(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】送信局検出装置、送信局検出方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20221209BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2020013918
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2021-11-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、総務省「異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】松野 宏己
(72)【発明者】
【氏名】林 高弘
(72)【発明者】
【氏名】天野 良晃
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151007(JP,A)
【文献】特開2019-148577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0199161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - G01S 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出部と、
特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出部により算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出部と、
を備える送信局検出装置。
【請求項2】
隣り合うサブエリアにおいて、各サブエリア内の前記複数の電波センサーは1個以上が異なる電波センサーである、
請求項1に記載の送信局検出装置。
【請求項3】
サブエリア内に一定数以上の前記複数の電波センサーが存在する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の送信局検出装置。
【請求項4】
サブエリアのサイズは、前記探索エリア内の前記複数の電波センサーの個数に応じて決定された、
請求項3に記載の送信局検出装置。
【請求項5】
送信局検出装置が、送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出ステップと、
前記送信局検出装置が、特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出ステップにより算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出ステップと、
を含む送信局検出方法。
【請求項6】
コンピュータに、
送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出ステップと、
特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出ステップにより算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信局検出装置、送信局検出方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信に利用可能な周波数帯の電波を送信する送信局(波源)の位置を推定する波源位置推定技術が、例えば非特許文献1に記載されている。非特許文献1に記載された波源位置推定技術では、送信局から送信される電波の受信信号強度(Received Signal Strength Indicator:RSSI)を検出する複数の端末(センサーノード)を探索エリアに配置し、各端末の位置を各端末で検出されたRSSIで重み付けて平均したRSSI重心を算出し、算出されたRSSI重心を送信局の推定位置としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】和高拓也,前山利幸,松野宏己,新保宏之、「移動分散モニタリングにおける電波利用領域の推定に関する一検討」、2016年電子情報通信学会総合大会、B-17-11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した非特許文献1に記載された波源位置推定技術では、探索エリア内に送信局が存在しない場合であっても探索エリア内のRSSI重心が算出されるために、算出されたRSSI重心に送信局が実在するか否かを別途判別する必要があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、RSSI重心等の電力重心に基づいて探索エリア内に送信局が存在することを検出することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出部と、特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出部により算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出部と、を備える送信局検出装置である。
(2)本発明の一態様は、隣り合うサブエリアにおいて、各サブエリア内の前記複数の電波センサーは1個以上が異なる電波センサーである、上記(1)の送信局検出装置である。
