IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許7191029主ピボット軸を備える切断ユニットを有するシェービングユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】主ピボット軸を備える切断ユニットを有するシェービングユニット
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20221209BHJP
   B26B 19/14 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
B26B19/38 C
B26B19/14 L
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019540097
(86)(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2018051597
(87)【国際公開番号】W WO2018138094
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】17153519.8
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ラップ,レインデル ニールス
(72)【発明者】
【氏名】デ フリース,アルウィン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ペトレッリ,マルキュス コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】フォールホルスト,フォッケ ルーロフ
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-519564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/14,19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェービング装置のためのシェービングユニットであって、
少なくとも、第1の切断ユニットと、第2の切断ユニットとを含み、
前記第1の切断ユニットは、第1のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第1の外部切断部材と、第1の回転軸について前記第1の外部切断部材に対して回転可能な第1の内部切断部材と、第1の毛収集チャンバを収容する第1のハウジングとを含み、
前記第2の切断ユニットは、第2のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第2の外部切断部材と、第2の回転軸について前記第2の外部切断部材に対して回転可能な第2の内部切断部材と、第2の毛収集チャンバを収容する第2のハウジングとを含み、
当該シェービングユニットは、連結部材を含む中央支持部材を更に含み、当該シェービングユニットは、前記連結部材によって、前記シェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結されることができ、
前記第1のハウジングは、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間に配置される第1の主ピボット軸によって前記中央支持部材に枢動的に取り付けられ、
前記第2のハウジングは、前記第2の回転軸と前記第1の回転軸との間に配置される第2の主ピボット軸によって前記中央支持部材に枢動的に取り付けられ、
前記第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第1の主ピボット軸は、前記第1の回転軸に平行な方向において前記第1のシェービングトラックと重ならないように前記第1のシェービングトラックから離れた第1の距離で前記第1のシェービングトラックと前記第2の回転軸との間に配置され、前記第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第2の主ピボット軸は、前記第2の回転軸に平行な方向において前記第2のシェービングトラックと重ならないように前記第2のシェービングトラックから離れた第2の距離で前記第2のシェービングトラックと前記第1の回転軸との間に配置され
前記第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第1の主ピボット軸は、前記第1の外部切断部材と前記第2の外部切断部材との間に配置され、前記第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第2の主ピボット軸は、前記第2の外部切断部材と前記第1の外部切断部材との間に配置されることを特徴とする、
シェービングユニット。
【請求項2】
前記第1の主ピボット軸及び前記第2の主ピボット軸は一致することを特徴とする、請求項1に記載のシェービングユニット。
【請求項3】
前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングは、前記第1の回転軸に平行な方向及び前記第2の回転軸に平行な方向のそれぞれにおいて見られるときに、高さを有し、前記第1の主ピボット軸と前記第1のシェービングトラックを含む第1の皮膚接触面との間の距離及び前記第2の主ピボット軸と前記第2のシェービングトラックを含む第2の皮膚接触面との間の距離は、前記高さの50%よりも小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシェービングユニット。
【請求項4】
前記中央支持部材は、前記連結部材を含む静止部分と、副ピボット軸について前記静止部分に対して枢動する可動部分とを含み、前記第1のハウジングは、前記第1の主ピボット軸によって前記可動部分に枢動的に取り付けられ、前記第2のハウジングは、前記第2の主ピボット軸によって前記可動部分に枢動的に取り付けられ、前記副ピボット軸は、前記第1及び第2の主ピボット軸に平行でないことを特徴とする、請求項1に記載のシェービングユニット。
【請求項5】
前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングは、前記第1の回転軸に平行な方向及び前記第2の回転軸に平行な方向のそれぞれにおいて見られるときに、高さを有すること、並びに前記副ピボット軸と前記第1のシェービングトラックを含む第1の皮膚接触面との間の距離及び前記副ピボット軸と前記第2のシェービングトラックを含む第2の皮膚接触面との間の距離は、前記高さの50%よりも小さいことを特徴とする、請求項4に記載のシェービングユニット。
【請求項6】
前記副ピボット軸は、前記第1及び第2の主ピボット軸に対して垂直に延びることを特徴とする、請求項4又は5に記載のシェービングユニット。
【請求項7】
当該シェービングユニットは、第3のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第3の外部切断部材と、第3の回転軸について前記第3の外部切断部材に対して回転可能な第3の内部切断部材と、第3の毛収集チャンバを収容する第3のハウジングとを含む、第3の切断ユニットを含み、前記第3のハウジングは、第3の主ピボット軸について前記中央支持部材に対して枢動し、前記第3の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第3の主ピボット軸は、前記第3のシェービングトラックと前記第1及び第2の回転軸との間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシェービングユニット。
【請求項8】
前記第3の回転軸に平行な方向において見られるときに、前記第3の主ピボット軸は、前記第3の外部切断部材と前記第1及び第2の回転軸との間に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のシェービングユニット。
【請求項9】
前記第3のハウジングは、前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングに枢動的に取り付けられることを特徴とする、請求項7又は8に記載のシェービングユニット。
【請求項10】
前記第3の主ピボット軸は、前記第1及び第2の主ピボット軸に対して垂直に延びることを特徴とする、請求項7、8又は9に記載のシェービングユニット。
【請求項11】
前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングは、第1のヒンジ構造によって相互に接続されること、並びに該相互に接続される第1及び第2のハウジングのアセンブリが、第2のヒンジ構造によって前記中央支持部材に接続され、前記第1及び第2のヒンジ構造は、前記一致する第1及び第2の主ピボット軸を定める一致するヒンジ軸を有することを特徴とする、請求項2に記載のシェービングユニット。
【請求項12】
前記第1及び第2の主ピボット軸は、相互に平行又は一致すること、並びに前記第3のハウジングは、第1のヒンジ構造及び第2のヒンジ構造によって、前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングにそれぞれ接続され、前記第1及び第2のヒンジ構造は、それぞれ、軸受ブッシュと係合する軸受ピンを含み、前記軸受ブッシュは、前記第3の主ピボット軸に沿って取られる長手方向断面図において見られるときに、前記第1及び第2の主ピボット軸に平行な軸についての前記軸受ピン及び前記軸受ブッシュの相互の回転を可能にするよう、非円筒形の、具体的には、凸状の軸受面を有することを特徴とする、請求項7に記載のシェービングユニット。
【請求項13】
前記副ピボット軸は、対応する曲線案内経路に沿って案内される少なくとも1つの接続部材を含む接続リンク案内によって形成されることを特徴とする、請求項4に記載のシェービングユニット。
【請求項14】
モータを収容する主ハウジングと、請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニットとを含み、該シェービングユニットは、前記連結部材によって前記主ハウジングに解放可能に連結される、シェービング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも、第1の切断ユニットと、第2の切断ユニットとを含む、シェービングユニットに関する。
【0002】
本発明の更なる態様は、そのようなシェービングユニットを組み込むシェービング装置である。
【背景技術】
【0003】
シェービングユニット及び装置は、シェービングのために、特に下方顔面領域及び首領域における男性の皮膚をシェービングする(剃る)ために使用される。そのようなシェービング用途において、良好なシェービング結果に達するために皮膚の輪郭に追従することは、そのようなシェービングユニット及び装置の具体的なタスクである。そのような輪郭追従は、顎先(chin)の領域又は顎(jaw)の下方エッジにおいて特に困難である。
【0004】
一般的に、例えば、皮膚の輪郭に追従するよう切断ユニットの能力を向上させるために、切断ユニットがシェービング装置のハンドルに対して枢動的である、シェービング装置が知られている。しかしながら、そのような単純な枢動動作(pivoting action)は、切断ユニットの外部切断部材のシェービングトラックの幾つかの領域(セクタ)が、或いはより大きなセクタさえもが、皮膚と接触しないことを常にもたらす。よって、シェービング効率は満足なものでない。
【0005】
国際公開第2006/067721A1号は、モータを収容する主ハウジングと、中央連結部材によって主ハウジングに解放可能に連結されるシェービングユニットとを含む、シェービング装置を開示している。シェービングユニットの中央連結部材は、シェービングユニットが主ハウジングに連結されるときに主ハウジング内のモータのモータシャフトに連結される中央駆動シャフトを収容する。シェービングユニットは、3つの切断ユニットを含み、3つの切断ユニットは、それぞれ、シェービングユニットの中央支持部材に対して個々のピボット軸について枢動する。切断ユニットは、それぞれ、切断ユニットの内部切断部材に連結される被駆動ギアホイールを収容するハウジングを含む。切断ユニットの被駆動ギアホイールは、中央支持部材内に収容され、中央駆動シャフトに連結される、中央ギアホイールによって駆動させられる。中央支持部材に対する切断ユニットの枢動動作の間に被駆動ギアホイールとの中央ギアホイールの係合を維持するために、各切断ユニットの枢動軸は、中央ギアホイールと切断ユニットの被駆動ギアホイールとの間の接線と一致する。この設計は顎先及び顎骨エッジのような困難な皮膚領域においてさえも皮膚の輪郭に追従するシェービングユニットの切断ユニットの能力を向上させることが証明されているが、切断ユニットの外部切断部材のシェービングトラックに沿う圧力分布を更に向上させてシェービング操作中のシェービングトラックと皮膚との間の圧力ピークを回避し得ることが観察されている。そのような圧力ピークは、ユーザにとって不便であり且つ不快であり、シェービング結果の品質を低下させることを示した。
【0006】
米国特許出願公開第2007/0277379A1号明細書は、回転式切断ユニットのハウジングが切断ユニット間に配置される膜ヒンジを介して互いに連結されるシェービング装置を開示している。これらの膜ヒンジの結果、切断ユニットは、シェービングユニットの外周、即ち、シェービングユニットの中心軸から離れた切断ユニットの外周の部分に位置する、ピボット軸について対称的な方法において互いに対して枢動する。この設計は、ピボット軸の位置及び膜ヒンジを介した回転式切断ユニットの連結が皮膚の全ての領域において皮膚の輪郭追従に適さない同期した枢動動作を必要とするという理由の故に、困難な領域において皮膚輪郭に追従する能力を満足しないことが分かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
