(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】ブロック共重合体、重合体組成物、粘接着剤用組成物、粘接着剤組成物、及びカップリング剤
(51)【国際特許分類】
C08F 297/04 20060101AFI20221209BHJP
C08L 53/02 20060101ALI20221209BHJP
C08F 8/00 20060101ALI20221209BHJP
C09J 153/02 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
C08F297/04
C08L53/02
C08F8/00
C09J153/02
(21)【出願番号】P 2019570684
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(86)【国際出願番号】 JP2019002720
(87)【国際公開番号】W WO2019155926
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2018022184
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】亀田 一平
(72)【発明者】
【氏名】山田 将士
(72)【発明者】
【氏名】山本 整
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-226519(JP,A)
【文献】特開平11-335433(JP,A)
【文献】特開2006-095966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 297/00-297/08
C08L 53/00- 53/02
C08F 8/00ー 8/50
C09J 153/00-153/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含み、かつ、下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体を含み、
重合体組成物中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、5~60質量%である、重合体組成物。
(a) (A-B)
n-Y'
(b) (B-A-B)
n-Y'
(式(a)、(b)中、nは1~4の整数を表し、Y'は、下記式(Y1)で表される構造を有するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表し、該式(Y1)で表される構造を有するカップリング剤が、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、オクテニルコハク酸無水物及び1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選択される少なくとも1種である。)
【化1】
(式(Y1)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。)
【請求項2】
前記重合体組成物の25質量%トルエン溶液の、25℃での粘度が250mPa・s以下である、請求項
1に記載の重合体組成物。
【請求項3】
前記重合体組成物の15質量%トルエン溶液の、25℃での粘度が40mPa・s以下である、請求項1
又は2に記載の重合体組成物。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の重合体組成物を含む、粘接着剤用組成物。
【請求項5】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の重合体組成物C1と、
前記重合体組成物C1以外の重合体及び/又は重合体組成物C2と、
を、含有する、請求項
4に記載の粘接着剤用組成物。
【請求項6】
請求項
4又は
5に記載の粘接着剤用組成物:100質量部と、
粘着付与剤:50~400質量部と、
軟化剤:10~150質量部と、
を、含有する、粘接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック共重合体、重合体組成物、粘接着剤用組成物、粘接着剤組成物、及びカップリング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シート、フィルム等の用途においては、従来から、高分子物質に他の成分を配合した複数の成分からなる組成物を用いたり、積層物としたりすることによって、十分な強度を持たせたり、加工性を改良したり、製品のコストを下げたりする試みが数多く行われている。
また、粘接着剤用途においては、高分子物質に粘着付与剤を添加したりし、アスファルトを改質する用途においてはアスファルトに高分子物質を添加することにより、強度を向上させる試みがなされている。
これらの用途に用いられる材料は、通常、低い粘度と高い力学強度との両立が求められる。
【0003】
近年、溶液型及びホットメルト型の、接着剤や粘着剤のベースポリマーとしては、ビニル芳香族単量体-共役ジエン単量体系ブロック共重合体(例えば、SBS:スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、SIS:スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体)が広く使用されている。
例えば、特許文献1においては、SBSを用いた接着剤用又は粘着剤用の重合体組成物が開示されている。
しかしながら、SBSやSISを用いた接着剤用又は粘着剤用の重合体組成物は、加工性と、粘着力等の粘接着特性とのバランスが不十分であり、高い粘接着特性を得ようとすると溶融粘度が高くなり加工性が悪化するという問題点を有している。
かかる加工性と粘接着特性とのバランスの改良を図る技術として、特許文献2には、トリブロック共重合体とジブロック共重合体とを含有する接着剤用の重合体組成物が開示されている。
また、特許文献3には、2個以上のブロック共重合体組成物を含む粘接着剤用の重合体組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公昭61-278578号公報
【文献】特開昭61-261310号公報
【文献】特開2000-309767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来開示されている重合体組成物は、引っ張り物性が不十分であり、また特許文献1~3に開示されている重合体組成物は、加工性と粘接着特性とのバランスの改良効果が不十分であるため、なお一層の改善が要望されている。
【0006】
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑みて、引っ張り物性に優れ、加工性すなわち低粘度性と粘接着特性とのバランスに優れる重合体組成物が得られるブロック共重合体、当該ブロック共重合体を含む重合体組成物、及び当該重合体組成物を含む粘接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するブロック共重合体により上記課題を効果的に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0008】
〔1〕
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)と、
を、含み、
下記一般式(1)又は(2)で表される、ブロック共重合体。
【0009】
【0010】
【0011】
(一般式(1)、(2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でもよく置換基を有していてもよい。Xは1族元素である。「polymer」は、重合体である。)
【0012】
〔2〕
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)と、
を、含み、
下記一般式(A1)又は(A2)で表される、ブロック共重合体。
【0013】
【0014】
【0015】
(一般式(A1)、(A2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でもよく置換基を有していてもよい。Xは1族元素である。「polymer」は、重合体である。)
【0016】
〔3〕
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含み、かつ、下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のブロック共重合体。
(a) (A-B)n-Y'
(b) (B-A-B)n-Y'
(式(a)、(b)中、nは1~4の整数を表し、Y'は、下記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を有するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表す。)
【0017】
【0018】
【0019】
(式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【0020】
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のブロック共重合体を含む、重合体組成物。
【0021】
〔5〕
下記一般式(3)により表される重合体、及び/又は下記一般式(4)により表される重合体を、さらに含む、前記〔4〕に記載の重合体組成物。
【0022】
【0023】
【0024】
(式(3)、(4)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Xは1族元素である。「polymer」は、重合体である。)
【0025】
〔6〕
前記重合体組成物中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、5~60質量%である、前記〔4〕又は〔5〕に記載の重合体組成物。
〔7〕
前記一般式(1)により表される一分岐体であるブロック共重合体、又は、前記一般式(a)若しくは(b)においてnが1で表される一分岐体であるブロック共重合体を、少なくとも1種含み、
前記一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量が150,000以下である、前記〔4〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の重合体組成物。
〔8〕
前記一分岐体であるブロック共重合体の含有量が、10質量%~90質量%である、前記〔7〕に記載の重合体組成物。
〔9〕
前記重合体組成物の25質量%トルエン溶液の、25℃での粘度が250mPa・s以下である、前記〔4〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の重合体組成物。
〔10〕
前記重合体組成物の15質量%トルエン溶液の、25℃での粘度が40mPa・s以下である、前記〔4〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の重合体組成物。
〔11〕
前記〔4〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の重合体組成物を含む、粘接着剤用組成物。
〔12〕
