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特許7191100電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、液晶表示素子の駆動方法、及び、電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、液晶表示素子の駆動方法、及び、電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20221209BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20221209BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1335 520
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020528725
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2019021724
(87)【国際公開番号】W WO2020008765
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2018127247
(32)【優先日】2018-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100118290
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 正明
(74)【代理人】
【識別番号】100094363
【氏名又は名称】山本 孝久
(72)【発明者】
【氏名】坂入 卓
(72)【発明者】
【氏名】甘利 浩一
(72)【発明者】
【氏名】本多 友明
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 剛史
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-337974(JP,A)
【文献】特開2002-323704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0004037(US,A1)
【文献】特開2010-039330(JP,A)
【文献】特開平03-210531(JP,A)
【文献】米国特許第06833883(US,B2)
【文献】特開2010-054655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345
G02F 1/1335,1/13363
G02F 1/136-1/1368
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含んでおり、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層側に形成された駆動電極に接続されており、
前記透明画素電極に接続される前記ビアの先頭部分は、前記動電極に接続される前記ビアの底部とは異なる材料であり、光反射性の導電材料から構成されている、
電極構造体。
【請求項2】
光反射膜は連続した共通層として形成されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項3】
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項4】
光反射膜は、電気的に浮遊状態として形成されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項5】
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項6】
電極構造体は、反射型の液晶表示素子のバックパネルを構成する基板上に形成されており、
電圧供給用の電極には、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧が供給される、
請求項5に記載の電極構造体。
【請求項7】
光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、
請求項5に記載の電極構造体。
【請求項8】
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、
短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される、
請求項5に記載の電極構造体。
【請求項9】
透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項10】
誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている、
請求項9に記載の電極構造体。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電極構造体と、
フロントパネル、
前記フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
前記フロントパネルと前記バックパネルとに挟持された液晶材料層と、
を含んでおり、
前記バックパネルを構成する基板上に前記電極構造体が構成されている、液晶表示素子。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電極構造体と、
フロントパネル、
前記フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
前記フロントパネルと前記バックパネルとに挟持された液晶材料層と、
を含んでおり、
前記バックパネルを構成する基板上に前記電極構造体が構成されている、液晶表示素子を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、液晶表示素子の駆動方法、及び、電子機器に関する。より詳しくは、反射型の液晶表示素子に用いられる電極構造体およびその製造方法、係る電極構造体を備える液晶表示素子およびその駆動方法、並びに、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶セルを含む画素が行列状に2次元配置されてなる液晶表示素子にあっては、画素を光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって画像を表示する。液晶表示素子を用いた表示装置として、直視型の表示装置や、投射型(プロジェクター型)の表示装置が実用化されている。直視型の表示装置はもちろん、投射型の表示装置においても、近年、大規模会議室用やエンターテイメント用といった用途が拡大して高精細化や高画質化が要求されており、所謂アクティブマトリクス型の液晶表示素子が広く用いられている。
【0003】
LCOS(Liquid Crystal On Silicon)やHTPS(High Temperature Poly-Silicon)等の反射型の液晶表示素子は、液晶表示素子に入射する光の反射を制御することによって画像を表示する。反射型の液晶表示素子にあっては、光を反射する材料から構成された画素電極や、光反射膜が積層された画素電極などといった、光反射性の画素電極を備えている。画素電極と透明な対向電極との間には液晶材料層が配置されており、画素電極と対向電極との間に電圧を印加して液晶の配向方向を変えることによって画素毎に開口率を制御する。画素電極は画素毎に駆動されるため、画素電極と画素電極との間は電気的に絶縁されている必要がある。このため、画素電極と画素電極との間には、画素電極の配列ピッチに応じて所定以上の間隙を設ける必要がある。間隙の部分は光の反射に寄与しないため、画素電極よりも下層の部分の配線層に張り出しを設けて間隙の部分を塞ぐといったことなどが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-134317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画素電極と画素電極との間の間隙の部分が占める割合は、画素ピッチが小さくなるほど大きくなる。従って、定性的には、画素ピッチが小さくなるほど開口率(反射率)は低下する。例えば画素電極よりも下層の部分の配線層に張り出しを設けて間隙の部分を塞ぐといった構成にすれば、開口率の低下を軽減することはできる。しかしながら、光は、画素電極と、画素電極とは異なる位置に配置された配線層とによって反射されるといった構成であり、画素電極と配線層との位置の相違に起因する光学特性への影響が懸念される。