皮膚輪郭に追従するのにより良く適し且つ皮膚輪郭追従中に皮膚と切断ユニットの外部切断部材のシェービングトラックとの間の圧力ピークを避けるシェービングユニット及びそのようなシェービングユニットを組み込んだシェービング装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、少なくとも、第1の切断ユニットと、第2の切断ユニットとを含む、シェービングユニットであって、第1の切断ユニットは、第1のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第1の外部切断部材と、第1の回転軸について第1の外部切断部材に対して回転可能な第1の内部切断部材と、第1の毛収集チャンバを収容する第1のハウジングとを含み、第2の切断ユニットは、第2のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第2の外部切断部材と、第2の回転軸について第2の外部切断部材に対して回転可能な第2の内部切断部材と、第2の毛収集チャンバを収容する第2のハウジングとを含み、シェービングユニットは、連結部材を含む中央支持部材を更に含み、シェービングユニットは、連結部材によって、シェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結されることができ、第1のハウジングは、第1の回転軸と第2の回転軸との間に配置される第1の主ピボット軸によって中央支持部材に枢動的に取り付けられ、第2のハウジングは、第2の回転軸と第1の回転軸との間に配置される第2の主ピボット軸によって中央支持部材に枢動的に取り付けられ、第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、第1の主ピボット軸は、第1のシェービングトラックと第2の回転軸との間に配置され、第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、第2の主ピボット軸は、第2のシェービングトラックと第1の回転軸との間に配置される、シェービングユニットによって達成される。
【0009】
本発明によれば、シェービングユニットは、少なくとも2つの切断ユニットを含み、特に、3つ、4つ、5つ、又は更にそれよりも多くの切断ユニットを含んでよい。各切断ユニットは、キャップ構造の一部であることがある外部切断部材を含む。複数の毛進入開口が外部切断部材内に設けられる。これらの毛進入開口は、好ましくは環状シェービングトラックである、外部切断部材のシェービングトラックを定める。切断ユニットの外部切断部材のシェービングトラックは、シェービング作用が外部切断部材に対する内部切断部材の動きによって達成される外部切断部材の表面領域を完全に含むと理解されるべきである。シェービングトラックは、外部切断部材の毛進入開口全体を含むと理解されるべきである。シェービングトラックは、好ましくは、毛進入開口の全体が存在し且つ各毛進入開口がその全範囲に存在する、外部切断部材の環状表面領域として理解されるべきである。そのような構成において、切断ユニットのシェービング機能は、シェービングトラックの内周境界と外周境界とによって境界付けられる。
【0010】
外部切断部材は、外部切断部材に対して回転可能な内部切断部材に設けられる切断エッジと相互作用する毛進入開口に切断エッジを有する。外部切断部材に対する内部切断部材の回転の結果、剪断力が、内部切断部材及び外部切断部材の切断エッジによって、毛進入開口を通じて到達する毛に対して付与される。この剪断力又は切断力は、シェービング作用をもたらす。
【0011】
更に、各切断ユニットは、ハウジングを含み、このハウジングは、切断される毛が収集される毛収集チャンバを収容する。この目的のために、毛収集チャンバは、内部切断部材及び外部切断部材の相互作用によって切断される毛が毛収集チャンバによって収容されるような、内部切断部材及び外部切断部材に対する位置に配置される。切断ユニットのハウジングは別個の実体であること、並びに各ハウジングは他の切断ユニットの毛収集チャンバから分離された毛収集チャンバを含むことが理解されるべきである。
【0012】
更に、シェービングユニットは、中央支持部材を含む。中央支持部材は、一体的な構成要素であってよく、或いは2つよりも多くの別個の構成要素から構成されてよい。中央支持部材は、第1及び第2の切断ユニットをそれぞれ中央支持部材に対する枢動配置において支持するベース部材としての機能を果たす。この点に関して、第1のハウジング及び第2のハウジングは、それぞれ、第1の主ピボット軸及び第2の主ピボット軸についてそれぞれ枢動するような方法において、中央支持部材に対して枢動的に取り付けられる。特に、切断ユニットは、中央支持部材に対して独立して枢動する。即ち、切断ユニットは、それぞれ、他の切断ユニット又は複数の他のユニットの枢動運動とは無関係に、中央支持部材に対する枢動運動を実行することがある。しかしながら、切断ユニットの枢動運動のこの相互独立性は、本発明の幾つかの実施形態において、第1及び第2の主ピボット軸が一致してよいことを排除しない。第1及び第2の主ピボット軸は、内部切断部材のそれぞれの第1及び第2の回転軸に平行でないことが理解されるべきである。好ましくは、第1及び第2の主ピボット軸は、それぞれ、第1及び第2の回転軸に対して斜めに、具体的には垂直に配置される。更に、第1及び第2の主ピボット軸は、第1のシェービングトラック及び第2のシェービングトラックによってそれぞれ定められる平面に平行に配置されるのが好ましい。
【0013】
中央支持部材は、連結部材を更に含み、シェービングユニットは、連結部材によって、シェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結させられることができる。前記連結部材は、切断ユニットに対して中心的に配置されてよく、シェービングユニットが主ハウジングに連結されるときに、主ハウジング内のモータの主駆動シャフトに連結される、単一の中央駆動シャフトを収容してよい。シェービングユニットは、単一の中央駆動シャフトの回転を切断ユニットの内部切断部材の回転に伝達する伝動装置ユニットを有してよい。
【0014】
本発明によれば、第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、第1の主ピボット軸は、第1のシェービングトラックと第2の回転軸との間に配置され、同様に、第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、第2の主ピボット軸は、第2のシェービングトラックと第1の回転軸との間に配置される。切断ユニットの第1及び第2の主ピボット軸のこの特定の配置によって、第1のシェービングトラックは、第1のシェービングトラック全体が枢動運動を行うだけでなく、第1の主ピボット軸に対する接線方向における並進運動を追加的に行うことができるような方法において、第1の主ピボット軸について枢動し得ることが達成される。特に、シェービングトラックの任意の区画(section)は、切断ユニットの内部切断部材の回転軸に平行な方向において見られるときに、それぞれの主ピボット軸から離れた位置に移動させられる。その結果、切断ユニットが枢動運動を行うとき、シェービングトラックは、全体的に、同じ方向、において、即ち、皮膚に向かう方向又は皮膚から離れる方向のいずれかにおいて、曲線経路に沿う並進運動を行う。シェービングトラックの幾つかの区画は、主ピボット軸に対する特定の区画の距離に依存して、他の区画よりも大きな移動を行う場合があることが理解されよう。しかしながら、シェービングトラックのいずれの区画も、そのような並進運動を単一の方向において行うことができないが、皮膚に対する静止位置に維持され、且つ/或いは皮膚の輪郭に追従するときに皮膚に対するその角度向きを変化させるだけであることは避けられる。シェービングトラックの幾つかの区画が、シェービングトラックの他の区画の並進運動と反対の並進運動を行う場合があることも回避される。本発明者は、特に、皮膚輪郭追従中に、皮膚に対するシェービングトラックの特定の区画のそのような静止位置を回避することによって、並びにシェービングトラックの他の区画に対向するシェービングトラックの特定の区画のそのような並進運動を回避することによって、皮膚とシェービングトラックの皮膚接触面との間の圧力ピークを実質的に減少させるか或いは回避することができ、それはより高いシェービング効率を伴ってより快適でより便利なシェービング処置をもたらすことを見出した。
【0015】
本発明によれば、第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、第1の主ピボット軸は、第1のシェービングトラックと第2の回転軸との間に配置される。これは、第1の主ピボット軸が、第1の回転軸に対して径方向に第1のシェービングトラックから外向きに位置付けられ、結果的に、第1の回転軸の方向において見られるときに、外部切断部材の毛進入開口のいずれも横断せず或いは覆わないことを意味する。しかしながら、第1の主ピボット軸は、第1の回転軸に対する軸方向において見られるときに、第1のシェービングトラックからの距離が無いか或いは比較的小さい距離に位置付けられてよい。第1の主ピボット軸のそのような位置決めは、シェービング中に皮膚の輪郭に追従するときに、第1のシェービングトラックの有利な枢動運動をもたらすことが分かった。同じことが、第2の切断ユニットの第2の主ピボット軸にも当て嵌まること、並びに同じことが、第3、第4、又は任意の更なる切断ユニットにも当て嵌まることが理解されるべきである。その上更に、本発明に従ったシェービングユニットは、各々がそれぞれの回転軸に対してシェービングトラックから径方向に外向きにそれらの主ピボット軸の配置を有する2つの切断ユニットを含んでよいが、主ピボット軸のそのような特定の配置を有さない第3、第4又は更なる切断ユニットを含んでよいことが理解されるべきである。しかしながら、シェービングユニット内に設けられる全ての切断ユニットが、それぞれの切断ユニットの回転軸の方向において見られるときに、シェービングトラックと隣接する切断ユニットの回転軸との間に位置付けられる主ピボット軸について中央支持部材に対して枢動するように構成されることが好ましい。
【0016】
本発明に従ったシェービングユニットの第1の好ましい実施例では、第1の回転軸に平行な方向において見られるときに、第1の主ピボット軸は、第1の外部切断部材と第2の外部切断部材との間に配置され、第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、第2の主ピボット軸は、第2の外部切断部材と第1の外部切断部材との間に配置される。切断ユニットの主ピボット軸は、大きな並進、即ち、主ピボット軸についての切断ユニットの枢動運動の間のシェービングトラックの各区画の接線方向の移動を可能にするために、切断ユニットのシェービングトラックから比較的大きな距離に位置付けられることが好ましいが、同時に、内部切断部材の回転軸に平行な方向に見られるときに、主ピボット軸が皮膚に近接して、即ち、シェービングトラックの皮膚接触面に近接して位置付けられることが好ましい。第1及び第2の切断ユニットは、互いに対して短い距離に配置されるのが好ましいので、切断ユニットの主ピボット軸がシェービングトラックから比較的大きな距離に位置付けられる好ましい構成は、可能でないことがある、隣接する切断ユニットの内側の特定の切断ユニットの主ピボット軸の位置を必要とする。シェービングユニットのこの好ましい実施形態によれば、第1及び第2の主ピボット軸は、第1の外部切断部材と第2の外部切断部材との間に配置される。第1及び第2の主ピボット軸のこの位置付けは、両方の主ピボット軸が第1のシェービングトラックと第2のシェービングトラックとの間に位置付けられることをもたらし、同時に、第1及び第2の回転軸のそれぞれに平行な方向において見られるときに、第1及び第2の切断ユニットの主ピボット軸がシェービングトラックから幾分短い距離に配置されるか或いは全く距離なく位置付けられた状態で、第1及び第2の切断ユニットを互いに近接して位置決めすることを可能にする。
【0017】
具体的には、この実施形態において、第1の主ピボット軸及び第2の主ピボット軸は、互いに平行であってよく、具体的には、一致してよい。そのような一致、即ち、第1及び第2の主ピボット軸の同軸アライメントは、第1及び第2の切断ユニットの間の密接な関係を可能にし、同時に、第1及び第2の主ピボット軸についての枢動作用の剛的な機械的セットアップを可能にする。
【0018】
更に好ましい実施形態によれば、第1のハウジング及び第2のハウジングは、第1の回転軸に平行な方向及び第2の回転軸に平行な方向のそれぞれにおいて見られるときに、高さを有し、第1の主ピボット軸と第1のシェービングトラックを含む第1の皮膚接触面との間の距離及び記第2の主ピボット軸と第2のシェービングトラックを含む第2の皮膚接触面との間の距離は、前記高さの50%よりも小さい。この実施形態によれば、使用中、皮膚からの第1及び第2の主ピボット軸の距離は、第1及び第2の回転軸に平行なそれぞれの方向において見られるときに、制限される。即ち、回転の主軸は、シェービングトラックに近接する、即ち、シェービング処置中にシェービングトラックと接触する皮膚に近接する。その結果、切断ユニットに対して低い力を加えることによって第1及び第2の切断ユニットの枢動運動を達成することができるので、皮膚に沿う切断ユニットの滑らかな輪郭追従特性が達成される。シェービングユニット内に物理的存在を有する心棒又はシャフトによって第1及び第2の主ピボット軸を提供することができるよう、第1及び第2の主ピボット軸はシェービングユニットの内側に配置されるのが好ましいことが理解されるべきである。しかしながら、特定の実施形態において、第1及び第2の主ピボット軸は、シェービングユニットの外側に、具体的には、シェービングトラックより上の位置に配置されてよく、そのような実施形態において、それらは、例えば、シェービングユニットに組み込まれる曲線経路を含む軸受シェル、案内経路又は同等物によって、切断ユニットの第1及び第2のハウジングを中央支持部材に対して物理的に案内することによって得られる、仮想軸を構成することがある。
【0019】
特に、この実施形態では、第1及び第2の主ピボット軸と第1及び第2の皮膚接触面との間の距離が、それぞれ、前記高さの25%よりも小さいか或いは実に10%よりも小さいことが好ましい。例えば、ハウジングの高さの10%未満の、主ピボット軸と皮膚接触面との間の比較的短い距離が、切断ユニットの快適で便利な輪郭追従特性のために特に好ましいことが分かった。