(3)本発明の一態様は、サブエリア内に一定数以上の前記複数の電波センサーが存在する、上記(1)又は(2)のいずれかの送信局検出装置である。
(4)本発明の一態様は、サブエリアのサイズは、前記探索エリア内の前記複数の電波センサーの個数に応じて決定された、上記(3)の送信局検出装置である。
【0007】
(5)本発明の一態様は、送信局検出装置が、送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出ステップと、前記送信局検出装置が、特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出ステップにより算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出ステップと、を含む送信局検出方法である。
【0008】
(6)本発明の一態様は、コンピュータに、送信局から送信される電波の電力を検出する複数の電波センサーの各位置を各前記電波センサーが検出した前記電力で重み付けて平均した電力重心を算出する電力重心算出ステップと、特定の探索エリア内に配置される複数のサブエリアであって隣り合うサブエリアの一部が重複する複数のサブエリア毎にサブエリア内の前記複数の電波センサーを対象にして前記電力重心を前記電力重心算出ステップにより算出し、隣り合うサブエリアが同じ前記電力重心であるか否かを判断し、同じ前記電力重心であると判断された隣り合うサブエリアに送信局が存在すると判断する検出ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、RSSI重心等の電力重心に基づいて探索エリア内に送信局が存在することを検出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る送信局検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る電力重心算出方法を説明するための説明図である。
【
図3】一実施形態に係る送信局検出処理を説明するための説明図である。
【
図4】一実施形態に係る送信局検出処理を説明するための説明図である。
【
図5】一実施形態に係る送信局検出処理を説明するための説明図である。
【
図6】一実施形態に係る送信局検出方法の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、下付き文字の「a」を「_a」と表記することがある。
図1は、一実施形態に係る送信局検出装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、送信局検出装置10は、電力重心算出部11と、検出部12とを備える。
【0012】
送信局検出装置10の各機能は、送信局検出装置10がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、送信局検出装置10として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、送信局検出装置10は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、送信局検出装置10の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0013】
電力重心算出部11は、送信局から送信される電波の電力(以下、送信局電力と称する)を検出する複数の電波センサーの各位置を各該当電波センサーが検出した送信局電力で重み付けて平均した電力重心を算出する。
【0014】
ここで、
図2を参照して、本実施形態に係る電力重心算出方法を説明する。
図2において、探索エリア100には、複数(N個)の電波センサーSEが配置されている。ここでは、説明の便宜上、探索エリア100全体を電力重心の算出対象エリアとする。電力重心算出部11は、次の(1)式により、電力重心Gの座標(x_G,y_G)を算出する。
【0015】
【0016】
上記(1)式において、座標(x_n,y_n)はn番目の電波センサーSEの座標である。「1≦n≦N、Nは2以上の整数」である。P_nは、n番目の電波センサーSEが検出した送信局電力である。
【0017】
本実施形態の一例として、送信局電力はRSSI(受信信号強度)である。送信局電力がRSSIである場合、電波センサーSEは送信局から送信される電波のRSSIを検出する。この場合、上記(1)式において、P_nはn番目の電波センサーSEが検出したRSSIであり、座標(x_G,y_G)はRSSI重心である。
【0018】
説明を
図1に戻す。
送信局検出装置10には、電波センサー情報20が入力される。電波センサー情報20は、探索エリア100内のN個の各電波センサーSEの位置(座標(x_n,y_n))及び送信局電力P_nを示す情報である。
【0019】
検出部12は、電波センサー情報20を使用して、特定の探索エリア100に送信局が存在するか否かを判別するための送信局検出処理を実行する。
【0020】
ここで、
図3,
図4,
図5を参照して、本実施形態に係る送信局検出処理を説明する。
図3に例示されるように、探索エリア100内に複数のサブエリアSbを設ける。サブエリアSbは、探索エリア100よりも小さいサイズ「r×r」の矩形である。
図3には、9個のサブエリアSb-1,Sb-2,・・・,Sb-9が配置されている。隣り合うサブエリアSbの一部が重複するように配置される。
