(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】対象物の現在位置を決定するための方法、位置決定システム、トラッカーおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20221209BHJP
G01S 1/70 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G01S1/70
(21)【出願番号】P 2020531685
(86)(22)【出願日】2017-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2017082265
(87)【国際公開番号】W WO2019114925
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】オットー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ファイグル,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ダクサー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルックマン,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】レフラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ムチュラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファスビンダー,マルク
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0136947(US,A1)
【文献】米国特許第05831260(US,A)
【文献】特開2008-197733(JP,A)
【文献】特表2006-520905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0155104(US,A1)
【文献】特開2004-157397(JP,A)
【文献】特開2006-003157(JP,A)
【文献】国際公開第2009/113265(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/171387(WO,A1)
【文献】特開2009-204429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/70, 3/78-3/789,
G01S 5/00- 5/14,5/16,
G01S 19/00-19/55,
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(600)の現在位置(122)を
決定する方法(100)であって、
光学位置決定システム(104)を用いて、前記対象物(600)における光学マーカー(608)の位置である第一の仮位置(112)を
決定すること(102)と、
電波ベースの位置決定システム(108)を用いて、前記対象物(600)におけるトランスミッタ(610)の位置である第二の仮位置(114)を
決定すること(106)と、
前記第一の仮位置(112)及び前記第二の仮位置(114)のいずれか一方に基づいて、推定位置(116)を
決定すること(110)と、
前記推定位置(116)が、前回の推定位置(116’)とは異なる位置決定システム(104、108)に基づいている場合に、前記推定位置(116)と、
前記前回の推定位置(116’)に基づいて
決定された前記対象物の前の位置(
120)とを組合せて、該対象物の前記現在位置(122)を
決定すること(108)と、を含み、
前記対象物(600)の前記現在位置(122)を
決定することは、
前記前の位置(120)と前記推定位置(116)との間の初期的位置オフセット(214)を
決定することと、
前記現在位置(122)の決定毎に前記初期的位置オフセット(214)を小さく
して前記推定位置(116)に付加することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第一及び第二の仮位置(112、114)のいずれか一方が利用可能でない場合に、前記第一及び第二の仮位置(112、114)のうち利用可能ないずれか他方を前記推定位置(116)として用いることを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記第一および第二の仮位置がともに利用可能である場合、前記第一の仮位置(112)を前記推定位置(116)として用いることを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記初期的位置オフセット(214)を小さくすることは、前記推定位置(116)が、
前記前回の推定位置
(116’)に対して変化した場合に行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記初期的位置オフセット(214)を小さくすることは、前記推定位置
(116)が、前記前の位置(
120)に向かって変化した場合にのみ行われる、請求項4に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記初期的位置オフセット(214)を小さくすることは、該初期的位置オフセット(214)が補償されるまでおよび/または前記推定位置(116)が、
前記前回の推定位置
(116’)とは異なる位置決定システムに基づくまで、前記初期的位置オフセット(214)の所定の何分の一かだけ該初期的位置オフセット(214)を小さくすることをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記初期的位置オフセット(214)を小さくすることは、前記推定位置(116)と前記前回の推定位置
(116’)との間の位置変化の最大で20%まで該初期的位置オフセット(214)を小さくすることを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項8】
所定の条件が満たされた場合に、前記初期的位置オフセット(214)のうち小さくされていない残りのオフセットを単一のステップで完全に低減することをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記対象物の方位(312)を、光学位置決定システムを用いることによって
決定することをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項10】
基準システムとは異なるセンサシステムを用いて
決定された前記対象物の前記方位(312)と、前記基準システムを用いて
決定された基準方位(314)との間の初期的方位オフセット(310)を小さくすることを含む、請求項9に記載の方法(100)。
【請求項11】
所定の条件が満たされた場合に、前記初期的方位オフセット(310)のうち小さくされていない残りのオフセットを単一のステップで完全に低減することをさらに含む、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記対象物における能動的な光源を光学マーカー(608)として用いることを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記能動的な光源は、少なくとも一つの赤外光を備える、請求項12に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記能動的な光源は変調されて、所定の変調パターンで、点滅光またはパルス状の光を放射している、請求項13に記載の方法(100)。
【請求項15】
トラッカー(600)の位置に関する光学的および電波ベースの複合
決定を伴う位置決定システム(500)であって、
それぞれ光学的および電波ベースの位置
決定のための少なくとも一つの光学的および少なくとも一つの電波ベースのマーカー(608、610)を備えるトラッカー(600)と、
前記トラッカー(600)の光学的に
決定されおよび電波ベースで
決定された位置を、該トラッカー(600)の可能性のある推定位置(116)として受信する手段を備える追跡装置(514)と、を備え、
前記追跡装置(514)は、前記推定位置(116)と、前記トラッカー(600)の前回の推定位置(116’)に基づいて
決定された前記トラッカー(600)の前の位置(120)との組合せに基づいて、該トラッカー(600)の現在位置
(122)を
決定するように構成され、
前記トラッカー(600)の前記現在位置
(122)を
決定することは、
前記前の位置(120)と前記推定位置(116)との間の初期的位置オフセット(214)を
決定することと、
前記現在位置(122)の決定毎に前記初期的位置オフセット(214)を小さく
して前記推定位置(116)に付加すること
と、を含む位置決定システム。
【請求項16】
実行される場合に、プログラム可能なプロセッサに、前記請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、位置決定システムを用いて、対象物の現在位置を決定する方法に関する。他の実施例は、対象物の位置に関する光学的および電波ベースの決定のための手段を有する位置決定システム、位置に関する光学的および電波ベースの決定のための手段を有する位置決定システム用トラッカーおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置決定システムは、対象物の位置に関する光学的決定のための手段または該対象物の該位置に関する電波ベースの決定のための手段を備えていてもよい。
【0003】
光学的決定用システムは、例えば、カメラによる追跡のためのターゲットまたは光学マーカーを備えてもよく、該ターゲットは、例えば、光学マーカーの組合せを備えることができる。光学システムを用いることには、位置の決定が、該ターゲット(複数のマーカー)または単一のマーカーと該カメラとの間の視認または見通し線の中断により、一時的にできない可能性があるという作用がある可能性がある。しかし、視認が利用可能である場合、(単一のマーカーベースの)該位置の正確な決定、および該ターゲット(複数のマーカー)の方位の認識を実現することができる。
【0004】