【0020】
更に好ましい実施形態によれば、中央支持部材は、連結部材を含む静止部分と、副ピボット軸について静止部分に対して枢動する可動部分とを含み、第1のハウジングは、第1の主ピボット軸によって可動部分に枢動的に取り付けられ、第2のハウジングは、第2の主ピボット軸によって可動部分に枢動的に取り付けられ、副ピボット軸は、第1及び第2の主ピボット軸に平行でない。この実施形態によれば、第2のピボット軸が設けられるので、第1及び第2の切断ユニットは、それぞれ第1及び第2の主ピボット軸の周り及び副ピボット軸の周りの両方で中央支持部材の静止部分に対して枢動することができる。副ピボット軸は、第1及び第2の主ピボット軸に平行でない。この目的のために、中央支持部材は、2つの部分、即ち、静止部分と、可動部分とを含み、可動部分は、副ピボット軸について静止部分に対して枢動する。静止部分は、連結部材を含み、シェービングユニットは、連結部材によって、シェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結されることができる。静止部分に対する可動部分のそのような枢動運動は、可動部分と静止部分とを相互に連結する物理的な心棒又はシャフトによって達成されてよいことが理解されるべきである。物理的な心棒又はシャフトによるそのような連結の代わりに、副ピボット軸が、中央支持部材の外側に、特に、例えば、第1及び第2のシェービングトラックの皮膚接触面によって定められる平面内で又は平面に近接して、シェービングユニットの外側に設けられることがあるように、中央支持部材の静止部分及び可動部分は、例えば、曲線経路又は同等物を含む、案内構造によって相互に連結されてよい。副ピボット軸は、第1及び第2の主ピボット軸に平行に配置されないので、副ピボット軸についての枢動運動を用いて、切断ユニットは、第1及び第2の主ピボット軸についての枢動運動とは異なる経路及び方向に追従する。第1の主ピボット軸、第2の主ピボット軸及び/又は副ピボット軸は、互いに平行な平面内に位置してよい。第1及び第2の切断ユニットは、それぞれ第1及び第2の主ピボット軸について個々に且つ互いに独立して枢動することができるが、副ピボット軸についての第1及び第2の切断ユニットの枢動運動は、両方の切断ユニットの同期的な枢動運動であることを理解されるべきである。
【0021】
副ピボット軸を含む実施形態は、第1の回転軸に平行な及び第2の回転軸に平行なそれぞれの方向において見られるときに、第1のハウジング及び第2のハウジングが、高さを有する点において、並びに副ピボット軸と第1のシェービングトラックを含む第1の皮膚接触面との間の距離及び副ピボット軸と第2のシェービングトラックを含む第2の皮膚接触面との間の距離が、前記高さの50%よりも小さい点において、更に改良されることがある。この実施形態によれば、内部切断部材の回転軸に平行な方向に見られるときに、副ピボット軸の位置は、第1及び第2のシェービングトラックの皮膚接触面に比較的近接する。副ピボット軸は、シェービングユニットの内側又は外側に位置付けられてよいことが理解されるべきである。具体的には、副ピボット軸は、仮想ピボット軸として形成されてよく、シェービングユニットが動作中に皮膚に接触するならば、シェービングユニットの外側に、即ち、ユーザの皮膚の内側に配置されてよい。
【0022】
シェービングトラックの皮膚接触面に対する副ピボット軸のそのような閉鎖位置によって、副ピボット軸の位置は、副ピボット軸についての第1及び第2の切断ユニットの滑らかな枢動運動のために最適化され、枢動運動を実現するために比較的低い枢動力のみが必要とされる。第1のハウジングの高さ及び第2のハウジングの高さは、同様であってよいので、前記高さは、前記2つのハウジングのうちの1つの高さに対応し、副ピボット軸と第1及び第2の皮膚接触面の各々との間の距離は、第1及び第2のハウジングの高さの半分未満であることが理解されるべきである。具体的には、第1又は第2の回転軸に平行な方向において見られるときに、副ピボット軸の位置は、第1又は第2の主ピボット軸を含む平面内にあってよい。代替的に、副ピボット軸は、第1及び第2のシェービングトラックが副ピボット軸と第1及び第2の内部切断部材との間にそれぞれ位置付けられるように、シェービングユニットの外側に配置されてよい。副ピボット軸は、物理的な軸として或いは仮想的なピボット軸として実現されてよい。
【0023】
具体的には、この実施形態では、副ピボット軸と第1の皮膚接触面との間の距離及び副ピボット軸と第2の皮膚接触面との間の距離は、前記高さの25%よりも小さく、或いは実に5%未よりも小さいことが好ましい。例えば、ハウジングの高さの5%未満の、副ピボット軸と皮膚接触面との間の比較的小さな距離が、切断ユニットの快適で便利な皮膚輪郭追従特性のために特に好ましいことが分かった。
【0024】
副ピボット軸が、第1及び第2の主ピボット軸に対して垂直に延びることが特に好ましい。副ピボット軸は、具体的には、第1及び第2の主ピボット軸に対して垂直であることがあるので、第1及び第2の切断ユニットは、それぞれ、皮膚の輪郭に追従するために、二次元において枢動する自由を有する。
【0025】
更なる好ましい実施形態において、シェービングユニットは、第3のシェービングトラックを定める複数の毛進入開口を有する第3の外部切断部材と、第3の回転軸について第3の外部切断部材に対して回転可能な第3の内部切断部材と、第3の毛収集チャンバを収容する第3のハウジングとを含む、第3の切断ユニットを含み、第3のハウジングは、第3の主ピボット軸について中央支持部材に対して枢動し、第3の回転軸に平行な方向において見られるときに、第3の主ピボット軸は、第3のシェービングトラックと第1及び第2の回転軸との間に配置される。この実施形態では、第3の主ピボット軸について中央支持部材に対して枢動する第3の切断ユニットが提供される。第3の主ピボット軸は、第3のシェービングトラックから径方向に外向きに配置され、特に、第1及び第2の切断ユニットの第1及び第2の主ピボット軸の対応する位置に関して前述したように、第3の回転軸に対して第3の外部切断ユニットから径方向に外向きに位置付けられてよい。特に、第3の回転軸に平行な方向において見られるときに、第3の主ピボット軸は、第3の外部切断部材と第1及び第2の回転軸との間に配置されてよい。
【0026】
第3の切断ユニットの第3のハウジングは、中央支持部材に直接的に枢動的に取り付けられてよく、或いは第1のハウジング、第2のハウジング、又は第1のハウジング及び第2のハウジングに枢動的に取り付けられてよい。具体的には、第3の主ピボット軸は、第1のハウジング及び第2のハウジングに取り付けられてよい。第3の副ピボット軸は、第3の副ピボット軸が第1の主ピボット軸及び第2の主ピボット軸についての第1のハウジング及び第2のハウジングの独立した枢動動作をそれぞれ可能にするが、第3の主回転軸についての第3のハウジングの枢動軸受を同時に提供するような方法において、第1のハウジング及び第2のハウジングに取り付けられてよい。
【0027】
第3の主ピボット軸は、第1及び第2の主ピボット軸に対して垂直に延びることが更に好ましい。特に、第1及び第2の主ピボット軸が一致する実施形態において、第3の主ピボット軸は、第1及び第2の主ピボット軸とT字状の構成を形成することがある。第1、第2及び第3の主ピボット軸によって形成されるT字状の構成は、第1、第2及び第3の切断ユニットの間に位置付けられてよい。別の好ましい実施形態において、第1、第2及び第3の主ピボット軸は、例えば、前記3つの主ピボット軸によって形成される三角形が第1、第2及び第3の切断ユニットの間に位置付けられるように、互いに対して三角形構成において配置されてよい。
【0028】
本発明に従ったシェービングユニットの更なる好ましい実施形態において、第1のハウジング及び第2のハウジングは、第1のヒンジ構造によって相互に接続され、相互に接続される第1及び第2のハウジングのアセンブリが、第2のヒンジ構造によって中央支持部材に接続され、第1及び第2のヒンジ構造は、一致する第1及び第2の主ピボット軸を定める一致するヒンジ軸を有する。この実施形態によれば、第1のハウジング及び第2のハウジングは、互いに並びに中央支持部材に枢動的に接続され、この枢動接続は、一致する枢動軸として配置される、第1の主ピボット軸と第2の主ピボット軸の両方を定める。相互に接続される第1のハウジング及び第2のハウジングのアセンブリを中央支持部材に接続する第2のヒンジ構造は、中央支持部材への第1のハウジングのみの直接的な枢動接続によって、或いは中央支持部材への第2のハウジングのみの直接的な枢動接続によって、或いは中央支持部材への第1のハウジング及び第2のハウジングの両方の直接的な枢動接続によって形成されてよく、第2のヒンジ構造は、例えば、2つの同軸ヒンジによって形成され、同軸ヒンジの一方は、第1のハウジングを中央支持部材に接続し、同軸ヒンジの他方は、第2のハウジングを中央支持部材に接続する。これは、特に、第1のハウジング及び第2のハウジングに同一の幾何学的形状を提供することにより、製造コストを節約することを可能にする。
【0029】
第1及び第2の主ピボット軸の各々は、少なくとも2つの軸受ブッシュ内に収容される少なくとも2つの軸受ピンによって形成されてよく、軸受ピン又は軸受ブッシュのうちの少なくとも一方は、第1のハウジング内に設けられ、関連する他の軸受ブッシュ又は軸受ピンは、それぞれ、第2のハウジング内に設けられる。よって、第1及び第2のハウジングの枢動運動は、第1のハウジング及び第2のハウジング内にそれぞれ設けられる軸受ブッシュ及び軸受ピンによって案内される。その結果、第1及び第2のハウジングが互いに直接的に連結されるという点において、第1及び第2の主ピボット軸を提供するコンパクトで信頼性のあるピボット構造が実現される。主ピボット軸についての枢動運動のための剛的で弾力的な案内を達成するために追加的な軸受ブッシュに収容される追加的な軸受ピンが好ましいことが理解されるべきである。更に、第1のハウジング及び/又は第2のハウジングは、好ましくは、軸受ブッシュに挿入された軸受ピンを介して中央支持部材に連結されることが理解されるべきである。これによって、中央支持部材への第1及び第2の切断ユニットのいずれか又は両方の枢動接続の組み合わせが達成され、第1の切断ユニットと第2の切断ユニットとの枢動接続は、第1及び第2の主ピボット軸、及び任意的に第3の主ピボット軸を提供する、ピボット構造のコンパクトで弾力的な設計を可能にする。
【0030】
前述したような第3の切断ユニットを含むシェービングユニットでは、第1及び第2の主ピボット軸が相互に互いに平行であるか或いは一致すること、並びに第3のハウジングが、それぞれ、第1のヒンジ構造及び第2のヒンジ構造によって、第1のハウジング及び第2のハウジングに接続され、第1及び第2のヒンジ構造が、それぞれ、軸受ブッシュと係合する軸受ピンを含み、軸受ブッシュは、第3の主ピボット軸に沿う長手方向断面図において見られるときに、非円筒形の、特に、第1及び第2の主ピボット軸に平行な軸についての軸受ピン及び軸受ブッシュの相互回転を可能にするような凸状の軸受面を有することが更に好ましい。一般的に、第3の主ピボット軸は、シェービングユニットの良好な輪郭追従効率を達成するために、3つの切断ユニットの非平行な枢動動作を可能にするように、第1及び/又は第2の主ピボット軸に平行でないことが好ましい。一般的に、各切断ユニットの枢動連結は、切断ユニットのハウジングと中央支持部材との間に直接的に構築されてよいが、この実施形態によれば、第3の切断ユニットのハウジングは、第1の切断ユニット及び第2の切断ユニットの両方のハウジングに直接的に枢動連結されることが好ましい。これは3つの切断ユニットのそれぞれの間の距離が比較的小さい3つの切断ユニットを密接な配置を可能にし、それは効率的なシェービング処置のために好ましい。この場合には、第3の主ピボット軸のために提供される第1及び第2のヒンジ構造は、第1及び第2の主ピボット軸についてのそれぞれの第1及び/又は第2の切断ユニットのあらゆる枢動運動を補償する。この目的のために、第1及び第2のヒンジ構造において、軸受ピンを受け入れる軸受ブッシュは、直線的な円筒状ブッシュとして形成されず、軸受ブッシュ内の関連する軸受ピンの傾斜運動をある程度まで可能にする凸状の軸受面を有する。これは、軸受ピンが、軸受ブッシュ内に収容される間に、第1又は第2の主ピボット軸のそれぞれについての軸受ブッシュのあらゆる枢動運動に追従することを可能にし、よって、軸受ブッシュに対して、第3の切断ユニットのハウジングに対して固定的な位置に取り付けられるときの、或いは第1又は第2の切断ユニットのハウジングに対してそれぞれ固定位置に取り付けられたときの、軸受ピンの傾斜配置を補償することを可能にする。軸受ブッシュの軸受面の形状は、軸受ピンのそのような傾斜を可能にするよう、傾斜させられてよく、例えば、収束してよく、即ち、漏斗形状であってよく、或いは軸受面は、軸受ピンの直径に対応する直径を備える中央部分を有してよく、軸受ブッシュの直径は、軸受ブッシュの両端部分に向かって中央部分から広がる。その結果、例えば、砂時計から知られるような、軸受面の二重傾斜形状が提供され、それは軸受ブッシュ内の軸受ピンの傾斜をある程まで可能にする。第3の主ピボット軸は、第3の主ピボット軸に沿って延びる少なくとも1つの軸受ピンによって形成されてよく、軸受ピンは、対応する少なくとも1つの軸受ブッシュ内に収容され、軸受ピン又はブッシュは、第1又は第2のハウジング内に設けられ、軸受ブッシュは、第1又は第2の主ピボット軸についての軸受ピンの枢動を可能にする収束形状又は砂時計形状を有する。
【0031】
更なる好ましい実施形態において、副ピボット軸は、対応する曲線案内経路に沿って案内される少なくとも1つの接続部材を含む接続リンク案内(connecting link guidance)によって形成される。この実施形態によれば、副ピボット軸は、物理的な心棒又はシャフトして実現されず、接続リンク案内によって定められる仮想ピボット軸として構成される。これは、切断ユニットの円滑な皮膚輪郭追従特性が達成されるよう、副ピボット軸を主ピボット軸に近接して或いは実に同一平面上に位置付けることを可能にし、切断ユニットの枢動運動を確立するために比較的小さな力だけが必要とされる。接続リンク案内は、湾曲した凹部又はスロット内で滑る案内ピンを含んでよく、湾曲した凹部又はスロットの曲率eは、副ピボット軸の位置を決定する半径を有する。接続リンク案内、各々が案内経路に沿って案内されるそのような案内ピンのうちの2つ、3つ又は4つ、或いは実にそれよりも多くを含んでもよいことを理解されるべきである。案内経路は、半径を有する曲率を有してよく、案内経路の半径は、副ピボット軸の位置を定める単一の共通の曲率中心を有する。これによって,副軸についての弾力的な枢動が実現される。