前記〔4〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の重合体組成物C1と、
前記重合体組成物C1以外の重合体及び/又は重合体組成物C2と、
を、含有する、前記〔11〕に記載の粘接着剤用組成物。
〔13〕
前記〔11〕又は〔12〕に記載の粘接着剤用組成物:100質量部と、
粘着付与剤:50~400質量部と、
軟化剤:10~150質量部と、
を、含有する、粘接着剤組成物。
〔14〕
少なくとも共役ジエン単量体単位を含む重合体に反応させるカップリング剤であって、
下記一般式(Y1)又は(Y2)で表されるカップリング剤。
【0026】
【0027】
【0028】
(一般式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でもよく置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、引っ張り物性に優れる重合体組成物、及び加工性すなわち低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られるブロック共重合体、当該ブロック共重合体を含む重合体組成物、当該重合体組成物を含有する粘接着剤用組成物、及び粘接着剤組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0031】
〔ブロック共重合体〕
(第一の形態のブロック共重合体)
本実施形態のブロック共重合体における、第一の形態のブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)と、を、含むブロック共重合体であって、下記一般式(1)又は(2)で表される。
【0032】
【0033】
【0034】
(第二の形態のブロック共重合体)
本実施形態のブロック共重合体における、第二の形態のブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)と、を、含むブロック共重合体であって、下記一般式(A1)又は(A2)で表される。
【0035】
【0036】
【0037】
上記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表し、無置換でもよく置換基を有してもよい。また、Xは1族元素である。
前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)中、「polymer」は、重合体部分を示す。製造方法は特に限定されるものではないが、「polymer」を重合し、重合活性末端にカップリング剤を反応させることにより前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)で表される構造を形成する製造方法は、実用上好ましい製造方法の一つである。
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)を含むことにより、含まない場合と比較して本実施形態の重合体組成物の機械物性(引っ張り特性)が向上し、本実施形態のブロック共重合体を用いた粘接着剤組成物において保持力が向上し、かつ保持力と溶融粘度とのバランスが向上する。
【0038】
曲線部の「炭素数1~20」は、飽和炭化水素又は不飽和炭化水素の主鎖の長さを示す。炭素数が長くなりすぎると、カップリング剤添加量に対するカップリング効率が低下するためコスト的に好ましくない。
曲線部が置換基を有する場合、置換基は単数でも複数でもよく、置換基の炭素数は1~20が好ましい。置換基の炭素数が20を超え、置換基が大きすぎると、立体障害が大きくなって、ポリマーとカップリング剤とが出会い難くなり、カップリング反応が遅くなる傾向にある。
置換基が飽和又は不飽和の炭化水素基の場合、独立していても環構造を形成してもよい。置換基が官能基の場合、分子内のカルボニル基との水素結合による相互作用があるものが好ましい場合もあり得るので、カルボキシル基との相互作用等を考慮して置換基を適宜選択すればよい。好ましい置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシリル基が挙げられる。
前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)で表される構造を有するブロック共重合体は、水素結合によって相補的な会合状態を形成しうる官能基を分子中に含むため、室温では前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)で表される構造を有するブロック共重合体自身以外の分子と効果的に水素結合が形成され、見かけ上分子量が大きい分子としてふるまいやすくなると考えられる。そのため、このような構造を含まない場合と比較して引っ張り物性が向上する傾向にある。
同様の理由により、本実施形態のブロック共重合体を用いた粘接着剤組成物において保持力が向上する傾向にある。一方で、水素結合は高温下では開裂するため、メルトフローレート測定時や粘接着剤組成物を溶融可能な高温条件下においては、室温条件下と比較して相対的に小さい分子としてふるまいやすくなり、溶融粘度が低下する傾向にある。
上述したことから、本実施形態のブロック共重合体は、高い引張物性と高いメルトフローレートの両立が要求されるシート、フィルムのような用途や、粘接着剤組成物としたときに高保持力と低粘度との両立が要求される粘接着剤組成物用途に好ましく用いることができる。
【0039】
前記一般式(1)、(A1)のブロック共重合体は、下記一般式(I)で表されるブロック共重合体であることが好ましく、前記一般式(2)、(A2)のブロック共重合体は、下記一般式(II)で表されるブロック共重合体であることが好ましい。これらの構造であることにより、より効率よく水素結合を形成できる傾向にある。
【0040】
【0041】
【0042】
上記一般式(I)、(II)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表し、無置換であってもよく置換基を有してもよい。また、Xは1族元素である。
前記一般式(I)、(II)中、「polymer」は、重合体部分を示す。
【0043】
また、前記一般式(1)、(A1)のブロック共重合体は、製造の容易さの観点から下記一般式(i)で表されるブロック共重合体であることが好ましく、同様に前記一般式(2)、(A2)のブロック共重合体は、下記一般式(ii)で表されるブロック共重合体であることが好ましい。
【0044】
【0045】
【0046】
式(i)及び(ii)中、R1、R2は、水素、又は、炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、R1とR2は互いに独立していても、環構造を形成していてもよい。また、Xは1族元素である。
前記一般式(i)、(ii)中、「polymer」は、重合体部分を示す。
【0047】
上述したように、本実施形態のブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体である。
当該「共役ジエン単量体単位」とは、1つの共役ジエン化合物を重合させた結果生じる構造を示す。
共役ジエン化合物としては、共役二重結合を有するジオレフィンであれば特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。
これらの中でも、共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。さらに、1,3-ブタジエンを用いることによって耐熱老化性及び耐光性に優れた粘接着剤となる傾向があるためより好ましい。
共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0048】
前記「ビニル芳香族単量体単位」とは、1つのビニル芳香族炭化水素化合物を重合させた結果生じる構造を示す。
ビニル芳香族炭化水素化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン及びp-ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン;p-メトキシスチレン等のアルコキシスチレン;ビニルナフタレン等が挙げられる。
これらの中でも、ビニル芳香族炭化水素としては、スチレンが好ましい。
ビニル芳香族炭化水素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
「ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)」とは、重合体ブロック(A)全体に対するビニル芳香族単量体単位の割合が50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
また、「共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)」とは、重合体ブロック(B)全体に対する共役ジエン単量体単位の割合が50質量%を超え、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用いて、下記式から求めることができる。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率(質量%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの質量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の質量)×100
【0050】
また、本実施形態のブロック共重合体の他の態様は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含み、かつ、下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体である。
(a) (A-B)n-Y'
(b) (B-A-B)n-Y'
(式(a)、(b)中、nは1~4の整数を表し、Y'は、下記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を有するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表す。)
【0051】
【0052】
【0053】
(式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でもよく置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【0054】
前記一般式(Y1)の化合物は、下記一般式(Y-I)で表される化合物であることが好ましく、前記一般式(Y2)の化合物は、下記一般式(Y-II)で表される化合物であることが好ましい。
【0055】
【0056】
【0057】
(式(Y-I)、(Y-II)中、R1、R2は、水素、又は炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、R1とR2は互いに独立していても、環構造を形成していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【0058】
