(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】慢性腎疾患の治療のためのデュラグルチド
(51)【国際特許分類】
A61K 38/26 20060101AFI20221209BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221209BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20221209BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221209BHJP
C07K 14/605 20060101ALN20221209BHJP
【FI】
A61K38/26 ZMD
A61K45/00
A61P13/12
A61P43/00 121
C07K14/605 ZNA
(21)【出願番号】P 2019565364
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 US2018034278
(87)【国際公開番号】W WO2018222472
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2019-11-26
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100131990
【氏名又は名称】大野 玲恵
(72)【発明者】
【氏名】ボトロス,ファディー タラアト
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュマナン,マーク チャンドラカント
(72)【発明者】
【氏名】タトル,キャサリン ローズ
(72)【発明者】
【氏名】ツィンマーマン,アラン ジョージ
【審査官】横田 倫子
(56)【参考文献】
【文献】Clin Pharmacol: Advan Appl., 2016, Vol.8, p.61-81
【文献】Diabetes Obes Metab., 2017 Mar, Vol.19 No.3, p.436-441
【文献】Hypertension Res, 2010, Vol.33 No.6, p.573-578
【文献】ClinicalTrials.gov Archive NCT01621178 on May 2017,https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT010621178?V_47=View#StudyPageTop
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00
A61P 13/12
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のCKD(慢性腎疾患)を治療する方法に用いるための医薬組成物であって、前記方法が、
a)
i)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
ii)300mg/g超のUACR
を有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
c)前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、
前記投与が、前記患者のCKDの進行の減衰をもたらし、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項2】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
CKD(慢性腎疾患)を有する患者のeGFRの損失速度を減少させる方法に用いるための医薬組成物であって、前記方法が、
a)
i)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
ii)300mg/g超のUACR
を有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項4】
前記eGFRの損失速度の減少が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、請求項1~4のいずれかのいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記患者が、15~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記患者が、15~29mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記患者が、30~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記患者が、30~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記患者が、45~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記患者が、15~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記患者が、300mg/g超のUACRおよび60~75mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記投与が、少なくとも1年間継続される、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項1~
14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項1~
14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
ACE阻害剤および/またはARB(アンジオテンシン受容体アンタゴニスト)を投与することをさらに含む、請求項1~
16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
患者のCKD(慢性腎疾患)の治療に使用するためのデュラグルチドとACE阻害剤および/またはARB(アンジオテンシン受容体アンタゴニスト)との組み合わせ物であって、前記患者が、
a)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
b)300mg/g超のUACR
を有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与され、前記投与が、前記患者のCKDの進行の減衰をもたらし、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、組み合わせ物。
【請求項19】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項
18に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
CKD(慢性腎疾患)を有する患者のeGFRの損失速度の減少に使用するためのデュラグルチドとACE阻害剤および/またはARB(アンジオテンシン受容体アンタゴニスト)との組み合わせ物であって、前記患者が、
a)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
b)300mg/g超のUACRを有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与され、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、組み合わせ物。
【請求項21】
前記eGFRの損失速度の減少が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項
20に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、請求項
18~
21のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項23】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、請求項
