰り返す。
【0060】
S405において、制御部300は、音声認識処理により認識された発話内容から、体調不良を表す発話内容を検出したか否かを判定する。ここで、体調不良を表す発話内容とは、例えば「痛い」や「苦しい」といったワード(若しくはフレーズやセンテンス)である。体調不良を表す発話内容を検出したと判定された場合には、S409に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図8では、S401からの処理が繰り返される。S405で体調不良を表す発話内容を検出していないと判定された場合には、S406に進む。
【0061】
S406において、制御部300は、音声認識処理により認識された発話内容から、空腹、喉の渇きを表す発話内容を検出したか否かを判定する。ここで、空腹、喉の渇きを表す発話内容とは、例えば「喉が渇いた」や「お腹が空いた」といったワード(若しくはフレーズやセンテンス)である。空腹、喉の渇きを表す発話内容を検出したと判定された場合には、S409に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図8では、S401からの処理が繰り返される。S406で空腹、喉の渇きを表す発話内容を検出していないと判定された場合には、S407に進む。
【0062】
S407において、制御部300は、音声認識処理により認識された発話内容から、生理現象を表す発話内容を検出したか否かを判定する。ここで、生理現象を表す発話内容とは、例えば「トイレ」といったワード(若しくはフレーズやセンテンス)である。生理現象を表す発話内容を検出したと判定された場合には、S409に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図8では、S401からの処理が繰り返される。S407で生理現象を表す発話内容を検出していないと判定された場合には、S408に進む。
【0063】
S408において、制御部300は、音声認識処理により認識された発話内容から、目的地について疑問を表す発話内容を検出したか否かを判定する。ここで、目的地について疑問を表す発話内容とは、「A遊園地」「行く」「止める」等、目的地を否定するようなワード(若しくはフレーズやセンテンス)である。S408では、制御部300は、例えば、目的地を表すワードと否定を意味するワードとの組み合わせの頻度、音声のトーン、に基づいて判定する。目的地について疑問を表す発話内容を検出したと判定された場合には、目的地に行くことの満足度が低いと判断し、S409に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。また、音声のトーンやボリューム、テンポから搭乗者間のトラブルであると判定された場合にも、目的地に行くことの満足度が低いと判断し、経路変更の要因が発生したと判定する。経路変更の要因が発生したと判定された場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図8では、S401からの処理が繰り返される。S408で目的地について疑問を表す発話内容を検出していないと判定された場合には、S401からの処理が繰り返される。
【0064】
図8の処理によれば、車両104の車内で発話された内容に基づいて、車両104が走行している経路情報と合わせて搭乗者の感情情報を保存することができる。さらに、車両104の車内で発話された内容に基づいて、体調不良や生理現象、搭乗者間のトラブルなど、目的地までの経路を変更せざるおえない要因が発生した場合には、経路変更の要因が発生したと判断することができる。なお、S405~S408の処理については、優先度を付与し、その優先度に従って、各判定を順に行っていく。例えば、S405~S408の処理のうち、S405の体調不良の判定が最も優先度が高いので、4つの判定処理のうちでは最も先に行われることになる。また、最も優先度が高い処理ほど、その判定基準を厳しく(若しくはゆるやか)するようにしても良い。例えば、S408では、上記のようなワードの組み合わせの検出のみで判定を行うようにする一方、S405では、ワード検出のみならず、そのトーン、間、テンポといった複数の要素を用いて判定を行うようにしても良い。経路変更の要因を判定するための処理は、S405~S408に限られず、他の判定処理が行われても良い。また、それらの優先順位は変更可能なように構成されても良い。
【0065】
図9は、サーバ101により行われる車内画像の監視の処理を示すフローチャートである。図9の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0066】
S501において、制御部300は、画像認識部305により、車両104から送信された画像データに基づいて画像認識処理を行う。S502において、制御部300は、画像認識処理による認識結果のうち、所定の感情と関連付けられた認識結果を、記憶部314にユーザ情報319の画像認識結果321として保存する。その際、画像認識結果321は、例えば「(車両104の位置=緯度X、経度Y),(時刻=13:00),感情分類A(喜の感情を識別する記号)」のように、車両情報と関連づけて保存される。
【0067】
例えば、S502では、笑顔判定が行われても良い。これは、喜怒哀楽のような感情の分類は、画像より音声の方が認識性が高いと考えられるため、S502では、感情の中でも特に認識性が高いと考えられる笑顔判定を行うようにしている。しかしながら、画像認識結果を所定の各感情に分類するようにしても良い。また、S502では、画像認識の結果、飲食が行われたことを認識した場合、その認識結果を、記憶部314にユーザ情報319の状態情報322として保存する。