【0032】
本発明の更なる態様は、モータを収容する主ハウジングを含み、前述したようなシェービングユニットを含み、シェービングユニットは、連結部材によって主ハウジングに解放可能に連結される、シェービング装置である。シェービング装置は、シェービングユニットが連結部材によって主ハウジングに連結されるときに、第1の内部切断部材、第2の内部切断部材、及び存在する場合の第3の内部切断部材を駆動するよう、電気モータのような駆動ユニットを主ハウジング内に含んでよい。駆動ユニットは、主駆動シャフトを有してよく、主駆動シャフトは、シェービングユニットが主ハウジングに連結されるときに、シェービングユニットの連結部材に収容される中央駆動シャフトに連結されてよい。主ハウジングは、シェービングユニットの連結部材と協働する主連結部材を更に含んでよい。
【0033】
本発明に従ったシェービングユニット及び本発明に従ったシェービング装置は、特に従属項において定義されるような、類似及び/又は同一の好ましい実施形態を有してよいことが理解されるべきである。
【0034】
本発明の好ましい実施形態は、それぞれの独立項と従属項又は上記実施形態との任意の組み合わせでもあり得ることを理解されるべきである。
【0035】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
【0036】
図面を参照して本発明の好ましい実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1a】本発明の第1の実施形態に従ったシェービングユニットの3つの枢動構成の正面図を示している。
図1b】本発明の第1の実施形態に従ったシェービングユニットの3つの枢動構成の正面図を示している。
図1c】本発明の第1の実施形態に従ったシェービングユニットの3つの枢動構成の正面図を示している。
図2a図1a~図1cのシェービングユニットの3つの枢動構成の側面図を示している。
図2b図1a~図1cのシェービングユニットの3つの枢動構成の側面図を示している。
図2c図1a~図1cのシェービングユニットの3つの枢動構成の側面図を示している。
図3図4の線1に沿う図1a~図1cのシェービングユニットの断面図を湿している。
図4図1a~図1cのシェービングユニットの部分切欠き頂面図を湿している。
図5】本発明の第2の実施形態に従ったシェービングユニットの部品の部分断面正面図を湿している。
図6図5のシェービングユニットの頂面図を湿している。
図7図5のシェービングユニットの斜視部分切欠き上方正面図を示している。
図8図7に示すシェービングユニットの部分切欠き斜視図を示している。
図9】本発明に従ったシェービングユニットの第3の実施形態における主ピボット軸の配置の概略頂面図を示している。
図10】本発明に従ったシェービングユニットの第4の実施形態における主ピボット軸の配置の概略頂面図を示している。
図11】シェービングユニットの切断ユニットのためのドライブトレーンを描く、図1a~図1cのシェービングユニットの断面正面図を示している。
図12図11のシェービングユニットの側断面図を示している。
図13図11のシェービングユニットにおけるドライブトレーンの一部及び切断ユニットの詳細図を示している。
図14図13に示すシェービングユニットの更なる詳細図を示している。
図15】シェービングユニットの切断ユニットの水洗手順を例示する、図13及び図14に示すシェービングユニットの詳細の部分断面図を示している。
図16図11のシェービングユニットに組み込まれた切断ユニットのハウジングの一部分の頂面図を示している。
図17】ハウジング内に取り付けられた外部切断部材を備える図16に従った頂面図を示している。
図18a図11のシェービングユニットのハウジングの上方正面からの斜視図を示している。
図18b図11のシェービングユニットのハウジングの上方正面からの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1a~図1cを参照すると、本発明に従ったシェービング装置のためのシェービングユニットが示されている。シェービングユニットは、2つの切断ユニット、即ち、第1の切断ユニット10aと、第2の切断ユニット10bを有し、それらは互いに対する3つの異なる枢動位置において示されている。各切断ユニット10a、10bは、図3に部分的に見える外部切断部材12を含む。外部切断部材12は、例えば、細長いスリットの形態の、複数の毛進入開口13(hair entry openings)を含む。毛進入開口13を介して、皮膚上に存在する毛は、切断ユニット10a、bに入ることができる。毛進入開口13は、第1の切断ユニット10aの第1のシェービングトラック11aと、第2の切断ユニット10bの第2のシェービングトラック11bとを定める。図1a~図1cにおいて、シェービングトラック11a、11bは、それぞれ、第1の切断ユニット10aの第1のハウジング20aの上面及び第2の切断ユニット10bの第2のハウジング20bの上面に対して突出するよう、部分的に見える。各切断ユニット10a、10bは、内部切断部材を更に含み、内部切断部材は、それぞれのハウジング20a、20b内に収容され、それぞれの第1及び第2の回転軸6a、6bについて外部切断部材12に対して回転可能である。切断ユニット10a、10bの内部切断部材は、図1a~図1cでは見えない。それらは、当業者に良く知られているように、複数の切断要素を備える構造を有してよく、更に詳細には記載されない。各内部切断部材は、それぞれの駆動スピンドル40a、40bを介して、シェービングユニットの伝動装置ユニット60(transmission unit)に連結される。伝動装置ユニット60は、主駆動軸9(main drive axis)について回転可能な中央駆動シャフトの回転運動を駆動スピンドル40a、40bの回転運動に伝達するための一組の伝動ギアホイール(transmission gear wheels)を含んでよい。図1a~図1cでは見えない中央駆動シャフトは、シェービングユニットの連結部材70内に収容される。連結部材70によって、シェービングユニットを、同様に図面に示されていないシェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結することができる。連結部材70は、シェービングユニットの中央支持部材50の一部である。中央支持部材50は、第1及び第2の切断ユニット10a、10bを支持する。
【0039】
第1の切断ユニット10aの第1のハウジング20aは、第1の主ピボット軸1a(primary pivot axis)によって中央支持部材50に枢動的に取り付けられ、第2の切断ユニット10bの第2のハウジング20bは、第2の主ピボット軸1bによって中央支持部材50に枢動的に取り付けられる。図1a~図1cに示す実施形態において、第1及び第2の主ピボット軸1a、1bは一致する。しかしながら、本発明によれば、主ピボット軸1a、1bは、一致しなくてもよい。即ち、主ピボット軸1a、1bは、第1及び第2の切断ユニット10a、10bが中央支持部材50に対してそれぞれ枢動する2つの別個の平行な又は非平行な主ピボット軸を構成してよい。図1a~図1cに示す実施形態におけるような、本発明に従った任意の実施形態において、第1及び第2の主ピボット軸1a、1cは、内部切断部材の第1及び第2の回転軸6a、6bの間に配置される。より具体的には、本発明によれば、第1の回転軸6aに平行な方向において見られるとき、第1の主ピボット軸1aは、第1のシェービングトラック11aと第2の回転軸6bとの間に配置され、第2の回転軸6bに平行な方向において見られるとき、第2の主ピボット軸1bは、第2のシェービングトラック11bと第1の回転軸6aとの間に配置される。主ピボット軸1a、1bのそのような配置を図1a~図1cに示す。主ピボット軸101a、101bのそのような配置は、以下に更に記載する図6に示すようなシェービングユニットの実施形態においても見ることができる。図1a~図1c及び図6に示すシェービングユニットの実施形態では、第1及び第2の回転軸6a、6bに平行な方向において見られるとき、第1及び第2の主ピボット軸1a、1b;101a、101bは、それぞれ、具体的には、切断ユニット10a、10b;110a、110bの外部切断部材12;114a、114bの間に配置される。しかしながら、本発明に従ったシェービングユニットの代替的な実施形態において、主ピボット軸は、切断ユニットの外部切断部材間にない或いは完全にない位置に、例えば、主ピボット軸が外部切断部材の周辺領域において外部切断部材を横断する位置に配置されてよい。しかしながら、本発明に従った各実施形態では、第1の主ピボット軸は、第1のシェービングトラックと第2の回転軸との間に配置され、第2の主ピボット軸は、第2のシェービングトラックと第1の回転軸との間に配置される。即ち、第1の主ピボット軸1aは、第1の回転軸6aに対して径方向に第1のシェービングトラック11aから外向きに位置付けられ、結果的に、第1の回転軸6aの方向において見られるとき、第1の切断ユニット10aの外部切断部材12の毛進入開口13のいずれも横断せず或いは覆わない。同じことが、第2のシェービングトラック11b及び第2の回転軸6bに対する第2の主ピボット軸1bにも当て嵌る。更に、主ピボット軸1a、1bは、それぞれ、第1及び第2のシェービングトラック11a、11bがそれぞれ延在する平行内に延在する。
【0040】
以下に更に詳細に記載するように、中央支持部材50は、連結部材70を含む静止部分と、可動部分とを含む。切断ユニット10a、10bの第1及び第2のハウジング20a、20bは、中央支持部材50の可動部分に対して第1及び第2の主ピボット軸1a、1bについて枢動する。中央支持部材50の可動部分は、図1a-図1cに示すように、副ピボット軸3(secondary pivot axis)について中央支持部材50の静止部分に対して枢動する。一般的に、本発明によれば、副ピボット軸3は、第1及び第2の主ピボット軸1a、1bに平行でない。第1及び第2の主ピボット軸1a、1cが一致する図1a~図1cに示す実施形態において、副ピボット軸3は、一致する第1及び第2の主ピボット軸1a、1bに対して垂直に延在する。
【0041】
図1aは、バネ付勢された中立旋回位置における第1及び第2の切断ユニット10a、10bを示しており、第1の切断ユニット10aは、図示しない機械的ストップによって境界付けられた最大ピボット角まで時計回り方向において第1の主ピボット軸1aについて枢動させられており、第2の切断ユニット10bは、図示しない機械的ストップによって境界付けられた最大ピボット角まで反時計回り方向において第2の主ピボット軸1bについて枢動させられている。第1及び第2の切断ユニット10a、10bのこれらの枢動位置は、第1及び第2の切断ユニット10a、10b並びに第1及び第2のシェービングトラック11a、11bの凹状のV字形状の構成をもたらす。
【0042】
図1bは、第1及び第2の切断ユニット10a、10bが両方とも反時計回り方向において主ピボット軸1a、1bについて枢動させられている、切断ユニット10a、10bの枢動位置を示している。切断ユニット10a、10bのこれらの枢動位置において、第1及び第2のシェービングトラック11a、11bは、主駆動軸9に対して斜めに方向付けられた共通の平面形状において延在する。
【0043】
図1cは、第1の切断ユニット10aが第1の主ピボット軸1aについて反時計回り方向において枢動させられている一方で、第2の切断ユニット10bが第2の主ピボット軸1bについて時計回り方向において枢動させられている、切断ユニット10a、10bの枢動位置を示している。切断ユニット10a、10bのこれらの枢動位置は、第1及び第2の切断ユニット10a、10b及び第1及び第2のシェービングトラック11a、11bの凸状のV字形状の構成をもたらす。切断ユニット10a、10bが主ピボット軸1a、1bについて個々に相互に独立して枢動するので、図1a~図1cに示す切断ユニット10a、10bの枢動位置が可能であることが理解されるべきである。即ち、第1の切断ユニット10aは、第2の主ピボット軸1b及びv.vについての第2の切断ユニット10bの如何なる枢動運動とも無関係に、第1の主ピボット軸1aについてのあらゆる回転運動を行うことができる。
【0044】
図2a~図2cは、副ピボット軸3についての3つの異なるピボット位置における第1及び第2の切断ユニット10a、10bの側面図を示している。図2aにおいて、切断ユニット10a,10bが主ピボット軸1a、1bを介して接続される、中央支持部材50の可動部分は、副ピボット軸3について反時計回り方向において中央支持部材50の静止部分に対して枢動させられる。図2bは、副ピボット軸3についての切断ユニット10a、10bの枢動がない、可動部分の中立位置を示している。図2cは、切断ユニット10a、10bが主ピボット軸1a、1bを介して接続される、中央支持部材50の可動部分が、副ピボット軸3について時計回り方向において中央支持部材50の静止部分に対して枢動させられている、第3の枢動構成を示している。
【0045】
図3は、図1a~図1cに示すシェービングユニットの断面図であり、図4は、切断ユニット10a、10bの部分が取り外されたシェービングユニットの頂面図を示している。これらの図に見ることができるように、一致する主ピボット軸1a、1b及び副ピボット軸3の両方は、主ピボット軸1a、1b及び副ピボット軸3についての切断ユニット10a、10bの非枢動位置において主駆動軸9に対して垂直な方向に延在する。
【0046】