【0006】
従って、本開示の目的は、画素ピッチを小さくしても開口率が低下せず、光学特性も良好な液晶表示素子に用いられる電極構造体およびその製造方法、係る電極構造体を備える液晶表示素子およびその駆動方法、並びに、電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示に係る電極構造体は、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含んでおり、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層側に形成された駆動電極に接続されている、
電極構造体である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示に係る電極構造体の製造方法は、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体の製造方法であって、
光反射膜と、光反射膜上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された透明導電膜とを形成する工程、
透明導電膜を所定のピッチで2次元マトリクス状に分割し透明画素電極を構成する工程、及び、
各透明画素電極と光反射膜よりも下層に形成された配線とを接続するための、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを形成する工程、
を有する、
電極構造体の製造方法である。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示に係る液晶表示素子は、
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子である。
【0010】
上記の目的を達成するための本開示に係る液晶表示素子の駆動方法は、
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子の駆動方法であって、
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されており、
液晶表示素子の駆動の際に、光反射膜は、電気的に浮遊状態、電気的に正極性の電圧が印加されている状態、及び、電気的に負極性の電圧が印加されている状態のいずれかとされる、
液晶表示素子の駆動方法である。
【0011】
上記の目的を達成するための本開示に係る電子機器は、
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子を備えた電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の第1の実施形態に係る液晶表示素子を説明するための模式図である。
図2図2Aおよび図2Bは、液晶表示素子の内部構成を説明するための模式的な図であって、図2Aは平面図、図2Bは断面図を示す。
図3図3は、液晶表示素子の構造を説明するための、模式的な一部断面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る液晶表示素子の反射領域を説明するための図であって、透明画素電極と光反射膜との配置関係を示す模式的な平面図である。
図5図5は、参考例に係る液晶表示素子の内部構成を説明するための模式図である。
図6図6は、参考例に係る液晶表示素子の反射領域を説明するための図であって、光反射性の画素電極の配置関係を示す模式的な平面図である。
図7図7Aおよび図7Bは、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図8図8Aおよび図8Bは、図7Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図9図9Aおよび図9Bは、図8Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図10図10Aおよび図10Bは、図9Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図11図11Aおよび図11Bは、図10Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図12図12は、図11Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図13図13Aおよび図13Bは、第1の実施形態の第1変形例に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図14図14は、図13Bに引き続き、第1の実施形態の第1変形例に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図15図15Aおよび図15Bは、図14に引き続き、第1の実施形態の第1変形例に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図16図16は、図15Bに引き続き、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図17図17は、第1の実施形態の第2変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図18図18は、第1の実施形態の第3変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図19図19は、第1の実施形態の第4変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図20図20は、第1の実施形態の第5変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図21図21は、第1の実施形態の第6変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図22図22は、第1の実施形態の第7変形例に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構成を説明するための模式的な一部端面図である。
図23図23は、第2の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構造を説明するための、模式的な一部断面図である。
図24図24Aおよび図24Bは、第2の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図25図25Aおよび図25Bは、図24Bに引き続き、第2の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図26図26Aおよび図26Bは、図25Bに引き続き、第2の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
図27図27Aは、第1の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの製造工程において光反射膜に生じた帯電の様子を示す模式図である。図27Bは、第2の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの製造工程において光反射膜に生じた帯電が除去される様子を示す模式図である。
図28図28は、変形例に係るバックパネルの製造工程において光反射膜に生じた帯電が除去されるの様子を示す模式図である。
図29図29は、第3の実施形態に係る液晶表示素子において光反射膜に供給される電圧の例を説明するための模式図である。