18~
21のいずれかのいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項24】
前記患者が、15~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項25】
前記患者が、15~29mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項26】
前記患者が、30~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項27】
前記患者が、30~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項28】
前記患者が、45~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項29】
前記患者が、15~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項30】
前記患者が、60~75mL/分/1.73m
2の腎障害eGFRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項31】
前記患者が、300mg/g超のUACRを有する、請求項
18~
23のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項32】
前記投与が、少なくとも1年間継続される、請求項
18~
31のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項33】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項
18~
32のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項34】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項
18~
32のいずれかに記載の組み合わせ物。
【請求項35】
患者のCKD(慢性腎疾患)を治療する方法に用いるための医薬組成物の製造におけるデュラグルチドの使用であって、前記方法が、
a)
i)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
ii)300mg/g超のUACR
を有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
c)前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、
前記投与が、前記患者のCKDの進行の減衰をもたらし、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、使用。
【請求項36】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項
35に記載の使用。
【請求項37】
CKD(慢性腎疾患)を有する患者のeGFRの損失速度を減少させる方法に用いるための医薬組成物の製造におけるデュラグルチドの使用であって、前記方法が、
a)
i)15~89mL/分/1.73m
2のeGFR、および
ii)300mg/g超のUACR
を有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、
デュラグルチドの前記有効量が、
0.75mgおよび1.5mgからなる群から選択される、使用。
【請求項38】
前記eGFRの損失速度の減少が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、請求項
37に記載の使用。
【請求項39】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、請求項
35~
38のいずれかのいずれかに記載の使用。
【請求項40】
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、請求項
35~
38のいずれかに記載の使用。
【請求項41】
前記患者が、15~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項42】
前記患者が、15~29mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項43】
前記患者が、30~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40いずれかに記載の使用。
【請求項44】
前記患者が、30~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項45】
前記患者が、45~59mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項46】
前記患者が、15~44mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項47】
前記患者が、300mg/g超のUACRおよび60~75mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項
35~
40のいずれかに記載の使用。
【請求項48】
前記投与が、少なくとも1年間継続される、請求項
35~
47のいずれかに記載の使用。
【請求項49】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項
35~
48のいずれかに記載の使用。
【請求項50】
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、請求項
35~
48のいずれかに記載の使用。
【請求項51】
ACE阻害剤および/またはARB(アンジオテンシン受容体アンタゴニスト)を投与することをさらに含む、請求項
35~
50のいずれかに記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学の分野に関する。より具体的には、本発明は、GLP-1Rアゴニストであるデュラグルチドを投与することを含む慢性腎疾患(CKD)を治療するための方法に関する。
【0002】
CKDは、主な原因が糖尿病である、腎機能の進行性の損失を特徴とする。糖尿病性腎症(DN)(糖尿病性腎疾患としても知られている)は、CKDの一種であり、糖尿病の慢性合併症である。アルブミン尿の増加、推定糸球体濾過率(eGFR)の低下として測定される腎機能の漸進的かつ進行性の損失は、ヒト糖尿病性腎症の主要な徴候である。CKD患者は、eGFRの経時的な減少を経験し、CKDの悪化によって、多くの患者で透析または腎移植のいずれかを必要とする末期の腎疾患(ESRD)に進展するが、患者がマクロアルブミン尿を発症すると、死亡率はESRDへの進行率を超える場合がある。(Adler et al.(UKPDS 64)Kidney International,Vol.63(2003),pp.225-232.)。eGFRは、典型的には、患者のCKDの重篤度を分類するために使用され、eGFRが低いほど、より重度のCKDに相当する。現時点では、既存の腎障害の進行を軽減することができる療法は限られているため、患者のeGFRが低下するその速度を低減することを目標とする治療の選択肢が、ESRDの発症を遅延または防止すると期待されている。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシン受容体アンタゴニスト(ARB)は、現在CKDのESRDへの進行を遅らせる標準的なケアとして使用されているが、これらは腎機能の低下を防止し、ESRDへの最終的な進行を止めるには不十分であることが示されている。
【0003】
グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP-1R)アゴニストであるリラグルチドは、長年にわたる研究の過程で糖尿病性腎症の進行を低減させると近年記載されており(J.F.Mann,et al.,27J.Am.Soc.Nephrol.HI-ORD01(2016)、S.P.Marso,et al.,NEJM(2016),doi:10.1056/NEJMoal1603827参照)、週1回のGLP-1Rアゴニストであるセマグルチドは、長年にわたる研究の過程で新しく発症する腎症または腎症が悪化する率を下げると記載されている(S.M.Marso,et al.,NEJM(2016),doi:10.1056/NEJMoa1607141参照)。
【0004】
それにもかかわらず、CKDステージ2以上の患者を治療するための代替方法、具体的には既存の治療と比較して26週間ほどの短期間内に疾患の進行を遅らせることが可能であり、さらに具体的には、CKDが、マクロアルブミン尿を伴うステージ3、またはステージ4、またはステージ2に進行した患者においても、減衰された進行を維持することが可能である方法を提供することが依然必要とされている。
【0005】
驚くべきことに、本明細書に記載の方法に従ったデュラグルチドの投与は、これらのニーズを満たすことが可能であることが発見されている。デュラグルチドは、2014年から2型糖尿病(T2DM)の治療用にTRULICITY(登録商標)の商品名で販売されている、GLP-1Rアゴニストである。他のGLP-1Rアゴニストで治療された患者における急性腎不全および慢性腎不全の悪化が市販後に報告されていることに起因して、TRULICITY(登録商標)の添付文書は、投与を開始または増加するときに注意を払い、重度の胃腸反応の悪化を訴える腎損傷の患者の腎機能を監視するように、医療提供者に指示している。TRULICITY(デュラグルチド)Highlights of Prescribing Information,Initial U.S.Approval:2014,Section 5.5を参照されたい。広範な腎機能を有するT2DM患者の腎機能に対するデュラグルチドの効果は、近年の出版物で評価され、これによると、eGFRの変化によって測定すると、デュラグルチドは、腎機能に影響を与えないと、結論付けられた(K.R.Tuttle,et al.,Diabetes Obes.Metab.(2016),DOI:10.1111/dom.12816)。しかしながら、その研究の結論にもかかわらず、ある特定のCKD患者では、デュラグルチドは腎機能に悪影響を及ぼさないのみならず、実際にはeGFRが減少する速度が顕著に低減されることが、より近年驚くべきことに発見されている。さらに、eGFR減少の速度におけるそのような顕著な改善は、デュラグルチドでの治療の開始後6か月ほどの短期間で見ることができる。本発明の方法の利点は多く、CKD患者、具体的にはACE阻害剤またはARBの最大許容用量を受けているより進行したCKD患者が、ESRDまたは心血管死に達する前の時間量を顕著に増加させる可能性を含んでいる。さらに、本発明の方法は、血糖コントロールの改善に関係する利点とは無関係に、これらのCKDに関係する利点も提供することができる。
【0006】
したがって、本発明は、患者のCKDの治療方法であって、(a)(i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または(ii)UACR>30mg/g、および腎障害、および60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、(b)有効量のデュラグルチドを当該患者に週1回投与することと、(c)当該週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、当該投与が、患者のCKDの進行の減衰をもたらす、方法を提供する。
【0007】
ある特定の態様では、本発明は、CKDを有する患者におけるeGFRの損失速度を減少させる方法であって、(a)(i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または(ii)UACR>30mg/g、および60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、(b)有効量のデュラグルチドを当該患者に週1回投与することと、(c)当該週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含む、方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、患者のCKDの治療に使用するためのデュラグルチドを提供し、患者が、(i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または(ii)UACR>30mg/g、および60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有し、有効量のデュラグルチドが、週1回少なくとも6か月間継続される。
【0009】
別の態様では、本発明は、CKDを有する患者におけるeGFRの損失速度を減少させるのに使用するためのデュラグルチドを提供し、患者が、(i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または(ii)UACR>30mg/g、および60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有し、有効量のデュラグルチドが、週1回少なくとも6ヶ月間投与される。
【0010】
ある特定の実施形態では、患者のCKDは、T2DMによって引き起こされていない。ある特定の実施形態では、患者のCKDは、糖尿病によって引き起こされていない。ある特定の実施形態では、患者のCKDは、高血圧によって引き起こされている。
【0011】
他の実施形態では、患者のCKDは、糖尿病によって引き起こされている。ある特定の実施形態では、患者のCKDは、T2DMによって引き起こされている。ある特定の実施形態では、患者のCKDは、T1DMによって引き起こされている。
【0012】
ある特定の実施形態では、患者は、15~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、15~29mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は30~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は30~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、45~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、15~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、60~75mL/分/1.73m2のeGFRを有する。
【0013】
ある特定の実施形態では、患者は、30~300mg/gのUACRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、300mg/g超のUACRを有する。
【0014】
ある特定の実施形態では、当該投与は、少なくとも1年間継続される。他の実施形態では、当該投与は、少なくとも2年間継続される。他の実施形態では、当該投与は、少なくとも3年間継続される。他の実施形態では、当該投与は、少なくとも4年間継続される。他の実施形態では、当該投与は、少なくとも5年間継続される。他の実施形態では、当該投与は、少なくとも10年間継続される。
【0015】
ある特定の実施形態では、週1回提供されるデュラグルチドの有効量は、0.75~4.5mgである。他の実施形態では、週1回提供されるデュラグルチドの有効量は、0.75mg~4.5mgである。他の実施形態では、週1回提供されるデュラグルチドの有効量は、0.75mg、1.5mg、3.0mg、または4.5mgのいずれかである。
【0016】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される。
【0017】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される。
