(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】送迎管理装置、送迎管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20221209BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20221209BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20221209BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221209BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G01C21/34
G06Q10/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020007872
(22)【出願日】2020-01-21
(62)【分割の表示】P 2019525540の分割
【原出願日】2018-06-15
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2017118698
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】安井 裕司
(72)【発明者】
【氏名】石坂 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 将行
(72)【発明者】
【氏名】アヘゴ コビ
(72)【発明者】
【氏名】ラング クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】劉 立言
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 洋
(72)【発明者】
【氏名】内富 寛隆
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-032066(JP,A)
【文献】特開2004-192366(JP,A)
【文献】特開2005-056134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G06Q 10/00-10/10、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成し、車両を予約する配車予約部と、
前記送迎スケジュールに従って、前記配車予約部により予約された車両を配車する配車管理部と、
前記配車管理部により配車された前記車両から少なくとも移動状況を含む情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記情報を、前記施設の予約をした前記利用者が使用する利用者端末あるいは前記施設の管理者が使用する施設端末のうち少なくとも一方に前記施設の予約内容に基づいて通知するステータス管理部と、
を備え、
前記取得部は、
前記車両に乗車中の前記利用者の前記利用者端末から、前記施設が提供するサービスあるいは物品のオーダー指示を取得し、
前記ステータス管理部は、
前記取得部が取得した前記オーダー指示を、前記施設端末に通知する、
送迎管理装置。
【請求項2】
前記配車予約部は、
前記施設の予約内容に基づいて、前記施設を目的地あるいは出発地として、指定された到着時刻に間に合うように前記送迎スケジュールを作成する
請求項1に記載の送迎管理装置。
【請求項3】
前記ステータス管理部は、
前記配車管理部により配車された車両に利用者が乗車した後、前記施設への移動を開始したこと、または前記施設への到着目標時刻を、前記施設端末に通知する
請求項1に記載の送迎管理装置。
【請求項4】
前記ステータス管理部は、
前記配車管理部により配車された車両の到着時刻が遅れている場合、配車の予約についての変更あるいはキャンセル、もしくは前記施設の予約の変更あるいはキャンセルのうち少なくとも一つを受け付ける
請求項1に記載の送迎管理装置。
【請求項5】
前記ステータス管理部は、
前記配車管理部により配車された車両の到着時刻の遅れが通知された利用者から、配車のキャンセルまたは施設の利用時間の延長のいずれも受け付けられなかった場合、配車のキャンセルおよび前記施設のキャンセルの両方を受け付ける
請求項4に記載の送迎管理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記車両から、乗車人数を示す情報を取得し、
前記ステータス管理部は、
前記取得部が取得した乗車人数を示す情報が予約された人数と異なる場合、予約人数の変更を、前記施設端末に通知する
請求項1に記載の送迎管理装置。
【請求項7】
サービス提供者からサービス提供地点に対応した地点情報、および前記サービス提供者の識別情報、前記
利用者の識別情報を含むサービス提供情報を取得するサービス情報取得部と、
少なくとも前記
サービス提供情報に基づいて前記車両の運行プランを決定するプラン決定部と、をさらに備える、
請求項1に記載の送迎管理装置。
【請求項8】
前記サービス提供情報、および前記取得部によって取得された前記利用者の識別情報に対応した、サービスステータス情報を生成し、少なくとも前記車両の
経路上において提供されるサービスに関する前記サービスステータス情報を
、前記サービスを管理するサービス管理装置に提供する状態管理部、をさらに備える、
請求項
7に記載の送迎管理装置。
【請求項9】
前記プラン決定部は、
前記サービスステータス情報に対応付く前記利用者の識別情報を取得し、前記プラン決定部の決定する車両の運行プランに基づいて、前記サービスステータス情報を生成し、前記運行プランの計画を行う、
請求項
8に記載の送迎管理装置。
【請求項10】
前記プラン決定部は、
前記サービスステータス情報として、前記利用者の識別情報および前記移動状況から判別される状態属性を管理して、前記運行プランの計画を行う、
請求項
9に記載の送迎管理装置。
【請求項11】
前記プラン決定部は、
前記施設端末に対し、前記サービスステータス情報のうち、前記施設への到着時刻に関する情報を通知する、
請求項
8に記載の送迎管理装置。
【請求項12】
コンピュータが、
利用者による施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成して、車両を予約し、
前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車し、
前記車両から少なくとも移動状況を含む情報を取得し、
前記情報を、前記施設の予約をした前記利用者が使用する利用者端末あるいは前記施設の管理者が使用する施設端末のうち少なくとも一方に前記施設の予約内容に基づいて通知
し、
前記車両に乗車中の前記利用者の前記利用者端末から、前記施設が提供するサービスあるいは物品のオーダー指示を取得し、
取得した前記オーダー指示を、前記施設端末に通知する、
送迎管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
利用者による施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成させて車両を予約させ、
前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車させ、
前記車両から少なくとも移動状況を含む情報を取得させ、
前記情報を、前記施設の予約をした前記利用者が使用する利用者端末あるいは前記施設の管理者が使用する施設端末のうち少なくとも一方に前記施設の予約内容に基づいて通知させ
、
前記車両に乗車中の前記利用者の前記利用者端末から、前記施設が提供するサービスあるいは物品のオーダー指示を取得させ、
取得した前記オーダー指示を、前記施設端末に通知させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様態は、送迎管理装置、送迎管理方法、およびプログラムに関する。
本願は、2017年6月16日に、日本に出願された特願2017-118698号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
旅行先等においてホテルやレストランまで移動する場合、タクシー、レンタカー、ホテルが用意している送迎車等が利用されている。例えば、レンタカーを用いて、ホテルを予約した宿泊客をホテルまで送迎する際、レンタカーの走行経路に応じた料金精算をサポートするシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タクシーを拾えない場合や送迎車の送迎回数が少ない場合、利用者は長時間待たされる場合があった。また、運転できない利用者はレンタカーを利用できない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、予約された施設と連動した送迎サービスを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る認識処理装置、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):本発明の一態様は、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成し、車両を予約する配車予約部と、前記送迎スケジュールに従って、前記配車予約部により予約された車両を配車する配車管理部と、を備える送迎管理装置である。
【0007】
(2):上記(1)の様態において、前記配車予約部は、前記施設の予約内容に基づいて、前記施設を目的地あるいは出発地として、指定された到着時刻に間に合うように前記送迎スケジュールを作成するものである。
【0008】
(3):上記(1)の様態において、前記配車管理部により配車された前記車両から移動状況を取得する取得部と、前記取得部により取得された移動状況を、前記施設の予約をした利用者が使用する利用者端末あるいは前記施設の管理者が使用する施設端末のうち少なくとも一方に通知するステータス管理部と、をさらに備えるものである。
【0009】
(4):上記(3)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両に利用者が乗車した後、前記施設への移動を開始したこと、または前記施設への到着目標時刻を、前記施設端末に通知するものである。
【0010】
(5):上記(3)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両の到着時刻が遅れている場合、配車の予約についての変更あるいはキャンセル、もしくは前記施設の予約の変更あるいはキャンセルのうち少なくとも一つを受け付けるものである。
【0011】
(6):上記(5)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両の到着時刻の遅れが通知された利用者から、配車のキャンセルまたは施設の利用時間の延長のいずれも受け付けられなかった場合、配車のキャンセルおよび前記施設のキャンセルの両方を受け付けるものである。
【0012】
(7):上記(3)の様態において、前記取得部は、前記車両から、前記乗車人数を示す情報を取得し、前記ステータス管理部は、前記取得部が取得した前記乗車人数を示す情報が予約された人数と異なる場合、予約人数の変更を、前記施設端末に通知するものである。
【0013】
(8):上記(3の様態において、前記取得部は、前記車両から、前記施設が提供するサービスあるいは物品のオーダー指示を取得し、前記ステータス管理部は、前記取得部が取得した前記オーダー指示を、前記施設端末に通知するものである。