図4に示すように、第1の切断ユニット10aの第1のハウジング20aは、第1の毛収集チャンバ27aを収容し、第2の切断ユニット10bの第2のハウジング20bは、第2の毛収集チャンバ27bを収容する。第1及び第2の毛収集チャンバ27a、27bは、それぞれ、環状形状を有する。第1の毛収集チャンバ27aは、第1のハウジング20aの底壁28a内に設けられる中央開口25aを取り囲む。同様に、第2の毛収集チャンバ27bは、第2のハウジング20bの底壁28b内に設けられる中央開口25bを取り囲む。図4に見ることができるように、駆動スピンドル40a、40bの上端部分にそれぞれ設けられる連結要素41a、41bは、それぞれ、開口25a、25bを通じて延びる。切断ユニット10a、10bの組立て状態において、連結要素41a、41bは、第1の切断ユニット10a及び第2の切断ユニット10bのそれぞれの内部切断部材と係合して、駆動スピンドル40a、40bの回転運動を内部切断部材に伝達する。切断ユニット10a、10bの内部切断部材及び外部切断部材は図4に示されていないが、図3では第1の切断ユニット10aの外部切断部材12のみが見える。
【0047】
図3及び図4に示すように、一致する第1及び第2の主ピボット軸1a、1bは、第1のハウジング20a及び第2のハウジング20bを相互に接続する第1のヒンジ構造と、相互に接続された第1及び第2のハウジング20a、20bのアセンブリを中央支持部材50の可動部分51に接続する第2のヒンジ構造とによって、定められる。図3は、中央支持部材50の静止部分52を更に示している。第1及び第2のヒンジ構造は、一致するヒンジ軸を有する。第1のヒンジ構造は、第1のハウジング20a及び第2のハウジング20bにそれぞれ接続される協働する第1及び第2のヒンジ要素21a、21bと、第1のハウジング20a及び第2のハウジング20bにそれぞれ接続される協働する第3及び第4のヒンジ要素22a、22bとを含む。第2のヒンジ要素21bに形成される軸受ピンは、第1のヒンジ要素21aに形成される軸受キャビティに係合し、第3のヒンジ要素22aに形成される軸受ピンは、第4のヒンジ要素22bに形成される軸受キャビティに係合する。第2のヒンジ構造は、中央支持部材50の可動部分51に一体的に形成される2つの軸受ピン55及び55’を含む。2つの軸受ピン55及び55’は、同軸に配置され、互いに面し合う。軸受ピン55は、第2のヒンジ要素21bに形成され、第2のヒンジ要素21bに形成される軸受ピンと同軸に配置される、軸受キャビティに係合する。軸受ピン55’は、第3のヒンジ要素22aに形成され、第3のヒンジ要素22aに形成される軸受ピンと同軸に配置される、軸受キャビティに係合する。ハウジング20a、20bに形成されたヒンジ要素21a、21b、22a、22bと、中央支持部材50の可動部分51に形成された2つの軸受ピン55、55’とを含む、第1及び第2のヒンジ構造は、単純かつ堅牢な方法において、一致する主ピボット軸1a、1bを提供する。シェービングユニットの組立中、ヒンジ要素21a、21b及び22a、22bを互いに簡単にスナップ嵌めすることにより、第1及び第2のハウジング20a、20bのアセンブリを形成することができる。次に、このアセンブリを2つの軸受ピン55、55’の間に簡単にスナップ嵌めすることができる。最後に、図3に示すように、充填要素24a、24bを中央支持部材50のヒンジ要素21a、22bと可動部分51との間にそれぞれ配置して、第1及び第2のヒンジ構造を組み立てるために必要とされる間隙を埋めてよい。充填要素24a、24bは、シェービングユニットの使用中の第1及び第2のヒンジ構造の意図しない分解を防止する。
【0048】
軸受ピン55、55’は、ハウジング20a、20bに対して一致する主ピボット軸1a、1bの位置を定める。軸受ピン55、55’は、例えば、図4におけるように、切断ユニット10a、10bの回転軸6a、6bに平行な方向において見られるとき、ハウジング20a、20bの間に配置される。図1a及び1bにおいて更に見ることができるように、副ピボット軸3に平行な方向において見られるときに、第1の切断ユニット10aの中立枢動位置(図1a)において、第1の主ピボット軸1aは、第1のシェービングトラック11aの皮膚接触面と第1のハウジング20aの底との間に配置される。同様に、副ピボット軸3に平行な方向において見られるとき、第2の切断ユニット10b中立枢動位置(図1b)において、第2の主ピボット軸1bは、第2シェービングトラック11bの皮膚接触面と第2のハウジング20bの底との間に配置される。第1及び第2のハウジング20a、20bは、それぞれ、第1の回転軸6aに平行かつ第2の回転軸6bに平行なそれぞれの方向において見られるとき、同一の高さHを有する。第1及び第2のシェービングトラック11a、11bが共通の平面内に延在する、図1a及び図1cに示すような枢動位置の間の切断ユニット10a、10bの中間枢動位置において、特に第1の主ピボット軸1aと中央駆動軸9とを含む中央仮想平面内で測定される、第1の主ピボット軸1aと第1のシェービングトラック11aの皮膚接触面との間の距離Dは、高さHの50%よりも小さい。同様に、切断ユニット10a、10bの中間枢動位置において、特に第2の主ピボット軸1bと中央駆動軸9とを含む中央仮想平面内で測定される、第2の主ピボット軸1bと第2のシェービングトラック11bの皮膚接触面との間の距離D’は、高さHの50%よりも小さい。
【0049】
中央支持部材50の可動部分51は、中央支持部材50の静止部分52に対して曲線経路57に沿って枢動的に案内される。図3のシェービングユニットの断面図において見られるとき、曲線経路57は、副ピボット軸3の位置を仮想軸として定める、半径と中心点とを有する円セグメントを有する。副ピボット軸3は、一致する主ピボット軸1a、1bに対して垂直に延び、一致する主ピボット軸1a、1bとほぼ共通の平面内に位置する。共通の平面は、図1a及び図1cに示すように、枢動位置の間の切断ユニット10a、10bの中間枢動位置において第1のシェービングトラック11a及び第2のシェービングトラック11bの皮膚接触面にほぼ平行に延在し、第1及び第2のシェービングトラック11a、11bは、共通の平面内に延在する。結果的に、切断ユニット10a、10bの中間枢動位置において、副ピボット軸3と第1及び第2のシェービングトラック11a、11bの皮膚接触面との間の距離D”は、特に副ピボット軸3と中央駆動軸9とを含む中央仮想平面内で測定される、図1bに示すように、一致する主ピボット軸1a,1bと第1及び第2のシェービングトラック11a、11bの皮膚接触面との間の距離D、D’に等しい。即ち、前記距離D”は、切断ユニット10a、10bのハウジング20a、20bの高さHの50%よりも小さい。副ピボット軸3及び主ピボット軸1a、1bが共通の平面内に延在しない実施態様において、距離D”が距離D、D’と異なってよいことは明らかであろう。
【0050】
図3に更に見ることができるように、2つのバネ要素23a、23bが、中央支持部材50の可動部分51における一致する主ピボット軸1a、1bの下に配置される。バネ要素23a、23bは、例えば、切断ユニット10a、10bを図1aに示すようなそれらの凹状の枢動位置に付勢するよう、切断ユニット10a、10bのハウジング20a、20bに対してバネ荷重を付与し、凹状の枢動位置において、シェービングトラック11a、11bの皮膚接触面は、V字形状の幾何学的形状を有する。シェービングユニットの実施形態の変形において、バネ要素は、切断ユニット10a、10bを異なる枢動位置に、例えば、シェービングトラック11a、11bの皮膚接触面が共通の平面内に延在する枢動位置、よって、平坦な幾何学的形状を有する枢動位置に、或いはシェービングトラック11a、11bの皮膚接触面が凸状の幾何学的形状を有する枢動位置に付勢してよいことが理解されるべきである。
【0051】
更に、切断ユニット10a、10bのアセンブリは、更なるバネ要素23cによって、副ピボット軸3に対して中立枢動位置に付勢される。更なるバネ要素23cは、中央支持部材50の静止部分52に配置され、中央支持部材50の可動部分51に対して付勢力を付与する。図3に示すような副ピボット軸3に対する中立枢動位置から開始して、切断ユニット10a、10bのアセンブリは、副ピボット軸3について時計回り方向又は反時計回り方向における枢動運動を行うことがある。
【0052】
図5図8は、本発明の第2の実施形態に従ったシェービングユニットを示している。このシェービングユニットは、3つの切断ユニット、即ち、第1の切断ユニット110aと、第2の切断ユニット110bと、第3の切断ユニット110cとを含む。3つの切断ユニット110a、110b、110cの各々は、ハウジング120a、120b、120cと、環状シェービングトラック161a、161b、161cを定める複数の毛進入開口を備える外部切断部材114a、114b、114cと、回転軸106a、106b、106cについて外部切断部材114a、114b、114cに対して回転可能であり、ハウジング120a、120b、120c内に配置される、(図には詳細に示さない)内部切断部材とを含む。環状シェービングトラック161a、161b、161cは、それぞれ、皮膚接触面を有する。外部切断部材114a、114b、114cは、それぞれ、ハウジング120a、120b、120cのそれぞれの環状カバー部分112a、112b、112c内に配置されて保持される。カバー部分112a、112b、112cの各々は、関連するシェービングトラック161a、161b、161cの皮膚接触面を取り囲む皮膚接触面も有する。ハウジング120a、120b、120cは、それぞれ、毛収集チャンバを収容する。
【0053】
第1の切断ユニット110a及び第2の切断ユニット110bは、それぞれ第1の主ピボット軸101a及び第2の主ピボット軸101bについてシェービングユニットの中央支持部材150に対して枢動する。図1図4に示すシェービングユニットの実施形態における第1及び第2の主ピボット軸1a、1bと同様に、第1及び第2の主ピボット軸101a、101bは、一致する第1及び第2の主ピボット軸として配置される。第1及び第2の主ピボット軸101a、101bによって、第1及び第2の切断ユニット110a、110bは、中央支持部材150の可動部分151に対して枢動する。一致する第1及び第2の主ピボット軸101a、101bは、図3図4の実施形態において一致する第1及び第2の主ピボット軸1a、1bを実現するために使用される類似のヒンジ構造によって実現される。
【0054】
第3の切断ユニット110cは、一致する第1及び第2のピボット軸101a、101bに対して垂直に延びる第3の主ピボット軸102について中央支持部材150に対して枢動する。第3の切断ユニット110cの回転軸106cに平行な方向において見られるとき、第3の第1のピボット軸102は、図6に示すように、第3の切断ユニット110cのシェービングトラック161cと第1及び第2の切断ユニット110a、110bの回転軸106a、106bとの間に配置される。第3の切断ユニット110cの回転軸106cに平行な方向において見られるとき、第3の主ピボット軸102は、特に、第3の切断ユニット110cの外部切断部材114cと第1及び第2の切断ユニット110a、110bの回転軸106a、106bとの間に配置される。しかしながら、代替的な実施形態において、第3の主ピボット軸102は、第3の切断ユニット110cの外部切断部材114cと第1及び第2の切断ユニット110a、110bの回転軸106a、106bとの間にない或いは完全にない位置に、例えば、第3の主ピボット軸102が第3の切断ユニット110cの周辺領域において第3の切断ユニット110cの外部切断部材114cと交差する位置に配置されてよい。そのような代替的な実施形態において、第3のピボット軸102は、依然として、第3の切断ユニット110cのシェービングトラック161cと第1及び第2の切断ユニット110a、110bの回転軸106a、106bとの間に配置されることがあり、即ち、第3の切断ユニット110cの回転軸106cに対して径方向に第3の切断ユニット110cのシェービングトラック161cから外向きに配置されることがあり、結果的に、第3の切断ユニット110cの回転軸106cの方向において見られるときに、第3の切断ユニット110cの外部切断部材114cの毛進入開口を横断せず或いは覆わない。
【0055】
図5図8に示すシェービングユニットの実施形態において、第3の切断ユニット110cのハウジング120cは、第1の切断ユニット110aのハウジング120a及び第2の切断ユニット110bのハウジング120bの両方に枢動的に取り付けられている。よって、第3の切断ユニット110cが中央支持部材150に対して枢動する第3の主ピボット軸102は、第3の切断ユニット110cが中央支持部材150並びに第1及び第2の切断ユニット110a、110bの両方に対して枢動する枢動軸である。第3の主ピボット軸102は、第1のヒンジ構造によって並びに第2のヒンジ構造によって実現され、第1のヒンジ構造によって、第3の切断ユニット110cのハウジング120cは、第1の切断ユニット110aのハウジング120aに接続され、第2のヒンジ構造によって、第3の切断ユニット110cのハウジング120cは、第2の切断ユニット110bのハウジング120bに接続される。図8に詳細に示すように、第1のヒンジ構造は、第1の切断ユニット110aのハウジング120aに対する固定位置に取り付けられた軸受ピン126aと、第3の切断ユニット110cのハウジング120cに対して固定位置に取り付けられた軸受ブッシュ127aとを含む。同様に、第2のヒンジ構造は、第2の切断ユニット110bのハウジング120bに対して固定位置に取り付けられた軸受ピン126bと、第3の切断ユニット110cのハウジング120cに対して固定位置に取り付けられた軸受ブッシュ127bとを含む。軸受ピン126a、126bは、それぞれ、軸受ブッシュ127a、127bと係合し、軸受ブッシュ127a、127bによって受けられる。軸受ブッシュ127a、127bは、第3の切断ユニット110cのハウジング120cに同軸に配置され、それにより、第3の切断ユニット110cのハウジング120cに対する第3の主ピボット軸102の位置を定める。図8に示すように、第3の主ピボット軸102に沿う長手方向の断面図において見られるとき、軸受ブッシュ127a、127bは、それぞれ、非円筒形、特に、関連する軸受ピン126a、126と接触する凸状の内部軸受面を有する。換言すれば、軸受ブッシュ127a、127bの内部軸受面は、両方のそれらの端に向かって面取りされた形状(beveled shape)を有する。即ち、内部軸受面は、砂時計のような形状を有する。その結果、第1のヒンジ構造の軸受ピン126a及び軸受ブッシュ127aは、第1の主ピボット軸1aに平行な軸について相互に回転することができる。同様に、第2のヒンジ構造の軸受ピン126b及び軸受ブッシュ127bは、第2の主ピボット軸1bに平行な軸について相互に回転することができる。その結果、第1及び第2のヒンジ構造は、第1の主ピボット軸101aについての第1の切断ユニット110aのハウジング120aの枢動運動及び第2の主ピボット軸101bについての第2の切断ユニット110bのハウジング120bの枢動運動の両方に独立して追従するように構成される。よって、第3の切断ユニット110cは、第1及び第2の主ピボット軸101a、101bについての第1及び第2の切断ユニット110a、110bの如何なる枢動位置においても、第3の主ピボット軸102について自由に枢動する。
