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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】電極を組み立てるための装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20221209BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20221209BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20221209BHJP
   H01M 4/04 20060101ALN20221209BHJP
   H01M 50/403 20210101ALN20221209BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M10/04 Z
H01M10/0585
H01M4/04 Z
H01M50/403 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020515013
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 IB2018055909
(87)【国際公開番号】W WO2019053530
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】102017000103755
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519293829
【氏名又は名称】マンツ・イタリー・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナンニ ファブリツィオ
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-526133(JP,A)
【文献】特表2013-524431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/04
H01M10/058
H01M10/06-10/34
H01G13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリを形成するための方法を実施するための、電極を組み立てる装置であって、
第1の連続するセパレータストリップ(S1)の連続運動を伴う第1の供給経路、および、第2の連続するセパレータストリップ(S2)の連続運動を伴う第2の供給経路であって、前記経路は、前記第1のストリップ(S1)および前記第2のストリップ(S2)が互いに重ね合わされる動作部分に収束する、供給経路と、
前記第1のストリップ(S1)と前記第2のストリップ(S2)との間に第1の極性を有する、連続した電極を挿入する挿入手段(2)と、
第2の極性を有する一連の電極を、一部分を前記第1のストリップ(S1)の外側に、別の部分を前記第2のストリップ(S2)の外側にして、配置する供給手段(4)と
を備え、
前記方法は、
第1のセパレータストリップ(S1)および第2のセパレータストリップ(S2)を、各々連続的な供給運動によって、前記第1のストリップ(S1)と前記第2のストリップ(S2)とが互いに重ね合わされて、動作部分に収束する経路に沿って供給するステップと、
前記供給するステップ中に、前記2つのストリップ(S1、S2)の間に、第1の極性を有するN個の電極(A1、A2、A3、...、AN)を、前記第1の極性を有する第1の電極(A1)から第1の極性を有する最後の電極(AN)まで漸進的に増大する相互距離(D1、D2、...)をおいて挿入するステップであって、第1の極性を有する第1の電極(A1)と第1の極性を有する第2の電極(A2)との間の距離(D1)が、第1の極性を有する第2の電極(A2)と第1の極性を有する第3の電極(A3)との間の距離(D2)よりも小さく、前記距離(D2)が、第1の極性を有する第3の電極(A3)と第1の極性を有する第4の電極(A4)との間の距離(D3)よりも小さく、以下、第1の極性を有するすべての電極について同様である、挿入するステップと、
第2の極性を有する電極(C1、C2、C3、...)の配置を形成するために、前記供給するステップ中に、前記第2の極性を有する一連の電極(C1、C2、C3、...)を配置するステップであって、前記第2の極性を有する電極(C1、C2、C3、...)が、前記第1のストリップ(S1)の外側と前記第2のストリップ(S2)の外側とに交互に配置され、結果、奇数の順序位置にある第1の極性を有する電極(A1、A3、...)が、前記第1のストリップ(S1)を挟んで第2の極性を有する電極(C1、C3、...)上に重ね合わされ、偶数の順序位置にある第1の極性を有する電極(A2、A4、...)が、前記第2のストリップ(S2)を挟んで第2の極性を有する電極(C2、C4、...)上に重ね合わされる、配置するステップと