前記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を有する変性剤(又はカップリング剤)を用いてブロック共重合体をカップリングすることにより、カップリング剤残基Y'をもつ分子が得られ、その際、Y'は、前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)のように、水素結合によって相補的な会合状態を形成し得る官能基を分子中に含むこととなる。そのため、本実施形態のブロック共重合体においては、引っ張り物性の向上が図られ、本実施形態のブロック共重合体を用いた粘接着剤組成物において保持力が向上し、かつ保持力と溶融粘度とのバランスが向上する傾向にある。
【0059】
〔重合体組成物〕
本実施形態のブロック共重合体を、粘接着剤組成物の用途で利用する場合、他の構造を持つ成分をさらに含有する重合体組成物とすることが好ましい。
例えば、一般式(1)で表されるブロック共重合体と、一般式(2)で表されるブロック共重合体とを含む重合体組成物としたり、一般式(A1)で表されるブロック共重合体と、一般式(A2)で表されるブロック共重合体とを含む重合体組成物とすると、より機械物性の向上や粘接着剤組成物とした際の保持力が向上し、溶融粘度とのバランスが向上する傾向にある。
【0060】
また、本実施形態の重合体組成物は、上記一般式(1)及び/又は(2)、もしくは一般式(A1)及び/又は(A2)で表されるブロック共重合体を含み、かつ下記一般式(3)及び/又は一般式(4)により表される重合体をさらに含有することが好ましい。
【0061】
【0062】
【0063】
(式(3)、(4)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でもよく、置換基を有していてもよい。また、Xは1族元素である。
式(3)、(4)中、「polymer」は、重合体である。)
【0064】
前記一般式(3)の重合体は、下記一般式(III)で表される重合体であることが好ましく、前記一般式(4)の重合体は、下記一般式(IV)で表される重合体であることが好ましい。
【0065】
【0066】
【0067】
式(III)、(IV)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換であっても置換基を有していてもよい。また、Xは1族元素である。
【0068】
また、前記一般式(3)の重合体は、下記一般式(iii)で表される重合体であることが好ましく、前記一般式(4)の重合体は、下記一般式(iv)で表される重合体であることが好ましい。
【0069】
【0070】
【0071】
一般式(iii)、(iv)中、R1、R2は、水素、又は炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、R1とR2は互いに独立していても、環構造を形成していてもよい。また、Xは1族元素である。
【0072】
前記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表される重合体は、前記一般式(1)及び/又は一般式(2)、もしくは前記一般式(A1)及び/又は一般式(A2)で表されるブロック共重合体と比較して弱い水素結合を形成する官能基が含まれている。これらの重合体は単独で室温における機械強度や、粘接着剤組成物とした際の保持力を大幅に向上させることはできないが、前記一般式(1)及び/又は一般(2)、もしくは一般式(A1)及び/又は一般式(A2)で表されるブロック共重合体と共に配合されることにより機械強度や、粘接着剤組成物とした際の保持力の向上の補助をする効果を有する傾向にある。また、これらの重合体は、前記一般式(1)、(A1)で表されるブロック共重合体と比較して分岐数が多いため機械強度や粘接着剤組成物とした際の保持力を向上させる効果を発現しやすく、溶融粘度とのバランスを調整しやすくなる。
また、前記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表される重合体は、前記式(Y1)又は(Y2)で表されるカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングする際に、前記一般式(1)及び/又は一般式(2)、もしくは一般式(A1)及び/又は一般式(A2)で表されるブロック共重合体を経て、または同時に生成されるものであるため、簡便に製造できるという観点からも配合することが好ましい。
【0073】
前記一般式(i)~(iv)、(Y-I)、(Y-II)中のR1、R2は、水素、又は炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基である。
ここで、飽和又は不飽和の炭化水素基の炭素数が21以上の場合、カップリング反応が遅くなるため、生産性の観点から好ましくない。生産性の観点からは炭素数は20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
また、炭素数が少なすぎると分岐数(カップリング剤への共重合体分子の反応数)を制御することが難しくなる。すなわち目的とするブロック共重合体の分岐数を制御する観点から、炭素数は1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。
【0074】
上述のように、本実施形態のブロック共重合体は、水素結合によって相補的な会合状態を形成しうる官能基を分子中に含むため、室温では本実施形態のブロック共重合体自身以外の分子と効果的に水素結合が形成され、かかる水素結合が、引っ張り強度や、粘接着剤用途で使用する場合の保持力等に影響すると考えられる。そのため、本実施形態のブロック共重合体が、上述した構造を有し、かつ、上述のように製造工程上の観点からの炭素数の制限を満たす限り、その他の部分の構造は限定されない。そのために、前記一般式(i)~(iv)、(Y-I)、(Y-II)におけるR1、R2は、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよく、置換基を有していてもよく、無置換でもよい。置換基を有する場合、上述の水素結合との相互作用があるものが好ましい場合もあり得るので、カルボキシル基との相互作用等を考慮して適宜選択すればよい。好ましい置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基及びアルコキシシリル基が挙げられる。
【0075】
また、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(Y-I)、(Y-II)中のR1とR2は互いに異なる構造でも、同じ構造でもよく、R1とR2が環状につながった環構造を形成していてもよい。
R1とR2が異なる構造である場合は、一方の炭素数が上記範囲の中であれば好ましく用いることができ、その場合、もう一方は水素である態様も好ましく用いることができる。環構造の環は脂環でもよく、芳香環でもよい。
【0076】
前記一般式(1)~(4)、(A1)、(A2)、(Y2)、中のXは1族元素である。
1族元素としては、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等が挙げられるが、本実施形態の重合体が効果的に水素結合を形成するようにする観点で、Xは水素又はリチウムであることが好ましい。
【0077】
また、本実施形態の重合体組成物は、当該重合体組成物中のビニル芳香族単量体単位の含有量が、5~60質量%であることが好ましい。
ビニル芳香族単量体単位の含有量が上記範囲にあることで、力学強度と伸びのバランスが向上する傾向にある。また、粘接着剤組成物とした際の保持力が向上するという観点からはビニル芳香族単量体単位の含有量は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることがさらにより好ましく、30質量%以上であることがよりさらに好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。
また、粘接着剤組成物とした際の溶融粘度が低下するという観点から、ビニル芳香族単量体単位の含有量は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることがさらにより好ましく、30質量%以下であることがよりさらに好ましく、25質量%以下であることが特に好ましい。
粘接着剤組成物とする場合は求められる保持力と溶融粘度のバランスに応じて適宜ビニル芳香族単量体単位の含有量を設計することができる。ビニル芳香族単量体単位の含有量が少ないと100℃付近の温度帯で特に溶融粘度が低下する傾向にある。
重合体組成物中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、本実施形態のブロック共重合体の重合反応におけるビニル芳香族単量体の添加量を調整することにより制御することができる。
また、重合体組成物中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0078】
また、本実施形態の重合体組成物は、前記一般式(1)、(A1)で表される一分岐体であるブロック共重合体、又は、前記一般式(a)若しくは(b)においてnが1で表される一分岐体であるブロック共重合体を、少なくとも1種含み、前記一分岐体の数平均分子量が150,000以下であることが好ましい。
一分岐体のであるブロック共重合体の数平均分子量が低いと、粘接着剤組成物とした際の溶融粘度が低下する傾向にある。そのため、一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量は150,000以下が好ましく、120,000以下がより好ましく、70,000以下がさらに好ましく、60,000以下がさらにより好ましく、50,000以下がよりさらに好ましい。
一方で、一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量が低すぎると、本実施形態の重合体組成物の製造時の仕上げ性が悪化したり、粘接着剤組成物とした際の保持力が低下したりする傾向にある。より具体的には、粘接着剤組成物の粘度を下げるためには一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量を低く設定することが効果的であるものの、数平均分子量が低すぎると本実施形態の重合体組成物のベタつきが大きくなり、ペレットに成形し難くなる傾向にある。そのため一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量は30,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましく、50,000以上がさらに好ましい。
【0079】
粘接着剤組成物とする場合は求められる粘接着特性と溶融粘度とのバランスに応じて、適宜一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量を設計することができる。
本実施形態の重合体組成物に含まれる前記一分岐体であるブロック共重合体の数平均分子量は、ブロック共重合体を重合する際の、単量体添加量、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより制御することができる。
【0080】
本実施形態の重合体組成物において、一分岐体であるブロック共重合体の含有量が多いと粘接着剤組成物とした際の溶融粘度が低下したり粘着力が向上したりする傾向にある。かかる観点から、一分岐体であるブロック共重合体の含有量は、重合体組成物全体に対して10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