【0056】
図5及び図8に示すように、中央支持部材150は、切断ユニット110a、110b、110cより下に配置され、可動部分151と、静止部分152とを含む。静止部分152は、連結部材170を含み、連結部材170によって、シェービングユニットをシェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結することができる。可動部分151は、図6に示すように、一致する第1及び第2の主ピボット軸101a、101bに対して垂直に延び、第3の主ピボット軸102に平行に延びる、副ピボット軸103について、静止部分152に対して枢動する。副ピボット軸103は、対応する湾曲した案内経路に沿って案内される少なくとも1つの接続部材を含む接続リンク案内機構(connection-link-guidance mechanism)によって実現される。図5図8に示す実施形態において、接続リンク案内機構は、中央支持部材150の静止部分152に対して固定位置に取り付けられた接続ピン153a、153b、153cの形態の複数の接続部材を含む。接続ピン153a、153b、153cは、それぞれ、中央支持部材150の可動部分151内の固定位置に設けられたそれぞれの湾曲した案内スロット154a、154b、154c内で案内される。湾曲した案内スロット154a、154b、154cは、それぞれ、類似の半径及び一致する中心軸を有し、それらは副ピボット軸103を定める仮想軸を形成する。接続リンク案内機構によって、3つの切断ユニット110a、110b、110cを支持する中央支持部材150の可動部分151は、副ピボット軸103について中央支持部材150の静止部分152に対して枢動する。
【0057】
更に、図5図8に示す実施形態において、一致する第1及び第2の主ピボット軸101a、101b、第3の主ピボット軸102及び副ピボット軸103は、それぞれ、シェービングトラック161a、161b、161cの皮膚接触面が、それぞれ、シェービングユニットの中心軸109に対して垂直に延在し、切断ユニット110a、110b、110cの回転軸106a、106b、106cが互いに平行である、図7に示すように、切断ユニット110a、110b、110cが中間枢動位置にあるときに、切断ユニット110a、110b、110cのシェービングトラック161a、161b、161cの皮膚接触面が延在する、共通の平面に平行に延在する。第1及び第2の主ピボット軸101a、101b、第3の主ピボット軸103、及び副ピボット軸103の存在の結果として、各切断ユニット110a、110b、110cについて2回の枢動運動が提供され、3つの切断ユニット110a、110b、110cは、副ピボット軸103についての共通の枢動運動を行うことができ、各切断ユニット110a、110b、110cは、第1、第2及び第3の主ピボット軸101a、101b、102についての個別の独立した枢動運動を更に行うことができる。
【0058】
図9は、3つの切断ユニット210a、210b、210cと、3つの主ピボット軸201、202、203、即ち、第1の切断ユニット210aのための第1の主ピボット軸201と、第2の切断ユニット210bのための第2の主ピボット軸202と、第3の切断ユニット210cのための第3の主ピボット軸203とを有する、本発明に従ったシェービングユニットの第3の実施形態の概略図を示している。第1及び第2の実施形態における主ピボット軸1a、1b;101a、101b、102と同様に、主ピボット軸201、202、203は、それぞれ、切断ユニット210a、210b、210cが、図9には示さないシェービングユニットの中央支持部材に対してそれぞれ枢動する、ピボット軸を構成する。この実施形態において、3つの主ピボット軸201、202、203は、三角形の構成において配置されている。第1の主ピボット軸201は、第1の切断ユニット210aのシェービングトラック(図示せず)と第2及び第3の切断ユニット210b、210cの内部切断部材(図示せず)の回転軸との間に配置される。同様に、第2の主ピボット軸202は、第2の切断ユニット210bのシェービングトラック(図示せず)と第1及び第3の切断ユニット210a、210cの内部切断部材(図示せず)の回転軸との間に配置され、第3の主ピボット軸203は、第3の切断ユニット210cのシェービングトラック(図示せず)と第1及び第2の切断ユニット210a、210bの内部切断部材(図示せず)の回転軸との間に配置される。
【0059】
図10は、3つの切断ユニット310a、310b、310cを有し、主ピボット軸301、302を有する、本発明に従ったシェービングユニットの第4の実施形態の概略図を示している。この実施形態において、主ピボット軸301、302の配置は、前述の第2お実施形態における主ピボット軸101a、101b、102の配置と同様である。第1及び第2の切断ユニット310a、310bは、共通の主ピボット軸301を有する。即ち、それらは、切断ユニット310a、310bが、それぞれ、シェービングユニットの中央支持部材(図示せず)に対して個別に独立して枢動することができる、一致する主ピボット軸を有する。第3の切断ユニット310cは、第3の切断ユニット310cが中央支持部材に対して枢動することができる、主ピボット軸302を有する。主ピボット軸302は、第1及び第2の切断ユニット310a、310bの共通の主ピボット軸301に対して垂直に延びる。共通の主ピボット軸301及び主ピボット軸302は、それぞれ、主ピボット軸301、302のT字形状構成の脚及び横棒を構成する。
【0060】
図11は、図1図4のシェービングユニットの断面正面図を示しており、シェービングユニットの第1及び第2の切断ユニット410a、410bのドライブトレーン(駆動列)を示している。図11に示すようなシェービングユニットは、シェービングユニットの底面に連結部材470を含み、連結部材によって、シェービングユニットをシェービング装置の主ハウジングに解放可能に連結することができる。その外周に、連結部材470は、シェービングユニットをシェービング装置の主ハウジング、即ち、ハンドル区画に解放可能に取り付けるための静止連結構成要素471を含む。連結部材470の内側には、回転可能な連結構成要素472が収容される。回転可能な連結構成要素472は、連結部材470内に収容される中央駆動シャフト478の端部分に取り付けられる。回転可能な連結構成要素472は、シェービングユニットがハンドル区画に連結されるときに、ハンドル区画内の駆動シャフトから中央駆動シャフト478へのトルク伝達のために、シェービング装置の前記ハンドル区画に部に組み込まれる駆動ユニットの駆動シャフトに連結されるように構成される。
【0061】
回転可能な連結構成要素472及び中央駆動シャフト478は、シェービングユニットのドライブトレーンの部分である。中央駆動シャフト478は、中央ギアホイール473として具現される中央伝動要素(central transmission element)に接続される。中央ギアホイール473は、図1図4に示した実施形態を参照して前述した主駆動軸9に対応する中央伝動軸409(central transmission axis)について回転可能である。動作中、シェービングユニットがシェービング装置のハンドル区画に連結された状態で、中央ギアホイール473は、回転可能な連結構成要素472及び中央駆動シャフト478を介してハンドル区画の駆動ユニットによって、中央伝動軸409について回転させられる。
【0062】
第1の被駆動ギアホイール475a及び第2の被駆動ギアホイール475bとしてそれぞれ具現される第1の被駆動伝動要素(driven transmission element)及び第2の被駆動伝動要素は、中央ギアホイール473によって駆動させられるように配置される。第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bは、中央ギアホイール473の両側に隣接して位置付けられ、それぞれ、トルク伝達のために中央ギアホイール473と係合する。第1の被駆動ギアホイール475a及び第2の被駆動ギアホイール475bは、中央ギアホイール473から径方向に外向きに、中央伝動軸409に対して位置付けられ、それぞれ、中央伝動軸409に対して僅かに斜めの向きに配置される。よって、第1の被駆動ギアホイール475aは、第1の伝動軸405aについて回転可能であり、第1の伝動軸405aは、中央伝動軸409に対して僅かに斜めの向きを有する。同様に、第2の被駆動ギアホイール475bは、第2の伝動軸405bについて回転可能であり、第2の伝動軸も、中央伝動軸409に対して僅かに斜めの向きを有する。第1及び第2の伝動軸405a、405bは、中央伝動軸409に対して対称的に配置される。
【0063】
第1及び第2の伝動軸405a、405b並びに中央伝動軸409は、それぞれ、連結部材470に対して並びにシェービングユニットの中央支持部材450の静止部分452に対して静止位置に配置される。中央ギアホイール473並びに第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bは、伝動装置ハウジング479(transmission housing)内に収容され、伝動装置ハウジング479も、連結部材470に対して並びにシェービングユニットの中央支持部材450の静止部分452に対して静止位置に配置される。中央ギアホイール473並びに第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bは、連結部材470と第1及び第2の切断ユニット410a、410bとの間で、伝動装置ハウジング479内に収容される、伝動装置ユニットとして配置される。伝動装置ハウジング479と第1及び第2の切断ユニット410a、410bとの間には、図11に示すように中央支持部材450を取り囲む開放空間490が存在する。伝動装置ハウジング479と第1及び第2の切断ユニット410a、410との間の開放空間490は、一般的に開放され、それにより、中央伝動軸409に対するあらゆる径方向からアクセス可能である。よって、伝動装置ハウジング479は、連結部材470と開放空間490との間に配置される。
【0064】
第1の切断ユニット410aの内部切断部材480aは、第1の駆動スピンドル476aによって第1の被駆動ギアホイール475aに接続され、第2の切断ユニット410bの内部切断部材480bは、第2の駆動スピンドル476bによって第2の被駆動ギアホイール475bに接続される。第1の駆動スピンドル476aは、開放空間490を介して、第1の切断ユニット410aのハウジング420aの底壁にある開口425aを通じて、伝動装置ハウジング479内の伝動装置ユニットから第1の切断ユニット410aの内部切断部材480aまで延びる。同様に、第2の駆動スピンドル476bは、開放空間490を介して、第2の切断ユニット410のハウジング420bの底壁にある開口425bを通じて、伝動装置ハウジング479内の伝動装置ユニットから第2の切断ユニット410bの内部切断部材480bまで延びる。図11に示す第1及び第2の切断ユニット410a、410bのハウジング420a、420bの底壁にある開口425a、425bは、図4に示す第1及び第2の切断ユニットのハウジング20a、20bの底壁にある開口25a、25bに対応する。
【0065】
第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bは、第1のカップ形状の回転可能なキャリア474a及び第2のカップ形状の回転可能なキャリア474bに円周方向に設けられ且つ一体的に形成される。第1の駆動スピンドル476aの下端部分は、第1の回転可能なキャリア474aと係合し、第2の駆動スピンドル476bの下端部分は、第2の回転可能なキャリア474bと係合する。第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bの下端部分は、駆動スピンドル476a、476bが、第1のカップ形状の回転可能なキャリア474a及び第2のカップ形状の回転可能なキャリア474bのそれぞれ内側で、第1の伝動軸405a及び第2の伝動軸405bにそれぞれ平行な2つの反対方向にスライドすることができるような方法において構成される。図11に示すように、機械的バネが、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bのそれぞれに配置される。第1の駆動スピンドル476aは、第1の伝動軸405aに実質的に又は略平行に概ね延びる、第1の駆動スピンドル476aのスピンドル軸に平行な方向において関連する機械的バネのバネ力に抗して第1の被駆動ギアホイール475aに向かって変位可能である。同様に、第2の駆動スピンドル476bは、第2の伝動軸405bに実質的に又は略平行に概ね延びる、第2の駆動スピンドル476bのスピンドル軸に平行な方向において関連する機械的バネのバネ力に抗して第2の被駆動ギアホイール475bに向かって変位可能である。
【0066】
更に、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bの下端部分は、駆動スピンドル476a、476bが、第1の被駆動ギアホイール475a及び第2の被駆動ギアホイール475bに対してそれぞれ、第1の伝動軸405a及び第2の伝動軸405bに対してそれぞれ垂直な任意の軸について限定的な程度まで枢動することができるような方法において構成される。最後に、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bの下端部分は、第1及び第2のカップ形状の回転可能なキャリア474a、474bが、その下端部分と係合することによって、第1の駆動スピンドル476a及び第2のスピンドル476bに駆動トルクをそれぞれ伝達することができるような方法において構成される。