【0018】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、eGFRの40%の減少までの時間の増加に反映される。
【0019】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、eGFRの50%の減少までの時間の増加に反映される。
【0020】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、ESRDへの進行までの時間の増加に反映される。
【0021】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、腎死までの時間の増加に反映される。
【0022】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、心血管死までの時間の増加に反映される。
【0023】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、15~30%のハザード比の低減に反映される。ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、少なくとも15%のハザード比の低減に反映される。ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、少なくとも20%のハザード比の低減に反映される。
【0024】
ある特定の実施形態では、患者のCKDの進行の当該減衰は、患者のHbA1cの低減に完全には依存しない。
【0025】
ある特定の実施形態では、デュラグルチドは、ACE阻害剤および/またはARBと同時に、または連続併用で投与される。ある特定の実施形態では、ACE阻害剤は、ゾフェノプリル、ペリンドプリル、トランドラプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、およびラミプリルからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ARBは、バルサルタン、テルミサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、アジルサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、およびフィマサルタンからなる群から選択される。
【0026】
デュラグルチドは、免疫グロブリンのFc部分のアナログのN末端にペプチドリンカーを介してそのC末端で融合しているGLP-1アナログの二量体を含む、ヒトGLP-1Rアゴニストであり、CAS登録番号923950-08-7で識別され、次の化学名:免疫グロブリンG4(合成ヒトFc断片)、二量体を含む、ペプチド(合成16-アミノ酸リンカー)融合タンパク質を含む、7-37-グルカゴン様ペプチドI[8-グリシン、22-グルタミン酸、36-グリシン](合成ヒト)融合タンパク質を提供する。デュラグルチドの各単量体は、配列番号1に記載のアミノ酸配列:
【化1】
(配列番号1)を有する。
【0027】
2つの単量体は、55位と58位のシステイン残基間のジスルフィド結合によって結合して、二量体を形成する。デュラグルチドの構造、機能、生成、およびT2DMの治療への使用は、U.S.7,452,966、および米国特許出願公開第US20100196405号により詳細に記載されている。本明細書で使用するとき、用語「デュラグルチド」とは、配列番号1のアミノ酸配列を有する2つの単量体の任意のGLP-1Rアゴニストタンパク質二量体を指し、GLP-1Rアゴニスト生成物の承認を求める申請書類の対象である任意のタンパク質を含み、当該タンパク質の承認を求める当事者が実際にそのタンパク質をデュラグルチドとして同定するか、またはいくつかの他の用語を使用するかにかかわらず、Eli Lillyおよびデュラグルチドに関係する会社が規制当局に提出したデータに全体的または部分的に依存する。
【0028】
デュラグルチドは、GLP-1受容体を刺激し、インスリン合成および分泌の刺激をもたらし、T2DM患者の血糖コントロールの改善を提供することが示されている。しかしながら、本明細書に記載のような、具体的にeGFRの損失速度の減少を含む、本発明の方法によって提供されるCKDに関係する改善は、GLP-1Rが媒介するインスリン合成および分泌の刺激と関連する血糖コントロールにおける任意のそのような改善に完全には依存しない。換言すれば、T2DM患者におけるデュラグルチドの既知の血糖コントロールの利点は、そのような患者のCKDに関係するいくつかの改善に貢献し得るが、本発明によって提供されるCKDに関係する利点は、T2DM患者における血糖コントロールの改善に付随し得る任意のそのような改善をはるかに超える。したがって、CKDの治療における本発明の方法の利点は、1型糖尿病(T1DM)患者、またはCKDが糖尿病以外のいくつかの原因、例えば高血圧に起因する患者など、血糖コントロールの改善を提供する目的でデュラグルチドが現時点では示されていない患者の治療への使用に利用可能であり得る。
【0029】
CKDを有することを特徴とする患者の集団には、幅広いスペクトルの腎機能の程度にわたる患者が含まれる。そのスペクトルは、一般的に、eGFRの範囲によって主に定義される段階に分割される。時折KDOQIと称される全米腎臓財団(National Kidney Foundation)は、以下の表1のように、CKDの5つのステージを定義する、CKD治療ガイドラインを出版している。
【表1】
【0030】
ステージ3のCKDは、KDOQIによってさらにステージ3Aと3Bとに分割され、それぞれ45~59、および30~44のeGFR範囲によって定義される。
【0031】
上に示すように、KDOQIガイドラインで、血液もしくは尿検査、または画像診断での異常を含む、病理学的異常または障害のマーカーとして定義されているステージ2のCKDには、腎障害が必要である。腎障害の存在を示す1つの測定値は、尿中のアルブミンの存在、すなわちアルブミン尿である。アルブミン尿の重篤度は、一般的に、尿アルブミン(mg/dL)対尿クレアチニン(g/dL)の比(UACR)によって分類される。アルブミン尿は、UACRが約30~約300mg/gのときにはマイクロアルブミン尿、またはUACRが300mg/g超のときにはマクロアルブミン尿として分類され得る。
【0032】
他の団体では、CKD患者のステージ定義を使用しないが、代わりに、正常>80、軽度50~80、中等度30~50、および重度<30のeGFRによって患者を定義する。
【0033】
本明細書で使用するとき、CKD「ステージ2」とは、60~89mL/分/1.73m2のeGFRおよび腎障害を指し、「ステージ3」とは、30~59mL/分/1.73m2のeGFRを指し、「ステージ4」とは、15~29のeGFRを指す。加えて、CKD「ステージ3A」とは、45~59のeGFRを有する患者を指し、「ステージ3B」とは、30~44のeGFRを有する患者を指す。
【0034】
CKD患者の現時点での標準的なケアとしては、ACE阻害薬およびARBが挙げられる。既知のACE阻害薬としては、ゾフェノプリル、ペリンドプリル、トランドラプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、およびラミプリルが挙げられる。既知のARBとしては、バルサルタン、テルミサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、アジルサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、およびフィマサルタンが挙げられる。
【0035】
しかしながら、そのような療法は、疾患の進行を止めることが不可能であり、CKD患者は、CKD-EPIクレアチニン方程式に従って決定される、eGFRの損失によって測定される腎機能の継続的な低下を経験し続ける。例えば、Levey AS and Stevens LA,Estimating GFR using the CKD Epidemiology Collaboration(CKD-EPI)creatinine equation、more accurate GFR estimates,lower CKD prevalence estimates,and better risk predictions,Am.J.Kidney Dis.2010;55(4):622-627を参照されたい。