電波ベースの決定のための他のシステムは、無線トランシーバをトラッカーとして備えていてもよい。該トラッカーと、該システムの固定コンポーネントとの間で無線信号を送受信することにより、該位置を決定することができる。電波ベースのシステムを用いることには、光学システムを用いて位置を決定することよりも、位置の決定の精度が低いという作用がある可能性がある。
【0005】
光学システムの場合、位置の決定は、マーカーに対する視認が中断された場合には、不可能になる可能性がある。電波ベースの決定システムは、いくつかの用途に対して十分に高い、決定された位置の精度を達成できない可能性がある。さらに、該電波ベースの位置決定システムを用いて、十分な信頼性を伴う方位の決定ができない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
位置決定システムを用いて、位置を決定する方法、および対象物の位置を決定する手段を有する位置決定システムを改善する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、対象物の現在位置またはトラッカーの現在位置を決定するための方法に関し、該トラッカーは、それぞれ該対象物に配置されている。該方法によれば、光学位置決定システムは、(能動的または受動的であってもよい)光学マーカーの位置である第一の仮位置を決定するのに用いられ、該マーカーは、該対象物に配置されている。電波ベースの位置決定システムは、該対象物における無線トランスミッタまたはトランシーバの位置である第二の仮位置を決定するのに用いられる。推定位置は、該仮位置のうちの一つに基づいて決定される。該決定された推定位置は、該推定位置が、前の推定位置とは異なる位置決定システムに基づいている場合に、該対象物の該現在位置を決定するために、該対象物の前の位置と組合される。
【0008】
一つの態様は、該対象物の該現在位置の変化を決定するために、上記方法が数回実行されるか、または、該方法のいくつかのパフォーマンスが実行されるということである。換言すると、該方法は、該対象物を追跡するために用いることができる。少なくとも二回、該現在位置を決定した後には、該二つの位置決定システムの一方、すなわち、該第一または第二の仮位置のいずれかに基づいて決定された、利用可能な前の推定位置が存在する。該方法の第二のパフォーマンスにおいて、該推定位置は、例えば、該光学位置決定システムに基づくことができる。この実施例では、該推定位置と該前の位置(例えば、該方法の該第一のパフォーマンスの該現在位置)は、該方法の該第一のパフォーマンスの該推定位置、すなわち、該前の推定位置が、該電波ベースの位置決定システムに基づいている場合に組合される。
【0009】
上記方法によれば、対象物の現在位置を決定できるようにするために、光学位置決定システムおよび電波ベースの位置決定システムの両方が、該位置の決定のために利用される。該対象物の追跡の場合、すなわち、該対象物の現在位置を追跡する場合、該現在位置は、例えば、(例えば、ビデオの準連続画像ストリームに相当する、5Hz、20Hz、25Hzまたは50Hzまたは約20Hzのレートで)連続的または準連続的に決定することができる。該対象物の該現在位置は、該対象物におけるトラッカーおよび/またはマーカー、すなわち、該光学マーカーおよび/または該トランスミッタの位置と、例えば、該対象物における該トラッカーの該位置に関する情報とに基づくことができる。また、該トラッカーの該位置と、該トラッカーを含む該対象物の該位置を同一視することも可能である。
【0010】
トラッカーは、単一の光学マーカー、または、特定のパターンで配置された複数の光学マーカーを備えていてもよい。能動的光学マーカーは、LED(発光ダイオード)を備えていてもよい。本出願による光学マーカーは、(能動的または受動的な)単一の光学マーカー、または、複数の能動的または受動的な単一の光学マーカーを備えている(能動的または受動的な)ターゲットとすることができる。
【0011】
したがって、該位置決定システムの各々は、仮位置と称される位置、すなわち、それぞれの位置決定システムに対応する仮位置を決定することができる。推定位置は、該仮位置の一つに基づいて決定される。標準的な状況または定常状態において、この推定位置は、該決定された現在位置として用いることができる。さらに、該推定位置の該決定の場合、このような定常状態において、定誤差を考慮および補償することができる。いくつかの実施例において、該推定位置が、前の推定位置と同じ位置決定システムに基づいている場合、状態は、定常状態と呼んでもよい。
【0012】
二つの異なる位置決定システムを用いることには、該位置決定システムの一方が、例えば、一時的に誤作動を起こしたり、不具合を生じた場合でも、他方の位置決定システムにより、該現在位置を依然として決定することができ、そのため、冗長性を与えることができるという効果がある。さらなる効果は、例えば、該光学位置決定システムが、例えば、該光学マーカーと、該光学位置決定システムのカメラとの間での視認の中断により、一時的に決定できなくなるまで、該光学位置決定システムを用いることができるように、光学的に決定した位置は、より良好な精度を有することができるということである。例えば、該推定位置が該第一の仮位置に基づいていない限り、該推定位置は、該第二の仮位置に基づかせることができる。
【0013】
電波ベースの位置決定システムは、光学位置決定システムよりも大きな、該システムが位置を決定することができる領域または範囲をカバーすることができる。したがって、場合により、無線トランシーバよりも多くのカメラを設けて、該トラッカーの該位置を決定する必要がある可能性があるであろう。該方法によれば、能動的な光学トラッカーは、該光学的に基づく位置決定、すなわち、光学位置決定システムに用いることができるため、該システムは、無線レシーバと比較してカメラの数を増加させることを回避することができ、少なくとも一つの能動的な光学マーカーを有するシステムが用いられ、視認が存在する場合、カメラは、該能動的な光学マーカーから光学信号を受け取ることができる。したがって、受動的な光学マーカーを用いるシステムと比較して、所定の領域に対して、カメラの数を少なくすることができる。能動的な光学マーカーを用いることには、カメラが、受動的マーカーと比較して、より多くの距離においても、該光学マーカーの能動的光信号を決定することができ、その結果、例えば、該光学的および電波ベースの位置決定システムの適用範囲を同一視することができ、または、同規模にすることができる。したがって、場合により、追加の単一カメラを回避できるように、該それぞれの位置決定システムのカメラとトランシーバを、同じ箇所に一緒に、または、該位置決定システムの適用範囲内または適用範囲に隣接して共通のパッケージで設けることができる。このようにして、能動的な光学トラッカーを用いることにより、上記方法による該推定位置を決定するための光学的および電波ベースのシステムの組合せを改良することができる。
【0014】
光変調および/またはパルシングアクティブターゲットを有するアクティブトラッカーには、周囲ノイズ(太陽光)の場合の識別を可能にし、各ターゲットの異なるコードを用いた識別を可能にし、該カメラの同期を可能にする効果がある。点滅およびパルス光は、(例えば、持続性の発光を検出不可能にする太陽光のノイズによって遮断された等の)隠れた/遮断されたトラッカーを検出する方法で変調させることができる。点滅およびパルス光は、電波ベースのシステムによって決定される、および依然として視認可能である該トラッカーの該現在位置に基づいて、および該点滅を、該カメラによって再び識別されるように試みることによって、サーバーが要求することができる。所定の変調パターンは、例えば、相関を利用することにより、光密度が低い場合でも、該位置決定システムが、該アクティブマーカーを検出できるように、該位置決定システムによって状況に適応させることができ、または決定および承知させることができる。
【0015】
該推定位置は、該光学システムが位置を決定できる限り、例えば、該光学マーカーに対する視認が中断されない限り、該第一の仮位置に基づかせることができることは既に上述されている。これに対して、該対象物が、例えば、ある対象物によって隠されている場合、該推定位置は、該電波ベースの位置決定システムに基づいて決定させることができる。この場合、ここでは、該推定位置は、該電波ベースの位置決定システムに基づいているのに対して、それより前は、該推定位置は、すなわち、該前の推定位置は、該光学位置決定システムに基づいているため、該推定位置は、前の推定位置とは異なる位置決定システムに基づいて決定される。
【0016】
このような状況において、該推定位置が、前の推定位置とは異なる位置決定システムに基づいている場合は、上記方法のステップに従って、該推定位置は、該現在位置を判断するために、該対象物の該前の位置と組合される。組合せるとは、現時点で、該第二の仮位置に基づく該推定位置は、該現在位置として用いられないことを意味し、すなわち、該定常状態はそのままであるが、該推定位置および該前の位置に依存することを意味する。組合せることには、他の位置決定システムとは異なる仮位置を決定することができる、該推定位置が基づいている該位置決定システムの変化により、該決定された現在位置は、急激に異なる位置に変わらない、または急に変化しないという効果がある。例えば、該対象物は、該位置決定システムが変化する場合には動かない可能性があるが、それに対して、例えば、該位置決定システム間の精度の違いにより、該第一および第二の仮位置が変わる可能性があり、その結果、該対象物は少しも動かないものの、現時点の決定された推定位置は、該前の位置とは異なる可能性がある。この実施例では、該組合せることは、該現在位置が該前の位置と同じであると決定することをもたらす可能性がある。該対象物が動かないか、または、その位置を変化させない場合に、該位置決定システムの変化による、該決定された現在位置の変化または急激な変化を避けることは、該位置決定システムを改善することができる。二つの異なる位置決定システム、すなわち、光学および電波ベースシステムは、該異なる位置決定システム間の切り替えているときの該現在位置の急激な変化または急加速を回避しながら用いることができる。これに対して、該現在位置は、該組合せステップにより徐々に、該それぞれの他の位置決定システムに適応または整合される。換言すると、該現在位置の該変化を説明する作用は、該異なる位置決定システムが、該現在位置を決定するのに用いられる場合でも滑らかである。
【0017】