【0014】
(9):上記(3)の様態において、サービス提供者からサービス提供地点に対応した地点情報、および前記サービス提供者の識別情報、前記サービス提供者の利用者の識別情報を含むサービス提供情報を取得するサービス情報取得部と、前記利用者が前記サービス提供を受ける前記地点情報であるアクセスポイントを取得するアクセスポイント取得部と、前記地点情報およびアクセスポイントとの間に経路に対応した前記車両の運行プランを決定するプラン決定部と、をさらに備えるものである。
【0015】
(10):上記(9)の様態において、前記サービス情報、および前記取得部によって取得された前記利用者の識別情報に対応した、サービスステータス情報を生成し、少なくとも前記車両の前記経路上において、前記サービス提供者に対し前記サービスステータス情報を提供する状態管理部、をさらに備えるものである。
【0016】
(11):上記(10)の様態において、前記プラン決定部は、前記サービスステータス情報に対応付く前記利用者の識別情報を取得し、前記プラン決定部の決定する車両の運行プランに基づいて、前記サービスステータス情報を生成し、前記プランの計画を行うものである。
【0017】
(12):上記(11)の様態において、前記プラン決定部は、前記サービスステータス情報として、前記利用者の識別情報および前記移動状況から判別される状態属性を管理して、前記プランの計画を行うものである。
【0018】
(13):上記(10)の様態において、前記プラン決定部は、前記施設端末に対し、前記サービスステータス情報のうち、前記施設への到着時刻に関する情報を通知するものである。
【0019】
(14):施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成して、車両を予約し、前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車する、送迎管理方法である。
【0020】
(15):コンピュータに、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成させて車両を予約させ、前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1,2,14,15に記載の発明によれば、予約された施設と連動した送迎サービスを提供することができる。
【0022】
請求項3,4に記載の発明によれば、利用者は、配車状況や遅れ状況を確認し、その後の行動を決定することができるとともに、施設側の管理者は、利用者の到着に合わせて利用者を迎える準備をし、サービスを向上させることができる。
【0023】
請求項5,6に記載の発明によれば、利用者は、送迎車が遅れる場合、施設や送迎車の予約を簡単に変更あるいはキャンセルすることができる。
【0024】
請求項7,8に記載の発明によれば、施設に対する人数の変更やオーダーを施設に到着する前に指示することができる。
【0025】
請求項9,10,11,12,13に記載の発明によれば、利用者は、サービス提供者により、送迎サービス途中に付加サービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】自動運転の処理過程について説明するための図である。
【
図10】配車予約情報422の一例を示す図である。
【
図11】配車ステータス情報423の一例を示す図である。
【
図12】移動ステータス情報425の一例を示す図である。
【
図13】車両100における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】車両100における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】送迎管理装置400における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】送迎管理装置400における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図17】送迎管理装置400における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】配車システム1を利用した例について説明するための図である。
【
図19】配車システム1を利用した他の例について説明するための図である。
【
図20】サービス提供者装置600の機能構成図である。
【
図21】サービス管理装置700の機能構成図である。
【
図23】配車システム1Aにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照し、本発明の送迎管理装置、送迎管理方法、および車両の実施形態について説明する。本システムにおいて配車される車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。また、配車される車両は、配車されていない状態において、各所に用意された車両ステーションで待機しており、目的地に到着した後、目的地の近くの空きがある車両ステーションに移動し、待機する。
【0028】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態の送迎管理装置400について説明する。
【0029】
図1は、配車システム1の構成図である。配車システム1は、一以上の車両100と、一以上の施設端末200と、一以上の利用者端末300と、送迎管理装置400とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。
【0030】
[車両]
車両100は、例えば、複数の利用者が乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両である。
図2は、車両100の構成図である。車両100は、例えば、外界監視ユニット110と、通信装置120と、ナビゲーション装置130と、推奨車線決定装置140と、自動運転制御ユニット150と、駆動力出力装置160と、ブレーキ装置162と、ステアリング装置164と、配車管理ユニット170とを備える。
【0031】
外界監視ユニット110は、例えば、カメラやレーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging)、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う物体認識装置などを含む。外界監視ユニット110は、車両100の周辺に存在する物体の種類(特に、車両、歩行者、および自転車)を推定し、その位置や速度の情報と共に自動運転制御ユニット150に出力する。
【0032】
通信装置120は、例えば、ネットワークNWに接続したり、他車両や歩行者の端末装置などと直接的に通信したりするための無線通信モジュールである。通信装置120は、Wi-Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行う。通信装置120として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
【0033】
ナビゲーション装置130は、例えば、HMI(Human machine Interface)132と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機134と、ナビ制御装置136とを備える。HMI132は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ装置やスピーカ、マイクなどを含む。GNSS受信機134は、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて自機の位置(車両100の位置)を測位する。ナビ制御装置136は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や各種記憶装置を備え、ナビゲーション装置130全体を制御する。記憶装置には、地図情報(ナビ地図)が格納されている。ナビ地図は、ノードとリンクで道路を表現した地図である。
【0034】
ナビ制御装置136は、GNSS受信機134によって測位された車両100の位置から、配車管理ユニット170により指定された目的地までの経路を、ナビ地図を参照して決定する。なお、目的地は、HMI132を用いて利用者により指定されてもよい。また、ナビ制御装置136は、車両100の位置と目的地とを、通信装置120を用いてナビゲーションサーバ(不図示)や送迎管理装置400に送信し、ナビゲーションサーバや送迎管理装置400から返信された経路を取得してもよい。なお、経路には、利用者を乗車または降車させるために停止する地点およびそれらの地点への到達目標時刻の情報が含まれてよい。ナビ制御装置136は、上記いずれかの方法で決定した経路の情報を推奨車線決定装置140に出力する。
【0035】
推奨車線決定装置140は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)と各種記憶装置を備える。記憶装置には、ナビ地図よりも詳細な高精度地図情報が格納されている。高精度地図情報には、例えば、車線ごとの道路幅や勾配、曲率、信号の位置などの情報が含まれている。推奨車線決定装置140は、ナビゲーション装置130から入力された経路に沿って走行するために好ましい推奨車線を決定し、自動運転制御ユニット150に出力する。
【0036】
自動運転制御ユニット150は、CPUやMPUなどの一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。自動運転制御ユニット150は、推奨車線決定装置140により決定された推奨車線を走行することを原則として、外界監視ユニット110から位置や速度が入力された物体との接触を避けるように、車両100を自動的に走行させる。自動運転制御ユニット150は、例えば、各種イベントを順次実行する。イベントには、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、料金所を通過するための料金所イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、車両100の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
【0037】
自動運転制御ユニット150は、車両100が将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、所定の走行距離ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
【0038】
図3は、自動運転の処理過程について説明するための図である。まず、上図に示すように、ナビゲーション装置130によって経路が決定される。この経路は、例えば車線の区別が付けられていない大まかな経路である。次に、中図に示すように、推奨車線決定装置140が、経路に沿って走行しやすい推奨車線を決定する。そして、下図に示すように、自動運転制御ユニット150が、障害物の回避などを行いながら、なるべく推奨車線に沿って走行するための軌道点を生成し、軌道点(および付随する速度プロファイル)に沿って走行するように、駆動力出力装置160、ブレーキ装置162、ステアリング装置164のうち一部または全部を制御する。なお、このような役割分担はあくまで一例であり、例えば自動運転制御ユニット150が一元的に処理を行ってもよい。
【0039】