また、一分岐体であるブロック共重合体の含有量が少ないと、粘接着剤組成物とした際の保持力が向上する傾向にある。そのため一分岐体であるブロック共重合体の含有量は重合体組成物全体に対して90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下がさらにより好ましい。
【0081】
また、シート、フィルム用途等の高い機械物性を要求されるような用途においては、一分岐体であるブロック共重合体の含有量が低いほど機械物性は向上する傾向にある。すなわち、二分岐体であるブロック共重合体の含有量が高い方が好ましく、また三分岐以上の分岐体であるブロック共重合体を含有することにより一分岐体であるブロック共重合体の含有量が低くなる場合にも機械物性が向上する場合がある。このような用途においては、前記一般式(2)又は前記一般式(a)、(b)中のnが2で表される二分岐体であるブロック共重合体の含有量が多い方が好ましく、一分岐体である重合体の含有量に対する二分岐体の含有量の質量比(二分岐量/一分岐量)が0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、1以上であることがより好ましく、2以上であることがさらに好ましい。
また、このような用途においては一分岐体であるブロック共重合体を全く含まない態様も好ましく用いることができる。
粘接着剤組成物とする場合は、要求される粘接着特性と溶融粘度とのバランスに応じて適宜一分岐体の含有量を調整することができる。
【0082】
本実施形態の重合体組成物は、その25質量%トルエン溶液における25℃での粘度が、250mPa・s以下であることが好ましく、220mPa・s以下であることがより好ましく、200mPa・s以下であることがさらに好ましく、180mPa・s以下であることがさらにより好ましく、150mPa・s以下であることがよりさらに好ましい。
本実施形態の重合体組成物の、25質量%トルエン溶液における25℃での粘度が250mPa・s以下の範囲であることにより、優れた粘着性、溶解性、塗工性、及び吐出安定性を有する粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
また、本実施形態の重合体組成物は、その25質量%トルエン溶液における25℃での粘度が、50mPa・s以上であることが好ましく、80mPa・s以上であることがより好ましく、120mPa・s以上であることがさらに好ましい。
本実施形態の重合体組成物の、25質量%トルエン溶液における25℃での粘度が50mPa・s以上の範囲であることにより、粘着特性と溶融粘度のバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
重合体組成物の、25質量%トルエン溶液における25℃での粘度は、重合体の数平均分子量、一分岐体の含有量、ビニル芳香族炭化水素の含有量等を調整することにより上記数値範囲に制御することができる。
【0083】
本実施形態の重合体組成物は、その15質量%トルエン溶液における25℃での粘度が、40mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましく、20mPa・s以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の重合体組成物の15質量%トルエン溶液における25℃での粘度が40mPa・s以下の範囲であることにより、優れた粘着特性、溶解性、塗工性、吐出安定性を有する粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
また、本実施形態の重合体組成物は、その15質量%トルエン溶液における25℃での粘度が、10mPa・s以上であることが好ましく、20mPa・s以上であることがより好ましい。
本実施形態の重合体組成物の15質量%トルエン溶液における25℃での粘度が10mPa・s以上の範囲であることにより、粘着特性と溶融粘度のバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
【0084】
〔粘接着剤用組成物〕
本実施形態の粘接着剤用組成物は、上述した本実施形態の重合体組成物を含む。
これにより、溶融粘度、すなわち加工性と粘着特性とのバランスに優れた粘接着剤組成物が得られる。
【0085】
本実施形態の重合体組成物は、粘接着特性と溶融粘度のバランスに優れるため粘接着剤用組成物の材料として好ましく用いられることができるが、粘接着特性と溶融粘度とのバランスの調整のために、本実施形態の粘接着剤用組成物は、本実施形態のブロック共重合体以外の他の重合体を添加した重合体組成物とすることが好ましい。
すなわち、本実施形態の重合体組成物C1は、前記一般式(1)、(2)、(A1)、(A2)で表されるブロック共重合体を含み、製造工程上、前記一般式(3)及び/又は(4)で表される重合体や、前記一般式(1)~(4)中に「polymer」として表されるカップリング前の重合体、4分岐体等との混合物として得られるが、重合体の用途によっては、重合体の性能を強化及び/又は補完するような、本実施形態の重合体組成物C1とは異なる構造の重合体及び/又は重合体組成物と混合したものを使用することが好ましい場合がある。
本実施形態の重合体組成物C1とは異なる構造の重合体及び/又は重合体組成物C2としては、前記式(Y1)、(Y2)とは異なる構造のカップリング剤を用いて製造したカップリング重合体、前記式(1)~(4)中の「polymer」とは異なる構造のリニア型重合体が挙げられる。
なお重合体及び/又は重合体組成物C2が、カップリング前の重合体との混合物として生成されるものである場合、粘接着剤組成物の調製において、重合体及び/又は重合体組成物C2を含む混合物の状態で重合体組成物C1、又はそれを含む組成物と混合してもよい。
【0086】
前記重合体組成物C1以外の他の重合体及び/又は重合体組成物C2としては、特に限定はないが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体、又はそれらを含んだ組成物が好ましい。
特に、溶融粘度が高いブロック共重合体を含むと、本実施形態の重合体組成物を用いた粘接着剤組成物において、溶融粘度は上昇するが、保持力を向上させる効果を付与することができ好ましい。
重合体組成物C1と重合体及び/又は重合体組成物C2との混合比率は特に限定されず、目的や、各重合体の性能に応じて適宜設定すればよいが、混合による機能強化及び/又は補完の効果を明確にする観点からは、(C1の質量)/((C1の質量)+(C2の質量))が0.1以上0.9以下が好ましい。
【0087】
重合体組成物C1及び重合体及び/又は重合体組成物C2を含む粘接着剤用組成物の調製コンセプトの一例を下記に示す。
前記一般式(1)~(4)中の「polymer」部分の構造や、曲線部の構造、前記式(i)、(ii)、(iii)、(iv)中のR1及び/又はR2の構造にもよるが、本実施形態の重合体組成物C1は、40℃における保持力が非常に高い一方で、60℃における保持力があまり高くない傾向にある。
本実施形態の粘接着剤用組成物として、40℃における保持力に加えて60℃における保持力も向上させたい場合に、重合体組成物C1とは異なる構造の重合体及び/又は重合体組成物C2を混合することにより、所望の特性を得られる傾向にある。かかる観点から添加する重合体及び/又は重合体組成物C2の好ましい例としては、重合体組成物C1よりもビニル芳香族単量体単位の含有量が多いスチレン-ブタジエンブロック共重合体やスチレン-イソプレンブロック共重合体、重合体組成物C1よりも分子量が高いスチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0088】
重合体組成物C1と重合体及び/又は重合体組成物C2との質量比A:(C1の質量)/((C1の質量)+(C2の質量))は、求められる粘接着特性と溶融粘度とのバランスに応じて適宜設計することができるが、Aの質量比が高くなるほど粘接着剤特性と溶融粘度のバランスが向上するため好ましい。
Aの質量比は0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることがさらにより好ましく、0.8以上であることがよりさらに好ましい。
他の重合体及び/又は重合体組成物C2の質量比が高くなるほど、例えば60℃程度の高温帯での保持力の絶対値が高くなる傾向にあるため、適宜調整することができ、かかる観点から、Aの質量比は0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましく、0.6以下であることがさらにより好ましい。
【0089】
〔粘接着剤組成物〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、上述した本実施形態の重合体組成物を含む粘接着剤用組成物:100質量部と、粘着付与剤:50~400質量部と、軟化剤:10~150質量部と、を含有する。
これにより、本実施形態の粘接着剤組成物において、優れた粘着特性と溶融粘度のバランスが得られる。
粘着付与剤の含有量は、好ましくは100~380質量部であり、より好ましくは150~350質量部である。
また、軟化剤の含有量は、好ましくは30~130質量部であり、より好ましくは70~120質量部である。
【0090】
(粘着付与剤)
本実施形態の粘接着剤組成物を構成する粘着付与剤は、得られる粘接着剤組成物の用途、要求性能によって、多種多様に選択することができる。
粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体等が挙げられる。
これらの粘着付与剤は、一種のみを単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着付与剤は、色調が無色~淡黄色であって、臭気が実質的に無く熱安定性が良好なものであれば、液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
水素化誘導体以外の粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族樹脂、脂環式樹脂、ポリテルペン、天然及び変性ロジンエステル並びにそれらの混合物が好ましい。具体例としては、サートマー製の「Wingtack Extra」(商品名)、イーストマンケミカル社製の「Piccotac」(商品名)、エクソンモービルケミカル社製の「Escorez」(商品名)、アリゾナケミカル社製の「Sylvagum」(商品名)、「Sylvalite」(商品名)、及びアッシュランド製の「Piccolyte」(商品名)等が挙げられる。
着色のし難さや臭気の低さの点で、粘着付与樹脂は、水素化誘導体が好ましい。このなかでも特に水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂が好ましい。このような水素化誘導体としては、以下に限定されないが、例えば、荒川化学社製のアルコンP100(商品名)、アルコンM115(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンP135(商品名)、エクソン社製のECR5400(商品名)等が挙げられる。
【0091】