【0068】
以降のS503~S509で、搭乗者の疲労状態が判定される。S503において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容のうち、ドライバの俯き状態が走行中で所定時間以上あったか否かを判定する。ドライバの俯き状態が走行中で所定時間以上あったと判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S503でドライバの俯き状態が走行中で所定時間以上なかったと判定された場合には、S504に進む。
【0069】
S504において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、急激な表情の変化(驚き等)を検出したか否かを判定する。急激な表情の変化を検出したと判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S504で急激な表情の変化を検出していないと判定された場合には、S505に進む。
【0070】
S505において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、あくびの頻度(単位時間内の回数)が閾値以上であるか否かを判定する。あくびの頻度が閾値以上であると判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S505であくびの頻度が閾値以上でないと判定された場合には、S506に進む。
【0071】
S506において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、瞬きの頻度(単位時間内の回数)が閾値以上であるか否かを判定する。瞬きの頻度が閾値以上であると判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S506で瞬きの頻度が閾値以上でないと判定された場合には、S507に進む。
【0072】
S507において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、瞼の開度が閾値以下の状態が所定時間以上であったか否かを判定する。瞼の開度が閾値以下の状態が所定時間以上であったと判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S507で瞼の開度が閾値以下の状態が所定時間以上でなかったと判定された場合には、S508に進む。
【0073】
S508において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、単位時間当たりの視線移動量が閾値以下であるか否かを判定する。単位時間当たりの視線移動量が閾値以下であると判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S508で単位時間当たりの視線移動量が閾値以下でないと判定された場合には、S509に進む。
【0074】
S509において、制御部300は、画像認識処理により認識された画像内容から、ドリンクホルダに触る回数が閾値以上であるか否かを判定する。ドリンクホルダに触る回数が閾値以上であると判定された場合、S510に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図9では、S501からの処理が繰り返される。S509でドリンクホルダに触る回数が閾値以上でないと判定された場合、S501の処理が繰り返される。
【0075】
図9の処理によれば、車両104の車内で撮影された画像に基づいて、車両104が走行している経路情報と合わせて搭乗者の感情情報を保存することができる。さらに、車両104の車内で撮影された画像に基づいて、運転に関わる搭乗者の疲労状態を検出した場合には、経路変更の要因が発生したと判断することができる。なお、S503~S509の処理については、優先度を付与し、その優先度に従って、各判定を順に行っていく。例えば、S503~S509の処理のうち、S503のドライバの俯き状態の判定が最も運転動作に関わるので、優先度を最も高くし、7つの判定処理のうち、最も先に行われるようにする。運転に関わる搭乗者の疲労状態を検出するための判定処理は、S503~S509に限られず、他の判定処理が行われても良い。また、それらの優先順位は変更可能なように構成されても良い。
【0076】
図10は、サーバ101により行われる車両情報、交通情報、環境情報の監視の処理を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0077】
S601において、制御部300は、車両情報解析部304により、車両104から車両情報を取得し、解析する。車両情報とは、例えば、GPS位置情報や速度情報、燃料の残量や車載電池の残容量等のエネルギー関連情報である。S602において、制御部300は、S601で受信した車両情報に基づいて、交通情報を取得する。例えば、制御部300は、交通情報312から、車両104の位置周辺の渋滞情報を取得する。S603において、制御部300は、S601で受信した車両情報に基づいて、環境情報を取得する。例えば、制御部300は、環境情報313から、目的地である遊園地の営業時間情報を取得する。
【0078】