図30図30は、第3の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルにおける光反射膜の構成を説明するための模式的な平面図である。
図31図31は、第3の実施形態に係る液晶表示素子において光反射膜に供給される電圧の例を説明するための模式図である。
図32図32は、第3の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルにおける光反射膜の他の例の構成を説明するための模式的な平面図である。
図33図33は、投射型表示装置の概念図である。
図34図34は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラの外観図であり、図34Aにその正面図を示し、図34Bにその背面図を示す。
図35図35は、ヘッドマウントディスプレイの外観図である。
図36図36は、シースルーヘッドマウントディスプレイの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態に基づいて本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素または同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る、電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、液晶表示素子の駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.電子機器の説明、その他
【0014】
[本開示に係る、電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、液晶表示素子の駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明]
本開示に係る電極構造体、本開示に係る電極構造体の製造方法により得られる電極構造体、本開示に係る液晶表示素子に用いられる電極構造体、本開示に係る液晶表示素子の駆動方法が行われる液晶表示素子に用いられる電極構造体(以下、これらを単に、本開示に係る電極構造体と呼ぶ場合がある)において、光反射膜は連続した共通層として形成されている構成とすることができる。あるいは又、光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されている構成とすることができる。
【0015】
上述した好ましい構成を含む本開示に係る電極構造体において、光反射膜は、電気的に浮遊状態として形成されている構成とすることができる。
【0016】
あるいは又、光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている構成とすることができる。この場合において、電極構造体は、反射型の液晶表示素子のバックパネルを構成する基板上に形成されており、電圧供給用の電極には、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧が供給される構成とすることができる。
【0017】
上述した好ましい構成を含む本開示に係る電極構造体において、光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、構成とすることができる。あるいは又、光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される構成とすることができる。
【0018】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る電極構造体において、透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている構成とすることができる。この場合において、誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている構成とすることができる。
【0019】
平坦化処理として、たとえば誘電体膜の表面に研磨を施すといった処理、誘電体膜の段差部分を充填するといった処理、あるいは又、誘電体膜の下地となる透明画素電極において、端部にテーパー化の処理を行なうといった処理を挙げることができる。
【0020】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る電極構造体において、透明画素電極側のビアの部分は光反射性の導電材料から構成されている構成とすることができる。
【0021】
上述した各種の好ましい構成を含む電極構造体を製造するための本開示に係る電極構造体の製造方法は、上述したように、
光反射膜と、光反射膜上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された透明導電膜とを形成する工程、
透明導電膜を所定のピッチで2次元マトリクス状に分割し透明画素電極を構成する工程、及び、
各透明画素電極と光反射膜よりも下層に形成された配線とを接続するための、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを形成する工程、
を有する。この場合において、光反射膜を形成した後に行う工程を、光反射膜に所定の電圧を供給した状態で行う構成とすることができる。
【0022】
上述した各種の好ましい構成を含む電極構造体を有する液晶表示素子の駆動方法にあっては、液晶表示素子の駆動の際に、光反射膜は、電気的に浮遊状態、電気的に正極性の電圧が印加されている状態、及び、電気的に負極性の電圧が印加されている状態のいずれかとされる。この場合において、電圧供給用の電極に、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧を供給する構成とすることができる。
【0023】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る液晶表示素子の駆動方法にあっては、光反射膜は連続した共通層として形成されており、光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される構成とすることができる。あるいは又、光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される構成とすることができる。
【0024】
フロントパネルとして、ガラス等の透明材料から成る基板を用いることができる。フロントパネルに設けられる対向電極は、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いて形成することができる。対向電極は、液晶表示素子の各画素に対する共通電極として機能する。
【0025】
バックパネルとして、ガラス等の透明材料から成る基板や、シリコン等の半導体材料から成る基板を用いることができる。バックパネルとしてガラス基板などを用いる場合、画素を駆動する駆動回路は、ガラス基板上に半導体材料層等を形成し加工することによって構成することができる。シリコン等の半導体材料から成る基板を用いる場合には、例えば基板に設けられたウエルにトランジスタ等を適宜形成することなどによって構成することができる。
【0026】
透明導電膜が分割されて成る透明画素電極は、対向電極と同様に、ITOやIZO等といった透明導電材料を用いて形成することができる。尚、場合によっては、光透過性を有するほどに薄膜化した金属膜を用いることもできる。
【0027】
光反射膜は、アルミニウム(Al)、Al-CuやAl-Si等のアルミニウム合金、銀(Ag)等の金属材料を用いて形成することができる。
【0028】
液晶表示素子は、モノクロ画像を表示する構成であってもよいし、カラー画像を表示する構成であってもよい。液晶表示素子の画素(ピクセル)の値として、U-XGA(1600,1200)、HD-TV(1920,1080)、Q-XGA(2048,1536)の他、(3840,2160)、(7680,4320)等、画像用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0029】
また、本開示の液晶表示素子を備えた電子機器として、直視型や投射型の表示装置の他、画像表示機能を備えた各種の電子機器を例示することができる。
【0030】