駆動力出力装置160は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。駆動力出力装置160は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECUとを備える。パワーECUは、自動運転制御ユニット150から入力される情報、或いは不図示の運転操作子から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0040】
ブレーキ装置162は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニット150から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置162は、運転操作子に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置162は、上記説明した構成に限らず、自動運転制御ユニット150から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0041】
ステアリング装置164は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。
電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニット150から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0042】
配車管理ユニット170は、入出力部171と、記憶部172と、配車制御部173と、ステータス取得部174と、利用者情報取得部175と、オーダー取得部176とを備える。
【0043】
入出力部171は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、センサ、カメラ等の入力部と、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力部とを含む。記憶部172は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
【0044】
配車制御部173、ステータス取得部174、利用者情報取得部175、およびオーダー取得部176は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部172に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0045】
配車制御部173は、通信装置120を用いて送迎管理装置400から受信した送迎スケジュールに基づいて、ナビ設定情報をナビ制御装置136に設定する。送迎スケジュールとは、施設の予約に関連して予約された送迎車を施設の予約内容に合わせて走行させるためのスケジュールであって、ピックアップ位置の位置情報、ピックアップ位置への到着時刻、目的地の位置情報、目的地への到着時刻、乗車人数等が含まれる。ピックアップ位置とは、利用者を乗車させる位置である。ナビ設定情報には、ピックアップ位置、ピックアップ位置への到着時刻、目的地、目的地への到着時刻等が含まれる。
【0046】
ステータス取得部174は、車両の移動状況を含む情報(以下、ステータス情報と記す)を取得し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する。ステータス情報には、GNSS受信機134によって測位された車両100の位置に日時を対応付けた情報や、ナビ制御装置136により取得された到着目標時刻を示す情報等が含まれる。また、ステータス取得部174は、GNSS受信機134によって測位された車両100の位置情報とナビ設定情報等に基づいて、配車状態や到着状況を取得し、ステータス情報に含めてもよい。配車状態には、例えば、迎車中、乗車待ち、一部乗車待ち、乗車完了、移動中、移動完了等が含まれる。到着状況には、例えば、時間通り、遅れ、渋滞中につき遅れ等が含まれる。なお、配車状態は、入出力部171を用いて利用者により入力されてもよく、センサによる検出結果やカメラにより撮影された画像や映像に基づいて、ステータス取得部174により解析された結果であってもよい。
【0047】
利用者情報取得部175は、例えば、入出力部171を用いて、利用者に関する情報(以下、利用者情報と記す)を取得し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する。利用者情報には、例えば、乗車人数、利用者の性別、利用者の年齢、利用者の人種、利用者の好みや感想、施設に関するアンケート、手荷物の個数や重さ、車いすの有り無し、ベビーカーの有り無し等が含まれる。例えば、利用者情報取得部175は、センサによる検出結果やカメラにより撮影された画像や映像等を解析することにより、乗車人数や利用者の性別等を取得してもよい。また、利用者情報取得部175は、マイクにより検出された音声データ等を解析することにより、車内の利用者の会話の盛り上がり度合、利用者の満足度や感情等を取得してもよい。
【0048】
オーダー取得部176は、例えば、入出力部171を用いて、施設が提供するサービスあるいは物品のオーダーを指示する情報(以下、オーダー指示情報と記す)を取得し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する。これにより、車両100に乗車している利用者は、オンラインメニューを用いて、施設に着いたときに提供される物やサービスを事前にオーダーすることができる。
【0049】
[施設端末]
施設端末200は、利用者により予約可能な施設に設置されている端末であって、施設の管理者が使用する端末である。施設には、例えば、ホテル、旅館、レストラン、病院、美容院、カルチャースクール等が含まれる。施設端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
【0050】
図4は、施設端末200の機能構成図である。施設端末200は、例えば、通信装置210と、入力部220と、出力部230と、記憶部240と、制御部250と、を備える。
【0051】
通信装置210は、例えば、ネットワークNWに接続したり、送迎管理装置400と直接的に通信したりするための通信インターフェースである。通信装置210は、例えば、NIC(Network Interface Card)を含んでもよいし、Wi-Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行ってもよい。通信装置210として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
【0052】
入力部220は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク等で含む。出力部230は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等を含む。記憶部240は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
【0053】
制御部250は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部240に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。例えば、制御部250は、送迎管理装置400から受信した情報に基づいて、ブラウザによって閲覧されるウェブページや、アプリケーションプログラムによって閲覧されるアプリページ等を、出力部230に表示する。
【0054】
[利用者端末]
利用者端末300は、利用者が使用する端末である。利用者端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
図5は、利用者端末300の機能構成図である。利用者端末300は、例えば、通信装置310と、入力部320と、出力部330と、記憶部340と、制御部350と、GNSS受信機360とを備える。なお、車両100および施設端末200と同じ構成については、同一の名称を用いて、詳細な説明は省略する。
【0055】
ここで、
図6,7を参照し、利用者端末300の出力部330に表示される操作画面の一例について説明する。
図6は、施設予約画面の一例を示す図である。施設予約画面370は、入力部320を用いて利用者により施設予約が要求された場合に表示される操作画面である。施設予約画面370には、施設予約内容371と、送迎サービス内容372と、予約ボタン373とが含まれる。
【0056】
施設予約内容371は、施設の予約に必要な項目を表示するとともに、利用者からの選択や入力を項目ごとに受け付ける操作画面である。施設予約内容371には、例えば、日時、施設名、利用人数、利用者氏名、連絡先、特記事項、送迎サービス等の項目が含まれる。
【0057】
送迎サービス内容372は、配車の予約に必要な項目を表示するとともに、利用者からの選択や入力を項目ごとに受け付ける操作画面である。送迎サービス内容372には、例えば、往路もしくは復路あるいはその両方のいずれかを選択する項目や、駅や空港などのピックアップ位置や目的地等への到着あるいは出発時刻を選択する項目等が含まれる。
【0058】
予約ボタン373は、施設予約内容371や送迎サービス内容372に表示されている内容での予約を受け付ける操作ボタンである。予約ボタン373が操作されると、制御部350は、施設予約内容371や送迎サービス内容372に表示されている予約内容に基づいて施設予約情報を作成し、通信装置310を用いて送迎管理装置400に送信する。
【0059】
制御部350は、施設予約情報を送信した後、通信装置310を用いて送迎管理装置400から受信した情報に基づいて、配車予約画面を出力部330に表示させる。なお、本実施形態では、施設予約情報に基づいて送迎管理装置400により作成された送迎スケジュールを配車予約画面に表示して、利用者に送迎内容を確認させた上で、送迎車の予約を受け付ける例について説明するが、本発明はこれに限られない。例えば、利用者に送迎内容を確認させることなく、送迎管理装置400が、施設予約情報を受信することにより、施設の予約と送迎車の予約の両方を受け付けるようにしてもよい。
【0060】
図7は、配車予約画面の一例を示す図である。配車予約画面380は、送迎管理装置400により施設予約情報に基づいて作成された送迎スケジュールを表示する操作画面である。配車予約画面380には、送迎内容381と、予約ボタン382とが含まれる。
【0061】
送迎内容381は、配車の予約に必要な項目ごとに送迎管理装置400により作成された送迎スケジュールを表示するとともに、利用者から送迎スケジュールの一部の編集を受け付ける操作画面である。送迎内容381には、例えば、日時、利用人数、ピックアップ位置、ピックアップ位置への到着時刻、目的地、目的地への到着時刻等の項目が含まれる。
【0062】
予約ボタン382は、送迎内容381に表示されている内容での予約を受け付ける操作ボタンである。予約ボタン382が操作されると、制御部350は、送迎内容381に表示されている予約内容に基づいて配車予約情報を作成し、通信装置310を用いて送迎管理装置400に送信する。ここで、制御部350は、送迎内容に変更がない場合にはその旨を配車予約情報に含めてもよく、送迎内容の変更点だけを配車予約情報に含めてもよい。
【0063】
[送迎管理装置]
次に、
図8~12を参照して、送迎管理装置400について説明する。