【0036】
ステージ3および4の患者では、eGFRの典型的な低下は、標準的なケアによる治療中でさえ、年間およそ1~3mL/分/1.73m2の範囲にある。eGFRが一貫して15mL/分/1.73m2未満まで低下すると、透析または腎移植などの腎代替療法が必要である。したがって、本明細書に記載の方法など、eGFRの低下速度を迅速に減衰させることが可能な任意の治療方法は、まだ腎代替療法に頼らずともよいCKD患者に顕著な利点を提供し得る。
【0037】
本発明は、疾患進行の後期であるが、腎不全または腎代替療法の前のCKD、すなわちCKDステージ2、3または4の治療に関する。ある特定の実施形態では、患者は、ステージ3のCKDを有する。他の実施形態では、患者は、ステージ3Aまたはステージ3BのCKDを有する。他の実施形態では、患者は、ステージ4のCKDを有する。ある特定の実施形態では、患者は、30mg/g超のUACRを伴う、60mL/分/1.73m2未満のeGFR、および/または60~89mL/分/1.732のeGFRを有する。他の実施形態では、患者は、30mg/g超のUACRを伴う、60~75のeGFRを有する。他の実施形態では、患者は、60mL/分/1.73m2未満、45mL/分/1.73m2未満、または30mL/分/1.73m2未満のeGFRを有する。他の実施形態では、患者は、15~75mL/分/1.73m2、15~60mL/分/1.73m2、30~60mL/分/1.73m2、45~60mL/分/1.73m2、15~30mL/分/1.73m2、15~45mL/分/1.73m2、または30~45mL/分/1.73m2のeGFRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、30~300mg/gのUACRを有する。ある特定の実施形態では、患者は、>300mg/gのUACRを有する。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「治療」、「治療する」、「治療すること」などは、疾患または障害の進行を遅らせるかまたは減衰させることを含むことを意味する。これらの用語としてはまた、障害または状態が実際には排除されない場合でさえ、障害または状態のそれ自体の進行を遅らせるか逆戻りさせない場合でさえ、障害または状態の1つ以上の症状を、緩和すること、寛解させること、減衰させること、排除すること、または低減させることを含む。
【0039】
「患者」とは、CKDの治療から利益を受けるであろう、疾患、障害、または状態を有する哺乳動物、好ましくはヒトを指す。
【0040】
用語「ハザード比」とは、対照群と比較して、エンドポイントへの相対的な進行速度の尺度を指す。例えば、ハザード比の値1は、エンドポイントへ進行している相対的なリスクが、試験群と対照群とで同じであることを示すであろう。15%のハザード比の低減は、試験群のエンドポイントに進行しているリスクが、対照群のエンドポイントに進行するリスクよりも15%低いことを示すであろう。本発明の背景では、比較対照群とは、例えば全米腎臓財団KDOQI臨床ガイドラインに記載のように、標準的なケアで治療されている患者を指し、エンドポイントとしては、eGFRの40~50%の低減、ESRDへの進行、または腎臓もしくは心血管の原因に起因する死亡を挙げることができる。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも15%のハザード比の低減をもたらす。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも20%のハザード比の低減をもたらす。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、15~30%のハザード比の低減をもたらす。
【0041】
「HbA1c」とは、ヘモグロビンが血液中のグルコースと結合すると発生する糖化ヘモグロビンレベルを指す。HbA1cレベルは、糖尿病患者の血糖コントロールの一般的に使用される尺度であり、HbA1cレベルの減少は、一般に血糖コントロールの改善を示す。本発明の方法の背景では、デュラグルチドはT2DM患者の血糖コントロールに利点を有することが知られているが、本明細書に記載のCKDに関係する利点は、血糖コントロールのそのような利点に完全には依存しない。
【0042】
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、eGFRの損失速度の減少をもたらす。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、eGFRの40%損失までの時間を延長する。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、eGFRの50%損失までの時間を延長する。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、eGFRの40~50%損失までの時間を延長する。
【0043】
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、そのような患者における腎死、腎代替療法、および/または心血管死のうちのいずれかの最初の発生までの時間を延長する。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、そのような患者における腎臓の原因に起因する死亡、腎代替療法、および/または心血管死のうちの少なくとも1つまでの時間を延長する。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、アルブミン尿の減少をもたらす。
【0044】
本明細書で使用するとき、用語「減少させる(decrease)」、「減少させること(decreasing)」、「減少させる(decreases)」、「延長する(prolong)」、「延長する(prolongs)」、「延長すること(prolonging)」、「減衰させる(attenuate)」、「減衰させる(attenuates)」、「減衰させること(attenuating)」などは、標準的なケアを用いる治療の効果と比較した、本発明の方法の効果を指す。
【0045】
本明細書に記載の治療方法および使用方法は、標準的なケアと同時または連続併用して提供することができる。本明細書で使用するとき、用語「標準的なケア」とは、ACE阻害剤およびARBの最大許容用量、ならびに地域のガイドラインに沿った血圧、脂質、およびHbA1cの適切な治療を指す。
【0046】
「有効量」とは、本発明の方法および使用のためのデュラグルチドの、または研究者、医師、もしくは他の臨床医が求めている、組織、系、動物、哺乳動物、もしくはヒトへの望ましい療法的効果の、生物学的または医療的応答を引き出すであろう、本発明の方法および使用のためのデュラグルチドを含む医薬組成物の量を意味する。デュラグルチドの有効量は、個人の病気の状況、年齢、性別、および体重などの要因、ならびに個人に望ましい応答を引き出すデュラグルチドの能力に従って変動し得る。有効量はまた、療法的に利点のある効果が、任意の毒性または有害な効果を上回る量である。
【0047】
本発明の追加の実施形態を以下に説明する。
1.患者のCKDを治療する方法であって、
a)
i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または
ii)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを当該患者に週1回投与することと、
c)当該週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含む、方法。
2.当該投与が、患者のCKDの進行の減衰をもたらす、上記実施形態に記載の方法。
3.患者のCKDの進行の当該減衰が、患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、上記実施形態に記載の方法。