本明細書における各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。また、以下の説明で用いる各図面は模式的なものであり、実際の寸法やその割合を示すものではない。
【0031】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示に係る、電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、及び、電子機器に関する。
【0032】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る液晶表示素子を説明するための模式図である。
【0033】
第1の実施形態に係る液晶表示素子は、アクティブマトリクス型の液晶表示素子である。図1に示すように、液晶表示素子1は、液晶セルを含む画素11がマトリクス状に配置されて成る画素アレイ部10、画素アレイ部10を駆動するための、水平駆動回路20および垂直駆動回路30といった各種回路を備えている。尚、図1に示す例において、水平駆動回路20および垂直駆動回路30は、それぞれ、画素アレイ部10の一端側に配置されているとしたが、これは例示に過ぎない。
【0034】
画素アレイ部10は、例えば、対向する一対の基板とその間に配置された液晶材料層、画素11を駆動するために用いられる走査線SCLやデータ線DTLといった各種配線、画素に対応する部分に設けられた透明画素電極、透明画素電極と対向する対向電極、データ線DTLと透明画素電極とを接続する画素トランジスタ等から構成されている。縦方向(図においてY方向)に2つ並んだ画素11の接続関係を図の右側に模式的に示した。画素11は、例えば水平方向にM個、垂直方向にN個、合計M×N個が、マトリクス状に配置されている。
【0035】
図2Aおよび図2Bは、液晶表示素子の内部構成を説明するための模式的な図であって、図2Aは平面図、図2Bは断面図を示す。図2Aにあっては、積層関係を明示するために構成要素の一部を切り欠いて示した。図3は、液晶表示素子の構造を説明するための、模式的な一部断面図である。尚、図示の都合上、各構成要素の形状等は誇張して示した。
【0036】
図2に示すように、液晶表示素子1は、
フロントパネル130、
フロントパネル130に対して対向配置されたバックパネル100、及び、
フロントパネル130とバックパネル100とに挟持された液晶材料層120、
を含んでいる。フロントパネル130とバックパネル100とは、シール部121によって封止されている。シール部121は液晶材料層120を囲む環状である。
【0037】
後述するように、バックパネル100は例えばシリコンといった半導体材料から成る基板から構成されている。液晶表示素子1は反射型の液晶表示素子である。
【0038】
図3に示すように、フロントパネル130には、例えばITOといった透明導電材料から成る対向電極が設けられている。より具体的には、フロントパネル130は、例えば透明なガラスから成る矩形状の基板131と、基板131の液晶材料層120側の面に設けられた対向電極132、対向電極132上に設けられた誘電体膜133等から構成されている。画素11を構成する液晶セルは、透明導電膜108と、透明導電膜108と対向電極132とに挟まれる液晶材料層120の部分と、透明導電膜108に対向する対向電極132などによって構成される。液晶表示素子1の駆動の際には、対向電極132には、正極性あるいは負極性の電圧が交互に印加される。
【0039】
バックパネル100は、例えばシリコンといった半導体材料から成る矩形状の基板101上に形成された、光反射膜(光反射板)104、光反射膜104上に形成された絶縁膜105,106、及び、絶縁膜106上に形成された透明導電膜108を含む電極構造体を含んでいろ。透明導電膜108上を含む全面には誘電体膜109が形成されている。
【0040】
図2図3に示すように、透明導電膜108は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成する。以下の説明において、透明画素電極についても符号108を用いて表す。また、図2に示すように、光反射膜104は連続した共通層として、電気的に浮遊状態として形成されている。
【0041】
図3に示すように、各透明画素電極108は、絶縁膜105,106と光反射膜104とを貫通し且つ光反射膜104とは絶縁されているビア107を介して、光反射膜104よりも下層側に形成された駆動電極102に接続されている。
【0042】
基板101には図示せぬトランジスタや各種配線が形成されており、これらは、駆動電極102やビア107を通じて透明画素電極108を駆動するための駆動回路を構成する。符号103は、駆動電極102を覆う平坦化膜を示し、符号OP104は、ビア107が形成される開口を示す。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係る液晶表示素子の反射領域を説明するための図であって、画素電極と光反射膜との配置関係を示す模式的な平面図である。
【0044】
高精細度の液晶表示素子の場合、透明画素電極108の配列ピッチ(図4において符号PHで表す)は例えば4ミクロンメートル、透明画素電極108間の間隙(符号GPで表す)は例えば0.2ミクロンメートルといった値である。また、開口OP104は例え直径が0.3ミクロンメートルといった値である。
【0045】
透明画素電極108に電圧を印加して液晶の配向方向を制御する場合、液晶材料層120の配向変化は透明画素電極108に対向する部分に加え、その周囲にも及ぶ。従って、間隙GPの領域も画像の表示に寄与する。そして、透明画素電極108やその周辺の間隙GPを透過する外光は、透明画素電極108の下層に位置する光反射膜104によって反射される。開口OP104の部分が反射に寄与しないとしても、開口率(反射率)は概算で98パーセント程度といった値となる。更には、透明画素電極108やその周辺の間隙GPを透過する外光は、いずれも共通の位置に配置された反射層によって反射される。従って、反射が生ずる位置の相違に起因する光学特性への影響が生ずることがない。
【0046】
ここで、本開示の理解を助けるため、画素電極を光反射性の材料から構成した参考例の液晶表示素子の開口率などについて説明する。
【0047】
図5は、参考例に係る液晶表示素子の内部構成を説明するための模式図である。図6は、参考例に係る液晶表示素子の反射領域を説明するための図であって、光反射性の画素電極の配置関係を示す模式的な平面図である。
【0048】
図5に示す参考例の液晶表示素子9は、本開示の液晶表示素子1に対して、透明画素電極108を光反射性の画素電極908とし、平坦化膜103、光反射膜104、絶縁膜105,106を全て平坦化膜903で置き換えたといった構成である。図6に示す画素電極908の配列ピッチPHや画素電極908間の間隙GPは、上述した数値と同様である。この構成では、間隙GPを透過する外光は表示に寄与しない。開口率(反射率)は概算で90パーセント程度といった値に止まる。
【0049】
次いで、電極構造体の製造方法を含む液晶表示素子の製造方法について説明する。
【0050】
上述したように、液晶表示素子1におけるバックパネル100を構成する基板101上には、
光反射膜104、
光反射膜104上に形成された絶縁膜105,106、及び、
絶縁膜106上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されている。そして、この電極構造体の製造方法は、
光反射膜104と、光反射膜104上に形成された絶縁膜105,106と、絶縁膜106上に形成された透明導電膜とを形成する工程、
透明導電膜を所定のピッチで2次元マトリクス状に分割し透明画素電極108を構成する工程、及び、
各透明画素電極108と光反射膜104よりも下層に形成された配線とを接続するための、絶縁膜105、106と光反射膜104とを貫通し且つ光反射膜104とは絶縁されているビアを形成する工程、
を有する。
【0051】
図7ないし図16は、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。以下、これらの図を参照して、液晶表示素子1の製造方法について詳しく説明する。
【0052】