一つの実施例において、上記方法は、仮想現実システムにおいて用いることができ、該対象物は、仮想現実において移動するユーザである。例えば、該ユーザが動いていないが、使用した位置決定システムが変化する状況においては、該方法を提供することにより、該ユーザに提示される、例えば、スクリーン上に視覚化された該位置の急激な変化を避けることができる。例えば、電波ベースの位置は、光学ベースの位置とは異なり、該電波ベースのシステムは、ここでは、該位置決定の基本であり、すなわち、以前は該基本であった該光学システムに代わって、該推定位置の該基本である。この実施例では、該視覚化における急加速を避けることができ、また、上記方法を用いることにより、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【0018】
該推定位置と該前の位置を組合せることは、異なるパラメータ、例えば、同じ位置決定システムの前の推定位置と比較した該推定位置の変更に依存することができる。これは、例えば、該同じ位置決定システムの推定位置と、前の推定位置との間に変化がない場合に、該組合せることが、このような変化が起きる状況と比較して異なることを意味する。このことには、例えば、該ユーザが少しも動かない場合の急加速または視覚された動きを避ける仮想現実において既に説明した効果がある。
【0019】
一方、前の推定位置と比較して、該推定位置の変化があった場合、例えば、該推定位置が、該前の位置の方向に変化した場合、該現在位置は、該推定位置が前の推定位置に対して変化したのと同程度に、前の現在位置に対して変化しないと決定することができる。これに対して、該推定位置が、反対方向、すなわち、該前の位置から離れて変化する場合、該現在位置は、その前の推定位置に対する該推定位置の該変化よりも大きい、前の現在位置に対する変化を示すと決定することができる。いずれの場合も、該効果は、組合せ後に該現在位置と該前の位置との間の距離がより小さくなり、その結果、例えば、該位置決定システムの異なる精度による該第一の仮位置と第二の仮位置との差を、上記方法に従って徐々に補償することができるということである。上記方法の一定数の繰り返しの後、該補償を完了することができ、その結果、該位置決定システムは、現時点のそれぞれの他の位置決定システムに基づいて、再び定常状態で作動することができる。この円滑なまたは漸次的な補償は、該前の位置に対する該決定された現在位置の急加速または急激な変化を回避することをもたらすとともに、変化状態中に、該現在位置を該対象物の実際の位置に導くことができる。該効果は、急加速が、感覚的または運動的印象とは異なる光学的印象によるユーザの不快感または体調不良につながる可能性がある場合に、例えば、仮想現実または拡張現実の文脈で用いてもよい(該決定された現在位置に基づく景色から示されている場面の画像は、ユーザが移動することなく、ユーザエクスペリエンスに関してネガティブな効果を有する可能性のある別の景色に急に変化するであろう)。該方法は、冗長の光学位置決定システムおよび電波ベースの位置決定システムと、該上述した、ある一つからそれぞれ他の位置決定システムへの制御された変化とによる高い精度と信頼性の増加の両方を伴う、対象物に関する改良された追跡のために用いることができる。
【0020】
上記方法の一つの実施形態によれば、利用可能な仮位置は、該第一または該第二の仮位置のいずれかが利用可能でない場合に、該推定位置として用いられる。特定の状況において、該位置決定システムのうちの一つは、それぞれの仮位置を決定することができない可能性がある。該光学システムの場合、これは、例えば、第三の対象物が、それぞれの視認を中断するように、該第三の対象物が、該光学トラッカーと該カメラとの間に位置している場合である。該電波ベースのシステムの場合、これは、例えば、マルチパス波伝搬による例えば妨害放射が該電波ベースの位置決定システムの無線信号を撹乱し、その結果、電波ベースの決定が一時的に不可能になる可能性があるか、または、プリセッションの低下につながる可能性がある場合である。該実施形態には、該位置決定システムの一方が故障した場合に、該対象物の該現在位置を依然として決定することができるという効果がある。該二つのシステムが異なる仮位置を決定することがあるが、該方法によれば、該現在位置は、他方の位置決定システムを用いる場合において、該推定位置と該前の位置を組合せることによって徐々にそれぞれの他の位置に調節されるので、急激に変化しない。実際の位置または決定された現在の位置は、グラウンドトゥルースの光学システムに対するオフセットがある限り、現在の能動的な位置決定システムに沿って/該システムに対して相対的に動いている。
【0021】
上記方法の一つの実施形態によれば、該第一の仮位置は、該第一および第二の仮位置がともに利用可能である場合に、該推定位置として用いられる。該光学位置決定システムは、この実施形態に従って、該決定をより正確にできるように、該対象物の該位置を決定する際に、より正確である可能性がある。該光学システムは、主たる決定部分として説明でき、それに対して、該電波ベースのシステムは、該光学システムが、位置を一時的に決定できない場合、または、正しい光学的位置を識別することができない場合に用いることができる補助的決定部分である。このことには、一般的に、決定された位置は、該光学システムの精度のため、非常に正確であり、それに対して、該光学システムが、例えば、該光学マーカーに対する該カメラの該視認の干渉のため一時的に障害が生じた場合に、依然として位置を決定することができるという効果がある。したがって、いくつかの実施例においては、該前の推定位置が、該電波ベースの位置決定システムに基づくが、該光学位置決定システムは、該推定位置が該光学システムに基づくように、一時的な障害の後に利用可能でありまたは再び利用可能である、ということが可能である。これらの実施例においては、該現在位置が、該光学システムに円滑に適応されて、定常状態が実現されるまで、上記組合せることを行うことができる。
【0022】
上記方法の別の実施形態によれば、該推定位置と該前の位置を組合せる該方法は、該前の位置と該推定位置との間の初期オフセットを少なくすることにより、該対象物の該現在位置を決定することを含む。該初期オフセットは、該異なる位置決定システムに基づく最初の決定された推定位置である、該前の位置と該推定位置との間の距離である。実施例として、追跡対象物の該現在位置は、該光学システムが故障するまで、該光学システムに基づかせることができる。該光学システムに基づいている、該方法の最後のパフォーマンスの該現在位置は、該前の位置と称される。該方法の次のパフォーマンス、すなわち、該推定位置が該電波ベースのシステムに基づいている該第一のパフォーマンスにおいて、該初期オフセットは、この推定位置(電波ベースである第一の推定位置)と、該前の位置(該光学システムに基づいている最後の現在位置)との間の該距離になるように決定される。
【0023】
この初期オフセットは、例えば、該三つの直交成分を有するベクトルとすることができ、および該第二の仮位置に加えることができる。このことには、該位置決定システムの変化が生じた場合でも、該対象物の該決定された現在位置が依然として同じであるという効果がある。この違い、すなわち該オフセットを補償するために、該初期オフセットは、徐々に少なくすることができ、すなわち、該決定された現在位置の急加速または急激な変化を避けることができる。該オフセットを少なくすることは、さまざまな方法で実施することができる。以下の手法は、単独でまたは組合せて実施することができ、および例えば、該方法が、ユーザの好みに従ってユーザ環境に仮想現実環境で用いられる場合に適応させることができる。例えば、該初期オフセットを小さくする速度を調節することが可能であり、この場合、該オフセットをより速く少なくすることは、該それぞれ他の位置決定システムへの適応がより速く実行されるように、該方法のより少ないパフォーマンスで該オフセットを少なくすることを意味する。
【0024】
上記方法の一つの実施形態によれば、該オフセットは、該推定位置が、前の推定位置に対して変化した場合に少なくされる。ここで意味する該前の推定位置は、該推定位置と同じ位置決定システムに基づいている。このことは、該オフセットが、該それぞれの位置決定システムが該トラッカーの該位置の変化を決定する場合にのみ少なくされることを意味する。該前の位置が該他の位置決定システムに基づいていた場合、(該前の推定位置は、以前に用いられていなかったが)該同じ位置決定システムの該前の推定位置も利用可能であるため、該オフセットは、該推定位置が該前の位置または前の推定位置とは異なる位置決定システムに基づいている該第一のパフォーマンス内で既に少なくすることができる。このことには、既に該第一の組合せステップにおいて、該オフセットは、一方から他方の位置決定システムへの移行または適応をより速く、または、それぞれの現在位置のより少ない決定ステップ内で実行できるように少なくすることができるという効果がある。したがって、例えば、該推定位置が該光学位置決定システムに基づいている場合、より多くの正確な位置をより速く提供することができるとともに、該決定された現在位置と該前の現在位置との間の急加速または急激な変化を避けることができる。
【0025】
該方法の一つの実施形態において、オフセットを少なくすることは、該推定位置が該前の位置の方に向かって変化している場合にのみ行われる。このことは、例えば、該前の位置が、該推定位置から正のx方向にある場合、該オフセットは、該推定位置が正のx方向に移動している場合にのみ少なくされることを意味する。対照的に、該推定位置が、x方向ではなく、y方向および/またはz方向に移動している場合、該オフセット、または、該オフセットの少なくとも該x方向部分は少なくされない(または、ユーザが、並進運動(x/y)の増加を特定量まで無意識に受け入れることに関してだます/操作することができる場合は、知覚できない極一部/量だけ少なくされ、すなわち、該ユーザは、一方向のみが現実である場合にのみ、x/yの増加も許容する)。このことは、例えば、仮想現実文脈における追跡において、それぞれのユーザに示される不自然な変化を回避する。ユーザは、彼女がx方向にしか物理的に移動しないのに該仮想現実における彼女の視点がy方向に変化する場合に、ネガティブなエクスペリエンスを有する可能性があり、それに対して、ユーザは、仮想位置の絶対的変化が、該同じ方向における物理的変化と全く同一であるか否かに気付かない可能性があるため、該オフセットを、ユーザがそれに気付くことなく、または、それからの悪いエクスペリエンスを有することなく、該ユーザが移動する該方向に少なくすることができる。例えば、ユーザが、x方向にだけ移動すると同時に、彼女の方位を変化させる場合に、y方向のオフセットを少なくすることを可能にすることができる。
【0026】