S604において、制御部300は、S601で解析した結果、車両情報が経路変更の要因になるかを判定する。受信した車両情報によれば、目的地までの到着ができない、もしくはスケジュール通りの到着ができない場合に、経路変更の要因になると判定する。例えば、車両104の車載電池の残容量が、目的地まで必要な容量に達していない場合、経路変更の要因になると判定する。経路変更の要因になると判定された場合、S608に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図10では、S601からの処理が繰り返される。S604で経路変更の要因にならないと判定された場合には、S605に進む。
【0079】
S605において、制御部300は、S602で取得された交通情報が経路変更の要因になるか否かを判定する。取得した交通情報によれば、目的地までの到着ができない、もしくはスケジュール通りの到着ができない場合に、経路変更の要因になると判定する。例えば、目的地までの経路で渋滞が発生している場合、経路変更の要因になると判定する。経路変更の要因になると判定された場合、S608に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図10では、S601からの処理が繰り返される。S605で経路変更の要因にならないと判定された場合には、S606に進む。
【0080】
S606において、制御部300は、S603で取得された環境情報が経路変更の要因になるか否かを判定する。取得した環境情報によれば、目的地までの到着ができない、もしくはスケジュール通りの到着ができない場合に、経路変更の要因になると判定する。例えば、目的地である遊園地が休業している場合、経路変更の要因になると判定する。経路変更の要因になると判定された場合、S608に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図10では、S601からの処理が繰り返される。S606で経路変更の要因にならないと判定された場合には、S607に進む。
【0081】
若しくは、S606の判定は、目的地の情報やカテゴリに応じて判定しても良い。例えば、目的地が遊園地等の娯楽施設や、屋外やオープン型の施設である場合、天候が雨であれば、経路変更の要因になると判定しても良い。若しくは、S606の判定は、目的地から得られる搭乗者の行動予定の実現の可能性に基づいて行われても良い。例えば、制御部300は、SNS情報などからその搭乗者のスケジュール情報を取得し、ビジネス目的、娯楽目的といった目的情報を取得する。例えば、目的地が遊園地且つビジネス目的であり、目的地へスケジュール通りに到着可能であると判断した場合、天候が雨であっても、搭乗者の行動予定は実現可能であると判断する。一方、例えば、目的地が遊園地且つ娯楽目的であり、目的地へスケジュール通りに到着可能であると判断した場合に、天候が雨模様であれば、搭乗者の行動予定の実現の可能性は低いと判断する。その低さの程度は、例えば降水確率に基づいて、該可能性の閾値を決定するようにしても良い。
【0082】
S607において、制御部300は、運転支援機能による支援量とドライバの操作量との差が所定の条件に合致するか否かを判定する。S607の処理は、ドライバの疲労度を推定するために行われる。例えば、制御部300は、レーン・キープ・アシスト機能により車両104をレーン内に戻すようにステアリングされたにも関わらず、白線や黄線からはみ出すような操作が所定回数以上行われた場合、所定の条件に合致すると判定する。所定の条件に合致すると判定された場合、S608に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図10では、S601からの処理が繰り返される。S607で所定の条件に合致しないと判定された場合には、S601の処理が繰り返される。
【0083】
図10の処理によれば、車両104の車両情報、交通情報、環境情報に基づいて、目的地までの到着が可能でない、もしくはスケジュール通りの到着ができない場合、経路変更の要因が発生したと判断することができる。また、車両情報に基づいてドライバが疲労していると推定される場合、経路変更の要因が発生したと判断することができる。なお、図10における判定処理は、S604~S607に限られず、他の判定処理が行われても良い。
【0084】
図11は、サーバ101により行われる搭乗者の状態を監視する処理を示すフローチャートである。図11の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0085】
S701において、制御部300は、状態情報解析部307により、車両104の搭乗者のユーザ情報319を取得し、解析する。ここで取得されるユーザ情報319とは、例えば、状態情報322として記憶された、車内もしくは休憩地で飲食を行った時刻情報である。また、取得されるユーザ情報319とは、例えば、状態情報322として記憶された、車両104の搭乗者の生体情報である。
【0086】
S702において、制御部300は、S701でユーザ情報319が解析された結果、異常値を検出したか否かを判定する。例えば、脈拍値が閾値以上を超えた場合、異常値を検出したと判定する。異常値を検出したと判定された場合、S706に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図11では、S701からの処理が繰り返される。S702で異常値を検出していないと判定された場合には、S703に進む。
【0087】
S703において、制御部300は、S701でユーザ情報319が解析された結果、急峻な変化を検出したか否かを判定する。例えば、心拍数の上昇変動が閾値以上である場合、急峻な変化を検出したと判定する。急峻な変化を検出したと判定された場合、S706に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図11では、S701からの処理が繰り返される。S703で急峻な変化を検出していないと判定された場合には、S704に進む。