[工程-100](図7A図7B参照)
駆動回路が形成された基板101を準備し、その上に、周知の成膜方法やパターニング方法によって、駆動電極102を形成する(図7A参照)。駆動電極102は、例えば、Al-Cuといったアルミニウム合金から形成されている。尚、電気的なコンタクト特性を向上させるために、駆動電極102の上にはTiNなどのバリアメタルなどが形成されていてもよい。
【0053】
次いで、駆動電極102上を含む全面に、例えばシリコン酸化物から成る平坦化膜103を形成し、その後、例えばAl-Cuといったアルミニウム合金から成る光反射膜104、例えばシリコン酸化物から成る絶縁膜105を順次形成する(図7B参照)。光反射膜104は、例えば70ナノメートルといった厚さである。
【0054】
[工程-110](図8A図8B参照)
次いで、絶縁膜105の上に、ビア107が配置されるべき部分の開口を備えたマスク層110を形成する。符号OP104Aは、ビア107が配置されるべき部分の開口を示す(図8A参照)。その後、ドライエッチングなどを行い、底部に駆動電極102が露出する開口OP104を形成した後にマスク層110を除去する(図8B参照)。
【0055】
[工程-120](図9A図9B参照)
次いで、開口OP104を含む絶縁膜105上の全面に、ALD(Atomic Layer Deposition)法などによって、例えばシリコン酸化物から成る絶縁膜106を形成する。尚、絶縁膜106は、開口OP104を一部のみ充填する程度の厚みで形成される(図9A参照)。
【0056】
その後、開口OP104の壁面には絶縁膜106が残り且つ底部の絶縁膜106は完全に除去されるといった条件で、絶縁膜106上の全面にドライエッチ法などを施す(図9B参照)。尚、この処理に伴い、絶縁膜106は全般的に薄くなる。この状態において、絶縁膜105と絶縁膜106とをあわせた厚さは、例えば45ないし75ナノメートルといった値である。
【0057】
[工程-130](図10A図10B参照)
次いで、開口OP104を含む全面に、例えばタングステン(W)を用いて、ビア107を構成する導電材料層107Aを形成する(図10A参照)。その後、例えばCMPによって平坦化を施し、開口に埋め込まれたビア107を形成する(図10B参照)。
【0058】
[工程-140](図11A図11B参照)
次いで、ビア107を含む絶縁膜106上の全面に、例えばITOから成る透明導電膜108Aを形成する(図11A参照)。透明導電膜108Aは、例えば10ナノメートルといった厚さである。その後、周知のパターニング法によって透明導電膜108Aを所定のピッチで2次元マトリクス状に分割し、透明画素電極108を形成する(図11B参照)。
【0059】
[工程-150](図12参照)
次いで、透明画素電極108上を含む全面に例えばシリコン窒化物から成る誘電体膜109を形成する。誘電体膜109の厚さは、例えば70ナノメートルといった値である。
【0060】
以上の工程によって、光反射膜、光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、絶縁膜上に形成された透明導電膜を含む電極構造体が構成されているバックパネル100を得ることができる。
【0061】
[工程-160]
次いで、シール部121を介して、フロントパネル130とバックパネル100とを接合した後、フロントパネル130とバックパネル100との間隙に液晶材料を注入した後に適宜封止することによって、液晶表示素子1を得ることができる。
【0062】
上述した製造方法にあっては、[工程-120]において、開口OP104の壁面には絶縁膜106が残り且つ底部の絶縁膜106は完全に除去されるといった条件で、絶縁膜106上の全面にドライエッチ法などを施した(図9B参照)。この処理に伴い、絶縁膜106は全般的に薄くなるが、これに伴い膜厚のばらつきが生ずることが考えられる。
【0063】
以下、第1の実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例に係る液晶表示素子の製造方法によれば、絶縁膜106上の全面にドライエッチ法などを施す必要がない。
【0064】
図13ないし図16は、第1の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。
【0065】
[工程-1100]
先ず、[工程-100]と[工程-110]の前半の工程、より具体的には、図8Aで示すマスク110が形成されるまでの工程を行う。
【0066】
[工程-1110](図13A図13B参照)
次いで、ドライエッチ法などを行い、底部に平坦化膜103が露出する開口OP104Bを形成した後にマスク層110を除去する(図13A参照)。その後、開口OP104Bを含む全面に、絶縁膜106を形成する。絶縁膜106は開口OP104B内を充填するように形成される(図13B参照)。
【0067】
[工程-1120](図14図15A,15B参照)
次いで、絶縁膜106の上に、ビア107が配置されるべき部分の開口OP104Cを備えたマスク層111を形成する。その後、ドライエッチ法などを行い、底部に駆動電極102が露出する開口OP104を形成し(図15A参照)、その後マスク層111を除去する(図15B参照)。
【0068】
[工程-1130](図16参照)
次いで、[工程-130]、[工程-140]、[工程-150]と同様の工程を行う。
【0069】
以上の工程によって、第1変形例に係るバックパネル100Aを得ることができる(図16参照)。尚、バックパネル100Aは、図12に示すバックパネル100に対して、ビア107の駆動電極側の部分が平坦化膜103にも接するといった点が相違する。
【0070】
[工程-1140]
次いで、シール部121を介して、フロントパネル130とバックパネル100Aとを接合した後、フロントパネル130とバックパネル100Aとの間隙に液晶材料を注入した後に適宜封止することによって、液晶表示素子1を得ることができる。
【0071】
第1の実施形態によって得られるバックパネルについては、必要に応じて種々の変形が可能である。以下、図を参照して変形例について説明する。
【0072】
誘電体膜109は透明画素電極108を含む全面に形成されるので、透明画素電極108が隣接する部分の間隙上と透明画素電極108上とで段差が生ずる場合がある(図12等参照)。段差による影響が無視できない場合には、誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている構成とすればよい。図17は、誘電体膜109をCMPなどにより研磨して平滑化を施すといった処理を施した第2変形例に係るバックパネル100Bを示す。
【0073】
あるいは又、段差部分をシリコン酸化物等で充填するといった対処を行ってもよい。図18は、段差部分を充填する処理を施した第3変形例に係るバックパネル100Cを示す。例えば、誘電体膜109上の全面にシリコン酸化物などを成膜し、更にCMPなどによる平滑化を施せばよい。符号112は、シリコン酸化物などで充填された部分を示す。
【0074】
あるいは又、透明画素電極108を形成した後に、端部をテーパー化することによって、その上に形成される誘電体膜109の段差をなだらかにするといったこともできる。図19は、透明画素電極の端部にテーパー化の処理を施した第4変形例に係るバックパネル100Dを示す。例えば、透明導電膜をウエットエッチングでパターニングして透明画素電極108を形成するといった工程であれば、透明画素電極108の端部はテーパー化される。テーパーの角度は、40度以下であることが望ましい。
【0075】
以上、誘電体膜の平滑化に関する変形例ついて説明した。引き続き、ビアにおける光反射性を向上するための変形例について説明する。
【0076】
図4に示すように、光反射膜104に設けられた開口OP104には、ビア107の先頭部分が現れる。従って、ビア107の先頭部分を光反射性に優れた材料に置き換えることによって、反射効率の向上を図ることができる。
【0077】
図20は、ビアの先頭部と底部とで材質を変えた第5変形例に係るバックパネル100Eを示す。ビア107において、底部107BTは例えばタングステン(W)で構成されており、先頭部107PTは例えばAl-Niから構成されている。
【0078】