図3の例では、隣り合うサブエリアSb(Sb-m,Sb-(m+1)、1≦m≦9)は、一方のサブエリアSb-nの位置から、もう一方のサブエリアSb-(n+1)をスライド量ΔRだけx軸方向にスライドさせた配置になっている。例えば、サブエリアSb-2は、サブエリアSb-1の位置からスライド量ΔRだけx軸方向にスライドさせた配置になっている。同様に、サブエリアSb-3は、サブエリアSb-2の位置からスライド量ΔRだけx軸方向にスライドさせた配置になっている。つまり、サブエリアSb-(m+1)は、サブエリアSb-mの位置からスライド量ΔRだけx軸方向にスライドさせた配置になっている。
【0021】
なお、スライド量ΔRは、サブエリアSbの一辺のサイズrの半分「r/2」よりも短い長さであってもよい。
【0022】
検出部12は、9個のサブエリアSb-m毎に、サブエリアSb-m内の複数の電波センサーSEを対象にして電力重心G-mを電力重心算出部11により算出する。つまり、9個のサブエリアSb-1~9の一つ一つが、電力重心算出部11における電力重心の算出対象エリアとなる。検出部12は、サブエリアSb-1について、サブエリアSb-1内の各電波センサーSEの位置及び送信局電力を電力重心算出部11に通知して、サブエリアSb-1の電力重心G-1を算出させる。同様に、検出部12は、サブエリアSb-2について、サブエリアSb-2内の各電波センサーSEの位置及び送信局電力を電力重心算出部11に通知して、サブエリアSb-2の電力重心G-2を算出させる。つまり、検出部12は、サブエリアSb-mについて、サブエリアSb-m内の各電波センサーSEの位置及び送信局電力を電力重心算出部11に通知して、サブエリアSb-mの電力重心G-mを算出させる。サブエリアSb-m内の各電波センサーSEの位置及び送信局電力は、電波センサー情報20に含まれている。電力重心算出部11は、サブエリアSb-m内の各電波センサーSEの位置及び送信局電力を使用して、上記(1)式によりサブエリアSb-mの電力重心G-mを算出する。
【0023】
検出部12は、9個のサブエリアSb-1~9の各電力重心G-1~9の座標(x_G,y_G)を電力重心算出部11から受け取る。検出部12は、隣り合うサブエリアSb(Sb-m,Sb-(m+1))が同じ電力重心であるか否かを判断する。検出部12は、同じ電力重心であると判断された隣り合うサブエリアSb(Sb-m,Sb-(m+1))に送信局が存在すると判断する。
【0024】
図4には、9個のサブエリアSb-1~9のいずれにも送信局が存在しない場合が例示されている。
図4において、9個のサブエリアSb-1~9の全ての電力重心G-1~9が異なっている。したがって、全ての隣り合うサブエリアSb(Sb-m,Sb-(m+1))において、電力重心は異なる。
【0025】
図5には、隣り合うサブエリアSb(Sb-5,Sb-6)に送信局Sndが存在する場合が例示されている。
図5において、サブエリアSb-5の電力重心G-5とサブエリアSb-6の電力重心G-6とが同じであると判断される。これにより、検出部12は、同じ電力重心であると判断された隣り合うサブエリアSb(Sb-5,Sb-6)に送信局Sndが存在すると判断する。
【0026】
なお、
図3,
図4,
図5には、x軸方向にスライド量(ΔR=「Δ_R,x」)ずつスライドさせた各サブエリアSb-mの配置が示されているが、同様にy軸方向にスライド量「Δ_R,y」ずつスライドさせた各サブエリアSbが設けられてもよい。検出部12は、y軸方向にスライド量「Δ_R,y」ずつスライドさせた各サブエリアSbに対しても、同様に、各電力重心Gを電力重心算出部11により算出し、算出された各電力重心Gに基づいて送信局の有無を判断してもよい。
【0027】
(同一電力重心判断方法)
ここで、隣り合うサブエリアSbが同じ電力重心であるか否かを判断する同一電力重心判断方法を、例1,例2を挙げて説明する。以下に説明される同一電力重心判断方法の例1,例2のいずれが適用されてもよい。
【0028】
(同一電力重心判断方法の例1)
同一電力重心判断方法の例1では、隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bの各電力重心G-a,G-bが所定サイズの範囲Aに入っている場合に、当該隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bの各電力重心G-a,G-bが同じであると判断する。同一電力重心判断方法の例1において、サブエリアSb-bは、サブエリアSb-aを、x軸方向とy軸方向とのうち少なくとも一方に一定のスライド量だけスライドさせた配置のものである。例えば、
図5に例示されるように、隣り合うサブエリアSb-5,Sb-6の各電力重心G-5,G-6が所定サイズの範囲Aに入っているので、検出部12は電力重心G-5と電力重心G-6とが同じであると判断する。
【0029】
(同一電力重心判断方法の例2)
同一電力重心判断方法の例2では、隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bの各電力重心G-a,G-bについて電力重心の勾配の絶対値Sを次の(2)式により算出し、算出された絶対値Sが0であると判断することができる場合に、当該隣り合うサブエリアSbの各電力重心Gが同じであると判断する。絶対値Sが0であると判断することができる場合とは、「S=0」又は「S≦Th」である。Thは、Sが略0であると判断することができる所定の閾値である。同一電力重心判断方法の例2において、サブエリアSb-bは、サブエリアSb-aを、一定のスライド量(ΔR=(「Δ_R,x」,「Δ_R,y」)だけスライドさせた配置のものである。同一電力重心判断方法の例2では、スライド量ΔRは、x軸方向の成分「Δ_R,x」とy軸方向の成分「Δ_R,y」とを持つ。