【0088】
S704において、制御部300は、S701でユーザ情報319が解析された結果、飲食のタイミングであるか否かを判定する。例えば、ユーザ情報319の状態情報322に基づいて、前回の飲食のタイミング(例えば、午前8:00)から所定時間(例えば4時間)が経過した場合、飲食のタイミングであると判定する。その際の所定時間については、一般的な任意の値であっても良いし、状態情報解析部307が従前に記憶された状態情報322の飲食のサイクルの傾向を学習することにより得られた値であっても良い。そのような学習においては、例えば、状態情報322に基づいて傾向として得られた飲食のサイクルを、音声認識結果320による発話内容に基づいて補正するようにしても良い。つまり、飲食のサイクルの学習結果を用いて経路生成したにも関わらず、搭乗者の発話内容から、その経路について否定するような内容が検出された場合には、サイクルを長くするもしくは短くするといった補正を行うようにしても良い。飲食のタイミングであると判定された場合、S706に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図11では、S701からの処理が繰り返される。S704で飲食のタイミングでないと判定された場合には、S705に進む。
【0089】
S705において、制御部300は、S701でユーザ情報319が解析された結果、生理現象のタイミングであるか否かを判定する。例えば、ユーザ情報319の状態情報322に基づいて、前回のトイレ休憩のタイミングから所定時間が経過した場合、生理現象のタイミングであると判定する。その際の所定時間については、一般的な任意の値であっても良いし、状態情報解析部307が従前に記憶された状態情報322の生理現象のサイクルの傾向を学習することにより得られた値であっても良い。そのような学習においては、例えば、状態情報322に基づいて傾向として得られた生理現象のサイクルを、音声認識結果320による発話内容に基づいて補正するようにしても良い。つまり、生理現象のサイクルの学習結果を用いて経路生成したにも関わらず、搭乗者の発話内容から、その経路について否定するような内容が検出された場合には、サイクルを長くするもしくは短くするといった補正を行うようにしても良い。生理現象のタイミングであると判定された場合、S706に進み、制御部300は、経路変更の要因が発生したと判定する。その場合、図5のS106では経路変更の要因が発生したと判定されてS109の処理が行われる一方、図11では、S701からの処理が繰り返される。S705で生理現象のタイミングでないと判定された場合には、S701の処理が繰り返される。
【0090】
図11の処理によれば、搭乗者の状態に異変が見受けられた場合、経路変更の要因が発生したと判断することができる。また、車両104の搭乗者の前回の飲食やトイレ休憩の時刻情報に基づいて、飲食やトイレ休憩のタイミングであると判定された場合、経路変更の要因が発生したと判断することができる。なお、図11における判定処理は、S702~S705に限られず、他の判定処理が行われても良い。例えば、図8図10の処理では搭乗者の疲労度を検出できない場合があり得る。従って、車両104の走行開始後、疲労を感じ始めるとされる所定時間を経過したか否かを判定するようにし、所定時間を経過したと判定した場合には、経路変更の要因が発生したと判断するようにしても良い。
【0091】
図8図11の処理は、並列に常時行われるので、搭乗者が複数いる場合には経路変更の要因が複数発生し得る。例えば、ドライバについて図9のS503で俯き状態が検出されるとともに、図8で空腹、喉の渇きを表す発話を検出したような場合である。そのような場合、複数の要因間で優先順位を予め定めておく。優先順位は緊急性に応じたものでもよく、例えば、上記の例では、ドライバの俯き状態の検出を、空腹、喉の渇きを表す発話の検出よりも、優先度を高くする。
【0092】
再び、図5を参照する。S106で経路変更の要因が発生したと判定された場合には、S109の経路変更の処理が行われる。
【0093】
図6は、経路変更の処理を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0094】
S201において、制御部300は、経路変更の要因が所定の要因を含むか否かを判定する。ここで、所定の要因とは、搭乗者の体調不良など、上述の優先度が所定のレベル以上であるものであり、例えば、図11のS703で生体情報の急峻な変化を検出したと判定された場合である。S201で経路変更の要因が所定の要因を含むと判定された場合には、S202に進み、所定の要因を含まないと判定された場合には、図5のS102の処理が繰り返される。
【0095】
S201で所定の要因を含まないと判定された後、図5のS102に進むケースについて説明する。そのようなケースとしては、例えば、図8のS406で空腹、喉の渇きを表す発話を検出した場合である。そのようなケースは、経路変更の要因が発生したといっても緊急性はないケースである。その場合、本実施形態では、車両104の搭乗者の好みを反映した経路変更を行う。
【0096】