図21も、ビアの先頭部と底部とで材質を変えた第6変形例に係るバックパネル100Fを示す。ビア107において、底部107BTは例えばタングステン(W)で構成されており、先頭部の外側TP1はTiN、内側はAl-Cuから構成されている。透明画素電極108がITOから成る場合、ITOとAl-Cuとでは導通が確保されにくいが、TiNを介して導通を確保することができる。
【0079】
図22も、ビアの先頭部と底部とで材質を変えた第7変形例に係るバックパネル100Gを示す。この例は、ビアを裏面側から形成した例であって、先頭部はTi/Al-Cu/TiNといった積層構成、底部はタングステン(W)で構成されている。
【0080】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、本開示に係る、電極構造体、電極構造体の製造方法、液晶表示素子、及び、電子機器に関する。
【0081】
光反射膜を電気的に浮遊状態として形成する場合、例えばバックパネルの製造プロセスにおいて光反射膜が帯電し静電破壊の要因になるといったことも考えられる。そこで、第2の実施形態にあっては、光反射膜が、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている構成とした。そして、光反射膜を形成した後に行う工程を、光反射膜に所定の電圧を供給した状態で行う。
【0082】
第2の実施形態に係る液晶表示素子2の内部構成などは、図2において、液晶表示素子1を液晶表示素子2と読み替え、バックパネル100をバックパネル200と読み替えればよいので、説明を省略する。
【0083】
図23は、第2の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルの構造を説明するための、模式的な一部断面図である。
【0084】
バックパネル200にあっては、光反射膜104より下層側に形成された、電圧供給用の電極202が設けられている。電圧供給用の電極202は、例えば、駆動電極102と同層に形成されている。符号203は、電圧供給用の電極202と光反射膜104とを電気的に接続するコンタクトプラグである。
【0085】
図24ないし図28は、第2の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明するための模式的な一部端面図である。以下、これらの図を参照して、液晶表示素子2の製造方法について詳しく説明する。
【0086】
[工程-200](図24A図24B参照)
駆動回路が形成された基板101を準備し、その上に、周知の成膜方法やパターニング方法によって、駆動電極102と電圧供給用の電極202とを形成する(図24A参照)。これらは、例えば、Al-Cuといったアルミニウム合金から形成されている。尚、電気的なコンタクト特性を向上させるために、電極上にはTiNなどのバリアメタルなどが形成されていてもよい。その後、駆動電極102上と電圧供給用の電極202上とを含む全面に、例えばシリコン酸化物から成る平坦化膜103を形成する(図24B参照)
【0087】
[工程-210](図25A図25B図26A参照)
次いで、平坦膜103に、コンタクトプラグ203が配置されるべき部分の開口OP203を形成する(図24A)。その後、開口OP203を含む平坦化膜103上の全面に、例えばタングステン(W)を用いて、コンタクトプラグ203を構成する導電材料層203Aを形成する(図25B参照)。そして、例えばCMPによって平坦化を施し、開口に埋め込まれたコンタクトプラグ203を形成する(図26A参照)。
【0088】
[工程-220](図26B参照)
次いで、例えばAl-Cuといったアルミニウム合金から成る光反射膜104を形成する。
【0089】
以降の工程は、基本的には第1の実施形態において説明した工程と同様である。但し、第2の実施形態にあっては、光反射膜を形成した後に行う工程を、光反射膜に所定の電圧を供給した状態で行う。
【0090】
光反射膜104が浮遊状態で形成されている場合、光反射膜104上に絶縁膜105を形成するといったプロセスを行なうと、光反射膜104に帯電が生ずる(図27A参照)。特に、成膜やドライエッチングなどにおいてプラズマ系設備を用いる場合に帯電は顕著である。この帯電は、各種絶縁膜について静電破壊の要因となり得る。
【0091】
第2の実施形態にあっては、光反射膜104を形成した後に行う工程を、光反射膜に所定の電圧を供給した状態で行う。図27Bに示す例は、例えば接地電位である電圧VREが光反射膜104に供給されている場合を示す。この場合、光反射膜104に帯電が生じたとしても電荷は外部に流出する。よって静電破壊の要因となり得る帯電を軽減することができる。
【0092】
尚、図28に示すように、電圧供給用の電極202には基板101に設けられたスイッチングトランジスタQREを介して電圧VREが供給される構成であってもよい。この構成の場合、光反射膜104に電圧を供給するためには、スイッチングトランジスタQREを導通するようにゲート電極に電圧を印加すればよい。
【0093】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、本開示に係る液晶表示素子の駆動方法に関する。
【0094】
第3の実施形態にあっては、液晶表示素子の駆動の際に、光反射膜は、電気的に浮遊状態、電気的に正極性の電圧が印加されている状態、及び、電気的に負極性の電圧が印加されている状態のいずれかとされる。光反射膜に電圧を印加する場合、電圧は固定的に印加されてもよいし、動的に印加されてもよい。
【0095】
図29は、第3の実施形態に係る液晶表示素子において光反射膜に供給される電圧の例を説明するための模式図である。図30は、第3の実施形態に係る液晶表示素子に用いられるバックパネルにおける光反射膜の構成を説明するための模式的な平面図である。
【0096】
第3の実施形態に係る液晶表示素子3は、基本的には、第2の実施形態において説明したバックパネル200を用いた構成であって、図28に示すように電圧供給用の電極202には基板101に設けられたスイッチングトランジスタQREを介して電圧VREが供給されるといった構成である。液晶表示素子3の内部構成などは、図2において、液晶表示素子1を液晶表示素子3と読み替え、バックパネル100をバックパネル200と読み替えればよいので、説明を省略する。
【0097】
劣化を防ぐため、通常、液晶材料層には交互に極性が変化する電圧が印加される。対向電極に交互に極性が変化する電圧を印加するといった場合に、図31に示すように、対向電極132の電圧極性の切り替わりの直前に光反射膜104に逆極性の電圧を印加して、面一括で液晶の配向方向を切り替えるといった動作を行なうことができる。これによって、液晶の応答性を向上させることができる。
【0098】
尚、場合によっては、図32に示すように、光反射膜104は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給されるといった構成とすることもできる。
【0099】
本開示に係る電極構造体において、透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され透明画素電極を構成し、各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層側に形成された駆動電極に接続されている。この構成によれば、光の反射は専ら光反射膜によって行われるので、画素ピッチを小さくしても開口率が低下するといったことがないし、画素電極と光反射膜との位置の相違に起因する光学特性への影響も生ずることがない。
【0100】
[電子機器の説明]
以上説明した本開示の液晶表示素子は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示部(表示装置)として用いることができる。一例として、例えば、テレビジョンセット、デジタルスチルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯端末装置、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型ディスプレイ)等の表示部として用いることができる。
【0101】