本実施形態の粘接着剤組成物において、高い接着性、接着強度の耐経時変化あるいはクリープ性能等が必要な場合には、粘接着剤組成物中に、ブロック共重合体の非ガラス相のブロック(通常は中間ブロック)と親和性のある粘着付与樹脂を20~75質量%、かつブロックポリマーのガラス相のブロック(通常は外側ブロック)に親和性のある粘着付与剤を3~30質量%含有することがより好ましい。
ガラス相のブロックに親和性のある粘着付与剤としては、末端ブロックの粘着付与樹脂が好ましい。当該粘着付与樹脂としては、主として芳香族有する樹脂で、ビニルトルエン、スチレン、α-メチルスチレン、クマロン又はインデンを含有するホモポリマーあるいはコポリマーが挙げられる。さらに、これらの中で、α-メチルスチレンを有するKristalexやPlastolyn(イーストマンケミカル社製、商品名)が好ましい。末端ブロックの粘着付与剤の粘接着剤組成物中の含有量は、3~30質量%の範囲が好ましく、5~20質量%の範囲がより好ましく、6~12質量%の範囲がさらに好ましい。
高い初期接着力、高い濡れ性、粘接着剤組成物の低い溶融粘度あるいは高い塗工性、吐出安定性等が必要な場合には、粘接着剤組成物に用いる粘着付与剤はアロマ含有率が3~12質量%である石油樹脂が好ましい。アロマ含有率が4~10質量%がより好ましく、特に、水添の石油樹脂が好ましい。
【0092】
(軟化剤)
本実施形態の粘接着剤組成物を構成する軟化剤としては、以下に限定されないが、例えば、オイル、可塑剤、液体粘着付与剤(30℃よりも低い環球式軟化点を有する)、合成液体オリゴマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
軟化剤は、特に限定されず、公知のパラフィン系やナフテン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイル等を使用することができる。
市販品として、特に限定されないが、例えば、出光興産社製のダイアナフレシアS32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)、プロセスオイルNS100(商品名)、KukdongOil&Chem社製のWhite OilBroom350(商品名)、DNオイルKP-68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エッソ社製のPrimol352(商品名)、PetroChinaCompany社製のKN4010(商品名)等が挙げられる。
【0093】
〔使い捨て製品〕
本実施形態のブロック共重合体、それを含む重合体組成物、粘接着剤用組成物、及び粘接着剤組成物は、使い捨て製品の製造に好適に用いられる。
使い捨て製品としては特に限定されないが、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート等の衛生材料等が挙げられる。
使い捨て製品の構造は特に限定されないが、例えば、第1の構成部材と、第2の構成部材と、本実施形態の粘接着剤組成物を含み、前記第1の構成部材と第2の構成部材が本実施形態の粘接着剤組成物によって接着される態様が挙げられる。
上述のように、本実施形態の粘接着剤組成物を用いて2つの構成部材を接着する方法としては特に限定されないが、例えば、初めに粘接着剤組成物を加熱することにより溶融状態とする第1の工程と、溶融状態の粘接着剤組成物を一方の構成部材に塗工する第2の工程と、一方の構成部材に他方の構成部材を積層した後、粘接着剤組成物を冷却固化させ、これにより2つの構成部材を接着する第3の工程を含む方法が挙げられる。
加熱溶融させた粘接着剤組成物の一方の構成部材への塗工方法は特に限定されないが、例えば、スパイラル塗工、オメガ塗工、スロットコーター塗工、ロールコーター塗工、カーテンスプレー塗工、ドット塗工等が挙げられる。これらの中でも特に、スパイラル塗工、オメガ塗工、カーテンスプレー塗工が使い捨て製品の風合いが改善する観点から好ましい。
前記第1の構成部材及び第2の構成部材としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルム、不織布、織布、天然ゴム、親水性多孔質基材等が挙げられる。親水性多孔質基材としては、セルロース又はコットンを含む多孔質基材、親水化処理が施された多孔質基材等が挙げられる。
【0094】
より具体的には、第1の構成部材が表面シート及び/又は裏面シートであって、第2の構成部材がシート状の吸収体であり、本実施形態の粘接着剤組成物をホットメルト接着剤として利用して、吸収体と、表面シート及び/又は裏面シートとが接着されることでおむつ等の吸収性物品が形成される。
かかる吸収性物品の場合、表面シートは体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材から形成されればよく、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成されるものが挙げられる。
また、表面シートには、液透過性を向上させるため、表面にエンボス加工や穿孔加工が施されていてもよい。
強度及び加工性の観点から、表面シートの坪量は、18g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。表面シートの形状としては特に制限はなく、漏れがないように体液を吸収体へと誘導するように、吸収体を覆う形状であればよい。
吸収体に吸収性物品の前後方向を長手方向とする複数の凸型立体形状部が形成され、凸型立体形状部と表面シートがホットメルト接着剤により接合されるのは好ましい態様である。このような構成を採用することにより、吸収体上に排泄された体液が、より前後方向に拡散しやすくなるとともに幅方向への横漏れが抑制され、吸収性物品のフィット感も良好に維持される。
裏面シートは、表面シートと同じ材質で形成されてもよいが、吸収体が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材からなるのが好ましく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。
複合シートに用いられる不織布としては、製法は特に限定されず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。
また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の観点から、裏面シートの坪量は、15g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、裏面シートは、所定の基材の樹脂フィルムにフィラー(例えば、炭酸カルシウム)を配合したり、エンボス加工を施したりすることにより、通気性を持たせたものとすることが好ましい。
吸収体は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。吸収体の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体に含まれる吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、50g/m2以上500g/m2以下の坪量とすることが好ましく、15質量%以上50質量%以下の含有量とすることが好ましい。
吸収体の構造としては、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートが好ましい。SAP粒子の漏洩防止や吸収体の形状の安定化の目的から、吸収体がキャリアシートに包まれることがあるが、この場合、表面に露出するキャリアシートと表面シート及び/又は裏面シートとがホットメルト接着剤により接着される。
吸収性物品の製造方法は、一般的な方法を採用することができ、例えば、(A)吸収性繊維を吸収性ポリマーとともに積繊して吸収体マットを作製し、吸収体を形成する工程と、(B)表面シートと、立体ギャザーを形成する弾性部材をホットメルト系接着剤で固定・一体化する工程と、(C)表面シート、弾性部材、及び裏面シートの内側にホットメルト系接着剤を塗工する工程と、(D)集合ドラムにおいて、吸収体の上部に表面シートを、吸収体の下部に裏面シートを配置し、各構成部材を固定・一体化する工程と、(E)吸収性物品の半製品をカッター装置により製品寸法でカットし、個々の吸収性物品を切り離す工程と、を有する製造方法等を挙げることができる。
【0095】
〔ブロック共重合体、重合体組成物の製造方法〕
本実施形態のブロック共重合体、及び当該ブロック共重合体を含有する重合体組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、特公昭36-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415号公報、特公昭49-36957号公報、特公昭48-2423号公報、特公昭48-4106号公報、特公昭51-49567号公報、特開昭59-166518号公報等に記載された方法が挙げられる。
これらの方法で得られる重合体のリビング末端に後述する変性剤を付加反応することにより官能基を含有する変性重合体が得られる。
【0096】
以下、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体を含有する重合体組成物の製造方法について例示する。
本実施形態の重合体組成物の製造方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤として、スチレン等のビニル芳香族炭化水素化合物及びブタジエン等の共役ジエン化合物を共重合させて、ブロック共重合体を得る重合工程と、得られたブロック共重合体及び変性剤(この化合物が1つ以上のポリマーが結合する場合の総称として変性剤と称し、2つ以上のポリマーが変性剤と結合した場合にはカップリング剤とも称呼するものとする)を反応させる変性工程(カップリング工程)と、を有する方法が挙げられる。
この場合、カップリング剤としては、例えば前記式(Y1)又は(Y2)の構造の化合物用いることによって、本実施形態の重合体組成物を得ることができる。
【0097】
【0098】
【0099】
(一般式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【0100】
前記一般式(Y1)は、下記一般式(Y-I)で表されることが好ましく、前記一般式(Y2)は、下記一般式(Y-II)で表されることが好ましい。
【0101】
【0102】
【0103】
(式(Y-I)、(Y-II)中、R1、R2は、水素、又は炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、R1とR2は互いに独立していても、環構造を形成していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
【0104】
重合体組成物に含まれるブロック共重合体の各構造が形成する過程を説明する。前記一般式(Y1)又は(Y2)で表されるカップリング剤を使用すると、第一段階として活性末端を有するポリマーがカルボニル部分と反応することにより、前記一般式(1)で表される構造ができる。
第二段階として、前記一般式(1)中の、第一段階で反応したカルボニル部分にさらに活性末端を有するポリマーが反応すると前記一般式(2)で表される構造ができる。
また、第二段階として、前記一般式(1)中の、第一段階で反応しなかった側のカルボニル部分にさらに活性末端を有するポリマーが反応すると前記一般式(3)で表される構造ができる。
第三段階として、前記一般式(2)、前記一般式(3)中の残ったカルボニル部分にさらに活性末端を有するポリマーが反応すると、前記一般式(4)で表される構造ができる。