経路変更は、経路変更の発生の要因を解決するような経路変更が行われる。例えば、雨であれば、屋内の場所へ向かう経路が探索される。例えば、空腹、喉の渇きを表す発話を検出した場合には、飲食店へ向かう経路が探索される。また、例えば、搭乗者の疲労を検出した場合には、休憩が可能な場所、例えばサービスエリアへ向かう経路が探索される。また、例えば、図8のS408で目的地について疑問を表す発話を検出した場合には、規模や施設内容について類似性のある他の場所へ向かう経路が探索される。また、これらの複数種類の探索のいずれかを特定するために、図13に示すような画面400を車両104に表示させるようにしても良い。項目401には、出発地が表示され、項目402には、目的地が表示されている。マップ403内に、項目402の目的地に対応するマーク404が表示されている。また、マーク405は、車両104の現在位置である。
【0097】
そして、画面400には、メッセージ406「経路変更の要因を検出しました。目的地を変更可能です。当てはまる項目をチェックしてください。」と表示される。項目407には、選択可能な複数の項目が表示され、車両104の搭乗者は、任意に選択することができる。その際、搭乗者は、複数の項目をチェックすることができる。経路変更の発生の要因を検出した場合には、図13に示すような画面を表示させることにより、その発生の要因の確からしさを確認することができる。また、搭乗者は、項目408をチェックすることにより、経路変更しないことを選択することができる。キャンセルボタン409が押下されると、画面400の設定内容をキャンセルし、OKボタン410が押下されると、その設定内容をサーバ101に送信する。
【0098】
また、メッセージ406の代わりに、若しくは、メッセージ406とともに、経路変更の要因と対応する理由を表示するようにしても良い。例えば、図9のS505であくびの頻度が閾値以上と判定された場合で、所定時間内で飲食を行ったことが状態情報322で認識できた場合には、「眠気があるようです。休憩しますか?」といったメッセージを車両104に表示させるようにしても良い。そのような構成により、運転者に休憩の動機付けを与えることができる。
【0099】
S201で所定の要因を含まないと判定された後の図5のS102について、図12を用いて説明する。
【0100】
S801において、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313に基づいて、現在の車両101の位置付近の地図情報、交通情報、環境情報を取得する。S802において、制御部300は、ユーザ情報319を取得する。ここで取得されるユーザ情報319としては、例えば、ユーザ情報解析部308により分析されたユーザの好みである。また、取得されるユーザ情報319としては、例えば、後述する図7のS306で行われるスポットの評価の結果である。ここで、スポットとは、車両104が従前に訪れた場所に関して、画像認識結果と音声認識結果から得られる搭乗者の評価情報である。スポットの評価については後述する。
【0101】
S803において、制御部300は、S801で取得された地図情報、交通情報、環境情報、S802で取得されたユーザ情報319に基づいて、ヒートマップを生成する。本実施形態において、ヒートマップとは、ユーザの好みのスポットが表示可能な経路マップをいう。本実施形態では、ユーザ情報解析部308により分析された搭乗者の好みが反映される。例えば、ユーザ情報解析部308が音声認識結果320及び画像認識結果321を分析した好みと類似度が高い一般ユーザの好みの対象となる飲食店をインターネット上で検索する。また、例えば、車両104が従前に訪れた飲食店(スポット)が搭乗者にとって評価が高かった場合、その飲食店と料金体系や店内規模が類似する飲食店を検索する。制御部300は、環境情報313に基づいて、営業していない飲食店を処理対象外としても良い。
【0102】
S804において、制御部300は、経由地が必要であるか否かを判断する。S804の判断は、車両情報316、ユーザ情報319に基づいて行われる。例えば、経路変更の要因としてS408で目的地について疑問を表す発話を検出しており、その目的地の変更が搭乗者から画面400上で選択されて経路変更する場合で、さらに、状態情報322として搭乗者の飲食タイミングが近い場合には、食事のための経由地が必要であると判断する。その場合、S806において、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313から飲食店の位置を取得し、S807において、搭乗者の飲食タイミングに搭乗者の好みに合う飲食店に到達可能なように経路を設定する。ここで、目的地がレストランであるなど、目的地に到着することで経路変更の要因を解決できる場合には、経由地が必要でないと判断するようにしても良い。
【0103】
また、制御部300は、上記のように目的地の変更が搭乗者から画面400上で選択されて経路変更する場合で、且つ、ユーザ情報319の状態情報322から生理現象のタイミングの頻度が高い場合には、トイレ休憩のための経由地が必要であると判断する。その場合、S806において、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313から休憩地の位置を取得し、S807において、経路を設定する。
【0104】
また、制御部300は、上記のように目的地の変更が搭乗者から画面400上で選択されて経路変更する場合で、且つ、車両情報316のエネルギー関連情報318から経路変更することで車載電池の残容量が閾値以下となる可能性がある場合には、エネルギーの補充のため充電ステーションを経由する必要があると判断する。その場合、S806において、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313から充電ステーションの位置を取得し、S807において、エネルギー関連情報318が示す残量に応じて経路を設定する。