図8は、送迎管理装置400の機能構成図である。送迎管理装置400は、例えば、通信装置410と、記憶部420と、制御部430とを備える。通信装置310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNICである。通信装置310は、ネットワークNWを介して、車両100、施設端末200、および利用者端末300と通信する。記憶部420は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
【0064】
制御部430は、施設予約部431と、配車予約部432と、配車管理部433と、取得部434と、ステータス管理部435とを含む。これら構成の一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部420に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0065】
施設予約部431は、通信装置410およびネットワークNWを介して、利用者端末300から受信した施設予約情報に基づいて、施設を予約する。施設予約情報とは、利用者により予約される施設に関する予約内容であって、例えば、予約日時、施設の名称や住所、予約人数、利用者氏名、連絡先、特記事項、送迎サービス等が含まれる。施設予約部431は、施設を予約する処理において、ネットワークNWを介して接続される外部サーバを参照して、利用者により指定された施設の空き状況を取得し、利用者端末300に送信してもよい。施設予約部431は、受信した施設予約情報に基づいて、記憶部420の施設予約情報421に各種情報を格納する。また、施設予約部431は、利用者による過去の施設予約の状況に基づいて、利用者の信頼性を示す情報を作成し、施設予約情報421の中に含めてもよい。利用者の信頼性は、例えば、予約のキャンセル率に応じた評価値や、利用頻度に応じた評価値等を含む。
【0066】
施設予約情報421は、各施設の予約内容を示す情報である。
図9は、施設予約情報421の一例を示す図である。
図9に示す通り、施設予約情報421は、予約管理キーに、ユーザ管理キーと、施設管理キーと、施設予約内容と、オプションサービス情報と、予約ステータスとを対応付けた情報である。予約管理キーは、各予約を識別するための固有の情報である。ユーザ管理キーは、各利用者を識別するための固有の情報である。施設管理キーは、各施設を識別するための固有の情報である。施設予約内容には、予約日時、施設の名称や住所、予約人数、利用者氏名、連絡先、特記事項等が含まれる。オプションサービス情報には、送迎サービス等のオプションサービスの提供を希望するか否かを示す情報が含まれる。予約ステータスは、施設予約の状態を示す情報であって、例えば、予約準備中、予約完了、キャンセル済等が含まれる。
【0067】
配車予約部432は、通信装置410およびネットワークNWを介して、利用者端末300から受信した施設予約情報に基づいて送迎スケジュールを作成し、施設の送迎車を予約する。配車予約部432は、利用者の指定に基づいて、施設への往路もしくは復路あるいはその両方について、送迎車を予約する。配車予約部432は、送迎車を予約する前に、施設予約情報に基づいて作成した送迎スケジュールを利用者端末300に送信し、利用者から予約の指示を受け付けた上で、送迎車を予約してもよい。
【0068】
配車予約部432は、施設予約情報に基づいて、施設を目的地あるいは出発地として、指定された到着時刻に間に合うような送迎スケジュールを作成する。例えば、配車予約部432は、施設予約情報に含まれる予約日時、予約人数、施設名等に基づいて、送迎車の予約日時、予約人数、ピックアップ位置あるいは目的地とそれらの到着時刻等の送迎スケジュールを決定する。また、配車予約部432は、施設予約情報に加え、施設までの移動手段(例えば、飛行機や新幹線)に関する情報等を利用者端末300から受信して、空港の到着時刻に応じたホテルまでの送迎スケジュールや、駅の到着時刻に応じたレストランまでの送迎スケジュールを作成し、利用者端末300に送信してもよい。配車予約部432は、作成した送迎スケジュールに基づいて配車が予約された場合、作成した送迎スケジュールに基づいて、記憶部420の配車予約情報422に各種情報を格納する。また、配車予約部432は、利用者による過去の配車予約の状況に基づいて、利用者の信頼性を示す情報を作成し、配車予約情報422の中に含めてもよい。
【0069】
配車予約情報422は、各送迎車の予約内容を示す情報である。
図10は、配車予約情報422の一例を示す図である。
図10に示す通り、配車予約情報422は、予約管理キーに、ユーザ管理キーと、車両IDと、送迎スケジュールと、予約ステータスとを対応付けた情報である。車両IDは、各車両を識別するための固有の情報である。
【0070】
配車管理部433は、配車予約部432により予約された送迎車を、予約内容に基づいて配車する。配車管理部433による配車には、各送迎スケジュールの通りに利用者を送迎する送迎車を割り当てる処理(以下、割り当て処理と記す)と、割り当てられた送迎車に対して送迎スケジュールに応じた自動運転をするよう指示する処理(以下、運転指示処理と記す)とが含まれる。
【0071】
割り当て処理において、配車管理部433は、予め決められた割り当て期間(例えば、翌日の0時から24時までの期間)に該当する予約内容を配車予約情報422から読み出し、読み出した情報に含まれる送迎スケジュールごとに、担当する車両100を割り当てる。例えば、配車管理部433は、予約された利用人数を乗車可能な車種の車両であって、予約されている到着時刻に間に合うようにピックアップ位置および目的地に行くことが可能な車両を、前後の予約状況に基づいて車両情報424に登録されている車両100の中から選択する。車両情報424は、車両100に関する情報であって、例えば、車両ID、車両100が駐車されている車両ステーション、車両100の現在位置(緯度、経度、高度)、車両100と通信するための必要なアドレス、走行状態を対応付けた情報である。
【0072】
また、配車管理部433は、送迎道路以外の渋滞等により送迎スケジュールに遅れがでないように前回の目的地から次回のピックアップ位置までの移動距離を最小限とするような車両100を割り当ててもよい。また、配車管理部433は、所定範囲内の施設への送迎に必要な台数の車両100を所定の車両ステーションに待機させるように車両100を割り当ててもよい。配車管理部433は、担当する車両100の車両IDに、割り当てられた送迎スケジュールの内容を対応付けて、配車ステータス情報423に書き込む。なお、配車ステータス情報423に書き込まれた直後において、全ての配車ステータスは、未配車である。
【0073】
なお、送迎スケジュールが作成される際、施設予約情報に含まれる予約時刻が割り当て期間に含まれる場合、配車予約部432は、施設予約情報421および配車ステータス情報423の両方を参照して、利用者の送迎に適したスケジュールであって、且つ、送迎車を割り当て可能な送迎スケジュールを作成してもよい。例えば、配車予約部432は、施設予約情報421に含まれる予約日時、予約人数、施設名等に基づいて、送迎車の予約日時、予約人数、ピックアップ位置あるいは目的地とそれらの到着時刻等を含む第1スケジュールを作成し、第1スケジュールに従って配車可能な車両100がある場合は、第1スケジュールを送迎スケジュールとする。一方、第1スケジュールに従って配車可能な車両100がない場合、配車予約部432は、車両100を割り当てられるように第1スケジュールの一部あるいは全部を変更して第2スケジュールを作成し、送迎スケジュールとする。これにより、数日前に施設を予約する場合は、車両100のステータスに関係なく利用者の希望に沿ったスケジュールで送迎車を予約することができ、数時間前に施設を予約する場合は、配車可能なスケジュールで送迎車を予約することができる。
【0074】
運転指示処理において、配車管理部433は、所定のタイミングにおいて、通信装置410を用いて車両100に、送迎スケジュールとともに運転開始指示を送信し、配車ステータス情報423の配車ステータスを、送迎中に書き換える。
【0075】
配車ステータス情報423は、配車予約された車両あるいは配車中の車両に関する情報を含み、例えば、車両100に設定される情報や配車状況を示す情報を含む。
図11は、配車ステータス情報423の一例を示す図である。
図11に示す通り、配車ステータス情報423は、車両IDに、利用日時と、利用人数と、ピックアップ位置とその到着時刻、目的地とその到着時刻、配車ステータスとを対応付けた情報である。配車ステータスは、配車された車両100の配車状況を示す情報であって、例えば、配車管理部433により更新される。
【0076】
取得部434は、配車管理部433により配車された車両100から移動状況、配車状態、および到着状況等を取得する。例えば、取得部434は、通信装置410を用いて車両100から定期的に送信されるステータス情報を受信し、受信したステータス情報に基づいて、記憶部420の移動ステータス情報425に各種情報を書き込む。
【0077】
移動ステータス情報425は、配車中の車両100の状況を示す情報である。
図12は、移動ステータス情報425の一例を示す図である。
図12に示す通り、移動ステータス情報425は、計測日時に、現在の車両100の位置情報と、現時点でのピックアップ位置への到達目標時刻と、現時点での目的地への到着目標時刻と、配車ステータスと、到着ステータスとを対応付けた情報であって、例えば、車両100ごとに用意されたテーブルに格納される。計測日時は、車両100においてステータス情報が作成された日時である。位置情報は、計測日時において車両100のGNSS受信機134により測位された車両100の位置を示す情報である。到達目標時刻は、計測日時において車両100のナビ制御装置136により導出された到達目標時刻である。到着ステータスは、配車された車両100の到着状況を示す情報であって、例えば、計測日時において車両100のステータス取得部174により取得された到着状況である。
【0078】
ステータス管理部435は、通信装置410を用いて、取得部434により取得された移動状況を、利用者端末300あるいは施設端末200のうち少なくとも一方に通知する。ステータス管理部435は、移動ステータス情報425を参照し、配車ステータスが変化したタイミングで配車ステータスに応じたメッセージを通知してもよく、車両100に遅れが生じたタイミングで到着ステータスに応じたメッセージを通知してもよい。例えば、ステータス管理部435は、配車管理部433により配車された車両100に利用者が乗車した後、施設への移動を開始したこと、または施設への到着目標時刻を、施設端末200に通知する。
【0079】
ステータス管理部435は、取得部434により取得された乗車人数を示す情報に基づいて、乗車人数が予約された人数と異なるか否かを判定し、両者が異なる場合、予約人数の変更を、施設端末200に通知する。また、ステータス管理部435は、取得部434により取得されたオーダー指示情報を、対応する施設端末200に通知する。
【0080】
ステータス管理部435は、配車管理部433により配車された車両100のピックアップ位置への到着時刻あるいは目的地への到着時刻が遅れている場合、その旨を利用者端末300あるいは施設端末200のうち少なくとも一方に通知し、配車の予約についての変更あるいはキャンセル、もしくは施設の予約の変更あるいはキャンセルのうち少なくとも一つを受け付ける。変更には、利用時間の延長、利用日の延期、ピックアップ位置や目的地の変更等が含まれる。また、ステータス管理部435は、配車管理部433により配車された車両100のピックアップ位置への到着時刻あるいは目的地への到着時刻の遅れが通知された利用者から、配車のキャンセルや変更または施設予約の変更のいずれも受け付けられなかった場合、配車のキャンセルおよび施設のキャンセルの両方を受け付けてもよい。