を含む、装置。
【請求項2】
前記方法は、
第1の極性を有する電極(A1、A2、A3、...、AN)を挿入するステップ、および、第2の極性を有する電極(C1、C2、C3、...)を配置するステップの後に、積層製品を製造するために、前記第1のストリップ、前記第2のストリップ、ならびに前記第1の極性を有する電極および前記第2の極性を有する電極をともに積層するステップを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1のストリップ(S1)と前記第2のストリップ(S2)とを交互に挿入しながら、前記第2の極性を有する電極(C1、C2、C3、...)と交互に重ね合わされている前記第1の極性を有する電極(A1、A2、A3、...、AN)のスタックを含む巻き製品を製造するように、単一の巻き方向(F)に前記積層製品を巻くステップを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記方法は、
後続の電極アセンブリが形成されることを可能にするために、前記巻き製品を前記積層製品の残りの部分から分離するステップを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記積層するステップが、積層デバイス(5)によって実施され、前記巻くステップが、巻き手段(6)によって実施され、前記分離するステップが、分離デバイス(7)によって実現され、前記分離デバイス(7)は、前記積層デバイス(5)と前記巻き手段(6)との間の連続的な作業ラインに沿って配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の極性を有する電極(A1、A2、A3、...、AN)および前記第2の極性を有する電極(C1、C2、C3)の各々にはタブ(T)が設けられており、前記相互距離(D1、D2、D3、...)は、第1の極性を有する第1の電極(A1)から第1の極性を有する最後の電極(AN)へと漸進的に増加し、結果、前記巻き製品において、巻き中の前記製品の体積の増加を考慮して、同じ極性の電極の前記タブ(T)が互いに重ね合わされる、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の極性を有する電極(A1、A2、A3、...、AN)はアノードを含み、前記第2の極性を有する電極(C1、C2、C3、...)はカソードを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の極性を有する電極(A1、A2、A3、...、AN)の数(N)は、2より大きい、3より大きい、4より大きい、5より大きい、6より大きい、7より大きい、または8より大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記挿入手段は、第1の極性の電極(A1、A2、A3、...)を互いに対して交互の配置で挿入するように構成されている少なくとも2つの個別の挿入デバイス(2)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記挿入手段は、第2の極性の電極(C1、C2、C3、...)を互いに対して交互の配置で配置するように構成されている少なくとも2つの個別の供給デバイス(4)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記2つの供給デバイス(4)の間で、第2の極性を有する電極(C1、C3、C5、...)を前記第1のストリップ(S1)の外側に供給するように構成されている第1の供給デバイス(4)、および、第2の極性を有する電極(C2、C4、C6、...)を前記第2のストリップ(S2)の外側に供給するように構成されている第2の供給デバイス(4)が存在する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のストリップ(S1)、前記第2のストリップ(S2)、前記第1の極性を有する電極、および前記第2の極性を有する電極をともに積層するための前記動作部分上に配置された積層手段(5)を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記積層手段(5)によって出される積層製品を単一の巻き方向(F)に巻き、かつ巻き製品を製造するための、前記動作部分上に配置された巻き手段(6)を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記巻き製品を前記積層製品の残りの部分から分離するための、前記積層手段(5)と前記巻き手段(6)との間で前記動作部分上に配置された分離手段(7)を備える、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための電極を組み立てるための方法および装置に関する。本発明はさらに、特に上記の組み立て方法および/または上記の組み立て装置によって得られる電極アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、排他的ではないが、本発明はリチウム二次電池の製造に適用することができる。