【0105】
S807において、制御部300は、S803で生成されたヒートマップとS806で経由地が取得されている場合にはその経由地とに基づいて、経路を生成する。その際、S801で取得した地図情報、交通情報、環境情報に基づいて、時間優先、移動のスムーズさを優先など、複数の優先基準を用いて、複数の経路候補を生成する。その後、図12の処理を終了する。図12の処理の後は、図5のS103において、制御部300は、ナビゲーション装置218上にS807で生成された複数の経路候補を表示する。S104において、制御部300は、表示された複数の経路候補のうち搭乗者による選択を受け付ける。S105において、制御部300は、選択された経路候補を車両104の経路として決定し、ガイダンスによる案内を開始する。
【0106】
経由地が追加された場合のガイダンスでは、より走行経路についての情報を強調して通知するようにしても良い。例えば、「この経由地を逃すと、トイレ休憩できる経由地が50km先までないので、1時間以上休めなくなります。」といったメッセージを通知する。そのような構成により、追加された経由地で確実に休憩等の行動をとるよう促すことができる。
【0107】
このように、経路変更の要因が発生して経路変更を行う場合に、その要因に緊急性がない(優先度が低い)場合には、搭乗者の好みを反映するような経路変更を行うことができる。また、経路変更を行う場合に、経由地が必要であれば、経由地を追加した上で経路候補を生成することができる。
【0108】
S201で所定の要因を含むと判定された後、図6のS202に進むケースについて説明する。そのようなケースとしては、例えば、図11のS702で生体情報の異常値を検出した場合である。そのようなケースは、経路変更の緊急性を要するケースである。その場合、まず、S202において、制御部300は、目的地までの距離が閾値以上であるか否かを判定する。その閾値は、経路変更の要因によって設定するようにしても良い。例えば、生体情報に関する要因であれば数10mといった短い距離とする。目的地までの距離が閾値以上でないと判定された場合、目的地まではわずかであるので、図5のS107に進み、目的地までのガイダンスによる案内を継続する。一方、目的地までの距離が閾値以上であると判定された場合、S203に進む。
【0109】
S203において、制御部300は、経路変更の緊急度が閾値以上であるか否かを判定する。制御部300は、発生した経路変更の要因の優先度に基づいて判定する。つまり、S201で経路変更の要因が所定の要因を含むと判定されたもの(緊急性ありと判定)を、S203の判定によりその緊急度を区別する。例えば、経路変更の要因が図9のS509で単位時間当たりの視線移動量が閾値以下であると判定された場合、その優先度に基づいて、S203で経路変更の緊急度が閾値以上でないと判定する。そして、S210において、制御部300は、休憩の要否を問い合わせるメッセージを車両104の搭乗者に通知する。通知は、ナビゲーション装置218や表示装置217に表示されるものでも良いし、スピーカ215に音声出力されるものでも良い。その際のメッセージとしては、経路変更の要因に応じたものであり、例えば、図9のS509で単位時間当たりの視線移動量が閾値以下であると判定された場合、「疲れ気味のようです。休憩しますか?」のようなメッセージが通知される。そして、S211において、制御部300は、車両104の搭乗者から休憩するとの指示を受け付けた旨を受信した場合、図5のS102に進み、上述したような図12の経路候補の生成が行われる。その場合、例えば、従前に車両104が訪れた休憩スポットがある場合には、その休憩スポットの規模や内容に類似したスポットが検索される。
【0110】
このように、経路変更の要因が発生して経路変更を行う場合に、その要因に緊急性があると判定されたものの、その緊急度が閾値未満である場合には、搭乗者の好みを反映するような経路変更を行うことができる。
【0111】
また、S201で経路変更の要因が所定の要因を含まないと判定された場合に行われる図12の処理と、S211で休憩するとの指示を受け付けた旨を受信した場合に行われる図12の処理とで処理内容を異ならせても良い。例えば、後者の場合には、前者の場合よりも緊急性があるので、搭乗者の好みの反映の程度を前者の場合よりも小さくしても良い。例えば、搭乗者の好みに類似する休憩スポットが検索されない場合には、インターネット上で一般的に人気がある休憩スポットを検索するようにしても良い。
【0112】
S211で車両104の搭乗者から休憩しないとの指示を受け付けた旨を受信した場合、図5のS107に進み、目的地までのガイダンスによる案内を継続する。
【0113】
S203で経路変更の緊急度が閾値以上である場合、例えば、図11のS702で生体情報の異常値を検出した場合には、S204に進み、制御部300は、地図情報311、交通情報312、環境情報313を参照して、車両104の位置周辺の地図情報、交通情報、環境情報を取得する。例えば、制御部300は、周辺の病院、充電ステーション等を検索する。そして、S205において、制御部300は、経路変更が可能か否かを判定する。例えば、交通規制等があり、いずれの病院にも到着することができない場合には、例えば「車両での移動ができない可能性があります。電話等による連絡などを行ってください。」とのメッセージを車両104に送信し搭乗者に通知するようにし、その後、図6の処理を終了し、本ナビゲーションサービスを終了する。
【0114】