【0081】
ステータス管理部435は、移動ステータス情報425を参照し、配車ステータスが変化したタイミングで、配車ステータス情報423の配車ステータスを更新する。
【0082】
[フローチャート]
次に、
図13,14を参照して、車両100における処理動作の一例について説明する。
図13,14は、車両100における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、配車制御部173は、通信装置120を用いて送迎管理装置400から、運転開始指示を受信したか否かを判定する(ステップS101)。運転開始指示を受信したと判定した場合、配車制御部173は、運転開始指示とともに受信した送迎スケジュールに基づいて、運転を開始するようナビゲーション装置130と自動運転制御ユニット150に指示する(ステップS102)。これにより、送迎スケジュールに応じたピックアップ位置や目的地とそれらの到着時刻に応じた経路がナビゲーション装置130において設定され、自動運転制御ユニット150は、設定された経路に従って自動運転を開始する。
【0084】
ステータス取得部174は、予め決められた第1通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS103)。第1通知タイミングとは、車両100が迎車中にステータス情報を通知する予め決められたタイミングであって、例えば、自動運転を開始したタイミング、ピックアップ位置への到着目標時刻が予約の到着時刻よりも遅れたタイミング、ピックアップ位置に到着したタイミング、利用者を車両100に乗車させたタイミング、前回の通知から所定の時間が経過したタイミング等が含まれる。第1通知タイミングであると判定した場合、ステータス取得部174は、ステータス情報を取得し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する(ステップS104)。
【0085】
配車制御部173は、通信装置120を用いて送迎管理装置400から、配車キャンセル指示を受信したか否かを判定する(ステップS105)。配車キャンセル指示を受信した場合、配車制御部173は、ナビゲーション装置130と自動運転制御ユニット150に対して、設定されている経路に従った自動運転の終了を指示する(ステップS106)。ここで、ナビゲーション装置130は、HMI131を用いて、利用者から新たな目的地の設定を受け付けてもよい。なお、配車制御部173は、通信装置120を用いて送迎管理装置400から、ピックアップ位置や目的地の変更、これらの到着時刻の変更指示を受信した場合、ナビゲーション装置130と自動運転制御ユニット150に対して、ナビ設定情報の変更を指示する。
【0086】
ステータス取得部174は、利用者の全員が車両100に乗車したか否かを判定する(ステップS107)。例えば、ステータス取得部174は、GNSS受信機134によって測位された車両100の位置に基づいて、予め決められていたピックアップ位置の全てを通過した場合、利用者の全員が車両100に乗車したと判定する。また、ステータス取得部174は、入出力部171を用いて利用者により、利用者の全員が車両100に乗車したことが入力された場合や、車内を撮影した画像の解析結果により得られる乗車人数と予約された利用人数とが一致した場合、利用者の全員が車両100に乗車したと判定してもよい。利用者の全員が車両100に乗車したと判定した場合、ステータス取得部174は、配車状態が乗車完了であることを含めたステータス情報を作成し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する(ステップS108)。
【0087】
ステータス取得部174は、予め決められた第2通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS109)。第2通知タイミングとは、車両100に利用者全員が乗車している間にステータス情報を通知する予め決められたタイミングであって、例えば、利用者全員を車両100に乗車させたタイミング、目的地への到着目標時刻が予約の到着時刻よりも遅れたタイミング、前回の通知から所定の時間が経過したタイミング等が含まれる。第2通知タイミングであると判定した場合、ステータス取得部174は、ステータス情報を取得し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する(ステップS110)。
【0088】
利用者情報取得部175は、利用者情報を取得したか否かを判定する(ステップS111)。例えば、入出力部171を用いて利用者から、乗車人数と利用者の性別や年齢の入力を受け付けた場合、利用者情報取得部175は、乗車人数と利用者の性別と年齢を含む利用者情報を作成し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する(ステップS112)。
【0089】
オーダー取得部176は、オーダー指示情報を取得したか否かを判定する(ステップS113)。例えば、入出力部171を用いて利用者により、オンラインメニューの中から少なくとも一つのメニューが選択された場合、オーダー取得部176は、選択されたメニューの注文を依頼するオーダー指示情報を作成し、通信装置120を用いて送迎管理装置400に送信する(ステップS114)。
【0090】
配車制御部173は、ナビ制御装置136からの出力に基づいて、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS115)。ナビ制御装置136は、GNSS受信機134により測位される車両100の位置が目的地の所定範囲内に入った場合、目的地に到着したことを配車制御部173に通知する。目的地に到着したことが通知された場合、配車制御部173は、車両ステーションを次の目的地に設定し、自動運転するようナビゲーション装置130と自動運転制御ユニット150に指示する(ステップS116)。なお、車両ステーションに向けて移動中に新たな送迎スケジュールを受信した場合、配車制御部173は、ステップS101に移行する。
【0091】
次に、
図15,16,17を参照して、送迎管理装置400における処理動作の一例について説明する。
図15,16,17は、送迎管理装置400における処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、施設予約部431が、通信装置410を用いて利用者端末300から、施設予約情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。施設予約情報を受信したと判定した場合、施設予約部431は、施設予約を管理する外部サーバを参照し、受信した施設予約情報に示される内容の施設が予約可能か否かを判定する。予約可能である場合、施設予約部431は、受信した施設予約情報に基づいて、記憶部420の施設予約情報421に各種情報を格納する(ステップS202)。これにより、施設予約情報に示される内容の施設が予約される。なお、予約可能でない場合、施設予約部431は、通信装置410を用いて利用者端末300に、その旨を通知して、別の内容で予約を受け付けてもよい。
【0093】
次いで、施設予約部431は、受信した施設予約情報に、送迎サービスの提供を希望する内容が含まれているか否かを判定する(ステップS203)。施設予約情報に送迎サービスの提供を希望する内容が含まれていると判定した場合、施設予約部431は、配車予約部432に対して、送迎スケジュールの作成を指示する。そして、配車予約部432は、施設予約情報に含まれる予約時刻が、既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれているか否かを判定する(ステップS204)。予約時刻が既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれていない場合、配車予約部432は、施設予約情報421を参照して、送迎スケジュールを作成し、通信装置410を用いて利用者端末300に送信する(ステップS205)。一方、予約時刻が既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれている場合、配車予約部432は、施設予約情報421および配車ステータス情報423の両方を参照して、車両100を配車可能な送迎スケジュールを作成し、通信装置410を用いて利用者端末300に送信する(ステップS206)。
【0094】
配車予約部432は、通信装置410を用いて利用者端末300から、配車予約の指示を受信したか否かを判定する(ステップS207)。配車予約の指示を受信したと判定した場合、配車予約部432は、利用者端末300に送信した送迎スケジュールに基づいて、予約された内容を、記憶部420の配車予約情報422に格納する(ステップS208)。これにより、予約された施設の送迎車が予約される。
【0095】
配車管理部433は、割り当て処理を実行し、配車ステータス情報423に各種情報を書き込む(ステップS209)。次いで、配車管理部433は、配車予約情報422を参照して、配車タイミングか否かを判定する(ステップS210)。配車タイミングは、送迎車をピックアップ位置へ向かわせる時刻であって、決められた到着時刻以前にピックアップ位置に到着するように、車両100の現在位置からピックアップ位置までの移動時間を逆算して導出される。配車タイミングに到達した場合、配車管理部433は、配車予約情報422から読み出した送迎スケジュールと共に運転開始指示を、通信装置410を用いて車両100に送信する(ステップS211)。また、配車管理部433は、配車ステータス情報423において、配車された車両100の車両IDに対応する配車ステータスを、迎車中に書き換える。
【0096】
ステータス管理部435は、移動ステータス情報425を参照し、取得部434により新たなステータス情報が取得されたか否かを判定する(ステップS212)。新たなステータス情報が取得されたと判定した場合、ステータス管理部435は、ピックアップ位置への到着が遅れるか否かを判定する(ステップS213)。例えば、ステータス管理部435は、移動ステータス情報425に格納されている最新のピックアップ位置への到着目標時刻と、配車ステータス情報423に格納されているピックアップ位置への到着時刻とを比較する。
【0097】
ピックアップ位置への到着が遅れると判定した場合、ステータス管理部435は、車両100の移動状況と共に、配車や施設の予約キャンセルや配車や施設の予約変更を確認するための情報を、通信装置410を用いて利用者端末300に送信する(ステップS214)。例えば、ステータス管理部435は、ピックアップ位置への到着目標時刻、車両100の現在の位置情報、および、目的地への到着目標時刻等を含む移動状況を、利用者端末300に送信する。次いで、ステータス管理部435は、車両100の移動状況を、通信装置410を用いて施設端末200に送信する(ステップS215)。例えば、ステータス管理部435は、施設への到着目標時刻、あるいは遅れる時間を含む移動状況を、施設端末200に送信する。
【0098】
一方、ステップS212において、ステータス情報を取得していないと判定した場合、配車管理部433は、通信装置410を用いて、配車キャンセル指示を利用者端末300から受信したか否かを判定する(ステップS216)。配車キャンセル指示を受信した場合、配車管理部433は、通信装置410を用いて、配車キャンセル指示を車両100に送信する(ステップS217)。また、配車管理部433は、通信装置410を用いて、配車がキャンセルされたことを施設端末200に送信する(ステップS218)。ここで、配車管理部433は、配車の予約の変更指示を利用者端末300から受信し、変更内容を車両100および施設端末200に送信してもよい。また、配車管理部433は、配車キャンセルや配車の予約変更とともに、施設への予約キャンセルや予約の変更の指示を、通信装置410を用いて利用者端末300から受信し、その旨を施設端末200に転送してもよい。