【0003】
特に、スタックワインディング技術による電極アセンブリが参照され、電極(カソードおよびアノード)がセパレータのストリップ上に連続して配置され、その後、電極が、巻いた結果としての製品において、カソードとアノードとが交互になるように互いに積み重ねられるように、巻かれる。各電極にはタブがあり、タブは、巻き製品において、同じ極性の電極のタブに正しく重ね合わされる必要がある。
【0004】
従来技術は、欧州特許出願公開第2750241号明細書を含み、これは、2つの長方形の分離フィルムと共に互いに巻かれて積み重ねられた複数の電極ユニットから成る電極積層体を備える電極アセンブリを示している。
【0005】
米国特許出願公開第2012/033345号明細書および韓国公開特許第2008 0095967号公報は、極性を有する電極が2つのセパレータテープの間に挿入され、反対の極性の電極が2つのセパレータテープの1つの上に配置される電極アセンブリを形成する方法を示す。
【0006】
従来技術のさまざまな態様が改善可能である。
【0007】
第1に、最終製品の高品質を確保すると同時に生産性の高い組み立て方法を提供することが望ましい。
【0008】
第2に、巻き製品の寸法が巻かれる過程において漸進的に大きくなるという事実を考慮して、巻き製品における同じ極性の電極タブが、常に正確かつ精密に相互に重ね合わされることが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、従来技術の前述の問題の1つまたは複数を解決することができる、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための、スタックワインディングによる電極アセンブリを提供することである。
【0010】
1つの利点は、巻き製品において同じ極性の電極タブの正確かつ精密な相互重ね合わせが保証されることである。
【0011】
1つの利点は、生産性の高い電極アセンブリのための装置および/または方法が作られることである。
【0012】
1つの利点は、高品質で高効率の電気エネルギー貯蔵デバイスの製造が可能になることである。
【0013】
1つの利点は、例えば、特にリチウム電池などの電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための、電極を組み立てるための構造的に安価で単純な装置が利用可能になることである。
【0014】
1つの利点は、電気エネルギー貯蔵デバイス、特にリチウム電池の製造コストが削減されることである。
【0015】
1つの利点は、電気エネルギー貯蔵デバイス、特にリチウム電池の実装密度が増大することである。
【0016】
1つの利点は、材料を継続的に前進させて電極アセンブリのプロセスを実施することが可能であることである。
【0017】
1つの利点は、比較的高い体積効率およびエネルギー密度を有する電気エネルギー貯蔵デバイスが提供されることである。
【0018】
1つの利点は、自己支持構造を備えた、特にリチウム電池のための電極アセンブリがもたらされることである。
【0019】
1つの利点は、組み立てられた製品の欠陥(しわなど)のリスクが減ることである。
【0020】
1つの利点は、優れた完全性および安全性を備えた電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリがもたらされることである。
【0021】
そのような目的および利点、ならびにまた他の目的および利点は、添付の請求項のうちの1つまたは複数による方法および/または装置および/またはアセンブリによって達成される。
【0022】
一実施形態において、電極アセンブリを形成する方法は、連続的な供給運動によってセパレータの2つのストリップを供給するステップと、上記2つのストリップの間に、漸進的に増加する相互距離において次々に一連の内側電極(例えば、アノードなど、同じ極性を有する)を挿入するステップと、連続した外側電極(例えば、カソードなど、反対の極性を有する)を、すべて1つのストリップの外側に、または、1つのストリップの外側の電極と、他方のストリップの外側の電極とを交互に配置するステップであって、結果、各内側電極上で、2つのストリップの一方を挟んで単一の外側電極が重ね合わされるように、配置するステップと、ストリップと電極とをともに積層するステップと、積層された製品を単一の巻き方向に巻くステップと、次の電極アセンブリが形成されることを可能にするために、巻き製品を積層された製品の残りの部分から分離するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、非限定的な例として本発明の実施形態を示す添付の図面を参照することにより、よりよく理解し、実施することができる。