本開示の液晶表示素子は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。一例として、画素アレイ部に透明なガラス等の対向部が貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やフレキシブルプリントサーキット(FPC)などが設けられていてもよい。以下に、本開示の液晶表示素子を用いる電子機器の具体例として、投射型表示装置、デジタルスチルカメラ、及び、ヘッドマウントディスプレイを例示する。但し、ここで例示する具体例は一例に過ぎず、これに限られるものではない。
【0102】
(具体例1)
図33は、本開示の液晶表示素子を用いた投射型表示装置の概念図である。投射型表示装置は、光源部40、照明光学系50、液晶表示素子1、液晶表示素子を駆動する画像制御回路60、投射光学系70、及び、スクリーン80などから構成されている。光源部40は、例えば、キセノンランプ等の各種ランプ、発光ダイオード等の半導体発光素子から構成することができる。照明光学系50は光源部40からの光を液晶表示素子1に導くために用いられ、プリズムやダイクロイックミラーなどの光学素子から構成される。液晶表示素子1はライトバルブとして作用し、投射光学系70を介してスクリーン80に画像が投射される。
【0103】
(具体例2)
図34は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラの外観図であり、図34Aにその正面図を示し、図34Bにその背面図を示す。レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラは、例えば、カメラ本体部(カメラボディ)411の正面右側に交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)412を有し、正面左側に撮影者が把持するためのグリップ部413を有している。
【0104】
そして、カメラ本体部411の背面略中央にはモニタ414が設けられている。モニタ414の上部には、ビューファインダ(接眼窓)415が設けられている。撮影者は、ビューファインダ415を覗くことによって、撮影レンズユニット412から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことが可能である。
【0105】
上記の構成のレンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラにおいて、そのビューファインダ415として本開示の液晶表示素子を用いることができる。すなわち、本例に係るレンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラは、そのビューファインダ415として本開示の液晶表示素子を用いることによって作製される。
【0106】
(具体例3)
図35は、ヘッドマウントディスプレイの外観図である。ヘッドマウントディスプレイは、例えば、眼鏡形の表示部511の両側に、使用者の頭部に装着するための耳掛け部512を有している。このヘッドマウントディスプレイにおいて、その表示部511として本開示の液晶表示素子を用いることができる。すなわち、本例に係るヘッドマウントディスプレイは、その表示部511として本開示の液晶表示素子を用いることによって作製される。
【0107】
(具体例4)
図36は、シースルーヘッドマウントディスプレイの外観図である。シースルーヘッドマウントディスプレイ611は、本体部612、アーム613および鏡筒614で構成される。
【0108】
本体部612は、アーム613および眼鏡600と接続される。具体的には、本体部612の長辺方向の端部はアーム613と結合され、本体部612の側面の一側は接続部材を介して眼鏡600と連結される。なお、本体部612は、直接的に人体の頭部に装着されてもよい。
【0109】
本体部612は、シースルーヘッドマウントディスプレイ611の動作を制御するための制御基板や、表示部を内蔵する。アーム613は、本体部612と鏡筒614とを接続させ、鏡筒614を支える。具体的には、アーム613は、本体部612の端部および鏡筒614の端部とそれぞれ結合され、鏡筒614を固定する。また、アーム613は、本体部612から鏡筒614に提供される画像に係るデータを通信するための信号線を内蔵する。
【0110】
鏡筒614は、本体部612からアーム613を経由して提供される画像光を、接眼レンズを通じて、シースルーヘッドマウントディスプレイ611を装着するユーザの目に向かって投射する。このシースルーヘッドマウントディスプレイ611において、本体部612の表示部に、本開示の液晶表示素子を用いることができる。
【0111】
[その他]
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
[A1]
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含んでおり、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層側に形成された駆動電極に接続されている、
電極構造体。
[A2]
光反射膜は連続した共通層として形成されている、
上記[A1]に記載の電極構造体。
[A3]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されている、
上記[A1]に記載の電極構造体。
[A4]
光反射膜は、電気的に浮遊状態として形成されている、
上記[A1]ないし[A3]のいずれかに記載の電極構造体。
[A5]
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている、
上記[A1]に記載の電極構造体。
[A6]
電極構造体は、反射型の液晶表示素子のバックパネルを構成する基板上に形成されており、
電圧供給用の電極には、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧が供給される、
上記[A5]に記載の電極構造体。
[A7]
光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、
上記[A5]または[A6]に記載の電極構造体。
[A8]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、
短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される、
上記[A5]または[A6]に記載の電極構造体。
[A9]
透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている、
上記[A1]ないし[A8]のいずれかに記載の電極構造体。
[A10]
誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている、
上記[A9]に記載の電極構造体。
[A11]
透明画素電極側のビアの部分は光反射性の導電材料から構成されている、
上記[A1]ないし[A10]のいずれかに記載の電極構造体。
【0112】
[B1]
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体の製造方法であって、
光反射膜と、光反射膜上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された透明導電膜とを形成する工程、
透明導電膜を所定のピッチで2次元マトリクス状に分割し透明画素電極を構成する工程、及び、
各透明画素電極と光反射膜よりも下層に形成された配線とを接続するための、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを形成する工程、
を有する、
電極構造体の製造方法。
[B2]
光反射膜を形成した後に行う工程を、光反射膜に所定の電圧を供給した状態で行う、
上記[B1]に記載の電極構造体の製造方法。
[B3]
光反射膜を連続した共通層として形成する、
上記[B1]または[B2]に記載の電極構造体の製造方法。
[B4]
光反射膜を、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割して形成する、