【0099】
一方、ステップS216において、配車管理部433により配車キャンセル指示等を受信していないと判定された場合、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて利用者端末300から、乗車完了を示す移動ステータスを受信したか否かを判定する(ステップS219)。乗車完了を示す移動ステータスを受信していないと判定した場合、ステータス管理部435は、ステップS212に戻って処理を繰り返す。
【0100】
ステップS219において、乗車完了を示す移動ステータスを受信したと判定した場合、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて施設端末200に、利用者全員が車両100に乗車したことを送信する(ステップS220)。次いで、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて車両100から受信したステータス情報や利用者情報に基づいて、乗車員人数と予定人数とが同一か否かを判定する(ステップS221)。乗車人数と予約人数とが同一でない場合、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて施設端末200に、予約人数を乗車人数に変更することを送信する(ステップS222)。
【0101】
次いで、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて車両100から、ステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS223)。ステータス情報を受信したと判定した場合、ステータス管理部435は、受信したステータス情報に基づいて、目的地までの到着目標時刻が予約時刻よりも遅れているか否かを判定する(ステップS224)。到着目標時刻が予約時刻よりも遅れていると判定した場合、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて施設端末200に、車両100の移動状況を送信する(ステップS225)。
【0102】
次いで、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて車両100から、オーダー指示を受信したか否かを判定する(ステップS226)。オーダー指示を受信したと判定した場合、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて施設端末200に、オーダー指示を送信する(ステップS227)。
【0103】
次いで、ステータス管理部435は、通信装置410を用いて車両100から、目的地に到着したことを示すステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS228)。目的地に到着したことを示すステータス情報を受信したと判定した場合、ステータス管理部435は、配車ステータス情報423および移動ステータス情報425の配車ステータスを移動完了に書き換えるとともに、通信装置410を用いて施設端末200に、目的地に到着したことを送信する(ステップS229)。
【0104】
次に、
図18を参照して、配車システム1の概要について説明する。
図18は、配車システム1を利用した例について説明するための図である。
図18に示す例では、ホテル530への宿泊と、レストラン540への食事予約と、空港520からホテル530への送迎車と、ホテル530からレストラン540への送迎車とが予約されているとする。
【0105】
(1)まず、利用者U1が、自宅510において、利用者端末300を用いて、施設予約情報と配車予約情報とを送迎管理装置400に送信し、施設と送迎車の予約をとる。
(2)送迎管理装置400は、配車タイミングになった場合、予め割り当てられている車両100Aを、ピックアップ位置である空港520へ向かわせる。
(3)車両100Aは、移動状況等のステータス情報を取得し、送迎管理装置400に通知する。
(4)空港520への車両100Aの到着が遅れる場合、送迎管理装置400は、その旨をホテル530の施設端末200と利用者U1の利用者端末300に通知する。例えば、利用者端末300から送迎管理装置400に対して、配車のキャンセルが指示された場合、送迎管理装置400は、車両100Aに対して配車キャンセルを通知し、車両ステーションに向かうよう指示するとともに、その旨をホテル530の施設端末200に通知する。
【0106】
(5)車両100Aは、空港520に到着した場合、到着したことや駐車している場所を示す情報等を、利用者U1の利用者端末300および送迎管理装置400に通知する。
送迎管理装置400は、受信した内容を、ホテル530の施設端末200に転送する。そして、利用者U1が車両100Aに乗車した後、車両100Aは、ホテル530に向かって出発する。
(6)車両100Aは、利用者U1が乗車したことやその他の移動状況等を、送迎管理装置400に通知する。送迎管理装置400は、受信した内容を、ホテル530の施設端末200に転送する。
(7)ホテル530への車両100Aの到着が遅れる場合、送迎管理装置400は、その旨をホテル530の施設端末200に通知する。
(8)車両100Aは、ホテル530に到着した場合、到着したことや、利用者U1が降車したことを示す情報等を、送迎管理装置400に通知する。送迎管理装置400は、受信した内容をホテル530の施設端末200に転送する。
(9)車両100Aは、車両ステーションや次の配車予約のピックアップ位置へ向かって移動する。
【0107】
(10)その後、送迎管理装置400は、レストラン540の予約時間に合わせて車両100Bを配車し、車両100Bがピックアップ位置であるホテル530に向かっていることを利用者端末300に通知する。車両100Aは、ホテル530に移動しながら、移動状況を取得し、送迎管理装置400に通知する。ホテル530への到着が遅れる場合、送迎管理装置400は、その旨を利用者端末300に通知する。
(11)車両100Bは、ホテル530に到着した場合、到着したことや駐車している場所を示す情報等を、利用者端末300および送迎管理装置400に通知する。そして、利用者U1が車両100Bに乗車した場合、車両100Bは、レストラン540に向かって出発する。
(12)車両100Bは、利用者U1が乗車したことやその他の移動状況等を、送迎管理装置400に通知する。
【0108】
(13)レストラン540への車両100Bの到着が遅れる場合や、オンラインメニューのオーダー指示を受け付けた場合、送迎管理装置400は、その旨を施設端末200に通知する。
(14)車両100Bは、レストラン540に到着した場合、到着したことや、利用者U1が降車したことを示す情報等を、送迎管理装置400に通知する。
(15)車両100Bは、車両ステーションや次の配車予約のピックアップ位置へ向かって移動する。
【0109】
次に、
図19を参照して、配車システム1の他の例について説明する。
図19は、配車システム1を利用した他の例について説明するための図である。
図19に示す通り、車両100Cは、複数のピックアップ位置P1,P2,P3で利用者を乗車させ、目的地に向かってもよい。
【0110】
以上説明した第1の実施形態によれば、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成し、車両を予約する配車予約部432と、送迎スケジュールに従って、配車予約部432により予約された車両を配車する配車管理部433と、を備えることにより、予約された施設と連動した送迎サービスを提供することができる。
【0111】
利用者は、送迎管理装置400により施設予約情報に基づいて作成された送迎スケジュールに従って、施設予約に合わせた配車予約をすることができるため、施設までの移動手段を確保することができる。また、施設予約情報に基づいて送迎スケジュールが作成されるため、配車予約のための詳細情報を入力しなくてもよく、利用者の手間を軽減させることができる。また、施設側としても、サービスの一部として送迎車を提供することにより、集客力を高めることができ、利用者側としても、移動手段のコストを抑えることができる。
【0112】
利用者は、移動中の車両100から、車両の配車状況や遅れ状況等を取得することにより、配車状況や遅れ状況を確認して、その後の行動を決定することができる。
【0113】
施設側は、移動中の車両100から、利用者の乗車状況や車両100の遅れ状況、到着目標時刻等の移動状況を取得することにより、利用者の到着に合わせて利用者を迎える準備をすることができ、サービスを向上させることができる。
【0114】
利用者は、送迎車が遅れる場合、施設の予約や送迎車の予約を簡単に変更あるいはキャンセルすることができる。
【0115】
利用者は、移動中の車両100から人数変更やオーダーをすることができるため、施設の到着した後にオーダーするよりも、待ち時間を短縮することができる。また、施設側としても、事前に人数変更やオーダーを受け付けることにより、利用者をスムーズに案内することができる。また、車両100から利用者からオーダーを受け付けた場合、施設側は、事前オーダーをしている利用者を優先的に案内してもよい。
【0116】
施設側は、移動中の車両100から、利用者情報を取得することにより、利用者の属性に応じたサービスを提供することができる。例えば、利用者の人数、性別、年齢に応じた席を用意したり、利用者の好みに応じた商品やサービスを提供したりすることができる。
【0117】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態の送迎管理装置400Aについて説明する。以下の説明において、第1の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。
【0118】
以下では、送迎管理装置400および施設端末200の一部または全部の利用権限を有するサービス提供者によって、車両100による利用者の送迎が包括的に管理される例を用いて説明する。なお、送迎管理装置400Aは、例えば、送迎管理装置400、サービス提供者装置600、サービス管理装置700、および車両管理装置910からなる。
【0119】
[サービス提供者]
サービス提供者は、送迎前または送迎途中のタイミングで、利用者に送迎以外の付加サービスを提供する。サービス提供者は、
図18に示す例において、空港520、ホテル530、およびレストラン540等の施設側の担当者であってもよいし、車両100の管理者であってもよい。また、サービス提供者は、付加サービスの提供に加え、車両100、空港520、ホテル530、レストラン540等の予約スケジュールを仲介し、包括的に管理する仲介業者であってもよい。
【0120】
サービス提供者の提供する付加サービスとは、例えば、利用者が車両100で移動中に享受できる商品またはサービスであってもよいし、利用者の送迎途中に店舗等のサービス提供箇所に立ち寄る必要があってもよい。移動中に享受できる商品またはサービスとは、例えば、有料情報番組の視聴や、車両100の車内で実施可能なマッサージである。また、サービス提供者は、移動中に享受できる商品またはサービスの提供のために、サービス提供担当者を車両100に派遣してもよい。また、サービス提供装置を車両100に設置してもよい。サービス提供装置は、例えば、マッサージ装置である。サービス提供装置は、車両100に搭載可能な大きさの自動販売機であってもよい。