図1】本発明による、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための電極を組み立てるのに適した組み立て装置の第1の実施形態の図である。
図2】特に図1の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図3】特に図1の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図4】特に図1の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図5】特に図1の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図6図2図5に示す組み立て方法によって得られる巻き製品を示す図である。
図7】本発明による、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための電極を組み立てるのに適した組み立て装置の第2の実施形態の図である。
図8】特に図7の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図9】特に図7の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図10】特に図7の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図11】特に図7の装置を使用して本発明に従って作製される、電気エネルギー貯蔵デバイスのための電極アセンブリを形成する方法のシーケンスにおける4つのステップのうちの1つを示す図である。
図12】本発明による、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するための電極を組み立てるのに適した組み立て装置の第3の実施形態の図である。
図13図1および図7の装置において使用可能な連続する電極ストリップEの2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図14図1および図7の装置において使用可能な連続する電極ストリップEの2つの実施形態のうちの1つを示す図である。
図15図12の装置において使用可能な連続する電極ストリップEの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
より明確かつ単純にするために、異なる実施形態の類似の要素は同じ参照符号によって示されている。
【0025】
1によって、全体として、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するために、特にリチウム二次電池のセルを製造するために、電極を組み立てるための装置が示されている。
【0026】
組み立て装置1は、特に、第1の連続するセパレータストリップS1の連続運動を伴う第1の供給経路を備えることができる。組み立て装置1は、特に、第2の連続するセパレータストリップS2の連続運動を伴う第2の供給経路を備えることができる。これらの実施形態のように、2つの経路は、第1のストリップS1および第2のストリップS2が少なくとも部分的に互いに重ね合わされる動作部分に収束することができる。
【0027】
2つの経路の各々は、例えば、それぞれのストリップS1またはS2をほどくためのリール(図示せず)および/またはストリップをガイドおよびスライドさせるためのガイドおよびスライド手段(例えば、図示されていない支持ローラ、伝動ローラなど)、ならびに/または、ストリップに与張するための与張手段(例えば、図示されていない与張ローラ、張り車、たわみ防止ローラなど)などを含んでもよい。ストリップS1およびS2の2つの経路を構成する様々な要素はまた、既知のタイプの要素でもあってもよく、そのため、それらは示されておらず、より詳細には開示されない。
【0028】
組み立て装置1は、特に、第1のストリップS1と第2のストリップS2との間に第1の極性を有する、連続した少なくともN個の電極A1、A2、A3、...、ANを挿入する挿入手段を備えることができる。これらの実施形態のように、第1の極性は、ガルバーニ電池の構築のために負であり得る(電極A1、A2、A3などはアノードになる)。
【0029】
挿入手段は、図1および図7の実施形態のように、第1の極性の電極(アノード)を互いに対して交互に挿入するのに適した2つの個別の挿入デバイス2を含むことができ、結果、2つの挿入デバイス2のうちの一方を、電極を奇数の順序位置A1、A3、A5などに挿入するように構成することができ、一方、2つの挿入デバイス2のうちの他方を、電極を偶数の順序位置A2、A4、A6などに挿入するように構成することができる。
【0030】