上記方法の一つの実施形態によれば、該オフセットを少なくすることは、該初期オフセットの所定の極一部だけを少なくすることをさらに含む。該極一部は、多くの決定ステップにおいて減らすことができ、この場合、それぞれの現在位置は、該オフセットが完全に補償されるまで決定される。換言すると、該推定位置の基本としての該位置決定システムの変化が起きたときの、該二つの位置決定システムによって決定された該二つの仮位置の間の差の該補償は、再び定常状態に達するまで、多くのステップ(該方法の続いて起こる繰り返し)で実行することができる。該他の位置決定システムへの該適応の円滑化は、該ステップの数を増やすことにより、すなわち、該極一部を減らすことにより、改善することができる。該極一部は、該推定位置が、前の推定位置とは異なる位置決定システムに基づくまで、追加的にまたは代替的に減らすことができる。換言すると、該それぞれの他の、特に光学的な位置決定システムが再び利用可能になる前に、移行状態が完了していない場合、該初期オフセットの十分な低減を実行できない可能性がある。この場合、新たな初期オフセットを決定することができ、また、該新たな初期オフセットは、元の位置決定システムの該定常状態に戻るように少なくすることができる。該所定の極一部は、該オフセットまたは該初期オフセットの絶対値、すなわち、該前の位置と、該異なる位置決定システムに基づく該第一の推定位置である該推定位置との間の該距離に依存してもよい。例えば、該極一部は、該初期オフセットの1%または5%または20%とすることができる。該極一部は、該初期オフセットの該絶対値がより大きな場合には、割合をより小さくすることができ、その結果、該現在位置の大きな絶対的変化を避けることができる。また、該極一部は、非線形補償、すなわち、該新たな位置決定システムに対する特別に円滑なアプローチを実現できるように、残りのオフセットの1%または5%または20%とすることもできる。典型的には、該極一部は、単に該ユーザがそれに気付かない大きさにすることができ、すなわち、該極一部は、該ユーザによって異なる。したがって、極一部は、ユーザの受け入れに従って個別に調節することができる。
【0027】
上記方法の一つの実施形態において、該オフセットを少なくすることは、該対象物の位置変化に依存し、および該推定位置と該前の推定位置との間の位置変化の最大で20%まで該オフセットを少なくすることを含む。また、例えば、該オフセットの該絶対値に依存している該位置変化の10%または5%だけ該対象物を低減することも可能である。換言すると、該オフセットは、該対象物の動きに依存する値だけ少なくされる。該位置変化が大きい場合、該低減はより大きくなり、それに対して、該位置変化が小さい場合には、該低減も小さくなる。このことには、例えば、仮想現実において、該ユーザがわずかしか動かない場合には、該ユーザの視点は強く変化しないという効果がある。そのため、この実施形態を用いて、該オフセットの該低減がユーザの動きに適応されるため、該ユーザが該オフセットの該低減に気付かないことを実現することができる。逸脱を避けるために、残りのオフセット、すなわち、用途に依存する1cmまたは1mmの残りのオフセットは、所定の下限に達したときに完全に低減することができる。相対的オフセットは、ユーザの衝突の可能性がない限り問題ではない。
【0028】
また、一つの実施例において提案したシステムは、すべてのユーザを追跡し、およびユーザが衝突する可能性がないように、相対閾値の量を確保する。すなわち、それぞれのトラッカーを有する二人のユーザの間に衝突の危険性がある場合、オフセットは、例えば、直ちに、または、一つのステップにおいて少なくすることができる。
【0029】
他の実施形態において、上記方法は、光学位置決定システムを用いて、該対象物の方位を決定することをさらに含む。該システムは、該位置を決定するのと同じ光学位置決定システムまたは追加的な位置決定システムとすることができる。該対象物は、特定の方位に関して該位置決定システムによってカバーされる領域内に位置することができる。この方位は、該光学位置決定システムの固定された静止位置、例えば、カバーされる領域内または領域における固定マーカーに対する角度の値によって説明することができる。該方位角度は、三つの直交方向における該固定マーカーに対する該光学マーカーまたは能動的な光学マーカーの該方位を決定することによって決定することができる。このことは、方位角度が、ヨーおよび/またはピッチおよび/またはロール成分を含むことができることを意味する。
【0030】
いくつかの実施形態においては、該固定マーカーへの視認の中断により、該対象物の現在の方位を光学的に決定することが一時的に不可能である可能性がある。このような状況において、該方位角度は、例えば、該対象物または該トラッカーに設けられた加速度センサ等の初期センサによって決定することができる。例えば、該トラッカーは、ジャイロスコープを備えることができる。該視認が再び可能である場合、新たな光学的に決定された方位または方位角度は、基準方位として説明することができる。これらの実施形態では、該基準方位が、基準システム、例えば、該固定マーカーを有する該光学システムを用いて決定される場合、該初期センサに基づいている該方位と該基準方位との間の初期オフセットが低減される。このことには、該二つの方位システムは、例えば、異なる精度により、異なる方位角度を決定することがあるが、該方位システムの変化は、該決定された現在の方位の急加速または急激な変化を伴うことなく起きる可能性があるという効果がある。該方位角度の該オフセットの該低減は、該位置の該オフセットの該低減を実行できる上述したのと同じ方法で実行することができる。
【0031】
一つの実施例は、光学システムによる方位の決定が、例えば、視認の中断により、一時的に不可能である場合に、方位を決定するためのジャイロスコープを用いる方法に関する。例えば、該基準システムに関するオフセットは、該ジャイロスコープによって決定された方位が該基準方位と異なる場合に少なくすることができる。該方法のいくつかの実施形態においては、所定の条件が満たされた場合に、残りのオフセットを単一のステップで完全に減らすことが設けられる。このことは、該初期オフセットの例えば、10%、または、該初期オフセットの50%または90%とすることができる残りのオフセットを、特定の状況において、該推定位置と該前の位置の単一の組合せで少なくすることができることを意味する。該所定の条件は、特定のコンテンツがユーザに見せられている場合に、例えば、仮想現実環境内で満たすことができる。該特定のコンテンツは、正確な位置および/または方位が、該ユーザの知覚の範囲内にない状況、例えば、暗闇および/または他の不明瞭なエフェクト(例えば、霧、スモッグまたは空気中の高濃度の他の粒子)が示されている場合、および/または仮想ドアが開いているかおよび/または閉じられている場合、および/または該ユーザが、一つの対象物に近づき過ぎているために、この対象物の一部のみしか見ることができない場合を含む可能性がある。他の特定のコンテンツは、該仮想現実における地震、または、仮想シーンおよび/または該仮想シーンの物体の意図的な伸長または圧縮のような該環境の人工的な変形を含む可能性がある。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、該対象物における能動的光源が光学マーカーとして用いられる。該光源は、その発光強度に関して設定することができ、例えば、該強度は、該位置決定システムの領域の適用範囲、すなわち、該光学マーカーを該システムのカメラによって感知できる領域を増加できるように増すことができる。前述したように、このことには、該位置決定システムの固定コンポーネントまたは追跡コンポーネントの必要な数に関する相乗効果がある。例えば、該光学システムの場合のカメラの数は、該電波ベースのシステムにおいて必要なトランシーバの数に適応させることができる。そのため、位置決定システムの複雑性は、上記方法を用いることにより、および該方法を実行するのに必要なより少ないカメラによる該位置決定システムのコストによって低減することができる。
【0033】
上記方法の他の実施形態によれば、該能動的光源は、少なくとも一つの赤外光を備えている。このことには、該光源が人には見えないか、または知覚できず、そのため、例えば、ユーザが該光学マーカーおよび該拡張現実の仮想物体を見ることができる拡張現実アプリケーションにおいて邪魔をしないという効果がある。
【0034】
多数の光学マーカー、例えば、二つ、三つまたは四つのマーカー、例えば、冗長マーカーを用いることには、(例えば、それらのマーカーのうちの一つが赤外光源であるとともに、別のマーカーが別の光源である場合に)方位を容易に決定するか、または、該光学システムの信頼性を増すという効果がある。例えば、該マーカーのうちの少なくとも一つがカメラ視点からカバーされていない可能性はより高く、その結果、少なくとも一つの視認が、該位置を決定するために利用可能である。したがって、該光学位置決定システムの該トラッカーは、複数の能動的な光学マーカーを備えることができる。
【0035】
別の態様は、トラッカーの位置に関する光学および電波ベースの複合決定を伴う位置決定システムに関する。該位置決定システムは、それぞれ、光学および電波ベースの位置決定のための、少なくとも一つの光学マーカーを備えている少なくとも一つのトラッカーと、少なくとも一つの電波ベースのトラッカーとを備える。該位置決定システムは、該トラッカーの光学的に決定したおよび電波ベースで決定した位置を、該トラッカーの可能性のある推定位置として受信する手段を有する少なくとも一つの追跡装置を備え、この場合、該追跡装置は、該推定位置と該トラッカーの前の位置の組合せに基づいて、該トラッカーの現在位置を決定するように構成される。したがって、該システムは、前述した方法を実行する手段を有するシステムである。該位置決定システムの態様は、光学および電波ベースの位置決定システムの位置情報を含む信号を組合せるように構成されている位置決定サーバーに関する。該位置決定サーバーは、該光学的な位置決定から該電波ベースの位置決定への変更および/または該電波ベースの位置決定から該光学的な位置決定への変更が起きた場合に、組合せによって決定することができる現在位置の決定を可能にするように構成される。このようにして、該位置決定サーバーは、例えば、対象物を追跡する場合に、該決定された現在位置の急な変化を伴うことなく、該光学システムと電波ベースのシステムの円滑な切り替えを可能にする。
【0036】
他の態様は、光学的および電波ベースの複合位置決定システムのためのトラッカーに関する。該トラッカーは、該トラッカーの位置を含む情報信号を送信するように構成された、能動的光源および無線トランスミッタを備えた光学マーカーを備えている。したがって、位置決定システムは、該トラッカーの該位置を光学的にかつ電波ベースで決定することができ、その結果、該上述した効果を達成することができ、また、例えば、カメラの数を減らすことができる。