【0030】
【0031】
上記(2)式において、「Δ_G,x」は、隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bの各電力重心G-a,G-b間のx軸方向の変動量「(x_G-b)-(x_G-a)」である。「Δ_G,y」は、隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bの各電力重心G-a,G-b間のy軸方向の変動量「(y_G-b)-(y_G-a)」である。電力重心G-aの座標(x_G-a,y_G-a)、電力重心G-bの座標(x_G-b,y_G-b)である。
【0032】
以上が同一電力重心判断方法の例1,例2の説明である。
【0033】
なお、隣り合うサブエリアSb-a,Sb-bにおいて、各サブエリアSb-a,Sb-b内の複数の電波センサーSEは1個以上が異なる電波センサーSEであることが好ましい。これは、サブエリアSb-a内の全ての電波センサーSEと、サブエリアSb-b内の全ての電波センサーSEとが同一であると、サブエリアSb-a,Sb-bに送信局が存在しなくても、サブエリアSb-aの電力重心G-aとサブエリアSb-bの電力重心G-bとが同一になってしまうからである。
【0034】
また、一つのサブエリアSb内に一定数以上の複数の電波センサーSEが存在するように、各サブエリアSbを設定してもよい。これにより、電力重心の精度をある程度以上に保つ効果が得られる。また、一つのサブエリアSb内に一定数以上の複数の電波センサーSEが存在するように各サブエリアSbを設定するために、サブエリアSbのサイズは、探索エリア100内の複数の電波センサーSEの個数(N個)に応じて決定されてもよい。
【0035】
説明を
図1に戻す。
検出部12は、送信局検出情報22を出力する。検出部12は、送信局検出処理を実行した結果、送信局が存在すると判断したサブエリアSbがある場合に、探索エリア100に送信局が存在することを示す送信局検出情報22「送信局あり」を出力する。検出部12は、さらに、送信局が存在すると判断したサブエリアSbを示す「送信局ありサブエリア情報」を送信局検出情報22「送信局あり」に含めてもよい。一方、検出部12は、送信局検出処理を実行した結果、送信局が存在すると判断したサブエリアSbがない場合には、探索エリア100において送信局を発見することができなかったことを示す送信局検出情報22「送信局なし」を出力する。
【0036】
次に
図6を参照して本実施形態に係る送信局検出方法を説明する。
図6は、本実施形態に係る送信局検出方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0037】
(ステップS1) 電波センサー情報20が送信局検出装置10に入力される。送信局検出装置10は、電波センサー情報20から、探索エリア100内のN個の各電波センサーSEの位置(座標(x_n,y_n))及び送信局電力P_nを取得する。
【0038】
(ステップS2) 送信局検出装置10は、探索エリア100内の各サブエリアSbの電力重心Gを算出する。
【0039】
(ステップS3) 送信局検出装置10は、隣り合うサブエリアSbが同じ電力重心であるか否かを判断する。
【0040】
(ステップS4) 隣り合うサブエリアSbが同じ電力重心であると判断された場合(ステップS4,YES)、ステップS5に進む。一方、隣り合うサブエリアSbが同じ電力重心ではないと判断された場合(ステップS4,NO)、ステップS6に進む。
【0041】
(ステップS5) 送信局検出装置10は、同じ電力重心であると判断された隣り合うサブエリアSbに送信局が存在すると判断する。送信局検出装置10は、送信局が存在すると判断したサブエリアSbがある場合に、探索エリア100に送信局が存在することを示す送信局検出情報22「送信局あり」を出力する。送信局検出装置10は、さらに、送信局が存在すると判断したサブエリアSbを示す「送信局ありサブエリア情報」を送信局検出情報22「送信局あり」に含めてもよい。
【0042】
(ステップS6) 送信局検出装置10は、同じ電力重心ではないと判断された隣り合うサブエリアSbには送信局が存在しないと判断する。送信局検出装置10は、送信局が存在すると判断したサブエリアSbがない場合には、探索エリア100において送信局を発見することができなかったことを示す送信局検出情報22「送信局なし」を出力する。
【0043】
上述した実施形態によれば、RSSI重心等の電力重心に基づいて探索エリア内に送信局が存在することを検出することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0045】
また、上述した送信局検出装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0046】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…送信局検出装置、11…電力重心算出部、12…検出部