第1の極性を有する電極の各挿入デバイス2は、例えば、電極ストリップEを(連続的な供給運動によって)供給するための連続的な電極ストリップE(例えば、図示されていないリールからほどかれる)から、連続的な電極ストリップEから単一の電極を分離するのに適した切断デバイス3への供給経路を含むことができる。各挿入デバイス2には、2つのセパレータS1とS2との間に連続して、単一の電極を被着させるための、例えば既知のタイプの手段を設けることができる。
【0031】
組み立て装置1は、特に、選択的に2つの異なる配置モード、すなわち、すべての電極C1、C2などが第1のストリップS1の外側に配置される第1のモード(図1および図12)、または、第2の極性を有する電極の一部分が第1のストリップS1の外側に配置され、別の部分が第2のストリップS2の外側に配置される第2のモード(図7)のいずれかに従って、第2の極性を有する一連の電極C1、C2、C3、...、C(N-1)を配置するための供給手段を含むことができる。これらの実施形態のように、第2の極性は、ガルバーニ電池の構築のために正であり得る(電極C1、C2、C3などはカソードになる)。
【0032】
供給手段は、図1および図7の実施形態のように、第2の極性の電極C1、C2、C3など(カソード)を互いに対して交互に挿入するのに適した2つの個別の供給デバイス4を含むことができ、結果、2つの供給デバイス4のうちの一方を、電極を奇数の順序位置C1、C3、C5などに挿入するように構成することができ、一方、2つの供給デバイス4のうちの他方を、電極を偶数の順序位置C2、C4、C6などに挿入するように構成することができる。
【0033】
特に、第1の供給デバイス4が、図7の実施形態のように、第1のストリップS1の外側に第2の極性を有する電極(カソード)を供給するように構成され、第2の供給デバイス4が、第2のストリップS2の外側に第2の極性を有する電極を供給するように配置される、2つの個別の供給デバイス4を構成することができる。
【0034】
第2の極性を有する電極の各供給デバイス4は、例えば、電極ストリップEを(連続的な供給運動によって)供給する連続的な電極ストリップE(例えば、図示されていないリールからほどかれる)から、連続的な電極ストリップEから単一の電極を分離するのに適した切断デバイス3への供給経路を含むことができる。各供給デバイス4には、上記の第1のモードまたは第2のモードにおいて、2つのセパレータS1とS2との間に連続して、単一の電極を被着させるための、例えば既知のタイプの手段を設けることができる。
【0035】
前述のとおり、これらの実施形態のように、第1の極性を有する電極A1、A2、A3、...、ANはアノードを含んでもよく、第2の極性を有する電極C1、C2、C3、...はカソードを含んでもよいが、その反対を提供することも可能である。
【0036】
組み立て装置1は、特に、積層プロセスによって、第1のストリップS1、第2のストリップS2、第1の極性を有する電極A1、A2、A3、...(アノード)および第2の極性を有する電極C1、C2、C3、...、(カソード)をともに結合するために、前述の動作部分上に配置される積層手段を備えることができる。この積層手段は、特に、既知のタイプの積層手段、例えば、1対または複数対の積層ローラ5を含むことができる。
【0037】
組み立て装置1は、特に、積層手段を出る積層製品を単一の巻き方向Fに巻いて巻き製品を作製するために、前述の動作部分上に配置された巻き手段6を備えることができる。巻き手段6は、特に、既知のタイプの巻き手段6、例えば、積層製品の把持部材を回転させる回転スピンドルを含む手段を含むことができる。
【0038】
組み立て装置1は、特に、積層製品の残りの部分から巻き製品を分離し、したがって、単一の電極アセンブリを形成するための、前述の動作部分上、例えば積層手段(ローラ5)と巻き手段6との間に配置されている分離手段を備えることができる。そのような分離手段は、特に、例えば、積層製品の連続的な前進中に積層製品を切断するのに適した少なくとも1つの切断デバイス7、例えば、往復の前後運動を可能にし、外向きの運動において積層製品を切断するための閉じた切断位置、および、初期位置を再開し、後続の切断を可能にするための戻りの運動における開いた休止位置を採用するツールを設けられた切断デバイス7のような、既知のタイプの分離手段を含んでもよい。
【0039】
組み立て装置1は、特に、装置の様々な作動手段を制御するためのプログラム可能な電子制御手段を備えてもよい。組み立て装置1は、装置1の正しい動作を制御および/または保証するために制御手段に接続されたセンサ手段(図示せず)をさらに備えてもよい。そのようなセンサ手段は、例えば、例として積層手段の出口に配置されるセンサ手段など、製品の品質をチェックし、および/または装置1によって作動されるプロセス中に起こりうる不規則性を検出するための光学タイプのセンサ手段(例えば、画像取得手段)を含んでもよい。
【0040】
本発明による組み立て装置1は、電極アセンブリを形成するための、特に、電気エネルギー貯蔵デバイス(例えば、リチウム電池)を製造するための方法を実施するために使用することができ、以下に開示される動作ステップを含むことができる。