【0037】
一つの実施形態は、光学的および電波ベースの複合位置決定システムのためのトラッカーに関し、この場合、該能動的光源は、一定の光信号またはパルス状光信号を放射する赤外光を備えている。該能動的赤外光信号は、人の眼によって知覚されないため、該トラッカーは、例えば、拡張現実アプリケーションにおいて、例えば、ユーザの動揺を避けることができる。
【0038】
仮想現実または拡張現実のアプリケーションにおける利用の場合、他の実施形態によれば、該トラッカーは、ユーザの頭に装着できるように、または、ヘルメットに取り付け可能であるように構成され、および/または該トラッカーは、仮想現実ウェアラブルおよび/または拡張現実ウェアラブルである。換言すると、該トラッカーは、ヘルメットであってもよく、または、メガネまたはヘッドバンドに備えられてもよいであろう。該トラッカーは、ヘルメットに取り付け可能であってもよいであろう。このことは、例えば、該カメラが、上方位置に、例えば、壁または天井に配置されている場合に、ユーザの頭における位置が、該システムのカメラへの視認の中断のリスクを低減できるため、該光学的決定システムの該信頼性を向上させることができる。しかし、他の実施例では、該トラッカーは、ジャケットまたはベルト等の他の衣服類に一体化されることが可能である。
【0039】
さらなる態様は、プログラムコードを含むコンピュータプログラムに関する。該プログラムコードは、実行時に、プログラマブルプロセッサに、前述した方法のうちの一つを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
装置および/または方法のいくつかの実施例を、単に例証として、および添付図面を参照して、以下において説明する。
【
図2】一時的な推定位置が電波ベースの位置決定システムに基づいている方法の実施例を示す。
【
図3】位置オフセットおよび方位オフセットの実施例を示す。
【
図6】概略的トラッカーおよびウェアラブルトラッカーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に、いくつかの実施例が例示されている該添付図面を参照して、さまざまな実施例をさらに十分に説明する。該図面において、線の厚み、レイヤーおよび/または領域は、明確にするために誇張されている可能性がある。
【0042】
したがって、さらなる実施例は、さまざまな変更および代替的形態が可能であるが、それらのうちのいくつかの特定の実施例が該図面に示されており、および詳細に後述されている。しかし、この詳細な説明は、さらなる実施例を該特定の形態に限定しない。さらなる実施例は、本開示の範囲内にあるすべての変更例、等価物および代替例をカバーすることができる。同様の数字は、該図面の記載を通じて、同様または類似の要素を指すものとすし、該要素は、互いに比較した場合に、同一にまたは変更した形態で実施することができるとともに、同じかまたは類似の機能を備えることができる。
【0043】
一つの要素が、別の要素に「接続」または「結合」されていると言及されている場合、それらの要素は、直接的に接続または結合され、または、一つ以上の介在要素を介して接続または結合されている可能性があることは理解されるであろう。二つの要素Aと要素Bが、「または」を用いて組合されている場合、これは、すべての可能性のある組合せ、すなわち、Aだけ、Bだけ、およびAとBを開示していることを理解すべきである。同じ組合せに対する代替表現は、「AおよびBの少なくとも一方」である。同じことは、二つ以上の要素の組み合わせにも当て嵌まる。
【0044】
具体的な実施例を説明するために本願明細書で用いられている専門用語は、さらなる実施例を限定しようとするものではない。「一つの」および「該」等の単数形が用いられている場合、および単一の要素のみを用いることが必須であると明確的にまたは暗黙的に定義されていない場合は常に、さらなる実施例は、複数の要素を用いて、同じ機能を実施してもよい。同様に、機能が、多数の要素を用いて実施されると後述されている場合、さらなる実施例は、単一の要素または処理エンティティを用いて該同じ機能を実施してもよい。さらに、「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」という用語は、使用されている場合、述べられている形状構成、整数、ステップ、作用、プロセス、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を明確に述べているが、一つ以上の他の形状構成、整数、ステップ、作用、プロセス、動作、要素、コンポーネントおよび/またはこれらの任意の群の該存在または追加を排除しないことは理解されるであろう。
【0045】
本願明細書において、(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、別段の記載がない限り、該実施例が属している当該技術のそれらの元々の意味で用いられている。
【0046】
図1は、対象物の現在位置122を
決定する方法100の実施例を示す。該方法100は、光学位置決定システム104を用いて、該対象物における光学マーカーの位置である第一の仮位置112を
決定すること102を含む。該方法は、電波ベースの位置決定システム108を用いて、該対象物におけるトランスミッタの位置である第二の仮位置114を
決定すること106をさらに含む。該方法100は、該仮位置112、114の一方に基づいて推定位置116を
決定すること110と、該推定位置が、前の推定位置と異なる位置決定システムに基づいている場合に、該推定位置116と、該対象物の前の位置120を組合せて、該対象物の該現在位置122を
決定すること118とを含む。
【0047】
実施例において、該推定位置116は、該電波ベースの位置決定システム108に基づいており、すなわち、それは、該第二の仮位置114に基づいて決定される。該前の位置120は、該対象物の前に決定された位置、すなわち、該方法の該現在のパフォーマンスの前に該方法を実行する、少なくとも一つの決定ステップにおける該対象物の現在位置である。この実施例における該前の位置は、該光学位置決定システム104に基づいている前の推定位置116’に基づいている。したがって、この実施例においては、該推定位置116は、(該光学位置決定システム104に基づいている)該前の推定位置116’とは異なる位置決定システム(すなわち、該電波ベースの位置決定システム108)に基づいているため、該現在位置122を決定するために、該推定位置116と該前の位置120が組合される。
【0048】
上記同じ実施例において、上記方法100を再び実行することにより、次の現在位置122を決定するために、該推定位置116は、再び、該電波ベースの位置決定システム108に基づかせることができる。ここでは、前の推定位置(すなわち、以前に実行された該方法100の該推定位置)も該電波ベースの位置決定システム108に基づいているため、組合せること118を依然として実行することができる。しかし、この実施例においてカウントする該前の推定位置は、該光学位置決定システム104に基づいている該前の推定位置116’のままである。これは、組合せること118がもはや必要なくなるまで(例えば、該前の位置120と該推定位置116が等しいか、または、適応される場合、または、後述するオフセットがゼロまで完全に低減された場合)、または、該推定位置116の基本が、前の位置に関して再び変化するまで当て嵌まる可能性がある。この実施例において、このことは、該推定位置116が、再び、該前の位置116’のように該光学位置決定システム104に基づくことを意味するであろう。また、該方法は、同じ位置を決定するために、二つの異なる手法を用いて、他の位置決定システムに用いることもできる。
【0049】
図2は、方法100の実施例200を示し、この場合、位置202が図示されており、また、現在位置204は、時間206の間に変化する。実施例200は、該方法を用いて、それぞれの時間206の間に移動する対象物の該それぞれの現在位置204を追跡するための実施例を示す。第一の期間の定常(定常状態)において、該現在位置は、該光学位置決定システム104によって
決定される、それぞれの第一の仮位置208に等しい。第二の仮位置210は、同様に該電波ベースの位置決定システム108に基づいて
決定される。期間定常の間は、前の推定位置を
決定するのに異なる位置決定システムが用いられない(期間定常のすべての推定位置は、該光学位置決定システム104と、そのそれぞれの第一の仮位置208とに基づいている)ため、該第二の仮位置は用いられず、および該組合せステップ118は行われない。
【0050】
時点t1において、該光学システム104は故障を示し、例えば、対象物は、該光学システムのカメラと、該対象物の光学マーカーとの間を移動し、その結果、視認は中断され、および該第一の仮位置は、一時的に
決定することができない。したがって、該期間移行1の間、該推定位置は、該電波ベースの位置決定システム108に基づいている。
図1に示すように、該第二の仮位置210に基づいている期間移行1の該第一の
決定された推定位置は、前の位置212、すなわち、期間定常の該最後の
決定された現在位置とは異なる。期間移行1の該推定位置は、前の推定位置(期間定常の該最後の推定位置)とは異なる位置決定システムに基づいているため、期間移行1の該現在位置204は、該第二の仮位置210である該推定位置と該前の位置212を組合せることによって
決定される。この実施例による該組合せることは、期間移行1の該第一の推定位置と該前の位置212の差を表す第一のオフセット214を
決定することを含む。該オフセット214は、時点t1における該光学的に
決定される位置から、該電波ベースの
決定位置への急激な変化を避けるために、期間移行1の間の該推定位置に付加される。移行1の次のステップにおいて、すなわち、該現在位置204を
決定する、または、該対象物の追跡をそれぞれ実行するための該方法の次のパフォーマンスにおいて、該オフセット214は、
決定ステップ毎に低減される。移行1の間、該第二の仮位置210は、該前の位置212の方向に変化する。該現在位置204は、該第二の仮位置と、現在位置204の
決定毎に低減される該オフセット214とによって
決定される。したがって、該現在位置204は、該現在位置と該第二の仮位置210との差が移行1の間に小さくなるように、該第二の仮位置210と同じ速さで変化しない。移行1の該方法の該最後のパフォーマンスにおいて、該残りのオフセット214’は、オフセット214の例えば20%とすることができ、他の実施例では、該残りのオフセットは、ゼロまで低減することも可能である。