【0121】
また、サービス提供者は、利用者情報取得部175の取得する利用者情報に基づいて、提供可能なサービスを車両100に乗車中の利用者に提案してもよい。サービス提供者は、例えば、利用者情報取得部175の取得する利用者情報を解析した結果、利用者の具合が悪そうであると解析した場合、サービス提供装置から薬等を提供してもよい。また、サービス提供者は、入出力部171に近隣の休憩スポットや、医療機関、ドラッグストア等に立ち寄ることを利用者に対する提案する表示や音声を再生させてもよい。
【0122】
利用者は、サービス提供者によって提供される付加サービスを車両100の乗車前(例えば、配車予約時)に発注してもよいし、車両100に乗車中に発注してもよい。
【0123】
オーダー取得部176は、入出力部171等を介して利用者による付加サービスの発注を受け付けると、付加サービスを管理するサービス提供者装置600に発注内容を送信する。
【0124】
[サービス提供者装置]
図20は、サービス提供者装置600の機能構成図である。サービス提供者装置600は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、利用者およびサービス管理者からの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置600は、例えば、通信部610と、受注処理部620と、状態管理部630と、記憶部650(不図示)とを備える。
【0125】
通信部610は、ネットワークNWを介して送迎管理装置400などと通信する。受注処理部620は、利用者からのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部620は、サービス発注の内容が、既に送迎管理装置400に送信済のサービス提供情報であるか否かを判定し、送信済でないと判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部630は、サービス提供者装置600に登録されたサービス提供者の状態(予約状態、稼働状態など)を管理し、サービス提供情報をサービス管理装置700および送迎管理装置400に提供する。サービス管理装置700については後述する。
【0126】
サービス提供者装置600は、例えば、以下のような内容を含むサービス提供情報をサービス管理装置700および送迎管理装置400に送信する。サービス提供情報は、サービス提供者が受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・識別ID(サービス提供者を識別するID)
・利用者ID
・必要車両コンパートメント情報(サービス提供に要する車内利用空間の情報)
・施設位置情報
・サービス提供地点情報(対象施設情報)
・サービス提供時刻情報(予約情報)
・利用者ピックアップ位置
・サービスステータス情報(サービス提供者が提供するサービスの実行状況・進捗に対応する情報)
・利用者設定情報(例えば、サービスへの入力・備考等の追加情報)
【0127】
なお、サービスステータス情報とは、例えば、車両100内で実施する複数の付加サービスのそれぞれの実施状況に対応し、進行パーセントがどの程度か、残時間が何分かといった進捗度合いである。また、サービスステータス情報は、「提供前、提供中、提供終了」といった状態を示す値で示されてもよい。
【0128】
なお、サービス提供者装置600の通信部610は、通信結果に応じて、入出力部171等の表示装置に表示内容を切り替えさせてもよい。サービス提供者装置600は、例えば、サービス提供の開始時刻が近づいていることや、サービス提供を開始したことを入出力部171に表示させる。
【0129】
[サービス管理装置]
図21は、サービス管理装置700の機能構成図である。サービス管理装置700は、例えば、通信部710と、サービス情報取得部720と、車両特定部730と、プラン決定部740と、経路指示部750と、認証部760と、判定部770と、記憶部800とを備える。通信部710および記憶部800を除く構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部800は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
【0130】
通信部710は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部710は、ネットワークNWを介して車両100の配車管理ユニット170等の通信装置、サービス提供者装置600、サービス管理装置700、車両管理装置910等と、サービス管理装置700が提供する専用のAPI(Application Programming Interface)を介して通信する。専用のAPIによって提供される利用者に関する情報には、利用者の個人情報(例えば、氏名等)は含まれず、例えば、車両100の識別情報を利用者IDとしてもよい。
【0131】
サービス情報取得部720は、通信部710を介して、車両100の配車管理ユニット170等の通信装置からサービス情報を取得する。サービス情報とは、例えば、以下に示すようなサービス利用依頼情報である。
[サービス利用依頼情報]
・利用者ID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報
・利用者の希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
【0132】
また、サービス情報取得部720は、サービス提供者装置600からサービス提供情報を取得してもよい。サービス情報取得部720は、サービス提供情報のうち、サービス提供地点に対応した地点情報、およびサービス提供者の識別情報、サービス提供者の利用者の識別情報を取得して、プラン決定部740に出力する。
【0133】
車両特定部730は、サービス利用依頼情報と車両情報に基づいて、利用可能な車両100を特定し、利用可能車両情報820を生成する。具体的に、車両特定部730は、サービス利用依頼情報に含まれる利用希望空間(コンパートメント)情報、利用希望区間情報、サービス利用の時間帯の情報と、車両情報に含まれる位置情報、コンパートメント利用状況とを比較し、位置情報とコンパートメント利用状況とが、サービス利用依頼情報に含まれる条件を満たす車両を、利用可能な車両100として特定する。
【0134】
プラン決定部740は、利用可能車両情報820およびサービス提供情報に基づいて、利用者が享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報を利用者の車両100の配車管理ユニット170に提供する。
【0135】
より具体的に、プラン決定部740は、利用可能車両情報820およびサービス提供情報に基づいて、サービス提供者が車両100の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有する区間を設定し、サービス利用依頼情報における利用希望区間情報を設定する。
【0136】
また、プラン決定部740は、ある利用者に対して、複数のサービス提供者が順次サービスを提供する場合、複数のサービス提供者のそれぞれに対応して区間を設定してもよい。
【0137】
プラン決定部740は、例えば、アクセスポイント取得部742を備える。アクセスポイント取得部742は、アクセスポイントを取得する。アクセスポイントとは、例えば、利用者が付加サービスを利用する位置や、付加サービスを受けるために利用者またはサービス提供担当者が乗降車する位置である。アクセスポイント取得部742の取得するアクセスポイントは、実測位置情報(緯度、経度、高度)であってもよいし、推定された位置情報であってもよい。
【0138】
他の機能として、プラン決定部740は、車両100を用いた利用者からの指示に応じて、利用区間が車両外でのサービス提供地点で終了するように、利用区間を更新してもよい。この場合、プラン決定部740は、車両100を用いた利用者からの指示に応じて(あるいは自動的に)運行プランを決定し、通信部710を用いて、車両外でのサービス提供地点に存在する施設に対して予約情報を送信し、通信部710によって予約結果を受信すると共に、通信部710を用いて予約結果を利用者の車両100に送信してもよい。
【0139】
また、プラン決定部740は、利用者が付加サービスを発注することにより、施設への到着目標時刻の変更を要する場合には、通信部710を介して施設端末200および送迎管理装置400に到着目標時刻変更の調整を送信する。この際にプラン決定部740が行う処理は、送迎管理装置400のステータス管理部435による到着時刻あるいは目的地への到着時刻が遅れている場合に行う処理と同様のため、処理の詳細の説明は割愛する。
【0140】
経路指示部750は、通信部710に、利用者の利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者の利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両100に送信させることで、車両100が走行すべき経路を車両100に指示する。
【0141】
認証部760は、配車管理ユニット170との通信による利用者の認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
【0142】
判定部770は、利用者と、サービス提供者のそれぞれについて、車両100を利用しているか否かを判定する。
【0143】
プラン決定部740は、判定部770の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部740は、判定部770により利用者とサービス提供者の双方が車両100を利用していると判定した場合のみ、サービス提供区間の変更を受け付ける(更新する)ようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者が利用者に提案して経由地を追加したり、車両100側に提供する情報に基づいて付加サービス提供のため最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部740は、サービス情報取得部720がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部770が、利用者が既に車両100を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両100を優先的に利用者に割り当てるようにしてもよい。
【0144】
記憶部800には、登録された利用者に関する利用者情報810、前述した利用可能車両情報820の他、サービス管理情報830が格納される。サービス管理情報830は、例えば、サービス依頼管理情報832と、予約管理情報834と、実行中サービス管理情報836とを含む。サービス依頼管理情報832には、サービス情報取得部720により取得されたサービス利用依頼情報のそれぞれがレコードとして登録される。予約管理情報834には、予約利用区間、予約利用時間帯、経由地、経由地予定到着時刻などの情報が、サービスごとに格納される。実行中サービス管理情報836には、サービスステータス情報やサービス属性、サービス提供者ID(サービス提供者の識別情報)などの情報が登録される。サービス属性とは、例えば、サービス提供者から情報を受け取る利用者およびサービス管理装置700からみたときに、サービス提供者が提供可能なサービスを区分した情報で、例えばサービス提供者の業態(飲食、小売など)や、費用区分のランク等を示す値である。