【0067】
図11に更に示すように、連結要素477a、477bは、第1の駆動スピンドル476a及び第2の駆動スピンドル476bのそれぞれの上端部分に設けられる。連結要素477a、477bは、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bを、それぞれ、第1の切断ユニット410aの内部切断部材480a及び第2の切断ユニット410bの内部切断部材480bと連結させる。連結要素477a、477bは、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bが、第1の切断ユニット410aの内部切断部材480a及び第2の切断ユニット410bの内部切断部材480bに駆動トルクをそれぞれ伝達することができるような方法において構成される。よって、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bは、連結要素477a、477bを介して第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bから第1及び第2の切断ユニット410a、410bの内部切断部材480a、480bに回転運動をそれぞれ伝達することができる。更に、連結要素477a、477bは、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bが、第1の伝動軸405a及び第2の伝動軸405bに対してそれぞれ垂直な任意の軸について、それぞれ第1の切断ユニット410aの内部切断部材480a及び第2の切断ユニット410bの内部切断部材480bに対して限定的な程度まで枢動することができるような方法において構成される。これは、例えば、当業者に良く知られているように、連結要素477a、477bの三角形断面の幾何学的形状によって並びに各内部切断部材480a、480bに関連する連結要素477a、477bを受けるための対応する幾何学的形状を有する連結キャビティを設けることによって、達成されることができる。連結要素477a、477bは、図4に示すシェービングユニットの連結要素41a、41bに対応することが理解されるべきである。
【0068】
動作中、第1及び第2の切断ユニット410a、410bの内部切断部材480a、480bは、それぞれ、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bによって、第1及び第2の切断ユニット410a、410bの外部切断部材460a、460bに対して、第1及び第2の回転軸406a、406bについての回転運動に駆動される。前述のように、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bは、それぞれ、第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bに対して、それらのスピンドル軸に平行な方向においてバネ力に抗して変位可能である。更に、前述のように、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bは、第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bのそれぞれに対して並びにそれぞれ第1及び第2の切断ユニット410aの内部切断部材480a、480bのそれぞれに対して枢動的に配置される。その結果、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bは、図1図4のシェービングユニットの実施形態に関して記載したように、それらの主ピボット軸1a、1bについての第1及び第2の切断ユニット410a、410bの枢動運動に追従することができる。駆動スピンドル476a、476b内に配置される機械的バネは、駆動スピンドル476a、476bを内部切断部材480a、480bに向かって付勢することによって、主ピボット軸1a、1bについての第1及び第2の切断ユニット410a、410bのあらゆる枢動位置において並びに第1及び第2の伝動軸405a、405bのそれぞれに対する第1及び第2の回転軸406a、406bのあらゆる角度向きにおいて、連結要素477a、477bと内部切断部材480a、480bとの間の恒久的な接触及び係合を維持する。
【0069】
図1図4及び図11に示すシェービングユニットの実施形態において、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bのスピンドル軸並びに副ピボット軸3は、図4に最良に見ることができるように、共通の仮想平面内に延びる。その結果、副ピボット軸3についての第1及び第2の切断ユニット410a、410bの枢動運動の間に、駆動スピンドル476a、476bは、前記共通の仮想平面内に留まり、前記共通の仮想平面内のそれらの位置は、実質的に変化しない。これは、副ピボット軸3が駆動スピンドル476a、476bの連結要素477a、477bを通じて延びる場合に特に当て嵌まる。第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bのスピンドル軸並びに副ピボット軸3が共通の仮想平面内に延びない代替的な実施形態において、本明細書において前述した連結要素477a、477b及び駆動スピンドル476a、476bのレイアウトは、駆動スピンドル476a、476bが、図1図4のシェービングユニットの実施形態に関して記載したような副ピボット軸3についての第1及び第2の切断ユニット410a、410bの枢動運動並びにそれらの主ピボット軸1a、1b及び副ピボット軸3の両方についての第1及び第2の切断ユニット410a、410bの組み合わせられた枢動運動にも追従することを可能にする。
【0070】
例えば、図5図8に示すような3つの切断ユニットを含むシェービングユニットの実施形態において、第3の切断ユニットの内部切断部材は、開放空間を介して第3の切断ユニットのハウジングの底壁にある開口を通じて伝動装置ユニットから前記内部切断部材まで延びる第3の駆動スピンドルによって、伝動装置ユニットに接続されてよいことが理解されるべきである。そのような実施形態において、第3の駆動スピンドルは、図11に示すシェービングユニットの実施形態において、第1及び第2の駆動スピンドル476a、476bと類似のレイアウトを有してよい。そのような実施形態において、伝動装置ユニットは、図11に示すシェービングユニットの実施形態における第1及び第2の被駆動ギアホイール475a、475bに類似する方法において伝動装置ユニットの中央ギアホイールによって駆動されるように配置される、第3の被駆動伝動要素、例えば、第3の被駆動ギアホイールを含んでよいことが明らかであろう。そのような実施例において、第3の切断ユニットの内部切断部材は、第3の駆動スピンドルを介して前記第3の被駆動ギアホイールに接続される。
【0071】
図13及び図14は、図11のシェービングユニットの第1の切断ユニット410aの詳細図である。以下では、図11のシェービングユニットの第1の切断ユニット410aの更なる構造要素が、図13及び図14を参照して記載される。図11のシェービングユニットの第2の切断ユニット410bは、同様の構造要素を有することが理解されるべきである。更に、図5図10に示すシェービングユニットの実施形態の切断ユニットも、類似の構造要素を有してよいことが更に理解されるべきである。図13及び図14は、外部切断部材460aより下のハウジング420a内の位置における内部切断部材480aを示している。外部切断部材460aは、シェービングトラック461aを定める複数の毛進入開口を有し、シェービングトラックに沿って、動作中に、外部切断部材460aと回転軸406aについて外部切断部材460aに対して回転する内部切断部材480aとの間の相互作用によって、毛切断動作が行われる。あらゆる切断される毛は、ハウジング420a内に収容される毛収集チャンバ427aによって受け入れられて、毛収集チャンバ内に収集される。図13及び図14は、ハウジング420aの底壁424aに設けられた開口部425aを通じて延在する第1の駆動スピンドル476aを更に詳細に示している。開口425aは、回転軸406aの回りに中心的に設けられる。毛収集チャンバ427aは、開口425aの周りに並びに回転軸406aの周りに環状に配置される。第1の駆動スピンドル476aの連結要素477aは、内部切断部材480aの中央支持部材436a(central carrying member)内に中心的に配置される連結キャビティ435aと係合する。中央支持部材436aは、内部切断部材480aの複数の切断要素481aを支持する(carries)。
【0072】
開口425aは、毛収集チャンバ427aと流体連通する。結果的に、開口425aを介して毛収集チャンバ427a内への洗浄液、例えば、水の流れを提供することによって、毛収集チャンバ427aを洗浄することができる。例えば、そのような水の流れは、伝動装置ハウジング479と切断ユニット410a、410bとの間に存在する開放空間490を介して開口425aに容易に提供されることができる。シェービングユニットの通常の使用中に、切断された毛及び他のシェービング残屑が、開口425aを介して毛収集チャンバ427aから開放空間490内に漏出するのを防止するために、開口425aと毛収集チャンバ427aとの間の流路にシーリング構造465a(sealing structure)が設けられる。シーリング構造465aは、切断された毛が開口425aを介して毛収集チャンバ427aから漏出するのを防止するが、洗浄液、特に水が、開口425aを介して毛収集チャンバ427a内に流入又は流れ込むことを可能にするように構成され且つ配置される。シーリング構造465aの実施形態を以下に記載する。第2の切断ユニット410bは類似のシーリング構造を有することが理解されるべきである。
【0073】
図14に詳細に示すように、シーリング構造465aは、対向するシーリング面426a、428a及び466a、468aを含む。シーリング面426a、428aは、ハウジング420a上に、特に開口425aの周りの底壁424a内に設けられるエッジ構造423a上に設けられる。シーリング面466a、468aは、内部切断部材480a上に、特に内部切断部材480aの中央支持部材436a上に設けられる。対向するシーリング面426a、428a及び466a、468aは、回転軸406aに対して回転対称である。その結果、シーリング構造465aは、回転軸406aに対して回転対称である。
【0074】
具体的には、シーリング構造465aは、回転軸406aに対して回転対称であり、回転軸406aに平行な主延伸方向を有する、第1のシーリングギャップ467aを含む。第1のシーリングギャップ467aは、内部切断部材480aの中央支持部材436a上に設けられる前記対向するシーリング面の第1のシーリング面468aによって、並びにハウジング420aの底壁424aにあるエッジ構造423a上に設けられる前記対向するシーリング面の第2のシーリング面428aによって、境界付けられる。第1及び第2のシーリング面468a、428aは、それぞれ、回転軸406aに対して回転対称であり、それぞれ、回転軸406aに平行な主延伸方向を有する。具体的には、第1及び第2のシーリング面468a、428a、並びに第1及び第2のシーリング面468a、428aによって境界付けられる第1のシーリングギャップ467aは、それぞれ、環状である。
【0075】
更に、シーリング構造465aは、回転軸406aに対して回転対称であり、回転軸406aに対して垂直な主延伸方向を有する、第2のシーリングギャップ469aを含む。第2のシーリングギャップ469aは、内部切断部材480aの中央支持部材436a上に設けられる前記対向するシーリング面の第3のシーリング面466aによって、並びにハウジング420aの底壁424aにあるエッジ構造423a上に設けられる前記対向するシーリング面の第4のシーリング面426aによって、境界付けられる。第3及び第4のシーリング面466a、426aは、それぞれ、回転軸406aに対して回転対称であり、それぞれ、回転軸406aに対して垂直な主延伸方向を有する。具体的には、第3及び第4のシーリング面466a、426a、並びに第3及び第4のシーリング面466a、426aによって境界付けられる第2のシーリングギャップ469aは、それぞれ、環状である。
【0076】
回転軸406aに沿う断面図において見られるとき、軸方向に向けられた第1のシーリングギャップ467a及び径方向に向けられた第2のシーリングギャップ469aは、回転軸406aについてエッジ構造423aに対して回転可能な、エッジ構造423aと中央支持部材436aとの間に設けられたL形状のギャップ構造を備えるシーリング構造465aを共に提供する。シェービング処置中に切断された毛がシーリング構造465aを介して毛収集チャンバ427から漏出することを効果的に防止する一方で、開口425aからシーリング構造465aを介して毛収集チャンバ427a内に至る水の効果的な流れを可能にするために、回転軸406aに対して垂直な方向において測定される、第1のシーリング面468aと第2のシーリング面428aとの間の最小距離は、0.1mm~1.5mmの範囲にあることが好ましい。同様の理由から、回転軸406aに平行な方向において測定される、第3のシーリング面466aと第4のシーリング面426aとの間の最小距離は、0.1mm~1.5mmの範囲にあることが好ましい。シーリング構造465aのシーリング機能を更に向上させるために、第1及び第2のシーリングギャップ467a、469aは、それぞれ、中央開口425aから毛収集チャンバ427aへの水の流れの方向において見られるとき、それぞれ、収束してよい。
【0077】