【0105】
さらに、前記一般式(Y1)又は(Y2)で表されるカップリング剤を使用する場合、前記一般式(2)の構造を持つ2つのポリマーが縮合する等して4分岐体を形成し、4分岐体を含む重合体組成物は粘接着剤組成物とした場合に高い保持力を示す傾向にあるため好ましい。
【0106】
以上のとおり、前記一般式(Y1)又は(Y2)の構造を有するカップリング剤と反応させることで、カップリング剤に1つの重合体鎖が結合したポリマーと、2~4つの重合体鎖が結合した分岐体との混合物が生成する。本実施形態のブロック共重合体を粘接着組成物の用途に利用する場合、これらの各成分は単体としても機能しうるが、複数の構造のポリマーを含む重合体組成物として利用することにより溶融粘度と保持力とがバランスし、好ましい粘接着剤組成物として機能する傾向にある。
【0107】
前記一般式(Y1)又は(Y2)の構造を含有するカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
【0108】
変性反応及びカップリング反応によって、上記一般式(1)~(4)で表されるブロック共重合体を形成する変性剤又はカップリング剤は、上記一般式(Y1)で表される構造を有するものの他、前記式(Y1)中の、―O―結合部分が開環した際の構造を持つ一般式(Y2)のような構造の化合物や、その誘導体、分子中に1つ以上のカルボキシル基と1つ以上のエステル基を有する変性剤も好適に利用可能である。
その変性剤としては、一般的なジカルボン酸化合物や、酸無水物化合物、ジエステル化合物、カルボン酸エステル化合物が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、マレイン酸などがあり、酸無水物化合物の例としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、オクテニルコハク酸無水物が挙げられる。
【0109】
重合体組成物の重量平均分子量は、有機リチウム化合物等の重合開始剤の添加量を制御することにより調整することができる。
重合反応終了後、カップリング反応し、水、アルコール、酸等を添加して活性種を失活し、例えばスチームストリッピング等を行って重合溶媒を分離した後、乾燥することにより重合体組成物を得ることができる。
【0110】
重合体組成物の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、配位重合、アニオン重合又はカチオン重合等の重合方法が挙げられる。これらのなかでも、構造の制御の容易さの観点から、アニオン重合が好ましい。アニオン重合によるブロック共重合体成分の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、特公昭36-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415号公報、特公昭49-36975号公報、特公昭48-2423号公報、特公昭48-4106号公報、特公昭56-28925号公報、特開昭59-166518号公報、特開昭60-186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
重合体組成物の重合工程において使用する不活性炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、重合体組成物の重合工程において重合開始剤として使用する有機リチウム化合物としては、特に限定されず、公知の化合物を用いることができ、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、N-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘキシルリチウム等が挙げられる。特に、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウム化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
【0111】
本実施形態の重合体組成物の製造方法においては、必要に応じ、重合開始剤等に由来する金属類を脱灰する工程を採用することができる。
また、本実施形態の重合体組成物の製造方法では、さらに、必要に応じ、酸化防止剤、中和剤、界面活性剤等を添加する工程を採用してもよい。
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、後述するものと同様のヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
中和剤としては、以下に限定されないが、例えば、各種のステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト、安息香酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等が挙げられる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0112】
上述のようにして本実施形態の重合体組成物を製造した後、後述する方法により、ブロック重合体の単離、すなわち仕上げを行う。
重合体組成物の重合工程を不活性炭化水素溶媒中で行った場合は、不活性炭化水素溶媒を除去して重合体組成物を単離する。具体的な溶媒を除去する方法としては、スチームストリッピングが挙げられる。スチームストリッピングにより、含水クラムを得て、得られた含水クラムを乾燥することにより重合体組成物を得ることができる。スチームストリッピングにおいては、クラム化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。そのような界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、上記同様のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、ストリッピング帯の水に対して一般に0.1~3000ppm添加することができる。また、界面活性剤に加えて、Li,NA,Mg,CA,Al,ZN等の金属の水溶性塩をクラムの分散助剤として用いることもできる。
重合体組成物の重合工程及び前記スチームストリッピングを経て得られる、水中に分散したクラム状の重合体組成物の濃度は、一般に0.1~20質量%(ストリッピング帯の水に対する割合)である。この範囲であれば運転上の支障をきたすことなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。この重合体組成物のクラムを脱水により含水率を1~30質量%に調整し、その後、含水率が1質量%以下になるまで乾燥を行うことが好ましい。前記クラムの脱水工程においては、ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機等の圧縮水絞機での脱水、あるいはコンベヤー、箱型の熱風乾燥機で脱水と乾燥を同時に行ってもよい。
【0113】
上述したように、重合体を重合し、これを、前記式(Y1)又は(Y2)で表されるカップリング剤、又は分子中に1つ以上のカルボキシル基と1つ以上のエステル基を持つ変性剤又はカップリング剤等と反応させることにより、本実施形態のブロック共重合体が得られる。
ブロック共重合体は、多くの場合、カップリング反応前の重合体や、副反応物との混合物(重合体組成物C1)として生成するが、粘接着剤組成物としての用途等では、これらの副反応物を含む重合体組成物の状態で好ましく利用できる。
【0114】
他方、粘接着剤組成物の利用目的によっては、本実施形態の重合体組成物C1の性能を強化及び/又は補完する他の構造の重合体及び/又は重合体組成物C2と混合することが好ましい態様である。
例えば、重合体組成物C1は40℃における保持力が高いが、一方において60℃における保持力が高くない場合に、これを補完するために、60℃における保持力が高い重合体及び/又は重合体組成物C2と混合する態様が挙げられる。
この場合、重合体及び/又は重合体組成物C2としては、芳香族ビニル重合体や、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体を含む共重合体をカップリング剤と反応させて得られる重合体及び/又は重合体組成物が好ましい。すなわち、重合体組成物C1とは異なるポリマー構造及び/又は変性剤構造を有する重合体及び/又は重合体組成物であって、1分岐体(例えばジブロック体)と、2~4分岐体との混合物である重合体及び/又は重合体組成物C2は、C2のみでも粘接着性能を奏しうるので、重合体組成物C1の性能を強化及び/又は補完し得るものを、重合体及び/又は重合体組成物C2として選択することで、より好ましい粘接着性が得られる粘接着剤組成物を構成し得る。
このような粘接着剤組成物の製造方法としては、例えば、重合体組成物C1のペレットと、粘接着性能を有する重合体及び/又は重合体組成物C2のペレットをドライブレンドする方法が、性能を簡易に調整しうる観点で、好ましい。
重合体組成物C1と重合体及び/又は重合体組成物C2とを混合する割合は特に限定されず、各組成物の性能や目的に応じて適宜設定すればよいが、混合による効果が明確になるようにする観点からは、(C1の質量)/((C1の質量)+(C2の質量)が0.1以上0.9以下になるように混合することが好ましい。なお、粘接着剤組成物には、重合体組成物C1、C2に加えて粘着付与剤、軟化剤等を添加し得ることは上述のとおりである。
【実施例】
【0115】
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて、本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、重合体の特性や物性の測定は、下記の方法により行った。
【0116】
〔測定方法及び評価方法〕
(重合体組成物の特性)
<ビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量>
一定量の熱可塑性エラストマーをクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV-2450)にて測定し、ビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度から検量線を用いてビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
【0117】
<数平均分子量>
重合体中の1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の数平均分子量は、後述の測定条件に基づき、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて求めた。
まず、分子量20,000以上の範囲でピークトップ分子量が最も低く、かつ重合体組成物の総ピーク面積に対して、後述のピーク分割によって算出される面積比が0.1以上を有する単独ピークを1分岐体とし、それより高い分子量範囲のピークを分子量の小さいものから順に2分岐体、3分岐体、及び4分岐体とした。
1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の各数平均分子量は、後述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体のピーク間変曲点(変曲点)は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。