【0051】
図2に示す該実施例に従って該オフセット214を低減することは、時点t2において、該光学システム104が再び利用可能であり(例えば、該カメラと該光学マーカーとの間の該対象物は、該視認をもはや中断しない)、および該推定位置は、ここで再び該第一の仮位置208となるため、時点t2で停止する。期間移行2の間、第二のオフセット216は、該光学システムに戻って該電波ベースのシステムによって
決定された該位置に整合するようにまたは適合するように低減されている。該オフセット216は、移行1の該最後の現在位置204である新たな前の位置218と、移行2の該第一の
決定された推定位置、すなわち、時点t2における該第一の仮位置208との差である。移行2の間、該二つの位置決定システム間の該差が補償され、換言すると、該現在位置204は、該電波ベースのシステムから該光学システムに戻って適応される。例えば、一秒間続く移行2において、該オフセットは、それぞれの現在位置204を
決定する25のステップの間に低減することができる。該オフセット216の低減は、時点t3において、該オフセットがゼロまで低減されるように、時点t2において、初期オフセット216の4%とすることができる。換言すると、時点t3において、該
決定された現在位置は、該光学位置決定システム104に戻って適合される。該オフセットはゼロまで低減されるため、該推定位置と前の位置を組合せることは、もはや必要ではなく、該位置決定システムは、再び、定常状態(期間定常)で作動することができる。
【0052】
このように、
図2は、トラッカーまたはユーザの典型的なコースを経時的に示している。時刻1において、該光学位置または位置決定システムは故障しており、時刻2において、該システムは再び利用可能になっている。該システムは、可能な場合、該光学的位置を利用するため、該ユーザの位置は、最初は該光学システムの該位置に等しい。時刻1において、該光学システムは故障して、該無線システムに切り替えられ、該無線システムが実行され、この場合、該ユーザはさらに、依然として彼の初期位置のままである。該ユーザが認識しないように、所要のオフセットが、該システムによって記憶され、および経時的にゆっくりとアルゴリズム的に低減される。該無線システムの該位置は近付けられる。時刻2から、光学的位置が再び利用可能になり、それに伴って該オフセットが設定されて、アプローチのさらなる段階において、該光学的位置に再び適合される。逆に、この方法は、該無線システムの故障を隠すためにも適用することができる。
【0053】
すべての軸x、y、zに対して、該位置PからP’への適応および/または該距離d=P’-Pは、角度適応と同様に引き継がれる。
図2は、該ユーザのバーチャルP’が距離dを有しているのに対する、空間における位置Pにおけるユーザを示す。一度の及びすぐの補正は、知覚された動きは、もはや図示されている動き(急な変化)に一致しないため、該ユーザの「エクスペリエンス」に強く影響を及ぼすであろう。この種の動作(補正または急激な位置の変化)は、人には不自然として知覚され、その最悪のケースでは、体調不良(いわゆる乗り物酔い)につながる可能性がある。提示されている方法は、該ユーザに気付かれることなく、現実世界における該ユーザの該位置を、該仮想世界における該位置に徐々に適応させる。
【0054】
(補正係数なしの)位置計算のための方程式は、
【数1】
として与えることができ、ただし、Oは、該距離の方向ベクトルであり、dは、該距離の長さであり、αは、位置変化の割合である。
【0055】
いくつかの実施例は、(補正係数のない)疑似コードで与えられる。実施例は、それぞれの軸における位置変化の場合のみの距離補正Δ=(x,y,z)を示す。実施例において、該距離dは、d=(4,1,1)、すなわち、該x方向における4単位であり、yおよびzに対してそれぞれ一単位である。該ユーザは、該x方向でのみ、動作b=(1,0,0)を実行する。次に、x方向においてのみ、距離補正が実行される。すなわち、該距離補正Δdは、x≠0に対してであり、yおよびzに対しては0である。実施例は、位置変化の該軸のみに沿った距離補正を示す。
【0056】
実施例は、反対方向ではなく、位置変化の該方向のみにおける距離補正(および/または該反対方向においてより小さい距離補正)を示す。実施例において、該距離補正Δdは、測定された動作bの何分の一であり、および多くても、該(それぞれの)軸における該距離Δd(d>ΔdおよびΔd<b)である。実行された距離補正Δdは、該距離dが安定するまで、該補正のみを単に実行するために、dから差し引かれる。
【0057】
実施例において、補正は適応的に実行される。実施例は、該距離補正Δdが、該ユーザの動作bの0~20%の割合に対して実行されることを示している。実施例は、該距離補正Δdが、該ユーザの動作bの約5%であることを示している。実施例は、該距離補正Δdが、該ユーザの動作bに、状況依存補正係数(例えば、誤差とΔdの比)を掛けたものの約5%である。実施例は、該距離補正Δdが、異なる関数(イージング関数)を介して実行できることを示している。実施例は、該メガネを装着したときに(このことは、該メガネのセンサを用いて、明確に検出することができる)、(無線/光学間の)該距離を再設定することを示している。
【0058】
図3aは、推定位置Pと、前の位置P’との間の距離である位置オフセット300の実施例を示す。位置は、x成分xと、y成分yと、z成分zとを含む。該オフセット300は、例えば、x成分とz成分とを含む。該推定位置Pが、x方向において変化した場合、該オフセット300の該x成分を少なくすることができる。該推定位置Pがy方向において変化した場合、該オフセット300は同じ状態のままであり、すなわち、該オフセット300は小さくならない。該オフセットは、追跡した対象物の検出された動きの何分の一かだけ小さくすることができる。低減ステップまたは補正は、一般に、三つの方向、例えば、小部分Δd=(x,y,z)を含む。例えば、x方向における該位置変化が、例えば、b=(1,0,0)である場合、該小部分は、Δd(オフセット300>ΔdおよびΔd≦Δb)とすることができ、および該現在位置の該x成分のみを生じる。このことは、該小部分が、該位置変化よりも小さく、オフセット300が補償されている(compensated)場合、該補正(correction)が停止することを意味している。該小部分は、状況補正係数によって必要に応じて補正された、該位置変化の0~20%および/または5%とすることができる。しかし、前述したように、該小部分は、ユーザの承認による別の値であってもよく、したがって、個別に設定することができる。また、該オフセット300を補償することは、所定の関数、例えば、イージング関数を用いて実現してもよい。
【0059】
図3bは、方位オフセット310の実施例を示す。位置Pにおける対象物は、該対象物のヨー角である推定された方位角度312を有することができる。この推定された方位角度は、例えば、ジャイロスコープ、または、加速度計とジャイロと磁力計の組合せを備えている初期センサシステムによって
決定することができ、例えば、該位置決定システムの領域内の世界空間における絶対的方位を得るのに用いることができる。いくつかの状況においては、基準方位314を、例えば、外部の光学システムによって決定することができる。該基準方位が利用可能である場合、該基準方位は、推定方位として用いることができ、したがって、該推定方位は、(該ジャイロスコープ方位に基づいている)前の推定方位とは異なる方位システム(すなわち、該光学システム)に基づいている。前の位置120と同様に、前の方位314と呼ぶことができる該基準方位314に該
決定された方位を整合または適合させるために、該方位オフセット310を小さくすることが可能である。該オフセット310は、オフセット214、216のように同様の方法で小さくすることができる。このことは、例えば、該方位オフセットの何分の一かも、方位の変化の0~20%とすることができ、または、該小部分を、それぞれの状況に依存する補正係数によって補正することができることを意味している。
【0060】
いくつかの実施例において、該方位システムは、(外部の)基準システムの二つの基準測定値の間に、異なる効果により既に逸脱している可能性があり、その結果、角度誤差Δαが存在する。この誤った方位は、人がこの補正に気付かないように適応される。ここで、該角度誤差の知覚可能なおよび/または目に見えるリセットを防ぐために、必要に応じて、一定の期間、該方位の実際の方位からの逸脱を受け入れてもよい。実施例においては、例外が生じる可能性があり、この場合、第一の基準測定は、(例えば、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)ヘッドセットを装着したときに)適応なしで直接的に設定すべきである。
【0061】
他の実施例では、一定の間隔で、例えば、回転速度(d)の毎回の測定に関しておよび/または毎回のレンダリングフレームに関して、現在の誤った方位αの該基準角度αrへの漸次的補正が実行される。
【0062】
実施例は、該回転角度の変化の場合にのみの角度誤差補正を示す。実施例は、該反対方向ではなく、該回転角度の変化の方向においてのみの角度誤差補正(および/または該反対方向においてより少ない角度誤差補正)を示す。実施例は、垂直軸周りの回転(ω)が、例えば、回転速度センサによって測定される場合にのみ、角度補正Δα’が実行されることを示している。実施例は、該角度補正Δα’が該測定された回転ωの何分の一かであり、および最大限でも、該角度誤差Δα(d>dα’およびΔα’≦Δα)であることを示している。実行された角度補正Δα’は、該角度補正Δα’が安定するまで該補正のみを実行するために、Δαから減じられる。実施例は、角度補正Δα’が、該回転速度ωの0~20%の割合で実行されることを示している。実施例は、角度補正Δα’が、該回転速度ωの約1%であることを示している。実施例は、角度補正Δα’を、異なる関数(イージング関数)を介して実行できることを示している。
【0063】
図4は、それぞれ、対象物402または該対象物におけるトラッカー402’の位置および方位を
決定するための方法100の概略フロー
図400を示す。該方法は、能動的な光学マーカーをトラッカー402’の一部として有する能動的な光学位置決定システム404を用いることと、無線システム406を用いて、該トラッカー402’の該位置を
決定することとを含む。割当て408により、該電波ベースのシステムまたは該光学システムのいずれかが予測410に用いられる。該予測410に従って、該
決定される位置の適応412が行われる。無線伝送414において、該