4.CKDを有する患者のeGFRの損失速度を減少させる方法であって、
a)
i)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または
ii)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを当該患者に週1回投与することと、
当該週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含む、方法。
5.eGFRの損失速度の減少が、患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、上記実施形態に記載の方法。
6.患者のCKDの治療に使用するためのデュラグルチドであって、患者が、
a)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または
b)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与される、デュラグルチド。
7.当該投与が、患者のCKDの進行の減衰をもたらす、上記実施形態に記載の使用。
8.患者のCKDの進行の当該減衰が、患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
9.CKDを有する患者のeGFRの損失速度の減少に使用するためのデュラグルチドであって、患者が、
a)15~59mL/分/1.73m2のeGFR、または
b)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m2のeGFR、のいずれかを有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与される、デュラグルチド。
10.eGFRの損失速度の減少が、患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、上記実施形態に記載の使用。
11.患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
12.患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
13.患者が、15~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
14.患者が、15~29mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
15.患者が、30~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
16.患者が、30~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
17.患者が、45~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
18.患者が、15~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
19.患者が、>30mg/gのUACRおよび60~75mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
20.患者のUACRが、30~300mg/gである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
21.患者のUACRが、>300mg/gである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
22.当該投与が、少なくとも1年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
23.当該投与が、少なくとも2年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
24.当該投与が、少なくとも3年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
25.当該投与が、少なくとも4年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
26.当該投与が、少なくとも5年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
27.当該投与が、少なくとも10年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
28.デュラグルチドの有効量が、0.75~4.5mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
29.デュラグルチドの有効量が、0.75mg、1.5mg、3.0mg、および4.5mgからなる群から選択される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
30.デュラグルチドの有効量が、0.75mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
31.デュラグルチドの有効量が、1.5mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
32.デュラグルチドの有効量が、3.0mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
33.デュラグルチドの有効量が、4.5mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
34.患者のCKDの進行の当該減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
35.患者のCKDの進行の当該減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
36.患者のCKDの進行の減衰が、血清クレアチニンの倍加までの時間の増加に反映される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
37.ACE阻害剤および/またはARBを投与することをさらに含む、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
38.インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトからなる群から選択される、速効型インスリンアナログを投与することをさらに含む、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
39.インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトからなる群から選択される、速効型インスリンアナログを投与することをさらに含み、速効型インスリンアナログが、120~180mg/dL(6.7~10mmol/L)の食前グルコースレベルを目標とするように用量調整される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
40.患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
41.患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、上記実施形態のうちのいずれかのいずれかに記載の使用。
42.患者が、15~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
43.患者が、15~29mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
44.患者が、30~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
45.患者が、30~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