S205で経路変更が可能であると判定された場合、S207において、制御部300は、ガイダンスによる案内を開始し、S208で目的地に到着したと判定されるまで、ガイダンスによる案内を継続する。S208で目的地に到着したと判定された場合、図6の処理を終了し、本ナビゲーションサービスを終了する。
【0115】
再び、図5を参照する。S106で経路変更の要因が発生していないと判定された場合、もしくは、S109の処理を経た場合、S107において、制御部300は、車両104の車両情報に基づいて、目的地に到着したか否かを判定する。目的地に到着していないと判定された場合、S106の処理が繰り返される。一方、目的地に到着したと判定された場合、S108に進み、S101での入力に基づいて、次の目的地があるか否かを判定する。なお、ここで車両104の搭乗者に次の目的地があるか否かを問い合わせるようにしても良い。次の目的地がないと判定された場合、図5の処理を終了し、本ナビゲーションサービスを終了する。一方、次の目的地があると判定された場合、S110に進み、図12の経路候補の生成が行われる。
【0116】
S111において、制御部300は、ナビゲーション装置218上にS807で生成された複数の経路候補を表示する。S112において、制御部300は、表示された複数の経路候補のうち搭乗者による選択を受け付け、選択された経路候補を車両104の経路として決定する。S113において、制御部300は、車両104の走行開始を待機し、走行を開始したと判定された場合には、S114に進み、ガイダンスによる案内を開始する。S114の後、S115において、滞在場所の評価が行われる。
【0117】
図7は、S115の滞在場所の評価の処理を示すフローチャートである。図7の処理は、例えば、制御部300のプロセッサ301(例えばCPU)がROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0118】
S301において、制御部300は、車両104の滞在場所(スポット)での滞在時間を算出し、S302において、算出された滞在時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ここで、所定時間以上でない場合には、図7の評価の対象外とし、図5のS107に進む。一方、所定時間以上であると判定された場合、S303に進む。
【0119】
S303において、制御部300は、状態情報解析部307により、車両104の搭乗者の体重情報を取得し、解析する。例えば、解析の結果、搭乗者の体重が増加している場合、食事をしたと判断する。また、解析の結果、搭乗者の体重が減少している場合、トイレ休憩を行ったと判断する。制御部300は、S303での解析の結果を、飲食を行ったタイミングもしくは生理現象のタイミングの情報として、ユーザ情報319の状態情報322として記録するか、もしくは状態情報322を更新する。また、S303においては、飲食をしたか否か、トイレ休憩を行ったか否か、について車両104の搭乗者に問い合わせるようにし、その回答により、上記の判断を行うようにしても良い。
【0120】
S304において、制御部300は、画像認識部306により画像認識された結果を取得し、S305において、制御部300は、音声認識部305により音声認識された結果を取得する。
【0121】
S306において、制御部300は、ユーザ情報解析部308により、S304で画像認識結果321及びS305で取得された音声認識結果320に基づいて、滞在場所に関する搭乗者の好みを分析する。例えば、「楽しかったね」等の肯定的なワード(若しくはフレーズやセンテンス)や笑い声、笑顔が検出された場合には、その滞在場所に関する情報(例えば、施設の情報)をユーザの好みの情報として取得し、ユーザ情報319として記憶する。また、「面白くなかった」や「疲れた」等の否定的なワード(若しくはフレーズやセンテンス)や沈黙、表情に変化がないなどの傾向が検出された場合には、その滞在場所に関する情報をユーザの好みの情報として取得しないか、もしくはユーザの好みとして記憶していた場合には削除する。その後、図5のS107に進む。
【0122】
このように、車両104が目的地に到着し、その目的地を出発した後の搭乗者の反応に基づいて、搭乗者の好みの情報を記憶し、また、更新していくことができる。
【0123】
車両104が目的地に到着して本ナビゲーションサービスを終了し、後日、その搭乗者が新たに本ナビゲーションサービスの実行を開始する場合について説明する。図5のS101で目的地の入力を受け付けると、S102で目的地までの経路候補が生成される。その際、サーバ101のデータベース315には、その搭乗者に対応する車両情報316及びユーザ情報319のセットは保持されている。従って、その場合には、S802~S804の処理が行われる。例えば、従前に、車両104の搭乗者が「楽しいね」と発話していた、車両104が走行していた経路(海辺沿いの車道など)が経路候補として生成される。また、例えば、生理現象のタイミングの学習の結果、頻度が多いと判断される場合には、目的地までの距離に応じてトイレ休憩が必要と判断し、S806で経由地が取得される。また、例えば、目的地に到着するまでに飲食タイミングを迎えそうな場合には、食事休憩が必要と判断し、S806で経由地が取得される。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、目的地への走行中に生じる要因に応じて、経路を柔軟に変更することができる。
【0125】
<実施形態のまとめ>