上記[B1]または[B2]に記載の電極構造体の製造方法。
[B5]
光反射膜を電気的に浮遊状態として形成する、
上記[B1]ないし[B4]のいずれかに記載の電極構造体の製造方法。
[B6]
光反射膜を、光反射膜より下層側に形成された電圧供給用の電極に接続して形成する、
上記[B1]ないし[B5]のいずれかに記載の電極構造体の製造方法。
【0113】
[C1]
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子。
[C2]
光反射膜は連続した共通層として形成されている、
上記[C1]に記載の液晶表示素子。
[C3]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されている、
上記[C1]に記載の液晶表示素子。
[C4]
光反射膜は、電気的に浮遊状態として形成されている、
上記[C1]ないし[C3]のいずれかに記載の液晶表示素子。
[C5]
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている、
上記[C1]に記載の液晶表示素子。
[C6]
液晶表示素子は、反射型の液晶表示素子のバックパネルを構成する基板上に形成されており、
電圧供給用の電極には、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧が供給される、
上記[C5]に記載の液晶表示素子。
[C7]
光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、
上記[C5]または[C6]に記載の液晶表示素子。
[C8]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、
短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される、
上記[C5]または[C6]に記載の液晶表示素子。
[C9]
透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている、
上記[C1]ないし[C8]のいずれかに記載の液晶表示素子。
[C10]
誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている、
上記[C9]に記載の液晶表示素子。
[C11]
透明画素電極側のビアの部分は光反射性の導電材料から構成されている、
上記[C1]ないし[C10]のいずれかに記載の液晶表示素子。
【0114】
[D1]
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子の駆動方法であって、
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されており、
液晶表示素子の駆動の際に、光反射膜は、電気的に浮遊状態、電気的に正極性の電圧が印加されている状態、及び、電気的に負極性の電圧が印加されている状態のいずれかとされる、
液晶表示素子の駆動方法。
[D2]
電圧供給用の電極に、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧を供給する、
上記[D1]に記載の液晶表示素子の駆動方法。
[D3]
光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、
上記[D1]または[D2]に記載の液晶表示素子の駆動方法。
[D4]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、
短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される、
上記[D1]または[D2]に記載の液晶表示素子の駆動方法。
[D5]
透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている、
上記[D1]ないし[D4]のいずれかに記載の液晶表示素子の駆動方法。
[D6]
誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている、
上記[D5]に記載の液晶表示素子の駆動方法。
[D7]
透明画素電極側のビアの部分は光反射性の導電材料から構成されている、
上記[D1]ないし[D6]のいずれかに記載の液晶表示素子の駆動方法。
【0115】
[E1]
フロントパネル、
フロントパネルに対して対向配置されたバックパネル、及び、
フロントパネルとバックパネルとに挟持された液晶材料層、
を含んでおり、
バックパネルを構成する基板上には、
光反射膜、
光反射膜上に形成された絶縁膜、及び、
絶縁膜上に形成された透明導電膜、
を含む電極構造体が構成されており、
透明導電膜は、所定のピッチで2次元マトリクス状に分割され、透明画素電極を構成し、
各透明画素電極は、絶縁膜と光反射膜とを貫通し且つ光反射膜とは絶縁されているビアを介して、光反射膜よりも下層に形成された配線に接続されている、
液晶表示素子を備えた電子機器。
[E2]
光反射膜は連続した共通層として形成されている、
上記[E1]に記載の電子機器。
[E3]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されている、
上記[E1]に記載の電子機器。
[E4]
光反射膜は、電気的に浮遊状態として形成されている、
上記[E1]ないし[E3]のいずれかに記載の電子機器。
[E5]
光反射膜は、光反射膜より下層側に形成された、電圧供給用の電極に接続されている、
上記[E1]に記載の電子機器。
[E6]
電子機器は、反射型の液晶表示素子のバックパネルを構成する基板上に形成されており、
電圧供給用の電極には、基板上に設けられたスイッチングトランジスタを介して電圧が供給される、
上記[E5]に記載の電子機器。
[E7]
光反射膜は連続した共通層として形成されており、電圧供給用の電極から電圧が供給される、
上記[E5]または[E6]に記載の電子機器。
[E8]
光反射膜は、行方向に並ぶ透明画素電極群に対応して短冊状に分割されており、
短冊状に分割されたそれぞれは、別個に設けられた電圧供給用の電極に接続されており、それぞれ別個の電圧が供給される、
上記[E5]または[E6]に記載の電子機器。
[E9]
透明画素電極上を含む全面に誘電体膜が形成されている、
上記[E1]ないし[E8]のいずれかに記載の電子機器。
[E10]
誘電体膜の段差を軽減するための平坦化処理が施されている、
上記[E9]に記載の電子機器。
[E11]
透明画素電極側のビアの部分は光反射性の導電材料から構成されている、
上記[E1]ないし[E10]のいずれかに記載の電子機器。
【符号の説明】
【0116】
1,2,3,9・・・液晶表示素子、10・・・画素アレイ部、11・・・画素、20・・・水平駆動回路、30・・・垂直駆動回路、40・・・光源部、50・・・照明光学系、60・・・画像制御回路、70・・・投射光学系、80・・・スクリーン、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G・・・バックパネル、101・・・基板、102・・・駆動電極、103・・・平坦化膜、104・・・光反射膜、105・・・絶縁膜、106・・・絶縁膜、107・・・ビア、107A・・・導電材料層、108・・・透明画素電極、108A・・・透明導電膜、109・・・誘電体膜、110,111・・・マスク層、112・・・充填部、120・・・液晶材料層、121・・・シール部、130・・・フロントパネル、131・・・基板、132・・・対向電極、133・・・誘電体膜、200・・・バックパネル、202・・・電圧供給用の電極、203・・・コンタクトプラグ、203A・・・導電材料層、411・・・カメラ本体部、412・・・撮影レンズユニット、413・・・グリップ部、414・・・モニタ、415・・・ビューファインダ、511・・・眼鏡形の表示部、512・・・耳掛け部、600・・・眼鏡、611・・・シースルーヘッドマウントディスプレイ、612・・・本体部、613・・・アーム、614・・・鏡筒、903・・・平坦化膜、908・・・画素電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36