また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各数平均分子量及び面積比を算出した。
【0118】
[数平均分子量の測定条件]
GPC;ACQUITY APCシステム(日本ウォーターズ株式会社製)
システム(測定・解析)ソフト;EmpowEr3
検出器;RI
屈折率単位フルスケール;500μRIU
出力フルスケール;2000mV
サンプリングレート;10ポイント数/sEC
カラム;ACQUITY APC XT125(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT200(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT900(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT450(4.6mm×150mm);1本
溶媒;THF
流量;1.0mL/分
濃度;0.1mg/mL
カラム温度;40℃
注入量;20μL
【0119】
<1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の含有量>
上記で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する、1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の面積の割合を、1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の含有量とした。
1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の面積比、数平均分子量、については、上述の装置及び条件にてGPC測定後、同じく上述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、1分岐体、2分岐体、3分岐体、4分岐体の各ピーク間変曲点は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各数平均分子量及び面積比を算出した。
ここで、使用した変性剤の構造と想定される反応機構に鑑み、GPC測定で1分岐体に相当する成分には、一般式(1)で表される重合体が含まれ、2分岐体に相当する成分には一般(2)、一般(3)で表されある重合体が、3分岐体に相当する成分には一般式(4)で表される重合体が主に含まれるものとみなした。
【0120】
<重合体組成物の、15質量%、25質量%トルエン溶液粘度>
重合体組成物の15質量%、25質量%トルエン溶液粘度は、キャノン-フェンスケ粘度管を用いて、25℃の温度に管理された恒温槽中で測定した。
【0121】
〔実施例1~24、比較例1~4の粘接着剤組成物の作製及び物性の測定〕
(粘接着剤組成物の作製)
重合体組成物(1~25)100質量部と、粘着付与剤としてアルコンM100(荒川化学工業(株)製)300質量部と、軟化剤としてダイアナプロセスオイルPW-90(出光興産(株)製)100質量部と、安定剤として2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート1質量部と、を混合し、180℃、50rpm、30分間、加圧型ニーダー(型式:DR0.5-3MB-E、株式会社モリヤマ)で溶融混練し、均一なホットメルト型の粘接着剤組成物を得た。所定の重合体組成物1~25を用いて、実施例1~24、比較例1~4の粘接着剤組成物を得た。
なお、実施例21、22、23においては、重合体組成物(1~25)以外のポリマーとして、アサプレンT439(スチレン-ブタジエンブロック共重合体;旭化成社製)、TAIPOL 4270(スチレン-ブタジエンブロック共重合体;TSRC社製)、クインタック3460(スチレン-イソプレンブロック共重合体;日本ゼオン(株)社製)を併用した。
【0122】
(粘接着剤組成物の物性の測定)
<粘接着剤組成物の溶融粘度>
実施例1~24、比較例1~4の粘接着剤組成物の溶融粘度を、温度100℃、110℃、120℃、130℃、140℃で、ブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV-III)により測定した。
【0123】
<粘接着剤組成物の軟化点>
粘接着剤組成物の軟化点は、JIS-K2207に準じて測定した。
規定の環台に試料を充填し、グリセリン中で水平に支え、測定用試料の中央に3.5gの球を置いた状態で、グリセリンの温度を5℃/minの速さで上昇させたときに、球の重さで試料が環台の底板に触れたときの温度を、粘接着剤組成物の軟化点として測定した。
【0124】
(粘着テープの作製)
溶融させた粘接着剤組成物を室温まで冷却し、これをトルエンに溶かし、トルエン溶液を得た。
得られたトルエン溶液をアプリケーターでポリエステルフィルム(東レ株式会社製 ルミラー S10 (厚さ50μm))にコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、粘着テープを作製した。
なお、塗工厚さは50μm(基材厚さ50μm)とした。
【0125】
<粘接着剤組成物の粘着特性(1)(ループタック)>
実施例1~24及び比較例1~4の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして250mm長×15mm幅のループ状の粘着テープを作製した。
ループ状の粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×50mm、接着時間3sec、接着速度500mm/minで接着させた。
その後、SUS板から粘着テープを引き剥がし速度500mm/minで引き剥がし剥離力を測定した。
【0126】
<粘接着剤組成物の粘着特性(2)(粘着力)>
実施例1~24及び比較例1~4の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして25mm幅の粘着テープを作製した。
作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minで180°剥離力を測定した。
【0127】
<粘接着剤組成物の粘着特性(3)(40℃保持力)>
実施例1~24及び比較例1~4の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして15mm幅の粘着テープを作製した。
作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×25mmで貼り付けた。
その後、粘着テープに対して、40℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0128】
<粘接着剤組成物の粘着特性(4)(60℃保持力)>
実施例1~24及び比較例1~4の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして25mm幅の粘着テープを作製した。
作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:25mm×25mmで貼り付けた。
その後、粘着テープに対して、60℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間を測定した。
【0129】
<粘着特性と溶融粘度のバランス>
粘着特性と溶融粘度とのバランスを見積もる指標として、40℃における保持力を100℃における溶融粘度で除した値(40℃保持力/100℃溶融粘度)を算出した。
この値が6.5以上であれば実用上優れたバランス性能であると判断し、15.0以上であれば実用上きわめて優れた性能であると判断した。
【0130】
<メルトフローレート>
測定対象として、後述する重合体組成物15、16、23を用いた。
メルトインデクサーL247(TECHNOL SEVEN)を用いて、測定温度200℃、荷重5.0kgの条件で、メルトフローレート(g/10min)を測定した。
【0131】
<引っ張り物性(100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス、切断時引張強さ、伸び)>
測定対象として、後述する重合体組成物15、16、23を用いた。
JIS K6251の引張試験法に準じて測定し、実施例25の結果を100として指数化した。
【0132】
〔重合体組成物の調製〕
(重合体組成物1)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン294gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン906gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.16となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物1を得た。
【0133】
(重合体組成物2)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン359gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン841gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.17となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物2を得た。
【0134】
(重合体組成物3)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.14となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物3を得た。
【0135】
(重合体組成物4)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.14となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物4を得た。
【0136】
(重合体組成物5)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.14となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物5を得た。
【0137】
(重合体組成物6)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.12となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物6を得た。
【0138】
(重合体組成物7)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.12となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物7を得た。
【0139】
(重合体組成物8)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.12となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物8を得た。