本実施形態における制御装置(300)は、車両の経路計画を生成する生成手段と(309)、前記車両の車両情報、前記車両の搭乗者の情報、前記経路計画上の環境に関する情報、の少なくとも一つを要因として、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御する制御手段と(300)を備えることを特徴とする。
【0126】
そのような構成により、車両の走行中に生じる要因に応じて、走行経路を変更することができる。
【0127】
また、制御装置は、前記車両情報を監視する第1監視手段(図10)、をさらに備え、前記制御手段は、前記車両情報が前記要因としての条件を満たす場合、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。前記車両情報は、エネルギー関連情報(318)を含むことを特徴とする。また、前記エネルギー関連情報は、燃料の残量、車載電池の残容量、の少なくともいずれかを含み、前記エネルギー関連情報に基づいて前記車両が目的地まで到達できないと判定された場合、前記制御手段は、前記車両情報が前記要因としての条件を満たすとして、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。
【0128】
そのような構成により、例えば、車両の車載電池の残容量が閾値以下となった場合に、走行経路を変更することができる。
【0129】
また、制御装置は、前記搭乗者の情報を監視する第2監視手段(図8図9)、をさらに備え、前記制御手段は、前記搭乗者の情報が前記要因としての条件を満たす場合、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。また、制御装置は、前記搭乗者に関する画像データを用いて画像認識を行う画像認識手段と、前記搭乗者に関する音声データを用いて音声認識を行う音声認識手段と、をさらに備え、前記搭乗者の情報は、搭乗者の画像情報、音声情報、生体情報、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0130】
そのような構成により、例えば、搭乗者の生体情報の変化に基づいて、走行経路を変更することができる。また、例えば、搭乗者の画像認識結果、音声認識結果に基づいて、走行経路を変更することができる。また、前記制御手段は、前記搭乗者の情報に基づき認識される前記搭乗者の体調が、前記要因としての条件を満たす場合、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。また、前記体調は、疲労状態、空腹、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0131】
そのような構成により、例えば、搭乗者の疲労状態が認識された場合、走行経路を変更することができる。
【0132】
また、前記制御手段は、前記搭乗者の情報に基づき認識される前記搭乗者の挙動が、前記要因としての条件を満たす場合、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。また、前記搭乗者の挙動は、所定の感情に分類されて記憶されることを特徴とする。
【0133】
そのような構成により、例えば、搭乗者の発話が目的地について否定的である場合、走行経路を変更することができる。
【0134】
また、前記制御手段による前記車両の走行経路の変更の際に、前記搭乗者の情報に基づいて前記目的地までの経由地が追加されることを特徴とする。また、前記目的地までの経由地の追加においては、前記車両の給油もしくは給電が必要であると判断された場合、該給油もしくは給電が可能な経由地が追加されることを特徴とする。
【0135】
そのような構成により、例えば、車両の給電が必要であると判断された場合には優先的に給電ステーションを経由地として追加することができる。
【0136】
また、制御装置は、前記環境に関する情報を監視する第3監視手段(図10)、をさらに備え、前記制御手段は、前記環境に関する情報が前記要因としての条件を満たす場合、前記生成手段により生成された前記車両の経路計画を変更するよう前記生成手段を制御することを特徴とする。また、前記環境に関する情報は、交通情報、施設情報、天候情報、災害情報、の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0137】
そのような構成により、例えば、災害の発生があった場合には、走行経路を変更することができる。
【0138】
前記生成手段により生成された前記車両の経路計画上の目的地における前記搭乗者の行動予定を取得する取得手段と、前記目的地と前記目的地までの経由地との少なくとも一つに対応する前記環境に関する情報に基づき、前記行動予定の実現の可能性を判断する第1判断手段とを備えることを特徴とする。前記第1判断手段により前記行動予定の実現の可能性が一定の閾値を下回ると判断された場合、前記搭乗者に他の目的地若しくは経由地の候補を通知する通知手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0139】
そのような構成により、例えば、天候に応じて、搭乗者の目的地での行動予定(遊ぶ、ビジネス目的の商談など)が実現可能かを判断することができる。また、走行経路の変更の際には、車両の搭乗者に通知させることができる。
【0140】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0141】
100 ナビゲーションシステム: 101 サーバ: 102 ネットワーク: 103 基地局: 104 車両: 300 制御部: 314 記憶部
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