【0041】
組み立て方法は、特に、第1のセパレータストリップS1および第2のセパレータストリップS2を、各々連続的な供給運動によって、第1のストリップS1と第2のストリップS2とが(少なくとも部分的に)互いに重ね合わされて、その結合を可能にする動作部分に収束する経路に沿って供給するステップを含むことができる。
【0042】
組み立て方法は、特に、少なくとも1つの第1の電極アセンブリを形成するために、例えばストリップS1およびS2を連続的に(すなわち、ストリップS1およびS2が動きを中断することなく連続的に前進する間に)供給する前述のステップ中に、2つのストリップS1とS2との間に、第1の極性を有するN個の電極A1、A2、A3、...、AN(アノード)を挿入するステップを含むことができ、少なくとも1つの第1の電極アセンブリにおいて、さまざまな電極A1、A2、A3、...間の相互距離D1、D2、...、D(N-1)が、第1の極性を有する第1の電極A1(電極アセンブリの第1のアノード)から第1の極性を有する最後の電極AN(電極アセンブリの最後のアノード)まで漸進的に増大する。
【0043】
特に、組み立て装置1は、次の電極アセンブリを形成するために電極A1、A2、A3などの別の配置で再開する前に、第1の極性を有する第1の電極A1と第1の極性を有する第2の電極A2との間の距離D1が、第1の極性を有する第2の電極A2と第1の極性を有する第3の電極A3との間の距離D2よりも小さくなり、距離D2が、第1の極性を有する第3の電極A3と第1の極性を有する第4の電極A4との間の距離D3よりも小さくなり、以下、最後の電極対まで同様になり、結果、第1の極性を有する最後から3番目の電極A(N-2)と第1の極性を有する最後から2番目の電極A(N-1)との間の距離D(N-2)が、第1の極性を有する最後から2番目の電極A(N-1)と第1の極性を有する最後の電極A(N)との間の距離D(N-1)よりも小さくなるようにプログラムされ得る(記号ではD1<D2<D3<...<D(N-2)<D(N-1)となり、ただし、N>2,またはN>3,またはN>4,またはN>5,またはN>6,またはN>7,またはN>8である)。
【0044】
組み立て方法は、特に、第2の極性を有する電極C1、C2、C3などの第1の配置または第2の配置を選択的に形成するために、特にストリップS1およびS2を連続的に供給する前述のステップ中に、第2の極性を有する一連の電極C1、C2、C3、...(カソード)を配置するステップを含むことができ、第2の極性は第1の極性と反対である。
【0045】
第1の配置の場合(図1および図12ならびに図2図5)、第2の極性の電極C1、C2、C3、...は、第1の極性を有する各電極A1、A2、A3、...、AN上に、第2の極性を有する電極が重ね合わされず、空き空間が残される第1の極性を有する第1の電極A1または第1の極性を有する第2の電極A2(特定の実施形態では、第1の極性を有する第2の電極A2)を除き、第1のストリップS1を挟んで、第2の極性を有する単一の電極C1、C2、C3が重ね合わされるように、第1のストリップS1の外側に配置される。
【0046】
第2の配置の場合(図7および図8図11)、第2の極性C1、C2、C3、...を有する電極が、第1のストリップS1の外側と第2のストリップS2の外側とに交互に配置され、結果、奇数の順序位置にある第1の極性を有する各電極A1、A3、...上に、第1のストリップS1を挟んで第2の極性を有する単一の電極C1、C3、...が挿入され、また、結果、偶数の順序位置にある第1の極性を有する電極A2、A4、...上に、第2のストリップS2を挟んで第2の極性を有する単一の電極C2、C4、...が挿入される。特に、第1の極性を有する最後の電極ANまたは第1の極性を有する最後から2番目の電極A(N-1)に空き空間が残ることを保証することが可能であり、結果、巻き終わりに、最初の場所および最後の場所にある2つの対向する端部において同じ極性の2つの電極(A1およびAN)を含む電極アセンブリが得られる。(数Nが偶数である)特定の実施形態では、最後の電極A8に電極を重ねることなく、空き空間が残されており、Nが奇数の場合、最後から2番目の電極A(N-1)に電極を重ねることなく、空き空間が残され得る。
【0047】
組み立て方法は、特に、第1の極性を有する電極A1、A2、A3、...、ANを挿入し、第2の極性を有する電極C1、C2、C3、...を配置する前述のステップの後に、積層製品を製造するために、第1のストリップS1、第2のストリップS2、ならびに第1の極性を有する電極A1、A2など、および、第2の極性を有する電極C1、C2などをともに積層するステップを含むことができる。
【0048】
組み立て方法は、特に、第1のストリップS1と第2のストリップS2とを交互に挿入しながら、第2の極性を有する電極C1、C2、C3、...と交互に重ね合わされている第1の極性を有する電極A1、A2、A3、...、ANのスタックを含む巻き製品を作製するように、単一の巻き方向Fに積層製品を巻くステップを含むことができる。