【0140】
(重合体組成物9)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.12となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物9を得た。
【0141】
(重合体組成物10)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.18となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物10を得た。
【0142】
(重合体組成物11)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.08となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物11を得た。
【0143】
(重合体組成物12)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム3.60gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.13となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.8gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物12を得た。
【0144】
(重合体組成物13)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム1.92gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.12となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール0.96gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物13を得た。
【0145】
(重合体組成物14)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.10となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物14を得た。
【0146】
(重合体組成物15)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.08となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物15を得た。
【0147】
(重合体組成物16)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.07となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物16を得た。
【0148】
(重合体組成物17)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン475gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム1.80gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン725gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.07となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール0.9gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物17を得た。
【0149】
(重合体組成物18)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.28gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.20となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.14gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物18を得た。
【0150】
(重合体組成物19)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.28gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.19となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.14gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物19を得た。
【0151】
(重合体組成物20)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.28gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてオクテニルコハク酸無水物をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.20となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.14gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物20を得た。
【0152】
(重合体組成物21)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.22gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.17となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.11gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物21を得た。
【0153】
(重合体組成物22)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン414gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム1.98gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン786gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.16となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール0.99gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物22を得た。
【0154】
(重合体組成物23)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.07となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物23を得た。
【0155】
(重合体組成物24)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.28gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤としてテトラエトキシシランをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.20となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.14gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物24を得た。
【0156】
(重合体組成物25)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。次に、n-ブチルリチウム2.22gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として安息香酸エチルをn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.17となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.11gを加えて反応を失活させた。
得られたブロック共重合体溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物である重合体組成物25を得た。
【0157】
得られた重合体組成物1~25の構造及び物性値を下記表1及び表2に示す。
また用いたカップリング剤の名称を下記表3に示す。
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
以上のようにして得られた重合体組成物を用いた粘接着剤組成物を上記方法により評価した。
また上述した粘着テープを作製し、粘着テープを上記方法により評価した。
さらに、重合体組成物を上記方法により評価した。
それらの評価結果を表4~表6に示す。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
表6に示すように、実施例25、26、比較例5について、これらの評価に用いた重合体組成物15、16、23は、カップリング剤残基以外の部分のポリマー構造が非常に近いにも関わらず、実施例25、26は、比較例5と比較して3倍程度の伸びを示した。これらは破断するまでの応力(モジュラス)が同程度であり、実施例25、26の重合体組成物が非常に良い機械物性を示すことが分かった。
【0166】
実施例1~21の粘接着剤組成物は、いずれも40℃保持力/100℃溶融粘度の値が7.0以上であり粘着特性と溶融粘度のバランスに優れる粘接着剤組成物であることがわかった。
特に実施例3~10、13、14の粘接着剤組成物はいずれも40℃保持力/100℃溶融粘度の値が15.0以上であり粘着特性と溶融粘度のバランスが非常に優れていることがわかった。
また、実施例6~10、13、14、17~21の粘接着剤組成物は、40℃保持力が非常に優れていることがわかった。
さらに、実施例1、3~9、11、12、15、16の粘接着剤組成物は、100℃における溶融粘度が非常に優れていることがわかった。
さらにまた、実施例1~16の粘接着剤組成物は、軟化点が非常に優れていることがわかった。
実施例22~24では重合体組成物8に、これとは異なる他のポリマーを添加した。40℃保持力/100℃溶融粘度の値は低下するものの、依然高い値を示し、60℃保持力が向上する効果があることがわかった。
【0167】
本出願は、2018年2月9日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2018-022184)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明のブロック共重合体、重合体組成物、粘接着剤用組成物、及び粘接着剤組成物は、溶液型及びホットメルト型の接着剤や粘着剤の材料として、産業上の利用可能性を有している。