【0145】
実行中サービス管理情報836の保持するサービスステータス情報は、例えば、認証部760によってサービス開始のための認証処理が行われるタイミングで更新される。サービス管理装置700は、サービス管理情報830を管理することで、車両100の利用者の状態(例えば、入出力部171の取得した利用者情報)と、車両100の運行計画に対する状態を包括的に管理することができる。また、判定部770は、サービスステータス情報から、利用者の利用情報および車両100の運行情報から判定される状態属性(例えば、利用者が到着時刻を優先して付加サービスの享受をあきらめた等の情報)を判定結果としてもよい。
【0146】
また、利用者の利用情報および車両100の運行情報から判定される状態属性には、付加サービスを含む運行プランに対しての進捗に基づいて決定される到着度合い(例えば、予定より早い、定刻、予定より遅れる)に加え、車両100のセンシングデータに基づいて決定される周辺環境および運転状態の属性(例えば、雨天、渋滞、通行規制、低SoC(State Of Charge)、故障、事故)等を示す値が含まれる。
【0147】
[車両管理装置]
図22は、車両100に搭載される車両管理装置910の機能構成図である。車両管理装置910は、例えば、通信部920と、認証部930と、車両管理部950とを備える。
【0148】
通信部920は、無線通信装置である。通信部920は、ネットワークNWを介してサービス管理装置700と通信する。認証部930は、サービス管理装置700の指示により、サービス開始のための認証処理を行う。
【0149】
車両管理部950は、例えば、利用状況検知部952と、利用許可部954と、認証部956とを備える。車両100には、利用者が利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられており、利用状況検知部952は、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部952は、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。車両100は、普通乗用車に限らず、トレーラー、バス、マイクロバスなど、車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部954は、例えば、認証部956による認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部956は、乗車してくるサービス提供者の本人確認等の認証を行う。
【0150】
車両管理装置910は、例えば、以下のような内容を含む車両情報をサービス管理装置700に送信する。
[車両情報]
・車両ID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態など)
・サービス提供者の情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
【0151】
図22は、配車システム1Aにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の例において、サービス提供者により乗車中に付加サービスが発注され、利用者が設定した当初の目的地とは異なる目的地(付加サービス提供位置)で利用者が降車する例を用いて処理の流れを説明する。
【0152】
まず、利用者は、車両100の入出力部171をサービス管理装置700の認証部760に対してユーザ認証を行う(ステップS300)。次に、利用者は、サービス利用依頼情報をサービス提供者装置600に送信する(ステップS301)。サービス提供者装置600は、受信したサービス利用依頼情報を解釈し(ステップS302)、解釈したサービス利用依頼情報に基づいて予約情報をサービス管理装置700に送信する(ステップS303)。
【0153】
サービス管理装置700は、サービス提供者装置600により送信された予約情報に基づいて、配車サービスの受注処理を行い、受注情報を車両管理装置910に送信する(ステップS304)。車両管理装置910は、受信した受注情報に基づいて、送迎管理装置400に送迎予約を生成させる(ステップS305)。
【0154】
サービス管理装置700は、受注情報に基づいて利用者に配車サービスを開始し(ステップS306)、サービス開始したことをサービス提供者装置600および車両管理装置910に送信する。車両管理装置910は、サービス開始を認識し、専用APIを用いて車両100等に通知する(ステップS307)。
【0155】
サービス提供者装置600は、車両100の配車情報を取得・更新することを開始する(ステップS308)。車両100は、ピックアップ位置付近への移動を開始する(ステップS309)。サービス管理装置700は、ピックアップ位置を確定し、サービス提供者装置600に送信する(ステップS310)。サービス提供者装置600は、車両100にピックアップ位置を通知し(ステップS312)、車両管理装置910を介して入出力部171への表示制御指示を送信する(ステップS313)。車両管理装置910は、入出力部171への車両表示を切り替える(ステップS314)。
【0156】
車両管理装置910は、ピックアップ位置で利用者の車両100への乗車を許可し(ステップS315)、利用者は車両100に乗車する(ステップS316)。サービス提供者装置600は、車両ステータス情報を更新し(ステップS317)、車両管理装置910はセンサ情報を更新する(ステップS318)。
【0157】
サービス提供者装置600は、提供可能な付加サービスに関する情報を生成し入出力部171等に出力する(ステップS319)。利用者は、付加サービスを選択し発注する(ステップS320)。サービス提供者装置600は、車両ステータスおよび提供する付加サービスに関するサービス利用依頼情報を更新して、更新内容をサービス管理装置700に送信する(ステップS321)。
【0158】
サービス管理装置700は、付加サービスの提供に伴う経路および目的地の変更に伴う処理を行い、処理結果を車両管理装置910に送信する(ステップS322)。
【0159】
車両管理装置910は、目的地に到着したことをサービス提供者装置600に通知する(ステップS323)。利用者は、車両100を降車する(ステップS324)。サービス提供者装置600は、利用者への付加サービスの提供を開始する(ステップS325)。以上、本フローチャートの処理を終了する。
【0160】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0161】
例えば、ステータス管理部435は、配車キャンセルを確認するための情報とともに、配車変更を受け付けるための情報を、通信装置410を用いて利用者端末300に送信してもよい。そして、利用者は、利用者端末300に対して、例えば、ピックアップ位置の変更指示を送迎管理装置400に通知してもよい。送迎管理装置400のステータス管理部435は、変更されたピックアップ位置を車両100に通知し、経路変更を指示したり、変更内容を利用者端末300に送信したりしてもよい。
【0162】
また、送迎管理装置400の全部または一部の構成は、車両100に搭載されていてもよい。これにより、例えば、利用者が利用者端末300を用いて、直接車両100に対して送迎を依頼することができる。また、依頼された車両100が送迎できない場合、車両100は、他の車両100に送迎依頼を転送してもよい。
【0163】
また、送迎管理装置400は、利用者により利用者端末300を用いて指定されたピックアップ位置への到着時刻や目的地への到着時刻を受信した場合、これらの情報と施設予約情報とに基づいて、送迎スケジュールを作成してもよい。
【0164】
また、利用者端末300は、GNSS受信機360により測位された利用者の位置を示す情報を定期的に送迎管理装置400に送信してもよい。送迎管理装置400は、受信した情報に基づいて、利用者の現在位置と車両100の現在位置とをトラッキングして、ピックアップ位置を利用者と車両100との合流位置に設定したり、設定されたピックアップ位置を利用者と車両100との合流位置に変更したりしてもよい。また、車両100は、送迎管理装置400から受信した利用者の位置情報と、自車両の位置情報とに基づいて、利用者と車両100との合流位置をピックアップ位置に設定し、自車両の経路を設定してもよい。
【0165】
また、利用者端末300は、さまざまな操作により配車キャンセル指示を受け付けることができる。例えば、利用者端末300は、配車キャンセルを確認するための情報を受信し、出力部330を用いて利用者に報知する。その後、利用者端末300は、入力部320を用いて利用者から延長指示や配車キャンセル指示等を受け付けてもよく、一定時間内に入力部320を用いてなんら指示が入力されない場合には、施設予約と配車予約の両方を受け付けてもよい。
【0166】
また、復路の配車も予約している場合、利用者は、ピックアップ位置への到着時刻を事前に予約しておいてもよく、施設を出る際に利用者端末300を用いて送迎管理装置400に迎車を依頼してもよい。
【0167】
また、送迎管理装置400は、配車タイミングの前において、送迎スケジュールの内容が類似する利用者がいる場合、同一車両を用いて、異なるグループの利用者を同乗させる送迎スケジュールを再構成し、車両100を配車してもよい。例えば、同じ便で同じ空港に到着した利用者を同じホテルに送迎する場合や、同じホテルから近くの別のレストランに送迎する場合などである。このように車両100で相乗りを実現することにより、施設側は、配車のコストを抑えることができる。この場合、施設側は、利用者に対して、インセンティブを提供してもよい。
【0168】
また、サービス管理装置700が、送迎管理装置400に代わり配車予約を管理してもよいし、送迎管理装置400およびサービス管理装置700の両者が配車予約を管理してもよい。
【符号の説明】
【0169】
1…配車システム、100…車両、110…外界監視ユニット、120…通信装置、130…ナビゲーション装置、140…推奨車線決定装置、150…自動運転制御ユニット、160…駆動力出力装置、162…ブレーキ装置、164…ステアリング装置、170…配車管理ユニット、171…入出力部、172…記憶部、173…配車制御部、174…ステータス取得部、175…利用者情報取得部、176…オーダー取得部、200…施設端末、210…通信装置、220…入力部、230…出力部、240…記憶部、250…制御部、300…利用者端末、310…通信装置、320…入力部、330…出力部、340…記憶部、350…制御部、360…GNSS受信機、400…送迎管理装置、410…通信装置、420…記憶部、430…制御部、431…施設予約部、432…配車予約部、433…配車管理部、434…取得部、435…ステータス管理部、600…サービス提供者装置、610…通信部、620…受注処理部、630…状態管理部、650…記憶部、700…サービス管理装置、710…通信部、720…サービス情報取得部、730…車両特定部、740…プラン決定部、742…アクセスポイント取得部、750…経路指示部、760…認証部、770…判定部、800…記憶部、810…利用者情報、820…利用可能車両情報、830…サービス管理情報、830…サービス管理情報、832…サービス依頼管理情報、834…予約管理情報、836…実行中サービス管理情報、900…車両管理装置、910…車両管理装置、910…車両管理装置、920…通信部、930…認証部、950…車両管理部、952…利用状況検知部、954…利用許可部、956…認証部