図15は、第1の切断ユニット410aの毛収集チャンバ427aを洗浄する水洗手順(flushing procedure)を示している。図15では、ハウジング420aの底壁424aにある開口425a内への開放空間490を介した水の流れを容易にするために、シェービングユニットを逆さまの位置において示している。図15に例示するように、シェービングユニットの逆さまの位置において、開放空間490は、例えば、水道水501からの水500の流れが、開口425aを介して切断ユニット410aに直接的に入ることを可能にする。これは、蛇口501からの水500のストリームを、開放空間490を介して切断ユニット410aの底壁424a上に方向付けることによって、簡単に実現されることができる。水洗水は、ハウジング420aの底壁424aに設けられる漏斗429aによって開口425a内に方向付けられ、開口425aと毛収集チャンバ427aとの間の流路に設けられるL形状のシーリング構造465aを介して毛収集チャンバ427a内に進む。切断ユニット410aを通じる水の流れを示す破線矢印によって図15に示すように、毛収集チャンバ427aは、水の流れによって水洗される。水の流れの水圧及び重力の力(gravity force)の両方の影響の下で、水の流れは、外部切断部材460aのシェービングトラック461a内に設けられた複数の毛進入開口を介して毛収集チャンバ427aから出るようにさせられる。これは、図15中の下向きの方向を指す2つの破線矢印によって示されている。水の流れは、収集チャンバ427a内に集められる切断された毛及び他のシェービング残屑を取り込んで運ぶ。その結果、切断された毛及び他のシェービング残屑は、シェービングトラック461aにある毛進入開口を介して毛収集チャンバ427aから出る水の流れによって、毛収集チャンバ427aから除去される。よって、開放空間490を介して並びに開口425aを介して毛収集チャンバ427a内に供給される水の流れを用いて切断ユニット410aを水洗することによって、毛収集チャンバ427aを簡単かつ効率的な方法において洗浄することができる。第2の切断ユニット410bを類似の方法で、好ましくは第1の切断ユニット410aと共に洗浄し得ることが、当業者に明らかである。
【0078】
図16図17及び図18a~図18bは、図11のシェービングユニットの第1の切断ユニット410aの詳細図である。以下では、図16図17図18a~図18bを参照して、図11のシェービングユニットの第1の切断ユニット410aの更なる構造要素を記載する。図11のシェービングユニットの第2の切断ユニット410bは、類似の構造要素を有することが理解されるべきである。更に、図5図10に示すシェービングユニットの実施形態の切断ユニットも類似の構造要素を有してよいことが更に理解されるべきである。
【0079】
図18aに示すように、第1の切断ユニット410aのハウジング520は、ベース部分551と、カバー部分530とを含む。カバー部分530は、ベース部分551に解放可能に連結される。図18aに示す実施形態において、カバー部分530は、第1のヒンジ機構531によってベース部分551に枢動的に連結される。カバー部分530をベース部分551に対して枢動させることによって、ハウジング520を、図18aに示すような開放状態から、例えば、図11に示すような閉鎖状態に導くことができる。ハウジング520の閉鎖状態において、カバー部分530は、ベース部分551の周辺リム部分529に位置し、ベース部分551に解放可能に連結される。この目的のために、ハウジング520は、図18aに示すように、例えば、スナップ要素553のような、任意の適切な解放可能な連結機構を含んでよい。ハウジング520の閉鎖状態において、ベース部分551に設けられた毛収集チャンバ527は閉鎖され、ユーザのためにアクセス可能でない。ハウジング520の開放状態において、カバー部分530は、スナップ要素553から解放され、それにより、第1のヒンジ機構531を介したベース部分551との恒久的な接続を除いて、ベース部分551から解放されて取り外される。ハウジング520の開放状態において、毛収集チャンバ527は、ユーザのためにアクセス可能である。代替的な実施形態において、カバー部分530は、ベース部分551から完全に取り外し可能であってよい。そのような代替的な実施形態では、カバー部分530をベース部分551に接続するヒンジ機構が存在しないことがある。
【0080】
図16は、ハウジング520のベース部分551上の頂面図を示している。図16及び図18aに示すように、第1及び第2のヒンジ要素521、522は、ベース部分551に一体的に形成される。第1及び第2のヒンジ要素521、522は、図4に示すようなシェービングユニット内の第1の切断ユニット21aの第1のヒンジ要素21a及び第3のヒンジ要素22aとそれぞれ対応する。第1及び第2のヒンジ要素521、522は、切断ユニットがシェービングユニットの中央支持部材に対して枢動する主ピボット軸501を定める。よって、ベース部分551は、第1及び第2のヒンジ要素521、522を含むピボット構造によってシェービングユニットの中央支持部材に接続される。図16及び図18aは、ベース部分551がハウジング520の底壁524を含むこと、及び開口525が回転軸506についての中央位置で底壁524内に設けられることを更に示している。
【0081】
図18a及び図18bに更に示すように。切断ユニットは、ハウジング520のカバー部分530に解放可能に連結される保持構成要素517を含む。図18a及び図18bに示す実施形態において、保持構成要素517は、第2のヒンジ機構532によってカバー部分530に枢動的に連結される。第1及び第2のヒンジ機構531、532は、一体的に形成されてよい。しかしながら、第1及び第2のヒンジ機構531、532のいずれの実施形態においても、保持構成要素517は、第1のヒンジ機構531によるベース部分551に対するカバー部分530の枢動運動とは無関係に、第2のヒンジ機構532によってカバー部分530に対して枢動的でなければならない。図18aに示すその位置において、保持構成要素517は、簡単なスナップ機構として具現されてよい解放可能な連結機構533a、533bによってカバー部分530の内側に連結される。この位置において、保持構成要素517は、外部切断部材560及び内部切断部材580をカバー部分530内の動作位置に保持するように働く。動作位置において、外部切断部材560は、カバー部分530の内側に設けられる適切な位置決め要素(図示せず)を用いて、毛収集チャンバ527に向かって面する外部切断部材560の下方側に設けられた、周辺リム569の係合によって、カバー部分530内に保持される。保持構成要素517は、ハウジング520がベース部分551に対してカバー部分530を枢動させることによって開放されるときに、外部切断部材560及び内部切断部材580がカバー部分530から落下するのを防止する。連結機構533a、533bを手動で解放し、保持構成要素517をカバー部分530に対して枢動させて図18bに示す位置に至らせることによって、例えば、切断部材560、580を別々に洗浄するために、或いは切断部材560、580を新しい切断部材と交換するために、外部切断部材560及び内部切断部材580をカバー部分530から簡単に取り外すことができる。代替的な実施形態において、保持構成要素517は、カバー部分530から完全に取り外し可能であってよい。そのような代替的な実施形態では、保持構成要素517をカバー部分517に接続するヒンジ機構が存在しないことがある。
【0082】
図16に示すように、ハウジング520のベース部分551は、ハウジング520の閉鎖状態において外部切断部材560を支持するための支持構造519a、519b、519c、519dを含む。図示の実施形態において、支持構造519a、519b、519c、519dは、ベース部分551の底壁524の内側に設けられ、支持構造519a、519b、519c、519dは、中央開口525の外側に、回転軸506に対して径方向の位置において中央開口525の周りに配置される。図示の実施形態において、支持構造体は、回転軸506の周りで互いの間に距離を置いて配置される4つの支持要素519a、519b、519c、519dを含む。支持要素519a、519b、519c、519dは、それぞれ、回転軸506に対して実質的に垂直に延在する当接面595を含み、ハウジング520の閉鎖状態において、外部切断部材560に向かって面する。支持要素519a、519b、519c、519dの当接面595は、共通の平面内に延在する。図16では、簡略化のために、支持要素519bのみの当接面が、参照番号595によって示されている。好ましくは、支持要素519a、519b、519c、519dは、例えば、射出成形プロセスによって、ハウジング520のベース部分551に一体的に形成され、好ましくは、それらは、回転軸506の周りに均一に分配される。図示の実施形態において、4つの支持要素519a、519b、519c、519dは、それらの間に約90°の角度分離を伴って、回転軸506の周りに配置される。4つの支持要素519a、519b、519c、519dの当接面595は、ハウジング520の閉鎖状態における外部切断部材560のための当接構造を共に形成する。
【0083】
外部切断部材560及び内部切断部材580が、図18aに示すような保持構成要素517によって、カバー部分530内のそれらの動作位置に保持される、ハウジング520の開放状態から開始して、ユーザは、カバー部分530がスナップ要素553によってベース部分551に連結されるまで、カバー部分530をベース部分551に対して枢動させることによって、ハウジング520を閉鎖しなければならない。ハウジング520がこのように閉鎖され、カバー部分530がスナップ要素553によってベース部分551に連結されるとき、外部切断部材560の周辺リム569は、支持要素519a、519b、519c、519dの当接面595に当接し、当接面595と当接的に接触したままである。その結果、ハウジング520の閉鎖状態において、外部切断部材560は、支持要素519a、519b、519c、519dの当接面595によって、回転軸506に平行な軸方向に直接的に支持される。その結果、主に回転軸506に平行な軸方向において使用中に外部切断部材560に加えられる圧力の力(pressure forces)は、主に、外部切断部材560によって支持要素519a、519b、519c、519dによって形成される支持構造に直接的に伝達され、それにより、ハウジング520のベース部分551に直接的に伝達される。その結果、保持構成要素517は、前記圧力の力を受けて伝達する必要がないか、或いは前記圧力の力の小さな部分だけを受けて伝達する必要がある場合がある。このため、保持構成要素517は、そして、保持構成要素517をカバー部分530に解放可能に連結する連結機構533a、533bも、前記圧力の力を受けて伝達するために必要とされる比較的剛性の構造を有する必要がない。保持構成要素517は、カバー部分530をベース部分551に対して枢動させてハウジング520を開放するときに、外部切断部材560及び内部切断部材580をカバー部分530内のそれらの動作位置に維持し得るだけであるべきである。この目的のために、保持構成要素517は、そして、連結機構533a、533bも、比較的弱い構造を有する必要があるだけである。そのような比較的弱い構造は、切断部材560、580の洗浄又は交換の間に、保持構成要素517のユーザによる容易で簡単な操作を可能にする。
【0084】
特に、この実施形態において、支持要素519a、519b、519c、519dの当接面595によって形成される当接構造は、ハウジング520の閉鎖状態及び前記軸方向において、外部切断部材560との形態ロック係合(form-locking engagement)を提供し、その場合、外部切断部材560は、当接面595とカバー部分530との間で軸方向にロックされる。当接構造は、回転軸506に対して垂直な径方向においても外部切断部材560との形態ロック係合を提供するのが好ましい。この目的のために、図16に示す実施形態において、支持要素519a、519b、519c、519dは、それぞれ、回転軸506に対して接線方向に延在する更なる当接面596を含む。簡略化のために、図16では、支持要素519bのみの更なる当接面が、参照番号596によって示されている。支持要素519a、519b、519c、519dの更なる当接面596は、回転軸506に対して等距離を有する。その結果、ハウジング520の閉鎖状態において、外部切断部材560の環状の周辺リム569も、更なる当接面596によって回転軸506に対して径方向中心化された位置に保持される。図17は、支持要素519a、519b、519c、519dによって支持された位置における外部切断部材560を示しているが、カバー部分530は示していない。
【0085】
回転軸506に平行な軸方向におけるハウジング520のベース部分551による外部切断部材560の直接的な支持は、前述のような4つの支持要素519a、519b、519c、519dを有する支持構造とは異なる支持構造によって達成されてもよいことが理解されるべきである。支持構造体は、異なる数の支持要素を有してもよいが、複数の支持要素を有する実施形態では、少なくとも3つの支持要素が、外部切断部材の安定的な支持のために好ましい。ベース部分551の底壁524に設けられる代わりに、代替的に、支持構造は、例えば、毛収集チャンバ527の周りに円周方向に延在する支持面として、例えば、ベース部分551の側壁に設けられてよい。当業者は、支持構造が、例えば、少なくとも切断ユニットのハウジングの閉鎖状態において回転軸に平行な軸方向において外部切断部材を支持するよう、ハウジングのベース部分内に設けられる、適切な代替的な実施形態を定めることができる。
【0086】
本発明は、モータを収容する主ハウジングを含み、前述のようなシェービングユニットを含む、シェービング装置に更に関する。具体的には、シェービングユニットは、連結部材70、170、470によって主ハウジングに解放可能に連結され、或いは連結されてよい。モータ、並びに再充電可能なバッテリ、ユーザインタフェース、及び電気制御回路のような、そのようなシェービング装置の任意の更なる構成要素を収容する、主ハウジングは、図示されておらず、更に詳細に記載されない。何故ならば、それらは当業者に概ね知られているからである。
【0087】
請求する発明を実施する当業者は、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解し、達成することができる。請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形の表現は、複数の要素を排除しない。
【0088】
請求項中の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18a
図18b