46.患者が、45~59mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
47.患者が、15~44mL/分/1.73m2のeGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
48.患者が、60~75mL/分/1.73m2の腎障害eGFRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
49.患者が、30~300mg/gのUACRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
50.患者が、300mg/g超のUACRを有する、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
51.当該投与が、少なくとも1年間継続される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
52.デュラグルチドの有効量が、0.75~4.5mgである、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
53.デュラグルチドの有効量が、0.75mg、1.5mg、3.0mg、および4.5mgからなる群から選択される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
54.患者のCKDの進行の当該減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
55.患者のCKDの進行の当該減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
56.ハザード比が、少なくとも15%低減される、上記実施形態のうちのいずれか。
57.ハザード比が、少なくとも20%低減される、上記実施形態のうちのいずれかに記載の使用。
58.ハザード比が、15~30%低減される、上記実施形態のうちのいずれか。
【0048】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、これらの実施例は限定として解釈されるべきではない。
【実施例】
【0049】
フェーズ3臨床研究では、中等度および重度のCKDおよびT2DM患者に対して、食後グルコース制御のために提供されるインスリンリスプロと各々組み合わせた、0.75mgまたは1.5mgの用量の週1回のデュラグルチドと、毎日の用量調整したインスリングラルギンとを比較する。研究は、インスリングラルギンと比較したデュラグルチドの有効性と安全性を評価する、多施設の、並行群間の、無作為化した、52週間の治療研究として設計されている。主な目的は、この患者集団において、HbA1cと比較してデュラグルチドが、インスリングラルギンに対して非劣性であるかどうかを、26週で決定することであるが、eGFRとアルブミン尿への効果を決定する二次的な目的もまた、設計された。
【0050】
参加者を、週1回デュラグルチド1.5mg(N=192)、週1回デュラグルチド0.75mg(N=190)、または用量調整したインスリングラルギン(N=194)に、無作為化(1:1:1)する。構造化因子としては、参加時期、マクロアルブミン尿、地理的地域、CKDステージが含まれた。
【0051】
以下の表2に示すように、CKDに関係する特徴を含む、ベースラインの特徴は治療群間で同様である。
【表2】
【0052】
表2.データは、平均値±SDまたはn(%)、略語:DU=デュラグルチド、mITT=少なくとも1回の用量のランダム化治療(デュラグルチドまたはインスリングラルギン)を受けた患者、およびランダム化後のHbA1c値が少なくとも1である患者、の全てのランダム化され、割り当てられた治療に従って分類された患者を含む、修正された治療の意図の集団として提示されている。
【0053】
26週間のA1cデータを、以下の表3に提供する。
【表3】
【0054】
表3.データは、特に示されない限り、LSM(SE)として報告される。†、††それぞれ0.4%のマージンまたは0.3%のマージンでのインスリングラルギンと比較した非劣性について、多重性を片側p<0.001、および*両側p<0.001のベースラインからの変化に調整した。レスキューまたは研究薬物不継続の後のデータは除外した表。略語:LSM=最小二乗平均。SE=標準誤差。pt=参加者(複数可)。
【0055】
データは、デュラグルチドが、インスリングラルギンと比較して同等の血糖コントロールを生み出したことを裏付けている。
【0056】
全体的な研究参加者におけるeGFRおよびアルブミン尿に対する、UACR>300mg/gおよびUACR≦300mg/gによる、26週間のデータを、以下の表4に提供する。
【表4】
【0057】
表4.26週間のeGFRについてのデータは、ベースラインLSM(95%CI)からの変化として提示され、UACRについてのデータは、対数変換した分析を介して得たベースラインLSM(95%CI)からの変化率として提示されており、実際に受けた治療に従って分類された、全ての患者(ランダム化後のHbA1cデータの欠落に関係なく)を含む安全性の解析対象集団、*両側p<0.05および**両側p<0.001のベースラインからの変化、#両側p<0.05インスリングラルギンとの比較。略語:CI=信頼区間。
【0058】
全ての参加者群、およびUACR>300mg/g群の参加者の26週間後のeGFRは、インスリングラルギンを用いると顕著に減少され、CKDの予想される進行を示した。eGFRは、驚くべきことに、デュラグルチドを用いた全ての参加者群で安定に維持され、UACR>300mg/g群でのインスリングラルギンで観察されるよりも顕著に低く減少した。1.5mgのデュラグルチドを受けたUACR>300mg/g群の参加者もまた、インスリングラルギンと比較してUACRが大幅に低減された。
【0059】
52週間のA1cデータを、以下の表5に提供する。
【表5】
【0060】
表5.データは、特に示されない限り、LSM(SE)として報告される。†、††それぞれ0.4%のマージンまたは0.3%のマージンでのインスリングラルギンと比較した非劣性について、多重性を片側p<0.001、および*両側p<0.001のベースラインからの変化に調整した。レスキューまたは研究薬物不継続の後のデータは除外した。
【0061】
全体的な研究参加者におけるeGFRおよびアルブミン尿に対する、UACR>300mg/gおよびUACR≦300mg/gによる、52週間のデータを、以下の表6に提供する。
【表6】
表6.52週間のeGFRについてのデータは、ベースラインLSM(95%CI)からの変化として提示され、UACRについてのデータは、対数変換した分析を介して得たベースラインLSM(95%CI)からの変化率として提示されており、実際に受けた治療に従って分類された、全ての患者(ランダム化後のA1cデータの欠落に関係なく)を含む安全性の解析対象集団、*両側p<0.05および**両側p<0.001のベースラインからの変化、#両側p<0.05インスリングラルギンとの比較。
【0062】
表5および6の52週間のデータは、デュラグルチドが52週間までインスリングラルギンと同等の血糖コントロールを提供し続けているが、特に、1.5mgのデュラグルチドを受けているUACR>300mg/gの参加者に、インスリングラルギンと比較して、26週間後に観察されたeGFRの低下速度の減衰およびUACRの低減が維持されていることを示している。
本発明は、以下の態様を含む。
<1>
患者のCKDを治療する方法であって、
a)
i)15~59mL/分/1.73m
2
のeGFR、または
ii)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m
2
のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
c)前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含み、
前記投与が、前記患者のCKDの進行の減衰をもたらす、方法。