決定された位置の情報は、該対象物402の該追跡位置を、それぞれのアプリケーションまたは他の装置、例えば、バーチャルリアリティシステムの他の装置まで拡げるように送信することができる。該位置
決定に加えて、方位416の
決定が実行され、また、いくつかの実施例では、例えば、該
決定される方位が、光学システムに基づいており、それに対して、前の方位が初期センサシステムに基づいている場合に、該方位の適応418が実行される。他の光学信号、例えば、該能動的な光学マーカーに自身の起源を有していない反射は、該方法100に従って無視することができる。
【0064】
図5は、概略的な位置決定システム500を示す。該システムは、光学的位置
決定のための追跡装置としてのカメラ502と、電波ベースの位置決定システム用のアンテナ504、例えば、RFアンテナとを備えている。該カメラ502とアンテナ504は、対象物の
決定が実行される領域である領域506の角部に配置されている。他の実施例では、カメラは、中央から該角部まで見ることもでき、そのため、該カメラの逆の配置も同様に可能である。例えば、該カメラ502およびアンテナ504は、高くした位置を実現するために、天井に、または、それぞれのラックまたはスタンドに配置される。該位置決定システム500は、第一のユーザ508および他のユーザ510の位置を
決定することができる。例えば、該位置決定システムは、仮想現実における追跡を実行するためのものであり、該ユーザ508、510は、仮想現実装置512を携帯している。該仮想現実装置は、仮想現実の背景を該ユーザ508、510に見せるディスプレイを備えることができる。該装置は、光学マーカー、特にカメラ502によって検出可能な光信号を放射するように構成された能動的な光学マーカーと、無線トラッカー、例えば、無線信号をアンテナ504に送信するように構成されたトランスミッタまたはトランシーバとをさらに備えている。該マーカーは、例えば、
図6の該トラッカー600によって設けることができる。位置サーバー514は、該それぞれの
決定された位置を集めて、それぞれ該光学および電波ベースのシステムのセンサフュージョンならびに該ユーザ508、510または仮想現実装置512の方位を提供する。位置サーバー514は、該方法100を実行することもでき、したがって、適応、例えば、カメラ502を有する該光学システムを用いることから、アンテナ504を有する該電波ベースのシステムを用いることへの変更を実行することができる。該仮想現実装置512は、該光学システムの適用範囲距離を増加させる能動的な光学マーカーを備えているため、領域506上においては、4つのカメラ502だけが必要とされることが可能である。
【0065】
実施例において、該光学マーカーは、該それぞれのターゲットを識別および同期するために、変調されたパルス状信号を放射することができる。光学的位置が目に見えない場合、検出可能な方法で点滅するように、特定のトラッカーまたはヘッドマウント式装置の光ビーコンを要求または作動させるために、無線周波信号を用いることが可能である。したがって、光学トラッカーの検出性を向上させることができるであろう。
【0066】
ユーザ508の該現在位置204を決定する一つの実施例においては、該光学システム104が用いられ、すなわち、該推定位置は、該第一の仮位置208に基づいている。時刻t1において、ユーザ510は、カメラ502が、該仮想現実装置512への該視認の中断により、該第一の仮位置208を生成できないように、ユーザ508をカバーしている。したがって、第二の仮位置210が、該推定位置の該基本として用いられ、および組合せること118により、該電波ベースのシステムへの変更が、該仮想現実装置512によってユーザ508に見せているシーンにおける急加速につながらないように、該オフセット214が付加される。移行1の間、例えば、該電波ベースのシステムへの変更の後の次の2秒の間、該オフセットは、例えば、該ユーザ508が、彼女が該オフセット214の低減に気付かないように動いた場合、例えば、該位置サーバー514によって低減することができる。移行1の後、ユーザ508の該決定された現在位置は、該電波ベースのシステムに適応させることができ、この場合、該適応は徐々に実行される。ユーザ508の該位置は、無線伝送414により、例えば、それぞれ他のユーザ510またはそれらの仮想現実装置512へ提供することができる。
【0067】
いくつかの実施例においては、該光学および電波ベースの複合位置決定システムが、第一および第二の両方の仮位置を用いて、現在位置に組合されるそれぞれ二つの推定位置を決定することが可能である。効果は、可能性のある予測的決定により該位置を決定する際および該位置決定システムの基本的な機能を確認または検査する際のレイテンシの低減になる。例えば、光学的におよび電波ベースで決定された位置がともに所定の許容範囲内で異なる場合、それらのシステムがエラーなしで作動している可能性が高い。また、無線信号データの変動も補償することができる。それぞれ他の位置決定システムを比較することにより、較正データを最適化することが可能である。
【0068】
図6aは、概略的なトラッカー600を示し、
図6bは、ウェアラブル602に一体化された該トラッカー600を示す。該ウェアラブル602は、該ウェアラブル602を装着しているユーザ606にバーチャルコンテンツを見せるように構成されている可視化装置604をさらに含むヘッドバンドである。該ユーザ508、510は、該トラッカー600および該可視化装置604を仮想現実装置512として備えている該ウェアラブル602を装着することが可能である。
【0069】
該トラッカー600は、光学マーカー608と、無線トランシーバ610とを備えている。該光学マーカーは、例えば、能動的な赤外光とすることができ、または、複数の能動的な赤外光または複数の受動的マーカーを備えることができる。透明ハウジング612は、該赤外光、例えば、赤外線LEDを覆うことができる。該光学マーカー608は、該ウェアラブルが装着された場合、該ユーザ606の頭の上に配置される。この露出した位置により、赤外光ビームをカメラによって感知できる可能性を高めることができ、その結果、該光学システムの信頼性を向上させることができる。該透明ハウジングは、赤外光を、該光学マーカー608の周りの全方向、すなわち360°に放射できるように構成することができる。このようにして、該マーカーの現在位置を、それぞれユーザ606または該光学マーカー608の方位とは無関係に光学的に決定することができる。該トラッカー600は、例えば、該トラッカー600をヘッドバンドまたはヘルメット上にクリップ式で留めることができるフック614またはクリップ614を備えている。該トラッカーは、所与のヘッドセットに依存して、異なる方向に取付けることができる。該フック側から該ヘッドセットの後部への取付けを伴う一つの可能性のある構成が図示されている。
【0070】
いくつかの実施例において、該トラッカーは、他の方法で該頭上に配置することができる。例えば、該トラッカーは、前方または後側でヘッドセットに取付けることができる。
【0071】
図示されているアプローチは、仮想現実/拡張現実(VR/AR)において、異なるシステムを介した追跡を可能にする方法について述べている。VR/ARには、それぞれ、特定の特徴を有している可能性のある二つの追跡方法がある。
【0072】
光学的方法は、高度に正確にすることができ、六自由度(6 degree of freedom:6DOF(x、y、z、ヨー、ロール、ピッチ))、3DOF(x、y、z)、カメラと(受動的)マーカーとの間の小さな距離を実現することができ、視覚的接続が必要である可能性があり、6DOFの場合、カメラおよび/または大きなターゲットまでの小さな距離が必要である可能性があり、ターゲットを介した識別が必要である可能性がある。
【0073】
電波ベースの方法は、信頼性のあるものにすることができ、視覚的接続がなくても作用することができ、広範囲を有し、正確さをより少なくすることができ、通常、トランスミッタごとに、3DOF、すなわち、x、y、zが高精度に設けられることを含むことができる。
【0074】
該ターゲット内での該マーカーの該距離と、該ターゲットから該カメラまでの該距離は、かなりの役目を果たす。該ターゲットから該カメラまでの該距離が大きくなりすぎた場合、該ターゲット内の該マーカーを明瞭に解像することができず(およびその結果として、該ターゲットを検出できない可能性がある)、また、該マーカーの反射も検出することができない可能性がある。受動的マーカーシステムの場合の該距離の範囲は、数メートルである。該ターゲットがもはや検出されない場合、識別は不可能であり、対象物および/またはユーザの明確な配置が失われる。大きな領域の場合、唯一の可能性は、(該領域に対して線形な)カメラの数を明確に増加させることである。ここでは、数百のカメラがすぐに必要になる可能性がある。したがって、光学IRシステムの場合、コストは、該領域のサイズに強く結び付いている。
【0075】
図示されている方法の実施例は、VR/ARアプリケーションの両方の方法の利点を組合せる、無線システムと光学システムの該組合せについて述べている。ここでは、能動的な光学マーカーが用いられる。
【0076】
実施例は、能動的な赤外光マーカー、ターゲットの代わりの人ごとの個別のマーカー、5x5m以上の大きな領域、天井カメラに、該マーカーの適用可能なデザインにおいては、該当する場合、ユーザおよび/またはプロップ(対象物)ごとのいくつかのマーカー、点滅対連続的伝送(現時点での連続使用)に関する。
【0077】
他の実施例は、トランスミッタおよび/またはマーカー(光学、無線)の組合せ、トランスミッタと、マーカーを介した能動的光学放射の組合せ、トランスミッタと、いくつかのマーカーを介したおよび/またはターゲットとしての能動的光学放射の組合せ、両システムを組合せ、および各対象物/ユーザの融合位置を各々提供する位置サーバー、対応する無線マーカーと近くに何ら要することなく、すべての光学的位置(例えば、反射)を廃棄することを示す。
【0078】
他の実施例は、上記システムは、それぞれの関連する他の位置を用いることにより、(覆い隠しによる光学的な、遮蔽による無線の)位置の不具合を補償することができ、レイテンシを低減するために、該システムは、(光学および無線の)両追跡システムの追跡情報の何らかの組合せを利用して、予測位置決定を実行することができ、(光学および無線の)両位置提供システムのデータを、それぞれ個別のシステムの入力データをチェックするのにおよび該入力データを適応的に最適化するのに用いることができることを示している。これは、主に、無線データの変動の低減、(短時間の)データ記録が、知覚できない移行を可能にしているため、該システムが全体として、追跡システムの該不具合を補償できること、原理上、利用を、位置および/または方位を提供する代替的な追跡システムおよび時間導関数に適用することもできることを意味する。