【0049】
組み立て方法は、特に、後続の電極アセンブリが形成されることを可能にするために、巻き製品を積層製品の残りの部分から分離するステップを含むことができる。
【0050】
すべての単一の電極アセンブリについて、第1の極性を有する電極A1、A2、A3、...、ANの数Nは、2より大きい、3より大きい、4より大きい、5より大きい、6より大きい、7より大きい、または8より大きい数であってもよい。本明細書に示す特定の実施形態では、数Nは8に等しい。
【0051】
各単一の電極アセンブリについて、第2の極性を有する電極C1、C2などの総数はN-1と同じであってもよく、これにより、最終巻き製品において最も外部の電極(スタックの最初および最後)は、同じ極性(第1の極性、特に負)の電極A1およびA8である。
【0052】
第1の極性を有する各電極A1、A2、A3、...、ANおよび第2の極性を有する各電極C1、C2、C3にはタブTが設けられている。
【0053】
前述の相互距離D1、D2、D3、...は、第1の極性を有する第1の電極A1から第1の極性を有する最後の電極ANへと(および/または、同様に、第2の極性を有する電極間で)漸進的に増加し、結果、巻き製品において、巻き中の製品の体積の増加を考慮して、同じ極性の電極のタブTが互いに正確に重ね合わされる。前述の相互距離は、第1の極性の電極(アノード)に関して得られたものであるが、絶対距離が異なる可能性があり、第1の極性を有する電極(アノード)は通常、第2の極性を有する電極(カソード)よりわずかに広いが、さまざまな電極対間の距離の増加は実質的に同じままであるため、これは実質的に何も変更せずに、第2の極性を有する電極(カソード)に関して得ることもできる。
【0054】
タブTが、中心ではなく偏心した配置(電極の中心線または電極の中心の右または左への)で電極の片側に位置する図示する特定の実施形態では、奇数の序数位置にある同じ極性の電極(例えばA1、A3、A5など)は、同じ偏心配置(右または左への)を有するタブを有し、一方、偶数の序数位置にある同じ極性の電極(例えば、A2、A4、A6など)は、反対の偏心配置(左または右への)を有するタブを有する。
【0055】
図13および図14において、2つの挿入デバイス2の各々について図1および図7の装置において使用可能な電極ストリップEの2つの実施形態が示されており、各電極ストリップEのタブTが一定のピッチで配置されており、結果、各連続する電極ストリップEを切断して、同じ偏心配置(右または左への)を有するタブTを備えた電極を得ることができる。破線で、将来の切断線が示され、そこで様々な切断デバイス3が単一の電極をストリップAから分離する。
【0056】
図15において、単一の挿入デバイス2の図12の装置において使用可能な電極ストリップEの一実施形態が示されており、ここで、電極ストリップEのタブTは一定ではないピッチで、ただし交互になるように配置されており、結果、連続する電極ストリップEを切断して、交互に偏心配置を有するタブTを備えた電極を得ることができる(タブTが右に偏心配置された電極、および、タブTが左に偏心配置された後続する電極、以下同様)。
【0057】
組み立て装置のプログラム可能な電子制御手段は、第1のストリップS1および/または第2のストリップS2および/または第1の極性を有する電極A1、A2など、および/または、第2の極性を有する電極C1、C2などの少なくとも1つの寸法(特に厚さ)に関連する少なくとも1つのデータの関数において、前述の距離D1、D2などを生じさせるようにプログラムすることができる。このデータ/これらのデータは、制御手段のメモリに入力され、その後、プロセッサによって使用されて、前述の距離D1、D2などが決定される。
【0058】
前述の積層ステップは、積層デバイス(ローラ5)によって実施されてもよく、前述の巻きステップは、巻き手段6によって実施されてもよく、前述の分離ステップは、分離デバイス(切断デバイス7)によって実施されてもよく、本明細書に開示される特定の実施形態のように、分離デバイスは、積層デバイスと巻き手段との間の連続的な処理ラインに沿って配置されてもよい。
【0059】
図6は、本発明の方法および/または組み立て装置に従って作製可能な電極アセンブリの一実施形態を示す。このアセンブリは、互いに反対の極性を有する、互いに重ね合わされた、少なくとも5個、または少なくとも7個、または少なくとも9個、または少なくとも11個、または少なくとも13個の電極(特定の実施形態では15個の電極)(カソードおよびアノード)のスタックを含み、単一の巻き方向に巻かれて電極を互いに分離する2つの連続するセパレータストリップS1およびS2をさらに含む。各ストリップS1およびS2は、スタックの最も内側の部分に第1の巻き始め端部を有し、スタックの外側に第2の巻き終わり端部を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15