<2>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、<1>に記載の方法。
<3>
CKDを有する患者のeGFRの損失速度を減少させる方法であって、
a)
i)15~59mL/分/1.73m
2
のeGFR、または
ii)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m
2
のeGFR、のいずれかを有する患者を同定することと、
b)有効量のデュラグルチドを前記患者に週1回投与することと、
前記週1回の投与を少なくとも6か月間継続することと、を含む、方法。
<4>
前記eGFRの損失速度の減少が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、<3>に記載の方法。
<5>
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、<1>~<4>のいずれかに記載の方法。
<6>
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、<1>~<4>のいずれかに記載の方法。
<7>
前記患者が、15~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<8>
前記患者が、15~29mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<9>
前記患者が、30~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<10>
前記患者が、30~44mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<11>
前記患者が、45~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<12>
前記患者が、15~44mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<13>
前記患者が、≧30mg/gのUACRおよび60~75mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<1>~<6>のいずれかに記載の方法。
<14>
前記患者のUACRが、30~300mg/gである、<1>~<13>のいずれかに記載の方法。
<15>
前記患者が、≧300mg/gのUACRを有する、<1>~<13>のいずれかに記載の方法。
<16>
前記投与が、少なくとも1年間継続される、<1>~<15>のいずれかに記載の方法。
<17>
デュラグルチドの前記有効量が、0.75~4.5mgである、<1>~<16>のいずれかに記載の方法。
<18>
デュラグルチドの前記有効量が、0.75mg、1.5mg、3.0mg、および4.5mgからなる群から選択される、<1>~<17>のいずれかに記載の方法。
<19>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、<1>~<18>のいずれかに記載の方法。
<20>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、<1>~<18>のいずれかに記載の方法。
<21>
ACE阻害剤および/またはARBを投与することをさらに含む、<1>~<20>のいずれかに記載の方法。
<22>
患者のCKDの治療に使用するためのデュラグルチドであって、前記患者が、
c)15~59mL/分/1.73m
2
のeGFR、または
d)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m
2
のeGFR、のいずれかを有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与され、前記投与が、前記患者のCKDの進行の減衰をもたらす、デュラグルチド。
<23>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、<22>に記載の使用のためのデュラグルチド。
<24>
CKDを有する患者のeGFRの損失速度の減少に使用するためのデュラグルチドであって、前記患者が、
a)15~59mL/分/1.73m
2
のeGFR、または
b)30mg/g超のUACRおよび60~89mL/分/1.73m
2
のeGFR、のいずれかを有し、
有効量のデュラグルチドが、少なくとも6ヶ月間、週1回投与される、デュラグルチド。
<25>
前記eGFRの損失速度の減少が、前記患者の血糖コントロールの改善に完全には依存しない、<24>に記載の使用のためのデュラグルチド。
<26>
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされていない、<22>~<25>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<27>
前記患者のCKDが、T2DMによって引き起こされている、<22>~<25>のいずれかのいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<28>
前記患者が、15~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<29>
前記患者が、15~29mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<30>
前記患者が、30~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<31>
前記患者が、30~44mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22~27のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<32>
前記患者が、45~59mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<33>
前記患者が、15~44mL/分/1.73m
2
のeGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<34>
前記患者が、60~75mL/分/1.73m
2
の腎障害eGFRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<35>
前記患者が、30~300mg/gのUACRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<36>
前記患者が、300mg/g超のUACRを有する、<22>~<27>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<37>
前記投与が、少なくとも1年間継続される、<22>~<36>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<38>
デュラグルチドの前記有効量が、0.75~4.5mgである、<22>~<37>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<39>
デュラグルチドの前記有効量が、0.75mg、1.5mg、3.0mg、および4.5mgからなる群から選択される、<22>~<37>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<40>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの40%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、<22>~<23>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
<41>
前記患者のCKDの進行の前記減衰が、eGFRの50%の減少、ESRDへの進行、腎死、および/または心血管死、のうちの1つ以上までの時間の増加に反映される、<22>~<23>のいずれかに記載の使用のためのデュラグルチド。
【配列表】