【0079】
他の実施例は、知覚できない移行が、該入力データの漸次的な適応に相当すること、識別不可能なマーカー(ここでは光学マーカー)も、識別可能なマーカー(ここでは無線)を追加することによって識別することができること、該二つの追跡システムは、相互比較により、それらの較正データを相互に最適化することができること、光学的軌跡の助力、すなわち、
・装着時の該識別(割当無線システム/INS・光学間)の改善、および/または
・進行中の動作における、無線システム/INSと光学システムの割当て、
・該光学システムの静的リフレクションの検出/除去による動作分類と並行する、該動作分類(例えば、メガネの装着、立っている人、歩いている人、静止している人)に対するINS(加速、ジャイロスコープ、磁界、バロメーター)に基づくPOSE評価、を示している。
【0080】
いくつかの実施例は、バーチャルのユーザ軌跡を最適化するために、スプライン(異なる入力ストリーム)を用いる。この点において、リグレッサ/分類子における該異なる入力ストリームの組合せを用いた初期学習は、
・無線軌跡と、
・INS軌跡と、
・光学的軌跡(例えば、小さな領域上での学習時の完璧な基準)とを行う。次いで、該進行中の動作(大きな領域)において、該データは、その後、該学習した事実の助けを借りて、不十分な/部分的なデータを最適な軌跡に追加する(ユーザ固有の動作モデル)該リグレッサ/分類子にも通される。
【0081】
6DOFポーズ(x、y、z、ヨー、ロール、ピッチ)の識別および測定に用いられる従来の商業用赤外光システム(IR)の場合、いわゆるターゲットが用いられる。ターゲットは、反射/能動的なマーカーの固有の組合せである。
【0082】
ポーズは、これらの要素、すなわち、
・x、y、zから成る位置と、
・方位α(および/または垂直軸周りのヨーおよび/または回転)とで構成することができる。さらなる角度(ロール、ピッチ)は、該ユーザの該頭のセンサによって明確に決定できるため、必ずしも必要ではない。該ポーズに適応させるために、方位および位置のエラーおよび/または距離が適応される。
【0083】
該無線システムの場合の上記システムに関しては、該光学的位置の不具合の場合に無線位置を利用するために、高度な故障安全性が用いられる。該異なるシステムの位置に関する典型的な過程および該ユーザの結果として生じる経時的な仮想位置が
図2に図示されている。
【0084】
一般に、適応は、漸次的であるように計画される。例外は、(例えば、該VR/ARヘッドセットの装着時に)適応なしで直接的に設定される第一の基準測定である。いくつかの状況において、急な適応は実用的である可能性があり、および例えば、
・シミュレーションした地震:ビューポートおよび/または該仮想カメラが、地震のときのように振られ、および適応(方位および位置の両方)は、当該段階の間に実行することができる;
・エフェクト、すなわち、パーティクルエフェクト、霧、仮想物体により該カメラを隠すことによって、該ビューポートを遮蔽すること;
・該仮想世界をフェードアウトさせること、すなわち、暗闇(黒)、仮想ドアを閉じること;
・該仮想世界の変形(移動、伸長、圧縮、歪曲等)、曲がりくねった経路;によって、該コンテンツからサポートすることができる。
【0085】
したがって、光学的および無線システムは、二つの実質的な利点、すなわち、
・該ターゲットの識別を伴わなくても、複合トランスミッタ(光学/無線)を用いることにより、非別個の光学マーカーに対する別個のIDが(無線を介して)与えられる;
・光学トランスミッタを用いるとともに、可能な限り少数のカメラを用いることにより、高い精度が得られる;という結果が生じるように組合される。
【0086】
上記システムの変更時に、望まないエフェクトまたは位置の急な変化を避けるために、位置および/または方位の適応が実行される。該方法は、光学および無線ではなく、他の複合位置決定システムの場合に同様に実行することができる。実施例は、プレートまたはディスプレイ上のユーザの位置(例えば、指の位置)に関するピエゾ抵抗および/または容量性および/または磁気的位置決定を含む位置決定システムに関連している。他の実施例は、磁界上でのフィンガープリンティングに関連している。
【0087】
既に詳述した実施例および図のうちの一つ以上とともに言及して説明した態様及び形状構成は、他の実施例の同様の形状構成と置き換えるために、または、該形状構成を該他の実施例に追加的に導入するために、該他の実施例のうちの一つ以上と同様に組合せることができる。
【0088】
さらに、実施例は、コンピュータプログラムがコンピュータまたはプロセッサ上で実行される場合に、該上記方法のうちの一つ以上を実行するためのプログラムコードを有する該コンピュータプログラムである可能性があり、または、該コンピュータプログラムに関連している。上述したさまざまな方法のステップ、動作またはプロセスは、プログラムされたコンピュータまたはプロセッサによって実行することができる。また、実施例は、マシン、プロセッサまたはコンピュータが可読でエンコード機械実行可能な、プロセッサが実行可能なまたはコンピュータが実行可能な命令のプログラムであるディジタルデータ記憶媒体等のプログラム記憶装置もカバーすることができる。該命令は、該上述した方法の該動作のいくつかまたはすべての実行を実行し、または引き起こす。該プログラム記憶装置は、例えば、磁気ディスクおよび磁気テープ、ハードドライブ、または、光学的に読み出し可能なディジタルデータ記憶媒体等のディジタルメモリ、磁気記憶媒体とすることができ、または、それらで構成してもよい。さらなる実施例は、該上述した方法の該動作を実行するようにプログラムされたコンピュータ、プロセッサまたは制御ユニットも、または、該上述した方法の該動作を実行するようにプログラムされた(フィールド)プログラマブル論理アレイ((F)PLA)または(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)もカバーすることができる。
【0089】
上記の説明および図面は、本開示の原理を例示しているにすぎない。さらに、本願明細書において列挙したすべての実施例は、本発明者(等)が当該技術の前進に寄与している本開示の該原理および概念を理解する際に読者の役に立つように、単に教育的な目的のために、主として明確に意図されている。本開示の原理、態様および実施例ならびにそれらの具体的な実施例を詳述している本願明細書におけるすべての記述は、それらの等価物を包含することが意図されている。
【0090】
特定の機能を実行「する方法」と示されている機能ブロックは、特定の機能を実行するように構成されている回路を指すものとする。したがって、「何かのための手段」は、それぞれのタスクに関して構成されたか、または、該それぞれのタスクに適した装置または回路等の「何かに関して構成された、または、何かに適している手段」として実施することができる。
【0091】
「手段」、「信号を供給する手段」、「信号を生成する手段」等で標記されている何らかの機能ブロックを含む、該図面に示されているさまざまな要素の機能は、「信号プロバイダ」、「信号処理ユニット」、「プロセッサ」、「コントローラ」等の専用ハードウェアならびに適当なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの形態で実施することができる。プロセッサによって実行される場合、該機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、または、複数の個別のプロセッサによって実行することができ、これらのうちのいくつかまたはすべては共用してもよい。しかし、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアに間違いなく排他的に限定されないが、ディジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納する読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)および不揮発性記憶装置を含んでもよい。従来のおよび/またはカスタムの他のハードウェアも含んでもよい。
【0092】
ブロック図は、例えば、本開示の該原理を実施する高レベルの回路図を示している。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コード等は、コンピュータ可読媒体内で実質的に表現することができ、そのため、このようなコンピュータまたはプロセッサが明確に図示されているか否かに関わらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行することができるさまざまなプロセス、動作またはステップを表すことができる。本明細書にまたはクレーム内に開示されている方法は、それらの方法の該それぞれの動作の各々を実行する手段を有する装置によって実施することができる。
【0093】
本明細書またはクレームに開示されている多くの動作、プロセス、操作、ステップまたは機能に関する開示は、特に明確にまたは暗黙的に記述されていない限り、例えば、技術的理由により、特定の順になっていると解釈しなくてもよい。そのため、多くの動作または機能に関する該開示は、そのような動作または機能が、技術的理由のために置き換え可能でない限り、それらを特定の順番に限定しないであろう。さらに、いくつかの実施例において、単一の動作、機能、プロセス、操作またはステップは、それぞれ、複数のサブ動作、サブ機能、サブプロセス、サブ操作またはサブステップを含んでもよく、またはそれらに分けてもよい。このようなサブ動作は、明確に除外されていない限り、この単一の動作に関する本開示に含めることができ、または、該本開示の一部を含んでもよい。
【0094】
さらに、以下のクレームは、これによって詳細な説明に組み込まれるものとし、各クレームは、それ自体が独立した実施例として有効である。各クレームは、それ自体が独立した実施例として有効であるが、従属クレームは、該クレームにおいては、一つ以上の他のクレームとの特定の組合せを指すが、他の実施例も、該従属クレームと、各他の従属または独立クレームの内容との組合せを含んでもよいことに留意すべきである。このような組合せは、特定の組合せが意図されていると記述されていない限り、本願明細書において明確に提案されている。さらに、このクレームが、該独立クレームに対して従属的に直接作られていない場合であっても、クレームの形状構成を他の任意の独立クレームにも含めることが意図されている。